説明

ブラシレス・コアレス・センサレスモータ

【課題】コイルを一定の形状に維持し、コイルのステータへの取り付けを容易にする。
【解決手段】ブラシレス・コアレス・センサレスモータは、3相のコイル5−1〜5−3を備えたステータと、永久磁石を備えたロータと、コイル5−1〜5−3に発生する、ロータの回転による逆起電圧を検出する逆起電圧検出回路と、逆起電圧検出回路の検出結果からロータの回転位置を検出して、コイル5−1〜5−3への励磁電流の供給を切り換える制御回路とを有する。それぞれ平面視円弧状に固形化したコイル5−1〜5−3を機械的に連結して、コイル5−1〜5−3の各々が発生する磁界がロータの回転軸と直交するように筒状体に成形し、この筒状体をステータに固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラシレス・コアレス・センサレスモータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ロータの回転位置検出用のセンサおよびブラシを持たないブラシレス・センサレスモータが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。このブラシレス・センサレスモータは、3相の励磁コイルに誘起される逆起電圧を用いてロータの位置を検出し、この検出したロータの位置に基づいて各励磁コイルへの通電タイミングを制御することにより、ホール素子等の磁気センサやフォトトランジスタ等の光センサなどからなるロータ位置検出センサを不要としたものである。
【0003】
【特許文献1】特開2000−236691号公報
【特許文献2】特開2005−143187号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1、特許文献2に開示されたブラシレス・センサレスモータでは、ステータを構成するY字型のコアに3相のコイルを巻くようになっている。このようなブラシレス・センサレスモータにおいて、コアを持たないコアレスを実現する場合、コイルを一定の形状に維持する方法とコイルをステータに固定する方法が問題となる。しかしながら、従来、ブラシレス・コアレス・センサレスモータは実現されておらず、このような問題を解消する方法は提案されていなかった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、コイルを一定の形状に維持することができ、コイルをステータに容易に取り付けることができるブラシレス・コアレス・センサレスモータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のブラシレス・コアレス・センサレスモータは、3相の第1のコイルを備えたステータと、永久磁石を備えたロータと、前記第1のコイルに発生する、前記ロータの回転による逆起電圧を検出する逆起電圧検出回路と、この逆起電圧検出回路の検出結果から前記ロータの回転位置を検出して、この検出した回転位置に基づいて前記3相の第1のコイルへの励磁電流の供給を切り換える制御回路とを有し、それぞれ平面視円弧状に固形化した前記3相の第1のコイルを機械的に連結して、前記第1のコイルの各々が発生する磁界が前記ロータの回転軸と直交するように筒状体に成形し、この筒状体を前記ステータに固定するようにしたものである。
また、本発明のブラシレス・コアレス・センサレスモータの1構成例において、さらに、前記ステータは、前記第1のコイルの外側に、前記ロータの回転軸を挟んで対応する相の前記第1のコイルと対向するように配置された3相の第2のコイルを備え、前記制御回路は、前記励磁電流の供給先として選択した前記第1のコイルによる磁界と同方向の磁界が発生するように、この第1のコイルと対応する相の前記第2のコイルに前記励磁電流を供給し、それぞれ平面視円弧状に固形化した前記3相の第2のコイルを機械的に連結して、前記第2のコイルの各々が発生する磁界が前記ロータの回転軸と直交するように筒状体に成形し、この筒状体を前記ステータに固定するようにしたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、それぞれ平面視円弧状に固形化した3相の第1のコイルを機械的に連結して、第1のコイルの各々が発生する磁界がロータの回転軸と直交するように筒状体に成形し、この筒状体をステータに固定することにより、3相の第1のコイルを一定の形状に維持することができ、第1のコイルを固形化してステータに容易に取り付けることができる。
【0008】
また、本発明では、第1のコイルの外側に、ロータの回転軸を挟んで対応する相の第1のコイルと対向するように3相の第2のコイルを配置し、制御回路が、励磁電流の供給先として選択した第1のコイルによる磁界と同方向の磁界が発生するように、この第1のコイルと対応する相の第2のコイルに励磁電流を供給することにより、ロータの回転トルクを強くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態となるブラシレス・コアレス・センサレスモータの構成を示す断面図、図2は図1のブラシレス・コアレス・センサレスモータを上から透視した図である。本実施の形態のブラシレス・コアレス・センサレスモータは、ロータ(回転子)1を構成する外ヨーク2および内ヨーク3と、ロータ1に取り付けられた永久磁石4−N,4−Sと、3相の第1のコイル5−1,5−2,5−3と、コイル5−1〜5−3を保持するコイルホルダ6と、ロータ1の回転を制御するロータ制御回路が搭載された回路基板7と、モータ全体を支える基台となるフランジ8と、ロータ1のシャフト9と、フランジ8に取り付けられ、シャフト9を回転自在に支持する軸受10とを有する。コイルホルダ6と回路基板7とフランジ8とは、ステータ(固定子)を構成している。なお、図2では、記載を簡略化するため、ロータ1と永久磁石4−N,4−Sとコイル5−1〜5−3とシャフト9のみ記載している。
【0010】
次に、本実施の形態におけるロータ1の回転制御について説明する。図3はコイル5−1〜5−3の斜視図、図4はコイル5−1〜5−3の接続図、図5はロータ制御回路の回路図である。本実施の形態では、図3に示すように、それぞれ楕円状または矩形状に巻いた巻線を平たくプレスして平面視円弧状に固形化したコイル5−1〜5−3を機械的に連結して、コイル5−1〜5−3の各々が発生する磁界がシャフト9と直交するように筒状体に成形し、この筒状体をコイルホルダ6に固定するようにしている。各コイル5−1〜5−3の固形化と連結、およびコイルホルダ6への固定には、例えば接着剤を用いる。
【0011】
図4に示すように、コイル5−1,5−2,5−3は、それぞれの一端L1a,L2a,L3a(本実施の形態では巻き終わり側の端子)がロータ制御回路との接続端子となり、他端L1b,L2b,L3b(本実施の形態では巻き始め側の端子)が互いに接続されている。この接続点を中点Cとする。
【0012】
図5に示すように、ロータ制御回路は、3つのコイル5−1〜5−3のうち2つに励磁電流を供給する電源11と、励磁電流が流れない残り1つのコイルに生じる、ロータ1の回転による逆起電圧を検出する逆起電圧検出回路12と、コイル5−1〜5−3の接続端子L1a〜L3aと電源11および逆起電圧検出回路12との間の接続を切り換えるスイッチ13−1〜13−3と、逆起電圧検出回路12の検出結果に基づいてスイッチ13−1〜13−3を制御する制御回路14とを有する。
【0013】
コイル5−1〜5−3とロータ制御回路との接続は、コイルホルダ6を貫通する穴を通して行われる。すなわち、コイルホルダ6を貫通する穴にコイル5−1〜5−3のそれぞれの巻き終わりを通して回路基板7に接続することで、接続端子L1a〜L3aとロータ制御回路とが接続され、同様にコイルホルダ6を貫通する穴にコイル5−1〜5−3のそれぞれの巻き始めを通して回路基板7に接続することで、接続端子L1b〜L3b間が回路基板7上で接続される。
【0014】
図6は本実施の形態におけるロータ1の回転制御を説明するための図である。まず、図6(A)の状態において、制御回路14は、スイッチ13−1をe側に切り換え、スイッチ13−2をd側に切り換え、スイッチ13−3をf側に切り換える。これにより、電源11から供給される励磁電流がコイル5−2からコイル5−1へと流れる。コイル5−1による磁界S1はロータ1の中心から外方向に発生し、コイル5−2による磁界S2は中心方向に発生する。したがって、磁界S1,S2の合成磁界であるステータ磁界Gは図6(A)のように発生する。ロータ1の磁界Rの方向はステータ磁界Gの方向に一致しようとするので、ロータ1はDの方向に回転する。
【0015】
このとき、コイル5−3には、ロータ1の回転位置に応じた逆起電圧が発生する。スイッチ13−3をf側に切り換えたことにより、逆起電圧検出回路12は、コイル5−3に生じた逆起電圧を検出する。そして、制御回路14は、逆起電圧検出回路12の検出結果に基づいて、例えばロータ1の磁界Rの方向が図6(A)のステータ磁界Gの方向に一致する近辺のタイミングで、スイッチ13−1をe側に切り換え、スイッチ13−2をf側に切り換え、スイッチ13−3をd側に切り換える。これにより、励磁電流がコイル5−3からコイル5−1へと流れる。図6(B)はこのスイッチ切換後の状態を示しており、コイル5−1による磁界S1は中心から外方向に発生し、コイル5−3による磁界S3は中心方向に発生する。磁界S1,S3を合成したステータ磁界Gは図6(B)のように発生する。
【0016】
スイッチ13−2をf側に切り換えたことにより、逆起電圧検出回路12は、コイル5−2に生じた逆起電圧を検出する。制御回路14は、逆起電圧検出回路12の検出結果に基づいて、例えばロータ1の磁界Rの方向が図6(B)のステータ磁界Gの方向に一致する近辺のタイミングで、スイッチ13−1をf側に切り換え、スイッチ13−2をe側に切り換え、スイッチ13−3をd側に切り換える。これにより、励磁電流がコイル5−3からコイル5−2へと流れる。図6(C)はこのスイッチ切換後の状態を示しており、コイル5−2による磁界S2は中心から外方向に発生し、コイル5−3による磁界S3は中心方向に発生する。磁界S2,S3を合成したステータ磁界Gは図6(C)のように発生する。
【0017】
スイッチ13−1をf側に切り換えたことにより、逆起電圧検出回路12は、コイル5−1に生じた逆起電圧を検出する。制御回路14は、逆起電圧検出回路12の検出結果に基づいて、例えばロータ1の磁界Rの方向が図6(C)のステータ磁界Gの方向に一致する近辺のタイミングで、スイッチ13−1をd側に切り換え、スイッチ13−2をe側に切り換え、スイッチ13−3をf側に切り換える。これにより、励磁電流がコイル5−1からコイル5−2へと流れる。図6(D)はこのスイッチ切換後の状態を示しており、コイル5−1による磁界S1は中心方向に発生し、コイル5−2による磁界S2は中心から外方向に発生する。磁界S1,S2を合成したステータ磁界Gは図6(D)のように発生する。
【0018】
スイッチ13−3をf側に切り換えたことにより、逆起電圧検出回路12は、コイル5−3に生じた逆起電圧を検出する。制御回路14は、逆起電圧検出回路12の検出結果に基づいて、例えばロータ1の磁界Rの方向が図6(D)のステータ磁界Gの方向に一致する近辺のタイミングで、スイッチ13−1をd側に切り換え、スイッチ13−2をf側に切り換え、スイッチ13−3をe側に切り換える。これにより、励磁電流がコイル5−1からコイル5−3へと流れる。図6(E)はこのスイッチ切換後の状態を示しており、コイル5−1による磁界S1は中心方向に発生し、コイル5−3による磁界S3は中心から外方向に発生する。磁界S1,S3を合成したステータ磁界Gは図6(E)のように発生する。
【0019】
スイッチ13−2をf側に切り換えたことにより、逆起電圧検出回路12は、コイル5−2に生じた逆起電圧を検出する。制御回路14は、逆起電圧検出回路12の検出結果に基づいて、例えばロータ1の磁界Rの方向が図6(E)のステータ磁界Gの方向に一致する近辺のタイミングで、スイッチ13−1をf側に切り換え、スイッチ13−2をd側に切り換え、スイッチ13−3をe側に切り換える。これにより、励磁電流がコイル5−2からコイル5−3へと流れる。図6(F)はこのスイッチ切換後の状態を示しており、コイル5−2による磁界S2は中心方向に発生し、コイル5−3による磁界S3は中心から外方向に発生する。磁界S2,S3を合成したステータ磁界Gは図6(F)のように発生する。
【0020】
スイッチ13−1をf側に切り換えたことにより、逆起電圧検出回路12は、コイル5−1に生じた逆起電圧を検出する。制御回路14は、逆起電圧検出回路12の検出結果に基づいて、例えばロータ1の磁界Rの方向が図6(F)のステータ磁界Gの方向に一致する近辺のタイミングで、スイッチ13−1をe側に切り換え、スイッチ13−2をd側に切り換え、スイッチ13−3をf側に切り換える。前記の図6(A)はこのスイッチ切換後の状態を示している。以上のようにして、ロータ1の回転を制御することができる。
【0021】
本実施の形態では、図3に示すように成形したコイル5−1〜5−3をコイルホルダ6に固定することにより、コイル5−1〜5−3を固形化してステータに容易に取り付けることができる。また、本実施の形態では、各コイル5−1〜5−3をそれぞれ巻き始めから巻き終わりに向かって単純に巻くだけでよいので、各コイル5−1〜5−3の製造工程を簡略化することができる。
【0022】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図7は本発明の第2の実施の形態となるブラシレス・コアレス・センサレスモータを上から透視した図であり、図1、図2と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態のブラシレス・コアレス・センサレスモータは、コイル5−1〜5−3の外側に第2のコイル15−1〜15−3を追加したものである。図7では、ロータ1と永久磁石4−N,4−Sとコイル5−1〜5−3,15−1〜15−3とシャフト9のみ記載している。
【0023】
コイル15−1〜15−3は、シャフト9を挟んで対応する相のコイル5−1〜5−3と対向するように配置されている。すなわち、コイル15−1はシャフト9を挟んでコイル5−1と対向し、コイル15−2はシャフト9を挟んでコイル5−2と対向し、コイル15−3はシャフト9を挟んでコイル5−3と対向している。コイル15−1〜15−3のコイルホルダ6への固定方法はコイル5−1〜5−3と同様であり、それぞれ楕円状または矩形状に巻いた巻線を平たくプレスして平面視円弧状に固形化したコイル15−1〜15−3を機械的に連結して、コイル15−1〜15−3の各々が発生する磁界がシャフト9と直交するように筒状体に成形し、この筒状体をコイルホルダ6に固定するようにしている。
【0024】
図8は本実施の形態におけるコイル5−1〜5−3,15−1〜15−3の接続図、図9は本実施の形態におけるロータ制御回路の回路図である。本実施の形態では、コイル5−1,5−2,5−3の一端L1a,L2a,L3a(本実施の形態では巻き終わり側の端子)がロータ制御回路との接続端子となり、他端L1b,L2b,L3b(本実施の形態では巻き始め側の端子)はそれぞれコイル15−1,15−2,15−3の一端M1b,M2b,M3b(本実施の形態では巻き始め側の端子)と接続されている。また、コイル15−1,15−2,15−3は、それぞれの他端M1a,M2a,M3a(本実施の形態では巻き終わり側の端子)が互いに接続されている。すなわち、コイル15−1はコイル5−1と逆向きに接続され、コイル15−2はコイル5−2と逆向きに接続され、コイル15−3はコイル5−3と逆向きに接続されている。
【0025】
コイル5−1〜5−3,15−1〜15−3とロータ制御回路との接続は、コイルホルダ6を貫通する穴を通して行われる。すなわち、コイルホルダ6を貫通する穴にコイル5−1〜5−3のそれぞれの巻き終わりを通して回路基板7に接続することで、接続端子L1a〜L3aとロータ制御回路とが接続され、同様にコイルホルダ6を貫通する穴にコイル5−1〜5−3,15−1〜15−3のそれぞれの巻き始めを通して回路基板7に接続することで、接続端子L1b〜L3bとM1b〜M3bが回路基板7上で接続され、コイルホルダ6を貫通する穴にコイル15−1〜15−3のそれぞれの巻き終わりを通して回路基板7に接続することで、接続端子M1b〜M3b間が回路基板7上で接続される。
【0026】
本実施の形態の制御回路14aは、逆起電圧検出回路12の検出結果に基づいてスイッチ13−1〜13−3を制御する。図10は本実施の形態におけるロータ1の回転制御を説明するための図である。この図10に示す状態は前記の図6(A)の状態に相当する。図10の状態において、制御回路14aは、スイッチ13−1をe側に切り換え、スイッチ13−2をd側に切り換え、スイッチ13−3をf側に切り換える。これにより、励磁電流がコイル5−2からコイル15−2,15−1を経由してコイル5−1へと流れる。
【0027】
図6(A)の場合と同様に、コイル5−1による磁界S1はロータ1の中心から外方向に発生し、コイル5−2による磁界S2は中心方向に発生する。一方、コイル15−1はコイル5−1と逆向きに接続され、同じくコイル15−2はコイル5−2と逆向きに接続されているので、コイル15−1による磁界U1は中心方向に発生し、コイル15−2による磁界U2はロータ1の中心から外方向に発生する。したがって、磁界S1,U1の合成磁界と、磁界S2,U2の合成磁界が発生するので、これらの磁界の合成磁界であるステータ磁界Gは図10のように発生し、ロータ1はDの方向に回転する。本実施の形態におけるステータ磁界Gは図6(A)の場合よりも強いので、強い回転トルクを得ることができる。
【0028】
以下の回転制御も同様に行えばよい。制御回路14aは、逆起電圧検出回路12がコイル5−3,15−3の逆起電圧を検出した結果に基づいて、ロータ1の磁界Rの方向が図10のステータ磁界Gの方向に一致する近辺のタイミングで、スイッチ13−1をe側に切り換え、スイッチ13−2をf側に切り換え、スイッチ13−3をd側に切り換える。
制御回路14aは、逆起電圧検出回路12がコイル5−2,15−2の逆起電圧を検出した結果に基づいて、ロータ1の磁界Rの方向が図6(B)のステータ磁界Gの方向に一致する近辺のタイミングで、スイッチ13−1をf側に切り換え、スイッチ13−2をe側に切り換え、スイッチ13−3をd側に切り換える。
【0029】
制御回路14aは、逆起電圧検出回路12がコイル5−1,15−1の逆起電圧を検出した結果に基づいて、ロータ1の磁界Rの方向が図6(C)のステータ磁界Gの方向に一致する近辺のタイミングで、スイッチ13−1をd側に切り換え、スイッチ13−2をe側に切り換え、スイッチ13−3をf側に切り換える。
制御回路14aは、逆起電圧検出回路12がコイル5−3,15−3の逆起電圧を検出した結果に基づいて、ロータ1の磁界Rの方向が図6(D)のステータ磁界Gの方向に一致する近辺のタイミングで、スイッチ13−1をd側に切り換え、スイッチ13−2をf側に切り換え、スイッチ13−3をe側に切り換える。
【0030】
制御回路14aは、逆起電圧検出回路12がコイル5−2,15−2の逆起電圧を検出した結果に基づいて、ロータ1の磁界Rの方向が図6(E)のステータ磁界Gの方向に一致する近辺のタイミングで、スイッチ13−1をf側に切り換え、スイッチ13−2をd側に切り換え、スイッチ13−3をe側に切り換える。
制御回路14aは、逆起電圧検出回路12がコイル5−1,15−1の逆起電圧を検出した結果に基づいて、ロータ1の磁界Rの方向が図6(F)のステータ磁界Gの方向に一致する近辺のタイミングで、スイッチ13−1をe側に切り換え、スイッチ13−2をd側に切り換え、スイッチ13−3をf側に切り換える。前記の図10はこのスイッチ切換後の状態を示している。
【0031】
以上のようにして、ロータ1の回転を制御することができる。本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、本実施の形態では、コイル5−1〜5−3の外側にコイル15−1〜15−3を配置し、ロータ制御回路が、コイル5−1〜5−3のうち励磁電流の供給先として選択した2相のコイルによる磁界と同方向の磁界が発生するように、コイル15−1〜15−3の中から対応する2相のコイルを選択して励磁電流を供給することにより、第1の実施の形態よりも強い回転トルクを得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、モータに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第1の実施の形態となるブラシレス・コアレス・センサレスモータの構成を示す断面図である。
【図2】図1のブラシレス・コアレス・センサレスモータを上から透視した図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるコイルの斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるコイルの接続図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるロータ制御回路の回路図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態におけるロータの回転制御を説明するための図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態となるブラシレス・コアレス・センサレスモータを上から透視した図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態におけるコイルの接続図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態におけるロータ制御回路の回路図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態におけるロータの回転制御を説明するための図である。
【符号の説明】
【0034】
1…ロータ、2…外ヨーク、3…内ヨーク、4−N,4−S…永久磁石、5−1〜5−3,15−1〜15−3…コイル、6…コイルホルダ、7…回路基板、8…フランジ、9…シャフト、10…軸受、11…電源、12…逆起電圧検出回路、13−1〜13−3,16−1〜16−3…スイッチ、14,14a…制御回路。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
3相の第1のコイルを備えたステータと、
永久磁石を備えたロータと、
前記第1のコイルに発生する、前記ロータの回転による逆起電圧を検出する逆起電圧検出回路と、
この逆起電圧検出回路の検出結果から前記ロータの回転位置を検出して、この検出した回転位置に基づいて前記3相の第1のコイルへの励磁電流の供給を切り換える制御回路とを有し、
それぞれ平面視円弧状に固形化した前記3相の第1のコイルを機械的に連結して、前記第1のコイルの各々が発生する磁界が前記ロータの回転軸と直交するように筒状体に成形し、この筒状体を前記ステータに固定することを特徴とするブラシレス・コアレス・センサレスモータ。
【請求項2】
請求項1記載のブラシレス・コアレス・センサレスモータにおいて、
さらに、前記ステータは、前記第1のコイルの外側に、前記ロータの回転軸を挟んで対応する相の前記第1のコイルと対向するように配置された3相の第2のコイルを備え、
前記制御回路は、前記励磁電流の供給先として選択した前記第1のコイルによる磁界と同方向の磁界が発生するように、この第1のコイルと対応する相の前記第2のコイルに前記励磁電流を供給し、
それぞれ平面視円弧状に固形化した前記3相の第2のコイルを機械的に連結して、前記第2のコイルの各々が発生する磁界が前記ロータの回転軸と直交するように筒状体に成形し、この筒状体を前記ステータに固定することを特徴とするブラシレス・コアレス・センサレスモータ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−124808(P2007−124808A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−313975(P2005−313975)
【出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【出願人】(000121833)応研精工株式会社 (31)
【Fターム(参考)】