説明

ブレーキ装置

【課題】 バルブの軸方向寸法を短くできるブレーキ装置を提供する。
【解決手段】 マスタシリンダとホイルシリンダとの間に設けられ、マスタシリンダとホイルシリンダとをつなぐ油通路21,22が形成されたハウジング20と、ハウジング20に形成され油通路21,22を断接するバルブ本体23が装着されるバルブ装着孔24と、を備え、バルブ本体23は、内部に第1油路33を有した円筒状部材であってバルブシート面34を備えたシート部材28と、バルブシート面34の半径方向に向かって延在するフランジ部35と、フランジ部35の軸方向に形成され第1油路33および油通路21とつながる第2油路36と、シート部材28のバルブシート面34に当接して第1,第2油路33,36間を断接するボール弁体37を有するアーマチュア26と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレーキ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、バルブ内外を連通する油路を、バルブシート面を備えたシート部材の外周に設けた軸方向油路により構成したノーマルクローズ型電磁弁が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-97567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では、シート部材はバルブボディに圧入固定され、バルブボディはハウジングに形成されたバルブ装着孔にカシメ固定されている。このため、シート部材をバルブボディに対して強固に固定するにはシート部材の圧入部分をできるだけ長く取る必要があり、その分だけ軸方向油路を延長しなければならず、結果としてバルブの軸方向寸法が長くなるという問題があった。
本発明の目的は、バルブの軸方向寸法を短くできるブレーキ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のブレーキ装置では、シート部材のバルブシート面に半径方向に向かって延在するフランジ部を設け、このフランジ部にシート部材内部の第1油路とバルブ外部の油通路とを連通する第2油路を設けた。
【発明の効果】
【0006】
よって、本発明によれば、バルブの軸方向寸法を短くできる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施例1のブレーキ装置の油圧回路図である。
【図2】実施例1のノーマルクローズ型電磁弁の構成を示す縦断面図である。
【図3】実施例2のノーマルクローズ型電磁弁の構成を示す縦断面図である。
【図4】実施例3のノーマルクローズ型電磁弁の構成を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明のブレーキ装置を実施するための形態を、図面に示す実施例に基づいて説明する。
【0009】
〔実施例1〕
構成を説明する。
[ブレーキ装置]
図1は、実施例1のブレーキ装置の油圧回路図であり、実施例1のブレーキ装置は、モータ,ポンプ,電磁弁およびセンサ等が搭載されるとともに、マスタシリンダM/CとホイルシリンダW/Cとの間に介在された油圧制御ユニットHUと、この油圧制御ユニットHUに一体に取り付けられ各要素を制御するコントロールユニットCUとから構成された機電一体型のブレーキ倍力装置である。なお、機電一体の構成に限定するものではなく、油圧制御ユニットHUとコントロールユニットCUとが別体の構成であってもよく、特に限定しない。
実施例1の油圧回路は、P系統とS系統の2系統からなる、X配管と呼ばれる配管構造を有する。
P系統には、左前輪のホイルシリンダW/C(FL)、右後輪のホイルシリンダW/C(RR)が接続され、S系統には、右前輪のホイルシリンダW/C(FR)、左後輪のホイルシリンダW/C(RL)が接続されている。また、P系統、S系統それぞれに、ポンプPPとポンプPSとが設けられ、このポンプPPとポンプPSは、1つの電動モータ(以下、モータ)Mによって駆動される。実施例1では、モータMとして、DCブラシモータを用いている。
ブレーキペダルBPには、ブレーキペダルBPの操作状態を検出するブレーキスイッチBSが設けられている。ブレーキペダルBPは、インプットロッド1を介してマスタシリンダM/Cに接続されている。なお、インプットロッド1の入力を倍力するブースタを備えた構成としてもよい。
【0010】
マスタシリンダM/CとポンプPP,PS(以下、ポンプP)の吸入側とは、管路(第1通路)11P,11S(以下、管路11)によって接続されている。この各管路11上には、ノーマルクローズ型電磁弁であるゲートインバルブ2P,2Sが設けられている。マスタシリンダM/Cとゲートインバルブ2Pとの間には、マスタシリンダM/Cの圧力を検出する圧力センサPMCが設けられている。
また、管路11上であって、ゲートインバルブ2P,2S(以下、ゲートインバルブ2)とポンプPとの間にはチェックバルブ6P,6S(以下、チェックバルブ6)が設けられ、この各チェックバルブ6は、ゲートインバルブ2からポンプPへ向かう方向へのブレーキ液の流れを許容し、反対方向の流れを禁止する。
各ポンプPの吐出側と各ホイルシリンダW/Cとは、管路12P,12S(以下、管路12)によって接続されている。この各管路12上には、各ホイルシリンダW/Cに対応するノーマルオープン型電磁弁であるソレノイドインバルブ4FL,4RR,4FR,4RL(以下、ソレノイドインバルブ4)が設けられている。
また、各管路12上であって、各ソレノイドインバルブ4とポンプPとの間にはチェックバルブ7P,7S(以下、チェックバルブ7)が設けられて、この各チェックバルブ7は、ポンプPからソレノイドインバルブ4へ向かう方向へのブレーキ液の流れを許容し、反対方向の流れを禁止する。
さらに、各管路12には、各ソレノイドインバルブ4を迂回する管路17FL,17RR,17FR,17RL(以下、管路17)が設けられ、この管路17には、チェックバルブ10FL,10RR,10FR,10RL(以下、チェックバルブ10)が設けられている。この各チェックバルブ10は、ホイルシリンダW/CからポンプPへ向かう方向へのブレーキ液の流れを許容し、反対方向の流れを禁止する。
【0011】
マスタシリンダM/Cと管路12とは管路(第2通路)13P,13S(以下、管路13)によって接続され、管路12と管路13とはポンプPとソレノイドインバルブ4との間において合流する。この各管路13上には、ノーマルオープン型電磁弁であるゲートアウトバルブ3P,3S(以下、ゲートアウトバルブ3)が設けられている。ここで、管路13のうち、ゲートアウトバルブ3よりもマスタシリンダ側の管路をマスタ側管路13aとし、ホイルシリンダ側の管路をホイル側管路13bとする。
また各管路13には、各ゲートアウトバルブ3を迂回する管路18P,18S(以下、管路18)が設けられ、この管路18には、チェックバルブ9P,9S(以下、チェックバルブ9)が設けられている。この各チェックバルブ9は、マスタシリンダM/C側からホイルシリンダW/Cへ向かう方向のブレーキ液の流れを許容し、反対方向の流れを禁止する。
ポンプPの吸入側にはリザーバ16P,16S(以下、リザーバ16)が設けられ、このリザーバ16とポンプPとは管路15P,15S(以下、管路15)によって接続されている。リザーバ16とポンプPとの間にはチェックバルブ8P,8S(以下、チェックバルブ8)が設けられて、この各チェックバルブ8は、リザーバ16からポンプPへ向かう方向のブレーキ液の流れを許容し、反対方向の流れを禁止する。
ホイルシリンダW/Cと管路15とは管路14P,14S(以下、管路14)によって接続され、管路14と管路15とはチェックバルブ8とリザーバ16との間において合流する。この各管路14には、それぞれノーマルクローズ型電磁弁であるソレノイドアウトバルブ5FL,5RR,5FR,5RL(以下、ソレノイドアウトバルブ5)が設けられている。
コントロールユニットCUは、圧力センサPMCにより検出されたマスタシリンダ圧Pmcや各種車両情報(車輪速、車両加速度)に基づいて、アンチスキッドブレーキ制御(ABS)や車両挙動安定化制御(VDC)の制御目標値を演算し、ゲートインバルブ2、ゲートアウトバルブ3、ソレノイドインバルブ4、ソレノイドアウトバルブ5およびモータMの作動を制御する。
【0012】
[ノーマルクローズ型電磁弁]
図2は、実施例1のゲートインバルブ2またはソレノイドアウトバルブ5として用いられるノーマルクローズ型電磁弁の構成を示す縦断面図である。
ハウジング20は、マスタシリンダM/CとホイルシリンダW/Cとの間に設けられ、マスタシリンダM/CとホイルシリンダW/Cとをつなぐ油通路21,22が形成されている。図2のノーマルクローズ型電磁弁がゲートインバルブ2である場合、図1の管路11が油通路21,22に対応し、ソレノイドアウトバルブ5である場合、図1の管路14が油通路21,22に対応する。ハウジング20には、油通路21,22を断接するバルブ本体23が装着されるバルブ装着孔24が形成されている。油通路21,22は、バルブ装着孔24を介して連通している。
コイル25は、電磁弁において吸引力を発生させるためのもので、通電時に磁界を形成する。コイル25は、コイル外側の磁路を形成するコイルヨーク(不図示)により周囲を覆われている。
バルブ本体23は、アーマチュア26と、ボディセンタ27と、シート部材28と、フィルタ部材29とを有する。
アーマチュア26は、コイル25の内周側に配置され、オイルシール用シリンダ30内を軸方向移動可能に設けられている。アーマチュア26は、磁性材料で形成されている。オイルシール用シリンダ30は、非磁性材料で形成されている。
ボディセンタ27は、磁性材料(例えば、鉄:磁気回路を構成する強磁性材料)で形成されている。ボディセンタ27は、コイル25の非通電時、アーマチュア26との間の軸方向間に、所定の空隙(エアギャップ)をもって配置される。
アーマチュア26のボディセンタ側端部には凹部31が形成され、凹部31の底面31aとボディセンタ27のアーマチュア側端部27aとの間には、コイルスプリング32が圧縮状態で介装されている。コイルスプリング32は、アーマチュア26をボディセンタ27から離れる方向、すなわち、電磁弁を閉弁する方向に付勢している。
【0013】
シート部材28は、内部の軸方向に第1油路33を有した円筒状部材であって、アーマチュア側端部にバルブシート面34を備える。シート部材28は、金型成型やプレス成型により成形された金属部品である。第1油路33は、油通路21と連通している。第1油路33のアーマチュア側端部には、オリフィス33aが形成されている。バルブシート面34の半径方向には、フランジ部35が延在されている。フランジ部35は、シート部材28のバルブシート面側を半径方向に延在して円形状に形成されている。オイルシール用シリンダ30のシート部材側端部には、フランジ部35の外周縁と嵌合する断面L字状の嵌合部30aが形成されている。嵌合部30aは、フランジ部35と一体にバルブ装着孔24にカシメ固定される。
フランジ部35の軸方向には、オイルシール用シリンダ30内部の弁室40とつながる貫通孔である第2油路36がフランジ部周方向に所定ピッチで複数形成されている。
アーマチュア26のシート部材側端部には、バルブシート面34と当接して第1油路33,第2油路36間を断接する球形状のボール弁体(弁体)37が設けられている。ボール弁体37は、例えば、ロックウェル硬さが60〜65程度の非磁性体で形成されている。
フィルタ部材29は、合成樹脂により略円筒状に形成され、シート部材28の外周に配置されている。フィルタ部材29は、油通路21,22間を通過するブレーキ液を濾過するメッシュ状のフィルタ部38を有する。フィルタ部38は、油通路21と対向する位置に配置されている。
フィルタ部材29の内周であってシート部材側には、第2油路36とフィルタ部38とを連通する環状の油溝29aが形成されている。
シート部材28の外周であってフィルタ部材29よりも油通路22側の位置とバルブ装着孔24との間には、シール部材39が介装されている。
【0014】
作用を説明する。
実施例1のノーマルクローズ型電磁弁では、シート部材28にフランジ部35を形成し、フランジ部35の軸方向にバルブ内外(弁室40と油通路21)を連通する複数の第2油路36を設けたため、第2油路36の長さをフランジ部35の厚み(軸方向寸法)に抑えることができる。そして、シート部材28の長さは、第2油路36の長さに依存しないため、シート部材の外周に軸方向油路を設ける従来のノーマルクローズ型電磁弁と比較して、シート部材28の軸方向寸法を短縮できる。
また、実施例1のノーマルクローズ型電磁弁をゲートインバルブ2またはソレノイドアウトバルブ5として用いることで、ユニットの小型化にも寄与する。通常、ゲートインバルブやソレノイドアウトバルブなどに用いられるノーマルクローズ型電磁弁は、ハウジングにおいてポンプ近傍に配置される。ポンプはゲートインバルブを介してマスタシリンダからブレーキ液を吸入するため、ポンプ作動時の管路抵抗を小さくするためには、ゲートインバルブを出来るだけポンプ近傍に配置する方が好ましいからである。また、ホイルシリンダからソレノイドアウトバルブを介して流出したブレーキ液はリザーバに貯留された後、ポンプに吸入されるため、ポンプ作動時の管路抵抗を小さくするためには、リザーバを出来るだけポンプ近傍に配置すると共にソレノイドアウトバルブを出来るだけリザーバ近傍に配置した方が好ましいからである。
したがって、ポンプ近傍に配置されるゲートインバルブやソレノイドアウトバルブの軸方向寸法が長いと、ユニットのレイアウト性が悪化し、小型化の妨げとなるのに対し、実施例1のノーマルクローズ型電磁弁をゲートインバルブ2またはソレノイドアウトバルブ5に適用することで、ゲートインバルブ2またはソレノイドアウトバルブ5の軸方向寸法を短くできるため、ユニットの小型化を図ることができる。
【0015】
また、実施例1では、シート部材28のフランジ部35をバルブ装着孔24にカシメ固定する。つまり、実施例1のシート部材28は、従来のノーマルクローズ型電磁弁におけるシート部材とバルブボディとを一体化したものと同等であるため、従来装置に対して部品点数を少なくでき、コスト低減を図ることができる。
ここで、従来装置では、シート部材の外周に軸方向油路を設けているため、シート部材とバルブボディとを一体に形成した場合、軸方向油路の加工が非常に困難であり、シート部材とバルブボディとを一体に形成することは難しい。つまり、実施例1のようにシート部材28にフランジ部35を設け、フランジ部35に第2油路36を形成することにより、シート部材とバルブボディとの一体化を図りつつ、第1油路33および油通路21とつながる第2油路36を簡単に形成できる。
さらに、実施例1のシート部材28は、従来装置のようにシート部材をバルブボディに対し強固に圧入固定するための長さを確保する必要がないため、バルブの軸方向寸法をより短くできる。
【0016】
効果を説明する。
実施例1のブレーキ装置にあっては、以下に列挙する効果を奏する。
(1) マスタシリンダM/CとホイルシリンダW/Cとの間に設けられ、マスタシリンダM/CとホイルシリンダW/Cとをつなぐ油通路21,22が形成されたハウジング20と、ハウジング20に形成され油通路21,22を断接するバルブ本体23が装着されるバルブ装着孔24と、を備え、バルブ本体23は、内部に第1油路33を有した円筒状部材であってバルブシート面34を備えたシート部材28と、バルブシート面34の半径方向に向かって延在するフランジ部35と、フランジ部35の軸方向に形成され第1油路33および油通路21とつながる第2油路36と、シート部材28のバルブシート面34に当接して第1,第2油路33,36間を断接するボール弁体37を有するアーマチュア26と、を備えた。
これにより、バルブの軸方向寸法を短縮でき、ユニットの小型化を図ることができる。
(2) フランジ部35は、シート部材28のバルブシート面側を半径方向に延在して形成されているため、フランジ部35をシート部材28と一体に形成することで、部品点数を抑えてコスト低減を図ることができると共に、バルブの軸方向寸法をより短縮できる。
【0017】
〔実施例2〕
構成を説明する。
図3は、実施例2のノーマルクローズ型電磁弁の構成を示す縦断面図である。
実施例2では、フィルタ部材41のフランジ部側端部に、シート部材28のフランジ部35と軸方向に重なるフランジ42が形成されている。フランジ42には、各第2油路36と対向する位置に、油通路21,22間を通過するブレーキ液を濾過する複数のフィルタ部43が設けられている。フィルタ部43はメッシュ状に形成されている。フィルタ部材41の内周面はシート部材28の外周面と当接している。フィルタ部43と油通路21は、バルブ装着孔24においてフィルタ部材41の外周に画成された環状の空間44を介して連通されている。
なお、他の構成は実施例1と同様であるため、説明を省略する。
作用を説明する。
実施例2では、フィルタ部材41のフランジ42にフィルタ部43を設けた。すなわち、フィルタ部材41の軸方向にフィルタ部が設けられていないため、フィルタ部41およびシート部材28の軸方向寸法を短くでき、バルブの軸方向寸法をより短縮できる。
効果を説明する。
実施例2のブレーキ装置にあっては、実施例1の効果(1),(2)に加え、以下の効果を奏する。
(3) 第2油路36と油通路21との間にフィルタ部43を有するフィルタ部材41を設け、フィルタ部材41は、フィルタ部43が第2油路36と対向するようにフランジ部35に重なり合う位置に配置されているため、バルブの軸方向寸法をより短縮できる。
【0018】
〔実施例3〕
構成を説明する。
図4は、実施例3のノーマルクローズ型電磁弁の構成を示す縦断面図である。
実施例3では、フランジ部51がシート部材52と別体に設けられている。
シート部材52は、内部の軸方向に第1油路33を有した円筒状部材であって、アーマチュア側端部にバルブシート面34を備える。第1油路33は、油通路21と連通している。第1油路33のアーマチュア側端部には、オリフィス33aが形成されている。バルブシート面34の半径方向には、フランジ部51のアーマチュア側への軸方向移動を規制する係止部52aが形成されている。
フランジ部51は、環状に形成され、中心にシート部材52が圧入される開口部51aが設けられている。開口部51aは係止部52aの外径よりも小径に設定されている。開口部51aには、フランジ周方向に所定ピッチで複数の切り欠き53が形成され、この切り欠き53の内周縁とシート部材52の外周縁とで囲まれた空間により弁室40とつながる第2油路が構成される。切り欠き53のアーマチュア側開口縁の一部は係止得52aで塞がれるため、開口縁の径を拡大してブレーキ液の流路面積を確保している。以下の説明では、切り欠き53を第2油路53として説明する。
なお、他の構成は実施例1と同様であるため、説明を省略する。
【0019】
作用を説明する。
実施例3では、フランジ部51をシート部材52と別体に設けたため、実施例1,2と比較して、フランジ部51およびシート部材52を成形する際の加工を容易に行うことができる。また、両者を別に加工することで加工精度が向上するため、バルブの組み付け精度やシール性能が高められる。
効果を説明する。
実施例3のブレーキ装置にあっては、実施例1の効果(1)に加え、以下の効果を奏する。
(4) フランジ部51をシート部材52と別体に設けたため、両者を成形する際の加工の容易化および加工精度の向上を図ることができる。
【0020】
〔他の実施例〕
以上、本発明を実施するための形態を実施例に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例に示した構成に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、実施例2と3を組み合わせた構成としてもよい。すなわち、フィルタ部材のフィルタ部を第2油路と対向するように配置し、フランジ部をシート部材と別体に設けてもよい。
本発明は、ノーマルオープン型電磁弁にも適用できる。
フランジ部に形成される第2油路の数は任意であり、1つでもよい。
【符号の説明】
【0021】
M/C マスタシリンダ
W/C ホイルシリンダ
20 ハウジング
21 油通路
22 油通路
23 バルブ本体
24 バルブ装着孔
26 アーマチュア
28 シート部材
33 第1油路
34 バルブシート面
35 フランジ部
36 第2油路
37 ボール弁体(弁体)
41 フィルタ部材
43 フィルタ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスタシリンダとホイルシリンダとの間に設けられ、前記マスタシリンダと前記ホイルシリンダとをつなぐ油通路が形成されたハウジングと、
前記ハウジングに形成され前記油通路を断接するバルブ本体が装着されるバルブ装着孔と、
を備え、
前記バルブ本体は、
内部に第1油路を有した円筒状部材であってバルブシート面を備えたシート部材と、
前記バルブシート面の半径方向に向かって延在するフランジ部と、
前記フランジ部の軸方向に形成され前記第1油路および前記油通路とつながる第2油路と、
前記シート部材のバルブシート面に当接して前記第1,第2油路間を断接する弁体を有するアーマチュアと、
を備えたことを特徴とするブレーキ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のブレーキ装置において、
前記フランジ部は、前記シート部材の前記バルブシート面側を半径方向に延在して形成されていることを特徴とするブレーキ装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のブレーキ装置において、
前記第2油路と前記油通路との間にフィルタ部を有するフィルタ部材を設け、
前記フィルタ部材は、前記フィルタ部が前記第2油路と対向するように前記フランジ部に重なり合う位置に配置されていることを特徴とするブレーキ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−162118(P2012−162118A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−22216(P2011−22216)
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】