説明

プラズマ処理システムにおける電流制御

【課題】
【解決手段】少なくともウエハを処理するためにプラズマを生成するプラズマ処理システムが開示されている。プラズマ処理システムは、プラズマの少なくとも一部を維持するための電流を伝導するコイルを備える。プラズマ処理システムは、さらに、位相角を測定することなく供給電流の量を測定して供給電流の電流量測定値を提供するためにコイルに接続されたセンサを備える。供給電流は、上記の電流、または、(例えば、上記の電流を含む)複数の電流を提供するために用いられる全電流である。プラズマ処理システムは、さらに、位相角測定値に関連する情報を用いることなく、電流量測定値および/または電流量測定値を用いて得られた情報を用いてコマンドを生成し、供給電流の量および/または全電流の量を制御するためのコマンドを提供するために、センサに接続された制御器を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマ処理システムに関し、特に、プラズマ特性(プラズマ密度、プラズマ均一性などの内の1または複数)を制御するために電流制御を行うことができるプラズマ処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
誘電結合プラズマ(ICP)システムおよびトランス結合プラズマ(TCP)システムなどのプラズマ処理システムが、ウエハ上にデバイスを加工するために様々な業界で用いられている。例えば、それらの業界としては、半導体、磁気読み出し/書き込みおよび記憶、光学システム、ならびに、微小電気機械システム(MEMS)業界が挙げられる。プラズマ処理システムは、デバイスフィーチャをウエハ上に形成できるように、ウエハに対してエッチングおよび/または蒸着を実行するために、プラズマ処理チャンバ内でプラズマを生成および維持しうる。デバイスの加工において、特定の製品歩留まり要件および/または特定のフィーチャ仕様を満足するには、特定のレシピに規定されたプラズマ特性を制御することが重要でありうる。
【0003】
通例、プラズマ制御は、プラズマ処理システムの電力発生器(例えば、高周波電力発生器すなわちRF発生器)によって供給される電力の制御を含みうる。一般に、2つの典型的な電力制御モードが存在しうる:すなわち、順方向電力モードおよび供給電力モードである。
【0004】
順方向電力モードにおいて、RF発生器は、例えば、プラズマ処理システムの整合回路網の入力における50オームの負荷になりうる。整合回路網が50オームに調整された場合、整合回路網の入力に供給される電力は、順方向電力と同じでありうる。しかしながら、整合回路網が50オームに調整されない場合には、反射電力が存在しうるため、整合回路網の入力に供給される電力は、順方向電力と異なりうる。
【0005】
供給電力モードにおいて、RF発生器は、整合回路網の入力におけるインピーダンスに関係なく、必要な電力を整合回路の入力に供給しうる。供給電力モードでは、整合回路網の入力におけるインピーダンスが、所定の値(例えば、50オーム)に調整されていない場合には、反射電力が存在しうる。整合回路の入力におけるインピーダンスが、50オームに調整されている、すなわち、整合条件かつ安定状態にある場合、順方向電力モードと供給電力モードとの間には差が存在しえない。
【0006】
典型的な電力制御モード(例えば、順方向電力モードまたは供給電力モード)において、プラズマ処理システムのRFシステムは、重要なパラメータの変化に反応することなく、所定の電力入力を用いて開ループで動作しうる。例えば、整合回路網の出力におけるインピーダンスが変化しうる。変化は、例えば、プラズマ処理チャンバ内での材料蒸着、構成要素の変形、プラズマ処理中の温度変化などによって生じうる。変化は、プラズマ処理チャンバ間でのハードウェアレイアウトのばらつきによって引き起こされる場合もある。結果として、RF発生器の電力の精度および整合回路網の反射電力の精度が満足に維持されている場合でも、整合回路網の出力におけるインピーダンスの変化は、1または複数の電源コイルにおける1または複数のRF電流の実質的な変動を引き起こすことがあり、したがって、プラズマ特性の重大な変動、ひいては、ウエハの処理結果の変動を引き起こしうる。
【0007】
所望のプラズマ特性を達成および維持するには、同じレシピが用いられても、異なるバッチのウェハを処理するための処理実行の間に再較正が必要とされる場合があり、プラズマ処理システムの構成要素を交換する際、または、異なるプラズマ処理システムを用いる際に、処理の再検定が必要とされる場合がある。再較正および処理の再検定はいずれも、生産性を著しく低下させる可能性があり、デバイス製造のコストを大幅に増大させうる。
【0008】
フィードバックを提供して閉ループ電力制御を実装するために、整合回路網の出力に供給された電力を測定する試みがなされうる。一般に、電力の測定は、電圧、電流、および、電力に関連する電圧と電流との間の位相角の測定を必要としうる。位相角の測定における比較的小さい誤差が、電力測定の非常に大きい誤差につながりうる。閉ループ電力制御を実装するには、高い精度を有する高性能のセンサまたは測定メカニズムが必要とされうる。結果として、かなりのコストが掛かりうる。
【発明の概要】
【0009】
本発明の一実施形態は、少なくともウエハを処理するためにプラズマを生成するプラズマ処理システムに関する。プラズマ処理システムは、プラズマの少なくとも第1の部分を維持するための第1の電流を伝導するための第1のコイルを備えてよい。プラズマ処理システムは、さらに、供給電流の位相角を測定することなく供給電流の量を測定して第1の電流量測定値を提供するために第1のコイルに接続された第1の電流量センサを備える。供給電流は、第1の電流であってもよいし、複数の電流を提供するために用いられる全電流であってもよい。複数の電流は、供給電流が全電流である場合に、第1の電流を含んでよい。プラズマ処理システムは、さらに、位相角測定値に関連する情報を用いることなく、第1の電流量測定値および第1の電流量測定を用いて得られた情報の少なくとも一方を用いて第1のコマンドを生成し、供給電流の量および全電流の量の少なくとも一方を制御するための第1のコマンドを提供するために、第1の電流量センサに接続された第1の制御器を備える。
【0010】
上述の発明の概要は、本明細書に開示された本発明の多くの実施形態の内の1つのみに関するものであり、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を限定する意図はない。添付の図面を参照しつつ行う本発明の詳細な説明において、本発明の上述の特徴およびその他の特徴を詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
添付の図面では、限定ではなく例示を目的として本発明を図示する。なお、これらの添付図面においては、同様の構成要素には同様の符号が付されている。
【0012】
【図1】本発明の1または複数の実施形態に従って、電流制御メカニズムを備えるプラズマ処理システムの断面を示す概略図。
【0013】
【図2】本発明の1または複数の実施形態に従って、電流制御メカニズムを有するプラズマ処理システムの電力システムの電気モデルを示す概略図。
【0014】
【図3】本発明の1または複数の実施形態に従って、電流制御メカニズムを有するプラズマ処理システムの電力システムの電気モデルを示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、添付図面に例示されたいくつかの実施形態を参照しつつ、本発明の詳細な説明を行う。以下の説明では、本発明の完全な理解を促すために、数多くの具体的な詳細事項が示されている。しかしながら、当業者にとって明らかなように、本発明は、これらの具体的な詳細事項の一部または全てがなくとも実施することが可能である。また、本発明が不必要に不明瞭となるのを避けるため、周知の処理工程および/または構造については、詳細な説明を省略した。
【0016】
本発明の1または複数の実施形態は、少なくとも基板(またはウエハ)を処理するためにプラズマを生成するプラズマ処理システムに関する。プラズマ処理システムは、プラズマの少なくとも一部を維持するための供給電流(例えば、RF電流)を伝導するためのコイルを備えてよい。プラズマ処理システムは、さらに、コイルに接続された電流量センサを備えてよい。電流量センサは、供給電流の位相角を測定することなく電流量の測定値を提供するために、供給電流量を測定しうる。プラズマ処理システムは、さらに、電流量センサに接続された制御器を備えてよい。制御器は、位相角測定値に関連する情報を利用することなく、電流量測定値を利用して、および/または、第1の電流量測定値を用いて得られた情報を利用して、コマンドを生成しうる。制御器は、供給電流量を制御するために、プラズマ処理システムの電力発生器(例えば、RF電力発生器)にコマンドを供給してよい。
【0017】
プラズマ処理システムは、電流量センサを用いてフィードバック情報を提供することによって、供給電流の閉ループ制御を可能にする。有利なことに、プラズマの特性は、製品歩留まり要件および/またはフィーチャ仕様を満たすように適切に制御されうる。
【0018】
閉ループ電流制御により、本発明の実施形態は、実行間での処理の再現性およびチャンバ間での再現性を提供して、従来のプラズマ処理システムで必要になる再較正および再検定の必要性を排除することができる。有利なことに、本発明の実施形態は、デバイス製造における実質的な生産性の向上と実質的なコストの削減とを可能にしうる。
【0019】
閉ループ制御の実装において、本発明の実施形態は、低コストの電流量センサを利用して、位相角を測定する高価な高精度測定メカニズムの必要性を排除しうる。有利なことに、本発明の実施形態は、閉ループプラズマ特性制御の実装に関連するコストを最小化しうる。
【0020】
本発明の1または複数の実施形態は、閉ループ電流制御メカニズムに加えて、プラズマ特性の制御においてさらに高い制御性および/または精度を提供するために分配器を備えるプラズマ処理システムに関する。分配器は、供給電流(または全電流)を個々の電流に分配し、個々の電流を複数のコイルに供給して、ウエハにおける異なる部分を処理するためにプラズマにおける異なる部分を維持することができる。プラズマ処理システムは、さらに、複数の電流量センサを備えてよい。各電流量センサは、コイルの1つと接続されてよい。電流量センサは、個々の電流の量の内の1または複数ならびに/もしくは個々の電流間の1または複数の比の閉ループ制御を可能にするために、個々の電流の量を測定しうる。有利なことに、ウエハの異なる部分におけるプラズマ特性が、高度な処理要件を満たすために別個に調節されうる。
【0021】
1または複数の実施形態において、電力発生器の出力を制御するために、プラズマ処理システムは、全電流が分配器によって個々の電流に分配される前に、全電流(または供給電流)の量を測定するために専用の電流量センサを備えてよい。全電流量の測定は、電力発生器の出力を制御するために利用されてよい。専用の電流量センサは、個々の電流の制御および/または個々の電流間の比の制御のために用いられる電流量センサとは異なっていてよい。したがって、電力発生器の制御(すなわち全電流の制御)および電流比の制御(すなわち個々の電流の制御)が別個に実装されることが可能であり、プラズマ処理システムの設計および実装が単純化されうる点で有利である。
【0022】
1または複数の実施形態において、個々の電流の内の少なくとも1つの電流の量の測定値が、電力発生器の出力の制御に用いられてよい。有利なことに、全電流量を測定するために専用の電流量センサを設ける必要性を排除できるため、それに関連するコストを削減できる。1または複数の実施形態において、電力発生器の出力を制御する際に冗長なフィードバック情報を提供するために、1または複数の他の個々の電流に関する少なくとも1つのさらなる電流量の測定値が用いられてもよい。有利なことに、制御を実行する際の誤差が最小化されうる。
【0023】
本発明の1または複数の実施形態は、上述の1または複数の特徴ならびに1または複数の利点を有するプラズマ処理システムで利用される電流制御メカニズムに関する。
【0024】
本発明の特長および利点は、図面と以下の説明を参照すれば、よりよく理解できる。
【0025】
図1は、本発明の1または複数の実施形態に従って、電流制御メカニズム100を備えるプラズマ処理システム190の断面を示す概略図である。プラズマ処理システム100は、プラズマ処理チャンバを備えてよく、プラズマ処理チャンバは、プラズマ180によって示すようにプラズマを閉じ込めるために、チャンバ壁132、尖塔部(pinnacle)122、誘電体窓118などの構造要素を備えてよい。プラズマ処理チャンバ内部に、プラズマ処理システム100は、プラズマ処理中、ウエハ126によって示すようにウエハを支持するためのチャック124(静電チャックなど)を備えてよい。
【0026】
プラズマ処理システム100は、さらに、電力発生器102(高周波電力発生器すなわちRF電力発生器など)を備えてよい。プラズマ処理システム100は、さらに、コイル囲い120の内側で誘電体窓118上に配置されたコイル112を備えてよく、コイル囲い120は、チャンバ壁132に結合されてよい。コイル112は、電力発生器102と電気的に接続されてよく、電力発生器102は、プラズマ180の少なくとも一部を生成および/または維持するためにコイル112によって伝導される電流168(例えば、RF電流)を供給しうる。電力発生器102は、さらに、プラズマ180の他の部分を生成および/または維持するために1または複数のさらなるコイルによって伝導される1または複数の電流を供給してもよい。
【0027】
電流制御メカニズム100は、少なくとも1つの電流量センサ106(例えば、RF電流量センサ)と、制御部116とを備えてよい。電流制御メカニズム100は、プラズマ180の特性を制御するために、少なくとも電流168(コイル112によって伝導される電流)の量を制御してよい。
【0028】
電流量センサ106は、コイル112を整合回路網104に接続する給電ライン114(例えば、RF給電ライン)に接続されてよく、整合回路網104は、電力発生器102とコイル112との間に接続されて、電流168をコイル112に供給する。電流量センサ106は、供給電流168の位相角を測定することなく、コイル112に供給された電流168の量を測定しうる。発明の背景で述べたように、位相角の測定は、一般に、高精度かつ高コストの測定メカニズムを必要としうる、および/または、重大な制御誤差を引き起こしうる。位相角を測定するという要件を排除することによって、本発明の実施形態は、誤差を最小化すると共にコストを最小化することができる点で有利である。さらに、例えば制御器116または比較器108で較正をプログラムできるため、電流量センサ106の精度要件は、電流量センサ106の誤差が一貫している限り、高い必要はない。有利なことに、電流量センサ106に関連するコストが最小化されうる。
【0029】
電流量センサ106によって提供された電流量測定値178は、電流量センサ106に接続された比較器108に供給されてよい。比較器108は、誤差信号176を生成するために、電流量測定値178を設定値110(例えば、RF電流量設定値)と比較してよい。比較器108と電流発生器102との間に接続された制御器116は、制御コマンド174(例えば、電力制御コマンド)を生成するために、誤差信号176(および/または電流量測定値178)を利用してよい。制御コマンド174は、コイル112に供給される電流168の量を制御するために、電力発生器102に供給されてよい。1または複数の実施形態において、1または複数の他のコイルによって伝導される1または複数の他の電流が、同様に制御されてもよい。
【0030】
従来の開ループシステムと対照的に、本発明の実施形態は、位相角測定を実行することなくコイル112によって伝導される電流168(ならびに、1または複数の他のコイルによって伝導される1または複数の他の電流)を制御するために閉ループ制御を提供しうる。有利なことに、本発明の実施形態は、プラズマ特性を適切に制御して、製品歩留まり要件および/またはフィーチャ仕様を最小限のコストで満たすことができる。
【0031】
図2は、本発明の1または複数の実施形態に従って、電流制御メカニズム200を有するプラズマ処理システムの電力システム280の電気モデルを示す概略図である。プラズマ処理システムは、プラズマ処理チャンバ、チャック、および/または、コイル囲いなど、1または複数の構造要素を備えてよく、それらの要素は、図1の例において記載したプラズマ処理システム190の1または複数の構成要素と同様または異なる。
【0032】
電力システム280は、送電ライン204および整合回路網206を介して分配器288(例えば、電力分配器)に接続された電力発生器202(例えば、RF電力発生器)を備えてよい。分配器388は、供給電流268(または全電流268)を個々の電流に分配し、プラズマの異なる部分を維持するために(分配器288に接続された)複数のコイルに個々の電流を供給することによって、プラズマ特性を制御する際の制御性および/または精度をさらに高めることができる。例えば、コイルは、コイル274およびコイル254を含んでよい。コイル274は、プラズマの第1の部分(例えば、中央部分)を維持するための電流272を伝導しうる。コイル254は、プラズマの第2の部分(例えば、中央部分を取り囲むエッジ部分)を維持するための電流252を伝導しうる。電流272および電流252の各々は、供給電流268の一部であってよい。1または複数の実施形態において、電力システム280は、プラズマの1または複数の他の部分を維持するために供給電流268の1または複数の他の部分を伝導する1または複数の他のコイルを備えてもよく、そうすれば、ウエハ処理中にプラズマ特性を制御する際の精度をさらに高めることができる。プラズマにおける異なる部分は、ウエハにおける異なる部分を処理しうる。
【0033】
電流制御メカニズム200は、供給電流268(または全電流268)の量を制御するために、電流量センサ282(例えば、RF電流量センサ)および制御器240を備えてよい。電流量センサ282は、供給電流268の量を測定して電流量測定値278を提供するために、電力発生器202と分配器288との間の接続ライン(すなわち給電ライン)に接続されてよい。電流制御メカニズム200は、さらに、電流量測定値278および設定値224を用いて誤差信号226を生成するための比較器222を備えてよい。設定値224は、供給電流268の量の仕様に基づいて決定されてよい。比較器222は、誤差信号226を制御器240に供給してよい。制御器240は、コマンド242(例えば、電力コマンド)を生成するために、誤差信号226(および/または電流量測定値278)を利用してよい。制御器240は、電力発生器202を制御して供給電流268の量を制御するために、例えば、信号ライン244を通して、コマンド242を電力発生器202に供給してよい。
【0034】
電流量センサ282および制御器240の特徴および利点は、図1の例に記載した電流量センサ106および制御器116の1または複数の特徴ならびに1または複数の利点と同様でありうる。例えば、電流量センサ282は、位相角を測定することなく電流量だけを測定してよい。有利なことに、電流量センサ282に関連するコストを削減し、位相角の測定に関連して起こりうる誤差を避けることができる。
【0035】
電流制御メカニズム200は、さらに、コイルに接続された複数のさらなる電流量センサと、さらなる電流量センサに接続されたさらなる制御器290(または調整器290)を備えてよい。さらなる電流量センサおよび制御器290は、高い精度でプラズマ制御を実行するために分配器288と協働することができる。
【0036】
さらなる電流量センサの各々は、個別の各コイルによって伝導される個別の電流を測定するために、コイルの1つと接続されてよい。例えば、電流量センサ270は、コイル274によって伝導される電流272の量を測定するためにコイル274に接続されてよく、電流量センサ250は、コイル254によって伝導される電流252の量を測定するためにコイル254に接続されてよい。1または複数の実施形態において、1または複数の他の電流量センサが、1または複数の他の個別の電流量を測定するために1または複数の他のコイルに接続されてよい。電流量センサは位相角を測定しなくてよいため、さらなる電流量センサに関連するコストを最小化することができる。
【0037】
制御器290は、さらなる電流量センサの内の1または複数によって提供された1または複数の電流量測定値、1または複数の電流量測定値を用いて得られた情報、ならびに/もしくは、電流比設定値284を用いて、制御コマンド292を生成しうる。制御コマンド292は、個別の電流の内の1または複数の電流の1または複数の量を制御するため、ならびに/もしくは、個別の電流の間の1または複数の比を制御するために、分配器288に供給されてよい。有利なことに、ウエハの異なる部分におけるプラズマ特性が、高度な処理要件を満たすために、別個および/または相対的に調節されてよい。
【0038】
電力システム280では、電流量センサ282および制御器240を用いて、電力発生器の制御(すなわち全電流の制御)を実行し、さらなる電流量センサ(例えば、電流量センサ270および電流量センサ250)、制御器290、および、分配器288を用いて、分配器の制御(すなわち個別の電流の制御)を実行することができる。したがって、電力発生器の制御(すなわち全電流の制御)および電流比の制御(すなわち個別の電流の制御)は、高精度でプラズマ特性を制御するために、別個に実装され、別個に実行されうる。有利なことに、電力システム280の設計、実装、動作、および、メンテナンスが単純化されうる。
【0039】
図3は、本発明の1または複数の実施形態に従って、電流制御メカニズム300を有するプラズマ処理システムの電力システム380の電気モデルを示す概略図である。プラズマ処理システムは、プラズマ処理チャンバ、チャック、および/または、コイル囲いなど、1または複数の構造要素を備えてよく、それらの要素は、図1の例において記載したプラズマ処理システム190の1または複数の構成要素と同様または異なる。
【0040】
電力システム380は、送電ライン304および整合回路網306を介して分配器388(例えば、電力分配器)に接続された電力発生器302(例えば、RF電力発生器)を備えてよい。分配器388は、供給電流368(または全電流368)を個々の電流に分配し、プラズマの異なる部分を維持するために(分配器388に接続された)複数のコイルに個々の電流を供給することによって、プラズマ特性を制御する際の制御性および/または精度をさらに高めることができる。例えば、コイルは、コイル374およびコイル354を含んでよい。コイル374は、プラズマの第1の部分(例えば、中央部分)を維持するための電流372を伝導しうる。コイル354は、プラズマの第2の部分(例えば、中央部分を取り囲むエッジ部分)を維持するための電流352を伝導しうる。1または複数の実施形態において、電力システム380は、プラズマの1または複数の他の部分を維持するための1または複数の他のコイルを備えてもよく、そうすれば、ウエハ処理中にプラズマ特性を制御する際の精度をさらに高めることができる。プラズマにおける異なる部分は、ウエハにおける異なる部分を処理しうる。
【0041】
電流制御メカニズム300は、さらに、コイルに接続された複数の電流量センサ(例えば、RF電流量センサ)と、電流量センサの少なくとも1つに接続された制御器340と、電流量センサに接続された制御器390(または調整器390)とを備えてよい。制御器340と、電流量センサの少なくとも1つは、電力発生器302と協働して供給電流368の量を制御することが可能であり、それにより、一般に、プラズマ処理チャンバ内でのプラズマ特性を制御する。制御器390および電流量センサは、分配器388と協働して個別の電流の量を制御することが可能であり、それにより、ウエハの異なる部分において高精度でプラズマ特性を制御する。
【0042】
供給電流の量を制御するために、制御器340は、電力発生器302に接続されると共に、電流量センサ370(例えば、RF電流量センサ)に接続されてよい。電流量370は、電流372の量を測定して電流量測定値376を提供するために、コイル374に接続されている。電流制御メカニズム300は、電流量測定値376および設定値324を用いて誤差信号326を生成するための比較器322を備えてよい。設定値324は、電流372の量の仕様、供給電流368の量の仕様、ならびに/もしくは、電流372および供給電流368の間の特定の関係に基づいて決定されてよい。比較器322は、誤差信号326を制御器340に供給してよい。制御器340は、コマンド342(例えば、電力コマンド)を生成するために、誤差信号326(および/または電流量測定値376)を利用してよい。制御器340は、電力発生器302を制御して供給電流368の量を制御するために、例えば、信号ライン344を通して、コマンド342を電力発生器302に供給してよい。
【0043】
電流量センサ370および制御器340の特徴および利点は、図1の例に記載した電流量センサ106および制御器116の1または複数の特徴ならびに1または複数の利点と同様でありうる。例えば、電流量センサ370は、位相角を測定することなく電流量だけを測定してよい。有利なことに、電流量センサ370に関連するコストを最小化すると共に、位相角の測定に関連して起こりうる誤差を避けることができる。
【0044】
1または複数の実施形態において、制御器340および/または比較器322は、1または複数の他のコイルに関連する1または複数のさらなる電流量センサに接続されてもよく、1または複数の他の個別の電流の1または複数のさらなる電流量の測定値が、電力発生器302の出力および/または全電流368の量の制御に用いられてよい。冗長なフィードバック情報を用いて、較正誤差および/または測定誤差が最小化されうる。
【0045】
個別の電流の量を制御するために、制御器390は、分配器388に接続されると共に、電流量センサと接続されてよく、各電流量センサは、コイルの少なくともいくつかの内の1つと接続されてよい。各電流量センサは、コイルによって伝導される個別の電流の量を測定しうる。例えば、上述のように、電流量センサ370は、コイル374によって伝導される電流372の量を測定して電流量測定値376を提供するために、コイル374に接続されてよい。別の例として、コイル354によって伝導された電流352の量を測定して電流量測定値356を提供するために、電流量センサ350がコイル354に接続されてよい。1または複数の実施形態において、1または複数の他の電流量センサが、1または複数の他の個別の電流量を測定するために1または複数の他のコイルに接続されてよい。電流量センサは、位相角を測定しなくてよいため、電流量センサに関連するコストを最小化すると共に、位相角測定に関連して起こりうる誤差を防止することができる。1または複数の実施形態では、選択されたコイルのみが電流量センサに接続されてよい。例えば、電流量センサ350は、電流量測定値356が必要ない場合、1または複数の実施形態においては設けられなくてもよい。
【0046】
制御器390は、電流量測定値の内の1または複数(例えば、電流量測定値376および/または電流量測定値356)、電流量測定値の内の1または複数を用いて得られた情報、ならびに/もしくは、電流比設定値384を用いて、制御コマンド392を生成しうる。制御コマンド392は、個別の電流の内の1または複数の電流の1または複数の量を制御するため、ならびに/もしくは、個別の電流の間の1または複数の比を制御するために、分配器388に供給されてよい。有利なことに、ウエハの異なる部分におけるプラズマ特性が、高度な処理要件を満たすために、別個および/または相対的に調節されてよい。
【0047】
電力システム380では、電流量センサ370(および/または電流量測定値376)は、電力発生器の制御(すなわち全電流の制御)および分配器の制御(すなわち個別の電流の制御)の両方に用いられてよい。図2の例に示した電力システム280と対照的に、電力システム380は、電力発生器の制御を実装する際に専用の電流量センサの必要性を排除しうる。有利なことに、高度なプラズマ制御の実装に関連するコストが最小化されうる。
【0048】
上記からわかるように、本発明の実施形態は、プラズマ処理システム内で1または複数の電流量センサを用いてフィードバック情報を提供することにより、プラズマを維持するために供給される電流の閉ループ制御を可能にしうる。有利なことに、プラズマの特性は、製品歩留まり要件および/またはフィーチャ仕様を満たすように適切に制御されうる。
【0049】
閉ループ電流制御により、本発明の実施形態は、実行間での処理の再現性およびチャンバ間での再現性を提供して、従来のプラズマ処理システムで必要になる再較正および再検定の必要性を排除することができる。有利なことに、本発明の実施形態は、デバイス製造における実質的な生産性の向上と実質的なコストの削減とを可能にしうる。
【0050】
閉ループ制御の実装において、本発明の実施形態は、低コストの電流量センサを利用して、位相角を測定する高価な高精度測定メカニズムの必要性を排除しうる。有利なことに、本発明の実施形態は、閉ループプラズマ特性制御の実装に関連するコストを最小化すると共に、位相角測定に関連して起こりうる誤差を防ぎうる。
【0051】
本発明の実施形態は、プラズマの異なる部分を維持するために印加される個別の電流を制御するための分配器および制御メカニズムを備えてよい。有利なことに、ウエハの異なる部分におけるプラズマ特性が、高度な処理要件を満たすために別個に調節されうる。
【0052】
本発明の実施形態は、プラズマ処理システムにおける電力発生器の制御(全電流の制御)および電流比の制御(個別の電流の制御)を独立させうる。有利なことに、プラズマ処理システムの設計および実装が単純化されうる。
【0053】
本発明の実施形態は、プラズマ処理システムに電力発生器制御および電流比制御の両方を実装するために、1つの電流量センサによる同じ測定値を利用しうる。有利なことに、プラズマ処理システムで必要とされる電流量センサの数が最小化されて、それに関連するコストが節約されうる。
【0054】
以上、いくつかの実施形態を参照しつつ本発明について説明したが、本発明の範囲内で、代替物、置換物、および、等価物が存在する。また、本発明の方法および装置を実施する他の態様が数多く存在することにも注意されたい。さらに、本発明の実施形態は、別の用途で利用されてもよい。要約書が、便宜上、提供されており、文字数の制限に従って、読み手の便宜のために記載されたもので、特許請求の範囲を限定するために用いるべきではない。したがって、以下に示す特許請求の範囲は、本発明の真の趣旨および範囲内に含まれる代替物、置換物、および、等価物の全てを網羅するものとして解釈される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともウエハを処理するためにプラズマを生成するプラズマ処理システムであって、
前記プラズマの少なくとも第1の部分を維持するための第1の電流を伝導する第1のコイルと、
前記供給電流の位相角を測定することなく供給電流の量を測定して第1の電流量測定値を提供するために前記第1のコイルに接続された第1の電流量センサであって、前記供給電流は、前記第1電流、または、複数の電流を供給するために用いられる全電流であり、前記複数の電流は、前記供給電流が前記全電流である場合には前記第1の電流を含む、第1の電流量センサと、
位相角測定値に関連する情報を用いることなく、前記第1の電流量測定値および前記第1の電流量測定値を用いて得られた情報の少なくとも一方を用いて第1のコマンドを生成し、前記第1のコマンドを提供して前記供給電流の量および前記全電流の量の少なくとも一方を制御するために、前記第1の電流量センサに接続された第1の制御器と、
を備える、プラズマ処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載のプラズマ処理システムであって、
前記供給電流は前記第1の電流である、プラズマ処理システム。
【請求項3】
請求項1に記載のプラズマ処理システムであって、さらに、
前記供給電流を分配する分配器であって、前記第1のコイルは前記分配器を介して前記第1の電流量センサに接続される分配器と、
前記プラズマの少なくとも第2の部分を維持するための第2の電流を伝導する第2のコイルであって、前記第2のコイルは前記分配器を介して前記第1の電流量センサに接続され、前記第2の電流は前記複数の電流に含まれており、前記供給電流は前記全電流である第2のコイルと、
を備える、プラズマ処理システム。
【請求項4】
請求項3に記載のプラズマ処理システムであって、さらに、
前記第1の電流の量を測定して第2の電流量測定値を提供するための第2の電流量センサであって、前記第1のコイルは前記第2の電流量センサに接続される第2の電流量センサと、
前記第2の電流の量を測定して第3の電流量測定値を提供するための第3の電流量センサであって、前記第2のコイルは前記第2の電流量センサに接続される第3の電流量センサと、
前記第2の電流量測定値、前記第3の電流量測定値、前記第2の電流量測定値を用いて得られた情報、および、前記第3の電流量測定値を用いて得られた情報の内の少なくとも1つを用いて第2のコマンドを生成するために前記第2の電流量センサおよび前記第3の電流量センサに接続され、前記第2のコマンドを前記分配器に提供して前記第1の電流の量および前記第2の電流の量の少なくとも一方を制御するために前記分配器に接続された第2の制御器と、
を備える、プラズマ処理システム。
【請求項5】
請求項4に記載のプラズマ処理システムであって、
前記第2の制御器は、位相角測定値を用いることなく前記第2のコマンドを生成する、プラズマ処理システム。
【請求項6】
請求項1に記載のプラズマ処理システムであって、さらに、
前記供給電流を分配する分配器であって、前記第1のコイルは前記分配器を介して前記第1の電流量センサに接続される分配器と、
前記プラズマの前記第1の部分以外の前記プラズマの少なくとも1組の部分を維持するための1組の電流を伝導する1組のコイルと、
を備え、
前記1組のコイルは、前記分配器を介して前記第1の電流量センサに接続され、前記1組の電流は前記複数の電流に含まれており、前記供給電流は前記全電流であり、前記1組のコイルは少なくとも2つのコイルを含む、プラズマ処理システム。
【請求項7】
請求項6に記載のプラズマ処理システムであって、さらに、
前記第1の電流の量を測定して第2の電流量測定値を提供するための第2の電流量センサであって、前記第1のコイルは前記第2の電流量センサを介して前記分配器に接続される第2の電流量センサと、
前記1組の電流の量を測定して1組の電流量測定値を提供するための1組の電流量センサであって、前記1組の電流量測定値の各々は前記1組の電流の1つに関連しており、前記1組のコイルの各々は前記1組の電流量センサの1つに接続される1組の電流量センサと、
前記第2の電流量測定値、前記1組の電流量測定値の少なくとも1つ、前記第2の電流量測定値を用いて得られた情報、および、前記1組の電流量測定値の前記少なくとも1つを用いて得られた情報の内の少なくとも1つを用いて第2のコマンドを生成するために前記第2の電流量センサおよび前記1組の電流量センサに接続され、前記第2のコマンドを前記分配器に提供して前記第1の電流の量と前記1組の電流の量の内の1または複数の量との少なくとも一方を制御するために前記分配器に接続された第2の制御器と、
を備える、プラズマ処理システム。
【請求項8】
請求項1に記載のプラズマ処理システムであって、さらに、
前記供給電流を分配する分配器であって、前記第1のコイルは前記分配器に接続され、前記供給電流は前記第1の電流である分配器と、
前記プラズマの少なくとも第2の部分を維持するための第2の電流を伝導する第2のコイルであって、前記第2のコイルは前記分配器に接続され、前記第2の電流は前記複数の電流に含まれる第2のコイルと、
を備える、プラズマ処理システム。
【請求項9】
請求項8に記載のプラズマ処理システムであって、さらに、
前記第1の電流量測定値および前記第1の電流量測定値を用いて得られた情報の少なくとも一方を用いて第2のコマンドを生成するために前記第1の電流量センサに接続され、前記第2のコマンドを前記分配器に提供して前記第1の電流の量および前記第2の電流の量の少なくとも一方を制御するために前記分配器に接続された第2の制御器を備える、プラズマ処理システム。
【請求項10】
請求項8に記載のプラズマ処理システムであって、さらに、
前記第2の電流の量を測定して第2の電流量測定値を提供するための第2の電流量センサであって、前記第2のコイルは前記第2の電流量センサに接続される第2の電流量センサと、
前記第1の電流量測定値、前記第2の電流量測定値、前記第1の電流量測定値を用いて得られた情報、および、前記第2の電流量測定値を用いて得られた情報の内の少なくとも1つを用いて第2のコマンドを生成するために前記第1の電流量センサおよび前記第2の電流量センサに接続され、前記第2のコマンドを前記分配器に提供して前記第1の電流の量および前記第2の電流の量の少なくとも一方を制御するために前記分配器に接続された第2の制御器と、
を備える、プラズマ処理システム。
【請求項11】
請求項10に記載のプラズマ処理システムであって、
前記第2の制御器は、位相角測定値を用いることなく前記第2のコマンドを生成する、プラズマ処理システム。
【請求項12】
請求項1に記載のプラズマ処理システムであって、さらに、
前記全電流を分配する分配器であって、前記第1のコイルは前記分配器に接続され、前記供給電流は前記第1の電流である分配器と、
前記プラズマの前記第1の部分以外の前記プラズマの少なくとも1組の部分を維持するための1組の電流を伝導する1組のコイルと、
を備え、
前記1組のコイルは前記分配器に接続され、前記1組の電流は前記複数の電流に含まれており、前記1組のコイルは少なくとも2つのコイルを含む、プラズマ処理システム。
【請求項13】
請求項12に記載のプラズマ処理システムであって、さらに、
前記第1の電流量測定値および前記第1の電流量測定値を用いて得られた情報の少なくとも一方を用いて第2のコマンドを生成するために前記第1の電流量センサに接続され、前記第2のコマンドを前記分配器に提供して前記第1の電流の量と前記1組の電流の1または複数の量との少なくとも一方を制御するために前記分配器に接続された第2の制御器を備える、プラズマ処理システム。
【請求項14】
請求項12に記載のプラズマ処理システムであって、さらに、
前記1組の電流の量を測定して1組の電流量測定値を提供するための1組の電流量センサであって、前記1組のコイルの各々は前記1組の電流量センサの1つに接続される1組の電流量センサと、
前記第1の電流量測定値、前記1組の電流量測定値の少なくとも1つ、前記第1の電流量測定値を用いて得られた情報、および、前記1組の電流量測定値の前記少なくとも1つを用いて得られた情報の内の少なくとも1つを用いて第2のコマンドを生成するために前記第1の電流量センサおよび前記1組の電流量センサに接続され、前記第2のコマンドを前記分配器に提供して前記第1の電流の量と前記1組の電流の1または複数の量との少なくとも一方を制御するために前記分配器に接続された第2の制御器と、
を備える、プラズマ処理システム。
【請求項15】
プラズマ処理システムにおいて電流制御を実行するためのメカニズムであって、
前記プラズマ処理システムは、プラズマの少なくとも第1の部分を維持するための第1の電流を伝導する第1のコイルを少なくとも備え、
前記メカニズムは、
前記供給電流の位相角を測定することなく供給電流の量を測定して第1の電流量測定値を提供するために前記第1のコイルに接続された第1の電流量センサであって、前記供給電流は、前記第1電流、または、複数の電流を供給するために用いられる全電流であり、前記複数の電流は、前記供給電流が前記全電流である場合には前記第1の電流を含む第1の電流量センサと、
位相角測定値に関連する情報を用いることなく、前記第1の電流量測定値および前記第1の電流量測定値を用いて得られた情報の少なくとも一方を用いて第1のコマンドを生成し、前記第1のコマンドを提供して前記供給電流の量および前記全電流の量の少なくとも一方を制御するために前記電流量センサに接続された第1の制御器と、
を備える、メカニズム。
【請求項16】
請求項15に記載のメカニズムであって、
前記供給電流は前記第1の電流である、メカニズム。
【請求項17】
請求項15に記載のメカニズムであって、
前記プラズマ処理システムは、さらに、前記プラズマの少なくとも第2の部分を維持するための第2の電流を伝導する第2のコイルを少なくとも備え、
前記メカニズムは、さらに、
前記供給電流を分配するための分配器であって、前記第1のコイルは前記分配器を介して前記第1の電流量センサに接続され、前記第2のコイルは前記分配器を介して前記第1の電流量センサに接続され、前記第2の電流は前記複数の電流に含まれており、前記供給電流は前記全電流である分配器と、
前記第1の電流の量を測定して第2の電流量測定値を提供するための第2の電流量センサであって、前記第1のコイルは前記第2の電流量センサに接続される第2の電流量センサと、
前記第2の電流の量を測定して第3の電流量測定値を提供するための第3の電流量センサであって、前記第2のコイルは前記第2の電流量センサに接続される第3の電流量センサと、
前記第2の電流量測定値、前記第3の電流量測定値、前記第2の電流量測定値を用いて得られた情報、および、前記第3の電流量測定値を用いて得られた情報の内の少なくとも1つを用いて第2のコマンドを生成するために前記第2の電流量センサおよび前記第3の電流量センサに接続され、前記第2のコマンドを前記分配器に提供して前記第1の電流の量および前記第2の電流の量の少なくとも一方を制御するために前記分配器に接続された第2の制御器と、
を備える、メカニズム。
【請求項18】
請求項17に記載のメカニズムであって、
前記第2の制御器は、位相角測定値を用いることなく前記第2のコマンドを生成する、メカニズム。
【請求項19】
請求項15に記載のメカニズムであって、
前記プラズマ処理システムは、さらに、前記プラズマの少なくとも第2の部分を維持するための第2の電流を伝導する第2のコイルを少なくとも備え、
前記メカニズムは、さらに、
前記供給電流を分配するための分配器であって、前記第1のコイルは前記分配器に接続され、前記供給電流は前記第1の電流であり、前記第2のコイルは前記分配器に接続され、前記第2の電流は前記複数の電流に含まれる分配器と、
前記第1の電流量測定値および前記第1の電流量測定値を用いて得られた情報の少なくとも一方を用いて第2のコマンドを生成するために前記第1の電流量センサに接続され、前記第2のコマンドを前記分配器に提供して前記第1の電流の量および前記第2の電流の量の少なくとも一方を制御するために前記分配器に接続された第2の制御器と、
を備える、メカニズム。
【請求項20】
請求項15に記載のメカニズムであって、
前記プラズマ処理システムは、さらに、前記プラズマの少なくとも第2の部分を維持するための第2の電流を伝導する第2のコイルを少なくとも備え、
前記メカニズムは、さらに、
前記供給電流を分配するための分配器であって、前記第1のコイルは前記分配器に接続され、前記供給電流は前記第1の電流であり、前記第2のコイルは前記分配器に接続され、前記第2の電流は前記複数の電流に含まれる分配器と、
前記第2の電流の量を測定して第2の電流量測定値を提供するための第2の電流量センサであって、前記第2のコイルは前記分配器に接続される第2の電流量センサと、
前記第1の電流量測定値、前記第2の電流量測定値、前記第1の電流量測定値に関する情報、および、前記第2の電流量測定値に関する情報の内の少なくとも1つを用いて第2のコマンドを生成するために前記第1の電流量センサおよび前記第2の電流量センサに接続され、前記第2のコマンドを前記分配器に提供して前記第1の電流の量および前記第2の電流の量の少なくとも一方を制御するために前記分配器に接続された第2の制御器と、
を備える、メカニズム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−508920(P2013−508920A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535315(P2012−535315)
【出願日】平成22年10月19日(2010.10.19)
【国際出願番号】PCT/US2010/053264
【国際公開番号】WO2011/049994
【国際公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(592010081)ラム リサーチ コーポレーション (467)
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
【Fターム(参考)】