説明

プラズマ処理装置向けの複合シャワーヘッド電極アセンブリのためのクリーニングハードウェアキット

電極アセンブリ結合材料の起こり得る化学的侵食を抑制または除去し、酸処理、噴霧洗浄、ブロー乾燥、焼成、および袋詰め中、クリーニングすべき部分に取扱い上直接接触することをなくす、シリコン電極アセンブリ表面をクリーニングするための装置。この装置の態様は、電極アセンブリを保持する電極キャリアと、電極アセンブリに届くことができるようにする処理台と、電極アセンブリを電極保持具内に留めるスパイダ板と、電極の酸清浄中、電極アセンブリの裏面に窒素ガスを供給する窒素パージ板と、電極面に水を供給する水洗い板と、窒素を供給して電極アセンブリを乾燥させるブロー乾燥板と、クリーニングされた電極アセンブリを袋内に配置する前の焼成中に電極アセンブリを支持する焼成台とを含むキットを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマ処理装置向けの複合シャワーヘッド電極アセンブリのためのクリーニングハードウェアキットに関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマ処理装置は、エッチング、物理気相成長(PVD)、化学気相成長(CVD)、イオン注入、およびレジスト除去を含む技術によって基板を処理するために使用される。プラズマ処理で使用される1つのタイプのプラズマ処理装置は、上部電極および底部電極を含む反応チャンバを含む。これらの電極間に電界が確立され、プロセスガスがプラズマ状態に励起されて、反応チャンバ内で基板が処理される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6,376,385号
【発明の概要】
【0004】
本発明の一態様によれば、プラズマ処理装置向けの複合シャワーヘッド電極をクリーニングする装置および方法が提供される。
【0005】
アルミニウム裏当て板に結合されたシリコン板を含む、プラズマ反応チャンバの複合シャワーヘッド電極をクリーニングするのに有用なクリーニングキットの一実施形態は、シリコン板を上向きにして複合シャワーヘッド電極を支持する電極キャリアと、基部、および電極キャリアに係合して電極キャリアを支持する複数の支柱を有する処理台と、電極キャリアの第1の側面、およびアルミニウム裏当て板に係合する1つまたは複数の取付け部材に取り付けられて、シリコン板をクリーニングするためにシリコン板が露出した状態で複合シャワーヘッド電極を支持する第1の板と、第1の板が第2の板と複合シャワーヘッド電極の間の空間内に位置するように、電極キャリアの第1の側面に取り付けられる第2の板であって、電極キャリアの第1の側面に係合する封止材、および加圧下でガスを導入してアルミニウム裏当て板内のガス孔に流入させてシリコン板内の対応するガス孔から
流出させることができるガス入口を含み、シリコン板の露出した表面の酸クリーニング中にガス孔を通じてガスを流す、前記第2の板と、シリコン板を上向きにして電極キャリアの第2の側面に取り付けられる第3の板であって、電極キャリアに係合する封止材、および加圧下で水を導入してシリコン板内のガス孔に流入させてアルミニウム裏当て板内の対応するガス孔から流出させることができる水入口を含み、シリコン表面の前記クリーニングの後に、複合シャワーヘッド電極を水洗いするためにガス孔を通じて低圧水を流す、前記第3の板と、基部フレームおよび複数の柱を有する乾燥台であって、複合シャワーヘッド電極に手で触れることなく、電極キャリアを複合シャワーヘッド電極から取り外すことができるように、基部フレームが電極キャリアおよび複合シャワーヘッド電極を支持する、前記乾燥台と、基部フレームに係合する封止材、および加圧下でガスを導入してシリコン板内のガス孔に流入させてアルミニウム裏当て板内の対応するガス孔から流出させることができるガス入口を含む第4の板であって、水洗い工程後、ガスで複合シャワーヘッド電極を乾燥させる、前記第4の板とを備える。
【0006】
別の実施形態では、前述のクリーニングキットを使用してプラズマ処理装置向けの複合シャワーヘッド電極アセンブリをクリーニングする方法は、電極キャリア内に複合シャワーヘッド電極を支持する工程と、処理台上に電極キャリアを配置する工程と、第1の板を取り付ける工程と、第2の板を取り付ける工程と、シリコン板の露出した表面を酸クリーニングしながら、第2の板内のガス入口内にガスを導入する工程と、第1および第2の板を取り外す工程と、第3の板を取り付け、第3の板内の水入口を通じて水を導入してガス孔を洗う工程と、第3の板を取り外し、基部フレーム上に電極キャリアを配置する工程と、電極キャリアを複合シャワーヘッド電極から取り外す工程と、第4の板を乾燥台の柱に取り付ける工程と、第4の板のガス入口内にガスを導入して複合シャワーヘッド電極を乾燥させる工程と、第4の板を取り外す工程と、複合シャワーヘッド電極を、基部フレーム上に支持しながら炉内に配置する工程とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】複合シャワーヘッド電極を保持するための電極キャリアの一実施形態を示す図である。
【図2A】電極キャリアの別の実施形態の詳細図である。
【図2B】電極キャリアの別の実施形態の詳細図である。
【図3】図1の電極キャリアおよび電極を、処理台の一実施形態とともに示す図である。
【図4】電極をキャリア上で保持するためのスパイダ板の一実施形態を示す図である。
【図5A】スパイダ板の2つの詳細図である。
【図5B】スパイダ板の2つの詳細図である。
【図6】電極キャリア内に設置された、図4に示すスパイダ板の詳細図である。
【図7】図4の設置されたスパイダ板を処理台および窒素ガスパージ板から離れる方へ向けた状態で、図1の電極キャリアを示す図である。
【図8】電極キャリア上にスパイダ板を覆って設置された、図7に示すパージ板の詳細図である。
【図9】図3の電極キャリア、電極、および処理台を、電極キャリアのスパイダ板設置側を処理台の方へ向けた状態で示し、水洗い板の一実施形態を示す図である。
【図10】図1の電極キャリアおよび電極、ならびに乾燥台の一実施形態を示す図である。
【図11】図10に示すレール支持体の詳細図である。
【図12】部分的に取り外された図10の電極キャリア、および乾燥台のレール支持体上に載っている電極を示す図である。
【図13】図12の乾燥台上に電極を覆って設置された窒素ガスブロー乾燥板の一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
電極アセンブリ結合材料の起こり得る化学的侵食を抑制または除去し、酸処理、噴霧リンス、ブロー乾燥、焼成、および袋詰め(梱包)中、クリーニングすべき部分に取扱い上直接接触することをなくす、シリコン電極アセンブリ表面をクリーニングするための装置が提供される。電極アセンブリは、新しいものでも、使用済みのものでも、または再調整されたものでもよい。また、シリコン電極アセンブリをクリーニングする方法も提供される。
【0009】
半導体基板のプラズマ処理中は、チャンバ構成要素によってプラズマ処理チャンバ内に導入される粒子の数を最小限にすることが望ましい。そのような粒子は、基板上に堆積し、その結果として処理の収率を低減させる可能性がある。これらの粒子を「アダー(adder)」と呼ぶ。
【0010】
プラズマ処理チャンバは、上部電極アセンブリと、上部電極アセンブリに面していて下部電極を有する基板支持体とを含むことができる。上部電極は、たとえば、シャワーヘッド電極アセンブリとすることができる。シャワーヘッド電極アセンブリは、粒子の発生源となる可能性がある。そのようなアセンブリは、電極板と、電極板に固定された裏当て板などの裏当て部材とを含むことができる。電極板および裏当て板は、ガス通路を有することができ、このガス通路を通って、プロセスガスがプラズマ処理チャンバ内に導入される。裏当て板は、たとえば、アルミニウムから形成することができる。電極板は、たとえば、シリコンから形成することができる。電極板は、エラストマー結合材料などの接着剤によって、裏当て板に結合することができる。
【0011】
電極板および/または裏当て板は、粒子の発生源となる可能性がある。粒子は、電極アセンブリの製造中、異なる発生源から生じる可能性がある。たとえば、粒子は、アルミニウム裏当て板の製造、電極板および/または裏当て板を予め結合する際の汚染、結合加工、取扱いおよび不十分なクリーニング、ならびにパッケージ化(梱包)から生じる可能性がある。これらの粒子は、無機物質(たとえば、黒鉛もしくは金属)である可能性も、または有機物質である可能性もある。
【0012】
集積回路の製作中に半導体ウェーハの表面の粒子状汚染を抑制することが、信頼性の高いデバイスを実現して高い収率を得るには不可欠である。ウェーハ表面に粒子が存在すると、フォトリソグラフィおよびエッチング工程中に、パターン転写を局部的に乱す可能性がある。その結果、これらの粒子は、ゲート構造、金属間誘電体層、または金属相互接続線を含む重要な特徴に欠陥をもたらし、集積回路構成要素の動作不良または故障を引き起こす恐れがある。
【0013】
シャワーヘッド電極アセンブリなどの上部電極アセンブリ上の粒子の数を大幅に低減させることができる、改善されたクリーニング方法が提供される。
【0014】
本装置の実施形態は、新しい、使用済みの、または修繕された裏当て板および電極アセンブリをクリーニングするために使用ことができる。本明細書では、「新しい」裏当て板および電極アセンブリは、半導体基板を処理するプラズマ処理チャンバ内で使用されていないものであり、「使用済み」の裏当て板および電極アセンブリは、半導体基板を処理するプラズマ処理チャンバ内で使用されたものであり、「修繕された」裏当て板および電極アセンブリは、半導体基板を処理するプラズマ処理チャンバ内で使用され、その後この電極板を処理、たとえば研磨して、プラズマ処理中にシリコン電極板の底部(プラズマで露出させた)表面に形成された望ましくない表面汚染および/もしくは表面構造、たとえばブラックシリコン、または平坦でない表面領域を除去したものである。その条件に応じて、電極板の底部表面全体、または底部表面の一部分だけを研磨することができる。シリコン電極板は、1回または複数回修繕することができる。
【0015】
電極アセンブリの電極板は、たとえば、シリコン(好ましくは、単結晶シリコン)または炭化シリコンから構成することができる。電極板は通常、円形であり、たとえば、200mm、300mm、またはさらに大きな直径を有することができる。電極板は、約0.25インチ(約6.4mm)から約0.5インチ(13mm)などの、任意の適切な厚さを有することができる。裏当て板は、たとえば、黒鉛またはアルミニウムから構成することができる。裏当て板は、典型的には円形であり、電極板の形状および寸法に一致するように寸法が設定される。電極アセンブリは、内側の複合シャワーヘッド電極を取り囲む外側リングなどの外側電極と、裏当て板を取り囲む外側裏当てリングなどの外側裏当て部材とを含むことができる。本明細書に記載のキットは、内側の複合シャワーヘッド電極をクリーニングするのに有用である。
【0016】
使用済みのシリコン電極アセンブリでは、その電極アセンブリを使用して長いRF時間(プラズマを生成するために無線周波数電力が使用される時間)にわたって稼動させた後において、エッチング速度の低下およびエッチングの均一性のずれが見られる。エッチング性能の低下は、電極アセンブリのシリコン表面の形態の変化、ならびに電極アセンブリのシリコン表面の汚染に起因する。これらはどちらも、誘電体エッチング処理の結果である。
【0017】
使用済みの電極アセンブリのシリコン表面は、そこからブラックシリコンおよび他の金属汚染物を除去するために研磨されることができる。金属汚染物質は、酸性溶液で拭き取ることによって、シリコン表面を変色させることなく、そのような電極アセンブリのシリコン表面から効率的に除去することができ、それにより、電極アセンブリ結合材料を損傷するリスクを低減させる。したがって、電極アセンブリをクリーニングすることによって、プロセスウインドウのエッチング速度およびエッチングの均一性を許容レベルにまで回復させることができる。
【0018】
誘電体エッチングシステム(たとえば、Lam 2300 Exelan(登録商標)およびLam Exelan(登録商標)HPT)は、ガス出口を含むシリコンシャワーヘッド電極アセンブリを含むことができる。本願の権利者が所有する米国特許第6,376,385号に開示されているように、単一のウェーハなどの半導体基板の処理を実施できるプラズマ反応チャンバ向けの電極アセンブリは、黒鉛裏当てリングまたは部材などの支持部材と、厚さが均一な円盤形のシリコンシャワーヘッド電極などの電極と、支持部材と電極の間のエラストマー結合部とを含むことができる。同特許に開示された事項は、参照により本明細書に組み込まれる。エラストマー結合部は、支持部材と電極の間の動きを可能にして、電極アセンブリの温度サイクルの結果として生じる熱膨張を補償することができる。エラストマー結合部は、電気および/または熱伝導性の充填材を含むことができ、このエラストマーは、高温で安定した触媒硬化型ポリマーとすることができる。たとえば、エラストマー結合材料は、シリコンポリマーおよびアルミニウム合金粉末充填材を含むことができる。電極アセンブリの結合材料を酸性溶液に接触させないように、使用済みの電極アセンブリのシリコン表面は、酸性溶液を使って拭き取ることが好ましい。電極アセンブリの結合材料を酸性溶液に接触させると、結合材料を損傷する可能性がある。
【0019】
さらに、電極アセンブリは、内側電極を取り囲んで任意選択でこの内側電極から誘電体材料のリングによって分離させた外側電極リングまたは部材を備えることができる。外側電極部材は、電極を延ばして300mmのウェーハなどのより大きなウェーハを処理するのに有用である。外側電極部材のシリコン表面は、平坦な表面および傾斜した外側縁部を含むことができる。内側電極と同様に、外側電極部材は裏当て部材を備えることが好ましく、たとえば、外側リングは、電気的に接地されたリングを含むことができ、このリングに外側電極部材をエラストマー結合することができる。内側電極および/または外側電極部材の裏当て部材は、容量結合型プラズマ処理工具内に取り付けるための取付け孔を有することができる。内側電極と外側電極部材はどちらも、電極アセンブリの汚染物質を最小限にするために、単結晶シリコンから構成されることが好ましい。外側電極部材は、環状に構成された複数のセグメント(たとえば、単結晶シリコンからなる6つのセグメント)から構成することができ、これらのセグメントはそれぞれ、裏当て部材に結合(たとえば、エラストマー結合)される。さらに、環状構成内で隣接するセグメントは、部分的に重なることができ、これらの隣接するセグメント間には、間隙または結合部が位置する。
【0020】
誘電体エッチング工具で使用されるシリコン電極アセンブリは、電極アセンブリを使用して長いRF時間にわたって稼動させた後において、一部にブラックシリコンが形成されるために劣化している。「ブラックシリコン」は、プラズマに露出したシリコン表面にプラズマ処理動作中に堆積した汚染物質によって該表面がマイクロマスクされる結果、該表面に形成される可能性がある。ブラックシリコンの形成の影響を受ける特有のプラズマ処理条件には、低Kバイアのエッチング中に使用される、適度なRF電力での高窒素および低酸素ならびにCF濃度が含まれる。マイクロマスクされる表面領域は、約10nmから約10ミクロンの規模になりうる。いかなる特定の理論にも拘束されることを望まないが、シリコン電極(または他のシリコン部品)のプラズマに露出した表面上へのブラックシリコンの形成は、プラズマ処理動作中、シリコン電極上にポリマーが不連続に堆積する結果として発生すると考えられる。
【0021】
シリコン酸化物または低k誘電体材料層などの半導体基板上の誘電体材料をエッチングするメインエッチング工程中において、プラズマに露出した表面、たとえばシリコン上部電極の底部表面に対して不連続なポリマーの堆積物が形成される可能性がある。ポリマーの堆積物は、典型的には、下にある表面がエッチングされることを選択的に保護する三次元の島状の形成物を形成する。針状形成物が形成された後、針の先端部上に優先的にポリマーの堆積物が形成され、それによって、後続の基板に対するメインエッチング工程中において、マイクロマスク機構およびブラックシリコンの広がりが加速される。マイクロマスクされた表面領域を不均一に異方性エッチングした結果、密接に配置された針状または棒状のフィーチャが表面に形成される。これらのフィーチャは、シリコン表面の改変された領域から光が反射するのを阻止する可能性があり、その結果、これらの領域の外観が黒くなる。針状マイクロフィーチャは、密接に配置され、通常、約10nm(0.01μm)から約50,000nm(50μm)の長さを有することがあり(また場合によっては、約1mmと同程度またはさらに置きい長さを有することがある)、また、典型的には、約10nmから約50μmの幅を有しうる。
【0022】
ブラックシリコンの影響を受けた電極アセンブリのシリコン表面は、研磨によって回復させることができる。研磨の前には、電極アセンブリを予備クリーニングして、異物を除去することができる。そのような予備クリーニングは、COスノーブラスティング(snow blasting)を含むことができる。このCOスノーブラスティングは、ドライアイスの小さな細片(たとえば、ノズルを通じて液体COを大気圧まで膨張させ、それによって柔らかいC0の細片を形成することによって生成される)の流れを、処理されている表面に向けることによって、その細片を基板上の寸法1ミクロン未満の小さな粒子状の汚染物質に当て、次いで昇華によって気化させて汚染物質を表面から除去するものである。次いで、汚染物質およびCOガスは、典型的には、高効率粒子空気(HEPA)フィルタなどのフィルタを通過し、このフィルタで汚染物質は収集され、ガスは放出される。適切なスノー生成装置の一例は、Vatran Systems,Inc.(カリフォルニア州チュラヴィスタ)から市販されているSnow Gun−II(商標)である。研磨の前には、電極アセンブリを、アセトンおよび/またはイソプロピルアルコールでクリーニングすることができる。たとえば、電極アセンブリをアセトン中に30分間浸漬し、拭き取って、有機汚れまたは堆積物を除去することができる。
【0023】
研磨は、電極アセンブリの表面を、旋盤上で研削砥石を使用して適切な粗さ等級数で研削し、別の砥石を使用して、電極アセンブリ表面を所望の仕上げ(たとえば、8μインチ)まで研磨することを含む。汚れを除去して電極アセンブリを濡れた状態に保つために、シリコン表面は、一定の流水下で研磨されることが好ましい。水が加えられると、研磨中にスラリーが生成されることがある。このスラリーは、電極アセンブリ表面から除去されるべきである。電極アセンブリは、まず、ErgoSCRUB(商標)およびScrubDISKを使用して研磨することができる。研磨手順(すなわち、使用される研磨紙の選択および順序)は、電極アセンブリのシリコン表面の損傷の程度に依存する。
【0024】
シリコン電極アセンブリ上に深刻な点腐食または損傷が観察される場合、均一で平坦な表面が実現されるまで、たとえば140または160グリットのダイヤモンド研磨盤を使って研磨を開始することができる。その後の研磨は、たとえば220、280、360、800、および/または1350グリットのダイヤモンド研磨盤で行うことができる。シリコン電極アセンブリ上に軽微な点腐食または損傷が観察される場合、均一の平坦な表面が実現されるまで、たとえば280グリットのダイヤモンド研磨盤を使って研磨を開始することができる。その後の研磨は、たとえば360、800、および/または1350グリットのダイヤモンド研磨盤で行うことができる。
【0025】
研磨中は、電極アセンブリは、ターンテーブルに取り付けられる。その回転速度は、約40〜160rpmであることが好ましい。強い力は電極アセンブリのシリコン表面または結合領域に損傷を引き起こす恐れがあるので、研磨中は、均一であるが強くはない力が加えられることが好ましい。したがって、電極アセンブリ上の点腐食または損傷の程度に応じて、研磨加工には大幅な時間がかかる可能性がある。外側電極リングまたは部材(たとえば、平坦な表面と傾斜した外側縁部の間の境界面)の形状および角度は、研磨中維持されることが好ましい。ガス出口の内部、および電極アセンブリの結合部内に閉じ込められる粒子を最小限にするために、研磨盤を交換するときはいつでも、脱イオン水銃を使用して、研磨中に生成された粒子をガス出口および結合部から除去することができ、またUltraSOLV(登録商標)ScrubPADを使用して、粒子を研磨盤から除去することができる。
【0026】
研磨に続いて、電極アセンブリを脱イオン水で洗い、ブロー乾燥することが好ましい。電極アセンブリの表面粗さは、たとえばSurfscanシステムを使用して測定することができる。電極アセンブリの表面粗さは、約8μインチ以下であることが好ましい。
【0027】
電極アセンブリのガス出口および結合部内に閉じ込められている可能性のある粒子を自由にするために、電極アセンブリを80℃の脱イオン水に1時間浸漬させることが好ましい。粒子を電極アセンブリの表面から除去するには、電極アセンブリを約60℃の脱イオン水に入れ、30分間超音波クリーニングすることができる。閉じ込められた粒子の除去を助けるために、超音波クリーニング中において、電極アセンブリを超音波槽内で上下に動かすことができる。
【0028】
電極アセンブリのガス出口および結合部または取付け孔を含む電極アセンブリは、50psi以下の圧力の窒素/脱イオン水銃を使用してクリーニングすることができる。使用済みの電極アセンブリの黒鉛表面の表面構造は緩んでいる可能性があるため、電極アセンブリの黒鉛裏当て部材に損傷または衝撃を与えるのを防止するために、特殊な取扱いを必要とする可能性がある。クリーンルーム用紙、ナイロンワイア、または白糸を使用して、たとえば電極アセンブリのガス出口および結合部からの粒子除去品質を確認することができる。電極アセンブリは、50psi以下の圧力の窒素銃を使用して、乾燥させることができる。
【0029】
研磨に続いて、たとえばナトリウム塩、カリウム塩、およびそれらの組合せなどの可溶性の金属汚染物質ならびにポリマーの堆積物を電極アセンブリから除去するために、電極アセンブリを、脱イオン水およびイソプロピルアルコールの溶液で、好ましくは超音波で、クリーニングすることができる。以下に詳細に説明する弱酸性またはほぼ中性の溶液は、たとえばケイ酸カルシウム、酸化銅、酸化亜鉛、チタニア、およびそれらの組合せなどの不溶解性の金属塩を除去する。酸性溶液は、脱イオン水を使用して電極アセンブリから、好ましくは超音波で、除去される。最後に、電極アセンブリは、最終検査およびパッケージ化(梱包)の前に、フィルタにかけた窒素ガスを使用してブロー乾燥されて炉で焼成されることが好ましい。
【0030】
シリコン表面の金属汚染物質を除去するための弱酸性またはほぼ中性の溶液は、0.01〜5%NHF+5〜30%H+0.01〜10%HAc+0〜5%NHAc+バランスUPWを含むことができる。別の実施形態では、弱酸性またはほぼ中性の溶液は、0.01〜2%NHF+10〜20%H+0.01〜5%HAc+0〜5%NHAc+バランスUPWを含むことができる。効率および化学反応速度を高めるために、キレート剤、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、および界面活性剤などの添加剤をクリーニング溶液に加えることもできる。
【0031】
酸性溶液中のフッ化アンモニウム(NHF)の加水分解により、フッ化水素酸および水酸化アンモニウムが生成される。フッ化水素酸は、シリコン表面のエッチングを助ける。しかし、フッ化水素酸はシリコンポリマーの分解を引き起こす可能性があるので、エラストマー結合されたシリコン電極アセンブリをクリーニングする際、過剰なフッ化水素酸は望ましくない。アンモニウムイオンとの溶液バランスによって提供されるアンモニアは、たとえば銅および鉄などの多くの遷移金属で安定した金属錯イオンを形成する優れた錯化剤である。したがって、アンモニウムの存在は、金属除去効率を改善するのに役立つ。
【0032】
過酸化水素(H)は、強い酸化剤であり、有機汚染物質だけでなく金属汚染物質も除去するのに役立つ。酸化体として過酸化水素は、遷移金属を酸化させてより高い化学状態にし、前述のように、アンモニアで可溶性の錯体を形成することができる。さらに、過酸化水素は、多くの金属イオンでキレート錯体を形成して、クリーニング効率を改善することができる。酢酸(HAc)および酢酸アンモニウム(NHAc)は、溶液のpHを弱酸性またはほぼ中性に維持する緩衝液として働く。脱イオン超純水(UPW)は、1.8×10オーム/cm(18メガオーム/cm)より大きい抵抗率を有することが好ましい。
【0033】
電極アセンブリの結合材料が酸性溶液によって化学的に侵食されるリスクをさらに低減させるために、電極アセンブリのシリコン表面を酸性溶液に接触させることによって、好ましくは電極アセンブリを酸性溶液中に浸漬するのではなく拭き取ることによって、金属汚染物質が除去される。したがって、電極アセンブリのシリコン表面だけを酸性溶液に接触させることによって、またシリコン表面をクリーニングする間、電極アセンブリのシリコン表面を下向きに支持するクリーニングキットを用いることによって、酸性溶液が裏当て部材または結合領域に偶然接触することが防止される。電極アセンブリのシリコン表面が下向きに支持された状態では、シリコン表面にかけられた過剰な酸性溶液は、裏当て部材または結合領域まで流れるのではなく、シリコン表面から滴り落ちた後に収集することができる。裏当て部材および結合領域は、シャワーヘッドガス出口を通じて裏当て板側から電極板側まで窒素ガス(N)を流して、毛管作用によりガス出口まで進む酸を最小限にすること、またはなくすことによって、さらに保護される。
【0034】
酸性溶液が裏当て部材または結合領域に偶然接触することを防止する追加の方策は、拭き取った後、裏当て部材からシリコン表面まで圧縮窒素ガスを吹き込んで電極アセンブリを乾燥させ、シリコン表面からあらゆる残留溶液を吹き飛ばすことを含む。拭取り後、電極アセンブリを脱イオン水で洗うことによって、溶液は電極アセンブリから除去される。裏当て板からの汚染物質がシリコン電極上に堆積するのを防止するために、クリーニングキットにより、ガス出口を通じてシリコン電極側から裏当て板側までシャワーヘッド電極を水で洗い流すことができる。クリーニングキットの一連の固定治具および台を利用して、複合電極アセンブリを窒素ガス(N)下でブロー乾燥し、焼成し、袋詰め(梱包)にして、多数の汚染源をなくし、一貫した抑制された部品処理を実現し、ならびに処理中の部品損傷のリスクを低減させる。
【0035】
クリーニングすべき電極アセンブリに対して寸法設定されたクリーニングキットは、複合シャワーヘッド電極を支持する電極キャリアを有し、クリーニングすべき電極に人が直接接触しないようにする。図1に示すように、電極キャリア100は、複合シャワーヘッド電極170をクリーニングのために支持する。電極キャリア100は、全体として平坦であり、第1の表面(側面)106および第2の表面(側面)107を有する。電極キャリア100は、複合電極170を実質的に取り囲む2つの電極キャリア半体101、102を備える。電極キャリア半体101は、外方に延びるボス122を通って拘束されたつまみねじ120によって、電極キャリア半体102に結合される。図1は、電極キャリア100によって支持された、複合シャワーヘッド電極170のシリコン電極172側およびガス出口174を示す。
【0036】
複合シャワーヘッド電極170のアルミニウム裏当て板側176(図3参照)は、図2Aおよび2Bに示す内方に延びる突起110に載っている。ボス122内で水平に延びる開口124は、つまみねじ120(図1)を捕獲する。つまみねじ120を受け入れて2つの電極キャリア半体101、102をともに固定するねじを切った開口126が図2Bに示されている。反対側に設けられたハンドル116により、電極キャリア100を手で持ち上げることができる。図3は、内方に延びる突起110に載っている複合シャワーヘッド電極170のアルミニウム裏当て板側176、および酸処理台200上に支持された電極キャリア100を示す。酸処理台200は、全体として平坦な基部202と、基部202から垂直に延びる3本の柱204とを備える。電極キャリア100は、柱204の先端部206を受け入れるために、3つ以上の孔103を含み(たとえば、6つの均等に間隔を空けた孔により、さまざまな位置でキャリアの向きを定めることができる)、それによって、電極キャリア100を安定した形でしっかりと保持する。一実施形態では、電極キャリア半体101、102は、酸に対して化学的耐性をもつポリプロピレンなどの化学的耐性材料から形成することができ、またつまみねじ120は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの化学的耐性材料から形成することができる。
【0037】
図4、5A、および5Bに示すように、第1の板300(スパイダ板)は、4つのフランジ302および4つのつまみねじ304を含む。電極キャリア100の第1の表面106の内側周辺部には、第1の板300上のフランジ302を受け入れるために、4つの垂直に延びるスロット112が存在する。垂直に延びるスロット112から円周方向に円周溝114が延び、第1の板300が電極キャリア100に対して回転するとき、フランジ302が溝114内で摺動する。溝114内で回転するフランジ302によって第1の板300が電極キャリア100上に設置された後、複合シャワーヘッド電極170のアルミニウム板176内のねじを切った開口180内へ、第1の板300上のつまみねじ304を留めることができる。図6は、電極キャリア100に固定されたアルミニウム板176に固定された第1の板300の詳細図を示す。複合シャワーヘッド電極170を電極キャリア100に固定した状態で、ハンドル116によって電極キャリア100を酸処理台200から手で持ち上げ、複合シャワーヘッド電極170のシリコン電極面172が下向きになるようにひっくり返し、柱の先端部206を電極キャリアの孔103内に挿入して酸処理台200上に戻すことができる。
【0038】
図7に示すように、酸処理台の柱204上に電極キャリア100を置くことにより、電極アセンブリ172のシリコン表面(図1参照)を下向きに支持して、手で拭き取ることによって酸クリーニングすることができる。図7は、第2の板400(Nパージ板)の設置を示す。第2の板400は、電極キャリアの第2の表面107に取り付けられ、電極キャリアの第1の表面106にOリング封止材(図示せず)で封止される。第2の板400は、垂直に延びるロックフランジ410を有し、ロックフランジ410は、ロックフランジ410の下端部で円周方向に延びるカム表面412を有する。ロックフランジ410は、電極キャリア100の外側周辺部上で垂直に延びるスロット118に沿って垂直に動く。カム表面412は、電極キャリアの第2の表面107に係合し、第2の板400が電極キャリア100に対して回転するにつれて、封止材を圧縮する。図8は、電極キャリア100に取り付けられて第1の板300を覆う第2の板400のロックフランジ410上のカム表面412の詳細図を示す。
【0039】
加圧下で第2の板400内のガス入口402を通じて窒素ガス(N)を導入して、アルミニウム板176内のガス孔178に流入させ、シリコン板172内の対応する孔174から流出させることができる。したがって、第2の板400は、シリコン板172の露出表面の酸クリーニング中にガス孔174、178を通じてガスを流して、酸がガス孔174、178内にしみ込むのを防止する。
【0040】
ガス孔174、178を通じてNを流しながら底部からシリコン板172を連続して酸洗してすすいだ後、第2の板400を取り外し、ハンドル116によって電極キャリア100を酸処理台200の酸処理台柱204から手で取り外し、複合シャワーヘッド電極170のシリコン電極面172が上向きになるようにひっくり返し、柱の先端部206を電極キャリアの孔103内に挿入して酸処理台200上に戻す(または、全体として平坦な基部222を有する別の処理台220の柱の先端部224上に配置する)ことができる。次いで、第1の板300を取り外すことができ、複合シャワーヘッド電極170は、内方に延びる突起110(図2Aおよび2Bに示す)に載っている。図9に示すように、処理台の柱224上の電極キャリア100は、電極アセンブリ172のシリコン表面を、洗うために上向きに支持する。図9は、第3の板500(水洗い板)の設置を示す。第3の板500は、電極キャリアの第1の表面106に取り付けられ、電極キャリアの第2の表面107にOリング封止材(図示せず)で封止される。第3の板500は、垂直に延びるロックフランジ510を有し、ロックフランジ510は、ロックフランジ510の下端部で円周方向に延びるカム表面512を有する。ロックフランジ510は、電極キャリア100の外側周辺部上で垂直に延びるスロット118に沿って垂直に動く。カム表面512は、電極キャリアの第1の表面106に係合し、第3の板500が電極キャリア100に対して回転するにつれて、封止材を圧縮する。
【0041】
低圧下で第3の板500内の水入口502を通じて水を導入して、シリコン板172内のガス孔174に流入させ、アルミニウム板176内の対応する孔178から流出させることができる。したがって、第3の板500は、シリコン板172のクリーニングした表面を水で洗い流す間にガス孔174、178を通じて水を流して、裏当て板176からの粒子がクリーニングしたシリコン板172を汚染するのを防止する。水洗い後、第3の板500を取り外すことができる。
【0042】
図10は、シリコン板を上向きにして乾燥台600まで下げる前における電極キャリア100内に支持された電極170を示す。乾燥台600は、基部フレーム602と、垂直柱604と、複合シャワーヘッド電極170の寸法に近いサイズを有する中心開口606と、基部フレーム602の上部表面の上に垂直に延びてアルミニウム板176を支持するための複数の支持部材612とを備える。基部板602は、乾燥台600を手で操作するためのハンドル608を含むことができる。支柱604および電極キャリア100は、電極100に手で触れることなく、電極キャリア100を複合シャワーヘッド電極170から取り外すことができるように構成される。図11に示すように、各支持部材612は、線接触614に沿ってアルミニウム板176を支持して、アルミニウム板176に水が閉じ込められたり水で汚れたりすることを防止する。支持部材612は、電極板170の横方向の動きを防止するための垂直フィンガ616を含む。一実施形態では、支持部材は、PEEKなどの化学的耐性材料から形成することができる。
【0043】
アルミニウム板176が支持部材612によって支持された状態で、電極キャリア100の第1の半体101と第2の半体102を互いから離して水平に動かすことができ、複合シャワーヘッド電極170から外すことができる。図12は、乾燥台600の支持部材612上に支持された複合シャワーヘッド電極170を、複合シャワーヘッド電極170の周辺部の半分を取り囲む電極キャリアの一方の半体101が取り外された状態で示す。電極キャリアの他方の半体102は、複合シャワーヘッド電極170の周辺部の他方の半分を取り囲んでいる取外し前の状態で示す。
【0044】
図13は、電極キャリア100が取り外された後、複合シャワーヘッド電極170を覆って基部フレーム602に封止された第4の板700(ブロー乾燥板)を示す。乾燥台の柱604は、ねじを切った棒610を先端部に有する。第4の板700はアーム704を含み、アーム704は開口706を有する。開口706は、柱604に沿って摺動し、手締めナット800が、アーム704を下方へ圧縮して、第4の板700上のOリングを基部フレーム602に対して封止するように、ねじを切った棒610に係合する。第4の板700は、ガス入口702を含む。加圧下でガス入口702を通じてガスを導入して、シリコン板のガス孔174に流入させ、対応するアルミニウム板のガス孔178から流出させ、ならびに複合シャワーヘッド電極170の周辺部の周囲に流して、たとえば窒素ガス(N)で、電極170をブロー乾燥することができる。ガスブロー乾燥後は、第4の板700を取り外すことができ、乾燥台600上に支持された複合シャワーヘッド電極170を、炉内に配置して焼成することができる。焼成後、ハンドル608に手で接触することによって、複合シャワーヘッド電極170に人が直接接触することなく、複合シャワーヘッド電極170を炉から取り出し、冷却し、袋詰めにすることができる。へらを使用して、複合シャワーヘッド電極170を乾燥台600から袋に移動させてもよい。
【0045】
本発明について、本発明の好ましい実施形態に関連して説明してきたが、添付の特許請求の範囲に規定される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、特に記載していない追加、削除、修正、および置換えを加えることができることが、当業者には理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ反応チャンバの複合シャワーヘッド電極をクリーニングするために有用なクリーニングキットであって、
前記複合シャワーヘッド電極は、アルミニウム裏当て板に結合されたシリコン板を含み、
前記クリーニングキットは、
前記シリコン板を上向きにして前記複合シャワーヘッド電極を支持する電極キャリアと、
基部、および前記電極キャリアに係合して前記電極キャリアを支持する複数の支柱を有する処理台と、
前記電極キャリアの第1の側面、および前記アルミニウム裏当て板に係合する1つまたは複数の取付け部材に取り付けられて、前記シリコン板をクリーニングするために前記シリコン板が露出した状態で前記複合シャワーヘッド電極を支持する第1の板と、
前記第1の板が第2の板と前記複合シャワーヘッド電極との間の空間内に位置するように、前記電極キャリアの前記第1の側面に取り付けられる前記第2の板であって、前記電極キャリアの前記第1の側面に係合する封止部、および加圧下でガスを導入して前記アルミニウム裏当て板内のガス孔に流入させて前記シリコン板内の対応するガス孔から流出させることができるガス入口を含み、前記シリコン板の前記露出した表面の酸クリーニング中に前記ガス孔を通じてガスを流す、前記第2の板と、
前記シリコン板を上向きにして前記電極キャリアの前記第2の側面に取り付けられる第3の板であって、前記電極キャリアに係合する封止材、および加圧下で水を導入して前記シリコン板内のガス孔に流入させて前記アルミニウム裏当て板内の対応するガス孔から流出させることができる水入口を含み、前記シリコン表面の前記クリーニングの後に前記複合シャワーヘッド電極を水洗いするために前記ガス孔を通じて低圧水を流す、前記第3の板と、
基部フレームおよび複数の柱を有する乾燥台であって、前記複合シャワーヘッド電極に手で触れることなく、前記電極キャリアを前記複合シャワーヘッド電極から取り外すことができるように、前記基部フレームが前記電極キャリアおよび前記複合シャワーヘッド電極を支持する、前記乾燥台と、
前記基部フレームに係合する封止材、および加圧下でガスを導入して前記シリコン板内のガス孔に流入させて前記アルミニウム裏当て板内の対応するガス孔から流出させることができるガス入口を含む第4の板であって、水洗い工程後、ガスで前記複合シャワーヘッド電極を乾燥させる、前記第4の板とを備えることを特徴とするキット。
【請求項2】
前記電極キャリアが、少なくとも1つの留め具により互いに取り付けられた第1および第2の部分を備え、前記第1および第2の部分が、前記複合シャワーヘッド電極の外側の周囲に嵌合する内側周辺部と、前記アルミニウム裏当て板の前記露出した表面に係合する1つまたは複数の内方に延びる突起とを含むことを特徴とする請求項1に記載のキット。
【請求項3】
前記第1の部分が、外方に延びるボスと、前記ボス内で水平に延びる開口と、前記開口内に支持されたつまみねじとを含み、前記第2の部分が、外方に延びるボスを含み、前記ボスが、前記第1および第2の部分をともに固定するように前記つまみねじを受け入れるねじを切った開口を内部に有し、前記電極キャリアが、前記電極キャリア上に前記複合シャワーヘッド電極を支持した状態で前記電極キャリアを手で持ち上げることができるように互いに反対側に設けられたハンドルを含み、前記1つまたは複数の突起が、前記第1の部分上に3つの突起と、前記第2の部分上に3つの突起とを備え、前記処理台が、3本の柱を含み、前記電極キャリアが、前記電極キャリアの各側面に、前記処理台の前記3本の柱の先端部を受け入れるように構成された少なくとも3つの孔を含むことを特徴とする請求項2に記載のキット。
【請求項4】
前記電極キャリアが、前記電極キャリアの内側周辺部に、円周方向に延びる溝と連通する複数の垂直に延びるスロットを含み、前記第1の板が、前記スロット内で垂直に動くように、また前記第1の板が前記電極キャリアに対して回転するときに前記溝内で摺動するように構成された複数のフランジを含み、前記1つまたは複数の取付け部材が、前記アルミニウム裏当て板内のねじを切った開口内へ留めることができるつまみねじを備えることを特徴とする請求項1に記載のキット。
【請求項5】
前記第1の板が、4つのフランジおよび4つのつまみねじを含むことを特徴とする請求項4に記載のキット。
【請求項6】
前記第2の板が、複数の垂直に延びるロックフランジを含み、前記ロックフランジが、前記ロックフランジの下端部で円周方向に延びるカム表面を有し、前記電極キャリアが、前記電極キャリアの外側周辺部に複数の垂直に延びるスロットを含み、前記ロックフランジが、前記スロットに沿って垂直に動くように構成され、前記カム表面が、前記電極キャリアの前記第2の側面に係合し、前記第2の板が前記電極キャリアに対して回転するにつれて前記封止部を圧縮するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のキット。
【請求項7】
前記第2の板が、前記第2の板の両側に、前記第2の板から外方に延びる1対のハンドルを含むことを特徴とする請求項6に記載のキット。
【請求項8】
前記第3の板が、複数の垂直に延びるロックフランジを含み、前記ロックフランジが、前記ロックフランジの下端部で円周方向に延びるカム表面を有し、前記電極キャリアが、前記電極キャリアの外側周辺部に複数の垂直に延びるスロットを含み、前記ロックフランジが、前記スロットに沿って垂直に動くように構成され、前記カム表面が、前記電極キャリアの前記第1の側面に係合し、前記第3の板が前記電極キャリアに対して回転するにつれて前記封止部を圧縮するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のキット。
【請求項9】
前記基部フレームが、ねじを切った棒を先端部に有する4本の柱を含み、前記第4の板が、貫通する開口を有する4つのアームを含み、前記アーム内の前記開口が、前記柱に沿って摺動し、前記キットが、前記アームを下方へ圧縮して前記第4の板を前記基部フレームに対して封止するように、前記ねじを切った棒に係合する4つの手締めナットを含むことを特徴とする請求項1に記載のキット。
【請求項10】
前記基部フレームが、前記複合シャワーヘッド電極の寸法に近い寸法を有する中心開口と、前記基部フレームの上部表面の上に垂直に延びて前記アルミニウム裏当て板に係合する複数の支持部材とを含み、前記支柱および電極キャリアが、前記電極キャリアを前記複合シャワーヘッド電極から取り外すことができるように構成されることを特徴とする請求項9に記載のキット。
【請求項11】
前記電極キャリアが、それぞれ前記複合シャワーヘッド電極の前記周辺部の半分を取り囲む第1および第2の部分を備え、前記複合シャワーヘッド電極を前記基部フレーム上に支持しながら、前記第1および第2の部分を、互いから離して水平に動かすことができ、前記複合シャワーヘッド電極から外すことができることを特徴とする請求項10に記載のキット。
【請求項12】
プラズマ反応チャンバの複合シャワーヘッド電極をクリーニングする方法であって、
前記複合シャワーヘッド電極は、アルミニウム裏当て板に結合されたシリコン板を含み、
前記方法は、
前記シリコン板を上向きにして前記複合シャワーヘッド電極を支持する電極キャリアによって前記複合シャワーヘッド電極を支持する工程と、
基部、および前記電極キャリア内の孔に係合する複数の支柱を有する処理台上に前記電極キャリアを支持する工程と、
前記電極キャリアの第1の側面に第1の板を取り付け、前記アルミニウム裏当て板に1つまたは複数の取付け部材を取り付けて、前記シリコン板をクリーニングするために露出させた状態で前記電極キャリア内の前記複合シャワーヘッド電極を支持する工程と、
前記電極キャリアを前記処理台から取り外し、前記電極をひっくり返し、前記シリコン板を下向きにして前記電極キャリアを前記処理台上に配置する工程と、
前記第1の板が第2の板と前記複合シャワーヘッド電極の間の空間内に位置するように、前記電極キャリアに第2の板を取り付ける工程であって、前記第2の板が、前記電極キャリアの前記第1の側面に係合する封止部、および加圧下でガスを導入して前記アルミニウム裏当て板内のガス孔に流入させて前記シリコン板内の対応するガス孔から流出させることができるガス入口を含む、工程と、
前記第2の板内の前記ガス入口にガス源を取り付け、前記シリコン板の前記露出した表面を酸クリーニングする間に前記ガス孔を通じてガスを流す工程と、
前記電極キャリアを前記処理台から取り外し、前記電極キャリアをひっくり返し、前記シリコン板を上向きにして前記電極キャリアを前記処理台上に配置する工程と、
前記第1および第2の板を取り外し、前記シリコン板を上向きにして前記電極キャリアの前記第2の側面に第3の板を取り付ける工程であって、前記第3の板が、前記電極キャリアに係合する封止部、および加圧下で水を導入して前記シリコン板内のガス孔に水を流入させて前記アルミニウム裏当て板内の対応するガス孔から流出させることができる水入口を含む、工程と、
前記第3の板の前記水入口に水源を取り付け、前記シリコン表面を酸クリーニングした後、前記複合シャワーヘッド電極を水洗いするために、前記ガス孔を通じて水を流す工程と、
前記第3の板を取り外し、複数の柱を有する乾燥台の基部フレーム上に前記電極キャリアを配置する工程と、
前記電極キャリアに手で触れることなく、前記電極キャリアを前記複合シャワーヘッド電極から取り外す工程と、
前記乾燥台に第4の板を、前記柱の上に前記第4の板を摺動させることによって取り付け、前記基部フレームと前記第4の板の間に封止部を形成する工程であって、前記第4の板が、加圧下でガスを導入して前記シリコン板内のガス孔に流入させて前記アルミニウム裏当て板内の対応するガス孔から流出させることができるガス入口を含む、工程と、
前記第4の板の前記ガス入口にガス源を取り付け、水洗い工程後、前記複合シャワーヘッド電極の上にガスを吹き込んで、前記複合シャワーヘッド電極を乾燥させる工程と、
前記第4の板を取り外し、前記乾燥台の前記基部フレーム上に前記複合シャワーヘッド電極を支持しながら、前記複合シャワーヘッド電極を炉内に配置する工程とを含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
前記電極キャリアが、少なくとも1つの留め具により前記電極キャリアの第1および第2の部分をともに取り付けることによって、前記複合シャワーヘッド電極に取り付けられ、前記第1および第2の部分が、前記複合シャワーヘッド電極の外側の周囲に嵌合する内側周辺部と、前記アルミニウム裏当て板の前記露出した表面に係合する1つまたは複数の内方に延びる突起とを含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の部分が、外方に延びるボスと、前記ボス内で水平に延びる開口と、前記開口内に支持されたつまみねじとを含み、前記第2の部分が、外方に延びるボスを含み、前記ボスが、ねじを切った開口を内部に有し、前記電極キャリアが、前記つまみねじを前記開口に係合させて前記第1および第2の部分をともに固定することによって取り付けられ、前記電極キャリアが、前記電極キャリア上に前記複合シャワーヘッド電極を支持した状態で前記電極キャリアを手で持ち上げることができるように互いに反対側に設けられたハンドルを含み、前記電極キャリアを前記処理台上に配置する前記工程が、前記電極キャリアを前記ハンドルにより手で持ち上げることによって実施されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記電極キャリアが、前記電極キャリアの内側周辺部に、円周方向に延びる溝と連通する複数の垂直に延びるスロットを含み、前記第1の板が、前記第1の板を垂直に動かして前記第1の板上の複数のフランジを前記電極キャリアの前記スロット内に挿入すること、そして前記第1の板を回転させて前記フランジ上の外方に延びる突起を前記溝内で摺動させることによって取り付けられ、前記第1の板が、前記第1の板上に支持されたつまみねじを前記アルミニウム裏当て板内のねじを切った開口内へ回転させることによって、前記アルミニウム裏当て板に取り付けられることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記第2の板が、複数の垂直に延びるロックフランジを含み、前記ロックフランジが、前記ロックフランジの下端部で円周方向に延びるカム表面を有し、前記電極キャリアが、前記電極キャリアの外側周辺部に複数の垂直に延びるスロットを含み、前記第2の板が、前記ロックフランジを前記スロットに沿って垂直に動かすこと、そして前記カム表面が前記電極キャリアの下側の面に係合して前記封止部を圧縮するように前記第2の板を回転させることによって、前記電極キャリアに取り付けられることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記第3の板が、複数の垂直に延びるロックフランジを含み、前記ロックフランジが、前記ロックフランジの下端部で円周方向に延びるカム表面を有し、前記電極キャリアが、前記電極キャリアの外側周辺部に複数の垂直に延びるスロットを含み、前記第3の板が、前記ロックフランジを前記スロットに沿って垂直に動かすこと、そして前記カム表面が前記電極キャリアの下側の面に係合して前記封止部を圧縮するように前記第3の板を回転させることによって、前記電極キャリアに取り付けられることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記基部フレームが、ねじを切った棒を先端部に有する4本の柱を含み、前記第4の板が、貫通する開口を有する4つのアームを含み、前記アーム内の前記開口が、前記柱に沿って摺動し、前記第4の板が、前記アームを下方へ圧縮して前記第4の板を前記基部フレームに対して封止するように、前記ねじを切った棒に係合する4つの手締めナットを回転させることによって、前記基部フレームに取り付けられることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記基部フレームが、前記複合シャワーヘッド電極の寸法に近似する中心開口と、前記基部フレームの上部表面の上に垂直に延びて前記シリコン板に係合する複数の支持部材とを含み、前記電極キャリアが、前記電極キャリアの摺動する第1および第2の部分を外すこと、そして前記第1および第2の部分を前記電極キャリアから離して摺動させることによって、取り外されることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記複合シャワーヘッド電極の前記シリコン板を前記基部フレーム上に支持しながら、前記第1および第2の部分が、互いから離れて水平に動かされ、前記複合シャワーヘッド電極から外されることを特徴とする請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2010−521813(P2010−521813A)
【公表日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−553604(P2009−553604)
【出願日】平成20年3月12日(2008.3.12)
【国際出願番号】PCT/US2008/003223
【国際公開番号】WO2008/112225
【国際公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(592010081)ラム リサーチ コーポレーション (467)
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
【Fターム(参考)】