説明

ヘテロ環状化合物およびその使用方法

本発明はデアセチラーゼ関連疾患の処置における化合物の使用および当該疾患の処置のための医薬製剤の製造における化合物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2006年12月15日出願の米国特許出願番号60/870176号明細書(参照により本明細書の一部とする)に対する優先権を主張する。すべての真核細胞において、クロマチン内のゲノムDNAはヒストンと会合してヌクレオソームを形成する。各ヌクレオソームは各ヒストン、H2A、H2B、H3およびH4の2つのコピーから形成されたタンパク質オクタマーから構成される。DNAはこのタンパク質コアに巻きつき、そのヒストンの塩基性アミノ酸がDNAの負に荷電したリン酸基と相互作用する。これらのコアヒストンの最も一般的な翻訳後の修飾は、保存された高塩基性N末端リジン残基のε−アミノ基の可逆的アセチル化である。ヒストンアセチル化の定常状態は、競合するヒストンアセチルトランスフェラーゼとヒストンデアセチラーゼ(本明細書ではHDACという)との間の動的平衡により確立される。
【背景技術】
【0002】
ヒストンのアセチル化とデアセチル化の間の動的平衡は、正常な細胞増殖にとって必須である。ヒストンデアセチル化を阻害すると、細胞サイクルの停止、細胞分化、アポトーシスおよび形質転換表現型の逆転に至る。それ故、HDAC阻害剤は細胞増殖性疾患または症状の処置に、卓越した治療上の可能性を有し得る。例えば、フェニル酪酸ナトリウムを含む酪酸およびその誘導体は、ヒトの大腸癌、白血病および網膜芽細胞腫細胞株において、インビトロでアポトーシスを誘発すると報告されている。しかし、酪酸およびその誘導体は、インビボで急速に代謝される傾向があり、また半減期が著しく短いため、有用な薬剤ではない。抗増殖活性について広く研究されているHDACの他の阻害剤は、トリコスタチンAとトラポキシンである。トリコスタチンAは抗真菌性抗生剤であり、哺乳動物HDACの可逆的阻害剤である。トラポキシンは環状のテトラペプチドであり、哺乳動物HDACの不可逆的阻害剤である。トリコスタチンおよびトラポキシンはその抗癌活性について研究されているが、そのインビボでの不安定性のために、抗癌剤として余り適切ではないとされる。
【0003】
他のデアセチラーゼ類は、例えば、p53、Hif−1α、チューブリン、HSP90などの他のタンパク質に作用する。それ故、かかるデアセチラーゼのアゴニストとアンタゴニストは、これらのタンパク質および疾患と障害に関連する多様な範囲のタンパク質のアセチル化を調節する上で有用である。
【0004】
上記の観点から、HDACおよび他のデアセチラーゼの阻害剤および/またはアンタゴニストに対する必要性が今なお存在する。
【発明の概要】
【0005】
本発明はデアセチラーゼ阻害化合物を提供する。とりわけ、本発明は式(I)の化合物を提供する。特定の態様において、本発明はイソインドリン誘導体を提供する。別の態様において、本発明はテトラヒドロ−イソキノリン誘導体を提供する。別の態様において、本発明はテトラヒドロ−ベンズアゼピン誘導体を提供する。本発明の化合物は、本明細書においてデアセチラーゼ阻害化合物ともいい、デアセチラーゼ関連障害の処置、例えば、増殖性疾患、過剰増殖性疾患、免疫系の疾患、中枢もしくは末梢神経系の疾患、または遺伝子の誤発現と関連する疾患の処置に適当である。本発明は有効なデアセチラーゼ阻害剤であるヘテロ環状化合物を包含する。
【0006】
一局面において、本発明はデアセチラーゼ関連障害を処置する方法を提供する。当該方法はそれを必要とする対象に、当該デアセチラーゼ関連障害を処置するために医薬的に許容される量のヘテロ環状化合物を投与することからなる。一態様において、ヘテロ環状化合物は式(I)で示される化合物である:
【0007】
【化1】

【0008】
なお別の局面において、本発明は増殖性疾患の処置方法であって、それを必要とする対象に、当該増殖性疾患を処置するために医薬的に許容される量の式(I)で示される化合物を投与することによる方法を提供する。
【0009】
さらに別の局面において、本発明は包装されたデアセチラーゼ関連障害処置剤を提供する。該処置剤は、デアセチラーゼ関連障害を処置する有効量のデアセチラーゼ調節化合物を使用するための説明書とともに包装した、式(I)のデアセチラーゼ調節化合物を含む。
【0010】
発明の詳細な説明
本発明はデアセチラーゼ阻害化合物を提供する。特定の態様において、本発明はイソインドリン化合物を提供する。別の態様において、本発明はテトラヒドロ−イソキノリン化合物を提供する。特定の態様において、本発明はテトラヒドロ−ベンズアゼピン化合物を提供する。これら化合物の機能は、例えば、デアセチラーゼの阻害またはヒストンデアセチラーゼの阻害であり、デアセチラーゼ関連障害の処置のための、例えば、増殖性疾患、過剰増殖性疾患、免疫系の疾患、中枢もしくは末梢神経系の疾患、または遺伝子の誤発現と関連する疾患の処置のためのかかるモジュレーターの使用である。
【0011】
一局面において、本発明化合物は式(I)で示される:
【化2】

[式中、
破線は単結合または二重結合を示し;
nおよびmは、それぞれ独立して、1、2、または3であり、nおよびmの合計は2、3または4であり;
Xは(CH)であり、ここで、各CHは独立して、C(O)、S(O)、S(O)、O、またはNRの1個以上と置き換わってもよく、ここで、Rは、H、アルキル、アリール、ヘテロ環、C1−4−アルキル、およびC3−6−シクロアルキルからなる群より選択され;
jは0ないし6の整数であり;
Rは、C1−4−アルキル、C3−6−シクロアルキルおよびアリールからなる群より選択され;ここで、シクロアルキルおよびアリールはさらに独立して、アリール、ヘテロ環、C1−4−アルキル、C1−4−アルコキシ、ハロゲン、アミノ、ニトロ、シアノ、ピロリジニルまたはCFの1個以上で置換されていてもよい]。
【0012】
本明細書ではデアセチラーゼ阻害化合物ともいう本発明の化合物の好適な態様(医薬的に許容されるその塩を含む)を下記表Aに示すが、これらは「本発明化合物」と考えられるものである。
【0013】
IC50キー
*** IC50≦100nM
** IC50 100nMないし1μM
IC50≧1μM
【0014】
【表1】

【表2】

【0015】
【表3】

【表4】

【0016】
【表5】

【表6】

【0017】
【表7】

【表8】

【0018】
【表9】

【表10】

【0019】
【表11】

【0020】
ある態様において、本発明の化合物はさらにヒストンデアセチラーゼ(“HDAC”)、例えば、哺乳動物のHDAC、とりわけ、ヒトのHDACポリペプチドのモジュレーターとして特徴づけられる。好適な態様において、本発明化合物はHDAC阻害剤である。
【0021】
「HDAC関連状態」または「HDAC関連障害」という用語は、HDACの活性、例えば、ヒストンの脱アセチル化と関連する障害および状態(例えば、病的状態)を含む。HDAC関連障害はしばしば異常な細胞成長および異常な細胞増殖と関連する。HDAC関連状態は、増殖性疾患、過剰増殖性疾患、免疫系の疾患、中枢神経系および末梢神経系の疾患、および遺伝子の誤発現と関連する疾患を包含する。HDAC関連障害は、突然変異したHDACポリペプチドと関連した、HDACポリペプチドの誤調節と関連する疾患もしくは障害であるか、または少なくとも1種のHDACポリペプチドの阻害に応答することが発見されている。「HDAC関連状態」または「HDAC関連障害」という用語は、HDAC依存性疾患をも包含する。
【0022】
HDAC依存性疾患は、例えば、HDAC1(Online Mendelian Inheritance in Man (“OMIM”); ヒトにおけるオンライン・メンデル遺伝;受託番号601241)、HDAC2、HDAC3(OMIM受託番号605166)、HDAC4(OMIM受託番号605314)、HDAC5(OMIM受託番号605315)、HDAC6、HDAC7、HDAC8(OMIM受託番号300269)、HDAC9(OMIM受託番号606543)、HDAC10(OMIM受託番号608544)、HDAC11(OMIM受託番号607226)、およびBRAF35/HDAC複合体80−KDサブユニット(OMIM受託番号608325)、もしくはHDAC関連経路の活性または誤調節に依存する疾患、または上記のHDACのいずれか2種以上に依存する疾患である。OMIMは、ジョン・ホプキンス大学が保持する遺伝子関連疾患のデータベースであり、米国国立保健研究所(NIH)の国立生物技術情報センターを介して公的に利用し得る。
【0023】
本発明は上記のHDAC関連障害の処置を包含するが、本発明は当該化合物が疾患の処置のその企図した機能を遂行する方法に限定されるものではない。本発明は、例えば、増殖性疾患の処置を可能にする任意の方法での、ここに記載の疾患の処置を含む。
【0024】
関連する態様において、本発明の使用および方法によって処置すべき疾患は、誤調節遺伝子発現と関連する疾患および不調である。用語「誤調節遺伝子発現」という用語は、正常と比較した発現の増加、発現の減少のいずれかによる、一時的な発現の変化を含む、発現レベルの変化、またはその組み合わせを意味する。
【0025】
これらの使用および方法に関連する態様において、当該疾患は過剰増殖性疾患であり、白血病、過形成、線維症(肺線維症であるが、腎臓線維症などの他のタイプの線維症も含む)、血管形成、乾癬、アテローム性動脈硬化症、および狭窄もしくは血管形成術後の再狭窄などの血管の平滑筋増殖などを包含する。
【0026】
ある態様において、本発明は本発明化合物のいずれかの医薬組成物を提供する。関連する態様において、本発明は本発明化合物のいずれかと、これら化合物のいずれかの医薬的に許容される担体または添加剤からなる医薬組成物を提供する。ある態様において、本発明は新規な化学物としての化合物を包含する。
【0027】
一態様において、本発明は包装されたHDAC関連障害処置剤を提供する。該処置剤は、企図した使用のために有効量の本発明化合物を使用するための説明書とともに包装した、本発明化合物を含む。
【0028】
本発明化合物は、デアセチラーゼ関連障害、例えば、細胞増殖性疾病などの処置に特に効果のある医薬組成物中の活性剤として適当である。種々の態様における医薬組成物は、他の医薬的に許容される添加剤、担体、充填剤、賦形剤などとともに、本活性剤の医薬的有効量を有する。「医薬的有効量」という文言は、本明細書にて使用する場合、治療的結果、とりわけ、抗腫瘍作用、例えば、悪性癌細胞、良性腫瘍細胞もしくは他の増殖性細胞の増殖の阻害、またはいずれかの他のデアセチラーゼ依存性疾患の阻害を達成するために、宿主に、または宿主の細胞、組織、もしくは器官に投与する必要のある量を示す。
【0029】
一態様において、本発明化合物により処置すべき疾患は、例えば、増殖性疾患、好ましくは良性の、もしくはとりわけ悪性の腫瘍、より好ましくは、脳、腎臓、肝臓、副腎、膀胱、乳房、胃(胃腫瘍を含む)、食道、卵巣、結腸、直腸、前立腺、膵臓、肺、膣、甲状腺の癌、肉腫、グリオブラストーマ、多発性硬化症または胃腸癌、とりわけ、結腸癌または結腸直腸腺腫、または頚頭部癌、表皮過剰増殖、とりわけ、乾癬、前立腺過形成、腫瘍形成、例えば、乳癌などの表皮特性の腫瘍形成、または白血病などである。
【0030】
さらなる態様において、処置すべき疾患は、乾癬などの永続性の血管形成;カポジ肉腫;再狭窄、例えば、ステント誘発再狭窄;子宮内膜症;クローン病;ホジキン病;白血病;関節炎、例えば、関節リウマチ;血管腫;血管線維腫;眼疾患、例えば、糖尿病性網膜症および血管新生緑内障;腎疾患、例えば、糸球体腎炎;糖尿病性腎症;悪性腎硬化症;血栓性微小血管性症候群;移植拒絶および糸球体症;線維性疾患、例えば、肝硬変;糸球体間質細胞増殖性疾患;動脈硬化症;神経組織傷害などが引き金となる疾患である。
【0031】
本発明化合物は、バルーンカテーテル処置後に、血管補助器具の使用のために、または例えば、ステントなどの血管を開いた状態に維持する機械的装置の挿入後に、血管の再閉塞を阻害するために、また免疫抑制剤として、無瘢痕外傷治癒の補助として、また染みおよび接触皮膚炎の処置のために使用することもできる。
【0032】
他の態様において、本発明はヒストンデアセチラーゼを阻害する方法を提供する。当該方法は細胞と本発明化合物のいずれかと接触させることからなる。関連する態様において、当該方法はさらに該化合物が細胞中のヒストンのアセチル化を選択的に阻害する上で、十分な濃度を生じるために有効な量で存在する方法を提供する。
【0033】
他の態様において、本発明は増殖性または過剰増殖性疾患を処置するための医薬の製造における本発明化合物のいずれかの用途を提供する。
別の態様において、本発明は対象の処置のために本発明化合物のいずれかを製剤化することからなる医薬の製造法を提供する。
【0034】
定義
「処置する」、「処置した」、「処置すること」または「処置」という用語は、処置すべき状態、障害または疾患と関連するか、または原因とする少なくとも1つの症状を緩和または軽減することを意味する。ある態様において、当該処置はデアセチラーゼ阻害状態の誘発、引き続くデアセチラーゼ調節化合物の活性化からなり、それが次に処置すべきデアセチラーゼ関連状態、障害または疾患と関連するか、または原因とする少なくとも1つの症状を軽快または軽減することとなる。例えば、処置とは障害の1つのもしくは数種の症状の軽減または障害の完治であり得る。
【0035】
用語「対象」とは、デアセチラーゼ関連障害に罹患し得るか、または冒されている生物体、例えば、原核細胞および真核細胞生物を包含するものとする。対象の例は、哺乳動物、例えば、ヒト、イヌ、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、マウス、ウサギ、ラット、およびトランスジェニック非ヒト動物である。ある態様において、当該対象はヒトであって、例えば、デアセチラーゼ関連障害に罹患しているヒト、罹患する危険のあるヒト、または潜在的に罹患し得るヒトであって、例えば、増殖性疾患などの本明細書に記載した疾患または症状についてのものである。
【0036】
「デアセチラーゼ調節化合物」という文言は、デアセチラーゼの活性を調節する、例えば、阻害する、または別の方式で変化させる化合物をいう。デアセチラーゼ調節化合物の例は、式(I)の化合物および表Aの化合物(医薬的に許容されるその塩を含む)を包含する。
【0037】
さらに、当該方法は本発明のデアセチラーゼ調節化合物、例えば、式(I)および表Aのデアセチラーゼ調節化合物(医薬的に許容されるその塩を含む)の有効量を対象に投与することからなる。
【0038】
用語「アルキル」とは、飽和の脂肪族基、例えば、直鎖のアルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなど)、分枝鎖アルキル基(イソプロピル、tert−ブチル、イソブチルなど)、シクロアルキル(脂環式)基(シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル)、アルキル置換シクロアルキル基、およびシクロアルキル置換アルキル基である。用語「アルキル」はまたアルケニル基およびアルキニル基をも含む。さらに、「C−C−アルキル」(ここで、xは1〜5であり、yは2〜10である)という表現は、特定範囲の炭素数の特定のアルキル基(直鎖または分枝鎖)を意味する。例えば、C−C−アルキルという表現は、限定されるものではないが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、tert−ブチルおよびイソブチルを包含する。さらに、C3−6−シクロアルキルという用語は、限定されるものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルを包含する。以下に考察する通り、これらのアルキル基、並びにシクロアルキル基はさらに置換されていてもよい。
【0039】
アルキルという用語は、さらに炭化水素骨格の1個以上の炭素に置き換わった酸素、窒素、イオウまたはリン原子を含有し得るアルキル基をさらに包含する。一態様において、直鎖または分枝鎖アルキルはその骨格に10個以下の炭素原子を有し(例えば、直鎖についてはC−C10、分枝鎖についてはC−C10)、より好ましくは6個以下の炭素を有する。同様に、好適なシクロアルキルはその環構造内に4〜7個の炭素原子を有し、より好ましくは、環構造内に5個または6個の炭素を有する。
【0040】
さらに、アルキル(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルなど)は、「非置換のアルキル」および「置換されたアルキル」を包含し、その後者は、炭化水素骨格の1個以上の炭素上の水素に置き換わって置換基を有するアルキル部分をいい、その分子が企図した機能の遂行を可能とするものとする。
【0041】
用語「置換された」とは、分子の1個以上の原子、例えば、C、OまたはN上の水素に置き換わって置換基を有する部分を記載することを意図する。かかる置換基は、例えば、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシ、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、モルホリノ、フェノール、ベンジル、フェニル、ピペリジン、シクロペンタン、シクロへキサン、ピリジン、5H−テトラゾール、トリアゾール、ピペリジン、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分を包含する。
【0042】
本発明のさらなる置換基の例は、限定されるものではないが、直鎖または分枝のアルキル(好ましくは、C−C)、シクロアルキル(好ましくは、C−C)、アルコキシ(好ましくは、C−C)、チオアルキル(好ましくは、C−C)、アルケニル(好ましくは、C−C)、アルキニル(好ましくは、C−C)、ヘテロ環状、炭素環状、アリール(例えばフェニル)、アリールオキシ(例えばフェノキシ)、アラルキル(例えばベンジル)、アリールオキシアルキル(例えばフェニルオキシアルキル)、アリールアセトアミドイル、アルキルアリール、ヘテロアラルキル、アルキルカルボニルとアリールカルボニルもしくは他のそのようなアシル基、ヘテロアリールカルボニル、またはヘテロアリール基、(CR’R”)0−3NR’R”(例えば−NH)、(CR’R”)0−3CN(例えば−CN)、−NO、ハロゲン(例;−F、−Cl、−Br、または−I)、(CR’R”)0−3C(ハロゲン)(例えば−CF)、(CR’R”)0−3CH(ハロゲン)、(CR’R”)0−3CH(ハロゲン)、(CR’R”)0−3CONR’R”、(CR’R”)0−3(CNH)NR’R”、(CR’R”)0−3S(O)1−2NR’R”、(CR’R”)0−3CHO、(CR’R”)0−3O(CR’R”)0−3H、(CR’R”)0−3S(O)0−3R’(例えば−SOH、−OSOH)、(CR’R”) O(CR’R”)0−3H(例えば−CHOCHおよび−OCH)、(CR’R”)0−3S(CR’R”)0−3H(例えば−SHおよび−SCH)、(CR’R”)0−3OH(例えば−OH)、(CR’R”)0−3COR’、(CR’R”)0−3(置換されたまたは非置換のフェニル)、(CR’R”)0−3(C−Cシクロアルキル)、(CR’R”)0−3COR’(例えば−COH)、または(CR’R”)0−3OR’基、または天然アミノ酸の側鎖;から選択される部分を包含する;ここで、R’およびR”はそれぞれ独立して、水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、またはアリール基である。かかる置換基は、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシ、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、オキシム、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、硫酸エステル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分を包含する。ある態様において、カルボニル部分(C=O)はさらにオキシム部分で誘導化してもよい;例えば、アルデヒド部分はそのオキシム(−C=N−OH)類似体として誘導化し得る。当業者が理解する通り、炭化水素鎖上に置換された部分は、適切ならばそれ自体置換されていてもよい。シクロアルキルは、例えば、上記の置換基によりさらに置換されていてもよい。「アラルキル」部分はアリールが置換するアルキル(例えば、フェニルメチル(すなわち、ベンジル))である。
【0043】
用語「アルケニル」とは、少なくとも1つの二重結合を含むこと以外、長さと可能な置換基が上記のアルキルに準じた不飽和の脂肪族基である。
【0044】
例えば、用語「アルケニル」は、直鎖のアルケニル基(例えばエテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニルなど)、分枝鎖アルケニル基、シクロアルケニル(脂環式)基(シクロプロペニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル)、アルキルもしくはアルケニル置換シクロアルケニル基、およびシクロアルキルもしくはシクロアルケニル置換アルケニル基を包含する。用語アルケニルはさらに、ケトン、アルデヒドおよびイミンなどの炭化水素骨格の1個以上の炭素に置き換わって、酸素、窒素、イオウまたはリン原子を含むアルケニル基を包含する。ある態様において、直鎖または分枝鎖のアルケニル基は、その骨格に6個以下の炭素原子を有する(例えば直鎖についてはC−C、分枝鎖についてはC−C)。同様に、シクロアルケニル基はその環構造に3〜8個の炭素原子を有し得、より好ましくは、その環構造に5個または6個の炭素を有する。用語C−Cとは2個ないし6個の炭素原子を含むアルケニル基である。
【0045】
さらに、用語アルケニルは「非置換アルケニル」および「置換されたアルケニル」の両方を包含し、その後者は炭化水素骨格の1個以上の炭素上の水素に置き換わった置換基を有するアルケニル部分をいう。かかる置換基は、例えば、アルキル基、アルキニル基、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシ、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分を包含する。
【0046】
用語「アルキニル」は、少なくとも1つの三重結合を含むこと以外、長さと可能な置換基が上記のアルキルに準じた不飽和の脂肪族基である。
【0047】
例えば、用語「アルキニル」は、直鎖のアルキニル基(例えばエチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニルなど)、分枝鎖アルキニル基、およびシクロアルキルもしくはシクロアルケニル置換アルキニル基を包含する。用語アルキニルはさらに、炭化水素骨格の1個以上の炭素に置き換わって、酸素、窒素、イオウまたはリン原子を含むアルキニル基を包含する。ある態様において、直鎖または分枝鎖のアルキニル基は、その骨格に6個以下の炭素原子を有する(例えば直鎖についてはC−C、分枝鎖についてはC−C)。用語C−Cとは2個ないし6個の炭素原子を含むアルキニル基である。
【0048】
さらに、用語アルキニルは「非置換アルキニル」および「置換されたアルキニル」の両方を包含し、その後者は炭化水素骨格の1個以上の炭素上の水素に置き換わった置換基を有するアルキニル部分をいう。かかる置換基は、例えば、アルキル基、アルキニル基、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシ、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分を包含する。
【0049】
用語「アミン」または「アミノ」は、当該技術分野で一般に理解されている通り、分子、または部分もしくは官能基の両方に広く適用されるものと理解すべきである。用語「アミン」または「アミノ」は、窒素原子が少なくとも1個の炭素、水素またはヘテロ原子に共役結合している化合物である。この用語は、例えば、限定されるものではないが、「アルキルアミノ」、「アリールアミノ」、「ジアリールアミノ」、「アルキルアリールアミノ」、「アルキルアミノアリール」、「アリールアミノアルキル」、「アルカミノアリール」、「−アミド」、「アミド−」、および「アミノカルボニル」を包含する。用語「アルキルアミノ」は、その窒素が少なくとも1個のさらなるアルキル基に結合している基および化合物からなる。用語「ジアルキルアミノ」はその窒素が少なくとも2個のさらなるアルキル基に結合している基を包含する。用語「アリールアミノ」および「ジアリールアミノ」はその窒素が少なくとも1個または2個のアリール基にそれぞれ結合している基を包含する。用語「アルキルアリールアミノ」、「アルキルアミノアリール」または「アリールアミノアルキル」は、少なくとも1個のアルキル基および少なくとも1個のアリール基に結合するアミノ基をいう。用語「アルカミノアルキル」とは、1個のアルキル基に結合した窒素原子に、アルキル、アルケニル、またはアルキニル基が結合している基をいう。
【0050】
用語「アミド(amide)」、「アミド(amido)」または「アミノカルボニル」とは、カルボニルまたはチオカルボニル基の炭素に結合する窒素原子を含む化合物または部分を包含する。この用語は「アルカミノカルボニル」または「アルキルアミノカルボニル」基を包含し、カルボニル基に結合したアミノ基に結合するアルキル、アルケニル、アリールまたはアルキニル基を含む。このものは、カルボニルまたはチオカルボニル基の炭素に結合しているアミノ基に結合したアリールまたはヘテロアリール部分を含むアリールアミノカルボニルおよびアリールカルボニルアミノ基を包含する。用語「アルキルアミノカルボニル」、「アルケニルアミノカルボニル」、「アルキニルアミノカルボニル」、「アリールアミノカルボニル」、「アルキルカルボニルアミノ」、「アルケニルカルボニルアミノ」、「アルキニルカルボニルアミノ」、および「アリールカルボニルアミノ」は「−アミド」に包含される。アミドは尿素基(アミノカルボニルアミノ)およびカルバミン酸エステル(オキシカルボニルアミノ)をも包含する。
【0051】
本発明の特定の態様において、用語「アミン」または「アミノ」とは、式N(R’)R”、CHN(R’)R”およびCH(CH)N(R’)R”(ここで、R’およびR”はそれぞれ独立して、−Hおよび−(C1−4アルキル)0−1からなる群より選択され;ここで、Gは−COOH、−H、−POH、−SOH、−Br、−Cl、−F、−O−C1−4アルキル、−S−C1−4アルキル、アリール、−C(O)OC−C−アルキル、−C(O)C1−4アルキル−COOH、−C(O)C−C−アルキルおよび−C(O)−アリールからなる群より選択される)で示される置換基をいう。
【0052】
用語「アリール」は0ないし4個のヘテロ原子を含み得る5員および6員の単環芳香族基を含む基を包含し、該基は、例えば、フェニル、ピロール、フラン、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、およびピリミジンなどである。さらに、用語「アリール」は、多環状アリール基、例えば、三環状、二環状アリール、例えば、ナフタレン、ベンゾオキサゾール、ベンゾジオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチオフェン、メチレンジオキシフェニル、キノリン、イソキノリン、アントリル、フェナントリル、ナフトリジン、インドール、ベンゾフラン、プリン、ベンゾフラン、デアザプリン、またはインドリジンを包含する。環構造内にヘテロ原子を有するこれらのアリール基は、「アリールへテロ環」、「ヘテロ環」、「ヘテロアリール」または「ヘテロ芳香族」をもいう。該芳香環は1ヶ所以上の環内位置で上記のような置換基により置換されていてもよく、かかる置換基の例は、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アラルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アラルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分を包含する。アリール基は脂環式またはヘテロ環状環と融合するか、または架橋していてもよく、それらは多環状を形成するように芳香族ではない(例えばテトラリン)。
【0053】
用語「アシル」はアシル基(CHCO−)またはカルボニル基を含む化合物および部分を包含する。用語「置換されたアシル」とは、1個以上の水素原子が、例えば、アルキル基、アルキニル基、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、硫酸エステル、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分に置き換わったアシル基を包含する。
【0054】
用語「アシルアミノ」とは、アシル部分がアミノ基に結合している部分である。例えば、この用語はアルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイド基を包含する。
【0055】
用語「アルコキシ」は、酸素原子に共有結合した、置換および非置換のアルキル、アルケニル、およびアルキニル基を包含する。アルコキシ基の例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、およびペントキシ基を包含し、さらにシクロペントキシなどの環状基を含み得る。アルコキシのさらなる例は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールおよびtert−ブタノール置換基を包含する。置換されたアルコキシ基の例はハロゲン化アルコキシ基である。該アルコキシ基はアルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分などの基により置換されてもよい。ハロゲン置換アルコキシ基の例は、限定されるものではないが、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、クロロメトキシ、ジクロロメトキシ、トリクロロメトキシなどである。
【0056】
用語「カルボニル」または「カルボキシ」は、酸素原子に二重結合により連結した炭素を含む化合物と部分、およびその互変異性体を含む。カルボニルを含む部分の例は、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、アミド、エステル、無水物などを包含する。用語「カルボキシ部分」または「カルボニル部分」とは、アルキル基がカルボニル基に共有結合している「アルキルカルボニル」基、アルケニル基がカルボニル基に共有結合している「アルケニルカルボニル」基、アリール基がカルボニル基に共有結合している「アリールカルボニル」基などの基をいう。さらに、この用語は1個以上のヘテロ原子がカルボニル部分に共有結合している基をいう。例えば、この用語は、例えば、アミノカルボニル部分(この場合、窒素原子がカルボニル基の炭素に結合している;例えばアミド)、アミノカルボニルオキシ部分(この場合、酸素と窒素原子が共にカルボニル基の炭素に結合している;例えば「カルバミン酸エステル」ともいう)などの部分を包含する。さらに、アミノカルボニルアミノ基(例えば尿素)はまた、ヘテロ原子(例えば炭素原子の外に、窒素、酸素、イオウなど)に結合したカルボニル基の他の組み合わせであり、同様にそれらを包含する。さらに、ヘテロ原子は1個以上のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アシルなど部分によりさらに置換されていてもよい。
【0057】
用語「チオカルボニル」または「チオカルボキシ」は、二重結合によりイオウ原子に連結した炭素を含む化合物および部分を包含する。用語「チオカルボニル部分」はカルボニル部分に類似する部分を包含する。例えば、「チオカルボニル」部分はアミノチオカルボニルを包含し、その場合、アミノ基はチオカルボニル基の炭素原子に結合し、さらに他のチオカルボニル部分は、オキシチオカルボニル(酸素が炭素原子に結合)、アミノチオカルボニルアミノ基などを包含する。
【0058】
用語「エーテル」は2つの異なる炭素原子またはヘテロ原子に結合した酸素を含む化合物または部分である。例えば、この用語は「アルコキシアルキル」を包含し、該アルコキシアルキルは別のアルキル基に共有結合している酸素原子に共有結合したアルキル、アルケニル、またはアルキニル基をいう。
【0059】
用語「エステル」は、カルボニル基の炭素に結合している酸素原子に結合した炭素またはヘテロ原子を含む化合物および部分を包含する。用語「エステル」はアルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニルなどを包含する。該アルキル、アルケニル、またはアルキニル基は上記定義のとおりである。
【0060】
用語「チオエーテル」は2つの異なる炭素またはヘテロ原子に結合したイオウ原子を含む化合物および部分を包含する。チオエーテルの例は、限定されるものではないが、アルキルチオアルキル、アルキルチオアルケニル、およびアルキルチオアルキニルである。用語「アルクチオアルキル」とはアルキル基に結合しているイオウ原子に結合したアルキル、アルケニル、またはアルキニル基をもつ化合物である。同様に、用語「アルクチオアルケニル」および「アルクチオアルキニル」とは、アルキニル基に共有結合しているイオウ原子に、アルキル、アルケニルまたはアルキニル基が結合する化合物または部分をいう。
【0061】
用語「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」は、−OHまたは−Oをもつ基である。
用語「ハロゲン」はフッ素、臭素、塩素、ヨウ素などである。用語「過ハロゲン化」とは、一般にすべての水素がハロゲン原子と置き換わっている部分をいう。
【0062】
用語「多環状」または「多環状基」とは、2個以上の炭素が2つの隣接する環に共有されている2個以上の環(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリールおよび/またはヘテロシクリル)をもつ部分であり、例えば、2つの環は「縮合環」である。非隣接原子を経由して結合する環は「架橋」環と呼ばれる。多環状環のそれぞれは、上記のような置換基により置換されていてもよく、当該置換基は、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アラルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アラルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分などである。
【0063】
用語「ヘテロ原子」は炭素または水素以外のいずれかの元素の原子である。好適なヘテロ原子は、窒素、酸素、イオウおよびリンである。
【0064】
用語「ヘテロ環」または「ヘテロ環状」とは、1個以上のヘテロ原子を含む飽和、不飽和、芳香族(「ヘテロアリール」または「ヘテロ芳香族」)および多環状環を包含する。ヘテロ環の例は、例えば、ベンゾジオキサゾール、ベンゾフラン、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾチオフェン、ベンゾオキサゾール、デアザプリン、フラン、インドール、インドリジン、イミダゾール、イソキサゾール、イソキノリン、イソチアゾール、メチレンジオキシフェニル、ナフトリジン、オキサゾール、プリン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、キノリン、テトラゾール、チアゾール、チオフェン、およびトリアゾールである。他のヘテロ環は、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、チオモルホリノ、およびチオアゾリジンである。当該へテロ環は置換されていても、非置換であってもよい。置換基の例は、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アラルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アラルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキル、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分などである。
【0065】
留意すべきことは、本発明化合物の一部のものの構造が、不斉炭素原子を含むことである。従って、理解すべきことは、かかる不斉から生じる異性体(例えば、すべてのエナンチオマー、立体異性体、回転異性体、互変異性体、ジアステレオマー、またはラセミ体)が本発明の範囲内に包含されることである。かかる異性体は古典的な分離法により、また立体化学的に制御した合成により、実質的に純粋な形状で取得し得る。さらに、本出願にて考察した構造および他の化合物と部分も、その互変異性体のすべてを包含する。本明細書に記載した化合物は、技術上認知された合成戦略を介して取得し得る。
【0066】
さらに留意すべきことは、本発明化合物の一部のものの置換基が、異性体環状構造を含むことである。従って、理解すべきことは、特定の置換基の構造的異性体も、他に断りのない限り、本発明の範囲内に包含されることである。例えば、「テトラゾール」という用語は、テトラゾール、2H−テトラゾール、3H−テトラゾール、4H−テトラゾールおよび5H−テトラゾールを包含する。
【0067】
本発明の特定の態様において、式(I)で示されるデアセチラーゼ調節化合物は、表Aの化合物のいずれか1種である。
さらに別の態様において、本発明は本明細書に記載したデアセチラーゼ調節化合物および医薬的に許容される担体を含有してなる医薬組成物に関する。
【0068】
デアセチラーゼ依存性疾患における使用
本発明化合物は有益な薬理学的性質を有し、疾患の処置に有用である。ある態様において、本発明はデアセチラーゼ関連障害の処置に、例えば、増殖性疾患を処置するための医薬として有用である。
【0069】
用語「使用」とは、それぞれ、適切かつ好都合であり、他に断りがないならば、本発明の以下の1種以上の態様を包含する;デアセチラーゼ依存性疾患の処置における使用;これらの疾患の処置に使用する医薬組成物の製造のための使用、例えば、医薬の製造における使用;これらの疾患の処置におけるアミノアルキル誘導体の使用方法;これらの疾患を処置するためのアミノアルキル誘導体を有する医薬製剤;およびこれら疾患の処置に使用するアミノアルキル誘導体。とりわけ、本発明の処置すべき疾患、従って本発明化合物の使用に適する疾患は、デアセチラーゼ関連障害、それらの対応する増殖性疾患、およびHDAC1、HDAC2、HDAC3、HDAC4、HDAC5、HDAC6、HDAC7、HDAC8、HDAC9、HDAC10、HDAC11またはそのいずれかの組み合わせ、またはHDAC複合体(以下、本明細書にて「HDAC類」という)に依存する疾患から選択される;従って、本発明化合物はデアセチラーゼ依存性疾患の処置に使用し得る。当該用語「使用」はさらに本明細書における組成物の態様を含み、該組成物はデアセチラーゼタンパク質に十分に結合してトレーサーまたは標識として役立ち、その結果、蛍光タグ、フッ素タグにカップル結合するか、または放射性とすることで、研究用試薬として、または診断用もしくは画像処理剤として使用することができる。
【0070】
ある態様において、本発明化合物はデアセチラーゼ関連疾患、すなわち、本明細書に記載の少なくとも1種のデアセチラーゼの活性と関連する疾患の処置に使用され、1種以上のデアセチラーゼの阻害剤として本発明化合物が使用される。予見されることは、一用途がデアセチラーゼの1種またはそのサブセットを阻害する処置、すなわち、HDAC1、HDAC2、HDAC3、HDAC4、HDAC5、HDAC6、HDAC7、HDAC8、HDAC9、HDAC10、およびHDAC11群におけるデアセチラーゼの1種またはサブセットの阻害処置であるが、これら酵素のすべてが本明細書中の化合物のいずれによっても同程度に阻害されることを意味するものではない。
【0071】
本発明化合物の様々な態様は、有益な薬理学的性質を有し、またタンパク質デアセチラーゼ関連疾患の処置において、例えば、増殖性および過剰増殖性疾患、および本明細書に掲載した他のデアセチラーゼ関連疾患を処置するための薬物として有用である。
【0072】
アッセイ法
デアセチラーゼの阻害は、以下の「生物活性」の項に記載したアッセイ法を用いて測定し得る。デアセチラーゼ活性の阻害は以下のようにも測定し得る:バキュロウイルス・ドナー・ベクターpFB−GSTX3を用いて、デアセチラーゼポリペプチドを発現する組換えバキュロウイルスを生成させる。デアセチラーゼコーディング領域を含む転移ベクターをDH10Bac細胞株(ギブコ)に形質移入し、選択寒天プレートに塗布する。ウイルスゲノムに融合配列が挿入されていないコロニー(バクテリアにより運搬)は青色である。単一の白色コロニーを取り出し、ウイルスDNA(bacmid)は標準的なプラスミド精製法により、バクテリアから単離する。次いで、Sf9細胞またはSf21(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション)を、25cmフラスコ中、セルフェクチン(Cellfectin)試薬により、ウイルスDNAで形質移入する。
【0073】
Sf9細胞における小規模タンパク質発現の決定:
ウイルス含有培地を形質移入細胞培養物から集め、感染に使用してそのタイターを上昇させる。2回の感染後に得られるウイルス含有培地を大規模タンパク質発現に使用する。大規模タンパク質発現のために、100cm丸底組織培養プレートに、5×10細胞/プレートで播種し、1mLのウイルス含有培地で感染させる(MOI約5)。3日後、細胞をプレートから剥がし、500rpmで5分間遠心する。10〜20個の100cmプレートから細胞ペレットを50mLの氷冷細胞溶解バッファー(25mMトリス−HCl、pH7.5、2mM−EDTA、1%NP−40、1mM−DTT、1mM−P MSF)に再懸濁する。細胞を氷上で15分間撹拌し、次いで、5,000rpmで20分間遠心分離する。
【0074】
GST−タグ標識タンパク質の精製:
遠心分離した細胞分解液を2mLのグルタチオン−セファロース・カラム(ファルマシア)に負荷し、10mLの25mMトリス−HCl、pH7.5、2mM−EDTA、1mM−DTT、200mM−NaClで3回洗浄する。次いで、GST−タグ標識タンパク質を、25mMトリス−HCl、pH7.5、10mM還元グルタチオン、100mM−NaCl、1mM−DTT、10%グリセロールで10回(各1mL)溶出し、−70℃に保存する。
【0075】
酵素活性の測定:
GST−HDACタンパク質などの精製したGST−デアセチラーゼタンパク質によるデアセチラーゼアッセイは、最終容量30μLとして、15ngのGST−デアセチラーゼタンパク質、20mMトリス−HCl、pH7.5、1mM−MnCl、10mM−MgCl、1mM−DTT、3μg/mLのポリ(Glu,Tyr)4:1、1%DMSO、2.0μM−ATP(γ−[33P]−ATP,0.1μCi)を含有する系で実施する。当該活性は阻害剤の存在下または不存在下でアッセイする。アッセイは下記の条件下、96穴プレート中、外界温度で15分間実施し、20μLの125mM−EDTAを添加することにより停止する。引き続き、反応混合物40μLを、予め5分間メタノールに浸漬し、水ですすぎ、0.5%HPOに5分間浸漬し、真空装置から取り外した真空マニホルドに載せたインモビロン(Immobilon)−PVDF膜(ミリポア)に反応混合物40μLを移す。すべてのサンプルをスポットした後、真空装置を接続し、200μLの0.5%HPOでそれぞれをよくすすぐ。膜を取り出し、1.0%HPOと振盪して4回洗い、エタノールで1回洗う。膜を外気温度で乾燥し、パッカード・トップ・カウント96穴フレームに載せ、10μL/ウエルのマイクロシントTM(パッカード)を加えて、計数する。IC50値は各化合物につき二重測定で、4段階濃度(通常、0.01、0.1、1および10μM)として、パーセント阻害の直線回帰解析により計算する。
【0076】
【表12】

【0077】
IC50値は各化合物につき、4段階濃度(通常、10μMからの3倍または10倍段階希釈)で、そのパーセント阻害を対数回帰解析することにより計算する。各実験において、対照標準化合物による実阻害は、対照阻害の平均値を基準としてIC50の正規化のために使用する。
正規化IC50=測定IC50平均標準IC50/測定標準IC50
例;実験における対照標準阻害剤0.4μM、平均0.3μM
実験における試験化合物1.0μM、正規化:0.3/0.4=0.75μM
例えば、既知のデアセチラーゼ阻害剤またはその合成誘導体は、対照標準化合物として使用し得る。
【0078】
増殖性疾患
上記の通り、本発明化合物は増殖性疾患の処置に有用である。増殖性疾患は、例えば、腫瘍疾患(または癌)および/または転移癌である)。当該発明化合物は、腫瘍、例えば、乳癌、泌尿生殖器癌、肺癌、胃腸癌、食道癌、表皮癌、メラノーマ、卵巣癌、膵臓癌、神経芽細胞腫、頭部および/または頚部癌または膀胱癌など腫瘍の処置に有用であり、または広い意味で、腎臓、脳または胃の癌を含み、(i)乳房腫瘍;類表皮腫瘍、例えば、類表皮頭部および/または頚部腫瘍または口内腫瘍;肺腫瘍、例えば、小細胞または非小細胞肺腫瘍;胃腸腫瘍、例えば、結腸直腸腫瘍;または泌尿生殖器腫瘍、例えば、前立腺腫瘍(ホルモン難治性前立腺腫瘍を含む);または(ii)他の化学療法剤による処置に難治性である増殖性疾患;または(iii)多剤耐性のため他の化学療法剤での処置に難治性である腫瘍を含む。
【0079】
【表13】

【0080】
デアセチラーゼ関連障害は、デアセチラーゼタンパク質またはデアセチラーゼ関連タンパク質の一つをエンコードする1種以上の遺伝子の発現、またはかかるタンパク質の活性に関連する病理を包含し、その場合に当該タンパク質の阻害が当該病理を改善させる。デアセチラーゼ遺伝子およびタンパク質は、Online Mendelian Inheritance in Man(O.M.I.M)に記載されているとおりである。HDACタンパク質の阻害は、HDAC依存性疾患の治療法を提供する。表1はHDACタンパク質およびヒトゲノム上のそれぞれの遺伝子座を一覧表としたものである。表2は入手可能な場合の少なくとも3種の生物種における代表的なアミノ酸配列について、HDAC1〜11のGenBank受託番号を示す。
【0081】
【表14】

【0082】
ある態様において、増殖性疾患はさらに、白血病、過形成、線維症(肺線維症の外に腎線維症など、他の線維症を含む)、血管形成、乾癬、アテローム性動脈硬化症、および血管内の平滑筋増殖、例えば、狭窄または血管形成後の再狭窄でもあり得る。
【0083】
腫瘍、腫瘍疾患、癌腫または癌について言及するとき、腫瘍および/または転移の部位がどうであっても、原発臓器または組織および/または他のいずれかの部位での転移もまた、代替的にまたはこれに加えて意味する。
【0084】
一態様において、本明細書に記載した化合物は、急速に増殖する細胞(例えば、ヒトの癌細胞、例えば、癌性腫瘍)に対して選択的に毒性であるか、または正常細胞に対してよりも急速に増殖する細胞に対してより毒性であり、当該化合物は有意な抗増殖作用を有し、分化、例えば、細胞周期停止およびアポトーシスを促進する。さらに、当該化合物は様々な細胞株において、アポトーシスまたはG1停止を誘発するp21、サイクリン−CDK相互作用タンパク質を誘発する。
【0085】
本明細書に記載した態様において、一般的な表現は上記および下記の対応する、より具体的な定義に置き換えることができる。
ある態様において、本発明の化合物、その互変異性体またはその医薬的に許容される塩は、処置すべきデアセチラーゼ関連障害が、例えば、HDAC1、HDAC2、HDAC6およびHDAC8などの1種以上のデアセチラーゼに依存する増殖性疾患である場合に使用される。
【0086】
他の態様において、デアセチラーゼ依存性の疾患は、白血病、過形成、線維症(肺線維症の外に腎線維症など、他の線維症を含む)、血管形成、乾癬、アテローム性動脈硬化症、および血管内の平滑筋増殖、例えば、血管形成後の狭窄または再狭窄などの過剰増殖性症状を含む増殖性疾患であり得る。
【0087】
他の態様において、本発明は、処置すべき疾患が以下の増殖性疾患である場合に、本発明の化合物を投与することからなるデアセチラーゼ関連障害を処置する方法を提供し、ここで、該疾患は、例えば、良性または悪性の腫瘍、脳、腎臓、肝臓、副腎、膀胱、乳房、胃(胃の腫瘍を含む)、食道、卵巣、結腸、直腸、前立腺、膵臓、肺(SCLCを含む)、膣、甲状腺の癌腫、肉腫、グリオブラストーマ、多発性硬化症または胃腸癌、とりわけ、結腸癌腫または結腸直腸腺腫、または頭頚部腫瘍、表皮過剰増殖、例えば、乾癬、前立腺肥大、新生物形成、例えば、上皮性の新生物形成、例えば、乳癌、または白血病などである。また、アテローム性動脈硬化症、血栓症、乾癬、強皮症および線維症の処置方法も包含される。
【0088】
本発明の化合物は腫瘍の増殖を減速し、腫瘍の増殖を停止し、または腫瘍を退行させ、腫瘍の形成と転移(微小転移を含む)および転移物(微小転移を含む)の増殖を防止することが可能である。さらに、それらは表皮の過剰増殖(例えば乾癬)に、前立腺肥大に、および新生物形成、例えば、乳癌などの上皮性のものに使用し得る。本発明の化合物は、1種以上の個々のデアセチラーゼタンパク質種または関連するタンパク質が関与する限りにおいて、免疫系の疾患の処置に使用することが可能である。さらに、本発明の化合物は、少なくとも1種のデアセチラーゼタンパク質によるシグナル伝達が関与するところである、中枢または末梢神経系の処置にも使用することができる。
【0089】
デアセチラーゼ阻害剤は、VEGF受容体チロシンキナーゼ過剰発現など、シグナル伝達に関与するタンパク質の転写調節に関係する疾患の治療に適切でもある。これらの疾患は特に、網膜症、加齢性黄斑変性、乾癬、血管芽細胞種、血管腫、動脈硬化症、筋肉瘠痩症状、例えば、筋ジストロフィー、悪疫質、ハンチントン症候群、炎症性症状、例えば、リューマチ様もしくはリューマチ性炎症疾患(関節炎および関節炎症状、例えば、骨関節症およびリューマチ様関節炎)、または他の慢性炎症性障害、例えば、慢性喘息、動脈もしくは移植後アテローム性動脈硬化症、子宮内膜症、およびとりわけ、新生物形成疾患、例えば、いわゆる、充実性腫瘍(胃腸管、膵臓、乳房、胃、子宮頚部、膀胱、腎臓、前立腺、食道、卵巣、子宮内膜、肺、脳などの癌、メラノーマ、カポジ肉腫、頭頚部の扁平上皮癌、悪性胸膜中皮腫、リンパ腫または多発性骨髄腫)および液性腫瘍(例えば、白血病)である。
【0090】
HDACタンパク質は9種の共通配列のセットを共有する。HDACタンパク質はアミノ酸配列に基づき2つのクラスに分類される:クラスI:HDAC1、HDAC2およびHDAC3などのタンパク質は酵母Rpd3に実質的な相同性を有する;クラスII:HDAC4およびHDAC6などは酵母Hda1に相同性を示す。様々の事実がこれらのタンパク質とHDAC依存性疾患との関連性を物語っている。
【0091】
HDAC1は482個のアミノ酸をもつタンパク質であり、自然界に高度に保存されていて、酵母転写因子に60%の同一性を有する。このものはすべての組織に様々なレベルで見出され、転写調節および細胞周期の進行、特に、G1チェックポイント制御に関与している。HDAC1は、細胞増殖を阻害する網膜芽腫瘍抑制因子であるRB1と、また核転写因子NHκBと物理的に相互作用し、共同作用する。
【0092】
HDAC2は、それが哺乳動物の亜鉛フィンガー転写因子YY1と会合している場合にYY1−会合因子(YAF1)としても知られる。ヒトゲノム上、このタンパク質をエンコードする遺伝子座は、幼年期急性リンパ性白血病(ALL)および尺側列四肢欠損に関係するゲノムの領域、6q21である。さらに、HDAC2はHDAC1を含む複合体においてBRCA1と相互作用し、物理的に会合している。この複合体の共通のコアは遺伝子をサイレント状態に抑圧するように機能する。異なる複合体はS期に形成され、ヒストンが複製の後にヘテロクロマチンに脱アセチル化される。
【0093】
HDAC3はすべてのヒトの組織および腫瘍細胞株で発現されることが知られている。ヒト骨髄性白血病株の形質移入は、異常な核形態をもつG2/M期細胞を蓄積させ、細胞サイズを増大させた。HDAC4の触媒ドメインはHDAC3と相互作用する。
【0094】
HDAC4デアセチラーゼ活性は4種すべてのコアヒストンタンパク質に作用し、前肥大化軟骨細胞中で発現され、軟骨細胞の肥大、軟骨内骨形成および骨格形成を調節する。HDAC4ヌル・マウスは未熟な骨形成を呈する。MIRおよびCABINIにより、HDAC4はMEF−2(筋細胞増強因子−2)のカルシウム感受性転写抑制因子のファミリーを構成する。
【0095】
HDAC5は試験したすべての組織で発現されるが、脾臓および膵臓では発現が低い。HDAC5の1,123個のアミノ酸配列は、51%がHDAC4に一致する。試験した29名の結腸癌患者の内、5名が血清学的にHDAC5に対する抗体に陽性であった。MEF−2タンパク質はHDAC4およびHDAC5と相互作用する。
【0096】
HDAC6はチューブリン・デアセチラーゼであり、専ら細胞質中に局在する。この酵素は集合した微小管に対して強力なデアセチラーゼ活性を有し、その発現または活性に治療的に介在することが、ハンチントン病および悪疫質など、筋肉の統合性および筋肉の消耗に影響を与える様々な症状と関連し得る。HDACはまたチューブリンであり、熱ショックタンパク質(Hsp90)阻害剤でもある。
【0097】
HDAC7A転写物は心臓および肺組織中に優勢に見出され、骨格筋ではその程度が低い。当該タンパク質は亜核領域にHDAC5と共存する。
【0098】
HDAC8は377個のアミノ酸からなるタンパク質であるが、このタンパク質は共通配列の典型的な9つの保存HDACブロックをもつ一方、そのアミノおよびカルボキシ末端のそれぞれに、他のHDACタンパク質とは全く異なる配列を有する。このものは脳において最も強く発現する。RNAiによる発現のノックダウンは、ヒトの肺、結腸、および子宮頚部癌細胞株の増殖を阻害する。Xq13でエンコードする遺伝子のマップ位置はX染色体不活性化の開始に関与するXISTの近傍で、前白血病症状と関連するブレークポイントの近傍に位置する。さらに、その発現または活性への治療的介入は、様々な関節炎症状、例えば、リューマチ様関節炎などの炎症性疾患に影響を与える様々な症状と関連させることができる。
【0099】
HDAC9は、7B、MITR、およびKIAA0744としても知られる。このものは脳において最も活発に発現されるが、心臓および平滑筋では程度が低く、さらに他の組織では非常に少ない。このタンパク質はHDAC1と相互作用し、転写の抑制因子である。長鎖のイソ型は1,011個のアミノ酸を含み、9aとして知られる短鎖型は、C末端の132個の残基を欠いて、879個のアミノ酸を含み、肺、肝臓および骨格筋において優勢である。
【0100】
HDAC10は669個と649個のアミノ酸の2つのスプライスバリアントに見出される。このタンパク質はチミジンキナーゼプロモーターからの転写を抑制し、HDAC3と相互作用する。
【0101】
HDAC11は347個のアミノ酸からなるタンパク質であり、脳、心臓、骨格筋、腎臓および睾丸に最も高度に発現される。このものは核抽出により分割する。
【0102】
血管形成は、約1〜2mmの最大直径を超える腫瘍の増殖に関与していると考えられる;この限度まで、酸素および栄養分が拡散により腫瘍細胞に供給され得る。従って、腫瘍のいずれもが、その起源とその原因に関係なく、それが所定の大きさに達した後、その増殖のためには血管形成に依存する。
【0103】
以下の腫瘍に対し、主要な3つのメカニズムが血管形成の活性に重要な役割を果たしている:1)血管、とりわけ毛細血管の成長を阻害して無血管性腫瘍とし、結果としてアポトーシスと増殖間で達成されるバランスによる正味の腫瘍増殖が存在しなくなる;2)腫瘍への、また腫瘍からの血流がなくなることによる腫瘍細胞の移動の防止;および3)内皮細胞増殖の阻害により、通常、血管を裏打ちする内皮細胞による周囲の組織に及ぼされるパラ分泌増殖刺激作用を回避すること。
【0104】
本発明はまた永続性の血管形成が引き金となる疾患の予防または処置にも使用することができる:かかる疾患は、乾癬;カポジ肉腫;再狭窄、例えば、ステント誘発再狭窄;子宮内膜症;クローン病;ホジキン病;白血病;関節炎、例えば、リューマチ様関節炎;血管腫;血管線維腫;眼疾患、例えば、糖尿病性網膜症と血管新生緑内障;腎臓疾患、例えば、糸球体腎炎;糖尿病性腎症;悪性腎硬化症;血栓性微小血管障害症候群;移植拒絶と糸球体症;線維性疾患、例えば、肝硬変;メサンギウム細胞増殖性疾患;動脈硬化症;神経組織の損傷;であり;さらに本発明はバルーンカテーテル処置後の、または血管人口装具使用のための、または血管を開いた状態に維持する機械的装置(例えばステント)の挿入後の血管の再閉塞を阻害するために、また免疫抑制剤として、無瘢痕外傷治癒の補助として、また染みおよび接触皮膚炎の処置のために使用することもできる。
【0105】
医薬組成物
該化合物の「有効量」という文言は、デアセチラーゼ関連状態を処置または予防するために必要な、または十分な量、例えば、デアセチラーゼ関連障害の種々の形態学的および体細胞症状、および/または本明細書に記載の疾患または症状を処置するために必要な量である。一例として、デアセチラーゼ調節化合物の有効量は、対象における不所望の細胞増殖を阻害するために十分な量である。別の例において、デアセチラーゼ調節化合物の有効量は、対象における事前の良性細胞塊または悪性腫瘍のサイズを低下させるために十分な量である。有効量は対象の大きさと重量、病気のタイプ、または特定の本発明化合物によって変り得る。例えば、本発明化合物の選択は、「有効量」を構成するものに影響を与え得る。当業者はここに含まれる因子を検討し、過度の実験をすることなく、本発明化合物の有効量に関して判定を下すことができよう。
【0106】
投薬方法は有効量を構成するものに影響を与え得る。本発明化合物はデアセチラーゼ関連状態の発症前または後に、対象に投与することができる。さらに、数回に分割した投与量、並びに時間をずらした投与量を毎日または連続的に投与可能であり、あるいはその用量を継続して注入するか、またはボーラス注射とすることができる。さらに、本発明化合物の投与量は、治療的または予防的状況の窮迫した事情によって示される通り、釣合いをとって増減させることができる。
【0107】
本発明化合物は、本明細書に記載の状態、障害もしくは疾患の処置に、またはこれらの疾患の処置に使用する医薬組成物の製造のために使用し得る。これらの疾患の処置における本発明化合物の使用方法、またはこれらの疾患の処置のための本発明化合物を含有する医薬製剤にも使用し得る。
【0108】
「医薬組成物」という文言は、哺乳動物、例えば、ヒトに投与するために適する製剤を含む。本発明化合物を哺乳動物、例えば、ヒトに医薬として投与する場合、それらはそれ自体で投与するか、または医薬的に許容される担体と組み合わせて、例えば、0.1ないし99.5%(より好ましくは、0.5ないし90%)の有効成分を含有する医薬組成物として投与し得る。
【0109】
「医薬的に許容される担体」という用語は、技術上認められたものであり、本発明化合物を哺乳動物に投与するために適する医薬的に許容される物質、組成物または媒体を包含する。該担体は、液体または固体の充填剤、賦形剤、添加剤、溶媒またはカプセル充填用材であり、対象薬剤を1つの臓器または身体の一部から、別の臓器または身体の一部に搬送または輸送することに関わるものである。各単体は製剤の他の成分と両立し得るもので、患者には害のないという意味で「許容される」ものでなければならない。医薬的に許容される担体として役立ち得る物質の幾つかの例を示すと、糖類、例えば、ラクトース、グルコースおよびスクロース;デンプン、例えば、コーンスターチおよびバレイショデンプン;セルロースとその誘導体、例えば、ナトリウム・カルボキシメチルセルロース、エチルセルロースおよび酢酸セルロース;粉末トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;賦形剤、例えば、カカオ脂および坐剤用ワックス;油、例えば、落花生油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油および大豆油;グリコール、例えば、プロピレングリコール;ポリオール、例えば、グリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコール;エステル類、例えば、オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル;寒天;緩衝剤、例えば、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム;アルギン酸;発熱物質を含まない水;等張食塩水;リンゲル液;エチルアルコール;リン酸緩衝液;および医薬製剤に採用される他の非毒性相容性物質などである。
【0110】
湿潤剤、乳化剤および滑沢剤、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム、並びに着色剤、放出剤、被覆剤、甘味剤、芳香剤および香料、保存剤および抗酸化剤なども組成物中に存在し得る。
【0111】
医薬的に許容される抗酸化剤の例は、水溶性抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸、システイン塩酸塩、重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなど;油溶性抗酸化剤、例えば、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、α−トコフェロールなど;および金属キレート化剤、たとえば、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸などである。
【0112】
本発明の製剤は、経口、鼻腔、局所、経皮、口腔、舌下、直腸、膣および/または非経口投与に適した製剤である。該製剤は単位投与形態で簡便に提供することが可能であり、また薬学の技術分野で周知の方法により製造し得る。単一投与形態を製造するための担体物質と組み合わせ得る有効成分の量は、一般に、治療効果を生じる該化合物の量である。一般に、100パーセントの中から、この量は有効成分として約1パーセントないし約99パーセント、好ましくは約5パーセントないし約70パーセント、最も好ましくは約10パーセントないし約30パーセントの範囲である。
【0113】
これらの製剤または組成物の製造方法は、本発明化合物と担体とを、選択肢として1種以上の補助成分とを混合する工程からなる。一般に、当該製剤は本発明化合物と液状担体または微粉末化した固形担体、またはその両方とを均一に、また緊密に混合し、要すれば製品に成形することにより製造する。
【0114】
経口投与に適する本発明の製剤は、カプセル剤、カシェ剤、ピル、錠剤、ロゼンジ(風味付けされた基剤、通常、スクロースおよびアラビアゴムまたはトラガカントを使用)、散剤、顆粒の形状で、または水性もしくは非水性液体中の溶液または懸濁液として、または水中油もしくは油中水型液状エマルジョンとして、またはエリキシルもしくはシロップとして、またはパステル剤(不活性基剤、例えば、ゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアラビアゴムなど)および/または口内洗浄液などとして製剤可能であり、それぞれが有効成分として所定量の本発明化合物を含有する。本発明化合物はまたボーラス、舐剤またはペーストとしても投与し得る。
【0115】
経口投与用の本発明の固形投与形状(カプセル、錠剤、ピル、糖剤、散剤、顆粒など)においては、有効成分を1種以上の医薬的に許容される担体、例えば、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウム、および/または以下のいずれかと混合する:充填剤または増量剤、例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、および/またはケイ酸;結合剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよび/またはアラビアゴム;加湿剤、例えば、グリセロール;崩壊剤、例えば、寒天−寒天、炭酸カルシウム、バレイショもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のケイ酸塩、および炭酸ナトリウム;溶液遅延剤、例えば、パラフィン;吸収促進剤、例えば、四級アンモニウム化合物;湿潤剤、例えば、セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロールなど;吸収剤、例えば、カオリンおよびベントナイトクレイ;滑沢剤、例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびその混合物;および着色剤。カプセル、錠剤およびピルの場合、医薬組成物は緩衝剤をも含み得る。同様のタイプの固形組成物は、ラクトースまたは乳糖、並びに高分子量ポリエチレングリコールなどの添加剤を用いて、軟および硬充填ゼラチンカプセル剤における充填剤として採用してもよい。
【0116】
錠剤は選択肢として1種以上の補助成分と共に、圧縮または成型により作製し得る。圧縮錠剤は、結合剤(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、滑沢剤、不活性賦形剤、保存剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウムまたは架橋ナトリウム・カルボキシメチルセルロース)、界面活性剤または分散剤を用いて製造し得る。成型錠剤は、不活性の液状希釈剤で湿潤した粉末化合物の混合物を、適当な機械で成型することにより作製し得る。
【0117】
当該錠剤、および本発明医薬組成物の他の固形投与形態、例えば、糖衣錠、カプセル剤、ピルおよび顆粒などは選択肢として、切り込み線を入れるか、または例えば、腸溶コーティング剤および医薬製剤製造技術において周知の他のコーティング剤などのコーティング剤およびシェルにより製造してもよい。これらの製剤は含まれる有効成分を緩慢に、または制御して放出させるために、例えば、所望の放出プロフィールを提供するヒドロキシプロピルメチルセルロースを種々の割合で使用するか、または他のポリマーマトリックス、リポソームおよび/または小球体を用いて製剤してもよい。それらは、例えば、バクテリア保持フィルターでの濾過により、または使用直前に無菌水に、もしくはある種の他の無菌注射用媒体に溶解し得る無菌の固形組成物の形状で殺菌剤を包含させることにより無菌化し得る。これらの組成物は選択肢として乳白剤を含んでいてもよく、またそれらが胃腸管の特定の部分で有効成分のみ、または優先的に、選択肢として遅延様式で放出する組成物であってもよい。使用し得る埋め込み組成物の例は、ポリマー物質およびワックスを包含する。有効成分は、適切な場合、1種以上の上記添加物によりマイクロカプセルに充填した形状であってもよい。
【0118】
本発明化合物の経口投与用液状投与形態は、医薬的に許容されるエマルジョン、マイクロエマルジョン、水剤、懸濁液、シロップおよびエリキシルである。有効成分に加えて、液状投与形態は当該技術分野で共通して使用される不活性希釈剤、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、油類(とりわけ、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、およびその混合物を含み得る。
【0119】
不活性希釈剤の外に、経口組成物は、湿潤剤、乳化剤と懸濁化剤、甘味剤、芳香剤、着色剤、香味剤および保存剤を含んでもよい。
【0120】
懸濁液は、活性化合物に加えて、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天−寒天およびトラガカント、およびその混合物を含み得る。
【0121】
直腸または膣内投与用の本発明の医薬組成物の剤形は坐剤として提供可能であり、この坐剤は1種以上の本発明化合物と、例えば、カカオ脂、ポリエチレングリコール、坐剤用ワックスまたはサリチル酸エステルを含んでなる1種以上の適切な非刺激性添加剤または担体とを混合することにより製造可能であり;またこの坐剤は室温で固体であるが、体温では液状となり、それ故、直腸または膣腔にて融解し、活性化合物を放出する。
【0122】
膣内投与に適する本発明の製剤は、当該技術分野で適切であることが既知である場合、かかる担体を含むペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、発泡体または噴霧製剤である。
【0123】
本発明化合物の局所または経皮投与用の投与形態は、散剤、噴霧剤、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、水剤、パッチおよび吸入剤である。該活性化合物は無菌条件下で医薬的に許容される担体と、また必要とされ得るいずれかの保存剤、緩衝剤、または推進薬と混合するとよい。
【0124】
軟膏、ペースト、クリームおよびゲルは、本発明の活性化合物に加えて、添加剤、例えば、動物および植物脂肪、油類、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコン、ベントナイト、ケイ酸、タルクおよび酸化亜鉛、またはその混合物を含み得る。
【0125】
散剤および噴霧剤は、本発明化合物に加えて、添加剤、例えば、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物を含有することができる。噴霧剤はさらにクロロフルオロ炭化水素などの常套の推進薬、およびブタンおよびプロパンなどの揮発性非置換炭化水素を含有することができる。
【0126】
経皮パッチは本発明化合物の体内への送達を制御するというさらなる便益を有する。かかる投与形態は適当な媒体に該化合物を溶解または分散することにより作製することができる。吸収増強剤は皮膚を通過する該化合物の流量を増加させるためにも使用することができる。かかる流量の割合は、速度制御膜を提供するか、または活性化合物をポリマーマトリックスまたはゲルに分散させることにより制御することができる。
眼科用製剤、眼軟膏、散剤、水剤などもまた、本発明の範囲内に入ると考えられる。
【0127】
非経口投与に適する本発明の医薬組成物は、1種以上の本発明化合物を1種以上の医薬的に許容される無菌等張性水性または非水性溶液、分散液、懸濁液またはエマルジョン、または使用直前に無菌の注射用溶液または分散液に再構築し得る無菌の粉末と組み合わせて含有する;これらは抗酸化剤、緩衝剤、殺菌剤、意図する受容者の血液と等張の製剤とする溶質、または懸濁化剤もしくは粘稠剤を含有し得る。
【0128】
本発明の医薬組成物にて採用し得る適当な水性および非水性担体の例は、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、およびその適当な混合物、植物油(例えば、オリーブ油)、および注射用有機エステル(例えば、オレイン酸エチル)などである。適切な流動性は、例えば、分散液の場合には必要な粒径を維持することにより、また界面活性剤を使用することにより維持し得る。
【0129】
これらの組成物は、保存剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤などの佐剤を含有してもよい。微生物の作用の予防は、様々な抗菌および抗かび剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール ソルビン酸などを含有させることにより確保し得る。また、望ましいことは、糖、塩化ナトリウムなどの等張剤を組成物に含めることである。さらに、注射医薬形状の吸収の延長は、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンなどの吸収を遅延する薬剤を含有させることにより達成し得る。
【0130】
ある場合においては、薬物の作用を引き伸ばすために、皮下または筋肉内注射からの薬物の吸収速度を落とすことが望ましい。これは水溶性の乏しい結晶性または無晶性物質の液体懸濁液を使用することにより実施し得る。従って、薬物の吸収速度はその溶解速度に左右される、すなわち、結晶サイズおよび結晶の形状に左右され得る。別法として、非経口的に吸収される薬物体を吸収遅延させるには、油状媒体に該薬物を溶解または懸濁することにより達成される。
【0131】
デポ型注射剤は、ポリアクチド−ポリグリコリドなどの生物分解性ポリマー中、対象化合物のマイクロカプセルマトリックスを形成することにより作製される。薬物とポリマーの比、および使用する特定ポリマーの性質に依存して、薬物の放出速度を制御することができる。他の生物分解性ポリマーの例は、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)を包含する。デポ型注射製剤は体組織と両立し得るリポソームまたはマイクロエマルジョンに該薬物を取り込ませることによっても製造される。
【0132】
本発明の製剤は、経口、非経口、局所、または直腸経由で投与し得る。それらは勿論、各投与経路に適する形態で投与する。例えば、それらは錠剤またはカプセルの形状で、また注射、吸入、点眼液、坐剤などとして投与され;注射、点滴または吸入による投与;ローションまたは軟膏による局所投与;および坐剤による直腸投与でもよい。経口投与が好適である。
【0133】
本明細書にて使用する、「非経口投与」および「非経口的に投与する」という用語は、経腸および局所投与以外の投与の様式を意味し、通常、注射によるものであり、限定されるものではないが、静脈内、筋肉内、動脈内、鞘内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、気管経由、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、脊椎内および胸骨内注射および注入を包含する。
【0134】
本明細書にて使用する「全身投与」、「全身に投与する」、「末梢投与」および「末梢に投与する」との用語は、中枢神経系への直接投与以外の、化合物、薬物または他の物質の投与を意味し、結果としてそれが患者の全身に入り、従って、代謝および他の同様の過程に付されること、例えば、皮下投与などを意味する。
【0135】
これらの化合物はヒトおよび他の動物に、治療のため適切な投与経路、例えば、経口、鼻腔(例えば、噴霧により)、直腸、膣内、非経口、槽内および局所的に、散剤、軟膏または滴剤として、頬内および舌下を含め、投与し得る。
【0136】
選択される投与経路に関係なく、本発明化合物(適当な水和形状で使用し得る)および/または本発明の医薬組成物は、当業者周知の簡便な方法で、医薬的に許容される投与形態に製剤化する。
【0137】
本発明の医薬組成物における有効成分の実際の投与量レベルは、特定の患者に所望の治療応答を達成するために有効である有効成分の量、組成、および投与様式を得るように、患者に毒性を生じずに、変えることが可能である。
【0138】
選択される投与レベルは、採用する本発明の特定化合物、またはそのエステル、塩もしくはアミドの活性、投与経路、投与時間、採用された特定化合物の分泌速度、処置期間、当該特定採用化合物と組み合わせて使用する他の薬物、化合物および/または物質、処置すべき患者の年齢、性別、体重、症状、一般的健康状態およびこれまでの医療履歴など、医療技術分野で周知の同様のファクターを含む、様々な以下のファクターに左右される。
【0139】
当該技術分野で通常の技能を有する医師または獣医師は、要求される医薬組成物の有効量を用意に判断し、処方することができる。例えば、医師または獣医師は医薬組成物中に採用された化合物の投与量を、所望の治療効果を達成するために必要とされるレベルよりも低いレベルで開始し、その用量を所望の効果が達成されるまで次第に増量していく。
【0140】
一般に、本発明化合物の適当な日用量は、治療効果を生じるために有効な最少用量であるその化合物の量である。かかる有効投与量は一般に上記のファクターに作用される。一般に、患者に対する本発明化合物の静脈内または皮下の用量は、指示された鎮痛作用について使用した場合、1日あたり体重1キログラムにつき約0.0001ないし約100mg、より好ましくは、1日1kgにつき約0.01ないし50mg、なおさらに好ましくは、1日1kgにつき約1.0ないし約100mgの範囲である。有効量はデアセチラーゼ関連障害を処置する量である。
【0141】
所望により、活性化合物の有効日用量は、1日あたり適切な間隔に分割して、2回、3回、4回、5回、6回またはそれ以上の回数で、選択肢として単位投与の形状で投与し得る。
本発明化合物は単独で投与することが可能であるが、該化合物を医薬組成物として投与することが好ましい。
【0142】
合成手法
本発明化合物は、一般に入手可能な化合物から、当業者既知の手法を用いて製造され、限定されるものではないが、該手法は以下のいずれか1つ以上の条件で行う。
【0143】
本明細書の範囲内で、容易に除去し得る基は、本発明化合物の特定所望の最終産物を構成する要件ではないが、これを「保護基」と命名する。かかる保護基による官能基の保護、保護基それ自体、およびそれらの切断反応については、例えば、以下の標準的参考著書に記載されている:Science of Synthesis: Houben-Weyl Methods of Molecular Transformation. Georg Thieme Verlag, Stuttgart, Germany. 2005. 41627 pp. (URL: http://www.science-of-synthesis.com (Electronic Version, 48 Volumes)); J. F. W. McOmie, “Protective Groups in Organic Chemistry”, Plenum Press, London and New York 1973, in T. W. Greene and P. G. M. Wuts, “Protective Groups in Organic Synthesis”, Third edition, Wiley, New York 1999, in “The Peptides”; Volume 3 (editors: E. Gross and J. Meienhofer), Academic Press, London and New York 1981, in “Methoden der organischen Chemie”(Methods of Organic Chemistry), Houben Weyl, 4th edition, Volume 15/I, Georg Thieme Verlag, Stuttgart 1974, in H.-D. Jakubke and H. Jeschkeit, “Aminosaeuren, Peptide, Proteine” (Amino acids, Peptides, Proteins), Verlag Chemie, Weinheim, Deerfield Beach, and Basel 1982, and in Jochen Lehmann, “Chemie der Kohlenhydrate: Monosaccharide und Derivate” (Chemistry of Carbohydrates: Monosaccharides and Derivatives), Georg Thieme Verlag, Stuttgart 1974。保護基の特性は、それらが、例えば、加溶媒分解、還元、光分解により、または別法として生理的条件下(例えば、酵素による切断)で容易に(すなわち、不所望の二次反応を生じることなく)除去し得ることである。
【0144】
少なくとも1個の塩形成基を有する本発明化合物の塩は、それ自体既知の方法で製造し得る。例えば、酸基を有する本発明化合物の塩は、例えば、該化合物を適当なカルボン酸のアルカリ金属塩(例えば、2−エチルヘキサン酸のナトリウム塩)により、または有機アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属化合物(例えば、対応する水酸化物、炭酸塩または炭酸水素塩;例えば、水酸化、炭酸もしくは炭酸水素ナトリウムもしくはカリウム;または対応するカルシウム化合物)により、またはアンモニアもしくは適切な有機アミンにより、処理することにより形成可能であり、この際、化学量論的量の、または小過剰の塩形成剤を使用することが好ましい。本発明化合物の酸付加塩は、常套の方法で、例えば、該化合物を酸または適当なアニオン交換試薬で処理することにより取得する。酸性および塩基性塩形成基、例えば、遊離カルボキシ基および遊離アミノ基を有する本発明化合物の内部塩は、例えば、酸付加塩などの塩を弱塩基で等電点まで中和することにより、またはイオン交換体での処理により、形成することができる。
【0145】
塩は常套の方法により遊離の化合物に変換することができる;金属塩およびアンモニウム塩は、例えば、適当な酸で処理することにより、また酸付加塩は、例えば、適当な塩基性剤での処理により変換することができる。
【0146】
本発明により得られる異性体の混合物は、自体既知の方法で個々の異性体に分離することができる;ジアステレオマーは、例えば、多相溶媒混合物、再結晶および/またはクロマトグラフィー分離(例えば、シリカゲル上のクロマトグラフィー、または例えば、逆相カラム上の中圧液体クロマトグラフィー)により分離することができる;また、ラセミ体は、例えば、光学的に純粋な塩形成試薬との塩の形成と、そうして得られたジアステレオマー混合物の分離、例えば、分別結晶によるか、または光学的に活性なカラム材のクロマトグラフィーにより分離することができる。
【0147】
中間体と最終産物は標準法に従い、例えば、クロマトグラフ法、分配法、(再)結晶などにより、後処理および/または精製することができる。
【0148】
一般的工程条件
以下は本開示全般に言及するすべての工程に一般的に適用する。
本発明化合物を合成するための処理工程は、以下に具体的に言及する条件など、それ自体既知の反応条件下に実施し得る;例えば、溶媒または希釈剤の不存在下、または慣例としては存在下に実施する;該溶媒または希釈剤は使用する試薬に対し不活性であり、それらを溶解するものであり;また、反応および/または反応剤の性質に応じて、触媒、縮合剤または中和剤、例えば、イオン交換体(カチオン交換体など;例えば、H+型)の存在下または不存在下、低温、常温または高温で、例えば、約−100℃ないし約190℃の温度で、例えば、約−80℃ないし約150℃、例えば、−80ないし−60℃、室温、−20℃ないし40℃または還流温度で、大気圧下または密閉容器中で、適切な場合、加圧下に、および/または不活性気流中、例えば、アルゴンもしくは窒素気流中で実施し得る。
【0149】
反応のすべての段階で、形成される異性体の混合物は、個々の異性体、例えば、ジアステレオマーまたはエナンチオマーに、またはいずれかの所望の異性体混合物、例えば、ラセミ体またはジアステレオマーの混合物に分離することができる;この方法は、例えば、文献(Science of Synthesis: Houben-Weyl Methods of Molecular Transformation. Georg Thieme Verlag, Stuttgart, Germany. 2005)記載の方法と同様である。
【0150】
特定の反応に適切である溶媒を選択し得る溶媒は、本工程の記載中で特に断りのない限り、具体的に言及した溶媒、または、例えば、水、エステル類、例えば、低級アルカン酸低級アルキル(例えば酢酸エチル)、エーテル類、例えば、脂肪族エーテル(例えばジエチルエーテル)、または環状エーテル(例えばテトラヒドロフランまたはジオキサン)、液体芳香族炭化水素、例えば、ベンゼンもしくはトルエン、アルコール類、例えば、メタノール、エタノールもしくは1−もしくは2−プロパノール、ニトリル、例えば、アセトニトリル、ハロゲン化炭化水素、例えば、塩化メチレンもしくはクロロホルム、酸アミド、例えば、ジメチルホルムアミドもしくはジメチルアセトアミド、塩基、例えば、ヘテロ環状窒素塩基(例えばピリジンまたはN−メチルピロリジン−2−オン)、カルボン酸無水物、例えば、低級アルカン酸無水物(例えば無水酢酸)、環状、直鎖もしくは分枝炭化水素、例えば、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタンもしくはイソペンタン、またはこれら溶媒の混合物、例えば、水溶液である。かかる溶媒混合物は、後処理、例えば、クロマトグラフィーまたは分配による後処理にも使用し得る。
【0151】
当該化合物はその塩も含め、水和物の形状でも取得し得るか、またはそれらの結晶は、例えば、結晶化に使用した溶媒を含み得る。異なる結晶の形状も存在し得る。
【0152】
本発明は、当該工程のいずれかの段階で中間体として得られる化合物を出発原料として使用し、残りの処理工程を実施する工程の形態、または出発原料を該反応条件下で形成させるか、もしくは誘導体の形状、例えば、保護形状もしくは塩の形状で使用する工程の形態、または本発明に従う工程で得られる化合物を当該工程の条件下で生成させ、さらにそのまま処理加工する工程の形態にも関する。
【0153】
プロドラッグ
本発明は、本発明化合物の医薬的に許容されるプロドラッグを含有する医薬組成物、およびその投与を介してデアセチラーゼ関連症状を処置する方法をも包含する。例えば、遊離のアミノ、アミド、ヒドロキシまたはカルボン酸基を有する本発明化合物をプロドラッグに変換することができる。プロドラッグは、アミノ酸残基、または1個以上(例えば2、3または4個)のアミノ酸残基のポリペプチド鎖が、本発明化合物の遊離のアミノ、ヒドロキシまたはカルボン酸残基に、アミドまたはエステル結合を介して共有結合している化合物を包含する。アミノ酸残基は、限定されるものではないが、3文字記号で共通して指定される20種の天然アミノ酸であり、さらに、4−ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジン、デモシン、イソデモシン、3−メチルヒスチジン、ノルバリン、ベータ−アラニン、ガンマ−アミノ酪酸、シトルリン ホモシステイン、ホモセリン、オルニチンおよびメチオニンスルホンなどをも含む。さらなるプロドラッグのタイプも包含される。例えば、遊離のカルボキシル基はアミドまたはアルキルエステルとして誘導化し得る。遊離の水酸基は、限定されるものではないが、ヘミコハク酸エステル、リン酸エステル、ジメチルアミノ酢酸エステル、およびホスホリルオキシメチルオキシカルボニルなどの基を用いて誘導化し得る;これらについては、文献(Advanced Drug Delivery Reviews, 1996, 19, 115)に概説されている。ヒドロキシおよびアミノ基のカルバミン酸エステルプロドラッグもまた、ヒドロキシ基のカルボネートプロドラッグ、スルホネートエステルおよび硫酸エステルなどのように包含される。(アシルオキシ)メチルおよび(アシルオキシ)エチルとしてのヒドロキシ基の誘導化は、アシル基が、限定されるものではないが、エーテル、アミンおよびカルボン酸官能基により置換されていてもよいアルキルエステルである場合、または該アシル基が上記のアミノ酸エステルである場合に、包含される。このタイプのプロドラッグは文献(J. Med. Chem. 1996, 39, 10)に記載されている。遊離のアミンは、アミド、スルホンアミドまたはホスホンアミドとしても誘導化し得る。これらのプロドラッグ部分のすべてが、限定されるものではないが、エーテル、アミンおよびカルボン酸官能基を組み込み得る。
【0154】
従って、本発明化合物に言及している場合、適切かつ好都合である場合に、本発明化合物の対応するプロドラッグにも言及しているものと理解すべきである。
【0155】
組み合わせ
本発明化合物は他の抗増殖剤と組み合わせて有利に使用することができる。かかる抗増殖剤は、限定されるものではないが、アロマターゼ阻害剤;抗エストロゲン剤;トポイソメラーゼI阻害剤;トポイソメラーゼII阻害剤;微小管活性剤;アルキル化剤;ヒストンデアセチラーゼ阻害剤;細胞分化過程を誘発する化合物;シクロオキシゲナーゼ阻害剤;MMP阻害剤;mTOR阻害剤;抗新生物形成代謝拮抗剤;白金化合物;タンパク質または脂質キナーゼ活性を標的とする/低下させる化合物およびさらなる抗血管形成化合物;タンパク質または脂質ホスファターゼの活性を標的、低下または阻害する化合物;ゴナドレリン・アゴニスト;抗アンドロゲン剤;メチオニンアミノペプチダーゼ阻害剤;ビスホスホネート;生物応答調整剤;抗増殖性抗体;ヘパラナーゼ阻害剤;Ras発癌性イソ型の阻害剤;テロメラーゼ阻害剤;プロテオソーム阻害剤(例えばベルケードまたはゲムシタビン);血液学的悪性腫瘍の処置に使用する薬剤;Flt−3の活性を標的化、低下または阻害する化合物;Hsp90阻害剤;テモゾロミド(TEMODAL(登録商標));およびロイコボリンなどである。
【0156】
「アロマターゼ阻害剤」という用語は、本明細書にて使用する場合、エストロゲン産生を阻害する化合物、すなわち、基質アンドロゲンジオンとテストステロンをそれぞれエストロンとエストラジオールに変換するのを阻害する化合物に関する。この用語は、限定されるものではないが、ステロイド類、とりわけ、アタメスタン、エクゼメスタンおよびホルメスタン、特に非ステロイド類、とりわけ、アミノグルテチミド、ログレチミド、ピリドグルテチミド、トリロスタン、テストラクトン、ケトコナゾール、ボロゾール、ファドロゾール、アナストロゾールおよびレトロゾールを包含する。エクゼメスタンは、例えば、商品名AROMASINとして市販されているものを、そのままの形状で投与することができる。ホルメスタンは、例えば、商品名LENTARONとして市販されているものを、そのままの形状で投与することができる。ファドロゾールは、例えば、商品名AFEMAとして市販されているものを、そのままの形状で投与することができる。アナストロゾールは、例えば、商品名ARIMIDEXとして市販されているものを、そのままの形状で投与することができる。レトロゾールは、例えば、商品名FEMARAまたはFEMARとして市販されているものを、そのままの形状で投与することができる。アミノグルテチミドは、例えば、商品名ORIMETENとして市販されているものを、そのままの形状で投与することができる。アロマターゼ阻害剤である化学療法剤を含有してなる本発明の併用剤は、ホルモン受容体陽性腫瘍、例えば、乳房腫瘍の処置に特に有用である。
【0157】
用語「抗エストロゲン」とは、本明細書にて使用する場合、エストロゲン受容体レベルでエストロゲンの作用に拮抗する化合物に関する。この用語は、限定されるものではないが、タモキシフェン、フルベストラント、ラロキシフェンおよびラロキシフェン塩酸塩を包含する。タモキシフェンは、例えば、商品名NOLVADEXとして市販されているものを、そのままの形状で投与することができる。ラロキシフェン塩酸塩は、例えば、商品名EVISTAとして市販されているものを、そのままの形状で投与することができる。フルベストラントは、米国特許4,659,516号明細書に開示されているように製剤化するか、または例えば、商品名FASLODEXとして市販されているものを、そのままの形状で投与することができる。抗エストロゲン剤である化学療法剤を含有してなる本発明の併用剤は、エストロゲン受容体陽性腫瘍、例えば、乳房腫瘍の処置に特に有用である。
【0158】
用語「抗アンドロゲン」とは、本明細書にて使用する場合、男性ホルモンの生物作用を阻害し得る物質に関係し、限定されるものではないが、ビカルタミド(CASODEX)を包含する;このものは米国特許4,636,505号明細書に記載されているように製剤化し得る。
【0159】
「ゴナドレリン・アゴニスト」という用語は、本明細書にて使用する場合、限定されるものではないが、アバレリックス、ゴセレリンおよび酢酸ゴセレリンを包含する。ゴセレリンは米国特許4,100,274号明細書に開示されており、例えば、商品名ゾラデックスとして市販されているものを、そのままの形状で投与することができる。アバレリックスは、例えば、米国特許5,843,901号明細書に開示されているように製剤化し得る。
【0160】
「トポイソメラーゼI阻害剤」という用語は、本明細書にて使用する場合、限定されるものではないが、トポテカン、ギマテカン、イリノテカン、カンプトテカンとその類似体、9−ニトロカンプトテシン、および高分子カンプトテシン接合体PNU−166148(PCT出願WO99/17804号明細書中の化合物A1)などである。イリノテカンは、例えば、商品名CAMPTOSARとして市販されているものを、そのままの形状で投与することができる。トポテカンは、例えば、商品名HYCAMTINとして市販されているものを、そのままの形状で投与することができる。
【0161】
「トポイソメラーゼII阻害剤」という用語は、本明細書にて使用する場合、限定されるものではないが、アントラサイクリン、例えば、ドキソルビシン(リポソーム製剤、例えば、CAELYX)、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシンおよびネモルビシン;アントラキノン類、ミトキサントロンおよびロソキサントロン;およびポドフリトキシン類、エトポシドおよびテニポシドを包含する。エトポシドは、例えば、商品名ETOPOPHOSとして市販されているものを、そのままの形状で投与することができる。テニポシドは、例えば、商品名VM26−ブリストルとして市販されているものを、そのままの形状で投与することができる。ドキソルビシンは、例えば、商品名アドリブラスチンまたはアドリアマイシンとして市販されているものを、そのままの形状で投与することができる。エピルビシンは、例えば、商品名FARMORUBICINとして市販されているものを、そのままの形状で投与することができる。イダルビシンは、例えば、商品名ZAVEDOSとして市販されているものを、そのままの形状で投与することができる。ミトキサントロンは、例えば、商品名NOVANTRONとして市販されているものを、そのままの形状で投与することができる。
【0162】
「微小管活性剤」という用語は、微小管安定化、微小管不安定化剤、およびマイクロチューブリン重合阻害剤に関係し、限定されるものではないが、タキサン類(例えばパクリタキセルおよびドセタキセル)、ビンカアルカロイド(例えばビンブラスチン硫酸塩を含むビンブラスチン、ビンクリスチン硫酸塩を含むビンクリスチン、およびビノレルビン)、ディスコデルモリド類、コルヒチンおよびエポチロンおよびその誘導体、例えば、エポチロンBもしくはDまたはその誘導体などである。パクリタキセルは、例えば、タキソールとして市販されているものを、そのままの形状で投与することができる。ドセタキセルは、例えば、商品名タキソテールとして市販されているものを、そのままの形状で投与することができる。ビンブラスチン硫酸塩は、例えば、商品名ビンブラスチンR.P.として市販されているものを、そのままの形状で投与することができる。ビンクリスチン硫酸塩は、例えば、商品名FARMISTINとして市販されているものを、そのままの形状で投与することができる。ディスコデルモリドは、例えば、米国特許5,010,099号明細書に開示されているように取得し得る。また、エポチロン誘導体も包含されるが、このものは特許および特許出願WO98/10121、US6,194,181、WO98/25929、WO98/08849、WO99/43653、WO98/22461およびWO00/31247号各明細書に記載されている。エポチロンAおよび/またはBが包含される。
【0163】
「アルキル化剤」という用語は、本明細書にて使用する場合、限定されるものではないが、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファランまたはニトロソウレア(BCNUまたはグリアデル)を包含する。シクロホスファミドは、例えば、商品名CYCLOSTINとして市販されているものを、そのままの形状で投与することができる。イホスファミドは、例えば、商品名HOLOXANとして市販されているものを、そのままの形状で投与することができる。
【0164】
「ヒストンデアセチラーゼ阻害剤」または「HDAC阻害剤」という用語は、本明細書にて記載する場合、ヒストンデアセチラーゼとして知られる酵素のクラスの少なくとも1例を阻害する化合物に関係し、その化合物は一般に抗増殖活性を保有する。これまでに開示されたHDAC阻害剤は、例えば、PCT出願WO02/22577号明細書に開示された化合物であり、N−ヒドロキシ−3−[4−[[(2−ヒドロキシエチル)[2−(1H−インドール−3−イル)エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミド、N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドおよびその医薬的に許容される塩を包含する。このものはさらにスベロイルアニリド・ヒドロキサム酸(SAHA)を包含する。その他の公開されているHDAC阻害剤は、酪酸とその誘導体、例えば、フェニル酪酸ナトリウム、サリドマイド、トリコスタチンAおよびトラポキシンである。
【0165】
用語「抗新生物形成代謝拮抗剤」とは、限定されるものではないが、5−フルオロウラシルまたは5−FU、カペシタビン、ゲムシタビン、DNA脱メチル化剤(例えば、5−アザシチジンおよびデシタビン)、メトトレキセートとエダトレキセート、および葉酸アンタゴニスト(例えば、ペメトレキセド)などである。カペシタビンは、例えば、商品名XELODAとして市販されているものを、そのままの形状で投与することができる。ゲムシタビンは、例えば、商品名GEMZARとして市販されているものを、そのままの形状で投与することができる。さらに包含されるのは、モノクローナル抗体トラスツズマブであり、このものは、例えば、商品名HERCEPTINとして市販されているものを、そのままの形状で投与することができる。
【0166】
「白金化合物」という用語は、本明細書にて使用する場合、限定されるものではないが、カルボプラチン、シスプラチン、シスプラチナムおよびオキサリプラチンである。カルボプラチンは、例えば、商品名CARBOPLATとして市販されているものを、そのままの形状で投与することができる。オキサリプラチンは、例えば、商品名ELOXATINとして市販されているものを、そのままの形状で投与することができる。
【0167】
「HDAC活性もしくはヒストンデアセチラーゼ活性を標的とする/低下させる化合物;またはさらなる抗血管形成化合物」という用語は、本明細書にて使用する場合、限定されるものではないが、HDAC1〜11阻害剤、例えば、HDAC2、HDAC3およびHDAC8阻害剤である。
【0168】
シグナル伝達に関わる以下のタンパク質のリストは、HDAC活性を阻害することで転写を調節する広範囲の作用を説明するものである:
i)血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)の活性を標的とする、低下させる、または阻害する化合物、例えば、PDGFRの活性を標的とする、低下させる、または阻害する化合物、とりわけ、PDGF受容体を阻害する化合物、例えば、N−フェニル−2−ピリミジン−アミン誘導体、例えば、イマチニブ、SU101、SU6668、およびGFB−111。
ii)線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)の活性を標的とする、低下させる、または阻害する化合物;
iii)インスリン様増殖因子受容体I(IGF−IR)の活性を標的とする、低下させる、または阻害する化合物、例えば、IGF−IRの活性を標的とする、低下させる、または阻害する化合物、とりわけ、IGF−IR受容体を阻害する化合物、例えば、PCT出願WO02/092599号明細書に開示された化合物;および/または
iv)c−Met受容体の活性を標的とする、低下させる、または阻害する化合物。
【0169】
腫瘍細胞損傷法は、電離照射線などの方法をいう。上記および下記に言及する「電離照射線」という用語は、電磁線(X線およびガンマ線)または粒子(アルファおよびベータ粒子)として発生する電離照射線を意味する。電離照射線は限定されるものではないが、放射線療法にて提供され、当該技術分野にて既知である。参照例えばHellman, Principles of Radiation Therapy, Cancer, in Principles and Practice of Oncology, Devita et al., Eds., 4th Edition, Vol. 1, pp. 248-275 (1993)。
【0170】
「EDG結合剤」という用語は、本明細書にて使用する場合、FTY720などのリンパ球再循環を調節する一群の免疫抑制剤をいう。
CERTICAN(エベロリムス;RAD):T細胞および血管平滑筋細胞の増殖を防止する研究中の新規増殖シグナル阻害剤。
【0171】
「リボヌクレオチド還元酵素阻害剤」という用語は、ピリミジンまたはプリンヌクレオシド類似体をいい、限定されるものではないが、フルダラビンおよび/およびシトシンアラビノシド(ara−C)、6−チオグアニン、5−フルオロウラシル、クラドリビン、6−メルカプトプリン(とりわけ、ALLに対するara−Cとの組み合わせ)および/またはペントスタチンなどである。リボヌクレオチド還元酵素阻害剤は、とりわけ、ヒドロキシウレアまたは2−ヒドロキシ−1H−イソインドリン−1,3−ジオン誘導体であり、例えば、文献(Nandy et al., Acta Oncologica, Vol. 33, No. 8, pp. 953-961 (1994))に記載されているPL−1、PL−2、PL−3、PL−4、PL−5、PL−6、PL−7またはPL−8である。
【0172】
「S−アデノシルメチオニン脱炭酸酵素阻害剤」という用語は、本明細書にて使用する場合、限定されるものではないが、米国特許5,461,079号明細書に開示された化合物である。
【0173】
さらに包含されるのは、特に、PCT出願WO98/35958号明細書に開示されているVEGFの化合物、タンパク質またはモノクローナル抗体、例えば、1−(4−クロロアニリノ)−4−(4−ピリジルメチル)フタラジンまたはその医薬的に許容される塩、例えば、コハク酸塩、または特許出願WO00/09495、WO00/27820、WO00/59509、WO98/11223、WO00/27819およびEP0769947号各明細書に記載されたもの;Prewett et al, Cancer Res, Vol. 59, pp. 5209-5218 (1999); Yuan et al., Proc Natl Acad Sci U S A, Vol. 93, pp. 14765-14770 (1996); Zhu et al., Cancer Res, Vol. 58, pp. 3209-3214 (1998);およびMordenti et al., Toxicol Pathol, Vol. 27, No. 1, pp. 14-21 (1999)に記載されたもの;WO00/37502およびWO94/10202に記載のもの;O'Reilly et al., Cell, Vol.79, pp. 315-328 (1994) に記載されているアンチオスタチン;O'Reilly et al., Cell, Vol. 88, pp. 277-285 (1997) に記載されているエンドスタチン;アントラニル酸アミド;ZD4190;ZD6474;SU5416;SU6668;ベバシズマブ;または抗VEGF抗体もしくは抗VEGF受容体抗体、例えば、rhuMAbおよびRHUFab、VEGFアプタマー、例えば、Macugon;FLT−4阻害剤、FLT−3阻害剤、VEGFR IgG1抗体、Angiozyme(RPI4610)およびAvastanである。
【0174】
光力学療法とは、本明細書にて使用する場合、癌を処置または予防する光増感剤として知られる特定の化学物質を使用する治療法をいう。光力学療法の例は、VISUDYNEおよびポルフィマーナトリウム(porfimer sodium)などの薬剤での処置からなる。
【0175】
「血管静止ステロイド」という用語は、本明細書にて使用する場合、血管形成を遮断または阻害する薬剤をいい、例えば、アネコルターブ(anecortave)、トリアムシノロン、ヒドロコルチゾン、11α−エピヒドロコルチゾール、コルテキソロン、17α−ヒドロキシプロゲステロン、コルチコステロン、デソキシコルチコステロン、テストステロン、エストロンおよびデキサメタゾンなどである。
コルチコステロイド含有インプラントは、例えば、フルオロシノロン、デキサメタゾンなどの薬剤をいう。
【0176】
他の化学療法剤は、限定されるものではないが、植物アルカロイド、ホルモン剤およびアンタゴニスト;生物学的応答修飾因子、好ましくは、リンホカインもしくはインターフェロン;アンチセンスオリゴヌクレオチドもしくはオリゴヌクレオチド誘導体;または他のもしくは未知の作用メカニズムをもつ多様な薬剤である。
【0177】
コード番号、一般名または商品名により同定される活性薬剤の構造は、標準的な要約集The Merck Indexの現行版から、またはデータベース、例えば、Patents International(例えば、IMS World Publications)から確かめ得る。
【0178】
上記化合物は、本発明化合物と組み合わせて使用し得るものであり、上に引用した文献にその技術について記載しているように製造し、また投与し得る。
本発明化合物は既知の治療方法、例えば、ホルモンの投与またはとりわけ放射線照射との組み合わせで有利に使用し得る。
本発明化合物はまた、例えば、放射線療法に感受性の乏しい腫瘍の処置などにおける放射線増感剤としも使用し得る。
【0179】
「組み合わせ」という用語は、単一の投与単位形状に固定して組み合わせること、または組み合わせ投与のための部品のキットとすることを意味し、後者の場合、本発明化合物および組み合わせパートナーは独立して、同時に投与するか、または特に、組み合わせパートナーが協同作用、例えば、相乗作用を示すことを可能とする時間間隔内に別々に投与するか、またはその組合せで投与する。
【実施例】
【0180】
発明の実施例
本発明を以下の実施例によりさらに説明するが、これらの実施例は、さらに限定するものと解釈すべきではない。実施例全般で使用するアッセイ法は、受け容れられるものである。これらのアッセイにおける有効性の証明は、対象における有効性を予測させるものである。
【0181】
一般的合成法
本発明化合物の合成に利用される出発原料、構築ブロック、試薬類、酸、塩基、脱水剤、溶媒、および触媒は、市販品として入手し得るか、または当業者周知の有機合成法により製造することができる(Houben-Weyl 4th Ed. 1952, Methods of Organic Synthesis, Thieme, Volume 21)。さらに、本発明の化合物は以下の実施例に示すように、当業者周知の有機合成方法により製造することができる。
【0182】
臭化アリールへテロ環状構築ブロックの製造
【化3】

【0183】
5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドリン
【化4】

THF(221mL)中、5−ブロモフタルイミド(44.2mmol;1.0当量)の溶液に、窒素気流下、BF−OEt(265.5mmol;6.0当量)を加え、反応液を25℃で30分間撹拌する。BH−THF(353.6mmol;8.0当量)を反応混合物に加え、これを次いで40℃に24時間加熱する。反応液を室温に冷やし、ガスの発生が止むまでMeOH60mLを加えて反応停止する;400mLのHClを加え、反応液を3時間還流する。次いで、反応液を室温に冷やし、水層を酢酸エチルで洗う。次いで、水層を6N−NaOHでpH14とし、酢酸エチルで抽出する。併合した有機抽出液を乾燥(MgSO)し、濾過、濃縮して、粗製産物、5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドールを得て、これをさらに操作することなく次工程に移す。
【0184】
6−ブロモ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリンの合成
【化5】

【0185】
2−(3−ブロモフェニル)エチルアミン
THF(20mL)中、3−ブロモフェニルアセトニトリル(9.8g、50mmol)の溶液に、ボラン溶液(1M/THF,150mL)を窒素気流下に加える。反応混合物を一夜還流する。これを室温に冷やし、6N−HCl(150mL)で処理する。得られる混合物を酢酸エチルで洗い、酢酸エチルを廃棄する。水層を炭酸ナトリウムで塩基性とし、次いで、酢酸エチルで数回抽出する。併合した有機層を水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に溶媒を除去して、さらに精製することなく無色の油を得る(7.3g、73%)。
【0186】
N−[2−(3−ブロモ−フェニル)−エチル]−2,2,2−トリフルオロ−アセトアミドの合成
乾燥ジクロロメタン(70mL)中、2−(3−ブロモフェニル)エチルアミン(7.3g、36mmol)およびトリエチルアミン(15mL、107mmol)の溶液に、無水トリフルオロ酢酸を滴下し、反応混合物を室温で2時間撹拌する。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、水と食塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮する。粗生成物は10%酢酸エチル/石油エーテルを溶出液とするカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、60〜120メッシュ)により精製して、生成物を淡黄色固体として得る(7.8g、72%)。
【0187】
1−(6−ブロモ−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノンの合成
酢酸と硫酸の溶液に、N−[2−(3−ブロモ−フェニル)−エチル]−2,2,2−トリフルオロ−アセトアミド(7.8g、26mmol)およびパラホルムアルデヒド(1.3g、43mmol)を加える。反応混合物を室温で16時間撹拌し、冷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出する。併合した有機層を炭酸水素ナトリウム溶液で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させる。粗生成物は0〜4%酢酸エチル/石油エーテルを溶出液とするカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、60〜120メッシュ)により精製して、1−(8−ブロモ−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノンと混合する生成物を無色液体として得る(3.1g、37%)。MS:m/z308.0(M+1)
【0188】
6−ブロモ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリンの合成
メタノール(20mL)および飽和炭酸ナトリウム溶液(20mL)からなる溶液に、1−(6−ブロモ−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノンおよび1−(8−ブロモ−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノンの混合物(3g、9.7mmol)を加える。反応混合物を一夜還流し、濃縮して、残渣をジクロロメタンで抽出する。併合した有機層を水と食塩水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を蒸発させる。粗生成物は0〜2%メタノール/クロロホルムを溶出液とするカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、230〜400メッシュ)により精製して、8−ブロモ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリンを無色粘稠油(第一フラクション、0.45g、22%)として、また6−ブロモ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリンを白色固体(第二フラクション、1.0g、48%)として得た。MS m/z211.9(M+1)
【0189】
7−ブロモ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリンの合成
【化6】

【0190】
2−(4−ブロモフェニル)エチルアミンの合成
THF(20mL)中、4−ブロモフェニルアセトニトリル(20g、102mmmol)の溶液に、窒素気流下、ボラン溶液(1M/THF、300mL)を加える。反応混合物を75℃で一夜撹拌する。これを室温まで冷やし、6N−HCl(500mL)で滴下処理し、さらに室温で5時間撹拌する。得られる混合物を酢酸エチルで洗い、酢酸エチルは廃棄する。水層を炭酸ナトリウムで塩基性とし、酢酸エチルで数回抽出する。併合した有機層を水洗し、乾燥(NaSO)し、溶媒を減圧下に除去し、さらに精製することなく淡黄色油を得た(16g、78%)。
【0191】
N−[2−(4−ブロモ−フェニル)−エチル]−2,2,2−トリフルオロアセトアミドの合成
乾燥ジクロロメタン(150mL)中、2−(4−ブロモフェニル)エチルアミン(16g、80mmol)およびトリエチルアミン(34mL、244mmol)の溶液に、無水トリフルオロ酢酸を滴下し、反応混合物を室温で2時間撹拌する。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、水と食塩水で洗い、乾燥(NaSO)し、濃縮する。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、生成物を灰白色固体として得る(15.7g、66%)。
【0192】
1−(7−ブロモ−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノンの合成
40%硫酸/酢酸溶液(150mL)に、N−[2−(4−ブロモ−フェニル)−エチル]−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(15.5g、52.4mmol)およびパラホルムアミド(2.4g、80mmol)を加える。反応混合物を室温で18時間撹拌し、冷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出する。併合した有機層を炭酸水素ナトリウム溶液で洗い、乾燥(NaSO)し、減圧下に蒸発させ、生成物を淡黄色油状液として得て、これは放置すると固化する(14g、88%)。
【0193】
7−ブロモ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリンの合成
メタノール(50mL)と飽和炭酸ナトリウム溶液(50mL)との溶液に、1−(7−ブロモ−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エタノン(14.3g、46.4mmol)を加える。反応混合物を60℃で1時間撹拌し、濃縮して、その残渣を酢酸エチルで抽出する。併合した有機層を水と食塩水で洗い、乾燥(NaSO)し、溶媒を蒸発させる。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、生成物を淡黄色固体として得る(8.4g、85%)。MS m/z213.8(M+1)
【0194】
7−ブロモ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピンおよび7−ブロモ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピンの合成
【化7】

【0195】
7−ブロモ−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[d]アゼピン−2−オンおよび7−ブロモ−1,2,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[c]アゼピン−3−オン
ベンゼン中、6−ブロモ−3,4−ジヒドロ−1H−ナフタレン−2−オン(5.0g、22.2mmol)の冷却(0℃)溶液に、アジ化ナトリウム(5.77g、88.8mmol)を加え、次いで、濃硫酸(10mL)を滴下する。氷浴を除き、反応混合物を室温で一夜撹拌する。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水(2×)と食塩水で洗い、乾燥(NaSO)し、濃縮して位置異性体の粗製混合物(3.76g、71%組合せ収率)を得る。この混合物はさらに分離せずに共に次工程に移行する。LC−MS m/z240および242(M+1)
【0196】
7−ブロモ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピンおよび7−ブロモ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン
1,2−ジメトキシエタン(25mL)中、7−ブロモ−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[d]アゼピン−2−オンおよび7−ブロモ−1,2,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[c]アゼピン−3−オンの混合物(3.76g)の溶液に、窒素下、ボラン−ジメチルスルフィド複合体の溶液(10.0M、3.13mL、31.3mmol)を加え、その反応混合物を一夜還流する。混合物にMeOHを加えて反応停止し、過剰のボランを除去する。得られる混合物を減圧濃縮し、塩化水素/メタノール溶液(1.25M−HCl/メタノール)に溶解する。この混合物を室温で20分間撹拌し、減圧濃縮する。残留固体(塩酸塩)はさらに精製することなく、次工程に移行する。異性体化合物はカラムクロマトグラフィーにより次工程で分離し得る。LC−MS:m/z226および228(M+1)。
【0197】
アクリル酸メチルエステル・ヘテロ環状構築ブロックの製造
【化8】

臭化アリール・ヘテロ環状構築ブロックはすべて、(E)−3−(2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−アクリル酸メチルエステルまたは(E)−3−(1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−アクリル酸メチルエステルの合成と同様の方法で、臭化アリール・ヘテロ環状構築ブロックに変換することができる。
【0198】
(E)−3−(2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−アクリル酸メチルエステルの合成
5−ブロモ−1,3−ジヒドロ−イソインドリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化9】

THF(126mL)中、5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール(8.75g;1.0当量)の溶液に、ジ炭酸ジ−tert−ブチル(10.8g;1.12当量)および4−ジメチルアミノピリジン(5.4g;1.0当量)を加え、反応液を室温で3時間撹拌する。飽和炭酸水素ナトリウムで反応を停止、酢酸エチルで抽出する。併合した有機抽出液を乾燥(MgSO)し、濾過、濃縮して、粗生成物を得る;これをシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、7.0gの5−ブロモ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(23.49mmol;2工程で53%収率)を得る。1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ 7.39 (dd, J = 4.0, 16.0 Hz, 1 H), 7.26 (s, 1 H), 7.12 (dd, J = 20.0, 4.0 Hz), 4.67 (s, 1 H), 4.62 (s, 2 H), 4.59 (s, 1 H), 1.51 (s, 9 H)。
【0199】
5−(2−メトキシカルボニル−ビニル)−1,3−ジヒドロ−イソインドリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化10】

100mL容量の三頚丸底フラスコに、5−ブロモ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(13.42mmol;1.0当量)、Pd(OAc)(0.34mmol;0.025当量)、およびP(o−tol)(0.67mmol;0.05当量)を加え、フラスコを吸引してNを3回流す。DMF(34mL)、アクリル酸メチル(14.76mmol;1.1当量)、およびEtN(67.1mmol;5.0当量)を加え、反応混合物を130℃に15時間加熱する。反応液を室温まで冷やし、EtO(200mL)で希釈し、有機層を10%クエン酸、飽和炭酸水素ナトリウム、および食塩水で洗う。併合した有機抽出液を乾燥(MgSO)し、濾過、濃縮して、粗生成物を得る;次いで、これをシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、5−(2−メトキシカルボニル−ビニル)−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸tert−ブチルエステルを黄色固体として得る(1.7g;42%収率)。1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ 7.68 (d, J = 16 Hz, 1 H), 7.53 (m, 2 H), 7.32 (t, J = 8.0 Hz, 1 H), 6.52 (d, J = 16 Hz, 1 H), 4.64 (d, J = 8 Hz, 4 H), 3.78 (s, 3 H), 1.52 (s, 9 H). MS m/z 305.0 (M+1)+
【0200】
(E)−3−(2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−アクリル酸メチルエステル
【化11】

無水CHCl(10mL)中、5−(2−メトキシカルボニル−ビニル)−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(988mg;3.26mmol;1.0当量)の溶液に、0℃でトリフルオロ酢酸を15分間で滴下する。反応液を1時間かけてゆっくりと室温に温め、飽和炭酸水素ナトリウムを加える。水層をCHClで抽出し、併合した有機抽出液を乾燥(MgSO)し、濾過、濃縮乾固する。得られる黄色油を室温で無水MeOHに取り込み、過剰のHCl/ジオキサン(4.0M)を加える。減圧下に溶媒を除去し、得られる灰色固体をEtOでトリチュレートする。沈殿を濾取し、乾燥して、(E)−3−(2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−アクリル酸メチルエステル(853mg)を得る。1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ 7.70 (d, J = 16.0 Hz, 1 H), 7.56 (s, 1 H), 7.48 (d, J = 8.0 Hz, 1 H), 7.33 (d, J = 8.0 Hz, 1 H), 6.52 (d, J= 16.0 Hz, 1 H), 4.23 (s, 4 H) 3.78 (s, 3 H). MS m/z 204.0 (M+1)+
【0201】
(E)−3−(1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−アクリル酸メチルエステルの合成
7−((E)−2−メトキシカルボニル−ビニル)−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル
【化12】

マイクロ波反応バイアルに、7−ブロモ−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(300mg、095mmol)、Pd(dba)(8.7mg、0.0095mmol)およびP(tBu)HBF(11.0mg、0.0379mmol)を容れる。このシステムを真空とし、次いで、Nを数回充填する。ジオキサン(10ml)を加え、次いで、アクリル酸メチルエステル(167mg、1.90mmol)およびCyNMe(242uL、1.14mmol)を加える。バイアルを電子レンジに入れ、100℃に1時間加熱する。この混合物をEtOAcで希釈し、水と食塩水で洗い、乾燥する。濃縮後、粗製の物質をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物280mg(92.7%)を得る。
【0202】
(E)−3−(1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−アクリル酸メチルエステル
【化13】

ジクロロメタン(10ml)中、7−((E)−2−メトキシカルボニル−ビニル)−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(280mg、0.882mmol)の溶液に、TFA(4ml)を加える。反応液を室温で約3時間撹拌する。溶媒を除去し、標題化合物250mgを得る。
【0203】
7−ブロモ−1,2,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[d]アゼピン−3−カルボン酸tert−ブチルエステルおよび7−ブロモ−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[c]アゼピン−2−カルボン酸tert−ブチルエステルの合成
7−ブロモ−1,2,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[d]アゼピン−3−カルボン酸tert−ブチルエステルおよび7−ブロモ−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[c]アゼピン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル
無水CHCl(40mL)中、7−ブロモ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピンおよび7−ブロモ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピンの混合物の懸濁液に、ジイソプロピルエチルアミン(5.7mL、33mmol)を加え、次いで、ジ炭酸ジ−tert−ブチル(3.6g、16.5mmol)を窒素下に加え、室温で2時間撹拌する。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、1N塩酸(2×)、食塩水で洗い、乾燥(NaSO)し、減圧濃縮する。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物(総量3.37g;収率45%、3工程通算)を得た。
【0204】
7−ブロモ−1,2,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[d]アゼピン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル;1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.28 (s, 1 H), 7.27 (d, J = 8 Hz, 1 H), 7.00 (d, J = 8 Hz, 1 H), 3.56 (t, J = 4 Hz, 2 H), 3.55 (t, J = 4 Hz, 2 H), 2.88-2.86 (m, 4 H), 1.50 (s, 9 H). LCMS: m/z 270/272 (M+1-tBu)。
7−ブロモ−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[c]アゼピン−2−カルボン酸tert−ブチルエステル;1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.31-27 (m, 2 H), 7.11-7.01 (m, 1 H), 4.35 (br s, 2 H), 3.89 (br s, 2 H), 2.94-2.91 (m, 2 H), 1.79-1.77 (m, 2 H), 1.51 (s, 9 H). LC-MS: m/z 270/272 (M+1-tBu)。
【0205】
7−((E)−2−メトキシカルボニル−ビニル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[d]アゼピン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル
炎熱乾燥マイクロ波バイアルに、Pd(dba)(14mg、0.015mmol)およびP(t−Bu)HBF(17mg、0.16mmol)を加え、次いで、バイアルを吸引し、、Nを3回充填する。その後、ジオキサン(1.5mL)中の7−ブロモ−1,2,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[d]アゼピン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(510mg、1.56mmol、1.0当量)の溶液とN−メチル−ジシクロヘキシルアミン(400μL、1.9mmol)を連続して加える。反応混合物を室温で0.5時間撹拌する。次いで、アクリル酸メチル(280μL、3.12mmol)をN下で加え、反応バイアルを100℃の電子レンジ反応器に0.5時間入れる。得られる混合物を酢酸エチルで希釈し、セライトで濾過し、濃縮してシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(370mg、72%収率)を得る。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.67 (d, J = 16 Hz, 1 H), 7.32-7.28 (m, 2 H), 7.15 (d, J = 8 Hz, 1 H), 6.42 (d, J = 16 Hz, 1 H), 3.82 (s, 3 H), 3.59-3.56 (m, 4 H), 2.94-2.92 (m, 4 H), 1.50 (s, 9 H). LCMS: m/z 276 (M+1-tBu), 232 (M+1-Boc)。
【0206】
7−((E)−2−メトキシカルボニル−ビニル)−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[c]アゼピン−2−カルボン酸tert−ブチルエステルの合成
標題化合物は、7−((E)−2−メトキシカルボニル−ビニル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[d]アゼピン−3−カルボン酸tert−ブチルエステルの製造で記載した通り、7−ブロモ−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[c]アゼピン−2−カルボン酸tert−ブチルエステルから製造する(収率84%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 6.77 (d, J = 16 Hz, 1 H), 6.43-6.36 (m, 2 H), 5.54 (d, J = 16 Hz, 1 H), 3.51 (br s, 2 H), 2.92 (s, 3 H), 2.81 (br s, 2 H), 2.07 (br s, 2 H), 0.90 (br s, 2 H), 0.51 (s, 9 H). LCMS: m/z 276 (M+1-tBu), 232 (M+1-Boc)。
【0207】
(E)−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル)−アクリル酸メチルエステルの合成
CHCl(2mL)中、7−((E)−2−メトキシカルボニル−ビニル)−1,2,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[d]アゼピン−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(370mg、1.11mmol)の溶液を−20℃に冷やし、TFA(2mL)をこの溶液に加える。次いで、この溶液を室温まで加温し、1時間撹拌した後、減圧濃縮する。残渣をCHClで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液と食塩水で洗う;乾燥(NaSO)し、濃縮して標題化合物(200mg、収率77%)を得る。LCMS:m/z232(M+1)
【0208】
(E)−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル)−アクリル酸メチルエステルの合成
標題化合物は、(E)−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル)−アクリル酸メチルエステルの製造において記載した通り、7−((E)−2−メトキシカルボニル−ビニル)−1,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[c]アゼピン−2−カルボン酸tert−ブチルエステルから製造する(収率93%)。LCMS:m/z232(M+1)。
【0209】
N−置換−ヘテロ環状化合物の製造
水素化トリアセトキシホウ素ナトリウムによる典型的な還元的アミノ化法
【化14】

THF中、(E)−3−(2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−アクリル酸メチルエステル(1.0当量)の溶液に、アルデヒド(1.0当量)を加え、反応液を室温で1時間撹拌する。水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(1.4当量)と過剰のAcOH(1mL)を加え、反応液を室温で6時間撹拌する。反応液をEtOAcで希釈する。併合した有機抽出液を乾燥(MgSO)し、濾過、濃縮する。粗製の産物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製する。
【0210】
四塩化チタンによる代表的な還元的アミノ化法;
【化15】

ジクロロメタン(10ml)中、(E)−3−(1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−アクリル酸メチルエステル(249mg、1.15mmol)の溶液に、(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−アセトアルデヒド(200mg、1.15mmol)、トリエチルアミン(479uL、3.44mmol)を加える。TiCl(560uL、1M/ジクロロメタン)を滴下する。反応はTLCによりモニターする。出発原料が消費された時点で、NaCNBH(228mg、3.45mmol)/MeOH(3ml)により反応停止し、12時間撹拌する。反応液を5N−NaOHでpH13の塩基性とし、EtOAcで抽出し、乾燥、濃縮して、クロマトグラフィーにより精製し、100mgの(E)−3−{2−[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリル酸メチルエステル(収率:23.3%)を得る。
【0211】
代表的なスルホンアミド形成法:
【化16】

CHCl中、(E)−3−(2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−アクリル酸メチルエステル(1.0当量)の溶液に、EtN(過剰)を加え、次いで、塩化スルホニル(1.0当量)を加え、反応液を室温で5時間撹拌する。反応混合物を10%クエン酸、飽和炭酸水素ナトリウム、および食塩水で洗う。併合した有機抽出液を乾燥(MgSO)し、濾過、濃縮して粗生成物を得る;これをシリカゲルクロマトグラフィーにより精製する。
【0212】
代表的なアシル化法:
【化17】

CHCl中、(E)−3−(2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−アクリル酸メチルエステル(1.0当量)の溶液に、EtN(過剰)を加え、次いで、塩化アシル(1.0当量)を加え、反応液を室温で5時間撹拌する。反応液を飽和炭酸水素ナトリウムで希釈し、水層をCHClで抽出する。併合した有機抽出液を乾燥(MgSO)し、濾過、濃縮する。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製する。
【0213】
メチルエステルからN−ヒドロキシアミドへの代表的な変換法:
実施例39
【化18】

MeOH(2mL)中、(E)−3−{2−[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリル酸メチルエステル(100mg、0.264mmol)の冷却(0℃)溶液に、ヒドロキシルアミン(175uL、50%/HO、2.65mmol)およびNaOMe(290uL、25%/MeOH、1.34mmol)を加える。この混合物を0℃で1.5時間撹拌し、1N−HClで中和する。一部の固形物を砕き、ガム様の物質を形成する。混合物をMeOHに取り込み、分取用HPLCで精製し、15mgの(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリルアミド(収率:15%)を得る。
【0214】
代表的N−置換2,3−ジヒドロ−イソインドリン化合物のスペクトルデータ
実施例1:(E)−3−(2−ベンジル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−N−ヒドロキシ−アクリルアミド
【化19】

1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ 7.56 (d, J = 16 Hz, 1 H), 7.39 (m, 8 H), 6.45 (d, J = 16 Hz, 1 H), 4.21 (s, 4 H), 4.18 (s, 2 H), MS m/z 295.0 (M+1)+
【0215】
実施例8:(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(トルエン−4−スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド
【化20】

1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ 7.77 (d, J = 8.0 Hz, 2 H). 7.51 (d, J = 16.0 Hz, 1 H), 7.41 (m, 4 H,), 7.23 (d, J = 8.0 Hz, 1 H), 6.41 (d, J = 16.0 Hz, 1 H), 4.59 (s, 4 H), 2.39 (s, 3 H). MS m/z 359.0 (M+1)+
【0216】
実施例25:(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−アセチル]−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド
【化21】

1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ 7.51 (m, 4 H). 7.29 (m, 2 H), 6.99 (tt, J = 8.0 Hz, 2 H), 6.45 (dd, J = 12.0 Hz, 1 H), 4.86 (s, 2 H), 4.77 (s, 2 H), 3.86 (s, 2 H), 2.43 (s, 3 H), MS m/z 376.1 (M+1)+
【0217】
実施例80:(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−アクリルアミドの合成
【化22】

1H NMR (400 MHz, DMSO): δ 10.58 (s, 1 H), 7.34-7.18 (m, 5 H), 7.11 (d, J = 8 Hz, 1 H), 6.88-6.77 (m, 2 H), 6.36 (d, J = 16 Hz, 1 H), 3.92 (br s, 2 H), 3.09 (br s, 2 H), 2.83-2.81 (m, 2 H), 2.70 (t, J = 8 Hz, 2 H), 2,36-2,32 (m, 2 H), 2.18 (s, 3 H), 1.57 (br s, 2 H). 13C NMR (400 MHz, DMSO): δ 162.78, 143.31, 138.12, 135.07, 133.53, 131.55, 130.39, 128.16, 127.56, 124.95, 119.74, 118.41, 117392, 117.253, 110.27, 107.95, 58.41, 57.72, 53.01, 35.33, 24.15, 22.02, 11.19。HRMS:C2427(M+H)として;計算値:390.2182;測定値:390.2173。
【0218】
実施例41:(E)−N−ヒドロキシ−3−{3−[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド
【化23】

1H NMR (400 MHz, DMSO): δ 10.14 (s, 1 H), 7.48-7.35 (m, 4 H), 7.27 (d, J = 8 Hz, 1 H), 7.22 (d, J = 8 Hz, 1 H), 7.04-6.95 (m, 2 H), 6.47 (d, J = 16 Hz, 1 H), 2.96-2.84 (m, 6 H), 2.77-2.66 (m, 6 H), 2.38 (s, 3 H). 13C NMR (400 MHz, DMSO): δ 162.85, 143.77, 142.58, 138.26, 135.11, 132.65, 131.62, 129.36, 128.19, 127.68, 125.40, 119.79, 118.01, 117.23, 110.31, 108.08, 59.35, 54.77, 35.75, 35.69, 21.17, 11.21。HRMS:C2427.H(M+H)として:計算値:390.2182;測定値:390.2183。
【0219】
生物活性
材料と方法
安定な細胞株からのデアセチラーゼの免疫沈降および溶出
常套の方法を用いてデアセチラーゼ酵素を発現し、それを溶解した細胞から精製する。以下の例は例示的手法を記載するものであり、同等の手法が本発明の範囲内にある。
使用した細胞株は、各デアセチラーゼタンパク質をエンコードする遺伝子とフラッグマーカーをエンコードするヌクレオチド配列との融合体を過剰発現する293細胞からの誘導物である。
【0220】
細胞は、オプチメン、2%子牛血清、ペン/ストレプ(Pen/Strep)中で増殖する。酵素製造のための、細胞溶解バッファー(IPLS)は、50mMトリス−HCl、pH7.5、120mM−NaCl、0.5mM−EDTAおよび0.5%ノニデットP−40からなり、このものにバッファー10mlあたり1錠のプロテアーゼ阻害剤(ロシュ11836170001)を加える。他のバッファーはIPHSであり、このものは1M−NaClを含むIPLSであり;TBS(シグマ#T5912)は10×ストックをdHOで希釈して1×とする;HDバッファー:10mMトリス、pH8.0(1Mストック)10mM−NaCl(5Mストック)、10%グリセロール、および透析用:400μM−PMSFを加える(2Lにつき:8mlの100mMストックを使用)。プロテアーゼ阻害剤(コンプリートミニ;ベーリンガーマンハイム)、1錠/10mLは、酵素アッセイ用バッファーに使用しなかった以外、すべてのバッファーに加える。
【0221】
細胞はトリプシンを使用せずに収穫し、殆どの細胞は、要すればフラスコを穏やかに叩くか掻き回すことで、PBS中に容易に取得される。より粘着性の細胞はPBS中で掻き取る。細胞は500cmのトレーで増殖させ、そこから培地の略半分を吸引し(総量50ml)、次いで培地の残りの細胞を掻き取り、遠心管に移す。トレーを25mlの冷却PBSで洗い、再び掻きとって追加の細胞を集め、1500rpm、4℃で5分間遠心分離する。細胞を少なくとも3回PBSで洗って増殖培地を除き、各洗浄後に、1500rpmで5分間遠心分離することにより、細胞をペレット化する。洗浄後、PBSを除き、得られる細胞ペレットを−80℃で凍結し、精製するまで保存する。
【0222】
精製のために、細胞を溶解バッファー(500cmトレー10枚から集めた細胞についてIPLS 12ml)に再懸濁する。細胞は揺り動かしながら4℃で3時間溶解させ、30ml容遠心管中、17,000rpmで20分間遠心分離することにより細胞片を除去する。上清がなお澄明でない場合、上清の遠心分離を繰り返す。全細胞溶解液のタンパク質濃度を定量する(一般に、約2〜5mg/mlの範囲)。
【0223】
タンパク質1mgあたりの免疫沈降のために、抗フラッグM2−アガロースアフィニティビーズ(シグマ#2220)を使用する。ビーズはビーズの10倍容量のPBSで3回、IPLSで1回、1500rpmで洗浄液を5分間遠心分離することで洗浄し、製造する。全細胞溶解液をAb−ビーズと4℃で一夜インキュベートする。ビーズを遠心分離し、5倍容量の以下のバッファーで洗う:IPLS中3回(4℃で30秒、1500RPMで5分間回転);IPHS中3回;およびTBSバッファー中で3回。各遠心分離後、上清を吸引し、できるだけペレットを乾燥するが、ビーズを吸い上げないようにする。
【0224】
酵素を溶出するために、プロテアーゼ阻害剤(ロシュ11836170001)1錠/10mLを含むTBS(ビーズの5倍容量)に再懸濁する。酵素をローテーター上4℃で400μg/mLのフラッグペプチド(シグマ#F−3290)で溶出する。次いで、ビーズを遠心分離し、上清を新しい管に移し、これに1/10容量のグリセロールを加える。この上清を透析カセット(ピアース#66410)に3ccのシリンジ18G針で移し、2LのHDバッファー中、4℃で2時間透析する(1L/時間)。得られる精製デアセチラーゼを小分けし(300μL/チューブ)、ドライアイス浴中で瞬間凍結し、−80℃で保存する。
【0225】
デアセチラーゼ蛍光アッセイ
デアセチラーゼのアッセイには、デアセチラーゼ蛍光活性アッセイ/ドラッグディスカバリーキット(バイオモル#AK500)を使用するが、等価のデアセチラーゼアッセイ法は本発明の範囲内のものである。
【0226】
蛍光アッセイバッファー(FAB)は、25mMトリス−HCl、pH8.0、137mM−NaCl、2.7mM−KClおよび1mM−MgClを含有する。20倍顕色剤の製造:27mg/mLのトリプシン(シグマ#T−8003)を蛍光アッセイバッファーに溶かし、小分けして−80℃に保存する(250μL/96穴プレート)。使用に際し、顕色剤を1倍に希釈し、10μL/mLの0.2mM−TSAを加える。
【0227】
最終アッセイ濃度は以下のとおり:15μLまでのデアセチラーゼイソ型酵素、25μLの基質(25uMローダミン、50uMフルオルデリス(Fluor de lys)基質、バイオモル、プリマス・ミーティングPA,キットAK−500として入手可能)、およびFABに希釈した±10μL阻害剤。FABを加えることにより、最終反応容量50μLを得る。
【0228】
すべての反応成分は蛍光アッセイバッファー中で製造する;酵素と希釈阻害剤(総容量は25μL)を透明底96穴イソプレート(ワラック#1450−514)に加える。100μM基質25μLを加えることにより反応を開始する。陰性対照ウエルにはバッファーと基質のみ、または強水準のLAQ824阻害剤と共に容れる。
【0229】
DMSOとの酵素反応を陽性対照として使用する。
反応は37℃で1〜2時間進行させ、TSA含有1倍顕色剤50μL/ウエルで反応停止する。反応液は室温で10分間顕色させ、サイトフルオル蛍光リーダーの事前加温ランプで読み取る。フルオルデリスについて:プレートは励起360nm、発光460nm、利得65で読み取る。ローダミンの場合:プレートは励起485nm、発光530nm、利得60で読み取る。
【0230】
H1299細胞における安定に形質移入したp21−lucによるp21プロモーター・ルシフェラーゼアッセイ
試薬と一般条件
使用した細胞株はH1299(p21−luc)に由来する。使用した増殖培地は、RPMI1640、10%FBS、1%ペン/ストレプであり、添加した選択培地は500μg/mLジェネチシン(Geneticin)(ギブコ)である。使用したバッファーは5倍の培養細胞溶解バッファー(プロメガ#E1531)であり、−20℃に保存する;ルシフェラーゼアッセイ試薬(プロメガ#E1483)は−70℃で保存する。アッセイ結果はワラックソフトウエアで解析する。
【0231】
ルシフェラーゼをアッセイするために、細胞培養培地を増殖の1日後に除去し、フラスコをPBSで1回洗う。細胞は培地20mL中でトリプシン処理し、トリプシンを中和する。細胞は、バイ−セルXR(Vi-Cell XR)細胞生存度アナライザー上で計数する(0.5〜1mL)。
【0232】
次いで、細胞を約5000細胞/200μLの濃度に希釈し、190μLのサンプルを、コースター白色96穴TC処理白色底蓋付プレート(コースター#3917)の各ウエルに分割する。次いで、プレートを37℃で一夜インキュベートする。
さらに1日後、化合物のサンプルをアッセイ用ウエルに加える。
【0233】
さらに1日後、細胞を溶解し、溶解した細胞のルシフェラーゼ活性を測定する。各ウエルをPBSで2回洗い、20μL/ウエルの1倍細胞培養溶解バッファー(蒸留水により5倍を1倍に希釈)を各ウエルに加える。次いで、マイクロタイタープレートをマイクロタイタープレート・シェーカー上、室温、5〜6の設定速度で20分間振盪する。シェーカーから取り出し、100μLのルシフェラーゼ試薬を各ウエルに加える。各マイクロタイタープレートをワラックエンビジョン装置で読み取る。
化合物1〜118についての本実験の結果を表Aに示す。
【0234】
実施例1〜118の阻害活性のスクリーニング
インビトロでの細胞に基づくアッセイ法を用いて、化合物のIC50を決定するための一般的手法は以下のとおりである:上記のように、96穴プレートのウエルに細胞を播種し、24時間インキュベートし、増殖させ、その後、化合物の一部を各ウエルの細胞に様々の希釈度で加える。さらに72時間インキュベートした後、プレートを読み取る。
【0235】
一般に、化合物の段階希釈は細胞増殖培地中で実施し、化合物の希釈液10ulサンプルを三重測定(3列)用に細胞に加える。プレートを37℃で72時間インキュベートする。活性測定のために、セルタイター96(登録商標)アクア・ワン・ソリューション試薬(プロメガ)(凍結保存)を融解し、光を遮断する。10μlのセルタイター96(登録商標)アクア・ワン・ソリューション試薬のサンプルを96穴アッセイプレートのウエルに加える。湿潤、5%CO気流中、37℃で3時間インキュベートし、96ウエルプレートリーダーを用いて、490nmの吸収を記録する。
化合物1〜118についての本実験の結果を表Aに示す。
【0236】
均等
当業者は、極普通の実験を行うだけで、本明細書に記載した具体的態様と方法に多くの均等物の存在することを認識し、また確認することができよう。かかる均等物は以下の請求項の範囲に包含されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デアセチラーゼ関連障害を処置するために、ヘテロ環状化合物の医薬的許容量をその処置の必要な対象に投与することを含む、デアセチラーゼ関連障害の処置方法。
【請求項2】
当該へテロ環状化合物が、イソインドリン誘導体、テトラヒドロ−イソキノリン誘導体、またはテトラヒドロ−ベンズアゼピン誘導体である請求項1記載の方法。
【請求項3】
当該へテロ環状化合物が、式(I):
【化1】

[式中、
破線は単結合または二重結合を示し;
nおよびmは、それぞれ独立して、1、2、または3であり、nおよびmの合計は2、3または4であり;
式中、Xは(CH)であり;ここで、各CHは独立して、C(O)、S(O)、S(O)、O、またはNRの1個以上と置き換わってもよく;ここで、Rは、H、アルキル、アリール、ヘテロ環、C1−4−アルキル、およびC3−6−シクロアルキルからなる群より選択され;
jは0ないし6の整数であり;
Rは、C1−4−アルキル、C3−6−シクロアルキルおよびアリールからなる群より選択され;ここで、シクロアルキルおよびアリールはさらに独立して、アリール、ヘテロ環、C1−4−アルキル、C1−4−アルコキシ、ハロゲン、アミノ、ニトロ、シアノ、ピロリジニルまたはCFの1個以上で置換されていてもよい]
で示される化合物である請求項1記載の方法。
【請求項4】
当該化合物が以下の化合物からなる群より選択される請求項3記載の方法:
(E)−3−(2−ベンジル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、5−((E)−2−ヒドロキシカルバモイル−ビニル)−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸tert−ブチルエステル、(E)−3−[2−(2,2−ジメチル−プロピオニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−(2−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−アクリルアミド、(E)−3−(2−ベンゼンスルホニル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(ピリジン−4−スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(ピリジン−3−スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(トルエン−4−スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(4−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(トルエン−3−スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(3−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(3−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(トルエン−2−スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(1−メチル−1H−イミダゾール−4−スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(3−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(ピリジン−3−カルボニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(チオフェン−2−カルボニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−3−[2−(ブタン−1−スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−(2−フェニルメタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−アクリルアミド、(E)−3−(2−シクロヘキサンカルボニル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−3−(2−シクロペンタンカルボニル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−3−(2−シクロプロパンカルボニル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−3−(2−シクロプロパンスルホニル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−アセチル]−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(1H−インドール−3−イル)−エチル]−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(2−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル−エチル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル}−アクリルアミド、(E)−3−{2−[2−(2−エチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−3−{2−[2−(2−tert−ブチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル}−アクリルアミド、(E)−3−{2−[2−(2−tert−ブチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−(2−フェネチル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(3−メチル−5−フェニル−イソキサゾール−4−イル)−エチル]−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル}−アクリルアミド、(E)−3−[2−(2−シクロヘキシル−エチル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(1H−インドール−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリルアミド、N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(1H−インドール−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−プロピオンアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(2−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル−エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(3−メチル−5−フェニル−イソキサゾール−4−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−3−{2−[2−(2−エチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−3−{2−[2−(2−tert−ブチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−3−{2−[2−(2−tert−ブチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−(2−フェネチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−アクリルアミド、(E)−3−[2−(2−シクロヘキシル−エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル]−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(1−メチル−3−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(3−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−フェニル−2H−ピラゾール−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(5−メチル−1−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−3−(2−ベンジル−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−3−[2−(4−ジメチルアミノ−ベンゾイル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル]−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−3−(2−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(3−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(4−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(4−メトキシ−ベンゾイル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(3−メトキシ−ベンゾイル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル]−アクリルアミド、N−ヒドロキシ−3−[2−(3−メトキシ−ベンゾイル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル]−プロピオンアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−アセチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(1H−インドール−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(2−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル−エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−3−{2−[2−(2−エチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、3−{2−[2−(2−エチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−N−ヒドロキシ−プロピオンアミド、(E)−3−{2−[2−(2−tert−ブチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−3−{2−[2−(2−tert−ブチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ
−イソキノリン−6−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−(2−フェネチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル)−アクリルアミド、(E)−3−[2−(2−シクロヘキシル−エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−3−(2−ベンジル−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル)−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(3−メチル−5−フェニル−イソキサゾール−4−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(3−メチル−1−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(1−メチル−3−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(3−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−フェニル−2H−ピラゾール−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−3−(2−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル)−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(4−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(3−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−アクリルアミド、N−ヒドロキシ−3−[2−(3−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−プロピオンアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(5−メチル−1−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−3−[2−(4−ジメチルアミノ−ベンゾイル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、3−[2−(4−ジメチルアミノ−ベンゾイル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−N−ヒドロキシ−プロピオンアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(3−メトキシ−ベンゾイル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(4−メトキシ−ベンゾイル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−アセチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{3−[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−3−{3−[2−(2−tert−ブチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[3−(2−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル−エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{3−[2−(2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−3−{3−[2−(2−エチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{3−[2−(2−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−3−{3−[2−(2−tert−ブチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{3−[2−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{3−[2−(1−メチル−3−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{3−[2−(3−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{3−[2−(2−フェニル−2H−ピラゾール−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{3−[2−(3−メチル−1−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{3−[2−(3−メチル−5−フェニル−イソキサゾール−4−イル)−エチル]−2,3,4,5テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−3−{2−[2−(2−tert−ブチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(2−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル−エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−3−{2−[2−(2−エチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−3−{2−[2−(2−tert−ブチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(1−メチル−3−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(3−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−フェニル−2H−ピラゾール−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(3−メチル−1−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(3−メチル−5−フェニル−イソキサゾール−4−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド。
【請求項5】
デアセチラーゼ関連障害を処置するための化合物の医薬的許容量をその処置の必要な対象に投与することを含む、デアセチラーゼ関連障害の処置方法であって、ここで、化合物が式(I)で示される化合物である方法。
【請求項6】
当該化合物が以下の化合物からなる群より選択される請求項5記載の方法:
(E)−3−(2−ベンジル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、5−((E)−2−ヒドロキシカルバモイル−ビニル)−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸tert−ブチルエステル、(E)−3−[2−(2,2−ジメチル−プロピオニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−(2−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−アクリルアミド、(E)−3−(2−ベンゼンスルホニル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(ピリジン−4−スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(ピリジン−3−スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(トルエン−4−スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(4−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(トルエン−3−スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(3−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(3−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(トルエン−2−スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(1−メチル−1H−イミダゾール−4−スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(3−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(ピリジン−3−カルボニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(チオフェン−2−カルボニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−3−[2−(ブタン−1−スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−(2−フェニルメタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−アクリルアミド、(E)−3−(2−シクロヘキサンカルボニル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−3−(2−シクロペンタンカルボニル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−3−(2−シクロプロパンカルボニル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−3−(2−シクロプロパンスルホニル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−アセチル]−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(1H−インドール−3−イル)−エチル]−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(2−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル−エチル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル}−アクリルアミド、(E)−3−{2−[2−(2−エチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−3−{2−[2−(2−tert−ブチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル}−アクリルアミド、(E)−3−{2−[2−(2−tert−ブチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−(2−フェネチル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(3−メチル−5−フェニル−イソキサゾール−4−イル)−エチル]−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル}−アクリルアミド、(E)−3−[2−(2−シクロヘキシル−エチル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(1H−インドール−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリルアミド、N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(1H−インドール−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−プロピオンアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(2−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル−エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(3−メチル−5−フェニル−イソキサゾール−4−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−3−{2−[2−(2−エチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−3−{2−[2−(2−tert−ブチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−3−{2−[2−(2−tert−ブチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−(2−フェネチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−アクリルアミド、(E)−3−[2−(2−シクロヘキシル−エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル]−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(1−メチル−3−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(3−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−フェニル−2H−ピラゾール−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(5−メチル−1−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−3−(2−ベンジル−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−3−[2−(4−ジメチルアミノ−ベンゾイル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル]−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−3−(2−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(3−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(4−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(4−メトキシ−ベンゾイル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(3−メトキシ−ベンゾイル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル]−アクリルアミド、N−ヒドロキシ−3−[2−(3−メトキシ−ベンゾイル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル]−プロピオンアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−アセチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(1H−インドール−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(2−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル−エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−3−{2−[2−(2−エチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、3−{2−[2−(2−エチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−N−ヒドロキシ−プロピオンアミド、(E)−3−{2−[2−(2−tert−ブチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−3−{2−[2−(2−tert−ブチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ
−イソキノリン−6−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−(2−フェネチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル)−アクリルアミド、(E)−3−[2−(2−シクロヘキシル−エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−3−(2−ベンジル−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル)−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(3−メチル−5−フェニル−イソキサゾール−4−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(3−メチル−1−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(1−メチル−3−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(3−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−フェニル−2H−ピラゾール−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−3−(2−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル)−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(4−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(3−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−アクリルアミド、N−ヒドロキシ−3−[2−(3−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−プロピオンアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(5−メチル−1−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−3−[2−(4−ジメチルアミノ−ベンゾイル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、3−[2−(4−ジメチルアミノ−ベンゾイル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−N−ヒドロキシ−プロピオンアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(3−メトキシ−ベンゾイル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(4−メトキシ−ベンゾイル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−アセチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{3−[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−3−{3−[2−(2−tert−ブチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[3−(2−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル−エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{3−[2−(2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−3−{3−[2−(2−エチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{3−[2−(2−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−3−{3−[2−(2−tert−ブチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{3−[2−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{3−[2−(1−メチル−3−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{3−[2−(3−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{3−[2−(2−フェニル−2H−ピラゾール−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{3−[2−(3−メチル−1−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{3−[2−(3−メチル−5−フェニル−イソキサゾール−4−イル)−エチル]−2,3,4,5テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−3−{2−[2−(2−tert−ブチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(2−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル−エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−3−{2−[2−(2−エチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−3−{2−[2−(2−tert−ブチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(1−メチル−3−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(3−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−フェニル−2H−ピラゾール−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(3−メチル−1−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(3−メチル−5−フェニル−イソキサゾール−4−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド。
【請求項7】
当該デアセチラーゼ関連障害が、増殖性疾患、過剰増殖性疾患、免疫系の疾患、中枢神経系の疾患、遺伝子の誤発現と関連する疾患、または末梢神経系の疾患からなる群より選択されるものである、請求項5記載の方法。
【請求項8】
当該デアセチラーゼ関連障害がHDAC依存性疾患であり、当該HDACがHDAC1、HDAC2、HDAC3、HDAC4、HDAC5、HDAC6、HDAC7、HDAC8、HDAC9、HDAC10およびHDAC11からなる群、またはそのいずれかの組合せから選択されるものである、請求項7記載の方法。
【請求項9】
当該増殖性疾患が、過剰増殖性疾患、良性腫瘍、悪性腫瘍;脳、腎臓、肝臓、副腎、膀胱、乳房、胃、卵巣、食道、結腸、直腸、前立腺、膵臓、肺、膣、または甲状腺の癌;肉腫、グリオブラストーマ、多発性硬化症、胃腸癌、結腸癌、結腸直腸腺腫;頚頭部腫瘍;表皮過剰増殖、乾癬、前立腺過形成;腫瘍形成、乳癌;および白血病からなる群より選択される、請求項8記載の方法。
【請求項10】
当該デアセチラーゼ関連障害が、乾癬などの永続性の血管形成;カポジ肉腫;再狭窄、例えば、ステント誘発再狭窄;子宮内膜症;クローン病;ホジキン病;白血病;関節炎、例えば、関節リウマチ;血管腫;血管線維腫;眼疾患、例えば、糖尿病性網膜症および血管新生緑内障;腎疾患、例えば、糸球体腎炎;糖尿病性腎症;悪性腎硬化症;血栓性微小血管性症候群;移植拒絶および糸球体症;線維性疾患、例えば、肝硬変;糸球体間質細胞増殖性疾患;動脈硬化症;神経組織傷害などが引き金となる疾患であり;また、バルーンカテーテル処置後、血管補助器具の使用のため、または例えば、ステントなどの血管を開いた状態に維持する機械的装置の挿入後、血管の再閉塞を阻害するため、また免疫抑制剤として、無瘢痕外傷治癒の補助として、また染みおよび接触皮膚炎の処置のためのものである請求項5記載の方法。
【請求項11】
当該デアセチラーゼ関連障害が、免疫系の疾患である請求項5記載の方法。
【請求項12】
当該過剰増殖性疾患が、白血病、過形成、線維症(肺を含むが、腎線維症などの他のタイプの線維症をも含む)、血管形成、乾癬、アテローム性動脈硬化症、および血管形成術後の狭窄または再狭窄などの血管の平滑筋増殖からなる群より選択されるものである請求項5記載の方法。
【請求項13】
増殖性疾患を処置するための化合物の医薬的許容量をその処置の必要な対象に投与することを含む増殖性疾患の処置方法であって、ここで、化合物が式(I)で示される化合物である方法。
【請求項14】
当該化合物が以下の化合物からなる群より選択される請求項13記載の方法:
(E)−3−(2−ベンジル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、5−((E)−2−ヒドロキシカルバモイル−ビニル)−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸tert−ブチルエステル、(E)−3−[2−(2,2−ジメチル−プロピオニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−(2−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−アクリルアミド、(E)−3−(2−ベンゼンスルホニル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(ピリジン−4−スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(ピリジン−3−スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(トルエン−4−スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(4−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(トルエン−3−スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(3−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(3−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(トルエン−2−スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(1−メチル−1H−イミダゾール−4−スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(3−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(ピリジン−3−カルボニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(チオフェン−2−カルボニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−3−[2−(ブタン−1−スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−(2−フェニルメタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−アクリルアミド、(E)−3−(2−シクロヘキサンカルボニル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−3−(2−シクロペンタンカルボニル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−3−(2−シクロプロパンカルボニル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−3−(2−シクロプロパンスルホニル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−アセチル]−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(1H−インドール−3−イル)−エチル]−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(2−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル−エチル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル}−アクリルアミド、(E)−3−{2−[2−(2−エチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−3−{2−[2−(2−tert−ブチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル}−アクリルアミド、(E)−3−{2−[2−(2−tert−ブチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−(2−フェネチル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(3−メチル−5−フェニル−イソキサゾール−4−イル)−エチル]−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル}−アクリルアミド、(E)−3−[2−(2−シクロヘキシル−エチル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(1H−インドール−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリルアミド、N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(1H−インドール−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−プロピオンアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(2−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル−エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(3−メチル−5−フェニル−イソキサゾール−4−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−3−{2−[2−(2−エチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−3−{2−[2−(2−tert−ブチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−3−{2−[2−(2−tert−ブチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−(2−フェネチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−アクリルアミド、(E)−3−[2−(2−シクロヘキシル−エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル]−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(1−メチル−3−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(3−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−フェニル−2H−ピラゾール−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(5−メチル−1−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−3−(2−ベンジル−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−3−[2−(4−ジメチルアミノ−ベンゾイル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル]−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−3−(2−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(3−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(4−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(4−メトキシ−ベンゾイル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(3−メトキシ−ベンゾイル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル]−アクリルアミド、N−ヒドロキシ−3−[2−(3−メトキシ−ベンゾイル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル]−プロピオンアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−アセチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(1H−インドール−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(2−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル−エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−3−{2−[2−(2−エチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、3−{2−[2−(2−エチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−N−ヒドロキシ−プロピオンアミド、(E)−3−{2−[2−(2−tert−ブチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−3−{2−[2−(2−tert−ブチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ
−イソキノリン−6−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−(2−フェネチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル)−アクリルアミド、(E)−3−[2−(2−シクロヘキシル−エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−3−(2−ベンジル−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル)−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(3−メチル−5−フェニル−イソキサゾール−4−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(3−メチル−1−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(1−メチル−3−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(3−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−フェニル−2H−ピラゾール−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−3−(2−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル)−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(4−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(3−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−アクリルアミド、N−ヒドロキシ−3−[2−(3−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−プロピオンアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(5−メチル−1−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−3−[2−(4−ジメチルアミノ−ベンゾイル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、3−[2−(4−ジメチルアミノ−ベンゾイル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−N−ヒドロキシ−プロピオンアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(3−メトキシ−ベンゾイル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(4−メトキシ−ベンゾイル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−アセチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{3−[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−3−{3−[2−(2−tert−ブチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[3−(2−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル−エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{3−[2−(2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−3−{3−[2−(2−エチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{3−[2−(2−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−3−{3−[2−(2−tert−ブチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{3−[2−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{3−[2−(1−メチル−3−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{3−[2−(3−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{3−[2−(2−フェニル−2H−ピラゾール−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{3−[2−(3−メチル−1−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{3−[2−(3−メチル−5−フェニル−イソキサゾール−4−イル)−エチル]−2,3,4,5テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−3−{2−[2−(2−tert−ブチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(2−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル−エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−3−{2−[2−(2−エチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−3−{2−[2−(2−tert−ブチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(1−メチル−3−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(3−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−フェニル−2H−ピラゾール−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(3−メチル−1−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(3−メチル−5−フェニル−イソキサゾール−4−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド。
【請求項15】
当該増殖性疾患が、過剰増殖性疾患、良性腫瘍、悪性腫瘍;脳、腎臓、肝臓、副腎、膀胱、乳房、胃、卵巣、食道、結腸、直腸、前立腺、膵臓、肺、膣、または甲状腺の癌;肉腫、グリオブラストーマ、多発性硬化症、胃腸癌、結腸癌、結腸直腸腺腫;頚頭部腫瘍;表皮過剰増殖、乾癬、前立腺過形成;腫瘍形成、乳癌;および白血病からなる群より選択されるものである請求項14記載の方法。
【請求項16】
当該過剰増殖性疾患が、白血病、過形成、線維症(肺を含むが、腎線維症などの他のタイプの線維症をも含む)、血管形成、乾癬、アテローム性動脈硬化症、および血管形成術後の狭窄または再狭窄などの血管の平滑筋増殖からなる群より選択されるものである請求項15記載の方法。
【請求項17】
式(I)で示されるデアセチラーゼ調節化合物を含有してなる、包装されたデアセチラーゼ関連障害処置剤。
【請求項18】
当該化合物が以下の化合物からなる群より選択される、請求項17記載の包装されたデアセチラーゼ関連障害処置剤:
(E)−3−(2−ベンジル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、5−((E)−2−ヒドロキシカルバモイル−ビニル)−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸tert−ブチルエステル、(E)−3−[2−(2,2−ジメチル−プロピオニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−(2−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−アクリルアミド、(E)−3−(2−ベンゼンスルホニル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(ピリジン−4−スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(ピリジン−3−スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(トルエン−4−スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(4−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(トルエン−3−スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(3−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(3−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(トルエン−2−スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(1−メチル−1H−イミダゾール−4−スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(3−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(ピリジン−3−カルボニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(チオフェン−2−カルボニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−3−[2−(ブタン−1−スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−(2−フェニルメタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−アクリルアミド、(E)−3−(2−シクロヘキサンカルボニル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−3−(2−シクロペンタンカルボニル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−3−(2−シクロプロパンカルボニル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−3−(2−シクロプロパンスルホニル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−アセチル]−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(1H−インドール−3−イル)−エチル]−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(2−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル−エチル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル}−アクリルアミド、(E)−3−{2−[2−(2−エチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−3−{2−[2−(2−tert−ブチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル}−アクリルアミド、(E)−3−{2−[2−(2−tert−ブチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−(2−フェネチル−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル)−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(3−メチル−5−フェニル−イソキサゾール−4−イル)−エチル]−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル}−アクリルアミド、(E)−3−[2−(2−シクロヘキシル−エチル)−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−5−イル]−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(1H−インドール−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリルアミド、N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(1H−インドール−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−プロピオンアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(2−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル−エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(3−メチル−5−フェニル−イソキサゾール−4−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−3−{2−[2−(2−エチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−3−{2−[2−(2−tert−ブチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−3−{2−[2−(2−tert−ブチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−(2−フェネチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−アクリルアミド、(E)−3−[2−(2−シクロヘキシル−エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル]−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(1−メチル−3−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(3−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−フェニル−2H−ピラゾール−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(5−メチル−1−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−3−(2−ベンジル−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−3−[2−(4−ジメチルアミノ−ベンゾイル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル]−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−3−(2−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル)−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(3−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(4−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(4−メトキシ−ベンゾイル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(3−メトキシ−ベンゾイル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル]−アクリルアミド、N−ヒドロキシ−3−[2−(3−メトキシ−ベンゾイル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル]−プロピオンアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−アセチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(1H−インドール−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(2−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル−エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−3−{2−[2−(2−エチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、3−{2−[2−(2−エチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−N−ヒドロキシ−プロピオンアミド、(E)−3−{2−[2−(2−tert−ブチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−3−{2−[2−(2−tert−ブチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ
−イソキノリン−6−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−(2−フェネチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル)−アクリルアミド、(E)−3−[2−(2−シクロヘキシル−エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−3−(2−ベンジル−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル)−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(3−メチル−5−フェニル−イソキサゾール−4−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(3−メチル−1−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(1−メチル−3−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(3−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−フェニル−2H−ピラゾール−3−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−3−(2−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル)−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(4−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(3−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−アクリルアミド、N−ヒドロキシ−3−[2−(3−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−プロピオンアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(5−メチル−1−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−3−[2−(4−ジメチルアミノ−ベンゾイル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、3−[2−(4−ジメチルアミノ−ベンゾイル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−N−ヒドロキシ−プロピオンアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(3−メトキシ−ベンゾイル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(4−メトキシ−ベンゾイル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−アセチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{3−[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−3−{3−[2−(2−tert−ブチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[3−(2−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル−エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{3−[2−(2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−3−{3−[2−(2−エチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{3−[2−(2−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−3−{3−[2−(2−tert−ブチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{3−[2−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{3−[2−(1−メチル−3−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{3−[2−(3−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{3−[2−(2−フェニル−2H−ピラゾール−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{3−[2−(3−メチル−1−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{3−[2−(3−メチル−5−フェニル−イソキサゾール−4−イル)−エチル]−2,3,4,5テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−3−{2−[2−(2−tert−ブチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−[2−(2−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル−エチル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル]−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−3−{2−[2−(2−エチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−3−{2−[2−(2−tert−ブチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−N−ヒドロキシ−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(1−メチル−3−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(3−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(2−フェニル−2H−ピラゾール−3−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(3−メチル−1−フェニル−1H−ピラゾール−4−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド、(E)−N−ヒドロキシ−3−{2−[2−(3−メチル−5−フェニル−イソキサゾール−4−イル)−エチル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[c]アゼピン−7−イル}−アクリルアミド。
【請求項19】
当該デアセチラーゼ関連障害が、増殖性疾患、過剰増殖性疾患、免疫系の疾患、中枢神経系の疾患、遺伝子の誤発現と関連する疾患、または末梢神経系の疾患からなる群より選択されるものである、請求項18記載の処置剤。
【請求項20】
当該デアセチラーゼ関連障害がHDAC依存性疾患であり、当該HDACがHDAC1、HDAC2、HDAC3、HDAC4、HDAC5、HDAC6、HDAC7、HDAC8、HDAC9、HDAC10およびHDAC11からなる群、またはそのいずれかの組合せから選択されるものである、請求項19記載の処置剤。
【請求項21】
当該増殖性疾患が、過剰増殖性疾患、良性腫瘍、悪性腫瘍;脳、腎臓、肝臓、副腎、膀胱、乳房、胃、卵巣、食道、結腸、直腸、前立腺、膵臓、肺、膣、または甲状腺の癌;肉腫、グリオブラストーマ、多発性硬化症、胃腸癌、結腸癌、結腸直腸腺腫;頚頭部腫瘍;表皮過剰増殖、乾癬、前立腺過形成;腫瘍形成、乳癌;および白血病からなる群より選択されるものである、請求項20記載の処置剤。
【請求項22】
当該デアセチラーゼ関連障害が、乾癬などの永続性の血管形成;カポジ肉腫;再狭窄、例えば、ステント誘発再狭窄;子宮内膜症;クローン病;ホジキン病;白血病;関節炎、例えば、関節リウマチ;血管腫;血管線維腫;眼疾患、例えば、糖尿病性網膜症および血管新生緑内障;腎疾患、例えば、糸球体腎炎;糖尿病性腎症;悪性腎硬化症;血栓性微小血管性症候群;移植拒絶および糸球体症;線維性疾患、例えば、肝硬変;糸球体間質細胞増殖性疾患;動脈硬化症;神経組織傷害などが引き金となる疾患であり;また、バルーンカテーテル処置後、血管補助器具の使用のため、または例えば、ステントなどの血管を開いた状態に維持する機械的装置の挿入後、血管の再閉塞を阻害するため、また免疫抑制剤として、無瘢痕外傷治癒の補助として、また染みおよび接触皮膚炎の処置のためのものである、請求項21記載の処置剤。
【請求項23】
当該デアセチラーゼ関連障害が、免疫系の疾患である、請求項21記載の処置剤。
【請求項24】
当該過剰増殖性疾患が、白血病、過形成、線維症(肺を含むが、腎線維症などの他のタイプの線維症をも含む)、血管形成、乾癬、アテローム性動脈硬化症、および血管形成術後の狭窄または再狭窄などの血管の平滑筋増殖からなる群より選択されるものである、請求項23記載の処置剤。
【請求項25】
式(I):
【化2】

[式中、
破線は単結合または二重結合を示し;
nおよびmは、それぞれ独立して、1、2、または3であり、nおよびmの合計は2、3または4であり;
式中、Xは(CH)であり;ここで、各CHは独立して、C(O)、S(O)、S(O)、O、またはNRの1個以上と置き換わってもよく;ここで、Rは、H、アルキル、アリール、ヘテロ環、C1−4−アルキル、およびC3−6−シクロアルキルからなる群より選択され;
jは0ないし6の整数であり;
Rは、C1−4−アルキル、C3−6−シクロアルキルおよびアリールからなる群より選択され;ここで、シクロアルキルおよびアリールはさらに独立して、アリール、ヘテロ環、C1−4−アルキル、C1−4−アルコキシ、ハロゲン、アミノ、ニトロ、シアノ、ピロリジニルまたはCFの1個以上で置換されていてもよい]
で示される化合物および医薬的に許容される塩。

【公表番号】特表2010−513318(P2010−513318A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−541631(P2009−541631)
【出願日】平成19年12月17日(2007.12.17)
【国際出願番号】PCT/US2007/087707
【国際公開番号】WO2008/076954
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】