説明

ボトル検査装置

【課題】ボトルの周囲が所望の円形形状であるかどうかを検出するための、安価で簡便なボトル検査装置を提供する。
【解決手段】ボトル14が検査位置においてロータ15により軸B−Bを中心として回転され、レーザ・ソース16は、該ボトル14の軸に向かってレーザ・ビームを照射して、検査ボトルの表面にビーム・スポットを形成する。カメラ20は、レーザ・ビームに対して所定の角度で、検査ボトルの表面のビーム・スポットを撮像し、コントローラ22は、該得られた画像情報に基づいて、ビーム・スポットの変動距離を検出し、該変動距離が所定の閾値を越えた場合に、ボトルを排除するためのボトル排除信号を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボトル検査装置に関し、より詳細には、形成されたボトルが所望レベルの円形形状を有しているか否かを判定するためのボトル検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラス成形装置において形成されたガラス製の円形状ボトルは、多数の機能的及び外観的な性質を満足している必要がある。これら性質の1つとして、ボトルの一部又は全部が所望の円柱形すなわち円形の程度が所定レベル以上であるかどうか(真円に近いかどうか)を検査し、所定レベル以上でない場合に、該ボトルを製品として出荷しないように排除している。
このような技術は、以下の特許文献1及び2に開示されている。
【特許文献1】米国特許第4368641号明細書
【特許文献2】米国特許第5414939号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、ボトルの所定部分の周囲が所望の円形形状であるかどうかを検出するための、安価で簡便なボトル検査装置を提供することである。
本発明の他の目的及び作用効果は、当業者が図面を参照して明細書を読むことにより、明瞭となるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記した目的を達成するために、本発明の、ボトルが所望の円柱形状であるかどうかを検査するボトル検査装置においては、
検査すべきボトルである検査ボトルから離間して配置され、検査ボトルの軸に向かってレーザ・ビームを照射して、検査ボトルの表面に拡散エネルギ・スポットを画定するレーザ照射手段と、
検査ボトルをその軸の周りで回転させるロータ手段と、
レーザ・ビームに対して所定の角度で、検査ボトルの表面のエネルギ・スポットを撮像するカメラと、
カメラによって得られた画像情報に基づいて、検査ボトルがその軸の周りに360度回転しているときのエネルギ・スポットの変位を検出し、該変位が所定の閾値を越えた場合にボトルを排除するためのボトル排除信号を出力するコントローラと
からなることを特徴としている。
【0005】
上記した本発明のボトル検査装置において、カメラによりエネルギ・スポットを撮像する所定の角度は、水平面内の角度であるか、又は垂直面内の角度であることが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1は、本発明のボトル検査装置を示しており、該装置はボトル14を載置するサポート・テーブル10を備え、該サポート・テーブル10は、垂直軸A−Aを中心として回転可能である。サポート・テーブル10上には複数のポケット12が備えられており、ボトル14をそれぞれのポケット12により保持した状態で、ボトルが所望の円形レベルに達しているか否かの検査を実行する。すなわち、ポケット12に保持されたボトル14がレーザ・ソース(レーザ照射手段)16からのレーザ・ビームの照射位置に達すると、ボトル14はロータ15によりその中心軸B−Bの周りに回転される。ロータ15は、オーバオール・ロータ装置又はロータとその駆動手段により構成された機構等、適宜の回転装置を採用することができる。
ボトル検査装置は、レーザ・ソース16、カメラ(CCDカメラ)20、及びコントローラ22を備えている。
【0007】
サポート・テーブル10の回転によりボトル14が検査位置に到来して停止し、そしてロータ15によりその軸B−Bを中心として回転すると、レーザ・ソース16は、ボトル14の側壁にレーザ・ビームを直接照射する。そのとき、図2に示すように、ボトル14の中心軸Bに向かってレーザ・ビームを照射するように、レーザ・ビームの照射角度が設定されている。照射されたレーザ・ビームは、ボトル14の側壁に小さい拡散ビーム・スポット18を形成する。
【0008】
カメラ20は、図2に示すように、その撮像角度がレーザ・ビームの照射方向から所定角度θ変位するように設定され、これにより、ビーム・スポットを撮像することができる。そして、ロータ15によりボトル14が回転すると、ビーム・スポットの位置が等価的にボトル上で移動することになり、ボトルの全周囲のビーム・スポットを撮像する。そして、ボトル14の周囲が円形でなく歪んでいた場合、カメラ20のCCDイメージ・フィールドに得られるビーム・スポットの位置が変動する。
例えば、図2に示すように楕円形である場合、直径が最小である位置18Aと直径が最大である位置18Bとの間で、ビーム・スポットの位置が変動する。一方、円形に近いと、位置18にビーム・スポットが常に現れる。したがって、ビーム・スポットの変動距離が小さいほどボトル14が円形に近似し、大きいほど円形から変形していることになる。
【0009】
コントローラ22は、ボトル14の回転につれて得られるスポット位置の変動距離を、カメラ20で得られた画像データに基づいて演算する。そして、コントローラ22は、オペレータ等により予め設定された変動距離の最大許容値すなわち閾値と、演算された変位距離とを対比し、許容値外の変動距離のボトルを排除させるためのボトル排除信号を出力する。
【0010】
図2の説明図においては、レーザ・ビームの方向とカメラの撮像方向とが同一の水平面となるように設定しているが、これらの方向を図3に示すように垂直面内としてもよく、また、他の任意の面内としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明によるボトル検査装置の概略図である。
【図2】本発明によるボトル検査装置の概略図である。
【図3】本発明によるボトル検査装置における、カメラの撮像方向及びレーザ・ビームの方向の一例を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボトルが所望の円柱形状であるかどうかを検査するボトル検査装置において、
検査すべきボトルである検査ボトルから離間して配置され、検査ボトルの軸に向かってレーザ・ビームを照射して、検査ボトルの表面に拡散エネルギ・スポットを画定するレーザ照射手段と、
検査ボトルをその軸の周りで回転させるロータ手段と、
レーザ・ビームに対して所定の角度で、検査ボトルの表面のエネルギ・スポットを撮像するカメラと、
カメラによって得られた画像情報に基づいて、検査ボトルがその軸の周りに360度回転しているときのエネルギ・スポットの変位を検出し、該変位が所定の閾値を越えた場合にボトルを排除するためのボトル排除信号を出力するコントローラと
からなることを特徴とするボトル検査装置。
【請求項2】
請求項1記載のボトル検査装置において、カメラによりエネルギ・スポットを撮像する所定の角度は、水平面内の角度であることを特徴とするボトル検査装置。
【請求項3】
請求項1記載のボトル検査装置において、カメラによりエネルギ・スポットを撮像する所定の角度は、垂直面内の角度であることを特徴とするボトル検査装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2007−322419(P2007−322419A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−122040(P2007−122040)
【出願日】平成19年5月7日(2007.5.7)
【出願人】(598152242)エムハート・グラス・ソシエテ・アノニム (49)
【Fターム(参考)】