説明

ポジ型感光性樹脂組成物、レジストパターンの製造方法、半導体装置及び電子デバイス

【課題】低温硬化が可能で、アルカリ水溶液現像が可能であり、十分に高い感度及び解像度で、密着性及び耐熱衝撃性に優れるレジストパターンを形成することができるポジ型感光性樹脂組成物、ポジ型感光性樹脂組成物を用いたレジストパターンの製造方法、係る方法により形成されたレジストパターンを有する半導体装置、及び半導体装置を備える電子デバイスの提供。
【解決手段】フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂と、光により酸を生成する化合物と、熱架橋剤と、炭素数4〜20のアルキル(メタ)アクリレート単位、(メタ)アクリル酸単位及び側鎖に1級、2級、3級アミノ基を有する(メタ)アクリレート単位を有するアクリル樹脂と、を含有するポジ型感光性樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポジ型感光性樹脂組成物、レジストパターンの製造方法、半導体装置及び電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体素子の高集積化、大型化が進み、パッケージ基板の薄型化、小型化の要求がある。これに伴い、半導体素子の表面保護層、層間絶縁膜又は、再配線層を有するパッケージ基板(以下、半導体装置という場合がある)の絶縁層を、より優れた電気特性、耐熱性、機械特性等を併せ持つ材料により形成することが求められている。ポリイミド樹脂はそのような要求特性を満足し得る材料の一つであり、例えば、ポリイミド樹脂に感光特性を付与した感光性ポリイミドの使用が検討されている。感光性ポリイミドを用いると、パターン形成工程が簡略化され、煩雑な製造工程が短縮できるという利点がある(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
ポリイミド樹脂の硬化膜は、一般に、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを反応させて得られるポリイミド前駆体(ポリアミド酸)の溶液(いわゆるワニス)をスピンコート等の方法で薄膜化し、熱的に脱水閉環して形成される(例えば、非特許文献1参照)。この脱水閉環の過程を経てポリイミド樹脂が硬化する。しかし、ポリイミド前駆体を用いたポリイミド樹脂の場合、硬化の際に脱水(イミド化)に起因する体積収縮が起き、膜厚の損失及び寸法精度の低下が起きるという問題がある。また、最近、低温での膜形成プロセスが望まれており、低温で脱水閉環が可能でありながら、脱水閉環後の膜の物性が高温で脱水閉環したものと遜色ない性能を有するようなポリイミド樹脂が求められている。ところが、ポリイミド前駆体を低温で硬化すると、イミド化が不完全であるために、形成される硬化膜は脆くなる等、その物性が低下するという問題がある。
【0004】
一方、ポリイミド前駆体のように脱水閉環を必要とせず、高い耐熱性を有する他のポリマーを用いた感光性樹脂について検討されている(例えば、非特許文献2、特許文献3〜7)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭49−115541号公報
【特許文献2】特開昭59−108031号公報
【特許文献3】国際公開第2004/006020号パンフレット
【特許文献4】特開2006−106214号公報
【特許文献5】特開2004−2753号公報
【特許文献6】特開2004−190008号公報
【特許文献7】特許第3812654号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】日本ポリイミド研究会編「最新ポリイミド〜基礎と応用〜」(2002年)
【非特許文献2】J.Photopolym.Sci.Technol.2005年、18巻、p.321−325
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、再配線層を有する半導体装置の表面保護膜及びカバーコート層の用途において、環境負荷低減の観点から、アルカリ水溶液により現像可能でありながら、高い耐熱性を有するパターンを形成可能なポジ型感光性樹脂組成物が求められている。
また、高温による半導体装置へのダメージを軽減する観点から、低温で硬化が可能な、脱水閉環を必要としないポリマーを含むポジ型感光性樹脂組成物が求められている。
【0008】
そこで、本発明は、低温での硬化が可能で、アルカリ水溶液で現像可能であり、十分に高い感度及び解像度で、密着性及び耐熱衝撃性に優れるレジストパターンを形成することができるポジ型感光性樹脂組成物、該ポジ型感光性樹脂組成物を用いたレジストパターンの製造方法、係る方法により形成されたレジストパターンを有する半導体装置、及び該半導体装置を備える電子デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、(A)フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂と、(B)光により酸を生成する化合物と、(C)熱架橋剤と、(D)アクリル樹脂とを含有するポジ型感光性樹脂組成物を提供する。
【0010】
かかるポジ型感光性樹脂組成物によれば、低温での硬化が可能であり、十分に高い感度及び解像度で、密着性に優れ、良好な耐熱衝撃性を有するレジストパターンを形成することが可能である。本発明のポジ型感光性樹脂組成物によりこのような効果が得られる理由は必ずしも明らかでないが、本発明者らは次のように考えている。
【0011】
上記ポジ型感光性樹脂組成物は、(D)アクリル樹脂、中でも特に後述する特定の構造のアクリル樹脂を用いることにより、硬化膜とした時に(D)アクリル樹脂由来の非常に微細なドメイン(ミクロ相分離状態)が形成されるものと考える。この様なミクロ相分離状態が形成されると、応力が生じた際に、(D)アクリル樹脂由来の微細なドメインのブラウン運動が活発化し、応力を熱として発散することにより応力を緩和することができ、この応力の緩和により、耐熱衝撃性が向上できるものと考える。
【0012】
前記(D)成分は、下記一般式(1)、(2)及び(3)で表される構造単位を有するアクリル樹脂である。
【化1】


【化2】


【化3】


[一般式(1)〜(3)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素数4〜20のアルキレン基を表し、Rは1級、2級又は3級アミノ基を有する1価の有機基を表す。]
【0013】
そして、(D)成分を上記(A)〜(C)成分と共に用いることにより、本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、十分に高い感度、解像性及び密着性を同時に達成しているものと考えられる。
本発明者らは、上述した応力緩和の指標として残留応力を採用し、本発明のポジ型感光性樹脂組成物から得られた硬化膜の残留応力が小さいことを確認している。ここで、残留応力が小さい程、耐熱衝撃性に優れるものであると評価することができる。
【0014】
また、本発明の(A)成分は、ポジ型感光性樹脂組成物の硬化時の体積収縮をより小さくすることができ、また、安価に入手可能であることから、フェノール樹脂であることが好ましい。
【0015】
更に、(A)成分としては、(A1)不飽和炭化水素基を有しないフェノール樹脂と、(A2)不飽和炭化水素基を有する変性フェノール樹脂とを含むものであることが好ましい。
【0016】
また、(A2)成分としては、アルカリ水溶液に対する溶解性を更に向上させることから、フェノール性水酸基と多塩基酸無水物との反応によって更に変性されているものであることが好ましい。
【0017】
更に、(A2)成分としては、機械特性(破断伸び、弾性率及び残留応力)を向上できることから、炭素数4〜100の不飽和炭化水素基を有する化合物で変性されたフェノール樹脂を用いることが好ましい。かかる変性フェノール樹脂を含有するポジ型感光性樹脂組成物から形成される感光性樹脂組成物層を露光・現像後、加熱すると、変性フェノール樹脂は分子中に、炭素数4〜100の不飽和炭化水素基を有する化合物由来の二重結合を有しているため、この二重結合が架橋してパターン化された感光性樹脂膜の硬化が十分に進行する。そのため、形成されるレジストパターンの機械特性が向上すると考えられる。そして、変性フェノール樹脂を上記(A1)成分と共に用いることにより、本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、十分に高い感度、解像度及び密着性を同時に達成できる。
【0018】
また、レジストパターンを形成する際の感度及び解像度、並びに、硬化後のレジストパターンの密着性、機械特性及び耐熱衝撃性を更に向上できることから、前記(A1)成分の質量MA1と前記(A2)成分の質量MA2との比MA1/MA2は、5/95〜95/5であることが好ましい。
【0019】
また、(B)成分は、レジストパターンを形成する際の感度が更に向上することから、o−キノンジアジド化合物であることが好ましい。
【0020】
また、レジストパターンを形成する際の解像性が更に向上することから、前記(A)成分の含有量100質量部に対して、前記(B)成分の含有量が3〜100質量部であることが好ましい。
【0021】
また、本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、(E)熱により酸を生成する化合物を更に含有することが好ましい。これにより、上述した効果に加えて、パターンメルトが少なく優れた解像度を有すると共にクラック発生を十分に抑制しながら、優れた密着性及び耐熱衝撃性を有するレジストパターンを、アルカリ水溶液を用いた現像によって形成することが可能となる。
【0022】
前記(E)成分としては、下記一般式(1)で表される構造を有するものであることが好ましい。
【化4】


[一般式(4)中、R、R及びRは各々独立にアルキル基又はアリール基を表し、Rは水素又はフッ素を表す。]
【0023】
また、本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、(F)エラストマーを更に含有することが好ましい。これにより、得られるレジストパターンは柔軟性の点でさらに優れるものとなり、レジストパターンの機械特性及び耐熱衝撃性をより一層向上させることができる。
【0024】
また、本発明は、上記本発明のポジ型感光性樹脂組成物を用いて形成される感光性樹脂膜を露光する工程と、露光後の前記感光性樹脂膜をアルカリ水溶液により現像してパターン化する工程と、パターン化された前記感光性樹脂膜を加熱する工程と、を備えるレジストパターンの製造方法を提供する。このような製造方法によれば、上述のポジ型感光性樹脂組成物を用いているため、十分に高い感度及び解像度で、良好な密着性及び耐熱衝撃性を有するレジストパターンを形成することができる。
【0025】
本発明のレジストパターンの製造方法は、パターン化された前記感光性樹脂膜を200℃以下で加熱する工程を含むことが好ましい。これにより、電子デバイスに対する熱によるダメージを十分に防止することができる。
【0026】
更に、本発明は、上述の製造方法により形成されるレジストパターンを層間絶縁膜又は表面保護層として有する半導体装置を提供する。かかる半導体装置は、上述のポジ型感光性樹脂組成物から形成されるレジストパターンを有するため、優れた効果を発揮する。
【0027】
本発明の半導体装置の好ましい態様としては、
上述の製造方法により形成されるレジストパターンをカバーコート層として有する半導体装置;
上述の製造方法により形成されるレジストパターンを再配線層用のコアとして有する半導体装置;
上述の製造方法により形成されるレジストパターンを外部接続端子である導電性のボールを保持するためのカラーとして有する半導体装置;及び
上述の製造方法により形成されるレジストパターンをアンダーフィルとして有する半導体装置が挙げられる。
【0028】
また、本発明は、上記本発明の半導体装置を備える電子デバイスを提供する。このような電子デバイスは、本発明のポジ型感光性樹脂組成物から形成されるレジストパターンを有するため、信頼性に十分に優れる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、低温での硬化が可能で、アルカリ水溶液で現像可能であり、十分に高い感度及び解像度で、密着性及び耐熱衝撃性に優れるレジストパターンを形成することができるポジ型感光性樹脂組成物を提供することができる。本発明のポジ型感光性樹脂組成物によれば、200℃以下の低温加熱プロセスで、レジストパターンを形成可能であるため、電子デバイスへの熱によるダメージを防止することができ、信頼性の高い半導体装置を歩留りよく提供することができる。
【0030】
また、本発明は、ポジ型感光性樹脂組成物を用いて、十分に高い感度及び解像度で、良好な密着性及び耐熱衝撃性を有するレジストパターンを形成する方法、係る方法により形成されたレジストパターンを有する半導体装置、及び該半導体装置を備える電子デバイスを提供する。本発明の方法により形成されるレジストパターンは、良好な形状と特性を有し、硬化時の体積収縮が少ないため、寸法安定性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】半導体装置の製造工程の一実施形態を説明する概略断面図である。
【図2】半導体装置の製造工程の一実施形態を説明する概略断面図である。
【図3】半導体装置の製造工程の一実施形態を説明する概略断面図である。
【図4】半導体装置の製造工程の一実施形態を説明する概略断面図である。
【図5】半導体装置の製造工程の一実施形態を説明する概略断面図である。
【図6】電子部品(半導体装置)の一実施形態を示す概略断面図である。
【図7】電子部品(半導体装置)の一実施形態を示す概略断面図である。
【図8】本発明の実施例における感光性樹脂組成物の、現像後のパターンを示す模式 断面図である。
【図9】本発明の実施例における感光性樹脂組成物の、硬化後のパターンを示す模式 断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。また、本明細書における「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及びそれに対応する「メタクリレート」を意味する。同様に「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及びそれに対応する「メタクリル」を意味する。
【0033】
[ポジ型感光性樹脂組成物]
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、(A)フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂と、(B)光により酸を生成する化合物と、(C)熱架橋剤と、(D)アクリル樹脂と含有する。以下、ポジ型感光性樹脂組成物に含有される各成分について説明する。
【0034】
<(A)成分>
(A)成分:フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂
(A)成分は、分子中にフェノール性水酸基を有し、アルカリ現像液に対して可溶な樹脂である。(A)成分のフェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、ポリヒドロキシスチレン、及びヒドロキシスチレンを単量体単位として含む共重合体等のヒドロキシスチレン系樹脂、フェノール樹脂、ポリ(ヒドロキシアミド)等のポリベンゾオキサゾール前駆体、ポリ(ヒドロキシフェニレン)エーテル、及びポリナフトール等が挙げられる。(A)成分はこれらの樹脂のうちの1種のみで構成されていてもよく、また、2種以上を含んで構成されていてもよい。
【0035】
これらの中で、低価格であること、コントラストが高いことや硬化時の体積収縮が小さいことから、フェノール樹脂が好ましく、ノボラック型フェノール樹脂が特に好ましい。また、電気特性(絶縁性)に優れることや硬化時の体積収縮が小さいことから、ヒドロキシスチレン系樹脂も好ましい。
【0036】
フェノール樹脂は、フェノール又はその誘導体とアルデヒド類との重縮合生成物である。重縮合は酸又は塩基等の触媒存在下で行われる。酸触媒を用いた場合に得られるフェノール樹脂を特にノボラック型フェノール樹脂という。ノボラック樹脂の具体例としては、フェノール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂、クレゾール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂、キシリレノール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂、レゾルシノール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂及びフェノール−ナフトール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂が挙げられる。
【0037】
フェノール樹脂を得るために用いられるフェノール誘導体としては、例えば、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−ブチルフェノール、m−ブチルフェノール、p−ブチルフェノール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール及び3,4,5−トリメチルフェノール等のアルキルフェノール、メトキシフェノール及び2−メトキシ−4−メチルフェノール等のアルコキシフェノール、ビニルフェノール及びアリルフェノール等のアルケニルフェノール、ベンジルフェノール等のアラルキルフェノール、メトキシカルボニルフェノール等のアルコキシカルボニルフェノール、ベンゾイルオキシフェノール等のアリールカルボニルフェノール、クロロフェノール等のハロゲン化フェノール、カテコール、レゾルシノール及びピロガロール等のポリヒドロキシベンゼン、ビスフェノールA及びビスフェノールF等のビスフェノール、α−又はβ−ナフトール等のナフトール誘導体、p−ヒドロキシフェニル−2−エタノール、p−ヒドロキシフェニル−3−プロパノール及びp−ヒドロキシフェニル−4−ブタノール等のヒドロキシアルキルフェノール、ヒドロキシエチルクレゾール等のヒドロキシアルキルクレゾール、ビスフェノールのモノエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールのモノプロピレンオキサイド付加物等のアルコール性水酸基含有フェノール誘導体、p−ヒドロキシフェニル酢酸、p−ヒドロキシフェニルプロピオン酸、p−ヒドロキシフェニルブタン酸、p−ヒドロキシ桂皮酸、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシフェニル安息香酸、ヒドロキシフェノキシ安息香酸及びジフェノール酸等のカルボキシル基含有フェノール誘導体が挙げられる。また、ビスヒドロキシメチル−p−クレゾール等の上記フェノール誘導体のメチロール化物をフェノール誘導体として用いてもよい。
【0038】
更に、フェノール樹脂は、上述のフェノール又はフェノール誘導体をm−キシレンのようなフェノール以外の化合物とともにアルデヒド類と縮重合して得られる生成物であってもよい。この場合、縮重合に用いられるフェノール誘導体に対するフェノール以外の化合物のモル比は、0.5未満であると好ましい。
【0039】
上述のフェノール誘導体及びフェノール化合物以外の化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
【0040】
フェノール樹脂を得るために用いられるアルデヒド類は、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、メトキシベンズアルデヒド、ヒドロキシフェニルアセトアルデヒド、メトキシフェニルアセトアルデヒド、クロトンアルデヒド、クロロアセトアルデヒド、クロロフェニルアセトアルデヒド、アセトン、グリセルアルデヒド、グリオキシル酸、グリオキシル酸メチル、グリオキシル酸フェニル、グリオキシル酸ヒドロキシフェニル、ホルミル酢酸、ホルミル酢酸メチル、2−ホルミルプロピオン酸、2−ホルミルプロピオン酸メチル、ピルビン酸、レプリン酸、4−アセチルブチル酸、アセトンジカルボン酸、及び3,3'−4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸から選ばれる。また、パラホルムアルデヒド、トリオキサン等のホルムアルデヒドの前駆体を反応に用いてもよい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
【0041】
ヒドロキシスチレン系樹脂としては、例えば、保護基を導入したヒドロキシスチレンのエチレン性不飽和二重結合を触媒(ラジカル開始剤)の存在下で、重合(ビニル重合)させ、更に、脱保護することにより得られるものを用いることができる。また、PHS−B(デュポン社商品名)のようなブランチ型のポリ(ヒドロキシスチレン)を用いることもできる。
【0042】
ここで、ヒドロキシスチレンの保護基としてはアルキル基やシリル基等の従来公知のものを用いることができる。また、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等のビニル基含有の単量体を、保護基を導入したヒドロキシスチレンに共重合することもできる。
【0043】
(A)成分の重量平均分子量は、500〜500,000程度であることが好ましい。ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定し、標準ポリスチレン検量線より換算して得られる値である。
【0044】
本発明における(A)成分は、(A1)不飽和炭化水素基を有しないフェノール樹脂及び/又はヒドロキシスチレン系樹脂と(A2)不飽和炭化水素基を有する変性フェノール樹脂を含むものであることが好ましく、前記(A2)成分はフェノール性水酸基と多塩基酸無水物との反応によって更に変性されているものであることがより好ましい。
また、(A2)成分としては、機械特性(破断伸び、弾性率及び残留応力)をより向上できる観点から、炭素数4〜100の不飽和炭化水素基を有する化合物で変性されたフェノール樹脂を用いることが好ましい。
【0045】
(A2)不飽和炭化水素基を有する変性フェノール樹脂は、一般に、フェノール又はその誘導体と不飽和炭化水素基を有する化合物(好ましくは炭素数が4〜100のもの)(以下場合により単に「不飽和炭化水素基含有化合物」という。)との反応生成物(以下「不飽和炭化水素基変性フェノール誘導体」という。)と、アルデヒド類との縮重合生成物、又は、フェノール樹脂と不飽和炭化水素基含有化合物との反応生成物である。
ここでいうフェノール誘導体は、(A)成分としてのフェノール樹脂の原料として上述したフェノール誘導体と同様のものを用いることができる。
【0046】
不飽和炭化水素基含有化合物の不飽和炭化水素基は、レジストパターンの密着性及び耐熱衝撃性の観点から、2以上の不飽和基を含むことが好ましい。また、樹脂組成物としたときの相溶性及び硬化膜の可とう性の観点からは、不飽和炭化水素基含有化合物は炭素数8〜80のものが好ましく、炭素数10〜60のものがより好ましい。
【0047】
不飽和炭化水素基含有化合物としては、例えば、炭素数4〜100の不飽和炭化水素、カルボキシル基を有するポリブタジエン、エポキシ化ポリブタジエン、リノリルアルコール、オレイルアルコール、不飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸エステルである。好適な不飽和脂肪酸としては、クロトン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、α−リノレン酸、エレオステアリン酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、イワシ酸及びドコサヘキサエン酸が挙げられる。これらの中でも特に、炭素数8〜30の不飽和脂肪酸と、炭素数1〜10の1価から3価のアルコールとのエステルがより好ましく、炭素数8〜30の不飽和脂肪酸と3価のアルコールであるグリセリンとのエステルが特に好ましい。
【0048】
炭素数8〜30の不飽和脂肪酸とグリセリンとのエステルは、植物油として商業的に入手可能である。植物油は、ヨウ素価が100以下の不乾性油、100を超えて130未満の半乾性油又は130以上の乾性油がある。不乾性油として、例えば、オリーブ油、あさがお種子油、カシュウ実油、さざんか油、つばき油、ひまし油及び落花生油が挙げられる。半乾性油として、例えば、コーン油、綿実油及びごま油が挙げられる。乾性油としては、例えば、桐油、亜麻仁油、大豆油、胡桃油、サフラワー油、ひまわり油、荏の油及び芥子油が挙げられる。また、これらの植物油を加工して得られる加工植物油を用いてもよい。
【0049】
上記植物油の中で、フェノール若しくはその誘導体又はフェノール樹脂と植物油との反応において、過度の反応の進行に伴うゲル化を防ぎ、歩留まりが向上する観点から、不乾性油を用いることが好ましい。一方、レジストパターンの密着性、機械特性及び耐熱衝撃性が向上する観点では乾性油を用いることが好ましい。乾性油の中でも、本発明による効果をより有効かつ確実に発揮できることから、桐油、亜麻仁油、大豆油、胡桃油及びサフラワー油が好ましく、桐油及び亜麻仁油がより好ましい。
これらの不飽和炭化水素基含有化合物は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
【0050】
(A2)成分を調製するにあたり、まず、上記フェノール誘導体と上記不飽和炭化水素基含有化合物とを反応させ、不飽和炭化水素基変性フェノール誘導体を作製する。前記反応は、50〜130℃で行うことが好ましい。フェノール誘導体と不飽和炭化水素基含有化合物との反応割合は、硬化膜(レジストパターン)の可とう性を向上させる観点から、フェノール誘導体100質量部に対し、不飽和炭化水素基含有化合物1〜100質量部であることが好ましく、5〜50質量部であることがより好ましい。不飽和炭化水素基含有化合物が1質量部未満では、硬化膜の可とう性が低下する傾向があり、100質量部を超えると、硬化膜の耐熱性が低下する傾向がある。上記反応においては、必要に応じて、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等を触媒として用いてもよい。
【0051】
上記反応により生成する不飽和炭化水素基変性フェノール誘導体と、アルデヒド類とを重縮合させることにより、不飽和炭化水素基含有化合物によって変性されたフェノール樹脂が生成する。アルデヒド類は、フェノール樹脂を得るために用いられるアルデヒド類として上述したものと同様のものを用いることができる。
【0052】
上記アルデヒド類と上記不飽和炭化水素基変性フェノール誘導体との反応は、重縮合反応であり、従来公知のフェノール樹脂の合成条件を用いることができる。反応は酸又は塩基等の触媒の存在下で行うことが好ましく、酸触媒を用いることがより好ましい。酸触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、ぎ酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸及びシュウ酸が挙げられる。これらの酸触媒は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0053】
上記反応は、通常反応温度100〜120℃で行うことが好ましい。また、反応時間は使用する触媒の種類や量により異なるが、通常1〜50時間である。反応終了後、反応生成物を200℃以下の温度で減圧脱水することで不飽和炭化水素基含有化合物によって変性されたフェノール樹脂が得られる。なお、反応には、トルエン、キシレン、メタノール等の溶媒を用いることができる。
【0054】
不飽和炭化水素基含有化合物によって変性されたフェノール樹脂は、上述の不飽和炭化水素基変性フェノール誘導体を、m−キシレンのようなフェノール以外の化合物とともにアルデヒド類と重縮合することにより得ることもできる。この場合、フェノール誘導体と不飽和炭化水素基含有化合物とを反応させて得られる化合物に対するフェノール以外の化合物のモル比は、0.5未満であると好ましい。
【0055】
(A2)成分は、前記(A1)成分のフェノール樹脂と不飽和炭化水素基含有化合物とを反応させて得ることもできる。
【0056】
フェノール樹脂と反応させる不飽和炭化水素基含有化合物は、上述した不飽和炭化水素基含有化合物と同様のものを使用することができる。
【0057】
フェノール樹脂と不飽和炭化水素基含有化合物との反応は、通常50〜130℃で行うことが好ましい。また、フェノール樹脂と不飽和炭化水素基含有化合物との反応割合は、硬化膜(レジストパターン)の可とう性を向上させる観点から、フェノール樹脂100質量部に対し、不飽和炭化水素基含有化合物1〜100質量部であることが好ましく、2〜70質量部であることがより好ましく、5〜50質量部であることがさらに好ましい。不飽和炭化水素基含有化合物が1質量部未満では、硬化膜の可とう性が低下する傾向にあり、100質量部を超えると、反応中にゲル化する可能性が高くなる傾向、及び、硬化膜の耐熱性が低下する傾向がある。このとき、必要に応じて、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等を触媒として用いてもよい。なお、反応にはトルエン、キシレン、メタノール、テトラヒドロフランなどの溶媒を用いることができる。
【0058】
以上のような方法により生成する不飽和炭化水素基含有化合物によって変性されたフェノール樹脂中に残ったフェノール性水酸基に、更に多塩基酸無水物を反応させることにより酸変性したフェノール樹脂を(A2)成分として用いることもできる。多塩基酸無水物で酸変性することにより、カルボキシ基が導入され、(A2)成分のアルカリ水溶液(現像液)に対する溶解性がより一層向上する。
【0059】
多塩基酸無水物は、複数のカルボキシ基を有する多塩基酸のカルボキシ基が脱水縮合して形成された酸無水物基を有していれば、特に限定されない。多塩基酸無水物としては、例えば無水フタル酸、無水コハク酸、オクテニル無水コハク酸、ペンタドデセニル無水コハク酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸及び無水トリメリット酸等の二塩基酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、無水ピロメリット酸及びベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等の芳香族四塩基酸二無水物が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、多塩基酸無水物は二塩基酸無水物であることが好ましく、テトラヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸及びヘキサヒドロ無水フタル酸からなる群より選ばれる1種以上であることがより好ましい。この場合、さらに良好な形状を有するレジストパターンを形成できるという利点がある。
【0060】
フェノール性水酸基と多塩基酸無水物との反応は、50〜130℃で行うことができる。この反応において、多塩基酸無水物をフェノール性水酸基1モルに対して、0.1〜0.8モルを反応させることが好ましく、0.15〜0.6モル反応させることがより好ましく、0.2〜0.4モル反応させることが更に好ましい。多塩基酸無水物が0.1モル未満では、現像性が低下する傾向にあり、0.8モルを超えると、未露光部の耐アルカリ性が低下する傾向にある。
【0061】
なお、上記反応には、反応を迅速に行う観点から、必要に応じて、触媒を含有させてもよい。触媒としては、トリエチルアミン等の3級アミン、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、トリフェニルホスフィン等のリン化合物が挙げられる。
【0062】
多塩基酸無水物で更に変性したフェノール樹脂の酸価は、30〜200mgKOH/gであることが好ましく、40〜170mgKOH/gであることがより好ましく、50〜150mgKOH/gであることが更に好ましい。酸価が30mgKOH/g未満であると、酸価が上記範囲にある場合と比較して、アルカリ現像に長時間を要する傾向にあり、200mgKOH/gを超えると、酸価が上記範囲にある場合と比較して、未露光部の耐現像液性が低下する傾向にある。
【0063】
本発明において前記(A1)成分の分子量は、アルカリ水溶液に対する溶解性や、感光特性(感度、解像度)と機械特性(破断伸び、弾性率及び残留応力)とのバランスを考慮すると、重量平均分子量で、500〜150,000であることが好ましく、500〜100,000であることがより好ましく、1,000〜50,000であることが特に好ましい。
【0064】
不飽和炭化水素基を有する変性フェノール樹脂(A2)の分子量は、アルカリ水溶液に対する溶解性や、感光特性と硬化膜物性とのバランスを考慮すると、重量平均分子量で1,000〜500,000が好ましく、2,000〜200,000がより好ましく、2,000〜100,000であることがさらに好ましく、5,000〜50,000であることが最も好ましい。ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定し、標準ポリスチレン検量線より換算して得た値である。
【0065】
ポジ型感光性樹脂組成物は、レジストパターンを形成する際の感度と解像性、及び硬化後のレジストパターンの密着性、機械特性及び耐熱衝撃性の点から、(A)成分として、不飽和炭化水素基を有しないフェノール樹脂又はヒドロキシスチレン系樹脂(A1)と不飽和炭化水素基を有する変性フェノール樹脂(A2)とを併用する場合、(A1)成分の質量MA1と前記(A2)成分の質量MA2との比MA1/MA2は、5/95〜95/5であることが好ましく、10/90〜90/10であることがより好ましく、15/85〜85/15であることが特に好ましい。
【0066】
また、(A)フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂は、更に多塩基酸無水物を反応させて酸変性したフェノール樹脂を含有することができる。(A)成分が多塩基酸無水物で酸変性したフェノール樹脂を含有することにより、(A)成分のアルカリ水溶液(現像液)に対する溶解性がより一層向上する。
【0067】
前記多塩基酸無水物としては、例えば、無水フタル酸、無水コハク酸、オクテニル無水コハク酸、ペンタドデセニル無水コハク酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、無水トリメリット酸等の二塩基酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等の脂肪族、芳香族四塩基酸二無水物等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、多塩基酸無水物は二塩基酸無水物であることが好ましく、例えば、テトラヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸及びヘキサヒドロ無水フタル酸からなる群より選ばれる1種以上であることがより好ましい。
【0068】
上記反応は、50〜130℃で行うことができる。上記反応において、多塩基酸無水物をフェノール性水酸基1モルに対して、0.10〜0.80モルを反応させることが好ましく、0.15〜0.60モル反応させることがより好ましく、0.20〜0.40モル反応させることが特に好ましい。
【0069】
なお、上記反応には、反応を迅速に行う観点から、必要に応じて、触媒を含有させてもよい。触媒としては、トリエチルアミン等の3級アミン、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、トリフェニルホスフィン等のリン化合物などが挙げられる。
【0070】
<(B)成分>
(B)成分である光により酸を生成する化合物は、感光剤として用いられる。このような(B)成分は、光照射により酸を生成させ、光照射した部分のアルカリ水溶液への可溶性を増大させる機能を有する。(B)成分としては、一般に光酸発生剤と称される化合物を用いることができる。(B)成分の具体例としては、o−キノンジアジド化合物、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等が挙げられる。これらの中で、感度が高いことから、o−キノンジアジド化合物が好ましい。
【0071】
o−キノンジアジド化合物としては、例えば、o−キノンジアジドスルホニルクロリドと、ヒドロキシ化合物やアミノ化合物等とを脱塩酸剤の存在下で縮合反応させることで得られるものを用いることができる。
【0072】
反応に用いられるo−キノンジアジドスルホニルクロリドとしては、例えば、ベンゾキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリド、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリド、ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリドが挙げられる。
【0073】
反応に用いられるヒドロキシ化合物としては、例えば、ヒドロキノン、レゾルシノール、ピロガロール、ビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}フェニル]エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2’,3’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン,2,3,4,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン、4b,5,9b,10−テトラヒドロ−1,3,6,8−テトラヒドロキシ−5,10−ジメチルインデノ[2,1−a]インデン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンが挙げられる。
【0074】
反応に用いられるアミノ化合物としては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンが挙げられる。
【0075】
反応に用いられる脱塩酸剤としては、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン等が挙げられる。また、反応溶媒としては、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、N−メチルピロリドン等が用いられる。
【0076】
o−キノンジアジドスルホニルクロリドと、ヒドロキシ化合物及び/又はアミノ化合物とは、o−キノンジアジドスルホニルクロリド1モルに対して、ヒドロキシ基とアミノ基とのモル数の合計が0.5〜1になるように配合されることが好ましい。脱塩酸剤とo−キノンジアジドスルホニルクロリドの好ましい配合割合は、0.95/1モル当量〜1/0.95モル当量の範囲である。
【0077】
上述の反応の好ましい反応温度は0〜40℃、好ましい反応時間は1〜10時間である。
【0078】
(B)成分の配合量は、露光部と未露光部の溶解速度差と、感度の許容幅の点から、(A)成分100質量部に対して3〜100質量部が好ましく、5〜50質量部がより好ましく、5〜30質量部が特に好ましい
【0079】
<(C)成分)>
(C)成分である熱架橋剤を含有することにより、パターン形成後の感光性樹脂膜を加熱して硬化する際に、(C)成分が(A)成分と反応して橋架け構造が形成される。これにより、低温での硬化が可能となり、膜の脆さや膜の溶融を防ぐことができる。(C)成分として、具体的には、フェノール性水酸基を有する化合物、ヒドロキシメチルアミノ基を有する化合物、エポキシ基を有する化合物が好ましいものとして用いることができる。
【0080】
なお、ここでいう「フェノール性水酸基を有する化合物」には、(A)フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂は包含されない。熱架橋剤としてのフェノール性水酸基を有する化合物は、熱架橋剤としてだけでなく、アルカリ水溶液で現像する際の露光部の溶解速度を増加させ、感度を向上させることができる。このようなフェノール性水酸基を有する化合物の分子量は、好ましくは2000以下である。アルカリ水溶液に対する溶解性、及び感光特性と機械特性とのバランスを考慮して、数平均分子量で94〜2000が好ましく、108〜2000がより好ましく、108〜1500が特に好ましい。
【0081】
フェノール性水酸基を有する化合物としては、従来公知のものを用いることができるが、下記一般式(5)で表される化合物が、露光部の溶解促進効果と感光性樹脂膜の硬化時の溶融を防止する効果のバランスに優れることから、特に好ましい。
【化5】


[一般式(5)中、Zは単結合又は2価の有機基を示し、R13、R14、R15及びR16はそれぞれ独立に水素原子又は1価の有機基を示し、s及びtはそれぞれ独立に1〜3の整数を示し、u及びvはそれぞれ独立に0〜4の整数を示す。]
【0082】
一般式(5)において、Zが単結合である化合物は、ビフェノール(ジヒドロキシビフェニル)誘導体である。また、Zで示される2価の有機基としては、メチレン基、エ0チレン基、プロピレン基等の炭素数が1〜10のアルキレン基、エチリデン基等の炭素数が2〜10のアルキリデン基、フェニレン基等の炭素数が6〜30のアリーレン基、これら炭化水素基の水素原子の一部又は全部をフッ素原子等のハロゲン原子で置換した基、スルホニル基、カルボニル基、エーテル結合、チオエーテル結合、アミド結合等が挙げられる。これらの中で、Zは下記一般式(6)で表される2価の有機基であることが好ましい。
【化6】


[一般式(6)中、Xは、単結合、アルキレン基(例えば炭素原子数が1〜10のアルキレン基)、アルキリデン基(例えば炭素数が2〜10のアルキリデン基)、それらの水素原子の一部又は全部をハロゲン原子で置換した基、スルホニル基、カルボニル基、エーテル結合、チオエーテル結合又はアミド結合を示す。R12は、水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基又はハロアルキル基を示し、gは1〜10の整数を示す。複数のR12は互いに同一でも異なっていてもよい。]
【0083】
ヒドロキシメチルアミノ基を有する化合物としては、(ポリ)(N−ヒドロキシメチル)メラミン、(ポリ)(N−ヒドロキシメチル)グリコールウリル、(ポリ)(N−ヒドロキシメチル)ベンゾグアナミン、(ポリ)(N−ヒドロキシメチル)尿素等のメチロール基の全部又は一部をアルキルエーテル化した含窒素化合物が挙げられる。ここで、アルキルエーテルのアルキル基としてはメチル基、エチル基、ブチル基、又はこれらを混合したものを挙げられ、一部自己縮合してなるオリゴマー成分を含有していてもよい。具体的には、ヘキサキス(メトキシメチル)メラミン、ヘキサキス(ブトキシメチル)メラミン、テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル、テトラキス(ブトキシメチル)グリコールウリル、テトラキス(メトキシメチル)尿素が挙げられる。
【0084】
エポキシ基を有する化合物としては、従来公知のものを用いることができる。その具体例として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン、複素環式エポキシ樹脂、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテルを挙げられる。
【0085】
また、(C)成分として、上述した以外に、ビス[3,4−ビス(ヒドロキシメチル)フェニル]エーテルや1,3,5−トリス(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ベンゼンなどのヒドロキシメチル基を有する芳香族化合物、ビス(4−マレイミドフェニル)メタンや2,2−ビス[4−(4’−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンなどのマレイミド基を有する化合物、ノルボルネン骨格を有する化合物、多官能アクリレート化合物、オキセタニル基を有する化合物、ビニル基を有する化合物、ブロック化イソシアナート化合物を用いることができる。
【0086】
上述した(C)成分の中で、感度と耐熱性の向上という観点から、フェノール性水酸基を有する化合物及びヒドロキシメチルアミノ基を有する化合物が好ましく、解像度及び塗膜の伸びもより向上できる観点から、ヒドロキシメチルアミノ基を有する化合物がより好ましく、ヒドロキシメチルアミノ基の全部又は一部をアルキルエーテル化したアルコキシメチルアミノ基を有する化合物が特に好ましく、ヒドロキシメチルアミノ基の全部をアルキルエーテル化したアルコキシメチルアミノ基を有する化合物が最も好ましい。
前記ヒドロキシメチルアミノ基の全部をアルキルエーテル化したアルコキシメチルアミノ基を有する化合物の中でも特に、下記一般式(III)で表される化合物が好ましい。
【化7】


[一般式(III)中、R21〜R26は、それぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基を示す。]
【0087】
(C)成分の配合量は、現像時間と、未露光部残膜率の許容幅、及び、硬化膜の特性の点から、(A)成分100質量部に対して1〜50質量部が好ましく、2〜30質量部がより好ましく、3〜25質量部が特に好ましい。また、上述した熱架橋剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
【0088】
<(D)成分>
(D)成分であるアクリル樹脂を含有することにより、良好な感光特性を維持しつつ、耐熱衝撃性を向上することができる。
【0089】
前記アクリル樹脂としては、下記一般式(1)〜(3)で表される構造単位の1種又は2種以上を有するアクリル樹脂であることが好ましい。
【化8】


【化9】


【化10】


[一般式(1)〜(3)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素数4〜20のアルキル基を表し、Rは1級、2級又は3級アミノ基を有する1価の有機基を表す。]
なかでも前記一般式(1)で表される構造単位及び下記一般式(2)で表される構造単位を有するアクリル樹脂を含有することにより、良好な感光特性を維持しつつ、耐熱衝撃性を向上することができるのでより好ましく、また、(A)成分との相溶性、レジストパターンの基板への密着性、機械特性及び耐熱衝撃性をより向上できる観点から、上記一般式(1)で表される構造単位、上記(2)で表される構造単位及び下記一般式(3)で表される構造単位を有するアクリル樹脂を含有することがより好ましい。(D)成分は、上記アクリル樹脂の1種のみからなるものであってもよく、2種以上を含むものであってもよい。
【0090】
アクリル樹脂が上記一般式(1)で表される構造単位を有する場合、感度、解像度及び耐熱衝撃を向上できる観点から、Rが炭素数4〜16のアルキル基が好ましく、炭素数4のアルキル基(n−ブチル基)がより好ましい。一般式(1)で表される構造単位を与える重合性単量体としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、下記一般式(7)で表される化合物などが挙げられる。
CH=C(R)−COOR (7)
【0091】
ここで、上記一般式(7)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数4〜20のアルキル基を示す。また、Rで示される炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基及びこれらの構造異性体が挙げられる。上記一般式(7)で表される重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸ペンチルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸オクチルエステル、(メタ)アクリル酸ノニルエステル、(メタ)アクリル酸デシルエステル、(メタ)アクリル酸ウンデシルエステル、(メタ)アクリル酸ドデシルエステル、(メタ)アクリル酸トリデシルエステル、(メタ)アクリル酸テトラデシルエステル、(メタ)アクリル酸ペンタデシルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシルエステル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシルエステル、(メタ)アクリル酸オクタデシルエステル、(メタ)アクリル酸ノナデシルエステル、(メタ)アクリル酸エイコシルエステル等が挙げられる。これらの重合性単量体は単独で又は2種類以上を組み合わせて用いられる。
【0092】
また、一般式(2)で表される構造単位を与える重合性単量体としては、アクリル酸及びメタクリル酸が挙げられる。
【0093】
一般式(3)で表される構造単位を与える重合性単量体としては、例えば、アミノエチル(メタ)アクリレート、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、N−メチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N−エチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−エチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、アミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−エチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、1−メチルピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、(ピペリジン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、2−(ピペリジン−4−イル)エチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの重合性単量体は単独で又は2種類以上を組み合わせて用いられる。これらの中でも特に、レジストパターンの基板への密着性、機械特性及び耐熱衝撃性をより向上できる観点から、一般式(3)中、Rが下記一般式(8)で表される1価の有機基であることが特に好ましい。
【化11】


[一般式(8)中、Yは炭素数1〜5のアルキレン基を表し、R13〜R17はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表し、nは0〜10の整数である]
【0094】
一般式(3)中、Rが上記一般式(8)で表される1価の有機基で表される構造単位を与える重合性単量体としては、例えば、ピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、1−メチルピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、(ピペリジン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、2−(ピペリジン−4−イル)エチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中で、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イルメタクリレートはFA−711MMとして、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルメタクリレートはFA−712HMとして(いずれも日立化成工業(株)社製)として、それぞれ商業的に入手可能である。
【0095】
(D)成分であるアクリル樹脂において、上記一般式(1)で表される構造単位の組成比は、(D)成分の総量に対して、50〜95モル%であることが好ましく、60〜90モル%であることがより好ましく、70〜85モル%であることが特に好ましい。上記一般式(1)で表される構造単位の組成比が50〜95モル%であることにより、ポジ型感光性樹脂組成物の硬化膜の耐熱衝撃性をより向上することができる。
【0096】
また、(D)成分であるアクリル樹脂において、上記一般式(2)で表される構造単位の組成比は、(D)成分の総量に対して、5〜35モル%であることが好ましく、10〜30モル%であることがより好ましく、15〜25モル%であることが特に好ましい。上記一般式(2)で表される構造単位の組成比が5〜35モル%であることにより、(A)成分との相溶性、及びポジ型感光性樹脂組成物の現像性をより向上することができる。
【0097】
また、(D)アクリル樹脂としては、(A)成分との相溶性、レジストパターンの基板への密着性、機械特性及び耐熱衝撃性をより向上できる観点から、前記一般式(1)及び(2)で表される構造単位と、上記一般式(3)で表される構造単位と、を有することがより好ましい。(D)アクリル樹脂の構造単位を上記の組み合わせとすることにより、(D)アクリル樹脂と(A)フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂との相互作用が良好になり、相溶性がより向上する。
【0098】
(D)成分であるアクリル樹脂において、上記一般式(3)で表される構造単位を有する場合の組成比は、(D)成分の総量に対して、0.3〜10モル%であることが好ましく、0.4〜6モル%であることがより好ましく、0.5〜5モル%であることが特に好ましい。
【0099】
また、(D)アクリル樹脂としては、感度をより向上できる観点から、下記一般式(9)で表される構造単位を有することが好ましい。
【化12】


[一般式(9)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Aは炭素数1〜5のアルキレン基を表し、R18〜R22はそれぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基を表し、mは1〜100の整数である]
【0100】
一般式(9)で表される構造単位を与える重合性単量体としては、例えば、メタクリル変性シリコーンオイルが挙げられ、X−22−174DX、X−22−2426、X−22−2475(いずれも信越化学工業(株)社製)として、それぞれ商業的に入手可能である。
【0101】
(D)成分であるアクリル樹脂において、上記一般式(9)で表される構造単位を有する場合の組成比は、(D)成分の総量に対して、1〜10モル%であることが好ましく、2〜5モル%であることがより好ましく、3〜5モル%であることが特に好ましい。
【0102】
また、本発明の(D)アクリル樹脂は、一般式(1)、一般式(2)、一般式(3)、及び一般式(9)で表される構造単位を与える重合性単量体以外の重合性単量体を加えて合成することもできる。
【0103】
そのような重合性単量体としては、例えば、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、(メタ)アクリル酸4−メチルベンジルエステル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルエステル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピルエステル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルエステル、アクリロニトリル、ビニル−n−ブチルエーテルなどのビニルアルコールのエステル類、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピルなどのマレイン酸モノエステル、フマール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、プロピオール酸等が挙げられる。これらの重合性単量体は単独で又は2種類以上を組み合わせて用いられる。
【0104】
(D)成分の重量平均分子量は、2,000〜100,000であることが好ましく、3,000〜60,000であることがより好ましく、5,000〜50,000であることが特に好ましく、10,000〜40,000であることが最も好ましい。重量平均分子量が2,000未満では硬化膜の耐熱衝撃性が低下する傾向があり、100,000を超えると(A)成分との相溶性及び現像性が低下する傾向がある。
【0105】
(D)成分の配合量は、密着性、機械特性及び耐熱衝撃性、及び感光特性の観点から、(A)成分の総量100質量部に対して1〜50質量部が好ましく、3〜30質量部がより好ましく、5〜20質量部が特に好ましい。
【0106】
<(E)成分(熱により酸を生成する化合物)>
上記のポジ型感光性樹脂組成物は、(E)熱により酸を生成する化合物を更に含有することが好ましい。(E)成分を用いることにより、パターンのメルトを抑制することができる。これは、現像後の感光性樹脂膜を加熱する際に酸を発生させることが可能となり、(A)成分と(C)成分との反応、すなわち熱架橋反応がより低温から開始するため、硬化膜の耐熱性が向上し、パターンのメルトが抑制されるものである。また、熱により酸を生成する化合物は、光照射によっても酸を発生することができるものが多いため、このようなものを用いると露光部のアルカリ水溶液への溶解性を増大することができる。よって、未露光部と露光部とのアルカリ水溶液に対する溶解性の差が更に大きくなり解像性が向上する。但し、本発明においては前記(B)成分とは異なる化合物を(E)成分として用いる。
【0107】
このような熱により酸を生成する化合物は、例えば、50〜250℃(より好ましくは50〜200℃)の温度に加熱することにより酸を生成するものであることが好ましい。熱により酸を生成する化合物の具体例としては、前記(B)成分の光により酸を生成する化合物とは異なる化合物であって、熱により酸を生成する機能を有するオニウム塩等の強酸と塩基とから形成される塩や、イミドスルホナートが挙げられる。
【0108】
オニウム塩としては、例えば、アリールジアゾニウム塩、ジフェニルヨードニウム塩等のジアリールヨードニウム塩;ジ(t−ブチルフェニル)ヨードニウム塩等のジ(アルキルアリール)ヨードニウム塩;トリメチルスルホニウム塩のようなトリアルキルスルホニウム塩;ジメチルフェニルスルホニウム塩等のジアルキルモノアリールスルホニウム塩;ジフェニルメチルスルホニウム塩等のジアリールモノアルキルヨードニウム塩;トリアリールスルホニウム塩が挙げられる。
【0109】
これらの中で、パラトルエンスルホン酸のジ(t−ブチルフェニル)ヨードニウム塩、トリフルオロメタンスルホン酸のジ(t−ブチルフェニル)ヨードニウム塩、トリフルオロメタンスルホン酸のトリメチルスルホニウム塩、トリフルオロメタンスルホン酸のジメチルフェニルスルホニウム塩、トリフルオロメタンスルホン酸のジフェニルメチルスルホニウム塩、ノナフルオロブタンスルホン酸のジ(t−ブチルフェニル)ヨードニウム塩、カンファースルホン酸のジフェニルヨードニウム塩、エタンスルホン酸のジフェニルヨードニウム塩、ベンゼンスルホン酸のジメチルフェニルスルホニウム塩、トルエンスルホン酸のジフェニルメチルスルホニウム塩が好ましい。
【0110】
さらに、下記一般式(4)で示すようなスルホニウム塩がより好ましく、メタンスルホン酸のトリアルキルスルホニウム塩が一層好ましく、特にトリメチルスルホニウム塩が好ましい。
【0111】
【化13】


[一般式(4)中、R、R及びRは各々独立にアルキル基又はアリール基を表し、Rは水素又はフッ素を表す。]
【0112】
前記アリール基としては、フェニル基又は置換基を有するフェニル基が好ましい。
【0113】
また、強酸と塩基とから形成される塩としては、上述のオニウム塩の他、次のような強酸と塩基とから形成される塩、例えば、ピリジニウム塩を用いることもできる。強酸としては、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸のようなアリールスルホン酸、カンファースルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸のようなパーフルオロアルキルスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ブタンスルホン酸のようなアルキルスルホン酸が挙げられる。塩基としては、ピリジン、2,4,6−トリメチルピリジンのようなアルキルピリジン、2−クロロ−N−メチルピリジンのようなN−アルキルピリジン、ハロゲン化−N−アルキルピリジン等が挙げられる。
【0114】
イミドスルホナートとしては、例えば、ナフトイルイミドスルホナートやフタルイミドスルホナートを用いることができる。
【0115】
また、加熱により酸を生成する化合物としては、上述のものの他、下記一般式(10)で表される構造を有する化合物や下記一般式(11)で表されるスルホンアミド構造を有する化合物を用いることもできる。
2324C=N−O−SO−R25 …(10)
−NH−SO−R26 …(11)
【0116】
一般式(10)中、R23は、例えば、シアノ基であり、R24は、例えば、メトキシフェニル基、フェニル基である。また、R25は、例えば、p−メチルフェニル基、フェニル基等のアリール基、メチル基、エチル基、イソプロピル基等のアルキル基、トリフルオロメチル基、ノナフルオロブチル基等のパーフルオロアルキル基である。
【0117】
一般式(11)中、R26は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、メチルフェニル基、フェニル基等のアリール基、トリフルオロメチル基、ノナフルオロブチル等のパーフルオロアルキル基である。一般式(11)で表されるスルホンアミド構造のN原子に結合する基としては、例えば、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンや2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ジ(4−ヒドロキシフェニル)エーテルが挙げられる。
【0118】
加熱により酸を生成する化合物を用いる場合の配合量は、(A)成分100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましく、0.15〜20質量部がより好ましく、0.2〜20質量部がさらに好ましく、0.2〜10質量部が特に好ましく、0.5〜10質量部が最も好ましい。
【0119】
<(F)成分(エラストマー)>
本発明においては、さらにエラストマーを併用することができる。これにより、得られるレジストパターンは柔軟性の点でさらに優れるものとなり、レジストパターンの機械特性及び耐熱衝撃性をより一層向上させることができる。エラストマーとしては、従来公知のものを用いることができるが、エラストマーを構成する重合体のガラス転移温度(Tg)が20℃以下であることが好ましい。
【0120】
このようなエラストマーとしては、例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、及びシリコーン系エラストマーが挙げられる。また、前記エラストマーは、微粒子状のエラストマーであってもよい。これらのエラストマーは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0121】
本発明のポジ型感光性樹脂組成物には、溶剤を用いることができる。本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、溶剤を含有することにより、基板上への塗布を容易にし、均一な厚さの塗膜を形成できるという効果を奏する。溶剤としては、例えば、γ−ブチロラクトン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸ベンジル、n−ブチルアセテート、エトキシエチルプロピオナート、3−メチルメトキシプロピオナート、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリルアミド、テトラメチレンスルホン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルが挙げられる。これらの溶剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0122】
また、溶剤を用いる場合の含有量は、特に限定されないが、ポジ型感光性樹脂組成物中の溶剤の割合が20〜90質量%となるように調整されることが好ましい。
【0123】
<その他の成分>
上述のポジ型感光性樹脂組成物は、上記(A)〜(F)成分及び溶剤以外に、溶解促進剤、溶解阻害剤、カップリング剤、及び、界面活性剤又はレベリング剤等の成分を含有してもよい。
【0124】
(溶解促進剤)
溶解促進剤を上述のポジ型感光性樹脂組成物に配合することによって、アルカリ水溶液で現像する際の露光部の溶解速度を増加させ、感度及び解像性を向上させることができる。溶解促進剤としては従来公知のものを用いることができる。その具体例としては、カルボキシル基、スルホン酸、スルホンアミド基を有する化合物が挙げられる。
【0125】
このような溶解促進剤を用いる場合の配合量は、アルカリ水溶液に対する溶解速度によって決めることができ、例えば、(A)成分100質量部に対して、0.01〜30質量部とすることができる。
【0126】
(溶解阻害剤)
溶解阻害剤を(A)成分のアルカリ水溶液に対する溶解性を阻害する化合物であり、残膜厚、現像時間やコントラストをコントロールするために用いられる。その具体例としては、ジフェニルヨードニウムニトラート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムニトラート、ジフェニルヨードニウムブロミド、ジフェニルヨードニウムクロリド、ジフェニルヨードニウムヨージド等である。溶解阻害剤を用いる場合の配合量は、感度と現像時間の許容幅の点から、(A)成分100質量部に対して0.01〜20質量部が好ましく、0.01〜15質量部がより好ましく、0.05〜10質量部が特に好ましい。
【0127】
(カップリング剤)
カップリング剤を上述のポジ型感光性樹脂組成物に配合することによって、形成される硬化膜の基板との接着性を高めることができる。カップリング剤としては、例えば、有機シラン化合物、アルミキレート化合物が挙げられる。
【0128】
有機シラン化合物としては、例えば、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、尿素プロピルトリエトキシシラン、メチルフェニルシランジオール、エチルフェニルシランジオール、n−プロピルフェニルシランジオール、イソプロピルフェニルシランジオール、n−ブチルシフェニルシランジオール、イソブチルフェニルシランジオール、tert−ブチルフェニルシランジオール、ジフェニルシランジオール、エチルメチルフェニルシラノール、n−プロピルメチルフェニルシラノール、イソプロピルメチルフェニルシラノール、n−ブチルメチルフェニルシラノール、イソブチルメチルフェニルシラノール、tert−ブチルメチルフェニルシラノール、エチルn−プロピルフェニルシラノール、エチルイソプロピルフェニルシラノール、n−ブチルエチルフェニルシラノール、イソブチルエチルフェニルシラノール、tert−ブチルエチルフェニルシラノール、メチルジフェニルシラノール、エチルジフェニルシラノール、n−プロピルジフェニルシラノール、イソプロピルジフェニルシラノール、n−ブチルジフェニルシラノール、イソブチルジフェニルシラノール、tert−ブチルジフェニルシラノール、フェニルシラントリオール、1,4−ビス(トリヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(メチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(エチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(プロピルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ブチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジメチルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジエチルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジプロピルドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジブチルヒドロキシシリル)ベンゼン、3−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノプロピルトリエトキシシランが挙げられる。
【0129】
カップリング剤を用いる場合の配合量は、(A)成分100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。
【0130】
(界面活性剤又はレベリング剤)
界面活性剤又はレベリング剤を上述のポジ型感光性樹脂組成物に配合することによって、塗布性、例えばストリエーション(膜厚のムラ)を防いだり、現像性を向上させたりすることができる。このような界面活性剤又はレベリング剤としては、例えば、ポリオキシエチレンウラリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテルが挙げられる。市販品としては、メガファックスF171、F173、R−08(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム株式会社、商品名)、オルガノシロキサンポリマーKP341、KBM303、KBM403、KBM803(信越化学工業社製、商品名)がある。
【0131】
界面活性剤又はレベリング剤を用いる場合、その合計の配合量は、(A)成分100質量部に対して、0.001〜5質量部が好ましく、0.01〜3質量部がより好ましい。
【0132】
上述したポジ型感光性樹脂組成物は、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)等のアルカリ水溶液を用いて現像することが可能である。更に、上述のポジ型感光性樹脂組成物を用いることにより、十分に高い感度及び解像度で、良好な密着性及び耐熱衝撃性を有するレジストパターンを形成することが可能となる。
【0133】
[レジストパターンの製造方法]
次に、レジストパターンの製造方法について説明する。本発明のレジストパターンの製造方法は、上述のポジ型感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂膜を露光する工程と、露光後の感光性樹脂膜をアルカリ水溶液により現像してパターン化する工程と、パターン化された感光性樹脂膜を加熱する工程とを備える。以下、各工程について説明する。
【0134】
<塗布・乾燥(成膜)工程>
まず、上述のポジ型感光性樹脂組成物を支持基板上に塗布し乾燥して感光性樹脂膜を形成する。この工程では、まず、ガラス基板、半導体、金属酸化物絶縁体(例えばTiO、SiO等)、窒化ケイ素等の支持基板上に、上述のポジ型感光性樹脂組成物を、スピンナー等を用いて回転塗布し、塗膜を形成する。この塗膜が形成された支持基板をホットプレート、オーブン等を用いて乾燥する。これにより、支持基板上に感光性樹脂膜が形成される。
【0135】
<露光工程>
次に、露光工程では、支持基板上に形成された感光性樹脂膜に対して、マスクを介して紫外線、可視光線、放射線等の活性光線を照射する。上述のポジ型感光性樹脂組成物において、(A)成分はi線に対する透明性が高いので、i線の照射を好適に用いることができる。なお、露光後、必要に応じて露光後加熱(PEB)を行うこともできる。露光後加熱の温度は70℃〜140℃、露光後加熱の時間は1分〜5分が好ましい。
【0136】
<現像工程>
現像工程では、露光工程後の感光性樹脂膜の露光部を現像液で除去することにより、感光性樹脂膜がパターン化される。現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)等のアルカリ水溶液が好適に用いられる。これらの水溶液の塩基濃度は、0.1〜10質量%とすることが好ましい。更に、上記現像液にアルコール類や界面活性剤を添加して使用することもできる。これらはそれぞれ、現像液100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、より好ましくは0.1〜5質量部の範囲で配合することができる。
【0137】
<加熱処理工程>
次いで、加熱処理工程では、パターン化された感光性樹脂膜を加熱処理することにより、加熱後の感光性樹脂膜からなるレジストパターンを形成することができる。加熱処理工程における加熱温度は、電子デバイスに対する熱によるダメージを十分に防止する点から、望ましくは250℃以下、より望ましくは225℃以下であり、更に望ましくは140〜200℃である。
【0138】
加熱処理は、例えば、石英チューブ炉、ホットプレート、ラピッドサーマルアニール、縦型拡散炉、赤外線硬化炉、電子線硬化炉、及びマイクロ波硬化炉等のオーブンを用いて行なうことができる。また、大気中、又は窒素等の不活性雰囲気中いずれを選択することもできるが、窒素下で行なう方がパターンの酸化を防ぐことができるので望ましい。上述の望ましい加熱温度の範囲は従来の加熱温度よりも低いため、支持基板や電子デバイスへのダメージを小さく抑えることができる。従って、本発明のレジストパターンの製造方法を用いることによって、電子デバイスを歩留り良く製造することができる。また、プロセスの省エネルギー化につながる。更に、本発明のポジ型感光性樹脂組成物によれば、感光性ポリイミド等に見られる加熱処理工程における体積収縮(硬化収縮)が小さいため、寸法精度の低下を防ぐことができる。
【0139】
加熱処理工程における加熱処理時間は、ポジ型感光性樹脂組成物が硬化するのに十分な時間であればよいが、作業効率との兼ね合いから概ね5時間以下が好ましい。
【0140】
また、加熱処理は、上述のオーブンの他、マイクロ波硬化装置や周波数可変マイクロ波硬化装置を用いて行うこともできる。これらの装置を用いることにより、基板や電子デバイスの温度を例えば200℃以下に保ったままで、感光性樹脂膜のみを効果的に加熱することが可能である。
【0141】
周波数可変マイクロ波硬化装置においては、マイクロ波がその周波数を変化させながらパルス状に照射されるので、定在波を防ぐことができ、基板面を均一に加熱することができる点で好ましい。また、基板として後述する電子部品のように金属配線を含む場合、マイクロ波を、周波数を変化させながらパルス状に照射すると、金属からの放電等の発生を防ぐことができ、電子部品を破壊から守ることができるので好ましい。更に、周波数可変マイクロ波を用いて加熱すると、オーブンを用いる場合に比べて硬化温度を下げても硬化膜物性が低下しないので好ましい(J.Photopolym.Sci.Technol.,18,327−332(2005)参照)。
【0142】
周波数可変マイクロ波の周波数は0.5〜20GHzの範囲であるが、実用的には1〜10GHzの範囲が好ましく、更に2〜9GHzの範囲がより好ましい。また、照射するマイクロ波の周波数は連続的に変化させることが望ましいが、実際は周波数を階段状に変化させて照射する。その際、単一周波数のマイクロ波を照射する時間はできるだけ短い方が定在波や金属からの放電等が生じにくいため、照射時間は1ミリ秒以下が好ましく、100マイクロ秒以下が特に好ましい。
【0143】
照射するマイクロ波の出力は、装置の大きさや被加熱体の量によっても異なるが、概ね10〜2000Wの範囲であり、実用上は100〜1000Wがより好ましく、100〜700Wが特に好ましく、100〜500Wが最も好ましい。出力が10W以下では被加熱体を短時間で加熱することが難しく、2000W以上では急激な温度上昇が起こりやすいので好ましくない。
【0144】
また、マイクロ波は、パルス状に入/切させて照射することが好ましい。マイクロ波をパルス状に照射することにより、設定した加熱温度を保持することができ、また、硬化膜や基材へのダメージを避けることができる点で好ましい。パルス状のマイクロ波を1回に照射する時間は条件によって異なるが、概ね10秒以下が好ましい。
【0145】
以上のようなレジストパターンの製造方法によれば、十分に高い感度及び解像度で、良好な耐熱性を有するレジストパターンが得られる。
【0146】
[半導体装置の製造工程]
次に、本発明のレジストパターンの製造方法の一例として、半導体装置の製造工程を図面に基づいて説明する。図1〜5は、多層配線構造を有する半導体装置の製造工程の一実施形態を示す概略断面図である。
【0147】
まず、図1に示す構造体100を準備する。構造体100は、回路素子を有するSi基板等の半導体基板1と、回路素子が露出する所定のパターンを有し半導体基板1を被覆するシリコン酸化膜等の保護膜2と、露出した回路素子上に形成された第1導体層3と、保護膜2及び第1導体層3上にスピンコート法等により成膜されたポリイミド樹脂等からなる層間絶縁膜4とを備える。
【0148】
次に、層間絶縁膜4上に窓部6Aを有する感光性樹脂層5を形成することにより、図2に示す構造体200を得る。感光性樹脂層5は、例えば、塩化ゴム系、フェノールノボラック系、ポリヒドロキシスチレン系、ポリアクリル酸エステル系等の感光性樹脂を、スピンコート法により塗布することにより形成される。窓部6Aは、公知の写真食刻技術によって所定部分の層間絶縁膜4が露出するように形成される。
【0149】
層間絶縁膜4をエッチングして窓部6Bを形成した後に、感光性樹脂層5を除去し、図3に示す構造体300を得る。層間絶縁膜4のエッチングには、酸素、四フッ化炭素等のガスを用いるドライエッチング手段を用いることができる。このエッチングにより、窓部6Aに対応する部分の層間絶縁膜4が選択的に除去され、第1導体層3が露出するように窓部6Bが設けられた層間絶縁膜4が得られる。次いで、窓部6Bから露出した第1導体層3を腐食することなく、感光性樹脂層5のみを腐食するようなエッチング溶液を用いて感光性樹脂層5を除去する。
【0150】
更に、窓部6Bに対応する部分に第2導体層7を形成し、図4に示す構造体400を得る。第2導体層7の形成には、公知の写真食刻技術を用いることができる。これにより、第2導体層7と第1導体層3との電気的接続が行われる。
【0151】
最後に、層間絶縁膜4及び第2導体層7上に表面保護層8を形成し、図5に示す半導体装置500を得る。本実施形態では、表面保護層8は次のようにして形成する。まず、上述の実施形態に係るポジ型感光性樹脂組成物をスピンコート法により層間絶縁膜4及び第2導体層7上に塗布し、乾燥して感光性樹脂膜を形成する。次に、所定部分に窓部6Cに対応するパターンを描いたマスクを介して光照射した後、アルカリ水溶液にて現像して感光性樹脂膜をパターン化する。その後、感光性樹脂幕を加熱により硬化して、表面保護層8としての膜を形成する。この表面保護層8は、第1導体層3及び第2導体層7を外部からの応力、α線等から保護するものであり、得られる半導体装置500は信頼性に優れる。
【0152】
なお、上述の実施形態では2層の配線構造を有する半導体装置の製造方法を示したが、3層以上の多層配線構造を形成する場合は、上述の工程を繰り返して行い、各層を形成することができる。すなわち、層間絶縁膜4を形成する各工程、及び表面保護層8を形成する各工程を繰り返すことによって、多層のパターンを形成することが可能である。また、上記例において、表面保護層8のみでなく、層間絶縁膜4も本発明のポジ型感光性樹脂組成物を用いて形成することが可能である。
【0153】
[電子部品]
次に、本発明の電子部品について説明する。本発明の電子部品は、上述の製造方法によって形成されるレジストパターンを層間絶縁膜又は表面保護層として有する。上記レジストパターンは、具体的には、半導体装置の表面保護層や層間絶縁膜、多層配線板の層間絶縁膜等として使用することができる。本発明の電子部品は、上述のポジ型感光性樹脂組成物を用いて形成される表面保護層や層間絶縁膜を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとることができる。
【0154】
また、上述のポジ型感光性樹脂組成物は、応力緩和性、接着性等にも優れるため、近年開発された各種構造のパッケージにおける各種の構造材としても使用することができる。図6及び図7にそのような半導体装置の一例の断面構造を示す。
【0155】
図6は、半導体装置の一実施形態としての配線構造を示す概略断面図である。図6に示す半導体装置600は、シリコンチップ23と、シリコンチップ23の一方面側に設けられた層間絶縁膜11と、層間絶縁膜11上に形成された、パッド部15を含むパターンを有するAl配線層12と、パッド部15上に開口を形成しながら層間絶縁膜11及びAl配線層12上に順次積層された絶縁層13(例えばP−SiN層)及び表面保護層14と、表面保護層14上で開口近傍に配された島状のコア18と、絶縁層13及び表面保護層14の開口内でパッド部15と接するとともにコア18の表面保護層14とは反対側の面に接するように表面保護層14上に延在する再配線層16とを備える。更に、半導体装置600は、表面保護層14、コア18及び再配線層16を覆って形成され、コア18上の再配線層16の部分に開口が形成されているカバーコート層19と、カバーコート層19の開口においてバリアメタル20を間に挟んで再配線層16と接続された導電性ボール17と、導電性ボールを保持するカラー21と、導電性ボール17周囲のカバーコート層19上に設けられたアンダーフィル22とを備える。導電性ボール17は外部接続端子として用いられ、ハンダ、金等から形成される。アンダーフィル22は、半導体装置600を実装する際に応力を緩和するために設けられている。
【0156】
図7は、半導体装置の一実施形態としての配線構造を示す概略断面図である。図7の半導体装置700においては、シリコンチップ23上にAl配線層(図示せず)及びAl配線層のパッド部15が形成されており、その上部には絶縁層13が形成され、更に素子の表面保護層14が形成されている。パッド部15上には、再配線層16が形成され、この再配線層16は、導電性ボール17との接続部24の上部まで伸びている。更に、表面保護層14の上には、カバーコート層19が形成されている。再配線層16は、バリアメタル20を介して導電性ボール17に接続されている。
【0157】
図6、図7の半導体装置において、上述のポジ型感光性樹脂組成物は、層間絶縁層11や表面保護層14ばかりではなく、カバーコート層19、コア18、カラー21、アンダーフィル22等を形成するための材料として使用することができる。上述のポジ型感光性樹脂組成物を用いた硬化体は、Al配線層12や再配線層16等のメタル層や封止剤等との接着性に優れ、応力緩和効果も高いため、この硬化体を表面保護層14、カバーコート層19、コア18、半田等のカラー21、フリップチップ等で用いられるアンダーフィル12等に用いた半導体装置は、極めて信頼性に優れるものとなる。
【0158】
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、図6及び図7における再配線層16を有する半導体装置の表面保護層14及び/又はカバーコート層19に用いることが特に好適である。
【0159】
前記表面保護層又は前記カバーコート層の膜厚は、3〜20μmであることが好ましく、5〜15μmであることがより好ましい。
【0160】
以上のように、上述のポジ型感光性樹脂組成物を使用することにより、従来は300℃以上を必要としていた上記の加熱処理工程において、200℃以下の低温加熱を用いた硬化が可能である。前記加熱処理工程において、加熱温度は、100℃〜200℃が好ましく、150℃〜200℃がより好ましい。更に、本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、感光性ポリイミド等に見られた加熱処理工程における体積収縮(硬化収縮)が小さいため、寸法精度の低下を防ぐことができる。ポジ型感光性樹脂組成物の硬化膜は、高いガラス転移温度を有する。従って、耐熱性に優れた表面保護層又はカバーコート層となる。この結果、信頼性に優れた半導体装置等の電子部品を歩留まり良く高収率で得ることができる。
【0161】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はこれに制限されるものではない。
【実施例】
【0162】
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0163】
[実施例1〜12、比較例1〜3]
実施例1〜12、比較例1〜3で用いた材料について以下に示す。
[(A)成分]
A1:クレゾールノボラック樹脂(クレゾール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂、m−クレゾール/p−クレゾール(モル比)=60/40、ポリスチレン換算重量平均分子量=12,000、旭有機材工業社製、商品名「EP4020G」)
A2:4−ヒドロキシスチレン/メタクリル酸メチル=50/50(モル比)の共重合体(ポリスチレン換算重量平均分子量=10000、丸善石油化学社製、商品名「マルカリンカーCMM」)
A3:A3は以下の合成例1のようにして合成した。
【0164】
合成例1:炭素数4〜100の不飽和炭化水素基を有する化合物で変性されたフェノール樹脂の合成
フェノール100質量部、亜麻仁油43質量部及びトリフロオロメタンスルホン酸0.1質量部を混合し、120℃で2時間撹拌し、植物油変性フェノール誘導体(a)を得た。次いで、植物油変性フェノール誘導体(a)130g、パラホルムアルデヒド16.3g及びシュウ酸1.0gを混合し、90℃で3時間撹拌した。次いで、120℃に昇温して減圧下で3時間撹拌した後、反応液に無水コハク酸29g及びトリエチルアミン0.3gを加え、大気圧下、100℃で1時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、反応生成物である炭素数4〜100の不飽和炭化水素基を有する化合物で変性されたフェノール樹脂(以下、「A3」という。)を得た(酸価120mgKOH/g)。このA3のGPC法の標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は約25,000であった。
【0165】
比較合成例1:フェノール性水酸基を有しないアルカリ可溶性樹脂(A4)の合成
攪拌機及び温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中に、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル4.00gを入れ、十分に脱水したN,N−ジメチルアセトアミド16.68gに溶解した後、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物8.88gを徐々に加えた。その後、室温(25℃)で24時間撹拌し、ポリアミド酸(ポリイミド前駆体)(以下、「A4」という。)の溶液を得た。
【0166】
[(B)成分]
B1:1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}フェニル]エタンの1−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸エステル(エステル化率約90%、AZエレクトロニックマテリアルズ社製、商品名「TPPA528」)
B2:トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタンの1−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸エステル(エステル化率約95%)
【0167】
[(C)成分]
C1:ヘキサキス(メトキシメチル)メラミン(三和ケミカル社製、商品名「ニカラックMW−30HM」、下記構造式で表される化合物)
【化14】


C2:1,1−ビス{3,5−ビス(メトキシメチル)−4−ヒドロキシフェニル}メタン(本州化学工業社製、商品名「TMOM−pp−BPF」、下記構造式で表される化合物)
【化15】


C3:N,N’,N’’,N’’’−テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル(三和ケミカル社製、商品名「ニカラックMX−270」、下記構造式で表される化合物)
【化16】

【0168】
[(D)成分]
合成例2:アクリル樹脂D1の合成
攪拌機、窒素導入管及び温度計を備えた500mlの三口フラスコに、トルエン75g、イソプロパノール(IPA)75gを秤取し、別途に秤取したアクリル酸ブチル(BA)85g、ラウリルアクリレート(DDA)24g、アクリル酸(AA)14g、及び1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イルメタクリレート(商品名:FA−711MM、日立化成工業(株)社製)7.9gの重合性単量体、並びにアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.13gを加えた。室温にて約270rpmの攪拌回転数で攪拌しながら、窒素ガスを400ml/分の流量で30分間流し、溶存酸素を除去した。その後、窒素ガスの流入を停止し、フラスコを密閉し、恒温水槽にて約25分で65℃まで昇温した。同温度を14時間保持して重合反応を行い、アクリル樹脂D1を得た。この際の重合率は98%であった。また、このA3のGPC法の標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量(MW)は、約36,000であった。
【0169】
合成例3〜5:アクリル樹脂D2〜D4の合成
表1に示す重合性単量体を用いた以外は、合成例2と同様にしてアクリル樹脂D2〜D4をそれぞれ合成した。合成したアクリル樹脂D2〜D4の重量平均分子量を表1に示す。
【0170】
【表1】


FA−711MM:1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イルメタクリレート(日立化成工業(株)社製)
FA−712HM:2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルメタクリレート(日立化成工業(株)社製)
BA:アクリル酸n−ブチル
DDA:ラウリルアクリレート
AA:アクリル酸
X−22−2475:メタクリル変性シリコーンオイル(官能基当量:420g/mol、信越化学工業(株)社製、下記構造式で表される化合物)
【化17】


(上記式中、Yは2価の有機基を表し、Rは1価の有機基を表し、mは1〜10の整数である。)
表1中のX−22−2475のモル数は、官能基当量から算出した。
【0171】
[ポジ型感光性樹脂組成物の調製]
(A)〜(D)成分を表2に示した重量、(E)成分として乳酸エチル120g、及びカップリング剤として尿素プロピルトリエトキシシランの50%メタノール溶液2gを配合し、これを3μm孔のテフロン(登録商標)フィルターを用いて加圧ろ過して、実施例1〜12、及び比較例1〜3のポジ型感光性樹脂組成物を調製した。
【0172】
[ポジ型感光性樹脂組成物の評価](感光特性:残膜率、感度、解像度)
実施例1〜12及び比較例1〜3で得られたポジ型感光性樹脂組成物をシリコン基板上にスピンコートして、120℃で3分間加熱し、膜厚11〜13μmの塗膜を形成した。次いで、i線ステッパー(キャノン社製、商品名「FPA−3000iW」)を用いて、マスクを介してi線(365nm)で縮小投影露光した。露光後、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)の2.38%水溶液を用いて現像した。現像後の残膜厚は初期膜厚の80〜99%程度であった。その後、水でリンスし、パターン形成に必要な最小露光量及び開口している正方形ホールパターンのうち最小のものの大きさを求めた。最小露光量を感度の指標として、開口している正方形ホールパターンのうち最小のものの大きさを解像度の指標とした。結果を表3に示す。
尚、残膜率は、下式により算出した。
残膜率(%)=(現像後の塗膜の膜厚/現像前の塗膜の膜厚)×100
【0173】
(硬化収縮率)
実施例1〜12及び比較例1〜3で得られたポジ型感光性樹脂組成物をシリコン基板上にスピンコートして、120℃で3分間加熱し、膜厚約12〜14μmの塗膜を形成した。その後、前記の塗膜をプロキシミティ露光機(キャノン社製、商品名「PLA−600FA」)を用いて、マスクを介して全波長で露光を行った。露光後、TMAHの2.38%水溶液を用いて現像を行い、10mm幅の矩形パターンを得た。その後、矩形パターンを以下の(i)又は(ii)の方法で加熱処理(硬化)し、膜厚約10μmの硬化膜を得た。なお、硬化条件、及び、硬化前後の膜厚の硬化収縮率(=[1−(硬化後の膜厚/硬化前の膜厚)]×100)[%]を表3に示す。
(i)縦型拡散炉(光洋サーモシステム社製、商品名「μ−TF」)を用い、窒素中、温度175℃(昇温時間1.5時間)で2時間、塗膜を加熱処理した
(ii)周波数可変型マイクロ波硬化炉(ラムダテクノロジー社製、商品名「Microcure2100」)を用い、マイクロ波出力450W、マイクロ波周波数5.9〜7.0GHz、温度165℃(昇温時間5分間)で2時間加熱処理した。
(硬化膜物性:Tg、破断伸び、弾性率)
上述の硬化収縮率の評価と同様の方法で得た膜厚約10μmの硬化膜をシリコン基板から剥離し、剥離した膜のガラス転移温度(Tg)をセイコーインスツルメンツ社製「TMA/SS600」で測定した。測定の際、試料の幅は2mm、膜厚は9〜11μmであり、チャック間は10mmとした。荷重は10gで、昇温速度は5℃/分であった。また、硬化膜の破断伸び(EL)及び弾性率(YM)を島津製作所社製「オートグラフAGS−H100N」によって測定した。試料の幅は10mm、膜厚は9〜11μmであり、チャック間は20mmとした。引っ張り速度は5mm/分で、測定温度は室温(20℃〜25℃)程度とした。同一条件で得た硬化膜から得た5本以上の試験片の測定値の平均を「破断伸び(EL)」及び「弾性率(YM)」とした。測定されたTg、EL及びYMを表3に示す。Tgは高いことが好ましく、破断伸びは大きいことが好ましく、弾性率は小さいことが好ましい。
【0174】
(残留応力)
実施例1〜12及び比較例1〜3で得られたポジ型感光性樹脂組成物を5インチシリコン基板上にスピンコートして、120℃で3分間加熱し、膜厚約11μmの塗膜を形成した。基板上の塗膜は上記(i)又は(ii)の方法で硬化した。硬化基板の残留応力はテンコール社製応力測定装置(FLX−2320型)で測定した。測定温度は23℃である。その結果を表3に示す。残留応力は小さい程良好である。
【0175】
(比誘電率)
実施例1〜12及び比較例1〜3で得られたポジ型感光性樹脂組成物を低抵抗シリコン基板上にスピンコートして、120℃で3分間加熱し、膜厚約11μmの塗膜を形成した。基板上の塗膜は上記(i)又は(ii)の方法で硬化した。次に、硬化膜上に、直径2mmのアルミ電極を、真空蒸着装置を用いて作成した。次いで、横河電機社製LFインピーダンスアナライザHP4192Aに誘電体横河電機社製テストフィクスチャHP16451を接続した測定装置を使用し、アルミ電極とシリコン基板間の電荷容量を測定した。測定環境は室温(20℃〜25℃)、湿度40〜50%RH、測定周波数は10kHz、バイアス電圧は−35Vとした。測定した電極の電荷容量値と電極近傍の膜厚値から硬化膜の比誘電率を求めた。その結果を表3に示す。比誘電率は小さい程良好である。
【0176】
(密着性)
実施例1〜12及び比較例1〜3で得られたポジ型感光性樹脂組成物を基板(シリコン基板上にTiNをスパッタ形成後、更にそのTiN上に銅をスパッタ形成した基板)上にスピンコートして、120℃で3分間加熱し、膜厚約12〜14μmの塗膜を形成した。この塗膜を上記(i)又は(ii)の方法で硬化し、膜厚約10μmの硬化膜を得た。この硬化膜を基板とともに小片に切断し、アルミニウム製スタッドと硬化膜とをエポキシ樹脂層を介して接合した。次に、スタッドを引っ張り、剥離時の荷重を測定した。その結果を表3に示す。密着性は大きい程良好である。
【0177】
(耐熱衝撃性)
実施例1〜12及び比較例1〜3で得られたポジ型感光性樹脂組成物を再配線が形成された基板上にスピンコートして、120℃で3分間加熱し、膜厚約20μmの塗膜を形成した。この塗膜に対して、プロキシミティ露光機(キャノン社製、商品名「PLA−600FA」)を用いて、マスクを介して全波長で露光(800mJ/cm2)を行った。露光後、TMAHの2.38%水溶液にて現像を行い、200μm角のビアホールを形成したこの塗膜を上記(i)又は(ii)の方法で硬化し、カバーコート膜とした。開口部分にアンダーバリアメタルを形成後、半田ボールをバンピングし、図7に示す半導体装置と同様の配線構造を備えるテスト部品を作製した。更に、テスト部品を実装及び封止し、テストサンプルを得た。テストサンプルの温度サイクル試験(−55℃〜125℃、2000サイクル)を実施し、クラック、剥がれ等の不良の有無を目視で観察し、以下の評価基準で評価した。その結果を表3に示す。
a:2000サイクルでもクラックや剥がれ等の不良なし
b:1000サイクル後はクラックや剥がれ等の不良なし、2000サイクル後はクラックや剥がれ等の不良発生
c:1000サイクル後にクラックや剥がれ等の不良発生
【0178】
【表2】


表2中、数値は配合量(単位:g)を示す。
【0179】
【表3】

【0180】
表3から明らかなように、実施例1〜12のポジ型感光性樹脂組成物の感度は十分に高いことが分かる。また、実施例1〜12のポジ型感光性樹脂組成物から形成された硬化膜は、いずれも15%以下の低い収縮率を示した。また、実施例1〜12のポジ型感光性樹脂組成物は、175℃で硬化しても良好なTg及び破断伸びを示した。そして、実施例1のポジ型感光性樹脂組成物では、165℃でマイクロ波硬化(硬化条件ii)した場合には、175℃で熱硬化(硬化条件i)した場合とほぼ同等のTg及び破断伸びを示し、更なる低温硬化が可能であることが確認された。
更に、実施例1〜12のポジ型感光性樹脂組成物の硬化膜の弾性率は、2.5GPa以下と低弾性率であった。硬化膜の弾性率が低い場合、硬化膜が形成された基板の残留応力が低くなる傾向にある。表3から明らかなとおり、実施例1〜12のポジ型感光性樹脂組成物の硬化膜が形成された基板の残留応力は25MPa以下と低かった。
次に、表3から明らかであるように、(A)成分として、(A2)成分としてポリ(ヒドロキシスチレン)を用いた実施例1−5のポジ型感光性樹脂組成物における硬化膜の比誘電率は、3以下と良好であった。更に、スタッドプル試験と温度サイクル試験の結果から、実施例1〜12のポジ型感光性樹脂組成物の硬化膜は、銅に対する密着性にも優れる(450kgf/cm2以上)。更に耐熱衝撃性も高いため、温度サイクル試験後のテストサンプルにクラックや剥がれ等の不良は生じなかった。
一方、(D)成分を含まない比較例1〜2のポジ型感光性樹脂組成物は、解像度は高いものの、感度は500mJ/cm2以上と低かった。また、比較例1のポジ型感光性樹脂組成物は、硬化膜の破断伸びは1%と低く、脆いためにTgを測定することができなかった。また、硬化膜の弾性率が高いため、残留応力が高くなった。更に、レジストパターンの銅に対する密着性及び耐熱衝撃性も低かった。
また、(A)成分としてフェノール性水酸基のないアルカリ可溶性樹脂であるポリアミド酸(ポリイミド前駆体)を用いた比較例1〜3のポジ型感光性樹脂組成物は、感度、解像度及び密着性が低かった。
【0181】
[実施例13〜27]<ポジ型感光性樹脂組成物の調製>
(A)フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂としてA1及びA3を準備した。
A1:クレゾールノボラック樹脂(クレゾール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂、m−クレゾール/p−クレゾール(モル比)=60/40、ポリスチレン換算重量平均分子量=13000、旭有機材工業社製、商品名「EP4020G」)
A3:合成例1で得られた、炭素数4〜100の不飽和炭化水素基を有する化合物で変性されたフェノール樹脂
【0182】
(B)光により酸を生成する化合物としてB1を準備した。
B1:1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}フェニル]エタンの1−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸エステル(エステル化率約90%、AZエレクトロニックマテリアルズ社製、商品名「TPPA528」)
【0183】
(C)熱架橋剤としてC1〜C3を準備した。
C1:ヘキサキス(メトキシメチル)メラミン(三和ケミカル社製、商品名「ニカラックMW−30HM」)を準備した。
C2:1,1−ビス{3,5−ビス(メトキシメチル)−4−ヒドロキシフェニル}メタン(本州化学工業社製、商品名「TMOM−pp−BPF」)
C3:N,N’,N’’,N’’’−テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル(三和ケミカル社製、商品名「ニカラックMX−270」)
【0184】
(D)アクリル樹脂としてD1及びD3を準備した。
D1:合成例2で得られたアクリル樹脂D1
D3:合成例4で得られたアクリル樹脂D3
【0185】
(E)成分として、E1〜E4の熱により酸を発生する化合物を準備した。
E1:トリメチルスルホニウムメチルスルフェート(TSMS、フルオロケム社製)
E2:トリ−p−トリルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート(TSTMS、東京化成社製)
E3:トリメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート(MES、日立化成社製)
E4:ピリジニウム−p−トルエンスルホネート(PTS、みどり化学社製)
【0186】
溶媒成分として、溶剤乳酸エチルを準備した。
【0187】
[ポジ型感光性樹脂組成物の調製]
(A)〜(E)成分を表4、5に示した割合で配合し、さらにカップリング剤(接着助剤)として尿素プロピルトリエトキシシランの50%メタノール溶液2質量部を配合した。この溶液を3μm孔のテフロン(登録商標)フィルターを用いて加圧ろ過して、実施例13〜23のポジ型感光性樹脂組成物の溶液を調製した。表4中に示した各成分の配合割合の単位は質量部である。
【0188】
また、(E)成分を用いずに(A)〜(D)成分を表5に示した割合で配合し、さらにカップリング剤(接着助剤)として尿素プロピルトリエトキシシランの50%メタノール溶液2質量部を配合した。この溶液を3μm孔のテフロン(登録商標)フィルターを用いて加圧ろ過して、実施例24〜25のポジ型感光性樹脂組成物の溶液を調製した。表5中に示した各成分の配合割合の単位は質量部である。
【0189】
【表4】

【0190】
【表5】

【0191】
[感光性樹脂組成物の評価]
上記実施例13〜27で得られた感光性樹脂組成物の溶液を用い、以下に示す方法でパターンメルトの評価を行った。その結果を表6に示す。
(パターンメルト)
解像度評価マスクを介して1000mJ/cm2を照射した後、2.38%TMAH水溶液で現像を行った。現像後のパターンをホットプレートにより100℃/5分間、120℃/5分、150℃/5分の加熱を行いパターンの40μmのスクエアの形状を比較した。
図8は現像後のパターンの模式断面図であり、図9は硬化後のパターンの模式断面図である。図8、9中、101はSiウェハを、102は感光性樹脂組成物層を、103は感光性樹脂組成物の硬化物からなる層を、それぞれ示す。本試験においては、現像後のパターン径d1と硬化後のパターン径d2を比較し、パターン径の変化を下記式:
パターン径の変化=|硬化後のパターン径−現像後のパターン径|/現像後のパターン径
と定義し、以下の評価基準に基づいて評価した。その結果を表6に示す。
A:0〜10%
B:11〜20%
C:21〜30%
D:31%以上
【0192】
(現像後残膜率)
解像度評価マスクを介して1000mJ/cmを照射した後、2.38%TMAH水溶液で現像を行い、未露光部における現像前と現像後の膜厚を比較し、現像後残膜率を下記式:
現像後残膜率=現像後の未露光部膜厚/現像前膜厚(塗布膜厚)
と定義し、以下の評価基準に基づいて評価した。
A:0.95〜1.0
B:0.90〜0.94
C:0.80〜0.89
D:0.79以下
【0193】
(硬化膜物性:Tg、破断伸び、弾性率)
実施例2−1〜2−7、2−12、2−13で得られたポジ型感光性樹脂組成物をシリコン基板上にスピンコートして、120℃で3分間加熱し、膜厚約12〜14μmの塗膜を形成した。その後、前記の塗膜をプロキシミティ露光機(キャノン社製、商品名「PLA−600FA」)を用いて、マスクを介して全波長で露光を行った。露光後、TMAHの2.38%水溶液を用いて現像を行い、10mm幅の矩形パターンを得た。その後、矩形パターンを縦型拡散炉(光洋サーモシステム社製、商品名「μ−TF」)を用い、窒素中、温度175℃(昇温時間1.5時間)で2時間、塗膜を加熱処理(硬化)し、膜厚約10μmの硬化膜を得た。
上述の方法で得た膜厚約10μmの硬化膜をシリコン基板から剥離し、剥離した膜のガラス転移温度(Tg)をセイコーインスツルメンツ社製「TMA/SS600」で測定した。測定の際、試料の幅は2mm、膜厚は9〜11μmであり、チャック間は10mmとした。荷重は10gで、昇温速度は5℃/分であった。また、硬化膜の破断伸び(EL)及び弾性率(YM)を島津製作所社製「オートグラフAGS−H100N」によって測定した。試料の幅は10mm、膜厚は9〜11μmであり、チャック間は20mmとした。引っ張り速度は5mm/分で、測定温度は室温(20℃〜25℃)程度とした。同一条件で得た硬化膜から得た5本以上の試験片の測定値の平均を「破断伸び(EL)」及び「弾性率(YM)」とした。測定されたTg、EL及びYMを表6に示す。
【0194】
【表6】

【0195】
表6から明らかなように、実施例13〜23、26及び27のポジ型感光性樹脂組成物はパターンメルトが抑制されていることがわかる。また、実施例13〜23、26及び27のポジ型感光性樹脂組成物は熱により酸を発生する化合物を加えても、膜物性は実施例24、25に示した熱により酸を発生する化合物を加えていない材料と同等の特性を持つことが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0196】
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、電子デバイスに搭載される半導体素子の表面保護層及び層間絶縁膜や、半導体パッケージの再配線層の形成に用いることができる。
【符号の説明】
【0197】
1…半導体基板、2…保護膜、3…第1導体層、4…層間絶縁膜、5…感光性樹脂層、6A,6B,6C…窓部、7…第2導体層、8…表面保護層、11…層間絶縁膜、12…配線層、12…アンダーフィル、13…絶縁層、14…表面保護層、15…パッド部、16…再配線層、17…導電性ボール、18…コア、19…カバーコート層、20…バリアメタル、21…カラー、22…アンダーフィル、23…シリコンチップ、24…接続部、100,200,300,400…構造体、101…Siウェハ、102…感光性樹脂組成物層、103…感光性樹脂組成物の硬化物からなる層、500…半導体装置、600…半導体装置、700…半導体装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂と、
光により酸を生成する化合物と、
熱架橋剤と、
下記一般式(1)、(2)及び(3)で表される構造単位を有するアクリル樹脂と、
を含有するポジ型感光性樹脂組成物。
【化1】


【化2】


【化3】


[一般式(1)〜(3)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素数4〜20のアルキル基を表し、Rは1級、2級又は3級アミノ基を有する1価の有機基を表す。]。
【請求項2】
前記フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂が、フェノール樹脂である、請求項1に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項3】
前記フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂が、不飽和炭化水素基を有しないフェノール樹脂と、不飽和炭化水素基を有する変性フェノール樹脂とを含むものである、請求項1又は2に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項4】
前記不飽和炭化水素基を有する変性フェノール樹脂が、フェノール性水酸基と多塩基酸無水物との反応によって更に変性されているものである、請求項3に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項5】
前記不飽和炭化水素基を有する変性フェノール樹脂が、炭素数4〜100の不飽和炭化水素基を有する化合物で変性されたフェノール樹脂である、請求項3又は4に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項6】
前記不飽和炭化水素基を有しないフェノール樹脂の質量MA1と前記不飽和炭化水素基を有する変性フェノール樹脂の質量MA2との比MA1/MA2が5/95〜95/5である、請求項3〜5のいずれか一項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項7】
前記光により酸を生成する化合物が、o−キノンジアジド化合物である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項8】
前記フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂の含有量100質量部に対して、前記光により酸を生成する化合物の含有量が3〜100質量部である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項9】
熱により酸を生成する化合物を更に含有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項10】
前記熱により酸を生成する化合物が下記一般式(4)で表される構造を有する、請求項9に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【化4】


[一般式(4)中、R、R及びRは各々独立にアルキル基又はアリール基を表し、Rは水素又はフッ素を表す。]
【請求項11】
エラストマーを更に含有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載のポジ型感光性樹脂組成物を用いて形成される感光性樹脂膜を露光する工程と、
露光後の前記感光性樹脂膜をアルカリ水溶液により現像してパターン化する工程と、
パターン化された前記感光性樹脂膜を加熱する工程と、
を備えるレジストパターンの製造方法。
【請求項13】
パターン化された前記感光性樹脂膜を200℃以下で加熱する工程を含む、請求項12に記載のレジストパターンの製造方法。
【請求項14】
請求項12又は13に記載のレジストパターンの製造方法により形成されるレジストパターンを層間絶縁膜又は表面保護層として有する半導体装置。
【請求項15】
請求項12又は13に記載のレジストパターンの製造方法により形成されるレジストパターンをカバーコート層として有する半導体装置。
【請求項16】
請求項12又は13に記載のレジストパターンの製造方法により形成されるレジストパターンを再配線層用のコアとして有する半導体装置。
【請求項17】
請求項12又は13に記載のレジストパターンの製造方法により形成されるレジストパターンを外部接続端子である導電性のボールを保持するためのカラーとして有する半導体装置。
【請求項18】
請求項12又は13に記載のレジストパターンの製造方法により形成されるレジストパターンをアンダーフィルとして有する半導体装置。
【請求項19】
請求項12又は13記載のレジストパターンの製造方法により形成されるレジストパターンを再配線層用の表面保護層及び/又はカバーコート層として有する半導体装置。
【請求項20】
請求項14〜19のいずれか一項に記載の半導体装置を備える電子デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−15856(P2013−15856A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−197664(P2012−197664)
【出願日】平成24年9月7日(2012.9.7)
【分割の表示】特願2010−544019(P2010−544019)の分割
【原出願日】平成21年12月16日(2009.12.16)
【出願人】(000004455)日立化成工業株式会社 (4,649)
【Fターム(参考)】