説明

ポンプ用バルブ本体

【課題】エアチャンバーブロックと対応するポンプ用バルブのバルブ本体の側面に大きなエア供給室を形成することにより、エア供給流路の形成の自由度、エアチャンバーブロックの貫通穴の形成の自由度及びエアチャンバーブロックの取り付け容易性を高め、もって、部品部数及び組立て工程の削減、ポンプ全体の小型化を図ることができるポンプ用バルブ本体を得る。
【解決手段】ポンプ用バルブ本体であって、中央部の圧縮エア充填室と、前記中央部の圧縮エア充填室内に圧縮エアを供給する圧縮エア供給口とを備え、前記ポンプ用バルブ本体の外表面に、前記中央部の圧縮エア充填室とポンプ側のエアチャンバーとを連通する環溝状のエア供給室を形成し、前記圧縮エア供給口から前記中央部の圧縮エア充填室内に供給された圧縮エアは、前記エア供給室を介して前記ポンプ側のエアチャンバー内に供給されるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイアフラムポンプやピストンポンプなどの種々のポンプに適用可能なポンプ用バルブ本体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来において、ダイアフラムポンプやピストンポンプなどの種々のポンプに使用可能なポンプ用バルブが知られている(例えば、特許文献1乃至5参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5664940号
【特許文献2】米国特許第6158982号
【特許文献3】米国特許第5927954号
【特許文献4】米国特許第5860794号
【特許文献5】米国特許第5368452号
【0004】
一般的に、ダイアフラムポンプは、バルブによって供給される圧縮エアを駆動源として動作されるようになっている。周知であるように、左右対称に配置された2枚のダイアフラムは、軸方向に往復運動可能なセンターシャフトの各端部に配置され、バルブによって各ダイアフラムの内側に配置されたエアチャンバー内に圧縮エアが周期的に交互に供給されることにより、一対のダイアフラムの押し引き動作が繰り返されてポンピング作用が行われる。
【0005】
図10には、従来におけるダブルダイアフラムポンプに使用可能なポンプ用バルブを概略的に示す。図10に示すように、ポンプ用バルブは、圧縮エア充填室50が中央に形成されたバルブ本体51を有し、このバルブ本体51の圧縮エア充填室50には、センターシャフト52が往復移動可能に貫通している。センターシャフト52は、バルブ本体51の両側に対称に配置されたエアチャンバーを画定するエアチャンバーブロック53を貫通し、センターシャフト52の各端部にダイアフラム(図示せず)がそれぞれ取り付けられている。また、バルブ本体51の圧縮エア充填室50には、センターシャフト52に取り付けられた切替部材54が設けられている。
【0006】
バルブ本体51には、配管ブロック55が設けられ、この配管ブロック55には、圧縮エア供給口(図示せず)からバルブ本体51の圧縮エア充填室50に供給された圧縮エアを各エアチャンバー内に供給する二つのエア供給流路56、57と、圧縮エア充填室50に供給された圧縮エアを大気に解放するエア解放流路58が形成されている。そして、圧縮エア充填室50には、これらの流路56、57、58に対応するスライド部材59が、切替部材54と係合するように配置されている。
【0007】
図10の状態は、スライド部材59は、エア供給流路57とエア解放流路58とを連通すると共にエア供給流路56が圧縮エア充填室50と連通する位置にある。また、左側に配置されたエアチャンバー内の圧縮エアは、エア供給流路57及びエア解放流路58を通じて大気に排出されるようになっている。この状態で、圧縮エア供給口(図示せず)からバルブ本体51の圧縮エア充填室50に圧縮エアが供給されると、この圧縮エアは、エア供給流路56を通って図において右側に配置されたエアチャンバー内に供給され、この供給によって図において右側に配置されたダイアフラム(図示せず)が右方に動かされてセンターシャフト52を右側に動かす。このセンターシャフト52の動作によって、スライド部材59はセンターシャフト52と共に右側に動かされて、エア供給流路56とエア解放流路58とを連通して右側に配置されたエアチャンバー内の圧縮エアをエア供給流路56及びエア解放流路58を通じて大気に排出すると共に、エア供給流路57を圧縮エア充填室50と連通させる。この状態で、圧縮エア供給口(図示せず)からバルブ本体51の圧縮エア充填室50に供給された圧縮エアは、エア供給流路57を通って図において左側に配置されたエアチャンバー内に供給され、この供給によって図において左側に配置されたダイアフラム(図示せず)が左方に動かされセンターシャフト52はセンターシャフト52と共に左側に動かされる。この動作の繰り返しによってポンピング作用が行われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、図10に示されるような従来におけるポンプ用バルブは、エア供給流路56及びエア供給流路57が、そのエアチャンバー側の端部がエアチャンバーを画定するエアチャンバーブロック53の貫通穴に整合されるように、配管ブロック55に形成されている。換言すれば、エアチャンバーブロック53は、エアチャンバーブロック53の貫通穴をエア供給流路56及びエア供給流路57のエアチャンバー側の端部と整合するように形成しなければならない。さらに、エアチャンバーブロック53の取り付けの際には、エアチャンバーブロック53の貫通穴がエア供給流路56及びエア供給流路57のエアチャンバー側の端部と整合するように取り付けなければならない。
【0009】
本発明は、上述のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、エアチャンバーブロックと対応するポンプ用バルブのバルブ本体の側面に大きなエア供給室を形成することにより、エア供給流路の形成の自由度、エアチャンバーブロックの貫通穴の形成の自由度及びエアチャンバーブロックの取り付け容易性を高め、もって、部品部数及び組立て工程の削減、ポンプ全体の小型化を図ることができるポンプ用バルブ本体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、ポンプ用バルブ本体であって、中央部の圧縮エア充填室と、前記中央部の圧縮エア充填室内に圧縮エアを供給する圧縮エア供給口とを備え、前記ポンプ用バルブ本体の外表面に、前記中央部の圧縮エア充填室とポンプ側のエアチャンバーとを連通する環溝状のエア供給室を形成し、前記圧縮エア供給口から前記中央部の圧縮エア充填室内に供給された圧縮エアは、前記エア供給室を介して前記ポンプ側のエアチャンバー内に供給されるように構成したことを特徴とするポンプ用バルブ本体を提供する。
【0011】
また、本発明は、ポンプ用バルブ本体であって、中央部の圧縮エア充填室と、前記中央部の圧縮エア充填室内に圧縮エアを供給する圧縮エア供給口と、第1エアチャンバーを画定する、少なくとも一つの第1貫通穴を有する第1エアチャンバーブロックと接合される第1側面と、前記中央部の圧縮エア充填室と前記第1側面とを連通する第1連通路と、第2エアチャンバーを画定する、少なくとも一つの第2貫通穴を有する第2エアチャンバーブロックと接合される第2側面と、前記中央部の圧縮エア充填室と前記第2側面とを連通する第2連通路とを備え、前記第1側面に、環溝状の第1エア供給室を形成し、該環溝状の第1エア供給室を介して前記第1連通路と前記少なくとも一つの第1貫通穴とが連通し、前記第2側面に、環溝状の第2エア供給室を形成し、該環溝状の第2エア供給室を介して前記第2連通路と前記少なくとも一つの第2貫通穴とが連通していること、を特徴とするポンプ用バルブ本体を提供する。
【0012】
また、前記第1エア供給室と前記第2エア供給室とをほぼ同一形状の環溝状に形成されることができる。また、前記第1連通路及び前記第2連通路は、各々複数の連通路として形成されることができる。
【0013】
また、ポンプ用バルブ本体は、例えば、ダブルダイアフラムポンプあるいはピストンポンプに適用されることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ポンプ用バルブ本体であって、中央部の圧縮エア充填室と、前記中央部の圧縮エア充填室内に圧縮エアを供給する圧縮エア供給口とを備え、前記ポンプ用バルブ本体の外表面に、前記中央部の圧縮エア充填室とポンプ側のエアチャンバーとを連通する環溝状のエア供給室を形成し、前記圧縮エア供給口から前記中央部の圧縮エア充填室内に供給された圧縮エアは、前記エア供給室を介して前記ポンプ側のエアチャンバー内に供給されるように構成されるため、バルブ本体の外表面に形成された大きなエア供給室により、連通路の形成の自由度、エアチャンバーブロックの貫通穴の形成の自由度及びエアチャンバーブロックの取り付け容易性を高め、もって、部品部数及び組立て工程の削減、ポンプ全体の小型化を図ることができ、その場合にもポンプ容量を大きくすることができる。また、従来のエア供給流路に比べて連通路を短くして抵抗を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、ダイアフラムポンプに適用された本発明にかかるポンプ用バルブ本体の実施の形態を示す概略部分断面図である。
【図2】図2は、図1に示すポンプ用バルブ本体の実施の形態を示す部分拡大概略正面図である。
【図3】図3は、図1に示すポンプ用バルブ本体の実施の形態を示す部分拡大概略上面図である。
【図4】図4は、図1に示すポンプ用バルブ本体の実施の形態を示す別の部分拡大概略正面図である。
【図5】図5は、図1に示すポンプ用バルブ本体の実施の形態を示す別の部分拡大概略上面図である。
【図6】図6(a)は、本発明にかかるポンプ用バルブ本体に適用可能な切替バルブ部材の一例を示す底面図であり、図6(b)は、図6(a)のA−A断面から見た横断面図である。
【図7】図7は、圧縮エア充填室の空間の形状を概略的に示す図である。
【図8】図8は、環溝状の第1エア供給室の空間の形状及び環溝状の第2エア供給室の空間の形状をそれぞれ概略的に示す図である。
【図9】図9(a)は、ピストンポンプの上方部位に取り付けられた本発明にかかるポンプ用バルブ本体の実施の形態を示す概略部分断面図であり、図9(b)は、ピストンポンプの中央部位に取り付けられた本発明にかかるポンプ用バルブ本体の実施の形態を示す概略部分断面図である。
【図10】図10は、従来におけるポンプ用バルブ本体の一例を示す部分拡大概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明にかかるポンプ用バルブ本体を実施するための最良の形態について図面を参照しながら述べる。本発明にかかるポンプ用バルブ本体は、ダイアフラムポンプやピストンポンプなどの種々のポンプに適用可能であり、図1には、ダブルダイアフラムポンプに適用されたポンプ用バルブ本体1を示している。図1に示すように、ポンプ用バルブ本体1には、ダイアフラムカバー60、61が取り付けられている。ダイアフラムカバー60、61には、ボールバルブを有する液体流入用インレットマニホールド62と、ボールバルブを有する液体送り出し用アウトレットマニホールド63が取り付けられている。
【0017】
ダイアフラムカバー60、61の中には、ダイアフラムチャンバー64、65がそれぞれ形成されている。ダイアフラム66は、ダイアフラムカバー60と第1エアチャンバーブロック67との間でクランプされており、ダイアフラムチャンバー64を第1エアチャンバー68から隔絶している。同様に、ダイアフラム69は、ダイアフラムカバー61と第2エアチャンバーブロック70との間でクランプされており、ダイアフラムチャンバー65を第2エアチャンバー71から隔絶している。
【0018】
二つのダイアフラム66、69は、ポンプ用バルブ本体1の中央部に形成された圧縮エア充填室2を(図2において左右方向に)往復移動可能に貫通したセンターシャフト3の各端部にそれぞれ取り付けられている。センターシャフト3は、バルブ本体1の両側に対称に配置された、第1エアチャンバー68を画定する第1エアチャンバーブロック67と、第2エアチャンバー71を画定する第2エアチャンバーブロック70をそれぞれ貫通しており、圧縮エア充填室2内に配置された切替部材72が、切替ピン74によってセンターシャフト3と一体にスライド移動可能に取り付けられている。
【0019】
図2、3によく示すように、ポンプ用バルブ本体1は、その中央部に形成された圧縮エア充填室2内に図示しない供給源から圧縮エアを供給する圧縮エア供給口73を有する。第1エアチャンバーブロック67は、バルブ本体1側の側面に少なくとも一つの第1貫通穴4を有し、第2エアチャンバーブロック70は、バルブ本体1側の側面に少なくとも一つの第2貫通穴5を有する。ポンプ用バルブ本体1は、第1エアチャンバーブロック67と接合される第1側面6と、第2エアチャンバーブロック70と接合される第2側面7とを有する。第1側面6の外表面上には、第1エアチャンバーブロック67の少なくとも一つの第1貫通穴4と連通するように概ね環溝状に形成された大きな第1エア供給室9が形成されており、同様に、第2側面7の外表面上には、第2エアチャンバーブロック70の少なくとも一つの第2貫通穴5と連通するように概ね環溝状に形成された大きな第2エア供給室10が形成されている。第1エア供給室9と第2エア供給室10は、空間対称的にほぼ同一形状の大きな環溝状に形成することができる。図7には、圧縮エア充填室2の空間20の形状を概略的に示し、図8には、環溝状の第1エア供給室9の空間30の形状及び環溝状の第2エア供給室10の空間40の形状をそれぞれ概略的に示している。
【0020】
ポンプ用バルブ本体1は、図2及び図6(a)、(b)に示す切替バルブ部材8が取り付けられており、この切替バルブ部材8には、圧縮エア充填室2と第1側面6の環溝状の第1エア供給室9とを連通する第1連通路11と、圧縮エア充填室2と第2側面7の環溝状の第2エア供給室10とを連通する第2連通路12と、圧縮エア充填室2に供給された圧縮エアを大気に解放するエア解放通路13とが形成されている。第1連通路11は、圧縮エア供給口73(図3参照)からバルブ本体1の圧縮エア充填室2に供給された圧縮エアを環溝状の第1エア供給室9を介して第1エアチャンバーブロック67によって画定された第1エアチャンバー68内に供給するためのものである。同様に、第2連通路12は、圧縮エア供給口73(図3参照)からバルブ本体1の圧縮エア充填室2に供給された圧縮エアを環溝状の第2エア供給室10を介して第2エアチャンバーブロック70によって画定された第2エアチャンバー71内に供給するためのものである。そして、圧縮エア充填室2には、これらの通路11、12、13に対応するスライド部材14が、切替部材72と係合するように配置されている。
【0021】
図2及び図6(a)、(b)に示すように、第1連通路11は、第1分流路11aによって二つに枝分かれして第1側面6の環溝状の第1エア供給室9と連通するようになっており、同様に、第2連通路12は、第2分流路12aによって二つに枝分かれして第2側面7の環溝状の第2エア供給室10と連通するようになっている。従って、第1側面6に形成された大きな環溝状の第1エア供給室9を介して第1連通路11と少なくとも一つの第1貫通穴4とが連通しており、第2側面7に形成された大きな環溝状の第2エア供給室10を介して第2連通路12と少なくとも一つの第2貫通穴5とが連通している。このように、ポンプ用バルブ本体1は、3つのエア空間、すなわち、図7に示すような圧縮エア充填室2の空間20と、図8に示すような環溝状の第1エア供給室9の空間30及び環溝状の第2エア供給室10の空間40を有した構成で形成されている。なお、図示の第1連通路11及び第2連通路12は、切替バルブ部材8に各々複数の連通路として形成することができる。また、第1連通路11及び第2連通路12は、三つ股以上に枝別れした連通路に形成することができるし、あるいは、全く枝別れしない単一の連通路に形成することも可能である。また、図示の実施例は、切替バルブ部材8がセンターシャフト3の軸方向に対して直交する方向においてセンターシャフト3に対して対称に配置された二つのバルブで構成されているが、一つの切替バルブだけで構成することも可能である。
【0022】
次に動作について説明する。図2及び図3の状態では、スライド部材14が第2連通路12とエア解放通路13とを連通すると共に、第1連通路11が圧縮エア充填室2と第1側面6の環溝状の第1エア供給室9とを連通する位置にある。また、第2エアチャンバーブロック70によって画定された第2エアチャンバー71内の圧縮エアは、第2連通路12及びエア解放通路13を通じて大気に排出されるようになっている。この状態で、圧縮エア供給口73からバルブ本体1の圧縮エア充填室2に圧縮エアが供給されると、この圧縮エアは、第1連通路11を通り、環溝状の第1エア供給室9を介して第1エアチャンバーブロック67の少なくとも一つの第1貫通穴4を通って第1エアチャンバー68内に供給される。この供給によって図1において右側に配置されたダイアフラム66が右方に動かされてセンターシャフト3を右側に動かし、このセンターシャフト3の動作によって、スライド部材14はセンターシャフト3と共に右側に動かされて第2連通路12とエア解放通路13との連通を解除し、図4及び図5に示すように、第1連通路11とエア解放通路13とを連通して第1エアチャンバーブロック67によって画定された第1エアチャンバー68内の圧縮エアを第1連通路11及びエア解放通路13を通じて大気に排出する。この状態で、圧縮エア供給口73からバルブ本体1の圧縮エア充填室2に圧縮エアが供給されると、この圧縮エアは、第2連通路12を通り、環溝状の第2エア供給室10を介して第2エアチャンバーブロック70の少なくとも一つの第2貫通穴5を通って第2エアチャンバー71内に供給される。この供給によって図1において左側に配置されたダイアフラム69が左方に動かされてセンターシャフト3を左側に動かし、このセンターシャフト3の動作によって、スライド部材14はセンターシャフト3と共に左側に動かされて第1連通路11とエア解放通路13との連通を解除し、図2及び図3に示すように再び第2連通路12とエア解放通路13とを連通する。この動作の繰り返しによってポンピング作用が行われる。
【0023】
上述の実施例では、ポンプ用バルブ本体1は、ダイアフラムポンプに適用されているが、図9(a)、(b)に示すように、ポンプ用バルブ本体1は、センターシャフト3に取り付けられシリンダー76内で摺動可能なピストン77を有するピストンポンプ75に適用されることができる。図9(a)には、ポンプ用バルブ本体1がピストンポンプの上方に取り付けられた一例を示し、図9(b)には、ポンプ用バルブ本体1がピストンポンプの中央に取り付けられた一例を示している。
【0024】
図9(a)、(b)に示す例では、ピストンポンプ75のシリンダー76内のピストン77によって隔離された一方の圧力室が第1エアチャンバー68となり、他方の圧力室が第2エアチャンバー71となる。そして、第1エアチャンバー68を画定する、少なくとも一つの第1貫通穴(図示せず)を有する第1エアチャンバーブロックとしてのシリンダーブロック78が第1側面6と接合するようになっている。また、第2側面7は、ピストンポンプ75のシリンダー76側とは反対のポンプカバー79側に固定されている。
【0025】
第1連通路11は第1分流路11aによって第1側面6の第1エア供給室9と連通し、第1エア供給室9はシリンダーブロック78の少なくとも一つの第1貫通穴(図示せず)と連通し、従って、第1連通路11は、圧縮エア充填室2に供給された圧縮エアを第1エア供給室9を介してシリンダーブロック78によって画定された第1エアチャンバー68内に供給される。一方、第2連通路12は、第2分流路12aが連結管80によって第2エアチャンバー71と連通するようになっており、第2連通路12は、圧縮エア充填室2に供給された圧縮エアを第2エア供給室10及び連結管80を介して第2エアチャンバー71内に供給される。このように、本発明にかかるポンプ用バルブ本体1は、ダブルダイアフラムポンプに適用された形態でピストンポンプに適用することができる。なお、ポンプ用バルブ本体1をピストンポンプに適用する場合、ポンプ用バルブ本体1に第2エア供給室10が形成されていなくても良い。
【符号の説明】
【0026】
1 ポンプ用バルブ本体
2 圧縮エア充填室
3 センターシャフト
4 第1貫通穴
5 第2貫通穴
6 第1側面
7 第2側面
8 切替バルブ部材
9 第1エア供給室
10 第2エア供給室
11 第1連通路
11a 第1分流路
12 第2連通路
12a 第2分流路
13 エア解放通路
14 スライド部材
20 圧縮エア充填室の空間
30 第1エア供給室の空間
40 第2エア供給室の空間
60 ダイアフラムカバー
61 ダイアフラムカバー
62 液体流入用インレットマニホールド
63 液体送り出し用アウトレットマニホールド
64 ダイアフラムチャンバー
65 ダイアフラムチャンバー
66 ダイアフラム
67 第1エアチャンバーブロック
68 第1エアチャンバー
69 ダイアフラム
70 第2エアチャンバーブロック
71 第2エアチャンバー
72 切替部材
73 圧縮エア供給口
74 切替ピン
75 ピストンポンプ
76 シリンダー
77 ピストン
78 シリンダーブロック
79 ポンプカバー
80 連結管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプ用バルブ本体であって、
中央部の圧縮エア充填室と、
前記中央部の圧縮エア充填室内に圧縮エアを供給する圧縮エア供給口とを備え、
前記ポンプ用バルブ本体の外表面に、前記中央部の圧縮エア充填室とポンプ側のエアチャンバーとを連通する環溝状のエア供給室を形成し、前記圧縮エア供給口から前記中央部の圧縮エア充填室内に供給された圧縮エアは、前記エア供給室を介して前記ポンプ側のエアチャンバー内に供給されるように構成したことを特徴とするポンプ用バルブ本体。
【請求項2】
ポンプ用バルブ本体であって、
中央部の圧縮エア充填室と、
前記中央部の圧縮エア充填室内に圧縮エアを供給する圧縮エア供給口と、
第1エアチャンバーを画定する、少なくとも一つの第1貫通穴を有する第1エアチャンバーブロックと接合される第1側面と、
前記中央部の圧縮エア充填室と前記第1側面とを連通する第1連通路と、
第2エアチャンバーを画定する、少なくとも一つの第2貫通穴を有する第2エアチャンバーブロックと接合される第2側面と、
前記中央部の圧縮エア充填室と前記第2側面とを連通する第2連通路とを備え、
前記第1側面に、環溝状の第1エア供給室を形成し、該環溝状の第1エア供給室を介して前記第1連通路と前記少なくとも一つの第1貫通穴とが連通し、
前記第2側面に、環溝状の第2エア供給室を形成し、該環溝状の第2エア供給室を介して前記第2連通路と前記少なくとも一つの第2貫通穴とが連通していること、
を特徴とするポンプ用バルブ本体。
【請求項3】
請求項2記載のポンプ用バルブ本体において、
前記第1エア供給室と前記第2エア供給室は、ほぼ同一形状の環溝状に形成されていることを特徴とするポンプ用バルブ本体。
【請求項4】
請求項2叉は3に記載のポンプ用バルブ本体において、
前記第1連通路及び前記第2連通路は、各々複数の連通路として形成されていることを特徴とするポンプ用バルブ本体。
【請求項5】
請求項1乃至4のうちのいずれか一つに記載のポンプ用バルブ本体において、
前記ポンプ用バルブ本体は、ダブルダイアフラムポンプに適用されることを特徴とするポンプ用バルブ本体。
【請求項6】
請求項1乃至4のうちのいずれか一つに記載のポンプ用バルブ本体において、
前記ポンプ用バルブ本体は、ピストンポンプに適用されることを特徴とするポンプ用バルブ本体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図10】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−117364(P2011−117364A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−275371(P2009−275371)
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(000179395)株式会社ヤマダコーポレーション (18)
【Fターム(参考)】