説明

マイクロエレクトロニクスデバイスからイオン注入フォトレジスト層をクリーニングするための配合物

高密度パターン化マイクロエレクトロニクスデバイスから、バルクフォトレジストおよびイオン注入フォトレジストおよび/またはエッチング後の残留材料を除去するための方法および組成物を記載する。本組成物は、共溶媒と、キレート剤と、任意にイオン対試薬と、任意に界面活性剤とを含む。本組成物は、高密度流体をさらに含むことができる。本組成物は、下にあるケイ素含有層および金属相互接続材料を実質的にオーバーエッチングすることなく、マイクロエレクトロニクスデバイスからフォトレジストおよび/またはエッチング後の残留材料を効果的に除去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、マイクロエレクトロニクスデバイスの表面からの、バルクフォトレジストおよびイオン注入フォトレジストおよび/またはエッチング後の残留物の除去に有用な組成物、ならびにそれらの除去のための前記組成物を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
半導体デバイスが、より集積化され小型化されるようになるにつれて、マイクロエレクトロニクスデバイス内の不純物分布を正確に制御するために、ならびに、ドーパント原子、たとえば、As、B、P、In、およびSbを、露出されたデバイス層に加えるために、イオン注入が、フロントエンドオブライン(front−end−of−line)(FEOL)処理の間、広く用いられている。ドーパント不純物の濃度および深さは、ドーパントの線量、加速エネルギー、およびイオン電流を変えることによって制御される。その後の処理の前、イオン注入フォトレジスト層を除去しなければならない。たとえば硫酸および過酸化水素の混合溶液中の、湿式化学エッチングプロセス、ならびに、たとえば酸素プラズマアッシングプロセスにおける、乾式プラズマエッチングプロセスを含むが、これらに限定されない、さまざまなプロセスが、前記レジストの除去用に従来用いられていきた。
【0003】
残念ながら、高線量のイオン(たとえば、約1×1015イオン/cmより大きい線量)が所望の層内に注入されるとき、それらは、また、フォトレジスト層、特にフォトレジストの露出表面全体にわたって注入され、これは、物理的にかつ化学的に剛性になる。炭化領域または「クラスト」とも呼ばれる、剛性のイオン注入フォトレジスト層は、除去することが困難であることが判明している。
【0004】
したがって、結果として生じる炭化領域の低水素濃度のため、イオン注入フォトレジスト層を除去するために、付加的な、複雑な、時間がかかり、かつ費用のかかるプロセスが、必要とされている。
【0005】
現在、イオン注入フォトレジストおよび他の汚染物の除去は、通常、プラズマエッチング方法、次いで、典型的には水性ベースのエッチャント配合物を使用する、多工程ウェットストリッププロセスによって行われて、フォトレジスト、エッチング後の残留物、および他の汚染物を除去する。当該技術におけるウェットストリップ処理は、一般に、強酸、塩基、溶媒、および酸化剤の使用を伴う。しかし、不利に、ウェットストリップ処理は、また、基板およびゲート酸化物などの、下にあるケイ素含有層をエッチングし、および/またはゲート酸化物厚さを増加させる。
【0006】
特徴サイズが減少し続けるにつれて、先行技術の水性ベースのエッチャント配合物を使用して、上記クリーニング要件を満たすことが非常に困難になっている。水は、高表面張力を有し、これは、高アスペクト比を有する、より小さいイメージノードへのアクセスを制限または防止し、したがって、隙間または溝内の残留物を除去することが、より困難になる。さらに、水性ベースのエッチャント配合物は、しばしば、蒸発乾燥すると、前に溶解した溶質をトレンチまたはビア内に後に残し、これは、伝導を抑制し、デバイス歩留りを低減する。さらに、下にある多孔性低k誘電体材料が、水などの高表面張力液体の毛管応力に耐えるのに十分な機械的強度を有さず、構造のパターン崩壊をもたらす。水性エッチャント配合物は、また、誘電率、機械的強度、湿気取込み、熱膨張係数、および異なる基板への接着を含む、低k材料の重要な材料特性を強く変更することができる。超臨界流体(SCF)を含む高密度流体が、マイクロエレクトロニクスデバイスから、バルクフォトレジストおよびイオン注入フォトレジストおよび/またはエッチング後の残留物を除去するための代替方法をもたらす。SCFは、急速に拡散し、低粘度、ほぼゼロの表面張力を有し、深いトレンチおよびビア内に容易に浸透することができる。さらに、それらの低粘度のため、SCFは、溶解した種を急速に輸送することができる。しかし、SCFは高度に非極性であり、したがって、多くの種がそれらに適切に可溶化されない。
【0007】
最近、共溶媒を含有する超臨界二酸化炭素(SCCO)組成物が、ブランケットウェーハおよびパターン化ウェーハの両方のSi/SiO領域からのバルクフォトレジストおよびイオン注入レジストの除去を向上させるために使用されている。しかし、SCCOおよび共溶媒のみを含有する組成物は、ウェーハ表面からイオン注入レジストの100%を除去することができないことが判明している。
【0008】
その目的に向けて、イオン注入レジストについての前記組成物の除去能力を向上させるために、付加的な成分をSCCO組成物に加えなければならない。重要なことに、組成物全体が、下にあるSi/SiO層(すなわち、ゲート酸化物(たとえば、熱的にまたは化学的に成長させたSiO)、低k誘電体、および下にあるケイ素含有基板)を実質的にオーバーエッチングしないで、高密度パターン化表面からイオン注入レジストを効率的に除去しなければならない。特徴サイズの減少と同一の広がりで(Co−extensive)、下にあるケイ素含有層の深さも減少しており、厚さ約1nmに急速に近づいている。換言すれば、前記下にあるケイ素含有層の1オングストロームより大きい損失が、下にある表面の、実質的な(10%より大きい)、かつ受入れられないオーバーエッチングである。
【0009】
たとえば、フッ化アンモニウム、トリエチルアミントリヒドロフルオリド、フッ化水素酸などのさまざまな源からのフッ化物イオンが、イオン注入フォトレジストを効果的に除去することが知られているが、フッ化物イオンは、また、ケイ素含有材料に対する溶液のエッチング速度を増加させる。したがって、フッ化物イオンが除去組成物中に存在するとき、下にあるケイ素含有材料のエッチングを実質的に抑制するために、付加的な種が好ましくは存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、マイクロエレクトロニクスデバイスからのイオン注入フォトレジストの除去に関連する先行技術の欠陥を克服する向上された組成物を提供することが、当該技術における著しい進歩であろう。向上された組成物は、液体として、または高密度流体相中で有用である。向上された組成物は、下にあるケイ素含有層を実質的にオーバーエッチングすることなく、バルクフォトレジストおよびイオン注入フォトレジストおよび/またはエッチング後の残留物を効果的に除去するものとする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
発明の概要
本発明は、高密度パターン化マイクロエレクトロニクスデバイスの表面からの、バルクフォトレジストおよびイオン注入フォトレジストおよび/またはエッチング後の残留物の除去に有用な組成物、ならびにそれらの除去のための前記組成物を使用する方法に関する。
【0012】
一態様において、本発明は、少なくとも1つの共溶媒と、少なくとも1つのキレート剤と、任意に少なくとも1つのイオン対剤(ion pairing agent)と、任意に少なくとも1つの界面活性剤とを含む除去組成物であって、バルクフォトレジストおよびイオン注入フォトレジストおよび/またはエッチング後の残留材料を、その上に前記材料を有するマイクロエレクトロニクスデバイスから除去するのに適している除去組成物に関する。好ましい実施形態において、除去組成物は高密度流体をさらに含む。
【0013】
さらに別の態様において、本発明は、1つ以上の容器内に、除去組成物試薬を含むキットであって、除去組成物が、少なくとも1つの共溶媒と、少なくとも1つのキレート剤と、任意に少なくとも1つのイオン対試薬と、任意に少なくとも1つの界面活性剤とを含み、キットが、バルクフォトレジストおよびイオン注入フォトレジストおよび/またはエッチング後の残留材料を、その上に前記材料を有するマイクロエレクトロニクスデバイスから除去するのに適した除去組成物を形成するように適合される、キットに関する。
【0014】
さらなる態様において、本発明は、バルクフォトレジストおよびイオン注入フォトレジストおよび/またはエッチング後の残留材料を、その上に前記材料を有するマイクロエレクトロニクスデバイスから除去する方法であって、前記方法が、マイクロエレクトロニクスデバイスから前記材料を少なくとも部分的に除去するのに十分な時間、マイクロエレクトロニクスデバイスを除去組成物と接触させる工程を含み、除去組成物が、少なくとも1つの共溶媒と、少なくとも1つのキレート剤と、任意に少なくとも1つのイオン対剤と、任意に少なくとも1つの界面活性剤と、を含む、方法に関する。好ましい実施形態において、除去組成物は高密度流体をさらに含む。
【0015】
別の態様において、本発明は、バルクフォトレジストおよびイオン注入フォトレジストおよび/またはエッチング後の残留材料を、その上に前記材料を有するマイクロエレクトロニクスデバイスから除去する方法であって、前記方法が、マイクロエレクトロニクスデバイスから前記材料を少なくとも部分的に除去するのに十分な時間、マイクロエレクトロニクスデバイスを除去組成物と接触させる工程を含み、前記除去組成物が、少なくとも1つの除去濃縮物と、少なくとも1つの高密度流体とを含み、前記除去濃縮物が、少なくとも1つの共溶媒と、少なくとも1つのキレート剤と、任意に少なくとも1つのイオン対剤と、任意に少なくとも1つの界面活性剤とを含む、方法に関する。
【0016】
さらに別の態様において、本発明は、マイクロエレクトロニクスデバイスを製造する方法であって、前記方法が、バルクフォトレジストおよびイオン注入フォトレジストおよび/またはエッチング後の残留材料を、その上に前記材料を有するマイクロエレクトロニクスデバイスから少なくとも部分的に除去するのに十分な時間、マイクロエレクトロニクスデバイスを除去組成物と接触させる工程を含み、除去組成物が、少なくとも1つの共溶媒と、少なくとも1つのキレート剤と、任意に少なくとも1つのイオン対剤と、任意に少なくとも1つの界面活性剤と、を含む方法に関する。好ましい実施形態において、除去組成物は高密度流体をさらに含む。
【0017】
本発明の他の態様、特徴、および実施形態は、次の開示および添付の特許請求の範囲からより完全に明らかであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
発明およびその好適な実施形態の詳細な説明
本発明は、下にあるケイ素含有層の一体性を維持しながらの、高密度パターン化マイクロエレクトロニクスデバイスの表面からの、バルクフォトレジストおよびイオン注入フォトレジストおよび/またはエッチング後の残留物の除去に非常に有効である組成物の発見に基いている。特に、本発明は、イオン注入フォトレジストを、下にあるSi/SiO層に対して選択的に除去する液体組成物および高密度流体組成物に関する。
【0019】
ここで使用されるような「バルクフォトレジスト」は、マイクロエレクトロニクスデバイス表面上の、具体的には、イオン注入フォトレジストクラストの下の、および/またはイオン注入フォトレジストクラストに隣接した、非炭化フォトレジストに相当する。
【0020】
ここで定義されるような「高密度パターン化」は、線および空間寸法、ならびにフォトレジスト中にフォトリソグラフィによって製造された狭いソース/ドレイン領域に相当する。好ましくは、高密度パターン化マイクロエレクトロニクスデバイスは、100nm未満の特徴、好ましくは50nm未満の特徴、たとえば32nmを有するものに相当する。高密度パターン化マイクロエレクトロニクスデバイスは、ブランケットフォトレジストまたは非高密度パターン化フォトレジストより、クリーニングすることが困難であり、というのは、イオン注入クラストがフォトレジストの頂部および側壁上に形成するため、除去するべき、より多くのフォトレジストクラスト、すなわち、より高い表面積があり、より小さい線および穴のクリーニングがより難しいからである。
【0021】
ここで使用されるように、「下にあるケイ素含有」層は、ケイ素;酸化ケイ素;窒化ケイ素;ゲート酸化物(たとえば、熱的にまたは化学的に成長させたSiO);ハードマスク;および低kケイ素含有材料を含む、バルクフォトレジストおよび/またはイオン注入フォトレジストの下にある層に相当する。ここで定義されるように、「低kケイ素含有材料」は、約3.5未満の誘電率を有する、層状マイクロエレクトロニクスデバイス内で誘電体材料として使用されるいかなる材料にも相当する。好ましくは、低k誘電体材料としては、ケイ素含有有機ポリマー、ケイ素含有混成有機/無機材料、有機ケイ酸塩ガラス(OSG)、TEOS、フッ素化ケイ酸塩ガラス(fluorinated silicate glass)(FSG)、二酸化ケイ素、および炭素ドープ酸化物(CDO)ガラスなどの低極性材料が挙げられる。低k誘電体材料が、さまざまな密度およびさまざまな多孔度を有することができることが理解されるべきである。
【0022】
「マイクロエレクトロニクスデバイス」は、マイクロエレクトロニクス、集積回路、またはコンピュータチップ用途における使用のために製造された、半導体基板、フラットパネルディスプレイ、およびマイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)に相当する。「マイクロエレクトロニクスデバイス」という用語が、決して限定することが意図されず、最終的にマイクロエレクトロニクスデバイスまたはマイクロエレクトロニクスアセンブリになるいかなる基板も含むことが理解されるべきである。
【0023】
ここで使用されるような「高密度流体」は、超臨界流体または亜臨界流体に相当する。「超臨界流体」という用語は、意図された化合物の圧力−温度図における、臨界温度T以上、および臨界圧力P以上の条件下にある材料を示すために、ここで使用される。本発明に使用される好ましい超臨界流体は、COであり、これは、単独で、または、Ar、NH、N、CH、C、CHF、C、n−C、HO、NOなどの別の添加剤との混合物で使用することができる。「亜臨界流体」という用語は、亜臨界状態の、すなわち、溶媒と関連する臨界温度未満および/または臨界圧力未満の溶媒を説明する。好ましくは、亜臨界流体は、さまざまな密度の高圧液体である。
【0024】
ここで定義されるように、「実質的にオーバーエッチングする」は、下にある層を有するマイクロエレクトロニクスデバイスでの、本発明の除去組成物の、本発明のプロセスによる、接触後の、隣接した下にあるケイ素含有層の約10%より大きい除去、より好ましくは約5%より大きい除去、最も好ましくは約2%より大きい除去に相当する。
【0025】
ここで定義されるように、「エッチング後の残留物」は、たとえばBEOLデュアルダマシン処理などの気相プラズマエッチングプロセス後残る材料に相当する。エッチング後の残留物は、性質が有機、有機金属、有機ケイ酸(organosilicic)、または無機であることができ、たとえば、ケイ素含有材料、炭素ベースの有機材料、および酸素およびフッ素を含むがこれらに限定されないエッチングガス残留物であることができる。
【0026】
ここで使用されるように、「約」は、記載された値の±5%に相当することが意図される。
【0027】
ここで使用されるように、バルクフォトレジストおよびイオン注入フォトレジストおよび/またはエッチング後の残留材料を、その上に前記材料を有するマイクロエレクトロニクスデバイスから除去するための「適性」は、マイクロエレクトロニクスデバイスからの前記材料の少なくとも部分的な除去に相当する。好ましくは、材料の少なくとも90%が、本発明の組成物を使用して、マイクロエレクトロニクスデバイスから除去され、より好ましくは材料の少なくとも95%、最も好ましくは材料の少なくとも99%が、除去される。
【0028】
重要なことに、本発明の高密度流体組成物は、良好な金属適合性、たとえば、金属上の低エッチング速度を所有しなければならない。関心のある金属としては、銅、タングステン、コバルト、アルミニウム、タンタル、チタン、およびルテニウムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
その容易に製造される特徴、およびその毒性の欠如、および無視できるほどの環境影響のため、超臨界二酸化炭素(SCCO)が、本発明の広い実施において、好ましい相である。SCCOは、マイクロエレクトロニクスデバイスプロセス汚染物の除去のための魅力的な試薬であり、というのは、SCCOが、液体および気体の両方の特徴を有するからである。気体のように、それは、急速に拡散し、低粘度、ほぼゼロの表面張力を有し、深いトレンチおよびビア内に容易に浸透する。液体のように、それは、「洗浄」媒体としてのバルク流れ能力を有する。SCCOは、有機溶媒に匹敵する密度を有し、また、リサイクル可能であるという利点を有し、したがって、廃棄物保管および処分要件を最小にする。
【0030】
表面上は、SCCOは、ネガティブトーンおよびポジティブトーンバルクレジスト、コントラスト向上層(CEL)、反射防止コーティング(ARC)、およびイオン注入フォトレジストの除去のための魅力的な試薬であり、というのは、すべてが、性質が有機であるからである。しかし、純SCCOが、前記材料を可溶化するための十分に効果的な媒体であることが判明していない。さらに、極性共溶媒だけ、たとえばアルコールの、SCCOへの添加が、材料の、SCCO組成物への可溶性を実質的に向上させていない。したがって、マイクロエレクトロニクスデバイス表面からのイオン注入フォトレジストおよび他の材料の除去を向上させるために、SCCO組成物を修正することが引続き必要とされている。
【0031】
本発明は、SCCOと、以下でより完全に説明されるような他の添加剤とを含む除去組成物の適切な配合、ならびに、前記除去媒体で、高密度パターン化マイクロエレクトロニクスデバイスから、バルクフォトレジストおよびイオン注入フォトレジストおよび/またはエッチング後の残留物を除去することが、非常に効果的であり、下にあるケイ素含有層および金属相互接続材料を実質的にオーバーエッチングしないという付随する発見によって、SCCOの非極性と関連する欠点を克服する。
【0032】
本発明の組成物は、以下でより完全に説明されるように、多種多様な特定の配合物で具体化することができる。
【0033】
組成物の特定の成分が、ゼロの下限を含む重量パーセンテージ範囲に関して説明される、すべてのそのような組成物において、そのような成分が、組成物のさまざまな特定の実施形態において、存在するか不在であることができること、および、そのような成分が存在する場合、それらが、そのような成分が使用される組成物の総重量を基準にして、0.01重量パーセントの低い濃度で存在することができることが理解されるであろう。
【0034】
一態様において、本発明は、マイクロエレクトロニクスデバイスから、バルクフォトレジスト、イオン注入レジスト、および/またはエッチング後の残留材料を除去するのに有用な液体除去組成物に関する。一の実施形態による液体除去組成物は、組成物の総重量を基準にして、次の範囲内で存在する、少なくとも1つの共溶媒と、少なくとも1つのキレート剤と、任意に少なくとも1つのイオン対試薬と、任意に少なくとも1つの界面活性剤とを含む。
【0035】
【表1】

【0036】
一態様において、液体除去組成物中における共溶媒対キレート剤のモル比の範囲は、約10:1から約3500:1、より好ましくは約100:1から約1000:1であり;共溶媒対界面活性剤(存在する場合)のモル比の範囲は、約300:1から約7000:1、より好ましくは約300:1から約1000:1であり;共溶媒対イオン対(存在する場合)のモル比の範囲は、約300:1から約7000:1、より好ましくは約300:1から約1000:1である。
【0037】
本発明の広い実施において、液体除去組成物は、少なくとも1つの共溶媒と、少なくとも1つのキレート剤と、任意に少なくとも1つのイオン対剤と、任意に少なくとも1つの界面活性剤とを含むか、からなるか、から本質的になることができる。一般に、互いに対する、共溶媒、キレート剤、任意のイオン対剤、および任意の界面活性剤の、特定の割合および量は、過度の労力を伴わずに当該技術の範囲内で容易に決定できるように、バルクフォトレジストおよびイオン注入フォトレジスト、エッチング後の残留物、および/または処理設備についての、液体除去組成物の所望の除去作用をもたらすように、適切に変えることができる。
【0038】
別の態様において、本発明は、マイクロエレクトロニクスデバイスから、バルクフォトレジスト、イオン注入レジスト、および/またはエッチング後の残留材料を除去するのに有用な高密度流体除去組成物であって、組成物の総重量を基準にして、次の範囲内で存在する、液体除去組成物、すなわち、濃縮物と、高密度CO、好ましくはSCCOとを含む高密度流体除去組成物に関する。
【0039】
【表2】

【0040】
好ましくは、
【0041】
【表3】

【0042】
本発明の広い実施において、高密度流体除去組成物は、高密度COと、少なくとも1つの共溶媒と、少なくとも1つのキレート剤と、任意に少なくとも1つのイオン対剤と、任意に少なくとも1つの界面活性剤とを含むか、からなるか、から本質的になることができる。一般に、互いに対する、SCCO、共溶媒、キレート剤、任意のイオン対剤、および任意の界面活性剤の、特定の割合および量は、過度の労力を伴わずに当該技術の範囲内で容易に決定できるように、バルクフォトレジストおよびイオン注入フォトレジスト、エッチング後の残留物、および/または処理設備についての、高密度流体除去組成物の所望の除去作用をもたらすように、適切に変えることができる。
【0043】
一態様において、高密度流体除去組成物中における液体除去組成物対SCCOのモル比の範囲は、約1:200から約1:4、より好ましくは約1:100から約1:6である。
【0044】
本発明の除去組成物に有用な共溶媒種は、アルコール、アミド、ケトン、エステルなどを含む、いかなる適切なタイプのものであることができる。例示的な種としては、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、および高級アルコール(ジオール、トリオールなどを含む)、エーテル、N−メチル−、N−オクチル−、またはN−フェニル−ピロリドンなどのN−アルキルピロリドンまたはN−アリールピロリドン、スルホラン、酢酸エチル、アルカン(直鎖、分枝、または環状)、アルケン(直鎖、分枝、または環状)、高フッ素化炭化水素(ペルフルオロ化合物およびモノフッ素化化合物を含む)、アミン、フェノール、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、アセトン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ピリジン、トリエチルアミン、アセトニトリル、グリコール、ブチルカルビトール、メチルカルビトール、ヘキシルカルビトール、モノエタノールアミン、ブチロールラクトン、ジグリコールアミン、テトラメチレンスルホン、ジエチルエーテル、乳酸エチル、安息香酸エチル、エチレングリコール、ジオキサン、ピリジン、γ−ブチロラクトン、ブチレンカーボネート、エチレンカーボネート、およびプロピレンカーボネート、ならびにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。メタノール、水、およびDMSOが、特に好ましい。
【0045】
理論に縛られることを望まないが、本発明の除去組成物中のキレート剤が、下にあるケイ素含有層とクラストとの間の弱い界面結合を破壊し、かつクラスト自体を攻撃することが想定される。具体的には、キレート剤は、イオン注入レジスト中の、ドーパントイオン、すなわち、As、B、およびPと錯体を形成する。本発明の組成物に有用なキレート剤は、高密度流体、たとえばSCCO、共溶媒、または除去組成物の他の試薬と反応してはならない。キレート剤は、好ましくは、高密度流体に可溶性であり、たとえば、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオン(hfacH)、1,1,1−トリフルオロ−2,4−ペンタンジオン(tfacH)、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン(tmhdH)、アセチルアセトン(acacH)、ピリジン、2−エチルピリジン、2−メトキシピリジン、2−ピコリン、ピリジン誘導体、ピペリジン、ピペラジン、トリエタノールアミン、ジグリコールアミン、モノエタノールアミン、ピロール、イソオキサゾール、1,2,4−トリアゾール、ビピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、インドール、イミダゾール、トリエチルアミン、アンモニア、シュウ酸塩、酢酸、ギ酸、硫酸、クエン酸、リン酸、酢酸ブチル、ペルフルオロブタンスルホニルフルオリド、ピロリジンカルボジチオレート、ジエチルジチオカルバメート、トリフルオロエチルジチオカルバメート、トリフルオロメタンスルホネート、メタンスルホン酸、メソ−2,3−ジメルカプトコハク酸、2,3−ジメルカプト−1−プロパンスルホン酸、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、2−メチルチオ−2−チアゾリン、1,3−ジチオラン、スルホラン、ペルフルオロデカンチオール、1,4,7−トリチアシクロノナン、1,4,8,11−テトラチアシクロテトラデカン、1,5,9,13−テトラセレナシクロヘキサデカン、1,5,9,13,17,21−ヘキサセレナシクロテトラコサン、ヨウ素、臭素、塩素、トリフェニルホスフィン、ジフェニル(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン、ビス(ペンタフルオロフェニル)フェニルホスフィン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン、トリス(4−フルオロフェニル)ホスフィン、1,2−ビス[ビス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィノ]エタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、ピリジン/HF錯体、ピリジン/HCl錯体、ピリジン/HBr錯体、トリエチルアミン/HF錯体、トリエチルアミン/HCl錯体、モノエタノールアミン/HF錯体、トリエタノールアミン/HF錯体、トリエチルアミン/ギ酸錯体、およびそれらの組合せを含むいかなる適切なタイプのものであることができる。好ましくは、キレート剤は、ピリジン/HF錯体、および/またはトリエチルアミン/HF錯体である。
【0046】
理論に縛られることを望まないが、本発明の除去組成物中のイオン対剤が、ドーパントイオン/キレート剤錯体に引き寄せられ、その後、ドーパントイオン/キレート剤錯体を可溶化することが想定される。例示的なイオン対試薬としては、ピロリジンカルボジチオレート塩、ジエチルジチオカルバメート塩、トリフルオロメタンスルホネート塩、トリフルオロエチルジチオカルバメート塩、ヨウ化カリウム、臭化カリウム、塩化カリウム、セチルテトラメチルアンモニウム硫酸、セチルテトラメチルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルピリジニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、ジオクチルスルホスクシネート塩、および2,3−ジメルカプト−1−プロパンスルホン酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0047】
本発明の除去組成物は、マイクロエレクトロニクスデバイスの表面からのレジストの除去を助けるために、界面活性剤をさらに含むことができる。例示的な界面活性剤としては、フルオロアルキル界面活性剤、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのエトキシレート(たとえば、サーフィノール(Surfynol)(登録商標)104)、アルキルアリールポリエーテル(たとえば、トリトン(Triton)(登録商標)CF−21)、フルオロ界面活性剤(たとえば、ゾニール(Zonyl)(登録商標)UR)、ジオクチルスルホスクシネート塩、2,3−ジメルカプト−1−プロパンスルホン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸、両親媒性フルオロポリマー、ジノニルフェニルポリオキシエチレン、シリコーンポリマーまたは変性シリコーンポリマー、アセチレンジオールまたは変性アセチレンジオール、アルキルアンモニウム塩または変性アルキルアンモニウム塩、ドデシル硫酸ナトリウム、エアロゾルOT(AOT)およびそのフッ素類似体、アルキルアンモニウム、ペルフルオロポリエーテル界面活性剤、2−スルホスクシネート塩、リン酸塩ベースの界面活性剤、硫黄ベースの界面活性剤、ならびにアセトアセテートベースのポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、界面活性剤としては、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールなどのアセチレンジオールが挙げられる。
【0048】
一般に、互いに対する、少なくとも1つの共溶媒、少なくとも1つのキレート剤、任意に少なくとも1つのイオン対剤、および任意に少なくとも1つの界面活性剤の、特定の割合および量は、マイクロエレクトロニクスデバイスから除去されるべきであるバルクフォトレジストおよびイオン注入フォトレジストおよび/またはエッチング後の残留物についての、液体除去組成物の所望の可溶化作用をもたらすように、適切に変えることができる。さらに、互いに対する、液体除去組成物、すなわち、濃縮物、および高密度流体の、特定の割合および量は、マイクロエレクトロニクスデバイスから除去されるべきであるバルクフォトレジストおよびイオン注入フォトレジストおよび/またはエッチング後の残留物についての、高密度流体除去組成物の所望の可溶化作用をもたらすように、適切に変えることができる。そのような特定の割合および量は、過度の労力を伴わずに、当該技術の範囲内で、簡単な実験によって、容易に決定できる。
【0049】
「マイクロエレクトロニクスデバイスから、バルクフォトレジストおよびイオン注入フォトレジストおよび/またはエッチング後の残留材料を除去する」という句が、決して限定することが意図されず、最終的にマイクロエレクトロニクスデバイスになるいかなる基板からの、バルクフォトレジストおよびイオン注入フォトレジストおよび/またはエッチング後の残留材料の除去を含むことが理解されるべきである。
【0050】
本発明の特に好ましい実施形態において、配合物は、組成物の総重量を基準にして、次の範囲内で存在する次の成分を含む。
【0051】
【表4】

【0052】
好ましくは、高密度流体除去組成物は、98.95wt.%のSCCOと、1wt.%のメタノールと、0.05wt.%のピリジン/HF錯体(1:1モル比)とを含む。
【0053】
別の特に好ましい実施形態において、液体除去組成物は、組成物の総重量を基準にして、次の範囲内で存在する次の成分を含む。
【0054】
【表5】

【0055】
液体除去組成物中における共溶媒対キレート剤のモル比の範囲は、約10:1から約3500:1、より好ましくは約300:1から約1500:1であり;共溶媒対界面活性剤のモル比の範囲は、約300:1から約7000:1、より好ましくは約300:1から約1000:1である。
【0056】
本発明の広い実施において、液体除去組成物は、少なくとも1つの共溶媒と、少なくとも1つのキレート剤と、少なくとも1つの界面活性剤と、任意に少なくとも1つのイオン対剤とを含むか、からなるか、から本質的になることができる。一般に、互いに対する、共溶媒、キレート剤、界面活性剤、および任意のイオン対剤の、特定の割合および量は、過度の労力を伴わずに当該技術の範囲内で容易に決定できるように、バルクフォトレジストおよびイオン注入フォトレジスト、エッチング後の残留物、および/または処理設備についての、液体除去組成物の所望の除去作用をもたらすように、適切に変えることができる。
【0057】
たとえば、液体除去組成物は、メタノールと、ピリジンと、ピリジン:HFと、少なくとも1つのアセチレンジオール界面活性剤、たとえば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールとを含むことができる。液体除去組成物を高密度流体と混合して、高密度流体と、共溶媒と、キレート剤と、界面活性剤とを含む高密度流体除去組成物を配合することができることが、当業者によって理解されるべきである。たとえば、液体除去組成物をSCCOと混合して、高密度流体除去組成物を形成することができる。
【0058】
本発明の除去組成物は、組成物の除去能力をさらに向上させるために、または、そうでなければ組成物の特徴を向上させるために、任意に、付加的な成分を配合することができる。したがって、組成物は、金属適合性を向上させるために、安定剤、錯化剤、不動態化剤、たとえば、Cu不動態化剤、および/または腐食抑制剤を配合することができる。
【0059】
別の態様において、本発明は、少なくとも1つの共溶媒と、少なくとも1つのキレート剤と、少なくとも1つのイオン対試薬と、任意に少なくとも1つの界面活性剤とを含む液体除去組成物に関する。本発明の広い実施において、液体除去組成物は、少なくとも1つの共溶媒と、少なくとも1つのキレート剤と、少なくとも1つのイオン対試薬と、任意に少なくとも1つの界面活性剤とを含むか、からなるか、から本質的になることができる。液体除去組成物を高密度流体と混合して、高密度流体と、共溶媒と、キレート剤と、イオン対試薬と、任意の界面活性剤とを含む高密度流体除去組成物を配合することができることが、当業者によって理解されるべきである。たとえば、液体除去組成物をSCCOと混合して、高密度流体除去組成物を形成することができる。
【0060】
さらに別の好ましい実施形態において、本発明の液体除去組成物は、少なくとも1つの共溶媒と、少なくとも1つのキレート剤と、任意に少なくとも1つのイオン対試薬と、任意に少なくとも1つの界面活性剤と、バルクフォトレジスト、イオン注入フォトレジスト、エッチング後の残留物、およびそれらの組合せからなる群から選択される残留材料とを含む。重要なことに、残留材料を、本発明の液体除去組成物に溶解し、および/または懸濁させることができる。類似して、本発明の液体除去組成物は、少なくとも1つの共溶媒と、少なくとも1つのキレート剤と、任意に少なくとも1つのイオン対試薬と、任意に少なくとも1つの界面活性剤と、B、P、As、In、およびSbからなる群から選択される少なくとも1つのドーパントイオンとを含むことができ、より好ましくは、少なくとも1つの共溶媒と、少なくとも1つの界面活性剤と、少なくとも1つのキレート剤:ドーパントイオン錯体と、任意に少なくとも1つのイオン対剤とを含むことができる。
【0061】
さらに別の好ましい実施形態において、本発明の高密度流体除去組成物は、高密度流体と、少なくとも1つの共溶媒と、少なくとも1つのキレート剤と、任意に少なくとも1つのイオン対試薬と、任意に少なくとも1つの界面活性剤と、バルクフォトレジスト、イオン注入フォトレジスト、エッチング後の残留物、およびそれらの組合せからなる群から選択される残留材料とを含む。重要なことに、残留材料を、本発明の高密度流体除去組成物に溶解し、および/または懸濁させることができる。類似して、本発明の液体除去組成物は、高密度流体と、少なくとも1つの共溶媒と、少なくとも1つのキレート剤と、任意に少なくとも1つのイオン対試薬と、任意に少なくとも1つの界面活性剤と、B、P、As、In、およびSbからなる群から選択される少なくとも1つのドーパントイオンとを含むことができ、より好ましくは、高密度流体と、少なくとも1つの共溶媒と、少なくとも1つの界面活性剤と、少なくとも1つのキレート剤:ドーパントイオン錯体と、任意に少なくとも1つのイオン対剤とを含むことができる。
【0062】
本発明の液体除去組成物は、たとえば混合槽またはクリーニング槽内での穏やかな撹拌下での、共溶媒、キレート剤、任意のイオン対試薬、および任意の界面活性剤の簡単な混合によって、容易に配合される。共溶媒、キレート剤、任意のイオン対試薬、および任意の界面活性剤は、シングルパッケージ配合物、または使用時点で混合される多成分(multi−part)配合物として、容易に配合することができる。多成分配合物の個別の成分(parts)は、工具において、または工具の上流の保管タンク内で混合することができる。本発明の広い実施において、シングルパッケージ配合物または多成分配合物の個別の成分(parts)の濃度は、特定の倍数で広く変えることができ、すなわち、より希釈されるかより濃縮されることができ、本発明の液体除去組成物が、さまざまにおよび代わりに、ここでの開示と一致する成分のいかなる組合せを含むか、からなるか、から本質的になることができることが理解されるであろう。本発明の高密度流体除去組成物は、適切な温度および圧力における静的または動的混合によって、容易に配合される。
【0063】
したがって、本発明の別の態様は、本発明の組成物を形成するように適合された1つ以上の成分を、1つ以上の容器内に含むキットに関する。好ましくは、キットは、製造工場(fab)における組合せのための、少なくとも1つの共溶媒と、少なくとも1つのキレート剤と、任意に少なくとも1つのイオン対試薬と、任意に少なくとも1つの界面活性剤とを、1つ以上の容器内に含む。別の実施形態によれば、キットは、製造工場において少なくとも1つの共溶媒と組合せるための、少なくとも1つのキレート剤と、任意に少なくとも1つのイオン対試薬と、任意に少なくとも1つの界面活性剤とを、1つ以上の容器内に含む。別の実施形態によれば、キットは、製造工場において高密度流体と組合せるための、少なくとも1つのキレート剤と、少なくとも1つの共溶媒と、任意に少なくとも1つのイオン対試薬と、任意に少なくとも1つの界面活性剤とを、1つ以上の容器内に含む。さらに別の実施形態、キットは、製造工場において少なくとも1つの共溶媒および高密度流体と組合せるための、少なくとも1つのキレート剤と、少なくとも1つの共溶媒と、任意に少なくとも1つのイオン対試薬と、任意に少なくとも1つの界面活性剤とを、1つ以上の容器内に含む。キットの容器は、それらの中に収容された成分を保管し分配するために、化学的に格付けしなければならない。キットの容器は、たとえば、ナウパック(NOWPak)(登録商標)容器(米国コネチカット州ダンベリーのアドバンスト・テクノロジー・マテリアルズ・インコーポレイテッド(Advanced Technology Materials,Inc.,Danbury,Conn.,USA))など、前記液体除去組成物を保管し発送するのに適していなければならない。
【0064】
さらに別の態様において、本発明は、ここで説明される除去組成物を使用する、高密度パターン化マイクロエレクトロニクスデバイスからの、バルクフォトレジストおよびイオン注入フォトレジストおよび/またはエッチング後の残留物の除去の方法に関する。たとえば、下にあるケイ素含有層の構造的一体性を維持しながら、すなわち、実質的なオーバーエッチングなしで、パターン化デバイス上のトレンチ構造およびビア構造をクリーニングすることができる。
【0065】
本発明の高密度流体除去組成物は、必要とされる化学試薬の体積を最小にし、したがって、廃棄物の量を低減し、同時に、リサイクル可能な成分、たとえばSCFを有する組成物および方法を提供することによって、先行技術の除去技術の欠点を克服する。本発明の液体除去組成物および高密度流体除去組成物の両方が、下にあるケイ素含有層および金属相互接続材料を実質的にオーバーエッチングすることなく、バルクレジストおよびイオン注入レジストおよび/またはエッチング後の残留物を効果的に除去する。
【0066】
いったん配合されると、そのような除去組成物は、高密度パターン化マイクロエレクトロニクスデバイスの表面に付与され、その上のフォトレジストおよび/または残留材料と接触させる。
【0067】
高密度流体除去組成物は、適切な高圧で、たとえば加圧接触チャンバ内で付与することができ、これに、SCFベースの組成物は、適切な体積(volumetric)速度および量で供給されて、マイクロエレクトロニクスデバイス表面からのレジストおよび/または残留物の少なくとも部分的な除去のため、所望の接触動作を行う。チャンバは、連続、パルス、または静的クリーニングのための、バッチまたはシングルウェーハチャンバであることができる。高密度流体除去組成物の除去効率は、高密度流体除去組成物で除去されるべきであるバルクレジストおよびイオン注入レジストおよび/またはエッチング後の残留材料の接触における高温および/または高圧条件の使用によって、向上させることができる。
【0068】
適切な高密度流体除去組成物を使用して、約1,500から約4,500psiの範囲内の、好ましくは約3,000から約4,500psiの範囲内の圧力で、バルクフォトレジストおよびイオン注入フォトレジストおよび/またはエッチング後の残留物の所望の除去を行うのに十分な時間、たとえば、約1分から約30分の範囲内の接触時間の間、ならびに約35℃から約75℃、好ましくは約60℃から約75℃の範囲内の温度、その上にレジストを有するマイクロエレクトロニクスデバイス表面と接触させることができるが、保証される場合、本発明の広い実施において、より大きいまたはより小さい接触期間および接触温度を、有利に用いることができる。好ましい実施形態において、接触温度および接触圧力は、それぞれ、約70℃および約3,800psiであり、接触時間は約10分である。
【0069】
高密度流体組成物を使用する除去プロセスは、静的ソーク、動的接触モード、または、マイクロエレクトロニクスデバイス表面の上の高密度流体除去組成物の動的流れ、次いで、高密度流体除去組成物中のデバイスの静的ソークを含む順次処理工程であって、それぞれの動的流れ工程および静的ソーク工程が、交互にかつ繰返して、そのような交互の工程のサイクルで行われる、順次処理工程を含むことができる。
【0070】
「動的」接触モードは、デバイス表面の上の組成物の連続流れを伴って、物質移動勾配を最大にし、表面からのレジストおよび/またはエッチング後の残留物の完全な除去を行う。「静的ソーク」接触モードは、デバイス表面を静的体積の組成物と接触させること、および、連続(ソーキング)期間の間、それとの接触を維持することを伴う。
【0071】
交互の動的流れ工程/静的ソーク工程は、一続きの、2.5min〜5minの動的流れ、たとえば約3,800psiにおける、2.5min〜5minの静的ソーク、および2.5min〜5min動的流れを含むように、上述の例示的な実施形態において、連続サイクルの間行うことができる。
【0072】
接触モードが、動的のみ、静的のみ、または、マイクロエレクトロニクスデバイス表面からのバルクレジストおよびイオン注入レジストおよび/またはエッチング後の残留物の少なくとも部分的な除去を行うために必要とされる動的工程および静的工程のいかなる組合せであることができることが、当業者によって理解されるべきである。
【0073】
高密度流体除去組成物の、マイクロエレクトロニクスデバイス表面への接触後、デバイスは、その後、好ましくは、たとえばSCF/メタノール(80%/20%)溶液のアリコートですすがれて、レジスト除去が行われたデバイス表面の領域から、いかなる残留沈殿化学添加剤も除去する。好ましくは、すすぎは、少なくとも3回行われる。最終すすぎサイクルが完了した後、クリーニング槽を、たとえば、5秒にわたって0psi、急速に減圧することができる。次に、クリーニング槽に、純SCFを、約1,500psiで、約1分間再投入して、デバイス表面から、いかなる残留メタノールおよび/または沈殿化学添加剤も除去し、その後、0psiに減圧することができる。純COでの再投入/減圧は、好ましくは、合計3回行われる。好ましくは、洗浄のために使用されるSCFは、SCCOである。
【0074】
液体流体除去組成物は、いかなる適切な態様で、その上にバルクフォトレジストおよびイオン注入フォトレジストおよび/またはエッチング後の残留材料を有するマイクロエレクトロニクスデバイスの表面に付与することができ、たとえば、除去組成物をデバイスの表面上にスプレーすることによって、デバイスの(ある体積の除去組成物中の)ディッピングによって、デバイスを、別の材料、たとえば、除去組成物を染み込ませたパッドまたは繊維収着媒アプリケータエレメントと接触させることによって、材料を含むデバイスを、循環する除去組成物と接触させることによって、または、除去組成物が、バルクフォトレジストおよびイオン注入フォトレジストおよび/またはエッチング後の残留材料と除去接触される、いかなる他の適切な手段、態様、もしくは技術によって、付与することができる。
【0075】
バルクフォトレジストおよびイオン注入フォトレジストおよび/またはエッチング後の残留物を、その上にそれらを有するマイクロエレクトロニクスデバイス構造から除去するための、本発明の液体除去組成物の使用の際に、液体除去組成物は、典型的には、約30秒から約45分、好ましくは約1から30分の時間の間、約20℃から約100℃、好ましくは約40℃から約60℃の範囲内の温度で、マイクロエレクトロニクスデバイス構造と接触される。そのような接触時間および温度は、例示であり、デバイス構造からバルクフォトレジストおよびイオン注入フォトレジストおよび/またはエッチング後の残留物を実質的に除去するのに有効である、いかなる他の適切な時間および温度条件も用いることができる。
【0076】
所望の除去作用の達成後、液体除去組成物は、本発明の組成物の所与の最終用途において望ましく有効であるように、たとえば、すすぎ、洗浄、または他の除去工程によって、それが前に付与されたマイクロエレクトロニクスデバイスから容易に除去される。たとえば、マイクロエレクトロニクスデバイスを、脱イオン水ですすぎ、窒素を使用して乾燥させることができる。
【0077】
本発明の除去組成物のための特定の接触条件が、ここでの開示に基いて、当該技術の範囲内で容易に決定できること、ならびに、電子デバイス表面からのフォトレジストおよび/またはエッチング後の残留材料の望ましい除去を達成しながら、本発明の組成物中の成分の特定の割合および濃度を広く変えることができることが理解されるであろう。
【0078】
液体除去組成物を使用して、マイクロエレクトロニクスデバイスの表面から、フォトレジスト、CMP後の残留物、および/またはBARC層を除去することができることが、本発明の範囲内である。さらに、本発明の液体除去組成物を使用して、再使用のためフォトマスク材料から汚染材料を除去することができる。ここで使用されるように、「CMP後の残留物」は、研磨スラリーからの粒子、炭素リッチ粒子、研磨パッド粒子、ブラシ脱充填(deloading)粒子、構造粒子の設備材料、銅、酸化銅、およびCMPプロセスの副産物であるいかなる他の材料に相当する。
【0079】
本発明のさらに別の態様は、本発明の方法によって製造された向上されたマイクロエレクトロニクスデバイス、およびそのようなマイクロエレクトロニクスデバイスを収容する製品に関する。
【0080】
本発明のさらなる態様は、マイクロエレクトロニクスデバイスを含む物品を製造する方法であって、前記方法が、バルクフォトレジストおよびイオン注入フォトレジストおよび/またはエッチング後のフォトレジスト材料を、その上に前記材料を有するマイクロエレクトロニクスデバイスから少なくとも部分的に除去するのに十分な時間、マイクロエレクトロニクスデバイスを液体除去組成物と接触させる工程と、前記マイクロエレクトロニクスデバイスを前記物品に組入れる工程とを含み、液体除去組成物が、少なくとも1つの共溶媒と、少なくとも1つのキレート剤と、任意に少なくとも1つのイオン対剤と、任意に少なくとも1つの界面活性剤とを含む、方法に関する。
【0081】
本発明の別の態様は、マイクロエレクトロニクスデバイスを含む物品を製造する方法であって、前記方法が、バルクフォトレジストおよびイオン注入フォトレジストおよび/またはエッチング後のフォトレジスト材料を、その上に前記材料を有するマイクロエレクトロニクスデバイスから少なくとも部分的に除去するのに十分な時間、マイクロエレクトロニクスデバイスを高密度流体除去組成物と接触させる工程と、前記マイクロエレクトロニクスデバイスを前記物品に組入れる工程とを含み、高密度流体除去組成物が、高密度流体、好ましくはSCCOと、少なくとも1つの共溶媒と、少なくとも1つのキレート剤と、任意に少なくとも1つのイオン対剤と、任意に少なくとも1つの界面活性剤とを含む、方法に関する。
【0082】
本発明の特徴および利点は、以下で説明される例示的な実施例によって、より完全に示される。
【実施例】
【0083】
実施例1
エッチング速度研究のため、希釈されたキレート剤(ルイス塩基/HFアダクト)(0.4g)を40mLの共溶媒と組合せて、1w/v%のフッ化物源を有する組成物を形成した。希釈されたルイス塩基/HFアダクトを次のように調製した。市販のルイス塩基/HFアダクト、具体的にはピリジン/HF(1:9)およびトリエチルアミン/HF(1:3)を、同じルイス塩基を使用して、1:3、1:1、および3:1(mol:mol)に希釈した。ピリジン/HF(1:3)を製造するために、52wt.%のピリジン/HF(1:9)および48wt.%の無水ピリジンを組合せた。ピリジン/HF(1:1)を製造するために、27wt.%のピリジン/HF(1:9)および73wt.%の無水ピリジンを組合せた。ピリジン/HF(3:1)を製造するために、11wt.%のピリジン/HF(1:9)および89wt.%の無水ピリジンを組合せた。トリエチルアミン/HF(1:1)を製造するために、71wt.%のトリエチルアミン/HF(1:3)および29wt.%の無水トリエチルアミンを組合せた。トリエチルアミン/HF(3:1)を製造するために、44wt.%のトリエチルアミン/HF(1:3)および56wt.%の無水トリエチルアミンを組合せた。希釈されたトリエチルアミン/HF(1:3)溶液で、トリエチルアミンでの市販のトリエチルアミン/HF(1:3)溶液の希釈時の固体の沈殿を防止するために、市販のストック溶液を、トリエチルアミン、および別の溶媒、たとえばメタノールの両方で希釈した。
【0084】
ケイ素含有材料(ブラック・ダイヤモンド(Black Diamond)2、TEOS、熱酸化物、窒化ケイ素、およびポリシリコン)のブランケットウェーハを、除去組成物中に、50℃で、10分までの間浸漬することによって、エッチング速度研究を行った。調査された共溶媒は、メタノール、酢酸エチル、DMSO、および水であった。ケイ素含有材料のエッチング速度は、ナノスペック(Nanospec)によって定め、結果は、下記表1に報告した。
【0085】
【表6】

【0086】
表1を参照すると、ピリジン/HF溶液が、研究されたケイ素含有材料(ブラック・ダイヤモンド2、TEOS、熱酸化物、窒化ケイ素、およびポリシリコン)を、トリエチルアミン/HF溶液より速くエッチングすることがわかることができる。酸性度および高[HF]濃度が、ケイ素含有材料をエッチングすることに不可欠である。結果として、エッチング速度は、ピリジン/HF溶液の存在下で増加し、というのは、ピリジン(水中のpK=5)が、トリエチルアミン(水中のpK=11)より強い酸であるからである。市販のピリジン/HF(1:9)は、研究された希釈された溶液と比較して、非常に高いエッチング速度を有する。したがって、希釈された溶液は、フォトレジスト、イオン注入フォトレジスト、およびエッチング後の残留材料を、下にある低k誘電体、ハードマスク、およびケイ素含有層に対して、選択的に除去する、より実質的な可能性を有する。
【0087】
共溶媒も、ケイ素含有材料のエッチングにおいて役割を果たす。表1を参照すると、エッチング速度は、DMS<<水〜メタノール<酢酸エチルの順で増加することがわかった。希釈された無水アミン/HF(mol/mol)溶液の別の傾向は、材料のエッチング速度が、1:3<1:1<3:1の順で増加することである。これは、おそらく、増加する無水アミン濃度での、増加されたHFの脱プロトン化による。
【0088】
さらに、希釈されたアミン/HF比によって、1つのケイ素含有材料の、別のものに対する選択的なエッチングが観察された。たとえば、図1は、メタノール中のピリジン/HF(1:1)溶液を使用して、TEOSを、他のものに対して良好な選択性で溶解することができることを示す。図2は、酢酸エチル中のピリジン/HF(1:3)溶液を使用して、熱酸化物およびTEOSを、他のものに対して良好な選択性で溶解することができることを示す。図3および図4は、水中のトリエチルアミン/HF(1:1)溶液またはピリジン/HF(3:1)溶液を使用して、窒化ケイ素およびTEOSを、他のものに対して良好な選択性で溶解することができることを示す。
【0089】
実施例2
この研究で検査されたサンプルウェーハは、バルクフォトレジストおよびイオン注入フォトレジスト層を含むパターン化シリコンウェーハであった(図5Aを参照のこと)。ここで説明されるようなさまざまな化学添加剤を、高密度流体除去組成物に加え、前記組成物の除去効率を評価した。高密度流体除去組成物は、98.95wt.%のSCCOと、1wt%のメタノールと、0.05wt.%のピリジン/HF錯体(1:1モル比)とを含んだ。SCFベースの組成物の温度を、除去実験全体にわたって、70℃に維持した。除去条件は、上で説明された、10分間の3,800psiにおける静的ソークを含んだ。除去後、いかなる残留溶媒および/または沈殿化学添加剤も除去するために、ウェーハを、ここで説明されるように、最初、多量のSCCO/メタノールで、次に、多量の純SCCOで、徹底的にすすいだ。図5Bは、以下で説明されるような、この実験の結果を示す。
【0090】
図5Aは、処理前の、その上にイオン注入フォトレジストを有する高密度パターン化基板の走査型電子顕微鏡写真(60°角度ビュー)である。
【0091】
図5Bは、本発明の高密度流体除去組成物での処理の後の、図5Aの高密度パターン化基板の走査型電子顕微鏡写真(60°角度ビュー)である。顕微鏡写真は、炭化フォトレジストクラストが、下にある低k誘電体材料を実質的にオーバーエッチングすることなく、完全に除去されたことを示す。
【0092】
したがって、上で説明された顕微鏡写真は、マイクロエレクトロニクスデバイス表面からのイオン注入フォトレジストの除去のための、本発明による高密度流体除去組成物の有効性を証明する。したがって、本発明を、本発明の特定の態様、特徴、および例示的な実施形態に関して、ここで説明したが、本発明の有用性が、このように限定されないが、むしろ、多数の他の態様、特徴、および実施形態に及び、これらを網羅することが理解されるであろう。したがって、記載される特許請求の範囲は、それらの精神および範囲内の、そのような態様、特徴、および実施形態をすべて含むように、対応して広く解釈されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0093】
図面の簡単な説明
【図1】50℃における、メタノール中の1w/v%のピリジン/HF(1:1)の組成物中の各々の浸漬後の、ブラック・ダイヤモンド2(BD2)、熱酸化物(Thox)、Si、およびポリシリコンに対する、TEOSの選択性の図である。
【図2】50℃における、酢酸エチル中の1w/v%のピリジン/HF(1:3)の組成物中の各々の浸漬後の、ブラック・ダイヤモンド2(BD2)、Si、およびポリシリコンに対する、TEOSおよび熱酸化物(Thox)の選択性の図である。
【図3】50℃における、水中の1w/v%のトリエチルアミン/HF(1:1)の組成物中の各々の浸漬後の、ブラック・ダイヤモンド2(BD2)、熱酸化物(Thox)、およびポリシリコンに対する、TEOSおよび窒化ケイ素の選択性の図である。
【図4】50℃における、水中の1w/v%のピリジン/HF(3:1)の組成物中の各々の浸漬後の、ブラック・ダイヤモンド2(BD2)、熱酸化物(Thox)、およびポリシリコンに対する、TEOSおよび窒化ケイ素の選択性の図である。
【図5A】処理前の、その上にイオン注入フォトレジストを有する高密度パターン化基板の走査型電子顕微鏡写真(60°角度ビュー)である。
【図5B】本発明の高密度流体除去組成物での処理の後の、図5Aの高密度パターン化基板の走査型電子顕微鏡写真(60°角度ビュー)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの共溶媒と、少なくとも1つのキレート剤と、任意に少なくとも1つのイオン対剤と、任意に少なくとも1つの界面活性剤とを含む除去組成物であって、バルクフォトレジストおよびイオン注入フォトレジストおよび/またはエッチング後の残留材料を、その上に前記材料を有するマイクロエレクトロニクスデバイスから除去するのに適している除去組成物。
【請求項2】
前記除去組成物中における共溶媒対キレート剤のモル比が、約10:1から約3500:1の範囲内である、請求項1に記載の除去組成物。
【請求項3】
前記共溶媒が、水;メタノール;エタノール;イソプロパノール;エーテル;N−メチル−ピロリドン;N−オクチル−ピロリドン;N−フェニル−ピロリドン;スルホラン;酢酸エチル;アルカン;アルケン;少なくとも部分的にフッ素化された炭化水素;アミン;フェノール;テトラヒドロフラン;トルエン;キシレン;シクロヘキサン;アセトン;ジオキサン;ジメチルホルムアミド;ジメチルスルホキシド;ピリジン;トリエチルアミン;アセトニトリル;グリコール;ブチルカルビトール;メチルカルビトール;ヘキシルカルビトール;モノエタノールアミン;ブチロールラクトン;ジグリコールアミン;テトラメチレンスルホン;ジエチルエーテル;乳酸エチル;安息香酸エチル;エチレングリコール;ジオキサン;ピリジン;γ−ブチロラクトン;ブチレンカーボネート;エチレンカーボネート;プロピレンカーボネート;およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの溶媒を含む、請求項1に記載の除去組成物。
【請求項4】
前記共溶媒がメタノールを含む、請求項1に記載の除去組成物。
【請求項5】
前記キレート剤が、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオン(hfacH)、1,1,1−トリフルオロ−2,4−ペンタンジオン(tfacH)、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン(tmhdH)、アセチルアセトン(acacH)、ピリジン、2−エチルピリジン、2−メトキシピリジン、2−ピコリン、ピリジン誘導体、ピペリジン、ピペラジン、トリエタノールアミン、ジグリコールアミン、モノエタノールアミン、ピロール、イソオキサゾール、1,2,4−トリアゾール、ビピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、インドール、およびイミダゾール、トリエチルアミン、アンモニア、シュウ酸塩、酢酸、ギ酸、硫酸、クエン酸、リン酸、酢酸ブチル、ペルフルオロブタンスルホニルフルオリド、ピロリジンカルボジチオレート、ジエチルジチオカルバメート、トリフルオロエチルジチオカルバメート、トリフルオロメタンスルホネート、メタンスルホン酸、メソ−2,3−ジメルカプトコハク酸、2,3−ジメルカプト−1−プロパンスルホン酸、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、2−メチルチオ−2−チアゾリン、1,3−ジチオラン、スルホラン、ペルフルオロデカンチオール、1,4,7−トリチアシクロノナン、1,4,8,11−テトラチアシクロテトラデカン、1,5,9,13−テトラセレナシクロヘキサデカン、1,5,9,13,17,21−ヘキサセレナシクロテトラコサン、ヨウ素、臭素、塩素、トリフェニルホスフィン、ジフェニル(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン、ビス(ペンタフルオロフェニル)フェニルホスフィン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン、トリス(4−フルオロフェニル)ホスフィン、1,2−ビス[ビス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィノ]エタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、ピリジン/HF錯体、ピリジン/HCl錯体、ピリジン/HBr錯体、トリエチルアミン/HF錯体、トリエチルアミン/HCl錯体、モノエタノールアミン/HF錯体、トリエタノールアミン/HF錯体、トリエチルアミン/ギ酸錯体、ならびにそれらの組合せからなる群から選択されるキラント種を含む、請求項1に記載の除去組成物。
【請求項6】
前記キレート剤がピリジン/HF錯体を含む、請求項1に記載の除去組成物。
【請求項7】
前記キレート剤がトリエチルアミン/HF錯体を含む、請求項1に記載の除去組成物。
【請求項8】
前記少なくとも1つのイオン対試薬を含む、請求項1に記載の除去組成物。
【請求項9】
前記イオン対試薬が、ピロリジンカルボジチオレート塩、ジエチルジチオカルバメート塩、トリフルオロメタンスルホネート塩、トリフルオロエチルジチオカルバメート塩、ヨウ化カリウム、臭化カリウム、塩化カリウム、セチルテトラメチルアンモニウム硫酸、セチルテトラメチルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルピリジニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、ジオクチルスルホスクシネート塩、2,3−ジメルカプト−1−プロパンスルホン酸塩、およびそれらの組合せからなる群から選択される塩を含む、請求項8に記載の除去組成物。
【請求項10】
前記少なくとも1つの界面活性剤を含む、請求項1に記載の除去組成物。
【請求項11】
前記界面活性剤が、フルオロアルキル界面活性剤、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのエトキシレート、アルキルアリールポリエーテル、フルオロ界面活性剤、ジオクチルスルホスクシネート塩、2,3−ジメルカプト−1−プロパンスルホン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸、両親媒性フルオロポリマー、ジノニルフェニルポリオキシエチレン、シリコーンポリマー、変性シリコーンポリマー、アセチレンジオール、変性アセチレンジオール、アルキルアンモニウム塩、変性アルキルアンモニウム塩、ドデシル硫酸ナトリウム、エアロゾルOT(AOT)およびそのフッ素類似体、アルキルアンモニウム、ペルフルオロポリエーテル界面活性剤、2−スルホスクシネート塩、リン酸塩ベースの界面活性剤、硫黄ベースの界面活性剤、アセトアセテートベースのポリマー、ならびにそれらの組合せからなる群から選択される界面活性剤種を含む、請求項10に記載の除去組成物。
【請求項12】
前記界面活性剤がアセチレンジオールを含む、請求項10に記載の除去組成物。
【請求項13】
前記除去組成物中における共溶媒対界面活性剤のモル比が、約300:1から約7000:1の範囲内である、請求項10に記載の除去組成物。
【請求項14】
前記キレート剤が、バルクフォトレジストおよびイオン注入フォトレジストおよび/またはエッチング後の残留材料を、その上にそれらを有する前記マイクロエレクトロニクスデバイスから除去するのに効果的な量で存在する、請求項1に記載の除去組成物。
【請求項15】
前記キレート剤が、少なくとも1つのドーパントイオンと錯化して、キレート剤−ドーパントイオン錯体を形成し、前記ドーパントイオンが、ヒ素イオン、ホウ素イオン、リンイオン、インジウムイオン、およびアンチモンイオンからなる群から選択されるイオンを含む、請求項1に記載の除去組成物。
【請求項16】
メタノールと、アセチレンジオールと、キレート剤−ドーパントイオン錯体とを含む、請求項15に記載の除去組成物。
【請求項17】
前記キレート剤がピリジン:HFを含む、請求項16に記載の除去組成物。
【請求項18】
高密度流体と、請求項1に記載の除去組成物とを含む高密度流体除去組成物であって、超臨界二酸化炭素(SCCO)を含む高密度流体除去組成物。
【請求項19】
前記組成物が、SCCOと、メタノールと、アセチレンジオールと、キレート剤とを含む、請求項18に記載の高密度流体除去組成物。
【請求項20】
前記キレート剤が、ヒ素イオン、ホウ素イオン、リンイオン、インジウムイオン、およびアンチモンイオンからなる群から選択される少なくとも1つのドーパントイオンと錯化する、請求項19に記載の除去組成物。
【請求項21】
前記マイクロエレクトロニクスデバイスが、半導体基板、フラットパネルディスプレイ、およびマイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)からなる群から選択される物品を含む、請求項1に記載の除去組成物。
【請求項22】
前記バルクフォトレジスト材料およびイオン注入フォトレジスト材料が、ヒ素イオン、ホウ素イオン、リンイオン、インジウムイオン、およびアンチモンイオンからなる群から選択されるドーパントイオンを含む、請求項1に記載の除去組成物。
【請求項23】
バルクフォトレジスト、イオン注入フォトレジスト、エッチング後の残留物、およびそれらの組合せからなる群から選択される残留材料をさらに含む、請求項1に記載の除去組成物。
【請求項24】
バルクフォトレジスト、イオン注入フォトレジスト、エッチング後の残留物、およびそれらの組合せからなる群から選択される残留材料をさらに含む、請求項18に記載の高密度流体除去組成物。
【請求項25】
1つ以上の容器内に、除去組成物試薬を含むキットであって、前記除去組成物が、少なくとも1つの共溶媒と、少なくとも1つのキレート剤と、任意に少なくとも1つのイオン対試薬と、任意に少なくとも1つの界面活性剤とを含み、前記キットが、バルクフォトレジストおよびイオン注入フォトレジストおよび/またはエッチング後の残留材料を、その上に前記材料を有するマイクロエレクトロニクスデバイスから除去するのに適した除去組成物を形成するように適合される、キット。
【請求項26】
バルクフォトレジストおよびイオン注入フォトレジストおよび/またはエッチング後の残留材料を、その上に前記材料を有するマイクロエレクトロニクスデバイスから除去する方法であって、前記方法が、前記マイクロエレクトロニクスデバイスから前記材料を少なくとも部分的に除去するのに十分な時間、前記マイクロエレクトロニクスデバイスを除去組成物と接触させる工程を含み、前記除去組成物が、少なくとも1つの共溶媒と、少なくとも1つのキレート剤と、任意に少なくとも1つのイオン対剤と、任意に少なくとも1つの界面活性剤とを含む、方法。
【請求項27】
前記共溶媒が、水;メタノール;エタノール;イソプロパノール;エーテル;N−メチル−ピロリドン;N−オクチル−ピロリドン;N−フェニル−ピロリドン;スルホラン;酢酸エチル;アルカン;アルケン;少なくとも部分的にフッ素化された炭化水素;アミン;フェノール;テトラヒドロフラン;トルエン;キシレン;シクロヘキサン;アセトン;ジオキサン;ジメチルホルムアミド;ジメチルスルホキシド;ピリジン;トリエチルアミン;アセトニトリル;グリコール;ブチルカルビトール;メチルカルビトール、ヘキシルカルビトール、モノエタノールアミン;ブチロールラクトン;ジグリコールアミン;テトラメチレンスルホン;ジエチルエーテル;乳酸エチル;安息香酸エチル;エチレングリコール;ジオキサン;ピリジン;γ−ブチロラクトン;ブチレンカーボネート;エチレンカーボネート;プロピレンカーボネート;およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの溶媒を含み;
前記キレート剤が、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオン(hfacH)、1,1,1−トリフルオロ−2,4−ペンタンジオン(tfacH)、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン(tmhdH)、アセチルアセトン(acacH)、ピリジン、2−エチルピリジン、2−メトキシピリジン、2−ピコリン、ピリジン誘導体、ピペリジン、ピペラジン、トリエタノールアミン、ジグリコールアミン、モノエタノールアミン、ピロール、イソオキサゾール、1,2,4−トリアゾール、ビピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、インドール、およびイミダゾール、トリエチルアミン、アンモニア、シュウ酸塩、酢酸、ギ酸、硫酸、クエン酸、リン酸、酢酸ブチル、ペルフルオロブタンスルホニルフルオリド、ピロリジンカルボジチオレート、ジエチルジチオカルバメート、トリフルオロエチルジチオカルバメート、トリフルオロメタンスルホネート、メタンスルホン酸、メソ−2,3−ジメルカプトコハク酸、2,3−ジメルカプト−1−プロパンスルホン酸、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、2−メチルチオ−2−チアゾリン、1,3−ジチオラン、スルホラン、ペルフルオロデカンチオール、1,4,7−トリチアシクロノナン、1,4,8,11−テトラチアシクロテトラデカン、1,5,9,13−テトラセレナシクロヘキサデカン、1,5,9,13,17,21−ヘキサセレナシクロテトラコサン、ヨウ素、臭素、塩素、トリフェニルホスフィン、ジフェニル(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン、ビス(ペンタフルオロフェニル)フェニルホスフィン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン、トリス(4−フルオロフェニル)ホスフィン、1,2−ビス[ビス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィノ]エタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、ピリジン/HF錯体、ピリジン/HCl錯体、ピリジン/HBr錯体、トリエチルアミン/HF錯体、トリエチルアミン/HCl錯体、モノエタノールアミン/HF錯体、トリエタノールアミン/HF錯体、トリエチルアミン/ギ酸錯体、ならびにそれらの組合せからなる群から選択されるキラント種を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記マイクロエレクトロニクスデバイスが、半導体基板、フラットパネルディスプレイ、およびマイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)からなる群から選択される物品のものである、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記バルクフォトレジスト材料およびイオン注入フォトレジスト材料が、ヒ素イオン、ホウ素イオン、リンイオン、インジウムイオン、およびアンチモンイオンからなる群から選択されるドーパントイオンを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記接触条件が、約40℃から約60℃の範囲内の温度を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記接触時間が、約1分から約30分の範囲内である、請求項26に記載の方法。
【請求項32】
前記除去組成物が高密度流体をさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項33】
前記接触条件が、約1500から約4,500psiの範囲内の圧力を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記接触時間が、約1分から約30分の範囲内である、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記接触条件が、約40℃から約75℃の範囲内の温度を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
前記接触させる工程が、(i)前記除去組成物と、その上に前記バルクフォトレジストおよびイオン注入フォトレジストおよび/またはエッチング後の残留物を有する前記マイクロエレクトロニクスデバイスとの動的流れ接触と、(ii)前記除去組成物と、その上に前記バルクフォトレジストおよびイオン注入フォトレジストおよび/またはエッチング後の残留物を有する前記マイクロエレクトロニクスデバイスとの静的ソーキング接触とを含むサイクルを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項37】
前記サイクルが、その上に前記バルクフォトレジストおよびイオン注入フォトレジストおよび/またはエッチング後の残留物を有する前記マイクロエレクトロニクスデバイスの動的流れ接触および静的ソーキング接触を交互にかつ繰返して行うことを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項38】
前記高密度流体が超臨界COを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項39】
バルクフォトレジストおよびイオン注入フォトレジストおよび/またはエッチング後の残留材料を、その上に前記材料を有するマイクロエレクトロニクスデバイスから除去する方法であって、前記方法が、前記マイクロエレクトロニクスデバイスから前記材料を少なくとも部分的に除去するのに十分な時間、前記マイクロエレクトロニクスデバイスを高密度流体除去組成物と接触させる工程を含み、前記高密度流体除去組成物が、高密度流体と、液体除去濃縮物とを含み、前記除去濃縮物が、請求項1に記載の除去組成物を含む、方法。
【請求項40】
請求項39に記載の高密度流体除去組成物を製造する方法であって、前記高密度流体および前記液体除去濃縮物を動的に混合して、前記高密度流体除去組成物を製造する工程を含む方法。
【請求項41】
前記キレート剤が、ヒ素イオン、ホウ素イオン、リンイオン、インジウムイオン、およびアンチモンイオンからなる群から選択される少なくとも1つのドーパントイオンと錯化する、請求項27に記載の方法。
【請求項42】
前記キレート剤が、ヒ素イオン、ホウ素イオン、リンイオン、インジウムイオン、およびアンチモンイオンからなる群から選択される少なくとも1つのドーパントイオンと錯化する、請求項32に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【公表番号】特表2008−537343(P2008−537343A)
【公表日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−506807(P2008−506807)
【出願日】平成18年4月14日(2006.4.14)
【国際出願番号】PCT/US2006/014407
【国際公開番号】WO2006/113621
【国際公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(599006351)アドバンスド テクノロジー マテリアルズ,インコーポレイテッド (141)
【Fターム(参考)】