メニュー表示装置およびメニュー表示方法
【課題】正確な情報に基づく的確なメニューを提示できるメニュー表示装置およびメニュー表示方法を提供する。
【解決手段】移動端末のナビゲーション装置で用いられ、メニューを表示する液晶表示装置やCRT等の表示部1と、少なくとも1人のユーザーの属性を記憶する記憶部9と、職業判定データベース11等を備えたユーザー情報データベース10と、メニュー判定データベース14と、記憶部9に記憶されたユーザーの属性に基づいて、表示部1に表示するメニューを決定する表示メニュー判定部16とを有する。
【解決手段】移動端末のナビゲーション装置で用いられ、メニューを表示する液晶表示装置やCRT等の表示部1と、少なくとも1人のユーザーの属性を記憶する記憶部9と、職業判定データベース11等を備えたユーザー情報データベース10と、メニュー判定データベース14と、記憶部9に記憶されたユーザーの属性に基づいて、表示部1に表示するメニューを決定する表示メニュー判定部16とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車両に搭載されるメニュー表示装置およびメニュー表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のメニュー表示装置は、例えば下記特許文献1に記載されている。
下記従来技術では、例えば施設等のリストを表示する際に、利用者によって選択された回数の多い順に表示する。そして、利用者は、そのリストに基づいて施設等の情報を選択して表示させる。
【特許文献1】特開平6−331379号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来技術では、上記のように操作履歴の優先度に基づいて表示を行っているため、操作履歴が不十分である場合には、正確な優先度に基づくメニュー項目が表示されず、運転者にとっては使い勝手が悪くなるという問題点がある。
本発明の目的は、上記の課題を解決し、正確な情報に基づく的確なメニューを提示できるメニュー表示装置およびメニュー表示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明は、移動端末のナビゲーション装置で用いられ、メニューを表示する表示手段と、1人以上のユーザーの属性を記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶されたユーザーの属性に基づいて、前記表示手段に表示するメニューを決定する決定手段とを備えている、という構成になっている。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、正確な情報に基づく的確なメニューを提示できるメニュー表示装置およびメニュー表示方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下で説明する図面で、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
《装置の構成》
図1は本発明の実施の形態の例えば車載ナビゲーション装置等のメニュー表示装置の構成を示す図である。
図において、1は液晶表示装置やCRTのような表示部、2は操作部(ステアリングスイッチ)、3はマイク、4は描画プロセッサ、5はインタフェース処理部、6は音声認識部、7は記録部(メモリ)、8はDVD−ROMまたはCD、9は記憶部(HDD)、10はユーザー情報データベース、11は職業判定データベース、12は休暇日判定データベース、13は現在地判定データベース、14はメニュー判定データベース、15はCPU(中央処理装置)、16は表示メニュー判定部、17は電話、18はデータ通信、19はオペレータ、20は通信処理部、21はGPS(Global Positioning System)センサ、22は方位センサ、23は車速センサ、24はパーキングブレーキ(PKB)センサ、25はその他の各種センサ、26はセンサ信号処理部、27は内部時計である。
【0007】
さらに詳しく述べると、表示部1は、走行中の現在の地図や自車両の位置および方位、並びに操作メニューなどを表示する。操作部2は、例えばステアリングに設けられ、メニューを表示させたりする操作部である。マイク3は、ユーザーが発声する語句を入力するマイクである。音声認識部6は、マイク3から入力された音声を認識する。DVD−ROMまたはCD8は、地図データ、音声データ、音楽データなどが記録されている。記憶部9は、ハードディスクで構成された記憶部である。CPU15は、装置全体を制御し、表示メニュー判定部16を有している。通信処理部20は、例えば電話17、データ通信18、オペレータ19等との通信を処理する。GPSセンサ21は、GPSアンテナで受信した複数の衛星からの電波に基づいて演算し、自車両の位置(緯度・経度)を求める。方位センサ22は、自車両の進行する方位を検出する。車速センサ23は、自車両の車輪の回転数に応じて車速を検出する。パーキングブレーキセンサ24は、パーキングブレーキの状態を検出する。各種センサ25は、例えばリバーススイッチ、ライトスイッチ等の自車両の走行状態を検出するセンサである。センサ信号処理部26は、方位センサ22からの信号に基づいて自車両の進行方向を算出し、車速センサ23からの車速信号から走行距離を算出し、パーキングブレーキセンサ24や各種センサ25からの信号に基づいて自車両の走行状態を検出して、制御に必要な信号を生成する。
【0008】
《かんたんメニュー》
図2は本実施の形態において表示部1の表示画面に表示する「かんたんメニュー」を示す図である。
本例では、「かんたんメニュー」の選択可能項目として、例えば「オフィスに行く」、「周辺施設」、「交通情報」、「今日のニュース」、「今日の天気」、「全メニュー」が表示されている。「かんたんメニュー」というタイトル文字の横には、「地図に戻る」が表示されている。
【0009】
《表示部1と操作部2》
図3は本実施の形態における表示部1や操作部(ステアリングスイッチ)2等を示す図である。
図において、28はステアリング、29はクラスターリッドCである。
図2に示した「かんたんメニュー」は、図3の操作部(ボタン)2を操作する(押す)ことにより表示される。ここでは、ステアリング28に「かんたんメニュー」を表示させる操作部2を設けているが、クラスターリッドC29部に「かんたんメニュー」を表示させる操作部(スイッチ)を設けてもよい。
【0010】
《ユーザーの情報入力》
図4(a)〜(f)は、ユーザーが車両購入後、ユーザー情報を入力する例を示す図である。ここでは、ユーザーが会社員(製造業・技術職・休暇日が土日週休2日)の例について示す。なお、本実施の形態では、業種と職種で職業判定を行うものとする。
まず、図4(a)の設定画面において、「車の利用状況」について入力する。「主に一人(所有者)で利用」、「主に二人(夫婦)で利用」、「複数で利用(家族、社有車)」の3つの選択肢の中から、ここでは、「主に一人(所有者)で利用」を選択した例を示している。選択肢を選択したら「次へ」を操作し、次画面へ進む(以下、同様)。
次に、(b)の設定画面において、「所有者(ユーザー)の業種」について入力する。「製造業」、「建設業」、「卸売業」、「小売業」、「金融業」、「保険業」、・・・等の多数の選択肢の中から、ここでは、「製造業」を選択した例を示している。
次に、(c)の設定画面において、「所有者の職種」について入力する。「経営者」、「会社役員」、「管理職」、「技術職」、「事務職」、「営業」、・・・等の多数の選択肢の中から、ここでは、「技術職」を選択した例を示している。
次に、(d)の設定画面において、「所有者の車の利用状況」について入力する。「通勤で利用」、「通勤で利用しない」の2つの選択肢の中から、ここでは、「通勤で利用」を選択した例を示している。
次に、(e)の設定画面において、「スケジュール」について入力する。「週休2日」、「不定期」、「スケジュールを入力する」の3つの選択肢の中から、ここでは、「週休2日」を選択した例を示している。
次に、(f)の設定画面において、「休暇日」について入力する。「月曜〜日曜」の7つの選択肢の中から、ここでは、「土曜」と「日曜」の2つを選択した例を示している。
【0011】
《動作の流れ》
図5は本実施の形態のメニュー表示装置のフローチャートである。図5、図1を用いて動作の流れ(ユーザーの操作および図1のCPU15の処理の流れ)について説明する。
まず、ユーザーの車両購入後に、S1において、ユーザー等が当該メニュー表示装置において図4に例示したような所定のユーザー個人情報を入力し、S2において、ユーザー情報データベース10(図1。以下同様)にこのユーザー情報を記憶する。
次に、車両の走行(運転)中は、S3において、表示部1に地図画面を表示する。
次に、ユーザーの操作部2を用いた操作による、メニュー画面の呼び出しがあったかどうかを判断する。メニュー画面の呼び出しがない場合は、S3の地図表示に戻る。メニュー画面の呼び出しがあった場合は、S5へ進む。
【0012】
次に、S5において、車両の現在地を記録部(メモリ)7に記録する。
次に、S6において、現在の曜日・時刻を記録部7に記録する。
次に、S7において、ユーザー情報データベース10の職業判定データベース11と、職業コードにより職業を照合し、照合結果の職業を記録部7に記録する。
次に、S8において、内部時計27と曜日・時刻を照合し、照合結果の曜日・時刻を記録部7に記録する。
次に、S9において、休暇日判定データベース12と、休暇日コードにより休暇日を照合し、照合結果の休暇日を記録部7に記録する。
次に、S10において、現在地判定データベース13と、現在地コードにより現在地を照合し、照合結果の現在地を記録部7に記録する。
次に、S11において、現在地判定データベース13と、現在地コードにより走行・停車モードを照合し、照合結果の走行・停車モードを記録部7に記録する。
次に、S12において、メニュー判定データベース14と、メニューコードにより記録部7に記録された情報とメニュー判定値とを照合する。
次に、S13において、S12の照合結果に基づいて、所定のメニューを表示部1に表示し、S14において、操作を終了する。
【0013】
《データベースの例》
図6は本実施の形態の職業判定データベース11(図1)の内容の例を示す図である。図6に示すように、職業判定データベース11の内容は、例えば業種、職種、車の利用状況と、それぞれのコードが記憶されている。
【0014】
図7は本実施の形態の休暇日判定データベース12(図1)の内容の例を示す図である。図7に示すように、休暇日判定データベース12の内容は、例えば出勤日(出勤先A)、出勤日(出勤先B)、出勤日(出勤先C)、休日と、それぞれのコードが記憶されている。このように休暇日判定データベース12に記憶された休暇予定もしくはスケジュールに登録されたデータに基づいて判断する。なお、スケジュールの方を優先する。
【0015】
図8は本実施の形態の現在地判定データベース13(図1)の内容の例を示す図である。図8に示すように、現在地判定データベース13の内容は、例えば会社(出勤先A)、会社(出勤先B)、会社(出勤先C)、自宅と、それぞれのコードが記憶されている。なお、現在地判定データベース13に記憶された登録地(出勤先A〜C)および自宅に登録された地点と、現在地の地点とが1km以内であればそれに該当と判断する。
【0016】
図9は本実施の形態のメニュー判定データベース14(図1)の内容の例を示す図である。図9に示すように、メニュー判定データベース14の内容は、業種、職種、曜日、時間、場所とそれらに応じて選ばれたメニューが記憶されている。ここでは、ユーザーが会社員(製造業・技術職・土日週休2日)の例について示している。
例えば、平日(出勤日)の午前中であって、現在地が自宅の場合のメニューは、「オフィスに行く」、「周辺施設」、「交通情報」、「昨日のニュース」、「今日の天気」である。
また、平日(出勤日)の午後であって、現在地が自宅でない「その他」の場合のメニューは、「自宅へ帰る」、「周辺施設」、「交通情報」、「今日のニュース」、「明日の天気」である。
また、平日(休暇前)の午前中であって、現在地が自宅の場合のメニューは、「オフィスに行く」、「周辺施設」、「交通情報」、「昨日のニュース」、「今日の天気」である。
また、平日(休暇前)の午後であって、現在地が「その他」の場合のメニューは、「自宅へ帰る」、「周辺施設」、「交通情報」、「今日のニュース」、「明日の天気」、「レジャー情報」である。
また、休日の午前中であって、現在地が自宅の場合のメニューは、「遊びに行く」、「買い物に行く」、「交通情報」、「今日の天気」、「レジャー情報」である。
また、休日の午後であって、現在地が「その他」の場合のメニューは、「自宅へ帰る」、「寄り道する」、「交通情報」、「今日の天気」、「レジャー情報」である。
図10は本実施の形態の通常のメニュー構成の例を示す図である。
【0017】
本実施の形態の例えば車載ナビゲーション装置などのメニュー表示装置は、車の購入時に、所有者等のユーザーの業種・職種・休暇予定・勤め先(会社)・自宅などの情報を当該メニュー表示装置に入力して登録し、当該装置に内蔵された内部時計27(図1)による年月日・曜日・時間の情報や、GPSセンサ21や車速センサ23による現在地情報に基づいて、ユーザーが必要とするメニューに限定して表示部1に表示するものである。本メニュー表示装置は、ユーザーの職業・休暇日・現在地・メニューなどのパターン情報をそれぞれ有する職業判定データベース11、休暇日判定データベース12、現在地判定データベース13を持ったユーザー情報データベース10と、メニュー判定データベース14と、職業や現在の時間・場所を記録する記憶部9(あるいは記録部7を用いることも可)と、記憶部9に記録されたユーザー情報とユーザー情報データベース10のパターン情報から必要なメニューを抽出する表示メニュー判定部16を備えている。
【0018】
ユーザーは、図4(a)〜(f)に例示したように、車両購入後などに個人情報をメニュー形式で入力する。入力された情報は、図6の職業判定データベース11(業種・職種・車の利用状況)により分類されたコードや、休暇日判定データベース12により分類された出勤・休暇予定のコードやスケジュールの情報が記憶部9(あるいは記録部7)に記録される。
【0019】
ユーザーが情報を入力した後は、図3に示したように、車両のステアリング28などに設置され、図2に示した「かんたんメニュー」を表示部1に表示させるための操作部2を操作すると(ボタンを押すと)、メニュー表示装置本体に信号が送られる。このボタンが押された場合には、記憶部9に記録された休暇予定日やスケジュールの情報に基づいて、図7に示した休暇日判定データベース12を参照し、該当するコードを記録部7に記録する。また、現在地と登録地の情報を照合して、図8に示した現在地判定データベース13に該当するコードを記録部7に記録する。表示メニュー判定部16は、これらのコードに基づいて、図9に示したメニュー判定データベース14を参照し、該当するメニューデータを抽出してユーザーの属性に対応する図2に例示したようなメニュー画面を表示部1に表示する。なお、通常のメニューは、図10のように数多くのメニューを一定の構成で表示するようになっている。
【0020】
例えば、ユーザーが製造業の技術職で、土日が休暇日、車を通勤に利用する場合であれば、平日においては、朝は出勤に利用されるため、目的地は会社であり、出勤途中の周辺施設や交通情報などのメニューを必要とする。夕方になれば、自宅に帰宅するか寄り道をするため、周辺施設や今日のニュースなどの情報を必要とする傾向がある。休日においては、平日とまったく異なり、買い物やレジャーに使われるため、広い範囲での目的地設定やレジャー情報や天気予報などのメニューを必要とする傾向がある。
ユーザーが主婦であれば、平日は買い物や子供の送り迎えなどの用途が多い。
ユーザーが自営業あるいは車が社用車であれば、平日は得意先や自分の店(あるいは会社)に行くことが多い。
ユーザーがタクシードライバーや運送業で、車をその仕事に使用する場合では、住所や電話番号を検索することが多い、などの特徴がある。
休暇日は、常に一定ではないために、ユーザーがスケジュールを設定するメニューを設けたり、より正確なスケジュールのデータからメニューを想定することが可能である。
【0021】
図11は、図2に示した「かんたんメニュー」のより具体的な表示例を示す。
会社員、製造業、平日の場合は、例えば「オフィスに行く」、「目的地」、「会社に電話」、「メールを確認」、「経済ニュース」、「今日の天気予報」等が考えられる。
会社員、建設業、平日の場合は、「事務所に行く」、「目的地」、「事務所に電話」、「スケジュール確認」、「現場の天気」、「週間天気予報」等が考えられる。
会社員、営業、平日の場合は、「オフィスに行く」、「目的地」、「株価を見る」、「メールを確認」、「得意先のニュース」、「今日のスケジュール」等が考えられる。
自営業、平日の場合は、「お店に行く」、「目的地」、「今日のルート確認」、「メールを確認」、「今週のニュース」、「今週の天気予報」等が考えられる。
主婦、平日の場合は、「スーパーに行く」、「目的地」、「安売り情報」、「メール読み上げ」、「今日の占い」、「今日の天気予報」等が考えられる。
会社員、製造業、休日の場合は、「遊びに行く」、「目的地」、「交通情報」、「メール読み上げ」、「レジャー情報」、「今日の天気予報」等が考えられる。
なお、これらのメニューは、ユーザーが適宜設定可能になっていることはいうまでもない。
【0022】
また、図12は、異なる職業または異なる利用日時で、それぞれのユーザーが「かんたんメニュー」の同一名称項目を選択した場合に、選択された項目の次の階層で、職業または利用日時に合わせて異なるメニュー項目やページが表示される例を示す。すなわち、図12は、図11でそれぞれのユーザーの「かんたんメニュー」に項目として表示されている「目的地」を選択した後のメニューが、職業または利用日時で変わる表示例である。
例えば、会社員、製造業、平日の場合に表示される目的地は、「オフィス」、「A工場」、「B工場」、「A株式会社」、「B株式会社」、「C株式会社」等が考えられる。
会社員、製造業、休日の場合の目的地は、「友人A宅」、「友人B宅」、「友人C宅」、「D遊園地」、「E公園」、「F温泉」等が考えられる。
自営業、平日の場合は、「事務所A」、「事務所B」、「事務所C」、「取引先A」、「取引先B」、「取引先C」等が考えられる。
主婦、平日の場合は、「Aスーパー」、「Bスーパー」、「Cスーパー」、「A喫茶店」、「B喫茶店」、「C喫茶店」等が考えられる。
【0023】
本実施の形態では、異なる属性のユーザーや異なる時間帯における、「かんたんメニュー」の項目について、それぞれの属性や状況のメニューで「目的地」という項目を有しており、各ユーザーが「目的地」を選択した場合に、その次階層で表示される選択項目が異なる例を示した。
【0024】
なお、これらの例として、共通の項目は「目的地」に限られない。すなわち、「目的地」以外のメニュー項目がそれぞれの「かんたんメニュー」画面で表示される場合も考えられる。そして、そのようなあらゆるメニュー項目において、それぞれのユーザーや状況で異なる次画面表示を有していることが考えられる。
【0025】
また、次階層の画面として表示されるものは、選択形式の項目だけでなく、何らかの情報を表示したページの場合もある。
【0026】
以上説明したように、本実施の形態のメニュー表示装置は、移動端末のナビゲーション装置で用いられ、メニューを表示する表示部1と、少なくとも1人のユーザーの属性を記憶する記憶部9と、記憶部9に記憶されたユーザーの属性に基づいて、表示部1に表示するメニューを決定する表示メニュー判定部16とを有する。なお、ユーザーの属性というのは、例えばユーザーの職業、職種、休暇日、生活スケジュール、趣味等、様々のユーザー個人情報である。
また、本実施の形態のメニュー表示方法は、少なくとも1人のユーザーの属性を記憶し、記憶されたユーザーの属性に基づいて、表示部1に表示するメニューを決定するようになっている。
【0027】
従来の車載ナビゲーション装置では、すべてのユーザーにとって使いやすくするために、メニュー表示の優先順位を決めていた。また、通常のメニュー構成では、すべてのユーザーが要求する機能を盛り込んでいたため、表示するメニュー数(選択可能項目(表示ボタン。表示スイッチ)の数)が多く、あるユーザーにとってはほとんど使われないメニューなども表示する必要があった。また、使いやすさを向上するためには、できるだけ操作の手数を減らす必要があるので、入り口のメニューの選択可能項目を多く設けていた。さらに、機能が増加するにしたがって、入り口の選択可能項目数が増加してしまう。このように従来は選択可能項目数やメニューの階層が増加するため、使い難かった。また、従来は、運転履歴情報に基づいて予測情報を算出しているため、解析する情報量が多く、処理負荷が大きかった。
【0028】
本実施の形態では、従来技術のように運転履歴情報に基づくのではなく、ユーザーの例えば職業等の属性に基づいて、よく利用すると考えられるメニューを限定して表示部1に表示するものである。表示するメニューは、職業等のユーザーの属性ごとに固定され、メニューの選択可能項目も職業等の属性ごとの利用頻度に基づいて、必要最小限のみ限定表示するのが望ましい。このように、例えば職業や、職業ごとの出勤日や出勤時間等のユーザーの属性に基づいてメニューの決定を行う。これにより、ユーザーにとって使い勝手の良いメニューを提示することができるとともに、ユーザーに提示するメニューの選択可能項目の数や階層を減らすことができる。したがって、上記従来技術のように運転履歴情報が不十分なために不正確な情報を提示したり、不要なメニューの提示を行うことを無くし、正確で選択可能項目数の少ない端的な情報をユーザーに提示することができる。また、機能が増加したとしても1画面におけるメニューの選択可能項目の表示を低減することができ、ユーザーの利便性を向上させることができる。さらに、上記のことから、CPU15等のハードウェアによる不要な処理計算も軽減され、システム処理の効率が向上する。
【0029】
また、前記ユーザーの属性は職業である。これにより、ユーザーにとって職業に基づく使い勝手の良いメニューを提示することができる。
また、前記ユーザーの属性は生活スケジュールである。これにより、ユーザーにとって生活スケジュールに基づく使い勝手の良いメニューを提示することができる。
【0030】
また、本実施の形態のメニュー表示装置は、記憶部9に複数のユーザーが記憶された場合、表示メニュー判定部16は、ユーザーに応じて表示部1に表示するメニューを切り替えるようになっている。また、本実施の形態のメニュー表示方法は、複数のユーザーの属性が記憶された場合、記憶されたユーザーに応じて、表示部1に表示するメニューを切り替えるようになっている。これにより、複数のあらゆるユーザーに適応できる使い勝手の良いメニューをそれぞれ提示することができ、ユーザーの利便性をさらに向上することができる。このように複数のユーザー(利用者)が当該メニュー表示装置に設定(登録)されている場合には、各ユーザーの利用時にユーザーの特定を行った上で、メニューを切り替えるようにする。なお、ユーザーの特定は、キーレスエントリー、個人認証、ユーザー自らの入力、運転席シート位置の検出などによって可能である。
【0031】
また、ユーザーの属性に基づいてメニューを決定するためのデータベース、すなわち、職業判定データベース11、休暇日判定データベース12、現在地判定データベース13を有するユーザー情報データベース、およびメニュー判定データベース14を有する。このように例えばユーザーの職業を分類する職業判定データベース11による職業や、休暇日判定データベース12による出勤日・休暇日のスケジュールと、内部時計27による時間、現在地判定データベース13による場所等に基づいて、予め用意したメニューパターンを記憶させたメニュー判定データベース14から情報を読み込んでメニューを表示するようになっている。従来の運転履歴などのデータベースと異なり、個人情報を入力すれば当該メニュー表示装置が有するデータベースの曜日や時間や現在地などの情報に基づいて、ユーザーにとって的確なメニューを予測することが可能となるため、入力の手間が少なく、システムの処理負荷の小さいメニュー提示の自動化を実現することができる。
【0032】
また、ユーザーの生活スケジュールを、通信媒体を介して記憶部9にダウンロード可能になっている。すなわち、外部のPDAやパーソナル・コンピュータや携帯電話などの生活スケジュールを管理しているソフトウェアから、車内の携帯電話や有線・無線通信などの通信媒体を利用して、本メニュー表示装置へユーザーが入力した生活スケジュールの情報をダウンロードして、当該メニュー表示装置へ入力することも可能である。このように外部から生活スケジュール情報を取り込むことにより、出勤日や休日の正確な情報に基づく、より精度の高いメニューを提示することができる。
【0033】
なお、以上説明した実施の形態は、本発明の技術的思想の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施の形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
また、特許請求の範囲における各構成要素と、発明の実施の形態における各構成要素との対応について説明する。すなわち、実施の形態における表示部1が特許請求の範囲の表示手段に、記憶部9が記憶手段に、表示メニュー判定部16が決定手段に、電話17、データ通信18、通信処理部20等が通信媒体にそれぞれ対応する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施の形態のメニュー表示装置の構成を示す図である。
【図2】本実施の形態において表示画面に表示する「かんたんメニュー」を示す図である。
【図3】本実施の形態における表示部や操作部等を示す図である。
【図4】ユーザーが車両購入後、ユーザーの情報を入力する例を示す図である。
【図5】本実施の形態のメニュー表示装置のフローチャートである。
【図6】本実施の形態の職業判定データベースの内容の例を示す図である。
【図7】本実施の形態の休暇日判定データベースの内容の例を示す図である。
【図8】本実施の形態の現在地判定データベースの内容の例を示す図である。
【図9】本実施の形態のメニュー判定データベースの内容の例を示す図である。
【図10】本実施の形態の通常のメニュー構成の例を示す図である。
【図11】本実施の形態において表示画面に表示する「かんたんメニュー」の他の具体例を示す図である。
【図12】本実施の形態において目的地を選択した後の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0035】
1…表示部 2…操作部
3…マイク 4…描画プロセッサ
5…インタフェース処理部 6…音声認識部
7…記録部(メモリ) 8…DVD−ROMまたはCD
9…記憶部(HDD) 10…ユーザー情報データベース
11…職業判定データベース 12…休暇日判定データベース
13…現在地判定データベース 14…メニュー判定データベース
15…CPU 16…表示メニュー判定部
17…電話 18…データ通信
19…オペレータ 20…通信処理部
21…GPSセンサ 22…方位センサ
23…車速センサ 24…パーキングブレーキセンサ
25…各種センサ 26…センサ信号処理部
27…内部時計
28…ステアリング 29…クラスターリッドC
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車両に搭載されるメニュー表示装置およびメニュー表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のメニュー表示装置は、例えば下記特許文献1に記載されている。
下記従来技術では、例えば施設等のリストを表示する際に、利用者によって選択された回数の多い順に表示する。そして、利用者は、そのリストに基づいて施設等の情報を選択して表示させる。
【特許文献1】特開平6−331379号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来技術では、上記のように操作履歴の優先度に基づいて表示を行っているため、操作履歴が不十分である場合には、正確な優先度に基づくメニュー項目が表示されず、運転者にとっては使い勝手が悪くなるという問題点がある。
本発明の目的は、上記の課題を解決し、正確な情報に基づく的確なメニューを提示できるメニュー表示装置およびメニュー表示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明は、移動端末のナビゲーション装置で用いられ、メニューを表示する表示手段と、1人以上のユーザーの属性を記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶されたユーザーの属性に基づいて、前記表示手段に表示するメニューを決定する決定手段とを備えている、という構成になっている。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、正確な情報に基づく的確なメニューを提示できるメニュー表示装置およびメニュー表示方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下で説明する図面で、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
《装置の構成》
図1は本発明の実施の形態の例えば車載ナビゲーション装置等のメニュー表示装置の構成を示す図である。
図において、1は液晶表示装置やCRTのような表示部、2は操作部(ステアリングスイッチ)、3はマイク、4は描画プロセッサ、5はインタフェース処理部、6は音声認識部、7は記録部(メモリ)、8はDVD−ROMまたはCD、9は記憶部(HDD)、10はユーザー情報データベース、11は職業判定データベース、12は休暇日判定データベース、13は現在地判定データベース、14はメニュー判定データベース、15はCPU(中央処理装置)、16は表示メニュー判定部、17は電話、18はデータ通信、19はオペレータ、20は通信処理部、21はGPS(Global Positioning System)センサ、22は方位センサ、23は車速センサ、24はパーキングブレーキ(PKB)センサ、25はその他の各種センサ、26はセンサ信号処理部、27は内部時計である。
【0007】
さらに詳しく述べると、表示部1は、走行中の現在の地図や自車両の位置および方位、並びに操作メニューなどを表示する。操作部2は、例えばステアリングに設けられ、メニューを表示させたりする操作部である。マイク3は、ユーザーが発声する語句を入力するマイクである。音声認識部6は、マイク3から入力された音声を認識する。DVD−ROMまたはCD8は、地図データ、音声データ、音楽データなどが記録されている。記憶部9は、ハードディスクで構成された記憶部である。CPU15は、装置全体を制御し、表示メニュー判定部16を有している。通信処理部20は、例えば電話17、データ通信18、オペレータ19等との通信を処理する。GPSセンサ21は、GPSアンテナで受信した複数の衛星からの電波に基づいて演算し、自車両の位置(緯度・経度)を求める。方位センサ22は、自車両の進行する方位を検出する。車速センサ23は、自車両の車輪の回転数に応じて車速を検出する。パーキングブレーキセンサ24は、パーキングブレーキの状態を検出する。各種センサ25は、例えばリバーススイッチ、ライトスイッチ等の自車両の走行状態を検出するセンサである。センサ信号処理部26は、方位センサ22からの信号に基づいて自車両の進行方向を算出し、車速センサ23からの車速信号から走行距離を算出し、パーキングブレーキセンサ24や各種センサ25からの信号に基づいて自車両の走行状態を検出して、制御に必要な信号を生成する。
【0008】
《かんたんメニュー》
図2は本実施の形態において表示部1の表示画面に表示する「かんたんメニュー」を示す図である。
本例では、「かんたんメニュー」の選択可能項目として、例えば「オフィスに行く」、「周辺施設」、「交通情報」、「今日のニュース」、「今日の天気」、「全メニュー」が表示されている。「かんたんメニュー」というタイトル文字の横には、「地図に戻る」が表示されている。
【0009】
《表示部1と操作部2》
図3は本実施の形態における表示部1や操作部(ステアリングスイッチ)2等を示す図である。
図において、28はステアリング、29はクラスターリッドCである。
図2に示した「かんたんメニュー」は、図3の操作部(ボタン)2を操作する(押す)ことにより表示される。ここでは、ステアリング28に「かんたんメニュー」を表示させる操作部2を設けているが、クラスターリッドC29部に「かんたんメニュー」を表示させる操作部(スイッチ)を設けてもよい。
【0010】
《ユーザーの情報入力》
図4(a)〜(f)は、ユーザーが車両購入後、ユーザー情報を入力する例を示す図である。ここでは、ユーザーが会社員(製造業・技術職・休暇日が土日週休2日)の例について示す。なお、本実施の形態では、業種と職種で職業判定を行うものとする。
まず、図4(a)の設定画面において、「車の利用状況」について入力する。「主に一人(所有者)で利用」、「主に二人(夫婦)で利用」、「複数で利用(家族、社有車)」の3つの選択肢の中から、ここでは、「主に一人(所有者)で利用」を選択した例を示している。選択肢を選択したら「次へ」を操作し、次画面へ進む(以下、同様)。
次に、(b)の設定画面において、「所有者(ユーザー)の業種」について入力する。「製造業」、「建設業」、「卸売業」、「小売業」、「金融業」、「保険業」、・・・等の多数の選択肢の中から、ここでは、「製造業」を選択した例を示している。
次に、(c)の設定画面において、「所有者の職種」について入力する。「経営者」、「会社役員」、「管理職」、「技術職」、「事務職」、「営業」、・・・等の多数の選択肢の中から、ここでは、「技術職」を選択した例を示している。
次に、(d)の設定画面において、「所有者の車の利用状況」について入力する。「通勤で利用」、「通勤で利用しない」の2つの選択肢の中から、ここでは、「通勤で利用」を選択した例を示している。
次に、(e)の設定画面において、「スケジュール」について入力する。「週休2日」、「不定期」、「スケジュールを入力する」の3つの選択肢の中から、ここでは、「週休2日」を選択した例を示している。
次に、(f)の設定画面において、「休暇日」について入力する。「月曜〜日曜」の7つの選択肢の中から、ここでは、「土曜」と「日曜」の2つを選択した例を示している。
【0011】
《動作の流れ》
図5は本実施の形態のメニュー表示装置のフローチャートである。図5、図1を用いて動作の流れ(ユーザーの操作および図1のCPU15の処理の流れ)について説明する。
まず、ユーザーの車両購入後に、S1において、ユーザー等が当該メニュー表示装置において図4に例示したような所定のユーザー個人情報を入力し、S2において、ユーザー情報データベース10(図1。以下同様)にこのユーザー情報を記憶する。
次に、車両の走行(運転)中は、S3において、表示部1に地図画面を表示する。
次に、ユーザーの操作部2を用いた操作による、メニュー画面の呼び出しがあったかどうかを判断する。メニュー画面の呼び出しがない場合は、S3の地図表示に戻る。メニュー画面の呼び出しがあった場合は、S5へ進む。
【0012】
次に、S5において、車両の現在地を記録部(メモリ)7に記録する。
次に、S6において、現在の曜日・時刻を記録部7に記録する。
次に、S7において、ユーザー情報データベース10の職業判定データベース11と、職業コードにより職業を照合し、照合結果の職業を記録部7に記録する。
次に、S8において、内部時計27と曜日・時刻を照合し、照合結果の曜日・時刻を記録部7に記録する。
次に、S9において、休暇日判定データベース12と、休暇日コードにより休暇日を照合し、照合結果の休暇日を記録部7に記録する。
次に、S10において、現在地判定データベース13と、現在地コードにより現在地を照合し、照合結果の現在地を記録部7に記録する。
次に、S11において、現在地判定データベース13と、現在地コードにより走行・停車モードを照合し、照合結果の走行・停車モードを記録部7に記録する。
次に、S12において、メニュー判定データベース14と、メニューコードにより記録部7に記録された情報とメニュー判定値とを照合する。
次に、S13において、S12の照合結果に基づいて、所定のメニューを表示部1に表示し、S14において、操作を終了する。
【0013】
《データベースの例》
図6は本実施の形態の職業判定データベース11(図1)の内容の例を示す図である。図6に示すように、職業判定データベース11の内容は、例えば業種、職種、車の利用状況と、それぞれのコードが記憶されている。
【0014】
図7は本実施の形態の休暇日判定データベース12(図1)の内容の例を示す図である。図7に示すように、休暇日判定データベース12の内容は、例えば出勤日(出勤先A)、出勤日(出勤先B)、出勤日(出勤先C)、休日と、それぞれのコードが記憶されている。このように休暇日判定データベース12に記憶された休暇予定もしくはスケジュールに登録されたデータに基づいて判断する。なお、スケジュールの方を優先する。
【0015】
図8は本実施の形態の現在地判定データベース13(図1)の内容の例を示す図である。図8に示すように、現在地判定データベース13の内容は、例えば会社(出勤先A)、会社(出勤先B)、会社(出勤先C)、自宅と、それぞれのコードが記憶されている。なお、現在地判定データベース13に記憶された登録地(出勤先A〜C)および自宅に登録された地点と、現在地の地点とが1km以内であればそれに該当と判断する。
【0016】
図9は本実施の形態のメニュー判定データベース14(図1)の内容の例を示す図である。図9に示すように、メニュー判定データベース14の内容は、業種、職種、曜日、時間、場所とそれらに応じて選ばれたメニューが記憶されている。ここでは、ユーザーが会社員(製造業・技術職・土日週休2日)の例について示している。
例えば、平日(出勤日)の午前中であって、現在地が自宅の場合のメニューは、「オフィスに行く」、「周辺施設」、「交通情報」、「昨日のニュース」、「今日の天気」である。
また、平日(出勤日)の午後であって、現在地が自宅でない「その他」の場合のメニューは、「自宅へ帰る」、「周辺施設」、「交通情報」、「今日のニュース」、「明日の天気」である。
また、平日(休暇前)の午前中であって、現在地が自宅の場合のメニューは、「オフィスに行く」、「周辺施設」、「交通情報」、「昨日のニュース」、「今日の天気」である。
また、平日(休暇前)の午後であって、現在地が「その他」の場合のメニューは、「自宅へ帰る」、「周辺施設」、「交通情報」、「今日のニュース」、「明日の天気」、「レジャー情報」である。
また、休日の午前中であって、現在地が自宅の場合のメニューは、「遊びに行く」、「買い物に行く」、「交通情報」、「今日の天気」、「レジャー情報」である。
また、休日の午後であって、現在地が「その他」の場合のメニューは、「自宅へ帰る」、「寄り道する」、「交通情報」、「今日の天気」、「レジャー情報」である。
図10は本実施の形態の通常のメニュー構成の例を示す図である。
【0017】
本実施の形態の例えば車載ナビゲーション装置などのメニュー表示装置は、車の購入時に、所有者等のユーザーの業種・職種・休暇予定・勤め先(会社)・自宅などの情報を当該メニュー表示装置に入力して登録し、当該装置に内蔵された内部時計27(図1)による年月日・曜日・時間の情報や、GPSセンサ21や車速センサ23による現在地情報に基づいて、ユーザーが必要とするメニューに限定して表示部1に表示するものである。本メニュー表示装置は、ユーザーの職業・休暇日・現在地・メニューなどのパターン情報をそれぞれ有する職業判定データベース11、休暇日判定データベース12、現在地判定データベース13を持ったユーザー情報データベース10と、メニュー判定データベース14と、職業や現在の時間・場所を記録する記憶部9(あるいは記録部7を用いることも可)と、記憶部9に記録されたユーザー情報とユーザー情報データベース10のパターン情報から必要なメニューを抽出する表示メニュー判定部16を備えている。
【0018】
ユーザーは、図4(a)〜(f)に例示したように、車両購入後などに個人情報をメニュー形式で入力する。入力された情報は、図6の職業判定データベース11(業種・職種・車の利用状況)により分類されたコードや、休暇日判定データベース12により分類された出勤・休暇予定のコードやスケジュールの情報が記憶部9(あるいは記録部7)に記録される。
【0019】
ユーザーが情報を入力した後は、図3に示したように、車両のステアリング28などに設置され、図2に示した「かんたんメニュー」を表示部1に表示させるための操作部2を操作すると(ボタンを押すと)、メニュー表示装置本体に信号が送られる。このボタンが押された場合には、記憶部9に記録された休暇予定日やスケジュールの情報に基づいて、図7に示した休暇日判定データベース12を参照し、該当するコードを記録部7に記録する。また、現在地と登録地の情報を照合して、図8に示した現在地判定データベース13に該当するコードを記録部7に記録する。表示メニュー判定部16は、これらのコードに基づいて、図9に示したメニュー判定データベース14を参照し、該当するメニューデータを抽出してユーザーの属性に対応する図2に例示したようなメニュー画面を表示部1に表示する。なお、通常のメニューは、図10のように数多くのメニューを一定の構成で表示するようになっている。
【0020】
例えば、ユーザーが製造業の技術職で、土日が休暇日、車を通勤に利用する場合であれば、平日においては、朝は出勤に利用されるため、目的地は会社であり、出勤途中の周辺施設や交通情報などのメニューを必要とする。夕方になれば、自宅に帰宅するか寄り道をするため、周辺施設や今日のニュースなどの情報を必要とする傾向がある。休日においては、平日とまったく異なり、買い物やレジャーに使われるため、広い範囲での目的地設定やレジャー情報や天気予報などのメニューを必要とする傾向がある。
ユーザーが主婦であれば、平日は買い物や子供の送り迎えなどの用途が多い。
ユーザーが自営業あるいは車が社用車であれば、平日は得意先や自分の店(あるいは会社)に行くことが多い。
ユーザーがタクシードライバーや運送業で、車をその仕事に使用する場合では、住所や電話番号を検索することが多い、などの特徴がある。
休暇日は、常に一定ではないために、ユーザーがスケジュールを設定するメニューを設けたり、より正確なスケジュールのデータからメニューを想定することが可能である。
【0021】
図11は、図2に示した「かんたんメニュー」のより具体的な表示例を示す。
会社員、製造業、平日の場合は、例えば「オフィスに行く」、「目的地」、「会社に電話」、「メールを確認」、「経済ニュース」、「今日の天気予報」等が考えられる。
会社員、建設業、平日の場合は、「事務所に行く」、「目的地」、「事務所に電話」、「スケジュール確認」、「現場の天気」、「週間天気予報」等が考えられる。
会社員、営業、平日の場合は、「オフィスに行く」、「目的地」、「株価を見る」、「メールを確認」、「得意先のニュース」、「今日のスケジュール」等が考えられる。
自営業、平日の場合は、「お店に行く」、「目的地」、「今日のルート確認」、「メールを確認」、「今週のニュース」、「今週の天気予報」等が考えられる。
主婦、平日の場合は、「スーパーに行く」、「目的地」、「安売り情報」、「メール読み上げ」、「今日の占い」、「今日の天気予報」等が考えられる。
会社員、製造業、休日の場合は、「遊びに行く」、「目的地」、「交通情報」、「メール読み上げ」、「レジャー情報」、「今日の天気予報」等が考えられる。
なお、これらのメニューは、ユーザーが適宜設定可能になっていることはいうまでもない。
【0022】
また、図12は、異なる職業または異なる利用日時で、それぞれのユーザーが「かんたんメニュー」の同一名称項目を選択した場合に、選択された項目の次の階層で、職業または利用日時に合わせて異なるメニュー項目やページが表示される例を示す。すなわち、図12は、図11でそれぞれのユーザーの「かんたんメニュー」に項目として表示されている「目的地」を選択した後のメニューが、職業または利用日時で変わる表示例である。
例えば、会社員、製造業、平日の場合に表示される目的地は、「オフィス」、「A工場」、「B工場」、「A株式会社」、「B株式会社」、「C株式会社」等が考えられる。
会社員、製造業、休日の場合の目的地は、「友人A宅」、「友人B宅」、「友人C宅」、「D遊園地」、「E公園」、「F温泉」等が考えられる。
自営業、平日の場合は、「事務所A」、「事務所B」、「事務所C」、「取引先A」、「取引先B」、「取引先C」等が考えられる。
主婦、平日の場合は、「Aスーパー」、「Bスーパー」、「Cスーパー」、「A喫茶店」、「B喫茶店」、「C喫茶店」等が考えられる。
【0023】
本実施の形態では、異なる属性のユーザーや異なる時間帯における、「かんたんメニュー」の項目について、それぞれの属性や状況のメニューで「目的地」という項目を有しており、各ユーザーが「目的地」を選択した場合に、その次階層で表示される選択項目が異なる例を示した。
【0024】
なお、これらの例として、共通の項目は「目的地」に限られない。すなわち、「目的地」以外のメニュー項目がそれぞれの「かんたんメニュー」画面で表示される場合も考えられる。そして、そのようなあらゆるメニュー項目において、それぞれのユーザーや状況で異なる次画面表示を有していることが考えられる。
【0025】
また、次階層の画面として表示されるものは、選択形式の項目だけでなく、何らかの情報を表示したページの場合もある。
【0026】
以上説明したように、本実施の形態のメニュー表示装置は、移動端末のナビゲーション装置で用いられ、メニューを表示する表示部1と、少なくとも1人のユーザーの属性を記憶する記憶部9と、記憶部9に記憶されたユーザーの属性に基づいて、表示部1に表示するメニューを決定する表示メニュー判定部16とを有する。なお、ユーザーの属性というのは、例えばユーザーの職業、職種、休暇日、生活スケジュール、趣味等、様々のユーザー個人情報である。
また、本実施の形態のメニュー表示方法は、少なくとも1人のユーザーの属性を記憶し、記憶されたユーザーの属性に基づいて、表示部1に表示するメニューを決定するようになっている。
【0027】
従来の車載ナビゲーション装置では、すべてのユーザーにとって使いやすくするために、メニュー表示の優先順位を決めていた。また、通常のメニュー構成では、すべてのユーザーが要求する機能を盛り込んでいたため、表示するメニュー数(選択可能項目(表示ボタン。表示スイッチ)の数)が多く、あるユーザーにとってはほとんど使われないメニューなども表示する必要があった。また、使いやすさを向上するためには、できるだけ操作の手数を減らす必要があるので、入り口のメニューの選択可能項目を多く設けていた。さらに、機能が増加するにしたがって、入り口の選択可能項目数が増加してしまう。このように従来は選択可能項目数やメニューの階層が増加するため、使い難かった。また、従来は、運転履歴情報に基づいて予測情報を算出しているため、解析する情報量が多く、処理負荷が大きかった。
【0028】
本実施の形態では、従来技術のように運転履歴情報に基づくのではなく、ユーザーの例えば職業等の属性に基づいて、よく利用すると考えられるメニューを限定して表示部1に表示するものである。表示するメニューは、職業等のユーザーの属性ごとに固定され、メニューの選択可能項目も職業等の属性ごとの利用頻度に基づいて、必要最小限のみ限定表示するのが望ましい。このように、例えば職業や、職業ごとの出勤日や出勤時間等のユーザーの属性に基づいてメニューの決定を行う。これにより、ユーザーにとって使い勝手の良いメニューを提示することができるとともに、ユーザーに提示するメニューの選択可能項目の数や階層を減らすことができる。したがって、上記従来技術のように運転履歴情報が不十分なために不正確な情報を提示したり、不要なメニューの提示を行うことを無くし、正確で選択可能項目数の少ない端的な情報をユーザーに提示することができる。また、機能が増加したとしても1画面におけるメニューの選択可能項目の表示を低減することができ、ユーザーの利便性を向上させることができる。さらに、上記のことから、CPU15等のハードウェアによる不要な処理計算も軽減され、システム処理の効率が向上する。
【0029】
また、前記ユーザーの属性は職業である。これにより、ユーザーにとって職業に基づく使い勝手の良いメニューを提示することができる。
また、前記ユーザーの属性は生活スケジュールである。これにより、ユーザーにとって生活スケジュールに基づく使い勝手の良いメニューを提示することができる。
【0030】
また、本実施の形態のメニュー表示装置は、記憶部9に複数のユーザーが記憶された場合、表示メニュー判定部16は、ユーザーに応じて表示部1に表示するメニューを切り替えるようになっている。また、本実施の形態のメニュー表示方法は、複数のユーザーの属性が記憶された場合、記憶されたユーザーに応じて、表示部1に表示するメニューを切り替えるようになっている。これにより、複数のあらゆるユーザーに適応できる使い勝手の良いメニューをそれぞれ提示することができ、ユーザーの利便性をさらに向上することができる。このように複数のユーザー(利用者)が当該メニュー表示装置に設定(登録)されている場合には、各ユーザーの利用時にユーザーの特定を行った上で、メニューを切り替えるようにする。なお、ユーザーの特定は、キーレスエントリー、個人認証、ユーザー自らの入力、運転席シート位置の検出などによって可能である。
【0031】
また、ユーザーの属性に基づいてメニューを決定するためのデータベース、すなわち、職業判定データベース11、休暇日判定データベース12、現在地判定データベース13を有するユーザー情報データベース、およびメニュー判定データベース14を有する。このように例えばユーザーの職業を分類する職業判定データベース11による職業や、休暇日判定データベース12による出勤日・休暇日のスケジュールと、内部時計27による時間、現在地判定データベース13による場所等に基づいて、予め用意したメニューパターンを記憶させたメニュー判定データベース14から情報を読み込んでメニューを表示するようになっている。従来の運転履歴などのデータベースと異なり、個人情報を入力すれば当該メニュー表示装置が有するデータベースの曜日や時間や現在地などの情報に基づいて、ユーザーにとって的確なメニューを予測することが可能となるため、入力の手間が少なく、システムの処理負荷の小さいメニュー提示の自動化を実現することができる。
【0032】
また、ユーザーの生活スケジュールを、通信媒体を介して記憶部9にダウンロード可能になっている。すなわち、外部のPDAやパーソナル・コンピュータや携帯電話などの生活スケジュールを管理しているソフトウェアから、車内の携帯電話や有線・無線通信などの通信媒体を利用して、本メニュー表示装置へユーザーが入力した生活スケジュールの情報をダウンロードして、当該メニュー表示装置へ入力することも可能である。このように外部から生活スケジュール情報を取り込むことにより、出勤日や休日の正確な情報に基づく、より精度の高いメニューを提示することができる。
【0033】
なお、以上説明した実施の形態は、本発明の技術的思想の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施の形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
また、特許請求の範囲における各構成要素と、発明の実施の形態における各構成要素との対応について説明する。すなわち、実施の形態における表示部1が特許請求の範囲の表示手段に、記憶部9が記憶手段に、表示メニュー判定部16が決定手段に、電話17、データ通信18、通信処理部20等が通信媒体にそれぞれ対応する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施の形態のメニュー表示装置の構成を示す図である。
【図2】本実施の形態において表示画面に表示する「かんたんメニュー」を示す図である。
【図3】本実施の形態における表示部や操作部等を示す図である。
【図4】ユーザーが車両購入後、ユーザーの情報を入力する例を示す図である。
【図5】本実施の形態のメニュー表示装置のフローチャートである。
【図6】本実施の形態の職業判定データベースの内容の例を示す図である。
【図7】本実施の形態の休暇日判定データベースの内容の例を示す図である。
【図8】本実施の形態の現在地判定データベースの内容の例を示す図である。
【図9】本実施の形態のメニュー判定データベースの内容の例を示す図である。
【図10】本実施の形態の通常のメニュー構成の例を示す図である。
【図11】本実施の形態において表示画面に表示する「かんたんメニュー」の他の具体例を示す図である。
【図12】本実施の形態において目的地を選択した後の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0035】
1…表示部 2…操作部
3…マイク 4…描画プロセッサ
5…インタフェース処理部 6…音声認識部
7…記録部(メモリ) 8…DVD−ROMまたはCD
9…記憶部(HDD) 10…ユーザー情報データベース
11…職業判定データベース 12…休暇日判定データベース
13…現在地判定データベース 14…メニュー判定データベース
15…CPU 16…表示メニュー判定部
17…電話 18…データ通信
19…オペレータ 20…通信処理部
21…GPSセンサ 22…方位センサ
23…車速センサ 24…パーキングブレーキセンサ
25…各種センサ 26…センサ信号処理部
27…内部時計
28…ステアリング 29…クラスターリッドC
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動端末のナビゲーション装置で用いられ、メニューを表示する表示手段と、
少なくとも1人のユーザーの属性を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記ユーザーの属性に基づいて、前記表示手段に表示するメニューを決定する決定手段と
を有することを特徴とするメニュー表示装置。
【請求項2】
前記ユーザーの属性は職業であることを特徴とする請求項1記載のメニュー表示装置。
【請求項3】
前記ユーザーの職業は、業種で判定することを特徴とする請求項2記載のメニュー表示装置。
【請求項4】
前記ユーザーの職業は、職種で判定することを特徴とする請求項2記載のメニュー表示装置。
【請求項5】
前記ユーザーの属性は生活スケジュールであることを特徴とする請求項1記載のメニュー表示装置。
【請求項6】
前記記憶手段に複数のユーザーが記憶された場合、
前記決定手段は、
前記ユーザーに応じて、前記表示手段に表示するメニューを切り替えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載のメニュー表示装置。
【請求項7】
前記ユーザーの属性に基づいてメニューを決定するためのデータベースを有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか記載のメニュー表示装置。
【請求項8】
前記ユーザーの生活スケジュールを、通信媒体を介して前記記憶手段にダウンロード可能になっていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか記載のメニュー表示装置。
【請求項9】
少なくとも1人のユーザーの属性を記憶し、
記憶された前記ユーザーの属性に基づいて、移動端末のナビゲーション装置で用いられる表示手段に表示するメニューを決定することを特徴とするメニュー表示方法。
【請求項10】
複数のユーザーの属性が記憶された場合、
記憶された前記ユーザーに応じて、前記表示手段に表示するメニューを切り替えることを特徴とする請求項9載のメニュー表示方法。
【請求項1】
移動端末のナビゲーション装置で用いられ、メニューを表示する表示手段と、
少なくとも1人のユーザーの属性を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記ユーザーの属性に基づいて、前記表示手段に表示するメニューを決定する決定手段と
を有することを特徴とするメニュー表示装置。
【請求項2】
前記ユーザーの属性は職業であることを特徴とする請求項1記載のメニュー表示装置。
【請求項3】
前記ユーザーの職業は、業種で判定することを特徴とする請求項2記載のメニュー表示装置。
【請求項4】
前記ユーザーの職業は、職種で判定することを特徴とする請求項2記載のメニュー表示装置。
【請求項5】
前記ユーザーの属性は生活スケジュールであることを特徴とする請求項1記載のメニュー表示装置。
【請求項6】
前記記憶手段に複数のユーザーが記憶された場合、
前記決定手段は、
前記ユーザーに応じて、前記表示手段に表示するメニューを切り替えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載のメニュー表示装置。
【請求項7】
前記ユーザーの属性に基づいてメニューを決定するためのデータベースを有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか記載のメニュー表示装置。
【請求項8】
前記ユーザーの生活スケジュールを、通信媒体を介して前記記憶手段にダウンロード可能になっていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか記載のメニュー表示装置。
【請求項9】
少なくとも1人のユーザーの属性を記憶し、
記憶された前記ユーザーの属性に基づいて、移動端末のナビゲーション装置で用いられる表示手段に表示するメニューを決定することを特徴とするメニュー表示方法。
【請求項10】
複数のユーザーの属性が記憶された場合、
記憶された前記ユーザーに応じて、前記表示手段に表示するメニューを切り替えることを特徴とする請求項9載のメニュー表示方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−42067(P2007−42067A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−123872(P2006−123872)
【出願日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
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