説明

メータ表示装置、その方法及びハイブリッド自動車

【課題】 ハイブリッド自動車に関する複数のパラメータの変化の様子を小さな表示スペースに表示する。
【解決手段】 メータECUは、シフトポジションSPがSレンジつまりシーケンシャルシフトレンジにセットされているか否かを判定し、Sレンジにセットされていないときには、エンジンから出力されるエンジン出力パワーPeの変化の様子を表すパワーメータ92をメータ表示パネル90に表示する。一方、Sレンジにセットされていたときには、ハイブリッド用電子制御ユニットはシフトアップ操作がなされたときにあたかも実際にシフトアップされたかのごとくエンジンの回転数を一旦低くし、シフトダウン操作がなされたときにはあたかも実際にシフトダウンされたかのごとくエンジン22の回転数を一旦高くするというエンジンの回転数の演出制御を行うことから、エンジンの回転数の変化の様子を表すタコメータ94をメータ表示パネル90に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メータ表示装置、その方法及びハイブリッド自動車に関し、詳しくは、内燃機関及び電動機を制御して該内燃機関及び該電動機の一方又は両方から車輪を回転させる駆動軸に動力を出力するハイブリッド自動車に利用されるメータ表示装置、その方法及びハイブリッド自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内燃機関及び電動機を制御して該内燃機関及び該電動機の一方又は両方から駆動軸に動力を出力するハイブリッド自動車に利用されるメータ表示装置としては、例えば特許文献1のように、運転モードに応じて異なる部位の回転数やトルクをインジケータに表示するものが知られている。このメータ表示装置は、運転状態がモータ走行のときにはインジケータの回転数表示部及びトルク表示部にそれぞれ自動変速機の入力軸回転数及び入力軸トルクを表示し、運転状態がエンジン走行のときにはインジケータの回転数表示部及びトルク表示部にそれぞれエンジン回転数及びエンジントルクを表示する。
【特許文献1】特開平10−129298
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述したメータ表示装置では、インジケータに回転数表示部とトルク表示部という二つの表示部を並べて表示するものであるため、大きな表示スペースが必要になるという問題があった。
【0004】
本発明は上述した課題に鑑みなされたものであり、ハイブリッド自動車に関する複数のパラメータの変化の様子を小さな表示スペースに表示可能なメータ表示装置、その方法及びその表示装置を搭載するハイブリッド自動車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
【0006】
すなわち、本発明のメータ表示装置は、内燃機関及び電動機を制御して該内燃機関及び該電動機の一方又は両方から車輪を回転させる駆動軸に動力を出力するハイブリッド自動車に利用されるメータ表示装置であって、
前記ハイブリッド自動車に関する第1パラメータの変化の様子を表示する表示内容と前記ハイブリッド自動車に関する第2パラメータの変化の様子を表示する第2表示内容とを含む複数の表示内容を重畳して表示可能な表示手段と、
前記表示手段に表示可能な複数の表示内容のいずれかを前記表示手段に表示する表示制御手段と、
を備えたものである。
【0007】
このメータ表示装置では、第1表示内容と第2表示内容とを含む複数の表示内容を重畳して表示可能な表示手段に、該複数の表示内容のいずれかを表示する。つまり、表示手段に表示されていた表示内容を別の表示内容に切り替えて表示する。このため、複数の表示内容を表示するにあたり、各表示内容を並べて表示する場合に比べて小さな表示スペースで表示することができる。
【0008】
本発明のメータ表示装置において、前記表示制御手段は、運転者によるスイッチ操作又は前記ハイブリッド自動車の運転状況に基づいて前記複数の表示内容のいずれかを前記表示手段に表示してもよい。こうすれば、例えば、運転者がスイッチを切り替えたときにはその切り替え後のスイッチ状態に合致した表示内容を表示したり、ハイブリッド自動車の運転状況が変化したときにはその変化後の運転状況に合致した表示内容を表示したりすることができる。
【0009】
本発明のメータ表示装置において、前記第1表示内容は前記内燃機関の回転数の変化の様子を表示する回転数計であり、前記第2表示内容は前記ハイブリッド自動車から出力されるパワー、前記内燃機関から出力されるパワー及び前記駆動軸に出力されるパワーのいずれかの変化の様子を表示する出力計であってもよい。ここで、前記表示制御手段は、シーケンシャルシフトスイッチがオンのときには前記表示手段に前記回転数計を表示し、前記シーケンシャルシフトスイッチがオフのときには前記表示手段に前記出力計を表示してもよい。こうすれば、運転者がシーケンシャルシフトにおいてシフトアップ操作やシフトダウン操作を行ったときにはそれに伴う内燃機関の回転数の変化の様子を運転者が視認することができる。あるいは、前記表示制御手段は、前記ハイブリッド自動車の運転状況が前記内燃機関の回転数の演出を伴うときには前記表示手段に前記回転数計を表示し、前記ハイブリッド自動車の運転状況が前記内燃機関の回転数の演出を伴わないときには前記表示手段に前記出力計を表示してもよい。こうすれば、内燃機関の回転数の演出と共に内燃機関の回転数の変化の様子が表示されるためその演出の効果が一層高くなる。あるいは、前記表示制御手段は、前記内燃機関の運転を停止して前記電動機から前記駆動軸に動力を出力するときには前記出力計を前記表示パネルに表示してもよい。こうすれば、内燃機関の運転を停止したときのように内燃機関の回転数を表示する必要性が乏しいときには出力計が表示される。
【0010】
本発明のメータ表示装置において、前記表示制御手段は、前記出力計と前記回転数計とを切り替える際、少なくとも前記出力計の目盛り表示と前記回転数計の目盛り表示とを電気的に切り替えてもよい。このときの切り替えは、例えば数字や文字を変更するほかそれらの色彩や模様等も変更してもよい。あるいは、前記表示制御手段は、前記出力計と前記回転数計とを切り替える際、少なくとも前記出力計の針表示と前記回転数計の針表示とを電気的に切り替えてもよい。このときの切り替えは、例えば針の形状や色彩、模様等を変更してもよい。
【0011】
本発明のメータ表示方法は、内燃機関及び電動機を制御して該内燃機関及び該電動機の一方又は両方から駆動軸に動力を出力するハイブリッド自動車に利用されるメータ表示方法であって、前記ハイブリッド自動車に関する第1パラメータの変化の様子を表示する表示内容と前記ハイブリッド自動車に関する第2パラメータの変化の様子を表示する第2表示内容とを含む複数の表示内容を重畳して表示可能な表示手段に、該複数の表示内容のいずれかを前記表示手段に表示するものである。こうすれば、複数の表示内容を表示するにあたり、各表示内容を並べて表示する場合に比べて小さな表示スペースで表示することができる。なお、本発明のメータ表示方法において、上述した各メータ表示装置の機能を実現するようなステップを追加してもよい。
【0012】
本発明のメータ表示装置を搭載したハイブリッド自動車は、本発明のメータ表示装置を搭載しているため、複数の表示内容を表示するにあたり、各表示内容を並べて表示する場合に比べて小さな表示スペースで表示することができる。また、このハイブリッド自動車は、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸とに接続され電力と動力の入出力により該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力可能な電力動力入出力手段と、該ハイブリッド自動車の運転状態に基づいて前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを制御する車両制御手段とを備えていてもよく、該車両制御手段はシーケンシャルシフトスイッチがオンされているときには運転者によるシフトアップ操作又はシフトダウン操作に基づいて少なくとも前記内燃機関の回転数が変動するよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを制御してもよい。ここで、前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸と第3の回転軸の3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の1軸に動力を入出力させる3軸式の動力入出力手段と、前記第3の回転軸に動力を入出力可能な発電機とを備える手段としてもよいし、あるいは、前記内燃機関の出力軸に接続された第1の回転子と前記駆動軸に接続された第2の回転子とを有し、該第1の回転子と該第2の回転子の電磁的な作用による電力の入出力により前記内燃機関からの動力の少なくとも一部を前記駆動軸に出力可能な対回転子電動機としてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は本発明の一実施形態であるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。本実施形態のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、この減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、車両の駆動系をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
【0014】
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
【0015】
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行う遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力とを統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の駆動輪63a,63bに出力される。
【0016】
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行う。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
【0017】
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)も演算している。
【0018】
メータ表示パネル90は、本実施形態では液晶パネルであり、エンジン22に要求されるエンジン要求パワーの変化の様子を表すパワーメータ92(図7(a)参照)とエンジン22の回転数の変化の様子を表すタコメータ94(図7(b)参照)とを同じ表示領域内で重畳して表示することができる。このメータ表示パネル90は、メータ用電子制御ユニット96(以下、メータECUという)によって表示内容が制御されている。
【0019】
シフトレバー81は、周知のPレンジ、Rレンジ、Dレンジのほかに回生ブレーキを効果的に機能させるBレンジや、シフトレバー81を前に倒すと擬似的にシフトアップし後に倒すと擬似的にシフトダウンするシーケンシャルシフトレンジ(以下Sレンジという)を含む複数のレンジのうちのいずれかのレンジに設定するための操作レバーである。
【0020】
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52,メータECU96と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52,メータECU96と各種制御信号やデータのやりとりを行っている。
【0021】
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、(1)要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モード、(2)要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、(3)エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モード、などがある。
【0022】
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に運転者のアクセルペダル83の踏み込みに応じた駆動力を駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力する際の動作について説明する。図2は、ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば8msec毎)に繰り返し実行される。
【0023】
駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,バッテリ50の充放電要求パワーPb*など制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS102)。ここで、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されるモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて計算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。また、充放電要求パワーPb*は、バッテリ50の残容量(SOC)が基準値より大きいときには大きいほど放電用のパワーが大きくなるように、且つ、残容量(SOC)が基準値より小さいときには小さいほど充電用のパワーが大きくなるように予め設定されたマップを用いてバッテリECU52により設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。
【0024】
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動輪63a,63bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*とリングギヤ軸32aに出力すべき駆動用のパワーとして駆動要求パワーPr*とを設定する(ステップS104)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図3に要求トルク設定用マップの一例を示す。駆動要求パワーPr*は、設定した要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものとして計算することができる。なお、リングギヤ軸32aの回転数Nrは、車速Vに換算係数kを乗じることによって求めたり、モータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで割ることによって求めることができる。
【0025】
要求トルクTr*と駆動要求パワーPr*とを設定すると、駆動要求パワーPr*と充放電要求パワーPb*とロスLossとの和をエンジン22から出力すべきエンジン要求パワーPe*として計算する(ステップS106)。続いて、このエンジン要求パワーPe*を出力可能なエンジン22の運転ポイント(トルクと回転数により定まるポイント)のうちエンジン22を最も効率よく運転できる最適運転ポイントをエンジン22の目標トルクTe*、目標回転数Ne*として設定する(ステップS108)。このような最適運転ポイントを設定する様子を図4に示す。図中、曲線Aはエンジン最適動作ラインであり、曲線Bはエンジン要求パワーPe*におけるパワー同一曲線である。ここで、パワーはトルクと回転数の積で表されるから、パワー同一曲線Bは反比例型のグラフになる。図示するように、エンジン最適動作ラインAとエンジン要求パワーPe*のパワー同一曲線Bとの交点である最適運転ポイントでエンジン22を運転すれば、エンジン22からエンジン要求パワーPe*を効率よく出力することができる。ここでは、エンジン要求パワーPe*と最適運転ポイントの関係を予め実験などにより求めてマップとしてハイブリッドECU70のROM74に記憶しておき、エンジン要求パワーPe*が与えられるとマップから対応する最適運転ポイントの回転数とトルクとを導出して目標回転数Ne*と目標トルクTe*として設定するものとした。なお、図2では説明を省略しているが、エンジン要求パワーPe*が予め定められた最小要求パワー(ハイブリッド自動車20のシステム全体の効率が低下することを考慮して経験的に定められた値)を下回るときには、エンジン要求パワーPe*をゼロに設定し、モータMG1のロータの回転抵抗がゼロになるようにモータMG1を制御し、リングギヤ軸32aの目標トルクTr*をすべてモータMG2によって賄うように制御する(モータ運転モード)。
【0026】
続いて、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、シフトレバー81がSレンジにセットされた状態で運転者によるシフトアップ操作がなされたか否かを判定し(ステップS112)、シフトアップ操作がなされたときには、シフトアップフラグFupに値1をセットし(ステップS114)、エンジン22の目標回転数Ne*に補正係数β(<1)を乗じた値を新たな目標回転数Ne*とする(ステップS116)。つまり、シフトアップ操作がなされたときには、エンジン22の目標回転数Ne*を最適運転ポイントよりも低くなるように設定し直す。一方、ステップS112でSレンジにセットされた状態でのシフトアップ操作がなされなかったときには、シフトアップフラグFupが値1か否かを判定し(ステップS118)、シフトアップフラグFupが値1のときには補正係数βを所定割合で1に近づくように処理して更新する(ステップS120)。例えば、補正係数βに一定値pを加算して1に近づくように処理してもよいし、補正係数βに一定値qを乗じて1に近づくように処理してもよい。これらの値p,qは、値p,qを用いて補正係数βが1に近づく処理を補正係数βに複数回行ったあと補正係数βが1を超えるように設定されている。そして、更新後の補正係数βが1以上になったか否かを判定し(ステップS122)、補正係数βが1未満だったときにはエンジン22の目標回転数Ne*に補正係数βを乗じた値を新たな目標回転数Ne*とし(ステップS116)、補正係数βが1以上だったときには目標回転数Ne*の補正を行うことなくシフトアップフラグFupをゼロにリセットする(ステップS124)。これにより、Sレンジでシフトアップ操作がなされたときには、エンジン22の目標回転数Ne*を最適運転ポイントよりも低くなるように設定し直し、その後徐々に最適運転ポイントの回転数に近づくように設定することになる。したがって、実際には変速比を変化させるわけではないが、あたかも変速比がシフトアップ側に変更されたかのごとくエンジン22の回転数を演出することにより運転者は変速感を得ることができる。
【0027】
また、ステップS118でシフトアップフラグFupがゼロだったときには、シフトレバー81がSレンジにセットされた状態で運転者によるシフトダウン操作がなされたか否かを判定し(ステップS126)、シフトダウン操作がなされたときには、シフトダウンフラグFdownに値1をセットし(ステップS128)、エンジン22の目標回転数Ne*に補正係数γ(>1)を乗じた値を新たな目標回転数Ne*とする(ステップS130)。つまり、シフトダウン操作がなされたときには、エンジン22の目標回転数Ne*を最適運転ポイントよりも高くなるように設定し直す。一方、ステップS126でSレンジにセットされた状態でのシフトダウン操作がなされなかったときには、シフトダウンフラグFdownが値1か否かを判定し(ステップS132)、シフトダウンフラグFdownが値1のときには補正係数γを所定割合で1に近づくように処理して更新する(ステップS134)。例えば、補正係数γに一定値rを減算して1に近づくように処理してもよいし、補正係数γに一定値sを乗じて1に近づくように処理してもよい。これらの値r,sは、値r,sを用いて補正係数γが1に近づく処理を補正係数γに複数回行ったあと補正係数γが1以下になるように設定されている。そして、更新後の補正係数γが1以下になったか否かを判定し(ステップS136)、補正係数γが1を超えていたときにはエンジン22の目標回転数Ne*に補正係数γを乗じた値を新たな目標回転数Ne*とし(ステップS130)、補正係数γが1以下だったときには目標回転数Ne*の補正を行うことなくシフトダウンフラグFdownをゼロにリセットする(ステップS138)。これにより、Sレンジでシフトダウン操作がなされたときには、エンジン22の目標回転数Ne*を最適運転ポイントよりも高くなるように設定し直し、その後徐々に最適運転ポイントの回転数に近づくように設定することになる。したがって、実際には変速比を変化させるわけではないが、あたかも変速比がシフトダウン側に変更されたかのごとくエンジン22の回転数を演出することにより運転者は変速感を得ることができる。
【0028】
そしてステップS116,S124,S130又はS138のあと、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定する(ステップS140)。すなわち、目標回転数Ne*とリングギヤ軸32aの回転数Nr(Nm2/Gr)と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いて次式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に、計算した目標回転数Nm1*と現在の回転数Nm1とに基づいて式(2)によりモータMG1のトルク指令Tm1*を計算する。ここで、式(1)は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図を図5に示す。式(1)は、この共線図を用いれば容易に導くことができる。なお、R軸上の2つの太線矢印は、エンジン22を目標回転数Ne*および目標トルクTe*の運転ポイントで定常運転したときにエンジン22から出力されるトルクTe*がリングギヤ軸32aに伝達されるトルクTerと、モータMG2から出力されるトルクTm2*が減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクTm2*・Grとを示す。また、式(2)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(2)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。
【0029】
[数1]
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ−Nm2/(Gr・ρ) …(1)
Tm1*=前回Tm1*+k1(Nm1*−Nm1)+k2∫(Nm1*−Nm1)dt …(2)
【0030】
こうしてモータMG1の目標回転数Nm1*とトルク指令Tm1*とを計算すると、バッテリ50の出力制限WoutとモータMG1のトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との偏差をモータMG2の回転数Nm2で割ることによりモータMG2から出力してもよいトルクの上限としてのトルク制限Tmaxを次式(3)により計算すると共に、目標トルクTr*とトルク指令Tm1*と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いてモータMG2から出力すべきトルクとしての仮モータトルクTm2tmpを式(4)により計算し、トルク制限Tmaxと仮モータトルクTm2tmpとを比較して小さい方をモータMG2のトルク指令Tm2*として設定する。このようにモータMG2のトルク指令Tm2*を設定することにより、駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力する目標トルクTr*を、バッテリ50の出力制限の範囲内で制限したトルクとして設定することができる。なお、式(4)は、前述した図5の共線図から容易に導き出すことができる。
【0031】
[数2]
Tmax=(Wout−Tm1*・Nm1)/Nm2 …(3)
Tm2tmp=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr …(4)
【0032】
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1のトルク指令Tm1*,モータMG2のトルク指令Tm2*を設定すると、エンジンECU24に対してはエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを送信すると共にモータECU40に対してはモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を送信して(ステップS150)、本ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるように燃料噴射制御や点火制御などを行う。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行う。
【0033】
次に、ハイブリッド自動車20のメータECU96により実行されるメータ表示制御ルーチンについて説明する。図6はメータ表示制御ルーチンの一例を表すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば8msec毎)に繰り返し実行される。
【0034】
メータ表示制御ルーチンが実行されると、メータECU96は、まず、シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSPを入力する処理を実行する(ステップS202)。ここで、シフトポジションSPはハイブリッド用電子制御ユニット70から通信により入力されるものとした。続いて、シフトポジションSPがSレンジつまりシーケンシャルシフトレンジにセットされているか否かを判定し(ステップS204)、Sレンジにセットされていないときには、上述したようにハイブリッド用電子制御ユニット70による駆動制御ルーチンがエンジン要求パワーPe*に基づいて実行されている関係上、エンジン22から出力されるエンジン出力パワーPeの変化の様子を表すパワーメータ92(図7(a)参照)をメータ表示パネル90に表示し(ステップS206)、現在のエンジン出力パワーPeの値を入力しその値をパワーメータ92の針92aが指すようにメータ表示パネル90の表示を制御し(ステップS208)、本ルーチンを終了する。なお、エンジン出力パワーPeは、エンジン要求パワーPe*と同値とみなしてハイブリッド用電子制御ユニット70からエンジン要求パワーPe*の値を表示するようにしてもよい。
【0035】
一方、ステップS204でSレンジにセットされていたときには、上述したように、シフトアップ操作がなされたときにはあたかも実際に変速比がシフトアップ側に変更されたかのごとくエンジン22の回転数を一旦低くし、シフトダウン操作がなされたときにはあたかも実際に変速比がシフトダウン側に変更されたかのごとくエンジン22の回転数を一旦高くするというエンジン22の回転数の演出制御を行うことから、エンジン22の回転数の変化の様子を表すタコメータ94をメータ表示パネル90に表示し(ステップS210)、現在のエンジン22の回転数の値を入力しその値をタコメータ94の針94aが指すようにメータ表示パネル90を制御し(ステップS212)、本ルーチンを終了する。なお、エンジン22の回転数は、クランクシャフト26に取り付けられた図示しないクランク角センサの検出値に基づいて算出した値を表示するようにしてもよいし、目標回転数Ne*と同値とみなしてハイブリッド用電子制御ユニット70から目標回転数Ne*の値を表示するようにしてもよい。
【0036】
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態のメータ表示パネル90が本発明の表示手段に相当し、メータECU96が表示制御手段に相当する。また、クランクシャフト26が出力軸に、リングギヤ軸32aが駆動軸に、モータMG2が電動機に、ハイブリッド用電子制御ユニット70が車両制御手段に、モータMG1と動力分配統合機構30とが電力動力入出力手段に、モータMG1が発電機に、動力分配統合機構30が動力入出力手段に、それぞれ相当する。なお、本実施形態では、ハイブリッド自動車20のメータECU96の動作を説明することにより本発明のメータ表示方法の一例も明らかにしている。
【0037】
以上詳述した本実施形態によれば、パワーメータ92とタコメータ94を表示するにあたり、両者を並べて表示する場合に比べて小さな表示スペースで表示することができる。また、運転者によるシフトレバー81の操作に伴うシフトポジションSPに基づいてパワーメータ92とタコメータ94のいずれかをメータ表示パネル90に表示するため、運転者がシフトレバー81を他のレンジからSレンジに切り替えたりSレンジから他のレンジに切り替えたりしたときにはその切り替え後のシフトポジションSPに合致した表示内容を表示することができる。更に、ハイブリッド自動車20ではSレンジでシフトアップ操作やシフトダウン操作が行われたとしても実際に変速機のギヤ比を変更させるのではなくあたかもギヤ比が変更されたかのごとくエンジン22の回転数を変化させる演出を行うものであるが、運転者はシフトレバー81をSレンジにセットしたときにはタコメータ94が表示されるためエンジン22の回転数の演出を視認することができ、変速感を目で味わうことができる。
【0038】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り、種々の形態を採ることができることはいうまでもない。
【0039】
例えば、上述した実施形態では、シフトレバー81がSレンジにセットされているか否かに基づいてメータ表示パネル90にパワーメータ92とタコメータ94のいずれかを表示するようにしたが、シフトレバー81がSレンジにセットされたときにはオンになりシフトレバー81がSレンジ以外のレンジにセットされたときにはオフになるシーケンシャルシフトスイッチを設け、メータECU96は、シーケンシャルシフトスイッチがオフのときにはメータ表示パネル90にパワーメータ92を表示し、シーケンシャルシフトスイッチがオンのときにはメータ表示パネル90にタコメータ94を表示してもよい。あるいは、上述した実施形態では、ハイブリッド自動車20はSレンジでシフトアップ操作やシフトダウン操作が行われたとしても実際に変速機のギヤ比を変更するのではなくあたかもギヤ比が変更されたかのごとくエンジン22の回転数を変化させる演出を行うことから、シフトレバー81がSレンジにセットされているか否かを判定する代わりに、エンジン22の回転数の演出を伴う運転状況か否かを判定し、その判定結果に基づいてメータ表示パネル90にパワーメータ92とタコメータ94のいずれかを表示してもよい。あるいは、メータECU96は、モータ運転モードのときにはエンジン22の回転数の変化を表示してもあまり意味がないことからメータ表示パネル90にパワーメータ92を表示するようにしてもよい。
【0040】
また、上述した実施形態では、メータECU96はパワーメータ92とタコメータ94とを切り替えてメータ表示パネル90に表示する際、針92a,94aは共通のままパワーメータ92の目盛り表示とタコメータ94の目盛り表示とを電気的に切り替えるようにしたが、図8に示すようにパワーメータ192とタコメータ194の目盛り表示は共通のまま(つまり常に両方の目盛りを表示したまま)、針192aと針194aとを電気的に切り替えて表示してもよい。ここで、パワーメータ192の目盛りは外側の円弧に沿って設けられ、タコメータ194の目盛りは内側の円弧に沿って設けられているため、パワーメータ192の針192aはその先端が外側の円弧を超えるように表示され(図8(a)参照)、タコメータ194の針194aはその先端が外側の円弧を超えず内側の円弧を超えるように表示される(図8(b)参照)。
【0041】
更に、上述した実施形態では、メータ表示パネル90として液晶パネルを採用したが、種々の態様を表示できるものであれば特に液晶パネルに限定されるものではなく、例えば多数のLEDを並べたパネルであってもよい。
【0042】
更にまた、上述した実施形態のハイブリッド自動車20では、Sレンジでシフトアップ操作やシフトダウン操作がなされたときには当初計算したエンジン22の目標回転数Ne*を低い値に更新するようにしたが、当初計算したエンジン要求パワーPe*を低い値に更新して更新後のエンジン要求パワーPe*に見合った最適運転ポイントのエンジン回転数とエンジントルクを目標回転数Ne*と目標トルクTe*として制御してもよい。
【0043】
そしてまた、上述した実施形態のハイブリッド自動車20では、パワーメータ92にエンジン22から出力されるパワーを表示するようにしたが、駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されるパワーPr(あるいは駆動要求パワーPr*)を表示してもよい。
【0044】
そして更に、上述した実施形態のハイブリッド自動車20では、モータMG2の動力を減速ギヤ35により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図9の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪63a,63bが接続された車軸)とは異なる車軸(図9における車輪64a,64bに接続された車軸)に接続するものとしてもよい。
【0045】
そして更にまた、上述した実施形態のハイブリッド自動車20では、エンジン22の動力を動力分配統合機構30を介して駆動輪63a,63bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図10の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン22のクランクシャフト26に接続されたインナーロータ232と駆動輪63a,63bに動力を出力する駆動軸に接続されたアウターロータ234とを有し、エンジン22の動力の一部を駆動軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えるものとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】ハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。
【図2】駆動制御ルーチンのフローチャートである。
【図3】アクセル開度と車速と要求トルクとの関係を示すマップである。
【図4】最適運転ポイントを設定する様子を表す説明図である。
【図5】代表的な動作共線の説明図である。
【図6】メータ表示制御ルーチンのフローチャートである。
【図7】メータ表示パネルの説明図で、(a)はパワーメータを表し、(b)はタコメータを表す。
【図8】別のメータ表示パネルの説明図で、(a)はパワーメータを表し、(b)はタコメータを表す。
【図9】ハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。
【図10】ハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
【符号の説明】
【0047】
20 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジンECU、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 減速ギヤ、40 モータECU、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリECU、54 電力ライン、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b 駆動輪、64a,64b 車輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、90 メータ表示パネル、92 パワーメータ、92a 針、94 タコメータ、94a 針、96 メータECU、192 パワーメータ、192a 針、194 タコメータ、194a 針、MG1,MG2 モータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関及び電動機を制御して該内燃機関及び該電動機の一方又は両方から車輪を回転させる駆動軸に動力を出力するハイブリッド自動車に利用されるメータ表示装置であって、
前記ハイブリッド自動車に関する第1パラメータの変化の様子を表示する表示内容と前記ハイブリッド自動車に関する第2パラメータの変化の様子を表示する第2表示内容とを含む複数の表示内容を重畳して表示可能な表示手段と、
前記表示手段に表示可能な複数の表示内容のいずれかを前記表示手段に表示する表示制御手段と、
を備えるメータ表示装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、運転者によるスイッチ操作又は前記ハイブリッド自動車の運転状況に基づいて前記複数の表示内容のいずれかを前記表示手段に表示する、請求項1に記載のメータ表示装置。
【請求項3】
前記第1表示内容は前記内燃機関の回転数の変化の様子を表示する回転数計であり、前記第2表示内容は前記ハイブリッド自動車から出力されるパワー、前記内燃機関から出力されるパワー及び前記駆動軸に出力されるパワーのいずれかの変化の様子を表示する出力計である、請求項1又は2に記載のメータ表示装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、シーケンシャルシフトスイッチがオンのときには前記表示手段に前記回転数計を表示し、前記シーケンシャルシフトスイッチがオフのときには前記表示手段に前記出力計を表示する、請求項3に記載のメータ表示装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記ハイブリッド自動車の運転状況が前記内燃機関の回転数の演出を伴うときには前記表示手段に前記回転数計を表示し、前記ハイブリッド自動車の運転状況が前記内燃機関の回転数の演出を伴わないときには前記表示手段に前記出力計を表示する、請求項3に記載のメータ表示装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記内燃機関の運転を停止して前記電動機から前記駆動軸に動力を出力するときには前記出力計を前記表示パネルに表示する、請求項3〜5のいずれかに記載のメータ表示装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記出力計と前記回転数計とを切り替える際、少なくとも前記出力計の目盛り表示と前記回転数計の目盛り表示とを電気的に切り替える、請求項3〜6のいずれかに記載のメータ表示装置。
【請求項8】
前記表示制御手段は、前記出力計と前記回転数計とを切り替える際、少なくとも前記出力計の針表示と前記回転数計の針表示とを電気的に切り替える、請求項3〜7のいずれかに記載のメータ表示装置。
【請求項9】
内燃機関及び電動機を制御して該内燃機関及び該電動機の一方又は両方から駆動軸に動力を出力するハイブリッド自動車に利用されるメータ表示方法であって、
前記ハイブリッド自動車に関する第1パラメータの変化の様子を表示する表示内容と前記ハイブリッド自動車に関する第2パラメータの変化の様子を表示する第2表示内容とを含む複数の表示内容を重畳して表示可能な表示手段に、該複数の表示内容のいずれかを前記表示手段に表示する、メータ表示方法。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれかに記載のメータ表示装置を搭載したハイブリッド自動車。
【請求項11】
請求項10に記載のハイブリッド自動車であって、
前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸に接続され電力と動力の入出力により該内燃機関からの動力の少なくとも一部を該駆動軸に出力可能な電力動力入出力手段と、
該ハイブリッド自動車の運転状態に基づいて前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを制御する車両制御手段と、
を備えるハイブリッド自動車。
【請求項12】
前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸と第3の回転軸の3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の1軸に動力を入出力させる3軸式の動力入出力手段と、前記第3の回転軸に動力を入出力可能な発電機とを備える手段である、請求項11に記載のハイブリッド自動車。
【請求項13】
前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸に接続された第1の回転子と前記駆動軸に接続された第2の回転子とを有し、該第1の回転子と該第2の回転子の電磁的な作用による電力の入出力により前記内燃機関からの動力の少なくとも一部を前記駆動軸に出力可能な対回転子電動機である、請求項11に記載のハイブリッド自動車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−220482(P2006−220482A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−33009(P2005−33009)
【出願日】平成17年2月9日(2005.2.9)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】