説明

モータの電機子、モータおよび記録ディスク駆動装置

【課題】モータのトルク定数、および、電機子が発生する磁力の周方向における均一性の低下を防止しつつ電機子の小型化および薄型化を実現する。
【解決手段】モータ1の電機子24では、ヘッド部の移動範囲と重なる第1ティース243aに巻回される導線の最大積層高さが、ヘッド部の移動範囲外の第2ティース243bに巻回される導線の最大積層高さよりも低くされ、かつ、第1導線巻回部位246aが第2導線巻回部位246bよりも長くされる。これにより、第1ティース243aにおいて導線の巻回数が減少することが防止され、モータ1のトルク定数の低下、および、電機子24が発生する磁力の周方向における均一性の低下を防止することができる。また、第2ティース243b側で電機子24の径を大きくすることなく、かつ、第1ティース243aの上方にてヘッド部を移動可能として電機子24の小型化および薄型化を実現することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動式のモータおよびモータを備える記録ディスク駆動装置に関し、特に、モータの電機子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ハードディスク装置等の記録ディスク駆動装置は、記録ディスクを回転駆動するスピンドルモータ(以下、「モータ」という。)を備えている。近年、記録ディスク駆動装置は携帯音楽プレーヤ等にも搭載されており、大容量かつ小型および薄型の記録ディスク駆動装置が求められている。このため、記録ディスク駆動装置の駆動源であるモータについても同様に、更なる小型化および薄型化が要求されている。
【0003】
このような記録ディスク駆動装置では、インナーロータ型のモータの電機子の一部を、記録ディスクに対する情報の読み出しおよび書き込みを行う磁気ヘッドの移動範囲に重ねて配置することにより、装置の小型化を実現する技術が知られている。また、特許文献1では、ステータコイル(電機子)と磁気ヘッドとを同一平面上に配置し、ステータコイルの形状を、磁気ヘッドの可動範囲と干渉する範囲を切り欠いた形状とすることにより、モータの薄型化を実現する技術が開示されている。
【0004】
一方、特許文献2では、アウターロータ型のモータのステータ(電機子)において、均等に配列された複数の磁極コイルのうち、記録ヘッドがシークする領域に平面視上対向する3つの磁極コイルの巻数(すなわち、磁極コイルを形成する導線の巻回数)を他の磁極コイルの巻数よりも少なくすることにより、記録ディスク駆動装置の小型化を図るとともにステータから記録ヘッドに作用する電磁ノイズの影響を抑制して装置の信頼性を向上させる技術が開示されている。
【特許文献1】特開平11−110896号公報
【特許文献2】特開平7−44991号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、電機子の一部がヘッド部の移動範囲と重なっているモータでは通常、各ティースに巻回される導線の最大積層高さはほぼ等しくされるため、電機子の上方の空間(例えば、コイルと記録ディスクとの間の空間や電機子上の磁気シールド板と記録ディスクとの間の空間)のうち、ヘッド部の移動範囲外の空間には何も配置されておらず空きスペースとなっている。しかしながら、当該空きスペース分だけモータを薄型化しようとした場合、ヘッド部の移動領域を確保することが困難になってしまう。
【0006】
また、モータを薄型化する場合、電機子のティースに設けられるコイルの積層高さを低くして巻数を減少させると、コイルの巻き線抵抗が大きくなるとともにモータのトルク定数(単位電流量当たりに発生するトルクの大きさ)が小さくなってしまう。また、コイルの巻数を維持するために電機子の外周を大きくすると、回路基板等の配置スペースを確保するためにモータが大型化してしまう。
【0007】
一方、特許文献1のモータでは、ステータコイルの形状が周方向の一部が切り欠かれた形状とされるため、ステータコイルが発生する磁力が周方向において不均一となり、RRO(Repeatable Run Out:モータの動作時におけるスピンドルハブの同期成分の振れ)が発生したり、スピンドルハブの振動が悪化してしまう恐れがある。また、特許文献2のモータでは、記録ヘッドのシーク領域に対応する磁極コイルの巻数が他の磁極コイルの巻数より少なくされるため、上記同様に、ステータが発生する磁力が周方向において不均一となってしまう。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、電機子の薄型化を実現することを主な目的としている。特に、モータのトルク定数の低下、および、電機子が発生する磁力の周方向における均一性の低下を防止しつつ電機子の薄型化を実現することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、記録ディスク駆動装置における記録ディスクの回転に使用される電動式のモータの電機子であって、先端を所定の中心軸側に向けて前記中心軸を中心に放射状に配置された複数のティース、および、前記複数のティースを外側から支持するリング状のコアバックを有するコアと、前記コアの前記複数のティースのそれぞれに導線を巻回することにより形成された複数のコイルとを備え、前記複数のティースのそれぞれの先端と前記中心軸との間の距離がほぼ等しく、前記複数のティースのうち記録ディスクに対する情報の読み出しおよび/または書き込みを行うヘッド部の移動範囲と重なるヘッド側ティースにおいて、巻回された導線の最大積層高さが前記移動範囲外のティースにおける巻回された導線の最大積層高さよりも低い。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のモータの電子機であって、前記ヘッド側ティースにおいて、ティースの伸びる方向に関する前記導線が巻回される巻回部位の長さが前記移動範囲外の前記ティースにおける巻回部位の長さよりも長い。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のモータの電子機であって、前記ヘッド側ティースの前記導線が巻回される前記巻回部位が、前記中心軸を中心とする径方向に対して前記中心軸を中心とする周方向に傾斜している。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のモータの電子機であって、前記ヘッド側ティースにおける導線の巻回数が、前記移動範囲外の前記ティースにおける巻回数と同じである。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載のモータの電機子であって、前記複数のティースの先端が、前記中心軸を中心とする周方向において等角度間隔に配置されている。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載のモータの電機子であって、前記ヘッド側ティースの前記巻回部位が、前記中心軸方向において前記複数のティースの先端よりも前記記録ディスクが配置される位置から離れている。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載のモータの電機子であって、前記移動範囲外の前記ティースの前記巻回部位が、前記中心軸方向において前記複数のティースの先端よりも前記記録ディスクが配置される位置に近づいている。
【0016】
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載のモータの電機子であって、前記ヘッド側ティースの前記巻回部位の長さが、前記移動範囲外の前記ティースの前記巻回部位の長さの1.3倍以上4倍以下である。
【0017】
請求項9に記載の発明は、記録ディスク駆動装置において記録ディスクの回転に使用される電動式のモータであって、請求項1ないし8のいずれかに記載の電機子および前記電機子が取り付けられるベース部を有するステータ部と、前記電機子との間で前記中心軸を中心とするトルクを発生する界磁用磁石を有するロータ部と、前記中心軸を中心に前記ロータ部を前記ステータ部に対して回転可能に支持する軸受機構とを備える。
【0018】
請求項10に記載の発明は、記録ディスク駆動装置であって、情報を記録する記録ディスクと、前記記録ディスクを回転する請求項9に記載のモータと、前記記録ディスクに対する情報の読み出しおよび/または書き込みを行うヘッド部と、前記ヘッド部を前記記録ディスクおよび前記モータに対して移動するヘッド部移動機構とを備える。
【発明の効果】
【0019】
本発明では、電機子の薄型化を実現することができる。請求項2の発明では、モータのトルク定数の低下、および、電機子が発生する磁力の周方向における均一性の低下を防止することができる。請求項3の発明では、電機子を小型化することができる。
【0020】
請求項4および5の発明では、電機子が発生する磁力の周方向における均一性をより向上することができる。請求項6および7の発明では、電機子をより薄型化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電動式のスピンドルモータ1(以下、「モータ1」という。)を備える記録ディスク駆動装置60の内部構成を示す図である。記録ディスク駆動装置60はハードディスク装置であり、情報を記録する円板状の記録ディスク62、記録ディスク62に対する情報の書き込みおよび(または)読み出しを行うアクセス部63、記録ディスク62を保持して回転する電動式のモータ1、並びに、記録ディスク62、アクセス部63およびモータ1を内部空間110に収容するハウジング61を備える。
【0022】
図1に示すように、ハウジング61は、上部に開口を有するとともにモータ1およびアクセス部63が内側の底面に取り付けられる無蓋箱状の第1ハウジング部材611、並びに、第1ハウジング部材611の開口を覆うことにより内部空間110を形成する板状の第2ハウジング部材612を備える。記録ディスク駆動装置60では、第1ハウジング部材611に第2ハウジング部材612が接合されてハウジング61が形成され、内部空間110は塵や埃が極度に少ない清浄な空間とされる。
【0023】
記録ディスク62は、モータ1の上側に載置されてクランパ621によりモータ1に固定される。アクセス部63は、記録ディスク62に近接して情報の読み出しおよび書き込みを磁気的に行うヘッド631、ヘッド631を支持するアーム632、並びに、アーム632を移動させることによりヘッド631を記録ディスク62およびモータ1に対して相対的に移動するヘッド移動機構633を有する。これらの構成により、ヘッド631は回転する記録ディスク62に近接した状態で記録ディスク62の所要の位置にアクセスし、情報の書き込みおよび読み出しを行う。
【0024】
図2は、記録ディスク62(図1参照)の回転に使用されるモータ1の構成を示す縦断面図である。図2では、モータ1の中心軸J1(後述の電機子24の中心軸でもある。)を含む面における断面を示すが、切断面よりも奥側に位置する構成についても、その一部を破線にて描いている。
【0025】
図2に示すように、モータ1はインナーロータ型のモータであり、固定組立体であるステータ部2、および、回転組立体であるロータ部3を備え、ロータ部3は、潤滑油による流体動圧を利用した軸受機構を介して中心軸J1を中心にステータ部2に対して回転可能に支持される。以下の説明では、便宜上、中心軸J1に沿ってロータ部3側を上側、ステータ部2側を下側として説明するが、中心軸J1は必ずしも重力方向と一致する必要はない。
【0026】
ロータ部3は、ロータ部3の各部を保持するロータハブ31、および、ロータハブ31に取り付けられて中心軸J1の周囲に配置される界磁用磁石34を備える。ロータハブ31は、ステンレス等により一体的に形成されており、中心軸J1を中心とする略円筒状であって下側(すなわち、ステータ部2側)に突出するシャフト311、シャフト311の上端部から中心軸J1に対して垂直に広がる略円板状の円板部312、および、円板部312の外縁において下側に突出する略円筒状の円筒部313を備える。シャフト311の下側の先端部には、略円板状のスラストプレート314が取り付けられる。
【0027】
ステータ部2は、ステータ部2の各部を保持するベース部であるベースプレート21、ロータ部3のシャフト311が挿入されるとともにロータ部3を回転可能に支持する軸受機構の一部である略円筒状のスリーブユニット22、スリーブユニット22の周囲にてベースプレート21に取り付けられる電機子24、および、電機子24の上方に配置されて電機子24からの電磁ノイズを遮断する薄板状の磁気シールド板25を備える。ベースプレート21は、第1ハウジング部材611(図1参照)の一部であり、アルミニウム、アルミニウム合金、または、磁性もしくは非磁性の鉄系金属の板状部材をプレス加工することにより第1ハウジング部材611の他の部位と一体的に形成される。電機子24は、シャフト311の周囲に配置された界磁用磁石34との間で中心軸J1を中心とする回転力(トルク)を発生する。
【0028】
電機子24は、圧入または接着によりベースプレート21に上側から取り付けられており、珪素鋼板により形成された2枚のコアプレートを積層してなるコア241、および、コア241の所定の部位に設けられる複数のコイル(後述する第1コイル242aおよび第2コイル242b)を備える。コア241を形成するコアプレートのそれぞれの厚さは0.1〜0.35mmとされ、好ましくは、0.2mmとされる。
【0029】
図3は、コア241を示す平面図である。図3では、また、アクセス部63のヘッド631およびアーム632、並びに、ヘッド631およびアーム632の移動範囲を二点鎖線にて示す。モータ1では、ヘッド631およびアーム632が、記録ディスク62(図1参照)に対する情報の読み出しおよび書き込みを行うヘッド部となる。図3に示すように、コア241は、先端を中心軸J1に向けて中心軸J1を中心に放射状に配置されるとともに中心軸J1を中心とする径方向に伸びる複数(本実施の形態では9つ)のティースを備え、複数のティースのうち、ヘッド部の移動範囲と重なる3つのヘッド側のティース(以下、他の6つのティースと区別するために、「第1ティース」という。)243aのティースの伸びる方向(すなわち、中心軸J1を中心とする径方向)の長さが、ヘッド部の移動範囲外の他の6つのティース(以下、「第2ティース」という。)243bよりも長くされる。
【0030】
コア241は、また、複数の第1ティース243aおよび第2ティース243bを外側から支持する(すなわち、各ティースの中心軸J1から遠い側の端部を連結して支持する)リング状のコアバック244を備える。コア241を形成する各コアプレートでは、複数の第1ティース243aおよび第2ティース243b、並びに、コアバック244のそれぞれに対応する部位が一体的に形成されているため、複数のティースおよびコアバック244は磁気的に接続されている。
【0031】
図2に示すように、電機子24では、直径0.05〜0.3mm(より好ましくは0.1mm)の導線がコア241の9つのティース(すなわち、第1ティース243aおよび第2ティース243b)のそれぞれに巻回されることにより9つのコイル(以下、第1ティース243aおよび第2ティース243bにそれぞれ設けられるコイルを「第1コイル242a」および「第2コイル242b」という。)が形成される。各コイルからの導線は、コア241において隣接するティースの間に形成される渡り線係止用のフック247を介して図2および図3に示す回路基板248へと導かれ、回路基板248の電極に半田にて接合される。なお、図3では、回路基板248を破線にて示す。
【0032】
図4は、ベースプレート21を示す平面図である。図4に示すように、ベースプレート21は、ベースプレート21の上面から上側に突出する3つの電機子支持部214を備える。電機子支持部214は、中心軸J1を中心として等角度間隔に配列され、ベースプレート21に取り付けられる電機子24のコアバック244(図3参照)に当接して電機子24を下側から支持する。なお、3つの電機子支持部214は、ベースプレート21のプレス加工による成形時に成形される。
【0033】
ベースプレート21の中央部には、図2および図4に示すように、中心軸J1を中心としてロータ部3に向かって上向きに突出する略円筒状のスリーブ取付部216が設けられる。図2に示すように、スリーブユニット22は、シャフト311が挿入される略円筒状のスリーブ221、および、スリーブ221の外周に接着剤等により固定される略円筒状のスリーブハウジング222を備え、スリーブ取付部216に挿入されてベースプレート21に取り付けられる。
【0034】
スリーブ221は、スリーブハウジング222の内周面との間に僅かな隙間をあけて挿入されており(すなわち、すきまばめされており)、接着剤を介してスリーブハウジング222に固定されている。スリーブ221は多孔質部材であり、粉末状の原材料を型に入れて押し固めることにより加圧成形した後に焼結し、焼結された部材を再度型に入れて圧縮することにより形成される。原材料としては、様々な種類の金属粉末や金属化合物粉末、非金属粉末等(例えば、鉄(Fe)および銅(Cu)の混合粉末、銅およびスズ(Sn)の混合粉末、銅、スズおよび鉛(Pb)の混合粉末、鉄および炭素(C)の混合粉末)が利用される。
【0035】
スリーブハウジング222の上部には、スリーブユニット22の外周に沿って中心軸J1に対して外側に突出する突起部であるフランジ部224が一体的に形成されている。また、スリーブユニット22の下端側の開口は、略円板状のシールキャップ23により閉塞され、これにより、ベースプレート21のスリーブ取付部216の下側の開口が、スリーブハウジング222およびシールキャップ23により閉塞される。
【0036】
図4に示すように、ベースプレート21では、スリーブ取付部216の周囲の複数の第1ティース243aおよび第2ティース243b(図3参照)に対応する領域に、ベースプレート21を上下に貫通する複数(本実施の形態では9つ)の穴部211が形成される。
【0037】
図5は、モータ1を図3中に示すA−Aの位置で切断した断面図である。図5に示すように、ベースプレート21に電機子24が取り付けられた状態においては、第1ティース243aに設けられた第1コイル242a、および、第2ティース243bに設けられた第2コイル242bのそれぞれの下部が、ベースプレート21の下面よりも下側に突出することなく、ベースプレート21の対応する穴部211に収容される。これにより、ベースプレート21を過剰に薄くすることなく、モータ1の薄型化を実現することができる。
【0038】
ステータ部2では、第1コイル242aおよび第2コイル242bが挿入された穴部211に接着剤が充填されており、第1コイル242aおよび第2コイル242bがベースプレート21に固定されるとともに穴部211が封止される。また、ベースプレート21は、複数の穴部211をベースプレート21の電機子24が取り付けられる側とは反対側(すなわち、下側)から塞ぐシート状のシール部材212(例えば、フレキシブル回路基板や銘板)を備える。シール部材212は、ベースプレート21の下側の主面に粘着剤層(または、接着剤層)を介して貼付される。
【0039】
図3および図5に示すように、電機子24では、第1ティース243aおよび第2ティース243bのそれぞれの中心軸J1側の先端部245が、中心軸J1を中心とする周方向において等角度間隔に配置されており、各先端部245と中心軸J1との間の距離がほぼ等しくされる。また、図5に示すように、各先端部245は、界磁用磁石34の外周面に対向するように配置されており、これにより、電機子24と界磁用磁石34との間に効率的にトルクを発生させることができる。
【0040】
電機子24では、第1ティース243aのティースが伸びる方向に関する中央近傍において、導線が巻回される部位(以下、「第1導線巻回部位」という。)246aが下側に折り曲げられており、第1導線巻回部位246aの上面が第1ティース243a(および第2ティース243b)の先端部245の上面よりも記録ディスク62が配置される位置(図5中に二点鎖線にて示す。)から離れている。また、第2ティース243bの導線が巻回される部位(以下、「第2導線巻回部位」という。)246bが上側に折り曲げられており、第2導線巻回部位246bの上面が第2ティース243b(および第1ティース243a)の先端部245の上面よりも記録ディスク62が配置される位置に近づいている。
【0041】
図5に示すように、第1ティース243aの伸びる方向に関する第1導線巻回部位246aの長さは、第2ティース243bの伸びる方向に関する第2導線巻回部位246bの長さよりも長く、好ましくは、第1導線巻回部位246aの長さは第2導線巻回部位246bの長さの1.3倍以上4倍以下とされる。
【0042】
電機子24では、第1ティース243aの第1導線巻回部位246aに巻回された導線の最大積層高さ(すなわち、第1ティース243aの上側または下側における第1コイル242aの最大厚さ)が、第2ティース243bの第2導線巻回部位246bに巻回された導線の最大積層高さよりも低くされ、第1ティース243aにおける導線の巻回数が、第2ティース243bにおける導線の巻回数と同じとされる。第1ティース243aおよび第2ティース243bにおける導線の巻回数(いわゆる、ターン数)は、好ましくは、30ターン以上120ターン以下(より好ましくは、60ターン以上100ターン以下)とされ、本実施の形態では、80ターンとされる。
【0043】
第1コイル242aは、その上端面が記録ディスク62の下面側に対向するヘッド部(すなわち、図5中に二点鎖線にて示すヘッド631およびアーム632)の下方においてヘッド部に近接するように設けられる。また、第2コイル242bは、その上端面が記録ディスク62の下面に近接するように設けられる。
【0044】
図5に示すように、磁気シールド板25は、ロータハブ31の周囲を囲む環状の薄板であり、第1コイル242aの上方においては、第1コイル242aの上端面と記録ディスク62の下面側に対向するヘッド部との間に位置し、第2コイル242bの上方においては、第2コイル242bの上端面と記録ディスク62の下面との間に位置する。換言すれば、磁気シールド板25の第1コイル242aの上方の部位(すなわち、ヘッド部の移動範囲と重なる部位)は凹形状とされる。
【0045】
次に、モータ1のロータ部3をステータ部2に回転可能に支持する流体動圧を利用した軸受機構について説明する。図2に示すように、モータ1では、ロータハブ31の円板部312の下面とスリーブハウジング222の上側の端面との間、スリーブ221の内周面とシャフト311の外周面との間、スリーブ221の下側の端面とスラストプレート314の上面との間、スラストプレート314の下面とシールキャップ23の上面との間、および、スリーブ221のフランジ部224の外周面とロータハブ31の円筒部313の内周面との間に微小な間隙が設けられる。これらの間隙には潤滑油が連続して充填され、いわゆるフルフィル構造の軸受機構が構成される。
【0046】
スリーブハウジング222のフランジ部224の外周面は、その外径が下側に向かって漸次減少する傾斜面とされ、フランジ部224の外周面に対向するロータハブ31の円筒部313の内周面の内径は一定とされる。これにより、フランジ部224と円筒部313との間の間隙における潤滑油の界面は、毛管現象および表面張力によりメニスカス状となってテーパシールが形成され、この間隙がオイルバッファとしての役割を果たして潤滑油の流出が防止される。
【0047】
スリーブハウジング222の上側の端面、および、スリーブ221の下側の端面には、ロータ部3の回転時に潤滑油に対して中心軸J1側に向かう圧力を発生させるための溝(例えば、スパイラル状の溝)が形成されており、これらの端面およびこれらの端面に対向する面によりスラスト動圧軸受部が構成される。
【0048】
また、シャフト311およびスリーブ221の互いに対向する面には、潤滑油に流体動圧を発生させるための溝(例えば、中心軸J1の向く方向に関して、スリーブ221の内周面の上下に設けられたヘリングボーン溝等)が形成されており、これらの面によりラジアル動圧軸受部が構成される。
【0049】
モータ1では、流体動圧を利用する軸受機構によりロータ部3を潤滑油を介して非接触にて支持することにより、ロータ部3を高精度、かつ、低騒音にて回転することができる。特に、フルフィル構造の軸受機構では、軸受内部に空気が介在しないため、潤滑油内に発生した気泡に起因するシャフト311とスリーブ221との異常接触や、軸受内部の空気が膨張することによる潤滑油の漏れ等が一層抑制される。また、モータ1では、スリーブ221が粉末状の原材料を加圧成形した多孔質部材とされるため、軸受機構において高い保持力にて潤滑油を保持することができるとともに潤滑油中のパーティクル等の不純物を吸着して潤滑油を清浄に保つことができる。
【0050】
このように、モータ1では、スリーブユニット22(すなわち、スリーブ221およびスリーブハウジング222)、ロータハブ31並びにシールキャップ23の間の間隙に、流体である潤滑油が充填されており、ロータ部3の回転時には、潤滑油による流体動圧を利用してロータ部3が支持される。そして、ロータ部3が中心軸J1を中心としてステータ部2に対して回転駆動されることより、ロータ部3に取り付けられる記録ディスク62(図1参照)が回転駆動される。
【0051】
次に、電機子24の製造およびベースプレート21への取り付けについて説明する。電機子24が製造される際には、まず、金型により平板状の珪素鋼板(または、他の種類の電磁鋼板)がコア241の形状に対応する形状に打ち抜かれてコアプレートが形成される。続いて、図5に示すように、コアプレートの第1導線巻回部位246aに対応する部位がプレス加工されて下側に凸となるように折り曲げられ、また、第2導線巻回部位246bに対応する部位がプレス加工されて上側に凸となるように折り曲げられる。
【0052】
次に、2枚のコアプレートが積層されてカシメやレーザ溶接等により互いに固定され、積層されたコアプレートの表面に電着塗装や粉体塗装等により絶縁性樹脂が塗装されてコア241が形成される。コア241が形成されると、巻き線機により第1ティース243aの第1導線巻回部位246a、および、第2ティース243bの第2導線巻回部位246bのそれぞれに導線が所定の巻回数だけ巻回され、必要に応じて整形されて第1コイル242aおよび第2コイル242bが形成される。そして、第1コイル242aおよび第2コイル242bからの導線が回路基板248(図2参照)に接続されて電機子24の製造が終了する。なお、電機子24の製造では通常、各ティースに巻回される導線の巻回数に1ターンの誤差も生じないように巻き線機が精度良く制御されているが、例えば、巻き線機のプログラムミス等の異常により第1ティース243aおよび第2ティース243bにおける導線の巻回数に差が生じた場合であっても、巻回数の差が1つのティースにおける巻回数の3%以下である場合には、電機子24の磁気特性が大きく変化することはないため、各ティースにおける巻回数は実質的に同じであるものと捉えることができる。
【0053】
その後、コアバック244の外周面をベースプレート21に当接させつつ電機子24がベースプレート21に取り付けられる。このとき、電機子24はベースプレート21に圧入されてもよく、ベースプレート21のコアバック244と当接する部位に予め塗布された接着剤により接着されてもよい。
【0054】
以上に説明したように、モータ1の電機子24では、ヘッド部(すなわち、ヘッド631およびアーム632)の移動範囲と重なる第1ティース243aの第1導線巻回部位246aに巻回された導線の最大積層高さが、第2ティース243bの第2導線巻回部位246bに巻回された導線の最大積層高さよりも低くされる。これにより、電機子24のヘッド部の移動範囲に重なる部位において、電機子24の上下方向の高さをヘッド部の移動範囲外の部位よりも低くしてヘッド部を移動可能とすることができる。また、電機子24のヘッド部の移動範囲外の部位において、第2ティース243bの長さを長くすることなく(すなわち、第2ティース243b側で電機子24の径を大きくすることなく)、記録ディスク62の下側の空間に第2コイル242bを密に配置して第2ティース243bにおける導線の巻回数を確保することができる。その結果、電機子24の薄型化および小型化を実現することができ、モータ1および記録ディスク駆動装置60を薄型化および小型化することができる。
【0055】
電機子24では、また、3つの第1ティース243aの第1導線巻回部位246aが、ヘッド部の移動範囲外の6つの第2ティース243bの第2導線巻回部位246bよりも長くされることにより、ヘッド部の移動範囲と重なるために導線を高く積層(巻回)することが困難な第1ティース243aにおいて、導線の巻回数(すなわち、第1コイル242aのターン数)が減少してしまうことが防止される。このため、モータ1のトルク定数の低下、および、第1コイル242aの巻き線抵抗の増大を防止することができ、その結果、モータ1の消費電力の増大が防止される。また、電機子24が発生する磁力の周方向における均一性の低下を防止することができ、その結果、ロータ部3におけるRROの発生や振動の悪化を抑制することができる。
【0056】
電機子24では、第1ティース243aにおける導線の巻回数が、第2ティース243bにおける導線の巻回数と同じとされることにより、各ティースの先端部245における逆起電力を等しくして電機子24が発生する磁力の周方向における均一性をより向上することができる。また、各ティースの先端部245が、中心軸J1を中心として等角度間隔に配置されているため、電機子24が発生する磁力の周方向における均一性をさらに向上することができる。
【0057】
第1ティース243aでは、第1導線巻回部位246aが記録ディスク62から離れるように下側に折り曲げられた形状とされることにより、電機子24をより薄型化しつつ第1コイル242aの上端面と記録ディスク62との間においてヘッド部を移動可能とすることができる。また、第2ティース243bでは、第2導線巻回部位246bが記録ディスク62に近づくように上側に折り曲げられた形状とされることにより、電機子24をより薄型化しつつ第2コイル242bを記録ディスク62の下側の空間にさらに密に配置することができる。
【0058】
次に、本発明の第2の実施の形態に係るモータについて説明する。図6は、第2の実施の形態に係るモータのコア241aを示す平面図である。第2の実施の形態に係るモータは、図3に示すコア241とは形状が異なるコア241aを備える。その他の構成は図5と同様であり、以下の説明において同符号を付す。
【0059】
図6に示すように、コア241aは、ヘッド部(すなわち、ヘッド631およびアーム632)の移動範囲と重なるヘッド側の3つの第1ティース243a、ヘッド部の移動範囲外の6つの第2ティース243b、並びにび、複数の第1ティース243aおよび第2ティース243bを外側から支持するリング状のコアバック244aを備える。
【0060】
コア241aでは、第1ティース243aおよび第2ティース243bが、先端を中心軸J1に向けて中心軸J1を中心に放射状に配置されており、第1ティース243aの第1導線巻回部位246aは折れ曲がっており、中心軸J1を中心とする径方向に対して中心軸J1を中心とする周方向に傾斜して(ただし、途中で傾斜方向は変更される。)設けられる。また、コアバック244aは、中心軸J1を中心とする円環状とされる。なお、コア241aのコアバック244aは、必ずしも円環状とされる必要はなく、第1の実施の形態と同様に、第1ティース243a側において中心軸J1から離れる方向に広がっている形状とされてもよい。
【0061】
コア241aでは、第1の実施の形態と同様に、第1ティース243aおよび第2ティース243bのそれぞれの中心軸J1側の先端部245が、中心軸J1を中心とする周方向において等角度間隔に配置されており、各先端部245と中心軸J1との間の距離がほぼ等しくされる。また、第1ティース243aの伸びる方向に関する第1導線巻回部位246aの長さは、第2ティース243bの伸びる方向に関する第2導線巻回部位246bの長さよりも長く、好ましくは、第1導線巻回部位246aの長さは第2導線巻回部位246bの長さの1.3倍以上4倍以下とされる。第1ティース243aでは、第1導線巻回部位246aが下側に折り曲げられており、第1導線巻回部位246aの上面が第1ティース243a(および第2ティース243b)の先端部245の上面よりも記録ディスク62が配置される位置から離れている(図5参照)。また、第2ティース243bでは、第2導線巻回部位246bが上側に折り曲げられており、第2導線巻回部位246bの上面が第2ティース243b(および第1ティース243a)の先端部245の上面よりも記録ディスク62が配置される位置に近づいている(図5参照)。
【0062】
第2の実施の形態に係るモータの電機子では、第1の実施の形態と同様に、第1ティース243aの第1導線巻回部位246aに巻回された導線の最大積層高さが、第2ティース243bの第2導線巻回部位246bに巻回された導線の最大積層高さよりも低くされ(図5参照)、第1ティース243aにおける導線の巻回数が、第2ティース243bにおける導線の巻回数と同じとされる。第1ティース243aおよび第2ティース243bにおける導線の巻回数は、好ましくは、30ターン以上120ターン以下(より好ましくは、60ターン以上100ターン以下)とされ、本実施の形態でも第1の実施の形態と同様に、80ターンとされる。
【0063】
第2の実施の形態に係るモータの電機子でも、第1の実施の形態と同様に、第1導線巻回部位246aに巻回された導線の最大積層高さが、第2導線巻回部位246bに巻回された導線の最大積層高さよりも低くされることにより、電機子の薄型化および小型化を実現することができる。また、3つの第1ティース243aの第1導線巻回部位246aが、ヘッド部の移動範囲外の6つの第2ティース243bの第2導線巻回部位246bよりも長くされることにより、モータ1のトルク定数の低下を防止することができ、さらに、電機子が発生する磁力の周方向における均一性の低下を防止してRROの発生や振動の悪化を抑制することができる。
【0064】
第2の実施の形態に係るモータの電機子では、特に、第1ティース243aの第1導線巻回部位246aが、中心軸J1を中心とする径方向に対して傾斜して設けられることにより、第1導線巻回部位246aを第2導線巻回部位246bよりも長くしつつ、第1ティース243a側におけるコアバック244aの径の増大を防止(または、抑制)することができる。その結果、電機子をより小型化することができる。
【0065】
第1の実施の形態と同様に、第2の実施の形態に係るモータの電機子では、第1ティース243aにおける導線の巻回数が、第2ティース243bにおける導線の巻回数と同じとされることにより、また、各ティースの先端部245が、中心軸J1を中心として等角度間隔に配置されていることにより、電機子が発生する磁力の周方向における均一性をより一層向上することができる。さらには、第1導線巻回部位246aが下側に折り曲げられた形状とされ、第2導線巻回部位246bが上側に折り曲げられた形状とされることにより、電機子をより薄型化することができる。
【0066】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【0067】
例えば、コア241は、必ずしも2枚のコアプレートにより形成される必要はなく、3枚以上のコアプレートが積層されて形成されてもよく、また、1枚の珪素鋼板からなるものであってもよい。磁気シールド板25は、記録ディスク駆動装置60の更なる薄型化等のために省略されてもよい。
【0068】
また、モータ1では、ベースプレート21の強度確保の観点から、第1コイル242aおよび第2コイル242bの一部が収容される穴部211がベースプレート21に形成されない場合もある。渡り線係止用のフック247は、必ずしもコア241の一部として形成される必要はなく、例えば、コア241に樹脂製の絶縁部材が取り付けられる場合には、絶縁部材の一部として形成されてもよい。
【0069】
電機子24が発生する磁力の周方向における均一性を向上するという観点からは、第1ティース243aおよび第2ティース243bにおける導線の巻回数は同じとされることが好ましいが、例えば、第1ティース243aおよび第2ティース243bの長さの製造誤差等の影響により、周方向において磁力が僅かにばらつく場合には、磁力の均一性が向上されるように各ティースにおける導線の巻回数が調整されてよい。
【0070】
電機子24では、第1ティース243aに巻回される導線の層数が6層であり、第2ティース243bに巻回される導線の層数が8層の場合、第1導線巻回部位246aの長さは第2導線巻回部位246bの約1.3倍となる。また、第1ティース243aおよび第2ティース243bに巻回される導線の層数がそれぞれ2層および8層である場合、第1導線巻回部位246aの長さは第2導線巻回部位246bの約4倍となる。第1導線巻回部位246aの長さは、第1ティース243aおよび第2ティース243bに巻回される導線の層数に応じて、第2導線巻回部位246bの長さの1.3倍未満あるいは4倍より大きくされてもよい。
【0071】
上記実施の形態に係るモータの軸受機構は、例えば、空気を流体とした、いわゆるエア動圧軸受を用いてもよい。また、軸受機構は、必ずしも流体動圧を利用するものである必要はなく、例えば、ボールベアリングであってもよい。
【0072】
上記実施の形態に係るモータは、ハードディスク装置以外の他の装置(例えば、リムーバブルディスク装置等のディスク駆動装置)の駆動源として利用されてよい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】第1の実施の形態に係る記録ディスク駆動装置の内部構成を示す図である。
【図2】モータの構成を示す縦断面図である。
【図3】コアを示す平面図である。
【図4】ベースプレートを示す平面図である。
【図5】モータの断面図である。
【図6】第2の実施の形態に係るコアを示す平面図である。
【符号の説明】
【0074】
1 モータ
2 ステータ部
3 ロータ部
21 ベースプレート
22 スリーブユニット
23 シールキャップ
24 電機子
31 ロータハブ
34 界磁用磁石
60 記録ディスク駆動装置
62 記録ディスク
241,241a コア
242a 第1コイル
242b 第2コイル
243a 第1ティース
243b 第2ティース
244,244a コアバック
245 先端部
246a 第1導線巻回部位
246b 第2導線巻回部位
631 ヘッド
632 アーム
633 ヘッド移動機構
J1 中心軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録ディスク駆動装置における記録ディスクの回転に使用される電動式のモータの電機子であって、
先端を所定の中心軸側に向けて前記中心軸を中心に放射状に配置された複数のティース、および、前記複数のティースを外側から支持するリング状のコアバックを有するコアと、
前記コアの前記複数のティースのそれぞれに導線を巻回することにより形成された複数のコイルと、
を備え、
前記複数のティースのそれぞれの先端と前記中心軸との間の距離がほぼ等しく、
前記複数のティースのうち記録ディスクに対する情報の読み出しおよび/または書き込みを行うヘッド部の移動範囲と重なるヘッド側ティースにおいて、巻回された導線の最大積層高さが前記移動範囲外のティースにおける巻回された導線の最大積層高さよりも低いことを特徴とするモータの電機子。
【請求項2】
請求項1に記載のモータの電子機であって、
前記ヘッド側ティースにおいて、ティースの伸びる方向に関する前記導線が巻回される巻回部位の長さが前記移動範囲外の前記ティースにおける巻回部位の長さよりも長いことを特徴とするモータの電機子。
【請求項3】
請求項2に記載のモータの電子機であって、
前記ヘッド側ティースの前記導線が巻回される前記巻回部位が、前記中心軸を中心とする径方向に対して前記中心軸を中心とする周方向に傾斜していることを特徴とするモータの電機子。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載のモータの電子機であって、
前記ヘッド側ティースにおける導線の巻回数が、前記移動範囲外の前記ティースにおける巻回数と同じであることを特徴とするモータの電機子。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載のモータの電機子であって、
前記複数のティースの先端が、前記中心軸を中心とする周方向において等角度間隔に配置されていることを特徴とするモータの電機子。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載のモータの電機子であって、
前記ヘッド側ティースの前記巻回部位が、前記中心軸方向において前記複数のティースの先端よりも前記記録ディスクが配置される位置から離れていることを特徴とするモータの電機子。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載のモータの電機子であって、
前記移動範囲外の前記ティースの前記巻回部位が、前記中心軸方向において前記複数のティースの先端よりも前記記録ディスクが配置される位置に近づいていることを特徴とするモータの電機子。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載のモータの電機子であって、
前記ヘッド側ティースの前記巻回部位の長さが、前記移動範囲外の前記ティースの前記巻回部位の長さの1.3倍以上4倍以下であることを特徴とするモータの電機子。
【請求項9】
記録ディスク駆動装置において記録ディスクの回転に使用される電動式のモータであって、
請求項1ないし8のいずれかに記載の電機子および前記電機子が取り付けられるベース部を有するステータ部と、
前記電機子との間で前記中心軸を中心とするトルクを発生する界磁用磁石を有するロータ部と、
前記中心軸を中心に前記ロータ部を前記ステータ部に対して回転可能に支持する軸受機構と、
を備えることを特徴とするモータ。
【請求項10】
記録ディスク駆動装置であって、
情報を記録する記録ディスクと、
前記記録ディスクを回転する請求項9に記載のモータと、
前記記録ディスクに対する情報の読み出しおよび/または書き込みを行うヘッド部と、
前記ヘッド部を前記記録ディスクおよび前記モータに対して移動するヘッド部移動機構と、
を備えることを特徴とする記録ディスク駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−304398(P2006−304398A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−118270(P2005−118270)
【出願日】平成17年4月15日(2005.4.15)
【出願人】(000232302)日本電産株式会社 (697)
【Fターム(参考)】