説明

ラベル、及び熱収縮性筒状ラベル、及びラベル付き包装体、及び筒状モデルの表面高さの計測方法、及び筒状ラベルの製造方法

【課題】 本発明は、看者にデザインの立体感を印象付けることができる立体的意匠表示が施されたラベルを提供することを課題とする。
【解決手段】 3次元モデル表面を実測して得られた3次元データ(X,Y,Z)及び色彩データ(R,G,B)のうち、高さデータ(Z)を平面上に変換すべく、2次元データ(X,Y)及び色彩データ(R,G,B)から選ばれる少なくとも1つのデータを立体化補正処理することにより得られた2次元画像データに基づいて立体的意匠表示3が印刷されているラベルを解決手段とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体感のある立体的意匠表示が印刷されたラベル及び熱収縮性筒状ラベル、並びにこれを装着したラベル付き包装体、及び筒状モデルの表面高さの計測方法、及び該方法により得られるデータを利用して立体的意匠表示が印刷された筒状ラベルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、容器や物品などの被装着体に装着又は添付するため、各種のラベルが用いられている。
例えば、飲料容器などの筒状容器に多用されている熱収縮性筒状ラベルは、所定温度に加熱することにより被装着体に装着されるラベルである。この熱収縮性筒状ラベルを含む各種のラベルには、商品名、絵柄、会社名、説明書き、成分表示などの意匠印刷が施されている。
かかる意匠印刷は、装飾的・宣伝広告的な機能があり、該意匠印刷の如何は、商品の売れ行きに影響すると言われている。
従って、消費者の興味を引き、より装飾的価値の高い意匠印刷が施された熱収縮性筒状ラベルが求められている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、本発明は、より装飾的価値の高い意匠印刷が施されたラベル及び熱収縮性筒状ラベルを提供することを課題とする。また、本発明は、筒状の3次元モデルの表面の凹凸高さを実測する好適な計測方法、及びこの方法により得られたデータを用いた筒状ラベルの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するための第1の手段として、本発明は、3次元モデル表面を実測して得られた3次元データ(X,Y,Z)及び色彩データ(R,G,B)のうち、高さデータ(Z)を平面上に変換すべく、2次元データ(X,Y)及び色彩データ(R,G,B)から選ばれる少なくとも1つのデータを立体化補正処理することにより得られた2次元画像データに基づいて立体的意匠表示が印刷されているラベルを提供する。
【0005】
かかるラベルは、3次元モデル表面を実測したデータのうち、高さデータ(Z)を平面上に変換すべく、2次元データ(X,Y)及び色彩データ(R,G,B)から選ばれる少なくとも1つのデータを立体化補正処理することにより得られた2次元画像データに基づいて立体的意匠表示が印刷されているので、3次元モデル(実物)に近い立体感のある意匠印刷が施されたラベルを提供できる。
【0006】
また、本発明の第2の手段は、容器などの被装着体に熱収縮により装着可能な熱収縮性筒状ラベルに於いて、3次元モデル表面の凹凸高さ及び色彩を実測したデータを立体化補正処理することにより、3次元モデルを平面上に立体的に表現してなる2次元画像データに基づいて、3次元モデル表面の凸状部に対応する部分を明るく且つ凹状部に対応する部分を暗く表してなる立体的意匠表示が筒状ラベル本体に印刷されている熱収縮性筒状ラベルを提供する。
【0007】
かかる熱収縮性筒状ラベルは、3次元モデル表面の凹凸高さ及び色彩を実測したデータを補正処理することにより、3次元モデルを平面上に立体的に表現してなる2次元画像データに基づいて、凸状部に対応する部分を明るく且つ凹状部に対応する部分を暗く表してなる立体的意匠表示が筒状ラベル本体に印刷されているので、3次元モデル(実物)に近い立体感のある意匠印刷が施された筒状ラベルを提供できる。
【0008】
さらに、本発明は、筒状ラベル本体に任意の縦線を仮想した場合、この仮想縦線から筒状ラベル本体の周方向に位置ずれした側方領域に存する立体的意匠表示は、仮想縦線を含む所定領域に存する立体的意匠表示に比して、立体的表現が強調されている上記熱収縮性筒状ラベルを提供する。
一般に、筒状ラベルを容器などの被装着体に装着してラベル付き包装体を構成すると、被装着体の外面に沿って湾曲(屈曲を含む)する。このように湾曲したラベルを任意の方向から直視した場合、該直視したラベル部分に印刷された立体的意匠表示は、立体的な感じに見え易いが、これから筒状ラベル本体の周方向に位置ずれした(離れた)ラベル部分に印刷された立体的意匠表示は、立体感が薄れ、平面に印刷された印刷物であると看取され易い。
この点、上記熱収縮性筒状ラベルは、仮想縦線から筒状ラベル本体の周方向に位置ずれした側方領域に存する立体的意匠表示の立体的表現が強調されているので、仮想縦線を含む所定領域の正面から看者がラベルを見た場合、該所定領域から側方領域に亘って、良好な立体感を看者に印象付けることができる。
【0009】
さらに、本発明は、上記側方領域に印刷された立体的意匠表示が、前記所定領域に存する立体的意匠表示に比して、凸状部に対応する部分と凹状部に対応する部分との明暗差を大きく表してなる上記熱収縮性筒状ラベルを提供する。
かかる熱収縮性筒状ラベルは、側方領域の立体的意匠表示が、所定領域のそれよりも明暗差を大きく(高く)して表しているので、側方領域に於ける立体的意匠表示の立体的表現が所定領域に比して強くなる。従って、かかる筒状ラベルを所定領域の正面から見た場合、該所定領域から側方領域に亘って、良好な立体感を看者に印象付けることができる。
【0010】
また、本発明は、上記被装着体が、周長の小さい縮径部を有し、筒状ラベル本体のうち、装着時に被装着体の縮径部に密着するラベル部分に於ける立体的意匠表示が、周方向に拡大して印刷されている上記熱収縮性筒状ラベルを提供する。
かかる熱収縮性筒状ラベルは、該縮径部に装着した際、拡大された立体的意匠表示が周方向に縮小するので、縮径部に密着する部分に於ける立体的意匠表示が極度に変形して立体感を喪失することを防止できる。
【0011】
本発明の第3の手段は、計測方法に係り、基準曲面上に凹凸が形成されている筒状の3次元モデルの表面に、計測装置の検出部を作用させ、各測定点に於いて筒状モデル表面との距離を測定することによりモデル表面の凹凸高さを計測する方法であって、各測定点に於ける基準曲面の接線に対して略直交するように検出部を筒状モデルの表面に作用させ、各測定点に於いて筒状モデル表面までの距離を測定し、この距離と、対応する各測定点に於ける基準曲面までの距離との差を求めることにより、筒状モデル表面の凹凸高さ計測する筒状モデルの表面高さの計測方法を提供する。
かかる計測方法によって筒状の3次元モデルを実測して得られた凹凸高さデータを立体化補正処理することにより、モデルを平面上に立体的に表現してなる2次元画像データを得ることができる。従って、この画像データに基づいて、立体的意匠表示が印刷された筒状ラベルを作製することができる。
この筒状ラベルを被装着体の筒状胴部に装着することにより得られた包装体は、ラベルの周回りの何れの方向から見ても、3次元モデルに近似したリアルな立体感を看者に印象付けることができる。
【0012】
また、本発明の第4の手段は、基準曲面上に凹凸が形成されている筒状の3次元モデルの表面に、計測装置の検出部を作用させ、各測定点に於いて筒状モデル表面との距離を測定することによりモデル表面の凹凸高さを計測する方法であって、任意の一つの測定点に於ける基準曲面の接線に対して略平行に検出部を移動しながら、各測定点に於いて筒状モデル表面までの距離を測定し、この距離と、対応する各測定点に於ける基準曲面までの距離との差を求めることにより、筒状モデル表面の凹凸高さ計測する筒状モデルの表面高さの計測方法。
かかる計測方法によって筒状の3次元モデルを実測した凹凸高さデータにより、2次元画像データを作成することができ、この画像データに基づいて、立体的意匠表示が印刷された筒状ラベルを作製することができる。
この筒状ラベルを被装着体の筒状胴部に装着することにより得られた包装体は、ラベルの立体的意匠表示を直視した場合に、リアルな立体感を看者に印象付けることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明のラベル及び熱収縮性筒状ラベル並びにこれが装着されたラベル付き包装体は、筒状ラベル本体に印刷された立体的意匠表示によって、看者にデザインの立体感を印象付けることができる。
従って、従来のラベルに比して、極めて装飾的価値の高いラベル及び熱収縮性筒状ラベル並びにラベル付き包装体を提供することができる。
また、本発明の筒状モデルの表面高さの計測方法により得られた高さデータによって作成された2次元画像データを用いることにより、周回りの何れの方向から見ても立体感を印象付けることができる筒状ラベルや、立体的意匠表示を直視した際に立体感を印象付けることができるラベルを製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
<第1実施形態>
図1に於いて、1は、ラベル基材の両側端部をセンターシールすることにより筒状に成形された筒状ラベル本体2と、この筒状ラベル本体2に印刷された立体的意匠表示3を含む意匠印刷表示と、を有する熱収縮性筒状ラベルを示す。
【0015】
ラベル基材5は、特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体などのスチレン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂からから選ばれる1種又は2種以上の混合物などからなる熱収縮性樹脂フィルム、熱収縮性の発泡樹脂シート、及びこれらの積層フィルムなどが例示される。また、ラベル基材5は、熱収縮性樹脂フィルムと不織布などの非熱収縮性シートとの積層フィルムからなる熱収縮性シートなどを用いることもできる。例えば、ラベル基材5として熱収縮性樹脂フィルムを用いる場合、Tダイ法やインフレーション法などの公知の製法で製膜し延伸処理することにより得ることができる。延伸処理は、通常、70〜110℃程度の温度で、周方向(筒状ラベル1に形成した際に周方向となる方向をいう)に2.0〜8.0倍、好ましくは3.0〜7.0倍程度延伸することにより行われる。さらに、縦方向(周方向と直交する方向)にも、例えば1.5倍以下の低倍率で延伸処理を行ってもよい。得られたフィルムは、一軸延伸フィルム又は主延伸方向と直交する方向に若干延伸された二軸延伸フィルムとなる。
ラベル基材5は、筒状ラベル1とした場合、その周方向に於ける熱収縮率が、例えば90℃の温水中に10秒間浸漬した際、約30%以上、好ましくは約40%以上、特に好ましくは50%以上のものが用いられる。尚、縦方向の熱収縮率は、0〜10%、好ましくは0〜6%程度のものが例示される。
但し、熱収縮率(%)=[{(周方向(又は縦方向)の元の長さ)−(周方向(又は縦方向)の浸漬後の長さ)}/(周方向(又は縦方向)の元の長さ)]×100。
【0016】
また、ラベル基材5は、意匠印刷表示の透視可能な無色透明又は有色透明なシートが用いられている。もっとも、ラベル基材5は透明シートに限られず、不透明なシートを用いることもできる。この場合、意匠印刷表示は、ラベル基材5の外面に印刷される。
【0017】
該ラベル基材5の内面には、立体的意匠表示3と通常の意匠表示(立体的に見える処理が施されていない意匠表示。図示せず)とからなる意匠印刷表示が、外面側から視認できるように、多色刷りのグラビア印刷法などの公知の印刷法で印刷されている。尚、この意匠印刷表示は、ラベル基材5の外面に施すこともできる。
立体的意匠表示3は、平面たるラベル基材5に印刷によって表され、恰も3次元的に見えるように表現された印刷表示をいう。この印刷表示は、看者の目から入った視覚情報を大脳が認識する際、大脳が過去の記憶と照合しながらその視覚情報を補正することを利用して、平面上に表されたものを立体的に印象付け得るものである。
【0018】
本発明では、リアルな3次元的表示を表すことができることから、立体的意匠表示3は、3次元モデルの表面の3次元データ(X,Y,Z)及び色彩データ(R,G,B)のうち、高さデータ(Z)を平面上に変換すべく、2次元データ(X,Y)及び色彩データ(R,G,B)から選ばれる少なくとも1つのデータを立体化補正処理することにより得られた2次元画像データ(X,Y,R,G,B)に基づいて、印刷版を作製し、ラベル基材5に印刷されている。
ここで、X,Yは、3次元モデルの平面に於ける座標データ、Zは、そのX,Y座標に於ける高さデータを示す。R,G,Bは、色の3要素(赤、緑、青)によって表される色彩データを示す。
また、3次元モデルは、表現したいと所望する適宜の立体的デザインを有するモデルであり、特に限定されるものではない。
【0019】
上記立体的意匠表示3の元になる2次元画像データは、公知の画像処理方法によって作成できる。例えば、図2のフロー図に示すように、各測定点(測定対象面内で直交するX方向とY方向の交点X,Y。ピクセルに相当する)に於ける3次元モデル表面の3次元データ(X,Y,Z)と色彩データ(R,G,B)を実測する。次に、各測定点(ピクセル)の実測で得られた高さデータ(Z)に対応して、2次元データ(X,Y)及び色彩データ(R,G,B)から選ばれる少なくとも1つのデータを補正する立体化補正処理を行い、3次元モデルから取り込まれた3次元のデザインを、2次元のデザイン(2次元画像データ)に変換する。
【0020】
立体化補正処理は、2次元データや色彩データの実測値を画像処理することにより、高さデータを平面上に変換し、2次元画像データを得るものである。立体化補正処理としては、例えば、1)実測した形状(2次元データX,Yの集合により表されるモデル表面に於けるデザインの輪郭)を補正し、形状そのものを変更する、2)実測した形状の線(輪郭線)を補正し、該輪郭線を鮮明にする、又はぼやかす、3)実測した色彩を補正し、高さデータに対応して高い部分が明るく且つ低い部分が暗くなるように変更する、4)実測した色彩を補正し、色彩の明暗差を大きくする、5)実測した色彩を補正し、色彩を鮮明にする、又はぼやかす、6)実測した色彩を補正し、グラデションを変える、7)実測した色彩を補正し、擬似的な光沢又は照射光による反射などを付加する、8)実測した形状及び色彩を補正し、陰影を付加する、9)その他、前記1)〜8)などの補正を適宜組み合わせた複合的な補正処理を行う、などが挙げられる。
【0021】
本発明で使用される2次元画像データは、上記立体化補正処理の中から選ばれる1つの手法により得ることができる。中でも、立体的な印象を看者に与えやすいことから、立体意匠表示3は、3次元モデルの凸状部に対応する高い部分を明るく且つ凹状部に対応する低い部分を暗く表された表示を含むことが好ましい。
【0022】
図1に示す例は、3個の半球状凸部デザインが3次元モデルとして用いられ、これを実測したデータを補正処理した2次元画像データに基づく立体的意匠表示3は、モデルの半球状凸部に対応する部分(円の中心部分)が明るく、次第に低くなっていくその周りが暗く表されている。
尚、各図に於いて、立体的意匠表示3は、輪郭(形状)を実線で、3次元モデルの凸状部に対応する印刷表示部分を無地(塗り無し)で示す。また、原則として、モデルの凸状部に向かうに従い薄く塗り潰し、逆に、凹状部(低い)に対応する印刷表示部分を濃い塗り潰しで示している。
【0023】
さらに、3次元モデルの凹凸に光が当たることにより陰が出来ていることを表すことによって、よりリアルな立体感を印象付けるため、上記立体的意匠表示3に、陰影表示を付加してもよい。
例えば、図3に示す変形例のように、立体的意匠表示3の周囲の一部に、陰影表示4(便宜上、太い斜線で示す)を付加することもできる。かかる立体的意匠表示3は、立体的意匠表示3の輪郭の一部から外側へ拡がるように、黒色系(濃いグレーや濃紺などを含む)の部分を表すことにより陰影表示4が表されている。
尚、図3の例示では、図1で示す立体的意匠表示3の元となった3次元モデルと同じ半球状凸部デザインに、左上から光が当たっている状態を表しており、図1と比べると明らかな通り、図1と同様に表された立体的意匠表示3の輪郭の外側(右下)に、陰影表示4が表されているものを例示している。
但し、左上から光が当たっている状態を表すような陰影表示4に限られず、例えば、右上から光が当たっている状態を表すように、立体的意匠表示3に陰影表示4を付加することもできる。
【0024】
また、図4に示す変形例のように、立体的意匠表示3の一部(例えば凹状部に対応する印刷表示部分)を、上記と同様に黒色系で表すことにより、恰も陰が出来ているように陰影表示4を付加することもできる。
尚、図4の例示では、図1で示す立体的意匠表示3の元となった3次元モデルと同じ半球状凸部に、左上から光が当たっている状態を表しており、図1と比べると明らかな通り、立体的意匠表示3は、左上側が明るく、右下側が黒色系で表されている。
また、特に図示しないが、陰影表示4を付加した立体的意匠表示3として、立体的意匠表示3の一部を黒色系で表すと共に、立体的意匠表示3の輪郭の外側に、黒色系の部分を表示することもできる。
【0025】
上記高い部分を明るく表してなる立体的意匠表示3の元になる2次元画像データは、公知の画像処理方法によって作成できる。例えば、図5(a)のフロー図に示すように、各測定点に於ける3次元モデル表面の3次元データと色彩データを実測する。次に、各測定点(ピクセル)の実測で得られた高さデータを基に、高さの分布に従い、高い部分をより明るく且つ低い部分をより暗くするように、各測定点の明度を決定する。そして、各測定点の実測した色彩データに、前記高さデータによって決められた明度を合成することにより、平面的な2次元画像データを作成する。得られた2次元画像データは、3次元モデルのデザインの実際の輪郭及び色彩を有し、該モデルの凸状部に対応する部分の実色が明るく表され、且つ凹状部に対応する部分の実色が暗く表されていると共に、凸状部から凹状部に至る中間的な高さ部分の実色が高さに応じて中間且つ段階的な明るさで表されている。
かかる2次元画像データを元に、必要に応じて通常の意匠表示(立体的な表示処理が施されていない表示)を加えて印刷版を作製し、ラベル基材5に印刷を施すことにより、立体的意匠表示3を含む意匠印刷表示が施された筒状ラベル1を得ることができる。
【0026】
さらに、陰影表示4を含む2次元画像データを作成する際には、図5(a)に示すフロー図に従って2次元画像データを作成する際、3次元モデルに所望の方向から光を当てて凸状部に起因する実際の陰を作り、この状態で3次元モデルの表面の3次元データ及び色彩データを実測し、実際の陰で暗くなった色彩を、色彩データとして取り込むことにより、陰影表示4を含む2次元画像データを作成することができる。
また、機械的に画像処理を行うことにより、陰影表示4を含む2次元画像データを作成することもできる。例えば、図5(b)のフロー図に示すように、上記と同様にして、立体的意匠表示3の基となる2次元画像データを作成した後、所望の照明角度(例えば、3次元モデルの左側から光が当たる状態を表現したい場合には、照明角度を「左」とするなど)を指定する。指定された照明角度から上記高さデータに従って生じると想定される陰を黒色系で表してなる陰影データを算出し、これを上記2次元画像データに付加する画像処理を施す。
このような陰影表示4を含む2次元画像データを元に、必要に応じて通常の意匠表示を加えて印刷版を作製し、ラベル基材5に印刷を施すことにより、陰影表示4を有する立体的意匠表示3を含む意匠印刷表示が施された筒状ラベル1を得ることができる。
【0027】
上記のような2次元画像データは、例えば、公知の画像処理装置、例えば、特開平10−27242号公報などに記載された装置にて作成することができる。該公報に記載された画像処理装置は、3次元モデルの表面に於ける凹凸形状を測定し、得られた複数の高さデータに基づいて、複数の高さデータに於ける傾斜データを計算すると共に、照明角度に応じて傾斜データを調整し、所定方向から高さデータと調整された傾斜データに従って2次元画像データを作成するものである。
【0028】
上記熱収縮性筒状ラベル1は、通常、ラベル基材5が連続的に繋がったラベル基材連続体を筒状加工することにより、筒状ラベル1が連続的に繋がった筒状ラベル連続体を得、これを扁平状にして巻取った状態で提供される。そして、使用時には、該筒状ラベル連続体ロールから扁平状の筒状ラベル連続体を引き出し、所定長さにカットした後、筒状に開口させ、飲料容器などの被装着体に嵌挿し、熱収縮温度に加温することにより、ラベル付き包装体を得ることができる。
得られたラベル付き包装体は、筒状ラベル1の外面に立体的意匠表示3が見えるので、看者の興味を引く装飾的価値の高いものである。
かかる立体的意匠表示3は、3次元モデルの表面の凹凸等を実測したデータを2次元に変換した2次元画像データに基づいて印刷されているので、正確且つリアルな立体感を看者に与えることができる。
【0029】
<第2実施形態>
第2実施形態は、立体的意匠表示が周方向に拡大印刷されている熱収縮性筒状ラベルに関する。以下、主として上記第1実施形態で示した各例と異なる部分を説明し、同様の構成については、用語及び図番を援用し、その説明を省略する。
【0030】
図6に於いて、筒状ラベル本体2に表される立体的意匠表示3のうち、一部の立体的意匠表示3は、筒状ラベル本体2の周方向に拡大された状態で印刷されている。
この拡大印刷される立体的意匠表示3の位置及び拡大倍率は、筒状ラベル1が装着される被装着体の縮径部に応じて適宜設計される。
すなわち、第2実施形態の熱収縮性筒状ラベル1は、周長(周方向の外形長さ)の小さい縮径部を有する被装着体に装着する際に好適なものである。かかる被装着体6としては、例えば、図7に示すように、胴部6bの上方に次第に縮径する肩部6a(縮径部6a)を有する飲料容器6(ボトル型容器など)、図示しないが瓢箪型のような縊れ部を有する容器6、全体が球形又は楕円形状に形成された容器6などが挙げられる。
そして、かかる被装着体6に筒状ラベル1を装着した際、この被装着体6の縮径部6aに密着する筒状ラベル1の部分に於ける立体的意匠表示3を、縮径部6aの径差に応じて周方向に拡大して印刷しているのである。よって、拡大印刷する立体的意匠表示3の位置や、その拡大倍率は、被装着体6の縮径部6aの位置やその径差に応じて適宜設計される。
【0031】
一般に、熱収縮性筒状ラベル1の周方向の長さは、被装着体6の胴部6b(周長が最も大きい部分)の周長の1.02〜1.15倍程度に形成されている。そこで、例えば、胴部周長の1.1倍に形成された熱収縮性筒状ラベル1を被装着体6に熱収縮装着すると、胴部6bに密着するラベル部分は、式:{(ラベルの周方向の元の長さ−熱収縮後の長さ)/ラベルの周方向の元の長さ}×100から、約9%程度熱収縮する。
しかしながら、縮径部6aに密着するラベル部分は、これよりも大きく熱収縮するので、その部分に表された立体的意匠表示3は、周方向に圧縮されて変形する。具体的には、例えば、胴部周長の1.1倍に形成された熱収縮性筒状ラベル1を、胴部周長の0.7倍の縮径部6aに装着した場合、該縮径部6aに密着するラベル部分は、上記式から約36%程度熱収縮する。同様に、胴部周長の0.8倍の縮径部に装着した場合、該縮径部6aに密着するラベル部分は、上記式から約27%程度熱収縮する。
従って、この具体例では、胴部周長の0.7倍の縮径部6aに密着するラベル部分は、胴部6bに密着するラベル部分よりも約27%程度大きく熱収縮し、胴部周長の0.8倍の縮径部6aに密着するラベル部分は、同約18%程度大きく熱収縮する。よって、上記0.7倍の縮径部6aに密着するラベル部分に位置する立体的意匠表示3は、周方向に約1/0.73倍に拡大して印刷され、上記0.8倍の縮径部6aに密着するラベル部分に位置する立体的意匠表示3は、周方向に約1/0.82倍に拡大して印刷されている。
【0032】
尚、図6に示す熱収縮性筒状ラベル1は、図7に示すような円筒状の胴部6bとこの上方に次第に縮径する首部6aとを有するボトル型容器6の該首部6aにまで装着される筒状ラベルの例示であるから、立体的意匠表示3は、首部6aの径差に応じ、上方に向かうに従って拡大率が大きくなっている。
【0033】
本実施形態では、縮径部6aに密着するラベル部分に於ける立体的意匠表示3が、周方向に拡大して印刷されているので、筒状ラベル1を被装着体6に熱収縮装着した際、縮径部6aに密着する部分に於ける立体的意匠表示3は周方向に縮小する。
従って、得られたラベル付き包装体は、図7に示すように、胴部6b及び首部6aに於ける筒状ラベル1の立体的意匠表示3が、元の2次元画像データと略同様に再現される。
【0034】
本実施形態に於ける熱収縮性筒状ラベル1は、例えば、次の手順で製造できる。
まず、上記第1実施形態で例示したような方法で2次元画像データを作成する。尚、この2次元画像データには、陰影表示4を表す陰影データが含まれていてもよいし、又、含まれていなくてもよい。
次に、該2次元画像データのうち、縮径部6aに密着するラベル部分に印刷される立体的意匠表示3を、縮径部6aの径差に応じて周方向に拡大する(引き延ばす)補正処理を行う。補正処理は、コンピュータなどを用いて行えばよい。この拡大補正後の2次元画像データを元に、第1実施形態と同様にして印刷版を作製し、これを用いてラベル基材5に立体的意匠表示3を印刷する。事後、筒状に成形することにより、第2実施形態に係る熱収縮性筒状ラベル1を得ることができる。
【0035】
尚、本実施形態に於いて、上記のように拡大補正処理するのは、立体的意匠表示3だけでなく、縮径部6aに密着するラベル部分に通常の意匠表示が印刷されている場合には、該意匠表示についても同様に拡大することが好ましい。
また、ラベル1を熱収縮させると、縮径部6bに密着するラベル部分に於ける印刷表示は、色の濃さも変化する。つまり、収縮に伴い、印刷表示の色が濃くなるため、上記拡大印刷した立体的意匠表示3(必要に応じて、通常の意匠表示も含む)は、その拡大率に応じて印刷濃さが薄くなるように、補正処理を行っておくことが好ましい。
【0036】
<第3実施形態>
第3実施形態は、側方領域の立体的意匠表示の立体的表現が強調されている熱収縮性筒状ラベルに関する。以下、主として上記各実施形態で示した各例と異なる部分を説明し、同様の構成については、用語及び図番を援用し、その説明を省略する。
【0037】
本実施形態の熱収縮性筒状ラベル1は、任意の仮想縦線から筒状ラベル本体2の周方向に位置ずれした領域(単に「側方領域」という場合がある)に存する立体的意匠表示3が、仮想縦線を含む領域(単に「所定領域」という場合がある)に存する立体的意匠表示3に比して立体的表現が強調されるように、上記2次元画像データを補正し、この強調補正された2次元画像データに基づいてラベル基材5に意匠印刷を施し、筒状加工することによって構成されている。
このように側方領域に存する立体的意匠表示3の立体的表現が強調されている熱収縮性筒状ラベル1は、所定領域の正面から看者がラベルを見た場合、該所定領域の立体的意匠表示3のみならず、側方領域の立体的意匠表示3についても、良好な立体感を看者に印象付けることができる。
【0038】
すなわち、一般に、筒状ラベルは、容器などの被装着体に装着されると、被装着体の外面に沿って湾曲(屈曲を含む)する。かかる湾曲したラベルを任意の方向から直視した場合、該直視したラベル部分に印刷された立体的意匠表示は、立体的な感じに見え易い。しかしながら、直視した部分から筒状ラベル本体の周方向に位置ずれしたラベル部分は、看者から見れば曲面となり、この部分に印刷された立体的意匠表示は、直視した部分から離れる程に立体感が薄れ、平面上に印刷された印刷物であると看取され易い。
本実施形態に係る熱収縮性筒状ラベル1は、かかる筒状ラベルの特性に鑑み、側方領域に存する立体的意匠表示3の立体的表現が、所定領域に存する立体的意匠表示3に比して強調されるので、所定領域の正面から看者がラベルを見た場合、曲面状となる側方領域の立体的意匠表示3を立体的な感じに印象付けることができる。
側方領域に存する立体的意匠表示3の立体的表現を強調する手段としては、例えば、上記立体化補正処理で例示したように、明暗差を大きくする(コントラストを高くする)、陰影表示4の形状等を変える、輪郭等を明瞭にする、色彩のグラデーションを変えるなどが例示される。
以下、これらを具体的に説明する。
【0039】
<明暗差を大きくする>
図8に於いて、任意に定められた縦方向に伸びる仮想の縦線(仮想縦線Y)を観念した場合、この仮想縦線Yから周方向へ位置ずれした側方領域B(便宜上、細い横線で示す)に印刷される立体的意匠表示32は、仮想縦線Yを含む所定領域A(便宜上、破線による斜線で示す)に印刷される立体的意匠表示31に比して、3次元モデルの凸状部に対応する部分をより明るく、且つ、凹状部に対応する部分をより暗くなるように表されている。
例えば、所定領域Aの立体的意匠表示31よりも、側方領域Bに於ける立体的意匠表示32は、数%増(例えば20%増など)の明暗差を以て印刷されている。
尚、側方領域Bは、仮想縦線Yの正面から筒状ラベル1を直視した際に見える範囲に於いて、仮想縦線Yから周方向へ位置ずれした任意の領域である。
かかる熱収縮性筒状ラベル1は、側方領域Bの立体的意匠表示3が、所定領域Aのそれよりも、明暗差を大きくして表されているので、所定領域Aの正面からラベル1を見た場合、該所定領域Aから側方領域Bに亘って、良好な立体感を看者に印象付けることができる。
【0040】
また、図9に示す変形例は、所定領域Aから周方向へ位置ずれした第1の側方領域B’(便宜上、細い横線で示す)に印刷される立体的意匠表示32が、上記と同様に所定領域Aの立体的意匠表示31よりも明暗差を大きくして表され、更に、該第1の側方領域B’よりも更に所定領域Aから周方向へ位置ずれした第2の側方領域B”(便宜上、波線による網掛けで示す)に印刷される立体的意匠表示33が、第1の側方領域B’の立体的意匠表示32よりも明暗差を大きくして表されている。
例えば、第1の側方領域B’に於ける立体的意匠表示32は、所定領域Aに比して明暗差が数%増、第2の側方領域B”に於ける立体的意匠表示33は、第1の側方領域B’に比して明暗差が数%増などを以て印刷されている。
このように側方領域を更に複数の領域に分割し、所定領域Aから周方向へ離れる領域に於ける明暗差を大きくして表すことにより、側方領域に於ける立体的意匠表示3を、より立体的な感じに印象付けることができる。
そして、この分割を細かく行う、すなわち、側方領域をより細かく分割することにより、所定領域Aから周方向へ離れるに従って徐々に明暗差を大きく表すことができる。
尚、図8や図9に示す例では、所定領域Aの両側の側方領域B(左右の側方領域B)の双方の立体的意匠表示32が、明暗差を大きくして表されているが、何れか一方のみでもよい。
【0041】
本実施形態に於ける熱収縮性筒状ラベル1は、例えば、次の手順で製造できる。
まず、図10に示すように、上記第1実施形態で例示したような方法で2次元画像データを作成する。尚、この2次元画像データには、陰影表示4を表す陰影データが含まれていてもよいし、又、含まれていなくてもよい。
次に、該2次元画像データのうち、所望する仮想縦線を決め、この縦線を基準に原画データに表された立体的意匠表示3を左右の側方領域に分ける。この際、上記のように側方領域を更に複数に分割してもよい。次に、2次元画像データのうち、前記側方領域に於ける立体的意匠表示3の明暗差を、所望率で増加させる強調補正を行う。この強調補正後の2次元画像データを元に、第1実施形態と同様にして印刷版を作製し、これを用いてラベル基材5に立体的意匠表示3を印刷する。事後、筒状に成形することにより、第2実施形態に係る熱収縮性筒状ラベル1を得ることができる。
【0042】
<陰影表示4の形状等を変える>
図11に於いて、側方領域Bの立体的意匠表示32に付加された陰影表示42は、所定領域Aの立体的意匠表示31に付加された陰影表示41に比して、3次元モデルの周方向に伸びるように、拡大変形して表されている。尚、図11は、左横から光が当たっている状態を表現している。
かかる熱収縮性筒状ラベル1は、側方領域Bの立体的意匠表示3に付加された陰影表示42が、所定領域Aのそれよりも、拡大して表されているので、所定領域Aの正面からラベル1を見た場合、側方領域Bの陰影表示42は、曲面上(看者から見て遠ざかる方向)に伸びているにも拘わらず、所定領域Aの陰影表示41と同程度又はそれよりも大きく見える。
側方領域Bの陰影表示42は、適宜の形状に拡大変形され、例えば上記の明暗差を変更する手段に準じ、側方領域Bを複数に分割し、周方向に離れるに従って、拡大率を大きくするなどで行えばよい。
【0043】
かかる熱収縮性筒状ラベル1は、側方領域Bの立体的意匠表示3に付加された陰影表示42の強調によって、所定領域Aの正面からラベル1を見た場合、該所定領域Aから側方領域Bに亘って、良好な立体感を看者に印象付けることができる。
尚、図11に示す例では、所定領域Aの両側の側方領域B(左右の側方領域B)の双方の陰影表示42が、拡大変形して表されているが、何れか一方のみでもよい。
【0044】
また、図12に示す変形例は、所定領域Aの立体的意匠表示31には陰影表示を付加せず、左右の側方領域Bの立体的意匠表示3に付加された陰影表示42が、対称的に表わされている。
かかる熱収縮性筒状ラベル1は、所定領域Aの正面からラベル1を見た場合、恰も所定領域Aに対して垂直な光が当たり、曲面に存する側方領域Bの立体的意匠表示32に、その光に起因する陰が出来ているような感じに見える。
尚、本変形例に於ける陰影表示42についても、上記と同様に、周方向に離れるに従って陰影表示42の形状を拡大変形することが好ましい。
【0045】
かかる熱収縮性筒状ラベル1は、例えば、図5(b)に示すように、2次元画像データに陰影データを付加する際に、所望する仮想縦線を決め、この縦線を基準に2次元画像データに表された立体的意匠表示3を左右の側方領域(側方領域を更に複数に分割してもよい)に分け、側方領域に於ける立体的意匠表示3に付加する陰影表示4を、所望率で変形させる強調補正を行う。この強調補正後の2次元画像データを元に印刷することにより、熱収縮性筒状ラベル1を得ることができる。
【0046】
<輪郭等を明瞭にする、色彩のグラデーションを変える>
側方領域Bの立体的意匠表示32の輪郭(形状)を表す線を、所定領域Aの立体的意匠表示31の輪郭(形状)を表す線に比して、明瞭に印刷する。かかる熱収縮性筒状ラベル1は、側方領域Bの立体的意匠表示32の輪郭が、所定領域Aに比して明瞭に表されているため、曲面に存する側方領域Bの立体的意匠表示32が際立つこととなる。従って、かかる熱収縮性筒状ラベル1は、所定領域Aの正面からラベル1を見た場合、該所定領域Aから側方領域Bに亘って、良好な立体感を看者に印象付けることができる。
その他、側方領域Bに存する立体的意匠表示3の立体的表現を強調する手段として、側方領域Bの立体的意匠表示32のグラデーションを所定領域Aの立体的意匠表示31と異ならせる、或いは、所定領域Aの立体的意匠表示31を側方領域Bの立体的意匠表示32に比して全体的にぼかず、など各種の手法を採用できる。
【0047】
尚、第3実施形態では、上記のように側方領域Bに存する立体的意匠表示3の立体的表現を強調する手段として各種のものを例示したが、これらを適宜に組み合わすことも可能である。
例えば、側方領域Bに存する立体的意匠表示3の明暗差を大きくし且つ該立体的意匠表示3に付加する陰影表示4を周方向に拡大したり、側方領域Bに存する立体的意匠表示3の明暗差を大きくし且つ該立体的意匠表示3の輪郭を明瞭に表すなどしてもよい。
さらに、本実施形態で示す各種の態様を、上記第1実施形態及び/又は第2実施形態に組み合わせることも可能である。例えば、上記第2実施形態で例示した立体的意匠表示3を被装着体の縮径部の径差に応じて周方向に拡大印刷する態様を、第3実施形態の筒状ラベル1に適用することもできる。
【0048】
尚、上記第1〜第3実施形態では、熱収縮性筒状ラベルを例示しているが、本発明のラベルは、上記のような熱収縮性筒状ラベルに限られず、例えば、自己伸縮性フィルム(ストレッチフィルム)によって筒状に作製されたストレッチ性筒状ラベルや、使用時に容器胴部などの被装着体に巻き付け貼付する巻き付けラベルなどの他の態様の筒状ラベルとすることもできる。
また、筒状としないラベル、例えば、粘着剤などを介して被装着体に貼り付ける粘着ラベル、主として広告宣伝効果を目的として被装着体の一部から突出させるPOPラベルなどの態様のラベルとすることもできる。
【0049】
<第4実施形態>
第4実施形態は、3次元モデルの表面の凹凸を実測して、3次元モデルの周方向に於ける凹凸高さのデータを取得する計測方法に関する。以下、主として上記各実施形態で示した各例と異なる部分を説明し、同様の構成については、用語及び図番を援用し、その説明を省略する。
【0050】
図13に示すように、筒状の3次元モデル10を準備する。この3次元モデル10の表面には、筒状ラベル1に再現したい凹凸や色彩を含む3次元デザインが施されている。使用する3次元モデル10の形状は特に限定されず、凹凸(3次元デザイン)が形成されている曲面(基準曲面14)が、円筒状(横断面が円状の柱状体)のものや楕円筒状(横断面が楕円状の柱状体)のものなどが好ましい。これらの中では、基準曲面14が円筒状のものを用いることが好ましい。また、3次元モデル10の大きさも特に限定されないが、デザインの再現性が良いことから、作製する筒状ラベル1と略同じ周長のものを用いることが好ましい。このような3次元モデルの具体例としては、花瓶、壺などのような表面に凹凸を有する円筒状のものが挙げられる。
ここで、3次元モデル10の基準曲面14とは、3次元モデル10の凹凸(3次元デザイン)が形成されている本体の平滑な曲面を言い、凹凸が形成されている花瓶などのように、凹凸と平滑な曲面が明確に区別できない3次元モデルについては、コンピュータなどを用いてシュミレーションされる。
【0051】
3次元モデル10の表面を測定する計測装置11は、少なくとも3次元モデル10の凹凸高さを走査測定できるものであれば特に限定されず、更に、3次元モデル10の表面の色彩なども同時に取り込むことができる計測装置を用いることが好ましい。このような装置11は、例えば、第1実施形態で例示した特開平10−27242号記載の装置などが挙げられる。
計測装置11の検出部12は、特に限定されず、特開平10−27242号公報に記載されたように、針状部を3次元モデルの表面に接触させて距離を測定するものの他、例えば光線の反射によって凹凸高さ等を測定できる非接触型のものなどを用いることもできる。
【0052】
次に、筒状の3次元モデル10の表面高さの計測手順について具体的に説明する。
尚、下記に説明する計測方法では、計測装置11の検出部12は、先端が3次元モデル10の表面に接触し、その凹凸に従って出退することによって、各測定点に於いて検出部12と3次元モデル10の表面との距離を測定できるものが用いられている。
また、この検出部12は、3次元モデル10の縦方向(周方向に直交する方向、矢示)に移動できるようになっている。一方、3次元モデル10は、中心点Oを通って縦方向に伸びる軸芯を回転軸Lとして、自転できるように構成されている。
【0053】
図14(a)に示すように、3次元モデル10の任意の一点(例えば上端の一点)の測定点(X,Y)C1に於ける基準曲面14の接線Sに対して略直交するように、計測装置11の検出部12を作用させ、この測定点C1に於いて検出部12と3次元モデル10の凹凸表面との距離D1を測定する。
一方、上記測定点C1に於いて、検出部12と3次元モデル10の基準曲面14との距離E1を予め測定しておき(又は、コンピュータでシュミレーションしておいた基準曲面14との距離E1を用いてもよい)、この基準曲面14との距離E1から上記距離D1を減算することにより、測定点C1に於ける凹凸高さデータ(高さ値)を得ることができる。
測定点に於ける凹凸高さ=接線と略直交する検出部と3次元モデルの基準曲面の間の距離−同接線と略直交する検出部と3次元モデルの表面の間の距離。
但し、3次元モデル10の基準曲面14が略真円筒状である場合には、各測定点に於ける検出部12と基準曲面14の間の距離は一定となる。
また、高さを測定する際、同時に、測定点C1に於ける3次元モデル10の表面の色彩(色彩値)もカメラで取り込むことが好ましい。
【0054】
次に、図14(b)に示すように、3次元モデル10を所定回り(例えば左回り)に1コマだけ自転させる。
3次元モデル10を自転させた後、2列目の測定点C2に於ける基準曲面14の接線Sに対して略直交するように、計測装置11の検出部12を接触させ、この測定点C2に於いて検出部12と3次元モデル10の凹凸表面との距離D2を測定する。
測定点C2に於いて検出部12と3次元モデル10の基準曲面14との距離E2から上記距離D2を減算することにより、測定点C2に於ける凹凸高さデータ(高さ値)を得ることができる。事後、同様にすることにより、3次元モデル10を所定回り(例えば左回り)に1コマずつ移動させながら、周方向の各測定点に於ける凹凸高さデータ及び色彩データを得ることができる。尚、この測定点(X,Y)は、1ピクセル分に相当し、検出部12の測定点が多い(つまり、検出部12の1コマの移動距離が短い)ほど、周方向の解像度が高い画像を得ることができる。
【0055】
3次元モデル10を1周させ、検出部12によって1段目の測定が終了した後、検出部12を下方向(縦方向)に1コマ移動させ、該2段目も上記と同様にして、3次元モデル10を1コマずつ自転させながら各測定点に於いて凹凸高さデータ及び色彩データを測定する。尚、検出部12の縦方向への1コマの移動距離が短いほど、縦方向の解像度が高い画像を得ることができる。
事後、同様にして、検出部を下方向に1コマ移動、3次元モデル10の自転、各点毎の測定を繰り返すことにより、3次元モデル10の表面の全測定点に於ける3次元データ(高さデータを含む)及び色彩データの集合を得ることができる。
得られたデータは、上記第1実施形態で例示した画像処理装置に取り込まれ、所定の立体化補正処理が施されることにより、2次元画像データに変換される。
そして、この2次元画像データで印刷版を作製し、これを用いて筒状ラベル1などが作製される。
【0056】
本実施形態に於ける計測方法は、各測定点に於いて、筒状の3次元モデル10の基準曲面14の接線Sと略直交するように検出部12を作用させて凹凸高さデータを取得するので、このデータに基づいて作製された立体的意匠表示3が印刷された筒状ラベル1は、ラベルの周回りの何れの方向から見ても、3次元モデル10に似たリアルな立体感を看者に印象付けることができる。
【0057】
本実施形態の計測方法で得られた2次元画像データは、筒状ラベル1の作製に用いられる場合に限られず、円筒状などの筒状の容器(被装着体)に貼着する平面状の粘着ラベル、同被装着体に巻き付けて貼付する巻付けラベルなどを作製する印刷版に用いることも可能である。かかる粘着ラベル等も同様に、筒状の胴部に貼着することにより湾曲するが、本実施形態の計測方法で得られた原画を印刷しているので、周回りの何れの方向から見てもリアルな立体感を看者に印象付けることができる。
【0058】
尚、上記実施形態では、3次元モデル10を自転させる場合を例示したが、検出部12を3次元モデル周方向10の周方向に1コマずつ移動させながら凹凸高さを測定することもでき、また、3次元モデルを自転させ且つ検出部12を周方向に移動(両者を相対移動)させながら凹凸高さを測定することもできる。もっとも、上記のように、3次元モデル10を自転させる方法は、計測装置の機構が簡素化できるので好ましい。
また、上記実施形態では、3次元モデル10の表面の全周に亘ってその凹凸高さを測定することを例示しているが、例えば、3次元モデル10の1/2周や2/3周などのように周方向に部分的に測定してもよい。また、縦方向についても同様に、上端から下端まで測定する場合に限られない。
【0059】
さらに、上記実施形態では、各測定点に於いて検出部12と3次元モデル10の凹凸表面の間の距離を測定する毎に、検出部12と3次元モデル10の基準曲面14の間の距離を減算して凹凸高さデータを求めるものであるが、これに限られず、例えば全ての測定点に於いて検出部12と3次元モデル10の凹凸表面との距離を測定した後、一括して上記減算を行ってもよい。
【0060】
また、測定順序は、周方向の各測定点を実測した後、検出部12を下方に1コマ移動させ、再び周方向の各測定点を実測するものに限られず、例えば、検出部12を下方に1コマずつ移動させながら1列目の各測定点に於けるデータを取得した後、3次元モデルを周方向に1コマ自転させ、検出部12を下方に1コマずつ移動させながら2列目の各測定点に於けるデータを取得してもよい。
【0061】
<第5実施形態>
第5実施形態は、第4実施形態と異なる手法によって筒状の3次元モデルの表面の高さデータを取得する計測方法に関する。以下、主として上記各実施形態で示した各例と異なる部分を説明し、同様の構成については、用語及び図番を援用し、その説明を省略する。
【0062】
図15に示すように、筒状の3次元モデル10を準備する。この3次元モデル10の表面の一部分に、筒状ラベル1に再現したい凹凸や色彩を含む3次元的なデザインが施されている。このような3次元モデル10のデザインの具体例としては、コイン、立体的なマーク(立体商標)などが挙げられる。
【0063】
この3次元モデル10の表面を測定する計測装置11は、下記に示すように検出部12の移動方向を除いて、上記第4実施形態と同様のものを用いることができる。
【0064】
次に、筒状の3次元モデル10の表面高さの計測手順について具体的に説明する。
尚、下記に説明する計測方法では、計測装置11の検出部12は、任意の一つの測定点に於ける3次元モデル10の基準曲面14の接線Sを含む面に対して平行な面を移動面として、横方向に移動できるようになっている。すなわち、検出部12は、図15(b)矢示のように、筒状の3次元モデル10の縦方向に移動できる上、同図(a)に示すように、3次元モデル10の表面の測定対象となる範囲10aの任意の一つの測定点に於ける基準曲面14に接する接線Tに対して平行に横移動できるようになっている。
尚、3次元モデル10は、自転等できず固定されている。
【0065】
まず、図16(a)に示すように、3次元モデル10の表面のうち、デザインとして取り込みたい所定範囲10aを定め、この範囲10aの一点(例えば中央部の一点)の測定点(X,Y)C3に於ける基準曲面14の接線Tに対して略直交するように、計測装置11の検出部12を作用させ、この測定点C3に於いて検出部12と3次元モデル10の凹凸表面の間の距離D3を測定する。
一方、上記測定点C3に於いて検出部12と3次元モデル10の基準曲面14の間の距離E3を予め測定しておき(又は、コンピュータでシュミレーションしておいた基準曲面14との距離E3を用いてもよい)、上記第4実施形態と同様にして、この基準曲面14との距離E3から上記距離D3を減算することにより、測定点C3に於ける凹凸高さデータ(高さ値)を得ることができる。
また、高さを測定する際、同時に、測定点C3に於ける3次元モデル10の表面の色彩(色彩値)もカメラで取り込むことが好ましい。
【0066】
次に、検出部12を下方向(縦方向)に1コマ移動させ、上記測定点C3と同様にして、次の測定点に於いて、凹凸高さデータ及び色彩データが測定され、事後、同様にして、下方向に1コマずつ移動させながら、縦方向の各測定点に於ける凹凸高さデータ及び色彩データを得ることができる。
検出部12を最下端まで移動させて1列分測定し終えると、検出部12を上方向に移動させて測定範囲10aの上端へ戻すと共に、図16(b)に示すように、検出部12を上記接線Tに対して平行に1コマだけ移動させる。
【0067】
3次元モデル10を接線Tに対して平行に横へ移動させた後、2列目の測定点C4に於いて、同様にして検出部12と3次元モデル10の凹凸表面の間の距離D4を測定する。
該測定点C4に於いて検出部12と3次元モデル10の基準曲面14の間の距離E4から上記距離D4を減算することにより、測定点C4に於ける凹凸高さデータ(高さ値)を得ることができる。
事後、同様にして、検出部12を縦方向に移動させ、2列目の各測定点に於ける凹凸高さデータ及び色彩データを取得し、検出部12を接線Tに対して平行に1コマ移動させ、3列目以降の測定を繰り返す。これにより、3次元モデル10の測定範囲10aの略半分(例えば測定開始点C3から左半分側)の凹凸高さデータ及び色彩データを得ることができる。
さらに、未測定の残る略半分を同様にして測定することにより、3次元モデル10の測定範囲10aの凹凸高さデータを含む3次元データ及び色彩データの集合を得ることができる。
得られたデータは、上記第1実施形態で例示した画像処理装置に取り込まれ、所定の立体化補正処理が施されることにより、2次元画像データに変換される。
そして、この2次元画像データで印刷版を作製し、これを用いて筒状ラベル1などが作製される。
【0068】
本実施形態に於ける計測方法は、3次元モデル10の周方向の凹凸高さデータを、一つの接線Tに対して略平行に検出部12を移動させて実測し、各測定点に於いて変化する検出部12と基準曲面14の間の距離を減算することにより、凹凸高さデータを取得している。
かかる2次元画像データに基づいて立体的意匠表示3が印刷された筒状ラベル1は、円筒状などの筒状の容器(被装着体)に装着された状態で、横方向にずらしながらその立体的意匠表示3を直視した場合、リアルな立体感を看者に印象付けることができる。
【0069】
尚、本実施形態の計測方法で得られた2次元画像データについても、上記第4実施形態と同様に、粘着ラベル、巻付けラベルなどを作製する印刷版に用いることも可能である。
また、上記実施形態では、3次元モデル10は、一部分にデザインが施されているものを用いているが、例えば、全体に3次元デザインが施された3次元モデル10を用いることも可能である。
さらに、上記実施形態では、3次元モデル10を固定し、且つ検出部12を上記接線Tに対して略平行移動させるものを例示しているが、3次元モデル10を検出部12に対して横方向に平行移動するようにしてもよい。
また、測定開始点は、測定範囲10aの中央部に限られず、例えば、一方の側端部から開始してもよい。
【0070】
また、測定順序は、検出部12を下方に1コマずつ移動させながら1列目の各測定点に於けるデータを取得した後、検出部を側方に1コマ移動させ且つ2列目の各測定点に於けるデータを実測するものに限られず、例えば、検出部12を側方に1コマずつ移動させながら1段目の各測定点に於けるデータを取得した後、検出部12を下方に1コマ移動させ、且つ2段目の各測定点に於けるデータを実測してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】(a)は、第1実施形態に係る熱収縮性筒状ラベルを示す斜視図、(b)は、同ラベル基材の正面図。
【図2】2次元画像データの作成手順を示すフロー図。
【図3】(a)は、第1実施形態の変形例に係る熱収縮性筒状ラベルを示す斜視図、(b)は、同ラベル基材の正面図。
【図4】(a)は、第1実施形態の変形例に係る熱収縮性筒状ラベルを示す斜視図、(b)は、同ラベル基材の正面図。
【図5】(a)、(b)共に、2次元画像データの作成手順を示すフロー図。
【図6】(a)は、第2実施形態に係る熱収縮性筒状ラベルを示す斜視図、(b)は、同ラベル基材の正面図。
【図7】同熱収縮性筒状ラベルが装着されたラベル付き包装体を示す正面図。
【図8】(a)は、第3実施形態に係る熱収縮性筒状ラベルを示す斜視図、(b)は、同ラベル基材の正面図。
【図9】(a)は、第3実施形態の変形例に係る熱収縮性筒状ラベルを示す斜視図、(b)は、同ラベル基材の正面図。
【図10】(a)、(b)共に、強調補正された2次元画像データの作成手順を示すフロー図。
【図11】(a)は、第3実施形態の変形例に係る熱収縮性筒状ラベルを示す斜視図、(b)は、同ラベル基材の正面図。
【図12】(a)は、第3実施形態の変形例に係る熱収縮性筒状ラベルを示す斜視図、(b)は、同ラベル基材の正面図。
【図13】第4実施形態に係る計測方法に用いられる3次元モデル及び装置類の概要を示し、(a)は、それを上面側から見た平面図、(b)は、それを側面側から見た一部断面を含む正面図(基準曲面上に形成された凹凸を縦断面で示す)。
【図14】(a)、(b)共に、第4実施形態に係る計測方法の高さデータの取得工程を示す一部省略平面図。
【図15】第5実施形態に係る計測方法に用いられる3次元モデル及び装置類の概要を示し、(a)は、それを上面側から見た平面図、(b)は、それを側面側から見た正面図。
【図16】(a)、(b)共に、第5実施形態に係る計測方法の高さデータの取得工程を示す一部省略平面図。
【符号の説明】
【0072】
1…熱収縮性筒状ラベル、2…筒状ラベル本体、3…立体的意匠表示、31…所定領域の立体的意匠表示、32,33…側方領域の立体的意匠表示、4…陰影表示、41…所定領域の陰影表示、42…側方領域の陰影表示、5…ラベル基材、6…被装着体、6a…被装着体の縮径部(首部)、6b…被装着体の胴部、10…3次元モデル、10a…3次元モデルの測定範囲、11…計測装置、12…検出部、A…所定領域、B,B’,B”…側方領域、C1〜C4…測定点、D1〜D4…検出部と凹凸表面との距離、E1〜E4…検出部と基準曲面との距離、L…回転軸、O…中心点、S,T…接線、Y…仮想縦線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元モデル表面を実測して得られた3次元データ(X,Y,Z)及び色彩データ(R,G,B)のうち、高さデータ(Z)を平面上に変換すべく、2次元データ(X,Y)及び色彩データ(R,G,B)から選ばれる少なくとも1つのデータを立体化補正処理することにより得られた2次元画像データに基づいて、立体的意匠表示が印刷されていることを特徴とするラベル。
【請求項2】
容器などの被装着体に熱収縮により装着可能な熱収縮性筒状ラベルに於いて、
3次元モデル表面の凹凸高さ及び色彩を実測したデータを立体化補正処理することにより、3次元モデルを平面上に立体的に表現してなる2次元画像データに基づいて、前記3次元モデル表面の凸状部に対応する部分を明るく且つ凹状部に対応する部分を暗く表してなる立体的意匠表示が筒状ラベル本体に印刷されていることを特徴とする熱収縮性筒状ラベル。
【請求項3】
前記筒状ラベル本体に任意の縦線を仮想した場合、この仮想縦線から筒状ラベル本体の周方向に位置ずれした側方領域に存する立体的意匠表示は、前記仮想縦線を含む所定領域に存する立体的意匠表示に比して、立体的表現が強調されている請求項2記載の熱収縮性筒状ラベル。
【請求項4】
前記側方領域に印刷された立体的意匠表示が、前記所定領域に存する立体的意匠表示に比して、凸状部に対応する部分と凹状部に対応する部分との明暗差を大きく表してなる請求項3記載の熱収縮性筒状ラベル。
【請求項5】
前記被装着体が、周長の小さい縮径部を有し、
前記筒状ラベル本体のうち、装着時に前記被装着体の縮径部に密着する部分に於ける前記立体的意匠表示が、周方向に拡大して印刷されている請求項2〜4の何れかに記載の熱収縮性筒状ラベル。
【請求項6】
請求項2〜5の何れかに記載の熱収縮性筒状ラベルが、円筒状の胴部を有する被装着体に装着されていることを特徴とするラベル付き包装体。
【請求項7】
基準曲面上に凹凸が形成されている筒状の3次元モデルの表面に、計測装置の検出部を作用させ、各測定点に於いて筒状モデル表面との距離を測定することにより筒状モデル表面の凹凸高さを計測する方法であって、
各測定点に於ける基準曲面の接線に対して略直交するように前記検出部を筒状モデルの表面に作用させ、各測定点に於いて筒状モデル表面までの距離を測定し、この距離と、対応する各測定点に於ける基準曲面までの距離との差を求めることにより、筒状モデル表面の凹凸高さ計測することを特徴とする筒状モデルの表面高さの計測方法。
【請求項8】
基準曲面上に凹凸が形成されている筒状の3次元モデルの表面に、計測装置の検出部を作用させ、各測定点に於いて筒状モデル表面との距離を測定することにより筒状モデル表面の凹凸高さを計測する方法であって、
任意の一つの測定点に於ける基準曲面の接線に対して略平行に前記検出部を移動しながら、各測定点に於いて筒状モデル表面までの距離を測定し、この距離と、対応する各測定点に於ける基準曲面までの距離との差を求めることにより、筒状モデル表面の凹凸高さ計測することを特徴とする筒状モデルの表面高さの計測方法。
【請求項9】
請求項7又は8記載の計測方法によって得られた高さデータを平面上に変換すべく、立体化補正処理することにより得られた2次元画像データに基づいて、前記3次元モデル表面の凸状部に対応する部分を明るく且つ凹状部に対応する部分を暗く表すことができる印刷版を作製し、前記印刷版を用いて立体的意匠表示を印刷することを特徴とする筒状ラベルの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−201534(P2006−201534A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−13614(P2005−13614)
【出願日】平成17年1月21日(2005.1.21)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】