説明

レンズ保持具及びこれを用いたキャリブレーション装置

【課題】キャリブレーション用具の抜き差し等の作業を必要とせず、かつレンズの画像を遮ることがなくキャリブレーションを行うこと。
【解決手段】レンズ10の外周縁に押し付けてレンズ10を保持する各押え用ピン7、8、9を設け、これら押え用ピン7、8、9の各頂部に例えば十字ライン等の目盛を表示する各目盛表示部17、18、19を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズを画像で取り込む際のキャリブレーションを行うためにレンズを保持するレンズ保持具及びこれを用いたキャリブレーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
対象物をレンズを通して撮像装置により撮像し、この撮像装置の撮像により取得された画像データを処理して例えば対象物における任意の2点間の距離を測定するには、予め画像データ上の1画素当たりの実寸法を計算する必要がある。このように画像データ上の1画素当たりの実寸法を計算することをキャリブレーションという。
【0003】
キャリブレーションを行う用具としては、例えば特許文献1に開示されている。この特許文献1には、測定対象物の拡大画像を取得するための光学系及び撮像素子と、取得した画像を表示画面に表示する表示部と、表示画面の単位画素に対応する実寸法を計算するキャリブレーションを実行する処理装置とを備え、予め定めた基準スケールが表示されたキャリブレーション用具を準備し、光学系の視野にキャリブレーション用具をセットしたときに、処理装置が基準スケールを認識し、その基準スケールの長さに対応する画素数を計数し、その計測結果に基づいて1画素当りの長さを算出するキャリブレーションを実行することが開示されている。
【特許文献1】特開2003−319372号公報(段落番号[0009])
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、キャリブレーションを実施する際、光学系の視野にキャリブレーション用具を抜き差しする作業が必要になる。又、光学系の視野にキャリブレーション用具を入れると、キャリブレーション用具が測定物であるレンズの一部を遮ってしまい、測定物を測定できない部分が生じる。
【0005】
本発明は、キャリブレーション用具の抜き差し等の作業を必要とせず、かつレンズの画像を遮ることがなくキャリブレーションを行うことができるレンズ保持具及びこれを用いたキャリブレーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、レンズの外周縁に押し付けてレンズを保持する少なくとも3つの押え用部材と、各押え用部材の各頂部表面のうち少なくとも1つの頂部表面に付された目盛表示部とを具備したレンズ保持具である。
【0007】
本発明は、上記レンズ保持具と、レンズ保持具に保持されたレンズ及びレンズの外周縁に押し付けられている少なくとも各押え用部材の各頂部表面にそれぞれ付された各目盛表示部を撮像する撮像装置と、レンズ保持具の姿勢を姿勢調整機構と、撮像装置の撮像により取得された画像データ上における各目盛表示部の画素数に基づいてキャリブレーションを行う演算部とを具備したキャリブレーション装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、キャリブレーション用具の抜き差し等の作業を必要とせず、かつレンズの画像を遮ることがなくキャリブレーションを行うことができるレンズ保持具及びこれを用いたキャリブレーション装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0010】
図1及び図2はレンズ保持具の構成図を示し、図1は上面から見た構成図、図2は側面図を示す。このレンズ保持具1は、環状に形成された保持具筐体2を有する。この保持具筐体2の内壁には、例えば3つの開閉アーム3、4、5が設けられている。これら開閉アーム3、4、5は、それぞれ円弧状に形成されている。これら開閉アーム3、4、5は、それぞれ保持具筐体2内に設けられた図示しない開閉機構部によって同期して矢印A方向に開閉移動する。
【0011】
すなわち、開閉機構部は、保持具筐体2外に延出して設けられた開閉レバー6を備える。この開閉レバー6は、保持具筐体2に対して矢印B方向に押し込み、引き抜きの操作が可能である。しかるに、開閉機構部は、例えば開閉レバー6が保持具筐体2内に押し込まれることにより各開閉アーム3、4、5を閉じ、開閉レバー6が保持具筐体2から引き抜かれることにより各開閉アーム3、4、5を開放する。
【0012】
各開閉アーム3、4、5の各先端部には、それぞれ押え用部材としての各押え用ピン7、8、9が立設されている。これら押え用ピン7、8、9は、開閉機構部による各開閉アーム3、4、5の閉じ動作によって外周面の一部がレンズ10の外周縁に押し付けられ、これら押し付けによってレンズ10を保持する。
【0013】
これら押え用ピン7、8、9は、それぞれ略同一高さの円柱状に形成されている。これら押え用ピン7、8、9の元部にはネジ部が設けられ、かつ各開閉アーム3、4、5の各先端部にはそれぞれネジ穴が設けられている。従って、各押え用ピン7、8、9は、それぞれ各開閉アーム3、4、5の各先端部の各ネジ穴に螺合して設けられ、かつ回転することにより各頂部11、12、13の各高さ位置をそれぞれ調整可能である。
【0014】
これら押え用ピン7、8、9の各頂部11、12、13には、それぞれ各目盛表示用回転部材14、15、16が回転可能に設けられている。これら目盛表示用回転部材14、15、16が回転可能に設ける各回転機構は、例えば次のような構成を有する。各押え用ピン7、8、9の各頂部11、12、13には、それぞれ円柱状の各回転用の穴が設けられている。これら回転用の穴内には、それぞれ円柱状に形成された各目盛表示用回転部材14、15、16が回転可能に設けられている。これにより、各目盛表示用回転部材14、15、16は、それぞれ長手方向の中心を通る軸を中心にして各回転用の穴内で回転する。
【0015】
これら目盛表示用回転部材14、15、16の各頂部には、それぞれ平面状に形成された各目盛表示部17、18、19が付されている。これら目盛表示部17、18、19には、画像のキャリブレーションを実施するための実寸法が分かるための目盛が表示されている。すなわち、各目盛表示部17、18、19には、互いに直交する各ラインからなる目盛、例えば十字ラインが表示されている。これら十字ラインは、当該十字ラインの背景に有する色及び明るさと異なる色及び明るさを有する。例えば十字ラインを黒色で表示し、その背景を灰色で表示する。
【0016】
なお、目盛を十字ラインにしたのは、当該十字ラインを撮像してその画像データを取得した場合、この画像データ上のXY軸と十字ラインの各ライン方向とを一致できるからである。
【0017】
各目盛表示部17、18、19の十字ラインを黒色で表示し、背景を灰色で表示するのは、当該十字ラインを撮像してその画像データを取得した場合、この画像データから十字ラインを抽出するのに2値化処理するが、この2値化処理により十字ラインと背景との各輝度にレベル差を生じさせることが可能になるからである。
【0018】
上記の如く各押え用ピン7、8、9の各頂部11、12、13は、それぞれ円形に形成され、かつ各目盛表示部17、18、19は、それぞれ各押え用ピン7、8、9の外径よりも小さい外径を有する円形に形成されている。これにより、各押え用ピン7、8、9を上方から撮像すると、その画像データ上には、各押え用ピン7、8、9の外径と、各目盛表示部17、18、19、の外径とからなる二重の円が映る。
【0019】
次に、レンズ保持具1を用いたキャリブレーション装置の構成について図3を参照して説明する。
【0020】
架台20上には、支柱21が立設されている。この支柱21には、姿勢調整装置22が設けられている。この姿勢調整装置22上には、レンズ保持具1が設けられている。この姿勢調整装置22は、レンズ保持具1の姿勢、すなわちレンズ保持具1の水平方向に対する傾きを調整する。
【0021】
撮像装置23が支柱21に設けられている。この撮像装置23は、レンズ保持具1の上方に設けられている。この撮像装置23には、当該撮像装置23の光軸に一致させて撮像用レンズ24が取り付けられている。これと共に撮像装置23は、光軸をレンズ10の光軸に一致させて支柱21に設けられている。
【0022】
この撮像用レンズ24は、撮像装置23の撮像視野内にレンズ10の全体を入れる倍率を有するものが撮像装置23に取り付けられる。従って、撮像用レンズ24は、レンズ10の大きさ、すなわちレンズ10の外径に応じた倍率すなわちレンズ10の外径に応じた焦点距離を持つものが複数用意され、これら撮像用レンズ24からキャリブレーションを実施するレンズ10の外径に応じた倍率を有する撮像用レンズ24が選択されて撮像装置23に取り付けられる。
【0023】
撮像装置23は、支柱21上に昇降可能に設けられている。従って、撮像装置23は、取り付けられる撮像用レンズ24の倍率(焦点距離)に応じて支柱21上を昇降し、レンズ10に対する高さ位置を調整可能になっている。
【0024】
照明装置25が支柱21に設けられている。この照明装置25は、レンズ10及びレンズ保持具1における各目盛表示部17、18、19を含む領域を照明する。
【0025】
一方、制御演算装置26は、撮像装置23から出力される画像データを入力し、この画像データ上における各目盛表示部17、18、19の画素数に基づいてキャリブレーションを行う。この制御演算装置26は、CPUやRAM、ROMなどから成る制御装置本体27を有し、この制御装置本体27にデータ入力用のキーボード28と、データ入力補助装置としてのマウス29と、データ表示用の表示装置30が接続されている。
【0026】
制御装置本体27は、内部に図示しない画像入力基板が組み込まれている。この画像入力基板には、ケーブル31を介して撮像装置23が接続されている。制御装置本体27は、ケーブル31を通して画像入力基板で撮像装置23から出力された画像データを入力すると、この画像信号を表示画像として表示装置30に表示する。
【0027】
制御装置本体27は、ケーブル31を通して画像入力基板で撮像装置23から出力された画像データを入力すると、この画像データ上における各目盛表示部17、18、19に表示されている各目盛すなわち各十字ラインを認識し、これら十字ラインの長さに対応する画素数を計数し、その計測値に基づいて1画素に相当する実寸法を演算処理するキャリブレーションを実行する。
【0028】
次に、上記の如く構成されたレンズ保持具1を用いたキャリブレーション装置によるキャリブレーションの実施について説明する。
【0029】
先ず、レンズ保持具1の開閉レバー8を例えば引き抜き操作すると、開閉機構部は、各開閉アーム3、4、5を同期して開放する。これら開閉アーム3、4、5が開放された状態でレンズ10を各開閉アーム3、4、5の各先端部に立設された各押え用ピン7、8、9の間に載置する。
【0030】
次に、レンズ保持具1の開閉レバー8を例えば押し込み操作すると、開閉機構部は、各開閉アーム3、4、5を閉じる。これにより、各押え用ピン7、8、9は、レンズ10の外周縁に押し付けられてレンズ10を固定保持する。
【0031】
このように各押え用ピン7、8、9によりレンズ10を固定保持したとき、図4に示すようにレンズ10の上側になった表面高さ位置Fと、各押え用ピン7、8、9の各頂部すなわち十字ラインを表示する各目盛表示部17、18、19の高さ位置Fとが異なっている場合が多い。
【0032】
このような場合、各押え用ピン7、8、9は、それぞれ各開閉アーム3、4、5の各先端部において回転操作して各目盛表示部17、18、19の高さ位置Fを調整する。この調整により各押え用ピン7、8、9における各目盛表示部17、18、19の高さ位置Fは、図5に示すようにレンズ10の表面高さ位置Fと一致する。
【0033】
次に、照明装置25は、レンズ10及びレンズ保持具1における各目盛表示部17、18、19を含む領域を照明する。撮像装置23は、撮像用レンズ24を通してレンズ10を撮像し、その画像データを出力する。この画像データは、ケーブル31を通して制御装置本体27に送られる。この制御装置本体27は、ケーブル31を通して画像入力基板で撮像装置23から出力された画像データを入力すると、この画像信号を表示画像として表示装置30に表示する。
【0034】
オペレータは、表示装置30に表示されるレンズ10等の画像を観察し、この表示画像から各目盛表示部17、18、19が、既に取り付けられている撮像用レンズ24を通して撮像した画像から外れているようであれば、外れない倍率を持つ撮像用レンズ24を選択して撮像装置23に取り付ける。この場合、表示画像から各目盛表示部17、18、19が外れない各撮像用レンズ24のうち最高の倍率を持つ最適な撮像用レンズ24が選択されて撮像装置23に取り付けられる。
【0035】
最適な撮像用レンズ24が撮像装置23に取り付けられると、撮像装置23は、支柱21に対して昇降し、レンズ10に対して焦点が合わされる。
【0036】
次に、撮像装置23と各押え用ピン7、8、9との平行度が調整される。先ず、オペレータは、レンズ10が表示装置30に表示された状態で、表示装置30の画面の各隅に表示されている各押え用ピン7、8、9の各頂部11、12、13の画像を観察する。
【0037】
これら各押え用ピン7、8、9の各頂部11、12、13には、これら押え用ピン7、8、9の外径よりも小さな外径を有する各目盛表示部17、18、19が設けられているので、表示装置30の画面には、図6に示すような各押え用ピン7、8、9の外径と各目盛表示部17、18、19の外径とからなる二重の円R、Rが表示される。
【0038】
ここで、撮像用レンズ24の光軸と各押え用ピン7、8、9とが平行であれば、各円R、Rは、図6に示すように同心円になる。これに対して撮像用レンズ24の光軸が各押え用ピン7、8、9に対して傾いていると、図7又は図8に示すように各円R、Rは、同心円にならず、撮像用レンズ24の光軸の傾いている方向に対応して各押え用ピン7、8、9の外径からなる円Rが円Rに近付く。すなわち、図7に示す各円R、Rの位置関係では、図面上、上方で円Rが円Rに近付いているので、レンズ保持具1の上方側が下方側よりも低くなって傾いている。図8に示す各円R、Rの位置関係では、図面上、左側で円Rが円Rに近付いているので、レンズ保持具1の左側が右側よりも低くなって傾いている。
【0039】
オペレータは、表示装置30の画面に表示される二重の各円R、Rを観察し、これら円R、Rの位置関係に応じて姿勢調整装置22を動作させてレンズ保持具1の姿勢を調整する。例えば、図7に示すようにレンズ保持具1の上方側が下方側よりも低く傾いていれば、姿勢調整装置22は、レンズ保持具1の上方側を高くし、各円R、Rが図6に示すように同心円になるように調整する。図8に示すようにレンズ保持具1の左側が右側よりも低く傾いていれば、姿勢調整装置22は、レンズ保持具1の左側を高くし、各円R、Rが図6に示すように同心円になるように調整する。
【0040】
次に、オペレータは、表示装置30の画面に表示される各目盛表示部17、18、19の十字ラインを観察し、十字ラインの各ライン方向がXY軸方向に対して傾いているか否かを確認する。例えば、図9に示すように十字ラインの各ライン方向がXY軸方向に対して傾いていれば、オペレータは、表示装置30の画面を観察しながら、各押え用ピン7、8、9の各頂部11、12、13における各目盛表示用回転部材14、15、16を回転させる。これら目盛表示用回転部材14、15、16の回転により各目盛表示部17、18、19が回転し、これら目盛表示部17、18、19に表示されている各十字ラインの各ライン方向は、XY軸方向に一致する。
【0041】
このような作業の結果、撮像装置23の撮像用レンズ24は、レンズ10の表面に焦点が合うと共に、各目盛表示部17、18、19に表示されている各十字ラインにも全て焦点が合い、かつ各十字ラインの各ライン方向が撮像装置23内のXY軸方向に一致する。
【0042】
次に、キャリブレーションの動作に移る。
【0043】
撮像装置23は、撮像用レンズ24を通してレンズ10及び各目盛表示部17、18、19に表示されている各十字ラインを撮像し、その画像データを出力する。この画像データは、ケーブル31を通して制御装置本体27に送られる。
【0044】
この制御装置本体27は、ケーブル31を通して画像入力基板で撮像装置23から出力された画像データを入力すると、この画像データ上における各目盛表示部17、18、19に表示されている各目盛すなわち各十字ラインを認識し、これら十字ラインの長さに対応する画素数を計数し、その計測値に基づいて1画素に相当する実寸法を演算処理して求める。
【0045】
具体的に制御装置本体27は、画像データを2値化処理し、この2値化画像データにおける十字ラインに対応するXY座標の最大値、最小値を得る。これにより、制御装置本体27は、十字ラインの各ライン方向における各画素数を計測して取得する。制御装置本体27は、十字ラインの実寸値が予め設定されている。しかるに、制御装置本体27は、十字ラインの実寸値を計測した画素数で除算することにより、1画素数に相当する実寸値を求める。
【0046】
なお、撮像用レンズ24の倍率を変更しなければ、1画素数に相当する実寸値は変化しない。これにより、制御装置本体27は、撮像装置23から取り込んだ画像データ上の画素数に対して上記求めた1画素数に相当する実寸値を乗算し、画像データ上に撮影されている対象物の全ての実寸を求めることができる。
【0047】
又、キャリブレーションを実施する場合、制御装置本体27は、各目盛表示部17、18、19に表示されている全ての十字ラインから1画素数に相当する実寸値を求めてもよいし、各目盛表示部17、18、19のうち任意の十字ライン、例えば1つの十字ラインから1画素数に相当する実寸値を求めてもよい。
【0048】
このように上記第1の実施の形態によれば、レンズ10の外周縁に押し付けてレンズ10を保持する各押え用ピン7、8、9を設け、これら押え用ピン7、8、9の各頂部11、12、13に例えば十字ライン等の目盛を表示する各目盛表示部17、18、19を設けたレンズ保持具1を備えた。
【0049】
これにより、レンズ10をレンズ保持具1に保持して撮像装置23により撮像すれば、その画像データ上でレンズ10と共に、十字ライン等の目盛を読み取ることが可能となり、従来のようにキャリブレーションを実施する際に光学系の視野にキャリブレーション用具を抜き差しするような特別な作業をする必要がなく、容易にキャリブレーションを実施できる。
【0050】
又、十字ライン等の目盛を表示する各目盛表示部17、18、19を設けた各押え用ピン7、8、9は、レンズ10の外周縁に押し付けるので、レンズ10の一部を覆うことがなく、十字ライン等の目盛を読み取ることができ、レンズ10の測定を支障なく行うことができる。
【0051】
目盛は、例えば十字ラインを表示しているので、この十字ラインの各ライン方向を画像データ上のXY軸に一致させることにより、XY軸方向のキャリブレーションを容易に行うことができる。
【0052】
目盛は、例えば十字ラインとその背景とを異なる明るさ、例えば十字ラインを黒色で表示し、背景を灰色で表示しているので、画像データに対する2値化処理により十字ラインと背景との各輝度にレベル差を生じさせて容易に十字ラインを抽出できる。これにより、キャリブレーションを行うときの十字ラインを確実に認識でき、精度高いキャリブレーションができる。
【0053】
各押え用ピン7、8、9をレンズ10の外周縁に押し付けて当該レンズ10を保持した状態で撮像するので、画像データ上において各十字ライン等の目盛は、画像データ上の各隅に表示される。これにより、レンズ10の測定を行うために取得した画像データ上におけるレンズ10の画像のない各隅に各十字ライン等の目盛を表示でき、同画像データでキャリブレーションを行い、かつレンズ10の測定ができ、画像データを効率よく使用できる。
【0054】
各押え用ピン7、8、9は、保持具筐体2に対して高さ位置を調整可能なので、十字ライン等の目盛を表示する各目盛表示部17、18、19の高さ位置Fをレンズ10の表面位置Fに合わせることができる。これにより、撮像用レンズ24の焦点位置を各目盛表示部17、18、19又はレンズ10の表面のいずれか一箇所に合わせるだけで、各目盛表示部17、18、19及びレンズ10の表面に合焦した画像を一度に取り込むことができる。
【0055】
各目盛表示部17、18、19は、各押え用ピン7、8、9の外径よりも小さい外径を有する円形に形成されているので、各押え用ピン7、8、9を上方から撮像すると、その画像データ上には、各押え用ピン7、8、9の外径と、各目盛表示部17、18、19の外径とからなる二重の円R、Rが映る。これにより、これら円R、Rの位置関係から撮像装置23の撮像用レンズ24の光軸に対するレンズ保持具1の傾きを認識することができ、各円R、Rの位置関係に基づいて姿勢調整装置22を動作させて容易にレンズ保持具1と撮像装置23の撮像用レンズ24の光軸とを一致させることができる。
【0056】
十字ライン等の目盛を表示する各目盛表示部17、18、19を有する各目盛表示用回転部材14、15、16は、各押え用ピン7、8、9の各頂部11、12、13に回転可能に設けられている。これにより、十字ラインの各ライン方向を、画像データ上のXY軸方向に一致できる。
【0057】
各押え用ピン7、8、9は、開閉してレンズ10を保持するので、径の異なる全てのレンズ10を保持できる。
【0058】
なお、上記第1の実施の形態は、次のように変形してもよい。
【0059】
例えば、各押え用ピン7、8、9のおける各頂部の各目盛表示部17、18、19の高さ位置を調整する機構は、例えばバネを用いた機構にしてもよい。
【0060】
撮像用レンズ24の光軸と各押え用ピン7、8、9との平行度の調整は、撮像用レンズ24の取り付け部を利用してもよい。
【0061】
各押え用ピン7、8、9の各頂部表面には、それぞれ各目盛表示部17、18、19が付されているが、これに限らず、少なくとも1本の押え用ピン7、8又は9のみに目盛表示部17、18又は19を付すようにしてもよい。この場合、例えば1つの目盛表示部17、18又は19の十字ラインによってキャリブレーションを行えばよい。
【0062】
各押え用ピン7、8、9は、レンズ10の外周縁に対して略等間隔で配置するに限らず、任意の間隔毎に配置してもよい。
【0063】
各押え用ピン7、8、9は、それぞれ円柱状に形成するのに限らず、例えば四角柱又は三角柱に形成してもよい。この場合、平面部分がレンズ10の外周縁に接触するように配置する。
【0064】
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図1乃至図3と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
【0065】
図10はレンズ保持具の構成図を示す。このレンズ保持具40は、上記第1の実施の形態のレンズ保持具1に対して目盛表示用部材としての例えば2本の目盛表示用ピン41、42を備えている。
【0066】
すなわち、保持具筐体2の内壁には、例えば2つの開閉アーム43、44が設けられている。これら開閉アーム43、44は、それぞれ円弧状に形成されている。これら開閉アーム43、44は、それぞれ保持具筐体2内に設けられた図示しない上記開閉機構部によって同期して矢印A方向に開閉する。
【0067】
これら開閉アーム43、44の各先端部には、それぞれ各目盛表示用ピン41、42が立設されている。これら目盛表示用ピン41、42は、開閉機構部による各開閉アーム43、44閉じ動作によってレンズ10の外周縁に近接する。
【0068】
これら目盛表示用ピン41、42は、それぞれ略同一高さの円柱状に形成されている。これら目盛表示用ピン41、42の元部にはネジ部が設けられ、かつ各開閉アーム43、44の各先端部にはそれぞれネジ穴が設けられている。従って、各目盛表示用ピン41、42は、それぞれ各開閉アーム43、44の各先端部の各ネジ穴に螺合して設けられ、かつ回転することにより各頂部45、46の各高さ位置をそれぞれ調整可能である。
【0069】
これら目盛表示用ピン41、42の各頂部45、46は、各目盛表示用回転部材47、48が回転可能に設けられている。これら目盛表示用回転部材47、48が回転可能に設ける各回転機構は、例えば次のような構成を有する。各目盛表示用ピン41、42の各頂部45、46には、それぞれ円柱状の各回転用の穴が設けられている。これら回転用の穴内には、それぞれ円柱状に形成された各目盛表示用回転部材47、48が回転可能に設けられている。これにより、各目盛表示用回転部材47、48は、それぞれ長手方向の中心を通る軸を中心にして各回転用の穴内で回転する。
【0070】
これら目盛表示用回転部材47、48の各頂部には、それぞれ平面状に形成された各目盛表示部49、50が付されている。これら目盛表示部49、50には、画像のキャリブレーションを実施するための実寸法が分かる目盛が表示されている。すなわち、各目盛表示部49、50には、互いに直交する各ラインからなる目盛、例えば十字ラインが表示されている。これら十字ラインは、当該十字ラインの背景に有する色及び明るさと異なる色及び明るさを有する。例えば各目盛表示部49、50は、十字ラインを黒色で表示し、背景を灰色で表示する。
【0071】
なお、目盛を十字ラインにしたのは、当該十字ラインを撮像してその画像データを取得した場合、この画像データ上のXY軸と十字ラインの各ライン方向とを一致できるからである。
【0072】
各目盛表示部49、50の十字ラインを黒色で表示し、背景を灰色で表示するのは、当該十字ラインを撮像してその画像データを取得した場合、この画像データから十字ラインを抽出するのに2値化処理するが、この2値化処理により十字ラインと背景との各輝度にレベル差を生じさせることが可能になるからである。
【0073】
上記の如く各目盛表示用ピン41、42の各頂部45、46は、それぞれ円形に形成され、かつ各目盛表示部49、50は、それぞれ各目盛表示用ピン41、42の外径よりも小さい外径を有する円形に形成されているので、各目盛表示用ピン41、42を上方から撮像すると、その画像データ上には、各目盛表示用ピン41、42の外径と各目盛表示用回転部材47、48の外径とからなる二重の円が映る。
【0074】
次に、上記の如く構成されたレンズ保持具40を用いたキャリブレーション装置によるキャリブレーションの実施について説明する。
【0075】
図11はレンズ保持具40を用いたキャリブレーション装置の構成図を示す。
【0076】
先ず、レンズ保持具1の開閉レバー8を例えば引き抜き操作すると、開閉機構部は、各開閉アーム3、4、5及び開閉アーム43、44を開放する。これら開閉アーム3、4、5及び開閉アーム43、44が開放された状態でレンズ10を各開閉アーム3、4、5の各先端部に立設された各押え用ピン7、8、9の間に載置する。
【0077】
次に、レンズ保持具1の開閉レバー8を例えば押し込み操作すると、開閉機構部は、各開閉アーム3、4、5及び開閉アーム43、44を閉じる。これにより、各押え用ピン7、8、9は、レンズ10の外周縁に押し付けられてレンズ10を固定保持する。
【0078】
このとき、各開閉アーム43、44も閉じられるが、これら開閉アーム43、44の各先端部に設けられた各目盛表示用ピン41、42は、レンズ10の外周縁に接触することなく、レンズ10の外周縁に近接して配置される。
【0079】
このように各押え用ピン7、8、9によりレンズ10を固定保持したとき、上記図4に示すのと同様に、レンズ10の表面高さ位置Fと、各押え用ピン7、8、9の各頂部11、12、13及び各目盛表示用ピン41、42の各頂部45、46の高さ位置Fとが異なっている場合が多い。
【0080】
このような場合、各押え用ピン7、8、9は、それぞれ各開閉アーム3、4、5の各先端部において回転操作して各目盛表示部17、18、19の高さ位置Fを調整する。この調整により各押え用ピン7、8、9における各目盛表示部17、18、19の高さ位置Fは、上記図5に示すのと同様に、レンズ10の表面高さ位置Fと一致される。
【0081】
同様に、各目盛表示用ピン41、42も、それぞれ各開閉アーム43、44の各先端部において回転操作して各目盛表示部49、50の高さ位置Fを調整する。この調整により各目盛表示用ピン41、42における各目盛表示部49、50の高さ位置Fも図5に示すのと同様に、レンズ10の表面高さ位置Fと一致する。
【0082】
次に、照明装置25は、レンズ10及びレンズ保持具1における各目盛表示部17、18、19及び各目盛表示部49、50を含む領域を照明する。撮像装置23は、撮像用レンズ24を通してレンズ10を撮像し、その画像データを出力する。制御装置本体27は、画像入力基板で撮像装置23から出力された画像データを入力すると、この画像信号を表示装置30に表示する。
【0083】
図12は表示装置30に表示された画像の一例を示す。同表示画像で表示されているように、レンズ10の外周縁には、各押え用ピン7、8、9が押し付けられていると共に、各目盛表示用ピン41、42がレンズ10の外周縁に近接して配置されているので、同表示画像の各隅には、各押え用ピン7、8、9上の各目盛表示部17、18、19と共に、各目盛表示用ピン41、42上の各目盛表示部49、50も表示されている。
【0084】
従って、各目盛表示部17、18、19のうち幾つかが表示画像から外れても、各目盛表示部49、50のうち少なくとも一方は表示画像内に表示される。
【0085】
オペレータは、表示装置30に表示されるレンズ10等の表示画像を観察し、この表示画像から各目盛表示部17、18、19や各目盛表示部49、50が外れない倍率を持つ撮像用レンズ24が選択されて撮像装置23に取り付けられる。この場合、表示画像から各目盛表示部17、18、19や各目盛表示部49、50が外れない各撮像用レンズ24のうち最高の倍率を持つ最適な撮像用レンズ24が選択されて撮像装置23に取り付けられる。
【0086】
最適な撮像用レンズ24が撮像装置23に取り付けられると、撮像装置23は、支柱21に対して昇降し、レンズ10に対して焦点が合わされる。
【0087】
次に、撮像装置23と各押え用ピン7、8、9及び各目盛表示用ピン41、42との平行度が調整される。先ず、オペレータは、レンズ10が表示装置30に表示された状態で、表示装置30の画面の各隅に表示されている各押え用ピン7、8、9及び各目盛表示用ピン41、42の各頂部45、46の表示画像を観察する。
【0088】
これら各押え用ピン7、8、9の各頂部11、12、13には、これら押え用ピン7、8、9の外径よりも小さな外径を有する各目盛表示部17、18、19が設けられているので、表示装置30の画面には、図6に示すような各押え用ピン7、8、9の外径と各目盛表示部17、18、19の外径とからなる二重の円R、Rが表示される。
【0089】
同様に、各目盛表示用ピン41、42の各頂部11、12、13には、これら目盛表示用ピン41、42の外径よりも小さな外径を有する各目盛表示部49、50が設けられているので、表示装置30の画面には、各目盛表示用ピン41、42の外径と各目盛表示部49、50の外径とからなる二重の円R、Rが表示される。
【0090】
オペレータは、上記同様に、表示装置30の画面に表示される二重の各円R、Rを観察し、これら円R、Rの位置関係に応じて姿勢調整装置22を動作させてレンズ保持具1の姿勢を調整する。
【0091】
次に、オペレータは、上記同様に、表示装置30の画面に表示される各目盛表示部17、18、19及び各目盛表示部49、50の各十字ラインを観察し、これら十字ラインの各ライン方向がXY軸方向に対して傾いているか否かを確認する。
【0092】
次に、キャリブレーションの動作に移る。撮像装置23は、撮像用レンズ24を通してレンズ10、各目盛表示部17、18、19及び各目盛表示部49、50に表示されている各十字ラインを撮像し、その画像データを出力する。この画像データは、ケーブル31を通して制御装置本体27に送られる。
【0093】
この制御装置本体27は、ケーブル31を通して画像入力基板で撮像装置23から出力された画像データを入力すると、この画像データ上における各目盛表示部17、18、19及び及び各目盛表示部49、50に表示されている各目盛すなわち各十字ラインを認識し、これら十字ラインの長さに対応する画素数を計数し、その計測値に基づいて1画素に相当する実寸法を演算処理して求める。
【0094】
このように上記第2の実施の形態によれば、それぞれ各目盛表示部49、50を設けた例えば2本の目盛表示用ピン41、42を備え、これら目盛表示用ピン41、42を、開閉機構部による閉じ動作によってレンズ10の外周縁に近接して配置する。
【0095】
これにより、各目盛表示部17、18、19のうち幾つかが表示画像から外れても、各目盛表示部49、50のうち少なくとも一方が表示画像内に表示される。従って、表示画像内に表示されている各目盛表示部17、18、19や各目盛表示部49、50の各十字ラインを読み取ってキャリブレーションを実施することができる。
【0096】
又、レンズ10の測定を行うために取得した画像データ上におけるレンズ10の画像のない各隅に各十字ライン等の目盛を表示でき、同画像データでキャリブレーションを行い、かつレンズ10の測定ができ、画像データを効率よく使用できる。
【0097】
なお、上記第2の実施の形態は、次のように変形してもよい。
【0098】
各目盛表示用ピン41、42の各頂部表面には、それぞれ各目盛表示部49、50が付されているのに限らず、少なくとも1本の目盛表示用ピン41又は42のみに目盛表示部49又は50を付すようにしてもよい。
【0099】
各目盛表示用ピン41、42は、それぞれ円柱状に形成されるのに限らず、例えば四角柱又は三角柱に形成してもよい。
【0100】
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されるものではなく、次のように変形してもよい。
【0101】
例えば、レンズ10を保持する各押え用ピン7,8,9を3本にしているが、これに限らず、3本以上の複数本設けてもよい。
【0102】
各押え用ピン7,8,9におけるレンズ10の外周縁に接触する部分は、レンズ10に影響を与えない樹脂等により形成してもよい。
【0103】
各押え用ピン7,8,9や各目盛表示用ピン41、42の開閉機構は、各開閉アーム3、4、5や各開閉アーム43、44を用いたものに限らず、他の機構を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明に係るレンズ保持具の第1の実施の形態を示す上面から見た構成図。
【図2】同レンズ保持具の側面図。
【図3】同レンズ保持具を用いたキャリブレーション装置の構成図。
【図4】同レンズ保持具においてレンズの表面高さ位置と各押え用ピンの高さ位置とが異なっている状態を示す図。
【図5】同レンズ保持具においてレンズの表面高さ位置と各押え用ピンの高さ位置とが一致した状態を示す図。
【図6】同キャリブレーション装置の表示画面上に表示される押え用ピンの外径と押え用ピンの外径とからなる二重の円を示す図。
【図7】同キャリブレーション装置において撮像用レンズの中心軸が押え用ピンに対して傾いているときの二重の円を示す図。
【図8】同キャリブレーション装置において撮像用レンズの中心軸が押え用ピンに対して傾いているときの二重の円を示す図。
【図9】同キャリブレーション装置において十字ラインの各ライン方向がXY軸方向に対して傾いているときの二重の円を示す図。
【図10】本発明に係るレンズ保持具の第2の実施の形態を示す上面から見た構成図。
【図11】同レンズ保持具を用いたキャリブレーション装置の構成図。
【図12】同キャリブレーション装置により取得した画像データを示す図。
【符号の説明】
【0105】
1:レンズ保持具、2:保持具筐体、3,4,5:開閉アーム、6:開閉レバー、7,8,9:押え用ピン、10:レンズ、11,12,13:頂部、14,15,16:目盛表示用回転部材、17,18,19:目盛表示部、20:架台、21:支柱、22:姿勢調整装置、23:撮像装置、24:撮像用レンズ、25:照明装置、26:制御演算装置、27:制御装置本体、28:キーボード、29:マウス、30:表示装置、31:ケーブル、40:レンズ保持具、41,42:目盛表示用ピン、43,44:開閉アーム、45,46:頂部、47,48:目盛表示用回転部材、49,50:目盛表示部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズの外周縁に押し付けて前記レンズを保持する少なくとも3つの押え用部材と、
前記各押え用部材の各頂部表面のうち少なくとも1つの前記頂部表面に付された目盛表示部と、
を具備したことを特徴とするレンズ保持具。
【請求項2】
前記各押え用部材は、それぞれ高さ調整可能であることを特徴とする請求項1記載のレンズ保持具。
【請求項3】
前記各押え用部材は、前記レンズの前記外周縁に対して略等間隔の各位置で前記レンズの前記外周縁を押し付けることを特徴とする請求項1記載のレンズ保持具。
【請求項4】
前記各押え用部材は、それぞれピン状に形成されたことを特徴とする請求項1記載のレンズ保持具。
【請求項5】
前記各目盛表示部は、それぞれ前記各押え用部材の前記各頂部表面において回転可能に設けられたことを特徴とする請求項1記載のレンズ保持具。
【請求項6】
前記各目盛表示部には、それぞれ互いに直交する各ラインからなる目盛が表示されていることを特徴とする請求項1記載のレンズ保持具。
【請求項7】
前記目盛は、十字ラインであることを特徴とする請求項6記載のレンズ保持具。
【請求項8】
前記目盛は、当該目盛の背景の色及び明るさと異なる色及び明るさを有することを特徴とする請求項6記載のレンズ保持具。
【請求項9】
前記各押え用部材の前記各頂部は、それぞれ円形に形成され、
前記各目盛表示部は、それぞれ前記各押え用部材の前記各頂部の外径よりも小さい外径を有する円形に形成された、
ことを特徴とする請求項1記載のレンズ保持具。
【請求項10】
前記各押え用部材の前記各頂部には、それぞれ各回転用の穴が設けられ、
前記各目盛表示部は、それぞれ前記各回転用の穴内に回転可能に設けられた、
ことを特徴とする請求項1記載のレンズ保持具。
【請求項11】
前記レンズの前記外周縁への前記各押え用部材の押し付けとその解除とを行う開閉機構を備えたことを特徴とする請求項1記載のレンズ保持具。
【請求項12】
前記レンズの前記外周縁に接触しない前記外周縁の近接位置に少なくとも1つ設けられ、かつ頂部表面に目盛表示部が付された目盛表示用部材、
を備えたことを特徴とする請求項1記載のレンズ保持具。
【請求項13】
前記目盛表示用部材は、それぞれ高さ調整可能であることを特徴とする請求項12記載のレンズ保持具。
【請求項14】
前記目盛表示用部材は、ピン状に形成されたことを特徴とする請求項12記載のレンズ保持具。
【請求項15】
前記目盛表示部は、前記目盛表示用部材の前記頂部表面において回転可能に設けられたことを特徴とする請求項12記載のレンズ保持具。
【請求項16】
前記目盛表示部には、それぞれ互いに直交する各ラインからなる目盛が表示されていることを特徴とする請求項12記載のレンズ保持具。
【請求項17】
前記目盛は、十字ラインであることを特徴とする請求項16記載のレンズ保持具。
【請求項18】
前記目盛は、当該目盛の背景の色及び明るさと異なる色及び明るさを有することを特徴とする請求項16記載のレンズ保持具。
【請求項19】
前記目盛表示用部材の前記頂部は、円形に形成され、
前記目盛表示部は、前記目盛表示用部材の前記頂部の外径よりも小さい外径を有する円形に形成された、
ことを特徴とする請求項12記載のレンズ保持具。
【請求項20】
前記各目盛表示用部材の前記各頂部には、それぞれ各回転用の穴が設けられ、
前記目盛表示部は、それぞれ前記各回転用の穴内に回転可能に設けられた、
ことを特徴とする請求項12記載のレンズ保持具。
【請求項21】
前記目盛表示用部材は、前記レンズの前記外周縁への前記各押え用部材の押し付けとその解除とを行う開閉機構に設けられ、前記開閉機構による前記各押え用部材の前記レンズの前記外周縁への押し付けと共に、前記レンズの前記外周縁に接触しない前記外周縁の近接位置に配置される、
ことを特徴とする請求項12記載のレンズ保持具。
【請求項22】
請求項1乃至21のうちいずれか1項記載のレンズ保持具と、
前記レンズ保持具に保持された前記レンズ及び前記レンズの前記外周縁に押し付けられている少なくとも前記各押え用部材の各頂部表面にそれぞれ付された前記各目盛表示部を撮像する撮像装置と、
前記レンズ保持具の姿勢を姿勢調整機構と、
前記撮像装置の撮像により取得された画像データ上における前記各目盛表示部の画素数に基づいてキャリブレーションを行う演算部と、
を具備したことを特徴とするキャリブレーション装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2006−138811(P2006−138811A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−330863(P2004−330863)
【出願日】平成16年11月15日(2004.11.15)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】