説明

ロータリエンコーダおよび電子制御システム

【課題】ロータリエンコーダを組み込んだ電子制御システムでのさらなる安全性向上を図ること。
【解決手段】ロータリエンコーダ11と、駆動用モータ5を駆動制御する制御用CPUを内蔵した電子制御装置13と、を含み、ロータリエンコーダ11に、自己診断用CPU25を内蔵し、この自己診断用CPU25は、検出信号の状態からロータリエンコーダ11の状態を重大か軽微かの少なくとも2種類に区別し重大な状態であるときはフェイルセーフ信号を出力してシステム停止させ、軽微な状態であるときは制御用CPU39に異常予知信号を入力する構成。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータリエンコーダと該ロータリエンコーダを用いて制御対象を電子制御する電子制御装置とを備えた電子制御システムにおいて、特にロータリエンコーダに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばエレベータ装置を電子制御する電子制御システムは、乗りかごを昇降駆動する駆動用モータの回転軸にロータリエンコーダを取り付けると共にそのロータリエンコーダからのA、B相両信号を電子制御装置に入力する。電子制御装置はロータリエンコーダからのA、B相両信号により駆動用モータを駆動制御して乗りかごを昇降制御するようになっている(例えば特許文献1参照)。この電子制御システムでは、主に、電子制御装置に内蔵する制御用CPUの制御動作により電子制御システムの安全性を図る。制御用CPUは、制御プログラムや各種制御定数や各種入力センサの動作状態に応答して各種の負荷を制御するようになっている。
【0003】
以上の構成において、電子制御装置側では制御用CPUにエンコーダ側の異常状態をA、B相両信号の有無、信号波形等により一定の判定を行う判定プログラムを追加搭載することが考えられるが、そのような判定プログラムの追加搭載とその判定プログラムの実行は制御用CPUに負担増となるうえに電子制御速度の遅延化やコスト増をもたらす。また、エレベータ装置製造側とエンコーダ製造側とが分かれている場合等エレベータ装置製造側で上記判定プログラムの追加等を行うのはエンコーダの詳細が明確でない限りは困難である。まして、既に建屋等に設置済みのエレベータ装置においては、殆どの例では放置される状態となりかねない。
【0004】
このような現状下で、エンコーダが突然的に異常になった場合、電子制御装置側では適切な処置を講じることができないので、現時点では異常ではなく継続運転が可能であるが異常発生が予測される前に適切な処置を講じることができるシステムが望まれる。
【特許文献1】特開平09−077412号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明により解決すべき課題は、ロータリエンコーダの状態を自己診断すると共に、その自己診断の内容に応じて、電子制御装置側で異常時ではシステム強制停止を可能とする一方で、異常を予知してシステムの運転継続を可能としつつ異常発生前に適切な処置を講じることを可能としシステムの安全性を構築する電子制御システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるロータリエンコーダは、被検出軸の回転状態を検出すると共にその検出出力を、制御対象を電子制御する電子制御装置に出力するロータリエンコーダであって、当該ロータリエンコーダは、自己診断用CPUを内蔵し、この自己診断用CPUは、ロータリエンコーダの状態を少なくとも重大と軽微2種類に区別すると共にこの状態が重大な状態であると診断するときはフェイルセーフ信号を出力して当該システムを停止させる一方、軽微な状態であると診断するときは電子制御装置側に異常予知信号を入力する、ことを特徴とするものである。
【0007】
本発明によるロータリエンコーダでは、ロータリエンコーダ内蔵の自己診断用CPUにより、ロータリエンコーダの状態が重大な状態であると自己診断するときはフェイルセーフ信号を出力して当該システムを停止させる。この場合、電子制御装置側では、ロータリエンコーダが例えばインクリメンタル型である場合、A、B相両信号の「0」「1」の組み合わせで制御対象を制御するので、A、B相両信号の組み合わせに「0」「0」の組み合わせがある場合、ロータリエンコーダが電源供給停止等の異常な状態にあっても、A、B相両信号が、「0」「0」の位置で停止していると判断し、電子制御装置側では正常として制御対象を制御する可能性がある。このような場合、自己診断用CPUは自己診断によりロータリエンコーダの状態が重大であると自己診断し、フェイルセーフ信号を出力して当該システムを停止させるので、電子制御装置側では安全にシステムを制御することができる。
【0008】
本発明による電子制御システムは、ロータリエンコーダと、このロータリエンコーダからの検出信号から制御対象を駆動制御する制御用CPUを内蔵した電子制御装置と、を含み、ロータリエンコーダに、自己診断用CPUを内蔵し、この自己診断用CPUは、少なくとも上記検出信号の状態から当該ロータリエンコーダの状態を少なくとも重大と軽微2種類に区別する自己診断を行うと共にこの状態が重大な状態であると自己診断するときはフェイルセーフ信号を出力して当該システムを停止させる一方、軽微な状態であると自己診断するときは電子制御装置側に異常予知信号を入力する、ことを特徴とするものである。
【0009】
上記自己診断には、電源電圧監視、投光素子駆動電流監視、検出信号の有無、位相、デューティ、パルス数、等の各種があり、本発明はそれらに限定されるものではない。また、自己診断機能では、例えば電源電圧監視では電源電圧を比較回路で基準電圧と比較し、電源電圧が基準電圧超あるいは未満になれば電源電圧異常であると自己診断することができる。また、投光素子駆動電流監視では、駆動電流を比較回路で基準電流と比較し、駆動電流が基準電流超あるいは未満になれば駆動電流異常であると自己診断することができる。その他の自己診断機能も適宜に実施するとよい。
【0010】
上記重大な状態とは、例えば、インクリメンタル型であれば検出信号であるA、B相両信号が共にあるいは一方が無い状態であり、この状態では、電子制御装置は駆動用モータを制御することができず、システムを安全に制御することができなくなる。軽微な状態とはベアリングのガタ、投光素子光量低下、回転スリット板等のごみ付着等を例示することができる。
【0011】
少なくとも重大と軽微2種類は、重大な状態を1つないし複数の状態、軽微な状態を1つないし複数の状態に区別することも含む。
【0012】
上記異常予知信号には診断結果の細目データを含ませることができる。例えば、投光素子駆動電流(投光素子の光量)の低下、検出信号であるA、B相両信号のデューティ異常、等である。例えば、エンコーダと同期回転する回転軸を支持する軸受の摩耗等によりデューティが異常になったり、投光素子の光量が減少し、将来的にA、B相両信号が無くなる可能性がある。
【0013】
本発明の電子制御システムでは、上記ロータリエンコーダを備えるので、安全にシステムを制御することができる。
【0014】
本発明の電子制御システムでは、ロータリエンコーダの状態が重大な状態ではなく軽微な状態であると自己診断するときはロータリエンコーダから電子制御装置の制御用CPUに異常予知信号を入力するが、この異常予知信号に診断結果の細目を伝達可能な情報を含めておけば、制御用CPUは、自己診断用CPUからの異常予知信号により制御対象を適切安全に制御することができる。
【0015】
例えば、制御対象がエレベータ装置である場合、そのエレベータ装置の乗りかごが昇降中にその診断結果の細目の1つが投光素子の光量が劣化してきている場合では、制御用CPUはシステムを強制停止させるのではなく、乗りかごを途中直近の階まで昇降させて当該階に到着後、自動停止しエレベータ扉を開放すると共にアラームを鳴動させる制御を行う一方、エレベータ装置管理室等に報知することにより、作業員等は適切な処置を適確迅速に講じることが可能となる。
【0016】
本発明はまた、制御用CPUに上記ロータリエンコーダの状態を監視するためのプログラムを実行させる必要がないから、電子制御装置側に機能追加等の負担を要求することなく診断結果の細目に対応した処置以外はほぼ現状通りにて電子制御システムとしてのさらなる安全性向上を期することができるようになる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の電子制御システムでは、ロータリエンコーダの状態を自己診断すると共に、その自己診断の内容に応じて、システムの強制停止や電子制御装置側での異常発生前に適切な処置を講じることを可能としたから、電子制御システムの安全性を向上させることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施の形態に係るエレベータを制御する電子制御システムを詳細に説明する。
【0019】
図1を参照して、エレベータ装置1は、巻上機3を駆動用モータ5により駆動してロープ7を介して乗りかご9を昇降させる一方、被検出軸である駆動用モータ5のモータ軸10に取り付けたロータリエンコーダ11からの検出信号を電子制御装置(ECU)13に入力する。電子制御装置13では、図1では図示略の制御用CPUを内蔵しており、ロータリエンコーダ11からの検出信号により駆動用モータ5を駆動制御するようになっている。電子制御装置13によるエレベータ装置1の制御内容はその他種々あるが、その説明は略する。
【0020】
なお、以下の説明では説明の都合でインクリメンタル型のロータリエンコーダに適用して説明するが、本発明はインクリメンタル型に限定されず、アブソリュート型等のロータリエンコーダに同様に適用することができる。
【0021】
図2を参照してインクリメンタル型のロータリエンコーダ11は図示略の機構に固定されたエンコーダハウジング12を備え、軸方向一対の軸受14によりモータ軸10に支持されている。
【0022】
図3を参照して、ロータリエンコーダ11は、投光素子15と受光素子17,19との間に、円周方向等間隔に投光素子15からの光を透過することができる複数の回転スリットを有する回転スリット板21と、この回転スリット板21の一方側に上記回転スリットと同様に投光素子15からの光を透過することができる固定スリットを有する固定スリット板23とを対向配置している。
【0023】
この固定スリット板23の固定スリットは、投光素子15からの光を電気角で順次90度ずつずれさせて回転スリット板21の回転スリットを通過させてA相とB相の光信号を形成すると共に、受光素子17,19では電気角で90度ずつずれた上記A相とB相の光信号を受光しこれらA相とB相の光信号を図4で示すような電気的な信号に変換するようになっている。
【0024】
そしてロータリエンコーダ11には、上記光信号の単位時間当たりの数から回転速度、また、A相とB相の光信号のバイナリーコードでA相光信号「0」、B相光信号「0」の組み合わせでは「0」、A相光信号「1」、B相光信号「0」の組み合わせでは「2」、A相光信号「1」、B相光信号「1」の組み合わせでは「3」、A相光信号「0」、B相光信号「1」の組み合わせでは「1」としそのバイナリーコードの変化順序から回転方向を判定することができる。
【0025】
図5で示すように、ロータリエンコーダ11においては、投光素子15の投光光を固定スリット板23、回転スリット板21を経て受光素子17,19で受光させる回路構成を有し、受光素子17,19それぞれからのA、B相両信号を電子制御装置13に出力する一方で、A、B相両信号をAD変換ポート(A/D)に入力するCPU25を備える。このCPU25は、投光素子15と直列に接続したトランジスタ27のベースにPWM(パルス幅変調)制御パルスを印加することにより、投光素子15をON、OFF制御している。そして、投光素子15をONさせるパルス幅を制御することにより、投光素子15の投光強度(単位時間当たりの投光光量)を制御している。
【0026】
上記CPU25は以下で説明する自己診断用CPUと共用するようになっている。もちろん、このCPU25は自己診断用CPUとは別のCPUでもよい。
【0027】
図6を参照して、実施の形態の電子制御システムのブロック構成を説明する。この電子制御システムは、制御対象がエレベータ装置1の駆動用モータ5であり、ロータリエンコーダ11と、電子制御装置13と、駆動用モータ5と、常閉のリレースイッチ29と、を備える。電子制御装置13は制御用CPU39を備えており、駆動用モータ5以外にも種々の信号を入出力するが、図6では図示を略する。
【0028】
ロータリエンコーダ11は、A、B相信号出力部31と、自己診断データ処理部33と、上記CPU(自己診断用CPU)25と、フェイルセーフ信号出力部35と、異常予知信号出力部37と、を備える。
【0029】
A、B相信号出力部31は、図4で示すA、B相信号を電子制御装置13に出力する。電子制御装置13はそれらA、B相信号から駆動用モータ5の回転速度や回転方向を検出し、駆動用モータ5を制御することにより、乗りかご9の昇降位置や昇降速度等を制御する。
【0030】
自己診断データ処理部33は、電源電圧、投光素子15の駆動電流、受光素子17,19の出力信号、A、B相信号の周期、デューティ、パルス数等の自己診断用データを処理する。
【0031】
自己診断用CPU25は、自己診断データ処理部33からの自己診断用データに基づいてロータリエンコーダ11を自己診断する。もちろん、自己診断データ処理部33はフェイルセーフ信号出力部35と、異常予知信号出力部37とも含めて機能的にはマイクロコンピュータとして自己診断用CPU25に含むことができるが、理解しやすくするために各ブロックにて示している。
【0032】
この自己診断は、図7で示すように、ロータリエンコーダ11の状態が重大であるか、または、軽微であるかであり、ロータリエンコーダ11の状態が重大な場合の例は、A、B相両信号無し、等であり、ロータリエンコーダ11の状態が軽微な場合の例は、軸受14のガタ、投光素子15の光量劣化、回転スリット板21や固定スリット板23の各スリットへのごみ付着、等である。
【0033】
自己診断用CPU25は、図示略の自己診断プログラムに従い、ロータリエンコーダ11の状態を自己診断すると共にその診断によりロータリエンコーダ11の状態が重大な状態か軽微な状態かを区別する。そして、ロータリエンコーダ11の状態が重大な状態であると判定すると、フェイルセーフ信号出力部35からリレースイッチ29にフェイルセーフ信号を出力する。フェイルセーフ信号は、電子制御装置13と駆動用モータ5とを接続する電源供給線に配置されたリレースイッチ29を開く側に駆動する結果、駆動用モータ5には電源が供給されなくなり、駆動用モータ5は回転動作を停止するようになっている。これにより、電子制御システムが強制停止することによりその安全性が確保される。
【0034】
また、自己診断用CPU25は、ロータリエンコーダ11の状態が軽微な状態であると判定すると、異常予知信号出力部37から電子制御装置13の制御用CPU39にその判定結果を異常予知信号として入力する。この判定結果は、ロータリエンコーダ11の状態の細目であり、電子制御装置13の制御用CPU39はその細目に従い駆動用モータ5やその他の制御を行う。
【0035】
例えば、エレベータ装置1の乗りかご9が昇降中にその診断結果の細目の1つが投光素子の光量が劣化する場合等の異常予知信号入力のときは、制御用CPU39はその乗りかご9を途中直近の階まで昇降させて停止させる制御を行った後でエレベータ扉を開放制御すると共にアラームを鳴動制御したりエレベータ装置管理センターに通報する等の制御を行うことにより、作業員等はメンテナンスやその他の処置を適確迅速に講じることが可能となる。
【0036】
なお、異常予知信号出力部37から制御用CPU39にn(nは2以上の整数)本、例えば2本の出力線を接続することにより、各出力線それぞれを通じて「0」「1」のデジタル値を制御用CPU39に出力可能とする。これによって異常予知信号出力部37から制御用CPU39に対しては、デジタル値として2ビットで例えば、「00」=0、「01」=1、「10」=2、「11」=3の4種類の異常予知信号を出力することができる。
【0037】
なお、ロータリエンコーダ11の状態が重大か軽微かの区別に関して図8、図9を参照してその一例を説明する。まず図8を参照してロータリエンコーダ11の自己診断用CPU25は、A、B相両信号のデューティ(duty)を演算する(ステップn1)。その演算の結果がデューティが40%以下か、60%以上かを判定し(ステップn2)、40%以下か、60%以上でなければ、正常とし(ステップn3)、デューティが40%以下か、60%以上の場合であれば異常フラグ3をたてる(ステップn4)。ここで、図8の異常フラグ表に示すように、異常フラグ0〜3は軽微、4〜7は重大とするロータリエンコーダ11の異常細目を示す。この例でA、B相両信号のデューティ異常フラグは「3」であり上記表中に「※1」で示す。
【0038】
こうして異常フラグを「3」とすると、次の状態の細目に移行する(ステップn5)。こうしてロータリエンコーダ11の各状態ごとに異常フラグを立てたり降ろしたりする。
【0039】
図9を参照して、自己診断用CPU25は異常フラグを確認し(ステップn6)、異常フラグが0〜3か否かを判定し(ステップn7)、異常フラグが0〜3のいずれかであれば、ロータリエンコーダ11の状態が軽微とし(ステップn8)、異常フラグが0〜3でなければ、次に異常フラグが4〜7か否かを判定し(ステップn9)で、異常フラグが4〜7のいずれかであれば、ロータリエンコーダ11の状態が重大であるとする出力を行う(ステップn10)。こうして次に移行し(ステップn11)、ロータリエンコーダ11の各状態について判定する。
【0040】
この場合、自己診断用CPUはロータリエンコーダの状態が重大であれば、例えばロータリエンコーダからのA、B相両信号を無視し、モータの回転速度を安全な回転速度に制御し、軽微であれば、運転者にその旨を報知する等を講じることができる。
【0041】
また、実施の形態の電子制御システムは、広く一般に、ロータリエンコーダと、電子制御装置と、駆動用モータとを備えた電子制御システムに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】図1は本発明の実施の形態に係る電子制御システムの概略構成を示す図である。
【図2】図2はロータリエンコーダがモータ軸に軸受で支持されている状態を示す図である。
【図3】図3はインクリメンタル型ロータリエンコーダの機構的な概略構成を示す図である。
【図4】図4はインクリメンタル型ロータリエンコーダによるA相とB相の関係を示す図である。
【図5】図5はロータリエンコーダの電気的な概略構成を示す図である。
【図6】図6は実施の形態の電子制御システムの概略ブロック構成を示す図である。
【図7】図7はロータリエンコーダ内部の自己診断用CPUにより行われる自己診断の内容を示す図である。
【図8】図8はロータリエンコーダの状態についての判定フローチャートである。
【図9】図9はロータリエンコーダの状態を判定した結果、フェイルセーフ信号、異常予知信号の出力についての処理フローチャートである。
【符号の説明】
【0043】
1 エレベータ装置
5 駆動用モータ
11 ロータリエンコーダ
13 電子制御装置
39 制御用CPU
25 自己診断用CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検出軸の回転状態を検出すると共にその検出出力を、制御対象を電子制御する電子制御装置に出力するロータリエンコーダであって、
当該ロータリエンコーダは、自己診断用CPUを内蔵し、
この自己診断用CPUは、ロータリエンコーダの状態を少なくとも重大と軽微2種類に区別すると共にこの状態が重大な状態であると診断するときはフェイルセーフ信号を出力して当該システムを停止させる一方、軽微な状態であると診断するときは電子制御装置側に異常予知信号を入力する、ことを特徴とするロータリエンコーダ。
【請求項2】
ロータリエンコーダと、このロータリエンコーダからの検出信号から制御対象を駆動制御する制御用CPUを内蔵した電子制御装置と、を含み、ロータリエンコーダに、自己診断用CPUを内蔵し、この自己診断用CPUは、少なくとも上記検出信号の状態から当該ロータリエンコーダの状態を少なくとも重大と軽微2種類に区別する自己診断を行うと共にこの状態が重大な状態であると自己診断するときはフェイルセーフ信号を出力して当該システムを停止させる一方、軽微な状態であると自己診断するときは電子制御装置側に異常予知信号を入力する、ことを特徴とする電子制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−58338(P2009−58338A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−225245(P2007−225245)
【出願日】平成19年8月31日(2007.8.31)
【出願人】(000167288)光洋電子工業株式会社 (354)
【Fターム(参考)】