二次元的に拡大化された基板を真空処理するための装置および同基板の製造方法
多段階基板真空処理を簡素化し、柔軟性を改善するために、ロードロックおよび処理タワーLLPT1はロードロック装置LLAならびに処理装置PMAを含む。運搬装置TAにおいて、ロードロック装置LLAは一方では外部雰囲気ATと、他方では真空雰囲気Vと連通する。プロセスモジュール装置PMAおよび運搬装置TA間の基板のハンドリングは開放部を介して行われる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、最も一般的には特にソーラーパネル、TFT表示パネル、プラズマ表示パネルを製造するための基板として拡大化された比較的薄い基板の真空処理に関する。本明細書では、例えばガラスなどの大きく、かつ薄い基板に半導体層の蒸着を含む真空プロセス処理を行う必要がある。
【背景技術】
【0002】
かかる拡大化された基板の工業製造には慎重なハンドリングを要する。従って、基板の粒子汚染は単に垂直姿勢よりも水平姿勢においてより致命的なものとなり得るという事実にもかかわらず、運搬時および真空処理時はかかる基板を水平の向きに保つのが通例となってきている。それでもなお、水平方向の運搬および処理は基板の安定した、振動のない支持に関して少なからぬ利点を有する。かかる基板のハンドリングおよび真空処理のための技術に関しては、すべて本願と同一出願人による以下の文献が注目される。
【0003】
・米国特許第6533534号
・米国特許第6391377号
・米国特許第6177129号
・米国特許第5515986号
・米国特許第6296735号
さらに以下の文献が注目される。
【0004】
・米国特許第5512320号
・米国特許第5798739号
・米国特許第6238161号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
真空処理される上記タイプの基板が大きくなるにつれて、一方ではかかる基板を工業的かつ自動的に処理するための装置もますます大きくなる。基板は運搬および真空処理時に水平の向きに維持されるので、かかる基板処理用装置は設置表面に関して特に大きくなる。かかる処理設備または装置は無塵室環境で設置されるので、これは体積の増加に繋がり、製造原価を著しく引き上げる。
【0006】
さらに、ハンドリングロボットは特に設置表面を考えると大きくなり、真空処理設備におけるロードロックと処理ステーションとの間でかかる基板を安全に運搬するように作らなければならない。
【0007】
大基板をコーティングするための明らかに特にコンパクトな装置が米国特許第5275709号から既知であり、これは最小限のチャンバを備えて考案され、高品質のかかる基板の多層コーティングを明らかに可能としている。この既知の装置はさらに明らかに、最小限のチャンバ壁面を有することにより、製造するのに比較的安価となる。
【0008】
既知の装置では原則的には、ロードロックチャンバと処理チャンバの間で基板のハンドリングを行う運搬チャンバを有する1つずつ垂直に積み重ねられたロードロックチャンバおよび処理チャンバを備えて考案されている。ロードロックチャンバおよび処理チャンバがタワー状概念で1つずつ積み重ねられているという事実により、水平の向きに基板のハ
ンドリングおよび処理を行うにも関わらず、装置の全体的な設置面は最小限となる。
【0009】
より詳細には、既知の装置は2つの垂直タワーを提供し、その一方のタワーは投入/排出ロードロックチャンバおよびそのロードロックチャンバの下に配置された処理チャンバで構成され、もう一方のタワーは処理チャンバのみで構成されている。2つのタワーは中央の運搬装置の反対側に互いに対向した加工物ハンドリング開口部を備えて配置されており、中央の運搬装置は2つのタワーの開口部に対して機能するリフトタイプの運搬ロボットを有する。
【0010】
この米国特許第5275709号から既知の装置は、垂直ステープルによる複数チャンバプラントを組み合わせる(contruing)という原則から考えて、設置表面を最小限にするという概念を提案しているものの、複数処理設備を提供しているので、両タワーを利用して単一基板多段階プロセスを行うという欠点を有する。基板はすべて周囲から処理設備に1つの投入/排出ロードロックチャンバにより投入され、その後両タワーの処理ステーション間を所望されるように前後して運搬され、最終的に前記1つのロードロックチャンバにより処理設備から取り出される。
【0011】
一方、本発明の目的は、大基板処理のための米国特許第275709号の原則的タワー構造概念を維持し、それによりさらに、十分に定義された多段階基板処理によるかかる基板の処理に関して、基板ハンドリングの容易さを改善し、柔軟性を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本目的は、二次元的に拡大化された基板を真空処理するための装置であって、
(a)運搬ロボット装置を備える真空運搬チャンバと、
(b)少なくとも1つの加工物通過開口部により前記真空運搬チャンバと連通する少なくとも1つの処理ステーションを備える処理装置と、
(c)少なくとも1つの加工物通過開口部により真空運搬チャンバと、少なくとも1つのさらなる加工物通過開口部により前記真空運搬チャンバならびに前記処理装置の外部の雰囲気と連通するロードロック装置と、
(d1)1つずつ垂直に配置された前記処理装置と前記ロードロック装置とで形成された単一ロードロックおよび処理タワーと、
を含む装置により実現される。
【0013】
これにより基板の全処理は、排他的に、ロードロックから規定されたように少なくとも1つの処理チャンバへの基板の垂直運搬、最も好適には2つ以上のかかる処理チャンバへの基板の垂直運搬により、かつチャンバに対して基板を出し入れするための水平運搬により行われる。従って、ロードロックおよび処理タワーは内蔵型、オールインワン基板処理モジュールとして定義される。
【0014】
第2の好適な態様において、かかる装置は、
(a)運搬ロボット装置を備える真空運搬チャンバと、
(b)少なくとも1つの加工物通過開口部により真空運搬チャンバと連通する少なくとも1つの処理ステーションを備える処理装置と、
(c)少なくとも1つの加工物通過開口部により真空運搬チャンバと、少なくとも1つのさらなる加工物通過開口部により真空運搬チャンバおよび処理装置外部である雰囲気、従って装置の周囲雰囲気と連通するロードロック装置と、
(d2)各々が1つのロードロック装置と1つの処理装置とで形成された、少なくとも2つのロードロックおよび処理タワーとを含む。
【0015】
従って、本第2の好適な態様は、各々が1つのロードロック装置と1つの処理装置とで
形成された少なくとも2つのロードロックおよび処理タワーを有する。これにより、単一運搬装置を使用して、2つ以上のロードロックおよび処理タワーに対して機能する。これにより、これらのタワーの各々は、内臓型オールインワンで基板の投入および排出ロードロックを含む所望の多段階基板プロセスを定義する。これにより、同等のまたは異なる多段階プロセスの完全に並列な多段階処理能力が実現される。
【0016】
3つ以上のロードロックおよび処理タワーは、運搬チャンバの周囲でグループ化され得るという事実に関わらず、1つの運搬チャンバを備える2つのロードロックおよび処理タワー概念で、簡素さおよびスペース、特に設置表面に関して最適な構造を達成することができる。タワーに沿って同一の基板多段階処理が行われるか、別個の異なる所望プロセスが各ロードロックおよび処理タワーで行われる。
【0017】
本発明による原則は、規定された各ロードロックおよび処理タワーにおいて内蔵型多段階基板プロセスを行うことであるという事実にも関わらず、規定された両方のロードロックおよび処理タワーから、または多数のロードロックおよび処理タワーからの基板を処理するのに使用される処理チャンバまたはコンパートメントが設けられ得るということは除外されない。かかる共通に使用されるコンパートメントまたはチャンバは、例えば各インターロックにより処理された後および周囲に送られる前に温度に関して長時間均一にするための基板用中間保管チャンバであり得る。かかる共通に使用される処理コンパートメントまたはチャンバは例えば、規定された両タワーの下に設けられ得、それにより基板中間保管に、装置の設置表面全体を利用する。
【0018】
後により詳細に説明するように、本発明による装置は、単一基板または基板一括処理、または混合された態様で単一基板および基板一括処理を、規定される少なくとも1つのロードロックおよび処理タワーに沿って提供するように考案され得る。
【0019】
上記で概略を述べた両好適な実施形態のさらなる好適な改良では、運搬ロボットは少なくとも1つの基板に対する少なくとも1つの実質的に水平な基板支持を含み、この基板支持は、基板を前述のタワーの1つへの開口部に位置合わせするように垂直方向に駆動され、制御可能に移動でき、また基板支持をタワーの1つに対して出し入れするように水平方向に駆動され、制御可能に移動でき、これにより、処理またはロードロックするためにかかる基板をタワー内に留める、もしくは処理またはロードロックから取り出す。
【0020】
別のさらなる好適な改良では、基板支持は加えて、制御可能に駆動されて垂直軸周りを回転可能である。それでもなお、かりに基板支持が回転可能である場合、回転移動は好適には大きくとも180度、さらにより好適には大きくとも45度に限定される。それにもかかわらず今日の最も好適な実施形態では、基板支持は制御可能に駆動されて、排他的に直線水平方向および垂直方向に移動可能である。
【0021】
上記で概略を述べた両好適な実施形態のさらなる好適な改良では、処理装置の少なくとも1つは、2つ以上の基板が同時に充填され、同時に処理され同時に取り出される、少なくとも1つの基板一括処理モジュールを含む。さらなる好適な実施形態は基板一括ハンドリングおよび処理と組み合わせ得るが、少なくとも1つの処理装置は少なくとも1つの単一基板処理モジュールを含む。
【0022】
好適な態様におけるロードロック装置の固有概念については、両好適な実施形態の1つの好適な改良では、少なくとも1つのロードロック装置は、投入/排出ロードロック装置を含み、その結果、少なくとも1つの基板の周囲雰囲気から運搬チャンバへ、ならびに運搬チャンバから周囲雰囲気への両方のロードロックが行われる。
【0023】
さらなる好適な態様では、かかる投入/排出ロードロック装置は、少なくとも1つの単一基板投入ロードロックチャンバを含む。また別のさらなる態様において、前記投入/排出ロードロック装置は少なくとも1つの単一基板排出ロードロックチャンバを含む。また前述の投入/排出ロードロック装置の別のさらなる態様は、基板一括投入ロードロックチャンバと基板一括排出ロードロックチャンバと投入/排出基板一括ロードロックチャンバのうちの少なくとも1つを含む。
【0024】
少なくとも2つのロードロックおよび処理タワーを備える第2の好適な実施形態によると、さらなる態様では、ロードロックおよび処理タワーのうちの1つは投入および排出ロードロック装置のうちの1つを含むことで構成される。
【0025】
第2の好適な実施形態のさらに好適な態様は、運搬チャンバを経由するそれぞれの開口部を備えて、互いに反対側、すなわち運搬真空チャンバの両反対側、従って互いに対向して配置されるロードロックおよび処理タワーの排他的2つを有する。これはI字型概念である。
【0026】
第2の好適な実施形態の第2の好適な態様では、装置はさらに、互いに並んで真空運搬チャンバの一方の側に配置され、これにより真空運搬チャンバと共にU字型設置表面を画定する排他的2つのロードロック及び処理タワーを有する。
【0027】
第3の好適な態様では、第2の好適な実施形態のまさに上述の第2の態様ほどは好適ではないが、装置はさらに運搬チャンバと共にY字型設置表面を画定する排他的2つのロードロックおよび処理タワーを有する。
【0028】
上記で概略を述べる両好適な実施形態の別のさらなる好適な態様では、装置は少なくとも1m2、好適には少なくとも2m2、特に好適には少なくとも4m2の範囲を有する基板に対する基板ハンドリングおよび処理能力を有する。
【0029】
両好適な実施形態のさらなる好適な態様では、ロードロック装置は、少なくとも1つの基板に対して、加熱および冷却装置の少なくとも1つを含む。
【0030】
本発明によると、二次元的に拡大化され、真空処理された基板を製造する方法であって、
・少なくとも1つの水平基板をロードロックチャンバに水平に導入する工程と、
・少なくとも1つの水平基板を前記ロードロックチャンバから水平に真空運搬チャンバに運搬する工程と、
・前記水平基板を垂直方向上下に制御可能に移動させる工程と、
・前記水平基板を処理チャンバに水平に導入する工程と、
・前記処理チャンバにおいて前記水平基板を処理する工程と、
・前記処理された水平基板を前記処理ステーションから水平に取り出し、前記真空運搬チャンバ内へと戻す工程と、
・前記水平基板を前記運搬チャンバ内で上下方向に垂直に運搬する工程と、
・前記処理された水平基板を前記運搬チャンバからロードロックチャンバ内に水平に運搬する工程と、
・前記処理された水平基板を前記ロードロックチャンバから水平に取り出す工程とを含み、これにより前記基板を排他的に直線移動させる方法をさらに提案する。
【0031】
従って、本発明による方法の好適な実施形態では、真空処理された基板はソーラーパネル基板、TFT表示パネル基板およびプラズマ表示パネルのうちの1つである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
発明は、その好適な実施形態の例を示す図を用いて、より詳細に説明される。
【0033】
図1において、本発明の1つの要部としてロードロックおよび処理タワーLLPT1の側面図を概略的に示す。LLPTはロードロック装置LLAおよび処理装置PMAを含む垂直タワーである。後に例示されるように、ロードロック装置LLAは少なくとも1つの単一基板投入/排出ロードロックチャンバと、少なくとも1つの単一基板投入ロードロックチャンバと、少なくとも1つの単一基板排出ロードロックチャンバと、少なくとも1つの基板一括投入/排出ロードロックチャンバと、少なくとも1つの基板一括投入ロードロックチャンバと、少なくとも1つの基板一括排出ロードロックチャンバとを含み得る。
【0034】
このように、原則的にはLLPT1のロードロック装置LLAは、少なくとも1つのロードロックチャンバを含む。図1のようなロードロック装置LLAは、一方で周囲雰囲気としての外部雰囲気ATと連通し、他方で運搬装置TA2における真空雰囲気Vと連通する。図1における二重線/双方向矢印は、雰囲気AT、ロードロック装置LLAの内部および運搬装置TA2間における、1つ以上の基板の最も一般的な双方向ハンドリングを示す。
【0035】
それでもなお、本発明による装置全体の構成によっては、LLPT1は投入ロードロック装置のみ、または排出ロードロック装置のみ、すなわち雰囲気ATから運搬装置TA2に向かって基板を移送するためのロードロック装置または運搬装置TA2から雰囲気ATに向かって基板を移送するためのロードロック装置を有し得ることに注意しなければならない。
【0036】
さらに概略的に示されるように、ロードロック装置LLAと雰囲気ATならびに運搬装置TA2間の1つ以上の基板ハンドリングは、図1で概略的に示すように、制御可能かつ密封可能に閉じることのできる開口部Osにより、各ロードロックバルブで密封可能かつ制御可能に閉じることができる各開口部0を介して行われる。
【0037】
ロードロックおよび処理タワーLLPT1は、さらにプロセスモジュール装置PMAを含み、PMAは1つまたは好適には2つ以上の処理チャンバを含む。従って、かかる処理チャンバは単一基板処理チャンバまたは基板一括処理チャンバであり得る。その中では、各基板または基板群は真空処理プロセス、例えばCVD、PECVD、PVDプロセスまたは加熱、冷却などにより処理される。それでもなお、基板加熱および/または冷却に関しては、かかる処理はLLA内で排他的または追加的に行われ得る。
【0038】
さらに図1で概略的に示すように、一般的に、PMAおよび運搬装置TAは双方向に基板をハンドリングするように連通している。さらに、PMAにおいて行われるプロセスのタイプおよび清浄度に関する固有の必要条件に応じて、図1に概略的に示されるように永久的に開口しているOp、制御可能に閉じることができるが密封して閉じることができないOpsまたは制御可能かつ密封して閉じることできるOsである開口部0を介して、PMAとTA間のかかる双方向基板ハンドリングが生じる。
【0039】
ロードロックおよび処理タワーLLPT1の重要な特徴は、ロードロック装置LLAおよび処理モジュール装置PMAが垂直に積み重ねられて設けられることである。
【0040】
図2乃至図7は、図1と同様の描写でLLPT1を実現する異なる好適な形態を示す。
【0041】
図2によれば、LLPT1は多数、例えば図示されるように、図1によるLLAを形成する3つの単一基板投入/排出ロードロックステーションLLioを含む。図2の実施形
態におけるPMAはさらに、多数の、例えばやはり3つの単一基板処理チャンバPM1乃至PM3で構成される。
【0042】
図3のLLPT1の実施形態では、LLAの構造は図2の実施形態と同じである。PMAは単一の基板一括処理モジュールBPMで構成される。図4の実施形態では、プロセスモジュール装置PMAは、実際は図2に示すものと同等である。ロードロック装置LLAはここでは、第1の多数の投入単一基板ロードロックモジュールLLiと第2の多数の排出ロードロックモジュールLLoで構成される。図5の実施形態では、ロードロック装置LLAは図4の実施形態のLLAと同等に考案され、処理モジュール装置PMAは図3の実施形態のような一括処理モジュールBPMで構成される。
【0043】
図6のLLPT1の実施形態は、例えば図2乃至図5の実施形態の1つで示されるように実現される処理モジュール装置PMAで構成される。ロードロック装置LLAは、基板一括投入/排出ロードロックチャンバBLLioで構成される。やはり例えば図2乃至図5の実施形態で例示される処理モジュール装置PMAを備える図7で図式化される実施形態によれば、ロードロック装置LLAは基板一括投入ロードロックモジュールBLLiと基板一括排出ロードロックモジュールBLLoで構成される。
【0044】
好適な実施形態のこれらの例は、所定の基板処理を行うために固有に作成されたロードロックおよびプロセスモジュールを組み合わせて、これによりLLPT1の基本概念、すなわちロードロック装置と処理モジュール装置を備える垂直タワーを有するという基本概念を維持する方法を当業者に明確に教示する。
【0045】
例えば図2の実施形態をとってみると、場合によってはLLPT1の垂直範囲を上部ロードロックと下部処理モジュール装置とに細分しないで、LLAのモジュールとPMAのモジュールをロードロックおよび処理タワーLLPT1の垂直範囲に沿って混在させることが有利な事もある。本明細書の導入部分で概略を述べたように、本発明は特に、例えば少なくとも1m2、好適には少なくとも2m2およびさらには4m2以上の大きさの二次元的に拡大化された大基板の真空処理に関する。
【0046】
これにより、本発明の最も好適な実施形態において、ロードロックを含む全処理は基板が水平姿勢で行われる。これにより大きな表面で比較的薄い基板の全ハンドリングを安全に行うことが可能となる。水平姿勢で、基板は処理装置内でロードロック移行中、処理中および運搬中に正確に保持され得る。
【0047】
図8においては、図1乃至図7のようなLLPT1の平面図が概略的に示され、図中には大きな表面基板3が位置付けられている。かかる位置付けは好適には、ロードロック装置LLAにおいて、ならびにプロセスモジュール装置PMAにおいて適用される。図9は、ロードロック装置LLAのモジュールであれ、処理モジュール装置PMAのモジュールであれ、底面壁5の一部を側面図で概略的に示したものである。図9で概略的に示されるように、大基板3は例えば別個の蒸着ピン7の部材を含む位置付け装置上に蒸着され、薄く大きな範囲の基板3が常駐することになる。
【0048】
プロセスモジュール装置PMAのプロセスモジュールおよび/またはロードロック装置LLAのロードロックモジュールの可能な構成については、より詳細に説明するプロセスモジュールおよびロードロックモジュール概念および本運搬装置Tiによるような基板のハンドリングに関して、また特に詳細に後述する全タイミングおよび処理に関して、米国特許第6296735号、詳細には図1、図2、図3、図5乃至図11、図15乃至図22および各説明に対して詳細に注目し、さらに米国特許第5515986号に対して特に図1、図2、図3、図5乃至図9に関して特に注目し、またさらには米国特許第6177
129号、特に図1乃至図4、図7乃至図8に注目する。また、本明細書も各ロードロック装置およびプロセスモジュール装置内のプロセスモジュールおよび/またはロードロックモジュールのそれぞれの可能な概念に関して詳細に述べるものである。それでもなお、本明細書で図1乃至図9に関して説明されるような単一タワーにおいてロードロック装置および処理モジュール装置を設けることは、上記文献においては教示されておらず単に言及に留まることに注意しなければならない。
【0049】
本発明による装置および本発明による製造方法に関する以下の説明では、すでに説明したLLPT1そのものを参照する。これは図1乃至図9で例示されたように、いかなる種類の詳細な構造も適用され得ることを意味する。説明する特定実施形態において、かかるLLPTを考慮して特定措置を講じる必要があるか、または好適には特定措置を講じる場合に限り、LLPTのかかる実施形態を詳細に述べる。
【0050】
図10において、本発明により、真空処理された実質的に平らな基板の製造方法を実施するための本発明による装置の第1の好適な実施形態の側面図を概略的に示す。この第1の好適な実施形態は本質的には単一LLPT1で構成される。LLPT1は、垂直に位置合わせされた各ロードロックおよびプロセスモジュール開口部により、ロードロック装置LLAへの出入りならびにプロセスモジュール装置PMAへの出入りの基板ハンドリングを行う運搬装置TA2と連通する。運搬装置2は運搬ロボット9を含み、この運搬ロボット9は、ロードロック装置LLAおよびプロセスモジュール装置PMAの各モジュールを水平に出入りするhによる基板の運搬を行い、さらに少なくとも1つの各第1の開口部との位置あわせ部分からPMAおよびLLAの少なくとも1つの各第2の開口部との位置合わせ部分への垂直運搬vを行う。図11は図10のような装置を平面図で概略的に示す。
【0051】
このように、本発明による装置のこの第1の好適な実施形態は、単一LLPT1に対して機能する1つの運搬装置TA2を含み、単一LLPT1はロードロック装置LLAならびにプロセスモジュール装置PMAを含む。従って二重矢印i/oにより図10に概略的に示されるように、ロードロック装置LLAは投入/排出ロードロック能力を含む。本実施形態では、LLPT1は少なくとも1つの基板の所定の多重処理段階処置に必要なすべてのロードロックおよび処理に対して定義づけられる。
【0052】
運搬装置TA2は、LLPT1における各開口部間の基板に対して機能するように設けられる。運搬装置TA2はそのロボット運搬部材9により、水平方向hおよび垂直方向vの運搬移動を行えばよい。異なる処理段階を有する異なる処理が基板上で行われるときは常に、LLPT1のみを交換すればよい。意図する基板処理に必要なモジュールまたはステーションはすべて1つずつ垂直に固定されて上述のLLPT1を成すという事実ゆえに、かかる処理に必要なすべてのモジュールの設置面は最小限に減少される。加えて、運搬装置の設置面はLLAおよびPMAの各モジュールに対して水平に機能するための必要最低限まで減少される。米国特許第5275709号の教示に反して、図10および図11の好適な装置は、実際には処理ステーションへの基板の投入およびそこからの排出を含む所望のすべての処理段階を提供するモジュールのタワーを提供する。
【0053】
図12および図13では、本発明による製造方法を実施する本発明による装置の第2の好適な実施形態をやはり概略的に示す。これにより、第1のLLPT1aおよび第2のLLPT1bはともに共通の運搬装置TAと連通している。第1のLLPT1aのLLAaならびにその第1のLLPT1aのPMAaの概念が選択されて、基板3a上への異なる処理段階を有する第1の十分に定義された処理系列を行う。
【0054】
第2のLLPT1bでは、異なるセットの基板3b上で第2のプロセスを行うようにLLAbならびにPMAbが考案される。これにより、各タワー1aおよび1bにおける2つ
のプロセス系列は同等であり得、または異なり得る。実際には、各タワー1aおよび1bそれ自体、各基板の各真空処理プロセスに対する投入/排出を行う完全な能力ならびに要求されたタワー固有処理を行う完全セットの処理モジュールを提供する。
【0055】
図12および図13で示すように、運搬装置2abは第1のLLPT1aに対して、および第2のLLPT1bに対して、完全に独立して水平および垂直基板運搬を行う能力を有する。ロボット9abは、第2のタワー1bに対するかかる水平運搬hbから独立してタワー1aに対する水平運搬haを行い、また同様に第2のタワー1bに対するかかる運搬vbと独立してタワー1aにおいて処理される基板の垂直va運搬が行われるように制御される。
【0056】
図14では、図12および図13のような運搬装置TAの真空チャンバ内で適用され得るロボット11を概略的に示す。
【0057】
図14によれば、運搬装置(図示せず)の真空チャンバ内には、固定中央支持ポスト13が設けられる。図12および図13のLLPT1aに関して、実質的に平らで水平に位置付けられた大基板3aのハンドリングを行うために、ポスト13の一方の側には、駆動制御されて垂直に摺動可能vaである第1の摺動装置14aが設けられる。摺動装置14aに搭載されて、例えば3つ図示されるように、多数の単一基板支持部材15aが設けられる。これらは水平に突出し、垂直方向に互いに離間して搭載されており、1つの好適な実施形態では、制御可能に可変のピッチ距離Paで離間している。このように、本好適な実施形態におけるピッチ距離Paは、例えばLLAおよび/またはPMAにおける異なる垂直ピッチ距離を有する基板ハンドリング開口部に適応するように、制御可能に変化し得る。
【0058】
各支持部材15aは図示されるように、封入17a内で伸縮駆動により駆動されて、水平方向hに拡大および縮小され得る。支持部材15aは支持ピン20で支持し、水平および垂直運搬時にはその上にLLPT1aで処理される基板3aが配置される。さらに、ポスト13に沿って、摺動装置14aの反対側には第2の摺動装置14bが設けられており、摺動装置14a上に搭載された装置と非常によく似た状態で、支持部材15bと、ピン20bを支持する支持19bと封入17bと組み合わされている。図示されるように、図12または図13のLLPT1bに関して基板3bをハンドリングする支持部材15bの数は、LLPT1aにより処理される基板3aに対して機能する部材15aの数と同等である必要はない。
【0059】
好適には、水平方向に移動可能な支持9aおよび9bは、図15で示されるようにフォークのように組み合わせられている。破線表現において、図15は支持19a、b上に常駐する、従ってLLAまたはPMAにおいて支持ピン21上に配置されている各基板3a、bを示す。
【0060】
図12乃至図15の第2の好適な実施形態に関しては、2つの別個のロードロックおよび処理タワーLLPT1aおよび1bを備える本発明による装置を設け、各処理タワーLLPT1aおよび1bは、かかる基板を周囲雰囲気ATから真空処理および真空処理から周囲雰囲気に戻すといった供給を含む基板処理を行う完全セットのモジュールを提供する。
【0061】
この第2の好適な実施形態でも、運搬装置TA2ab内のロボット9abは回転移動をする必要がない。基板運搬は単に水平方向hおよび垂直方向v基板移動により実現される。
【0062】
図14で概略的に示されるように、各水平および垂直運搬サイクルの範囲およびタイミングならびに必要であれば、各支持装置のピッチ距離paに関して、水平運搬移動ha、bおよび垂直運搬移動va、bを制御するために、制御部21が設けられる。かかる制御部21は好適には自由にプログラム可能部として実現され、意図された処理に依存して特に運搬サイクルのタイミングが柔軟に適合され得る。かかる制御部21はまた、好適にはLLAabおよびPMAabへの制御接続を有した状態で、図14に概略的に示されるように処理およびロードロックサイクルを制御する。
【0063】
ほとんどの基板の多段階処理処置において、PMAのプロセスモジュール内で各真空処理を行うのに必要とされる時間量とロードロック装置LLAを通して基板を供給するための時間量は、1つのモジュールから次のモジュールに1つの基板または一群の基板を運搬する時間量よりも大きいことを考慮して、さらなる好適な実施形態では、運搬装置TA内の運搬ロボット9abは、実際は単一上下移動設備のみ提供する。
【0064】
図16によると、かかるロボットは垂直方向vに制御可能に駆動できる上下するガイド27である、引き出し状部材25を含む。
【0065】
引き出し状部材25内には、やはり水平方向hに制御可能に駆動でき、移動可能な摺動装置29が設けられており、摺動装置29はフレームまたはフォーク形を有し、ロードロックまたはプロセスモジュール装置の各モジュール内に水平駆動され得る。
【0066】
図16において破線で示すように、運搬ロボットの本実施形態は、摺動装置29をガイド部材27の左右方向に推進する可能性を提供する。
【0067】
これは、LLPT1aのモジュールからLLPT1bのモジュールへ、またその逆に基板を運搬するのに図12および図13の実施形態に適用され得る。従って、例えばLLPT1aにおけるロードロック装置LLAaは排他的に投入ロードロックモジュールとして、LLPT1bにおけるLLAbは排他的に排出ロードロックモジュールとして考案され得る。さらに、LLPT1aにおいて処理され、かつLLPT1bにおいて処理される基板に使用される処理モジュールが設けられ得る。このように、LLPT1aとLLPT1bとの間での基板の横断運搬ならびにLLPT1aとLLPT1b双方の共通処理モジュールの設置は排除されない。図16の実施形態により、運搬装置において基板を垂直軸周りに回転させることなく、LLPT1aとLLPT1b間で基板をハンドリングし、共通処置モジュールに対して機能することが可能となる。
【0068】
それでもなお、かかる非回転横断ハンドリングはまた、図16で示すものとは異なるロボットにより実現され得る。
【0069】
図10および図12のような最も好適な実施形態における本発明による装置は、基板をハンドリングするロボットの垂直軸周りのいかなる回転運動も必要としない。図12のような実施形態はそのI字形の設置面ゆえにI字型と呼ばれ得る。
【0070】
図17、図18および図19では、本発明による装置のさらなる好適な実施形態が図13と同様の描写で概略的に示される。これらの実施形態も、LLPTの開口部に対して機能するように運搬装置TA内においてロボットの垂直軸周りのいかなる回転移動も必要としない。
【0071】
図17乃至図19によると、図12および図13のようなI字型構成に装置を組み合わせる代わりに、U字型装置として設計される。図17によると、2つのLLPT1aおよび1bは、並んだ位置に設けられる。運搬装置TAの真空チャンバにおいて、2つのロボ
ット9aおよび9bが設置され、それぞれは各開口部を介してLLPT1a、1bの一方のモジュールに対して機能する。各ロボット9a、9bは制御可能に駆動されて、垂直方向上下移動va、vbを提供する。ロボット9a、9bのそれぞれは、さらに各LLPT1a、1bのモジュールに向かってその中に入る、またはそこから出るという水平方向前後移動haおよびhbを提供する。
【0072】
ロボット9aおよび9bは、例えば原則的には図14に示すロボットにより考案され得るが、支持部材15aおよび15bは互いに反対側に突出せずに支持13の一方の側に並行して設けられる。2つのロボット9aおよび9bの移動は、好適には自由にプログラム変更可能な制御部(図示せず)により独立制御され得る。時間同期処理が2つのLLPT1a、1bで確立される場合、2つの独立制御可能なロボット9aおよび9bのいずれも同期に操作されるか、またはLLPT1a、1bの両方に対して同時に機能する単一ロボットが設けられる。
【0073】
かかる実施形態は図18において、やはり概略的に図17と同様の描写で示される。明確に理解されるように、基板の一体化された共通の垂直運搬移動vabを提供する単一ロボット9abが設けられ、LLPT1aおよび1bにおける開口部と位置合わせされる。水平移動ha、hbはいずれも同期化されるか、またはLLPTM毎に固有に制御される。
【0074】
U字形概念の第3の実施形態は図19に示される。ここでもやはり、単一ロボット9abのみが設けられる。1つのロボット9abは、垂直運搬移動vabおよび水平運搬移動habによりLLPT1aおよび1bの両方に機能する。そのためには、ロボット9abは図示されるように水平移動wabを行う。
【0075】
図17乃至図19で概略的に示された概念から、Y字型概念として図20に変形が示される。ここでは、2つのLLTP1aおよび1bが角度φを画定するように運搬装置TAに配置される。図20では、ロボット概念は原則的に図18で示すものと同じである。単一ロボット9abは角度変位されたLLPT1aおよび1b両方のモジュールに機能する。従って、かかるロボットは図14に示すものと同様に実現され得、これにより支持部材を互いに対向せずに、ポスト13の中心軸周りに所望の角度φで設ける。
【0076】
装置のかかるY字型実施形態に関しては、原則的には図19による運搬装置TA内のロボットを実現するさらなる態様が図21に示される。ロボット9abは少なくともφの角度により中心軸の周りを回転し、角度変位されたLLPT1a、1b両方のモジュールに対して機能するように考案される。
【0077】
上述されるように、2つ以上のLLPTを設けることにより、異なる、または同等の多段階プロセスの柔軟性のある完全並行処理が可能となる。この概念に従い、図22に示すように、3つ以上に対して、例えば図示されるように運搬装置TAの回りに環状に搭載されたLLPTに対して機能するように中心軸回りに回転可能な運搬ロボット9rotを備える運搬装置を考案することが確実に可能である。それでもなお、本発明による装置のより好適な実施形態は、図10のような単一LLPT構造、図17乃至図21のようなI字またはU字またはおそらくY字型のLLPT2個構造である。
【0078】
図23では、本発明による今日の好適な装置が示される。これは図10の概念により考案される。かかる好適な実施形態は、上部から下部まで2つの基板一括処理モジュールBPM1、その後に続く2つの基板一括投入および排出ロードロックモジュールBLLio、その後に続く第2の2つの基板一括処理モジュールBPM2で構成される単一LLPTを含む。従って、ロードロックモジュールBLLioは、第1の投入ロードロックコンパートメントCi、その後に続く第1の排出ロードロックコンパートメントCo、その後に続
く第2の投入ロードロックコンパートメントCiおよび最後に第2の排出ロードロックコンパートメントCoに細分される。BPM1、BLLio、BPM2および運搬装置TA間の連通を確立する各開口部33は、それぞれ制御されたバルブ35を備える。
【0079】
運搬装置TAチャンバ37内には、水平方向hに制御されるように駆動されて移動可能であり、上部および下部基板運搬フォーク43Uおよび43lを備える2つの基板一括運搬部材41を含むロボット39が設けられる。2つの水平運搬部材41の装置全体は、制御されるように垂直に駆動されて移動可能である。上部基板キャリアフォーク43Uと下部基板キャリアフォーク43lの間のピッチを選択して、一括処理モジュールおよび一括ロードロックモジュールのそれぞれの開口部間のピッチに一致させる。
【0080】
かかる装置は、ソーラーパネル、TFTまたはプラズマ表示パネル製造など、少なくとも1m2、好適には少なくとも2m2、さらには少なくとも4m2の大基板処理に使用するのに最も適している。本発明のプロセスモジュールはバルブにより運搬チャンバとは分離され得るので、必要に応じて互いに独立して動作可能である。
【0081】
さらに詳細に関しては、以下を参照する:
・好適にはプログラム変更可能な技術における全タイミングおよびサイクル制御に関して、ならびにプロセスまたはロードロックモジュールと協働するフレキシブルロボット技術の可能な実現に関しては、米国特許第6177129号。
【0082】
・米国特許第6533534号
・米国特許第5515986号
・プロセスモジュール、ロードロックモジュールを考案し、水平方向の平面基板を処理するためにロボット部材を用いてこれらを機能させることに関しては米国特許6296375号
上記文献は本明細書の統合された一部を形成するものである。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の要部としてのロードロックおよび処理タワーの概略側面図であり、加えてかかるタワーの開放制御の種々の操作態様を示す図である。
【図2】さらに、ロードロックおよび処理タワーの第1の好適実施形態を示す、図1による概略図である。
【図3】さらに、ロードロックおよび処理タワーの別のさらなる好適な態様を示す、図1または図2と同様の概略図である。
【図4】ロードロックおよび処理タワーの第3の好適な変形を示す、図1乃至図3と同様の図である。
【図5】さらに、ロードロックおよび処理タワーの第4の好適な実施形態を示す、図1乃至図4と同様の図である。
【図6】さらに、ロードロックおよび処理タワーの第5の好適な変形を示す、図1乃至図5と同様の図である。
【図7】さらに、ロードロックおよび処理タワーの第6の好適な実施形態を示す、図1乃至図6と同様の図である。
【図8】ロードロックおよび処理タワー内に大きな表面の基板を配置した状態で、図1乃至図7による実施形態の1つのロードロックおよび処理タワーを概略的に描写した平面図である。
【図9】ロードロックおよび処理タワー内の特定位置において大基板を保持するための位置付け装置の概略図である。
【図10】真空運搬チャンバにおけるロボットが機能する単一ロードロックおよび処理タワーを含む本発明による装置であって、本発明の製造方法により動作する装置の第1の好適な実施形態を示す概略側面図である。
【図11】やはり図10による装置を概略的に描写した平面図である。
【図12】2つのロードロックおよび処理タワーと中間真空運搬チャンバとを備える本発明による装置であって、本発明による方法を実施する装置の第2の好適な実施形態を示す、図10と同様の概略側面図である。
【図13】図12の装置の実施形態を示す、図11と同様の概略平面図である。
【図14】例えば図12による装置の実施形態において使用される運搬チャンバに設けられるようなロボット装置を示す簡略化された概略図である。
【図15】ハンドリング中に基板を支持するための、例えば図14によるロボットで使用されるような基板支持を示す概略平面図である。
【図16】両ロードロックおよび処理タワーへの基板ハンドリングのための、例えば図12の実施形態に適用されるような真空運搬チャンバ内ロボットの第3の変形を示す概略斜視図である。
【図17】U字構成の2つのロードロックおよび処理タワーを備える本発明による装置のさらなる好適な実施形態を示す概略平面図である。
【図18】U字構成の2つのロードロックおよび処理タワー概念のさらなる好適な実施形態を示す、図17と同様の図である。
【図19】U字構成の2つのロードロックおよび処理タワー概念のさらなる好適な実施形態を示す、図17と同様の図である。
【図20】共通の真空運搬チャンバに対してY字構成に配置された2つのロードロックおよび処理タワーを備える、本発明による装置のさらなる実施形態を示す平面図。
【図21】真空運搬チャンバ内のロボットを実現する異なる態様を備える、図20による実施形態を示す概略平面図。
【図22】さらに、真空運搬チャンバ内の共通の回転可能ロボットが機能する4つのロードロックおよび処理タワーを備える、本発明による装置のさらなる実施形態を示す概略平面図。
【図23】本発明による装置であって、今日の最も好適な実施形態の1つとして、図10および図11に示す概念に従った装置のより詳細だがなお概略的な側面図。
【技術分野】
【0001】
本発明は、最も一般的には特にソーラーパネル、TFT表示パネル、プラズマ表示パネルを製造するための基板として拡大化された比較的薄い基板の真空処理に関する。本明細書では、例えばガラスなどの大きく、かつ薄い基板に半導体層の蒸着を含む真空プロセス処理を行う必要がある。
【背景技術】
【0002】
かかる拡大化された基板の工業製造には慎重なハンドリングを要する。従って、基板の粒子汚染は単に垂直姿勢よりも水平姿勢においてより致命的なものとなり得るという事実にもかかわらず、運搬時および真空処理時はかかる基板を水平の向きに保つのが通例となってきている。それでもなお、水平方向の運搬および処理は基板の安定した、振動のない支持に関して少なからぬ利点を有する。かかる基板のハンドリングおよび真空処理のための技術に関しては、すべて本願と同一出願人による以下の文献が注目される。
【0003】
・米国特許第6533534号
・米国特許第6391377号
・米国特許第6177129号
・米国特許第5515986号
・米国特許第6296735号
さらに以下の文献が注目される。
【0004】
・米国特許第5512320号
・米国特許第5798739号
・米国特許第6238161号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
真空処理される上記タイプの基板が大きくなるにつれて、一方ではかかる基板を工業的かつ自動的に処理するための装置もますます大きくなる。基板は運搬および真空処理時に水平の向きに維持されるので、かかる基板処理用装置は設置表面に関して特に大きくなる。かかる処理設備または装置は無塵室環境で設置されるので、これは体積の増加に繋がり、製造原価を著しく引き上げる。
【0006】
さらに、ハンドリングロボットは特に設置表面を考えると大きくなり、真空処理設備におけるロードロックと処理ステーションとの間でかかる基板を安全に運搬するように作らなければならない。
【0007】
大基板をコーティングするための明らかに特にコンパクトな装置が米国特許第5275709号から既知であり、これは最小限のチャンバを備えて考案され、高品質のかかる基板の多層コーティングを明らかに可能としている。この既知の装置はさらに明らかに、最小限のチャンバ壁面を有することにより、製造するのに比較的安価となる。
【0008】
既知の装置では原則的には、ロードロックチャンバと処理チャンバの間で基板のハンドリングを行う運搬チャンバを有する1つずつ垂直に積み重ねられたロードロックチャンバおよび処理チャンバを備えて考案されている。ロードロックチャンバおよび処理チャンバがタワー状概念で1つずつ積み重ねられているという事実により、水平の向きに基板のハ
ンドリングおよび処理を行うにも関わらず、装置の全体的な設置面は最小限となる。
【0009】
より詳細には、既知の装置は2つの垂直タワーを提供し、その一方のタワーは投入/排出ロードロックチャンバおよびそのロードロックチャンバの下に配置された処理チャンバで構成され、もう一方のタワーは処理チャンバのみで構成されている。2つのタワーは中央の運搬装置の反対側に互いに対向した加工物ハンドリング開口部を備えて配置されており、中央の運搬装置は2つのタワーの開口部に対して機能するリフトタイプの運搬ロボットを有する。
【0010】
この米国特許第5275709号から既知の装置は、垂直ステープルによる複数チャンバプラントを組み合わせる(contruing)という原則から考えて、設置表面を最小限にするという概念を提案しているものの、複数処理設備を提供しているので、両タワーを利用して単一基板多段階プロセスを行うという欠点を有する。基板はすべて周囲から処理設備に1つの投入/排出ロードロックチャンバにより投入され、その後両タワーの処理ステーション間を所望されるように前後して運搬され、最終的に前記1つのロードロックチャンバにより処理設備から取り出される。
【0011】
一方、本発明の目的は、大基板処理のための米国特許第275709号の原則的タワー構造概念を維持し、それによりさらに、十分に定義された多段階基板処理によるかかる基板の処理に関して、基板ハンドリングの容易さを改善し、柔軟性を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本目的は、二次元的に拡大化された基板を真空処理するための装置であって、
(a)運搬ロボット装置を備える真空運搬チャンバと、
(b)少なくとも1つの加工物通過開口部により前記真空運搬チャンバと連通する少なくとも1つの処理ステーションを備える処理装置と、
(c)少なくとも1つの加工物通過開口部により真空運搬チャンバと、少なくとも1つのさらなる加工物通過開口部により前記真空運搬チャンバならびに前記処理装置の外部の雰囲気と連通するロードロック装置と、
(d1)1つずつ垂直に配置された前記処理装置と前記ロードロック装置とで形成された単一ロードロックおよび処理タワーと、
を含む装置により実現される。
【0013】
これにより基板の全処理は、排他的に、ロードロックから規定されたように少なくとも1つの処理チャンバへの基板の垂直運搬、最も好適には2つ以上のかかる処理チャンバへの基板の垂直運搬により、かつチャンバに対して基板を出し入れするための水平運搬により行われる。従って、ロードロックおよび処理タワーは内蔵型、オールインワン基板処理モジュールとして定義される。
【0014】
第2の好適な態様において、かかる装置は、
(a)運搬ロボット装置を備える真空運搬チャンバと、
(b)少なくとも1つの加工物通過開口部により真空運搬チャンバと連通する少なくとも1つの処理ステーションを備える処理装置と、
(c)少なくとも1つの加工物通過開口部により真空運搬チャンバと、少なくとも1つのさらなる加工物通過開口部により真空運搬チャンバおよび処理装置外部である雰囲気、従って装置の周囲雰囲気と連通するロードロック装置と、
(d2)各々が1つのロードロック装置と1つの処理装置とで形成された、少なくとも2つのロードロックおよび処理タワーとを含む。
【0015】
従って、本第2の好適な態様は、各々が1つのロードロック装置と1つの処理装置とで
形成された少なくとも2つのロードロックおよび処理タワーを有する。これにより、単一運搬装置を使用して、2つ以上のロードロックおよび処理タワーに対して機能する。これにより、これらのタワーの各々は、内臓型オールインワンで基板の投入および排出ロードロックを含む所望の多段階基板プロセスを定義する。これにより、同等のまたは異なる多段階プロセスの完全に並列な多段階処理能力が実現される。
【0016】
3つ以上のロードロックおよび処理タワーは、運搬チャンバの周囲でグループ化され得るという事実に関わらず、1つの運搬チャンバを備える2つのロードロックおよび処理タワー概念で、簡素さおよびスペース、特に設置表面に関して最適な構造を達成することができる。タワーに沿って同一の基板多段階処理が行われるか、別個の異なる所望プロセスが各ロードロックおよび処理タワーで行われる。
【0017】
本発明による原則は、規定された各ロードロックおよび処理タワーにおいて内蔵型多段階基板プロセスを行うことであるという事実にも関わらず、規定された両方のロードロックおよび処理タワーから、または多数のロードロックおよび処理タワーからの基板を処理するのに使用される処理チャンバまたはコンパートメントが設けられ得るということは除外されない。かかる共通に使用されるコンパートメントまたはチャンバは、例えば各インターロックにより処理された後および周囲に送られる前に温度に関して長時間均一にするための基板用中間保管チャンバであり得る。かかる共通に使用される処理コンパートメントまたはチャンバは例えば、規定された両タワーの下に設けられ得、それにより基板中間保管に、装置の設置表面全体を利用する。
【0018】
後により詳細に説明するように、本発明による装置は、単一基板または基板一括処理、または混合された態様で単一基板および基板一括処理を、規定される少なくとも1つのロードロックおよび処理タワーに沿って提供するように考案され得る。
【0019】
上記で概略を述べた両好適な実施形態のさらなる好適な改良では、運搬ロボットは少なくとも1つの基板に対する少なくとも1つの実質的に水平な基板支持を含み、この基板支持は、基板を前述のタワーの1つへの開口部に位置合わせするように垂直方向に駆動され、制御可能に移動でき、また基板支持をタワーの1つに対して出し入れするように水平方向に駆動され、制御可能に移動でき、これにより、処理またはロードロックするためにかかる基板をタワー内に留める、もしくは処理またはロードロックから取り出す。
【0020】
別のさらなる好適な改良では、基板支持は加えて、制御可能に駆動されて垂直軸周りを回転可能である。それでもなお、かりに基板支持が回転可能である場合、回転移動は好適には大きくとも180度、さらにより好適には大きくとも45度に限定される。それにもかかわらず今日の最も好適な実施形態では、基板支持は制御可能に駆動されて、排他的に直線水平方向および垂直方向に移動可能である。
【0021】
上記で概略を述べた両好適な実施形態のさらなる好適な改良では、処理装置の少なくとも1つは、2つ以上の基板が同時に充填され、同時に処理され同時に取り出される、少なくとも1つの基板一括処理モジュールを含む。さらなる好適な実施形態は基板一括ハンドリングおよび処理と組み合わせ得るが、少なくとも1つの処理装置は少なくとも1つの単一基板処理モジュールを含む。
【0022】
好適な態様におけるロードロック装置の固有概念については、両好適な実施形態の1つの好適な改良では、少なくとも1つのロードロック装置は、投入/排出ロードロック装置を含み、その結果、少なくとも1つの基板の周囲雰囲気から運搬チャンバへ、ならびに運搬チャンバから周囲雰囲気への両方のロードロックが行われる。
【0023】
さらなる好適な態様では、かかる投入/排出ロードロック装置は、少なくとも1つの単一基板投入ロードロックチャンバを含む。また別のさらなる態様において、前記投入/排出ロードロック装置は少なくとも1つの単一基板排出ロードロックチャンバを含む。また前述の投入/排出ロードロック装置の別のさらなる態様は、基板一括投入ロードロックチャンバと基板一括排出ロードロックチャンバと投入/排出基板一括ロードロックチャンバのうちの少なくとも1つを含む。
【0024】
少なくとも2つのロードロックおよび処理タワーを備える第2の好適な実施形態によると、さらなる態様では、ロードロックおよび処理タワーのうちの1つは投入および排出ロードロック装置のうちの1つを含むことで構成される。
【0025】
第2の好適な実施形態のさらに好適な態様は、運搬チャンバを経由するそれぞれの開口部を備えて、互いに反対側、すなわち運搬真空チャンバの両反対側、従って互いに対向して配置されるロードロックおよび処理タワーの排他的2つを有する。これはI字型概念である。
【0026】
第2の好適な実施形態の第2の好適な態様では、装置はさらに、互いに並んで真空運搬チャンバの一方の側に配置され、これにより真空運搬チャンバと共にU字型設置表面を画定する排他的2つのロードロック及び処理タワーを有する。
【0027】
第3の好適な態様では、第2の好適な実施形態のまさに上述の第2の態様ほどは好適ではないが、装置はさらに運搬チャンバと共にY字型設置表面を画定する排他的2つのロードロックおよび処理タワーを有する。
【0028】
上記で概略を述べる両好適な実施形態の別のさらなる好適な態様では、装置は少なくとも1m2、好適には少なくとも2m2、特に好適には少なくとも4m2の範囲を有する基板に対する基板ハンドリングおよび処理能力を有する。
【0029】
両好適な実施形態のさらなる好適な態様では、ロードロック装置は、少なくとも1つの基板に対して、加熱および冷却装置の少なくとも1つを含む。
【0030】
本発明によると、二次元的に拡大化され、真空処理された基板を製造する方法であって、
・少なくとも1つの水平基板をロードロックチャンバに水平に導入する工程と、
・少なくとも1つの水平基板を前記ロードロックチャンバから水平に真空運搬チャンバに運搬する工程と、
・前記水平基板を垂直方向上下に制御可能に移動させる工程と、
・前記水平基板を処理チャンバに水平に導入する工程と、
・前記処理チャンバにおいて前記水平基板を処理する工程と、
・前記処理された水平基板を前記処理ステーションから水平に取り出し、前記真空運搬チャンバ内へと戻す工程と、
・前記水平基板を前記運搬チャンバ内で上下方向に垂直に運搬する工程と、
・前記処理された水平基板を前記運搬チャンバからロードロックチャンバ内に水平に運搬する工程と、
・前記処理された水平基板を前記ロードロックチャンバから水平に取り出す工程とを含み、これにより前記基板を排他的に直線移動させる方法をさらに提案する。
【0031】
従って、本発明による方法の好適な実施形態では、真空処理された基板はソーラーパネル基板、TFT表示パネル基板およびプラズマ表示パネルのうちの1つである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
発明は、その好適な実施形態の例を示す図を用いて、より詳細に説明される。
【0033】
図1において、本発明の1つの要部としてロードロックおよび処理タワーLLPT1の側面図を概略的に示す。LLPTはロードロック装置LLAおよび処理装置PMAを含む垂直タワーである。後に例示されるように、ロードロック装置LLAは少なくとも1つの単一基板投入/排出ロードロックチャンバと、少なくとも1つの単一基板投入ロードロックチャンバと、少なくとも1つの単一基板排出ロードロックチャンバと、少なくとも1つの基板一括投入/排出ロードロックチャンバと、少なくとも1つの基板一括投入ロードロックチャンバと、少なくとも1つの基板一括排出ロードロックチャンバとを含み得る。
【0034】
このように、原則的にはLLPT1のロードロック装置LLAは、少なくとも1つのロードロックチャンバを含む。図1のようなロードロック装置LLAは、一方で周囲雰囲気としての外部雰囲気ATと連通し、他方で運搬装置TA2における真空雰囲気Vと連通する。図1における二重線/双方向矢印は、雰囲気AT、ロードロック装置LLAの内部および運搬装置TA2間における、1つ以上の基板の最も一般的な双方向ハンドリングを示す。
【0035】
それでもなお、本発明による装置全体の構成によっては、LLPT1は投入ロードロック装置のみ、または排出ロードロック装置のみ、すなわち雰囲気ATから運搬装置TA2に向かって基板を移送するためのロードロック装置または運搬装置TA2から雰囲気ATに向かって基板を移送するためのロードロック装置を有し得ることに注意しなければならない。
【0036】
さらに概略的に示されるように、ロードロック装置LLAと雰囲気ATならびに運搬装置TA2間の1つ以上の基板ハンドリングは、図1で概略的に示すように、制御可能かつ密封可能に閉じることのできる開口部Osにより、各ロードロックバルブで密封可能かつ制御可能に閉じることができる各開口部0を介して行われる。
【0037】
ロードロックおよび処理タワーLLPT1は、さらにプロセスモジュール装置PMAを含み、PMAは1つまたは好適には2つ以上の処理チャンバを含む。従って、かかる処理チャンバは単一基板処理チャンバまたは基板一括処理チャンバであり得る。その中では、各基板または基板群は真空処理プロセス、例えばCVD、PECVD、PVDプロセスまたは加熱、冷却などにより処理される。それでもなお、基板加熱および/または冷却に関しては、かかる処理はLLA内で排他的または追加的に行われ得る。
【0038】
さらに図1で概略的に示すように、一般的に、PMAおよび運搬装置TAは双方向に基板をハンドリングするように連通している。さらに、PMAにおいて行われるプロセスのタイプおよび清浄度に関する固有の必要条件に応じて、図1に概略的に示されるように永久的に開口しているOp、制御可能に閉じることができるが密封して閉じることができないOpsまたは制御可能かつ密封して閉じることできるOsである開口部0を介して、PMAとTA間のかかる双方向基板ハンドリングが生じる。
【0039】
ロードロックおよび処理タワーLLPT1の重要な特徴は、ロードロック装置LLAおよび処理モジュール装置PMAが垂直に積み重ねられて設けられることである。
【0040】
図2乃至図7は、図1と同様の描写でLLPT1を実現する異なる好適な形態を示す。
【0041】
図2によれば、LLPT1は多数、例えば図示されるように、図1によるLLAを形成する3つの単一基板投入/排出ロードロックステーションLLioを含む。図2の実施形
態におけるPMAはさらに、多数の、例えばやはり3つの単一基板処理チャンバPM1乃至PM3で構成される。
【0042】
図3のLLPT1の実施形態では、LLAの構造は図2の実施形態と同じである。PMAは単一の基板一括処理モジュールBPMで構成される。図4の実施形態では、プロセスモジュール装置PMAは、実際は図2に示すものと同等である。ロードロック装置LLAはここでは、第1の多数の投入単一基板ロードロックモジュールLLiと第2の多数の排出ロードロックモジュールLLoで構成される。図5の実施形態では、ロードロック装置LLAは図4の実施形態のLLAと同等に考案され、処理モジュール装置PMAは図3の実施形態のような一括処理モジュールBPMで構成される。
【0043】
図6のLLPT1の実施形態は、例えば図2乃至図5の実施形態の1つで示されるように実現される処理モジュール装置PMAで構成される。ロードロック装置LLAは、基板一括投入/排出ロードロックチャンバBLLioで構成される。やはり例えば図2乃至図5の実施形態で例示される処理モジュール装置PMAを備える図7で図式化される実施形態によれば、ロードロック装置LLAは基板一括投入ロードロックモジュールBLLiと基板一括排出ロードロックモジュールBLLoで構成される。
【0044】
好適な実施形態のこれらの例は、所定の基板処理を行うために固有に作成されたロードロックおよびプロセスモジュールを組み合わせて、これによりLLPT1の基本概念、すなわちロードロック装置と処理モジュール装置を備える垂直タワーを有するという基本概念を維持する方法を当業者に明確に教示する。
【0045】
例えば図2の実施形態をとってみると、場合によってはLLPT1の垂直範囲を上部ロードロックと下部処理モジュール装置とに細分しないで、LLAのモジュールとPMAのモジュールをロードロックおよび処理タワーLLPT1の垂直範囲に沿って混在させることが有利な事もある。本明細書の導入部分で概略を述べたように、本発明は特に、例えば少なくとも1m2、好適には少なくとも2m2およびさらには4m2以上の大きさの二次元的に拡大化された大基板の真空処理に関する。
【0046】
これにより、本発明の最も好適な実施形態において、ロードロックを含む全処理は基板が水平姿勢で行われる。これにより大きな表面で比較的薄い基板の全ハンドリングを安全に行うことが可能となる。水平姿勢で、基板は処理装置内でロードロック移行中、処理中および運搬中に正確に保持され得る。
【0047】
図8においては、図1乃至図7のようなLLPT1の平面図が概略的に示され、図中には大きな表面基板3が位置付けられている。かかる位置付けは好適には、ロードロック装置LLAにおいて、ならびにプロセスモジュール装置PMAにおいて適用される。図9は、ロードロック装置LLAのモジュールであれ、処理モジュール装置PMAのモジュールであれ、底面壁5の一部を側面図で概略的に示したものである。図9で概略的に示されるように、大基板3は例えば別個の蒸着ピン7の部材を含む位置付け装置上に蒸着され、薄く大きな範囲の基板3が常駐することになる。
【0048】
プロセスモジュール装置PMAのプロセスモジュールおよび/またはロードロック装置LLAのロードロックモジュールの可能な構成については、より詳細に説明するプロセスモジュールおよびロードロックモジュール概念および本運搬装置Tiによるような基板のハンドリングに関して、また特に詳細に後述する全タイミングおよび処理に関して、米国特許第6296735号、詳細には図1、図2、図3、図5乃至図11、図15乃至図22および各説明に対して詳細に注目し、さらに米国特許第5515986号に対して特に図1、図2、図3、図5乃至図9に関して特に注目し、またさらには米国特許第6177
129号、特に図1乃至図4、図7乃至図8に注目する。また、本明細書も各ロードロック装置およびプロセスモジュール装置内のプロセスモジュールおよび/またはロードロックモジュールのそれぞれの可能な概念に関して詳細に述べるものである。それでもなお、本明細書で図1乃至図9に関して説明されるような単一タワーにおいてロードロック装置および処理モジュール装置を設けることは、上記文献においては教示されておらず単に言及に留まることに注意しなければならない。
【0049】
本発明による装置および本発明による製造方法に関する以下の説明では、すでに説明したLLPT1そのものを参照する。これは図1乃至図9で例示されたように、いかなる種類の詳細な構造も適用され得ることを意味する。説明する特定実施形態において、かかるLLPTを考慮して特定措置を講じる必要があるか、または好適には特定措置を講じる場合に限り、LLPTのかかる実施形態を詳細に述べる。
【0050】
図10において、本発明により、真空処理された実質的に平らな基板の製造方法を実施するための本発明による装置の第1の好適な実施形態の側面図を概略的に示す。この第1の好適な実施形態は本質的には単一LLPT1で構成される。LLPT1は、垂直に位置合わせされた各ロードロックおよびプロセスモジュール開口部により、ロードロック装置LLAへの出入りならびにプロセスモジュール装置PMAへの出入りの基板ハンドリングを行う運搬装置TA2と連通する。運搬装置2は運搬ロボット9を含み、この運搬ロボット9は、ロードロック装置LLAおよびプロセスモジュール装置PMAの各モジュールを水平に出入りするhによる基板の運搬を行い、さらに少なくとも1つの各第1の開口部との位置あわせ部分からPMAおよびLLAの少なくとも1つの各第2の開口部との位置合わせ部分への垂直運搬vを行う。図11は図10のような装置を平面図で概略的に示す。
【0051】
このように、本発明による装置のこの第1の好適な実施形態は、単一LLPT1に対して機能する1つの運搬装置TA2を含み、単一LLPT1はロードロック装置LLAならびにプロセスモジュール装置PMAを含む。従って二重矢印i/oにより図10に概略的に示されるように、ロードロック装置LLAは投入/排出ロードロック能力を含む。本実施形態では、LLPT1は少なくとも1つの基板の所定の多重処理段階処置に必要なすべてのロードロックおよび処理に対して定義づけられる。
【0052】
運搬装置TA2は、LLPT1における各開口部間の基板に対して機能するように設けられる。運搬装置TA2はそのロボット運搬部材9により、水平方向hおよび垂直方向vの運搬移動を行えばよい。異なる処理段階を有する異なる処理が基板上で行われるときは常に、LLPT1のみを交換すればよい。意図する基板処理に必要なモジュールまたはステーションはすべて1つずつ垂直に固定されて上述のLLPT1を成すという事実ゆえに、かかる処理に必要なすべてのモジュールの設置面は最小限に減少される。加えて、運搬装置の設置面はLLAおよびPMAの各モジュールに対して水平に機能するための必要最低限まで減少される。米国特許第5275709号の教示に反して、図10および図11の好適な装置は、実際には処理ステーションへの基板の投入およびそこからの排出を含む所望のすべての処理段階を提供するモジュールのタワーを提供する。
【0053】
図12および図13では、本発明による製造方法を実施する本発明による装置の第2の好適な実施形態をやはり概略的に示す。これにより、第1のLLPT1aおよび第2のLLPT1bはともに共通の運搬装置TAと連通している。第1のLLPT1aのLLAaならびにその第1のLLPT1aのPMAaの概念が選択されて、基板3a上への異なる処理段階を有する第1の十分に定義された処理系列を行う。
【0054】
第2のLLPT1bでは、異なるセットの基板3b上で第2のプロセスを行うようにLLAbならびにPMAbが考案される。これにより、各タワー1aおよび1bにおける2つ
のプロセス系列は同等であり得、または異なり得る。実際には、各タワー1aおよび1bそれ自体、各基板の各真空処理プロセスに対する投入/排出を行う完全な能力ならびに要求されたタワー固有処理を行う完全セットの処理モジュールを提供する。
【0055】
図12および図13で示すように、運搬装置2abは第1のLLPT1aに対して、および第2のLLPT1bに対して、完全に独立して水平および垂直基板運搬を行う能力を有する。ロボット9abは、第2のタワー1bに対するかかる水平運搬hbから独立してタワー1aに対する水平運搬haを行い、また同様に第2のタワー1bに対するかかる運搬vbと独立してタワー1aにおいて処理される基板の垂直va運搬が行われるように制御される。
【0056】
図14では、図12および図13のような運搬装置TAの真空チャンバ内で適用され得るロボット11を概略的に示す。
【0057】
図14によれば、運搬装置(図示せず)の真空チャンバ内には、固定中央支持ポスト13が設けられる。図12および図13のLLPT1aに関して、実質的に平らで水平に位置付けられた大基板3aのハンドリングを行うために、ポスト13の一方の側には、駆動制御されて垂直に摺動可能vaである第1の摺動装置14aが設けられる。摺動装置14aに搭載されて、例えば3つ図示されるように、多数の単一基板支持部材15aが設けられる。これらは水平に突出し、垂直方向に互いに離間して搭載されており、1つの好適な実施形態では、制御可能に可変のピッチ距離Paで離間している。このように、本好適な実施形態におけるピッチ距離Paは、例えばLLAおよび/またはPMAにおける異なる垂直ピッチ距離を有する基板ハンドリング開口部に適応するように、制御可能に変化し得る。
【0058】
各支持部材15aは図示されるように、封入17a内で伸縮駆動により駆動されて、水平方向hに拡大および縮小され得る。支持部材15aは支持ピン20で支持し、水平および垂直運搬時にはその上にLLPT1aで処理される基板3aが配置される。さらに、ポスト13に沿って、摺動装置14aの反対側には第2の摺動装置14bが設けられており、摺動装置14a上に搭載された装置と非常によく似た状態で、支持部材15bと、ピン20bを支持する支持19bと封入17bと組み合わされている。図示されるように、図12または図13のLLPT1bに関して基板3bをハンドリングする支持部材15bの数は、LLPT1aにより処理される基板3aに対して機能する部材15aの数と同等である必要はない。
【0059】
好適には、水平方向に移動可能な支持9aおよび9bは、図15で示されるようにフォークのように組み合わせられている。破線表現において、図15は支持19a、b上に常駐する、従ってLLAまたはPMAにおいて支持ピン21上に配置されている各基板3a、bを示す。
【0060】
図12乃至図15の第2の好適な実施形態に関しては、2つの別個のロードロックおよび処理タワーLLPT1aおよび1bを備える本発明による装置を設け、各処理タワーLLPT1aおよび1bは、かかる基板を周囲雰囲気ATから真空処理および真空処理から周囲雰囲気に戻すといった供給を含む基板処理を行う完全セットのモジュールを提供する。
【0061】
この第2の好適な実施形態でも、運搬装置TA2ab内のロボット9abは回転移動をする必要がない。基板運搬は単に水平方向hおよび垂直方向v基板移動により実現される。
【0062】
図14で概略的に示されるように、各水平および垂直運搬サイクルの範囲およびタイミングならびに必要であれば、各支持装置のピッチ距離paに関して、水平運搬移動ha、bおよび垂直運搬移動va、bを制御するために、制御部21が設けられる。かかる制御部21は好適には自由にプログラム可能部として実現され、意図された処理に依存して特に運搬サイクルのタイミングが柔軟に適合され得る。かかる制御部21はまた、好適にはLLAabおよびPMAabへの制御接続を有した状態で、図14に概略的に示されるように処理およびロードロックサイクルを制御する。
【0063】
ほとんどの基板の多段階処理処置において、PMAのプロセスモジュール内で各真空処理を行うのに必要とされる時間量とロードロック装置LLAを通して基板を供給するための時間量は、1つのモジュールから次のモジュールに1つの基板または一群の基板を運搬する時間量よりも大きいことを考慮して、さらなる好適な実施形態では、運搬装置TA内の運搬ロボット9abは、実際は単一上下移動設備のみ提供する。
【0064】
図16によると、かかるロボットは垂直方向vに制御可能に駆動できる上下するガイド27である、引き出し状部材25を含む。
【0065】
引き出し状部材25内には、やはり水平方向hに制御可能に駆動でき、移動可能な摺動装置29が設けられており、摺動装置29はフレームまたはフォーク形を有し、ロードロックまたはプロセスモジュール装置の各モジュール内に水平駆動され得る。
【0066】
図16において破線で示すように、運搬ロボットの本実施形態は、摺動装置29をガイド部材27の左右方向に推進する可能性を提供する。
【0067】
これは、LLPT1aのモジュールからLLPT1bのモジュールへ、またその逆に基板を運搬するのに図12および図13の実施形態に適用され得る。従って、例えばLLPT1aにおけるロードロック装置LLAaは排他的に投入ロードロックモジュールとして、LLPT1bにおけるLLAbは排他的に排出ロードロックモジュールとして考案され得る。さらに、LLPT1aにおいて処理され、かつLLPT1bにおいて処理される基板に使用される処理モジュールが設けられ得る。このように、LLPT1aとLLPT1bとの間での基板の横断運搬ならびにLLPT1aとLLPT1b双方の共通処理モジュールの設置は排除されない。図16の実施形態により、運搬装置において基板を垂直軸周りに回転させることなく、LLPT1aとLLPT1b間で基板をハンドリングし、共通処置モジュールに対して機能することが可能となる。
【0068】
それでもなお、かかる非回転横断ハンドリングはまた、図16で示すものとは異なるロボットにより実現され得る。
【0069】
図10および図12のような最も好適な実施形態における本発明による装置は、基板をハンドリングするロボットの垂直軸周りのいかなる回転運動も必要としない。図12のような実施形態はそのI字形の設置面ゆえにI字型と呼ばれ得る。
【0070】
図17、図18および図19では、本発明による装置のさらなる好適な実施形態が図13と同様の描写で概略的に示される。これらの実施形態も、LLPTの開口部に対して機能するように運搬装置TA内においてロボットの垂直軸周りのいかなる回転移動も必要としない。
【0071】
図17乃至図19によると、図12および図13のようなI字型構成に装置を組み合わせる代わりに、U字型装置として設計される。図17によると、2つのLLPT1aおよび1bは、並んだ位置に設けられる。運搬装置TAの真空チャンバにおいて、2つのロボ
ット9aおよび9bが設置され、それぞれは各開口部を介してLLPT1a、1bの一方のモジュールに対して機能する。各ロボット9a、9bは制御可能に駆動されて、垂直方向上下移動va、vbを提供する。ロボット9a、9bのそれぞれは、さらに各LLPT1a、1bのモジュールに向かってその中に入る、またはそこから出るという水平方向前後移動haおよびhbを提供する。
【0072】
ロボット9aおよび9bは、例えば原則的には図14に示すロボットにより考案され得るが、支持部材15aおよび15bは互いに反対側に突出せずに支持13の一方の側に並行して設けられる。2つのロボット9aおよび9bの移動は、好適には自由にプログラム変更可能な制御部(図示せず)により独立制御され得る。時間同期処理が2つのLLPT1a、1bで確立される場合、2つの独立制御可能なロボット9aおよび9bのいずれも同期に操作されるか、またはLLPT1a、1bの両方に対して同時に機能する単一ロボットが設けられる。
【0073】
かかる実施形態は図18において、やはり概略的に図17と同様の描写で示される。明確に理解されるように、基板の一体化された共通の垂直運搬移動vabを提供する単一ロボット9abが設けられ、LLPT1aおよび1bにおける開口部と位置合わせされる。水平移動ha、hbはいずれも同期化されるか、またはLLPTM毎に固有に制御される。
【0074】
U字形概念の第3の実施形態は図19に示される。ここでもやはり、単一ロボット9abのみが設けられる。1つのロボット9abは、垂直運搬移動vabおよび水平運搬移動habによりLLPT1aおよび1bの両方に機能する。そのためには、ロボット9abは図示されるように水平移動wabを行う。
【0075】
図17乃至図19で概略的に示された概念から、Y字型概念として図20に変形が示される。ここでは、2つのLLTP1aおよび1bが角度φを画定するように運搬装置TAに配置される。図20では、ロボット概念は原則的に図18で示すものと同じである。単一ロボット9abは角度変位されたLLPT1aおよび1b両方のモジュールに機能する。従って、かかるロボットは図14に示すものと同様に実現され得、これにより支持部材を互いに対向せずに、ポスト13の中心軸周りに所望の角度φで設ける。
【0076】
装置のかかるY字型実施形態に関しては、原則的には図19による運搬装置TA内のロボットを実現するさらなる態様が図21に示される。ロボット9abは少なくともφの角度により中心軸の周りを回転し、角度変位されたLLPT1a、1b両方のモジュールに対して機能するように考案される。
【0077】
上述されるように、2つ以上のLLPTを設けることにより、異なる、または同等の多段階プロセスの柔軟性のある完全並行処理が可能となる。この概念に従い、図22に示すように、3つ以上に対して、例えば図示されるように運搬装置TAの回りに環状に搭載されたLLPTに対して機能するように中心軸回りに回転可能な運搬ロボット9rotを備える運搬装置を考案することが確実に可能である。それでもなお、本発明による装置のより好適な実施形態は、図10のような単一LLPT構造、図17乃至図21のようなI字またはU字またはおそらくY字型のLLPT2個構造である。
【0078】
図23では、本発明による今日の好適な装置が示される。これは図10の概念により考案される。かかる好適な実施形態は、上部から下部まで2つの基板一括処理モジュールBPM1、その後に続く2つの基板一括投入および排出ロードロックモジュールBLLio、その後に続く第2の2つの基板一括処理モジュールBPM2で構成される単一LLPTを含む。従って、ロードロックモジュールBLLioは、第1の投入ロードロックコンパートメントCi、その後に続く第1の排出ロードロックコンパートメントCo、その後に続
く第2の投入ロードロックコンパートメントCiおよび最後に第2の排出ロードロックコンパートメントCoに細分される。BPM1、BLLio、BPM2および運搬装置TA間の連通を確立する各開口部33は、それぞれ制御されたバルブ35を備える。
【0079】
運搬装置TAチャンバ37内には、水平方向hに制御されるように駆動されて移動可能であり、上部および下部基板運搬フォーク43Uおよび43lを備える2つの基板一括運搬部材41を含むロボット39が設けられる。2つの水平運搬部材41の装置全体は、制御されるように垂直に駆動されて移動可能である。上部基板キャリアフォーク43Uと下部基板キャリアフォーク43lの間のピッチを選択して、一括処理モジュールおよび一括ロードロックモジュールのそれぞれの開口部間のピッチに一致させる。
【0080】
かかる装置は、ソーラーパネル、TFTまたはプラズマ表示パネル製造など、少なくとも1m2、好適には少なくとも2m2、さらには少なくとも4m2の大基板処理に使用するのに最も適している。本発明のプロセスモジュールはバルブにより運搬チャンバとは分離され得るので、必要に応じて互いに独立して動作可能である。
【0081】
さらに詳細に関しては、以下を参照する:
・好適にはプログラム変更可能な技術における全タイミングおよびサイクル制御に関して、ならびにプロセスまたはロードロックモジュールと協働するフレキシブルロボット技術の可能な実現に関しては、米国特許第6177129号。
【0082】
・米国特許第6533534号
・米国特許第5515986号
・プロセスモジュール、ロードロックモジュールを考案し、水平方向の平面基板を処理するためにロボット部材を用いてこれらを機能させることに関しては米国特許6296375号
上記文献は本明細書の統合された一部を形成するものである。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の要部としてのロードロックおよび処理タワーの概略側面図であり、加えてかかるタワーの開放制御の種々の操作態様を示す図である。
【図2】さらに、ロードロックおよび処理タワーの第1の好適実施形態を示す、図1による概略図である。
【図3】さらに、ロードロックおよび処理タワーの別のさらなる好適な態様を示す、図1または図2と同様の概略図である。
【図4】ロードロックおよび処理タワーの第3の好適な変形を示す、図1乃至図3と同様の図である。
【図5】さらに、ロードロックおよび処理タワーの第4の好適な実施形態を示す、図1乃至図4と同様の図である。
【図6】さらに、ロードロックおよび処理タワーの第5の好適な変形を示す、図1乃至図5と同様の図である。
【図7】さらに、ロードロックおよび処理タワーの第6の好適な実施形態を示す、図1乃至図6と同様の図である。
【図8】ロードロックおよび処理タワー内に大きな表面の基板を配置した状態で、図1乃至図7による実施形態の1つのロードロックおよび処理タワーを概略的に描写した平面図である。
【図9】ロードロックおよび処理タワー内の特定位置において大基板を保持するための位置付け装置の概略図である。
【図10】真空運搬チャンバにおけるロボットが機能する単一ロードロックおよび処理タワーを含む本発明による装置であって、本発明の製造方法により動作する装置の第1の好適な実施形態を示す概略側面図である。
【図11】やはり図10による装置を概略的に描写した平面図である。
【図12】2つのロードロックおよび処理タワーと中間真空運搬チャンバとを備える本発明による装置であって、本発明による方法を実施する装置の第2の好適な実施形態を示す、図10と同様の概略側面図である。
【図13】図12の装置の実施形態を示す、図11と同様の概略平面図である。
【図14】例えば図12による装置の実施形態において使用される運搬チャンバに設けられるようなロボット装置を示す簡略化された概略図である。
【図15】ハンドリング中に基板を支持するための、例えば図14によるロボットで使用されるような基板支持を示す概略平面図である。
【図16】両ロードロックおよび処理タワーへの基板ハンドリングのための、例えば図12の実施形態に適用されるような真空運搬チャンバ内ロボットの第3の変形を示す概略斜視図である。
【図17】U字構成の2つのロードロックおよび処理タワーを備える本発明による装置のさらなる好適な実施形態を示す概略平面図である。
【図18】U字構成の2つのロードロックおよび処理タワー概念のさらなる好適な実施形態を示す、図17と同様の図である。
【図19】U字構成の2つのロードロックおよび処理タワー概念のさらなる好適な実施形態を示す、図17と同様の図である。
【図20】共通の真空運搬チャンバに対してY字構成に配置された2つのロードロックおよび処理タワーを備える、本発明による装置のさらなる実施形態を示す平面図。
【図21】真空運搬チャンバ内のロボットを実現する異なる態様を備える、図20による実施形態を示す概略平面図。
【図22】さらに、真空運搬チャンバ内の共通の回転可能ロボットが機能する4つのロードロックおよび処理タワーを備える、本発明による装置のさらなる実施形態を示す概略平面図。
【図23】本発明による装置であって、今日の最も好適な実施形態の1つとして、図10および図11に示す概念に従った装置のより詳細だがなお概略的な側面図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次元的に拡大化された基板を真空処理するための装置であって、
(a)運搬ロボット装置を備える真空運搬チャンバと、
(b)少なくとも1つの加工物通過開口部により前記真空運搬チャンバと連通する少なくとも1つの処理ステーションを備える処理装置と、
(c)少なくとも1つの加工物通過開口部により前記真空運搬チャンバと、少なくとも1つのさらなる加工物通過開口部により前記真空運搬チャンバおよび前記処理装置外部の雰囲気と連通するロードロック装置と、
(d1)1つずつ垂直に配置された前記処理装置と前記ロードロック装置とで形成された単一ロードロックおよび処理タワーとを含む装置。
【請求項2】
(d2)各々が1つのロードロック装置と1つの処理装置とで形成された、少なくとも2つのロードロックおよび処理タワーをさらに含む請求項1の特徴(a)(b)および(c)に記載の装置。
【請求項3】
前記運搬ロボットは、少なくとも1つの基板に対する少なくとも1つの実質的に水平な基板支持を含み、前記基板支持は前記開口部に位置合わせされ、前記少なくとも1つのロードロックおよび処理タワー内に、かつ該ロードロックおよび処理タワーから、垂直方向ならびに水平方向に駆動され、制御可能に移動できる、請求項1および請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記基板支持は加えて、制御可能に駆動されて垂直軸周りを回転可能である、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記回転移動は大きくとも180度に限定される、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記回転移動は大きくとも45度に限定される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記運搬ロボットは、少なくとも1つの基板に対する少なくとも1つの水平基板支持を含み、その支持はそれぞれ制御されて、排他的に垂直および水平方向に駆動される、請求項1または請求項2に記載の装置。
【請求項8】
前記処理装置の少なくとも1つは、少なくとも1つの基板一括処理モジュールを含む、請求項1または請求項2の1つに記載の装置。
【請求項9】
前記処理装置の少なくとも1つは、少なくとも1つの単一基板処理モジュールを含む、請求項1または請求項2の1つに記載の装置。
【請求項10】
前記ロードロック装置の少なくとも1つは、投入/排出ロードロック装置を含む、請求項1または請求項2の1つに記載の装置。
【請求項11】
前記投入/排出ロードロック装置は、少なくとも1つの単一基板投入ロードロックチャンバを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記投入/排出ロードロック装置は、少なくとも1つの単一基板排出ロードロックチャンバを含む請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記投入/排出ロードロック装置は、基板一括投入ロードロックチャンバと基板一括排出ロードロックチャンバと投入/排出基板一括ロードロックチャンバのうちの少なくとも1つを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記ロードロックおよび処理タワーのうちの1つは、投入および排出ロードロック装置のうちの1つを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項15】
前記ロードロックおよび処理タワーのうちの排他的2つは、前記運搬真空チャンバの反対側に、かつ互いに対向して配置されるように設けられる、請求項2に記載の装置。
【請求項16】
前記ロードロック及び処理タワーのうち排他的2つは、前記真空運搬チャンバの一方の側に互いに並んで配置されるように設けられ、前記タワーと前記真空運搬チャンバは共にU字形設置面を画定する、請求項2に記載の装置。
【請求項17】
前記ロードロックおよび処理タワーのうち排他的2つは、前記真空運搬チャンバと共にY字形設置面を画定するように設けられる、請求項2に記載の装置。
【請求項18】
前記基板は、少なくとも1m2、好適には少なくとも2m2、さらに好適には少なくとも4m2の範囲を有する、請求項1または請求項2に記載の装置。
【請求項19】
前記ロードロック装置は、少なくとも1つの基板に対して処理およびコーティング装置のうちの少なくとも1つを含む、請求項1または請求項2に記載の装置。
【請求項20】
二次元的に拡大化され、真空処理された基板を製造する方法であって、
・少なくとも1つの水平基板をロードロックチャンバに水平に導入する工程と、
・前記少なくとも1つの水平基板を前記ロードロックチャンバから水平に真空運搬チャンバに運搬する工程と、
・前記水平基板を垂直方向上下に制御可能に移動させる工程と、
・前記水平基板を処理チャンバに水平に導入する工程と、
・前記処理チャンバにおいて前記水平基板を処理する工程と、
・前記処理された水平基板を前記処理ステーションから水平に取り出し、前記真空運搬チャンバ内へと戻す工程と、
・前記水平基板を前記運搬チャンバ内で上下方向に垂直に運搬する工程と、
・前記処理された水平基板を前記運搬チャンバからロードロックチャンバ内に水平に運搬する工程と、
・前記処理された水平基板を前記ロードロックチャンバから水平に取り出す工程とを含む方法。
【請求項21】
前記基板を排他的に直線移動させる請求項20に記載の方法。
【請求項1】
二次元的に拡大化された基板を真空処理するための装置であって、
(a)運搬ロボット装置を備える真空運搬チャンバと、
(b)少なくとも1つの加工物通過開口部により前記真空運搬チャンバと連通する少なくとも1つの処理ステーションを備える処理装置と、
(c)少なくとも1つの加工物通過開口部により前記真空運搬チャンバと、少なくとも1つのさらなる加工物通過開口部により前記真空運搬チャンバおよび前記処理装置外部の雰囲気と連通するロードロック装置と、
(d1)1つずつ垂直に配置された前記処理装置と前記ロードロック装置とで形成された単一ロードロックおよび処理タワーとを含む装置。
【請求項2】
(d2)各々が1つのロードロック装置と1つの処理装置とで形成された、少なくとも2つのロードロックおよび処理タワーをさらに含む請求項1の特徴(a)(b)および(c)に記載の装置。
【請求項3】
前記運搬ロボットは、少なくとも1つの基板に対する少なくとも1つの実質的に水平な基板支持を含み、前記基板支持は前記開口部に位置合わせされ、前記少なくとも1つのロードロックおよび処理タワー内に、かつ該ロードロックおよび処理タワーから、垂直方向ならびに水平方向に駆動され、制御可能に移動できる、請求項1および請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記基板支持は加えて、制御可能に駆動されて垂直軸周りを回転可能である、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記回転移動は大きくとも180度に限定される、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記回転移動は大きくとも45度に限定される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記運搬ロボットは、少なくとも1つの基板に対する少なくとも1つの水平基板支持を含み、その支持はそれぞれ制御されて、排他的に垂直および水平方向に駆動される、請求項1または請求項2に記載の装置。
【請求項8】
前記処理装置の少なくとも1つは、少なくとも1つの基板一括処理モジュールを含む、請求項1または請求項2の1つに記載の装置。
【請求項9】
前記処理装置の少なくとも1つは、少なくとも1つの単一基板処理モジュールを含む、請求項1または請求項2の1つに記載の装置。
【請求項10】
前記ロードロック装置の少なくとも1つは、投入/排出ロードロック装置を含む、請求項1または請求項2の1つに記載の装置。
【請求項11】
前記投入/排出ロードロック装置は、少なくとも1つの単一基板投入ロードロックチャンバを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記投入/排出ロードロック装置は、少なくとも1つの単一基板排出ロードロックチャンバを含む請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記投入/排出ロードロック装置は、基板一括投入ロードロックチャンバと基板一括排出ロードロックチャンバと投入/排出基板一括ロードロックチャンバのうちの少なくとも1つを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記ロードロックおよび処理タワーのうちの1つは、投入および排出ロードロック装置のうちの1つを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項15】
前記ロードロックおよび処理タワーのうちの排他的2つは、前記運搬真空チャンバの反対側に、かつ互いに対向して配置されるように設けられる、請求項2に記載の装置。
【請求項16】
前記ロードロック及び処理タワーのうち排他的2つは、前記真空運搬チャンバの一方の側に互いに並んで配置されるように設けられ、前記タワーと前記真空運搬チャンバは共にU字形設置面を画定する、請求項2に記載の装置。
【請求項17】
前記ロードロックおよび処理タワーのうち排他的2つは、前記真空運搬チャンバと共にY字形設置面を画定するように設けられる、請求項2に記載の装置。
【請求項18】
前記基板は、少なくとも1m2、好適には少なくとも2m2、さらに好適には少なくとも4m2の範囲を有する、請求項1または請求項2に記載の装置。
【請求項19】
前記ロードロック装置は、少なくとも1つの基板に対して処理およびコーティング装置のうちの少なくとも1つを含む、請求項1または請求項2に記載の装置。
【請求項20】
二次元的に拡大化され、真空処理された基板を製造する方法であって、
・少なくとも1つの水平基板をロードロックチャンバに水平に導入する工程と、
・前記少なくとも1つの水平基板を前記ロードロックチャンバから水平に真空運搬チャンバに運搬する工程と、
・前記水平基板を垂直方向上下に制御可能に移動させる工程と、
・前記水平基板を処理チャンバに水平に導入する工程と、
・前記処理チャンバにおいて前記水平基板を処理する工程と、
・前記処理された水平基板を前記処理ステーションから水平に取り出し、前記真空運搬チャンバ内へと戻す工程と、
・前記水平基板を前記運搬チャンバ内で上下方向に垂直に運搬する工程と、
・前記処理された水平基板を前記運搬チャンバからロードロックチャンバ内に水平に運搬する工程と、
・前記処理された水平基板を前記ロードロックチャンバから水平に取り出す工程とを含む方法。
【請求項21】
前記基板を排他的に直線移動させる請求項20に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公表番号】特表2006−506818(P2006−506818A)
【公表日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−552336(P2004−552336)
【出願日】平成15年11月12日(2003.11.12)
【国際出願番号】PCT/CH2003/000742
【国際公開番号】WO2004/046416
【国際公開日】平成16年6月3日(2004.6.3)
【出願人】(596013501)ユナキス・バルツェルス・アクチェンゲゼルシャフト (55)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年11月12日(2003.11.12)
【国際出願番号】PCT/CH2003/000742
【国際公開番号】WO2004/046416
【国際公開日】平成16年6月3日(2004.6.3)
【出願人】(596013501)ユナキス・バルツェルス・アクチェンゲゼルシャフト (55)
【Fターム(参考)】
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