説明

二次電池およびその製造方法

【課題】電解液を迅速に電極群に浸透させることができる二次電池の製造方法を提供すること。
【解決手段】収容穴を有する筐体を準備するステップと、収容穴に電極群を挿入するステップと、キャップを有さない封口部材を収容穴にセットし、かつ電極端子の筒体に正極リードおよび負極リードの一方を通過させるステップと、正極リードおよび負極リードの一方を、電極端子の筒体の内側面に接合するステップと、電解液注入部材を電極端子にセットし、密着部を前記フランジに密着させるステップと、収容穴内の空気を減圧パスから排気し、収容穴内を減圧するステップと、注入パスから収容穴に電解液を注入し、収容穴内の電極群に電解液を浸透させるステップと、キャップをフランジに接合し、筒体の二次電池の外部側の開口部を塞ぐステップと、を有する二次電池の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ニッケル水素電池やニッケルカドミウム電池、リチウム電池、リチウムイオン電池などの二次電池が携帯電子機器等に広く使用されつつある。このような二次電池は3〜4Vの高い起電力を有するという特徴があり、その優れた性能が注目されている。
【0003】
このような二次電池の製造方法は:シート状の正極および負極と、正極および負極間に配置されたシート状のセパレータとからなる積層物を渦巻状に捲回し、電極群を形成するステップと;電極群を筐体内に収容するステップと;電極群の一方の電極から突出したリードを筐体の底部に接合するステップと;筐体に電解液を注入するステップ(例えば特許文献1参照)と;電極群の他方の電極から突出したリードを封口部材に接合するステップと;筐体の開口部に封口部材を取り付けるステップとを有する。
【0004】
図1は、特許文献1に開示された筐体に電解液を注入する方法を示す。特許文献1に開示された方法では、圧力調整口3を有する漏斗部材4を、電極群7が収容された筐体1にセットするステップと、筐体1内の空気を漏斗部材4の圧力調整口3から排気し、筐体1内を減圧するステップと、傾いた筐体1を立てながら、漏斗部材4から筐体1に電解液を注入し、電極群7に電解液を浸透させるステップと(図1)を有する。
【0005】
また、電極群から突出したリードを封口部材に接合する手法としては、超音波接合が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−126597号公報
【特許文献2】特開平06−187968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示されたような方法では、漏斗部材と筐体との接合部の密着性が充分でなく、漏斗部材と筐体との接合部から、減圧された筐体内に、空気が流入することがあった。このため、筐体内を充分に減圧できなかった。筐体内の減圧が充分でないと、電解液の浸透に時間がかかったり、電解液を注入する工程の途中で、筐体内を繰り返し減圧する必要があったりする。電解液を注入する工程の途中で、筐体内を繰り返し減圧すると、既に筐体に注入された電解液が蒸発してしまう恐れがある。また、漏斗部材と筐体との接合部の密着性が充分でないと、漏斗部材と筐体との接合部から電解液が漏れ出す恐れがあった。
【0008】
また、特許文献1に開示されたように、電極リードが封口部材に接合される前に、筐体に電解液を注入する方法では、電極リードが電解液で濡れ、電極リードが変性する恐れがある。変性した電極リードは、電極端子に接合することが困難になる。このため、許文献1に開示されたように、電極リードが封口部材に接合される前に、筐体に電解液を注入する方法では、電極リードと電極端子との接合の信頼性が低かった。
【0009】
本発明の第1の目的は、電解液を迅速に電極群に浸透させることができる二次電池の製造方法を提供することである。また、本発明の第2の目的は、電極リードが封口部材に接合される前に電解液によって変性することを防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1は、以下に示す二次電池に関する。
[1]正極および負極と、前記正極および前記負極にはさまれたセパレータとの積層物の捲回物と、前記正極に接続した正極リードと、前記負極に接続した負極リードとを有する電極群と、前記電極群を収容する収容穴および前記電極群の捲回軸と交差する底面を有する筐体と、前記収容穴を塞ぐ封口部材と、を有する収容ケースと、を有する二次電池であって、前記封口部材は、貫通穴を有する封口プレートと、前記封口プレートの貫通穴を跨ぎ、かつ前記電極群の捲回軸に沿った軸を有する無底の筒体および前記筒体の端部のうち二次電池の外側の端部にフランジを有する電極端子と、前記フランジに接合され、前記筒体の二次電池の外部側の開口部を塞ぐキャップと、を有し、前記正極リードおよび前記負極リードの一方は、前記筒体の内側面に接合される、二次電池。
[2]前記フランジのフランジシール面の幅は、0.5〜5mmである、[1]に記載の二次電池。
[3]前記正極リードおよび前記負極リードの一方は、前記キャップと、前記封口プレートとの間の前記筒体の内側面に接合される、[1]または[2]に記載の二次電池。
[4]前記筒体の内側面に接合された前記正極リードまたは前記負極リードは、前記電極群から突出し、前記電極群から前記筒体の内側面に接合された前記正極リードまたは前記負極リードが突出した位置は、前記捲回軸に沿って、前記筒体の開口部に重なる、[1]〜[3]のいずれか一つに記載の二次電池。
[5]前記電極端子の筒体は、前記封口プレートの貫通穴の縁を挟むように括れる、[1]〜[4]のいずれか一つに記載の二次電池。
【0011】
本発明の第2は、以下に示す二次電池の製造方法に関する。
[6][1]〜[5]のいずれか一つに記載の二次電池を製造する方法であって、前記収容穴を有する筐体を準備するステップと、前記収容穴に前記電極群を挿入するステップと、前記キャップを有さない前記封口部材を前記収容穴にセットし、かつ前記電極端子の筒体に前記正極リードおよび負極リードの一方を通過させるステップと、前記正極リードおよび負極リードの一方を、前記電極端子の筒体の内側面に接合するステップと、前記収容穴に電解液を注入する注入パスと、前記収容穴から空気を排気する減圧パスと、前記フランジに密着する密着部と、を有する電解液注入部材を前記電極端子にセットし、前記密着部を前記フランジに密着させるステップと、前記収容穴内の空気を前記減圧パスから排気し、前記収容穴内を減圧するステップと、前記注入パスから前記収容穴に電解液を注入し、前記収容穴内の電極群に前記電解液を浸透させるステップと、前記キャップを前記フランジに接合し、前記筒体の二次電池の外部側の開口部を塞ぐステップと、を有する二次電池の製造方法。
[7]前記収容穴を減圧するステップにおいて、前記収容穴内の気圧を100Torr以下とする、[6]に記載の二次電池の製造方法。
[8]前記密着部の前記フランジとの接触面は、弾性部材から構成される、[6]または[7]に記載の二次電池の製造方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明の二次電池の製造方法によれば、短時間で、電解液を速やかに電極群に浸透させることができるため、電解液の注入速度を上げ、電解液注入工程の時間を減らすことができる。また、本発明の二次電池の製造方法によれば、電極リードが封口部材に接合される前に電解液によって変性することがない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】特許文献1に開示された二次電池の製造方法の一部を示す図
【図2】実施の形態1の二次電池の断面図
【図3】実施の形態1の電極群の斜視図
【図4】実施の形態1の電極群の断面図
【図5】実施の形態1の二次電池の製造フローを示す図
【図6】実施の形態1の二次電池の製造フローを示す図
【図7】実施の形態2の二次電池の断面図
【図8】実施の形態3の二次電池の断面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
1.本発明の二次電池
本発明の二次電池は、電極群、電極群を収容する収容ケースを有する。また本発明の二次電池は、電解液を有する。以下それぞれの構成部材について説明する。
【0015】
1)収容ケース
収容ケースは、電極群と電解液とを収容する収容穴を有する筐体と、筐体の収容穴を塞ぐ封口部材と、を有する。収容ケースは、電気が取り出せるように一部または全部が導電性である。筐体が有する収容穴の数は1つであってもよいし(実施の形態1、2参照)、複数であってもよい(実施の形態3参照)。筐体が複数の収容穴を有する場合、各収容穴に電極群および電解液が収容される。また筐体は、後述する電極群の捲回軸と交差する底面を有する。
【0016】
収容穴の形状は、収容される電極群の形状によって適宜選択される。例えば、電極群が円柱の場合、収容穴も円柱状であり;電極群が角柱である場合、収容穴も角柱状である。
【0017】
筐体は、少なくとも一部が導電体であることが好ましい。このような、筐体の材料の例には、アルミニウムや、マグネシウム、鉄、ニッケル、カーボン、銅およびこれらの合金などが含まれる。また、後述するように、筐体には正極リードおよび負極リードの一方が接合されることが好ましく、筐体の材料は、後述する正極リードまたは負極リードのいずれが筐体に接合されるかによって適宜選択される。例えば正極リードが筐体に接合される場合、筐体の材料はアルミニウムやアルミニウムの合金が好ましい。負極リードが筐体に接合される場合、筐体の材料は、鉄やニッケル、銅などが好ましい。二次電池の軽量化の観点からは、筐体の材料は、アルミニウムやアルミニウムの合金であることが好ましい。
【0018】
封口部材は、封口プレートと、電極端子と、キャップとを有する。封口プレートは、貫通穴を有する板状の部材である。封口プレートは、筐体に接合することで、筐体の収容穴を塞ぐ。封口プレートは導電性であっても、非導電性であってもよい。
【0019】
電極端子は、無底の筒体と、フランジとを有する導電性部材である。筒体は、封口プレートの貫通穴を跨ぐ。電極端子の筒体の内側面には、後述する正極リードおよび負極リードのいずれか一方が接合される。したがって、電極端子は正極または負極端子として機能する。
【0020】
フランジは、筒体の二次電池の外側の端部に設けられている。フランジは、電極端子のうちキャップに接合される領域である。フランジのキャップと接合される面(以下、「フランジシール面」とも証する)の幅は、0.5〜5mmであることが好ましい。このように、本発明では、電極端子にキャップと接合するためのフランジを設けることで、キャップと電極端子との接合を強固にすることができる。
【0021】
電極端子(筒体およびフランジ)の材料は、電極端子が正極端子または負極端子として機能するかに応じて適宜選択される。例えば、電極端子が正極端子として機能する場合、電極端子の材料の例にはアルミニウムが含まれる。一方、電極端子が負極端子として機能する場合、電極端子の材料の例には、鉄やニッケル、銅などが含まれる。
【0022】
本発明は、正極リードおよび負極リードのいずれか一方が、筒体の内側面に接合されることを特徴とする。
【0023】
キャップは電極端子の筒体の開口部を塞ぐ導電性の板である。より具体的には、キャップは、電極端子のフランジに接合することで、電極端子の筒体の開口部のうち、二次電池の外側の開口部を塞ぐ。このようにキャップが電極端子の筒体の開口部を塞ぐことで、収容穴に収容された電解液が漏れ出すことを防止する。上述のように本発明では、キャップと電極端子のフランジとの結合の信頼性が高いので、収容穴に収容された電解液が漏れ出すことを確実に防止できる。
【0024】
封口部材の構造は特に限定されないが、電極端子の筒体が、封口プレートの貫通穴の縁を挟むように括れを有することが好ましい(図2参照)。このように筒体が、封口プレートの貫通穴の縁を挟むことで、封口プレートと電極端子の筒体との間から電解液が漏れにくくなり、収容穴から電解液が漏れ出すことを防止できる。
【0025】
また、電極端子の筒体は封口プレートの貫通穴を跨ぐので、封口プレートと電極群との間および封口プレートとキャップとの間には、隙間が形成される(図2参照)。
【0026】
2)電極群
電極群は、正極と、負極と、正極と負極との間に配置されたセパレータとからなる積層物の捲回物を有する(図3参照)。また電極群は、正極に接続した正極リードと、負極に接続した負極リードとを有する。正極リードおよび負極リードは電極群から捲回軸方向に突出する。電極群は柱状であれば、円柱状であっても、角柱状であってもよい。
【0027】
正極は、正極集電体および正極集電体上に配置された正極合剤層を有する。負極は、負極集電体および負極集電体上に配置された負極合剤層を有する。
【0028】
正極集電体および負極集電体は、正極合剤層または負極合剤層を保持するとともに集電機能を有する電極基体である。正極集電体および負極集電体は、例えば、アルミニウム箔、銅箔、ニッケル箔などの金属箔などからユニットの種類に応じて適宜選択される。例えば、ユニットがリチウムイオン電池として機能する場合、正極集電体はアルミニウム箔であり、負極集電体は銅箔である。一般的には、正極集電体としては厚さ5〜30μmのアルミニウム箔やアルミニウム合金箔が用いられ、負極集電体としては厚さ5〜25μmの銅箔が用いられることが多い。
【0029】
正極合剤層は、正極活物質の粒子を結着材で結着させて形成された層である。結着材は、集電体と活物質との間および活物質間を結着させる。正極合剤層は、導電材を含み、さらに他の物質を含んでいてもよい。また、正極合剤層は一般的に、図4に示されたように、正極集電体の両方の面上に配置されている。
【0030】
正極活物質の粒子の材料は、例えば、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウムなどのリチウム遷移金属酸化物や、FeS、TiSなどの遷移金属硫化物、ポリアニリン、ポリピロールなどの有機化合物、これらの化合物を部分的に元素置換したものなどである。正極活物質の粒子の平均粒径は、1〜100μmである。
【0031】
正極合剤層に含まれる結着材の材料は、特に限定されないが、例えば、フッ素原子を含む樹脂やアクリレート単位を有するゴム粒子結着材などの熱可塑性樹脂である。フッ素原子を含む樹脂の例には、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)やポリフッ化ビニリデンの変性体、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などが含まれる。結着材の材料には、さらに反応性官能基が導入されたアクリレートモノマー、またはアクリレートオリゴマーが含まれていてもよい。
【0032】
導電材の例には、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラックおよびサーマルブラックなどのカーボンブラック、ならびに各種グラファイトが含まれる。
【0033】
負極合剤層は、負極活物質の粒子を結着材で結着して形成された層である。負極合剤層は、導電材を含み、さらに他の物質を含んでいてもよい。また、負極合剤層は一般的に、図4に示されたように、負極集電体の両方の面上に配置されている。
【0034】
負極活物質の材料は、例えば、グラファイトやコークスなどの炭素系活物質、金属リチウム、リチウム遷移金属窒化物、またはシリサイドなどのシリコン系複合材料である。
負極合剤層に含まれる結着材の材料の例には、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)およびその変性体、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム粒子(SBR)およびその変性体などが含まれる。また負極合剤層に含まれる導電材は、正極合剤層に含まれる導電材と同じであってよい。
【0035】
セパレータは、正極と負極とを絶縁し、かつ正極と負極との間のイオン伝導性を確保する部材である。セパレータの材料は、電源装置の使用時に安定な素材であれば特に限定されず、例えば、絶縁性の高分子多孔フィルムである。セパレータは、例えば、アルミナシリカ、酸化マグネシウム、酸化チタン、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化ケイ素などの無機物粒子や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイミドなどの有機物粒子、前記無機物粒子と有機物粒子との混合物、結着材、溶媒、各種添加剤などを混合したものを、塗布し、乾燥させ、圧延することにより作製することができる。セパレータの厚みは、特に限定されないが、例えば10〜25μmである。
【0036】
正極リードおよび負極リードは、電極群から、電極群の捲回軸に沿って突出した導電性部材である。正極リードの材料は例えばアルミなどが含まれる。一方負極リードの材料は例えば鉄や、ニッケル、銅などである。電極リードの形状は特に限定されないが、例えば短冊形状であることが好ましい(図3参照)。
【0037】
上述したように本発明では、電極端子に接合する電極リード(正極リードまたは負極リード)が、電極端子の筒体の内側面に接合されることを特徴とする。この構成により、キャップを有さない封口部材を収容穴にセットした後に、正極リードおよび負極リードの一方を、電極端子の筒体の内側面に接合することができる(図5D参照)。このように、本発明では、封口部材で収容穴を塞いだ後に、正極リードおよび負極リードの一方を、電極端子の筒体の内側面に接合できるので、電極端子に接合する正極リードまたは負極リード(以下「端子接合リード」とも称する)を短くし、かつ端子接合リードの屈曲を小さくすることができる(図2参照)。
【0038】
ここで「端子結合リードの屈曲が小さい」とは、端子結合リードが全く屈曲しないか、または端子結合リードの屈曲部の曲率半径が端子結合リードの板厚以上であることを意味する。例えば端子結合リードの板厚が0.15mmの場合は、端子結合リードの曲率半径は0.15mm以上である。このように本発明では接合リードの屈曲が小さいので、二次電池の使用時に接合リードが発熱しにくい。
【0039】
また、端子接合リードの突出位置は、筒体の開口部と、電極群の捲回軸に沿って重なることが好ましい。端子接合リードの突出位置を電極端子の筒体の開口部に重ねることで、端子接合リードの屈曲をより小さくすることができる(図2参照)。
【0040】
一方、正極リードおよび負極リードのうち、電極端子に接合しない他方は、筐体に接合されることが好ましい。筐体に接合した正極リードまたは負極リード(以下「筐体接合リード」とも称する)は、筐体の収容穴の内側面に結合されてもよいし(図2参照)、底面に接合されてもよい。
【0041】
3)電解液
電解液は、溶媒と、電解質とを含む。
【0042】
溶媒は、二次電池の種類によって適宜選択される。例えば二次電池がリチウムイオン電池として機能する場合、溶媒は非水系溶媒である。非水系溶媒の例には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γーブチロラクトン、スルホラン、アセトニトリル、1,2−ジメトキエタン、1,3−ジメトキシプロパン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、γーブチロラクトンなどが含まれる。これらの非水系溶媒は、単独で使用されてもよいし、2種以上を混合して使用されてもよい。
【0043】
一方、二次電池がニッケル−水素電池や、ニッケル−カドミウム電池、空気亜鉛電池、リチウム空気電池などとして機能する場合、溶媒は水である。
【0044】
電解質も、二次電池の種類によって適宜選択される。例えば二次電池がリチウムイオン電池として機能する場合、電解質の例は、過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、ホウフッ化リチウム(LiBF)、六フッ化砒素リチウム(LiAsF)、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCFSO)、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム[LiN(CFSO]などのリチウム塩を含む。
【0045】
一方、二次電池がニッケル水素電池やニッケルカドミウム電池、空気亜鉛電池として機能する場合、電解質の例は、水酸化カリウムなどを含む。
【0046】
2.本発明の二次電池の製造方法
上述された本発明の二次電池の製造方法は、例えば1)筐体を準備する第1ステップと、2)筐体の収容穴に電極群を挿入する第2ステップと、3)キャップを有さない封口部材を収容穴にセットする第3ステップと、4)端子接合リードを、電極端子の筒体の内側面に接合する第4ステップと、5)電解液注入部材を電極端子にセットする第5ステップと、6)収容穴内を減圧する第6ステップと、7)収容穴内に電解液を注入する第7ステップと、8)キャップで電極端子の筒体の二次電池の外部側の開口部を塞ぐ第8ステップと、を有する。以下、それぞれのステップについて説明する。
【0047】
1)第1ステップでは、筐体を準備する。筐体の作製方法は特に限定されないが、例えば押し出し成形やインパクト成形、しぼり加工などで作製される。押し出し成形とは、加熱したビレットをダイス金型を通して押し出すことで、材料の形状を成形する方法である。押し出し成形によれば低コストで筐体を作製することができる。押出し成形によって作製された部材は、押出形材とも称される。
【0048】
筐体の側部と底部とは一体的に作製されてもよいし(実施の形態1および2参照)、筐体の側部と、筐体の底部とを別々に作製した後、筐体の側部と、筐体の底部とを接合してもよい(実施の形態3参照)。
【0049】
2)第2ステップでは、筐体の収容穴に電極群を挿入する。筐体の収容穴に電極群を挿入するには、電極群の捲回軸に沿って、電極群を収容穴に挿入すればよい。
【0050】
3)第3ステップでは、キャップを有さない封口部材を収容穴にセットする。具体的には、封口部材の封口プレートを筐体に接合する。また、本ステップでは、端子接合リードが電極端子の筒体を通過するように、封口部材を収容穴にセットする。
【0051】
4)第4ステップでは、筒体を通過する端子接合リードを、筒体の内側面に接合する。端子接合リードを電極端子の筒体の内側面に接合する方法は特に限定されないが、ウェッジボンド、攪拌接合または超音波接合が好ましい。ウェッジボンド、攪拌接合または超音波接合で端子接合リードを接合する場合、微小短絡不良(OCV不良)の原因となる火花が発生しないからである。
【0052】
また、端子接合リードを電極端子の筒体の内側面に超音波接合した場合、端子接合リードは、キャップと封口プレートとの間の筒体の内側面に接合される(図5D参照)。
【0053】
また、電解液を収容穴に注入する前に、端子接合リードを電極端子に接合すれば、端子接合リードが電極端子に接合される前に、端子接合リードが電解液によって変性することはない。このため、電解液を収容穴に注入する前に、端子接合リードを電極端子に接合すれば、端子接合リードと電極端子との接合の信頼性が高くなる。このため、本発明では、端子接合リードを、電極端子の筒体の内側面に接合する第4ステップは、電解液注入部材を電極端子にセットする第5ステップの前に行われることが好ましいが、第4ステップは、電解液を注入する第7ステップの後に行われてもよい。
【0054】
また、本発明では、キャップを有さない封口部材を収容穴にセットした後に、端子接合リードを、電極端子の筒体の内側面に接合できるので、端子接合リードを短くし、かつ端子接合リードの屈曲を小さくすることができる(図2参照)。
【0055】
5)第5ステップでは、電解液注入部材を電極端子にセットする。電解液注入部材は、収容穴に電解液を注入する注入パスと、収容穴から空気を排気する減圧パスと、電極端子のフランジに密着する密着部と、を有する。電解液注入部材を電極端子にセットするには、電解液注入部材の密着部を電極端子のフランジに密着させればよい。密着部とフランジとの密着を確実にするため、密着部のフランジと接触面は、例えばゴムなどの弾性部材から構成されていてもよい。このように、電解液注入部材を電極端子にセットすることで、注入パスと減圧パスとが、電極端子の筒体を介して、収容穴と連通する。また、電解液注入部材の密着部を電極端子のフランジに密着させることで、収容穴と筒体と減圧パスおよび注入パスとからなる空間が密閉される。
【0056】
6)第6ステップでは、収容穴内を減圧する。収容穴内を減圧するには、収容穴内の空気を、電解液注入部材の減圧パスを通して排気すればよい。上述したように本発明では、電解液注入部材の密着部をフランジに密着させることで、収容穴と筒体と減圧パスおよび注入パスとからなる空間を密閉しているので、外部から空気が収容穴内に流入しにくい。これにより収容穴内の気圧を100Torr以下とすることができる。例えば、減圧後の収容穴の気圧は、10〜100Torrであり、約50Torrである。
【0057】
7)第7ステップでは、収容穴内に電解液を注入し、収容穴に収容されている電極群に電解液を浸透させる。電解液は、電解液注入部材の注入パスを通して、収容穴に注入される。上述のように収容穴内の気圧は、極めて低く保たれているため、電解液は、収容穴内の電極群に速やかに浸透できる。したがって、本発明では、収容穴に必要な量の電解液を速やかに注入することができる。
【0058】
また、上述のように収容穴と、筒体と、減圧パスおよび注入パスとからなる空間は、電解液注入部材の密着部とフランジとによって密閉されていることから、減圧された収容穴内に外部から空気が流入することがない。このため、電解液の注入中の収容穴内の気圧が上昇することはなく、収容穴内を繰り返し減圧する必要がない。また、収容穴と、筒体と、減圧パスおよび注入パスとからなる空間は、電解液注入部材の密着部とフランジとによって密閉されていることから、電解液が外部に漏れ出すことはない。
【0059】
8)第8ステップでは、キャップで電極端子の筒体の二次電池の外部側の開口部を塞ぐ。キャップで電極端子の開口部を塞ぐには、キャップを電極端子のフランジに接合すればよい。キャップをフランジに接合する手段には、レーザ溶接、熱溶着、ロウ付け、プレス、摩擦接などが含まれる。このように、本発明では、キャップを電極端子のフランジに接合することから、キャップと電極端子との接合の信頼性が高く、電解液が漏れにくい。
【0060】
以下、本発明を図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明するが、本発明は図示された実施の形態に限定されない。
【0061】
[実施の形態1]
実施の形態1では端子結合リードが負極リードである形態について説明する。
【0062】
図2は、実施の形態1の二次電池100の断面図である。図2に示されるように、二次電池100は、収容ケース110と、電極群120と、を有する。
【0063】
収容ケース110は、収容穴111を有する筐体113と、封口部材130とを有する。筐体113は、例えばアルミニウムからなる導電性部材である。また、筐体113は1つの収容穴111を有する。収容穴111には、電極群120が収容されている。
【0064】
封口部材130は、筐体113の収容穴111を塞ぐ部材である。図2に示されるように封口部材130は、貫通穴134を有する封口プレート133と、キャップ139と、電極端子131とを有する。電極端子131は、封口プレートの貫通穴134を跨ぐ無底の筒体131aと、筒体131aの二次電池の外側の端部に設けられたフランジ131bとを有する。筒体131aの内側面には負極リード150が接合されている。フランジ131bのフランジシール面の幅Wは、例えば0.5〜5mmである。
【0065】
また、電極端子131の筒体131aは、封口プレート133の貫通穴134の縁を挟むように括れている。筒体131aの括れ132は封口プレート133に包囲されている。また、筒体131aと、プレート133との間には、絶縁部材135が配置される。これにより、電極端子131と、筐体113とが絶縁される。
【0066】
キャップ139は、筒体131aの二次電池の外側の開口部を閉じる部材である。キャップ139は、電極端子131のフランジ131bに接合されることで、筒体131aの二次電池の外側の開口部を閉じる。キャップ139が筒体を閉じることで、筐体113内の電解液が外部に漏れ出すことが防止される。
【0067】
封口プレート133と電極群120との間および封口プレート133とキャップ139との間には、隙間が形成されている。
【0068】
図3は、電極群120の分解斜視図である。図3に示されるように電極群120は、円柱状である。電極群120は、積層物127の捲回物を有する。また電極群120からは、封口部材130側に正極リード140と、負極リード150とが突出している。負極リード150のうち電極群120から突出した領域の長さ150Lは、例えば6〜15mmである。
【0069】
図4は、図3の積層物127の一点鎖線Aによる断面図である。図4に示されるように、積層物127は、シート状の正極121、シート状の負極123およびシート状のセパレータ125からなる。また正極121は、正極集電体121aと正極集電体121aを挟む正極合剤層121bとからなり;負極123は、負極集電体123aと負極集電体123aを挟む負極合剤層123bとからなる。
【0070】
また、本実施の形態では、正極121の集電体121aがセパレータ125および負極123よりも長くされていることが好ましい。このように正極121の集電体121aをセパレータ125および負極123よりも長くすることで、電極群120の外周を、強度の低い合剤層ではなく、比較的強度の高い正極121の集電体121aで覆うことができる。
【0071】
次に、再び図2を参照しながら正極リード140および負極リード150について説明する。
【0072】
電極群120から突出した正極リード140は、筐体113の収容穴111の内側面に接合される。
【0073】
電極群120から突出した負極リード150は、電極端子131の筒体131aの内側面に接合される。また、負極リード150の突出位置は、電極端子131の筒体131aの開口部と、電極群120の捲回軸に沿って重なる。また、負極リード150は、封口プレート133とキャップ139との間の筒体131aの内側面に接合される。
【0074】
このように、本実施の形態では、負極リード150の屈曲が小さいので、二次電池の使用中に負極リード150が発熱することを抑制することができる。
【0075】
次に、本実施の形態の二次電池100の製造方法について、図5A〜図5Dおよび図6A〜図6Cを参照しながら説明する。
【0076】
二次電池100の製造方法は、例えば、1)筐体113を準備する第1ステップ(図5A)と、2)筐体113の収容穴111に電極群120を挿入する第2ステップ(図5B)と、3)キャップ139を有さない封口部材130を収容穴111にセットする第3ステップ(図5C)と、4)負極リード150を、筒体131aの内側面に接合する第4ステップ(図5D)と、5)電解液注入部材170を電極端子131にセットする第5ステップ(図6A)と、6)収容穴111内を減圧する第6ステップ(図6A)と、7)収容穴111内に電解液177を注入する第7ステップ(図6B)と、8)電解注入部材170を電極端子131から外す第8ステップと、9)キャップ139で筒体131aの二次電池の外部側の開口部を塞ぐ第9ステップ(図6C)と、を有する。
【0077】
図5Aは、第1ステップを示す。図5Aに示されるように第1ステップでは、筐体113を準備する。筐体113は、例えば、絞り加工や、インパクト成形で作製すればよい。
【0078】
図5Bは、第2ステップを示す。図5Bに示されるように第2ステップでは、筐体113の収容穴111に、電極群120を挿入する。電極群120は電極群120の捲回軸に沿って収容穴111に挿入される。電極群120からは、正極リード140および負極リード150が突出している。
【0079】
図5Cは、第3ステップを示す。図5Cに示されるように第3ステップでは、キャップ139を有さない封口部材130を収容穴111にセットする。より具体的には、負極リード150が筒体131aを通過するように、キャップ139を有さない封口部材130を収容穴111にセットする。
【0080】
また、第2ステップと第3ステップとの間に電極群120から突出した正極リード140を、例えば超音波接合で筐体113の収容穴111の内側面に接合してもよい。
【0081】
図5Dは、第4ステップを示す。図5Dに示されるように第4ステップでは、負極リード150を電極端子131の筒体131aの内側面に接合する。
【0082】
負極リード150を、筒体131aの内側面に接合するには、負極リード150を、筒体131aの内側面に超音波接合すればよい。より具体的には、筒体131aのうち、封口プレート133から突出した領域および負極リード150を、超音波ヘッドの、ホーン160と、アンビル161とで挟むことで、負極リード150を筒体131aの内側面に押し当て;ホーン160を振動させることで、負極リード150を筒体131aの内側面に接合すればよい。
【0083】
図5Dに示されるように、超音波ヘッドの、ホーン160およびアンビル161は、封口プレート133が障害となって、封口プレート133よりも電極群120側の筒体131aを挟むことができない。このため負極リード150を超音波接合で筒体131aに接合する場合、負極リード150は、封口プレート133から二次電池の外側に突出した筒体131aの内側面に接合される。
【0084】
このように本実施の形態では、電解液を収容穴111に注入する前に、負極リード150を電極端子131に接合しているので、負極リード150が電極端子131に接合される前に、負極リード150が電解液によって変性することはない。
【0085】
また、本実施の形態では、封口部材130で、収容穴111を塞いだ後で、負極リード150を筒体131aの内側面に接合しているので、負極リード150を短くすることができる。このように負極リード150を短くすることで、負極リード150の屈曲を小さくすることができる。
【0086】
また、本実施の形態では微小短絡不良の原因となる火花が発生しない超音波接合で、負極リード150を、筒体131aの内側面に接合しているので、微小短絡不良の発生率が低い。このため、出力が高い二次電池が得られる。
【0087】
図6Aは、第5ステップを示す。図6Aに示されるように、第5ステップでは、電解液注入部材170を電極端子131にセットする。電解液注入部材170は、注入パス171と、減圧パス173と、密着部175とを有する。注入パス171は、収容穴111に電解液を注入するための流路である。減圧パス173は、収容穴111から空気を排気するための流路である。密着部175は、電極端子131のフランジ131bに密着する部分である。
【0088】
電解液注入部材170を電極端子131にセットするには、電解液注入部材170の密着部175をフランジ131bに密着させる。このように本実施の形態では、フランジ131bに電解液注入部材170の一部を密着させることで、収容穴111と筒体131aと、注入パス171および減圧パス173とからなる空間が密閉される。
【0089】
また、電解液注入部材170を電極端子131にセットすることで、電解液注入部材170の注入パス171および減圧パス173が、筒体131aを介して収容穴と連通する。
【0090】
第6ステップでは、収容穴111内を減圧する。収容穴111内を減圧するには、電解液注入部材170の減圧パス173から、収容穴111内を空気を排気すればよい。上述したように、本実施の形態では、電解液注入部材170と電極端子131との接触部のシール性が高いので、電解液注入部材170と電極端子131との接触部から収容穴111に空気が浸入する恐れが少ない。この結果、本実施の形態では、収容穴111内の気圧を100Torr以下とすることができる。
【0091】
図6Bは、第7ステップを示す。図6Bに示されるように第7ステップでは、収容穴111内に電解液177を注入する。収容穴111内に電解液177を注入するには、電解液注入部材170の注入パス171を通して、電解液177を収容穴111内に注入する。上述のように、収容穴111と筒体131aと、注入パス171および減圧パス173とからなる空間は、外部から密閉されているので、減圧された収容穴111内に外部から空気が流入することがない。このため、電解液177の注入中の収容穴111内の気圧が上昇することはなく、収容穴111内を繰り返し減圧する必要がない。
【0092】
第8ステップでは、電極端子131から電解液注入部材170を取り外す。
【0093】
図6Cは、第9ステップを示す。図6Cに示されるように第9ステップでは、キャップ139で電極端子131の筒体131aの二次電池外側の開口部を塞ぐ。キャップ139で電極端子131の筒体131aの開口部を塞ぐには、キャップ139を電極端子131のフランジ131bに接合すればよい。
【0094】
[実施の形態2]
実施の形態1では、端子接合リード(負極リード150)の一部が屈曲を有する形態について説明した。実施の形態2では、端子接合リード(負極リード150)が屈曲を有さない形態について説明する。
【0095】
図7は、実施の形態2の二次電池200の断面図である。実施の形態1の二次電池100と同一の構成部材については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0096】
図7に示されるように、二次電池200の封口部材230は、電極端子231を有する。電極端子231は、筒体231aとフランジ131bとを有する。筒体231aは、キャップ139と封口プレート133との間に、封口プレートによって囲まれた括れ132と同じ内径を有する領域232を有する。
【0097】
このように、キャップ139と封口プレート133との間の電極端子231の筒体231aに括れ132と同じ内径を有する領域232を設けることで、負極リード150が屈曲することなく電極端子231に接合されることができる。
【0098】
このように本実施の形態では、実施の形態1よりも端子接合リードの屈曲がさらに小さいので、実施の形態1の効果に加えて、二次電池の使用中に負極リード150が発熱することをより効果的に防止することができる。
【0099】
[実施の形態3]
実施の形態1および2では、筐体が1つの収容穴を有する形態について説明した。実施の形態3では、筐体が複数の収容穴を有する形態について説明する。
【0100】
図8は、実施の形態3の二次電池300の断面図である。図8に示されるように、二次電池300は、収容ケース310および電極群120を有する。
【0101】
収容ケース310は、複数の収容穴111を有する筐体313を有する。各収容穴111には、電極群120が収容されている。このように、本実施の形態では収容ケース310は、複数の電極群120を収容する。
【0102】
また、筐体313は、底板311を有する。このような筐体313は、貫通孔を有する側部に底板311を接合することで形成される。また、底板311には、防爆弁が形成されていてもよい。
【0103】
また、本実施の形態では、各封口部材130のキャップが連結し、連結キャップ339を構成する。このように、各封口部材130のキャップが連結し、連結キャップ339を構成することで、各封口部材130の電極端子131(筒体131a)の開口部を塞ぐ工程を簡略化することができる。
【0104】
このように、1つの収容ケースに複数の電極群を収容することで、実施の形態1の効果に加えて、より容量の大きい二次電池を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明の二次電池は発熱が少なく、かつ高い出力を有するので、電気自動車などの車両用二次電池、電子機器のバックアップ二次電池および家庭用の二次電池として好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0106】
100、200、300 二次電池
110、310 収容ケース
111 収容穴
113、313 筐体
120 電極群
121 正極
121a 正極集電体
121b 正極合剤層
123 負極
123a 負極集電体
123b 負極合剤層
125 セパレータ
130、230 封口部材
131、231 電極端子
131a、231a 筒体
131b フランジ
133 封口プレート
134 貫通穴
135 絶縁部材
139 キャップ
140 正極リード
150 負極リード
160 ホーン
161 アンビル
170 電解液注入部材
171 注入パス
173 減圧パス
175 密着部
177 電解液
339 連結キャップ



【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極および負極と、前記正極および前記負極にはさまれたセパレータとの積層物の捲回物と、前記正極に接続した正極リードと、前記負極に接続した負極リードとを有する電極群と、
前記電極群を収容する収容穴および前記電極群の捲回軸と交差する底面を有する筐体と、前記収容穴を塞ぐ封口部材と、を有する収容ケースと、
を有する二次電池であって、
前記封口部材は、
貫通穴を有する封口プレートと、
前記封口プレートの貫通穴を跨ぎ、かつ前記電極群の捲回軸に沿った軸を有する無底の筒体および前記筒体の端部のうち二次電池の外側の端部にフランジを有する電極端子と、
前記フランジに接合され、前記筒体の二次電池の外部側の開口部を塞ぐキャップと、を有し、
前記正極リードおよび前記負極リードの一方は、前記筒体の内側面に接合される、二次電池。
【請求項2】
前記フランジのフランジシール面の幅は、0.5〜5mmである、請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記正極リードおよび前記負極リードの一方は、前記キャップと、前記封口プレートとの間の前記筒体の内側面に接合される、請求項1に記載の二次電池。
【請求項4】
前記筒体の内側面に接合された前記正極リードまたは前記負極リードは、前記電極群から突出し、
前記電極群から前記筒体の内側面に接合された前記正極リードまたは前記負極リードが突出した位置は、前記捲回軸に沿って、前記筒体の開口部に重なる、請求項1に記載の二次電池。
【請求項5】
前記電極端子の筒体は、前記封口プレートの貫通穴の縁を挟むように括れる、請求項1に記載の二次電池。
【請求項6】
請求項1の二次電池を製造する方法であって、
前記収容穴を有する筐体を準備するステップと、
前記収容穴に前記電極群を挿入するステップと、
前記キャップを有さない前記封口部材を前記収容穴にセットし、かつ前記電極端子の筒体に前記正極リードおよび負極リードの一方を通過させるステップと、
前記正極リードおよび負極リードの一方を、前記電極端子の筒体の内側面に接合するステップと、
前記収容穴に電解液を注入する注入パスと、前記収容穴から空気を排気する減圧パスと、前記フランジに密着する密着部と、を有する電解液注入部材を前記電極端子にセットし、前記密着部を前記フランジに密着させるステップと、
前記収容穴内の空気を前記減圧パスから排気し、前記収容穴内を減圧するステップと、
前記注入パスから前記収容穴に電解液を注入し、前記収容穴内の電極群に前記電解液を浸透させるステップと、
前記キャップを前記フランジに接合し、前記筒体の二次電池の外部側の開口部を塞ぐステップと、を有する二次電池の製造方法。
【請求項7】
前記収容穴を減圧するステップにおいて、前記収容穴内の気圧を100Torr以下とする、請求項6に記載の二次電池の製造方法。
【請求項8】
前記密着部の前記フランジとの接触面は、弾性部材から構成される、請求項6に記載の二次電池の製造方法。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−124009(P2012−124009A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−273509(P2010−273509)
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】