説明

人体情報捜査システム

【課題】犯罪者が残留したバイオメトリックス情報を用いて正しく自動金銭出納サービスのために収得される指紋情報から犯罪者を検知する人体情報捜査システムを提供する。
【解決手段】人体情報捜査システムは、犯罪捜査の過程で用いられるバイオメトリックス情報と同じ種類のバイオメトリックス情報を用いて利用者の個人認証を行うATMと、犯罪者のバイオメトリックス情報をATMに提供する警察コンピュータと、を備え、警察コンピュータは、捜査の過程で得られたバイオメトリックス情報を修正し犯罪者のバイオメトリックス情報としてATMに提供し、ATMは、収得するバイオメトリックス情報を提供受けた犯罪者のバイオメトリックス情報に照合し、同一人と判定されたときには、所定の通報先に犯罪者の検知を通報する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、犯罪者の残留したバイオメトリックス情報を用いて犯罪者を捜査する人体情報捜査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、指紋情報を用いて個人認証を行うATMが普及している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平10−295674号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、犯人が残した指紋から犯人を割り出すときには、犯人が残したらしき指紋があると、初めてそこで犯人を特定するために、鑑識員が指紋の照合を行っているので、犯人を捜し出すのに多大のマンパワーと時間を要している。そこで、ATMで収得される指紋情報を対象にして犯人捜しを行うことが考えられる。
しかし、ATMにおいて個人認証を行うときには、指紋センサにより指先全体の指紋から特徴点が抽出されて指紋情報が登録されるが、犯人が残留した指紋は指先の一部の指紋である場合が多く、この指紋から特徴点を抽出すると、中に指紋の外周の点が端点として抽出されてしまうことがある。
そして、この犯人が残留した指紋の指紋情報を、ATMで収得される指紋情報に照合すると、誤った判断をする可能性があるという問題がある。
【0005】
この発明の目的は、犯罪者が残留したバイオメトリックス情報を用いて正しく自動金銭出納サービスのために収得される指紋情報から犯罪者を検知する人体情報捜査システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係わる人体情報捜査システムは、犯罪捜査の過程で用いられるバイオメトリックス情報と同じ種類のバイオメトリックス情報を用いて利用者の個人認証を行う自動金銭出納機またはキャッシュディスペンサと、犯罪者のバイオメトリックス情報を上記自動金銭出納機またはキャッシュディスペンサに提供する警察コンピュータまたは金融機関コンピュータと、を備える人体情報捜査システムにおいて、上記警察コンピュータまたは上記金融機関コンピュータは、犯罪捜査の過程で得られたバイオメトリックス情報を修正し上記犯罪者のバイオメトリックス情報として上記自動金銭出納機または上記キャッシュディスペンサに提供し、上記自動金銭出納機または上記キャッシュディスペンサは、収得するバイオメトリックス情報を上記提供受けた犯罪者のバイオメトリックス情報に照合し、同一人であると判定されたときには、所定の通報先に犯罪者の検知を通報する。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係わる人体情報捜査システムの効果は、犯罪捜査の過程で採取された部分的な犯罪者の指紋から特徴点を抽出したとき、指紋の隆線が外周に達した点が誤って抽出される可能性があるが、その端点を消去して犯罪者指紋特徴点データを修正するので、自動金銭出納サービスにおいて入力される指紋情報と照合するとき誤った照合を防ぐことができ、捜査範囲を広げた犯罪者の捜査が行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係わる人体情報捜査システムの構成図である。図2は、この発明の実施の形態1に係わるATMの機能ブロック図である。
この発明の実施の形態1に係わる人体情報捜査システム1は、金融機関が提供し、口座を登録している利用者が利用して入金、出金、振込などの金銭出納サービスを受けるときに操作される自動金銭出納機(以下、「ATM」と称す。)2を利用する。なお、金融機関は、日本郵政公社、銀行、銀行代理業などATM2を用いて金融サービスを提供する法人であれば限らない。
また、実施の形態1に係わる人体情報捜査システム1は、犯罪捜査の過程で用いられるバイオメトリックス情報として指紋情報を用いている。すなわち、犯罪者は不明であるが指紋として犯行現場で採取された残留指紋や、前科などのある犯罪者の場合、その時採取された指紋である。
【0009】
この実施の形態1に係わる人体情報捜査システム1は、図1に示すように、金融機関の建物などに設置されているATM2、ATM2が設置されている場所を監視している監視員が駐在する場所に設置されているブザー3、ATM2とデジタル専用回線4を介して接続され、ATM2を遠隔で管理し金銭出納サービスを行う金融機関コンピュータ5および金融機関コンピュータ5とデジタル専用回線6を介して接続され、警察活動に供されている警察コンピュータ7を備える。
【0010】
このATM2は、口座を開設している利用者の個人認証するために、利用者に利用者のバイオメトリックス情報としての指紋の入力を要求する。そして、ATM2は、利用者が入力した指紋を指紋画像として読み取り、そこから指紋特徴点を抽出して指紋特徴点データを作成し、その指紋特徴点データを金融機関コンピュータ5に伝送し、個人認証に基づく金銭出納サービスの提供の可否の判断を依頼する。ATM2は、金銭出納サービスの提供が許可された利用者に対して通常の所望の金銭出納サービスを提供する。
この利用者が入力した指紋は、指先の全体に亘る領域の指紋であり、特徴点(中心点、分岐点、端点、三角州)を抽出するとき、指紋の外縁部を除いた領域からだけ特徴点を抽出する。
【0011】
また、このATM2は、人体情報捜査システムを構成し、そのための人体情報捜査機能を有している。この人体情報捜査機能としてのATM2は、図2に示すように、個人認証のための指紋画像を収得する指紋リーダ11、金融機関コンピュータ5との間で通信を行う通信インターフェース12、人体情報捜査機能のために必要なデータが記憶されるRAM13、人体情報捜査手順を実行するCPU14、人体情報捜査手順を記憶するROM15、ブザー3を鳴動する出力インターフェース16、ATM2を操作する利用者に対して表示を行うOK灯17およびNG灯18、利用者が金銭出納サービスに関するデータの入力を行うテンキー19を備える。
【0012】
通信インターフェース12は、デジタル専用回線4を介して金融機関コンピュータ5から伝送される犯罪者情報を受信し、また、金融機関コンピュータ5に犯罪者検知情報を送信する。
RAM13には、犯罪者情報に含まれる犯罪者指紋特徴点データと、犯罪者情報に含まれるID番号が記憶される。
【0013】
CPU14は、指紋リーダ11から指紋画像が収得されたとき、収得された指紋画像から取得指紋特徴点データに変換する特徴点変換手段21、犯罪者情報を受信したとき、犯罪者指紋特徴点データとID番号とをRAM13に記憶する犯罪者情報記憶手段22、収得指紋特徴点データが得られたとき、収得指紋特徴点データに一致するRAM13に記憶されている犯罪者指紋特徴点データを検索して犯罪者を検知する検知手段23、検知手段23で犯罪者が検知されたとき、犯罪者検知情報を金融機関コンピュータ5に伝送する通報手段24、検知手段23で犯罪者が検知されないとき、通常の金銭出納処理を行う金銭出納手段25を有する。なお、金銭出納手段25は、一般的な金銭出納処理であるので、説明は省略する。
【0014】
出力インターフェース16は、犯罪者指紋特徴点データに収得指紋特徴点データを照合したときに一致する特徴点の割合が所定の割合以上あるとき、ATM2が配置された場所とは異なる場所に配置されたブザー3を鳴動させる。
【0015】
警察コンピュータ7には、入出力機器として、犯罪捜査の過程で採取された指紋を読み込むスキャナー31、読み込まれた指紋画像と特徴点が表示されるモニタ32、モニタ32の画面上に表示されたカーソルを移動するマウス33、必要な文字または数字を入力するキーボード34が接続されている。
警察コンピュータ7は、犯罪捜査の過程で採取された指紋を指紋画像として読み込むと、その指紋画像を画像解析して犯罪者指紋特徴点データを作成し、読み込んだ指紋画像と抽出された特徴点とを画面上に重ねて表示する。
【0016】
そして、警察コンピュータ7のオペレータは、画面上に表示されるカーソルをマウス33で走査して誤りの特徴点を選択して消去して、犯罪者指紋特徴点データを修正する。
具体的に説明すると、犯罪現場で採取される指紋は指先の一部のものである場合が多く、図3の一点鎖線で囲まれた範囲の指紋が採取される。そして、この指紋画像を画像解析して特徴点を抽出すると、採取された指紋の隆線が外周に達する位置の端点(図3の白丸)も、端点として抽出される。しかし、その端点はその外側の指紋が採取されなかったために端に位置しただけであるので、その端点は誤りの端点であり、この誤りの端点を消去して、正しい端点(図3の黒丸)だけを残して犯罪者指紋特徴点データを修正する。
【0017】
警察コンピュータ7は、この修正された犯罪者指紋特徴点データと犯罪者のID番号とを合わせた犯罪者情報を金融機関コンピュータ5に伝送する。
また、警察コンピュータ7は、金融機関コンピュータ5から犯罪者検知情報が伝送されてきたとき、犯罪捜査に活用できるように出力する。
【0018】
金融機関コンピュータ5は、警察コンピュータ7から犯罪者情報が伝送されてきたとき、金融機関コンピュータ5が管理しているATM2にその犯罪者情報を転送する。また、金融機関コンピュータ5は、ATM2から犯罪者検知情報が伝送されてきたとき、この犯罪者検知情報を伝送したATM2の所在地情報を付加して、警察コンピュータ7に伝送する。
【0019】
次に、この発明の実施の形態1に係わる犯罪者指紋特徴点データの作成の手順について図4を参照して説明する。図4は、この発明の実施の形態1に係わる警察コンピュータで犯罪者情報を作成する手順を示すフローチャートである。
ステップS1で、オペレータはキーボード34から予め決められた犯罪者のID番号を入力する。
ステップS2で、オペレータは犯罪捜査の過程で採取された指紋をスキャナー31で指紋画像として読み込む。
ステップS3で、警察コンピュータ7は読み込んだ指紋画像を画像解析して特徴点を抽出し、犯罪者指紋特徴点データをモニタ32の画面上に指紋画像と重ね合わせて表示する。(この様子が図3に示す。)
【0020】
ステップS4で、オペレータは表示された特徴点のうち、指紋画像の外周に位置するために画像解析で端点として抽出された点(図3の白丸)をマウス33により選択し、画面上から消去する。
ステップS5で、オペレータは画面上に残った特徴点(図3の黒丸)を犯罪者指紋特徴点データとして保存し直す。
ステップS6で、警察コンピュータ7は保存し直された犯罪者指紋特徴点データと犯罪者のID番号を犯罪者情報として金融機関コンピュータ5に伝送する。
【0021】
このように採取された指紋の隆線が採取された指紋の外周で終止された点は、特徴点の抽出において端点と抽出されるが、採取した指紋が限られているために端に位置しただけで本当の端点ではないので、誤った端点である。そこで、この誤った端点を除いて犯罪者指紋特徴点データを修正することにより、ATM2で収得された収得指紋特徴点データと照合するとき誤った検知を防ぐことができる。
【0022】
金融機関コンピュータ5は、警察コンピュータ7から犯罪者情報が伝送されてきたとき、金融機関コンピュータ5が管理するすべてのATM2に犯罪者情報を転送する。
【0023】
次に、ATM2で利用者が金銭出納サービスを要求する手順について図5を参照して説明する。
ステップS11で、ATM2はATM2のテンキー19からID番号が入力されたか否かを判断し、ID番号が入力されたときステップS12へ進み、ID番号が入力されていないときステップS11を繰り返す。
ステップS12で、ATM2はID番号を金融機関コンピュータ5に送信する。
ステップS13で、金融機関コンピュータ5は受信したID番号が登録されているか否かを判断し、登録されているときにはステップS14に進み、登録されていないときにはステップS15に進む。
ステップS14で、金融機関コンピュータ5はATM2に対して金銭出納サービスの継続を許可する。
ステップS15で、金融機関コンピュータ5はATM2に対して金銭出納サービスの継続を許可しない。
【0024】
ステップS16で、ATM2は金銭出納サービスの継続が許可されたか否かを判断し、許可されたときステップS17に進み、許可されていないときステップS18に進む。
ステップS17で、ATM2はOK灯17を一時点灯して、ステップS19に進む。
ステップS18で、ATM2はNG灯18を一時点灯して、ステップS11に戻る。
ステップS19で、ATM2は指紋を収得したか否かを判断し、指紋を収得したときステップS20に進み、指紋が収得していないときステップS19を繰り返す。
【0025】
ステップS20で、ATM2は収得した指紋から特徴点を抽出して収得指紋特徴点データを作成する。
ステップS21で、ATM2は取得指紋特徴点データを犯罪者指紋特徴点データに対して照合し、一致する特徴点の割合を算出する。
ステップS22で、ATM2は算出した割合が所定の割合以上であるか否かを判断し、算出した割合が所定の割合以上のときにはステップS23に進み、算出した割合が所定の割合未満のときにはステップS25に進む。
ステップS23で、ATM2は該当した犯罪者のID番号および算出した割合を金融機関コンピュータ5に伝送する。
ステップS24で、ATM2はブザー3を鳴動させて手順を終了する。このとき、ブザー3が鳴動すると警備員が対応する。
ステップS25で、通常の金銭出納処理を行って手順を終了する。
【0026】
次に、上述の通常の金銭出納処理の手順を図6を参照して説明する。
ステップS31で、ATM2は収得指紋特徴点データをID番号と合わせて金融機関コンピュータ5に伝送する。
ステップS32で、金融機関コンピュータ5は収得指紋特徴点データを登録されている指紋特徴点データに対して照合し、一致する特徴点の割合を算出する。
ステップS33で、金融機関コンピュータ5は算出した割合が所定の割合以上であるか否かを判断し、所定の割合以上のときにはステップS34に進み、所定の割合未満のときにはステップS35に進む。
ステップS34で、金融機関コンピュータ5はATM2に対して金銭出納サービスの提供を許可する。
ステップS35で、金融機関コンピュータ5はATM2に対して金銭出納サービスの提供を不許可とする。
ステップS36で、ATM2は金銭出納サービスの提供が許可されたか否かを判断し、許可されたときステップS37に進み、不許可のときステップS39に進む。
ステップS37で、ATM2はOK灯17を一時点灯して、ステップS38に進む。
ステップS38で、ATM2は通常の金銭出納サービスを提供して金銭出納処理手順を終了する。
ステップS39で、ATM2はNG灯18を一時点灯して、金銭出納処理手順を終了する。
【0027】
金融機関コンピュータ5は、犯罪者検知情報のID番号および一致した特徴点の割合を警察コンピュータ7に転送する。
警察コンピュータ7は、犯罪者検知情報を受けたら出力する。捜査員はこの出力された犯罪者検知情報を犯罪捜査に活用する。
【0028】
このような人体情報捜査システム1は、犯罪捜査の過程で採取された部分的な犯罪者の指紋から特徴点を抽出したとき、指紋の外周に達した隆線の点が誤って抽出された端点を消去して犯罪者指紋特徴点データを修正するので、自動金銭出納サービスにおいて入力される指紋情報と照合するとき誤った照合を防げ、捜査範囲を広げて犯罪者の捜査が行える。
【0029】
なお、ATM2以外に支払いのときに指紋情報を個人認証に用いるキャッシュディスペンサを用いることもできる。
また、指紋情報を指紋特徴点データに変換して検知に用いているが、指紋パターンを用いても同様に検知できる。
また、指紋の特徴点の抽出を警察コンピュータ7ではなく、警察コンピュータ7から指紋が画像データとして金融機関コンピュータ5に送られ、そこで指紋の特徴点または指紋のパターンを抽出してもよい。このように、金融機関が採用している指紋照合方法に応じて金融機関コンピュータ5で特徴点またはパターンの抽出を行えば、いずれの指紋照合方法を採用している金融機関のATM2でも指紋照合できる。
また、金融機関以外でも、セキュリティ用の出入管理装置、パソコン、携帯電話など指紋情報を個人識別情報として使用している場合でも、同様に実施できる。
また、通報先は、警察以外に警備会社または警備担当機関であってもよい。
【0030】
また、指紋の隆線が指紋の外周に達する点が余分な端点として抽出されるので、この余分な端点を消去して犯罪者指紋特徴点データを修正したが、採取された指紋の一部に明らかに欠損した特徴点がある場合には、そこに特徴点を追加して犯罪者指紋特徴点データを修正してもよい。
【0031】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係わる人体情報捜査システムは、犯罪捜査の過程で用いられるバイオメトリックス情報として顔形の特徴点データを採用している。そして、ATM2では、個人認証のために顔画像を撮影し、その顔画像から顔形特徴点データを生成している。
一方、犯罪の捜査の過程では、監視カメラにより撮影された犯罪者の顔画像を得ることができる。そして、照合の精度を向上するために、犯罪者顔形特徴点データを顔が正面を向くように画像処理して修正する。
【0032】
このように監視カメラにより撮影された顔画像から抽出された特徴点データを顔が正面を向くように顔画像を画像処理して特徴点データを修正しているので、ATM2で収得する正面を向いた顔画像から抽出された特徴点データと正確に照合することができる。
なお、犯罪捜査の過程で用いられ、且つATMまたはキャッシュディスペンサで個人認証のために収得されるバイオメトリックス情報として、他にも掌形、音声または筆跡を採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】この発明の実施の形態1に係わる人体情報捜査システムの構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係わるATMの機能ブロック図である。
【図3】実施の形態1において指紋特徴点データの修正を説明するために用いる採取された指紋から特徴点を抽出した様子を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係わる警察コンピュータで犯罪者指紋特徴点データを作成する手順を示すフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態1に係わる金融機関コンピュータとATMとで犯罪者を検知する手順を示すフローチャートである。
【図6】この発明の実施の形態1に係わる通常の金銭出納処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0034】
1 人体情報捜査システム、2 自動金銭出納機(ATM)、3 ブザー、4 デジタル専用回線、5 金融機関コンピュータ、6 デジタル専用回線、7 警察コンピュータ、11 指紋リーダ、12 通信インターフェース、13 RAM、14 CPU、15 ROM、16 出力インターフェース、17 OK灯、18 NG灯、19 テンキー、21 特徴点変換手段、22 犯罪者情報記憶手段、23 検知手段、24 通報手段、25 金銭出納手段、31 スキャナー、32 モニタ、33 マウス、34 キーボード。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
犯罪捜査の過程で用いられるバイオメトリックス情報と同じ種類のバイオメトリックス情報を用いて利用者の個人認証を行う自動金銭出納機またはキャッシュディスペンサと、犯罪者のバイオメトリックス情報を上記自動金銭出納機またはキャッシュディスペンサに提供する警察コンピュータまたは金融機関コンピュータと、を備える人体情報捜査システムにおいて、
上記警察コンピュータまたは上記金融機関コンピュータは、犯罪捜査の過程で得られたバイオメトリックス情報を修正し上記犯罪者のバイオメトリックス情報として上記自動金銭出納機または上記キャッシュディスペンサに提供し、
上記自動金銭出納機または上記キャッシュディスペンサは、収得するバイオメトリックス情報を上記提供受けた犯罪者のバイオメトリックス情報に照合し、同一人であると判定されたときには、所定の通報先に犯罪者の検知を通報することを特徴とする人体情報捜査システム。
【請求項2】
上記犯罪捜査の過程で用いられるバイオメトリックス情報は、指紋の特徴点データであり、
上記警察コンピュータまたは上記金融機関コンピュータは、犯罪捜査の過程で採取されたまたは以前に採取された指紋から特徴点を抽出して犯罪者指紋特徴点データを作成し、該犯罪者指紋特徴点データの上記指紋の外周に位置する特徴点を消去することにより該犯罪者指紋特徴点データを修正することを特徴とする請求項1に記載する人体情報捜査システム。
【請求項3】
上記犯罪捜査の過程で用いられるバイオメトリックス情報は、顔形の特徴点データであり、
上記警察コンピュータまたは上記金融機関コンピュータは、犯罪捜査の過程で得られた顔形から特徴点を抽出して犯罪者顔形特徴点データを作成し、顔の向きが正面になるように該犯罪者顔形特徴点データを修正することを特徴とする請求項1に記載する人体情報捜査システム。
【請求項4】
犯罪者の検知を通報するとき、一致した特徴点の割合を合わせて通報することを特徴とする請求項2に記載の人体情報捜査システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−21096(P2008−21096A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−191750(P2006−191750)
【出願日】平成18年7月12日(2006.7.12)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】