説明

代謝調節剤として有用なマロニル−CoA脱炭酸酵素阻害剤

【課題】マロニル-コエンザイムA脱炭酸酵素(マロニル-CoA脱炭酸酵素、MCD)の阻害によって調節される疾患を治療に有用な、新規化合物、それらのプロドラッグ、および薬学的に許容される塩、ならびにそのような化合物を含む薬学的組成物の提供。
【解決手段】下記一般式の化合物またはその塩、プロドラッグを含む薬学的組成物。


(式中R1はハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、チオールなどを、R2はNR3C(S)NR4R5、NR3C(=NR3)NR4R5、NR3C(=NCN)NR4R5、NR3C(=CHNO2)NR4R5、NR3P(O)R4R5、NR3P(O)(OR4)(OR5)、NR3P(O)(OR4)(NR5)などを、R3、R4、R5は水素、アルキル、アリールなどをしめす)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2000年1月26日出願の仮出願第60/265380号の恩典を主張する。その全開示は参照として本明細書に組み入れられる。
【0002】
発明の分野
本発明は、特定の代謝疾患および酵素マロニル-コエンザイムA脱炭酸酵素(マロニル-CoA脱炭酸酵素、MCD)の阻害によって調節される疾患を治療する際に有用な、新規化合物、それらのプロドラッグ、および薬学的に許容される塩、ならびにそのような化合物を含む薬学的組成物に関する。特に、本発明は、マロニル-CoA脱炭酸酵素の阻害を通じて、心血管疾患、糖尿病、アシドーシス、癌、および肥満を予防、管理および治療するための化合物および組成物ならびに方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
マロニル-CoAは、体内で酵素アセチルCoAカルボキシラーゼ(ACC)によって産生される重要な代謝中間体である。肝、脂肪細胞、および他の組織において、マロニル-CoAは脂肪酸合成酵素(FAS)の基質である。ACCおよびマロニル-CoAは、脂肪酸合成酵素レベルが低い骨格筋および心筋組織で見いだされる。マロニル-CoA脱炭酸酵素(MCD、EC4.1.1.9)は、マロニル-CoAのアセチル-CoAへの変換を触媒し、それによりマロニル-CoAレベルを調節する。MCD活性は、原核生物、鳥類、および哺乳類を含む広範な生物において記載されている。この酵素は細菌リゾビウム・トリフォリ(Rhizobium trifolii)(Anら、J. Biochem. Mol. Biol. 32: 414-418 (1999)(非特許文献1))、水鳥の尾腺(Bucknerら、Arch. Biochem. Biophys 177: 539 (1976)(非特許文献2);KimおよびKolattukudy、Arch. Biochem. Biophys 190: 585 (1978)(非特許文献3))、ラット肝ミトコンドリア(KimおよびKolattukudy、Arch. Biochem. Biophys. 190: 234 (1978)(非特許文献4))、ラット乳腺(KimおよびKolattukudy、Biochim. Biophys, Acta 531: 187 (1978)(非特許文献5))、ラット膵β-細胞(Voilleyら、Biochem. J. 340: 213 (1999)(非特許文献6))およびガチョウ(ハイイロガン)(Jangら、J. Biol. Chem. 264: 3500 (1989)(非特許文献7))から精製されている。MCD欠損症患者の同定は、ガチョウおよびラットMCD遺伝子に相同のヒト遺伝子のクローニングにつながる(Gaoら、J. Lipid. Res. 40: 178 (1999)(非特許文献8);Sackstederら、J. Biol. Chem. 274: 24461 (1999)(非特許文献9);FitzPatrickら、Am. J. Hum. Genet. 65: 318 (1999)(非特許文献10))。ノーザンブロット分析で単一のヒトMCD mRNAが観察される。筋および心臓組織で最も高いmRNA発現レベルが観察され、肝、腎および膵ではその次に高く、検査したその他の組織すべてにおいて検出可能な量が認められる。
【0004】
マロニル-CoAは、長鎖脂肪酸の代謝に必要不可欠な酵素であるカルニチンパルミトイル転移酵素-I(CPT-I)の強力な内因性阻害剤である。CPT-Iは脂肪酸酸化の律速酵素で、アシルカルニチンの生成を触媒し、アシルカルニチンはアシルカルニチントランスロカーゼにより細胞質ゾルからミトコンドリア膜を通過して輸送される。ミトコンドリア内部で、長鎖脂肪酸は補足酵素CPT-IIによってCoA型に変換され、ミトコンドリア内でアシル-CoAはβ-酸化経路に入ってアセチル-CoAを生成する。肝においては、例えば食後に高レベルのアセチル-CoAが生成し、CPT-Iを阻害するマロニル-CoAレベルの上昇を引き起こし、それによって脂肪代謝を妨害し、かつ脂肪合成に有利にはたらく。反対に、マロニル-CoAレベルが低い場合、長鎖脂肪酸をミトコンドリア内へ輸送させることにより、脂肪酸代謝に好都合となる。したがって、マロニル-CoAは、脂肪酸合成と脂肪酸酸化とのバランスを保つ上で重要な役割を果たす中心的代謝物である(Zammit、Biochem. J. 343: 5050-515 (1999)(非特許文献11))。最近の研究により、MCDは細胞質ならびにミトコンドリアのマロニル-CoAレベルを調節しうることが示されている[AlamおよびSaggerson、Biochem J. 334: 233-241 (1998)(非特許文献12);Dyckら、Am J Physiology 275: H2122-2129 (1998)(非特許文献13)]。
【0005】
マロニル-CoAは筋および心臓組織に存在するが、これらの組織ではFASは低レベルでしか検出されていない。これらの組織におけるマロニル-CoAおよびMCDの役割は、脂肪酸代謝を調節することであると考えられる。これは、別個の遺伝子によってコードされるCPT-Iの筋(M)および肝(L)アイソフォームのマロニル-CoA阻害によって達成される(McGarryおよびBrown、Eur. J. Biochem. 244: 1-14 (1997)(非特許文献14))。マロニル-CoA阻害に対して、筋アイソフォーム(IC50=0.03μM)は肝アイソフォーム(IC50=2.5μM)よりも感受性が高い。CPT-Iのマロニル-CoA調節が肝、心臓、骨格筋および膵β-細胞で記載されている。加えて、おそらくアシル基を小胞体に送達する系の一部である、ミクロソームにおけるマロニル-CoA感受性アシル-CoA転位酵素活性も記載されている(Fraserら、FEBS Lett. 446: 69-74 (1999)(非特許文献15))。
【0006】
心血管疾患:
健康なヒトの心臓は利用可能な代謝基質を利用している。血糖値が高い場合、グルコースの取り込みおよび代謝によって心臓の主な燃料源が得られる。絶食状態では、脂肪組織によって脂質が提供され、心臓での脂肪酸取り込みおよび代謝によってグルコース代謝が下方制御される。脂肪酸およびグルコースの血清レベルによる中間代謝の調節は、グルコース-脂肪酸回路を含む(Randleら、Lancet, 1: 785-789 (1963)(非特許文献16))。虚血状態では、酸素供給が限られるため、脂肪酸およびグルコース両方の酸化が低下し、心臓組織における酸化的リン酸化によって産生されるATPの量が減少する。十分な酸素がない状態では、ATPレベルを維持しようとして解糖が増大し、その結果、乳酸の増加および細胞内pHの低下が起こる。エネルギーを費やしてイオンの恒常性を維持し、異常に低いATPレベルおよび細胞の浸透性崩壊の結果、筋細胞死が起こる。加えて、AMPKが虚血中に活性化されてリン酸化し、したがってACCを不活化する。全体の心臓マロニル-CoAレベルが低下し、したがってCPT-I活性が上昇し、脂肪酸の酸化がグルコースの酸化よりも有利となる。心臓組織における代謝調節剤の有益な効果は、酸素1モルあたりのATPの有効性が脂肪酸に比べてグルコースで高まることで、より重要なことには、解糖とグルコース酸化の結合が増大することにより、虚血組織におけるプロトン負荷の正味の低下が起こる。
【0007】
いくつかの臨床および実験的研究から、心臓におけるエネルギー代謝のグルコース酸化へのシフトは、これに限定されるわけではないが心筋虚血などの心血管疾患に伴う症状を軽減するための有効なアプローチであることが示されている(Hearse、「虚血性心疾患とその管理への代謝的アプローチ(Metabolic approaches to ischemic heart disease and its management)」、Science Press(非特許文献17))。いくつかの臨床的に証明された、ペルヘキシリンおよびアミオダロンを含む抗狭心症薬は、CPT-Iの阻害を介して脂肪酸の酸化を阻害する(Kennedyら、Biochem. Pharmacology, 52: 273 (1996)(非特許文献18))。抗狭心症薬のラノラジン(現在第III相試験中)およびトリメタジジンは、脂肪酸のβ-酸化を阻害することが判明している(McCormackら、Genet. Pharmac. 30: 639 (1998)(非特許文献19)、Pepineら、Am. J. Cardiology 84: 46 (1999)(非特許文献20))。トリメタジジンは、脂肪酸酸化の基本的段階である長鎖3-ケトアシルCoAチオラーゼを特異的に阻害することが明らかにされている(Kantorら、Circ. Res. 86: 580-588 (2000)(非特許文献21))。ジクロロ酢酸塩はピルビン酸脱水素酵素複合体を刺激することによりグルコース酸化を増大させ、冠動脈疾患の患者で心臓機能を改善する(Wargovichら、Am. J. Cardiol. 61: 65-70 (1996)(非特許文献22))。MCD阻害剤でマロニル-CoAレベルを高めることによってCPT-I活性を阻害すると、心血管疾患の予防および治療にとって、新規であるだけでなく、他の公知の小分子CPT-I阻害剤に比べてはるかに安全な方法が得られると考えられる。
【0008】
グリセロール-脂質合成に関与する段階のほとんどは、肝小胞体(ER)膜の細胞質ゾル側で起こる。ER内での分泌を標的とする、ジアシルグリセロール(DAG)およびアシルCoAからのトリアシルグリセロール(TAG)の合成は、ER膜を通過するアシルCoA輸送に依存している。この輸送は、マロニル-CoA感受性アシル-CoA転移酵素活性に依存している(Zammit、Biochem. J. 343: 505 (1999)(非特許文献23);Abo-Hashema、Biochem. 38: 15840 (1999)(非特許文献24)およびAbo-Hashema、J. Biol. Chem. 274: 35577 (1999)(非特許文献25))。MCD阻害剤によるTAG生合成の阻害は、血中脂質プロフィールを改善し、したがって患者の冠動脈疾患のリスクを低減する可能性がある。
【0009】
糖尿病:
糖尿病に最もよく付随する二つの代謝性合併症は、肝のケトン体過剰産生(NIDDMにおいて)および持続性のグルコースレベル上昇に伴う臓器毒性である。脂肪酸酸化の阻害は、血糖値を調節し、II型糖尿病のいくつかの症状を寛解することができる。CPT-Iのマロニル-CoA阻害は、低インスリン-高グルカゴン血症状態発症中の脂肪酸酸化速度を制御する最も重要な調節機構である。いくつかの不可逆的および可逆的CPT-I阻害剤が、その血糖値を制御する能力について評価されており、これらはすべて決まって血糖降下性である(Anderson、Current Pharmaceutical Design 4: 1 (1998)(非特許文献26))。肝特異的かつ可逆的なCPT阻害剤であるSDZ-CPI-975は、18時間絶食させた健常な非ヒト霊長類およびラットで、心肥大を引き起こすことなくグルコースレベルを著しく低下させる(Deemsら、Am. J. Physiology 274: R524 (1998)(非特許文献27))。マロニル-CoAは膵β-細胞におけるグルコースおよび脂肪酸の相対的利用可能性のセンサーとしての重大な役割を果たしており、したがってグルコース代謝を細胞のエネルギー状態およびインスリン分泌に連結している。インスリン分泌促進物質がβ-細胞におけるマロニル-CoA濃度を高めることが明らかにされている(Prentkiら、Diabetes 45: 273 (1996)(非特許文献28))。しかし、糖尿病をCPT-I阻害剤で直接治療することは、機構に基づく肝および心筋毒性の原因となっている。したがって、CPT-Iをその内因性阻害物質、マロニル-CoAの増加を通じて阻害するMCD阻害剤は、糖尿病性疾患の治療のために、CPT-I阻害剤と比べて安全かつ優れている。
【0010】
癌:
マロニル-CoAは、ヒト乳癌細胞および異種移植片において脂肪酸合成酵素阻害により誘導される細胞毒性の媒介物質である可能性が示唆されている(Pizerら、Cancer Res. 60: 213 (2000)(非特許文献29))。抗腫瘍抗生物質セルレニンまたは合成類縁体C75を用いての脂肪酸合成酵素の阻害は、乳癌細胞のマロニル-CoAレベルを著しく上昇させることが判明している。一方、アセチル-CoAカルボキシラーゼ(ACC)のレベルでのみ阻害する、脂肪酸合成阻害剤TOFA(5-(テトラデシロキシ)-2-フロン酸)は、抗腫瘍活性は全く示さないが、同時にマロニル-CoAレベルは対照の60%に低下する。マロニル-CoAレベルの上昇はこれらの脂肪酸合成酵素阻害剤の抗腫瘍活性を担っていると考えられる。MCD阻害剤を用いてマロニル-CoAレベルを調節することは、したがって、癌性疾患治療のための価値ある治療戦略となる。
【0011】
肥満:
マロニル-CoAはニューロペプチドY経路の阻害により、脳の食欲シグナリングにおいて主要な役割を果たすことが示唆されている(Loftusら、Science 288: 2379 (2000)(非特許文献30))。脂肪酸合成酵素(FAS)阻害剤セルレニンまたはC75によるマウスの全身または脳室内治療は、摂食阻害および劇的な体重減少を引き起こした。C75は海馬において摂食亢進性(prophagic)シグナルニューロペプチドYの発現を阻害し、マロニル-CoAによって仲介されると考えられるレプチン非依存性の様式で作用することが判明した。したがって、MCDの阻害を通じてのマロニル-CoAレベルの制御は、肥満の予防および治療への新規アプローチを提供する。
【0012】
心血管疾患、糖尿病、癌または肥満の治療のためのMCD阻害剤の設計は、文献で報告されていない。本発明者らにより、ヘキサフルオロイソプロパノールもしくはトリフルオロメチルケトンまたは類似の部分を含む新規な一連の化合物が見いだされ、そのメンバーは強力なMCD阻害剤である。インビトロおよびインビボの両方で試験した化合物は、マロニル-CoA脱炭酸酵素活性を阻害し、体内のマロニル-CoA濃度を上昇させる。加えて、例として、単離灌流ラット心臓アッセイにおいて、選択された化合物は対照と比べてグルコース酸化の有意な増大を引き起こす(McNeill、「心血管機能の測定(Measurement of Cardiovascular Function)」、CRC Press、1997(非特許文献31))。
【0013】
有利なことに、本発明の化合物1aなどの好ましい化合物は、代謝シフトにおいてラノラジンまたはトリメタジジンなどの公知の代謝調節剤よりも顕著な作用を有する。本発明の化合物およびこれらの化合物を含む薬学的組成物は、したがって、医学、特に様々な心血管疾患、糖尿病、癌および肥満の予防、管理および治療において有用である。
【0014】
加えて、これらの化合物は、MCD欠損または機能不全に関連する疾患の診断ツールとしても有用である。
【非特許文献1】Anら、J. Biochem. Mol. Biol. 32: 414-418 (1999)
【非特許文献2】Bucknerら、Arch. Biochem. Biophys 177: 539 (1976)
【非特許文献3】KimおよびKolattukudy、Arch. Biochem. Biophys 190: 585 (1978)
【非特許文献4】KimおよびKolattukudy、Arch. Biochem. Biophys. 190: 234 (1978)
【非特許文献5】KimおよびKolattukudy、Biochim. Biophys, Acta 531: 187 (1978)
【非特許文献6】Voilleyら、Biochem. J. 340: 213 (1999)
【非特許文献7】Jangら、J. Biol. Chem. 264: 3500 (1989)
【非特許文献8】Gaoら、J. Lipid. Res. 40: 178 (1999)
【非特許文献9】Sackstederら、J. Biol. Chem. 274: 24461 (1999)
【非特許文献10】FitzPatrickら、Am. J. Hum. Genet. 65: 318 (1999)
【非特許文献11】Zammit、Biochem. J. 343: 5050-515 (1999)
【非特許文献12】AlamおよびSaggerson、Biochem J. 334: 233-241 (1998)
【非特許文献13】Dyckら、Am J Physiology 275: H2122-2129 (1998)
【非特許文献14】McGarryおよびBrown、Eur. J. Biochem. 244: 1-14 (1997)
【非特許文献15】Fraserら、FEBS Lett. 446: 69-74 (1999)
【非特許文献16】Randleら、Lancet, 1: 785-789 (1963)
【非特許文献17】Hearse、「虚血性心疾患とその管理への代謝的アプローチ Metabolic approaches to ischemic heart disease and its management)」、Science Press
【非特許文献18】Kennedyら、Biochem. Pharmacology, 52: 273 (1996)
【非特許文献19】McCormackら、Genet. Pharmac. 30: 639 (1998)
【非特許文献20】Pepineら、Am. J. Cardiology 84: 46 (1999)
【非特許文献21】Kantorら、Circ. Res. 86: 580-588 (2000)
【非特許文献22】Wargovichら、Am. J. Cardiol. 61: 65-70 (1996)
【非特許文献23】Zammit、Biochem. J. 343: 505 (1999)
【非特許文献24】Abo-Hashema、Biochem. 38: 15840 (1999)
【非特許文献25】Abo-Hashema、J. Biol. Chem. 274: 35577 (1999)
【非特許文献26】Anderson、Current Pharmaceutical Design 4: 1 (1998)
【非特許文献27】Deemsら、Am. J. Physiology 274: R524 (1998)
【非特許文献28】Prentkiら、Diabetes 45: 273 (1996)
【非特許文献29】Pizerら、Cancer Res. 60: 213 (2000)
【非特許文献30】Loftusら、Science 288: 2379 (2000)
【非特許文献31】McNeill、「心血管機能の測定(Measurement of Cardiovascular Function)」、CRC Press、1997
【発明の開示】
【0015】
発明の概要
本発明は、式(I)に示す新規化合物、これらの化合物を含む新規薬学的組成物ならびに代謝性疾患およびMCD阻害によって調節される疾患の予防、管理および治療のための方法を提供する。本発明の化合物は、マロニル-CoA調節グルコース/脂肪酸代謝経路に関与する疾患の予防、管理および治療のために有用である。特に、これらの化合物およびこれらの化合物を含む薬学的組成物は、心血管疾患、糖尿病、癌および肥満の予防、管理および治療において必要とされる。本発明の新規化合物および組成物に加えて、本発明の化合物調製のために有用な中間体および方法も、本発明の範囲内に含まれる。
【0016】
本発明の範囲内には、MCD欠損または機能不全に関連する疾患を検出するための診断法も含まれる。
【0017】
本発明の化合物は下記の一般構造(I)
【化43】

(式中、R1、R2、A、m、X、Y、およびZは下記に定義されるとおりである)
、それらのプロドラッグ、および薬学的に許容される塩である。本発明の他の局面は本発明の説明を続けるうちに明らかになると思われる。したがって、前記は単に本発明の特定の局面の概要を示しているにすぎず、いかなる様式でも本発明を限定することを意図するものではなく、本発明を限定すると解釈されるべきでもない。
【0018】
発明の詳細な説明
下記の本発明の詳細な説明は、網羅的であること、または開示する正確な詳細に本発明を限定することを意図してはいない。これは、他の当業者に本発明の詳細を十分に説明するために選択され、記載されたものである。
【0019】
本発明の化合物は、下記の一般構造(I)、そのプロドラッグおよび薬学的に許容される塩で表される:
【化44】

(式中
R1はハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、チオール、置換チオール、スルホニル、スルフィニル、ニトロ、シアノ、アミノ、置換アミノ、C1〜C6アルキルおよびC1〜C6アルコキシから独立に選択され、R1がヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、チオール、置換チオール、アミノ、置換アミノ、またはC1〜C6アルキルである場合、そのような遊離基は、R1がR2に対してオルトである場合にはR2と共に5〜7員環を形成してもよく;
R2はNR3C(S)NR4R5、NR3C(=NR3)NR4R5、NR3C(=NCN)NR4R5、NR3C(=CHNO2)NR4R5、NR3P(O)R4R5、NR3P(O)(OR4)(OR5)、NR3P(O)(OR4)(NR5)、NR3P(O)(NR4)(NR5)、NR3C(=NR3)R6、COR6、R6C(OH)R7、CR8=NOR4、CR8=NR3、CR8=NNR4R5、SOR7、SO2R7、P(O)(OR4)(OR5)、P(O)(R4)(R5)、P(O)(OR4)(OR5)、P(O)(NR3)(OR4)、P(O)(NR4)(NR5)、O、N、またはSから選択される0から三個のヘテロ原子を含む3〜7員環から選択され、これらは下記の基
【化45】

【化46】

【化47】

【化48】

を除いてR9、R10、R11、R12もしくはR13で置換されていてもよく、またはR1がR2に対してオルトである場合にはR1と共に5〜7員環を形成してもよく;
R3は水素、アルキル、アリール、ヘテロシクリル、アシルであるか、またはR4もしくはR5と共に5〜7員環を形成してもよく;
R4は水素、アルキル、アリール、ヘテロシクリル、アシルであるか、またはR5もしくはR3と共に5〜7員環を形成してもよく;
R5は水素、アルキル、アリール、もしくはヘテロシクリル、アシルであるか、またはR3もしくはR4と共に5〜7員環を形成してもよく;
R6およびR7は同じでも異なっていてもよく、水素、アルキル、アリール、またはヘテロシクリルから選択され;
R8は水素、アルキル、アリール、ヘテロシルシル、アミノまたは置換アミノであり;
R9、R10、R11およびR12は同じでも異なっていてもよく、水素、アルキル、アリール、ヘテロシクリル、ニトロ、シアノ、カルボン酸、エステル、アミド、ハロ、ヒドロキシル、アミノ、置換アミノ、アルコキシ、アシル、ウレイド、スルホンアミド、スルファミド、スルホニル、スルフィニル、またはグアナジニルから選択され;
R13は水素、アルキル、アリール、ヘテロシクリル、アシル、エステル、スルホニル、ウレイド、またはグアナジニルであり;
AはO、S、またはNR3であり;
mは0から4であり;
XはH、CF2Z、もしくはCF3であるか、またはAがOである場合にはYと共に二重結合を形成し;
Yは水素であるか、またはAがOである場合にはXと共に二重結合を形成し;
ZはF、Br、Cl、IまたはCF3である)。化合物(I)の鏡像異性体、ジアステレオ異性体、または互変異性体も本発明に含まれる。
【0020】
好ましくは、本発明の化合物は下記の一般構造(IaおよびIb)
【化49】

【化50】

(式中、R1、R2、A、m、X、Y、およびZは前述の定義のとおりである)
を有する。
【0021】
より好ましい化合物は、下記の一般構造(IcおよびId)
【化51】

【化52】

(式中、R2は前述の定義のとおりであり、R1は水素、ハロ、ヒドロキシル、またはシアノ基である)
で示される。
【0022】
さらにより好ましい態様は、R2が下記の基
【化53】

【化54】

【化55】

【化56】

【化57】

【化58】

【化59】

【化60】

【化61】

【化62】

【化63】

【化64】

(式中、R3、R4、R5、R6、R7、およびR8は前述の定義のとおりである)
から選択される、化合物IcおよびIdに関する。
【0023】
さらにより好ましい態様は、R2が二個から三個のヘテロ原子を含む5員複素環である、化合物IcおよびIdに関する。5員複素環には、以下に例示されるイミダゾール/イミダゾリン、ピラゾール/ピラゾリン、チアゾール、オキサゾール、イソキサゾール、イソキサゾリン、トリアゾール、チアゾリドン、イミダゾリドンが含まれる:
【化65】

【化66】

【化67】

【化68】

【化69】

【化70】

【化71】

【化72】

【化73】

【化74】

【化75】

【化76】

【化77】

【化78】

【化79】

(式中、R9、R10、およびR13は前述の定義のとおりである)。
【0024】
定義
本明細書において用いられる「アルキル」とは、メチル、ペンチル、およびアダマンチルなどの、炭素および水素のみを含む環状、分枝状、または直鎖化学基を意味する。アルキル基は無置換でもよく、または、本発明の目的のために必要であれば、保護基で適当にブロックされていてもよい、一つもしくは複数の置換基、例えばハロゲン、アルコキシ、アシルオキシ、アミノ、アミド、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、カルボキシ、カルボニル、ベンジルオキシ、アリール、ヘテロアリール、もしくは他の官能基で置換されていてもよい。アルキル基は飽和でもよく、または一つまたは複数の位置で不飽和(例えば、-C=C-または-C≡C-サブユニットを含んでいる)でもよい。典型的には、アルキル基は1個から12個の炭素原子、好ましくは1個から10個、より好ましくは1個から8個の炭素原子または3個から8個の炭素を含む環状基を含むことになる。
【0025】
本明細書において用いられる「低級アルキル」とは、アルキルのサブセットを意味し、したがって直鎖状、環状または分枝状である炭化水素置換基である。好ましい低級アルキルは、炭素1個から約6個のものであり、分枝状でも直鎖状でもよく、その構造の一部または全体として環状置換基を含んでいてもよい。低級アルキルの例には、ブチル、プロピル、イソプロピル、エチル、およびメチルが含まれる。同様に、「低級」という用語を用いる遊離基は、遊離基のアルキル部分に好ましくは1個から約6個の炭素を有する遊離基を意味する。
【0026】
本明細書において用いられる「アミド(amido)」とは、H-CON-またはアルキル-CON-、アリール-CON-もしくはヘテロシクリル-CON基を意味し、ただしアルキル、アリールまたはヘテロシクリル基は本明細書に記載されている。
【0027】
本明細書において用いられる「アリール」とは、選択的に無置換でもよく、またはアミノ、シアノ、ヒドロキシル、低級アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ニトロ、ハロ、メルカプト、および他の置換基で置換されていてもよく、かつ一つまたは複数のヘテロ原子を含んでいても含んでいなくてもよい、単環(例えばフェニル)または複数の縮合環(例えばナフチルまたはアントリル)を有する置換または無置換芳香族遊離基を意味する。好ましい炭素環アリールはフェニルである。「ヘテロアリール」という用語は明らかに「アリール」に含まれることが意図される。好ましくはアリールという用語が複素環を表す場合、これを「ヘテロアリール」と呼び、一つまたは複数のヘテロ原子を有する。好ましいのは5または6員の単環式複素環である。したがって、好ましいヘテロアリールは、単一の環を有し、かつ環内にN、O、またはSなどの少なくとも1個のヘテロ原子を有する一価の不飽和芳香族基であって、選択的に無置換でもよく、またはアミノ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アリール、ハロ、メルカプト、オキソ(したがってカルボニルを形成している)、および他の置換基で置換されていてもよい。ヘテロアリールの例には、チエニル、ピリジル、フリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、ピロリル、イミダゾリル、トリアゾリル、チオジアゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、チアジアゾリル、ピラニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル、チアゾリルなどが含まれる。
【0028】
本定義において、アリール環上の置換は本発明の範囲内であることが明らかに意図される。置換が起こったら、遊離基は置換アリールと呼ばれる。アリール環上では、好ましくは一つから三つ、より好ましくは一つまたは二つ、最も好ましくは一つの置換が起こる。5員環における好ましい置換パターンは、特許請求されている分子への結合に対して2位に置換される。多くの置換基が有用であると考えられるが、好ましい置換基にはアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノ、ニトロ、ハロ、ハロアルキル、メルカプトなどの、アリール化合物で一般的に見られるものが含まれる。
【0029】
本明細書において用いられる「アミド(amide)」とは、RNR'CO-(R=アルキルの場合、アルカミノカルボニル-)およびRCONR'-(R=アルキルの場合、アルキルカルボニルアミノ-)の両方を含む。
【0030】
本明細書において用いられる「エステル」という用語は、ROCO-(R=アルキルの場合、アルコキシカルボニル-)およびRCOO-(R=アルキルの場合、アルキルカルボニルオキシ-)の両方を含む。
【0031】
本明細書において用いられる「アシル」とは、H-CO-またはアルキル-CO-、アリール-CO-もしくはヘテロシクリル-CO基を意味し、ただしアルキル、アリールまたはヘテロシクリル基は本明細書に記載されている。好ましいアシルは低級アルキルを含む。例示的アルキルアシル基には、ホルミル、アセチル、プロパノイル、2-メチルプロパノイル、1-ブチルアセチル、ブタノイルおよびパルミトイルが含まれる。
【0032】
本明細書において用いられる「ハロ」とは、クロロ、ブロモ、フルオロまたはヨード原子の遊離基である。クロロ、ブロモおよびフルオロが好ましいハロゲン化物である。「ハロ」という用語は、時に「ハロゲン」または「ハロゲン化物」と呼ばれる用語も意図する。
【0033】
本明細書において用いられる「ハロアルキル」とは、一つまたは複数のクロロ、ブロモ、フルオロまたはヨード原子で置換された直鎖状もしくは分枝状または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニルである炭化水素置換基を意味する。これらの中で最も好ましいものは、一つまたは複数の水素原子がフルオロで置換されているフルオロアルキルである。好ましいハロアルキルは、長さが炭素1個から約5個のものである。より好ましいハロアルキルは炭素1個から約4個、最も好ましいものは炭素1個から3個の長さである。当業者であれば、本明細書において用いられる「ハロアルキレン」とはハロアルキルのジラジカル変種を意味し、そのようなジラジカルはラジカル間、他の原子間、または親となる環と他の官能基との間のスペーサーとしてはたらきうることを理解すると思われる。例えば、リンカーCHF-CHFはハロアルキレンジラジカルである。
【0034】
本明細書において用いられる「ヘテロシクリル」とは、飽和または不飽和の複素環遊離基を意味する。これらは置換されていても、無置換でもよく、任意の可能な原子価、好ましくは任意の可能な炭素または窒素を介して他と結合される。より好ましい複素環は5または6員環のものである。6員非芳香族単環式複素環において、一つまたは複数のヘテロ原子が1個から3個までのO、NまたはSから選択され、複素環が5員非芳香族である場合、この環は好ましくはO、N、またはSから選択される1個または2個のヘテロ原子を有する。
【0035】
本明細書において用いられる「置換アミノ」とは、一つまたは二つのアルキル、アリール、またはヘテロシクリル基で置換されたアミノ遊離基を意味し、ただしアルキル、アリールまたはヘテロシクリル基は上記で定義されている。
【0036】
本明細書において用いられる「置換チオール」とは、Rがアルキル、アリール、またはヘテロシクリル基であるRS基を意味し、ただしアルキル、アリールまたはヘテロシクリル基は上記で定義されている。
【0037】
本明細書において用いられる「スルホニル」とは、アルキルSO2、アリールSO2、またはヘテロシクリル-SO2基を意味し、ただしアルキル、アリールまたはヘテロシクリル基は上記で定義されている。
【0038】
本明細書において用いられる「スルファミド」とは、アルキル-N-S(O)2N-、アリール-NS(O)2N-またはヘテロシクリル-NS(O)2N基を意味し、ただしアルキル、アリールまたはヘテロシクリル基は本明細書に記載されている。
【0039】
本明細書において用いられる「スルホンアミド」とは、アルキル-S(O)2N-、アリール-S(O)2N-またはヘテロシクリル-S(O)2N基を意味し、ただしアルキル、アリールまたはヘテロシクリル基は本明細書に記載されている。
【0040】
本明細書において用いられる「ウレイド」とは、アルキル-NCON-、アリール-NCON-またはヘテロシクリル-NCON基を意味し、ただしアルキル、アリールまたはヘテロシクリル基は本明細書に記載されている。
【0041】
本明細書において用いられる「遊離基」とは本明細書に記載のもう一つの遊離基と環を形成することができる。そのような遊離基が結合する場合、当業者であれば、そのような場合に条件を満たさない原子価はないが、特定の置換、例えば水素への結合が形成されることを理解すると思われる。したがって、特定の遊離基が共に環を形成すると記載することができる。当業者であれば、そのような環は通常の化学反応によって形成することができ、また容易に生成することを理解すると思われ、そのような環およびそれらの形成法を構想することはいずれも、当業者の認識範囲内である。好ましいものは、3〜7員、より好ましくは5または6員の環である。本明細書において用いられる「環」または「(複数の)環」という用語は、二つの遊離基の組み合わせによって形成される場合、複素環または炭素環遊離基と呼ばれ、そのような遊離基は飽和、不飽和、または芳香族でありうる。例えば、好ましい複素環系には、モルホリニル、ピペルジニル、イミダゾリル、ピロリジニル、およびピリジニルなどの複素環が含まれる。
【0042】
当業者であれば、本明細書に記載のいくつかの構造は、動力学的にそのような構造は一つまたは複数のそのような化合物の試料のほんのわずかな部分にすぎないことが理解される場合でも、他の化学構造で適切に表すことができる化合物の共鳴型または互変異性体でありうることを理解すると思われる。そのような共鳴型または互変異性体は本明細書に示されていないが、そのような化合物は本発明の範囲内であることが明らかに意図される。例えば、下位構造
【化80】

【化81】

は明らかに同じ遊離基を表しており、いずれかへの言及は明らかに他方を意図している。加えて、下記の化合物は、Rが生物学的プロセスによってインサイチューで除去可能である場合には、プロドラッグを表しうる。
【化82】

【化83】

【0043】
本明細書の化合物および組成物は、薬学的に許容されるカチオンまたはアニオンいずれの塩も特に意図する。「薬学的に許容される塩」とは、任意の酸性(例えばカルボキシル)基で形成されるアニオン塩、または任意の塩基性(例えばアミノ)基で形成されるカチオン塩である。1987年9月11日公開のJohnstonらの国際特許公開第87/05297号(参照として本明細書に組み入れられる)に記載されたとおり、多くのそのような塩が当技術分野において公知である。酸性基で形成可能な塩の好ましい対イオンには、アルカリ金属塩(ナトリウムおよびカリウムなど)およびアルカリ土類金属塩(マグネシウムおよびカルシウムなど)ならびに有機塩などの塩のカチオンが含まれうる。塩基性部位で形成可能な好ましい塩には、ハロゲン化物(塩化物塩など)などのアニオンが含まれる。当然のことながら、当業者であれば、多数の様々な塩を用いることができ、この様式において有用な有機または無機塩いずれの例も文献中に報告されていることを承知していると思われる。
【0044】
本発明の化合物は、当技術分野において理解されているとおり、生体加水分解可能なプロドラッグとして提供しうることも明らかに意図される。本明細書において用いられる「プロドラッグ」とは、生物において生物学的プロセスに曝露されると、加水分解、代謝、誘導体化などを受けて所望の活性を有する活性物質を生じる任意の化合物である。当業者であれば、プロドラッグはプロドラッグとしていかなる活性を有していても有していなくてもよいことを理解すると思われる。本明細書に記載のプロドラッグは、安全かつ有効な量で投与した場合に、治療する被検者に対して有害な作用は持たないことが意図される。これらには、例えば、生体加水分解可能なアミドおよびエステルが含まれる。「生体加水分解可能なアミド」とは、化合物の活性を基本的に妨害しないか、あるいは細胞、組織、またはヒト、哺乳動物、もしくは動物被検者によってインビボで容易に変換されて本発明の活性化合物を生じるアミド化合物である。「生体加水分解可能なエステル」とは、これらの化合物の活性を妨害しないか、または動物によって容易に変換されて活性な式(I)の化合物を生じる、本発明のエステル化合物を意味する。そのような生体加水分解可能なプロドラッグは、当業者には理解され、規制ガイドラインに組み込まれている。
【0045】
本発明の化合物は光学中心を含みうるため、本明細書において言及される「光学異性体」、「立体異性体」、「鏡像異性体」、「ジアステレオマー」とは当技術分野において認められている標準的な意味を有し(「ハウリーの縮合化学辞典(Hawleys Condensed Chemical Dictionary)」第11版参照)、ラセミ体、またはそれらの光学異性体、立体異性体、鏡像異性体、ジアステレオマーのいずれとしてでも、特許請求されている化合物に含まれる。
【0046】
本明細書において用いられる「心血管疾患」には、不整脈、心房細動、うっ血性心不全、冠動脈疾患、高血圧、心筋梗塞、卒中、心室細動、その他の中でも特に狭心症などの心血管虚血および心血管系内の代謝シフトによって治療可能な状態が含まれる。
【0047】
本明細書において用いられる「代謝性疾患」という用語は、代謝の誤り、代謝における不均衡、または最適以下の代謝が起こる哺乳動物の障害を意味する。本明細書において用いられる代謝性疾患は、疾患自体は特定の代謝阻害が原因であっても、原因でなくてもよいが、代謝の調節を通じて治療することができる疾患も意図する。特に、そのような代謝性疾患は、グルコースおよび脂肪酸酸化経路に関与している。さらに詳細には、そのような代謝性疾患はMCDに関与するか、またはマロニルCoAのレベルによって調節される。これらの状態は全て、本明細書において「MCDまたはMCA関連障害」と総称する。
【0048】
組成物
本発明の組成物は下記を含む:
(a)MCD阻害化合物(I)、そのプロドラッグまたは薬学的塩の安全かつ治療的に有効な量;および
(b)薬学的に許容される担体。
【0049】
前述のとおり、多くの疾患がMCD関連療法によって仲介されうる。したがって、本発明の化合物はこのMCD活性に関与する状態に関する治療法において有用である。
【0050】
したがって、本発明の化合物はこれらの状態の予防、管理および治療において用いるための薬学的組成物に製剤することができる。「レミントンの薬学(Remington's Pharmaceutical Sciences)」、Mack Publishing Company、ペンシルバニア州イーストンに開示されているものなどの、標準的な薬学的製剤法を用いる。
【0051】
本発明の化合物の「安全かつ治療的に有効な量」とは、本発明の様式で用いた場合に、被検者、組織、または細胞、好ましくは動物、より好ましくは哺乳動物において、過度の有害副作用(毒性、刺激、またはアレルギー反応など)なく、妥当な利益/危険比に見合った、一つまたは複数の活性部位でMCDを阻害するのに有効な量である。具体的な「安全かつ治療的に有効な量」とは、治療中の特定の状態、患者の身体状態、治療期間、併用療法があればその性質、用いる具体的剤形、用いる担体、その中での化合物の溶解性、および組成物にとって望ましい投与法などの因子に応じて変動することが明らかである。
【0052】
本発明の化合物に加えて、本発明の組成物は薬学的に許容される担体を含む。本明細書において用いられる「薬学的に許容される担体」という用語は、哺乳動物への投与に適した、一つまたは複数の適合性の固体または液体充填希釈剤またはカプセル化物質を意味する。本明細書において用いられる「適合性」という用語は、組成物の複数の成分が本発明の化合物と、および互いに、通常の使用状態で組成物の薬学的有効性を実質的に低下させる相互作用がないような様式で、混合可能であることを意味する。薬学的に許容される担体は、当然のことながら、それらが治療中の好ましくは動物、好ましくは哺乳動物への投与に適するように、十分に高純度で、十分に低毒性でなければならない。
【0053】
薬学的に許容される担体またはその成分として役立ちうる物質のいくつかの例は、乳糖、グルコース、およびショ糖などの糖類;トウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプンなどのデンプン;カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、およびメチルセルロースなどのセルロースおよびその誘導体;トラガカント末;麦芽;ゼラチン;タルク;ステアリン酸およびステアリン酸マグネシウムなどの固体滑沢剤;硫酸カルシウム;落花生油、綿実油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油およびカカオ脂などの植物油;プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、およびポリエチレングリコールなどのポリオール;アルギン酸;トゥイーンなどの乳化剤;ラウリル硫酸ナトリウムなどの湿潤剤;着色剤;着香剤;錠剤化剤、安定化剤;抗酸化剤;保存剤;発熱性物質を含まない水;等張食塩水;ならびにリン酸緩衝溶液である。
【0054】
本発明の化合物と共に用いるための薬学的に許容される担体の選択は、基本的に化合物を投与する方法によって決定される。
【0055】
本発明の化合物を注射する場合、好ましい薬学的に許容される担体は、pHを約7.4に調節した、血液適合性懸濁化剤を含む滅菌生理食塩水である。特に、全身投与のための薬学的に許容される担体には、糖類、デンプン、セルロースおよびその誘導体、麦芽、ゼラチン、タルク、硫酸カルシウム、植物油、合成油、ポリオール、アルギン酸、リン酸緩衝溶液、乳化剤、等張食塩水、および発熱性物質を含まない水が含まれる。非経口投与のために好ましい担体には、プロピレングリコール、オレイン酸エチル、ピロリドン、エタノール、およびゴマ油が含まれる。好ましくは、非経口投与のための組成物中の薬学的に許容される担体は、全組成物の少なくとも約90重量%を構成する。
【0056】
本発明の組成物は、好ましくは、単位投与剤形で提供される。本明細書において用いられる「単位投与剤形」とは、適正な医学的基準に従い、動物、好ましくは哺乳動物被検者に、一回で投与するのに適した化合物の量を含む、本発明の組成物である。(しかし、一回または単位投与剤形の調製は、その剤形が一日一回または一治療クールにつき一回投与されることを意味するものではない。単回投与が特に除外されることはないが、そのような剤形は一日あたり一回、二回、三回またはそれ以上投与されることが意図され、一治療クール中に複数回投与されることが予想される。当業者であれば、製剤は全治療クールを特に意図するものではなく、そのような決定は製剤よりも治療分野の技術者にまかされることを理解すると思われる。)これらの組成物は好ましくは約5mg(ミリグラム)から、より好ましくは約10mgから約1000mgまで、より好ましくは約500mgまで、最も好ましくは約300mgまでの選択された化合物を含む。
【0057】
本発明の組成物は、(例えば)経口、鼻内、直腸内、局所(経皮を含む)、眼内、脳内、静脈内、筋肉内、または非経口投与に適した様々な剤形のいずれであってもよい。(当業者であれば、経口および鼻内組成物は吸入によって投与され、利用可能な方法を用いて調製される組成物を含むことを理解すると思われる。)望ましい特定の投与経路に応じて、当技術分野において公知の様々な薬学的に許容される担体を用いることができる。これらには固体または液体の充填剤、希釈剤、水溶性増大物質(hydrotropies)、界面活性剤、およびカプセル化物質が含まれる。化合物の阻害活性を実質的に妨害しない、自由選択の薬学的活性物質が含まれていてもよい。化合物と共に用いる担体の量は、化合物の単位用量あたりの投与のための物質の実用量を提供するのに十分な量である。本発明の方法において有用な剤形を調製するための技法および組成物は下記の引用文献に記載されており、これらはすべて参照として本明細書に組み入れられる:「現代の薬剤学(Modern Pharmaceutics)」、第9章および第10章(BankerおよびRhodes編、1979);Liebermanら、「医薬品の剤形:錠剤(Pharmaceutical Dosage Forms: Tablets)」(1981):およびAnsel、「医薬品剤形概論(Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms)」第2版(1976)。
【0058】
錠剤、カプセル剤、粒剤および原薬粉末などの固体剤形を含む、様々な経口剤形を用いることができる。これらの経口剤形は安全かつ有効な量、通常は少なくとも約5%、好ましくは約25%から約50%の化合物を含む。錠剤は、適当な結合剤、滑沢剤、希釈剤、崩壊剤、着色剤、着香剤、流動性誘導剤(flow-inducing agents)、および融解剤を含む、圧縮錠剤、湿製錠剤、腸溶錠、糖衣錠、フィルムコーティング錠、または多重圧縮錠剤であってもよい。液体経口剤形には、適当な溶媒、保存剤、乳化剤、懸濁化剤、希釈剤、甘味料、融解剤、着色剤および着香剤を含む、水溶液、乳剤、懸濁剤、非発泡性粒剤から再構成された溶液および/または懸濁剤、ならびに発泡性粒剤から再構成された発泡性製剤が含まれる。
【0059】
経口投与用の単位投与剤形の調製に適した薬学的に許容される担体は、当技術分野において公知である。錠剤は典型的には、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、マンニトール、乳糖およびセルロースなどの不活性希釈剤;デンプン、ゼラチンおよびショ糖などの結合剤;デンプン、アルギン酸およびクロスカルメロースなどの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸およびタルクなどの滑沢剤としての通常の薬学的適合性補助剤を含む。混合粉末の流動特性を改善するために、二酸化ケイ素などの流動促進剤を用いることもできる。外観のために、FD&C色素などの着色剤を加えることもできる。アスパルテーム、サッカリン、メントール、ペパーミント、およびフルーツ風味などの甘味料および着香剤は、咀嚼錠のための有用な補助剤である。カプセルは典型的には、一つまたは複数の前述の固体希釈剤を含む。担体成分の選択は、味、費用、および貯蔵中の安定性などの二次的考察に依存するが、これらは本発明の目的のためには重大ではなく、当業者であれば容易に行うことができる。
【0060】
経口組成物には液剤、乳剤、懸濁剤なども含まれる。そのような組成物の調製に適した薬学的に許容される担体は、当技術分野において公知である。シロップ剤、エリキシル剤、乳剤および懸濁剤用の担体の典型的成分には、エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、液状ショ糖、ソルビトールおよび水が含まれる。懸濁剤のために、典型的懸濁化剤には、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、AVICEL RC-591、トラガカントおよびアルギン酸ナトリウムが含まれ;典型的湿潤剤には、レシチンおよびポリソルベート80が含まれ;典型的保存剤には、メチルパラベンおよび安息香酸ナトリウムが含まれる。経口液体組成物は、前述の甘味料、着香剤および着色剤などの一つまたは複数の成分も含むことができる。
【0061】
そのような組成物は、本発明の化合物が所望の局所適用の近くで、または所望の作用を延長するため様々な時間に、消化管内に放出されるように、通常の方法、典型的にはpHまたは時間依存的コーティングによりコーティングされていてもよい。そのような剤形には典型的には、一つまたは複数の酢酸フタル酸セルロース、酢酸フタル酸ポリビニル、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、オイドラギットコーティング、ワックスおよびセラックが含まれるが、これらに限定されることはない。
【0062】
本発明の組成物は選択的に他の活性薬物を含んでいてもよい。
【0063】
本発明の化合物の全身送達を行うために有用な他の組成物には、舌下、口腔内および鼻内剤形が含まれる。そのような組成物は典型的には、ショ糖、ソルビトールおよびマンニトールなどの可溶性充填物質;ならびにアラビアゴム、微結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの結合剤を含む。前述の流動促進剤、滑沢剤、甘味料、着色料、抗酸化剤および着香剤も含むことができる。
【0064】
本発明の組成物は、被検者に局所投与、例えば、被検者の表皮もしくは上皮組織上への組成物の直接適用もしくは散布により、または「パッチ」を介して経皮的に投与することもできる。そのような組成物には、例えばローション、クリーム、液剤、ゲルおよび固形剤が含まれる。これらの局所組成物は、好ましくは安全かつ有効な量、通常は少なくとも約0.1%、好ましくは約1%から約5%の化合物を含む。局所投与に適した担体は、好ましくは持続性フィルムとして皮膚上の適所に残り、発汗または水中への浸漬による除去に抵抗する。一般に、担体は性質上有機物であり、化合物をその中に分散または溶解させることができる。担体は薬学的に許容される軟化剤、乳化剤、増粘剤、溶媒などを含んでいてもよい。
【0065】
投与法
本発明の化合物および組成物は、局所または全身投与することができる。全身適用には、化合物を体の組織内に導入する任意の方法、例えば関節内、くも膜下腔内、硬膜外、筋肉内、経皮、静脈内、腹腔内、皮下、舌下投与、吸入、直腸内、または経口投与が含まれる。本発明の化合物は、経口投与することが好ましい。
【0066】
投与する化合物の具体的用量、ならびに治療期間は、治療担当医師によって個別に配慮されるべきである。典型的には、ヒト成人(体重約70kg)に対しては、一日あたり約5mgから、好ましくは約10mgから約3000mgまで、より好ましくは約1000mgまで、より好ましくは約300mgまでの選択した化合物を投与する。これらの用量範囲は例示のためにすぎず、毎日の投与は前述の因子に応じて調節しうることが理解される。
【0067】
前述のすべてにおいて、当然のことながら、本発明の化合物は単独または混合物として投与することができ、組成物は適応症のために適当な追加の薬物または賦形剤をさらに含むこともできる。例えば、心血管疾患の治療において、本発明はβ遮断薬、カルシウム拮抗薬、ACE阻害剤、利尿薬、アンギオテンシン受容体阻害剤、または既知の心血管治療薬もしくは治療法と共に用いうることが明らかに意図される。したがって、この例では、本発明の新規化合物または組成物は、別の活性物質と共に投与する際に有用であり、単回投与剤形または組成物に組み合わせることができる。
【0068】
組成物は、小さいユニラメラ小胞、大きいユニラメラ小胞、およびマルチラメラ小胞などのリポソーム送達システムの形で投与することもできる。リポソームは、コレステロール、ステアリルアミン、またはホスファチジルコリンなどの様々なリン脂質から形成することができる。
【0069】
本発明の化合物の調製
本発明の化合物を調製する際に用いる出発原料は公知であるか、公知の方法によって調製するか、または市販されている。当業者には、本明細書において特許請求されている化合物に関連する前駆体および官能基を調製する方法は、文献中に一般に記載されていることが明らかであると思われる。当業者は、文献および本開示を読めば、特許請求されているいかなる化合物も調製する能力が十分にあると考えられる。
【0070】
有機化学分野の技術者であれば、これ以上の指示なしに操作を容易に行うことができる、すなわち、これらの操作を行うことは、当業者の領域および技量で十分可能であることが認められる。これらには、カルボニル化合物の対応するアルコールへの還元、酸化、アシル化、求電子および求核両方の芳香族置換、エーテル化、エステル化およびけん化などが含まれる。これらの操作は、March、「上級有機化学(Advanced Organic Chemistry)」(Wiley)、CareyおよびSundberg、「上級有機化学(Advanced Organic Chemistry)」などの標準の教科書に記載されている。
【0071】
当業者であれば、特定の反応は、分子内の他の官能基がマスクまたは保護されている場合に最も良好に進行し、したがっていかなる望ましくない副反応も回避され、かつ/または反応収率が高まることを容易に理解すると思われる。当業者は、そのような収率上昇を達成するため、または望ましくない反応を避けるために、保護基を用いることが多い。これらの反応は文献中に見いだされ、当業者の領域で十分に実施可能でもある。これらの操作の多くの例は、例えば、T. GreeneおよびP. Wuts、「有機合成における保護基(Protecting Groups in Organic Synthesis)」第2版、John Wiley & Sons (1991)に見いだすことができる。
【0072】
下記の例示的スキームは、読者の手引きのために提供され、本明細書において例示される化合物を調製するための好ましい方法を示している。これらの方法は限定的なものではなく、これらの化合物を調製するために他の経路も用いうることが明らかであると思われる。そのような方法には、コンビナトリアルケミストリーを含む固相化学が特に含まれる。当業者は、文献および本開示記載のこれらの方法によりこれらの患者を調製する能力が十分にあると考えられる。
【0073】
【化84】

スキーム1に示すとおり、市販されているか、または文献の方法によって容易に調製されるアニリン誘導体IIを、対応するN置換フェニルヘキサフルオロイソプロパノールアニリン誘導体IIIに変換した。誘導体IIIを対応する尿素IVに変換し、これを続いて標的分子であるチオ尿素(V)に変換した。チオ尿素Vは、化合物IIIから塩化チオカルバモイル中間体を介し、続く一級または二級アミンとの反応によって、直接調製することもできた。上のスキームに示した反応条件下でシアン化物または塩化ホスホリルで処理して、アニリン化合物IIIからそれぞれ対応するグアニジンまたはホスホンアミドを得た。
【0074】
【化85】

同様に、N-フェニルアセトアルデヒドジエチルアセタールからスキーム1に従って調製されるN-フェニルアミノアルデヒドジエチルアセタール(VIII)をチオイソシアン酸エステルと反応させて、対応するチオ尿素アセタール中間体(IX)を得た。中間体のチオイミダゾロン(X)への環化を、酸性条件下、通常のN-アシルイミニウム環化反応に従って達成した。他方、アミノアルコール誘導体(XI)を、チオイソシアン酸エステルとの反応後、酸化(例えば、デス-マーチン(Dess-Martin)酸化)および酸処理することにより、置換チオイミダゾロン(XIII)に変換した(スキーム2)。
【0075】
【化86】

ケトン(XV)、オキシム(XVI)、ヒドラゾン/カルバジド(XX)、アルコール(XIX)およびイソキサゾール/イソキサゾリン/イソキサゾリジン(XVII、XVIII)を含む非環状または環状誘導体を、ワインレブ(Weinreb)アミドXIVから調製される一般的なケトン/アルデヒド中間体(XV)を介して調製した。すなわち、ケトンまたはアルデヒド(XV)のヒドロキシルアミンまたはアルコキシルアミンとの反応により、対応するオキシム(XVI)を得た。その後のアルドキシム(XVI、R3=R4=H)のオレフィンまたはアセチレンとの1,3-双極子反応により、Δ2-イソキサゾリンまたはイソキサゾール誘導体(XVII)を生成した。同様に、アルデヒド中間体(XV)をN-置換ヒドロキシルアミンおよびジエノフィル(オレフィンまたはアセチレン)と処理することにより、イソキサゾリジン(XVIII)に変換した。他方、中間体(XV)を有機リチウムまたはグリニャール試薬で処理して、二級または三級アルコール誘導体(XIX)を得た。または、ケトン中間体XVをヒドラジンと反応させてヒドラゾン(XX)に変換することもできた。
【0076】
【化87】

スキーム4はイソキサゾール関連化合物の調製の概略を示している。すなわち、2-ヒドロキシヘキサフルオロイソプロイル-ブロモベンゼン(XXI)を対応するボロン酸(エステル)に変換し、これをハロゲン化イソキサゾール化合物との鈴木(Suzuki)カップリングに供し、XXIIIまたはXXIVを得た。さらに修飾して、スキーム4に示す化合物XXVからXXIXを得た。
【0077】
【化88】

この型のイソキサゾールおよびピラゾール化合物を調製するための代替合成経路をスキーム5に示している。トリル-ヘキサフルオロ-2-ヒドロキシイソプロパノールXXXをまず一臭素化して対応する臭化ベンジル中間体とし、これを続いてシアン化カリウムと反応させてベンジルニトリル化合物XXXIを生成した。ニトリル化合物をLDAなどの強塩基存在下、エステルと反応させてb-ケトニトリルを得、これをヒドロキシルアミンまたは置換ヒドラジンで処理してアミノイソキサゾールまたはアミノピラゾール(XXXII)を高収率で得た。アミノ基を操作して、アミド、尿素、スルホンアミドおよびチオ尿素などの所望の誘導体を得た。
【0078】
【化89】

対応するイソキサゾリン誘導体をスキーム6に記載の方法に従って調製した。適当なPd触媒およびリガンド存在下、ブロモベンゼン誘導体XXIのケトンとのブーフヴァルト-ハルトヴィヒ反応により、ケトン中間体XXXVIを得た。ケトン生成物のハロゲン化物または等価物によるアルキル化により、アルキル化生成物XXXVIIを得た。アルキル化生成物は、出発物質XXIからブーフヴァルト-ハルトヴィヒの条件を用いて直接調製することもできた。他方、ケトンのアルデヒドとのアルドール反応により中間体XXXVIIIが生じ、これをヒドロキシルアミンと処理することにより、所望のイソキサゾリン生成物XXXIXを得た。
【0079】
【化90】

スキーム7にイミダゾール化合物の合成を示した。安息香酸誘導体XIIIのイソシアン化物、アミンおよびα-ケトアルデヒドとのUgi4成分反応によりβ-ケトアミド中間体XXXIXを得た。β-ケトアミド中間体を酢酸アンモニウム存在下で環化して、所望のイミダゾール化合物XXXXを得た。
【0080】
【化91】

スキーム8にXXXXIIなどの開いた鎖状化合物またはピラゾール/ピラゾリン化合物の調製例を示した。すなわち、アルデヒドXVをクロロヒドラゾンXXXXIなどのハロヒドラゾンに変換し、これをアミンと反応させて開いた鎖状生成物XXXXIIを得るか、またはオレフィンと反応させた場合にはピラゾリン化合物XXXXIIを得た。ピラゾリン化合物は酸化条件下で対応するピラゾールXXXXVに酸化することもできた。
【0081】
【化92】

XXXXVIおよびXXXXVIIなどのリン含有化合物を、臭素化前駆体XXIから調製した。ブロモベンゼン誘導体をNiCl2存在下、亜リン酸エステルとカップリングさせて、リン含有誘導体XXXXVIを得た。パラジウム触媒存在下、ブロモベンゼン誘導体をホスホン酸エステルとカップリングさせて、リン化合物XXXXVIIを得た。
【0082】
【化93】

スキーム10に示すとおり、トリフルオロメチルケトン誘導体を、市販のニトロ安息香酸エステルXXXXVIIIから調製した。ニトロ安息香酸エステルのトリフルオロメチルトリメチルシランとの反応により、所望のトリフルオロメチルケトン官能基が生成された。ニトロ基の還元後、得られたアニリンXXXXIXを通常の条件下でアミド誘導体Lに変換した。アニリドLのアルキル化を間接的な様式で行った。すなわち、Lのトリフルオロメチルケトン官能基をNaBH4で対応するトリフルオロメチルアルコールLIIに還元した。続いてNaH存在下、R4Xでアルキル化させて、アルキル化アニリドLIIとした。アルコール中間体を酸化して、所望のトリフルオロメチルケトン生成物LIIIを得た。
【0083】
生物活性
インビトロMCD阻害アッセイ:
文献に記載されているマロニル-CoA脱炭酸酵素活性アッセイのための分光光度的方法を、高処理量様式でMCD阻害活性アッセイに合わせて改変する(Kolattukudyら、Methods in Enzymology 71: 150 (1981))。下記の試薬を96穴滴定プレートに加える:トリス-HCl緩衝液、20μL;DTE、10μL;l-リンゴ酸塩、20μL;NAD、10μL;NADH、25μL;水、80μL;リンゴ酸脱水素酵素、5μL。これらの内容物を混合し、2分間インキュベートした後、クエン酸シンターゼ5μLを加える。化合物と、続いてラット心臓から調節したマロニル-CoA脱炭酸酵素5μLおよびマロニル-CoA 20μLを加える。内容物をインキュベートし、460nMでの吸光度を測定する。
【0084】
活性化合物を、MCD活性の50%阻害を引き起こす化合物濃度(IC50)で特徴付ける。好ましい化合物は10μM未満のIC50値を有する。最も好ましい化合物は100nM未満のIC50値を有する。
【0085】
(表1)MCD阻害剤のIC50

【0086】
灌流ラット心臓におけるグルコース酸化および脂肪酸酸化測定
雄Sprague-Dawleyラット由来の動いている摘出心臓を、5mmol/Lのグルコース;100μU/mLのインスリン;3%BAS;および1.2mmol/Lのパルミチン酸塩を含む、改変クレブス-ヘンゼライト液と共に60分間の有酸素灌流期間に供する。これらの試験では、インビボで認められる心臓の代謝的需要を概算するために、動いている心臓を用いる(Kantorら、Circulation Research 86: 580-588 (2000))。被験化合物を灌流期間開始の5分後に加える。
【0087】
グルコース酸化速度を、[U14]-グルコースを含む緩衝液で灌流した心臓により生成される14CO2の定量的回収によって求める。脂肪酸酸化速度は、[14C]パルミチン酸塩を含む緩衝液で灌流した心臓により生成される14CO2の定量的回収によって求める(McNeill, J. H.、「心血管機能の測定(Measurement of cardiovascular function)」、第2章、CRC Press、ニューヨーク(1997))。
【0088】
活性化合物を対照実験(DMSO)に比べてのグルコース酸化の増大によって特徴付ける。グルコース酸化の統計的に有意な増大を引き起こす化合物を活性であると考える。好ましい化合物は、20μMでグルコース酸化の統計的に有意な増大を引き起こす。統計的有意性は適宜対応のある、または対応のない試料に対するスチューデントt検定を用いて計算した。P<0.05の結果を統計的に有意と考える。
【0089】
実施例
本発明をさらに詳しく例示するために、下記の実施例が含まれる。実施例は、当然のことながら、本発明を特に制限すると解釈されるべきではない。特許請求の範囲内でのこれらの実施例の変更は、当業者の範囲内であり、本明細書において記載され、主張されている本発明の範囲内に入ると考えられる。読者は、本開示を読み、当技術分野の技能を備えた当業者であれば、網羅的な実施例なしで、本発明を調製し、用いることができることを理解すると思われる。
【0090】
本明細書において用いる商標は単なる例であり、本発明の時点で用いられる例示的材料を反映している。当業者であれば、ロット、製造工程などにおける変動が予想されることを理解すると思われる。したがって、実施例およびその中で用いる商標は非限定的なもので、限定されることを意図しておらず、当業者が本発明の一つまたは複数の態様を実施するために、いかにして選択しうるかを例示しているにすぎない。
【0091】
1H核磁気共鳴スペクトル(NMR)は、特に記載がない限り、CDCl3または他の示された溶媒中、Varian NMR分光計(Unity Plus 400、1H用の400 MHz)で測定し、ピークの位置はテトラメチルシランから低磁場への100万分率(ppm)で表す。ピークの多重度は次のとおりに示す:s=一重線、d=二重線、t=三重線、m=多重線。
【0092】
下記の略語は指定の意味を有する:
Ac=アセチル
アリル=CH2=CH2-CH2-
Bn=ベンジル
CDI=カルボニルジイミダゾール
CH2Cl2=ジクロロメタン
DIBAL=水素化ジイソブチルアルミニウム
DMAP=4-(ジメチルアミノ)-ピリジン
DMF=N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO=ジメチルスルホキシド
EDClまたはEDAC=塩酸1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミド
ESIMS=電子スプレー質量分析
Et3N=トリエチルアミン
EtOAc=酢酸エチル
HMTA=ヘキサメチレンテトラミン
ロウェッソン試薬=2,4-ビス(4-メトキシフェニル)-1,3,2,4-ジチアジホスフェタン-2,4-ジスルフィド
LDA=リチウムジイソプロピルアミド
LHMDS=リチウムビス(トリメチルシリル)アミド
MgSO4=硫酸マグネシウム
NaHCO3=炭酸水素ナトリウム
Na2CO3=炭酸ナトリウム
NaH=水素化ナトリウム
NBS=N-ブロモスクシンイミド
NCS=N-クロロスクシンイミド
NH4Cl=塩化アンモニウム
Ph=フェニル
PyまたはPyr=ピリジル
r.t.=室温
TFA=トリフルオロ酢酸
THF=テトラヒドロフラン
TLC=薄層クロマトグラフィ
TMS=トリメチルシリル
Tf2O=トリフルオロメタンスルホン酸無水物
ビニル=CH2=CH-
アルキル基の略語
Me=メチル
Et=エチル
n-Pr=ノルマルプロピル
i-Pr=イソプロピル
n-Bu=ノルマルブチル
i-Bu=イソブチル
t-Bu=三級ブチル
s-Bu=二級ブチル
c-Hex=シクロヘキシル
【0093】
実施例1
モルホリン-4-カルボチオ酸[4-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-(4-トリフルオロメチル-ベンジル)-アミドの調製
【化94】

段階1
2-(4-アミノ-フェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-プロパン-2-オール(200mg、0.77mmol)および塩化4-モルホリンカルボニル(180μL、1.54mmol)のピリジン溶液(2mL)に、DMAP(20mg)を室温で加える。90℃で2時間加熱した後、反応混合物を酢酸エチルで希釈する。有機相を飽和CuSO4溶液、0.1N HCl溶液、飽和NaHCO3溶液および食塩水で洗浄し、次いで無水Na2SO4で乾燥する。溶媒を減圧下で除去し、残渣を調製用TLC(ヘキサン:EtOAc=2:1)で精製して、尿素中間体を白色固体で得る(120mg、42%)。

【0094】
段階2
尿素中間体(185mg、0.5mmol)のDMF溶液(5mL)に、水素化ナトリウム(100mg、2.5mmol)を室温で加える。懸濁液をさらに10分間撹拌した後、90℃で2時間加熱する。反応混合物を酢酸エチルで希釈する。有機相を水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥する。溶媒を減圧下で除去し、残渣を調製用TLC(CH2Cl2:MeCN=10:1)で精製して、アルキル化中間体を黄色油状物で得る(120mg、45%)。

【0095】
段階3
アルキル化中間体(110mg、0.207mmol)およびロウェッソン試薬(320mg、0.832mmol)をトルエン(3mL)中で混合し、反応混合物を120℃で6時間加熱する。有機溶媒を減圧下で除去し、残渣を調製用TLC(CH2Cl2:MeCN=20:1)で精製して、表題化合物を白色泡状物で得る(24mg、21%)。

【0096】
実施例2
N-(4-シアノブチル)-N-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}モルホリン-4-カルボチオアミドの調製
【化95】

段階1
2-(4-アミノ-フェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-プロパン-2-オール(200mg、0.77mmol)および塩化4-モルホリンカルボニル(180μL、1.54mmol)のピリジン溶液(2mL)に、DMAP(20mg)を室温で加える。90℃で2時間加熱した後、反応混合物を酢酸エチルで希釈する。有機相を飽和CuSO4溶液、0.1N HCl溶液、飽和NaHCO3溶液および食塩水で洗浄し、次いで無水Na2SO4で乾燥する。溶媒を減圧下で除去し、残渣を調製用TLC(ヘキサン:EtOAc=2:1)で精製して、尿素中間体を白色固体で得る(120mg、42%)。

【0097】
段階2
尿素中間体(110mg、0.3mmol)のDMF溶液(2mL)に、水素化ナトリウム(36mg、3mmol)を室温で加える。懸濁液をさらに10分間撹拌した後、5-ブロモバレロニトリル(42μL、0.4mmol)を加えた。90℃で2時間加熱した後、反応混合物を酢酸エチルで希釈する。有機相を水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥する。溶媒を減圧下で除去し、残渣を調製用TLC(CH2Cl2:MeCN=10:1)で精製して、アルキル化中間体を黄色油状物で得る(34mg、25%)。

【0098】
段階3
アルキル化中間体(30mg、0.066mmol)およびロウェッソン試薬(107mg、0.266mmol)をトルエン(2mL)中で混合し、反応混合物を120℃で6時間加熱する。有機溶媒を減圧下で除去し、残渣を調製用TLC(CH2Cl2:MeCN=20:1)で精製して、表題化合物を白色泡状物で得る(21mg、68%)。

【0099】
実施例3
1-ブチル-3,3-ジメチル-1-[4-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-チオ尿素の調製
【化96】

2-(4-ブチルアミノ-フェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-プロパン-2-オールおよび塩化ジメチルチオカルバモイルを密封バイアル中で混合し、マイクロ波中、150℃で10分間加熱する。反応混合物をジクロロメタンに溶解し、調製用TLC(アセトニトリル:CH2Cl2=2:98)で精製して、表題化合物を得る。

【0100】
実施例4
ブチル{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}アミノ)(ジエチルアミノ)メタンイミニウムクロリドの調製
【化97】

塩化アルミニウム(81mg、0.603mmol)を、ジエチルシアナミド(75μL)を含むクロロベンゼン(5mL)に加える。反応混合物をアルゴン雰囲気下、室温で5分間撹拌した後、N-ブチル-4[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]ベンゼンアミニウムクロリド(200mg、0.57mmol)を加える。淡黄色溶液を140℃で3日間加熱する。反応混合物を蒸発させ、次いで調製用TLC(MeOH:CHCl3=15:85)で直接精製して、表題化合物を無色固体で得る(120mg、46.9%)。融点:217.1〜219.2℃(分解)。

【0101】
実施例5
下記の化合物を前述の実施例に記載の方法に従って調製する。
(表2)
【化98】







【0102】
実施例6
1-(4-{2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチル)フェニル}-ブタン-1-オンの調製
【化99】

段階1
DMF数滴を安息香酸(5g、17.4mmol)および塩化オキサリル(10mL、20mmol)のジクロロメタン溶液に0℃で加える。反応混合物を室温で14時間撹拌する。溶媒を減圧下で除去して塩化アシルを得る。
【0103】
段階2
アセトン(25mL)中、上で得た塩化アシルをN,O-ジメチルヒドロキシアミン(20mmol)の飽和Na2CO3溶液(25mL)に室温で加える。反応混合物をその温度で16時間撹拌し、濃HClで酸性化する。有機溶媒を減圧下で除去し、水層をEtOAcで抽出する。合わせた有機抽出物を1N HCl、飽和NaHCO3および食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥する。溶媒を除去後、N-メトキシメチルアミド(ワインレブアミド)を純粋な形で得る(5.8g)。
【0104】
段階3
臭化n-プロピルマグネシウム(3mL)を上で得たワインレブアミド中間体(662mg、2mmol)のTHF溶液(6mL)にアルゴン雰囲気下、0℃で加える。反応混合物を0℃で30分間、次いで室温で4時間撹拌する。反応混合物を氷冷1N HCl中に注ぎ、EtOAcで抽出する。合わせた有機溶媒を飽和NaHCO3、食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥する。溶媒を減圧下で除去して、表題化合物を得る(620.7mg)。

【0105】
実施例7
1-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}ブタン-1-オンオキシムの調製
【化100】

1-(4-{2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチル)フェニル}-ブタン-1-オン(47mg、実施例6参照)およびヒドロキシアミン(52mg)をEtOH(2mL)中で混合する。混合物を室温で12時間撹拌する。溶媒を減圧下で除去し、残渣を調製用TLCで精製して、表題化合物を得る(20.5mg)。

【0106】
実施例8
下記のケトンおよびオキシム化合物を前述の実施例に記載の方法に従って調製する。
(表3)
【化101】


【0107】
実施例9
1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-(4-{1-[(2-フリルメチル)アミノ]ブチル}フェニル)プロパン-2-オールの調製
【化102】

MeOH(3mL)中の1-(4-{2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチル)フェニル}-ブタン-1-オン(237mg、0.75mmol、実施例6参照)およびフルフリルアミン(0.08mL)を室温で固体NaBH3CN(94mg、1.5mmol)で、続いてHOAc(0.1mL)で処理する。反応混合物を一晩撹拌する。溶媒を除去し、残渣をEtOAcに再度溶解する。有機層を1N HCl、飽和NaHCO3および食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥する。調製用TLC(アセトニトリル:CH2Cl2=3:97)で精製後、所望の生成物を得る(33.7mg)。

【0108】
実施例10
3-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}-4,5-ジヒドロイソキサゾール-5-カルボン酸メチルの調製
【化103】

段階1
ワインレブアミド(1.66g、5mmol、実施例6、段階2)のTHF溶液(15mL)にDIBAL(12mL、トルエン中1M)を、アルゴン雰囲気下、-78℃で滴加する。反応混合物をその温度で2時間撹拌する。反応混合物を1N HClに注ぎ、EtOAcで3回抽出する。合わせた有機溶媒を飽和NaHCO3、食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥する。有機溶媒を減圧下で除去し、ベンズアルデヒド中間体を無色固体で得る(1.27g)。
【0109】
段階2
ベンズアルデヒド中間体(1.0g)および塩酸ヒドロキシアミン(1.27g)をMeOH(8mL)中で混合する。反応混合物を室温で12時間撹拌する。溶媒を減圧下で除去し、残渣をEtOAcおよび水の間で分配する。水層をEtOAcで抽出する。合わせた有機溶媒を食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥する。溶媒を除去してオキシム中間体を得る(1.1g)。
【0110】
段階3
上で得たオキシム中間体(225mg)のDMF溶液(1mL)にNBS(208mg)を室温で加える。1時間撹拌後、アクリル酸メチル(0.14mL)と、続いてEt3N(0.22mL)を加える。反応混合物を12時間撹拌し、EtOAcで希釈する。有機層を1N HCl、飽和NaHCO3、食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥する。溶媒を除去後、残渣を調製用TLC(CH2Cl2:MECN=95:5)で精製して、表題化合物を得る(119mg)。

【0111】
実施例11
3-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}-4,5-ジヒドロ-イソキサゾール-5-カルボン酸の調製
【化104】

前述の実施例で調製したメチルエステル(90mg、0.24mmol)のメタノール溶液に、NaOH水溶液(1.0M、0.2ml)を室温で加えた。次いで、混合物を3時間加熱還流し、水に注いだ。溶液を酢酸エチルで抽出し、有機層を食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥した。溶媒を蒸発後、残渣を調製用TLC(AcOEt:メタノール=10:1)に供し、表題化合物を得た(55mg、63%)。

【0112】
実施例12
N-[(3-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}-4,5-ジヒドロイソキサゾル-5-イル)カルボニル]-β-アラニン酸1,1-ジメチルエチルの調製
【化105】

前述の実施例で調製した酸(18mg、0.05mmol)のDMF溶液(1ml)に、H-β-Ala-OtBu HCl塩(11mg、0.75mmol)、BOP(44mg、0.1mmol)およびN-メチルモルホリン(20mg、0.2mmol)を室温で加えた。反応混合物を12時間撹拌し、次いで、水を加えた。溶液を酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥した。溶媒を蒸発させ、残渣を調製用TLC(ヘキサン:AcOEt=2:1)に供し、表題化合物を得た(15mg、61%)。

【0113】
実施例13
5-メチル-3-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}イソキサゾール-4-カルボン酸エチルの調製
【化106】

オキシム中間体(50mg、0.17mmol、実施例10、段階2参照)のDMF溶液(1.5ml)に、NBS(46mg、0.26mmol)を0℃で加え、混合物を3時間撹拌した。この溶液にアセト酢酸エチル(34mg、0.26mmol)およびナトリウムエトキシドエタノール溶液(80mg、0.26mmol)を室温で加えた。反応混合物を12時間撹拌し、酢酸エチルで希釈した。有機層を水および食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥した。溶媒を蒸発させ、残渣を調製用TLC(CHCl3:MeOH=50:1)で精製して、表題化合物を得た(18mg、26%)。

【0114】
実施例14
下記の化合物を前述の実施例に記載の方法に従って調製する。
(表4)
【化107】


【0115】
実施例15
3-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}ヘプタン-3-オールの調製
【化108】

臭化プロピルマグネシウム(1mL)を1-(4-{2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチル)フェニル}-ブタン-1-オン(170mg、実施例6)のTHF溶液(2mL)にアルゴン雰囲気下、0℃で加える。反応混合物を室温で12時間撹拌し、氷冷1N HClに注ぎ、EtOAcで3回抽出する。合わせた有機溶媒を飽和NaHCO3、食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥した。溶媒を除去後、残渣を調製用TLCで精製して、表題化合物を得た(99.4mg)。

【0116】
実施例16
2-[4-(3,5-ジメチル-イソキサゾル-4-イル)-フェニル]-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-プロパン-2-オールの調製
【化109】

段階1
2-(4-ブロモフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-オール(723mg、2.24mmol)、ビス(ピナコラート)ジボラン(625mg、2.46mmol)およびKOAc(659mg、6.72mmol)をDMF(15mL)中で混合する。懸濁液を窒素気流により脱酸素した後、Pd(dppf)Cl2(60mg)を加える。窒素雰囲気下、90℃で30分間加熱した後、反応混合物をEtOAcおよび水の間で分配する。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮する。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:EtOAc=5:1)に供し、ボロン酸アリール中間体を白色固体で得る(650mg、78%)。

【0117】
段階2
ボロン酸アリール中間体(50mg、0.135mmol)、4-ブロモ-3,5-ジメチルイソキサゾール(33mg、0.189mmol)および飽和NaHCO3溶液(2mL)をTHF(5mL)中で混合する。懸濁液を窒素気流により脱酸素した後、Pd(dppf)Cl2(10mg)を加える。窒素雰囲気下、70℃で7時間加熱した後、反応混合物をEtOAcおよび水の間で分配する。有機層をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮する。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:アセトン=5:1)に供し、表題化合物を白色固体で得る(18mg、39%)。

【0118】
実施例17
N-(5-メチル-4-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}イソキサゾル-3-イル)-N'-フェニル尿素の調製
【化110】

段階1
前述の実施例に従って調製した5-メチル-4-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}イソキサゾル-3-イルカルバミン酸1,1-ジメチルエチル(40mg、0.09mmol)を室温でCH2Cl2中50%TFA(2mL)で処理する。反応混合物をさらに1時間撹拌し、減圧下で濃縮する。残渣を調製用TLC(ヘキサン:アセトン=1:1)で精製して、アミン中間体を白色固体で得る(24mg、78%)。

【0119】
段階2
アミン中間体(45mg、0.13mmol)およびイソシアン酸フェニル(34μL、0.5mmol)のピリジン溶液(2mL)を、窒素雰囲気下、90℃で4時間撹拌する。反応混合物をEtOAcで希釈し、飽和CuSO4溶液および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮する。残渣を調製用TLC(CH2Cl2:メタノール=20:1)で精製して、表題化合物を白色固体で得る(38mg、63%)。

【0120】
実施例18
(2E)-3-(5-メチル-4-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}イソキサゾル-3-イル)プロパ-2-エン酸エチルの調製
【化111】

段階1
実施例16に従って調製した5-メチル-4-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}イソキサゾール-3-カルボン酸エチル(1.9g、4.78mmol)をメタノール(20mL)に溶解し、室温でNaOH(1.0g、23.9mmol)の水溶液(10mL)で処理する。反応混合物をさらに1時間撹拌し、水で希釈し、EtOAcで抽出する。水相を1N HCl溶液でpH2まで酸性化し、EtOAcで抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥する。溶媒を減圧下で除去して、酸中間体を白色固体で得る(1.56g、89%)。

【0121】
段階2
酸中間体(150mg、0.406mmol)のTHF溶液(2mL)に窒素雰囲気下、1M塩化オキサリル/CH2Cl2溶液(812μL)と、続いてDMF4滴を加える。反応混合物を室温で1時間撹拌する。溶媒を減圧下で除去後、残渣をTHF(1mL)に溶解し、塩酸N,O-ジメチルヒドロキシルアミン(80mg、0.812mmol)およびトリエチルアミン(113μL、0.812mmool)のTHF溶液(1mL)を加える。反応混合物を室温で2時間撹拌した後、1N HCl溶液で反応停止する。EtOAcを用いて抽出を行い、有機層を1N HCl、飽和NaHCO3および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥する。溶媒を減圧下で除去後、残渣を調製用TLC(ヘキサン:EtOAc=3:1)で精製して、ワインレブアミド中間体を白色固体で得る(45mg、27%)。

【0122】
段階3
LiAlH4(14mg、0.335mmol)のTHF懸濁液(0.5mL)に窒素雰囲気下、-40℃でワインレブアミド中間体のTHF溶液(1mL)を加える。添加後、冷却浴をはずし、反応混合物を2時間かけて室温まで戻す。0.1N HCl溶液で反応停止した後、懸濁液をEtOAcで抽出し、1N HCl溶液、飽和NaHCO3溶液および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥する。溶媒を減圧下で除去後、残渣を調製用TLC(ヘキサン:EtOAc=2:1)で精製して、アルデヒド中間体を黄色油状物で得る(33mg、56%)。

【0123】
段階4
アルデヒド中間体(13mg、0.037mmol)および(カルボエトキシメチレン)トリフェニルホスホラン(14mg、0.04mmol)をトルエン(1mL)中で混合する。反応混合物を90℃で3時間撹拌した後、減圧下で濃縮する。残渣を調製用TLC(ヘキサン:アセトン=2:1)で精製して、表題化合物を白色固体で得る(13mg、81%)。

【0124】
実施例19
N-{3-フェニル-4-[4-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-イソキサゾル-5-イル}-イソブチルアミドの調製
【化112】

段階1
1M LHDMSのTHF溶液(10.6ml、10.6mmol)を4-ヘキサフルオロ-2-ヒドロキシイソプロピルフェニルアセトニトリルのTHF溶液にアルゴン雰囲気下、室温で加える。反応混合物をアルゴン雰囲気下、室温で30分間撹拌した後、安息香酸メチル(527μl、4.24mmol)を加える。次いで、溶液を8時間撹拌する。反応混合物にH2Oを注ぎ、溶液をEtOAcで洗浄する。水層を1N HClで酸性化し、EtOAcで抽出する。この有機層を食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥する。濃縮し、調製用TLCで精製して、中間体3-オキソ-2-[4-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-トリフルオロメチル-エチル)-フェニル]-ブチロニトリルを得る。
【0125】
段階2
上の中間体(560.8mg、1.45mmol)および塩酸ヒドロキシアミン(201mg、2.9mmol)をピリジン(2.5ml)中で混合する。反応混合物を80℃で12時間撹拌する。反応混合物をEtOAcで希釈し、飽和NaHCO3、H2Oおよび食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥する。濃縮し、調製用TLCで精製して、2-[4-(5-アミノ-3-フェニル-イソキサゾル-4-イル)-フェニル]-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-プロパン-2-オールを得る(260mg、45%)。
【0126】
段階3
2-[4-(5-アミノ-3-フェニル-イソキサゾル-4-イル)-フェニル]-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-プロパン-2-オールのDMF溶液に水素化ナトリウム(18mg、0.45mmol)をアルゴン雰囲気下、0℃で加える。反応混合物をアルゴン雰囲気下、室温で30分間撹拌した後、塩化イソブチリル(23.8ul、0.23mmol)を加える。溶液を8時間撹拌した後、EtOAcで希釈する。有機層をH2O、食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥する。濃縮し、調製用TLCで精製して、表題化合物を得る。

【0127】
実施例20
下記の化合物を前述の実施例に記載の方法に従って調製する。
(表5)
【化113】



【0128】
実施例22
N-ブチル-4-フェニル-1-プロピル-2-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}-1H-イミダゾール-5-カルボキサミドの調製
【化114】

段階1
4-(2-ヒドロキシ-ヘキサフルオロイソプロピル)安息香酸(100mg、0.35mmol)およびフェニルグリオキサール水和物(46mg、0.35mmol)のメタノール溶液(1.5ml)にプロピルアミン(20mg、0.35mmol)を室温で加えた。5分間撹拌した後、イソシアン化ブチル(83mg、0.35mmol)を混合物に室温で加えた。得られた混合物を同じ温度で12時間撹拌し、0.1N HCl溶液で酸性化した。混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を水および食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥した。溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣(165mg)をそれ以上精製せずに次の段階に用いた。
【0129】
段階2
得られた残渣(54mg)を酢酸(1ml)に溶解し、酢酸アンモニウム(77mg、1mmol)を加えた。反応混合物を還流条件下で3時間撹拌した。水で希釈した後、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥した。溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣を調製用TLC(ヘキサン:EtOAc=2:1)で精製して、表題化合物を得た(24mg、46%)。

【0130】
実施例23
下記の化合物を前述の実施例に記載の方法に従って調製する。
(表6)
【化115】


【0131】
実施例24
1-メチル-3-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}-1H-ピラゾール-4-カルボニトリルの調製
【化116】

段階1
4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]ベンズアルデヒド(200mg、0.735mmol)のベンゼン溶液(1.5ml)にメチルヒドラジン(51mg、1.1mmol)のベンゼン溶液(1mL)を窒素雰囲気下、室温で加える。混合物を還流条件下で2時間撹拌する。混合物を室温まで冷却し、MgSO4で乾燥する。溶媒を減圧下で除去して、生成物メチルヒドラゾンを得(145mg、66%)、これをそれ以上精製せずに次の段階に用いる。

【0132】
段階2
ジメチルスルフィド(90mg、1.45mmol)をN-クロロスクシンイミド(107mg、0.805mmol)のCH2Cl2溶液(5.5mL)に0℃で加える。混合物を0℃で5分間撹拌し、次いで-70℃に冷却する。この溶液に、上述したメチルヒドラゾン(145mg、0.483mmol)のCH2Cl2溶液(1mL)を滴加する。混合物を0℃まで徐々に加温しながら、4.5時間撹拌する。反応を冷水で停止し、CH2Cl2で抽出する。有機層を水および食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥する。溶媒を減圧下で除去して、塩化ヒドラゾノイル中間体を得(115mg、71%)、これをそれ以上精製せずに次の段階に用いる。

【0133】
段階3
上述した塩化ヒドラゾノイル中間体(115mg、0.344mmol)のCHCl3溶液(3mL)に、フマロニトリル(27mg、0.344mmol)と、続いてEt3N(35mg、0.344mmol)を室温で加える。混合物を還流条件下で一晩撹拌する。反応混合物を室温まで冷却した後、これをCHCl3で希釈し、水で洗浄し、MgSO4で乾燥する。溶媒を減圧下で除去し、残渣を調製用TLC(ヘキサン:EtOAc=3:1)で精製して、表題化合物を淡黄色固体で得る(25mg、21%)。

【0134】
実施例25
N,N-1-トリメチル-3-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}-4,5-ジヒドロ-1H-ピラゾール-5-カルボキサミドの調製
【化117】

段階1
CHCl3中、塩化ヒドラゾノイル中間体(204mg、0.610mmol)(前述の実施例24の段階2で得られたもの)およびN,N-ジメチルアクリルアミド(61mg、0.610mmol)の混合物にEt3N(62mg、0.610mmol)を加える。反応混合物を室温で5日間撹拌する。溶媒を減圧下で除去し、残渣をEtOAcに溶解し、水で洗浄し、MgSO4で乾燥する。溶媒を減圧下で除去し、残渣を調製用TLC(ヘキサン:EtOAc=2:1)で精製して、表題化合物を白色固体で得る(29mg、12%)。

【0135】
実施例26
N,N-ビス(1-メチルエチル)-N'-フェニル-4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロ-メチル)エチル]ベンゼンカルボヒドラゾンアミドの調製
【化118】

段階1
4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]ベンズアルデヒド(500mg、1.84mmol)のベンゼン溶液(3mL)にフェニルヒドラジン(200mg、1.84mmol)を室温で加える。混合物を室温で4時間撹拌する。溶媒を減圧下で除去して、生成物フェニルヒドラゾンを得(656mg、99%)、これをそれ以上精製せずに次の段階に用いる。

【0136】
段階2
N-クロロスクシンイミド(404mg、3.02mmol)のCH2Cl2溶液(21mL)にジメチルスルフィド(338mg、5.43mmol)を0℃で加える。混合物を0℃で5分間撹拌し、次いで-70℃に冷却する。この溶液に、上述したフェニルヒドラゾン(656mg、1.81mmol)のCH2Cl2溶液(3mL)を滴加する。混合物を0℃まで徐々に加温しながら、2時間撹拌する。反応を冷水で停止し、CH2Cl2で抽出する。有機層を水および食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥する。溶媒を減圧下で除去して、塩化ヒドラゾノイル中間体を得(387mg、54%)、これをそれ以上精製せずに次の段階に用いる。

【0137】
段階3
塩化ヒドラゾノイル中間体(100mg、0.252mmol)の1,4-ジオキサン溶液(1.5mL)を、ジイソプロピルアミン(7.5mL)に0℃で20時間かけて滴加する。混合物を室温でさらに3.5時間撹拌する。溶媒を減圧下で除去し、残渣をEtOAcに溶解し、水および食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥する。溶媒を減圧下で除去し、残渣を調製用HPLCで精製して、表題化合物を淡黄色固体で得る(26mg、22%)。

【0138】
実施例27
4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニルアミドリン酸ジエチルの調製
【化119】

2-(4-アミノフェニル)-1,1,1,3,3,3)-ヘキサフルオロイソプロパン-2-オール(777.4mg、3mmol)、DMAP(146.4mg、1.2mmol)、Et3N(0.5ml、3.6mmol)およびCH2Cl2(15mL)の溶液にクロロリン酸ジエチル(520mL、3.3mmol)を加えた。反応混合物を室温で72時間撹拌し、次いでさらに24時間還流した。溶媒を除去し、EtOAcを加えた。溶液を水で洗浄した。溶媒の除去後、残渣を短いイオン交換カラム(Dowex-50u、エタノール)で精製して、表題化合物を白色固体で得た(859mg、72.4%)。

【0139】
実施例28
エチル{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}アミドリン酸ジエチルの調製
【化120】

この化合物を前述の実施例に記載の方法に従って調製した。収率:8.5%。

【0140】
実施例29
4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロ(トリフルオロメチル)エチル]フェニルホスホン酸ジエチルの調製
【化121】

2-(4-ブロモフェニル)-1,1,1,3,3,3)-ヘキサフルオロイソプロパン-2-オール(162mg、0.5mmol)、亜リン酸トリエチル(154μL、0.9mmol)、無水塩化ニッケル(13mg、0.1mmol)およびジグリム(3ml)の混合物をアルゴンで15分間脱気した。反応混合物をアルゴン雰囲気下、150℃で5時間加熱した。冷却後、EtOAcを加え、溶液を水、食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を調製用TLC(MeOH:CHCl3=10:90)で精製して、表題化合物を無色油状物で得た(72.1mg、38%)。

【0141】
実施例30
2-フェノキシ-N-[4-(トリフルオロアセチル)フェニル]アセトアミドの調製
【化122】

段階1
4-ニトロ安息香酸メチル(4.0g、22.0mmol)をアルゴン雰囲気下で無水CH2Cl2(80mL)に溶解する。次いで溶液を-78℃に冷却する。この溶液に(トリフルオロメチル)トリメチルシラン(4.08mL、27.6mmol)と、続いて固体フッ化テトラブチルアンモニウム(560μL、0.56mmol)を加える。淡紅色溶液をゆっくり室温に戻し、20時間撹拌する。橙色溶液を水、食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、減圧下で蒸発させる。次いで、粗TMSエーテルをアセトン(60mL)に溶解した後、8M HCl(30mL)およびトリフルオロ酢酸(2mL)を加える。黄色溶液を水、飽和NaHCO3、食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、溶媒を減圧下で蒸発させる。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(ヘキサン:CHCl3=1:9、CHCl3、メタノール:CHCl3=3.5:96.5)で精製して、表題化合物を黄色固体で得る(3.05g、63.0%)。

【0142】
段階2
4-ニトロ-2',2',2'-トリフルオロアセトフェノン(3.05g、13.9mmol)、氷酢酸(30mL、500mmol)、および鉄粉末(4.7g、83mmol)を95%エタノール(63mL)に加える。次いで、混合物を17時間加熱還流する。褐色混合物をセライトを通してろ過し、減圧下で蒸発させる。残渣をトルエンと2回共沸させていかなる残留酢酸も除去する。褐色固体をクロロホルムと混合し、シリカゲルパッドを通してろ過して極性不純物を除去し、表題化合物を黄色固体で得る(2.08g、79.1%)。

【0143】
段階3
4-アミノ-2',2',2'-トリフルオロアセトフェノン(595mg、3.15mmol)およびポリ(4-ビニルピリジン)(720mg、6.3mmol)を無水CH2Cl2(20mL)中で混合する。この懸濁液に塩化フェノキシアセチル(450μL、3.26mmol)を加え、反応混合物を室温で24時間撹拌する。混合物をろ過し、有機溶媒を減圧下で除去する。黄色固体を調製用TLC(100%CHCl3)で精製して、表題化合物を無色固体で得る(705mg、69.2%)。

【0144】
実施例31
下記の化合物を前述の実施例に記載の方法に従って調製する。
(表7)
【化123】




【0145】
本明細書に記載のすべての引用文献は参照として本明細書に組み入れられ、例えば、引用したすべての特許、特許出願は参照として本明細書に組み入れられる。
【0146】
当技術分野に鑑みて、本明細書を手引きとすると、上述の態様の改変は製剤分野の当業者の範囲内である。
【0147】
本発明の特定の態様を記載してきたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明に様々な変更および改変を加えうることは当業者には明らかであると思われる。添付の特許請求の範囲において、本発明の範囲内であるすべてのそのような改変を対象とすることが意図される。したがって、前述の明細書は、当業者に本発明の実施を可能にさせるのに十分であると考えられる。事実、分子生物学、化学、医学、薬剤学、または関連分野の当業者には明白な、本発明を実施するための前述の態様の様々な改変は、添付の特許請求の範囲内であることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マロニル-CoA脱炭酸酵素を阻害するのに有用な薬学的組成物であって、下記の式(I)の化合物、対応する鏡像異性体、ジアステレオ異性体もしくは互変異性体、またはその薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグからなる群より選択されるメンバーを含む薬学的組成物:
【化1】

(式中
R1はハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、チオール、置換チオール、スルホニル、スルフィニル、ニトロ、シアノ、アミノ、置換アミノ、C1〜C6アルキルおよびC1〜C6アルコキシから独立に選択され、R1がヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、チオール、置換チオール、アミノ、置換アミノ、またはC1〜C6アルキルである場合、そのような遊離基は、R1がR2に対してオルトである場合にはR2と共に5〜7員環を形成してもよく;
R2はNR3C(S)NR4R5、NR3C(=NR3)NR4R5、NR3C(=NCN)NR4R5、NR3C(=CHNO2)NR4R5、NR3P(O)R4R5、NR3P(O)(OR4)(OR5)、NR3P(O)(OR4)(NR5)、NR3P(O)(NR4)(NR5)、NR3C(=NR3)R6、COR6、R6C(OH)R7、CR8=NOR4、CR8=NR3、CR8=NNR4R5、SOR7、SO2R7、P(O)(OR4)(OR5)、P(O)(R4)(R5)、P(O)(OR4)(OR5)、P(O)(NR3)(OR4)、P(O)(NR4)(NR5)、O、N、またはSから選択される0から三個のヘテロ原子を含む3〜7員環から選択され、これらは下記の基
【化2】

【化3】

【化4】

【化5】

を除いてR9、R10、R11、R12もしくはR13で置換されていてもよく、またはR1がR2に対してオルトである場合にはR1と共に5〜7員環を形成してもよく;
R3は水素、アルキル、アリール、ヘテロシクリル、アシルであるか、またはR4もしくはR5と共に5〜7員環を形成してもよく;
R4は水素、アルキル、アリール、ヘテロシクリル、アシルであるか、またはR5もしくはR3と共に5〜7員環を形成してもよく;
R5は水素、アルキル、アリール、もしくはヘテロシクリル、アシルであるか、またはR3もしくはR4と共に5〜7員環を形成してもよく;
R6およびR7は同じでも異なっていてもよく、水素、アルキル、アリール、またはヘテロシクリルから選択され;
R8は水素、アルキル、アリール、ヘテロシクリル、アミノまたは置換アミノであり;
R9、R10、R11およびR12は同じでも異なっていてもよく、水素、アルキル、アリール、ヘテロシクリル、ニトロ、シアノ、カルボン酸、エステル、アミド、ハロ、ヒドロキシル、アミノ、置換アミノ、アルコキシ、アシル、ウレイド、スルホンアミド、スルファミド、スルホニル、スルフィニル、またはグアナジニルから選択され;
R13は水素、アルキル、アリール、ヘテロシクリル、アシル、エステル、スルホニル、ウレイド、またはグアナジニルであり;
AはO、S、またはNR3であり;
mは0から4であり;
XはH、CF2Z、もしくはCF3であるか、またはAがOである場合にはYと共に二重結合を形成し;
Yは水素であるか、またはAがOである場合にはXと共に二重結合を形成し;
ZはF、Br、Cl、IまたはCF3である)。
【請求項2】
下記の構造式(IaおよびIb)
【化6】

【化7】

(式中、R1、R2、m、A、X、YおよびZは前述の定義のとおりである)
を有する、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
下記の構造(IcおよびId)
【化8】

【化9】

(式中、R1は水素、ハロ、ヒドロキシルまたはシアノ基である)
を有する、請求項2記載のIaの化合物。
【請求項4】
R2が下記の式
【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【化15】

【化16】

【化17】

【化18】

【化19】

【化20】

【化21】

(式中、R3、R4、R5、R6、R7、およびR8は前述の定義のとおりである)
から選択される、請求項3記載のIcおよびIdの化合物。
【請求項5】
R2が下記の式
【化22】

【化23】

【化24】

【化25】

【化26】

【化27】

【化28】

【化29】

【化30】

【化31】

【化32】

【化33】

【化34】

【化35】

【化36】

(式中、R9、R10、およびR13は前述の定義のとおりである)
から選択される、請求項3記載のIcおよびIdの化合物。
【請求項6】
下記からなる群より選択される、請求項4または5記載の化合物:
N-(4-シアノブチル)-N-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}モルホリン-4-カルボチオアミド;
5-((モルホリン-4-イルカルボノチオイル){4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}アミノ)ペンタン酸メチル;
[ビス(1-メチルエチル)アミノ](ブチル{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}アミノ)メタンイミニウムクロリド;
(ブチル{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}アミノ)(ピロリジン-1-イル)メタンイミニウムクロリド;
(ブチル{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}アミノ)(ジエチルアミノ)メタンイミニウムクロリド;
N-[4-(3-メチル-1,2,4-オキサジアゾル-5-イル)ブチル]-N-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}モルホリン-4-カルボチオアミド;
(ブチル{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}アミノ)(ピペリジン-1-イル)メタンイミニウムクロリド;
N-[(4-シアノフェニル)メチル]-N-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}モルホリン-4-カルボチオアミド;
N-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}-N-{[4-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}モルホリン-4-カルボチオアミド;
N-[3-(1H-ピロル-1-イル)プロピル]-N-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}モルホリン-4-カルボチオアミド;
N-ブチル-N',N'-ジエチル-N-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}チオ尿素;
(ジメチルアミノ)(プロピル{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}アミノ)メタンイミニウムクロリド;
(ブチル{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}アミノ)(モルホリン-4-イル)メタンイミニウムクロリド;
(ブチル{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}アミノ)(ジブチルアミノ)メタンイミニウムクロリド;
(1Z)-{エチル[2-(メチルオキシ)エチル]アミノ}({4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}アミノ)メチリデンカルバミン酸エチル;
[ビス(1-メチルエチル)アミノ]({4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}アミノ)メタンイミニウムクロリド;
N-エチル-N-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}モルホリン-4-カルボチオアミド;
N,N,1-トリメチル-3-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}-4,5-ジヒドロ-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド;
3-{[(3-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}-4,5-ジヒドロイソキサゾル-5-イル)カルボニル]アミノ}プロパン酸1,1-ジメチルエチル;
(1Z)-1-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}ブタン-1-オンO-(2-モルホリン-4-イル-2-オキソエチル)オキシム;
(Z)-フェニル{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}メタノンO-メチルオキシム;
1-メチル-3-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}-1H-ピラゾール-4-カルボニトリル;
(1Z)-1-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}ペンタン-1-オンO-メチルオキシム;
3-メチル-1-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}ブタン-1-オン;
1-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}ペンタン-1-オン;
1-(1-フェニル-3-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}-1H-ピラゾル-4-イル)エタノン;
2-メチル-1-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}プロパン-1-オン;
1-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}ブタン-1-オン;
(1E)-1-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}ブタン-1-オンO-メチルオキシム;
(1Z)-1-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}ブタン-1-オンO-エチルオキシム;
(1Z)-1-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}ブタン-1-オンオキシム;
3-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}-4,5-ジヒドロイソキサゾール-5-カルボン酸;
5-アミノ-3-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}イソキサゾール-4-カルボニトリル;
(1Z)-1-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}ブタン-1-オンO-(1-メチルエチル)オキシム;
フェニル{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}メタノン;
5-ピリジン-3-イル-3-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}イソキサゾール-4-カルボン酸エチル;
(1Z)-1-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}ブタン-1-オンO-[2-(フェニルオキシ)エチル]オキシム;
5-[(メチルオキシ)メチル]-3-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}イソキサゾール-4-カルボン酸メチル;
5-アミノ-1-フェニル-3-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}-1H-ピラゾール-4-カルボン酸メチル;
(1Z)-1-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}ブタン-1-オンO-(フェニルメチル)オキシム;
3-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}-4,5-ジヒドロイソキサゾル-5-カルボン酸メチル;
(1Z)-1-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}ブタン-1-オンO-(2-メチルプロピル)オキシム;
4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニルアミドリン酸ジエチル;
エチル{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}アミドリン酸ジエチル;
4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニルリン酸ジエチル;
フェニル{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}ホスフィン酸;
1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-[4-(4-フェニル-1-プロピル-1H-イミダゾル-2-イル)フェニル]プロパン-2-オール;
1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-{4-[4-(ヒドロキシメチル)-1H-イミダゾル-2-イル]フェニル}プロパン-2-オール;
1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-[4-(4-メチル-1H-イミダゾル-2-イル)フェニル]プロパン-2-オール;
2-メチルプロパン酸(2-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}-1H-イミダゾル-4-イル)メチル
1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-[4-(1-プロピル-4,5-ジピリジン-3-イル-1H-イミダゾル-2-イル)フェニル]プロパン-2-オール;
1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-[4-(4-ピリジン-3-イル-1H-イミダゾル-2-イル)フェニル]プロパン-2-オール;
N-ブチル-4-フェニル-1-プロピル-2-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}-1H-イミダゾール-5-カルボキサミド;
N-ブチル-4-フェニル-1-(ピリジン-3-イルメチル)-2-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}-1H-イミダゾール-5-カルボキサミド;
N-ブチル-1-(2-モルホリン-4-イルエチル)-4-フェニル-2-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}-1H-イミダゾール-5-カルボキサミド;
N-ブチル-1-(2-シアノエチル)-4-フェニル-2-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}-1H-イミダゾール-5-カルボキサミド;
N-ブチル-1-(3-ヒドロキシプロピル)-4-フェニル-2-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}-1H-イミダゾール-5-カルボキサミド;
2-[4-(4,5-ジフェニル-1-プロピル-1H-イミダゾル-2-イル)フェニル]-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-オール;
N-ブチル-1-(1-メチルエチル)-4-フェニル-2-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}-1H-イミダゾール-5-カルボキサミド;
{[(4-フェニル-1-プロピル-2-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}-1H-イミダゾル-5-イル)カルボニル]アミノ}酢酸メチル;
{[(4-フェニル-1-プロピル-2-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}-1H-イミダゾル-5-イル)カルボニル]アミノ}酢酸;
N-ブチル-1-(2-メチルプロピル)-4-フェニル-2-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}-1H-イミダゾール-5-カルボキサミド;
N-ブチル-1-プロピル-4-ピリジン-3-イル-2-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}-1H-イミダゾール-5-カルボキサミド;
N-[(2-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}-1H-イミダゾル-4-イル)メチル]メタンスルホンアミド;
N-ブチル-4-(4-シアノフェニル)-1-プロピル-2-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}-1H-イミダゾール-5-カルボキサミド;
2-[4-(5-アミノ-3-フェニル-1H-ピラゾル-4-イル)フェニル]-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-オール;
2-{4-[5-アミノ-1-(1,1-ジメチルエチル)-3-メチル-1H-ピラゾル-4-イル]フェニル}-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-オール;
4-(5-アミノ-3-メチル-4-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}-1H-ピラゾル-1-イル)ベンゾニトリル;
(5-アミノ-3-メチル-4-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}-1H-ピラゾル-1-イル)酢酸エチル;
N-(3-(1-メチルエチル)-4-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}イソキサゾル-5-イル)ペンタ-4-エンアミド;
2-[4-(5-アミノ-3-ピリジン-4-イルイソキサゾル-4-イル)フェニル]-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-オール;
2-メチル-N-(3-ピリジン-4-イル-4-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}イソキサゾル-5-イル)プロパンアミド;
(2E)-3-(5-メチル-4-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}イソキサゾル-3-イル)プロパ-2-エンニトリル;
N-(3-(1-メチルエチル)-4-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}イソキサゾル-5-イル)ピリジン-4-カルボキサミド;
N-(5-メチル-4-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}イソキサゾル-3-イル)ピリジン-4-カルボキサミド;
4-シアノ-N-(3-(1-メチルエチル)-4-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}イソキサゾル-5-イル)ベンズアミド;
2-[4-(3,5-ジメチルイソキサゾル-4-イル)フェニル]-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-オール;
N-(3-(1-メチルエチル)-4-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}イソキサゾル-5-イル)-2-フェニルブタンアミド;
2-{4-[5-アミノ-3-(1-メチルエチル)イソキサゾル-4-イル]フェニル}-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-オール;
N-(3,5-ジメチルイソキサゾル-4-イル)-N'-(5-メチル-4-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}イソキサゾル-3-イル)尿素;
2-(4-{5-アミノ-3-[(エチルオキシ)メチル]イソキサゾル-4-イル}フェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-オール;
3-(5-アミノ-4-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}イソキサゾル-3-イル)プロパン-1-オール;
2-[4-(5-アミノ-3-ブチルイソキサゾル-4-イル)フェニル]-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-オール;
2-[4-(5-アミノ-3-エチルイソキサゾル-4-イル)フェニル]-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-オール;
N,5-ジメチル-N-(メチルオキシ)-4-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}イソキサゾール-3-カルボキサミド;
2-メチル-N-(3-フェニル-4-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}イソキサゾル-5-イル)プロパンアミド;
1-(5-メチル-4-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}イソキサゾル-3-イル)ブタン-1-オン;
5-メチル-4-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}イソキサゾール-3-カルボン酸エチル;
2-メチル-N-(5-メチル-4-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}イソキサゾル-3-イル)プロパンアミド;
N,N,5-トリメチル-4-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}イソキサゾール-3-カルボキサミド;
4-[(3-(1-メチルエチル)-4-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}イソキサゾル-5-イル)アミノ]-4-オキソ-2-フェニルブタン酸;
1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-{4-[3-(ヒドロキシメチル)-5-メチルイソキサゾル-4-イル]フェニル}プロパン-2-オール;
5-メチル-4-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}イソキサゾル-3-イルカルバミン酸1,1-ジメチルエチル;
2-(4-{5-アミノ-3-[(2E)-ブタ-2-エニル]イソキサゾル-4-イル}フェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-オール;
3-(5-アミノ-4-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}イソキサゾル-3-イル)プロパン酸;
4-(5-アミノ-4-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}イソキサゾル-3-イル)フェノール;
4-(メチルチオ)-2-({[(5-メチル-4-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}イソキサゾル-3-イル)アミノ]カルボニル}アミノ)ブタン酸エチル;
N-(5-メチル-4-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}イソキサゾル-3-イル)ヘキサンアミド;
4-メチル-2-({[(5-メチル-4-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}イソキサゾル-3-イル)アミノ]カルボニル}アミノ)ペンタン酸エチル;
({[(5-メチル-4-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}イソキサゾル-3-イル)アミノ]カルボニル}アミノ)酢酸;
N-(5-メチル-4-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}イソキサゾル-3-イル)-N'-フェニル尿素;
2-[4-(5-アミノ-3-フラン-3-イルイソキサゾル-4-イル)フェニル]-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-オール;
5-メチル-4-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}イソキサゾール-3-カルボン酸;
N-(5-メチル-4-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}イソキサゾル-3-イル)アセトアミド;
4-(メチルチオ)-2-({[(5-メチル-4-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}イソキサゾル-3-イル)アミノ]カルボニル}アミノ)ブタン酸;
2-{4-[5-アミノ-3-(1H-インドル-3-イルメチル)イソキサゾル-4-イル]フェニル}-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-オール;
2-[4-(5-アミノ-3-フェニルイソキサゾル-4-イル)フェニル]-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-オール;
N-(5-メチル-4-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}イソキサゾル-3-イル)-3-フェニルプロパンアミド;
2-(4-{5-アミノ-3-[4-(メチルオキシ)フェニル]イソキサゾル-4-イル}フェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-オール;
N-(5-メチル-4-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}イソキサゾル-3-イル)-N'-(2-フェニルエチル)尿素;
(2E)-3-(5-メチル-4-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}イソキサゾル-3-イル)プロパ-2-エン酸エチル;
2-{4-[5-アミノ-3-(トリフルオロメチル)イソキサゾル-4-イル]フェニル}-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-オール;
4-メチル-2-({[(5-メチル-4-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}イソキサゾル-3-イル)アミノ]カルボニル}アミノ)ペンタン酸;
({[(5-メチル-4-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}イソキサゾル-3-イル)アミノ]カルボニル}アミノ)酢酸エチル;
N-(1-メチルエチル)-N'-(3-フェニル-4-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}イソキサゾル-5-イル)尿素;
5-メチル-4-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}イソキサゾル-3-イルイミドジカルボン酸ビス(1,1-ジメチルエチル);
N-シクロヘキシル-N'-(5-メチル-4-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}イソキサゾル-3-イル)尿素;
2-{4-[5-アミノ-3-(フェニルメチル)イソキサゾル-4-イル]フェニル}-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-オール;および
トリフルオロ酢酸5-メチル-4-{4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}イソキサゾル-3-アミニウム。
【請求項7】
式XXVIの化合物の調製法であって、以下の段階を含む方法:
式XXIIのボロン酸エステル化合物をパラジウム触媒存在下、臭素化イソキサゾール誘導体で処理して式XXIIIのアミノイソキサゾール誘導体を得る段階、および該化合物XXIIIを、溶媒中、塩化アシルで処理する段階。
【化37】

【化38】

【化39】

【請求項8】
式XXXXの化合物の調製法であって、以下の段階を含む方法:
式XIIIの安息香酸誘導体を溶媒中でα-ケトアルデヒドR9COCHO、イソシアン化物R4NCおよび一級アミンR13NH2と混合して式XXXIXのケトアミド中間体を得る段階、ならびに該中間体XXXIXを高温下、酢酸アンモニウムで処理する段階。
【化40】

【化41】

【化42】

【請求項9】
患者内のマロニル-CoA脱炭酸酵素を阻害する方法であって、請求項1記載の組成物の治療的に有効な量の投与を含む方法。
【請求項10】
マロニル-CoA濃度を高めることにより患者における脂肪酸代謝を炭水化物代謝にシフトさせる方法であって、請求項1記載の組成物の治療的に有効な量の投与を含む方法。
【請求項11】
患者内のマロニル-CoA脱炭酸酵素により媒介される脂肪酸およびグルコース代謝に関連する疾患の治療法であって、請求項1記載の組成物の治療的に有効な量の投与を含む方法。
【請求項12】
疾患が心血管疾患である、請求項11記載の方法。
【請求項13】
心血管疾患がうっ血性心不全である、請求項12記載の方法。
【請求項14】
心血管疾患が虚血性心血管疾患である、請求項12記載の方法。
【請求項15】
虚血性心血管疾患が狭心症である、請求項14記載の方法。
【請求項16】
疾患が糖尿病である、請求項11記載の方法。
【請求項17】
疾患が肥満である、請求項11記載の方法。
【請求項18】
疾患がアシドーシスである、請求項11記載の方法。
【請求項19】
疾患が癌である、請求項11記載の方法。

【公開番号】特開2008−100998(P2008−100998A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−267407(P2007−267407)
【出願日】平成19年10月15日(2007.10.15)
【分割の表示】特願2002−563930(P2002−563930)の分割
【原出願日】平成14年1月22日(2002.1.22)
【出願人】(000003311)中外製薬株式会社 (228)
【Fターム(参考)】