説明

位置履歴認証システム、サーバ装置及びプログラム

【課題】 位置及び時刻からみて権限を有する者のみに情報を提供することができる位置履歴認証システムを提供する。
【解決手段】 位置時刻情報を取得して送信する端末1と、位置時刻情報を蓄積することにより位置時刻情報の履歴を記憶する履歴情報サーバ3と、位置時刻情報と関連付けられたサービス情報を記憶し端末1に送信する関連情報サーバ4と、端末1から送信された時刻範囲を含む認証要求に応じ、位置時刻情報に基づいて認証を行う位置履歴認証サーバ2とを備え、画像情報サーバ4は、位置認証認証サーバ2の認証により許可された端末1にのみ、記憶されたサービス情報のうち認証要求に含まれた時刻範囲に関連するサービス情報を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末の位置を用いて認証を行う位置履歴認証システム、サーバ装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数のカメラと画像サーバにより構成され、カメラが撮影した画像を、時刻及び位置と共に画像サーバに記録する画像蓄積システムが知られている(例えば下記の特許文献1を参照)。
【0003】
この特許文献1には、携帯端末の位置時刻情報の認証に際して、事後になっても、誰が、いつ、どこに、居たかを検証できるようにするものである。このために、携帯端末の位置時刻情報、時刻情報を取得して提供し、更に、位置時刻情報が改ざんされていないことを保証している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−348078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の複数のカメラと画像サーバとからなるシステムでは、時刻、位置によって画像を検索することが可能となるが、プライバシへの配慮から、画像の検索に対して厳しく制限する必要がある。
【0006】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、位置及び時刻からみて権限を有する者のみに情報を提供することができる位置履歴認証システム、サーバ装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決する第1の発明に係る位置履歴認証システムは、自身の位置と当該自身の位置を取得した時刻とを対応付けた位置時刻情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段により取得された位置時刻情報及び端末識別子を送信する情報送信手段とを備える端末と、前記情報送信手段により受信された端末識別子及び位置時刻情報を蓄積することにより位置時刻情報の履歴を記憶する履歴記憶手段とを備える履歴情報サーバと、前記位置時刻情報と関連付けられたサービス情報を記憶し、当該サービス情報を前記端末に送信する関連情報サーバと、前記端末から送信された端末識別子及び時刻範囲を含む認証要求に応じ、前記情報送信手段により送信された位置時刻情報に基づいて認証を行う位置履歴認証サーバとを備え、前記関連情報サーバは、前記位置認証認証サーバの認証により許可された前記端末にのみ、記憶されたサービス情報のうち前記認証要求に含まれた時刻範囲に関連するサービス情報を送信することを特徴とする。
【0008】
第1の発明に係る位置履歴認証システムであって、第2の発明は、前記履歴情報サーバには、前記端末の公開鍵で暗号化した位置時刻情報を記憶することを特徴とする。
【0009】
第1又は第2の発明に係る位置履歴認証システムであって、第3の発明は、前記端末の移動による距離の変化に基づいて、前記端末の個人認証を行うことを特徴とする。
【0010】
第1乃至第3の何れかの発明に係る位置履歴認証システムであって、第4の発明は、前記情報取得手段は、前記端末の方向情報を取得し、前記情報送信手段は、前記位置時刻情報に加えて前記方向情報を、当該位置及び方向を取得した時刻と共に送信し、前記履歴情報サーバは、前記位置時刻情報に加えて前記方向情報を蓄積し、前記位置履歴認証サーバは、前記情報送信手段により送信された位置時刻情報及び方向情報に基づいて認証を行うことを特徴とする。
【0011】
第1乃至第4の何れかの発明に係る位置履歴認証システムであって、第5の発明は、前記関連情報サーバに記憶されたサービス情報に関する登録者の端末識別子を前記履歴情報サーバに記憶しておき、前記位置履歴認証サーバは、前記端末識別子を含む認証要求に応じて、当該認証要求に含まれる端末識別子と前記登録者の端末識別子とが照合した場合に、認証を許可することを特徴とする。
【0012】
第1乃至第5の何れかの発明に係る位置履歴認証システムであって、第6の発明は、前記位置履歴認証サーバは、位置時刻情報に基づく認証を許可し、当該位置時刻情報に関連して前記履歴情報サーバに記憶された他の端末識別子が存在する場合に、当該他の端末識別子の端末に確認要求を送信し、当該他の端末から当該位置時刻情報に関連したサービス情報の送信を許可する応答を受信した後に、前記関連情報サーバに、前記認証要求に含まれた時刻範囲に関連するサービス情報を送信させることを特徴とする。
【0013】
第7の発明に係るサーバ装置は、自身の位置と当該自身の位置を取得した時刻とを対応付けた位置時刻情報及び端末識別子を端末から受信する受信手段と、前記受信手段により受信された端末識別子及び位置時刻情報を蓄積することにより位置時刻情報の履歴を記憶する履歴記憶手段と、前記位置時刻情報と関連付けられたサービス情報を記憶し、当該サービス情報を前記端末に送信する関連情報送信手段と、前記端末から送信された端末識別子及び時刻範囲を含む認証要求に応じ、前記履歴記憶手段に記憶された位置時刻情報に基づいて認証を行う位置履歴認証手段とを備え、前記関連情報送信手段は、前記位置認証認証手段の認証により許可された前記端末にのみ、予め記憶されたサービス情報のうち前記認証要求に含まれた時刻範囲に関連するサービス情報を送信することを特徴とする。
【0014】
第8の発明に係るサーバ装置のプログラムは、サーバ装置により実行されるプログラムであって、自身の位置と当該自身の位置を取得した時刻とを対応付けた位置時刻情報及び端末識別子を端末から受信する受信手段と、前記受信手段により受信された端末識別子及び位置時刻情報を蓄積することにより位置時刻情報の履歴を記憶する履歴記憶手段と、前記位置時刻情報と関連付けられたサービス情報を記憶し、当該サービス情報を前記端末に送信する関連情報送信手段と、前記端末から送信された端末識別子及び時刻範囲を含む認証要求に応じ、前記履歴記憶手段に記憶された位置時刻情報に基づいて認証を行う位置履歴認証手段とを備え、前記関連情報送信手段は、前記位置認証認証手段の認証により許可された前記端末にのみ、予め記憶されたサービス情報のうち前記認証要求に含まれた時刻範囲に関連するサービス情報を送信することを実現する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、位置及び時刻に基づく認証により許可された端末にのみ、記憶されたサービス情報のうち認証要求に含まれた時刻範囲に関連するサービス情報を送信するので、位置及び時刻からみて権限を有する者のみに情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態として示す位置履歴認証システムの構成及び動作を示すブロック図及びシーケンス図である。
【図2】本発明の一実施形態として示す位置履歴認証システムにおける各部の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態として示す位置履歴認証システムにおいて、端末に記憶される情報を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態として示す位置履歴認証システムにおいて、位置履歴認証サーバに記憶される情報を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態として示す位置履歴認証システムにおいて、(a)は履歴情報サーバに記憶される位置履歴情報テーブルのカラム、(b)はレコードである。
【図6】本発明の一実施形態として示す位置履歴認証システムにおいて、画像情報サーバに記憶される情報を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態として示す位置履歴認証システムの他の構成及び動作を示すブロック図及びシーケンス図である。
【図8】本発明の一実施形態として示す位置履歴認証システムにおける各部の他の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の一実施形態として示す位置履歴認証システムにおいて、端末に記憶される他の情報を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態として示す位置履歴認証システムにおいて、位置履歴認証サーバに記憶される他の情報を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態として示す位置履歴認証システムにおいて、(a)は履歴情報サーバに記憶される他の位置履歴情報テーブルのカラム、(b)はレコードである。
【図12】本発明の一実施形態として示す位置履歴認証システムにおける端末の他の構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の一実施形態として示す位置履歴認証システムにおいて、端末に記憶される他の情報を示す図である。
【図14】本発明の一実施形態として示す位置履歴認証システムにおける端末の初期状態の処理を示すフローチャートである。
【図15】本発明の一実施形態として示す位置履歴認証システムにおける位置情報の登録時の処理を示すフローチャートである。
【図16】本発明の一実施形態として示す位置履歴認証システムにおいて、サービス利用時の処理を示すフローチャートである。
【図17】本発明の一実施形態として示す位置履歴認証システムの他の構成及び動作を示すブロック図及びシーケンス図である。
【図18】本発明の一実施形態として示す位置履歴認証システムにおける端末の他の構成を示すブロック図である。
【図19】本発明の一実施形態として示す位置履歴認証システムにおいて、(a)は履歴情報サーバに記憶される他の位置履歴情報テーブルのカラム、(b)はレコードである。
【図20】本発明の一実施形態として示す位置履歴認証システムにおける位置履歴認証サーバの他の構成を示すブロック図である。
【図21】本発明の一実施形態として示す位置履歴認証システムにおいて、(a)は履歴情報サーバに記憶される位置所有情報テーブルのカラム、(b)はレコードである。
【図22】本発明の一実施形態として示す位置履歴認証システムの他の構成及び動作を示すブロック図及びシーケンス図である。
【図23】本発明の一実施形態として示す位置履歴認証システムにおける端末の他の構成を示すブロック図である。
【図24】本発明の一実施形態として示す位置履歴認証システムにおける位置履歴認証サーバの他の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
本発明の実施形態としての位置履歴認証システムは、例えば図1に示すように構成される。この位置履歴認証システムは、特定の時刻に特定の位置に存在した端末のみにサービスを提供することを可能にするために、端末の位置と時刻の組(以下、位置時刻情報とも呼ぶ。)を定期的に記録する。そして、位置履歴認証システムは、端末からサービスの要求があったときに、位置時刻情報の履歴により認証を行うものである。これによって、位置履歴認証システムは、特定の時刻に特定の位置に居て画像を検索できる範囲を端末の所有者の周囲のみに制限してサービスの提供を可能にし、偽の情報によって不正にサービスの提供を受けることを防止するものである。
【0019】
位置履歴認証システムは、端末1、位置履歴認証サーバ2、履歴情報サーバ3、画像情報サーバ4を含む。端末1は、自己の位置時刻情報を取得するためにGPS衛星5と無線通信を行う。なお、本実施形態においては、履歴情報サーバ3が位置履歴認証サーバ2に含まれているが、通信回線を介して接続されていても良い。
【0020】
端末1は、図2に示すように、位置情報取得部11、時刻取得部12、時刻範囲入力部13、記憶部14、通信部15、表示部16を含む。
【0021】
位置情報取得部11は、GPS衛星5から送信されたGPS信号に基づいて現在の位置情報を取得する。位置情報は、緯度及び経度によって表現される。
【0022】
時刻取得部12は、GPS衛星5に搭載された原子時計によって計時されている時刻情報を、GPS衛星5からのGPS信号から取り出す。なお、時刻取得部12は、内部時計の時刻情報を用いても良い。
【0023】
これら位置情報取得部11及び時刻取得部12は、自身の位置と当該自身の位置を取得した時刻とを対応付けた位置時刻情報を取得できる。
【0024】
時刻範囲入力部13は、ユーザのボタン操作等に応じて入力された時刻範囲を取得する。
【0025】
記憶部14は、端末1の処理に必要な各種の情報を記憶しておく。具体的には、図3(a)に示すような端末を一意に識別する値である端末IDが記憶されている。
【0026】
表示部16は、画像情報サーバ4のサービスとして送信された画像データを表示する。また、表示部16は、画像情報サーバ4のサービスを希望するときにおける、時刻範囲の入力時に入力画面等を表示する。
【0027】
通信部15は、ネットワークNWを介して、位置履歴認証サーバ2及び画像情報サーバ4との間で通信を行う。
【0028】
位置履歴認証サーバ2は、通信部21、電子署名生成部22、記憶部23、履歴情報サーバ3を含む。この位置履歴認証サーバ2は、履歴情報サーバ3に記憶された位置時刻情報の履歴に基づいて認証を行う。なお、以下に説明する位置履歴認証サーバ2の機能的な構成は、図示しない他の記憶部に動作プログラムを格納しておき、CPUが実行することによって実現できることは勿論である。
【0029】
電子署名生成部22は、端末1へのサービス提供時に端末1に供給する電子署名Sb0を生成する。通信部21は、ネットワークNWを介して、端末1との間で通信を行う。記憶部23は、位置履歴認証サーバ2の処理に必要な各種の情報を記憶しておく。
【0030】
通信部21は、端末1との間でネットワークNWを介した通信を行う。
【0031】
記憶部23は、図4に示すような、位置履歴認証装置2のみが保持する公開鍵暗号方式における私有鍵Pb、私有鍵Pbに対応する公開鍵暗号方式における公開鍵Kb、信頼されたルート証明機関より発行された公開鍵Kbの正当性を証明する証明書である公開鍵証明書Cbが記憶されている。この公開鍵証明書Cbには、公開鍵Kbが含まれている。
【0032】
履歴情報サーバ3は、大容量の記憶領域を有しており、画像情報サーバ4のサービスを受ける利用者が保有する端末1の履歴情報を蓄積している。履歴情報サーバ3は、図5(a)に示すような情報を位置履歴情報テーブルのカラムとし、図5(b)に示すような情報を位置履歴情報テーブルのレコードとしている。位置履歴情報テーブルのカラムとして、位置時刻情報の送信元の端末ID、端末1が位置情報を取得した時刻、端末が取得した位置情報が設定されている。
【0033】
画像情報サーバ4は、通信部41、記憶部42、電子署名検証部43、サービス提供部44を含む。
【0034】
通信部41は、端末1からの要求に対して画像データを送信する。この画像データは、端末1から送信された位置時刻情報と関連付けられた情報である。
【0035】
記憶部42は、図6に示すように、信頼されたルート証明機関の証明書であって、公開鍵証明書Cbの検証に使用するルート証明機関の証明書を記憶している。
【0036】
電子署名検証部43は、記憶部42に記憶されたルート証明機関の証明書を用いて、端末1から送信された電子署名Sb0を検証する。
【0037】
サービス提供部44は、電子署名検証部43によって、端末1から送信された電子署名Sb0が検証した結果に応じて、サービス情報としての画像データを端末1に送信する。これにより、画像情報サーバ4は、位置履歴認証サーバ2の認証により許可された端末1についてのみサービスを提供する。
【0038】
このような位置履歴認証システムは、図1に示すように動作する。
【0039】
位置履歴認証システムは、定期的に実行される位置時刻情報の登録をする動作と、サービス利用時に実行される位置の履歴による認証をする動作を行う。
【0040】
先ず端末1は、GPS衛星5から少なくとも位置時刻情報S1を含むGPS信号を受信する。
【0041】
次に端末1は、記憶部14に記憶された自身の端末ID及び位置時刻情報S1を取得した時に時刻取得部12より取得した時刻、及び位置時刻情報S1を含むメッセージS2を、通信部15を介して位置履歴認証サーバ2に送信する。メッセージS2の送信周期は、予め設定された間隔となっている。
【0042】
次に位置履歴認証サーバ2は、通信部21によりメッセージS2を受信すると、端末ID、時刻、及び位置を含む登録情報S3を履歴情報サーバ3の位置履歴情報テーブルに保存する。これによって、位置履歴認証システムは、端末1の位置時刻情報を登録できる。
【0043】
なお、位置時刻情報の登録について、端末1がGPS衛星5から位置時刻情報を取得した例を示したが、これに限定しなくても良い。例えば、位置時刻情報を保持したセンサ群が、端末1が発信した端末IDを受信したときに、端末IDと位置時刻情報を位置履歴認証サーバ2に送信することによって、位置時刻情報の登録を実現してもよい。
【0044】
また、端末1のなりすましによる偽の位置時刻情報の登録、及び、位置履歴認証サーバ2のなりすましによる位置時刻情報の不正入手を防止するために、端末1と位置履歴認証サーバ2との間で事前に相互認証を実施しても良い。
【0045】
この位置履歴認証システムは、端末1のユーザが画像情報サーバ4に蓄積された画像を端末1によって閲覧したい場合に、位置の履歴による端末1の認証を行う。
【0046】
先ず端末1は、記憶部14に保持する自身の端末ID、及び時刻範囲入力部13より入力された画像を取得したい時刻範囲を含む認証要求S4を、通信部15を介して位置履歴認証サーバ2に送信する。
【0047】
次に位置履歴認証サーバ2は、通信部21により認証要求S4を受信すると、端末ID、時刻範囲を条件として履歴情報サーバ3の位置履歴情報テーブルを検索するよう検索要求S5を出力する。
【0048】
次に履歴情報サーバ3は、検索要求S5に対する応答として、認証要求S4に含まれる端末ID、時刻範囲を条件した検索結果である時刻と位置の組の位置時刻情報リストS6を抽出する。
【0049】
次に位置履歴認証サーバ2の電子署名生成部22は、検索要求S5に対する応答としての位置時刻情報リストS6対する位置履歴認証サーバ2の電子署名Sb0を、記憶部23の私有鍵Pbから生成する。そして、位置履歴認証サーバ2は、時刻と位置の組の位置時刻情報リストS6、電子署名Sb0、及び記憶部23に記憶された公開鍵証明書Cbを含む応答メッセージS7を、通信部21を介して端末1に送信する。
【0050】
次に端末1は、通信部15によって応答メッセージS7を受信すると、位置時刻情報、電子署名Sb0、及び公開鍵証明書Cbを含むサービス要求S8を、通信部15を介して画像情報サーバ4に送信する。
【0051】
次に画像情報サーバ4は、通信部41でサービス要求S8を受信する。画像情報サーバ4は、先ず電子署名検証部43によって、サービス要求S8に含まれている公開鍵証明書Cbと記憶部42に予め記憶しておいたルート証明機関の証明書とを比較して、位置履歴認証サーバ2及び公開鍵証明書Cbに含まれる公開鍵Kbの正当性を確認する。サービス要求S8に含まれている公開鍵証明書Cbと記憶部42に予め記憶しておいたルート証明機関の証明書とが一致していた場合には、公開鍵Kbが正当なものであると判断する。続いて、電子署名検証部43は、サービス要求S8に含まれていた位置時刻情報の正当性を、サービス要求S8に含まれていた電子署名Sb0と公開鍵Kbで確認する。位置時刻情報が正当であれば、サービス提供部44は、当該位置時刻情報に対応する画像データS9を、通信部41を介して端末1に送信する。
【0052】
そして、端末1は、通信部15により画像データS9を受信すると、表示部16に画像を表示する。これにより、位置履歴認証システムは、位置履歴の認証を画像蓄積システムに適用し、端末1が存在した時刻及び位置の画像のみを検索できる。
【0053】
以上のように、本発明を適用した位置履歴認証システムによれば、端末1が定期的に位置及び時刻を位置履歴認証サーバ2に送信して蓄積し、当該位置時刻情報の履歴に基づいて認証が成功した場合にかぎり、画像データを端末1に提供できる。これにより、位置履歴認証システムによれば、例えば自宅の監視カメラの画像情報のように、無制限に開示するとプライバシの侵害になるような情報であっても、情報の利用権限のある者に限って開示することができる。
【0054】
なお、上述した例では、画像データを送信するサービス例について説明したが、これに限らず、位置時刻情報と関連付けられた情報を用いたサービス情報であれよい。例えば、画像データではなく、関連情報として音声等を画像情報サーバ4に蓄積しておき、所定の場所、時間で行われたライブ、講義を観覧した者のみがライブ音、講義音声をダウンロードできるサービスに適用することもできる。
【0055】
なお、上述した位置時刻情報の登録及び画像データの送信時等に、ネットワークNWの通信路での盗聴によるプライバシの漏洩を、暗号通信などによって防止してもよい。
【0056】
また、画像情報サーバ4は、信頼する位置履歴認証サーバ2を限定してもよい。例えば、ある特定の地域ごとに位置履歴認証サーバ2を設置し、当該位置履歴認証サーバ2からのみ、当該特定の地域の画像データを記憶する画像情報サーバ4が画像データするようにしても良い。
【0057】
つぎに、上述した位置履歴認証システムにおいて、履歴情報サーバ3の位置時刻情報を端末1の公開鍵Pbで暗号化するものについて、図7乃至図11を参照して説明する。なお、上述した位置履歴認証システムと同じ部分については同一符号を付することによって説明を省略する。
【0058】
この位置履歴認証システムは、図8に示すように、位置履歴認証サーバ2に位置時刻情報の暗号化機能を備える。また、位置履歴認証システムは、位置履歴認証サーバ2に電子署名検証部24を追加して備えている。
【0059】
この位置履歴認証システムにおいて、端末1の記憶部14には、図9に示すように、端末を一意に識別する値である端末ID、端末1のみが保持する公開鍵暗号の私有鍵Pa、私有鍵Paに対応する公開鍵暗号の公開鍵Ka、信頼されたルート証明機関より発行された公開鍵Kaの正当性を証明する証明書であって公開鍵Kaを含んでいる公開鍵証明書Caが記憶されている。
【0060】
位置履歴認証サーバ2の記憶部23には、図10に示すように、位置履歴認証サーバ2のみが保持する公開鍵暗号の私有鍵Pb、私有鍵Pbに対応する公開鍵暗号の公開鍵Kb、信頼されたルート証明機関より発行された公開鍵Kbの正当性を証明する証明書であって公開鍵Kbを含んでいる公開鍵証明書Cb、信頼されたルート証明機関の証明書を記憶している。このルート証明機関の証明書は、公開鍵証明書Caの検証に使用するものである。
【0061】
履歴情報サーバ3には、図5(a)、(b)と同様の図11(a)、(b)に示す情報に加えて、図11(c)、(d)に示す情報が記憶される。履歴情報サーバ3は、図11(c)示すような情報を位置履歴情報テーブルのカラムとし、図11(c)に示すような情報を位置履歴情報テーブルのレコードとしている。位置履歴情報テーブルのカラムとして、位置時刻情報の送信元の端末ID、端末1が位置情報を取得した時刻、公開鍵Kaによって暗号化された位置時刻情報、時刻、暗号化前の位置時刻情報に対する電子署名が設定されている。
【0062】
このような位置履歴認証システムは、図7に示すような動作を行う。
【0063】
先ず端末1は、GPS衛星5から少なくとも位置時刻情報S1を含むGPS信号を受信する。
【0064】
次に端末1は、記憶部14に記憶された自身の端末ID及び位置時刻情報S1を取得した時に時刻取得部12より取得した時刻、位置S1、及び、記憶部14の自身の公開鍵証明書Caを含むメッセージS11を、通信部15を介して位置履歴認証サーバ2に送信する。メッセージS11の送信周期は、予め設定された間隔となっている。
【0065】
次に位置履歴認証サーバ2は、通信部21によりメッセージS11を受信すると、先ず電子署名検証部24が、端末1と公開鍵証明書Caに含まれる公開鍵Kaの正当性を、メッセージS11に含まれていた公開鍵証明書Caと記憶部23に記憶していたルート証明機関の証明書とを比較して確認する。次に電子署名生成部22は、位置時刻情報に対する位置履歴認証サーバ2の電子署名Sb0を、記憶部23に記憶された私有鍵Pbを用いて生成する。その後、位置履歴認証サーバ2は、端末ID、公開鍵Kaで暗号化した位置時刻情報、及び電子署名Sb0を履歴情報サーバ3の位置履歴情報テーブルに保存する。なお、平文の位置時刻情報は、履歴情報サーバ3に保存した時点で破棄する。これによって、位置履歴認証システムは、端末1の位置時刻情報を登録できる。
【0066】
この位置履歴認証システムは、端末1のユーザが画像情報サーバ4に蓄積された画像を端末1によって閲覧したい場合に、位置の履歴による端末1の認証を行う。
【0067】
先ず端末1は、記憶部14に保持する自身の端末ID、及び時刻範囲入力部13より入力された画像を取得したい時刻範囲を含む認証要求S4を、通信部15を介して位置履歴認証サーバ2に送信する。
【0068】
次に位置履歴認証サーバ2は、通信部21により認証要求S4を受信すると、端末ID、時刻範囲を条件として履歴情報サーバ3の位置履歴情報テーブルを検索するよう検索要求S5を出力する。
【0069】
次に履歴情報サーバ3は、検索要求S5に対する応答として、認証要求S4に含まれる端末ID、時刻範囲を条件した検索結果である時刻と公開鍵Kaで暗号化された位置時刻情報、電子署名Sb0の組の位置時刻情報リストS13を抽出する。
【0070】
次に位置履歴認証サーバ2は、位置時刻情報リストS13に含まれている時刻、公開鍵Kaで暗号化された位置時刻情報及び電子署名Sb0の組のリスト、及び、記憶部23に記憶されている公開鍵証明書Cbを含む応答メッセージS14を、通信部21を介して端末1に応答する。
【0071】
次に端末1は、通信部15によって応答メッセージS14を受信すると、公開鍵Kaで暗号化された位置時刻情報を、記憶部14に記憶された私有鍵Paで復号する。そして、端末1は、復号した位置時刻情報、電子署名Sb0、及び公開鍵証明書Cbを含むサービス要求S15を、通信部15を介して画像情報サーバ4に送信する。
【0072】
次に画像情報サーバ4は、通信部41でサービス要求S15を受信する。すると、画像情報サーバ4は、先ず電子署名検証部43によって、サービス要求S15に含まれている公開鍵証明書Cbと記憶部42に予め記憶しておいたルート証明機関の証明書とを比較して、位置履歴認証サーバ2及び公開鍵証明書Cbに含まれる公開鍵Kbの正当性を確認する。サービス要求S8に含まれている公開鍵証明書Cbと記憶部42に予め記憶しておいたルート証明機関の証明書とが一致していた場合には、公開鍵Kbが正当なものであると判断する。続いて、電子署名検証部43は、サービス要求S15に含まれていた位置時刻情報の正当性を、サービス要求S8に含まれていた電子署名Sb0と公開鍵Kbで確認する。位置時刻情報が正当であれば、サービス提供部44は、当該位置時刻情報に対応する画像データS9を、通信部41を介して端末1に送信する。
【0073】
そして、端末1は、通信部15により画像データS9を受信すると、表示部16に画像を表示する。これにより、位置履歴認証システムは、位置履歴の認証を画像蓄積システムに適用し、端末1が存在した時刻及び位置の画像のみを検索できる。
【0074】
これにより、位置履歴認証システムは、端末1でなければ位置時刻情報を復号できないようにして、履歴情報サーバ3に蓄積される位置時刻情報の履歴といったプライバシ情報の漏洩を防止する。
【0075】
つぎに、上述した位置履歴認証システムにおいて、端末1の移動による距離の変化に基づいて個人認証を行う手段を追加することで、端末1の貸与や盗難による不正なサービスの利用を防止するものについて説明する。なお、上述した位置履歴認証システムと同じ部分については同一符号を付することによって説明を省略する。
【0076】
この位置履歴認証システムにおいて、端末1は、図12に示すように、個人認証入力部17及び個人認証処理部18を更に備える。
【0077】
個人認証入力部17は、個人認証情報を入力する操作が行われるボタンやセンサ等により構成される。具体例としては、パスワード、指紋、顔面、声紋などが入力される。個人認証入力部17は、入力された個人認証情報を記憶部14に記憶させる。
【0078】
端末1の記憶部14には、図13に示すように、端末を一意に識別する値である端末ID、個人認証の基準となる情報である個人認証情報、最後に個人認証したときの位置時刻情報である最終認証位置情報が記憶されている。
【0079】
個人認証処理部18は、個人認証情報、最終認証位置情報を用いてユーザの個人認証を行う。個人認証処理部18は、個人認証を許可する場合には、上述した位置時刻情報を用いた画像データの送信サービスを受けるための処理を開始する。一方、個人認証が拒否された場合には、当該サービスのための処理をしない。
【0080】
このような端末1は、個人認証のための個人認証情報の登録時であって、位置時刻情報を用いた画像データの送信サービスの初期状態において、図12に示す処理を行う。先ず、端末1が位置時刻情報の認証を用いて画像データの送信サービスを受けようとする場合、先ず端末1は、ステップST1において、ユーザの操作等に応じて表示部16に個人認証情報の登録画面を表示する。次に、個人認証入力部17によって、個人認証情報が入力されると(ステップST2)、記憶部14に個人認証情報を保存する(ステップST3)。
【0081】
この端末1による位置時刻情報の登録時には、端末1は、図15に示すような処理を行う。
【0082】
先ず端末1は、ステップST11において、個人認証処理部18によって最終認証位置情報が記憶部14に記憶されているか否かを判定する。最終認証位置情報がある場合には、ステップST12に処理を進め、最終認証位置情報がない場合にはステップST13に処理を進める。
【0083】
ステップST12において、個人認証処理部18は、最終認証位置情報からの移動距離が所定距離に達するという条件を満たしたか否かを判定する。条件を満たす場合にはステップST13に処理を進め、条件を満たさない場合にはステップST17に処理を進める。
【0084】
次のステップST13において、表示部16は個人認証画面を表示し、次のステップST14において、個人認証入力部17により個人認証情報が入力される。
【0085】
次のステップST15において、個人認証処理部18は、ステップST14にて入力された個人認証情報と、図14の処理によって登録された個人認証情報とを照合して、一致している場合には認証に成功したと判定する。一方、入力された個人認証情報が記憶されている個人認証情報と一致しない場合には認証を拒否し、処理を終了する。
【0086】
認証に成功した場合、ステップST16に処理を進めて、個人認証処理部18は、記憶部14に記憶されていた最終認証位置情報を新たな最終認証位置情報に更新する。
【0087】
次のステップST17において、端末1は、位置情報取得部11により取得した最終認証位置情報を位置履歴認証サーバ2に送信する。これにより、端末1は、履歴情報サーバ3に位置時刻情報を記憶(登録)させることができる。
【0088】
また、この端末1において、位置時刻情報を用いた画像データの送信サービスの利用時において、図16のような処理を行う。先ず、端末1は、ステップST1において、ユーザの操作等に応じて表示部16に個人認証情報の登録画面を表示する。次に、個人認証入力部17によって、個人認証情報が入力されると(ステップST2)、個人認証処理部18によって認証を行う。
【0089】
個人認証処理部18は、ステップST23において、ステップST22にて入力された個人認証情報と、図14の処理によって登録された個人認証情報とを照合して、一致している場合には認証に成功したと判定する。一方、入力された個人認証情報が記憶されている個人認証情報と一致しない場合には認証を拒否し、処理を終了する。
【0090】
ステップST24において、端末1は、サービスを受けるために、記憶部14に保持する自身の端末ID、及び時刻範囲入力部13より入力された画像を取得したい時刻範囲を含む認証要求S4を、通信部15を介して位置履歴認証サーバ2に送信する。
【0091】
以上のように、この位置履歴認証システムによれば、端末1の移動による距離の変化に基づいて個人認証情報を用いた認証処理を行うので、端末1の盗難者がサービスを受けようとしても、画像が端末1で閲覧されることなく、セキュリティ性を高めることができる。
【0092】
なお、個人認証情報を記憶する構成及び個人認証情報を認証する構成は、例えば位置履歴認証サーバ2のような、端末1の外部にあってもよい。その場合、個人認証情報は端末IDと関連付けて保持し、端末1は個人認証時に個人認証情報と共に端末IDを送信する必要がある。
【0093】
つぎに、上述した位置履歴認証システムにおいて、端末1に方向を取得する手段を追加することにより、方向によってサービスの提供を制御するものについて、図17乃至図19を参照して説明する。なお、上述した位置履歴認証システムと同じ部分については同一符号を付することによって説明を省略する。
【0094】
この位置履歴認証システムにおける端末1は、図18に示すように、方向取得部19を備える。この方向取得部19は、位置情報取得部11が取得した時間的に前後する位置情報を用いて、端末1の移動方向を取得する。
【0095】
また、この位置履歴認証システムにおける履歴情報サーバ3は、図19(a)に示すような情報を位置履歴情報テーブルのカラムとし、図19(b)に示すような情報を位置履歴情報テーブルのレコードとしている。位置履歴情報テーブルのカラムとして、位置時刻情報の送信元の端末ID、端末1が位置情報を取得した時刻、端末1が取得した位置情報、端末1が取得した方向が設定されている。
【0096】
この位置履歴認証システムは、端末1の方向情報を取得し、位置時刻情報に加えて方向情報を当該位置及び方向を取得した時刻と共に位置履歴認証サーバ2に送信し、履歴情報サーバ3によって位置時刻情報に加えて方向情報を蓄積する。この位置履歴認証システムは、例えば図17に示すように動作する。
【0097】
先ず端末1は、GPS衛星5から少なくとも位置時刻情報S1を含むGPS信号を受信する。
【0098】
次に端末1は、記憶部14に記憶された自身の端末ID及び位置時刻情報S1を取得した時に時刻取得部12より取得した位置時刻情報S1、及び方向情報を含むメッセージS21を、通信部15を介して位置履歴認証サーバ2に送信する。メッセージS21の送信周期は、予め設定された間隔となっている。
【0099】
次に位置履歴認証サーバ2は、通信部21によりメッセージS21を受信すると、端末ID、位置時刻情報、及び、方向情報を含む登録情報S22を履歴情報サーバ3の位置履歴情報テーブルに保存する。これによって、位置履歴認証システムは、端末1の位置時刻情報を登録できる。
【0100】
この位置履歴認証システムは、端末1のユーザが画像情報サーバ4に蓄積された画像を端末1によって閲覧したい場合に、位置の履歴による端末1の認証を行う。
【0101】
先ず端末1は、記憶部14に保持する自身の端末ID、及び時刻範囲入力部13より入力された画像を取得したい時刻範囲を含む認証要求S4を、通信部15を介して位置履歴認証サーバ2に送信する。
【0102】
次に位置履歴認証サーバ2は、通信部21により認証要求S4を受信すると、端末ID、時刻範囲を条件として履歴情報サーバ3の位置履歴情報テーブルを検索するよう検索要求S5を出力する。
【0103】
次に履歴情報サーバ3は、検索要求S5に対する応答として、認証要求S4に含まれる端末ID、時刻範囲を条件した検索結果である位置時刻情報と方向情報の組の位置時刻情報リストS23を抽出する。
【0104】
次に位置履歴認証サーバ2の電子署名生成部22は、検索要求S5に対する応答としての位置時刻情報リストS23対する位置履歴認証サーバ2の電子署名Sb0を、記憶部23の私有鍵Pbから生成する。そして、位置履歴認証サーバ2は、時刻と位置と方向情報との組の位置時刻情報リストS6、電子署名Sb0、及び記憶部23に記憶された公開鍵証明書Cbを含む応答メッセージS24を、通信部21を介して端末1に送信する。
【0105】
次に端末1は、通信部15によって応答メッセージS24を受信すると、時刻、位置情報、方向情報、電子署名Sb0、及び公開鍵証明書Cbを含むサービス要求S25を、通信部15を介して画像情報サーバ4に送信する。
【0106】
次に画像情報サーバ4は、通信部41でサービス要求S25を受信する。すると、画像情報サーバ4は、先ず電子署名検証部43によって、サービス要求S8に含まれている公開鍵証明書Cbと記憶部42に予め記憶しておいたルート証明機関の証明書とを比較して、位置履歴認証サーバ2及び公開鍵証明書Cbに含まれる公開鍵Kbの正当性を確認する。サービス要求S8に含まれている公開鍵証明書Cbと記憶部42に予め記憶しておいたルート証明機関の証明書とが一致していた場合には、公開鍵Kbが正当なものであると判断する。続いて、電子署名検証部43は、サービス要求S8に含まれていた時刻、位置情報及び方向情報の正当性を、サービス要求S8に含まれていた電子署名Sb0と公開鍵Kbで確認する。時刻、位置情報及び方向情報が正当であれば、サービス提供部44は、当該時刻、位置情報及び方向情報に対応する画像データS9を、通信部41を介して端末1に送信する。
【0107】
そして、端末1は、通信部15により画像データS9を受信すると、表示部16に画像を表示する。これにより、位置履歴認証システムは、位置履歴の認証を画像蓄積システムに適用し、端末1が存在していた時刻、位置及び方向情報の画像のみを検索できる。
【0108】
以上のように、本発明を適用した位置履歴認証システムによれば、位置時刻情報に加えて方向情報を用いた認証を行うことによって、例えば車載の端末1で後方の画像へのアクセスを制限することが可能となる。例えば、高速道路を走行したときに、進行方向は500メートルまで、逆方向は100メートルまでという制限をかけることで、「運転者から見えていたであろう画像のみアクセスできる」という要求を満たすことができる。
【0109】
つぎに、上述した位置履歴認証システムにおいて、位置に関連付けられた個人を登録及び認証する手段を追加したものについて、図20及び図21を参照して説明する。
【0110】
この位置履歴認証システムにおける位置履歴認証サーバ2は、図20に示すように、位置所有情報入力部25を更に備える。この位置所有情報入力部25は、例えば監視カメラが取り付けられた敷地の所有者(登録者)を位置所有情報として入力する。そして、位置履歴認証サーバ2は、位置所有情報入力部25により登録された位置所有情報を履歴情報サーバ3に記憶させる。
【0111】
履歴情報サーバ3には、上述した位置履歴情報テーブルに加えて、図21に示す位置所有情報テーブルが記憶されている。履歴情報サーバ3は、図21(a)に示すような情報を位置所有情報テーブルのカラムとし、図21(b)に示すような情報を位置所有情報テーブルのレコードとしている。位置履歴情報テーブルのカラムとして、位置時刻情報の送信元の端末ID、位置の所有を開始した時刻である開始時刻、位置の所有を終了した時刻である終了時刻、端末1が位置情報を取得した時刻、端末が取得した位置情報が設定されている。
【0112】
このような位置履歴認証システムは、位置の所有の登録開始時に、位置所有情報入力部25から位置の所有者が保持する端末1の端末ID、開始時刻及び位置時刻情報を入力する。そして、位置履歴認証サーバ2は、入力した開始時刻及び位置時刻情報を履歴情報サーバ3の位置所有情報テーブルに記録する。
【0113】
この位置履歴認証システムは、位置時刻情報の履歴に基づいて画像データを送信するときの認証時に、認証要求S4に含まれる端末ID、時刻範囲を条件とした履歴情報サーバ3の位置履歴情報テーブルの検索と共に、位置所有情報テーブルも検索する。そして、履歴情報サーバ3は、認証要求S4に含まれた端末IDと同じ端末IDに対応付けられ、認証要求S4に含まれた時刻範囲に記憶部14の開始時刻から終了時刻までの時間が含まれている場合に、時刻と位置情報の組の位置時刻情報リストを抽出する。
【0114】
以上のように、この位置履歴認証システムによれば、画像情報サーバ4に記憶された画像に関する所有者(登録者)の端末IDを履歴情報サーバ3に記憶しておき、認証要求に含まれる端末IDと所有者の端末IDとが照合した場合に、認証を許可する。これにより、例えば敷地の所有者は、その敷地の画像を閲覧することが可能となり、特に、画像情報サーバ4に蓄積された画像が移動体によって撮影されたものであるときに有効である。
【0115】
つぎに、上述した位置履歴認証システムにおいて、画像情報サーバ4により画像を提供する時に、当該画像の位置及び時間に関連する個人に同意を得る手段を追加したものについて、図22乃至図24を参照して説明する。
【0116】
この位置履歴認証システムは、図22に示すように、端末1の他の端末10を備える。この端末10は、画像情報サーバ4に記憶された画像の位置及び時間と関連を有する者が所有するものである。この端末10も、端末1と同様に、位置時刻情報を定期的に位置履歴認証サーバ2に出力して、履歴情報サーバ3に記憶される。
【0117】
例えば、画像情報サーバ4が特定の位置における監視カメラの画像を蓄積するものである場合、端末10の所有者が当該監視カメラの撮像範囲内に位置していたとする。そして、端末1が端末10を所有者が撮像された画像を要求した場合に、位置履歴認証システムは、端末10に対して確認要求をする。
【0118】
この位置履歴認証システムにおける端末10は、図23に示すように、確認結果入力部20を備える。この確認結果入力部20は、位置履歴認証サーバ2が確認要求を送信したことに対する応答としての確認結果を入力する。確認結果入力部20は、確認結果として、画像の閲覧許可又は閲覧拒否を入力する。そして、位置履歴認証システムは、確認結果を、通信部15を介して位置履歴認証サーバ2に送信する。
【0119】
この位置履歴認証システムにおいて、端末1が画像情報サーバ4に記憶された画像の送信を希望する場合、上述したように、端末1が認証要求S31を位置履歴認証サーバ2に送信する。
【0120】
これに応じ、位置履歴認証サーバ2は、端末ID、時刻範囲を条件として履歴情報サーバ3の位置履歴情報テーブルを検索するよう検索要求S32を出力し、履歴情報サーバ3は、端末ID、時刻範囲を条件した検索結果である時刻と位置の組の位置時刻情報リストS33を抽出する。そして、位置履歴認証サーバ2は、検索要求S31に対する応答をする前に、位置時刻情報リストS33に含まれる位置時刻情報に対応した他の端末10の情報を取得する。
【0121】
このため、位置履歴認証サーバ2は、位置時刻情報リストS33の含まれる時刻と位置の組それぞれについて、近接する時刻と位置の組を持つレコードを位置履歴情報テーブルから検索させる検索要求S34を履歴情報サーバ3に送信する。
【0122】
履歴情報サーバ3は、検索要求S34に従って検索し、検索要求S34の結果としての画像送信することを確認するべき端末10の端末ID(確認端末ID)、時刻、位置の確認端末リスト35を応答する。
【0123】
位置履歴認証サーバ2は、確認端末リスト35を受信すると、各確認端末IDの端末10に対して、付帯情報(時刻、位置)を伴う確認要求S36を、通信部21を介して送信する。このとき、位置履歴認証サーバ2は、図24に示すように、履歴情報サーバ3による確認端末の検索結果としての位置時刻情報があるか否かを判定し(ステップST31)、検索結果がある場合に、端末10に確認要求を送信する(ステップST33)。確認端末の検索結果に複数の端末10が含まれる場合、位置履歴認証サーバ2は、全ての端末10に対して確認要求S36を送信することとなる。
【0124】
端末10は、通信部15で確認要求S36を受信すると、表示部16に確認要求画面を表示し、確認結果入力部20から入力された確認結果S37を、通信部15を介して位置履歴認証サーバ2に送信する。
【0125】
位置履歴認証サーバ2は、確認結果S37を受信すると、当該確認結果が許可又は拒否かを確認し、全ての確認端末から確認結果が許可であることを受信した場合に、時刻と位置の組の位置時刻情報リストS33、電子署名Sb0、及び記憶部23に記憶された公開鍵証明書Cbを含む応答メッセージS38を端末1に送信する(ステップST35)。
【0126】
そして、端末1は、通信部15によって応答メッセージS38を受信すると、時刻、位置、電子署名Sb0、及び公開鍵証明書Cbを含むサービス要求S39を画像情報サーバ4に送信し、画像情報サーバ4から画像データS40を取得できる。
【0127】
以上のように、この位置履歴認証システムによれば、位置時刻情報に基づく認証を許可し、当該位置時刻情報に関連して履歴情報サーバ3に記憶された他の端末IDが存在する場合に、当該他の端末IDの端末10に確認要求を送信する。そして、位置履歴認証サーバ2は、当該他の端末10から当該位置時刻情報に関連したサービス情報の送信を許可する応答を受信した後に、画像情報サーバ4から端末1に画像を送信させることができる。
【0128】
したがって、この位置履歴認証システムによれば、例えば監視カメラの画像に写っている他人を見たい者があるとき、当該他人に合意の確認を問い合わせるので、プライバシの向上ができる。また、この位置履歴認証システムによれば、当該位置履歴認証システムで送信される画像は他人の許可が得られたものであるという納得したサービスを提供できる。
【0129】
例えば、敷地の所有者が、その敷地の画像を閲覧するとき、当事者同士が直接情報を交換することなく、その画像に写っている個人の合意を得ることが可能となる。
【0130】
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0131】
1 端末
2 位置履歴認証サーバ
3 履歴情報サーバ
4 画像情報サーバ
5 GPS衛星
10 端末
11 位置情報取得部
12 時刻取得部
13 時刻範囲入力部
14 記憶部
15 通信部
16 表示部
17 個人認証入力部
18 個人認証処理部
19 方向取得部
20 確認結果入力部
21 通信部
22 電子署名生成部
23 記憶部
24 電子署名検証部
25 位置所有情報入力部
35 確認端末リスト
41 通信部
42 記憶部
43 電子署名検証部
44 サービス提供部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自身の位置と当該自身の位置を取得した時刻とを対応付けた位置時刻情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段により取得された位置時刻情報及び端末識別子を送信する情報送信手段とを備える端末と、
前記情報送信手段により受信された端末識別子及び位置時刻情報を蓄積することにより位置時刻情報の履歴を記憶する履歴記憶手段とを備える履歴情報サーバと、
前記位置時刻情報と関連付けられたサービス情報を記憶し、当該サービス情報を前記端末に送信する関連情報サーバと、
前記端末から送信された端末識別子及び時刻範囲を含む認証要求に応じ、前記情報送信手段により送信された位置時刻情報に基づいて認証を行う位置履歴認証サーバとを備え、
前記関連情報サーバは、前記位置認証認証サーバの認証により許可された前記端末にのみ、記憶されたサービス情報のうち前記認証要求に含まれた時刻範囲に関連するサービス情報を送信すること
を特徴とする位置履歴認証システム。
【請求項2】
前記履歴情報サーバには、前記端末の公開鍵で暗号化した位置時刻情報を記憶することを特徴とする請求項1に記載の位置履歴認証システム。
【請求項3】
前記端末の移動による距離の変化に基づいて、前記端末の個人認証を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の位置履歴認証システム。
【請求項4】
前記情報取得手段は、前記端末の方向情報を取得し、
前記情報送信手段は、前記位置時刻情報に加えて前記方向情報を、当該位置及び方向を取得した時刻と共に送信し、
前記履歴情報サーバは、前記位置時刻情報に加えて前記方向情報を蓄積し、
前記位置履歴認証サーバは、前記情報送信手段により送信された位置時刻情報及び方向情報に基づいて認証を行うこと
を特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の位置履歴認証システム。
【請求項5】
前記関連情報サーバに記憶されたサービス情報に関する登録者の端末識別子を前記履歴情報サーバに記憶しておき、
前記位置履歴認証サーバは、前記端末識別子を含む認証要求に応じて、当該認証要求に含まれる端末識別子と前記登録者の端末識別子とが照合した場合に、認証を許可すること
を特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の位置履歴認証システム。
【請求項6】
前記位置履歴認証サーバは、位置時刻情報に基づく認証を許可し、当該位置時刻情報に関連して前記履歴情報サーバに記憶された他の端末識別子が存在する場合に、当該他の端末識別子の端末に確認要求を送信し、当該他の端末から当該位置時刻情報に関連したサービス情報の送信を許可する応答を受信した後に、前記関連情報サーバに、前記認証要求に含まれた時刻範囲に関連するサービス情報を送信させることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の位置履歴認証システム。
【請求項7】
自身の位置と当該自身の位置を取得した時刻とを対応付けた位置時刻情報及び端末識別子を端末から受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された端末識別子及び位置時刻情報を蓄積することにより位置時刻情報の履歴を記憶する履歴記憶手段と、
前記位置時刻情報と関連付けられたサービス情報を記憶し、当該サービス情報を前記端末に送信する関連情報送信手段と、
前記端末から送信された端末識別子及び時刻範囲を含む認証要求に応じ、前記履歴記憶手段に記憶された位置時刻情報に基づいて認証を行う位置履歴認証手段とを備え、
前記関連情報送信手段は、前記位置認証認証手段の認証により許可された前記端末にのみ、予め記憶されたサービス情報のうち前記認証要求に含まれた時刻範囲に関連するサービス情報を送信すること
を特徴とするサーバ装置。
【請求項8】
サーバ装置により実行されるプログラムであって、
自身の位置と当該自身の位置を取得した時刻とを対応付けた位置時刻情報及び端末識別子を端末から受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された端末識別子及び位置時刻情報を蓄積することにより位置時刻情報の履歴を記憶する履歴記憶手段と、
前記位置時刻情報と関連付けられたサービス情報を記憶し、当該サービス情報を前記端末に送信する関連情報送信手段と、
前記端末から送信された端末識別子及び時刻範囲を含む認証要求に応じ、前記履歴記憶手段に記憶された位置時刻情報に基づいて認証を行う位置履歴認証手段とを備え、
前記関連情報送信手段は、前記位置認証認証手段の認証により許可された前記端末にのみ、予め記憶されたサービス情報のうち前記認証要求に含まれた時刻範囲に関連するサービス情報を送信することを実現するためのサーバ装置のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2012−133526(P2012−133526A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−284331(P2010−284331)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】