説明

位置検出装置

【課題】位置検出を高精度に行うことができる位置検出装置を提供する。
【解決手段】ギヤの歯の移動により変化する磁界によって抵抗値が変化する磁気抵抗素子が備えられ、磁気抵抗素子の抵抗値の変化に基づいてギヤの回転角度位置が検出される。基板30上に、同一の層において磁性薄膜にて構成される磁気抵抗素子ブリッジが複数並設され、かつ、縦方向にシリコン酸化膜33,35,37,39を介在させた状態で磁気抵抗素子ブリッジの一部が重なるようにして3層以上に磁気抵抗素子ブリッジが積層されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
回転角度位置等を検出する位置検出装置として磁気抵抗素子を複数用いたものが知られている(特許文献1参照)。磁気抵抗素子は、基板上に磁性薄膜を1層形成して構成していた。
【特許文献1】特開2001−153683号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年、センサの高精度化の要求が増している。特に、回転センサにおいては360°検出、0.1%FS等の厳しい要求がX−byWireの進展とともに増えている。
高精度回転センサでは、センサの取り付け位置を精度良く調整・決定する必要がある。このためには、X,Y方向、Z方向に接近して磁気抵抗素子を配置する必要があるが、X,Y方向、つまり平面方向では、同じ平面上の素子を重ね合わせることはできない。
【0004】
本発明は、上記問題点に着目してなされたものであり、その目的は、位置検出を高精度に行うことができる位置検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、基板上に、同一の層において磁性薄膜にて構成される磁気抵抗素子または磁気抵抗素子ブリッジが複数並設され、かつ、縦方向に絶縁膜を介在させた状態で前記磁気抵抗素子または磁気抵抗素子ブリッジの一部が重なるようにして3層以上に前記磁気抵抗素子または磁気抵抗素子ブリッジを積層してなることを要旨とする。
【0006】
請求項1に記載の発明によれば、単一の層のみにおいて磁気抵抗素子または磁気抵抗素子ブリッジを並設する場合に比べ横方向に磁気抵抗素子または磁気抵抗素子ブリッジを接近して配置することができ、位置検出を高精度に行うことができる。
【0007】
請求項2に記載のように、請求項1に記載の位置検出装置において、基板の両面に、同一の層において磁性薄膜にて構成される磁気抵抗素子または磁気抵抗素子ブリッジが複数並設され、かつ、縦方向に絶縁膜を介在させた状態で前記磁気抵抗素子または磁気抵抗素子ブリッジの一部が重なるようにして3層以上に前記磁気抵抗素子または磁気抵抗素子ブリッジを積層してなるものであると、磁気抵抗素子または磁気抵抗素子ブリッジの積層数を多くでき、さらに位置検出を高精度に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1には本実施形態における位置検出装置としてのクランク角センサを示し、図1(a)はクランク角センサの縦断面図であり、図1(b)はクランク角センサの横断面図である。
【0009】
エンジンブロック11内にギヤ10が配置され、外周に歯を有するギヤ10はクランクシャフトの回転と共に回転する。
エンジンブロック11にはクランク角センサ20がネジ27により取り付けられている。クランク角センサ20は円柱状のセンサボディ21を具備し、この円柱状のセンサボディ21の外周部には鍔部26が突出している。この鍔部26を貫通するネジ27をエンジンブロック11に螺入することによりクランク角センサ20がエンジンブロック11に固定されている。
【0010】
円柱状のセンサボディ21の一端面には平板状のプレート部22が突出している。プレート部22の一方の面にはセンサチップ23が配置されている。センサチップ23はギヤ10と一定の距離だけ離間している。センサチップ23には複数の磁気抵抗素子(MR素子)が形成されている。
【0011】
センサチップ23とギヤ10の位置関係について、図1(a)に示すように、X,Yで示す同一の平面内においてセンサチップ23とギヤ10が離間して配置され、かつ、図1(b)に示すように、X,Y平面に直交するZ軸方向においてセンサチップ23とギヤ10が同一高さに配置されている。Y方向がギヤ10に対しセンサチップ23が接離する方向である。
【0012】
円柱状のセンサボディ21には有蓋円筒形をなすキャップ24が装着され、プレート部22およびセンサチップ23はキャップ24により覆われている。キャップ24の内面にはバイアス磁石25が配置されている。バイアス磁石25により、センサチップ23の磁気抵抗素子(MR素子)を通りギヤ10に向かうバイアス磁界が印加される。
【0013】
図2にはセンサチップ23の縦断面図を示す。図2において、基板30上において磁気抵抗素子を構成する磁性薄膜(NiFe膜やNiCo膜)が立体的にパターニングされている(積層して配置されている)。詳しくは、シリコン基板30上に絶縁膜としてのシリコン酸化膜31が形成され、このシリコン酸化膜31上にはMR素子を構成する磁性薄膜のパターン32が形成されている。パターン32上を含めたシリコン酸化膜31上には絶縁膜としてのシリコン酸化膜33が形成されている。シリコン酸化膜33上にはMR素子を構成する磁性薄膜のパターン34が形成されている。パターン34上を含めたシリコン酸化膜33上に絶縁膜としてのシリコン酸化膜35が形成されている。シリコン酸化膜35上にはMR素子を構成する磁性薄膜のパターン36が形成されている。パターン36上を含めたシリコン酸化膜35上には絶縁膜としてのシリコン酸化膜37が形成されている。シリコン酸化膜37上にはMR素子を構成する磁性薄膜のパターン38が形成されている。パターン38上を含めたシリコン酸化膜37上には絶縁膜としてのシリコン酸化膜39が形成されている。シリコン酸化膜39上にはMR素子を構成する磁性薄膜のパターン40が形成されている。パターン40上を含めたシリコン酸化膜39上にはパッシベーション膜としてのシリコン窒化膜41が形成されている。
【0014】
また、図2において各層のパターン32,34,36,38,40はシリコン酸化膜33,35,37,39に設けたビアホール42を通して電気的に接続されている。
図2におけるMR素子を構成する磁性薄膜のパターン32、即ち、第1層目のパターンの平面図を図3に示す。また、図2におけるMR素子を構成する磁性薄膜のパターン34、即ち、第2層目のパターンの平面図を図4に示す。また、図2におけるMR素子を構成する磁性薄膜のパターン36、即ち、第3層目のパターンの平面図を図5に示す。また、図2におけるMR素子を構成する磁性薄膜のパターン38、即ち、第4層目のパターンの平面図を図6に示す。また、図2におけるMR素子を構成する磁性薄膜のパターン40、即ち、第5層目のパターンの平面図を図7に示す。
【0015】
図3において、図8に示す、4つのMR素子100a,100b,100c,100dでフルブリッジを組んだ磁気抵抗素子ブリッジ(以下、MREブリッジという)100が、9個配置されている。
【0016】
まず、図8について説明する。図8(a)はMREブリッジ100の平面図であり、図8(b)は図8(a)のA−A線での縦断面図である。
図8において、シリコン酸化膜上において磁性薄膜が帯状にパターニングされている。ここで、MR素子100aは蛇行しながら同一方向、詳しくはY方向に対し略45°傾いた方向に延びている。また、MR素子100bはMR素子(蛇行部)100aと同一方向に蛇行しながら延びている。MR素子100cはMR素子(蛇行部)100a,100bとは直交する方向に蛇行しながら延び、また、MR素子100dはMR素子(蛇行部)100cと同一方向に蛇行しながら延びている。MR素子100aの一端とMR素子100cの一端とが電気的に接続され、ここに電源電圧Vccが印加される。MR素子100aの他端とMR素子100dの一端とが電気的に接続されるとともに、MR素子100cの他端とMR素子100bの一端とが電気的に接続されている。MR素子100dの他端とMR素子100bの他端とが電気的に接続され、ここが接地(グランド電位に)される。MR素子100aとMR素子100dとの間の接続点P1と、MR素子100cとMR素子100bとの間の接続点P2との間の電位差がブリッジ出力となる。
【0017】
図3の説明に戻り、図2でのシリコン酸化膜31上において、図8の素子構成(MREブリッジ)がX方向に5つ並べて配置され、これを図3では符号111,112,113,114,115で示す。つまり、MREブリッジ111の右横にMREブリッジ112,113が並べて配置されるとともに、MREブリッジ111の左横にMREブリッジ114,115が並べて配置されている。また、MREブリッジ111を中心にして図8の素子構成がY方向に5つ並べて配置され、これを図3では符号111,116,117,118,119で示す。つまり、図3においてMREブリッジ111の上にMREブリッジ116,117が並べて配置されるとともに、MREブリッジ111の下にMREブリッジ118,119が並べて配置されている。
【0018】
このようにして図3において9個のMREブリッジ111〜119が十字状に配置されている。即ち、第1層目において磁性薄膜にて構成されるMREブリッジがX,Y方向に9個並設されている。
【0019】
図2でのシリコン酸化膜33上において、図8の素子構成(MREブリッジ)がX方向に4つ並べて配置され、これを図4では符号121,122,123,124で示す。つまり、第1層目のMREブリッジ111の上層側において、X方向においてMREブリッジ111と半分重なるようにMREブリッジ121,123が並べて配置され、さらに、MREブリッジ121の右横にMREブリッジ122が並べて配置されるとともに、MREブリッジ123の左横にMREブリッジ124が並べて配置されている。
【0020】
このようにして、第2層目において磁性薄膜にて構成されるMREブリッジがX方向に4個並設され、かつ、下層(第1層目)のMREブリッジとは一部が重なるように配置されている。
【0021】
図2でのシリコン酸化膜35上において、図8の素子構成(MREブリッジ)がY方向に4つ並べて配置され、これを図5では符号131,132,133,134で示す。つまり、第1層目のMREブリッジ111の上層側において、Y方向においてMREブリッジ111と半分重なるようにMREブリッジ131,133が並べて配置され、さらに、図5でのMREブリッジ131の上にMREブリッジ132が並べて配置されるとともに、MREブリッジ133の下にMREブリッジ134が並べて配置されている。
【0022】
このようにして、第3層目において磁性薄膜にて構成されるMREブリッジがY方向に4個並設され、かつ、下層(第1,2層目)のMREブリッジとは一部が重なるように配置されている。
【0023】
図2でのシリコン酸化膜37上において、図8の素子構成(MREブリッジ)がX方向に4つ並べて配置され、これを図6では符号141,142,143,144で示す。つまり、第1層目のMREブリッジ111の上層側において、X方向においてMREブリッジ111と1/4だけ重なるようにMREブリッジ141,143が配置され、さらに、MREブリッジ141の右横にMREブリッジ142が並べて配置されるとともに、MREブリッジ143の左横にMREブリッジ144が並べて配置されている。
【0024】
このようにして、第4層目において磁性薄膜にて構成されるMREブリッジがX方向に4個並設され、かつ、下層(第1,2,3層目)のMREブリッジとは一部が重なるように配置されている。
【0025】
図2でのシリコン酸化膜39上において、図8の素子構成(MREブリッジ)がY方向に4つ並べて配置され、これを図7では符号151,152,153,154で示す。つまり、第1層目のMREブリッジ111の上層側において、Y方向においてMREブリッジ111と1/4だけ重なるようにMREブリッジ151,153が配置され、さらに、図7でのMREブリッジ151の上においてMREブリッジ152が並べて配置されるとともに、MREブリッジ153の下にMREブリッジ154が並べて配置されている。
【0026】
このようにして、第5層目において磁性薄膜にて構成されるMREブリッジがY方向に4個並設され、かつ、下層(第1,2,3,4層目)のMREブリッジとは一部が重なるように配置されている。
【0027】
以上のように、同一の層において磁性薄膜にて構成されるMREブリッジが複数並設され、かつ、縦方向にシリコン酸化膜を介在させた状態でX,Yそれぞれの方向に一部が重なるようにして5層にわたりMREブリッジが積層されている。
【0028】
図9には、クランク角センサの回路構成を示す。
図9において、前述のように基板上に配置した15個のMREブリッジは、それぞれ差動増幅器70を介してコントローラ71に接続されている。15個のMREブリッジは、それぞれ差動増幅器70を介することにより、ブリッジ出力Vn(=Vna−Vnb)がコントローラ71に送られる。なおここで、nは「1」から「15」までの整数値である。コントローラ71には組立用モニタ装置72が接続され、ブリッジ出力Vn(=Vna−Vnb)をVn表示器73により表示することができるようになっている。
【0029】
次に、クランク角センサの作用について説明する。
組み付け時において、図1のエンジンブロック11にクランク角センサ20を取り付ける際に次のようにする。
【0030】
エンジンブロック11にクランク角センサ20を仮止めした状態で、組立作業者は、図9のVn表示器73によるブリッジ出力Vn(=Vna−Vnb)を読む。そして、各MREブリッジ111〜119,121〜124,131〜134,141〜144,151〜154の出力値がそれぞれ所定値(最適値)となるようにクランク角センサ20をエンジンブロック11に組み付ける。
【0031】
つまり、X方向に関して、図3においてはMREブリッジ111〜115の出力値のうちのMREブリッジ111の出力値が最大値となり、図4においてはMREブリッジ121〜124の出力値のうちのMREブリッジ121,123の出力値が最大値となり、図6においてはMREブリッジ141〜144の出力値のうちのMREブリッジ141,143の出力値が最大値となるようにする。
【0032】
また、Y方向に関して、図3のMREブリッジ111,116〜119の出力値、図5のMREブリッジ131〜134の出力値、図7のMREブリッジ151〜154の出力値がそれぞれ所定値(最適値)となるようにする。
【0033】
こうすれば、XおよびY方向において適切に配置されたことになる。換言すると、こうなるように位置決めする。
また、Z方向においても、各MREブリッジ111〜119,121〜124,131〜134,141〜144,151〜154の出力値がそれぞれ所定値(最適値)となれば、Z方向において適切に配置されたことなる。
【0034】
組み付け後の測定時においては、図3のMREブリッジ111等からの信号出力によりギヤ10の回転位置を検出する。即ち、被検出体としてのギヤ10の歯の移動により変化する磁界によって磁気抵抗素子の抵抗値が変化し、この抵抗値の変化に基づいてギヤ10の回転角度位置(クランク角)が検出される。
【0035】
図8(a)においてMREブリッジ100の縦横寸法が「W」であったとき、1平面のみにおいて当該MREブリッジ100を2つ並べて配置する場合にはパターンショートとなるので重ね合わせることができず、図10のように、中心間距離がWだけ離れてしまう。この場合には、角度精度を悪化させる要因となる。
【0036】
これに対し、本実施形態においては、層間絶縁膜を挟んでMREブリッジを重ねて配置することによりパターンショートを防止するとともに、絶縁膜に形成したビアホール42を用いて層間を電気的に接続する。これにより、第1層目においてMREブリッジを十字状に配置し、その十字の中心に対しMREブリッジをXまたはY方向に一部が重なり合うようにして接近して多数配置している。よって、図10のように1平面のみにおいてMREブリッジを並べて配置する場合に比べ、回転角センサに必要になる正確な位置合わせを行うことができ、これにより高精度な磁気位置検出が可能となる。
【0037】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
基板30上に、同一の層において磁性薄膜にて構成されるMREブリッジが複数並設され、かつ、縦方向に絶縁膜(シリコン酸化膜33,35,37,39)を介在させた状態でMREブリッジの一部が重なるようにして3層以上にMREブリッジを積層してなる構成とした。これにより、単一の層のみにおいてMREブリッジを並設する場合に比べ横方向(X,Y方向)にMREブリッジを接近して配置することができ、センサの取り付け位置を精度良く調整・決定でき、回転角度位置検出を高精度に行うことができる。
【0038】
なお、前記実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記実施形態では、回転角度位置検出を高精度に行うべく組み立て時に各MREブリッジ111〜119,121〜124,131〜134,141〜144,151〜154の出力値がそれぞれ所定値(最適値)となるようにクランク角センサ20をエンジンブロック11に組み付けるようにした。これに限らず、組み立て時に各MREブリッジの出力値をモニターすることなく組み付けを行って、その組み付け後において回転角度位置検出を高精度に行うべく各MREブリッジ111〜119,121〜124,131〜134,141〜144,151〜154の内の出力値の大きな所定のMREブリッジを用いてクランク角の検出を行うようにしてもよい。
【0039】
・前記実施形態では、図2に示すように、基板30の片面にMREブリッジを多層に配置したが、基板の両面においてMREブリッジを多層に配置してもよい。より具体的には、図11に示すように、基板30の一方の面において図2を用いて説明したようにシリコン酸化膜31,33,35,37,39を挟んで各層にMREブリッジを形成し、基板50の一方の面においてシリコン酸化膜51,53,55,57,59を挟んで各層にMREブリッジ(パターン52,54,56,58,60)を形成するとともにシリコン窒化膜61で被覆し、基板30の他方の面と基板50の他方の面を貼り合せる。基板の一方の面でのMREブリッジの配置と、基板の他方の面でのMREブリッジの配置を異ならせるとよい。このようにして、基板の両面に、同一の層において磁性薄膜にて構成されるMREブリッジが複数並設され、かつ、縦方向に絶縁膜を介在させた状態でMREブリッジの一部が重なるようにして3層以上にわたり形成してなる構成としてもよい。これにより、MREブリッジの積層数を多くでき、さらに位置検出を高精度に行うことができる。
【0040】
・図1でのセンサチップ23を立てて図12に示すようにZ軸方向を向くようにして配置し、ギヤ10との関係においてZ軸方向での素子出力が最大となるように取り付けるようにしてもよい。つまり、図1に代わる構成として、図12に示すように、Z軸方向に関しても一定間隔でMREブリッジを配置してZ軸方向の位置検出を行なうようにしてもよい。
【0041】
・前記実施形態では5層にわたりMREブリッジを重ねて配置したが、3層以上であればよい。
・前記実施形態では同一の層において磁性薄膜にて構成されるMREブリッジを複数並設したが、これに代わり、同一の層において磁性薄膜にて構成される磁気抵抗素を複数並設してもよい。つまり、4つのMR素子を用いてフルブリッジを組んだが、2つのMR素子を用いてハーフブリッジを組んでも、1つのMR素子と固定抵抗を直列接続して素子出力を得るようにしてもよい。
【0042】
・前記実施形態では位置検出装置としてクランク角センサに適用したが、回転角度位置を検出する位置検出装置以外にも、直線運動する被検出体の移動に伴う被検出体の直線移動位置を検出するようにしてもよい。即ち、ギヤでなく直線運動する部材の位置を検出する場合に適用してもよい。
【0043】
・前記実施形態ではバイアス磁石を用いたが、バイアス磁石が無いシステムに適用してもよく、例えばマグネットロータの位置を検出する場合にはバイアス磁石は不要にできる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】(a)は本実施形態におけるクランク角センサの縦断面図。(b)はクランク角センサの横断面図。
【図2】センサチップの縦断面図。
【図3】1層目の磁性薄膜のパターンの平面図。
【図4】2層目の磁性薄膜のパターンの平面図。
【図5】3層目の磁性薄膜のパターンの平面図。
【図6】4層目の磁性薄膜のパターンの平面図。
【図7】5層目の磁性薄膜のパターンの平面図。
【図8】(a)はMREブリッジの平面図であり、(b)は(a)のA−A線での縦断面図。
【図9】クランク角センサの回路構成図。
【図10】1平面内に2つのMREブリッジを配置したときの平面図。
【図11】別例のセンサチップの縦断面図。
【図12】(a)は別例のクランク角センサの縦断面図。(b)はクランク角センサの横断面図。
【符号の説明】
【0045】
10…ギヤ、30…基板、31…シリコン酸化膜、32…パターン、33…シリコン酸化膜、34…パターン、35…シリコン酸化膜、36…パターン、37…シリコン酸化膜、38…パターン、39…シリコン酸化膜、40…パターン、50…基板、51…シリコン酸化膜、52…パターン、53…シリコン酸化膜、54…パターン、55…シリコン酸化膜、56…パターン、57…シリコン酸化膜、58…パターン、59…シリコン酸化膜、60…パターン、111〜119…MREブリッジ、121〜124…MREブリッジ,131〜134…MREブリッジ、141〜144…MREブリッジ、151〜154…MREブリッジ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検出体の移動により変化する磁界によって抵抗値が変化する磁気抵抗素子を備え、前記磁気抵抗素子の抵抗値の変化に基づいて前記被検出体の位置を検出する位置検出装置であって、
基板上に、同一の層において磁性薄膜にて構成される磁気抵抗素子または磁気抵抗素子ブリッジが複数並設され、かつ、縦方向に絶縁膜を介在させた状態で前記磁気抵抗素子または磁気抵抗素子ブリッジの一部が重なるようにして3層以上に前記磁気抵抗素子または磁気抵抗素子ブリッジを積層してなることを特徴とする位置検出装置。
【請求項2】
基板の両面に、同一の層において磁性薄膜にて構成される磁気抵抗素子または磁気抵抗素子ブリッジが複数並設され、かつ、縦方向に絶縁膜を介在させた状態で前記磁気抵抗素子または磁気抵抗素子ブリッジの一部が重なるようにして3層以上に前記磁気抵抗素子または磁気抵抗素子ブリッジを積層してなる請求項1に記載の位置検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−170359(P2008−170359A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−5543(P2007−5543)
【出願日】平成19年1月15日(2007.1.15)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】