説明

低インダクタンス埋め込みキャパシタを有するプリント配線板およびその製造方法

プリント配線板(PWB)は、受動回路素子(105)からなる積み重ねられた中間層パネル(1001、1002、1003、...)を有する。受動素子(105)は、電極終端がキャパシタ電極(170、180)のフットプリント内に位置付けられるキャパシタを含むことができる。したがってキャパシタ終端が、狭い間隔で離間して配置されるため、中間層内のループ・インダクタンスに対するキャパシタの寄与が減る。また電極フットプリント内にキャパシタ終端があることによって、キャパシタを形成する際に用いられるPWBボード表面積が減る。キャパシタ終端は、回路導体(1021、1022)によって接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野は、セラミック・キャパシタである。より詳細には、技術分野には、プリント配線板内に埋め込まれ得る低インダクタンスでスペース効率的なセラミック・キャパシタが含まれる。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、以下の出願に関連する。割り当てられた代理人名簿番号EL−0495、米国特許出願第60/418,045号明細書、米国特許商標庁に2002年10月11日出願、発明の名称「プリント配線板内で用いる共焼成セラミック・キャパシタおよびセラミック・キャパシタの製造方法」。
【背景技術】
【0003】
多層プリント配線板(PWB)内への受動回路素子の埋め込みを行なうことによって、回路サイズが低減され、回路性能が向上される。受動回路素子は通常、積み重ねられたパネルに埋め込まれている。これらのパネルは導電性ビアによって接続され、パネルの積層物が多層プリント配線板を形成する。パネルは一般的に、「中間層パネル」ということができる。
【0004】
中間層パネル内に埋め込まれた受動回路素子たとえばキャパシタは、回路ループ・インダクタンス(「リード・インダクタンス」としても知られる)の原因となる。高回路ループ・インダクタンスは、ほとんどの応用例において望ましくない。また低回路ループ・インダクタンスは、高周波数および高速度の応用例で用いられる回路において特に望ましい。ループ・インダクタンスへのキャパシタの寄与は、キャパシタの自己インダクタンスおよびその終端分離によって、生じる。キャパシタの「終端」は一般的に、回路導体たとえば導電性トレースまたは導電性リードが、キャパシタ電極に接続される点として規定することができる。従来のキャパシタ要素は、一方の終端がキャパシタの一方のエッジに位置付けされ、別の終端がキャパシタの対向するエッジに位置付けられている。従来のキャパシタ要素では一般に、終端の位置は、平面図表面積またはキャパシタ電極の「フットプリント」内にはない。終端を、キャパシタの対向するエッジに位置付けることによって、キャパシタにおける終端分離が最も大きくなり、相応してループ・インダクタンスが高くなる。
【0005】
米国特許公報(特許文献1)(シングデオ(Singhdeo)ら)には、終端分離が大きいガラス・キャパシタ60が開示されている。シングデオの図6に示すように、外部電極66が内部電極62、64に、ガラス・キャパシタ60の対向する端部において接続されている。したがって終端分離が、キャパシタ60において最大になっている。
【0006】
【特許文献1】米国特許第4,687,540号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
低回路ループ・インダクタンスに加えて、スペースも、PWB中間層パネルでは重要である。したがって中間層パネルのうちキャパシタが占める表面積は、比較的小さくなくてはならない。キャパシタ終端を、キャパシタの対向する端部に位置付けると、キャパシタの全体的なフットプリントが大きくなるという不都合な効果がさらに生じる。その結果、キャパシタがプリント配線板内で占めるスペースが大きくなる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の実施形態によれば、プリント配線板は、プリント配線板の少なくとも一部を貫いて延びる第1の回路導体と、プリント配線板の少なくとも一部を貫いて延びる第2の回路導体と、複数の積み重ねられた中間層パネルと、を備える。1つまたは複数の中間層パネルは、フォイルから形成されおよび終端を有する第1の電極であって、第1の回路導体は第1の電極に第1の電極の終端において結合され、第1の電極の終端は、第1の電極のフットプリント内にある、第1の電極と、第1の電極上に配置される少なくとも1つの誘電体と、第1の電極から離間して配置されおよび終端を有する第2の電極と、を備える。第2の電極、第1の電極、および誘電体がキャパシタを形成する。第2の電極キャパシタ終端は、好ましくは第2の電極のフットプリント内に位置付けられる。
【0009】
第1の実施形態によれば、第1の電極キャパシタ終端を第1の電極のフットプリント内に位置付けることによって、第1の電極キャパシタ終端と第2の電極キャパシタ終端との間の間隔が小さくなる。第2の電極の終端を第2の電極のフットプリント内に位置付けることによって、終端分離をさらに小さくすることができる。終端分離を小さくすることによって、回路ループ・インダクタンスへのキャパシタの寄与が小さくなる。低インダクタンス・キャパシタは、高周波数および高速度PWBの応用例において特に優位である。加えて、終端接続部はキャパシタの周囲エッジにおいて必要ではないため、キャパシタによって占められるプリント配線板面積が小さくなる。
【0010】
代替的な実施形態によれば、プリント配線板は少なくとも1つの中間層パネルを含み、中間層パネルは2層誘電体キャパシタを3つの電極とともに備え、各電極の終端の位置は、個々の電極フットプリント内にある。2層誘電体キャパシタ中間層パネルの実施形態によって、低回路ループ・インダクタンスの優位性が伝えられ、またPWBボードの使用面積が減る。加えて、2層誘電体キャパシタの実施形態では、さらなる誘電体層およびさらなる電極によってキャパシタンス密度が増加する。
【0011】
プリント配線板の製造方法の実施形態は、複数の積み重ねられた中間層パネルを形成する工程を含む。中間層パネルの少なくとも1つを形成することは、金属のフォイル上に誘電体を形成する工程と、フォイルから第1の電極を形成する工程であって、第1の電極は終端を有する工程と、誘電体上に第2の電極を形成する工程であって、第2の電極は終端を有する工程と、によって行なうことができ、第1の電極、第2の電極、および誘電体がキャパシタを形成する。第1の回路導体を形成する。第1の回路導体は、プリント配線板の少なくとも一部を貫いて延びおよび第1の電極の終端に接触し、第1の電極の終端の位置は、第1の電極のフットプリント内にある。第2の回路導体も形成する。第2の回路導体は、第2の電極の終端に接触しおよびプリント配線板の少なくとも一部を貫いて延びる。第2の電極終端は、第2の電極のフットプリント内に位置付けても良い。
【0012】
プリント配線板の製造方法によって、回路ループ・インダクタンスへの寄与が小さいキャパシタを含む中間層パネルを有するプリント配線板が得られる。加えて、本方法によって製造される中間層パネルが占めるプリント配線板のボード面積は、比較的小さい。
【0013】
詳細な説明では、添付の図面を参照する。図面では、同様の数字は同様の要素を指す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1A〜1Gに示すのは、プリント配線板1000(図1H)の一般的な製造方法である。図1Hに示すのは、完成したプリント配線板1000である。プリント配線板1000は、積み重ねられた層1001、1002、1003、...を備え、各層には、回路素子が埋め込まれている。積み重ねられた層1001、1002、1003、...は一般的に、「中間層パネル」と言われる。図1A〜1Gに示すのは、中間層パネル100を合体してプリント配線板1000にする前の、第1の実施形態の中間層パネル100の製造方法である。図1Iは、中間層パネル1001の分離図である。中間層パネル1001は、中間層パネル100を合体してプリント配線板1000にした後の中間層パネル100に対応する。
【0015】
図1A〜1Gに示すのは、キャパシタ105を有する中間層パネル100の製造におけるステップである(図1Gに、完成した中間層パネル100を示す)。中間層パネル100の特定の実施例についても、以下に詳細に説明する。単一のキャパシタ105は、後述する方法によって形成される。しかし中間層パネル1001、1002、1003はそれぞれ、異なるタイプの別個のキャパシタを多く含んでいる。これらのキャパシタは、中間層パネル100内に、他の受動素子とともに、種々の仕方で配置される。また図1Hに示したプリント配線板1000には、任意の数の積み重ねられた中間層パネルとパネル間の導電性の相互接続とが、含まれていても良い。
【0016】
図1Aおよび1Bに示すのは、中間層パネル100の製造の第1の段階である。図1Aは平面図であり、図1Bは、図1Aからの側面図における線1B−1Bに沿って見た断面図である。図1Aおよび1Bにおいて、金属フォイル110が設けられている。フォイル110は、表面積が大きくても良く、またフォイル110を用いて、多数の受動素子たとえばキャパシタを作ることができる。フォイル110は、プリント配線板業界において一般的に入手可能なタイプであっても良い。たとえばフォイル110は、銅、銅−インバ−銅、インバ、ニッケル、ニッケル・コーティングされた銅、または厚膜ペーストに対する焼成温度を超える融点を有する他の金属であっても良い。好ましいフォイルとしては、主に銅からなるフォイルが挙げられる。たとえば逆処理された銅フォイル、二重処理された銅フォイル、および多層プリント配線板業界で普通に用いられる他のフォイルである。フォイル110の厚みは、たとえば約1〜100ミクロン、好ましくは3〜75ミクロン、および最も好ましくは12〜36ミクロンの範囲であり、これは約1/3オンスと1オンスとの間の銅フォイルに対応する。
【0017】
フォイル110は、下地印刷112を施すことによって前処理しても良い。下地印刷112は、フォイル110の構成部品面に施される比較的薄い層である。図1Bでは、下地印刷112を、フォイル110上の表面コーティングとして示している。下地印刷112は、金属フォイル110と下地印刷112上方に堆積される層とに、良好に付着する。下地印刷112の形成は、たとえば、ペーストをフォイル110に塗布して、フォイル110の軟化点未満の温度で焼成することによって行なう。ペーストは、フォイル110の全表面を覆うオープン・コーティングとして印刷しても良いし、フォイル110の選択領域上に印刷しても良い。一般的に、下地印刷ペーストを、フォイルの選択領域上に印刷する方が経済的である。しかし銅フォイル110を、銅の下地印刷112とともに用いるときには、銅の下地印刷ペースト中のガラスによって、銅フォイルの酸化腐食が抑制される。そのため酸素ドープされた焼成を用いる場合には、フォイル110の全表面をコートする方が好ましい場合がある。
【0018】
図1Bを参照して、前処理されたフォイル110上に誘電体材料をスクリーン印刷して、フォイル110上に第1の誘電体層120を形成する。誘電体材料は、たとえば厚膜誘電体インクであっても良い。誘電体インクは、たとえばペーストから形成されていても良い。
【0019】
第1の誘電体層120を乾燥させ、第2の誘電体層122を塗布して乾燥させる。成形中に、第1のアパーチャ124および第2のアパーチャ126を、個々の誘電体層120、122の中に含ませる。アパーチャ124、126は、「スルー・ホール」または「クリアランス・ホール」と言われることもある。図1Aおよび1Bに示した実施形態においては、アパーチャ124、126は、図1Aの平面図に示したように円形である。他の形状としては、たとえば多角形状なども可能である。図1Aおよび1Bの実施形態に示した円形のアパーチャ124、126は、距離d1で離間して配置され、各アパーチャの直径はd2である。アパーチャ直径d2は、たとえば、製造された物品中にその後ビアを形成するために用いられるドリルまたはレーザ・スポットのサイズより大きくても良い。ビア形成については、図1Hを参照して後述する。しかしアパーチャ124、126の直径は、同一である必要はない。距離d1は、たとえば、距離d2にさらなる増分を加えたものに等しくなるように、選択しても良い。増分距離は好ましくは、第1および第2のアパーチャ124、126の所望する最小限の分離が維持されるように選択する。
【0020】
その代わりに、代替的な実施形態においては、単一層の誘電体材料を粗いメッシュ・スクリーンを通して堆積させて、たった一回のスクリーン印刷ステップで同等の厚みの誘電体層が得られるようにしても良い。
【0021】
導電層130を、第2の誘電体層122を上に形成して、乾燥させる。導電層130は、たとえば厚膜の金属インクをスクリーン印刷することによって、形成することができる。導電層130の形成は、アパーチャ132を第1のアパーチャまたはスルー・ホール124上でアライメントさせて、行なう。アパーチャ132は好ましくは、アパーチャ124と同心である。しかし円形および他の多角形に成形されたアパーチャの場合には、他の配置が満足できるものとなる場合がある。アパーチャ132は、表面積が第1のアパーチャ124よりも大きい。導電層130の一部が、第2のアパーチャ126を貫いて延びて、フォイル110に接触している。
【0022】
次に、第1の誘電体層120、第2の誘電体層122、および導電層130を、焼成する。図1Cおよび1Dに、焼成後の物品を示す。誘電体層120、122を最初に焼成することをしないで、誘電体層120、122、および導電層130を同時に焼成することを、誘電体および導電層を「共焼成する」と言っても良い。共焼成の結果、誘電体128が得られる。厚膜誘電体層120、122は、たとえば、高誘電率の機能相たとえばチタン酸バリウムと、誘電体特性を改質する添加剤たとえば酸化ジルコニウムとを、ガラス・セラミック・フリット相と混合したものからなっていても良い。共焼成の間に、ガラス・セラミック・フリット相が、軟化して、機能相および添加剤相を濡らし、融合して、機能相および改質添加剤の分散物をガラス・セラミック母材中に生成する。同時に、導電層130の金属電極粉末が、軟化したガラス・セラミック・フリット相によって濡れて、別個の相が一緒に焼結する。一般的に、図1Cに示したように、誘電体128の表面積は、導電層130のそれよりも大きくなければならない。
【0023】
図1Eにおいて、結果として生じる物品を反転させて、積層材料140に積層する。フォイル110の構成部品面(誘電体128に接触する)を、積層材料140に積層する。積層は、たとえば、FR4プリプレグを用いて、標準的なプリンティング配線板プロセスで、行なうことができる。一実施形態においては、106エポキシ・タイプのプリプレグを用いても良い。フォイル142を、積層材料140に貼り付けて、たとえば信号層などの回路を作製するための表面にしても良い。
【0024】
誘電体プリプレグおよび積層材料は、任意のタイプの誘電体材料とすることができる。たとえば、標準的なエポキシ、高Tgエポキシ、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、シアネート・エステル樹脂、充填樹脂システム、BTエポキシ、ならびに回路層の間を絶縁する他の樹脂および積層物である。
【0025】
積層した後に、フォトレジストを、図1Eに示すフォイル110およびフォイル142に塗布する。そしてフォイル110および142に、描画し、エッチングする。それからフォトレジストを、たとえば標準的なプリンティング配線板プロセスおよび条件を用いて、剥離する。エッチング・ステップの結果、中間層パネル100が得られる。図1Fは、中間層パネル100の平面図である。図1Fは、図1Gの矢印Aの方向から見ている。図1Gは、図1Fの線1G−1Gに沿って見た断面図である。中間層パネル100を他のプリント配線板コアに積層することは、プリプレグおよび標準的な積層条件を用いて多層プリント配線板を形成することで、可能である。
【0026】
エッチング・ステップの結果、エッチングされたフォイルの第1の部分114を第2の部分118から隔離するトレンチ116が、得られる。部分114および118は、エッチングの後に残存するフォイル110の部分である。またトレンチ116によって、第1の導電層130と第1の部分114との間の電気的な接触が遮断される。図1Fに示したように、周囲のエッジ119もエッチ・バックされるため、誘電体128は表面積が、第1の部分114よりもわずかに大きい。導電層130は、第2の部分118と接触した状態で残る。フォイル142のエッチングによって得られるのは、その後にキャパシタ終端との接続に用いても良い回路143である。
【0027】
図1Hを参照して、図1Fおよび1Gに示す描画された中間層パネル100を、他の描画された中間層パネルと一緒に積層する。図1Hに示すのは、完成したプリント配線板1000の側面図における断面図である。プリント配線板1000には、中間層パネル1001、1002、1003...が含まれている。中間層パネル1001は、前述の方法から形成される中間層パネル100を概略的に表したものであり、中間層パネル100を合体してプリント配線板1000にした後のものである。またキャパシタ105のブロック表現も、中間層パネル1001内に示す。
【0028】
プリント配線板1000を形成するために用いる中間層パネルを、互いに積層して積層押圧することができる。中間層パネルを、たとえば誘電体プリプレグを用いて、互いに結合することができる。各中間層パネルは、異なるデザインとすることができる。たとえば、回路素子の配置が異なっている等である。用語「中間層パネル」は、パネルをプリント配線板1000の内部に挟まなければならないことを意味しない。中間層パネルは、プリント配線板1000の端部に位置付けることもできる。プリント配線板1000は、複数の段階で積層しても良い。たとえば、中間層パネルのサブアセンブリを処理して積層しても良い。その後に、1つまたは複数のサブアセンブリを互いに積層して、完成したプリント配線板1000を形成することができる。
【0029】
プリント配線板1000を構成する中間層パネル1001、1002、1003...を、一般に「回路導体」と言われる相互接続回路によって、接続しても良い。回路導体は、たとえばすべての中間層パネルを互いに積層した後に、形成することができる。あるいはすべての中間層パネル1001、1002、1003...を合体して、完成したプリント配線板1000にする前に、回路導体を、中間層パネルのサブアセンブリ内にまたは個々のパネル内に形成することができる。
【0030】
中間層間の相互接続回路としては、たとえばプリント配線板1000の全部または一部を貫いて延びる1つまたは複数の導電性ビアを、挙げることができる。図1Hにおいて、第1および第2の回路導体1021、1022が、全体のプリント配線板1000を貫いて延びており、スルー・ホールの導電性ビアの形態をしている。第1および第2の導電性ビア1021、1022の形成は、たとえば、積層された中間層パネルを貫くレーザまたは機械的なドリリングによって、行なうことができる。次に、ドリリングによって形成したホールを、導電性材料によってメッキする。結果として生じる導電性ビア1021、1022は、プリント配線板1000全体を貫いて延びているが、通常は「メッキされたスルー・ホール」と言われ、通常はすべての中間層パネルを互いに積層した後に形成される。
【0031】
また回路導体は、中間層パネルのサブアセンブリを貫いてまたは個々のパネルを貫いて延びても良い。プリント配線板1000の一部のみを貫いて延びるビア回路導体は普通、「埋め込みビア」と言われる。通常、中間層パネルのサブアセンブリを積層によって合体してプリント配線板にする前に、埋め込みビアを、中間層パネルのサブアセンブリを通してドリルしてメッキする。個々の中間層パネル内に形成される導電性ビアは普通、「マイクロビア」と言われ、たとえば中間層パネル内のキャパシタを終端処理するために用いても良い。
【0032】
すべての相互接続を形成し、中間層パネルのすべてのサブアセンブリまたは個々の中間層パネルを互いに積層した後に、プリント配線板1000が完成する。図1Hに示すプリント配線板1000は、中間層パネル1001、1002、1003を積み重ねた構成で備えており、これらは、積層されて回路導体1021、1022によって接続されている。しかし任意の数の中間層パネルを、本実施形態によるプリント配線板に含めても良い。
【0033】
図1Iは、図1Hに示した中間層パネル1001の分解分離図である。また図1Iには、第1の回路導体1021の一部および第2の回路導体1022の一部も示している。これらは、図1Hに示すように、プリント配線板1000を貫いて延びていても良い。中間層パネル1001は、完成したキャパシタ105を含んでおり、その電極終端は、第1および第2の回路導体1021、1022に接続されている。
【0034】
回路導体1021、1022を形成した後に、部分114(図1G)とするために用いたものが第1の電極170を形成する。第1の電極170は、第1の回路導体1021に電気的に結合されている。導電層130および部分118(図1G)とするために用いたものが第2の電極180を形成する。第2の電極180は、第2の回路導体1022に電気的に結合されている。
【0035】
完成したキャパシタの1つ105を、完成した中間層パネル1001の一部として示す。しかし多くのキャパシタ、および種々のデザインを有し種々のパターンで配置される他の回路構成部品を、中間層パネル1001の実施形態に含めることができる。
【0036】
図1Iに示す第1および第2の回路導体1021、1022は、図1Hに示す第1および第2のメッキされたスルー・ホール・ビア1021、1022の一部分として示したものである。しかし中間層パネル1001内の回路導体を、たとえば、プリント配線板1000内の中間層パネルのサブアセンブリを貫いて延びる埋め込みビアとすることもできる。また第1および第2の回路導体1021、1022は、たとえば、中間層パネル1001のみを貫いて延びるビアとすることもできる。これはたとえば、キャパシタ105を終端処理するために用いられるマイクロビアである。
【0037】
図1Jは、図1Iの線1J−1Jに沿って見た断面図である。図1Jは、キャパシタ105を平面図で示したものである。図1Iおよび1Jに示したように、第1の電極170の終端は、誘電体128のスルー・ホール・アパーチャに位置付けられており、そこでは、第1の回路導体1021が第1の電極170に電気的に結合している。第2の電極180の終端は、第2の回路導体1022が第2の電極180に結合する場所に位置付けられている。特に図1Jを参照して、電極170、180の終端は、平面図表面積、または個々の電極170、180の「フットプリント」内に、位置付けられる。
【0038】
電極170、180の終端の間隔は、dとして示されており、第1の電極170の幅はI1、および第2の電極180の幅はI2である。終端の間隔dは、図1Aに示す間隔d1に対応する。本明細書で説明する実施形態においては、終端間隔dは、第1の電極170および第2の電極180の幅I1、I2よりもはるかに小さくすることができる。たとえば間隔dは、幅I1、I2の半分未満であっても良い。間隔dは、たとえば、ビア導体1021、1022のアパーチャの半径の合計に、たとえばスクリーン印刷の位置合わせ能力によって決定されるさらなる増分を加えたものに、等しくなるように選択しても良い。さらなる増分は一般的に、アパーチャ間に好ましいまたは最小の量の誘電体を維持して、スクリーン印刷に固有の位置合わせ問題に対して誤差のマージンが得られるように、選択しても良い。
【0039】
前述の実施形態によれば、電極フットプリント内に位置付けられる終端を、比較的互いに狭い間隔で離間して配置しても良いため、キャパシタ105による回路インダクタンスへの寄与が小さくなる。
【0040】
以下の実施例では、図1A〜1Jに示したプリント配線板1000の一般的な製造方法を実行するために用いられる特定の材料およびプロセスを示す。
【実施例】
【0041】
(実施例1)
図1A〜1Eを参照して、中間層パネル1001の特定の実施形態について説明する。この実施例では、フォイル110は、銅フォイルである。銅フォイル110のタイプは、市販のグレード1オンス銅フォイルであった。銅フォイル110の前処理を、銅の下地印刷ペーストをフォイル110の選択領域上に塗布することによって、行なった。次に、結果として生じる製品を、900℃の窒素中で10分間の間、ピーク温度で焼成した。全体のサイクル時間はほぼ1時間であり、その結果、下地印刷112を形成した。
【0042】
図1Aおよび1Bにおいて、厚膜誘電体インクを、前処理した銅フォイル110上に、400メッシュ・スクリーンを通してスクリーン印刷して、198mm×230mmの第1の誘電体層120を形成した。第1の誘電体層120の湿式印刷された厚みは、ほぼ12〜15ミクロンであった。第1の誘電体層120を、125℃でほぼ10分間、乾燥した。そして第2の誘電体層122を、スクリーン印刷によって、やはり400メッシュ・スクリーンを通して塗布した。続いて、もう一度乾燥ステップを125℃で行なった。厚膜誘電体インクには、チタン酸バリウム成分、酸化ジルコニウム成分、およびガラス・セラミック相を含めた。第1および第2のアパーチャ124、126の間隔d1は、ほぼ41ミルであった。アパーチャ124、126の直径d2は、ほぼ26ミルであった。
【0043】
図1Cおよび1Dを参照して、厚膜銅電極インク層130を、400メッシュ・スクリーンを通して、誘電体層122上に印刷した後、125℃でほぼ10分間、乾燥した。図1Cを参照して、層130は平面図寸法が、約178mm×210mmであった。層130のサイズは、その周囲エッジの周りにおいて、誘電体128よりもほぼ10ミルだけ小さい。印刷された導電層130の厚みは、約5ミクロンであった。次に、結果として生じる構造を、900℃で10分間、ピーク温度において、厚膜窒素プロファイルを用いて共焼成した。窒素プロファイルには、50ppm未満の酸素がバーンアウト・ゾーンに含まれ、2〜10ppmの酸素が焼成ゾーンに含まれ、全体のサイクル時間は1時間であった。
【0044】
図1Eを参照して、FR4プリント配線板の基板積層材料140を、フォイル110の構成部品面に積層した。銅フォイル142を、積層材料140上に形成した。積層条件は、185℃および208psigにおいて、1時間、水銀換算で28インチまで排気した真空チャンバ内であった。シリコーン・ゴム・プレス・パッドおよび滑らかなPTFE充填ガラス剥離シートを、フォイル110に接触させて、エポキシが積層プレートを互いに接着することを防いだ。
【0045】
図1Fおよび1Gを参照して、フォイル110および142にそれぞれフォトレジストを塗布し、描画し、エッチングした後、フォトレジストを剥離して、中間層パネル100を形成した。トレンチ116は、内径がほぼ36ミルであり、外径がほぼ46ミルであった。
【0046】
図1Hを参照して、次にプリント配線板1000を、中間層パネル100を用いて形成した。プリント配線板1000を形成するために、中間層パネル100を他の中間層パネルとともに積層して、積み重ね構成にした。合体してプリント配線板1000にした各中間層パネルには、相互接続回路が含まれていた。中間層パネル内の回路構成部品を、埋め込みビア、スルー・ホール・ビア、または両方に接続した。回路導体1021、1022を、16ミル(16/1000インチ)直径のスルー・ホールをドリルすることによって、およびビア壁に銅を厚みがほぼ25ミクロン(1ミルまたは1/1000インチ)となるまでメッキすることによって、形成した。
【0047】
図1Iを参照して、第1および第2のビア1021、1022が、第1および第2の電極170、180に、それぞれ結合された。
【0048】
この実施例では、厚膜誘電体材料は、以下の組成物を有していた。
チタン酸バリウム粉末:64.18%
酸化ジルコニウム粉末:3.78%
ガラスA:11.63%
エチルセルロース:0.86%
テキサノール:18.21%
酸バリウム粉末:0.84%
リン酸塩潤滑剤:0.5%
ガラスAの構成は以下の通りであった。
酸化ゲルマニウム:21.5%
四酸化鉛:78.5%
【0049】
ガラスAの組成は、Pb5Ge311に対応していた。これは、共焼成の間に沈殿し、誘電率はほぼ70〜150であった。厚膜銅電極インクの構成は以下の通りであった。
銅粉末:55.1%
ガラスA:1.6%
亜酸化銅粉末:5.6%
エチルセルロースT−200:1.7%
テキサノール:36.0%。
【0050】
前述の第1の実施形態およびその代替案に示したキャパシタ・デザインによって、終端分離が小さくなり、相応に回路ループ・インダクタンスに対する寄与が小さくなる。低インダクタンス回路は、種々の応用例において望ましい。たとえば低インダクタンス回路は、高周波数および高速度の応用例において特に望ましい。加えて、前述の第1の実施形態およびその代替案によれば、キャパシタの周囲エッジにおいて終端接続は必要ではない。この態様によって、キャパシタを収容するために必要なプリント配線板面積が小さくなる。この特徴によって、プリント配線板に組み込むキャパシタの数を大きくすることができる。あるいは、仕様のキャパシタンスが要求されるプリント配線板を、電極の周囲エッジにキャパシタ終端を有するプリント配線板よりも、小さなサイズとすることができる。
【0051】
図2A〜2Dに示すのは、第2の実施形態の中間層パネル2001の製造方法である。完成したキャパシタ中間層パネル2001には、キャパシタ205が含まれている。キャパシタ中間層パネル2001を、分離分解断面図として、図2Dに示す。中間層パネル2001を合体して、多層プリント配線板、たとえば図1Hに示したプリント配線板1000にしても良い。中間層パネル2001は、2層の誘電体および3つの電極を有する。2層の誘電体のデザインによって、キャパシタ205に対して高キャパシタンス密度が得られる。2層の誘電体によって、たとえば、単一層のキャパシタ・デザインと比較した場合に少なくとも2倍のキャパシタンス密度を得ることができる。
【0052】
図2Aは、図2Dに示した中間層パネル2001の製造のある段階を示す断面図である。図2Aに示す物品には、フォイル210、第1の誘電体層228、および第1の導電層230が含まれている。第1の誘電体層228には、第1のアパーチャ229および第2のアパーチャ231が含まれている。図2Aの物品は概ね、図1Dに示す物品に対応し、同様の仕方で製造することができる。しかしそれに加えて、第2の誘電体層240を導電性電極層230上に形成して、乾燥する。第2の誘電体層240の形成は、第1および第2のアパーチャ242、244を、第1および第2のアパーチャ229および231上でそれぞれアライメントして、行なう。第1および第2のアパーチャ229、231および242、244は、たとえば、平面斜視図から見たときに円形状を有することができる。他の形状たとえば多角形状を、用いても良い。
【0053】
図2Bを参照して、第2の導電層250を誘電体層240上に形成する。第2の導電層250は、アパーチャ244と一致するアパーチャ252を含む。次に、結果として生じる物品を焼成する。導電層250および誘電体層240の共焼成が、好ましい焼成方法である。図2Bに示すのは、焼成後の物品である。焼成の結果、単一誘電体248が、誘電体層228および240から形成される。と言うのは、誘電体層228と240との間の境界が、共焼成の間に効果的に取り除かれるからである。単一の誘電体248は、「2層」誘電体として記述することができる。と言うのは、それは、完成した中間層パネル2001において3つの電極を分離するように機能するからである。
【0054】
この実施形態においては、焼成を、1つまたは複数の場合で行なうことができる。たとえば、物品を共焼成すること(すなわち、導電層230の下の誘電体層228が、事前に焼成されていない)を、第1の導電層230を形成した後に行なうことができ、また物品を再度焼成することを、第2の導電層250を形成した後に行なうことができる。あるいは、物品を初めて共焼成することを、第2の導電層250を形成した後に行なうことができる。
【0055】
図2Cに示したように、フォイル210の構成部品面を、積層材料260に積層する。積層材料260は、たとえば、図1A〜1Jを参照して前述した積層材料と同様の組成を有することができる。フォイル262を、積層材料260に貼り付けても良い。フォイル262は、回路とキャパシタ電極に対する接続部とを形成するための表面を得るために用いても良い。
【0056】
図2Cおよび図2Dを参照して、積層後に、フォトレジストをフォイル210およびフォイル262に塗布する。次にフォイル210および262を、描画し、エッチングした後に、フォトレジストを剥離する。フォイル210をエッチングするサイズは好ましくは、誘電体248よりも小さい。これは、図1Fに示したフォイル110に対するエッチング・プロセスの場合と、同様である。トレンチ216も、フォイル210内でエッチングする。トレンチ216は、たとえば環状であっても良い。これは、図1Fに示すトレンチ116の場合と同様である。図2Dに,結果として生じる中間層パネル2001を示す。
【0057】
図2Dは、完成した中間層パネル2001の側面図における断面図であり、キャパシタ205を含んでいる。中間層パネル2001は、プリント配線板への一体化に適している。図2Dの中間層パネル2001を多層プリント配線板とは別個に示しているのは、中間層パネル2001の詳細を示すためである。また中間層パネル2001を合体して、中間層パネルのサブアセンブリにしても良い。
【0058】
フォイル262(図2C)を、エッチングして、キャパシタ205の終端に接続するために用いても良い回路263(図2D)を形成しても良い。エッチングの後に、結果として生じる物品を、受動回路素子などの回路を含む他の中間層パネルと一緒に積層しても良い。その結果、多層プリント配線板、または多層プリント配線板内で用いる中間層パネルのサブアセンブリが形成される。図2Dにおいて、第1の回路導体2021および第2の回路導体2022は、中間層パネル2001を貫いて延びるように形成されている。第1および第2の回路導体2021、2022は、たとえば、中間層パネル2001を合体してプリント配線板にした後に形成されるスルー・ホール・メッキされたビアとすることができる。また第1および第2の回路導体2021、2022は、中間層パネル2002を含む中間層パネルのサブアセンブリを貫いて延びる埋め込みビアとすることもできる。あるいは回路導体2021、2022は、中間層パネル2001のみを貫いて延びるマイクロビアとすることができる。マイクロビアは、中間層パネル2001を合体して中間層パネルのサブアセンブリにする前に、形成することができる。
【0059】
フォイル210をエッチングした後、および第1および第2の回路導体2021、2022を形成した後に、キャパシタ205(図2D)には、第1の電極281、2層誘電体248、第2の電極282、および第3の電極283が含まれる。第1の電極281および第3の電極283は、互いに電気的に接続され、また第1の回路導体2021に電気的に接続されている。第2の電極282は、第2の回路導体2022に電気的に接続されている。第2の電極282は、トレンチ216によって、第1の電極281から電気的に絶縁されている。
【0060】
図2Dに示したように、第1の電極281および第3の電極283の終端は、2層誘電体248に含まれる両方の誘電体層のスルー・ホール・アパーチャに位置付けられる。ここでは、第1の回路導体2021が、第1および第3の電極281、283に電気的に結合されている。同様に、第2の電極282の終端は、第2の回路導体2022が第2の電極282に電気的に結合される場所に、すなわち誘電体248に含まれる両方の誘電体層内のスルー・ホール・アパーチャに位置付けられる。優位なことに、第1の電極281、第2の電極282、および第3の電極283の終端をすべて、それらの個々の電極のフットプリント内に位置付けても良い。
【0061】
3電極/2層誘電体のキャパシタ205は、回路ループ・インダクタンスへの寄与が小さいことに加えて、キャパシタンス密度が大きい。回路ループ・インダクタンスへの寄与が小さいのは、キャパシタ終端をそれらの個々のキャパシタ電極のフットプリント内に位置付けることによって実現される終端分離の低減に起因する。加えて、キャパシタ終端接続がキャパシタ205の周囲エッジ上にある必要がないため、キャパシタ205によって占められるPWBボード面積が小さくなる。
【0062】
図3Aは、キャパシタ305を有する第3の実施形態のキャパシタ中間層パネル3001の側面図における断面図である。キャパシタ305は、フォイルから形成される第1の電極310、誘電体320、および第2の電極330を有する。トレンチ312によって、第1の電極310が第2の電極330から隔離されている。キャパシタ305は、誘電体320内に必要なクリアランス・ホールまたはアパーチャ322が1つのみであることを除いて、図1Hに示すキャパシタ105に構成において概ね対応する。第1の回路導体3021を第1の電極310に接続するために、第2の電極330内にクリアランス・ホールは必要ではない。その代わりに、第1の回路導体3021および第2の回路導体3022が、第1の電極310の構成部品面の反対側の第1の電極310の面から延びている。
【0063】
中間層パネル3001は、図1A〜1Jに示す中間層パネル1001と同様の仕方で形成することができる。誘電体320に対応する誘電体層を、フォイル上に堆積する。また第2の電極330に対応する導電層を、誘電体層上に堆積する。誘電体層は、たとえば、1つまたは2つのスクリーン印刷ステップで形成することができる。次に誘電体層および導電層を共焼成する。結果として生じる物品を、構成部品面を下にして、積層材料341に積層して、積層構造を形成する。次にフォトレジストをフォイル310に塗布し、フォイル310をエッチングしてトレンチ312を形成する。その結果、第1の電極310が、それを第2の電極330から分離することによって、形成される。
【0064】
次に物品を、積層材料340に積層することができる。これは、第1の電極310の「フォイル面」(すなわち、構成部品面の反対側の面)を、積層材料340に対向させた状態で行なう。フォイルを積層材料340に貼り付ける。フォイルをエッチングして、回路343を形成しても良い。次に、第1の回路導体3021および第2の回路導体3022を、結果として生じる物品中に形成する。こうして中間層パネル3001が完成する。中間層パネル3001を、合体して多層プリント配線板にすることもできるし、他の中間層パネルと組み合わせて多層サブアセンブリを形成することもできる。一般的に、2つの層を含む中間層パネル、たとえば積層層340および341を有する中間層パネル3001は、「サブアセンブリ」と言うこともできる。本明細書においては、用語「中間層パネル」を、フォイル電極の1つまたは2つの面のどちらかに積層されるパネルを示す一般的な用語として用いる。
【0065】
第1および第2の回路導体3021、3022の形成は、たとえばCO2レーザを用いて、第1および第2の回路導体3021、3022を、第1および第2の電極310、330において、電極310、330に損傷を与えることなく終端処理することによって、行なうことができる。次に、ドリル操作によって形成されるホールに、導電性材料をメッキして、第1および第2の回路導体3021、3022を形成する。第1および第2の回路導体3021、3022を、メッキされたビアとして示す。
【0066】
図3Aに示したように、誘電体320が必要とするのは1つのクリアランス・スルー・ホール322だけであるため、第2の電極330は、フォイル310の一部314と接触していても良い。
【0067】
図3Bは、図3Aの線3B−3Bに沿って見た断面図である。第1および第2の電極310、330(第2の電極330は破線によって示す)の終端(第1および第2の回路導体3021、3022が電極310、330に、それぞれ接触する)が、第1および第2の電極310、330のフットプリント内に位置付けられている。電極310、330の終端の間隔をdで示し、第1の電極310の幅はl1であり、第2の電極330の幅はl2である。この実施形態および本明細書で説明される残りの実施形態においては、終端間隔dは、優位なことに、第1および第2の電極310、330の幅l1、l2よりもはるかに小さく、その結果、回路ループ・インダクタンスへのキャパシタ305からの寄与が小さい。プリント配線板の使用面積も小さくなる。と言うのは、電極310、330のエッジにおいて接続する必要がないからである。
【0068】
図4は、キャパシタ405を有する第4の実施形態の中間層パネル4001を示す側面図における断面図である。キャパシタ405は、2層の誘電体層および3つの電極を有する。中間層パネル4001を合体して、プリント配線板たとえば図1Hに示すプリント配線板1000に、または中間層パネルのサブアセンブリにしても良い。
【0069】
キャパシタ405は、フォイルから形成される第1の電極410、2層の誘電体420、第2の電極430、および第3の電極440を有する。第1の電極410は、トレンチ416によって、第2の電極430から隔離されている。第3の電極440は、2層誘電体420の両方の層を貫いて延びるクリアランス・ホール・アパーチャ423を貫いて、第1の電極410に電気的に結合されている。第1の電極410は、第1の回路導体4021に電気的に結合されている。第2の電極430は、第2の回路導体4022に電気的に結合されている。キャパシタ405は、その一方の面に、積層材料451が積層されている。また物品に、積層材料450を積層しても良く、その結果、中間層パネル4001は「サブアセンブリ」となる。これは前述した通りである。あるいは物品を、積層材料450に積層することなく、直接合体してプリント配線板にすることができる。積層材料450を中間層パネル4001内で用いる場合には、回路453を、積層材料450上のフォイルから形成しても良い。回路453が含まれているため、第1および第2の回路導体4021および4022を介してキャパシタ405の終端に接続を形成しても良い。
【0070】
キャパシタ405は、クリアランス・スルー・ホールが第3の電極440内に必要ではないことを除いて、図2Dに示すキャパシタ205に、構成において概ね対応する。その代わりに、第1および第2の導電性ビア4021、4022が、第1の電極410のフォイル面から延びる。
【0071】
中間層パネル4001のキャパシタ405は、図2Dに示す中間層パネル2001のキャパシタ205と同様の仕方で、形成することができる。第1の誘電体層(参照数字421によって示す)を、1つまたは2つのスクリーン印刷ステップでフォイル上に形成する。次に、誘電体層421を乾燥する。第2の電極430に対応する第1の導電層を、第1の誘電体層421上に形成する。次に、結果として生じる物品を、共焼成する。第2の誘電体層(参照数字422によって示す)を、第1の導電層上に形成して、乾燥する。次に、第2の導電層に対応する第3の電極440を、第2の誘電体層422上に形成する。次に、結果として生じる物品を共焼成する。共焼成によって一般的に、単一の2層誘電体構造420が得られる。図4では、別個の誘電体層421、422を、キャパシタ405の形成方法に含まれるステップを例示するために示す。また共焼成によって一般的に、誘電体層間の境界が取り除かれる。
【0072】
共焼成の後に、フォイルに、構成部品面を下にして、積層材料451を積層する。次にフォイルを、描画し、エッチングし、剥離して、第1の電極410を形成し、および第1の電極410を第2の電極430から隔離する。図4に示したように、2層誘電体420には、2つのクリアランス・ホールがある。クリアランス・ホール423によって、第3の電極440を、フォイルの第1の電極410に電気的に接続することができる。またクリアランス・ホール425によって、第2の電極430を、フォイルの一部416に電気的に接続することができる。
【0073】
次に、結果として生じる物品に積層材料450を積層して、フォイルを積層材料450上に形成しても良い。フォイルをエッチングして、回路453を形成しても良い。回路導体4021、4022の形成は、たとえば中間層パネル4001内のみに、または中間層パネル4001を含むプリント配線板を通して、行なうことができる。回路453によって、キャパシタ405の終端に対する電気的な接続が、第1および第2の回路導体4021、4022を介して可能になる。中間層パネル4001は好ましくは、相互接続回路を含む他の中間層パネルと一緒に、多層プリント配線板に積層する。第1および第2の回路導体4021、4022の形成は、たとえば、レーザ・ドリリングおよびメッキによって導電性ビアを形成することによって、行なうことができる。
【0074】
電極410、430の終端が、電極410、430のフットプリント内に位置付けられており、電極のエッジには位置付けられていない。また電極410、430の終端に接続する回路導体4021、4022が、第1の電極410のフォイル面から外側に延びており、電極エッジからは延びていない。その結果、キャパシタ405には、終端分離が小さく、PWBボード面積サイズが小さいという優位性がある。
【0075】
図5は、キャパシタ505を含む第5の実施形態のキャパシタ中間層パネル5001を示す断面図である。キャパシタ505には、フォイルから形成される第1の電極510、誘電体520、および第2の電極530が含まれている。キャパシタ505を、積層材料540に積層する。また回路543を積層材料540上に配置して、キャパシタ505終端への接続を第1および第2の回路導体5021、5022を介して可能にしても良い。
【0076】
第1の電極510は、第1の回路導体5021に結合されている。また第2の電極530は、第2の回路導体5022に結合されている。第1の電極510の終端は、誘電体520内のスルー・ホール・アパーチャ522に位置付けられている。スルー・ホール・アパーチャ522は、第2の電極530内のスルー・ホール・アパーチャ532に一致する。
【0077】
図6は、キャパシタ605を含む第6の実施形態の中間層パネル6001を示す断面図である。キャパシタ605には、フォイルから形成される第1の電極610、2層誘電体620、第2の電極630、および第3の電極640が含まれる。キャパシタ605を、積層材料650に積層する。また回路653を、積層材料650上に形成して、キャパシタ605終端への接続を第1および第2の回路導体6021、6022を介して可能にしても良い。
【0078】
第1の電極610および第3の電極640は、第1の回路導体6021に結合されている。また第2の電極630は、第2の回路導体6022に結合されている。第2の電極630の終端は、誘電体620のスルー・ホール・アパーチャ622に位置付けられている。スルー・ホール・アパーチャ622は、第3の電極640内のスルー・ホール・アパーチャ641に一致する。
【0079】
前述したキャパシタ605の実施形態においては、キャパシタ電極終端をそれらの個々の電極のフットプリント内に位置付けることに付随して、終端分離が小さくなり、表面積が小さくなるという優位性がある。またキャパシタ605は、キャパシタンス密度が高い。と言うのは、3電極、2層誘電体のデザインだからである。
【0080】
前述の実施形態においては、高温で焼成するようにデザインされた厚膜組成物の代わりに、低い温度たとえば150℃で乾燥するようにデザインされたポリマー厚膜組成物を用いても良い。材料は、前述と概ね同じ仕方でフォイル上に形成しても良いが、硬化ステップを焼成ステップの代わりに用いる。図7A〜7Eに示すのは、ポリマー厚膜組成物を用いる中間層パネルの実施形態および方法である。
【0081】
図7A〜7Dに示すのは、第7の実施形態の中間層パネル7001の一般的な製造方法である。図7Eに示すのは、完成した中間層パネル7001であり、キャパシタ705が含まれている。中間層パネル7001は、ポリマー厚膜組成物を用いてパネル層を形成することによって、製造される。
【0082】
図7Aは、中間層パネル7001の製造の第1の段階を示す断面図である。図7Aでは、物品として、積層材料730の反対側の面に積層された第1のフォイル710および第2のフォイル720を備えるものを、提供する。第1および第2のフォイル710、720は、ポリマー厚膜材料から形成しても良い。ポリマー厚膜材料は、比較的低い温度たとえば150℃で硬化されるため、キャパシタを積層材料730上に直接形成することができる。厚膜材料の乾燥は、硬化と同時に行なう。
【0083】
図7Bを参照して、図7Aの積層物品をエッチングして、フォイル710から第1の電極712を形成する。また回路722を、エッチング・ステップの間に、フォイル720から形成しても良い。
【0084】
図7Cおよび7Dに示すのは、中間層パネル7001の製造の次の段階である。図7Cは、製造のこの段階で形成される物品の平面図である。図7Dは、図7Cの線7D−7Dに沿って見た側面図における断面図である。図7Dを参照して、誘電体740を、第1の電極712上に形成する。誘電体740は、クリアランス・ホールまたはアパーチャ742を含み、およびポリマー厚膜材料から形成される。1つまたは複数のスクリーン印刷ステップを用いて、誘電体740を形成しても良い。次に、誘電体740を硬化する。第2の電極750を、ポリマー厚膜材料を用いる誘電体740上に形成する。第2の電極750の形成は、たとえば、ポリマー厚膜材料を1つまたは複数のスクリーン印刷において堆積し、その後に硬化させることによって、行なっても良い。第2の電極750には、クリアランス・ホール742と一致するが直径はより大きいクリアランス・ホール752が、含まれる(図7Cに示す)。
【0085】
図7Eに、完成した中間層パネル7001を、側面図における断面図として示す。図7Eでは、図7Cおよび7Dに示すスクリーン印刷ステップから生じた物品を、構成部品面を下にして、積層材料760に積層する。フォイルを、積層材料760に積層しても良い。またフォイルをエッチングして、回路773を形成しても良い。したがって中間層パネル7001は、多層サブアセンブリ構成である。
【0086】
次に、第1の導体761および第2の導体762を形成する。これはたとえば、ドリリングおよびメッキによって、メッキされたマイクロビアを形成することによって行なう。第1の導体761は、積層材料760を貫いて、および誘電体740および第2の電極750内のクリアランス・アパーチャ742、752をそれぞれ貫いて、延びる。第1の導体761は第1の電極712に電気的に接続し、第2の導体762は第2の電極750に電気的に接続する。
【0087】
中間層パネル7001では、パネル7001は、回路化された中間層またはサブアセンブリである。あるいは、中間層パネルの形成を、ポリマー厚膜組成物を用いて行なうことができる。この場合、中間層パネルは、サブセットの一部であるか、または中間層パネルのより大きなサブアセンブリである。これはたとえば、前述した焼成フォイルの実施形態である。このような実施形態においては、回路導体の形成を、中間層パネル7001をサブアセンブリの1つまたは複数の中間層パネルと組み合わせた後で、行なっても良い。回路導体は、サブアセンブリのすべてまたは一部を貫いて延びる。またポリマー厚膜層を有する中間層パネルを、1つまたは複数の中間層パネルと組み合わせて、プリント配線板たとえば図1Iに示すものを、形成することができる。一般に、焼成フォイル方法によって形成される前述した中間層パネルの実施形態は、硬化されるポリマー厚膜組成物を用いて、代替的に形成することができる。ポリマー厚膜組成物を用いて形成されるキャパシタは、たとえば低いキャパシタンス・キャパシタの応用例において、特に有用である。
【0088】
本明細書で説明した焼成フォイルの実施形態においては、用語「ペースト」は、電子材料業界で用いられる従来の用語に対応していても良く、概ね厚膜組成物を指す。通常は、下地印刷ペーストの金属成分は、金属フォイル中の金属にマッチングさせる。たとえば、銅フォイルを用いた場合には、銅含有ペーストを下地印刷として用いる。他の応用例は、銀およびニッケル・フォイルを、同様の金属下地印刷ペーストと組にすることである。厚膜ペーストを用いて、下地印刷および受動回路構成部品の両方を形成しても良い。
【0089】
一般的に、厚膜ペーストには、セラミック、ガラス、金属、または他の固体の微細分割された粒子を、可塑剤、分散剤および有機溶媒の混合物中に溶解させたポリマー中に分散させたものが含まれる。焼成銅フォイルの応用例で用いるための好ましいキャパシタ・ペーストは、窒素雰囲気中でのバーンアウト特性が良好な有機ビヒクルを有する。このようなビヒクルには一般に、非常に少量の樹脂、たとえば高分子量エチルセルロースが含まれる。スクリーン印刷に適した粘度を生成するには、少量のみが必要である。さらに、酸化成分たとえば硝酸バリウム粉末を、誘電体粉末混合物中にブレンドすることによって、窒素雰囲気中での有機成分の焼却が助けられる。固体を、本質的に不活性な液体媒体(「ビヒクル」)と混合した後に、3ロール・ミル上で分散させて、スクリーン印刷に適したペースト状の組成物を形成する。本質的に不活性であれば、任意の液体をビヒクルとして用いても良い。たとえば、種々の有機液体(増粘剤および/または安定剤および/または他の一般的な添加剤が含まれているもの、いないもの)を、ビヒクルとして用いても良い。
【0090】
高誘電率(「高K」)の厚膜誘電体ペーストには一般的に、少なくとも1つの高いK機能相粉末および少なくとも1つのガラス粉末を、少なくとも1つの樹脂および1つまたは複数の溶媒からなるビヒクル・システム中に分散させたものが、含まれている。ビヒクル・システムは、スクリーン印刷した際に高密度で空間的に明確膜が得られるように、デザインされる。高K機能相粉末は、ペロブスカイト型の強誘電体組成物(一般式ABO3)を含むことができる。このような組成物の例には、BaTiO3、SrTiO3、PbTiO3、CaTiO3、PbZrO3、BaZrO3、およびSrZrO3がある。他の組成物も、代替的な元素をAおよび/またはB位置へと置換することによって、可能である。たとえばPb(Mg1/3Nb2/3)O3およびPb(Zn1/3Nb2/3)O3である。TiO2およびSrBi2Ta29は、他の可能な高K材料である。
【0091】
前記組成物をドープおよび混合した金属バージョンも、好適である。ドーピングおよび混合を行なうのは主に、必要な最終用途の特性仕様たとえば、必要なキャパシタンス温度係数(TCC)を実現して、材料が業界規定たとえば「X7R」または「Z5U」規格に合うようにするためである。
【0092】
ペースト中のガラスは、たとえば、ホウケイ酸Ca−Al、ホウケイ酸Pb−Ba、ケイ酸Mg−Al、希土類ホウ酸塩、および他の同様のガラス組成物とすることができる。高Kガラス・セラミック粉末、たとえばゲルマン酸鉛(Pb5Ge311)が、好ましい材料である。
【0093】
低K厚膜誘電体ペーストも、低キャパシタンスが必要な低インピーダンス・デザインにおいて利用することができる。この場合には、高K機能相の代わりに、たとえばチタン酸ネオジウム、二酸化チタン、およびチタン酸バリウム粉末混合物を用いる。
【0094】
焼成された電極層を形成するために用いるペーストは、銅、ニッケル、銀、銀含有貴金属組成物、またはこれらの化合物の混合物の、金属粉末に基づいても良い。銅粉末組成物が好ましい。
【0095】
硬化された構成部品内で用いるポリマー厚膜ペースト、たとえば図7A〜7Eを参照して前述したものは一般的に、セラミックまたは金属の微細分割された粒子を分散させて含んでいても良い有機溶媒中に溶解される永久樹脂からなる。可塑剤、分散剤、または他の添加剤を用いても良い。好ましいポリマー厚膜キャパシタ・ペーストは、たとえば、純粋な樹脂、チタン酸バリウム、または他の高誘電率相を、エポキシまたはポリイミド樹脂の溶液中に分散させたものであっても良い。前述したポリマー厚膜の実施形態の場合、中間層パネル7001内の第2の電極750を形成するために用いられる好ましいポリマー厚膜導体ペーストは、銅または銀粉末を、キャパシタ・ペーストのそれと同様の樹脂中に分散させたものであっても良い。
【0096】
本明細書で説明する中間層パネルの実施形態には、多くの応用例がある。たとえば中間層パネル実施形態は、有機プリント回路基板、ICパッケージ、デカップリング用途でのこれらの構造の応用例、ならびにデバイスたとえばICモジュールおよび/またはハンドヘルド装置マザーボード内で、用いることができる。前述した中間層パネル実施形態はどれも、合体してプリント配線板構造にすることができる。また前述した中間層パネルの実施形態を、従来の他の中間層パネルと組み合わせて、プリント配線板を形成しても良い。
【0097】
前述した実施形態においては、導電性の電極層をスクリーン印刷によって形成すると説明している。しかし他の方法、たとえば誘電体層表面上への電極金属のスパッタリングまたは蒸発による堆積を、用いても良い。また誘電体層も、スクリーン印刷によって形成すると説明し、代替的な方法によって形成しても良い。
【0098】
前述したキャパシタ実施形態の形状は、平面図で見たときに略矩形である。しかしキャパシタ電極、誘電体、および他のキャパシタ構成部品は、他の表面領域形状、たとえば円形または楕円形状および多角形状とすることができる。
【0099】
前述の本発明の説明において、本発明を例示および説明している。また開示によって、本発明の選択された好ましい実施形態のみが図示および説明されているが、本発明は、他の種々の組み合わせ、変更、および環境において用いることができ、また本明細書で表現される本発明の概念の範囲内で、前述の教示に対応しておよび/または当該分野の技術または知識内で、変化または変更が可能であることを理解されたい。
【0100】
前述した実施形態はさらに、本発明を実行する既知の最良のモードを説明するように、また当業者が本発明を上記のまたは他の実施形態においておよび本発明の特定の応用例または使用方法によって必要とされる種々の変更を伴って利用できるように、意図される。したがって本説明では、本発明を本明細書で開示される形態に限定することは意図されていない。また添付の請求項を、詳細な説明に明示的に規定されていない代替的な実施形態を含むように解釈すべきであることが、意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1A】プリント配線板の中間層パネルの第1の実施形態の製造の段階を示す平面図である。
【図1B】図1Aからの側面図の線1B−1Bに沿って見た断面図である。
【図1C】第1の中間層パネル実施形態の製造の段階を示す平面図である。
【図1D】図1Cからの側面図の線1D−1Dに沿って見た断面図である。
【図1E】第1の中間層パネル実施形態の製造の段階を示す側面図における断面図である。
【図1F】第1の中間層パネル実施形態の製造の段階を示す平面図であり、導体を中間層パネル終端に結合する前の完成した中間層パネルを示す。
【図1G】図1Fからの側面図の線1G−1Gに沿って見た断面図である。
【図1H】中間層パネルを含むプリント配線板の第1の実施形態を示す側面図における断面図である。
【図1I】図1Hに示したプリント配線板に合体した後の第1の中間層パネル実施形態を示す側面図における断面図および分離図である。
【図1J】図1Iの線1J−1Jに沿って見た断面図である。
【図2A】中間層パネルの第2の実施形態の製造の段階を示す側面図における断面図である。
【図2B】中間層パネルの第2の実施形態の製造の段階を示す側面図における断面図である。
【図2C】中間層パネルの第2の実施形態の製造の段階を示す側面図における断面図である。
【図2D】第2の中間層パネル実施形態を示す側面図における断面図である。
【図3A】中間層パネルの第3の実施形態を示す側面図における断面図である。
【図3B】図3Aからの線3B−3Bに沿って見た断面図である。
【図4】中間層パネルの第4の実施形態を示す側面図における断面図である。
【図5】中間層パネルの第5の実施形態を示す側面図における断面図である。
【図6】中間層パネルの第6の実施形態を示す側面図における断面図である。
【図7A】中間層パネルの第7の実施形態の製造の段階を示す側面図における断面図である。
【図7B】中間層パネルの第7の実施形態の製造の段階を示す側面図における断面図である。
【図7C】第7の中間層パネル実施形態の製造の段階を示す平面図である。
【図7D】図7Cの線7D−7Dに沿って見た、側面図における断面図である。
【図7E】完成した第7の中間層パネル実施形態を示す側面図における断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント配線板であって、
プリント配線板の少なくとも一部を貫いて延びる第1の回路導体と、
プリント配線板の少なくとも一部を貫いて延びる第2の回路導体と、
複数の積み重ねられた中間層パネルと、を備え、
中間層パネルの少なくとも1つは、
フォイルから形成されおよび終端を有する第1の電極であって、第1の回路導体は第1の電極に第1の電極の終端において結合され、第1の電極の終端は、第1の電極のフットプリント内にある、第1の電極と、
第1の電極上に配置される少なくとも1つの誘電体と、
第1の電極から離間して配置されおよび終端を有する第2の電極と、を備え、
第2の電極、第1の電極、および誘電体がキャパシタを形成し、第2の回路導体は第2の電極の終端に結合されることを特徴とするプリント配線版。
【請求項2】
第1の回路導体が誘電体を貫いて延びることを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板。
【請求項3】
第2の電極の終端が第2の電極のフットプリント内にあり、
第2の回路導体が誘電体を貫いて延びることを特徴とする請求項2に記載のプリント配線板。
【請求項4】
中間層が、第1および第2の電極上および誘電体上に配置される積層材料を備え、
第1の回路導体が該積層材料を貫いて延びることを特徴とする請求項2に記載のプリント配線板。
【請求項5】
第2の回路導体が該積層材料を貫いて延びることを特徴とする請求項4に記載のプリント配線板。
【請求項6】
中間層が、第2の電極から離間して配置されおよび第1の電極に電気的に接続される第3の電極を備え、
第1の電極、第2の電極、誘電体、および第3の電極が、キャパシタを形成することを特徴とする請求項2に記載のプリント配線板。
【請求項7】
第1の電極が、誘電体に接触する第1の構成部品面と、第1面の反対側の第2面と、を備え、第1の回路導体が第1の電極の第2面から延びることを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板。
【請求項8】
第2の電極の終端が、第2の電極のフットプリント内にあることを特徴とする請求項7に記載のプリント配線板。
【請求項9】
中間層が、第1の電極の第2面上に配置される積層材料を備え、
第1の回路導体が積層材料を貫いて延び、第2の回路導体が積層材料を貫いて延びることを特徴とする請求項7に記載のプリント配線板。
【請求項10】
中間層が、第2の電極から離間して配置されおよび第1の電極に電気的に接続される第3の電極を備え、
第1の電極、第2の電極、誘電体、および第3の電極がキャパシタを形成することを特徴とする請求項7に記載のプリント配線板。
【請求項11】
複数の積み重ねられた中間層パネルを形成する工程であって、中間層パネルの少なくとも1つを形成する工程が、
金属のフォイルを提供する工程と、
金属のフォイル上に誘電体を形成する工程と、
金属のフォイルから第1の電極を形成する工程であって、第1の電極は、第1の電極のフットプリント内に位置付けられる終端を有する工程と、
誘電体上に第2の電極を形成する工程であって、第2の電極は終端を有する工程と、を含み、第1の電極、第2の電極、および誘電体がキャパシタを形成する工程と、
第1の回路導体を形成する工程であって、第1の回路導体はプリント配線板の少なくとも一部を貫いて延びおよび第1の電極の終端に接触する工程と、
第2の回路導体を形成する工程であって、第2の回路導体は第2の電極の終端に接触しおよびプリント配線板の少なくとも一部を貫いて延びる工程と、を含むことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
【請求項12】
誘電体を形成する工程が、
スルー・ホールを有する誘電体を形成する工程であって、第1の回路導体がスルー・ホールを貫いて延びる工程を含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
第2の電極の終端が第2の電極のフットプリント内にあり、
第2の回路導体を形成する工程が、誘電体を貫いて延びる導電性ビアを形成する工程を含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
中間層パネルを形成する工程が、
第1および第2の電極上および誘電体上に積層材料を形成する工程を含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
第1の回路導体を形成する工程が、積層材料を通る導電性ビアを形成する工程を含み、
第2の回路導体を形成する工程が、積層材料を通る導電性ビアを形成する工程を含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
中間層パネルを形成する工程が、第2の電極から離間して配置されおよび第1の電極に電気的に接続される第3の電極を形成する工程を含み、
第1の電極、第2の電極、第3の電極、および誘電体がキャパシタを形成することを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項17】
中間層パネルを形成する工程が、
積層材料を提供する工程と、
第1の電極を形成する前に金属のフォイルを積層材料に積層する工程と、を含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項18】
第1の電極が、誘電体に接触する第1の構成部品面と、第1面と反対側の第2面とを有し、
第1の回路導体を形成する工程が、第1の電極の第2面から延びるように第1の回路導体を形成する工程を含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項19】
第2の電極の終端が、第2の電極のフットプリント内にあり、
中間層パネルを形成する工程が、第1の電極の第2面上に積層材料を形成する工程を含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
第1の回路導体を形成する工程が、積層材料を通る導電性ビアを形成する工程を含み、
第2の回路導体を形成する工程が、積層材料を通る導電性ビアを形成する工程を含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
中間層パネルを形成する工程が、第2の電極から離間して配置されおよび第1の電極に電気的に接続される第3の電極を形成する工程を含み、
第1の電極、第2の電極、第3の電極、および誘電体がキャパシタを形成することを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項22】
中間層パネルを形成する工程が、
積層材料を提供する工程と、
第1の電極を形成する前に金属のフォイルを積層材料に積層する工程と、を含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項23】
複数の積み重ねられた中間層パネルを形成する工程が、
特定の数の中間層パネルを提供する工程と、
中間層パネルを互いに結合する工程と、
結合された中間層パネルの少なくとも2つを通る第3の回路導体を形成する工程と、
結合された中間層パネルを合体してプリント配線板にする工程と、を含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図1C】
image rotate

【図1D】
image rotate

【図1E】
image rotate

【図1F】
image rotate

【図1G】
image rotate

【図1H】
image rotate

【図1I】
image rotate

【図1J】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図2C】
image rotate

【図2D】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図7C】
image rotate

【図7D】
image rotate

【図7E】
image rotate


【公表番号】特表2006−510233(P2006−510233A)
【公表日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−508337(P2005−508337)
【出願日】平成15年12月12日(2003.12.12)
【国際出願番号】PCT/US2003/040326
【国際公開番号】WO2004/056160
【国際公開日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】