作業機の表示装置
【課題】 作業中に発生する各種の異常を作業者に対して的確に知らせることができる作業機の表示装置の提供。
【解決手段】 警報の条件が成立したと判断した場合(S11:YES)、制御部はそれが異常の発生によるものか否かを判断する(S12)。異常の発生によるものと判断した場合(S12:YES)、警告灯LEDを点滅させ(S13)、警報の内容をLCDに表示させる(S14)。次いで、警報の条件が解除されたか否かを判断し(S15)、警報の条件が解除されたと判断した場合(S15:YES)、表示切替を行い(S16)、更に警告灯LEDを消灯させる(S17)。
【解決手段】 警報の条件が成立したと判断した場合(S11:YES)、制御部はそれが異常の発生によるものか否かを判断する(S12)。異常の発生によるものと判断した場合(S12:YES)、警告灯LEDを点滅させ(S13)、警報の内容をLCDに表示させる(S14)。次いで、警報の条件が解除されたか否かを判断し(S15)、警報の条件が解除されたと判断した場合(S15:YES)、表示切替を行い(S16)、更に警告灯LEDを消灯させる(S17)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業中に発生する各種の異常を作業者に対して的確に知らせることができる作業機の表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、田植機、コンバイン等の農業用の作業機には液晶ディスプレイ装置、表示計器等の表示装置が設けられており、これらの表示装置に作業機各部の状態情報を表示させることにより、作業者に対して作業状況を知らせることができるようにしていた(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
ところで、従来から、液晶ディスプレイ装置の表示面積には限りがあるため、作業機各部に異常が発生した場合には、その旨の情報を文字列又は記号により表示するようにしていた。また、作業機各部に複数の異常が発生した場合には、検出した異常のうち最先に検出した異常、又は危険性、緊急度等に応じて予め設定された優先順位が最も高い異常に関する情報を液晶ディスプレイ装置の画面に1つだけ表示するようにしていた。そして、画面上に表示されている情報に係る異常状態が解消された場合には、液晶ディスプレイ装置の画面には最初の情報に代えて、残りの異常状態に関する情報を表示するようにしていた。
【特許文献1】特開平10−114241号公報
【特許文献2】特開平10−304710号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述した手法で複数の異常状態に関する情報を表示させる場合には、発生した全ての異常を作業者が迅速に確認することができないという問題点を有していた。また、発生した全ての異常が解消されたか否かを確認するためには、画面に表示された異常状態が解消する都度、別の新たな異常状態が画面に表示されていないかどうかを確認する必要があるため、作業者に対して余分な負荷を与える虞があるという問題点を有している。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、複数種の異常が発生した場合であっても迅速かつ容易にその旨の情報を確認することができる作業機の表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1発明に係る作業機の表示装置は、作業中に発生する複数種の異常を検出可能になしてあり、検出した異常の種類に応じて情報を表示する作業機の表示装置において、表示すべき情報を図形及び文字列により夫々表示する第1及び第2表示手段と、作業中に発生する異常の検出状況に応じて前記第1及び第2表示手段での表示態様を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
第1発明にあっては、図形及び文字列により情報を夫々表示する第1及び第2表示手段を備え、作業中に発生する異常の検出状況に応じて第1及び第2表示手段での表示態様を制御するようにしているため、検出した異常の種類、数、順序等に応じて表示態様が変更される。
【0008】
第2発明に係る作業機の表示装置は、複数種の異常を検出した場合、前記制御手段は、表示態様を異ならせた複数種の図形を前記第1表示手段に表示させるようにしてあることを特徴とする。
【0009】
第2発明にあっては、複数種の異常を検出した場合、表示態様を異ならせた複数種の図形を第1表示手段に表示させるようにしているため、例えば、最新の異常に関しては点滅表示、最新以外の異常に関しては常時点灯表示を行うことで、異常の発生状況の把握が容易になる。
【0010】
第3発明に係る作業機の表示装置は、第1の異常を検出した後に第2の異常を検出した場合、前記制御手段は、前記第2の異常に関する情報を前記第2表示手段に表示させるようにしてあることを特徴とする。
【0011】
第3発明にあっては、第1の異常を検出した後に第2の異常を検出した場合、第2の異常に関する情報を第2表示手段に表示させるようにしているため、最新の異常が第2表示手段に表示される。
【0012】
第4発明に係る作業機の表示装置は、複数種の異常を同時的に検出した場合、前記異常に関する情報のうち予め定めた規則に従って選択した一の情報を前記第2表示手段に表示させるようにしてあることを特徴とする。
【0013】
第4発明にあっては、複数種の異常を同時的に検出した場合、予め定めた規則に従って選択した一の情報を第2表示手段に表示させるようにしているため、異常の危険度、緊急度に従って予め規則を定めておくことにより、危険度又は緊急度が最も高い異常に関する情報を表示させることが可能となる。
【0014】
第5発明に係る作業機の表示装置は、予め定めた種類の異常を複数検出した場合、前記制御手段は、各異常に関する情報を前記第2表示手段に順次的かつ反復的に表示させるようにしてあることを特徴とする。
【0015】
第5発明にあっては、予め定めた種類の異常を複数検出した場合には、各異常に関する情報を順次的かつ反復的に第2表示手段に表示するようにしているため、例えば、危険度又は緊急度が高い異常が複数発生した場合、作業者はその旨の情報を確実に知り得る。
【0016】
第6発明に係る作業機の表示装置は、前記第2表示手段に表示させる情報を切替える切替手段を更に備えることを特徴とする。
【0017】
第6発明にあっては、第2表示手段に表示させる情報を切替える切替手段を備えているため、作業者自身の操作により異常の検出状況の確認が可能となる。
【0018】
第7発明に係る作業機の表示装置は、異常を検出した場合に警報音を出力する手段と、警報音の出力を停止させる停止手段とを備え、該停止手段を前記切替手段と共用にしてあることを特徴とする。
【0019】
第7発明にあっては、異常を検出した場合に警報音を出力する手段と、警報音の出力を停止させる停止手段とを備えており、停止手段を第2表示手段に表示させる情報の切替手段と共用にしてあるため、発生した全ての異常を確認する際の操作性を低下させることがない。
【0020】
第8発明に係る作業機の表示装置は、前記第1及び第2表示手段を覆う透光性の覆体を備えることを特徴とする。
【0021】
第8発明にあっては、第1及び第2表示手段を覆う透光性の覆体を備えるため、作業環境に合わせた適切な透過率又は反射率を持つ覆体を採用することによって、表示装置の視認性を低下させることがなくなる。
【発明の効果】
【0022】
第1発明による場合は、図形及び文字列により情報を夫々表示する第1及び第2表示手段を備え、作業中に発生する異常の検出状況に応じて第1及び第2表示手段での表示態様を制御するようにしている。したがって、検出した異常の種類、数、順序等に応じて表示態様を変更するこが可能となり、作業者はその表示態様により異常の検出状況を一目で把握することができる。
【0023】
第2発明による場合は、複数種の異常を検出した場合、表示態様を異ならせた複数種の図形を第1表示手段に表示させるようにしている。したがって、例えば、最新の異常に関しては点滅表示、最新以外の異常に関しては常時点灯表示を行うことが可能となり、作業者は、異常の発生状況を容易に把握することができる。
【0024】
第3発明による場合は、第1の異常を検出した後に第2の異常を検出した場合、第2の異常に関する情報を第2表示手段に表示させるようにしているため、最新の異常を第2表示手段に表示させることができる。
【0025】
第4発明による場合は、複数種の異常を同時的に検出した場合、予め定めた規則に従って選択した一の情報を第2表示手段に表示させるようにしている。したがって、異常の危険度、緊急度に従って予め規則を定めておくことにより、危険度又は緊急度が最も高い異常に関する情報を優先的に表示させることができる。そのため、作業者は、異常の発生に対して迅速な処置が可能となる。
【0026】
第5発明による場合は、予め定めた種類の異常を複数検出した場合には、各異常に関する情報を順次的かつ反復的に第2表示手段に表示するようにしている。したがって、例えば、危険度又は緊急度が高い異常が複数発生した場合、作業者に対してその旨の情報を確実に知らせることができる。
【0027】
第6発明による場合は、第2表示手段に表示させる情報を切替える切替手段を備えているため、作業者自身の操作により異常の検出状況の確認が可能となる。
【0028】
第7発明による場合は、異常を検出した場合に警報音を出力する手段と、警報音の出力を停止させる停止手段とを備えており、停止手段を第2表示手段に表示させる情報の切替手段と共用にしている。したがって、発生した全ての異常を確認する際の操作性が向上し、異常の発生状況を迅速に把握することができる。
【0029】
第8発明による場合は、第1及び第2表示手段を覆う透光性の覆体を備えている。したがって、作業環境に合わせた適切な透過率又は反射率を持つ覆体を採用することによって、表示装置の視認性が向上する。特に、田植機等の野外で使用する作業機に対して効果的である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明を田植機の表示装置に適用した形態について図面を用いて具体的に説明する。
図1は本実施の形態に係る田植機の構成を示す側面図であり、図2は平面図である。本実施の形態に係る田植機は、例えば、8条植えの乗用田植機であり、左右一対の前輪3,3及び後輪4,4にて支持された走行機体1を備えている。この走行機体1の後方には昇降リンク機構9を介して植付部30が装着されている。
【0031】
走行機体1の車体フレーム2を備えており、車体フレーム2の前部上方にはエンジン6が搭載されている。エンジン6の動力を変速ミッション8を介して後輪4,4に伝達させることにより、走行機体1を走行させるように構成されている。エンジン6はボンネット5により覆われている。ボンネット5の左右両側には予備苗載台20,20が配設されており、ボンネット5後部のダッシュボード11上には操向ハンドル14が配設されている。また、変速ミッション8は車体カバー7により覆われている。車体カバー7の上部には座席13が配設されており、更にその後方には施肥機21が配設されている。
【0032】
走行機体1の後部に設けられている植付部30は、苗載台31、植付伝動ケース32、サイドフロート33,33、センターフロート34、ロータリーケース35等を備えている。苗載台31はマット状の苗を載置するための載置台であり、走行機体1に対して前高後低に配設され、下ガイドレール及び上ガイドレールによって左右方向に摺動自在に支持されている。植付伝動ケース32は、昇降リンク機構9の後端から後方へ突出するように連結されている。植付伝動ケース32の下方にはリンク機構を介してサイドフロート33,33及びセンターフロート34が支持されており、また、後方には植付爪36,36を備えるロータリーケース35が回転自在に支持されている。このロータリーケース35は搭載される田植機の条数分だけ用意されるため、8条植えの田植機には8組のロータリーケース35が用意される。
【0033】
このような構成の乗用田植機では、エンジン6の動力による前進走行とともに苗載台31を左右方向に摺動させ、それぞれの条において、ロータリーケース35を回転駆動させることにより植付爪36,36で一株分の苗を切り出し、植付作業を連続的に行えるようにしている。
【0034】
図3は田植機の操作系の構成を説明する模式的外観図である。ダッシュボード11の後部側(座席13側)であって、左右方向の略中央部分には操向ハンドル14が設けられている。操向ハンドル14の近傍には各種レバー類が配設されている。操向ハンドル14の近傍に配設されるレバー類としては、前方に向かって左側に配設される主変速レバー、右側に配設されるクルーズコントロールレバー、アクセルレバー、作業者によって植付部30を手動で昇降操作するための昇降レバー等が挙げられる。また、操向ハンドル14の前方には、作業者に対して報知すべき情報を表示する表示装置15と、作業者による操作を受付けるために各種のスイッチを備える操作部16とが配置されている。本発明は特にこの表示装置15に関わるものであり、その詳細については後述することとする。
【0035】
図4は表示装置15及び操作部16を示す模式的外観図である。表示装置15は、後述する表示パネル150を備えており、その外側がカバー部材15aにより覆われている。カバー部材15aは、例えば、PMMAスモークガラス(PMMA : polymethylmethacrylate)により形成されており、入射光に対して20%程度の透過率を有する。このような構成とすることにより、直射日光下での視認性が向上する。
【0036】
操作部16は、各種スイッチを備える。操作部16が備えるスイッチとしては、異常発生時に出力される警報音の停止と表示パネル150での表示内容の切替えとを行うブザー停止・表示切替スイッチ161(以下、SW161と称する)、植深さ自動調整機能のオン・オフを制御するスイッチ162、圃場に対して植付部30を水平に制御するためのスイッチ類163等を備えている。
【0037】
図5は表示装置15の構成を説明する模式図である。表示装置15の筐体は、下蓋部材200とその一部がカバー部材15aとして形成された上蓋部材260とにより構成される。この上蓋部材260及び下蓋部材200を互いに嵌め合せることで構成される表示装置15の筐体内部には、前述した表示パネル150が実装される。
【0038】
下蓋部材200は、例えば、ポリプロピレン等の合成樹脂により一体形成されており、その底面には、ネジを挿通させるための6つのガイド孔201a〜201f、及び各種の電装品に配線されたハーネス(不図示)を挿通させるための挿通孔202a〜202cが設けられている。また、下蓋部材200の外側における底面には圧電ブザー等のブザー161aがネジ止めされる。
【0039】
ガイド孔201a〜201fに挿通させるネジにより下蓋部材200に取り付けられる表示パネル150は、基板210、中仕切り板230、見返し板240、パネル250等により構成され、前記基板210上には、LED表示部151を構成する複数のLED、及びLCD152が実装される。LCD152は、例えば、透過型のドットマトリクス液晶ディスプレイであり、白色のLEDをバックライトして利用してネガ表示することにより視認性を高めている。このLCD152は16×150画素程度の表示範囲を有しており、文字列による情報の他、アイコン、図形等を用いた情報の表示も可能にしている。このLCD152は、ポリプロピレン製のセルケース220を介して基板210上に実装される。また、基板210の背面側には前述したハーネスを接続するためのコネクタ211a,211b,211cが設けられている。
【0040】
この基板210は中仕切り板230の裏面側の適宜箇所にネジ止めされる。そのため、中仕切り板230の裏面にはネジ穴を設けた円柱状の支柱233a,233bが立設されている。また、中仕切り板230の表面には超耐熱性のABS樹脂(ABS : Acrylonitrile Butadiene Styrene)により形成された見返し板240が配設される。見返し板240には、前述した基板210上のLED表示部151及びLCD152の夫々に対向させてウインドウ241,242が設けられている。また、見返し板240の上側には、ポリカーボネート製のパネル250が配設されており、LCD152の対向位置にはウインドウ250aが設けられている。
【0041】
次に、表示パネル150による表示例について説明する。図6は表示パネル150の一例を示す模式図である。表示パネル150には、LEDによりピクトグラム(特定の内容を有するマーク)を表示するLED表示部151と、文字列による情報を表示することができるLCD152とを備えている。なお、図6の表示例は、田植機が正常に稼働している場合について示している。すなわち、LCD152の中央付近にはアワメータ111(図8参照)の出力値が表示され、その右側には燃料の残量が模式的に表示される。図6に示した例では、アワメータ111の出力値が58.2時間(h)、燃料の残量が80%程度であることを示している。なお、アワメータ111の積算時には、出力値の右側にドットを表示し、しかもそのドットを点滅表示させるようにしている。
【0042】
図7はLED表示部151により表示されるピクトグラム(マーク)の内容及び色を説明する図表である。本実施の形態では、見返し板240としてブラックフェイスパネルを採用しており、図7に示した色を発光色とするLEDの光を見返し板240の背面側から照射することにより、予め用意された15種類のピクトグラムのうち特定のピクトグラムのみを表示させる構成となっている。
【0043】
次に、田植機の制御系の構成について説明する。図8は田植機の制御系の構成を示すブロック図である。田植機は、各種計測器、センサ等を備えた計測系110、操作部16が備える各種スイッチ等からの信号に基づいて演算処理を実行する制御部101を備えている。この制御部101は、前述した植付部30の動作、表示装置15での表示態様を制御するための制御プログラムを格納したROM、ROMに格納された制御プログラムを読出して実行するCPU、CPUによる演算処理の実行中に生成されるデータ等を一時的に保持するRAM、基準時点からの経過時間を計時するタイマ等を備えている。
【0044】
計測系110は各種計測器、センサを備える。計測系110が備える計測器としては、エンジン6の稼働時間を計測するアワメータ111、エンジン6へ供給する燃料の残量を計測する燃料計112、エンジン6の油圧レベルを計測する油圧計113、エンジン6の周辺部位を冷却する冷却水の水温を計測する水温計114等が挙げられる。また、計測系110が備えるセンサとしては、施肥機21内の肥料の残量を計測する肥料残量センサ115、苗載台31に載置される苗の残量を計測する苗センサ116を備えている。この肥料残量センサ115は、施肥機21内の肥料残量が少なくなった場合にオン信号を出力し、施肥機21内の肥料残量が十分にある場合にオフ信号を出力するように構成されている。また、苗センサ116は、苗載台31に載置されている苗の残量が少なくなった場合にオン信号を出力し、十分に苗がある場合にはオフ信号を出力するように構成されている。なお、8条植えの田植機にはその条数分の苗センサ116が設けられている。
【0045】
表示装置15は、LED表示部151及びLCD152を備える。LED表示部151の光源として用いられるLEDとしては、植付LED151a、警告灯LED151b、苗つぎLED151k、肥料補給LED151m、欠粒LED151o等が挙げられる。制御部101は、LED表示部151が備えるLED(植付LED151a、警告灯LED151b、…)の点灯、点滅、及び消灯を制御するように構成されている。
【0046】
また、制御部101には前述したSW161及びブザー161aが接続されている。制御部101は、計測系110から入力される信号、又はSW161から入力されるオン・オフの信号に基づいてブザー161aを作動又は停止させるように構成されている。
【0047】
以下、表示パネル150における表示態様を図9〜図12のタイムチャートを用いて説明する。図9は警報の条件が1つだけ成立した場合のタイムチャートであり、その一例として肥料補給警報の条件が成立した場合について説明する。肥料補給警報は、5秒以上連続してオフの状態にある肥料残量センサ115があるタイミングでオンとなり、その状態(オンの状態)が5秒以上連続した場合に成立する。また、肥料補給警報は、肥料残量センサ115の出力がオフとなった場合に解除される。肥料補給警報の条件が成立したか否かの判断は、肥料残量センサ115の出力信号に基づいて制御部101が行う。
【0048】
図9に示したタイムチャートでは、時刻t1に肥料補給警報の条件が成立したことを示している。肥料補給警報の条件が成立した場合、制御部101は、肥料補給LED151mを所定周期(例えば1Hz)で点滅させると共に、所定周期(例えば2Hz)でブザー161aを吹鳴させて警報音を出力させる。また、警報条件が成立した場合には液晶画面(LCD152)の表示切替を行う。すなわち、時刻t1以前では警報の条件が成立していないため、LCD152には図6に示したようなアワメータ111の出力値、燃料の残量についての情報を表示しているが、時刻t1において肥料補給警報が成立した場合には、前述の表示に替えて「肥料補給をしてください」という旨の文字列による情報(すなわち、肥料補給警報の内容)をLCD152に表示する。
【0049】
また、図9に示したタイムチャートでは時刻t2及び時刻t3でSW161が押下操作されたことを示している。時刻t2におけるSW161の押下操作は、ブザー161aが作動している状態での押下操作であるため、SW161はブザー停止スイッチとして機能し、SW161からのオン信号が入力された制御部101はブザー161aを停止させる。また、時刻t3におけるSW161の押下操作は、ブザー161aが作動していない状態での押下操作であるため、SW161は表示切替スイッチとして機能し、SW161からのオン信号が入力された制御部101は表示切替を行う。この表示切替では、警報内容の表示からアワメータ表示への切替えを行う。また、時刻t3以降は、肥料補給についての警報の条件が解除されていないことを示すために、肥料補給LED151mを常時点灯させる。
【0050】
このように警報の条件が1つだけ成立した場合、警報の内容をLCD152に表示させている間、LED表示部151において該当するLEDを点滅させている。また、LCD152での表示内容を切替えた場合にはLED表示部151での表示態様も同時的に切替え、前記LEDを常時点灯させる。したがって、作業者は、点滅しているLEDの警報内容をLCD152にて確認できると共に、条件が解除されていない過去の警報についても確認することができる。
【0051】
図10は警報の条件が2つ成立した場合のタイムチャートであり、その一例として肥料補給警報が成立した後に苗つぎ警報が成立した場合について説明する。肥料補給警報の成立条件は前述した通りであり、肥料残量センサ115からの出力信号に基づいて制御部101が判断する。苗つぎ警報の成立条件も同様に苗センサ116からの出力信号に基づいて制御部101が判定する。苗つぎの要否は各条毎に判定する必要があるため、苗センサ116は各条毎に用意されており、そのうち1つの苗センサ116が1秒以上オンとなった場合に警報の条件が成立する。但し、電源投入直後の初期状態においては苗つぎ警報を成立させないようにしている。苗つぎ警報の条件は、全ての苗センサ116がオフとなった場合に解除される。
【0052】
図10に示したタイムチャートでは、時刻t1よりも前の時点で肥料警報の条件が成立しており、時刻t1以降の時点(時刻t2)で苗つぎ警報の条件が成立したことを示している。時刻t1にはSW161が押下操作されており、肥料警報条件の成立に伴って作動していたブザー161aを停止させる。
【0053】
時刻t2で苗つぎ警報の条件が成立した場合、制御部101は、苗つぎLED151kを所定周期(例えば1Hz)で点滅させる一方で、肥料補給LED151mを常時点灯させる。また、制御部101は、所定周期(例えば2Hz)でブザー161aを吹鳴させて警報音を出力させる。更に、制御部101は、LCD152の表示内容を肥料補給警報に対応した内容から苗つぎ警報に対応した内容へと切替える。苗つぎ警報では「苗つぎをしてください」という文字列による情報と苗つぎが必要な条数とを交互にLCD152に表示させる。
【0054】
時刻t3及び時刻t4ではSW161が押下操作されている。時刻t3でのSW161の押下操作は、ブザー161aが作動している状態での押下操作であるため、制御部101はブザー161aを停止させる。また、時刻t4でのSW161の押下操作は、ブザー161aが作動していない状態での押下操作であるため、制御部101は表示切替を行う。このとき、制御部101は、LCD152の表示内容を苗つぎ警報に対応した内容から肥料補給警報に対応した内容へと切替える。また、同時的に、肥料補給LED151mを点滅させると共に、苗つぎLED151kを常時点灯させる。
【0055】
このように2つの警報の条件が順次的に成立した場合、作業者が表示切替を指示しない限り、最新の警報の内容をLCD152に表示させ、その警報に対応するLEDを点滅させる。また、過去に起こった警報についてはLEDを常時点灯させることで作業者にその存在を知らしめる。
【0056】
図11は緊急度が高い警報の条件が2つ成立した場合のタイムチャートであり、その一例としてエンジン油圧異常が発生した後にオーバーヒートが発生した場合について説明する。エンジン油圧異常の発生に関しては油圧計113の出力、オーバーヒートの発生に関しては水温計114の出力に基づいて制御部101が判断する。図11に示したタイムチャートは、時刻t1にエンジン油圧異常が発生し、時刻t2にオーバーヒートが発生したことを示している。
【0057】
時刻t1でエンジン油圧異常の条件が成立した場合、制御部101は、警告灯LED151bを所定周期(例えば1Hz)で点滅させると共に、LCD152にはエンジン油圧異常が発生している旨の文字列(例えば、「エンジン油圧確認」という文字列)による情報を表示させる。次に、時刻t2でオーバーヒートの条件が成立した場合、制御部101は、エンジン油圧異常が発生している旨の文字列による情報、及びオーバーヒートが発生している旨の文字列(例えば、「オーバヒート」という文字列)による情報をLCD152に交互に表示させる。本実施の形態では、これらの情報の表示を3秒毎に交互に行う。
【0058】
次に、時刻t3でエンジン油圧異常の条件が解除された場合、LCD152には、オーバーヒートが発生している旨の文字列による情報を表示させる。更に、時刻t4でオーバーヒートの条件も解除された場合、制御部101は、LCD152にアワメータ表示を行う。
【0059】
このように緊急度が高い2つの警報の条件が成立した場合には、何れの警報についてもLCD152に文字列による情報を順次的かつ反復的に表示させているため、早急に改善すべき異常を確実に作業者に知らしめることができる。
【0060】
図12は緊急度に差異がある複数の警報条件が成立した場合のタイムチャートであり、その一例として、エンジン油圧異常、肥料補給警報、及び苗つぎ警報の条件が同時的に成立した場合について説明する。図12に示したタイムチャートは時刻t1に前述の3つの条件が成立したことを示している。各警報、異常についての緊急度は、例えば、制御部101内のROMに予め設定されており、前述の3つの警報の中では、エンジン油圧異常の緊急度が最も高く、次に肥料補給警報の緊急度が高く、苗つぎ警報の緊急度が最も低いとする。このとき制御部101は、緊急度が最も高いエンジン油圧異常に関してLCD152にその内容を表示し、警告灯LED151bを点滅させる。また、肥料補給警報の条件及び苗つぎ警報の条件も成立しているため、これらの警報に対応した苗つぎLED151k及び肥料補給LED151mを常時点灯させ、ブザー161aを作動させる。
【0061】
また、時刻t2,t3,t4の夫々においてSW161が押下操作されている。時刻t2ではブザー161aを停止させる。時刻t3では肥料補給LED151mを点滅させると共に、LCD152への表示切替を行う。また、時刻t4では苗つぎLED151kを点滅させると共に、LCD152への表示切替を行う。
【0062】
このように、緊急度が高い警報について優先的に警報の表示を行うため、作業者に対して緊急度が高い順に処置を促すことができる。
【0063】
以下、警報を出力する場合の田植機の動作について説明する。図13及び図14は警報の条件が1つだけ成立する場合に田植機が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。制御部101は、油圧計113、水温計114等の各種計測器、及び肥料残量センサ115、苗センサ116等の各種センサの出力を監視することにより、警報の条件が成立したか否かを判断する(ステップS11)。警報の条件が成立していないと判断した場合(S11:NO)、警報の条件が成立するまで待機する。
【0064】
警報の条件が成立したと判断した場合(S11:YES)、その条件の成立が油圧異常、オーバーヒート等の異常が発生したことに起因したものであるか否かを判断する(ステップS12)。異常が発生したことに起因して成立した条件であると判断した場合(S12:YES)、警告灯LED151bを点滅させると共に(ステップS13)、警報の内容をLCD152に表示させる(ステップS14)。
【0065】
次いで、警報の条件が解除されたか否かを判断する(ステップS15)。警報の条件が解除されたと判断した場合(S15:YES)、制御部101は表示切替を行う(ステップS16)。このときLCD152には、アワメータ111の出力値が表示されると共に、燃料の残量が模式的に表示される(図6参照)。次いで、制御部101は警告灯LED151bを消灯させる(ステップS17)。
【0066】
一方、ステップS15で警報の条件が解除されていないと判断した場合(S15:NO)、制御部101は、SW161が押下操作されたか否かを判断する(ステップS18)。SW161押下操作されていないと判断した場合(S18:NO)、処理をステップS15へ戻す。また、SW161が押下操作されたと判断した場合(S18:YES)、制御部101は表示切替を行う(ステップS19)。すなわち、この場合のSW161は表示切替スイッチとして機能し、LCD152には、アワメータ111の出力値、及び燃料の残量が表示される。次いで、制御部101は、警報の条件が解除されたか否かを判断する(ステップS20)。条件が解除されていないと判断した場合(S20:NO)、条件が解除されるまで待機する。また、条件が解除されたと判断した場合(S20:YES)、制御部101は、警告灯LED151bを消灯させる(S17)。
【0067】
また、ステップS12で警報の条件の成立が異常の発生に起因したものではないと判断した場合(S12:NO)、制御部101は、ブザー161aを作動させ(ステップS21)、該当するLEDを点滅させる(ステップS22)。また、制御部101は、警報の内容をLCD152に表示させる(ステップS23)。例えば、肥料残量センサ115の出力に基づいて肥料補給警報の条件が成立したと判断した場合には肥料補給LED151mを点滅させると共に、LCD152には「肥料補給してください」という警報の内容を文字列により表示させる。また、苗センサ116の出力に基づいて苗つぎ警報の条件が成立したと判断した場合には苗つぎLED151kを点滅させると共に、LCD152には「苗つぎをしてください」という警報の内容を文字列により表示させる。他の警報条件が成立した場合についても同様である。
【0068】
次いで、制御部101は、警報の条件が解除されたか否かを判断し(ステップS24)、警報の条件が解除されたと判断した場合(S24:YES)、制御部101はブザー161aを停止させる(ステップS25)と共に、LCD152の表示切替を行い(ステップS26)、ステップS22で点滅させたLEDを消灯させる(ステップS27)。
【0069】
また、警報の条件が解除されていないと判断した場合(S24:NO)、制御部101は、SW161が押下操作されたか否かを判断する(ステップS28)。押下操作されていないと判断した場合(S28:NO)、処理をステップS24へ戻す。また、SW161が押下操作された場合(S28:YES)、制御部101はブザー161aを停止させる(ステップS29)。すなわち、ブザー161aが作動している場合にはSW161はブザー停止スイッチとして機能することとなる。
【0070】
次いで、制御部101は、再度、SW161が押下操作されたか否かを判断し(ステップS30)、押下操作されたと判断した場合(S30:YES)、LCD152の表示切替を行う(ステップS31)。すなわち、ブザー161aが停止している場合にはSW161は表示切替スイッチとして機能することとなる。そして、制御部101は、ステップS22で点滅させたLEDを常時点灯させる(ステップS32)。この場合、LCD152にはアワメータ111の出力及び燃料の残量についての情報を表示させているが、LEDを常時点灯させているため作業者に警報の出力状況を知らせることができる。
【0071】
次いで、制御部101は、警報の条件が解除されたか否かを判断し(ステップS33)、解除されていないと判断した場合(S33:NO)、警報の条件が解除されるまで待機する。また、警報の条件が解除されたと判断した場合(S33:YES)、制御部101は、LEDを消灯させる(S27)。更に、ステップS30でSW161が押下操作されていないと判断した場合(S30:NO)、制御部101は、警報の条件が解除されたか否かを判断し(ステップS34)、解除されていないと判断した場合(S34:NO)、処理をステップS30へ戻す。また、条件が解除されたと判断した場合(S34:YES)、制御部101は、LCD152の表示切替を行い(S26)、LEDを消灯させる(S27)。
【0072】
図15は2つの警報条件が同時的に成立する場合に田植機が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。制御部101は、油圧計113、水温計114等の各種計測器、及び肥料残量センサ115、苗センサ116等の各種センサの出力を監視することにより、2つの警報条件が同時的に成立したか否かを判断する(ステップS41)。2つの警報条件が同時的に成立していないと判断した場合(S41:NO)、制御部101は条件が成立するまで待機する。
【0073】
2つの警報条件が同時的に成立したと判断した場合(S41:YES)、制御部101は、その2つの警報条件の成立が、何れも油圧異常、オーバーヒート等の異常が発生したことによるものであるか否かを判断する(ステップS42)。何れも異常が発生したことにより成立した警報条件であると判断した場合(S42:YES)、警告灯LED151bを点滅させると共に(ステップS43)、警報の内容をLCD152に交互表示させる(ステップS44)。例えば、油圧異常とオーバヒートとが同時的に発生したことに伴う警報条件の成立であると判断した場合、「エンジン油圧確認」という文字列による情報と「オーバーヒート」という文字列による情報とを3秒おきに交互にLCD152に表示する。
【0074】
次いで、制御部101は、一方の条件が解除されたか否かを判断する(ステップS45)。解除されていないと判断した場合(S45:NO)、制御部101は、一方の条件が解除されるまで待機する。一方の条件が解除されたと判断した場合(S45:YES)、解除されていない警報の内容をLCD152に表示させる(ステップS46)。
【0075】
次いで、他方の条件も解除されたか否かを判断する(ステップS47)。解除されていないと判断した場合(S47:NO)、制御部101は、他方の条件も解除されるまで待機する。他方の条件も解除されたと判断した場合(S47:YES)、制御部101は、表示切替を行い(ステップS48)、警告灯LED151bを消灯させる(ステップS49)。このときLCD152には、アワメータ111の出力値が表示されると共に、燃料の残量が模式的に表示される(図6参照)。
【0076】
ステップS42において、少なくとも一方の警報条件が、油圧異常又はオーバーヒートのような異常に起因した警報条件でないと判断した場合(S42:NO)、制御部101は、ブザー161aを作動させる(ステップS50)。そして、緊急度が高い警報についてLEDを点滅させ(ステップS51)、その警報の内容をLCD152に表示させる(ステップS52)。また、緊急度が低い警報についてはLEDを点灯させる(ステップS53)。緊急度の高低についての情報は、例えば、制御部101内のROMに予め記憶されている。制御部101は、必要に応じて前記ROMから緊急度の高低に関する情報を参照することにより、比較対照の2つの警報条件について緊急度の高低を決定し、該当するマークのLEDを点滅又は点灯させる。
【0077】
次いで、制御部101は、一方の条件が解除されたか否かを判断する(ステップS54)。解除されていないと判断した場合(S54:NO)、制御部101は、一方の条件が解除されるまで待機する。一方の条件が解除されたと判断した場合(S54:YES)、解除されていない警報についてLEDを点滅させる(ステップS55)。そして、その警報の内容をLCD152に表示させる(ステップS56)。
【0078】
次いで、他方の条件も解除されたか否かを判断する(ステップS57)。解除されていないと判断した場合(S57:NO)、制御部101は、他方の条件も解除されるまで待機する。他方の条件も解除されたと判断した場合(S57:YES)、制御部101は、表示切替を行い(ステップS58)、点滅させていたLEDを消灯させる(ステップS59)。
【0079】
なお、図15のフローチャートでは2つの警報の条件が同時的に成立する場合の動作について説明したが、3つ以上の警報の条件が同時的に成立する場合も同様である。すなわち、油圧異常、オーバーヒート等の異常に起因した警報条件が2つ以上成立する場合には、それらを順次的かつ反復的にLCD152に表示させる。また、油圧異常、オーバーヒート等の異常に起因した警報条件の成立が1つ以下である場合には、予め定めた緊急度に従って制御部101が選択した警報をLCD152に表示させる。
【0080】
また、図15に示したフローチャートでは警報の条件が自動的に解除される場合の動作について説明したが、図13及び図14で説明したように、SW161を用いてブザー161aの停止及び表示パネル150での表示切替を手動で行う構成であってもよい。
【0081】
また、本実施の形態では、警報の条件が成立した場合にその警報の内容を表示するために、LCD152に文字列による情報を表示する構成としたが、アイコン、絵文字、ピクトグラム等の図形を文字列による情報と併せてLCD152に表示する構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本実施の形態に係る田植機の構成を示す側面図である。
【図2】本実施の形態に係る田植機の構成を示す平面図である。
【図3】田植機の操作系の構成を説明する模式的外観図である。
【図4】表示装置及び操作部を示す模式的外観図である。
【図5】表示装置の構成を説明する模式図である。
【図6】表示パネルの一例を示す模式図である。
【図7】LED表示部により表示されるピクトグラム(マーク)の内容及び色を説明する図表である。
【図8】田植機の制御系の構成を示すブロック図である。
【図9】警報の条件が1つだけ成立した場合のタイムチャートである。
【図10】警報の条件が2つ成立した場合のタイムチャートである。
【図11】緊急度が高い警報の条件が2つ成立した場合のタイムチャートである。
【図12】緊急度に差異がある複数の警報条件が成立した場合のタイムチャートである。
【図13】警報の条件が1つだけ成立する場合に田植機が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。
【図14】警報の条件が1つだけ成立する場合に田植機が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。
【図15】2つの警報条件が同時的に成立する場合に田植機が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0083】
101 制御部
111 アワメータ
112 燃料計
113 油圧計
114 水温計
115 肥料残量センサ
116 苗センサ
15 表示装置
15a カバー部材
150 表示パネル
151 LED表示部
152 LCD
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業中に発生する各種の異常を作業者に対して的確に知らせることができる作業機の表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、田植機、コンバイン等の農業用の作業機には液晶ディスプレイ装置、表示計器等の表示装置が設けられており、これらの表示装置に作業機各部の状態情報を表示させることにより、作業者に対して作業状況を知らせることができるようにしていた(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
ところで、従来から、液晶ディスプレイ装置の表示面積には限りがあるため、作業機各部に異常が発生した場合には、その旨の情報を文字列又は記号により表示するようにしていた。また、作業機各部に複数の異常が発生した場合には、検出した異常のうち最先に検出した異常、又は危険性、緊急度等に応じて予め設定された優先順位が最も高い異常に関する情報を液晶ディスプレイ装置の画面に1つだけ表示するようにしていた。そして、画面上に表示されている情報に係る異常状態が解消された場合には、液晶ディスプレイ装置の画面には最初の情報に代えて、残りの異常状態に関する情報を表示するようにしていた。
【特許文献1】特開平10−114241号公報
【特許文献2】特開平10−304710号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述した手法で複数の異常状態に関する情報を表示させる場合には、発生した全ての異常を作業者が迅速に確認することができないという問題点を有していた。また、発生した全ての異常が解消されたか否かを確認するためには、画面に表示された異常状態が解消する都度、別の新たな異常状態が画面に表示されていないかどうかを確認する必要があるため、作業者に対して余分な負荷を与える虞があるという問題点を有している。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、複数種の異常が発生した場合であっても迅速かつ容易にその旨の情報を確認することができる作業機の表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1発明に係る作業機の表示装置は、作業中に発生する複数種の異常を検出可能になしてあり、検出した異常の種類に応じて情報を表示する作業機の表示装置において、表示すべき情報を図形及び文字列により夫々表示する第1及び第2表示手段と、作業中に発生する異常の検出状況に応じて前記第1及び第2表示手段での表示態様を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
第1発明にあっては、図形及び文字列により情報を夫々表示する第1及び第2表示手段を備え、作業中に発生する異常の検出状況に応じて第1及び第2表示手段での表示態様を制御するようにしているため、検出した異常の種類、数、順序等に応じて表示態様が変更される。
【0008】
第2発明に係る作業機の表示装置は、複数種の異常を検出した場合、前記制御手段は、表示態様を異ならせた複数種の図形を前記第1表示手段に表示させるようにしてあることを特徴とする。
【0009】
第2発明にあっては、複数種の異常を検出した場合、表示態様を異ならせた複数種の図形を第1表示手段に表示させるようにしているため、例えば、最新の異常に関しては点滅表示、最新以外の異常に関しては常時点灯表示を行うことで、異常の発生状況の把握が容易になる。
【0010】
第3発明に係る作業機の表示装置は、第1の異常を検出した後に第2の異常を検出した場合、前記制御手段は、前記第2の異常に関する情報を前記第2表示手段に表示させるようにしてあることを特徴とする。
【0011】
第3発明にあっては、第1の異常を検出した後に第2の異常を検出した場合、第2の異常に関する情報を第2表示手段に表示させるようにしているため、最新の異常が第2表示手段に表示される。
【0012】
第4発明に係る作業機の表示装置は、複数種の異常を同時的に検出した場合、前記異常に関する情報のうち予め定めた規則に従って選択した一の情報を前記第2表示手段に表示させるようにしてあることを特徴とする。
【0013】
第4発明にあっては、複数種の異常を同時的に検出した場合、予め定めた規則に従って選択した一の情報を第2表示手段に表示させるようにしているため、異常の危険度、緊急度に従って予め規則を定めておくことにより、危険度又は緊急度が最も高い異常に関する情報を表示させることが可能となる。
【0014】
第5発明に係る作業機の表示装置は、予め定めた種類の異常を複数検出した場合、前記制御手段は、各異常に関する情報を前記第2表示手段に順次的かつ反復的に表示させるようにしてあることを特徴とする。
【0015】
第5発明にあっては、予め定めた種類の異常を複数検出した場合には、各異常に関する情報を順次的かつ反復的に第2表示手段に表示するようにしているため、例えば、危険度又は緊急度が高い異常が複数発生した場合、作業者はその旨の情報を確実に知り得る。
【0016】
第6発明に係る作業機の表示装置は、前記第2表示手段に表示させる情報を切替える切替手段を更に備えることを特徴とする。
【0017】
第6発明にあっては、第2表示手段に表示させる情報を切替える切替手段を備えているため、作業者自身の操作により異常の検出状況の確認が可能となる。
【0018】
第7発明に係る作業機の表示装置は、異常を検出した場合に警報音を出力する手段と、警報音の出力を停止させる停止手段とを備え、該停止手段を前記切替手段と共用にしてあることを特徴とする。
【0019】
第7発明にあっては、異常を検出した場合に警報音を出力する手段と、警報音の出力を停止させる停止手段とを備えており、停止手段を第2表示手段に表示させる情報の切替手段と共用にしてあるため、発生した全ての異常を確認する際の操作性を低下させることがない。
【0020】
第8発明に係る作業機の表示装置は、前記第1及び第2表示手段を覆う透光性の覆体を備えることを特徴とする。
【0021】
第8発明にあっては、第1及び第2表示手段を覆う透光性の覆体を備えるため、作業環境に合わせた適切な透過率又は反射率を持つ覆体を採用することによって、表示装置の視認性を低下させることがなくなる。
【発明の効果】
【0022】
第1発明による場合は、図形及び文字列により情報を夫々表示する第1及び第2表示手段を備え、作業中に発生する異常の検出状況に応じて第1及び第2表示手段での表示態様を制御するようにしている。したがって、検出した異常の種類、数、順序等に応じて表示態様を変更するこが可能となり、作業者はその表示態様により異常の検出状況を一目で把握することができる。
【0023】
第2発明による場合は、複数種の異常を検出した場合、表示態様を異ならせた複数種の図形を第1表示手段に表示させるようにしている。したがって、例えば、最新の異常に関しては点滅表示、最新以外の異常に関しては常時点灯表示を行うことが可能となり、作業者は、異常の発生状況を容易に把握することができる。
【0024】
第3発明による場合は、第1の異常を検出した後に第2の異常を検出した場合、第2の異常に関する情報を第2表示手段に表示させるようにしているため、最新の異常を第2表示手段に表示させることができる。
【0025】
第4発明による場合は、複数種の異常を同時的に検出した場合、予め定めた規則に従って選択した一の情報を第2表示手段に表示させるようにしている。したがって、異常の危険度、緊急度に従って予め規則を定めておくことにより、危険度又は緊急度が最も高い異常に関する情報を優先的に表示させることができる。そのため、作業者は、異常の発生に対して迅速な処置が可能となる。
【0026】
第5発明による場合は、予め定めた種類の異常を複数検出した場合には、各異常に関する情報を順次的かつ反復的に第2表示手段に表示するようにしている。したがって、例えば、危険度又は緊急度が高い異常が複数発生した場合、作業者に対してその旨の情報を確実に知らせることができる。
【0027】
第6発明による場合は、第2表示手段に表示させる情報を切替える切替手段を備えているため、作業者自身の操作により異常の検出状況の確認が可能となる。
【0028】
第7発明による場合は、異常を検出した場合に警報音を出力する手段と、警報音の出力を停止させる停止手段とを備えており、停止手段を第2表示手段に表示させる情報の切替手段と共用にしている。したがって、発生した全ての異常を確認する際の操作性が向上し、異常の発生状況を迅速に把握することができる。
【0029】
第8発明による場合は、第1及び第2表示手段を覆う透光性の覆体を備えている。したがって、作業環境に合わせた適切な透過率又は反射率を持つ覆体を採用することによって、表示装置の視認性が向上する。特に、田植機等の野外で使用する作業機に対して効果的である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明を田植機の表示装置に適用した形態について図面を用いて具体的に説明する。
図1は本実施の形態に係る田植機の構成を示す側面図であり、図2は平面図である。本実施の形態に係る田植機は、例えば、8条植えの乗用田植機であり、左右一対の前輪3,3及び後輪4,4にて支持された走行機体1を備えている。この走行機体1の後方には昇降リンク機構9を介して植付部30が装着されている。
【0031】
走行機体1の車体フレーム2を備えており、車体フレーム2の前部上方にはエンジン6が搭載されている。エンジン6の動力を変速ミッション8を介して後輪4,4に伝達させることにより、走行機体1を走行させるように構成されている。エンジン6はボンネット5により覆われている。ボンネット5の左右両側には予備苗載台20,20が配設されており、ボンネット5後部のダッシュボード11上には操向ハンドル14が配設されている。また、変速ミッション8は車体カバー7により覆われている。車体カバー7の上部には座席13が配設されており、更にその後方には施肥機21が配設されている。
【0032】
走行機体1の後部に設けられている植付部30は、苗載台31、植付伝動ケース32、サイドフロート33,33、センターフロート34、ロータリーケース35等を備えている。苗載台31はマット状の苗を載置するための載置台であり、走行機体1に対して前高後低に配設され、下ガイドレール及び上ガイドレールによって左右方向に摺動自在に支持されている。植付伝動ケース32は、昇降リンク機構9の後端から後方へ突出するように連結されている。植付伝動ケース32の下方にはリンク機構を介してサイドフロート33,33及びセンターフロート34が支持されており、また、後方には植付爪36,36を備えるロータリーケース35が回転自在に支持されている。このロータリーケース35は搭載される田植機の条数分だけ用意されるため、8条植えの田植機には8組のロータリーケース35が用意される。
【0033】
このような構成の乗用田植機では、エンジン6の動力による前進走行とともに苗載台31を左右方向に摺動させ、それぞれの条において、ロータリーケース35を回転駆動させることにより植付爪36,36で一株分の苗を切り出し、植付作業を連続的に行えるようにしている。
【0034】
図3は田植機の操作系の構成を説明する模式的外観図である。ダッシュボード11の後部側(座席13側)であって、左右方向の略中央部分には操向ハンドル14が設けられている。操向ハンドル14の近傍には各種レバー類が配設されている。操向ハンドル14の近傍に配設されるレバー類としては、前方に向かって左側に配設される主変速レバー、右側に配設されるクルーズコントロールレバー、アクセルレバー、作業者によって植付部30を手動で昇降操作するための昇降レバー等が挙げられる。また、操向ハンドル14の前方には、作業者に対して報知すべき情報を表示する表示装置15と、作業者による操作を受付けるために各種のスイッチを備える操作部16とが配置されている。本発明は特にこの表示装置15に関わるものであり、その詳細については後述することとする。
【0035】
図4は表示装置15及び操作部16を示す模式的外観図である。表示装置15は、後述する表示パネル150を備えており、その外側がカバー部材15aにより覆われている。カバー部材15aは、例えば、PMMAスモークガラス(PMMA : polymethylmethacrylate)により形成されており、入射光に対して20%程度の透過率を有する。このような構成とすることにより、直射日光下での視認性が向上する。
【0036】
操作部16は、各種スイッチを備える。操作部16が備えるスイッチとしては、異常発生時に出力される警報音の停止と表示パネル150での表示内容の切替えとを行うブザー停止・表示切替スイッチ161(以下、SW161と称する)、植深さ自動調整機能のオン・オフを制御するスイッチ162、圃場に対して植付部30を水平に制御するためのスイッチ類163等を備えている。
【0037】
図5は表示装置15の構成を説明する模式図である。表示装置15の筐体は、下蓋部材200とその一部がカバー部材15aとして形成された上蓋部材260とにより構成される。この上蓋部材260及び下蓋部材200を互いに嵌め合せることで構成される表示装置15の筐体内部には、前述した表示パネル150が実装される。
【0038】
下蓋部材200は、例えば、ポリプロピレン等の合成樹脂により一体形成されており、その底面には、ネジを挿通させるための6つのガイド孔201a〜201f、及び各種の電装品に配線されたハーネス(不図示)を挿通させるための挿通孔202a〜202cが設けられている。また、下蓋部材200の外側における底面には圧電ブザー等のブザー161aがネジ止めされる。
【0039】
ガイド孔201a〜201fに挿通させるネジにより下蓋部材200に取り付けられる表示パネル150は、基板210、中仕切り板230、見返し板240、パネル250等により構成され、前記基板210上には、LED表示部151を構成する複数のLED、及びLCD152が実装される。LCD152は、例えば、透過型のドットマトリクス液晶ディスプレイであり、白色のLEDをバックライトして利用してネガ表示することにより視認性を高めている。このLCD152は16×150画素程度の表示範囲を有しており、文字列による情報の他、アイコン、図形等を用いた情報の表示も可能にしている。このLCD152は、ポリプロピレン製のセルケース220を介して基板210上に実装される。また、基板210の背面側には前述したハーネスを接続するためのコネクタ211a,211b,211cが設けられている。
【0040】
この基板210は中仕切り板230の裏面側の適宜箇所にネジ止めされる。そのため、中仕切り板230の裏面にはネジ穴を設けた円柱状の支柱233a,233bが立設されている。また、中仕切り板230の表面には超耐熱性のABS樹脂(ABS : Acrylonitrile Butadiene Styrene)により形成された見返し板240が配設される。見返し板240には、前述した基板210上のLED表示部151及びLCD152の夫々に対向させてウインドウ241,242が設けられている。また、見返し板240の上側には、ポリカーボネート製のパネル250が配設されており、LCD152の対向位置にはウインドウ250aが設けられている。
【0041】
次に、表示パネル150による表示例について説明する。図6は表示パネル150の一例を示す模式図である。表示パネル150には、LEDによりピクトグラム(特定の内容を有するマーク)を表示するLED表示部151と、文字列による情報を表示することができるLCD152とを備えている。なお、図6の表示例は、田植機が正常に稼働している場合について示している。すなわち、LCD152の中央付近にはアワメータ111(図8参照)の出力値が表示され、その右側には燃料の残量が模式的に表示される。図6に示した例では、アワメータ111の出力値が58.2時間(h)、燃料の残量が80%程度であることを示している。なお、アワメータ111の積算時には、出力値の右側にドットを表示し、しかもそのドットを点滅表示させるようにしている。
【0042】
図7はLED表示部151により表示されるピクトグラム(マーク)の内容及び色を説明する図表である。本実施の形態では、見返し板240としてブラックフェイスパネルを採用しており、図7に示した色を発光色とするLEDの光を見返し板240の背面側から照射することにより、予め用意された15種類のピクトグラムのうち特定のピクトグラムのみを表示させる構成となっている。
【0043】
次に、田植機の制御系の構成について説明する。図8は田植機の制御系の構成を示すブロック図である。田植機は、各種計測器、センサ等を備えた計測系110、操作部16が備える各種スイッチ等からの信号に基づいて演算処理を実行する制御部101を備えている。この制御部101は、前述した植付部30の動作、表示装置15での表示態様を制御するための制御プログラムを格納したROM、ROMに格納された制御プログラムを読出して実行するCPU、CPUによる演算処理の実行中に生成されるデータ等を一時的に保持するRAM、基準時点からの経過時間を計時するタイマ等を備えている。
【0044】
計測系110は各種計測器、センサを備える。計測系110が備える計測器としては、エンジン6の稼働時間を計測するアワメータ111、エンジン6へ供給する燃料の残量を計測する燃料計112、エンジン6の油圧レベルを計測する油圧計113、エンジン6の周辺部位を冷却する冷却水の水温を計測する水温計114等が挙げられる。また、計測系110が備えるセンサとしては、施肥機21内の肥料の残量を計測する肥料残量センサ115、苗載台31に載置される苗の残量を計測する苗センサ116を備えている。この肥料残量センサ115は、施肥機21内の肥料残量が少なくなった場合にオン信号を出力し、施肥機21内の肥料残量が十分にある場合にオフ信号を出力するように構成されている。また、苗センサ116は、苗載台31に載置されている苗の残量が少なくなった場合にオン信号を出力し、十分に苗がある場合にはオフ信号を出力するように構成されている。なお、8条植えの田植機にはその条数分の苗センサ116が設けられている。
【0045】
表示装置15は、LED表示部151及びLCD152を備える。LED表示部151の光源として用いられるLEDとしては、植付LED151a、警告灯LED151b、苗つぎLED151k、肥料補給LED151m、欠粒LED151o等が挙げられる。制御部101は、LED表示部151が備えるLED(植付LED151a、警告灯LED151b、…)の点灯、点滅、及び消灯を制御するように構成されている。
【0046】
また、制御部101には前述したSW161及びブザー161aが接続されている。制御部101は、計測系110から入力される信号、又はSW161から入力されるオン・オフの信号に基づいてブザー161aを作動又は停止させるように構成されている。
【0047】
以下、表示パネル150における表示態様を図9〜図12のタイムチャートを用いて説明する。図9は警報の条件が1つだけ成立した場合のタイムチャートであり、その一例として肥料補給警報の条件が成立した場合について説明する。肥料補給警報は、5秒以上連続してオフの状態にある肥料残量センサ115があるタイミングでオンとなり、その状態(オンの状態)が5秒以上連続した場合に成立する。また、肥料補給警報は、肥料残量センサ115の出力がオフとなった場合に解除される。肥料補給警報の条件が成立したか否かの判断は、肥料残量センサ115の出力信号に基づいて制御部101が行う。
【0048】
図9に示したタイムチャートでは、時刻t1に肥料補給警報の条件が成立したことを示している。肥料補給警報の条件が成立した場合、制御部101は、肥料補給LED151mを所定周期(例えば1Hz)で点滅させると共に、所定周期(例えば2Hz)でブザー161aを吹鳴させて警報音を出力させる。また、警報条件が成立した場合には液晶画面(LCD152)の表示切替を行う。すなわち、時刻t1以前では警報の条件が成立していないため、LCD152には図6に示したようなアワメータ111の出力値、燃料の残量についての情報を表示しているが、時刻t1において肥料補給警報が成立した場合には、前述の表示に替えて「肥料補給をしてください」という旨の文字列による情報(すなわち、肥料補給警報の内容)をLCD152に表示する。
【0049】
また、図9に示したタイムチャートでは時刻t2及び時刻t3でSW161が押下操作されたことを示している。時刻t2におけるSW161の押下操作は、ブザー161aが作動している状態での押下操作であるため、SW161はブザー停止スイッチとして機能し、SW161からのオン信号が入力された制御部101はブザー161aを停止させる。また、時刻t3におけるSW161の押下操作は、ブザー161aが作動していない状態での押下操作であるため、SW161は表示切替スイッチとして機能し、SW161からのオン信号が入力された制御部101は表示切替を行う。この表示切替では、警報内容の表示からアワメータ表示への切替えを行う。また、時刻t3以降は、肥料補給についての警報の条件が解除されていないことを示すために、肥料補給LED151mを常時点灯させる。
【0050】
このように警報の条件が1つだけ成立した場合、警報の内容をLCD152に表示させている間、LED表示部151において該当するLEDを点滅させている。また、LCD152での表示内容を切替えた場合にはLED表示部151での表示態様も同時的に切替え、前記LEDを常時点灯させる。したがって、作業者は、点滅しているLEDの警報内容をLCD152にて確認できると共に、条件が解除されていない過去の警報についても確認することができる。
【0051】
図10は警報の条件が2つ成立した場合のタイムチャートであり、その一例として肥料補給警報が成立した後に苗つぎ警報が成立した場合について説明する。肥料補給警報の成立条件は前述した通りであり、肥料残量センサ115からの出力信号に基づいて制御部101が判断する。苗つぎ警報の成立条件も同様に苗センサ116からの出力信号に基づいて制御部101が判定する。苗つぎの要否は各条毎に判定する必要があるため、苗センサ116は各条毎に用意されており、そのうち1つの苗センサ116が1秒以上オンとなった場合に警報の条件が成立する。但し、電源投入直後の初期状態においては苗つぎ警報を成立させないようにしている。苗つぎ警報の条件は、全ての苗センサ116がオフとなった場合に解除される。
【0052】
図10に示したタイムチャートでは、時刻t1よりも前の時点で肥料警報の条件が成立しており、時刻t1以降の時点(時刻t2)で苗つぎ警報の条件が成立したことを示している。時刻t1にはSW161が押下操作されており、肥料警報条件の成立に伴って作動していたブザー161aを停止させる。
【0053】
時刻t2で苗つぎ警報の条件が成立した場合、制御部101は、苗つぎLED151kを所定周期(例えば1Hz)で点滅させる一方で、肥料補給LED151mを常時点灯させる。また、制御部101は、所定周期(例えば2Hz)でブザー161aを吹鳴させて警報音を出力させる。更に、制御部101は、LCD152の表示内容を肥料補給警報に対応した内容から苗つぎ警報に対応した内容へと切替える。苗つぎ警報では「苗つぎをしてください」という文字列による情報と苗つぎが必要な条数とを交互にLCD152に表示させる。
【0054】
時刻t3及び時刻t4ではSW161が押下操作されている。時刻t3でのSW161の押下操作は、ブザー161aが作動している状態での押下操作であるため、制御部101はブザー161aを停止させる。また、時刻t4でのSW161の押下操作は、ブザー161aが作動していない状態での押下操作であるため、制御部101は表示切替を行う。このとき、制御部101は、LCD152の表示内容を苗つぎ警報に対応した内容から肥料補給警報に対応した内容へと切替える。また、同時的に、肥料補給LED151mを点滅させると共に、苗つぎLED151kを常時点灯させる。
【0055】
このように2つの警報の条件が順次的に成立した場合、作業者が表示切替を指示しない限り、最新の警報の内容をLCD152に表示させ、その警報に対応するLEDを点滅させる。また、過去に起こった警報についてはLEDを常時点灯させることで作業者にその存在を知らしめる。
【0056】
図11は緊急度が高い警報の条件が2つ成立した場合のタイムチャートであり、その一例としてエンジン油圧異常が発生した後にオーバーヒートが発生した場合について説明する。エンジン油圧異常の発生に関しては油圧計113の出力、オーバーヒートの発生に関しては水温計114の出力に基づいて制御部101が判断する。図11に示したタイムチャートは、時刻t1にエンジン油圧異常が発生し、時刻t2にオーバーヒートが発生したことを示している。
【0057】
時刻t1でエンジン油圧異常の条件が成立した場合、制御部101は、警告灯LED151bを所定周期(例えば1Hz)で点滅させると共に、LCD152にはエンジン油圧異常が発生している旨の文字列(例えば、「エンジン油圧確認」という文字列)による情報を表示させる。次に、時刻t2でオーバーヒートの条件が成立した場合、制御部101は、エンジン油圧異常が発生している旨の文字列による情報、及びオーバーヒートが発生している旨の文字列(例えば、「オーバヒート」という文字列)による情報をLCD152に交互に表示させる。本実施の形態では、これらの情報の表示を3秒毎に交互に行う。
【0058】
次に、時刻t3でエンジン油圧異常の条件が解除された場合、LCD152には、オーバーヒートが発生している旨の文字列による情報を表示させる。更に、時刻t4でオーバーヒートの条件も解除された場合、制御部101は、LCD152にアワメータ表示を行う。
【0059】
このように緊急度が高い2つの警報の条件が成立した場合には、何れの警報についてもLCD152に文字列による情報を順次的かつ反復的に表示させているため、早急に改善すべき異常を確実に作業者に知らしめることができる。
【0060】
図12は緊急度に差異がある複数の警報条件が成立した場合のタイムチャートであり、その一例として、エンジン油圧異常、肥料補給警報、及び苗つぎ警報の条件が同時的に成立した場合について説明する。図12に示したタイムチャートは時刻t1に前述の3つの条件が成立したことを示している。各警報、異常についての緊急度は、例えば、制御部101内のROMに予め設定されており、前述の3つの警報の中では、エンジン油圧異常の緊急度が最も高く、次に肥料補給警報の緊急度が高く、苗つぎ警報の緊急度が最も低いとする。このとき制御部101は、緊急度が最も高いエンジン油圧異常に関してLCD152にその内容を表示し、警告灯LED151bを点滅させる。また、肥料補給警報の条件及び苗つぎ警報の条件も成立しているため、これらの警報に対応した苗つぎLED151k及び肥料補給LED151mを常時点灯させ、ブザー161aを作動させる。
【0061】
また、時刻t2,t3,t4の夫々においてSW161が押下操作されている。時刻t2ではブザー161aを停止させる。時刻t3では肥料補給LED151mを点滅させると共に、LCD152への表示切替を行う。また、時刻t4では苗つぎLED151kを点滅させると共に、LCD152への表示切替を行う。
【0062】
このように、緊急度が高い警報について優先的に警報の表示を行うため、作業者に対して緊急度が高い順に処置を促すことができる。
【0063】
以下、警報を出力する場合の田植機の動作について説明する。図13及び図14は警報の条件が1つだけ成立する場合に田植機が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。制御部101は、油圧計113、水温計114等の各種計測器、及び肥料残量センサ115、苗センサ116等の各種センサの出力を監視することにより、警報の条件が成立したか否かを判断する(ステップS11)。警報の条件が成立していないと判断した場合(S11:NO)、警報の条件が成立するまで待機する。
【0064】
警報の条件が成立したと判断した場合(S11:YES)、その条件の成立が油圧異常、オーバーヒート等の異常が発生したことに起因したものであるか否かを判断する(ステップS12)。異常が発生したことに起因して成立した条件であると判断した場合(S12:YES)、警告灯LED151bを点滅させると共に(ステップS13)、警報の内容をLCD152に表示させる(ステップS14)。
【0065】
次いで、警報の条件が解除されたか否かを判断する(ステップS15)。警報の条件が解除されたと判断した場合(S15:YES)、制御部101は表示切替を行う(ステップS16)。このときLCD152には、アワメータ111の出力値が表示されると共に、燃料の残量が模式的に表示される(図6参照)。次いで、制御部101は警告灯LED151bを消灯させる(ステップS17)。
【0066】
一方、ステップS15で警報の条件が解除されていないと判断した場合(S15:NO)、制御部101は、SW161が押下操作されたか否かを判断する(ステップS18)。SW161押下操作されていないと判断した場合(S18:NO)、処理をステップS15へ戻す。また、SW161が押下操作されたと判断した場合(S18:YES)、制御部101は表示切替を行う(ステップS19)。すなわち、この場合のSW161は表示切替スイッチとして機能し、LCD152には、アワメータ111の出力値、及び燃料の残量が表示される。次いで、制御部101は、警報の条件が解除されたか否かを判断する(ステップS20)。条件が解除されていないと判断した場合(S20:NO)、条件が解除されるまで待機する。また、条件が解除されたと判断した場合(S20:YES)、制御部101は、警告灯LED151bを消灯させる(S17)。
【0067】
また、ステップS12で警報の条件の成立が異常の発生に起因したものではないと判断した場合(S12:NO)、制御部101は、ブザー161aを作動させ(ステップS21)、該当するLEDを点滅させる(ステップS22)。また、制御部101は、警報の内容をLCD152に表示させる(ステップS23)。例えば、肥料残量センサ115の出力に基づいて肥料補給警報の条件が成立したと判断した場合には肥料補給LED151mを点滅させると共に、LCD152には「肥料補給してください」という警報の内容を文字列により表示させる。また、苗センサ116の出力に基づいて苗つぎ警報の条件が成立したと判断した場合には苗つぎLED151kを点滅させると共に、LCD152には「苗つぎをしてください」という警報の内容を文字列により表示させる。他の警報条件が成立した場合についても同様である。
【0068】
次いで、制御部101は、警報の条件が解除されたか否かを判断し(ステップS24)、警報の条件が解除されたと判断した場合(S24:YES)、制御部101はブザー161aを停止させる(ステップS25)と共に、LCD152の表示切替を行い(ステップS26)、ステップS22で点滅させたLEDを消灯させる(ステップS27)。
【0069】
また、警報の条件が解除されていないと判断した場合(S24:NO)、制御部101は、SW161が押下操作されたか否かを判断する(ステップS28)。押下操作されていないと判断した場合(S28:NO)、処理をステップS24へ戻す。また、SW161が押下操作された場合(S28:YES)、制御部101はブザー161aを停止させる(ステップS29)。すなわち、ブザー161aが作動している場合にはSW161はブザー停止スイッチとして機能することとなる。
【0070】
次いで、制御部101は、再度、SW161が押下操作されたか否かを判断し(ステップS30)、押下操作されたと判断した場合(S30:YES)、LCD152の表示切替を行う(ステップS31)。すなわち、ブザー161aが停止している場合にはSW161は表示切替スイッチとして機能することとなる。そして、制御部101は、ステップS22で点滅させたLEDを常時点灯させる(ステップS32)。この場合、LCD152にはアワメータ111の出力及び燃料の残量についての情報を表示させているが、LEDを常時点灯させているため作業者に警報の出力状況を知らせることができる。
【0071】
次いで、制御部101は、警報の条件が解除されたか否かを判断し(ステップS33)、解除されていないと判断した場合(S33:NO)、警報の条件が解除されるまで待機する。また、警報の条件が解除されたと判断した場合(S33:YES)、制御部101は、LEDを消灯させる(S27)。更に、ステップS30でSW161が押下操作されていないと判断した場合(S30:NO)、制御部101は、警報の条件が解除されたか否かを判断し(ステップS34)、解除されていないと判断した場合(S34:NO)、処理をステップS30へ戻す。また、条件が解除されたと判断した場合(S34:YES)、制御部101は、LCD152の表示切替を行い(S26)、LEDを消灯させる(S27)。
【0072】
図15は2つの警報条件が同時的に成立する場合に田植機が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。制御部101は、油圧計113、水温計114等の各種計測器、及び肥料残量センサ115、苗センサ116等の各種センサの出力を監視することにより、2つの警報条件が同時的に成立したか否かを判断する(ステップS41)。2つの警報条件が同時的に成立していないと判断した場合(S41:NO)、制御部101は条件が成立するまで待機する。
【0073】
2つの警報条件が同時的に成立したと判断した場合(S41:YES)、制御部101は、その2つの警報条件の成立が、何れも油圧異常、オーバーヒート等の異常が発生したことによるものであるか否かを判断する(ステップS42)。何れも異常が発生したことにより成立した警報条件であると判断した場合(S42:YES)、警告灯LED151bを点滅させると共に(ステップS43)、警報の内容をLCD152に交互表示させる(ステップS44)。例えば、油圧異常とオーバヒートとが同時的に発生したことに伴う警報条件の成立であると判断した場合、「エンジン油圧確認」という文字列による情報と「オーバーヒート」という文字列による情報とを3秒おきに交互にLCD152に表示する。
【0074】
次いで、制御部101は、一方の条件が解除されたか否かを判断する(ステップS45)。解除されていないと判断した場合(S45:NO)、制御部101は、一方の条件が解除されるまで待機する。一方の条件が解除されたと判断した場合(S45:YES)、解除されていない警報の内容をLCD152に表示させる(ステップS46)。
【0075】
次いで、他方の条件も解除されたか否かを判断する(ステップS47)。解除されていないと判断した場合(S47:NO)、制御部101は、他方の条件も解除されるまで待機する。他方の条件も解除されたと判断した場合(S47:YES)、制御部101は、表示切替を行い(ステップS48)、警告灯LED151bを消灯させる(ステップS49)。このときLCD152には、アワメータ111の出力値が表示されると共に、燃料の残量が模式的に表示される(図6参照)。
【0076】
ステップS42において、少なくとも一方の警報条件が、油圧異常又はオーバーヒートのような異常に起因した警報条件でないと判断した場合(S42:NO)、制御部101は、ブザー161aを作動させる(ステップS50)。そして、緊急度が高い警報についてLEDを点滅させ(ステップS51)、その警報の内容をLCD152に表示させる(ステップS52)。また、緊急度が低い警報についてはLEDを点灯させる(ステップS53)。緊急度の高低についての情報は、例えば、制御部101内のROMに予め記憶されている。制御部101は、必要に応じて前記ROMから緊急度の高低に関する情報を参照することにより、比較対照の2つの警報条件について緊急度の高低を決定し、該当するマークのLEDを点滅又は点灯させる。
【0077】
次いで、制御部101は、一方の条件が解除されたか否かを判断する(ステップS54)。解除されていないと判断した場合(S54:NO)、制御部101は、一方の条件が解除されるまで待機する。一方の条件が解除されたと判断した場合(S54:YES)、解除されていない警報についてLEDを点滅させる(ステップS55)。そして、その警報の内容をLCD152に表示させる(ステップS56)。
【0078】
次いで、他方の条件も解除されたか否かを判断する(ステップS57)。解除されていないと判断した場合(S57:NO)、制御部101は、他方の条件も解除されるまで待機する。他方の条件も解除されたと判断した場合(S57:YES)、制御部101は、表示切替を行い(ステップS58)、点滅させていたLEDを消灯させる(ステップS59)。
【0079】
なお、図15のフローチャートでは2つの警報の条件が同時的に成立する場合の動作について説明したが、3つ以上の警報の条件が同時的に成立する場合も同様である。すなわち、油圧異常、オーバーヒート等の異常に起因した警報条件が2つ以上成立する場合には、それらを順次的かつ反復的にLCD152に表示させる。また、油圧異常、オーバーヒート等の異常に起因した警報条件の成立が1つ以下である場合には、予め定めた緊急度に従って制御部101が選択した警報をLCD152に表示させる。
【0080】
また、図15に示したフローチャートでは警報の条件が自動的に解除される場合の動作について説明したが、図13及び図14で説明したように、SW161を用いてブザー161aの停止及び表示パネル150での表示切替を手動で行う構成であってもよい。
【0081】
また、本実施の形態では、警報の条件が成立した場合にその警報の内容を表示するために、LCD152に文字列による情報を表示する構成としたが、アイコン、絵文字、ピクトグラム等の図形を文字列による情報と併せてLCD152に表示する構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本実施の形態に係る田植機の構成を示す側面図である。
【図2】本実施の形態に係る田植機の構成を示す平面図である。
【図3】田植機の操作系の構成を説明する模式的外観図である。
【図4】表示装置及び操作部を示す模式的外観図である。
【図5】表示装置の構成を説明する模式図である。
【図6】表示パネルの一例を示す模式図である。
【図7】LED表示部により表示されるピクトグラム(マーク)の内容及び色を説明する図表である。
【図8】田植機の制御系の構成を示すブロック図である。
【図9】警報の条件が1つだけ成立した場合のタイムチャートである。
【図10】警報の条件が2つ成立した場合のタイムチャートである。
【図11】緊急度が高い警報の条件が2つ成立した場合のタイムチャートである。
【図12】緊急度に差異がある複数の警報条件が成立した場合のタイムチャートである。
【図13】警報の条件が1つだけ成立する場合に田植機が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。
【図14】警報の条件が1つだけ成立する場合に田植機が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。
【図15】2つの警報条件が同時的に成立する場合に田植機が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0083】
101 制御部
111 アワメータ
112 燃料計
113 油圧計
114 水温計
115 肥料残量センサ
116 苗センサ
15 表示装置
15a カバー部材
150 表示パネル
151 LED表示部
152 LCD
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業中に発生する複数種の異常を検出可能になしてあり、検出した異常の種類に応じて情報を表示する作業機の表示装置において、
表示すべき情報を図形及び文字列により夫々表示する第1及び第2表示手段と、作業中に発生する異常の検出状況に応じて前記第1及び第2表示手段での表示態様を制御する制御手段とを備えることを特徴とする作業機の表示装置。
【請求項2】
複数種の異常を検出した場合、前記制御手段は、表示態様を異ならせた複数種の図形を前記第1表示手段に表示させるようにしてあることを特徴とする請求項1に記載の作業機の表示装置。
【請求項3】
第1の異常を検出した後に第2の異常を検出した場合、前記制御手段は、前記第2の異常に関する情報を前記第2表示手段に表示させるようにしてあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の作業機の表示装置。
【請求項4】
複数種の異常を同時的に検出した場合、前記異常に関する情報のうち予め定めた規則に従って選択した一の情報を前記第2表示手段に表示させるようにしてあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の作業機の表示装置。
【請求項5】
予め定めた種類の異常を複数検出した場合、前記制御手段は、各異常に関する情報を前記第2表示手段に順次的かつ反復的に表示させるようにしてあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の作業機の表示装置。
【請求項6】
前記第2表示手段に表示させる情報を切替える切替手段を更に備えることを特徴とする請求項3乃至請求項5の何れか1つに記載の作業機の表示装置。
【請求項7】
異常を検出した場合に警報音を出力する手段と、警報音の出力を停止させる停止手段とを備え、該停止手段を前記切替手段と共用にしてあることを特徴とする請求項6に記載の作業機の表示装置。
【請求項8】
前記第1及び第2表示手段を覆う透光性の覆体を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1つに記載の作業機の表示装置。
【請求項1】
作業中に発生する複数種の異常を検出可能になしてあり、検出した異常の種類に応じて情報を表示する作業機の表示装置において、
表示すべき情報を図形及び文字列により夫々表示する第1及び第2表示手段と、作業中に発生する異常の検出状況に応じて前記第1及び第2表示手段での表示態様を制御する制御手段とを備えることを特徴とする作業機の表示装置。
【請求項2】
複数種の異常を検出した場合、前記制御手段は、表示態様を異ならせた複数種の図形を前記第1表示手段に表示させるようにしてあることを特徴とする請求項1に記載の作業機の表示装置。
【請求項3】
第1の異常を検出した後に第2の異常を検出した場合、前記制御手段は、前記第2の異常に関する情報を前記第2表示手段に表示させるようにしてあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の作業機の表示装置。
【請求項4】
複数種の異常を同時的に検出した場合、前記異常に関する情報のうち予め定めた規則に従って選択した一の情報を前記第2表示手段に表示させるようにしてあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の作業機の表示装置。
【請求項5】
予め定めた種類の異常を複数検出した場合、前記制御手段は、各異常に関する情報を前記第2表示手段に順次的かつ反復的に表示させるようにしてあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の作業機の表示装置。
【請求項6】
前記第2表示手段に表示させる情報を切替える切替手段を更に備えることを特徴とする請求項3乃至請求項5の何れか1つに記載の作業機の表示装置。
【請求項7】
異常を検出した場合に警報音を出力する手段と、警報音の出力を停止させる停止手段とを備え、該停止手段を前記切替手段と共用にしてあることを特徴とする請求項6に記載の作業機の表示装置。
【請求項8】
前記第1及び第2表示手段を覆う透光性の覆体を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1つに記載の作業機の表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−256466(P2006−256466A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−75941(P2005−75941)
【出願日】平成17年3月16日(2005.3.16)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月16日(2005.3.16)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】
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