説明

作業車輌

【課題】エンジンに作動連結された駆動側プーリーとHSTポンプ軸に作動連結された従動側プーリーと前記両プーリーに巻き回された無端帯とテンションプーリーと前記テンションプーリーが枢支軸回りに前記無端帯に対して張力を付与及び解除する方向に回動し得るように前記テンションプーリーを支持する揺動アームと前記テンションプーリーが張力付与方向へ回動するように前記揺動アームを付勢する付勢部材とを含むプーリー伝動機構を備えた作業車輌において、前記エンジンの始動性を向上させる。
【解決手段】基端側が操縦部の操縦空間内に位置され且つ先端側が前記揺動アームに作動連結された操作リンク機構を備え、前記操作リンク機構の基端側を人為操作することで前記テンションプーリーが前記枢支軸回りに回動し得るように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行系伝動経路に介挿されたHSTのポンプ軸がエンジンの出力部にプーリー伝動機構を介して作動連結されている作業車輌に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンの出力部がプーリー伝動機構を介してHSTのポンプ軸に作動連結されている作業車輌が提案されている(下記特許文献1,2参照)。
【0003】
詳しくは、前記プーリー伝動機構は、前記エンジンに作動連結された駆動側プーリーと、前記ポンプ軸に作動連結された従動側プーリーと、前記駆動側プーリー及び前記従動側プーリーに巻き回された無端帯と、枢支軸回りに前記無端帯に対して張力を付与する張力付与方向及び前記無端帯に対する張力を解除する張力解除方向へ回動し得るように揺動アームに支持されたテンションプーリーと、前記テンションプーリーが前記張力付与方向へ向けて回動するように前記揺動アームを付勢する付勢部材とを含んでおり、前記テンションプーリーは、常時、前記無端帯に対して張力を付与するようになっている。
【0004】
斯かる構成を備えた作業車輌においては、前記エンジンの始動時に前記作業車輌が意に反して走行し始めることを防止する為に、前記エンジンの始動時には前記HSTのモータ軸が出力停止状態となるように可動斜板が中立状態とされる。
【0005】
しかしながら、従来の作業車輌は、前記エンジンと前記ポンプ軸とは常に作動連結されたままである。つまり、前記可動斜板によって前記モータ軸の回転は停止されるものの、前記ポンプ軸は前記エンジンからの回転動力によって回転され続けることになる。すなわち、従来の作業車輌においては、スターターは、前記ポンプ軸及びこれに支持された油圧ポンプが出力部に作動連結された状態のままでエンジンを始動しなければならず、前記スターターの負荷が大きいという問題があった。
【0006】
さらに、前記HSTの油圧ポンプ及び油圧モータ間の作動油の流れが完全に停止するように前記可動斜板の傾転位置を理論上の完全中立位置に位置させることは非常に困難である。従って、一般的には、若干量の作動油の流れは生じるものの前記モータ軸の回転が生じない回転防止傾転範囲に前記可動斜板の傾転位置を調整することで、前記可動斜板の中立状態が実現される。
【0007】
このように、前記エンジンの駆動開始に先立って前記可動斜板を前記回転防止傾転範囲とすることで、前記エンジンの始動時に前記作業車輌が意に反して走行し始めることを有効に防止できるが、その際に生じるHST作動油の流れは前記エンジンを始動させる為のスターターにとって負荷となる。即ち、前記作業車輌においては、前記スターターは、前記エンジンを単独で起動させる為の起動トルクに加えて、前記ポンプ軸及び前記油圧ポンプを回転させるトルク並びに前記HST作動油に流れを生じさせる為のトルクを発生しなければならない。
【0008】
特に、低温時においては前記作動油の粘性が高くなり、前記スターターに掛かる負荷は大きくなる。その為、前記従来の作業車輌においては、低温時に前記エンジンの始動が困難になるという問題があった。
また、前記スターターは前記作業車輌に備えられるバッテリーから動力を得ているが、前記バッテリーが弱まっている場合にも前記エンジンの始動が困難になり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】実公平02−049050号公報
【特許文献2】実公昭59−064369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、斯かる従来技術に鑑みなされたものであり、エンジンからHSTのポンプ軸に回転動力を伝達するプーリー伝動機構のテンションプーリーが付勢部材によって常時張力付与方向へ付勢されている作業車輌において、前記エンジンの始動性を向上させ得る作業車輌の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、前記目的を達成するために、エンジンからHSTのポンプ軸に回転動力を伝達する為のプーリー伝動機構を備え、前記プーリー伝動機構には駆動側プーリーと従動側プーリーと前記両プーリーに巻き回された無端帯とテンションプーリーと前記テンションプーリーが枢支軸回りに前記無端帯に対して張力を付与及び解除する方向に回動し得るように前記テンションプーリーを支持する揺動アームと前記テンションプーリーが張力付与方向へ回動するように前記揺動アームを付勢する付勢部材とが備えられている作業車輌において、基端側が操縦部の操縦空間内に位置され且つ先端側が前記揺動アームに作動連結された操作リンク機構を備え、前記操作リンク機構の基端側を人為操作することで前記テンションプーリーが前記枢支軸回りに回動可能とされている作業車輌を提供する。
【0012】
好ましくは、前記操作リンク機構は、前記操縦部の壁面に形成された貫通孔に軸線回りに回転可能に挿通された操作軸であって、前記操縦空間内に位置された基端部の外周面にネジ部が形成された操作軸と、先端側の端面が前記壁面の内表面に直接又は間接的に当接された状態で前記操作軸の基端部のネジ部に螺合するナット部材とを含み、前記ナット部材の先端側端面が前記壁面の内表面に直接又は間接的に当接することで前記操作軸が意に反して軸線方向に沿って前記操縦空間から離間する方向へ移動することを防止しつつ、前記ナット部材を前記操作軸の軸線回り一方側へ回転させることで前記操作軸を軸線方向に沿って前記操縦空間内に突入する方向へ移動させ、これにより、前記テンションプーリーが前記枢支軸回りに張力解除方向へ回動されるように構成される。
【0013】
より好ましくは、前記貫通孔は前記操縦部の底壁に形成され、前記操作軸は略垂直方向に沿った状態で前記貫通孔に挿通されており、前記ナット部材の先端側端面は前記操縦部の底壁に直接又は間接的に当接される。
【0014】
より好ましくは、前記操縦部は、運転席を支持する運転席支持フレームと前記運転席の下方に収容空間を形成するように前記運転席支持フレームに着脱可能に連結される運転席カバーとを有し、前記操作軸は前記基端部が前記収容空間内に位置するように前記操縦部に支持され、前記操作リンク機構はさらに前記操作軸の軸線方向と直交するように前記ナット部材に直接又は間接的に連結された操作レバーを有し、前記運転席カバーを前記運転席支持フレームから取り外すと前記操作レバーを介した前記ナット部材の回転が許容され、且つ、前記運転席カバーが前記運転席支持フレームに装着された状態においては前記操作レバーが前記運転席カバーに当接することで前記ナット部材の回転が禁止されるように構成される。
【0015】
一形態においては、前記ナット部材の外周面には中空部が前記操作軸の軸線方向と直交する方向に沿うようにパイプが固着され、前記操作レバーは前記パイプの中空部に挿通される。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る作業車輌によれば、駆動側プーリーと従動側プーリーと前記両プーリーに巻き回された無端帯とテンションプーリーと前記テンションプーリーが枢支軸回りに前記無端帯に対して張力を付与及び解除する方向に回動し得るように前記テンションプーリーを支持する揺動アームと前記テンションプーリーが張力付与方向へ回動するように前記揺動アームを付勢する付勢部材とを含み、エンジンからHSTのポンプ軸に回転動力を伝達するプーリー伝動機構を備えた作業車輌において、基端側が操縦部の操縦空間内に位置され且つ先端側が前記揺動アームに作動連結された操作リンク機構を備え、前記操作リンク機構の基端側を人為操作することで前記テンションプーリーが前記枢支軸回りに回動可能となるように構成したので、作業者は、前記操縦部内において前記操作リンク機構を操作して前記エンジンの出力部と前記HSTのポンプ軸との伝動状態を手動で解除することが可能となる。
よって、前記エンジンの出力部と前記HSTのポンプ軸との作動連結を解除した状態で前記エンジンを起動させることができ、これによって、前記エンジンの出力部と前記HSTのポンプ軸とが作動連結された状態のままで前記エンジンを起動しなければならない従来構成に比して、前記エンジンを起動させる為のスターターの負荷を小さくすることができ、エンジンの始動性を向上させることができる。
【0017】
前記操作リンク機構が、前記操縦部の壁面に形成された貫通孔に軸線回りに回転可能に挿通された操作軸であって、前記操縦空間内に位置された基端部の外周面にネジ部が形成された操作軸と、先端側の端面が前記壁面の内表面に直接又は間接的に当接された状態で前記操作軸の基端部のネジ部に螺合するナット部材とを含み、前記ナット部材の先端側端面が前記壁面の内表面に直接又は間接的に当接することで前記操作軸が意に反して軸線方向に沿って前記操縦空間から離間する方向へ移動することを防止しつつ、前記ナット部材を前記操作軸の軸線回り一方側へ回転させることで前記操作軸が軸線方向に沿って前記操縦空間内に突入する方向へ移動させ、これにより、前記テンションプーリーが前記枢支軸回りに張力解除方向へ回動されるように構成すれば、前記ナット部材を介した前記操作軸の軸線方向移動を可能としつつ、非操作時における前記操作軸の前記操縦空間から離間する方向への意に反した移動を防止することができる。さらに、人為操作量に対する前記テンションプーリーの前記枢支軸回りの回動量を小さくすることができ、前記テンションプーリーが前記無端帯に対して急激に張力を付与することを有効に防止することができる。これにより、前記テンションプーリーを前記無端帯に対して係脱することによる前記無端帯の摩耗を有効に防止することができる。
【0018】
前記操縦部が運転席を支持する運転席支持フレームと前記運転席の下方に収容空間を形成するように前記運転席支持フレームに着脱可能に連結される運転席カバーとを有する場合において、前記基端部が前記収容空間内に位置するように前記操作軸を前記操縦部に支持させ、前記操作リンク機構に前記操作軸の軸線方向と直交するように前記ナット部材に直接又は間接的に連結された操作レバーを備え、前記運転席カバーを前記運転席支持フレームから取り外すと前記操作レバーを介した前記ナット部材の回転が許容され、且つ、前記運転席カバーが前記運転席支持フレームに装着された状態においては前記操作レバーが前記運転席カバーに当接することで前記ナット部材の回転が禁止されるように構成すれば、追加部材を備えること無く、前記ナット部材が意に反して回動することを有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、コンバインの形態をなす本発明の一実施形態に係る作業車輌の側面図である。
【図2】図2は、図1に示す前記作業車輌の平面図である。
【図3】図3は、図1及び図2に示す前記作業車輌の伝動模式図である。
【図4】図4は、図1〜図3に示す前記作業車輌における操縦部及びトランスミッション近傍の部分斜視図である。
【図5】図5は、前記トランスミッション近傍の部分拡大斜視図である。
【図6】図6は、前記作業車輌に備えられた操作リンク機構の斜視図である。
【図7】図7は、前記操縦部及び前記操作リンク機構の部分斜視図である。
【図8】図8は、前記操縦部及び前記操作リンク機構の部分斜視図であり、前記操縦部における底壁を取り外した状態を示している。
【図9】図9は、前記操作リンク機構の基端側の拡大図である。
【図10】図10は、前記操縦部における運転席近傍の部分拡大斜視図であり、運転席カバーを取り外した状態を示している。
【図11】図11は、前記操作リンク機構の基端側の拡大平面図である。
【図12】図12は、前記操作リンク機構の変形例の模式側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る作業車輌の一実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。
図1〜図3に、それぞれ、本実施形態に係る作業車輌1の側面図、平面図及び伝動模式図を示す。
【0021】
図1〜図3に示すように、本実施形態に係る作業車輌1はコンバインの形態をなしている。
即ち、前記作業車輌1は、本機フレーム2と、前記本機フレーム2に支持された駆動源としてのエンジンEと、前記本機フレーム2の下部に連結された左右一対のクローラの形態をなす走行部3と、前記本機フレーム2の前方側で且つ車輌幅方向一方側(ここでは前進方向を向いて右側)に配設された操縦部11と、本機フレーム2の前方に配置され且つ前記本機フレーム2に昇降可能に連結された刈取部4と、前記刈取部4によって刈り取られた穀稈を前記操縦部11の車輌幅方向他方側(ここでは前進方向を向いて左側)の穀稈搬送経路を通して後方側へ搬送する搬送部5と、前記搬送部5によって搬送された穀稈に対して脱穀処理を行う脱穀部6と、前記脱穀部6の脱穀処理により生成された脱穀物に対して選別処理を行う選別部7と、前記操縦部11の後方に配設されたグレンタンク8と、前記脱穀部6の後方に配設された排藁処理部9と、前記グレンタンク8に貯留された穀粒を機外に排出する穀粒排出部10とを備える。
【0022】
図3に示すように、前記作業車輌1は、さらに、前記エンジンEから前記走行部3へ至る走行系伝動経路に介挿されたHST12aを含むトランスミッション12を備えている。
前記トランスミッション12は、図2に示すように、車輌幅方向に関し前記操縦部11及び前記搬送部5の間で且つ車輌前後方向に関し前記操縦部11とオーバーラップするように前記操縦部11及び前記搬送部5より下方において前記本機フレーム2に支持されている。
【0023】
前記エンジンEは、図3に示すように、前記走行部3の動力源として作用すると共に、前記刈取部4、前記搬送部5、前記脱穀部6、前記選別部7、前記排藁処理部9及び前記穀粒排出部10を含む作業機の動力源としても作用している。
なお、図3中の符号13は、前記エンジンEから前記刈取部4へ至る伝動経路に介挿された刈取変速機構を収容するカウンターケース13である。
又、図3中の符号57は、前記エンジンEから前記刈取部4へ至る伝達経路に介挿された刈取クラッチである。
【0024】
前記刈取部4は、刈取プラットホーム42と、前記刈取プラットホーム42の前側に配設された穀稈分草板43と、前記穀稈分草板43によって分草された穀稈を掻込む掻込みリール44と、前記掻込みリール44によって掻き込まれた穀桿を切断する穀稈切断装置45と、前記穀稈切断装置45により切断された穀稈を前記刈取プラットホーム42内で後方へ送るプラットホームオーガ47(図3参照)とを有する。
【0025】
前記掻込みリール44は、後端部が前記刈取プラットホーム42に揺動可能に支持された左右一対の揺動アーム46に支持されている。
詳しくは、前記掻込みリール44は、図1に示すように、車輌幅方向に延びるリール支軸部451と、前記リール支軸部451の左右両端に取り付けられた左右一対のリール構成部材452と、前記リール支持軸451の軸線回りに配列されるように前記一対の前記リール構成部材452間において車輌幅方向に延びるリールバー453と、各リールバー453に取り付けられたタイン454とを有する。
【0026】
前記搬送部5は、前記刈取部4から送られてくる刈取穀稈を前記脱穀部6へ向けて搬送するものである。
詳しくは、前記搬送部5は、前端開口が前記刈取プラットホーム42に連結され且つ後端開口が前記脱穀部6の扱室に連結されたフィーダハウジング51と、前記フィーダハウジング51内に収容された搬送コンベア52(図3参照)とを有している。
【0027】
なお、前記搬送部5は、油圧シリンダ等の昇降アクチュエータによって前記本機フレーム2に対して車輌幅方向に沿った刈取入力軸53(図3参照)の軸線回りに昇降可能とされており、前記昇降アクチュエータによって前記刈取部4による穀稈の刈り取り高さが調節可能となっている。
【0028】
前記脱穀部6は、図3に示すように、前記扱室内に配設されたロータ61を有している。前記ロータ61は、外周面に複数の扱歯を有するスクリュー61aを有している。
前記ロータ61の下側には、前記扱歯と協働して穀稈を揉みほぐし穀稈を穀粒と排藁とに分離する(脱穀動作する)ための図略の受網が配置されている。
【0029】
前記脱穀部6は、前記フィーダハウジング51から搬送した穀稈を前記エンジンEからの駆動力による前記ロータ61の回転によって搬送しつつ脱穀する。これにより、前記脱穀動作によって分離された穀粒が前記受網に向けて落下する。前記受網を漏下した穀粒は前記選別部7に向かう。一方、前記脱穀動作により分離された排藁は前記ロータ61の回転によって前記排藁処理部9へ搬送される。
【0030】
なお、図3に示すように、前記エンジンEから前記脱穀部6へ至る伝達経路には、該動力伝達経路を係脱する脱穀クラッチ58が介設されている。
【0031】
前記選別部7は、前記脱穀物を一番物、二番物及び不要物に選別する。
前記選別部7は、図3に示すように、前記受網から漏下する脱穀物に対して揺動選別を行う揺動選別部71と前記脱穀物に対して風選別を行う風選別部72とを有している。
前記一番物は一番コンベア73を介して前記グレンタンク8に搬送され、前記二番物は二番コンベア74a、二番縦コンベア74b及び二番上コンベア74cを介して再び前記選別部7へ戻される。
【0032】
前記グレンタンク8は前記一番コンベア73から送られてくる穀粒を貯留する。
前記グレンタンク8の下部には、前記穀粒排出部10の一部を構成する穀粒排出コンベア10aが配設されている。
前記穀粒排出部10は、図3に示すように、前記穀粒排出コンベア10aに加えて、前記穀粒排出コンベア10aに連結された縦オーガコンベア10bと前記縦オーガコンベア10bに連結された横オーガコンベア10cとを有している。
なお、図3中の符号10Aは、前記エンジンEから前記穀粒排出部10へ至る伝動経路に介挿されたオーガクラッチである。
【0033】
前記排藁処理部9は、前記脱穀部6から搬送されてきた排藁を受け取り、受け取った排藁を細断して機外に排出するものである。
【0034】
ここで、前記走行系伝動経路のうちの前記エンジンEから前記トランスミッション12の前記走行用HST12aへ至る伝動経路について説明する。
【0035】
図3に示すように、前記作業車輌1においては、前記走行用HST12aは、プーリー伝動機構100を介して前記エンジンEから回転動力を入力している。
前記プーリー伝動機構100は、図3に示すように、前記エンジンEの出力軸に作動連結された駆動側プーリー101と、走行用HST12aのポンプ軸12Pに作動連結された従動側プーリー102と、前記駆動側プーリー101及び前記従動側プーリー102に巻き回された無端帯103とを備える。
【0036】
図4に、前記操縦部及び前記トランスミッション近傍の部分斜視図を示す。
又、図5に、前記トランスミッション近傍の部分拡大斜視図を示す。
【0037】
図4及び図5に示すように、前記プーリー伝動機構100は、前記駆動側プーリー101、前記従動側プーリー102及び前記無端帯103に加えて、テンションプーリー104と、揺動アーム105と、付勢部材とを備える。
なお、図面の視認性を考慮して図4及び図5においては前記無端帯103及び前記付勢部材の図示を省略している。
【0038】
前記駆動側プーリー101は、図3及び図5に示すように、前記エンジンEに作動連結された状態で回転軸線が所定の基準方向に沿うように配設されている。なお、本実施の形態においては前記基準方向は車輌幅方向とされている。
【0039】
前記従動側プーリー102は、図3及び図5に示すように、前記ポンプ軸12Pに作動連結された状態で回転軸線が前記基準方向に沿うように配設されている。
【0040】
前記揺動アーム105は、基端部が前記基準方向に沿った枢支軸L回り回動可能に支持され且つ先端部が前記テンションプーリー104を支持している。
【0041】
前記付勢部材は、例えばバネにより構成され、前記枢支軸L回りに前記テンションプーリー104が張力付与方向(図5では矢印Aの方向)へ向けて回動するように前記揺動アーム105を付勢しており、これにより、外力が作用しない状態においては、前記無端帯103は前記テンションプーリー104によって、常時、張力付与状態とされる。
【0042】
前記作業車輌1は、更に、前記駆動側プーリー101から前記従動側プーリー102への動力伝達を手動操作で遮断させ得る操作リンク機構106を備えている。
【0043】
図6に前記操作リンク機構106の斜視図を示す。
又、図7に前記操縦部及び前記操作リンク機構106の部分斜視図を示す。
さらに、図8に、前記操縦部及び前記操作リンク機構の部分斜視図であって、前記操縦部における底壁を取り外した状態の斜視図を示す。
【0044】
図6に示すように、前記操作リンク機構106は、人為操作される側である基端側と、前記揺動アーム105に作動連結された先端側とを有している。
前記基端側は、図7及び図8に示すように、前記操縦部11の操縦空間S1内に位置しており、操縦者は前記操縦部11から前記基端側を人為操作することで前記テンションプーリー104を前記枢支軸L回りに回動させ得るようになっている。
【0045】
詳しくは、前記操作リンク機構106の基端側106Pに操作力を付与することで、前記テンションプーリー104を前記付勢部材の付勢力に抗して前記枢支軸L回りに張力解除方向(図5において矢印Bの方向)へ回動させることができ、これにより、前記駆動側プーリー101から前記従動側プーリー102への動力伝達が遮断、即ち、前記エンジンEの出力部と前記走行用HST12aのポンプ軸12Pとの作動連結が解除されるようになっている。
【0046】
一方、前記操作リンク機構106の基端側に対する前記操作力を解除すると、前記テンションプーリー104は前記付勢部材の付勢力によって前記枢支軸L回りに張力付与方向へ回動し、これにより、前記駆動側プーリー101から前記従動側プーリー102への動力伝達が係合、即ち、前記エンジンEの出力部と前記走行用HST12aのポンプ軸12Pとが作動連結されるようになっている。
【0047】
このように、本実施形態に係る前記作業車輌1においては、操縦者は、前記操作リンク機構106を介して前記エンジンEの出力部と前記走行用HST12aのポンプ軸12Pとの作動連結を自由に解除させることができる。
従って、前記操作リンク機構106を介して前記エンジンEの出力部と前記走行用HST12aのポンプ軸12Pとの作動連結を解除させてから前記エンジンEを起動させることにより、前記エンジン起動時のスターターの負荷を低減でき、前記エンジンEの始動性を向上させることができる。
【0048】
即ち、従来の作業車輌においては、エンジンの出力部と走行用HSTのポンプ軸とが常時、作動連結されている。従って、前記エンジンを起動させるスターターは、前記エンジンを起動させるトルクに加えて、前記ポンプ軸及びこのポンプ軸に支持される油圧ポンプを回転させるトルクを出力しなければならない。
【0049】
これに対し、本実施形態に係る作業車輌1においては、前記操作リンク機構106によって前記エンジンEの出力部と前記走行用HST12のポンプ軸12Pとの作動連結を解除させた状態で、前記エンジンEを起動させることができ、従って、従来構成に比して前記スターターの負荷を小さくすることができ、前記エンジンEの始動性を向上させることができる。
【0050】
又、本実施形態においては、前記スターターの負荷を小さくすることができるから、前記スターターに電力を供給するバッテリーが弱まっていても、前記エンジンEの始動が困難になるのを防止又は抑制することができる。
【0051】
さらに、前記エンジンの出力部と前記走行用HSTのポンプ軸とが常時、作動連結されている従来構成においては、前記エンジンの始動時に前記作業車輌が意に反して走行し始めることを防止する為に、前記エンジンの始動時においては前記HSTのモータ軸が出力停止状態となるように可動斜板を中立位置に位置させる必要がある。
しかしながら、前記可動斜板を厳密に中立位置に位置させることは困難であるから、通常は、前記可動斜板の傾転位置を所定の中立許容範囲(若干量のHST作動油の流れが生じるもののモータ軸の回転が生じない範囲)に調整することで、前記エンジンの始動時における前記作業車輌の意に反した走行を防止している。
ところが、このような若干量のHSTの作動油の循環も前記スターターにとっては負荷になる。
【0052】
これに対し、本実施形態においては、前記操作リンク機構106を用いて前記エンジンEと前記ポンプ軸12Pとの動力伝達状態を解除できるようにしたので、前記スターターが前記HST作動油の流れに対抗する為のトルクを発生する必要が無くなる。これによっても、従来に比してエンジンEの始動性が向上される。
【0053】
また、本実施形態においては、前記スターターが前記HST作動油の流れに対抗する為のトルクを発生する必要が無くなるから、前記エンジンEを始動させる際の前記HST作動油の粘性が高くても前記エンジンEの始動が困難になるのを可及的に防止することができる。
【0054】
ここで、前記操作リンク機構106の具体的な構成について説明する。
図9に前記操作リンク機構106の前記基端側106P近傍の拡大図を示す。
【0055】
前記操作リンク機構106は、図6〜図9に示すように、基端部が前記操縦空間S1内に位置された状態で人為操作に基づいて軸線方向に移動し得るように前記操縦部11に支持された操作軸107と、前記操作軸107の軸線方向に沿った移動に応じて前記揺動アーム105を前記枢支軸L回りに回動させるように前記操作軸107及び前記揺動アーム105を連結するリンク構造150とを有している。
【0056】
本実施形態においては、前記操作リンク機構106は、人為操作に応じて前記操作軸107が軸線方向に沿って移動することを可能としつつ、前記操作軸107への人為操作が解除されている状態においては前記操作軸107の軸線方向位置を保持し得るように構成されている。
【0057】
具体的には、前記操作軸107には前記操縦空間S1内に位置された基端部の外周面にネジ部107aが形成されている。
そして、前記操作リンク機構106には、図6〜図9に示すように、先端側の端面が前記壁面の内表面に直接又は間接的に当接された状態で前記操作軸107の基端部のネジ部107aに螺合するナット部材108が備えられている。
【0058】
即ち、前記ナット部材108は、先端側の端面が前記壁面の内表面に直接又は間接的に当接することで前記操作軸107が意に反して軸線方向に沿って前記操縦空間S1から離間する方向(以下、第1軸線方向という)へ移動することを防止しつつ、人為操作に基づき前記操作軸107の軸線回り一方側へ回転させられると前記操作軸107を軸線方向に沿って前記操縦空間S1内に突入する方向(以下、第2軸線方向という)へ移動させる。
【0059】
この場合、前記リンク構造は、前記操作軸107の前記第1軸線方向への移動に応じて前記テンションプーリー104が張力付与方向へ回動するように前記揺動アーム105を前記枢支軸回Lりに回動させ、且つ、前記操作軸107の前記第2軸線方向への移動に応じて前記テンションプーリー104が張力解除方向へ回動するように前記揺動アーム105を前記枢支軸L回りに回動させるように構成される。
【0060】
斯かる構成によれば、前記付勢部材の付勢力によって前記ナット部材108の先端側端面が前記壁面の内表面に押しつけられることで前記操作軸107の軸線方向位置を保持しつつ、前記ナット部材108を軸線回りに人為的に回転させることで前記操作軸107を前記第1軸線方向又は前記第2軸線方向へ移動させることができる。
【0061】
本実施形態においては、図7に示すように、円筒形状のステー301が前記操作軸107に嵌合した状態で前記操縦部11の壁面の内表面上に固設されており、前記ナット部材108の先端側は前記ステー301を介して前記操縦部11の前記壁面の内表面に間接的に当接されている。
【0062】
又、本実施形態においては、図7に示すように、前記操作軸107は略垂直方向に沿うように前記操縦部11の底壁111に形成された通孔111aに軸線方向移動可能且つ軸線回りに回転可能に挿通されている。
斯かる構成によれば、前記付勢部材の付勢力に加えて、前記操作軸107及び前記ナット部材108の自重によっても前記ナット部材108の先端側端面が前記操縦部11の前記底壁111の内表面に押しつけられることになり、人為操作力が解除されている際の前記操作軸107の意に反した移動をより確実に防止できる。
【0063】
さらに、本実施形態におけるように、前記操作軸107に裸合された前記ナット部材108を回転させることで前記操作軸107を軸線方向に移動させる構成によれば、人為操作量に対する前記テンションプーリー104の前記枢支軸L回りの回動量を小さくすることができる。従って、前記テンションプーリー104が前記無端帯103に対して急激に係合又は解除されることを有効に防止して、前記無端帯103の過摩耗を有効に防止することができる。
【0064】
前記リンク構造150は、前記操作軸107の軸線方向に沿った移動に応じて前記揺動アーム105を前記枢支軸L回りに回動させる限り、種々の構成をとり得る。
本実施形態においては、図6に示すように、前記リンク構造150は、前記操縦部11の外方において車輌幅方向に沿った状態で軸線回り回転自在に支持された中間軸116と、前記操作軸107の先端部(外端部)及び前記中間軸116の基端部を連結する操作側アーム117と、基端部が前記中間軸116の先端部に連結された第1作動側アーム118と、基端部が前記第1作動側アーム118の先端部に連結され且つ先端部が前記揺動アーム105に直接又は間接的に連結された第2作動側アーム119とを有している。
なお、本実施形態においては、前記第2作動側アーム119の先端部はカラー120を介して前記揺動アーム105に連結されている。
【0065】
前記作業車輌1は、前記ナット部材108が前記作業車輌1の走行時の振動等によって意に反して前記操作軸107の軸線回りに回動することを防止する為に、下記構成を備えている。
図10に、前記操縦部11における運転席近傍の部分拡大斜視図であり、運転席カバー115を取り外した状態を示す。
又、図11に、前記操作リンク機構106の基端側106Pの拡大平面図を示す。
【0066】
図4、図7、図10及び図11に示すように、前記操縦部11には、図略の運転席を支持する運転席支持フレーム114と、前記運転席の下方に収容空間S2を形成するように前記運転席支持フレーム114に着脱可能に連結される運転席カバー115とが設けられている。
図10及び図11に示すように、本実施形態においては、前記運転席支持フレーム114は前方側に前記収容空間S2へのアクセス開口を有しており、前記運転席カバー115は前記アクセス開口を閉塞するように前記運転席支持フレーム114に着脱可能に前方から連結されている。
【0067】
前記操作リンク機構は、さらに、前記操作軸107の軸線方向と直交するように前記ナット部材108に直接又は間接的に連結された操作レバー110を有している。
即ち、本実施形態においては、前記ナット部材108は前記操作レバー110を介して前記操作軸107の軸線回りに回転させられる。
【0068】
ここで、図11に示すように、前記運転席カバー115が前記運転席支持フレーム114から取り外された状態においては前記操作レバー110を介した前記ナット部材108の回転が許容されつつ、前記運転席カバー115が前記運転席支持フレーム114に装着された状態においては前記操作レバー110が前記運転席カバー115に当接することで前記ナット部材108の回転が禁止されるように構成されている。
【0069】
具体的には、図11に示すように、前記操作レバー110のアーム長さR1(前記ナット部材108との連結点から前記操作レバー110の端部までの長さ)が、前記ナット部材108から運転席支持フレーム114までの距離R2よりも長いものとされる。
【0070】
斯かる構成によれば、前記運転席カバー115を前記運転席支持フレーム114から取り外すことで前記操作レバー110を介した前記ナット部材108の回転を可能としつつ、前記運転席カバー115を前記運転席支持フレーム114に装着させることで前記作業車輌1の走行時の振動等によって前記ナット部材108が意に反して回動することを有効に防止することができる。
【0071】
本実施形態においては、図9及び図11に示すように、前記ナット部材108の外周面には中空部が前記操作軸107の軸線方向と直交する方向に沿うようにパイプ109が固着されており、前記操作レバー110は前記パイプ109の中空部に挿通されている。
【0072】
なお、本実施形態においては、前記ナット部材108を介して前記操作軸107を軸線方向に沿って移動させるように構成したが、本発明は斯かる形態に限定されるものではない。
【0073】
図12に、前記操作リンク機構の変形例106’の基端側の模式側面図を示す。
前記変形例に係る操作リンク機構106’は、前記操作軸107と、前記リンク構造150と、前記操縦空間S1内において前記操作軸107の軸線とは直交する回動支点軸線200a回り回動可能とされた操作レバー200とを備えている。
【0074】
図12に示すように、前記操作レバー200には軸線方向に沿った長孔200bが形成されており、前記長孔200bに前記操作軸107の基端部が前記回動支点軸線200a回り方向には相対移動不能且つ前記長孔の長手方向には相対移動可能な状態で係合されている。
【0075】
斯かる構成の前記操作リンク機構106’においては、前記操作レバー200を前記回動支点軸線200a回りに回動させることによって前記操作軸107が軸線方向に沿って移動する。
【0076】
好ましくは、図12に示すように、前記操作レバー200の先端部に延長レバー210を着脱自在に連結させることができる。
前記延長レバー210を備えることにより、不使用時における前記操作リンク機構106’の小型化を図りつつ、小さい操作力で前記操作軸107を軸線方向に沿って移動させることが可能とする。
【符号の説明】
【0077】
1 作業車輌
12a 走行用HST
12P ポンプ軸
100 プーリー伝動機構
101 駆動側プーリー
102 従動側プーリー
103 無端帯
104 テンションプーリー
105 揺動アーム
11 操縦部
111 操縦部の底壁
111a 貫通孔
106 操作リンク機構
107 操作軸
107a ネジ部
108 ナット部材
109 パイプ
110 操作レバー
114 運転席支持フレーム
115 運転席カバー
E エンジン
L 枢支軸
S1 操縦空間
S2 収容空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンからHSTのポンプ軸に回転動力を伝達する為のプーリー伝動機構を備え、前記プーリー伝動機構には駆動側プーリーと従動側プーリーと前記両プーリーに巻き回された無端帯とテンションプーリーと前記テンションプーリーが枢支軸回りに前記無端帯に対して張力を付与及び解除する方向に回動し得るように前記テンションプーリーを支持する揺動アームと前記テンションプーリーが張力付与方向へ回動するように前記揺動アームを付勢する付勢部材とが備えられている作業車輌において、
基端側が操縦部の操縦空間内に位置され且つ先端側が前記揺動アームに作動連結された操作リンク機構を備え、前記操作リンク機構の基端側を人為操作することで前記テンションプーリーが前記枢支軸回りに回動可能とされていることを特徴とする作業車輌。
【請求項2】
前記操作リンク機構は、前記操縦部の壁面に形成された貫通孔に軸線回りに回転可能に挿通された操作軸であって、前記操縦空間内に位置された基端部の外周面にネジ部が形成された操作軸と、先端側の端面が前記壁面の内表面に直接又は間接的に当接された状態で前記操作軸の基端部のネジ部に螺合するナット部材とを含み、
前記ナット部材の先端側端面が前記壁面の内表面に直接又は間接的に当接することで前記操作軸が意に反して軸線方向に沿って前記操縦空間から離間する方向へ移動することを防止しつつ、前記ナット部材を前記操作軸の軸線回り一方側へ回転させることで前記操作軸を軸線方向に沿って前記操縦空間内に突入する方向へ移動させ、これにより、前記テンションプーリーが前記枢支軸回りに張力解除方向へ回動されることを特徴とする請求項1に記載の作業車輌。
【請求項3】
前記貫通孔は前記操縦部の底壁に形成され、前記操作軸は略垂直方向に沿った状態で前記貫通孔に挿通されており、
前記ナット部材の先端側端面は前記操縦部の底壁に直接又は間接的に当接されていることを特徴とする請求項2に記載の作業車輌。
【請求項4】
前記操縦部は、運転席を支持する運転席支持フレームと前記運転席の下方に収容空間を形成するように前記運転席支持フレームに着脱可能に連結される運転席カバーとを有し、
前記操作軸は前記基端部が前記収容空間内に位置するように前記操縦部に支持され、
前記操作リンク機構はさらに前記操作軸の軸線方向と直交するように前記ナット部材に直接又は間接的に連結された操作レバーを有し、
前記運転席カバーを前記運転席支持フレームから取り外すと前記操作レバーを介した前記ナット部材の回転が許容され、且つ、前記運転席カバーが前記運転席支持フレームに装着された状態においては前記操作レバーが前記運転席カバーに当接することで前記ナット部材の回転が禁止されることを特徴とする請求項2又は3に記載の作業車輌。
【請求項5】
前記ナット部材の外周面には中空部が前記操作軸の軸線方向と直交する方向に沿うようにパイプが固着され、
前記操作レバーは前記パイプの中空部に挿通されていることを特徴とする請求項4に記載の作業車輌。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−112473(P2012−112473A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−262843(P2010−262843)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】