健康管理支援装置及び健康管理システム
【課題】車室内等において、健康管理等に有用な被測定者の身体情報を正確に取得することができる健康管理支援装置及び健康管理支援システムを提供すること。
【解決手段】ステップ100では、タイミングの判定に必要な計測を開始する。ステップ110では、車両挙動を確認する。ステップ120では、ナビゲーション情報を確認する。ステップ130では、ステップ100〜120にて得た情報に基づいて、身体状態を検出するタイミングであるか否かを判定する。ステップ140では、身体状態を検出するタイミングに到ったので、身体状態を検出する。ステップ150では、検出データが適当なデータか否かを判断する。ステップ160では、検出結果及び測定条件を、メモリに記憶する。ステップ170では、メモリに記憶した検出結果のデータを集約する。ステップ180では、データをモニタ5に表示する。
【解決手段】ステップ100では、タイミングの判定に必要な計測を開始する。ステップ110では、車両挙動を確認する。ステップ120では、ナビゲーション情報を確認する。ステップ130では、ステップ100〜120にて得た情報に基づいて、身体状態を検出するタイミングであるか否かを判定する。ステップ140では、身体状態を検出するタイミングに到ったので、身体状態を検出する。ステップ150では、検出データが適当なデータか否かを判断する。ステップ160では、検出結果及び測定条件を、メモリに記憶する。ステップ170では、メモリに記憶した検出結果のデータを集約する。ステップ180では、データをモニタ5に表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車両を利用して健康管理等に有用な身体情報を得ることができ、必要に応じて健康管理等に有用な情報を報知することができる健康管理支援装置及び健康管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の機能の進展に伴い、車室内で生体(搭乗者:被測定者)をモニタする技術や、健康を管理する技術が提案されている(特許文献1参照)。
この技術では、自動車を測定装置として用いることにより、日頃から自動車を使用する被測定者にとっては、日々の健康管理が容易になる。
【特許文献1】特開2005−168908号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、これらの従来技術では、例えば車に乗ってすぐに被測定者の状態を測定した場合には、歩いている状態や走っている状態から短時間で着座の状態に変化するため、心拍数や血圧値が安静状態(即ち、外乱が少なく通常の身体状態の測定に適した状態)と異なるという問題があった。
【0004】
また、例えば冬場においては、車室温が非常に下がっているため、乗車してすぐに測定した場合には、室温による影響が大きく、健康管理に有効な正確な身体情報が得られないという問題があった。
【0005】
更に、運転中に身体状態を測定する場合には、運転操作、緊張、感情などにより、血圧値、心拍数に乱れが生じ(即ち、運転動作に起因する外乱が大きくなり)、よって、それらを身体情報として記憶した場合には、ばらつきが大きくなって、正確な情報とは言えないことがあるという問題があった。
【0006】
そのため、車両に乗車した際に日々測定した身体情報を、そのまま健康管理に活用することは困難であった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、自動車の車室内等において、健康管理等に有用な被測定者の正確な身体情報を取得することができる健康管理支援装置及び健康管理支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)請求項1の発明では、検出手段(各種のセンサ等)により、車両に搭乗した被測定者の身体状態を身体情報として検出する健康管理支援装置において、所定の判定条件に基づいて、検出手段によって被測定者の身体情報を検出するタイミングか否かを判断する条件判定手段を備えている。
【0008】
本発明では、身体情報を検出するのに適したタイミング(例えば運転動作等の外乱による影響が少なくできるだけ安静な状態)かどうかを、例えば所定の判定条件が満たされたかどうか(例えば後述する様に心拍数等が落ち着いた状態かどうか)によって判定するので、健康管理に必要な身体情報のばらつきが小さく、その精度が高いという効果がある。
【0009】
尚、身体情報を検出するのに適したタイミングであると判断された場合には、身体情報を検出する処理を行うことにより、精度の高い身体情報を得ることができる。また、その検出によって得られた情報は、例えば車両内の記憶手段に記憶されたり、車両外のサーバ等にインターネットなどを介して通信される。
【0010】
(2)請求項2の発明は、検出手段(各種のセンサ等)により、車両に搭乗した被測定者の身体状態を身体情報として検出し、検出した身体情報を記憶手段に記憶する健康管理支援装置において、所定の判定条件に基づいて、検出手段によって検出した被測定者の身体情報を記憶手段に記憶するタイミングか否かを判断する条件判定手段を備えている。
【0011】
本発明では、身体情報を記憶するのに適したタイミング(例えば外乱による影響が少なくできるだけ安静な状態)かどうかを、例えば所定の判定条件が満たされたかどうか(例えば後述する様に心拍数等が落ち着いた状態かどうか)によって判定するので、記憶手段に記憶される健康管理に必要な身体情報のばらつきが小さく、その精度が高いという効果がある。
【0012】
尚、本発明では、記憶時以外にも、身体情報を検出する処理を行い、身体情報を記憶するのに適したタイミングであると判断された場合には、そのタイミングにおける身体情報を記憶手段に記憶することができる。
【0013】
(3)請求項3の発明では、条件判定手段により、前記タイミングであると判定された場合には、その旨を報知する。
本発明では、身体情報の検出又は記憶の処理を行うタイミングであると判定された場合には、その旨を、例えばモニタ(ディスプレイ)に表示したり、スピーカにて音や音声で報知する。よって、被測定者は、その報知を受けて、最適なタイミングで例えばマニュアルにて身体情報の検出又は記憶の処理を指示することができる。
【0014】
(4)請求項4の発明では、条件判定手段により、前記タイミングであると判定された場合には、前記タイミングにて行うべき処理を自動的に行う。
本発明では、身体情報の検出又は記憶の処理を行うタイミングであると判定された場合には、その処理を自動的に行うので、マニュアル操作の様な手間が不要という利点がある。
【0015】
(5)請求項5の発明では、判定条件は、時刻、乗車してからの時間、停車してからの時間、心拍数、車両挙動、車室内温度、及びナビゲーション情報のうち、少なくとも1種である。
【0016】
本発明は、身体情報の検出又は記憶の処理を行うタイミングを判定する判定条件を例示したものである。これにより、測定に望ましい状態(外乱が少なくできるだけ安静に近い状態)での身体情報を検出又は記憶することができる。尚、条件は複数組み合わせることができる。
【0017】
・時刻を考慮すること、例えば所定の決まった時間(従って期間)に測定することにより、サーカディアンリズム(日内変動)の影響を低減することができる。
・乗車してからの時間や停車してからの時間を考慮することにより、安静状態に近づけることができる。つまり、(例えば車両挙動等の影響が小さい場合には)乗車してから所定の時間が経過した方が、また、停車してから所定の時間が経過した方が、心拍数等の身体状態の変動が少なく、安定した状態になると考えられるからである。
【0018】
・心拍数の変化を見ることで、身体の活動状態が分かるので、例えば心拍数の変動が少なくなったタイミングで測定を行うことにより、外乱の影響を排除することができる。
・車両の加減速や旋回等の車両挙動が大きいと、加減速による前後Gや旋回による横Gにより、人体内の血液の流れが影響を受けるために、血圧などの測定が影響をうけるので、測定結果にばらつきが生じる。そのため、車両挙動を考慮することにより(例えば車両挙動の変化が少ないときに測定することにより)、安静に近い状態での身体状態の検出が可能となる。
【0019】
・車室内温度が変化した場合も、心拍数等の身体状態に変化があると考えられるので、車室内温度を考慮することにより(例えば車室内温度の変化が少ないときに測定することにより)、安静に近い状態での身体状態の検出が可能となる。
【0020】
・家を出たところや会社を出たところ等をナビゲーション情報から得ることにより、同じ条件での測定が可能になる。よって、外乱(環境の変化等)の影響を低減できるので、身体情報の信頼性が向上する。
【0021】
(6)請求項6の発明では、判定条件は、乗車後に所定時間以上経過したことを特徴とする。
本発明では、乗車後例えば3分以上経過した場合に身体情報を検出又は記憶するので、より安静に近い状態での処理が可能となり、身体情報の信頼性が向上する。
【0022】
(7)請求項7の発明では、判定条件は、単位時間当たりの心拍数の変化が所定割合以内であることを特徴とする。
本発明では、単位時間(例えば1分)当たりの心拍数の変化が例えば5%以内となった場合に身体情報を検出又は記憶するので、より安静に近い状態での処理が可能となり、身体情報の信頼性が向上する。
【0023】
(8)請求項8の発明では、判定条件は、定速走行中又は停車中であることを特徴とする。
本発明では、定速走行中又は停車中の場合に身体情報を検出又は記憶するので、より安静に近い状態での処理が可能となり、身体情報の信頼性が向上する。
【0024】
尚、安静に近い状態は、停車中>走行中であり、走行中においては、定速走行中>加減速中、直進走行中>旋回中であると考えられる。
(9)請求項9の発明では、判定条件は、車室内温度の単位時間当たりの変動が所定温度以下であることを特徴とする。
【0025】
本発明では、車室内温度の例えば1分当たりの変動が例えば1℃以下となった場合に身体情報を検出又は記憶するので、より安静に近い状態での処理が可能となり、身体情報の信頼性が向上する。
【0026】
(10)請求項10の発明では、判定条件は、心拍数、車室内温度、及び車両挙動の少なくとも1種が、所定の状態になってから1分以上経過したことを特徴とする。
本発明では、心拍数、車室内温度、及び車両挙動の少なくとも1種が、所定の状態になってから1分以上経過した場合に、身体情報を検出又は記憶するので、より安静に近い状態での処理が可能となり、身体情報の信頼性が向上する。
【0027】
(11)請求項11の発明では、異なる時間における身体状態を示す身体情報が、1日につき複数記憶されることを特徴とする。
これにより、信頼性の高いデータを多く集めることができる。
【0028】
(12)請求項12の発明では、複数記憶された身体情報の中で、最適と判断されるタイミングで測定された身体情報を、その日の身体情報として記憶する。
1日において、例えばT1、T2の2種のタイミングで身体情報を測定した場合、タイミングの好適な順番がT1>T2のときには、T1のタイミングにおける情報を、その日の身体情報として記憶する。これにより、身体情報の精度を向上することができる。尚、T2のタイミングにおける情報しかない場合は、T2のタイミングにおける情報を、その日の身体情報として記憶する。
【0029】
(13)請求項13の発明では、最適と判断されるタイミングで測定された身体情報が複数ある場合、その複数の身体情報の平均値を、その日の身体情報として記憶する。
例えば前記T1(最適なタイミング)を午前中とした場合に、午前中に複数の情報が得られたときには、その平均値を、その日の身体情報として記憶する。これにより、身体情報の精度を向上することができる。
【0030】
(14)請求項14の発明では、タイミングを最適と判断する条件は、時刻、ナビゲーション情報、車両挙動、心拍数、及び車室内温度のうち少なくとも1種であることを特徴とする。
【0031】
本発明は、タイミングを最適と判断する条件を例示したものであり、その条件は複数組み合わせることができる。
・時刻の場合、例えば日常の計測により、そのドライバの状態が安定していると推測される時刻(従って期間)が分かった場合には、その時刻(期間)を最適であるとして選択する。
【0032】
・ナビゲーション情報の場合、家に近い場合や道路が太い場合は、そうでない場合と比べて最適(身体情報を得る状態として好ましい状態)であるとみなすことができる。
・車両挙動の場合、停車時>定速走行中>加減速中又は旋回中の順で、最適と見なすことができる。
【0033】
・心拍数や車室内温度は、所定の変動の範囲内である場合には、そうでない場合と比べて最適とみなすことができる。
(15)請求項15の発明は、前記タイミングを最適と判断する条件を、以前に最適としたタイミングに合わせることを特徴とする。
【0034】
本発明では、最適と判断されるタイミングを、以前に測定した身体情報の測定時刻(期間)や測定環境(例えばナビゲーション情報の位置情報など)等を基準に選択することができるので、測定精度が向上する。
【0035】
例えば「午前中に測定」等の緩やかな条件に設定していた場合に、自宅付近では心拍数が安定して測定されている日数が多いときには、自宅付近での測定を最適なタイミングとして採用することなどが考えられる。
【0036】
(16)請求項16の発明では、検出した身体情報を、報知手段(例えばモニタやスピーカ)により報知することを特徴とする。
従って、被測定者等は、モニタやスピーカにより身体情報を知ることができるので、その報知内容に応じて、適切な対応(例えば健康診断を受ける等)をとることができる。
【0037】
(17)請求項17の発明では、報知手段が表示手段の場合に、表示期間を選択可能とすることを特徴とする。
本発明では、表示手段をマニュアルにて選択可能であるので、最適な表示を選択することができる。
【0038】
(18)請求項18の発明では、表示期間として、1日、1週間、1ヶ月、半年、1年、5年、及び10年のうち、少なくとも2種の期間を選択可能としたことを特徴とする。
本発明では、複数の期間における身体情報を表示できるので、長いスパンにおける変化や短いスパンにおける変化が容易に分かり、身体情報をより的確に把握することができる。
【0039】
(19)請求項19の発明では、身体情報を、身体情報を求めた時期又は期間に応じて、集約して記憶又は表示することを特徴とする。
例えば身体情報を求めた時期が1年より前のような古くなった場合又は期間が1年間のような長いスパンである場合には、全ての身体情報を記憶すると、データの記憶領域が大きくなり、データ処理の負担も大きくなる。その様な場合には、例えば1月毎の平均データの様にデータを集約して記憶するようにすれば、古いデータや長期間に亘るデータを要領よく記憶することができる。
【0040】
同様に、身体情報を求めた時期が古くなった場合や長い期間の場合には、全てのデータを表示しても、かえって分かり難いことがある。その様な場合には、例えば1月毎の平均データの様にデータを集約して表示するようにすれば、古いデータや長期間に亘るデータを要領よく表示することができる。
【0041】
尚、ここで、「集約」とは、データを全部表示又は記憶するのではなく、例えば平均値等の代表値や選択されたデータ等を採用するなどにより、そのデータの一部(又は処理したデータ)を表示又は記憶したりすることである。
【0042】
(20)請求項20の発明では、身体情報の集約を、曜日、平均値との差異、時刻、ナビゲーション情報、車両挙動、心拍数、及び車室内温度のうち少なくとも1種に基づいて行うことを特徴とする。
【0043】
本発明は、身体情報の集約方法を例示したものである。
・曜日で集約する場合には、同じ様な状況と考えられる、例えば月〜金のデータを集約(例えば平均)する方法が考えられる。
【0044】
・平均値との差異で集約する場合には、差異が所定値より大きな場合には、異常値として排除し、所定内のデータのみで集約(例えば平均化)することが考えられる。
・時刻で集約する場合には、同じ様な状況と考えられる、例えば午前中のデータを集約(例えば平均)する方法が考えられる。
【0045】
・ナビゲーション情報で集約する場合には、同じ様な状況と考えられる、例えば同様な場所や同様な種類の道路におけるデータを集約(例えば平均)する方法が考えられる。
・車両挙動で集約する場合には、同じ様な状況と考えられる、例えば定速走行中のデータを集約(例えば平均)する方法が考えられる。
【0046】
・心拍数で集約する場合には、停車中と運転中では、それぞれの状態においては同じ様な状況と考えられるので、例えば心拍数が高い運転中のデータをカットし、残りのデータを集約(例えば平均)する方法が考えられる。
【0047】
・車室内温度で集約する場合には、同じ様な状況と考えられる所定温度範囲におけるデータを集約(例えば平均)する方法が考えられる。
(21)請求項21の発明では、身体情報を記憶又は表示する際に、日々の活動量を示すデータも、同時に記憶又は表示することを特徴とする。
【0048】
本発明では、例えば身体に装着した加速度センサや(例えば職場にいる時間やスポーツジムにいる時間等を示す)スケジュールなどにより、日々の活動量が分かる場合には、そのデータも合わせて記憶又は表示する。
【0049】
つまり、身体情報を表示する際に、活動量を示すことにより、測定した身体情報の意味が理解しやすくなるので好適である。例えば血圧が高めに表示された場合に、それが活動量が多い期間であれば理解できるが、活動量が低い期間であれば、身体に何からの原因があると推定することも可能である。
【0050】
尚、活動量としては、身体が所定以上動いている時間で表現することができる。例えば睡眠や休息している時間ではなく、仕事や歩行などで活動している時間で表現することができる。
【0051】
(22)請求項22の発明は、日々の活動量を示すデータは、ナビゲーション情報、加速度センサによる情報、スケジュール、及び睡眠情報のうち少なくとも1種であることを特徴とする。
【0052】
本発明は、日々の活動量を示すデータを例示したものである。
・ナビゲーション情報として、例えば会社にいる時間が長い場合には、活動量が多いと推定できる。
【0053】
・身体に装着した加速度センサにより、加速度が大きい場合には、活動量が多いと推定できる。
・スケジュールから、例えばスポーツジムにいる時間が長い場合には、活動量が多いと推定できる。
【0054】
・睡眠情報としては、例えば睡眠時間が長い場合には、活動量が少ないと推定できる。
(23)請求項23の発明では、車室内で得た前記身体情報を、車室外で得た身体情報により補正することを特徴とする。
【0055】
車両に搭乗中の例えば心拍数や血圧のデータは、安静時に検出したデータと異なることがあるので、安静時のデータを利用して車両に搭乗中のデータを補正する。例えば心拍数や血圧等のデータを所定割合減ずる。これにより、車両に搭乗中のデータを利用して、精度良く身体状態を把握することができる。
【0056】
(24)請求項24の発明では、身体情報と、基準となる過去の所定期間の身体情報とを比較し、その比較結果に基づいて、車両の制御を行う。
例えば車両の搭乗中に得られた身体情報が過去の身体情報と比べて異常である場合には、速度を制限したり制動性能を高める等の安全性を高めるような制御を行う。
【0057】
(25)請求項25の発明では、身体情報が、体温、血圧、心拍数、脈波情報、体重、血糖値、及び体脂肪のうち少なくとも1種であることを特徴とする。
本発明は、身体情報を例示したものである。
【0058】
・体温は、赤外線を利用した非接触のサーモセンサ等を用いて検出することができる。
・血圧は、PWV(脈波伝播速度)と脈波情報により推定される。PWVは、心電センサと(腕や指等に装着した)脈波センサを用いて、心拍の伝播の速度より求められ、血圧と関連する量である。脈波情報は、脈波センサにより計測された脈波波形を解析することにより求められる。
【0059】
・心拍数は、心電センサや脈波センサにより求めることができる。
・脈波情報(脈拍数、血管年齢等)は、脈波センサにより求めることができる。
・体重は、シートセンサ等により求めることができる。
【0060】
・血糖値は、例えば指等に針を刺して僅かに血液を採集し、その血液から自動的に求めることができる。
・体脂肪は、例えばステアリングに装着した一対の電極に接続された体脂肪計により、求めることができる。
【0061】
(26)請求項26の発明では、身体情報の検出、記憶、及び報知のうち少なくとも1種の処理を、複数の乗員に対して行うことを特徴とする。
本発明は、身体情報の処理の対象を例示したものであり、運転者に限らず、他の搭乗者にも適用できる。
【0062】
(27)請求項27の発明では、判定条件を、マニュアルにて変更可能としたことを特徴とする。
これにより、各個人により好適に対応でき、利用勝手が向上する。
【0063】
(28)請求項28の発明では、ナビゲーション情報を、いくつかの属性で区別したことを特徴とする。
ナビゲーション情報を、いくつかの属性(種類)で区分することにより、どの属性での身体情報かわかるので、身体情報の意味することの理解が容易になり、その信頼性が向上する。
【0064】
例えば頻繁に通過する道路(例えば高速道路)を示す属性である場合には、その場所で測定した身体情報の信頼性が向上すると考えられる。
(29)請求項29の発明では、属性を、自宅、職場、ショッピングセンター、レストラン、スポーツジム、高速道路、幹線道路、市街地、病院、及びユーザ設定場所のうち少なくとも2種の属性に区分したことを特徴とする。
【0065】
本発明は、ナビゲーション情報の属性を例示したものである。尚、この属性に重み付けすることにより、身体情報の精度を高めることができる。例えば自宅とスポーツジムとでは、通常、血圧や心拍数が異なるので、この属性の違いにより身体情報を補正することが可能である。
【0066】
(30)請求項30の発明は、請求項1〜29のいずれかに記載した健康管理支援装置と、身体情報を検出する検出手段及び身体情報を記録する記録手段のうち少なくとも検出手段を、備えたことを特徴とする健康管理支援装置システムである。
【0067】
従って、この健康管理支援装置システムを搭載した車両により、好適なタイミングで、身体情報を測定して、健康管理に役立てることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0068】
以下に本発明の実施形態の例(実施例1)を図面と共に説明する。
【実施例1】
【0069】
a)まず、健康管理支援システムの全体構成及びその周辺装置について説明する。
図1は、本発明が適用された健康管理支援システムの全体構成等を示す説明図である。
図1に示すように、本実施例は、車両に搭載される健康管理支援システムであり、車両に搭乗した運転者等の被測定者の身体状態を身体情報として検出する各種の健康管理用センサ1と、健康管理用センサ1により検出された身体情報に基づいて被測定者の健康管理の支援のための演算等の処理を行う健康管理支援装置3と、健康管理用センサ1により検出された身体情報等を報知するための表示装置(モニタ)5及びスピーカ7とを備えている。
【0070】
またこれとは別に、車両を制御するために、車両の状態を検出する各種の車両制御用センサ9と、車両制御用センサ9により検出された車両情報等に基づいて車両の制御を行う車両制御装置11と、車両制御用センサ11により検出された車両情報等に基づいて車両の制御を行う各種のアクチュエータ12(図3参照)とを備えている。
【0071】
更に、車両には、ナビゲーション装置13が搭載されており、このナビゲーション装置13は、モニタ5及びスピーカ7に接続されている。
尚、健康管理支援装置3、車両制御装置11、ナビゲーション装置13は、それぞれ互いに接続されており、必要な情報の送受信が可能である。
【0072】
図2に示す様に、前記健康管理支援装置3は、マイクロコンピュータを主要部とする電子制御装置であり、周知のROM3a、RAM3b、CPU3c、入出力部3d等を備えるとともに、データの書き換えが可能で且つ電源オフ時でもデータを保持可能な不揮発性メモリ(例えばEEPROM11e)を備えている。入出力部3dには、各種の健康管理用センサ1、モニタ5、スピーカ7が接続されている。尚、この健康管理支援装置3は、周知の無線による通信回線などを介してサーバ(図示せず)と交信して、健康管理に必要な情報の送受信が可能である。
【0073】
前記健康管理用センサ1としては、例えばステアリング15に設置された一対の電極17a、17b(図1参照)を利用して心拍数等を検出する心電センサ1a、被測定者の腕等に装着されて脈波等を検出する脈波センサ1b、車室内の温度や被測定者の体温を(赤外線を利用し)非接触にて検知できる温度センサ1c、被測定者の着座の有無やシート19(図1参照)に加わる圧力を検出するシートセンサ1d等が挙げられる。
【0074】
尚、電極17a、17bを利用して、体脂肪率の測定も可能である。また、脈波センサ1bと健康管理支援装置3とは、無線にて情報等の送受信が可能である。
一方、図3に示す様に、前記車両制御装置11も、マイクロコンピュータを主要部とする電子制御装置であり、周知のROM11a、RAM11b、CPU11c、入出力部11d、EEPROM11e等を備えている。この入出力部11dには、車両制御用センサ1として、車速センサ1a、加速度センサ1bが接続されるとともに、燃料噴射装置等の各種のアクチュエータ12が接続されている。
【0075】
b)次に、前記健康管理支援装置3等に行われる制御内容について説明する。
本実施例は、自動車に搭乗した被測定者に対して、適切なタイミングで身体状態を検出し、その検出結果である身体情報を適宜記憶する処理を行うものである。尚、本処理は、イグニッションキーがオンの場合に開始される。
【0076】
図4のフローチャートに示す様に、ステップ(S)100では、後述する身体状態の検出のタイミングの判定に使用する機器(センサ等)により、タイミングの判定に必要な計測を開始する。
【0077】
尚、どのようなセンサを用いるかは、後に詳述する様に、どの様な判定条件にて判定するかにより異なる。例えば乗車してからの経過時間で判定する場合には、シートセンサ1dにより着座の有無を検出し、タイマにより着座からの時間を計測する。ここでは、例えば乗車してから3分以上経過か否かを判定の条件1とする。
【0078】
続くステップ110では、車両挙動を確認する。具体的には、車速センサ9aや加速度センサ9b等の車両制御用センサ9からの情報を入力し、例えば停車中、定速走行中、加減速や旋回中などの各種の車両挙動を確認する。例えば、停車中又は定速走行中を、判定の条件2とする。
【0079】
続くステップ120では、ナビゲーション情報を確認する。具体的には、ナビゲーション装置13からの情報に基づいて、現在の走行位置やどのような道路を走行中であるかなどを確認する。例えば自宅から近距離(例えば5km以内)を、判定の条件3とする。
【0080】
続くステップ130では、上述したステップ100、110、120等の各処理にて入力した各種の情報に基づいて、身体状態を検出するタイミングであるか否かを判定する。例えば、上記判定の条件1、2、3が、全て満たされているか否かで、身体状態を検出するタイミングであるか否かを判断する。ここで否定判断されると前記ステップ100に戻り、一方肯定判断されるとステップ140に進む。
【0081】
ステップ140では、身体状態を検出するタイミングに到ったので、身体状態検出用センサ1等により、身体状態を検出する。例えば後述するように、心電センサ1aを用いて心拍数を計測する。
【0082】
続くステップ150では、検出データが適当なデータか否かを判断する。つまり、測定ミスなどにより、適正なデータが得られないと困るので、ここでは、得られたデータが適正なデータであるか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ160に進み、一方否定判断されると前記ステップ140に戻る。尚、所定回測定を繰り返しても、適正なデータが得られない場合は、今回データが無いものとして、このステップ150の処理をパスし、ステップ160に進む。
【0083】
続くステップ160では、得られた検出結果及び測定条件を、メモリ(EEPROM3d)に記憶する。尚、測定条件としては、例えば環境温度(車室内温度)などが挙げられる。
【0084】
続くステップ170では、メモリに記憶した検出結果のデータを集約する。具体的には、例えば毎日データを蓄積している場合は、一定期間より前のデータ(例えば1ヶ月より前のデータ)は1月単位で平均化して記憶する。
【0085】
続くステップ180では、データをモニタ5に表示し、一旦本処理を終了する。尚、データの表示方法は、マニュアルにて適宜選択することができる。
c)次に、上記各ステップでの処理内容等について、その使用機器などとともに、更に詳しく説明する。
【0086】
(1)前記ステップ140にて検出する身体情報としては、体温、血圧、心拍数、脈波情報、体重、血糖値、及び体脂肪のうち少なくとも1種が挙げられる。
・体温は、赤外線を利用した非接触のサーモセンサ(温度センサ1)等を用いて検出することができる。
【0087】
・血圧は、PWV(脈波伝播速度)及び脈波センサにより推定される。このPWVは、心電センサ1aと(腕や指等に装着した)脈波センサ1bとを用いて、脈波の伝播の速度より求めることができる。
【0088】
・心拍数は、心電センサ1aや脈波センサ1bにより求めることができる。
・脈波情報(脈拍数、血管年齢等)は、脈波センサ1bにより求めることができる。
・体重は、シートセンサ1d等により求めることができる。
【0089】
・血糖値は、例えば指等に自動的に針を刺して僅かに血液を採集し、その血液から自動的に求めることができる。
・体脂肪は、例えばステアリング15に装着した一対の電極17a、17bに接続された体脂肪計(図示せず)により、求めることができる。
【0090】
(2)前記ステップ130におけるタイミングの判定条件としては、時刻、乗車してからの時間、停車してからの時間、心拍数、車両挙動、車室内温度、及びナビゲーション情報のうち、少なくとも1種を採用できる。尚、できるだけ多くの条件を組み合わせた方が、情報の精度が向上する。
【0091】
・例えば午前中の所定時間内に測定することにより、サーカディアンリズムの影響を低減することができる。
また、異なる時間帯で身体情報を測定して複数の検出結果を記憶すれば、データを処理する際の信頼性が向上するという効果があるが、そのうち、好ましいタイミングに順位をつけて、より好ましいタイミングで得られたデータを、その日のデータとして記憶してもよい。例えば朝、昼、夜(好ましいタイミングが朝>昼>夜の場合)に測定して、全てのデータが得られた場合には、最も好ましい朝のデータをその日のデータとして記憶する。尚、昼と夜のデータしか得られない場合には、より好ましい方の昼のデータを、その日のデータとして記憶する。更に、最適な朝のデータが複数あった場合には、そのデータの平均値を最適なデータとして記憶する。
【0092】
・例えば(シートセンサ1dから得られた)乗車してからの時間が乗車後所定時間(例えば3分)以上たった場合、または(車速センサ1aから得られた)停車してからの時間が所定時間(例えば3分)以上になった場合に、身体情報を検出することにより、安静状態に近い状態で身体状態を検出することができる。
【0093】
・例えば心拍数の単位時間(例えば1分)当たり変化が5%以下になった場合、身体状態を検出することにより、安定した状態での測定が可能になる。
・例えば(加速度センサ1bから得られた)車両の加減速や旋回等の車両挙動が所定値以下の小さい場合或いは(車速センサ1aから得られた)車速が所定値以下の低速な場合に、身体状態を検出することにより、安定した状態での測定が可能になる。
【0094】
・例えば車室内温度の変化が1分当たり1℃以下の小さな場合に、身体状態を検出することにより、安定した状態での測定が可能になる。
・例えば家や会社を出たところ等や、高速道路を走行中などのナビゲーション情報を得ることにより、同じ条件での測定が可能になるので、身体情報の信頼性が向上する。
【0095】
(3)測定のタイミングが複数ある場合(条件を緩やかに設定した場合)、どのタイミングを最適と判断する条件は、時刻、ナビゲーション情報、車両挙動、心拍数、及び車室内温度のうち少なくとも1種を採用できる。従って、緩やかな条件で複数の身体情報が得られた場合には、最適なタイミングにおける情報を採用することが望ましい。
【0096】
・例えばナビゲーション情報の場合、家に近い場合や道路が太い場合は、そうでない場合と比べて最適であるとみなすことができる。
・例えば車両挙動の場合、停車時>定速走行中>加減速中又は旋回中の順で、最適と見なすことができる。
【0097】
・例えば心拍数や車室内温度は、所定の変動の範囲内である場合には、そうでない場合と比べて最適とみなすことができる。
ここで、前記タイミングを最適と判断する条件を、以前に(測定結果から)最適としたタイミングに合わせることが好ましい。
【0098】
尚、ナビゲーション情報を用いる場合には、そのナビゲーション情報をいくつかの属性で区別する。例えば、自宅、職場、ショッピングセンター、レストラン、スポーツジム、高速道路、幹線道路、市街地、病院、及びユーザ設定場所のうち少なくとも2種の属性に区分する。これにより、どの属性での身体情報かわかるので、身体情報の意味することの理解が容易になり、その信頼性が向上する。
【0099】
(4)測定結果をモニタ5等に表示する場合は、例えば1日、1週間、1ヶ月、半年、1年、5年、及び10年のうち、少なくとも2種の期間を選択可能とことにより、必要に応じた測定結果が見やすくなるので好適である。
【0100】
また、この際には、身体情報を求めた時期又は期間に応じて、集約して記憶又は表示する。この身体情報の集約方法としては、曜日、平均値との差異、時刻、ナビゲーション情報、車両挙動、心拍数、及び車室内温度のうち少なくとも1種を採用できる。
【0101】
・曜日で集約する場合には、同じ様な状況と考えられる、例えば月〜金のデータを集約(例えば平均)する方法が考えられる。
・平均値との差異で集約する場合には、差異が所定値より大きな場合には、異常値として排除し、所定内のデータのみで集約(例えば平均化)する。
【0102】
・時刻で集約する場合には、同じ様な状況と考えられる、例えば午前中のデータを集約(例えば平均)する方法が考えられる。
・ナビゲーション情報で集約する場合には、同じ様な状況と考えられる、例えば同様な場所や同様な種類の道路におけるデータを集約(例えば平均)する方法が考えられる。
【0103】
・車両挙動で集約する場合には、同じ様な状況と考えられる、例えば定速走行中のデータを集約(例えば平均)する方法が考えられる。
・心拍数で集約する場合には、停車中と運転中では、それぞれの状態において同じ様な状況と考えられるので、例えば心拍数が高い運転中のデータをカットし、残りのデータを集約(例えば平均)する方法が考えられる。
【0104】
・車室内温度で集約する場合には、同じ様な状況と考えられる所定温度範囲におけるデータを集約(例えば平均)する方法が考えられる。
つまり、例えば身体情報を求めた時期が1年より前のような古くなった場合又は期間が1年間のような長いスパンである場合には、全ての身体情報を記憶すると、データの記憶領域が大きくなり、データ処理の負担も大きくなる。その様な場合には、例えば1月毎の平均データの様にデータを要約して記憶するようにすれば、古いデータや長期間に亘るデータを要領よく記憶することができる。
【0105】
従って、例えば図5(a)に示す様に、1週間表示を行う場合には、血圧、心拍数、体重の毎日のデータを表示することができる。また、その表示を、スイッチ等によりマニュアルで、年間切り替える場合には、図5(b)に示す様に、1月単位の平均値を表示することができる。
【0106】
(5)身体情報を記憶又は表示する際に、日々の活動量を示すデータも、同時に記憶又は表示することが望ましい。
尚、日々の活動量を示すデータは、ナビゲーション情報、加速度センサ(車両搭載の加速度センサ9bではなく、身体に装着した加速度センサ(図示せず))による情報、スケジュール、及び睡眠情報のうち少なくとも1種を採用できる。
【0107】
例えば身体に装着した加速度センサやスケジュールなどにより、日々の活動量が分かる場合には、そのデータも合わせて記憶又は表示する。
これにより、例えば血圧が高めに表示された場合に、それが活動量が多い期間であれば理解できるが、活動量が低い期間であれば、身体に何からの原因があると推定することも可能である。
【0108】
(6)また、車室内で得た身体情報を、車室外で得た身体情報により補正することが望ましい。
車両に搭乗中の例えば心拍数や血圧のデータは、安静時に検出したデータと異なることがあるので、安静時のデータを利用して車両に搭乗中のデータを補正する。例えば心拍数や血圧を所定割合低減する補正を行う。これにより、車両に搭乗中のデータを利用して、身体の本当の状態を把握することができる。
【0109】
尚、身体情報の検出対象は、運転者だけでなく、他の搭乗者であってもよい。
また、タイミングの判定条件は、マニュアルにて変更可能であるので、より精度の高い身体情報を得ることができる。
【0110】
d)次に、本実施例に係わる実験データについて説明する。
(1)図6は、運動後の最高血圧(SBP)と心拍数(HR)との時間変化を調べたものである。
【0111】
図6では、心拍数が低下すると血圧も低下することを示している。また、心拍数の変化が5%程度に収まったところで、血圧もほぼ一定値となっていることが分かる。つまり、心拍数の変化を見れば、血圧の変化も予測することが可能であるので、心拍数の変動が少ない場合に、身体状態の検出を行えば、より安静な状態での測定が可能である。
【0112】
(2)図7は、温度(TEMP)が変化した場合の最高血圧(SBP)の時間変化を調べたものである。
図7では、温度が低いと血圧が高くなっていることを示している。つまり、温度変化と血圧の変化に相関関係があることが分かる。従って、温度変化が少ない場合に、身体状態の検出を行えば、より安静な状態での測定が可能である。
【0113】
(3)図8は、温度(TEMP)が変化した場合の心拍数(HR)の時間変化を調べたものである。
この図8から、温度変化が激しいと、心拍数は一定値にならないことが分かる。従って、この点からも、温度変化が少ない場合に、身体状態の検出を行えば、より安静な状態での測定が可能である。
【0114】
(4)図9は、車速と血圧相当値(脈波伝播時間PTT)との関係を調べたものである。尚、脈波伝播時間PTTは、脈波伝播速度PWVの逆数であり、脈波伝播時間PTTが長いほど血圧は低い。
【0115】
この図9から、車速と血圧とに相関関係があることが分かる。これは、加減速によるGが人体内部の血流を動かし、結果として、測定部位の血圧を変化させたからと推測される。このことは、車速の変化があるときには、血圧などの生体量は、加減速Gの変化により安定して測定できないことを意味している。従って、停車中や定速走行中に、身体状態の検出を行えば、より安静な状態での測定が可能である。
【0116】
(5)図10は、時間(午前と午後)による生体量、具体的には、心拍数HR、最高血圧SBP、最低血圧DBPの変化を調べたものである。尚、最高血圧SBP、最低血圧DBPは、血圧計にて直接に計測した。
【0117】
この図10から、各生体量は、午前と午後とではその変動の状態が異なることが分かる。従って、どの身体情報としてどの生体量を用いるかによって、測定の時間を変更することが望ましい。
【0118】
例えば心拍数HRは、午前中に測定するとその変動量が少ないが、最高血圧SBPや最低血圧DBPは、午前でも午後でもそれほど大きな変化はない。
以上詳述した様に、本実施例では、身体状態の検出に適したタイミング(外乱による影響が少なく、できるだけ安静に近い状態)を判断し、そのタイミングにて身体状態を検出するので、健康管理に必要な身体情報のばらつきが小さく、その精度が高いという効果がある。
【実施例2】
【0119】
次に、実施例2について説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。 本実施例は、ハード構成は前記実施例1と同様であるが、制御内容が異なっているので、その制御内容について説明する。
【0120】
本実施例は、自動車に搭乗した被測定者に対して、常時身体状態を検出するとともに、適切なタイミングでその検出結果である身体情報を記憶する処理を行うものである。
図11のフローチャートに示す様に、イグニッションキーがオンになると、ステップ200にて、身体状態検出用センサ1等により、常時(定期的に)身体状態を測定し、その身体情報を入手する。
【0121】
続くステップ210では、実施例1と同様な身体状態の検出のタイミングの判定に使用する機器(センサ等)により、記憶のタイミングの判定に必要な計測を開始する。
続くステップ220では、車両挙動を確認する。具体的には、車速センサ9aや加速度センサ9b等の車両制御用センサ9からの情報を入力し、例えば停車中、定速走行中、加減速や旋回中などの各種の車両挙動を確認する。
【0122】
続くステップ230では、ナビゲーション情報を確認する。具体的には、ナビゲーション装置13からの情報に基づいて、現在の走行位置やどのような道路を走行中であるかなどを確認する。
【0123】
続くステップ240では、上述したステップ210、220、230の各処理にて入力した各種の情報に基づいて、検出した身体情報を記憶するタイミングであるか否かを判定する。ここで否定判断されると前記ステップ200に戻り、一方肯定判断されるとステップ250に進む。
【0124】
ステップ250では、検出データが適当なデータか否かを判断する。ここで肯定判断されるとステップ260に進み、一方否定判断されると前記ステップ200に戻る。尚、所定回測定を繰り返しても、適正なデータが得られない場合は、今回データが無いものとして、このステップ250の処理をパスし、ステップ260に進む。
【0125】
続くステップ260では、記憶するタイミングでの身体情報及び測定条件を、メモリ(EEPROM3d)に記憶する。
続くステップ270では、メモリに記憶した検出結果のデータを集約する。
【0126】
続くステップ280では、データをモニタ5に表示し、一旦本処理を終了する。
以上詳述した様に、本実施例では、常時、身体状態を検出しており、身体状態の記憶に適したタイミング(外乱による影響が少なく、できるだけ安静に近い状態)を判断し、そのタイミングにて身体状態を記憶するので、健康管理に必要な、ばらつきの少なく且つ精度が高い身体情報のみを、選択して記憶することができる。
【実施例3】
【0127】
次に、実施例3について説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。 本実施例は、ハード構成は前記実施例1と同様であるが、制御内容が異なっているので、その制御内容について説明する。
【0128】
本実施例では、身体状態の検出のタイミングに到った場合に、その旨を運転者等に報知する。
図12のフローチャートに示す様に、ステップ300では、身体状態の検出のタイミングの判定に使用する機器(センサ等)により、タイミングの判定に必要な計測を開始する。
【0129】
続くステップ310では、車両挙動を確認する。
続くステップ320では、ナビゲーション情報を確認する。
続くステップ330では、上述したステップ300、310、320等の各処理にて入力した各種の情報に基づいて、身体状態を検出するタイミングであるか否かを判定する。ここで否定判断されると前記ステップ300に戻り、一方肯定判断されるとステップ340に進む。
【0130】
ステップ340では、身体状態を検出するタイミングに到ったので、その旨を、モニタ5に表示したり、スピーカ7を用いて音声等で報知する。
ステップ350では、その報知によって、運転者等がスイッチ操作(例えばモニタ5のタッチパネル)などにより、身体状態を検出する旨の入力をしたか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ360に進み、一方否定判断されるとステップ340に戻る。
【0131】
ステップ360では、身体状態を検出する入力があったので、身体状態検出用センサ1等により、身体状態を検出する。
続くステップ370では、検出データが適当なデータか否かを判断する。ここで肯定判断されるとステップ380に進み、一方否定判断されると前記ステップ370に戻る。尚、所定回測定を繰り返しても、適正なデータが得られない場合は、今回データが無いものとして、このステップ370の処理をパスし、ステップ380に進む。
【0132】
続くステップ380では、得られた検出結果及び測定条件を、メモリ(EEPROM3d)に記憶する。
続くステップ390では、メモリに記憶した検出結果のデータを集約する。
【0133】
続くステップ395は、データをモニタ5に表示し、一旦本処理を終了する。
この様に、本実施例では、身体状態の検出のタイミングに到った場合に、その旨を運転者等に報知するので、その報知を受けた運転者はマニュアルにて、身体状態の検出を指示することができる。従って、必要な場合のみ身体状態の検出を行うので、処理の負担が少ないという利点がある。
【0134】
尚、実施例2の様に、常時、身体情報を検出し、記憶のタイミングになった場合に、その旨を報知し、マニュアルにて指示があった場合に、(そのタイミングにおける)身体情報を記憶するようにしてもよい。
【実施例4】
【0135】
次に、実施例4について説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。 本実施例は、ハード構成は前記実施例1と同様であるが、制御内容が異なっているので、その制御内容について説明する。
【0136】
本実施例では、身体情報と(基準となる)過去の所定期間の身体情報とを比較し、その比較結果に基づいて、車両の制御を行う。
図13のフローチャートに示す様に、ステップ400では、上述した検出のタイミングにて、身体状態を検出して身体情報を得る。
【0137】
続くステップ410では、今回検出した身体情報と、過去の基準となる所定期間の身体情報(例えばその平均値)とを比較する。
続くステップ420では、その比較の結果、今回の身体情報が過去の身体情報に比べて異常であるか否かを判定する。例えば血圧が異常に高いか否かを判定する。ここで異常であると判断されるとステップ430に進み、一方否定判断されると一旦本処理を終了する。 ステップ430では、異常である旨を、モニタ5やスピーカ7等により、運転者等に報知する。
【0138】
続くステップ440では、運転者の身体状態が異常であると考えられるので、車両を安全側に制御する。例えば速度を低下させたり、制動性能を高める等の制御を行い、一旦本処理を終了する。
【0139】
この様に、本実施例では、車両の搭乗中に得られた身体情報が過去の身体情報と比べて異常である場合には、車両を安全側に制御するので、安全性が向上するという利点がある。
【0140】
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、様々な態様にて実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】実施例1の健康管理支援システム等の全体構成を示す説明図である。
【図2】健康管理支援装置の電気的構成を示す説明図である。
【図3】車両制御装置の電気的構成を示す説明図である。
【図4】実施例1の制御処理を示すフローチャートである。
【図5】モニタの表示を示す説明図である。
【図6】運動後の最高血圧と心拍数の時間変化を示すグラフである。
【図7】温度変化による最高血圧の時間変化を示すグラフである。
【図8】温度変化による心拍数の時間変化を示すグラフである。
【図9】車速と血圧との関係を示すグラフである。
【図10】時間による生体量の変化を示すグラフである。
【図11】実施例2の制御処理を示すフローチャートである。
【図12】実施例3の制御処理を示すフローチャートである。
【図13】実施例4の制御処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0142】
1…健康管理用センサ
3…健康管理支援装置
5…モニタ
7…スピーカ
9…車両制御用センサ
11…車両制御装置
13…ナビゲーション装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車両を利用して健康管理等に有用な身体情報を得ることができ、必要に応じて健康管理等に有用な情報を報知することができる健康管理支援装置及び健康管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の機能の進展に伴い、車室内で生体(搭乗者:被測定者)をモニタする技術や、健康を管理する技術が提案されている(特許文献1参照)。
この技術では、自動車を測定装置として用いることにより、日頃から自動車を使用する被測定者にとっては、日々の健康管理が容易になる。
【特許文献1】特開2005−168908号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、これらの従来技術では、例えば車に乗ってすぐに被測定者の状態を測定した場合には、歩いている状態や走っている状態から短時間で着座の状態に変化するため、心拍数や血圧値が安静状態(即ち、外乱が少なく通常の身体状態の測定に適した状態)と異なるという問題があった。
【0004】
また、例えば冬場においては、車室温が非常に下がっているため、乗車してすぐに測定した場合には、室温による影響が大きく、健康管理に有効な正確な身体情報が得られないという問題があった。
【0005】
更に、運転中に身体状態を測定する場合には、運転操作、緊張、感情などにより、血圧値、心拍数に乱れが生じ(即ち、運転動作に起因する外乱が大きくなり)、よって、それらを身体情報として記憶した場合には、ばらつきが大きくなって、正確な情報とは言えないことがあるという問題があった。
【0006】
そのため、車両に乗車した際に日々測定した身体情報を、そのまま健康管理に活用することは困難であった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、自動車の車室内等において、健康管理等に有用な被測定者の正確な身体情報を取得することができる健康管理支援装置及び健康管理支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)請求項1の発明では、検出手段(各種のセンサ等)により、車両に搭乗した被測定者の身体状態を身体情報として検出する健康管理支援装置において、所定の判定条件に基づいて、検出手段によって被測定者の身体情報を検出するタイミングか否かを判断する条件判定手段を備えている。
【0008】
本発明では、身体情報を検出するのに適したタイミング(例えば運転動作等の外乱による影響が少なくできるだけ安静な状態)かどうかを、例えば所定の判定条件が満たされたかどうか(例えば後述する様に心拍数等が落ち着いた状態かどうか)によって判定するので、健康管理に必要な身体情報のばらつきが小さく、その精度が高いという効果がある。
【0009】
尚、身体情報を検出するのに適したタイミングであると判断された場合には、身体情報を検出する処理を行うことにより、精度の高い身体情報を得ることができる。また、その検出によって得られた情報は、例えば車両内の記憶手段に記憶されたり、車両外のサーバ等にインターネットなどを介して通信される。
【0010】
(2)請求項2の発明は、検出手段(各種のセンサ等)により、車両に搭乗した被測定者の身体状態を身体情報として検出し、検出した身体情報を記憶手段に記憶する健康管理支援装置において、所定の判定条件に基づいて、検出手段によって検出した被測定者の身体情報を記憶手段に記憶するタイミングか否かを判断する条件判定手段を備えている。
【0011】
本発明では、身体情報を記憶するのに適したタイミング(例えば外乱による影響が少なくできるだけ安静な状態)かどうかを、例えば所定の判定条件が満たされたかどうか(例えば後述する様に心拍数等が落ち着いた状態かどうか)によって判定するので、記憶手段に記憶される健康管理に必要な身体情報のばらつきが小さく、その精度が高いという効果がある。
【0012】
尚、本発明では、記憶時以外にも、身体情報を検出する処理を行い、身体情報を記憶するのに適したタイミングであると判断された場合には、そのタイミングにおける身体情報を記憶手段に記憶することができる。
【0013】
(3)請求項3の発明では、条件判定手段により、前記タイミングであると判定された場合には、その旨を報知する。
本発明では、身体情報の検出又は記憶の処理を行うタイミングであると判定された場合には、その旨を、例えばモニタ(ディスプレイ)に表示したり、スピーカにて音や音声で報知する。よって、被測定者は、その報知を受けて、最適なタイミングで例えばマニュアルにて身体情報の検出又は記憶の処理を指示することができる。
【0014】
(4)請求項4の発明では、条件判定手段により、前記タイミングであると判定された場合には、前記タイミングにて行うべき処理を自動的に行う。
本発明では、身体情報の検出又は記憶の処理を行うタイミングであると判定された場合には、その処理を自動的に行うので、マニュアル操作の様な手間が不要という利点がある。
【0015】
(5)請求項5の発明では、判定条件は、時刻、乗車してからの時間、停車してからの時間、心拍数、車両挙動、車室内温度、及びナビゲーション情報のうち、少なくとも1種である。
【0016】
本発明は、身体情報の検出又は記憶の処理を行うタイミングを判定する判定条件を例示したものである。これにより、測定に望ましい状態(外乱が少なくできるだけ安静に近い状態)での身体情報を検出又は記憶することができる。尚、条件は複数組み合わせることができる。
【0017】
・時刻を考慮すること、例えば所定の決まった時間(従って期間)に測定することにより、サーカディアンリズム(日内変動)の影響を低減することができる。
・乗車してからの時間や停車してからの時間を考慮することにより、安静状態に近づけることができる。つまり、(例えば車両挙動等の影響が小さい場合には)乗車してから所定の時間が経過した方が、また、停車してから所定の時間が経過した方が、心拍数等の身体状態の変動が少なく、安定した状態になると考えられるからである。
【0018】
・心拍数の変化を見ることで、身体の活動状態が分かるので、例えば心拍数の変動が少なくなったタイミングで測定を行うことにより、外乱の影響を排除することができる。
・車両の加減速や旋回等の車両挙動が大きいと、加減速による前後Gや旋回による横Gにより、人体内の血液の流れが影響を受けるために、血圧などの測定が影響をうけるので、測定結果にばらつきが生じる。そのため、車両挙動を考慮することにより(例えば車両挙動の変化が少ないときに測定することにより)、安静に近い状態での身体状態の検出が可能となる。
【0019】
・車室内温度が変化した場合も、心拍数等の身体状態に変化があると考えられるので、車室内温度を考慮することにより(例えば車室内温度の変化が少ないときに測定することにより)、安静に近い状態での身体状態の検出が可能となる。
【0020】
・家を出たところや会社を出たところ等をナビゲーション情報から得ることにより、同じ条件での測定が可能になる。よって、外乱(環境の変化等)の影響を低減できるので、身体情報の信頼性が向上する。
【0021】
(6)請求項6の発明では、判定条件は、乗車後に所定時間以上経過したことを特徴とする。
本発明では、乗車後例えば3分以上経過した場合に身体情報を検出又は記憶するので、より安静に近い状態での処理が可能となり、身体情報の信頼性が向上する。
【0022】
(7)請求項7の発明では、判定条件は、単位時間当たりの心拍数の変化が所定割合以内であることを特徴とする。
本発明では、単位時間(例えば1分)当たりの心拍数の変化が例えば5%以内となった場合に身体情報を検出又は記憶するので、より安静に近い状態での処理が可能となり、身体情報の信頼性が向上する。
【0023】
(8)請求項8の発明では、判定条件は、定速走行中又は停車中であることを特徴とする。
本発明では、定速走行中又は停車中の場合に身体情報を検出又は記憶するので、より安静に近い状態での処理が可能となり、身体情報の信頼性が向上する。
【0024】
尚、安静に近い状態は、停車中>走行中であり、走行中においては、定速走行中>加減速中、直進走行中>旋回中であると考えられる。
(9)請求項9の発明では、判定条件は、車室内温度の単位時間当たりの変動が所定温度以下であることを特徴とする。
【0025】
本発明では、車室内温度の例えば1分当たりの変動が例えば1℃以下となった場合に身体情報を検出又は記憶するので、より安静に近い状態での処理が可能となり、身体情報の信頼性が向上する。
【0026】
(10)請求項10の発明では、判定条件は、心拍数、車室内温度、及び車両挙動の少なくとも1種が、所定の状態になってから1分以上経過したことを特徴とする。
本発明では、心拍数、車室内温度、及び車両挙動の少なくとも1種が、所定の状態になってから1分以上経過した場合に、身体情報を検出又は記憶するので、より安静に近い状態での処理が可能となり、身体情報の信頼性が向上する。
【0027】
(11)請求項11の発明では、異なる時間における身体状態を示す身体情報が、1日につき複数記憶されることを特徴とする。
これにより、信頼性の高いデータを多く集めることができる。
【0028】
(12)請求項12の発明では、複数記憶された身体情報の中で、最適と判断されるタイミングで測定された身体情報を、その日の身体情報として記憶する。
1日において、例えばT1、T2の2種のタイミングで身体情報を測定した場合、タイミングの好適な順番がT1>T2のときには、T1のタイミングにおける情報を、その日の身体情報として記憶する。これにより、身体情報の精度を向上することができる。尚、T2のタイミングにおける情報しかない場合は、T2のタイミングにおける情報を、その日の身体情報として記憶する。
【0029】
(13)請求項13の発明では、最適と判断されるタイミングで測定された身体情報が複数ある場合、その複数の身体情報の平均値を、その日の身体情報として記憶する。
例えば前記T1(最適なタイミング)を午前中とした場合に、午前中に複数の情報が得られたときには、その平均値を、その日の身体情報として記憶する。これにより、身体情報の精度を向上することができる。
【0030】
(14)請求項14の発明では、タイミングを最適と判断する条件は、時刻、ナビゲーション情報、車両挙動、心拍数、及び車室内温度のうち少なくとも1種であることを特徴とする。
【0031】
本発明は、タイミングを最適と判断する条件を例示したものであり、その条件は複数組み合わせることができる。
・時刻の場合、例えば日常の計測により、そのドライバの状態が安定していると推測される時刻(従って期間)が分かった場合には、その時刻(期間)を最適であるとして選択する。
【0032】
・ナビゲーション情報の場合、家に近い場合や道路が太い場合は、そうでない場合と比べて最適(身体情報を得る状態として好ましい状態)であるとみなすことができる。
・車両挙動の場合、停車時>定速走行中>加減速中又は旋回中の順で、最適と見なすことができる。
【0033】
・心拍数や車室内温度は、所定の変動の範囲内である場合には、そうでない場合と比べて最適とみなすことができる。
(15)請求項15の発明は、前記タイミングを最適と判断する条件を、以前に最適としたタイミングに合わせることを特徴とする。
【0034】
本発明では、最適と判断されるタイミングを、以前に測定した身体情報の測定時刻(期間)や測定環境(例えばナビゲーション情報の位置情報など)等を基準に選択することができるので、測定精度が向上する。
【0035】
例えば「午前中に測定」等の緩やかな条件に設定していた場合に、自宅付近では心拍数が安定して測定されている日数が多いときには、自宅付近での測定を最適なタイミングとして採用することなどが考えられる。
【0036】
(16)請求項16の発明では、検出した身体情報を、報知手段(例えばモニタやスピーカ)により報知することを特徴とする。
従って、被測定者等は、モニタやスピーカにより身体情報を知ることができるので、その報知内容に応じて、適切な対応(例えば健康診断を受ける等)をとることができる。
【0037】
(17)請求項17の発明では、報知手段が表示手段の場合に、表示期間を選択可能とすることを特徴とする。
本発明では、表示手段をマニュアルにて選択可能であるので、最適な表示を選択することができる。
【0038】
(18)請求項18の発明では、表示期間として、1日、1週間、1ヶ月、半年、1年、5年、及び10年のうち、少なくとも2種の期間を選択可能としたことを特徴とする。
本発明では、複数の期間における身体情報を表示できるので、長いスパンにおける変化や短いスパンにおける変化が容易に分かり、身体情報をより的確に把握することができる。
【0039】
(19)請求項19の発明では、身体情報を、身体情報を求めた時期又は期間に応じて、集約して記憶又は表示することを特徴とする。
例えば身体情報を求めた時期が1年より前のような古くなった場合又は期間が1年間のような長いスパンである場合には、全ての身体情報を記憶すると、データの記憶領域が大きくなり、データ処理の負担も大きくなる。その様な場合には、例えば1月毎の平均データの様にデータを集約して記憶するようにすれば、古いデータや長期間に亘るデータを要領よく記憶することができる。
【0040】
同様に、身体情報を求めた時期が古くなった場合や長い期間の場合には、全てのデータを表示しても、かえって分かり難いことがある。その様な場合には、例えば1月毎の平均データの様にデータを集約して表示するようにすれば、古いデータや長期間に亘るデータを要領よく表示することができる。
【0041】
尚、ここで、「集約」とは、データを全部表示又は記憶するのではなく、例えば平均値等の代表値や選択されたデータ等を採用するなどにより、そのデータの一部(又は処理したデータ)を表示又は記憶したりすることである。
【0042】
(20)請求項20の発明では、身体情報の集約を、曜日、平均値との差異、時刻、ナビゲーション情報、車両挙動、心拍数、及び車室内温度のうち少なくとも1種に基づいて行うことを特徴とする。
【0043】
本発明は、身体情報の集約方法を例示したものである。
・曜日で集約する場合には、同じ様な状況と考えられる、例えば月〜金のデータを集約(例えば平均)する方法が考えられる。
【0044】
・平均値との差異で集約する場合には、差異が所定値より大きな場合には、異常値として排除し、所定内のデータのみで集約(例えば平均化)することが考えられる。
・時刻で集約する場合には、同じ様な状況と考えられる、例えば午前中のデータを集約(例えば平均)する方法が考えられる。
【0045】
・ナビゲーション情報で集約する場合には、同じ様な状況と考えられる、例えば同様な場所や同様な種類の道路におけるデータを集約(例えば平均)する方法が考えられる。
・車両挙動で集約する場合には、同じ様な状況と考えられる、例えば定速走行中のデータを集約(例えば平均)する方法が考えられる。
【0046】
・心拍数で集約する場合には、停車中と運転中では、それぞれの状態においては同じ様な状況と考えられるので、例えば心拍数が高い運転中のデータをカットし、残りのデータを集約(例えば平均)する方法が考えられる。
【0047】
・車室内温度で集約する場合には、同じ様な状況と考えられる所定温度範囲におけるデータを集約(例えば平均)する方法が考えられる。
(21)請求項21の発明では、身体情報を記憶又は表示する際に、日々の活動量を示すデータも、同時に記憶又は表示することを特徴とする。
【0048】
本発明では、例えば身体に装着した加速度センサや(例えば職場にいる時間やスポーツジムにいる時間等を示す)スケジュールなどにより、日々の活動量が分かる場合には、そのデータも合わせて記憶又は表示する。
【0049】
つまり、身体情報を表示する際に、活動量を示すことにより、測定した身体情報の意味が理解しやすくなるので好適である。例えば血圧が高めに表示された場合に、それが活動量が多い期間であれば理解できるが、活動量が低い期間であれば、身体に何からの原因があると推定することも可能である。
【0050】
尚、活動量としては、身体が所定以上動いている時間で表現することができる。例えば睡眠や休息している時間ではなく、仕事や歩行などで活動している時間で表現することができる。
【0051】
(22)請求項22の発明は、日々の活動量を示すデータは、ナビゲーション情報、加速度センサによる情報、スケジュール、及び睡眠情報のうち少なくとも1種であることを特徴とする。
【0052】
本発明は、日々の活動量を示すデータを例示したものである。
・ナビゲーション情報として、例えば会社にいる時間が長い場合には、活動量が多いと推定できる。
【0053】
・身体に装着した加速度センサにより、加速度が大きい場合には、活動量が多いと推定できる。
・スケジュールから、例えばスポーツジムにいる時間が長い場合には、活動量が多いと推定できる。
【0054】
・睡眠情報としては、例えば睡眠時間が長い場合には、活動量が少ないと推定できる。
(23)請求項23の発明では、車室内で得た前記身体情報を、車室外で得た身体情報により補正することを特徴とする。
【0055】
車両に搭乗中の例えば心拍数や血圧のデータは、安静時に検出したデータと異なることがあるので、安静時のデータを利用して車両に搭乗中のデータを補正する。例えば心拍数や血圧等のデータを所定割合減ずる。これにより、車両に搭乗中のデータを利用して、精度良く身体状態を把握することができる。
【0056】
(24)請求項24の発明では、身体情報と、基準となる過去の所定期間の身体情報とを比較し、その比較結果に基づいて、車両の制御を行う。
例えば車両の搭乗中に得られた身体情報が過去の身体情報と比べて異常である場合には、速度を制限したり制動性能を高める等の安全性を高めるような制御を行う。
【0057】
(25)請求項25の発明では、身体情報が、体温、血圧、心拍数、脈波情報、体重、血糖値、及び体脂肪のうち少なくとも1種であることを特徴とする。
本発明は、身体情報を例示したものである。
【0058】
・体温は、赤外線を利用した非接触のサーモセンサ等を用いて検出することができる。
・血圧は、PWV(脈波伝播速度)と脈波情報により推定される。PWVは、心電センサと(腕や指等に装着した)脈波センサを用いて、心拍の伝播の速度より求められ、血圧と関連する量である。脈波情報は、脈波センサにより計測された脈波波形を解析することにより求められる。
【0059】
・心拍数は、心電センサや脈波センサにより求めることができる。
・脈波情報(脈拍数、血管年齢等)は、脈波センサにより求めることができる。
・体重は、シートセンサ等により求めることができる。
【0060】
・血糖値は、例えば指等に針を刺して僅かに血液を採集し、その血液から自動的に求めることができる。
・体脂肪は、例えばステアリングに装着した一対の電極に接続された体脂肪計により、求めることができる。
【0061】
(26)請求項26の発明では、身体情報の検出、記憶、及び報知のうち少なくとも1種の処理を、複数の乗員に対して行うことを特徴とする。
本発明は、身体情報の処理の対象を例示したものであり、運転者に限らず、他の搭乗者にも適用できる。
【0062】
(27)請求項27の発明では、判定条件を、マニュアルにて変更可能としたことを特徴とする。
これにより、各個人により好適に対応でき、利用勝手が向上する。
【0063】
(28)請求項28の発明では、ナビゲーション情報を、いくつかの属性で区別したことを特徴とする。
ナビゲーション情報を、いくつかの属性(種類)で区分することにより、どの属性での身体情報かわかるので、身体情報の意味することの理解が容易になり、その信頼性が向上する。
【0064】
例えば頻繁に通過する道路(例えば高速道路)を示す属性である場合には、その場所で測定した身体情報の信頼性が向上すると考えられる。
(29)請求項29の発明では、属性を、自宅、職場、ショッピングセンター、レストラン、スポーツジム、高速道路、幹線道路、市街地、病院、及びユーザ設定場所のうち少なくとも2種の属性に区分したことを特徴とする。
【0065】
本発明は、ナビゲーション情報の属性を例示したものである。尚、この属性に重み付けすることにより、身体情報の精度を高めることができる。例えば自宅とスポーツジムとでは、通常、血圧や心拍数が異なるので、この属性の違いにより身体情報を補正することが可能である。
【0066】
(30)請求項30の発明は、請求項1〜29のいずれかに記載した健康管理支援装置と、身体情報を検出する検出手段及び身体情報を記録する記録手段のうち少なくとも検出手段を、備えたことを特徴とする健康管理支援装置システムである。
【0067】
従って、この健康管理支援装置システムを搭載した車両により、好適なタイミングで、身体情報を測定して、健康管理に役立てることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0068】
以下に本発明の実施形態の例(実施例1)を図面と共に説明する。
【実施例1】
【0069】
a)まず、健康管理支援システムの全体構成及びその周辺装置について説明する。
図1は、本発明が適用された健康管理支援システムの全体構成等を示す説明図である。
図1に示すように、本実施例は、車両に搭載される健康管理支援システムであり、車両に搭乗した運転者等の被測定者の身体状態を身体情報として検出する各種の健康管理用センサ1と、健康管理用センサ1により検出された身体情報に基づいて被測定者の健康管理の支援のための演算等の処理を行う健康管理支援装置3と、健康管理用センサ1により検出された身体情報等を報知するための表示装置(モニタ)5及びスピーカ7とを備えている。
【0070】
またこれとは別に、車両を制御するために、車両の状態を検出する各種の車両制御用センサ9と、車両制御用センサ9により検出された車両情報等に基づいて車両の制御を行う車両制御装置11と、車両制御用センサ11により検出された車両情報等に基づいて車両の制御を行う各種のアクチュエータ12(図3参照)とを備えている。
【0071】
更に、車両には、ナビゲーション装置13が搭載されており、このナビゲーション装置13は、モニタ5及びスピーカ7に接続されている。
尚、健康管理支援装置3、車両制御装置11、ナビゲーション装置13は、それぞれ互いに接続されており、必要な情報の送受信が可能である。
【0072】
図2に示す様に、前記健康管理支援装置3は、マイクロコンピュータを主要部とする電子制御装置であり、周知のROM3a、RAM3b、CPU3c、入出力部3d等を備えるとともに、データの書き換えが可能で且つ電源オフ時でもデータを保持可能な不揮発性メモリ(例えばEEPROM11e)を備えている。入出力部3dには、各種の健康管理用センサ1、モニタ5、スピーカ7が接続されている。尚、この健康管理支援装置3は、周知の無線による通信回線などを介してサーバ(図示せず)と交信して、健康管理に必要な情報の送受信が可能である。
【0073】
前記健康管理用センサ1としては、例えばステアリング15に設置された一対の電極17a、17b(図1参照)を利用して心拍数等を検出する心電センサ1a、被測定者の腕等に装着されて脈波等を検出する脈波センサ1b、車室内の温度や被測定者の体温を(赤外線を利用し)非接触にて検知できる温度センサ1c、被測定者の着座の有無やシート19(図1参照)に加わる圧力を検出するシートセンサ1d等が挙げられる。
【0074】
尚、電極17a、17bを利用して、体脂肪率の測定も可能である。また、脈波センサ1bと健康管理支援装置3とは、無線にて情報等の送受信が可能である。
一方、図3に示す様に、前記車両制御装置11も、マイクロコンピュータを主要部とする電子制御装置であり、周知のROM11a、RAM11b、CPU11c、入出力部11d、EEPROM11e等を備えている。この入出力部11dには、車両制御用センサ1として、車速センサ1a、加速度センサ1bが接続されるとともに、燃料噴射装置等の各種のアクチュエータ12が接続されている。
【0075】
b)次に、前記健康管理支援装置3等に行われる制御内容について説明する。
本実施例は、自動車に搭乗した被測定者に対して、適切なタイミングで身体状態を検出し、その検出結果である身体情報を適宜記憶する処理を行うものである。尚、本処理は、イグニッションキーがオンの場合に開始される。
【0076】
図4のフローチャートに示す様に、ステップ(S)100では、後述する身体状態の検出のタイミングの判定に使用する機器(センサ等)により、タイミングの判定に必要な計測を開始する。
【0077】
尚、どのようなセンサを用いるかは、後に詳述する様に、どの様な判定条件にて判定するかにより異なる。例えば乗車してからの経過時間で判定する場合には、シートセンサ1dにより着座の有無を検出し、タイマにより着座からの時間を計測する。ここでは、例えば乗車してから3分以上経過か否かを判定の条件1とする。
【0078】
続くステップ110では、車両挙動を確認する。具体的には、車速センサ9aや加速度センサ9b等の車両制御用センサ9からの情報を入力し、例えば停車中、定速走行中、加減速や旋回中などの各種の車両挙動を確認する。例えば、停車中又は定速走行中を、判定の条件2とする。
【0079】
続くステップ120では、ナビゲーション情報を確認する。具体的には、ナビゲーション装置13からの情報に基づいて、現在の走行位置やどのような道路を走行中であるかなどを確認する。例えば自宅から近距離(例えば5km以内)を、判定の条件3とする。
【0080】
続くステップ130では、上述したステップ100、110、120等の各処理にて入力した各種の情報に基づいて、身体状態を検出するタイミングであるか否かを判定する。例えば、上記判定の条件1、2、3が、全て満たされているか否かで、身体状態を検出するタイミングであるか否かを判断する。ここで否定判断されると前記ステップ100に戻り、一方肯定判断されるとステップ140に進む。
【0081】
ステップ140では、身体状態を検出するタイミングに到ったので、身体状態検出用センサ1等により、身体状態を検出する。例えば後述するように、心電センサ1aを用いて心拍数を計測する。
【0082】
続くステップ150では、検出データが適当なデータか否かを判断する。つまり、測定ミスなどにより、適正なデータが得られないと困るので、ここでは、得られたデータが適正なデータであるか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ160に進み、一方否定判断されると前記ステップ140に戻る。尚、所定回測定を繰り返しても、適正なデータが得られない場合は、今回データが無いものとして、このステップ150の処理をパスし、ステップ160に進む。
【0083】
続くステップ160では、得られた検出結果及び測定条件を、メモリ(EEPROM3d)に記憶する。尚、測定条件としては、例えば環境温度(車室内温度)などが挙げられる。
【0084】
続くステップ170では、メモリに記憶した検出結果のデータを集約する。具体的には、例えば毎日データを蓄積している場合は、一定期間より前のデータ(例えば1ヶ月より前のデータ)は1月単位で平均化して記憶する。
【0085】
続くステップ180では、データをモニタ5に表示し、一旦本処理を終了する。尚、データの表示方法は、マニュアルにて適宜選択することができる。
c)次に、上記各ステップでの処理内容等について、その使用機器などとともに、更に詳しく説明する。
【0086】
(1)前記ステップ140にて検出する身体情報としては、体温、血圧、心拍数、脈波情報、体重、血糖値、及び体脂肪のうち少なくとも1種が挙げられる。
・体温は、赤外線を利用した非接触のサーモセンサ(温度センサ1)等を用いて検出することができる。
【0087】
・血圧は、PWV(脈波伝播速度)及び脈波センサにより推定される。このPWVは、心電センサ1aと(腕や指等に装着した)脈波センサ1bとを用いて、脈波の伝播の速度より求めることができる。
【0088】
・心拍数は、心電センサ1aや脈波センサ1bにより求めることができる。
・脈波情報(脈拍数、血管年齢等)は、脈波センサ1bにより求めることができる。
・体重は、シートセンサ1d等により求めることができる。
【0089】
・血糖値は、例えば指等に自動的に針を刺して僅かに血液を採集し、その血液から自動的に求めることができる。
・体脂肪は、例えばステアリング15に装着した一対の電極17a、17bに接続された体脂肪計(図示せず)により、求めることができる。
【0090】
(2)前記ステップ130におけるタイミングの判定条件としては、時刻、乗車してからの時間、停車してからの時間、心拍数、車両挙動、車室内温度、及びナビゲーション情報のうち、少なくとも1種を採用できる。尚、できるだけ多くの条件を組み合わせた方が、情報の精度が向上する。
【0091】
・例えば午前中の所定時間内に測定することにより、サーカディアンリズムの影響を低減することができる。
また、異なる時間帯で身体情報を測定して複数の検出結果を記憶すれば、データを処理する際の信頼性が向上するという効果があるが、そのうち、好ましいタイミングに順位をつけて、より好ましいタイミングで得られたデータを、その日のデータとして記憶してもよい。例えば朝、昼、夜(好ましいタイミングが朝>昼>夜の場合)に測定して、全てのデータが得られた場合には、最も好ましい朝のデータをその日のデータとして記憶する。尚、昼と夜のデータしか得られない場合には、より好ましい方の昼のデータを、その日のデータとして記憶する。更に、最適な朝のデータが複数あった場合には、そのデータの平均値を最適なデータとして記憶する。
【0092】
・例えば(シートセンサ1dから得られた)乗車してからの時間が乗車後所定時間(例えば3分)以上たった場合、または(車速センサ1aから得られた)停車してからの時間が所定時間(例えば3分)以上になった場合に、身体情報を検出することにより、安静状態に近い状態で身体状態を検出することができる。
【0093】
・例えば心拍数の単位時間(例えば1分)当たり変化が5%以下になった場合、身体状態を検出することにより、安定した状態での測定が可能になる。
・例えば(加速度センサ1bから得られた)車両の加減速や旋回等の車両挙動が所定値以下の小さい場合或いは(車速センサ1aから得られた)車速が所定値以下の低速な場合に、身体状態を検出することにより、安定した状態での測定が可能になる。
【0094】
・例えば車室内温度の変化が1分当たり1℃以下の小さな場合に、身体状態を検出することにより、安定した状態での測定が可能になる。
・例えば家や会社を出たところ等や、高速道路を走行中などのナビゲーション情報を得ることにより、同じ条件での測定が可能になるので、身体情報の信頼性が向上する。
【0095】
(3)測定のタイミングが複数ある場合(条件を緩やかに設定した場合)、どのタイミングを最適と判断する条件は、時刻、ナビゲーション情報、車両挙動、心拍数、及び車室内温度のうち少なくとも1種を採用できる。従って、緩やかな条件で複数の身体情報が得られた場合には、最適なタイミングにおける情報を採用することが望ましい。
【0096】
・例えばナビゲーション情報の場合、家に近い場合や道路が太い場合は、そうでない場合と比べて最適であるとみなすことができる。
・例えば車両挙動の場合、停車時>定速走行中>加減速中又は旋回中の順で、最適と見なすことができる。
【0097】
・例えば心拍数や車室内温度は、所定の変動の範囲内である場合には、そうでない場合と比べて最適とみなすことができる。
ここで、前記タイミングを最適と判断する条件を、以前に(測定結果から)最適としたタイミングに合わせることが好ましい。
【0098】
尚、ナビゲーション情報を用いる場合には、そのナビゲーション情報をいくつかの属性で区別する。例えば、自宅、職場、ショッピングセンター、レストラン、スポーツジム、高速道路、幹線道路、市街地、病院、及びユーザ設定場所のうち少なくとも2種の属性に区分する。これにより、どの属性での身体情報かわかるので、身体情報の意味することの理解が容易になり、その信頼性が向上する。
【0099】
(4)測定結果をモニタ5等に表示する場合は、例えば1日、1週間、1ヶ月、半年、1年、5年、及び10年のうち、少なくとも2種の期間を選択可能とことにより、必要に応じた測定結果が見やすくなるので好適である。
【0100】
また、この際には、身体情報を求めた時期又は期間に応じて、集約して記憶又は表示する。この身体情報の集約方法としては、曜日、平均値との差異、時刻、ナビゲーション情報、車両挙動、心拍数、及び車室内温度のうち少なくとも1種を採用できる。
【0101】
・曜日で集約する場合には、同じ様な状況と考えられる、例えば月〜金のデータを集約(例えば平均)する方法が考えられる。
・平均値との差異で集約する場合には、差異が所定値より大きな場合には、異常値として排除し、所定内のデータのみで集約(例えば平均化)する。
【0102】
・時刻で集約する場合には、同じ様な状況と考えられる、例えば午前中のデータを集約(例えば平均)する方法が考えられる。
・ナビゲーション情報で集約する場合には、同じ様な状況と考えられる、例えば同様な場所や同様な種類の道路におけるデータを集約(例えば平均)する方法が考えられる。
【0103】
・車両挙動で集約する場合には、同じ様な状況と考えられる、例えば定速走行中のデータを集約(例えば平均)する方法が考えられる。
・心拍数で集約する場合には、停車中と運転中では、それぞれの状態において同じ様な状況と考えられるので、例えば心拍数が高い運転中のデータをカットし、残りのデータを集約(例えば平均)する方法が考えられる。
【0104】
・車室内温度で集約する場合には、同じ様な状況と考えられる所定温度範囲におけるデータを集約(例えば平均)する方法が考えられる。
つまり、例えば身体情報を求めた時期が1年より前のような古くなった場合又は期間が1年間のような長いスパンである場合には、全ての身体情報を記憶すると、データの記憶領域が大きくなり、データ処理の負担も大きくなる。その様な場合には、例えば1月毎の平均データの様にデータを要約して記憶するようにすれば、古いデータや長期間に亘るデータを要領よく記憶することができる。
【0105】
従って、例えば図5(a)に示す様に、1週間表示を行う場合には、血圧、心拍数、体重の毎日のデータを表示することができる。また、その表示を、スイッチ等によりマニュアルで、年間切り替える場合には、図5(b)に示す様に、1月単位の平均値を表示することができる。
【0106】
(5)身体情報を記憶又は表示する際に、日々の活動量を示すデータも、同時に記憶又は表示することが望ましい。
尚、日々の活動量を示すデータは、ナビゲーション情報、加速度センサ(車両搭載の加速度センサ9bではなく、身体に装着した加速度センサ(図示せず))による情報、スケジュール、及び睡眠情報のうち少なくとも1種を採用できる。
【0107】
例えば身体に装着した加速度センサやスケジュールなどにより、日々の活動量が分かる場合には、そのデータも合わせて記憶又は表示する。
これにより、例えば血圧が高めに表示された場合に、それが活動量が多い期間であれば理解できるが、活動量が低い期間であれば、身体に何からの原因があると推定することも可能である。
【0108】
(6)また、車室内で得た身体情報を、車室外で得た身体情報により補正することが望ましい。
車両に搭乗中の例えば心拍数や血圧のデータは、安静時に検出したデータと異なることがあるので、安静時のデータを利用して車両に搭乗中のデータを補正する。例えば心拍数や血圧を所定割合低減する補正を行う。これにより、車両に搭乗中のデータを利用して、身体の本当の状態を把握することができる。
【0109】
尚、身体情報の検出対象は、運転者だけでなく、他の搭乗者であってもよい。
また、タイミングの判定条件は、マニュアルにて変更可能であるので、より精度の高い身体情報を得ることができる。
【0110】
d)次に、本実施例に係わる実験データについて説明する。
(1)図6は、運動後の最高血圧(SBP)と心拍数(HR)との時間変化を調べたものである。
【0111】
図6では、心拍数が低下すると血圧も低下することを示している。また、心拍数の変化が5%程度に収まったところで、血圧もほぼ一定値となっていることが分かる。つまり、心拍数の変化を見れば、血圧の変化も予測することが可能であるので、心拍数の変動が少ない場合に、身体状態の検出を行えば、より安静な状態での測定が可能である。
【0112】
(2)図7は、温度(TEMP)が変化した場合の最高血圧(SBP)の時間変化を調べたものである。
図7では、温度が低いと血圧が高くなっていることを示している。つまり、温度変化と血圧の変化に相関関係があることが分かる。従って、温度変化が少ない場合に、身体状態の検出を行えば、より安静な状態での測定が可能である。
【0113】
(3)図8は、温度(TEMP)が変化した場合の心拍数(HR)の時間変化を調べたものである。
この図8から、温度変化が激しいと、心拍数は一定値にならないことが分かる。従って、この点からも、温度変化が少ない場合に、身体状態の検出を行えば、より安静な状態での測定が可能である。
【0114】
(4)図9は、車速と血圧相当値(脈波伝播時間PTT)との関係を調べたものである。尚、脈波伝播時間PTTは、脈波伝播速度PWVの逆数であり、脈波伝播時間PTTが長いほど血圧は低い。
【0115】
この図9から、車速と血圧とに相関関係があることが分かる。これは、加減速によるGが人体内部の血流を動かし、結果として、測定部位の血圧を変化させたからと推測される。このことは、車速の変化があるときには、血圧などの生体量は、加減速Gの変化により安定して測定できないことを意味している。従って、停車中や定速走行中に、身体状態の検出を行えば、より安静な状態での測定が可能である。
【0116】
(5)図10は、時間(午前と午後)による生体量、具体的には、心拍数HR、最高血圧SBP、最低血圧DBPの変化を調べたものである。尚、最高血圧SBP、最低血圧DBPは、血圧計にて直接に計測した。
【0117】
この図10から、各生体量は、午前と午後とではその変動の状態が異なることが分かる。従って、どの身体情報としてどの生体量を用いるかによって、測定の時間を変更することが望ましい。
【0118】
例えば心拍数HRは、午前中に測定するとその変動量が少ないが、最高血圧SBPや最低血圧DBPは、午前でも午後でもそれほど大きな変化はない。
以上詳述した様に、本実施例では、身体状態の検出に適したタイミング(外乱による影響が少なく、できるだけ安静に近い状態)を判断し、そのタイミングにて身体状態を検出するので、健康管理に必要な身体情報のばらつきが小さく、その精度が高いという効果がある。
【実施例2】
【0119】
次に、実施例2について説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。 本実施例は、ハード構成は前記実施例1と同様であるが、制御内容が異なっているので、その制御内容について説明する。
【0120】
本実施例は、自動車に搭乗した被測定者に対して、常時身体状態を検出するとともに、適切なタイミングでその検出結果である身体情報を記憶する処理を行うものである。
図11のフローチャートに示す様に、イグニッションキーがオンになると、ステップ200にて、身体状態検出用センサ1等により、常時(定期的に)身体状態を測定し、その身体情報を入手する。
【0121】
続くステップ210では、実施例1と同様な身体状態の検出のタイミングの判定に使用する機器(センサ等)により、記憶のタイミングの判定に必要な計測を開始する。
続くステップ220では、車両挙動を確認する。具体的には、車速センサ9aや加速度センサ9b等の車両制御用センサ9からの情報を入力し、例えば停車中、定速走行中、加減速や旋回中などの各種の車両挙動を確認する。
【0122】
続くステップ230では、ナビゲーション情報を確認する。具体的には、ナビゲーション装置13からの情報に基づいて、現在の走行位置やどのような道路を走行中であるかなどを確認する。
【0123】
続くステップ240では、上述したステップ210、220、230の各処理にて入力した各種の情報に基づいて、検出した身体情報を記憶するタイミングであるか否かを判定する。ここで否定判断されると前記ステップ200に戻り、一方肯定判断されるとステップ250に進む。
【0124】
ステップ250では、検出データが適当なデータか否かを判断する。ここで肯定判断されるとステップ260に進み、一方否定判断されると前記ステップ200に戻る。尚、所定回測定を繰り返しても、適正なデータが得られない場合は、今回データが無いものとして、このステップ250の処理をパスし、ステップ260に進む。
【0125】
続くステップ260では、記憶するタイミングでの身体情報及び測定条件を、メモリ(EEPROM3d)に記憶する。
続くステップ270では、メモリに記憶した検出結果のデータを集約する。
【0126】
続くステップ280では、データをモニタ5に表示し、一旦本処理を終了する。
以上詳述した様に、本実施例では、常時、身体状態を検出しており、身体状態の記憶に適したタイミング(外乱による影響が少なく、できるだけ安静に近い状態)を判断し、そのタイミングにて身体状態を記憶するので、健康管理に必要な、ばらつきの少なく且つ精度が高い身体情報のみを、選択して記憶することができる。
【実施例3】
【0127】
次に、実施例3について説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。 本実施例は、ハード構成は前記実施例1と同様であるが、制御内容が異なっているので、その制御内容について説明する。
【0128】
本実施例では、身体状態の検出のタイミングに到った場合に、その旨を運転者等に報知する。
図12のフローチャートに示す様に、ステップ300では、身体状態の検出のタイミングの判定に使用する機器(センサ等)により、タイミングの判定に必要な計測を開始する。
【0129】
続くステップ310では、車両挙動を確認する。
続くステップ320では、ナビゲーション情報を確認する。
続くステップ330では、上述したステップ300、310、320等の各処理にて入力した各種の情報に基づいて、身体状態を検出するタイミングであるか否かを判定する。ここで否定判断されると前記ステップ300に戻り、一方肯定判断されるとステップ340に進む。
【0130】
ステップ340では、身体状態を検出するタイミングに到ったので、その旨を、モニタ5に表示したり、スピーカ7を用いて音声等で報知する。
ステップ350では、その報知によって、運転者等がスイッチ操作(例えばモニタ5のタッチパネル)などにより、身体状態を検出する旨の入力をしたか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ360に進み、一方否定判断されるとステップ340に戻る。
【0131】
ステップ360では、身体状態を検出する入力があったので、身体状態検出用センサ1等により、身体状態を検出する。
続くステップ370では、検出データが適当なデータか否かを判断する。ここで肯定判断されるとステップ380に進み、一方否定判断されると前記ステップ370に戻る。尚、所定回測定を繰り返しても、適正なデータが得られない場合は、今回データが無いものとして、このステップ370の処理をパスし、ステップ380に進む。
【0132】
続くステップ380では、得られた検出結果及び測定条件を、メモリ(EEPROM3d)に記憶する。
続くステップ390では、メモリに記憶した検出結果のデータを集約する。
【0133】
続くステップ395は、データをモニタ5に表示し、一旦本処理を終了する。
この様に、本実施例では、身体状態の検出のタイミングに到った場合に、その旨を運転者等に報知するので、その報知を受けた運転者はマニュアルにて、身体状態の検出を指示することができる。従って、必要な場合のみ身体状態の検出を行うので、処理の負担が少ないという利点がある。
【0134】
尚、実施例2の様に、常時、身体情報を検出し、記憶のタイミングになった場合に、その旨を報知し、マニュアルにて指示があった場合に、(そのタイミングにおける)身体情報を記憶するようにしてもよい。
【実施例4】
【0135】
次に、実施例4について説明するが、前記実施例1と同様な内容の説明は省略する。 本実施例は、ハード構成は前記実施例1と同様であるが、制御内容が異なっているので、その制御内容について説明する。
【0136】
本実施例では、身体情報と(基準となる)過去の所定期間の身体情報とを比較し、その比較結果に基づいて、車両の制御を行う。
図13のフローチャートに示す様に、ステップ400では、上述した検出のタイミングにて、身体状態を検出して身体情報を得る。
【0137】
続くステップ410では、今回検出した身体情報と、過去の基準となる所定期間の身体情報(例えばその平均値)とを比較する。
続くステップ420では、その比較の結果、今回の身体情報が過去の身体情報に比べて異常であるか否かを判定する。例えば血圧が異常に高いか否かを判定する。ここで異常であると判断されるとステップ430に進み、一方否定判断されると一旦本処理を終了する。 ステップ430では、異常である旨を、モニタ5やスピーカ7等により、運転者等に報知する。
【0138】
続くステップ440では、運転者の身体状態が異常であると考えられるので、車両を安全側に制御する。例えば速度を低下させたり、制動性能を高める等の制御を行い、一旦本処理を終了する。
【0139】
この様に、本実施例では、車両の搭乗中に得られた身体情報が過去の身体情報と比べて異常である場合には、車両を安全側に制御するので、安全性が向上するという利点がある。
【0140】
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、様々な態様にて実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】実施例1の健康管理支援システム等の全体構成を示す説明図である。
【図2】健康管理支援装置の電気的構成を示す説明図である。
【図3】車両制御装置の電気的構成を示す説明図である。
【図4】実施例1の制御処理を示すフローチャートである。
【図5】モニタの表示を示す説明図である。
【図6】運動後の最高血圧と心拍数の時間変化を示すグラフである。
【図7】温度変化による最高血圧の時間変化を示すグラフである。
【図8】温度変化による心拍数の時間変化を示すグラフである。
【図9】車速と血圧との関係を示すグラフである。
【図10】時間による生体量の変化を示すグラフである。
【図11】実施例2の制御処理を示すフローチャートである。
【図12】実施例3の制御処理を示すフローチャートである。
【図13】実施例4の制御処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0142】
1…健康管理用センサ
3…健康管理支援装置
5…モニタ
7…スピーカ
9…車両制御用センサ
11…車両制御装置
13…ナビゲーション装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出手段により、車両に搭乗した被測定者の身体状態を身体情報として検出する健康管理支援装置において、
所定の判定条件に基づいて、前記検出手段によって前記被測定者の身体情報を検出するタイミングか否かを判断する条件判定手段を備えたことを特徴とする健康管理支援装置。
【請求項2】
検出手段により、車両に搭乗した被測定者の身体状態を身体情報として検出し、該検出した身体情報を記憶手段に記憶する健康管理支援装置において、
所定の判定条件に基づいて、前記検出手段によって検出した前記被測定者の身体情報を前記記憶手段に記憶するタイミングか否かを判断する条件判定手段を備えたことを特徴とする健康管理支援装置。
【請求項3】
前記条件判定手段により、前記タイミングであると判定された場合には、その旨を報知することを特徴とする請求項1又は2に記載の健康管理支援装置。
【請求項4】
前記条件判定手段により、前記タイミングであると判定された場合には、前記タイミングにて行うべき処理を自動的に行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の健康管理支援装置。
【請求項5】
前記判定条件は、時刻、乗車してからの時間、停車してからの時間、心拍数、車両挙動、車室内温度、及びナビゲーション情報のうち、少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の健康管理支援装置。
【請求項6】
前記判定条件は、乗車後に所定時間以上経過したことを特徴とする請求項5に記載の健康管理支援装置。
【請求項7】
前記判定条件は、単位時間当たりの前記心拍数の変化が所定割合以内であることを特徴とする請求項5又は6に記載の健康管理支援装置。
【請求項8】
前記判定条件は、定速走行中又は停車中であることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の健康管理支援装置。
【請求項9】
前記判定条件は、前記車室内温度の単位時間当たりの変動が所定温度以下であることを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の健康管理支援装置。
【請求項10】
前記判定条件は、前記心拍数、車室内温度、及び車両挙動の少なくとも1種が、所定の状態になってから1分以上経過したことを特徴とする請求項5〜9のいずれかに記載の健康管理支援装置。
【請求項11】
異なる時間における前記身体状態を示す身体情報が、1日につき複数記憶されることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の健康管理支援装置。
【請求項12】
前記複数記憶された身体情報の中で、最適と判断されるタイミングで測定された身体情報を、その日の身体情報として記憶することを特徴とする請求項11に記載の健康管理支援装置。
【請求項13】
前記最適と判断されるタイミングで測定された身体情報が複数ある場合、その複数の身体情報の平均値を、その日の身体情報として記憶することを特徴とする請求項12に記載の健康管理支援装置。
【請求項14】
前記タイミングを最適と判断する条件は、時刻、ナビゲーション情報、車両挙動、心拍数、及び車室内温度のうち少なくとも1種であることを特徴とする請求項12又は13に記載の健康管理支援装置。
【請求項15】
前記タイミングを最適と判断する条件を、以前に最適としたタイミングに合わせることを特徴とする請求項12〜14のいずれかに記載の健康管理支援装置。
【請求項16】
前記検出した身体情報を、報知手段により報知することを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の健康管理支援装置。
【請求項17】
前記報知手段が表示手段の場合に、表示期間を選択可能とすることを特徴とする請求項16に記載の健康管理支援装置。
【請求項18】
前記表示期間として、1日、1週間、1ヶ月、半年、1年、5年、及び10年のうち、少なくとも2種の期間を選択可能としたことを特徴とする請求項17に記載の健康管理支援装置。
【請求項19】
前記身体情報を、前記身体情報を求めた時期又は期間に応じて、集約して記憶又は表示することを特徴とする請求項1〜18のいずれかに記載の健康管理支援装置。
【請求項20】
前記身体情報の集約を、曜日、平均値との差異、時刻、ナビゲーション情報、車両挙動、心拍数、及び車室内温度のうち少なくとも1種に基づいて行うことを特徴とする請求項19に記載の健康管理支援装置。
【請求項21】
前記身体情報を記憶又は表示する際に、日々の活動量を示すデータも、同時に記憶又は表示することを特徴とする請求項1〜20のいずれかに記載の健康管理支援装置。
【請求項22】
前記日々の活動量を示すデータは、ナビゲーション情報、加速度センサによる情報、スケジュール、及び睡眠情報のうち少なくとも1種であることを特徴とする請求項21に記載の健康管理支援装置。
【請求項23】
車室内で得た前記身体情報を、車室外で得た身体情報により補正することを特徴とする請求項1〜22のいずれかに記載の健康管理支援装置。
【請求項24】
前記身体情報と、基準となる過去の所定期間の身体情報とを比較し、その比較結果に基づいて、車両の制御を行うことを特徴とする請求項1〜23のいずれかに記載の健康管理支援装置。
【請求項25】
前記身体情報が、体温、血圧、心拍数、脈波情報、体重、血糖値、及び体脂肪のうち少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜24のいずれかに記載の健康管理支援装置。
【請求項26】
前記身体情報の検出、記憶、及び報知のうち少なくとも1種の処理を、複数の乗員に対して行うことを特徴とする請求項1〜25のいずれかに記載の健康管理支援装置。
【請求項27】
前記判定条件を、マニュアルにて変更可能としたことを特徴とする請求項1〜26のいずれかに記載した健康管理支援装置。
【請求項28】
前記ナビゲーション情報を、いくつかの属性で区別したことを特徴とする請求項5〜27のいずれかに記載した健康管理支援装置。
【請求項29】
前記属性を、自宅、職場、ショッピングセンター、レストラン、スポーツジム、高速道路、幹線道路、市街地、病院、及びユーザ設定場所のうち少なくとも2種の属性に区分したことを特徴とする請求項28に記載した健康管理支援装置。
【請求項30】
前記請求項1〜29のいずれかに記載した健康管理支援装置と、前記身体情報を検出する検出手段及び前記身体情報を記録する記録手段のうち少なくとも検出手段を、備えたことを特徴とする健康管理支援装置システム。
【請求項1】
検出手段により、車両に搭乗した被測定者の身体状態を身体情報として検出する健康管理支援装置において、
所定の判定条件に基づいて、前記検出手段によって前記被測定者の身体情報を検出するタイミングか否かを判断する条件判定手段を備えたことを特徴とする健康管理支援装置。
【請求項2】
検出手段により、車両に搭乗した被測定者の身体状態を身体情報として検出し、該検出した身体情報を記憶手段に記憶する健康管理支援装置において、
所定の判定条件に基づいて、前記検出手段によって検出した前記被測定者の身体情報を前記記憶手段に記憶するタイミングか否かを判断する条件判定手段を備えたことを特徴とする健康管理支援装置。
【請求項3】
前記条件判定手段により、前記タイミングであると判定された場合には、その旨を報知することを特徴とする請求項1又は2に記載の健康管理支援装置。
【請求項4】
前記条件判定手段により、前記タイミングであると判定された場合には、前記タイミングにて行うべき処理を自動的に行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の健康管理支援装置。
【請求項5】
前記判定条件は、時刻、乗車してからの時間、停車してからの時間、心拍数、車両挙動、車室内温度、及びナビゲーション情報のうち、少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の健康管理支援装置。
【請求項6】
前記判定条件は、乗車後に所定時間以上経過したことを特徴とする請求項5に記載の健康管理支援装置。
【請求項7】
前記判定条件は、単位時間当たりの前記心拍数の変化が所定割合以内であることを特徴とする請求項5又は6に記載の健康管理支援装置。
【請求項8】
前記判定条件は、定速走行中又は停車中であることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の健康管理支援装置。
【請求項9】
前記判定条件は、前記車室内温度の単位時間当たりの変動が所定温度以下であることを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の健康管理支援装置。
【請求項10】
前記判定条件は、前記心拍数、車室内温度、及び車両挙動の少なくとも1種が、所定の状態になってから1分以上経過したことを特徴とする請求項5〜9のいずれかに記載の健康管理支援装置。
【請求項11】
異なる時間における前記身体状態を示す身体情報が、1日につき複数記憶されることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の健康管理支援装置。
【請求項12】
前記複数記憶された身体情報の中で、最適と判断されるタイミングで測定された身体情報を、その日の身体情報として記憶することを特徴とする請求項11に記載の健康管理支援装置。
【請求項13】
前記最適と判断されるタイミングで測定された身体情報が複数ある場合、その複数の身体情報の平均値を、その日の身体情報として記憶することを特徴とする請求項12に記載の健康管理支援装置。
【請求項14】
前記タイミングを最適と判断する条件は、時刻、ナビゲーション情報、車両挙動、心拍数、及び車室内温度のうち少なくとも1種であることを特徴とする請求項12又は13に記載の健康管理支援装置。
【請求項15】
前記タイミングを最適と判断する条件を、以前に最適としたタイミングに合わせることを特徴とする請求項12〜14のいずれかに記載の健康管理支援装置。
【請求項16】
前記検出した身体情報を、報知手段により報知することを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の健康管理支援装置。
【請求項17】
前記報知手段が表示手段の場合に、表示期間を選択可能とすることを特徴とする請求項16に記載の健康管理支援装置。
【請求項18】
前記表示期間として、1日、1週間、1ヶ月、半年、1年、5年、及び10年のうち、少なくとも2種の期間を選択可能としたことを特徴とする請求項17に記載の健康管理支援装置。
【請求項19】
前記身体情報を、前記身体情報を求めた時期又は期間に応じて、集約して記憶又は表示することを特徴とする請求項1〜18のいずれかに記載の健康管理支援装置。
【請求項20】
前記身体情報の集約を、曜日、平均値との差異、時刻、ナビゲーション情報、車両挙動、心拍数、及び車室内温度のうち少なくとも1種に基づいて行うことを特徴とする請求項19に記載の健康管理支援装置。
【請求項21】
前記身体情報を記憶又は表示する際に、日々の活動量を示すデータも、同時に記憶又は表示することを特徴とする請求項1〜20のいずれかに記載の健康管理支援装置。
【請求項22】
前記日々の活動量を示すデータは、ナビゲーション情報、加速度センサによる情報、スケジュール、及び睡眠情報のうち少なくとも1種であることを特徴とする請求項21に記載の健康管理支援装置。
【請求項23】
車室内で得た前記身体情報を、車室外で得た身体情報により補正することを特徴とする請求項1〜22のいずれかに記載の健康管理支援装置。
【請求項24】
前記身体情報と、基準となる過去の所定期間の身体情報とを比較し、その比較結果に基づいて、車両の制御を行うことを特徴とする請求項1〜23のいずれかに記載の健康管理支援装置。
【請求項25】
前記身体情報が、体温、血圧、心拍数、脈波情報、体重、血糖値、及び体脂肪のうち少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜24のいずれかに記載の健康管理支援装置。
【請求項26】
前記身体情報の検出、記憶、及び報知のうち少なくとも1種の処理を、複数の乗員に対して行うことを特徴とする請求項1〜25のいずれかに記載の健康管理支援装置。
【請求項27】
前記判定条件を、マニュアルにて変更可能としたことを特徴とする請求項1〜26のいずれかに記載した健康管理支援装置。
【請求項28】
前記ナビゲーション情報を、いくつかの属性で区別したことを特徴とする請求項5〜27のいずれかに記載した健康管理支援装置。
【請求項29】
前記属性を、自宅、職場、ショッピングセンター、レストラン、スポーツジム、高速道路、幹線道路、市街地、病院、及びユーザ設定場所のうち少なくとも2種の属性に区分したことを特徴とする請求項28に記載した健康管理支援装置。
【請求項30】
前記請求項1〜29のいずれかに記載した健康管理支援装置と、前記身体情報を検出する検出手段及び前記身体情報を記録する記録手段のうち少なくとも検出手段を、備えたことを特徴とする健康管理支援装置システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図13】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図13】
【図10】
【公開番号】特開2007−290504(P2007−290504A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−119711(P2006−119711)
【出願日】平成18年4月24日(2006.4.24)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月24日(2006.4.24)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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