説明

光コネクタ

【課題】光デバイスの光軸と光導波路の光軸とを容易に合わせる。
【解決手段】本発明に係る光コネクタは、光素子と、光素子が受発光する光が通過する集光部とを有する光デバイスと、光を伝播する光導波路が挿入される開口部と、開口部と空間を隔てて設けられ、集光部の少なくとも一部の表面で光デバイスを支持し、光素子の光軸と光導波路の光軸との位置を合わせる支持部とを有するモジュールとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバを伝送媒体とする光通信に用いられる光伝送装置においては、光半導体素子と光ファイバの光軸とを高精度にアライメントして結合損失を低下させることが要求される。
【0003】
このような光半導体素子と光ファイバとを結合する光伝送装置として、光半導体素子を一方向から収納保持する開口部を有するホルダ部と、光ファイバの先端に取り付けられたプラグを挿入保持するコネクタ部とを有する保持筐体を備え、光半導体素子を開口部からホルダ部内の所定位置まで挿入したときに光半導体素子の挿入後端面と係合する係合手段がホルダ部に設けられた光伝送装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1に記載の光伝送装置によれば、光半導体素子がホルダ部内の所定位置まで挿入されたときに、光半導体素子の挿入後端面に係合手段が係合することにより、係合と同時に光半導体素子の位置決めをすることができる。
【特許文献1】特開2001−183553号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、光デバイスの光軸と光導波路の光軸とを容易に合わせることができる光コネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、上記目的を達成するため、以下の光コネクタを提供する。
【0007】
(1)光素子と、光素子が受発光する光が通過する集光部とを有する光デバイスと、光を伝播する光導波路が挿入される開口部と、開口部と空間を隔てて設けられ、集光部の少なくとも一部の表面で光デバイスを支持し、光素子の光軸と光導波路の光軸との位置を合わせる支持部とを有するモジュールとを備える光コネクタ。
【0008】
(2)モジュールは、支持部が集光部の外部形状の少なくとも一部に対応する形状を有する前記(1)に記載の光コネクタ。
【0009】
(3)モジュールは、円筒形の空洞部の一の端部に開口部を有すると共に、空洞部の他の端部に支持部を有し、光デバイスは、空洞の内径と略一致する外径の集光部を有し、支持部は、空洞部の他の端部に挿入された集光部を支持することにより光デバイスを支持する前記(1)又は前記(2)に記載の光コネクタ。
【0010】
(4)光デバイスは、集光部が形成される領域を除く領域に光デバイス側嵌め合わせ部を更に有し、モジュールは、光デバイスの光デバイス側嵌め合わせ部に対応するモジュール側嵌め合わせ部を更に有し、光デバイスが支持部において支持されると共に、光デバイス側嵌め合わせ部とモジュール側嵌め合わせ部とが互いに嵌め合わされる前記(1)に記載の光コネクタ。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の光コネクタによれば、既に形成された集光部を基準にして、光素子の光軸と光導波路の光軸との位置決めを簡便に行うことができる。これにより、簡易に製造することができ、低コストである光コネクタを提供することができる。
【0012】
請求項2に記載の光コネクタによれば、様々な外部形状の集光部を光デバイスが有している場合であっても、所定の位置に光デバイスを支持することができる。
【0013】
請求項3に記載の光コネクタによれば、空洞部の一端に光デバイスを挿入すると共に空洞部の他端に光ファイバを挿入するだけで、光デバイスの光素子の光軸と光ファイバの光軸とを一致させることができる。
【0014】
請求項4に記載の光コネクタによれば、集光部以外に光デバイスとモジュールとが嵌めあう部分が存在するので、光デバイスとモジュールとの間の接着強度が増加すると共に、光デバイスに回転方向の力がかかっても光デバイスがモジュールから外れることを抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るモジュール、光ファイバ、及び光デバイスの斜視図を示す。また、図2(a)は、第1の実施の形態に係る光デバイスの正面図を示す。更に、図2(b)は、第1の実施の形態に係る光デバイスのA−A線における側面断面図を示す。
【0016】
(モジュール10の構成)
第1の実施の形態に係るモジュール10は、光を集光する集光部としての凸状レンズ200が挿入される開口部100aと、光導波路としての光ファイバ30が挿入される開口部100bと、開口部100aと開口部100bとの間に設けられる空間としての空洞部110とを有する。空洞部110は、一例として、略円筒形に形成される。なお、略円筒形とは、完全な円筒形だけでなく、多少の歪を有した円筒形を含むことを意味する。
【0017】
空洞部110が略円筒形に形成される場合、開口部100a及び開口部100bはそれぞれ略円形状に形成される。なお、開口部100aの形状は、凸状レンズ200の外表面のうち、最も径が大きい領域の形状に対応させて形成される。一例として、凸状レンズ200の断面が円形の場合、凸状レンズ200の最大の断面直径と一致する内径を有する開口部100aが、モジュール10に形成される。
【0018】
そして、開口部100aの縁の支持部としての開口部外縁101は、開口部100aに挿入される光デバイス20の凸状レンズ200の少なくとも一部の表面と接することにより、光デバイス20を支持する。具体的には、開口部100aが形成されているモジュール表面112と光デバイス20の光透過部表面210aとが接するように、凸状レンズ200は開口部100aに挿入される。
【0019】
モジュール10は、一例として、円筒形に形成されたスリーブ部材をプラスチック等の樹脂材料に埋め込むことにより形成される。この場合、円筒形を有するスリーブ部材の内側が空洞部110に対応する。そして、スリーブ部材の一の端部が開口部100aに対応すると共に、他の端部が開口部100bに対応する。また、モジュール10は、所定形状を有する金型と、プラスチック等の樹脂材料とを用いて、一体成形により形成することもできる。また、モジュール10を形成する材料は樹脂材料に限らず、ジルコニア等のセラミック材料、又はアルミニウム等の金属材料から形成することもできる。
【0020】
(光ファイバ30)
光ファイバ30は、所定の屈折率を有するガラス等の無機材料から形成されるコアと、コアを形成する材料よりも低い屈折率の材料から形成され、コアの周囲に設けられるクラッドとを有する。光ファイバ30は、予め定められた直径を有すると共に、一例として、波長850nmを中心波長とする光を伝播する石英系材料から主として形成される。なお、光ファイバ30は、フェルールに保持されていてもよい。また、光ファイバ30は、アクリル樹脂等の透明樹脂から形成することもできる。
【0021】
(光デバイス20の構成)
光デバイス20は、図2(b)に示すように、予め所定形状に形成された凸状レンズ200を有する光透過部210と、少なくとも一つの前列端子220(例えば、前列端子220a)と、少なくとも一つの後列端子222(例えば、後列端子222b)と、光を発光又は受光する光素子230と、光素子230の受発光動作を制御する駆動IC240とを有する。なお、光透過部210は、凸状レンズ200が形成される光透過部210の表面を正面とすると、正面視にて略四角形状に形成される。
【0022】
具体的には、図2(a)に示すように、光素子230は、セラミック等の無機材料又はアルミニウム等の金属材料、又は無機材料と金属材料との複合材料から主として構成されるリードフレーム211上の予め定められた位置にダイボンディングされることにより、リードフレーム211上に配置される。また、駆動IC240は、リードフレーム211上の予め定められた位置に配置される。
【0023】
光透過部210は、光ファイバ30を伝播する波長の光を透過するアクリル樹脂やエポキシ樹脂等の光透過性樹脂から主として形成される。そして、光素子230の光軸に対する位置が予め規定された光透過部210の所定の領域に、凸状レンズ200が形成される。すなわち、凸状レンズ200の光軸と光素子230の光軸とが一致するように、凸状レンズ200は光透過部210の所定の位置に形成される。そして、凸状レンズ200の最大の径の位置が、レンズ外縁200aとなる。なお、光透過部210及び凸状レンズ200は、熱膨張係数がアクリル樹脂等の熱膨張係数よりも小さい低融点ガラスから主として形成することもできる。
【0024】
複数の前列端子220は、光素子230の受光面又は発光面が向く方向を光デバイス20の前面とした場合に、前面側に配列される。一方、複数の後列端子222は、前面に対して前列端末220よりも後側に配列される。
【0025】
具体的には、前列端子220は、図2(a)に示すように、前列端子220a及び前列端子220bを有する。また、後列端子222は、図2(a)に示すように、後列端子222aと、後列端子222bと、後列端子222cと、後列端子222dとを有する。ここで、前列端子220a及び前列端子220bはリードフレームを折り曲げ加工して形成される。そして、前列端子220a及び前列端子220bはそれぞれ、グランドとして用いられる。
【0026】
光デバイス20が有する光素子230は、光を入射又は出射する。具体的には、光素子230が光を出射する場合、光素子230は、波長850nmの光を発光する垂直キャビティ面発光レーザ(Vertical Cavity Surface Emitting Laser:VCSEL)等の発光素子である。また、光素子230が光を入射する場合、光素子230は、アバランシェフォトダイオード(Avalanche Photodiode:APD)等の受光素子である。
【0027】
駆動IC240は、光素子230が発光素子である場合、ワイヤ250aを介して光素子230に供給する電力量を制御して、光素子230の発光動作を制御する。また、駆動IC240は、光素子230が受光素子である場合、受光した光量に応じて光素子230が発生した光起電力を光電流として取り出して、光素子230の受光動作を制御する。
【0028】
また、後列端子222aは、駆動IC240及び光素子230へ電力を供給する。一方、後列端子222b及び後列端子222cは、作動信号を駆動IC240に供給する。そして、後列端子222dは、制御信号を駆動IC240に供給する。また、後列端子222aと、後列端子222bと、後列端子222cと、後列端子222dとはそれぞれ、複数のワイヤ(例えば、ワイヤ250c等)によって駆動IC240に予め設けられた複数の端子のそれぞれに電気的に接続される。
【0029】
更に、駆動IC240と光素子230とは、ワイヤ250aにより電気的に接続され、駆動IC240とリードフレーム211とは、ワイヤ250bにより電気的に接続される。光デバイス20は、複数の前列端子220及び複数の後列端子222のそれぞれが回路基板40に予め形成された複数の開口孔のそれぞれに差し込まれて固定される。そして、複数の後列端子222のそれぞれが、配線パターン400に接続される。これにより、光デバイス20に、配線パターン400を介して複数の後列端子222のそれぞれから電力と、作動信号と、制御信号とを供給できる。なお、本実施の形態では光デバイス20内に駆動IC240が組み込まれているが、駆動IC240は別基板に実装することもできる。
【0030】
図3は、第1の実施の形態に係るモジュールと光デバイス及び光ファイバとの接続を示す。図3(a)にモジュール、光デバイス、及び光ファイバの接続前の断面図を示すと共に、図3(b)に接続後の断面図を示す。
【0031】
まず、図3(a)に示すように、モジュール10と光デバイス20とを予め定められた位置に配置する。そして、図3(b)に示すように、モジュール10の開口部100aに光デバイス20の凸状レンズ200を挿入すると、凸状レンズ200の表面の少なくとも一部と支持部としての開口部外縁101とが接触する。そして、光透過部表面210aとモジュール表面112とが接触する。これにより、光素子230の光軸及び凸状レンズ200の光軸が、モジュール10の空洞部110の所定の位置に所定の誤差範囲内で収まった状態で、光デバイス20がモジュール10に保持される。
【0032】
例えば、凸状レンズ200の断面における径が最大であるレンズ外縁200aと開口部100aの径とが略一致するように、凸状レンズ200と開口部100aとが形成される。この場合、凸状レンズ200を開口部100aに挿入すると、開口部100aの縁としての開口部外縁101がレンズ外縁200aと接触する。これにより、開口部外縁101が、凸状レンズ200の一部の表面としてのレンズ外縁200aにおいて光デバイス20を支持すると共に、光素子230の光軸と光ファイバ30の光軸との位置を合わせることとなる。すなわち、凸状レンズ200の外径形状を基準として、光素子230の光軸と光ファイバ30の光軸との位置が合わされる。
【0033】
ここで、モジュール10と光デバイス20とは、一例として、光透過部表面210aとモジュール表面112とを所定の接着剤で接着することにより互いに固定される。また、所定の弾性部材(例えば、所定の弾性を有する板バネ状の固定部材)を用いて、モジュール10と光デバイス20とを外部から押さえつけることにより、モジュール10と光デバイス20とを互いに固定することもできる。
【0034】
そして、空洞部110を介して開口部100aの反対側の開口部100bに光ファイバ30を挿入する。ここで、ファイバ端面300と凸状レンズ200とが接触しない位置において、光ファイバ30をモジュール10に固定する。この場合において、ファイバ端面300と凸状レンズ200との間に空間が存在するため、光ファイバ30と光デバイス20との結合損失はゼロではないが、結合損失がほとんど問題とならないと判断できる程度にファイバ端面300と凸状レンズ200との間の距離を設定する。
【0035】
具体的には、ファイバ端面300と凸状レンズ200との距離を離間距離と規定すると、離間距離は、一例として、光ファイバ30のコア径がφ200μmの場合、0μm<離間距離≦500μmの範囲内になるように設定される。したがって、ファイバ端面300と凸状レンズ200とは接触しないので、ファイバ端面300及び凸状レンズ200の表面は損傷しない。これにより、光ファイバ30(特に、光ファイバ30のコア)の光軸と光素子230の光軸との位置が、所定の誤差範囲に収まるように合わされた光コネクタ50が形成される。
【0036】
[第2の実施の形態]
図4は、本発明の第2の実施の形態に係るモジュール、光ファイバ、及び光デバイスの斜視図を示す。
【0037】
第2の実施の形態に係る光デバイス20及び光ファイバ30は、第1の実施の形態に係る光デバイス20及び光ファイバ30とそれぞれ同一の構成を有するので詳細な説明は省略する。そして、第2の実施の形態に係るモジュール12は、第1の実施の形態に係るモジュール10とは光デバイス20と接続する部分が異なる点を除き略同一の構成を有するので、相違点を除き詳細な説明は省略する。
【0038】
第2の実施の形態に係るモジュール12は、開口部100aと、光デバイス20の凸状レンズ200を開口部100aの位置に導入する導入部114と、導入部114の端部において凸状レンズ200が突きあてられる領域である突きあて領域116と、光ファイバ30が挿入される開口部100bと、開口部100aと開口部100bとの間に設けられる空洞部110とを有する。
【0039】
第2の実施の形態に係るモジュール12の導入部114は、開口部100a側のモジュール表面112の一部及び空洞部110の一部を切り取ることにより形成される。したがって、形成される導入部114の端に位置する突きあて領域116の形状は、空洞部110の内部の一部の形状に対応する。一例として、空洞部110が略円筒形上に形成されている場合は、突きあて領域116の形状は略半円筒の内部の形状を有する。
【0040】
そして、第2の実施の形態においては、導入部114に沿って凸状レンズ200をモジュール表面112に水平な方向にスライドさせ、突きあて領域116の少なくとも一部に凸状レンズ200の表面の一部を突きあてる。これにより、光デバイス20の凸状レンズ200と開口部100aとの位置が合わされることとなる。
【0041】
図5は、第2の実施の形態に係るモジュールと光デバイス及び光ファイバとの接続を示す。図5(a)にモジュール、光デバイス、及び光ファイバの接続前の断面図を示すと共に、図5(b)に接続後の断面図を示す。
【0042】
まず、図5(a)に示すように、モジュール12と光デバイス20とを予め定められた位置に配置する。そして、図5(b)に示すように、モジュール12の導入部114に沿って光デバイス20の凸状レンズ200をスライドさせると、凸状レンズ200の表面の一部であるレンズ外縁200aと突きあて領域端部116とが接触する。更に、光透過部表面210aの所定の領域とモジュール表面112の所定の領域とが接触する。
【0043】
これにより、光素子230の光軸及び凸状レンズ200の光軸が、モジュール12の空洞部110の所定の位置に所定の誤差範囲内で収まった状態で、モジュール12に光デバイス20が保持される。続いて、光デバイス20を保持しているモジュール12の開口部100bに光ファイバ30を挿入する。そして、ファイバ端面300と凸状レンズ200とが接触しない配置となるように、光ファイバ30をモジュール12に固定する。これにより、第2の実施の形態に係る光コネクタ51が形成される。
【0044】
[第2の実施の形態の変形例]
図6は、第2の実施の形態の変形例に係るモジュールに、光デバイス及び光ファイバを接続した後の光コネクタ断面図を示す。
【0045】
第2の実施の形態の変形例に係る光コネクタ52は、第2の実施の形態に係るモジュール12とは、光デバイス20の保持の仕方が異なる点を除き略同一の構成を有するので、相違点を除き詳細な説明は省略する。
【0046】
第2の実施の形態の変形例に係る光コネクタ52は、変形例に係るモジュール12aに光デバイス20が挿入されて形成される。具体的には、変形例に係るモジュール12aは、光透過部210の外径形状の少なくとも一部に合わせた形状を有して形成される光デバイス挿入部118を備える。そして、光デバイス20は、導入部114aに沿ってスライドされて、光デバイス挿入部118に挿入される。光デバイス20は、モジュール12aに包囲されるように保持される。続いて、凸状レンズ200のレンズ外縁200aが突きあて領域116と接触することにより、凸状レンズ200の光軸と光ファイバ30の光軸との位置が合わされる。
【0047】
[第3の実施の形態]
図7は、本発明の第3の実施の形態に係るモジュール、光ファイバ、及び光デバイスの斜視図を示す。
【0048】
第3の実施の形態に係る光デバイス21は、凸状レンズ200が形成される光透過部表面210aに、突起又は窪みが更に形成される点を除き、第1及び第2の実施の形態に係る光デバイス20と略同一の構成を有する。また、第3の実施の形態に係るモジュール13は、光デバイス21の光透過部表面210aと接するモジュール表面112の所定の位置に窪み又は突起を有する点を除き、第1の実施の形態に係るモジュール10と略同一の構成を有する。したがって、相違点を除き詳細な説明は省略する。
【0049】
第3の実施の形態に係る光デバイス21は、光透過部表面210aの所定の位置に、光デバイス側嵌め合わせ部としての丸型凸部260aと丸型凸部260bとを有する。丸型凸部260aと丸型凸部260bとは、一例として、凸状レンズ200が形成される光透過部表面210aの頂角の近傍にそれぞれ形成される。また、モジュール13のモジュール表面112には、丸型凸部260aと丸型凸部260bとに対応させて、モジュール側嵌め合わせ部としての凹部130aと凹部130bとがそれぞれ形成される。
【0050】
なお、突起としての丸型凸部は、光透過部表面210a上に少なくとも1つ形成されればよく、光透過部表面210a上に形成される丸型凸部の数、及び形成される位置は上記の実施形態に限られない。また、凹部130a及び凹部130bの形状は、丸型凸部260a及び丸型凸部260bの形状に完全に一致させて形成させなくてもよい。すなわち、凹部130a及び凹部130bはそれぞれ、丸型凸部260a及び丸型凸部260bの外形の形状と同一、あるいは丸型凸部260a及び丸型凸部260bの外形の形状よりも所定寸法だけ大きく形成することができる。
【0051】
図8は、本発明の第3の実施の形態に係るモジュールと光デバイス及び光ファイバとの接続を示す。図8(a)にモジュール、光デバイス、及び光ファイバの接続前の断面図を示すと共に、図8(b)に接続後の断面図を示す。
【0052】
まず、図8(a)に示すように、モジュール13と光デバイス21とを予め定められた位置に配置する。そして、図8(b)に示すように、モジュール13の開口部100aに光デバイス21の凸状レンズ200を挿入すると、凸状レンズ200のレンズ外縁200aと開口部外縁101とが接触する。続いて、光透過部表面210aとモジュール表面112とが接触すると共に、丸型凸部260aが凹部130aに嵌め合わされる。これにより、第3の実施の形態に係る光コネクタ53が形成される。
【0053】
なお、光透過部表面210aとモジュール表面112とが接触すると共に、丸型凸部260aの表面と凹部130aの表面及び丸型凸部260bの表面と凹部130bの表面とが接触するので、光デバイス21とモジュール13とが接触する領域が増大する。したがって、光透過部表面210aとモジュール表面112とを所定の接着剤によって接着させる場合には、接着剤が塗布される領域が増大することとなる。
【0054】
[第3の実施の形態の変形例]
図9の(a)から(c)は、本発明の第3の実施の形態の変形例に係る光デバイスのそれぞれの正面図を示す。
【0055】
第3の実施の形態の変形例に係る光デバイス21a、光デバイス21b、及び光デバイス21cはそれぞれ、光透過部表面210aの所定の位置に形成される光デバイス側嵌め合わせ部としての突起又は窪みの形状が異なる点を除き、第3の実施の形態に係る光デバイス21と略同一の構成を有する。したがって、相違点を除き詳細な説明は省略する。
【0056】
まず、図9(a)を参照すると、第3の実施の形態に係る光デバイス21においては光透過部210の表面に突起状の丸型凸部260a及び丸型凸部260bがそれぞれ形成されるところ、第3の実施の形態の変形例に係る光デバイス21aにおいては、窪み状の丸型凹部261a及び丸型凹部261bがそれぞれ形成される。一方、光デバイス21aを保持するモジュールには、丸型凹部261a及び丸型凹部261bに対応させて突起状の凸部が形成される。
【0057】
また、図9(b)を参照すると、変形例に係る光デバイス21bの光透過部210の表面には、突起状の三角型凸部262a及び三角型凸部262bが形成される。一方、光デバイス21bを保持するモジュールには、三角型凸部262a及び三角型凸部262bに対応させて窪み状の凹部が形成される。更に、図9(c)を参照すると、変形例に係る光デバイス21cの光透過部210の表面には、突起状の角型凸部263a及び角型凸部263bが形成される。一方、光デバイス21cを保持するモジュールには、角型凸部263a及び角型凸部263bに対応させて窪み状の凹部が形成される。
【0058】
なお、光デバイスの光透過部210の表面に形成される突起の形状は上記の実施の形態及びその変形例に係る形状に限られない。すなわち、光デバイス側に所定形状の突起を形成する場合には、当該光デバイスを保持するモジュールには当該突起に対応させた形状の窪みを形成する。また、モジュール側に所定形状の突起を形成する場合には、当該モジュールが保持する光デバイスには当該突起に対応させた形状の窪みを形成する。更に、光デバイスには一の突起と一の窪みとを形成することができ、当該光デバイスを保持するモジュールには一の突起に対応する他の窪みと、一の窪みに対応する他の突起とを形成することもできる。
【0059】
[第4の実施の形態]
図10は、本発明の第4の実施の形態に係るモジュールと光デバイス及び光ファイバとの接続を示す。図10(a)にモジュール、光デバイス、及び光ファイバの接続前の断面図を示すと共に、図10(b)に接続後の断面図を示す。
【0060】
第4の実施の形態に係る光デバイス22は、光デバイス20の光透過部210を含む部分がいわゆる砲弾形状を有するものであり、その他の構成は第1の実施の形態と同様である。したがって、相違点を除き詳細な説明は省略する。
【0061】
図10(a)を参照すると、第4の実施の形態に係る光デバイス22において光素子230は、端子a224と端子b225とを有するリードフレームに搭載される。光素子230は、ワイヤ250dを介して、端子b225と電気的に接続される。そして、光素子230を含むリードフレームの一部分が、光透過性樹脂又は低融点ガラスによって封止され、砲弾型のレンズ部219が形成される。更に、レンズ部219の端子a224及び端子b225が露出している側には縁部219bが形成され、縁部219bとレンズ部219との境界にレンズ部外縁219aが形成される。なお、光素子230への電力は、端子a224又は端子b225を介して供給される。
【0062】
図10(b)を参照すると、光デバイス22をモジュール10の開口部100aに挿入した場合に、レンズ部外縁219aがモジュール10の開口部外縁101と接触することにより、レンズ部219の光軸及び光素子230の光軸と、光ファイバ30の光軸との位置が合わされる。第4の実施の形態においては、光デバイス22のレンズ部219の断面形状が円形であるので、レンズ部219の光軸及び光素子230の光軸と、光ファイバ30の光軸との位置を一致させることが容易となる。
【0063】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組み合わせの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】第1の実施の形態に係るモジュール、光ファイバ、及び光デバイスの斜視図である。
【図2】(a)は、第1の実施の形態に係る光デバイスの正面図であり、(b)は、第1の実施の形態に係る光デバイスのA−A線における側面断面図である。
【図3】第1の実施の形態に係るモジュールと光デバイス及び光ファイバとの接続を示す図であり、(a)は、モジュール、光デバイス、及び光ファイバの接続前の断面図であり、(b)は、接続後の断面図である。
【図4】第2の実施の形態に係るモジュール、光ファイバ、及び光デバイスの斜視図である。
【図5】第2の実施の形態に係るモジュールと光デバイス及び光ファイバとの接続を示す図であり、(a)は、モジュール、光デバイス、及び光ファイバの接続前の断面図であり、(b)は、接続後の断面図である。
【図6】第2の実施の形態の変形例に係るモジュールに、光デバイス及び光ファイバを接続した後の光コネクタ断面図である。
【図7】第3の実施の形態に係るモジュール、光ファイバ、及び光デバイスの斜視図である。
【図8】第3の実施の形態に係るモジュールと光デバイス及び光ファイバとの接続を示す図であり、(a)は、モジュール、光デバイス、及び光ファイバの接続前の断面図であり、(b)は、接続後の断面図である。
【図9】(a)から(c)は、第3の実施の形態の変形例に係る光デバイスのそれぞれの正面図である。
【図10】第4の実施の形態に係るモジュールと光デバイス及び光ファイバとの接続を示す図であり、(a)は、モジュール、光デバイス、及び光ファイバの接続前の断面図であり、(b)は、接続後の断面図である。
【符号の説明】
【0065】
10、12、12a、13 モジュール
20、21、21a、21b、21c、22 光デバイス
30 光ファイバ
40 回路基板
50、51、52、53、54 光コネクタ
100a、100b 開口部
101 開口部外縁
110 空洞部
112 モジュール表面
114、114a 導入部
116 突きあて領域
116a 突きあて領域端部
118 光デバイス挿入部
130a、130b 凹部
200 凸状レンズ
200a レンズ外縁
210 光透過部
210a 光透過部表面
211 リードフレーム
219 レンズ部
219a レンズ部外縁
219b 縁部
220a、220b 前列端子
222a、222b、222c、222d 後列端子
224 端子a
225 端子b
230 光素子
240 駆動IC
250a、250b、250c、250d ワイヤ
260a、260b 丸型凸部
261a、261b 丸型凹部
262a、262b 三角型凸部
263a、263b 角型凸部
300 ファイバ端面
400 配線パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光素子と、前記光素子が受発光する光が通過する集光部とを有する光デバイスと、
前記光を伝播する光導波路が挿入される開口部と、前記開口部と空間を隔てて設けられ、前記集光部の少なくとも一部の表面で前記光デバイスを支持し、前記光素子の光軸と前記光導波路の光軸との位置を合わせる支持部とを有するモジュールとを備える光コネクタ。
【請求項2】
前記モジュールは、前記支持部が前記集光部の外部形状の少なくとも一部に対応する形状を有する請求項1に記載の光コネクタ。
【請求項3】
前記モジュールは、円筒形の空洞部の一の端部に前記開口部を有すると共に、前記空洞部の他の端部に前記支持部を有し、
前記光デバイスは、前記空洞の内径と略一致する外径の前記集光部を有し、
前記支持部は、前記空洞部の前記他の端部に挿入された前記集光部を支持することにより前記光デバイスを支持する請求項1又は2に記載の光コネクタ。
【請求項4】
前記光デバイスは、前記集光部が形成される領域を除く領域に光デバイス側嵌め合わせ部を更に有し、
前記モジュールは、前記光デバイスの前記光デバイス側嵌め合わせ部に対応するモジュール側嵌め合わせ部を更に有し、
前記光デバイスが前記支持部において支持されると共に、前記光デバイス側嵌め合わせ部と前記モジュール側嵌め合わせ部とが互いに嵌め合わされる請求項1に記載の光コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−63632(P2009−63632A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−228982(P2007−228982)
【出願日】平成19年9月4日(2007.9.4)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】