説明

光スキャナの製造方法

【課題】 複雑で高価な工法を用いることなく、光スキャナ素子構造の破損を防止しながら光スキャナ素子を個片として加工できる光スキャナの製造方法を提供する。
【解決手段】 光スキャナ素子1を形成する加工ウエハ11の表面を加工する際に、光スキャナ素子1をチップとして個片化するためのダイシングストリート12を形成する工程と、加工ウエハ11が光スキャナ素子1の可動部に対応したキャビティ13を有する支持基板14を加工ウエハ11の一方の表面に仮接合する工程と、加工ウエハ11の仮接合面と反対側の面を粘着フィルム16に貼り付け、仮接合に用いた部材15の接合力を消失させて加工ウエハから支持基板14を剥離する工程と、粘着フィルム16をエキスパンドさせた後、光スキャナ素子1をピックアップしてパッケージングする工程とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MEMS(micro electro mechanical systems)技術を用いた光スキャナの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像表示装置の一形態として、光偏向器を用いて光源からの光を偏向してスクリーンに投影し、スクリーン上に画像を映し出すようにしたプロジェクションディスプレイが提案されている。光偏向器は、例えば、半導体プロセスやマイクロマシン技術で製造されるMEMSデバイスを用いて構成される。光偏向器に用いられるMEMSデバイスとしては、半導体基板上にミラーや圧電アクチュエータ等の機構部品を一体的に形成したMEMS光スキャナが挙げられる。
【0003】
このMEMS光スキャナでは、圧電アクチュエータの一端が枠部(支持部)に連結されて支持され、圧電アクチュエータが発生したトルクを他端に連結されたトーションバー(弾性梁)に伝え、トーションバーの先に備え付けられたミラーを揺動駆動する。このような光スキャナは、小型で簡単な構造で大きな駆動力が得られるという利点がある。その製造に際して、MEMSデバイスとしての光スキャナ素子は、シリコンウエハを一括でパターン加工した後にダイシング工程により個片として切り出され、その後セラミック等のパッケージに実装されて製品となる。
【0004】
従来知られているMEMS光スキャナ素子の構造は、直径1mm程度の円形ミラーを細いトーションバーで支持してアクチュエータに連結し、アクチュエータの作動でトーションバーが捩れることによりミラーを揺動させるものである。この揺動ミラーにレーザ光線を照射することによって1次元又は2次元の走査光線が得られる。このミラーの揺動を妨げないようにミラーの周辺には比較的広い空間が設けられている。
【0005】
このような構造のMEMS光スキャナ素子に対して、ダイシング工程で一般的に用いられる保護テープを貼り付けると、後で同テープを剥離する際に光スキャナ素子の構造が壊れてしまうという不具合が多発する。また、テープを使わず、レジストを塗布して保護層とした場合でも、後の工程でレジストを除去する際に光スキャナ素子の構造が破損する不具合が多発する。
【0006】
このような不具合をなくすための手段として、ウエハレベルでガラスウエハ等と接合しておいてミラーの揺動空間を確保してからダイシングするウエハレベルパッケージ技術が開発されている(例えば、下記の特許文献1参照)。この技術によれば、ダイシング工程において素子構造が破損する不具合はなくなるが、次のような問題がある。
【0007】
まず、ガラスウエハでサンドイッチされた状態でダイシングカットされることにより、チッピングによる割れや欠けという不具合が生じる場合がある。そのため、不良チップも含めて一括でパッケージを形成するためにパッケージとしての良品率が低下することになる。
【0008】
また、ウエハレベルパッケージのために、光スキャナ素子にシリコン貫通電極(TSV)を形成するか或いはガラスウエハに貫通電極を形成する必要があり、工程が複雑になるとともに製造コストも増大する。
【0009】
更に、MEMS光スキャナ素子のミラーに近接した形でガラス封止した場合には、レーザ光線を同ミラーに入射するとガラス面での反射光が迷光となって、投影画像の表示品質を低下させる恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2005−19966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記のように、保護テープに貼り付けてダイシングした後に同テープをエキスパンドする際又は剥離する際に、MEMS光スキャナのミラー又はトーションバーが破損してしまうという従来の問題点に鑑み、本発明は、ウエハレベルパッケージ等の複雑で高価な工法を用いずに、光スキャナ素子構造の破損を防止しながら各素子を個片として加工できる光スキャナの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、反射面を有するミラー部と、給電により該ミラー部を駆動するアクチュエータと、前記アクチュエータに給電するための複数の電極とを備えた光スキャナの製造方法であって、
前記光スキャナを形成する加工ウエハの一方の表面を所定の光スキャナ素子パターンに従って加工する際に、光スキャナ素子をチップとして個片化するためのダイシングストリートを形成する工程と、
前記加工ウエハが前記光スキャナ素子のミラーを中心とする可動部に対応したキャビティを有する支持基板を、前記可動部が前記キャビティの内側に位置して当該支持基板に接触しないように前記加工ウエハの一方の表面に仮接合する工程と、
前記加工ウエハのもう一方の表面を所定の光スキャナ素子パターンに従って加工する際に、前記光スキャナ素子をチップとして個片化するためのダイシングストリートを形成する工程と、
前記加工ウエハが前記支持基板に仮接合された状態で、前記加工ウエハの仮接合面と反対側の面を粘着フィルムに貼り付け、仮接合に用いた部材の接合力を消失させて前記加工ウエハから前記支持基板を剥離する工程と、
前記粘着フィルムをエキスパンドさせた後、各光スキャナ素子をピックアップしてパッケージングする工程とを備えることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、光スキャナのミラーを中心とする可動部に対応したキャビティを有する支持基板を加工ウエハに仮接合した状態で、可動部が他に接触することなく、光スキャナ素子が個片化されるので、製造時に素子構造が破損することがない。また、ダイシングテープや保護剤を用いたり、ウエハレベルパッケージ等の複雑で高価な工法を用いないので、従来より低いコストで光スキャナ素子構造の破損防止と個片化を達成できる。
【0014】
また、本発明の方法で作製した光スキャナ素子をピックアップして、ダイボンド工程の前にテスティングを実施し、良品素子と不良素子とを選別し、良品素子のみを光スキャナパッケージとして仕上げることができる。
【0015】
本発明において、前記加工ウエハと前記支持基板との仮接合に用いる接合部材は、紫外線の照射又は加熱によって硬化し、温水又は溶剤に浸すことによって剥離する材料からなることが好ましい。
【0016】
更に、支持基板は、洗浄処理によって繰り返し使用可能なガラス又は石英からなることが好ましい。これにより、製造コストをより低減することができる。
【0017】
本発明の製造方法によれば、光スキャナを形成するウエハを加工する際にダイシング工程も兼用させるので、製造工程を短縮できるとともに、ダイシングストリート幅を従来のものより大幅に(例えば10μm以下に)短縮することができ、従来の方法に比べて、同じウエハサイズから取れるMEMS光スキャナチップの数が増大する。
【0018】
また、本発明では、個片化工程中に支持基板に仮接合するだけで、ウエハレベルパッケージが前提ではないので、MEMS光スキャナ素子構造は、シリコン貫通電極を形成する必要がなく、一般的な電極構造でよい。このため、歩留りが良いと共に低コストである。
【0019】
更に、パッケージング工程の前に各チップのテスティングによって不良チップの選別が可能であり、レーザ光の迷光が気になる例では、封止ガラスを設けない大気開放型のパッケージ形態を選択することも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態の製造工程を示す図。
【図2】実施例の方法で製造されるMEMS光スキャナの例を示す図で、(A)は表面側から見た斜視図、(B)は(A)のB−B線に沿った模式的断面図。
【図3】実施例の製造工程を示す図。
【図4】図3に続く製造工程を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図1を参照して、本発明の実施形態のMEMS光スキャナ製造方法について説明する。なお、図においては、理解しやすくするためにMEMS光スキャナの電極、配線、層間絶縁膜、アクチュエータ及びミラーの作製工程は省略し、SOIウエハのシリコン加工の部分のみを示している。
【0022】
まず、図1(a)に示すように、例えば後述する実施例の光スキャナ素子1の構造パターンに従って、MEMS光スキャナを形成するウエハ11の表面側のSOI層11aをDeep-RIE装置で深掘エッチング加工する際、各光スキャナ素子1間のダイシングストリート12も、同時にDeep-RIEによって加工する。
【0023】
ここで、Deep-RIE(Reactive Ion Etching)とは、「Boschプロセス」と称されるエッチングと側壁保護とを交互に繰り返すことにより、シリコンウエハを垂直に深堀(数100μm深さに)加工する技術である。
【0024】
次に、図1(b)に示すように、MEMS光スキャナのミラーを含む揺動空間に対応したキャビティ13を有するガラスウエハなどの透明な支持基板14に、仮接合用の部材(仮接合材)15を予め接着しておき、これと加工ウエハ11とを位置合わせしながら接合する。その際、光スキャナのミラーやトーションバーなどの可動部が支持基板14に接触しないようにするため、前記キャビティ13が形成される。
【0025】
透明な支持基板14としては、洗浄処理によって繰り返し使用可能なガラス板や石英が用いられる。
【0026】
また、仮接合材15としては、紫外線の照射で硬化する材料からなる紫外線硬化型テープ、熱硬化型テープ、レジスト、ワックス、接着剤などが用いられる。また、仮接合材15は、60°C〜90°Cの温水又は溶剤に浸すことによって剥離する材料で、剥離後は加工ウエハ11の表面に残渣が残らないことが好ましい。
【0027】
その後、図1(c)に示すように、加工ウエハ11の裏面側のHandleウエハ11bを上記光スキャナの所定の構造パターンに従ってDeep-RIE加工する。この時、裏面側のダイシングストリート12も同時に加工する。
【0028】
Handleウエハ11bのシリコンエッチングが完了した後、BOX層と呼ばれる埋込みSiO2層をドライエッチングで除去する。これにより、加工ウエハ11の表面側SOI層11aに予め形成しておいたダイシングストリート12と裏面側から形成したダイシングストリート12が連通し、各光スキャナ素子1が個片として分離された形になる。ただし、加工ウエハ11のSOI層11a側の非可動部が仮接合材15によって支持基板14に仮接合されているので、各光スキャナ素子1がバラバラになることはない。
【0029】
その後、図1(d)に示すように、加工ウエハ11の裏面Handleウエハ11b側をリムに張った粘着シート16上に貼り付ける。
【0030】
最後に、図1(e)に示すように、仮接合材15の粘着力を加熱処理等によって消失させて、支持基板14をMEMS光スキャナ加工ウエハ11から剥離する。その後、リムに張った粘着シート16ごとエキスパンド処理をすることにより、各光スキャナ素子間のダイシングストリート間隔を拡げて、後工程であるダイボンド工程におけるピックアップが可能な状態とする。
【0031】
なお、ピックアップのためには、加工ウエハ表面に対する各光スキャナ素子の切断面の角度は90°±0.2°で、前記ダイシングストリートのうねりが±2μm以内であることが好ましい。
【0032】
その後、ダイボンド工程の前にテスティングを実施し、良品素子と不良素子との選別マーキングを行い、良品素子のみをパッケージ品として仕上げることができる。
【0033】
上記実施形態では、ダイヤモンド刃やレーザ光線によるダイシングでなく、Deep-RIEでウエハ表面のSOI層11aにダイシングストリート12を形成したMEMS光スキャナ加工ウエハ11を、各光スキャナ素子1のミラー揺動空間に対応したキャビティ13付きの支持基板14に仮接合し、裏面のHandleウエハ11bをDeep-RIE加工するとき同時に裏面側のダイシングストリート12も形成し、その後ドライ又はウエットプロセスでBOXのSiO2層を除去した後、裏面側をリムに張った粘着シート16上に貼り付け、仮接合に使った接着層の粘着力を消失させて、仮接合した支持基板14を剥離する。そして、リムに張った粘着シート16をエキスパンドすると、MEMS光スキャナ素子1がピックアップ可能な状態に個片化される。
【0034】
上記のように、MEMS光スキャナ加工ウエハ11のダイシングストリート12を光スキャナの素子構造の形成と同時にDeep-RIE加工すること、及び加工ウエハ11に光スキャナのミラー等の可動部に物が接触しないようにキャビティ13を設けた支持基板14を仮接合することにより、素子構造の破損がなく、かつダイシング時のチッピング不良もなく、MEMS光スキャナ素子の個片化を実現できる。
【0035】
また、MEMS光スキャナのミラーを中心とした可動部の形成に用いられるDeep-RIEドライエッチング工程時に、各チップを個片化するためのダイシングストリートも同時にエッチング加工することにより、前述した従来のダイシング時の問題点を解決することができる。
【0036】
また、Deep-RIE工程にダイシング工程も兼用するので、全製造工程を短縮できるとともに、ダイシング刃によるストリート幅が通常100μm程度であるのに対して、実施形態の工程では、ダイシングストリートの幅を10μm以下に短縮することができ、同じウエハサイズから取れるMEMS光スキャナ素子の数も増大する。
【0037】
更に、従来のウエハレベルパッケージと異なり、パッケージングの前にテスト可能であるから、不良素子までもパッケージの形にしてしまうことがなく、効率の良い生産が可能である。
【0038】
[実施例]
以下、図2に示すMEMS光スキャナ素子1を、図3及び図4に示す工程で作製する実施例について説明する。
【0039】
光スキャナ素子1は、反射面を有するミラー部2と、他の回路からの給電によりミラー部2を、素子の表面側において直交する2方向の軸x,yの周りに回転するように駆動する圧電アクチュエータ3,4と、各圧電アクチュエータに接続した複数の電極5を表面に配置したフレーム6とを備える圧電駆動型の2軸MEMS光スキャナを構成するものであり、アクチュエータには、圧電材料であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の薄膜が用いられる。
【0040】
本実施例では、基板として、SOI層の厚み50μm、BOX酸化膜層の厚み2 μm、Handle層の厚み400μmのSOIウエハを用いた。
【0041】
まず、図3(A)に示すように、SOIウエハ21の両面に拡散炉によって厚さ500nmの熱酸化シリコン膜22を形成する。
【0042】
次に、図3(B)に示すように、SOIウエハ21の表面側にスパッタ法によってTi膜23及びPt膜24をそれぞれの厚みが50、150 nmになるように順次成膜し、下部電極を形成する。次に、反応性アーク放電イオンプレーティング法により、圧電材料であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の膜を厚み3μmで前記下部電極上に成膜し、圧電PZT膜25を形成する。その後、スパッタ法により圧電PZT膜25上にPt膜26を厚み150 nmで成膜して上部電極を形成する。
【0043】
次に、図3(C)に示すように、基板表面にフォトリソ技術及びドライエッチング技術により、図2に示す非共振でミラー部の可動外枠を駆動する連結圧電アクチュエータ(以下、第一アクチュエータという)3、及び共振でミラー部を駆動する内側の圧電アクチュエータ(以下、第二アクチュエータという)4に対応するパターンを形成する。
【0044】
詳細には、上部電極のPt膜26とPZT膜25のパターニングを行い、第一アクチュエータ3に対応する上部電極及び圧電PZT膜と、第二アクチュエータ4に対応する上部電極及び圧電PZT膜のパターンを形成する。同様に、下部電極とその下の酸化シリコン膜もパターニングを行い、第一アクチュエータ3と第二アクチュエータ4のパターンを作製する。
【0045】
その後、図3(D)に示すように、ウエハ表面全体にプラズマCVDで厚み500 nmの酸化シリコン膜27を形成する。
【0046】
次に、図4(E)に示すように、基板表面にフォトリソでレジストパターンを形成して、ドライエッチングで酸化シリコン膜27の一部を除去し、下部電極及び上部電極に対応するコンタクトホール28を形成し、単結晶シリコンを加工する箇所の酸化シリコンをドライエッチングで除去する。
【0047】
続いて、図4(F)に示すように、フォトリソでレジストパターンを形成してからAlCu(1%Cu)膜29をスパッタ成膜し、リフトオフにより配線パターンを形成する。すなわち、AlCu膜の配線を介して、PZTアクチュエータ3,4の下部電極と上部電極を光スキャナ外周部の電極パッド5(図2)に電気的に接続する。
【0048】
次に、図4(G)に示すように、フォトリソでレジストパターンを形成してからTi、Agを順次スパッタ成膜し、リフトオフによってマイクロミラー2の反射層を形成する。そして、同様にリフトオフ手法を用いて、図4(H)に示すようにAu電極パッド30を形成する。
【0049】
その後、図1の実施形態で説明したように、ウエハ21のSOI層及びHandle層を所定のパターンに従ってDeep-RIE加工すると同時にダイシングストリートも同時に加工する。SOI層の加工後に透明支持基板に位置合わせしながら仮接合することにより、MEMS光スキャナ素子の可動部に接触しないで、Handle層の加工を実施することができる。
【0050】
その後、テスティングによってPZT膜及び配線の電気特性を評価して不良素子にマーキングした後、良品素子のみをセラミックパッケージに実装して、MEMS光スキャナパッケージが完成する。本実施例では、最も単純な大気開放型のパッケージ形態とした。光源からのレーザ光は直接、MEMS光スキャナの可動ミラー2で反射走査され、画像投影に利用される。
【0051】
上記のように作製したMEMS光スキャナパッケージに対して、水平軸走査用の共振アクチュエータ4にVpp = 20V、駆動周波数(共振周波数)27kHzの交流電圧を印加し、垂直軸走査用の非共振アクチュエータ3にはVpp = 20V、駆動周波数60Hzの交流電圧を印加したところ、水平軸で±13°、垂直軸で±9°の機械的振れ角が観測された。
【0052】
本実施例の製法では、ダイシング工程でのミラー周辺部のダメージがないため、ウエハ内の良品率は90%を超え、振れ角と共振周波数のばらつきも±3%以内と非常に良好な歩留りを示した。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、以下の機器に使用される光スキャナの製造方法として好適である。
【0054】
・ モバイル機器搭載の超小型レーザプロジェクタ
・ ゲーム等の映像娯楽システム用レーザプロジェクタ
・ 車載用ヘッドアップディスプレイ
・ 車載インパネ用リアプロジェクションディスプレイ
・ 車載Aピラー用プロジェクションディスプレイ
【符号の説明】
【0055】
1・・・光スキャナ素子、2・・・ミラー部、3,4・・・圧電アクチュエータ、5・・・電極、6・・・フレーム、11・・・加工ウエハ、12・・・ダイシングストリート、13・・・キャビティ、14・・・支持基板、15・・・仮接合材、16・・・粘着フィルム。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
反射面を有するミラー部と、給電により該ミラー部を駆動するアクチュエータと、前記アクチュエータに給電するための複数の電極とを備えた光スキャナの製造方法であって、
前記光スキャナを形成する加工ウエハの一方の表面を所定の光スキャナ素子パターンに従って加工する際に、光スキャナ素子をチップとして個片化するためのダイシングストリートを形成する工程と、
前記加工ウエハが前記光スキャナ素子のミラーを中心とする可動部に対応したキャビティを有する支持基板を、前記可動部が前記キャビティの内側に位置して当該支持基板に接触しないように前記加工ウエハの一方の表面に仮接合する工程と、
前記加工ウエハのもう一方の表面を所定の光スキャナ素子パターンに従って加工する際に、前記光スキャナ素子をチップとして個片化するためのダイシングストリートを形成する工程と、
前記加工ウエハが前記支持基板に仮接合された状態で、前記加工ウエハの仮接合面と反対側の面を粘着フィルムに貼り付け、仮接合に用いた部材の接合力を消失させて前記加工ウエハから前記支持基板を剥離する工程と、
前記粘着フィルムをエキスパンドさせた後、各光スキャナ素子をピックアップしてパッケージングする工程と
を備えることを特徴とする光スキャナの製造方法。
【請求項2】
前記光スキャナ素子をピックアップして、ダイボンド工程の前にテスティングを実施し、良品素子と不良素子とを選別し、良品素子のみを光スキャナパッケージとして仕上げることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記支持基板と前記加工ウエハとの仮接合に用いる接合部材は、紫外線の照射又は加熱によって硬化し、温水又は溶剤に浸すことによって剥離する材料からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記支持基板は洗浄処理によって繰り返し使用可能なガラス又は石英からなることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の製造方法。


【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−76781(P2013−76781A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−215622(P2011−215622)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】