説明

光伝送装置

OADM機能の品質及び信頼性の向上を図り、柔軟性に富んだ経済的なOADMネットワークの構築を実現する。波長可変フィルタ(11)は、制御周波数にもとづいて、波長を可変に選択する。フィルタ制御部(12)は、信号帯域全体に渡って波長スキャンさせた制御周波数を波長可変フィルタ(11)に印加して、受信した基準波長モニタ信号(m0)により、波長可変フィルタ(11)が基準波長を選択する際の基準制御周波数を認識して波長合せを行い、波長選択要求の受信時には、基準波長と選択すべき目的の波長との相対位置から基準制御周波数にもとづいて目的制御周波数を求めて波長可変フィルタ(11)に印加する。基準波長フィルタ(21)は、基準波長を透過させる。受光素子(22)は、透過した基準波長をモニタして基準波長モニタ信号(m0)を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は光伝送装置に関し、特にWDM(Wavelength Division Multiplex)の光信号の伝送を行う光伝送装置に関する。
【背景技術】
インターネット・トラフィックを中心とするデータ通信需要の爆発的な増大に伴い、バックボーンネットワークの大容量化、超長距離化が求められている。また、ユーザの利用するサービスも多種多様となることから高信頼で柔軟性に富み、経済的なネットワークも同時に実現することが求められている。
特に光通信ネットワークは、情報通信ネットワークの基盤形成の核となるもので、一層のサービスの高度化、広域化が望まれており、情報化社会に向けて急速に開発が進んでいる。また、光伝送システムの中心技術としては、WDM技術が広く用いられている。WDMは、波長の異なる光を多重して、1本の光ファイバで複数の信号を同時に伝送する方式である。
WDM伝送を行うノードでは、光波長領域の光パス単位で様々な処理を行うために、光信号を電気信号に変換せずに、特定の波長の光信号を分岐(Drop)したり、挿入(Add)したりするOADM(Optical Add Drop Multiplex)の制御が行われる。
OADMを実現するためには、波長多重されているWDM信号の中から所望の波長を可変に選択できる波長可変フィルタが必要である。波長可変フィルタとしては、AOTF(Acousto−Optic Tunable Filter:音響光学フィルタ)が広く使用されている。
AOTFは、音響光学効果(物質中または物質表面に励起された音波によって光が回折を受ける効果)によって光導波路に屈折率変化を誘起して、光導波路を伝播する光の偏波状態を回転させてスペクトル成分を分離・選択することで、所望の波長のフィルタリングを行う。AOTFは、印加される音波周波数(RF:Radio Frequency)の値を可変することで、広い範囲でチューニングができるため、OADMを構築するための有力なデバイスとなっている。
一方、光通信ネットワークにおいては、光通信の信頼性を保つため、光信号の導通試験を行っている。光導通試験は、特定の光信号が所定の地点まで到達しているか否かを試験するもので、例えば、光ループバック試験などが行われている。光ループバックは、送信した光信号を所定の地点で折り返して、折り返し受信ができるか否かを判断し、折り返し地点までの導通状態を判断する。このような導通試験を行うことで、装置及び通信線路の障害点の探索を遠隔から行うことができ、保守点検の効率を高めることができる。
従来の光導通試験の制御として、1入力2分岐出力の1×2光スイッチを光通信路に設けて、試験時にはループバック経路に接続を切り替えて導通試験を行う技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】 特開平9−18421号公報(段落番号〔0024〕〜〔0026〕、第4図)
AOTFを用いた従来の波長選択では、各ノードから送られてくる波長チャネル情報にもとづき、RF信号による波長スキャンを行って、ピークの個数を数えることにより所望の波長に合わせてフィルタリングを行っている。これは、AOTFの選択波長の温度依存性が1℃あたり約0.7nmと大きく、絶対波長(揺らぎのない波長軸上固定的な波長)を検出する機能がないことに起因している。
このように、AOTFを用いた従来の波長選択では、波長ピークを数えることで所望の波長を検出しているため、サイドピークなどのノイズを波長信号として見誤ってしまうおそれがあった。サイドピークを実質のピークと認識してしまうと、目的のノードとの接続ができず、誤って目的外のノードと接続してしまうなどの問題を発生させる原因となる。
なお、絶対波長を測定する方法として、任意の波長の絶対波長を検出する装置が製品化されており(例えば、横河電機製のWDMモニタ(WD200)等)、このような製品を使って波長選択制御を実行することも考えられるが、このような装置は、回折格子による波長分離とPDアレイを組合せたもので構成され、高コストであり(1個あたり100万円以上)、また装置規模も大きいため(170×220×28mm)、低コスト化、小型化を要求されるメトロネットワークやアクセス網上のノードには適用することはできない。
一方、光導通試験に対し、従来技術(特開平9−18421号公報)の構成でループバックを行うと、スイッチによる切替えで通信経路が断たれてしまうので、特定の波長のみの導通試験を行うことができないといった問題があった。
例えば、λ1〜λ8の波長が多重されているWDM信号に対し、λ1だけの導通試験を行おうとしても、従来の場合ではスイッチにより線路自体を切り替えてしまうので、λ1〜λ8すべての波長を折り返してしまうことになり、λ2〜λ8で通信を行っているノードがある場合、これらのノードの接続を断してしまうといった問題があった。
一方、OADMノードでは、任意の波長に対して分岐・挿入(Add/Drop)可能であることがネットワークを柔軟に運営するために重要である。この場合、所望の波長を選択分離するネットワークの運営時に、Addする波長を間違えると、目的と異なるノードにデータが送信されることになり、誤って送信されたデータを受信したノードをダウンさせてしまうおそれがある。特に、インサービスでのユニット増設等においては、本来の使用波長に対応するユニットとは異なるユニットを増設スロットに差し込むと、ネットワークの運用に異常をきたすことになり、ネットワークとしては致命的となる。
従来のOADMネットワークには、波長監視機構がないため、Add、Dropされた波長が所望の波長であるかを自動的に認識することができなかった。また、インサービスでのユニット増設等で、間違えた波長のユニットを差し込んでいても、波長監視機構がないため、設定と異なるノードと通信していることに気が付かないおそれがあった。さらに、間違えてユニットを差し込んだ場合の防御機構(フェールセーフ機構)がないので、最悪の場合はネットワークをダウンさせてしまうといった問題があった。
【発明の開示】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、OADM機能の品質及び信頼性の向上を図り、柔軟性に富み経済的なOADMネットワークの構築を実現する光伝送装置を提供することを目的とする。
本発明では上記課題を解決するために、図1に示すような、WDMの光信号の伝送を行う光伝送装置1において、制御周波数にもとづいて、波長を可変に選択する波長可変フィルタ11と、信号帯域全体に渡って波長スキャンさせた制御周波数を波長可変フィルタ11に印加して、受信した基準波長モニタ信号m0により、波長可変フィルタ11が基準波長を選択する際の基準制御周波数を認識して波長合せを行い、波長選択要求の受信時には、基準波長と選択すべき目的の波長との相対位置から基準制御周波数にもとづいて目的制御周波数を求めて波長可変フィルタ11に印加するフィルタ制御部12と、から構成される波長選択部10と、基準波長を透過させる基準波長フィルタ21と、透過した基準波長をモニタして基準波長モニタ信号m0を生成する受光素子22と、から構成される基準波長モニタ部20と、を有することを特徴とする光伝送装置1が提供される。
ここで、波長可変フィルタ11は、制御周波数にもとづいて、波長を可変に選択する。フィルタ制御部12は、信号帯域全体に渡って波長スキャンさせた制御周波数を波長可変フィルタ11に印加して、受信した基準波長モニタ信号m0により、波長可変フィルタ11が基準波長を選択する際の基準制御周波数を認識して波長合せを行い、波長選択要求の受信時には、基準波長と選択すべき目的の波長との相対位置から基準制御周波数にもとづいて目的制御周波数を求めて波長可変フィルタ11に印加する。基準波長フィルタ21は、基準波長を透過させる。受光素子22は、透過した基準波長をモニタして基準波長モニタ信号m0を生成する。
本発明の上記および他の目的、特徴および利点は本発明の例として好ましい実施の形態を表す添付の図面と関連した以下の説明により明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の光伝送装置の原理図である。
図2は、AOTFの構成を示す図である。
図3は、AOTFの温度依存性による波長ピークの揺らぎを示す図である。
図4は、AOTFによる従来の波長選択の様子を示す図である。
図5は、サイドピークを示す図である。
図6は、OADMリングネットワークの概観を示す図である。
図7は、光伝送装置の動作を説明するための図である。
図8は、目的RFの求め方を説明するための図である。
図9は、AOTFの直前に基準波長光源を設置したノードの図である。
図10は、基準波長光源をAdd側に設置したノードの図である。
図11は、基準波長モニタ部を示す図である。
図12は、基準波長フィルタの特性を示す図である。(A)は入力光、(B)は透過光、(C)は反射光の特性を示す。
図13は、基準波長フィルタの特性を示す図である。(A)は入力光、(B)は透過光、(C)は反射光の特性を示す。
図14は、基準波長モニタ部の変形例を示す図である。
図15は、ノードの構成を示す図である。
図16は、ノードの動作を示すフローチャートである。
図17は、ノードの構成を示す図である。
図18は、ノードの動作を示すフローチャートである。
図19は、Add波長の監視を行うノードの構成を示す図である。
図20は、Add波長の監視を行うノードの構成を示す図である。
図21は、OADMリングネットワークを示す図である。
図22は、Add波長監視機能を設けた光伝送装置の構成を示す図である。
図23は、Add部の変形例である。
図24は、Add部の変形例である。
図25は、R/Aフィルタを示す図である。
図26は、R/Aフィルタの特性を示す図である。
図27は、R/AフィルタFの特性を示す図である。
図28は、光伝送装置内のAdd部の構成を示す図である。
図29は、Add波長フィルタ部の変形例を示す図である。
図30は、Add部の構成を示す図である。
図31は、Add部の構成を示す図である。
図32は、R/Aフィルタを示す図である。
図33は、R/Aフィルタの特性を示す図である。
図34は、R/AフィルタFの特性を示す図である。
図35は、R/AフィルタFの特性を示す図である。
図36は、光伝送装置内のAdd部の構成を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の光伝送装置の原理図である。光伝送装置1は、波長選択部10、基準波長モニタ部20、モニタ部30を含み、WDM信号の光伝送を行う。
波長選択部10は、波長可変フィルタ11とフィルタ制御部12を含む。波長可変フィルタ(以下、AOTF)11は、制御周波数(RF信号の周波数)にもとづいて、波長を可変に選択する。
フィルタ制御部12は、信号帯域全体に渡って波長スキャンさせたRF信号をAOTF11に印加する。そして、このとき受信した基準波長モニタ信号m0により、AOTF11が基準波長を選択する際の基準制御周波数(以下、基準RF)を認識して波長合せを行う。
また、波長選択要求の受信時には、基準波長と選択すべき目的の波長との相対位置から基準RFにもとづいて目的制御周波数(以下、目的RF)を求め、目的RFをAOTF11に印加する。AOTF11は、目的RFにより入力光信号の中から目的の波長を透過する。
基準波長モニタ部20は、基準波長フィルタ21と受光素子(以下、PD:Photo Diode)22を含む。基準波長フィルタ21は、基準波長を透過させる。PD22は、透過した基準波長をモニタして基準波長モニタ信号m0を生成する。
モニタ部30は、AOTF11を透過した波長をカプラC1を介してモニタして、モニタ信号m1を生成する。そして、フィルタ制御部12は、目的の波長をAOTF11で選択する際には、このモニタ信号m1にもとづき、目的RFの近傍でRF信号の周波数を変化させて、最適目的制御周波数(以下、最適目的RF)を設定する。
次に本発明の詳細動作を説明する前に(詳細動作は図7以降で後述)、AOTFを用いた従来の波長選択を含めて、本発明が解決すべき問題点について詳しく説明する。最初にAOTFの構成及び概略動作について説明する。
図2はAOTFの構成を示す図である。AOTF100は、圧電性結晶(ニオブ酸リチウム(LiNbO)等)である基板101に光導波路102、103が形成される(以下、LiNbOのことをLN(リチウムナイオベート)と呼ぶ)。光導波路102、103の入力端にはポートP1in、P2inが設けられ、出力端にはポートP1out、P2outが設けられる。光導波路102、103は、互いに2箇所で交叉し、交叉する部分に偏光ビームスプリッタ(PBS:Polarization Beam Splitter)104、105が設けられる。
また、光導波路102、103上には櫛形電極106が形成される。信号源107は、RF信号(およそ170〜180MHz)を発生して櫛形電極106に印加することで、弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)を発生させ、光導波路102、103の屈折率を変化させる。
ここで、ポートP1inから入力された光について見ると、TE(Transverse Electric)モードとTM(Transverse Magnetic)モードとが混在している入力光は、PBS104によってTEモード光とTMモード光とに分離され、TMモード光は、光導波路102を伝搬し、TEモード光は、光導波路103を伝播する。なお、基板101に対して水平な電界成分を有するモードの直線偏光をTEモード光(TE偏光)、基板101に対して垂直な電界成分を有するモードの直線偏光をTMモード光(TM偏光)と呼ぶ。
ここで、特定周波数のRF信号を印加して、弾性表面波を光導波路102、103に励振させると、光導波路102、103の屈折率が変化するため、入力光の内、屈折率の変化と相互作用をする波長の光のみがその偏光状態を回転させる。回転量は、各モードの光が屈折率の変化と相互作用する作用長(光導波路102、103の平行部分(平行導波路)の長さ)及びRF信号のパワーに比例する。なお、作用長は、弾性表面波を吸収するための吸収体108、109の間隔によって調整される。
したがって、作用長とRF信号のパワーとを調整することによって、光導波路102の中でTMモード光は、TEモード光に変換され、光導波路103の中でTEモード光は、TMモード光に変換される。この結果、モードを変換された光は、選択光としてPBS105によってポートP2outから出力し、モードを変換されなかった光は、透過光としてポートP1outから出力する。ポートP2inから入力した入力光も上記と同様の動作である。
AOTF100は、RF信号の周波数を変化させることによって選択・挿入・透過される光の波長を変えることができるので波長可変選択フィルタとして機能する(RF信号の周波数を変えて弾性表面波の波長を変えることにより、TE/TMモード変換を受ける光の波長を選択することができる。すなわち、偏波モードが回転する光の選択波長はRF信号の周波数によって決まる)。なお、櫛形電極106に対して周波数の異なる複数のRF信号を印加すれば、多波長を同時に選択することも可能である。
次にAOTFで絶対波長が検出できない理由と、現状のAOTFを用いた波長選択制御について説明する。最初に一般の波長検出方法について説明する。光の波長を検出するには、光の回折・干渉の性質を利用する。
回折格子に入射した光について考えると、入射した光は、格子の隙間を点光源として、球面波となり、透過(または反射)して回折し、干渉する。垂直入射の場合(説明を簡単にするため垂直入射とする)、回折角をθ、回折格子の溝の間隔をdとすれば、光路差ΔはΔ=d・sinθである。
光路差Δが波長λの整数倍となる条件を満足する方向に回折した光は、光波の山と山、谷と谷が重なり合って(位相が一致して)、強い回折光となる。条件を満足しない方向に回折した光は、山や谷の重なりが一致せず(位相が一致せず)、条件を満足する光よりも弱くなる。
垂直入射光の回折条件は、回折格子の屈折率をnとすれば、dsinθ=m・λ/n(m=0、±1、±2、…)となる。入射光の波長の位相と回折光の位相が一致したとき、回折格子の光利用効率(回折効率)が最大となり、その波長の光のみが取り出せる。なお、回折条件の上記の式から、波長選択には屈折率のパラメータが影響してくることがわかる。
一方、AOTFに対しては、RF信号によって駆動される櫛形電極によって弾性表面波を光導波路に誘導し、弾性表面波と光とを相互作用させて、弾性表面波の波長と位相整合がとれる波長を持つ、光導波路を通る光のみが、選択的にTE/TMモード変換を受けて、その結果、波長が選択される。AOTFにおいても、弾性表面波によって光導波路内に生成されたLN結晶体内の回折格子によって、特定の波長を回折させ、波長選択を行っているものである。
ただし、AOTFの場合、回折格子を生成するLN結晶の屈折率は、温度依存性を持っており、この温度依存性は1℃あたり約0.7nmと大きく、このことが絶対波長の検出を不可能としている。
図3はAOTFの温度依存性による波長ピークの揺らぎを示す図である。グラフの縦軸は光パワー、横軸は波長である。100GHz間隔(波長1550nm付近では約0.8nm間隔で波長チャネルが立っている)で波長多重(λ1〜λn)されているWDM信号の中から、例えばλ3をAOTFでフィルタリングする場合を考える。
λ3を抽出する際のRF信号の周波数をf3とすると、WDM信号が入力しているAOTFに、RF信号の周波数f3を印加することになる。ところが、ある環境でRF信号の周波数f3でλ3をフィルタリングできていたとしても、この状態から周辺温度が1℃変化すると、λ3に隣接するλ4またはλ2が検出されてしまうおそれがある。すなわち、フィルタリングすべき波長ピークが周辺温度によってシフトしてしまうので、波長ピークの波長軸上の絶対位置が定まらず、このために、絶対波長を検出することが不可能になっている。
次にAOTFを用いて現状ではどのように波長選択をしているかを説明する。AOTFではフィルタリングすべき波長ピークの絶対位置が定まらないため、AOTFを用いた現状の波長選択では、隣接ノードから送信された波長情報にもとづいて、RF信号による波長スキャンを行って、ピークの個数を数えることにより波長を検出している。
図4はAOTFによる従来の波長選択の様子を示す図である。縦軸は光パワー、横軸は波長である。WDM信号として、例えばλ5、λ7、λ9、λ11の4波をAOTFが受信しているものとする。
この場合、隣接するノードから波長情報として、波長数情報と波長チャネル情報が送信される。この場合、波長数情報は4波、波長チャネル情報はλ5、λ7、λ9、λ11それぞれのチャネル番号となる。
AOTFでは、RF信号の周波数を変えながら波長スキャンを行う。このとき、波長軸上には、λ5、λ7、λ9、λ11の波長ピークが順番に立ち、波長スキャンの範囲全体では4つの波長ピークが立つことになる(RF信号の周波数をf5にすればλ5のピークが立ち、次にRF信号の周波数をf7にすればλ7のピークが立ち、…というようにRF信号の周波数を変えていけば、4つのピークそれぞれがチャネル番号順に一つずつ個別に現れるということ)。
ここで、λ9のフィルタリングを行うものとすると、AOTFは、波長情報から、4波のλ5、λ7、λ9、λ11の波長多重信号を受信していることをあらかじめわかっているので、RF信号の周波数を変えて波長スキャンを行った際に立つ波長ピークに対し、3つ目に立つ波長ピークがλ9であることを認識できる。
すなわち、λ9をフィルタリングする際には、波長スキャンを順にしていって、最初に立つ波長ピークから数えて3つ目の波長ピークが得られるRF信号が、λ9に対応するRFとしてAOTFに印加すればよいことになる。
したがって、LN結晶の屈折率が周辺温度によって変化した場合でも所望の波長を検出できる。なぜなら、フィルタリングすべき波長が、最初の波長ピークから数えて何番目に立つ波長ピークかを判断しているので、温度変化によってピークがそれぞれシフトしたとしても、波長ピークの相対位置には関係ないからである(3番目に立つピークは、温度変化によって揺らいでも3番目に立つことにはかわりはない)。
このように、現状のAOTFを用いた波長選択では、波長情報にもとづき、波長ピークの個数を数えることでフィルタリングを行っている。しかし、このような制御だと、サイドピークなどのノイズを波長信号として見誤ってカウントしてしまうおそれがある。
図5はサイドピークを示す図である。縦軸は光パワー、横軸は波長である。λ9の波長選択をするためのRF信号をAOTFに印加して、波長軸上でこれを見るとλ9の位置に波長ピークが立つことになるが、実際には1つの鋭いピークだけが立つのではなく、ピークを対称軸としてサイドピークという広がりを持っている。
したがって、波長ピークの個数を数えるときに、このサイドピークを実質の波長ピークとして誤って数えてしまうと、本来の波長を選択することができない。その結果、目的のノードとの接続ができずに、誤って選択された波長によって目的外のノードと接続してしまい、通信障害を発生させる原因となる。
一方、AOTFを用いた従来の波長選択では、波長選択要求の他に、現在送信されている光信号の情報として波長チャネル番号や波長数などを含む上述した波長情報を、上位レイヤから各ノードへ送信する必要があったので、自ノード単独で波長選択ができず制御効率が悪いといった問題があった。
さらに、波長情報を他のノードから受け取っていたとしても、実際にAOTFによってDropしている波長が何の波長チャネルであるかを直接監視できる機能を持っていなかった(Drop側の波長監視機構がない)。
本発明では、AOTFを用いた従来の波長選択におけるこれら問題点を解決して、OADM機能の品質及び信頼性の向上を図り、柔軟性に富みかつ経済的なOADMネットワークの構築を実現するものである(なお、本発明では、上述した従来の光導通試験の欠点及びAdd側の波長監視機構がないことの欠点についても解決するものである)。
次に本発明の光伝送装置1が適用されるOADMネットワークについて説明する。図6はOADMネットワークの概観を示す図である。OADMネットワーク200は、OADMリングネットワークR1、R2から構成され、ノードNhubを介して互いに接続する。
OADMリングネットワークR1は、ノードNhubとノードN−1a〜ノードN−7aがリング状に接続し、OADMリングネットワークR2は、ノードNhubとノードN−1b〜ノードN−7bがリング状に接続する(これらノード内に光伝送装置1が設けられる)。
ネットワーク内の各ノードは、OADM機能を有しており、波長多重されているWDM信号から、特定波長の光信号をネットワークからトリビュタリへ分岐(Drop)したり、トリビュタリからネットワークへ挿入(Add)したり、またはAdd/Dropせずに、隣接ノードへスルーしたりして、光信号の伝送を行う。
なお、ノードNhubは、光ハブ機能を有しており、OADMリングネットワークR1、R2を伝送するすべての波長のやり取りができる。すなわち、OADMリングネットワークR1、R2の同一波長帯域同士の光信号を入れ替えてスイッチングしたり、ある波長の情報のみを抜いて次段のノードへ送信したりする。
例えば、図の場合では、ノードNhubは、λ1〜λ6のWDM信号を受信しており、OADMリングネットワークR1に対しては、λ2、λ3、λ6を抜いて残りのλ1、λ4、λ5をノードN−1aに送信し、OADMリングネットワークR2に対してはλ1、λ4、λ6を抜いて残りのλ2、λ3、λ5をノードN−1bに送信している。
次に本発明の光伝送装置1の動作について説明する。図7は光伝送装置1の動作を説明するための図である。AOTF11には基準波長であるλ0と、λ1〜λnのWDM信号とが入力しており、AOTF11は、WDM信号の中から所定の波長選択(ここでは、λ3とする)を行う。なお、以下のステップS1〜S4は、波長合せの動作(AOTF11が基準波長λ0を透過させるための基準RFを求める制御)であり、ステップS5〜S9は、目的の波長を選択する動作である。
〔S1〕フィルタ制御部12は、RF信号を信号帯域(波長帯域としてはλ1〜λn)全体に渡って波長スキャンしてAOTF11に印加する。
〔S2〕RF信号が信号帯域全体に渡って波長スキャンされるため、基準波長λ0がAOTF11を一度透過するときがある。このとき、AOTF11から出力した基準波長λ0は、基準波長フィルタ21を透過して、PD22へ入力することになる。なお、基準波長フィルタ21は、基準波長(ここではλ0)のみを透過させるフィルタであり、その他の波長は反射してPD22に入力しないよう遮断する。
〔S3〕PD22は、基準波長λ0を電気に変換し、基準波長λ0の光パワーを示す基準波長モニタ信号m0を生成して、フィルタ制御部12へ送信する。
〔S4〕フィルタ制御部12は、基準波長モニタ信号m0を検出すると、検出時のRF信号の周波数を基準RFとして記憶する。なお、基準波長モニタ信号m0を検出するとは、具体的にはPD22の出力信号レベルが最大となる頂点(またはネガでアクティブとするなら、PD22の出力信号レベルが最小となる極)を検出することである。
〔S5〕フィルタ制御部12は、上位レイヤから波長選択要求を受信する。ここでの波長選択要求としては、λ3の波長を選択する旨が記されている。
〔S6〕フィルタ制御部12は、基準波長λ0と、選択すべき目的の波長λ3との相対位置から基準RFにもとづいて、λ3に対応する目的RFを求めて、AOTF11に印加する。
〔S7〕モニタ部30は、カプラC1を介して、AOTF11から出力される光信号のパワーをモニタしてモニタ信号m1を生成し、フィルタ制御部12へ送信する。
〔S8〕フィルタ制御部12は、モニタ信号m1にもとづいて、目的RFの近傍でRF信号の周波数を変化させてAOTF11に印加し、モニタ信号m1が最大となる頂点(または最小となる極)を検出し、このときの周波数を最適目的RFとして設定する。
ここで、ステップS6で求めた目的RFには誤差が含まれる場合がある。したがって、ステップS8ではこのことを考慮して、モニタ信号m1を見ながら目的RFの近傍でRFを変化させてAOTF11に印加し、モニタ信号m1の最大値を検出することで、最適な(正確な)目的RFを決定している。
〔S9〕AOTF11は、フィルタ制御部12から印加される最適目的RFに対応する波長λ3を、WDM信号から選択して透過出力する。λ3の波長信号は、カプラC1を介してDropされる。
次に上記のステップS6での目的RFの求め方について説明する。図8は目的RFの求め方を説明するための図である。フィルタ制御部12では、まず、RF信号を信号帯域全体に渡って波長スキャンして、AOTF11に印加し、基準波長λ0に対応する基準RF(RF0とする)を検出する。
基準波長λ0に対応するRF0を一旦見つけてしまえば、λ0の波長ピークから他の波長ピークまでの相対位置は固定なので、λ1に対応するRF1や、λ2に対応するRF2、…といったことは、RF0から求めることができる。λ3が選択すべき波長ならば、λ0からλ3の位置を知って、その位置の波長に対応するRFが目的RFとなる。
ここで、100GHz間隔(波長1550nm付近では約0.8nm間隔に相当)のλ1〜λnが多重されているWDM信号に対し、λ1から左に0.8nm離れた位置に立つ波長を基準波長λ0とする。そして、フィルタ制御部12は、基準波長λ0に対応するRF0を検出し、その後にλ3の波長選択要求を受信したとする。
100GHz間隔で並んでいる隣の波長に移動するには、RF信号の周波数を約100kHz変化させればよいので、基準波長λ0からλ3を選択するためには、RF信号の周波数をRF0から300kHz(=100kHz×3)変化させればよい。したがって、RF3=RF0+300kHzと求めることができる。なお、実際には、周波数誤差があるので、本発明では上述のステップS8のような制御を行って正確なRF(最適目的RF)を求めることになる。
なお、基準RF0を求めて、最適目的RFをAOTF11に印加して波長選択を行っていても、周辺温度が変化すれば最初に求めた基準RF0自体が変化する。したがって、フィルタ制御部12では、内部に温度センサを有しており、温度変化を感知した場合には、あらためて波長スキャンを行って波長合せを行い、あらたな基準RFを取得する。そして、再び最適目的RFを求めて、AOTF11に印加する制御を行っている。
本発明ではこのようにしてAOTF11の波長選択制御を行っているので、高精度に波長を選択することができる。従来のようにピークの個数を数えての制御ではないので、ピークを数え間違えて別の波長を選択してしまったりすることがない。さらに、波長情報も不要となるので、各ノード単独で波長選択が可能になり、制御効率を向上させることが可能になる。
次に基準波長光源を設置したノード構成について説明する、基準波長λ0を発出する基準波長光源は、AOTF11の入力側直前、またはOADMリングネットワーク全体に基準波長λ0が行き渡るような箇所に配置する。
図9はAOTF11の入力側直前に基準波長光源を設置したノードの図である。ノードN1は、図1で示した構成要素の他に、カプラC2、C3と基準波長光源LDを含む。カプラC2はネットワークから流れてきたWDM信号を2分岐し、一方はカプラC3へ、他方は次段の隣接ノードへ送信する。
カプラC3は、2入力1出力のカプラであり、AOTF11の直前の入力段に置かれる。カプラC3の一方の入力ラインには基準波長λ0を発出する基準波長光源LDを設け、他方のラインからλ1〜λnのWDM信号が入力する。OADMリングネットワークを構築するノードを、このような構成にすることで、各ノードでAOTF11の波長選択制御を行うことが可能になる。
図10は基準波長光源LDをAdd側に設置したノードの図である。ノードN1aはAdd部50とDrop部40を有し、Add部50には、アンプa1〜a4、1×4カプラC4、グループフィルタF0、基準波長光源LD、カプラC5が含まれる。Drop部40には、カプラC6で分岐されたWDM信号を受信する光伝送装置1が配置される(図示は省略)。
Add部50のアンプa1〜a4は、Addされた波長λ1〜λ4を受信して増幅し、カプラC4へ出力する。カプラC4は、増幅後のλ1〜λ4を合波してグループフィルタF0へ出力する。
グループフィルタF0は、ネットワークのWest側から入力するλ1〜λ8のWDM信号と、カプラC4からのλ1〜λ4の合波信号とを受信する。このとき、ネットワークのWest側から入力したλ1〜λ4はリジェクトして、残りのλ5〜λ8及びAddしたλ1〜λ4を透過してλ1〜λ8の多重信号を出力する(リングネットワークを回ってきた旧いλ1〜λ4とAddした新たなλ1〜λ4とを入れ替えている)。
カプラC5は、Add部50に配置された基準波長光源LDが発出する基準波長λ0と、グループフィルタF0から出力されたλ1〜λ8のWDM信号とを合波して、λ0、λ1〜λ8の合波信号をDrop部40へ送信する。カプラC6は、λ0〜λ8の信号をAOTF側とネットワーク側へ分岐する。AOTF側では、上述した波長選択制御を行い、所定の波長をDropする。また、ネットワーク側へ分岐された信号は、East側の次段の隣接ノードへ送信される。
このように、基準波長光源LDをノード内のAdd部50に設けることで、OADMリングネットワーク全体に基準波長λ0を行き渡らせることができ、各ノードで基準波長λ0を用いて、AOTFの波長選択制御を行うことができる。
なお、図9、図10では基準波長λ0を発出させるために基準波長光源LDを設ける構成としたが、基準波長光源LDを設けない場合には、光主信号であるWDM信号の中の1波を基準波長とすることもできる。例えば、図10の場合、Addしたλ2を基準波長として使用することができる。ただし、この場合にはλ2のみを透過してその他の波長は反射させるフィルタを、基準波長フィルタ21に用いることになる(Add信号を基準波長としたノードについては図19、図20で後述する)。
次に基準波長モニタ部20について説明する。図11は基準波長モニタ部20を示す図である。基準波長モニタ部20は、基準波長フィルタ21とPD22が一体化した波長フィルタ付きPDである。この波長フィルタ付きPDの透過波長の温度依存性は100℃の変化に対して約0.1nm程度と小さい。また、低コストであり、部品サイズも小さい(25×4×4mm)。ここで、後述の説明のために、基準波長フィルタ21に対して、入力光、透過光、反射光それぞれにOP1、OP2、OP3と符号をつける。
なお、基準波長モニタ部20は、基準波長フィルタ21とPD22とが一体化した波長フィルタ付きPDとしたが、基準波長フィルタ21と、PD22とを個別に接続した構成のものでもよい。
図12は基準波長フィルタ21の特性を示す図である。図12では、基準波長フィルタ21を、基準波長λ0を全カットするフィルタとした場合の特性を示している。(A)は入力光OP1、(B)は透過光OP2、(C)は反射光OP3の特性を示しており、縦軸は透過率(dB)、横軸は波長である。また入力光OP1は、λ0〜λ3の波長多重信号とする。
基準波長フィルタ21は、基準波長λ0を全カットするため、(B)ではλ0のみ透過された特性となり、(C)ではλ0〜λ3の入力光からλ0のみが全カットされた特性となる。
図13は基準波長フィルタ21の特性を示す図である。図13では、基準波長フィルタ21を、基準波長としてλ2を部分カットするフィルタとした場合の特性を示している。(A)は入力光OP1、(B)は透過光OP2、(C)は反射光OP3の特性を示しており、縦軸は透過率(dB)、横軸は波長である。また入力光OP1は、λ1〜λ4の波長多重信号とする。
基準波長フィルタ21は、基準波長λ2を部分カットするため、(B)ではλ2の一部が透過された特性となり、(C)ではλ1〜λ4の入力光からλ2が部分カットされた特性となる。
ここで、光主信号がλ1〜λnの波長が多重されたWDM信号のとき、λ1〜λn以外の波長(例えば、λ0)を基準波長とする場合には(すなわち、基準波長光源LDを設ける構成の場合)、基準波長フィルタ21を図12のような特性を持つ全カットフィルタとして使用して、λ0がDropしないようにする。
また、λ1〜λnの波長の中の1波(例えば、λ2)を基準波長とする場合には、基準波長フィルタ21を図13のような特性を持つ部分カットフィルタとして使用し、λ2のDropも可能とする。
次に基準波長モニタ部20の変形例について説明する。図14は基準波長モニタ部20の変形例を示す図である。光伝送装置1aは、AOTF11、フィルタ制御部12、基準波長モニタ部20a、モニタ部30、カプラC1、C7を含む。上述した基準波長フィルタ21では、基準波長λ0を透過して、λ0以外の波長を反射させるフィルタであったが、変形例の構成では、基準波長フィルタ21をλ0を透過する1波フィルタ23にする。また1×2カプラC7をAOTF11の出力段に設ける。
カプラC7は、AOTF11の出力を2分岐する。一方の分岐信号は1波フィルタ23へ入力し、1波フィルタ23は基準波長λ0のみを透過させる。また、他方の分岐信号はカプラC1へ入力する。このような構成とすることで、基準波長λ0を検出、モニタすることができる。
次にDrop設定された波長以外はDropすることのない機能(設定以外の波長を誤ってDropしない機能)を持つノードの構成及び動作について説明する。図15はノードの構成を示す図である。ノードN11のDrop部の構成を示している。また、ノードN11のトリビュタリ側には、光受信器OR1〜OR4が配置し、光受信器OR1〜OR4は、Dropされた所定の波長を受信する。
入力したWDM信号は、カプラC8で2分岐され、一方はカプラC10へ他方はWDMアンプa5へ入力する。カプラC10は、WDM信号と、運用情報等を含む監視信号であるOSC(Optical Supervisory Channel)信号とを合波して、次段の隣接ノードへ合波信号を送信する。
WDMアンプa5は、WDM信号を増幅して出力し、カプラC9は増幅信号を2分岐して、一方はWDMモニタ31へ、他方は1×4カプラC11へ入力する。WDMモニタ31は、WDM信号をモニタする。1×4カプラC11は、WDM信号を4分岐して波長選択部10−1〜10−4へWDM信号を出力する。
1×4カプラC11の4出力ラインには、波長選択部10−1〜10−4がそれぞれ接続する。波長選択部10−1〜10−4のAOTF11−1〜11−4の出力は、基準波長モニタ部20−1〜20−4及びカプラC1−1〜C1−4と接続する。
カプラC1−1〜C1−4の一方の分岐ラインにはモニタ部30−1〜30−4が接続し、他方の分岐ラインにはスイッチSW1〜SW4が接続する。基準波長モニタ部20−1〜20−4及びモニタ部30−1〜30−4によるモニタ信号は、フィルタ制御部12−1〜12−4へフィードバックされる。そして、スイッチSW1〜SW4は、光受信器OR1〜OR4と接続する。
このような構成のノードN11は、AOTF11−1〜11−4の出力信号線にON/OFFのスイッチSW1〜SW4を配置し、AOTF11−1〜11−4の波長スキャンを行っている間は、スイッチSW1〜SW4の該当するスイッチをOFFにし、設定以外の波長信号が該当の光受信器OR1〜OR4へDropしないようにしている。
図16はノードN11の動作を示すフローチャートである。なお、光受信器OR1に対してのDrop制御についてのみ説明する。また、以下のステップS12〜S15は図7で上述した動作と基本的に同じものである。
〔S11〕光受信器OR1の上流にあるスイッチSW1をOFFにする。
〔S12〕フィルタ制御部12−1は、信号帯域全体に渡ってAOTF11−1のRF信号をスキャンし、基準波長フィルタ21−1を透過した基準波長のPD22−1によるモニタ信号を受信する。
〔S13〕フィルタ制御部12−1は、基準RFを記憶する。
〔S14〕フィルタ制御部12−1は、波長選択要求があると、基準波長と、選択すべき目的の波長との相対位置から基準RFにもとづいて、目的RFを求めて、AOTF11−1に印加する。
〔S15〕フィルタ制御部12−1は、モニタ部30−1からのモニタ信号を見ながら目的RFの近傍でRFを変化させてAOTF11−1に印加し、モニタ信号の最大値を検出することで、最適目的RFを決定する。
〔S16〕スイッチSW1をONにして目的の波長信号をDropし、光受信器OR1は目的の波長信号を受信する。これにより、光受信器OR1は、設定されたDrop波長を受信する。そして、次に光受信器OR2に対するDrop制御を行うならば、スイッチSW2をOFFにして、AOTF11−2の最適目的RFを決定した後に、スイッチSW2をONにする。以下、同様である。
なお、図15で示した上記の構成ではスイッチSW1〜SW4を設けることで、設定波長以外の誤った波長をDropすることがないように制御したが、スイッチSW1〜SW4を設けずに、AOTF11−1〜11−4の出力パワー(透過光レベル)を、光受信器OR1〜OR4の光受信最低レベルよりも低く設定することで、同じ効果を実現することもできる。
例えば、光受信器OR1のDrop制御を行う場合、AOTF11−1に印加するRF信号のパワーを下げて、AOTF11−1の透過光レベルを光受信器OR1の最低受信レベルより低くして波長スキャンを行う。このようにAOTF11−1に印加するRF信号パワーを変化させて、透過光レベルを調整することで、光受信器OR1では、設定波長以外の波長を受信しないようにすることができる。なお、PD22−1〜22−4及びモニタ部30−1〜30−4の最低受信レベルは、光受信器OR1〜OR4の最低受信レベルよりも20dBほど低い(すなわち、PD22−1〜22−4及びモニタ部30−1〜30−4の方が光受信器OR1〜OR4より受信感度が高いということ)。
次に設定された波長以外はDropすることのない機能を持つノードとして、図14で示した変形例の基準波長モニタ部20aを適用した場合の構成及び動作について説明する。図17はノードの構成を示す図である。ノードN11aのDrop部の構成を示している。また、ノードN11aのトリビュタリ側には、光受信器OR1〜OR4が配置する。
入力したWDM信号が1×4カプラC11で4分岐されるまでの構成、動作は図15の場合と同様である。1×4カプラC11の4出力ラインには、波長選択部10−1〜10−4がそれぞれ接続する。波長選択部10−1〜10−4のAOTF11−1〜11−4の出力は、カプラC7−1〜C7−4に接続する。
カプラC7−1〜C7−4は、AOTF11−1〜11−4の出力を2分岐し、一方はカプラC12へ、他方はカプラC1−1〜C1−4へ出力する。カプラC12は、カプラC7−1〜C7−4からの信号を合波して基準波長フィルタ23(1波フィルタ23)へ出力し、1波フィルタ23は1波の基準波長をフィルタリングしてPD22へ出力する。
カプラC1−1〜C1−4は、AOTF11−1〜11−4の出力を2分岐し、一方はモニタ部30−1〜30−4へ、他方はスイッチSW1〜SW4へ出力する。PD22及びモニタ部30−1〜30−4のモニタ信号は、フィルタ制御部12−1〜12−4へフィードバックされる。そして、スイッチSW1〜SW4は、光受信器OR1〜OR4と接続する。
このような構成のノードN11aは、AOTF11−1〜11−4の出力信号線にON/OFFのスイッチSW1〜SW4を配置して、AOTF11−1〜11−4の波長スキャンを行っている間は、スイッチSW1〜SW4をOFFにし、設定以外の波長信号が光受信器OR1〜OR4へDropしないようにしている。また、AOTF11−1〜11−4の波長スキャンを行う際には、波長合せの対象外のポート(AOTFの出力)では、1波フィルタ23に入力されない程度のレベルまでAOTFの出力レベルを落としておく。
図18はノードN11aの動作を示すフローチャートである。なお、光受信器OR1に対してのDrop制御についてのみ説明する。
〔S21〕光受信器OR1〜OR4の上流にあるすべてのスイッチSW1〜SW4をOFFにする。
〔S22〕フィルタ制御部12−1〜12−4は、RFパワーを調整して、AOTF11−1〜11−4の出力レベルを1波フィルタ23に入力されない程度のレベルまで落とす。
〔S23〕フィルタ制御部12−1〜12−4中の1つのフィルタ制御部は、該当のAOTFに対して、RF信号のパワーを上げ、信号帯域全体に渡ってRFをスキャンし、1波フィルタ23透過後の光パワーを受信する。
〔S24〕フィルタ制御部は、該当AOTFに対する基準RFを記憶し、その後、基準RF以外のRFに合せておく(他のAOTFから透過した基準波長λ0を1波フィルタ23で検出させるため)。
〔S25〕すべてのAOTFに対する波長合せが完了した場合は、ステップS26へ、そうでなければステップS23へ戻る。
〔S26〕フィルタ制御部12−1は、波長選択要求があると(AOTF11−1に対する波長選択要求があったとする)、基準波長と、選択すべき目的の波長との相対位置から基準RFにもとづいて、目的RFを求めて、AOTF11−1に印加する。
〔S27〕フィルタ制御部12−1は、モニタ部30−1からのモニタ信号を見ながら目的RFの近傍でRFを変化させてAOTF11−1に印加し、モニタ信号の最大値を検出することで、最適目的RFを決定する。
〔S28〕スイッチSW1をONにして目的の波長信号をDropし、光受信器OR1は目的の波長信号を受信する。このようにして光受信器OR1に対するDrop制御を行う。その他の光受信器OR2〜OR4に対するDrop制御も同様である。なお、この構成の場合も、スイッチSW1〜SW4を設けずに、AOTF11−1〜11−4の出力パワー(透過光レベル)を、光受信器OR1〜OR4の光受信最低レベルよりも低く設定することで、設定以外の波長をDropすることのない機能を実現することができる。
次に光導通試験について説明する。本発明では、ノード内のAdd部を上流側へ、光伝送装置1を含むDrop部を下流側へ配置する。このような構成にすることにより、モニタ部30でDropする波長を検出するので(AOTF11の波長選択制御に用いていたモニタ部30をDrop波長の監視部としても使用している)、特定波長のみの光導通状態を認識することが可能になる。また、これにより従来のような光ループバックを行って、通信経路が断たれるといったことがないので、光導通状態を確認しようとした場合、他の波長で通信を行っているノードに影響を及ぼすことがない。
一方、Add波長を基準波長とした場合に、各Add波長を検出する基準波長モニタ部を設けることで、Add波長の監視も行うこともできる。図19、図20はAdd波長の監視を行うノードの構成を示す図である。ノードN2は、Add部50a、Drop部40aを有し、Add波長λ1〜λ4それぞれを基準波長として波長選択制御を行う。
図19のAdd部50aの構成は、図10で示したAdd部50から基準波長光源LD、カプラC5を取り除いた構成になっている。図20のDrop部40aは、図15で示した構成と基本的には同じである。ただし、基準波長モニタ部20a−1〜20a−4内の各基準波長フィルタ21a〜21dは、基準波長としてλ1〜λ4をフィルタリングするものとする。
このような構成のノードN2では、Add波長λ1〜λ4それぞれを基準波長としているので、基準波長光源が不要となる。また、各基準波長フィルタ21a〜21dがAdd波長λ1〜λ4を検出することにより、Add波長の監視機能も実現することになる。
図21はOADMリングネットワークを示す図である。図6に示したOADMリングネットワークR2を示している。ノードNhubは、λ1〜λ32のAdd/Dropが可能であり、ノードN−1b〜N1−7bはそれぞれ、λ5〜λ8、λ9〜λ12、λ13〜λ16、λ17〜λ20、λ21〜λ24、λ25〜λ28、λ29〜λ32をAddする。なお、Drop波長は任意である。また、図19、図20で示したノードN2のAdd波長をλ13〜λ16とすれば、ノードN−3bになる。
次にAdd波長の監視を行う光伝送装置について説明する。上述したAdd波長監視は、Drop部内のAOTF波長制御に用いていた基準波長モニタ部を、Add波長の監視機能としても利用したものであるが、以降では、Add部にAdd波長専用の監視機能を設けた光伝送装置の場合について説明する。
図22はAdd波長監視機能を設けた光伝送装置の構成を示す図である。光伝送装置1bは、Add部60とDrop部40から構成される。Add部60は、Add波長受信部(光挿入信号受信部)61、Add波長モニタ部(光挿入波長モニタ部)62、グループフィルタF0から構成される。なお、図では1波の波長をAddする構成のみ示している(実際は複数の波長をAddするため、複数のAdd波長を合波するカプラ等が必要となるが、説明の簡略化のため省略する。また、Drop部40の構成・動作についても上述したので説明は省略する)。
Add波長受信部61は、Add波長を受信する(ここでは、単に受信ポートの機能である)。Add波長モニタ部62は、カプラC13、Add波長フィルタ62a、PD62bから構成される。カプラC13は、Add波長を2分岐し、一方はAdd波長フィルタ62aへ、他方はグループフィルタF0へ出力する。
Add波長フィルタ62aは、設定されたAdd波長のみを透過し、PD62bは、透過したAdd波長のパワーを測定する。例えば、Addすべき波長がλ5であるならば、Add波長フィルタ62aは、λ5のみを透過させるフィルタであり、このとき、PD62bは、λ5の光パワーを測定する。
したがって、設定された波長λ5がAddされるならば、Add部60ではAdd波長の光パワーを検出することができ、λ5以外の誤った波長がAddされた場合は、光パワーの検出が不可となる。このように、光パワーの検出状態によって、Add波長の監視を行うことができる。
図23はAdd部60の変形例である。Add部60−1は、Add波長モニタ部62−1とAdd波長受信部61から構成される(以下、グループフィルタF0の図示は省略)。Add波長モニタ部62−1に対し、Add波長フィルタ62aとPD62bとが一体化された波長フィルタ付きモニタPDは、特定波長を透過し、それ以外の波長は反射させるので、図のような接続構成にすれば、Add波長モニタ部62−1は、図22に示したカプラC13が不要となる。
図24はAdd部60の変形例である。Add部60−2は、Add波長モニタ部62−2と1波フィルタ61aから構成される。Add部60−2は、Add波長受信部に1波フィルタ61aを使用し、Add波長モニタ部62からAdd波長フィルタ62aを削除した構成である。
Addすべき波長がλ5であるならば、1波フィルタ61aは、λ5のみを透過させる。Add波長λ5はカプラC13で分岐され、PD62bで光パワーが測定される。このように、Addのラインに1波フィルタ61aを配置することによって、設定したAdd波長信号のみを通すことが可能となり、誤った波長のAdd送信を防止することができる。すなわち、正しい波長がAddされた場合は、1波フィルタ61aを通ってPD62bでモニタされて、光パワーが検出されるが、誤った波長がAddされた場合は、1波フィルタ61aで遮られることになるので、間違えた波長がAddされることはない(このとき、PD62bでは光パワーは検出されない。したがって、光パワーの検出状態によって、Add波長の監視が可能である)。
したがって、インサービスでの増設等で、間違えてユニットを差し込んだ場合でも防御機構が働き(フェールセーフ機構)、ネットワークダウンを回避させることが可能となる。
次に複数ポートを有するリジェクト/アドフィルタ(以下、R/Aフィルタと記す)を用いたAdd構成について説明する。最初にR/Aフィルタについて説明する。図25はR/Aフィルタを示す図である。R/AフィルタFは、ポートP1、ポートP2の2つの入力ポート及びポートP3の1つの出力ポートを持つ。
R/AフィルタFは、ポートP2から入力する所定波長を透過してポートP3から出力する。また、ポートP1からの入力波長に対しては、ポートP2から入力する所定波長をポートP1の入力波長からリジェクトした残りの波長を透過してポートP3から出力する。
図26、図27はR/AフィルタFの特性を示す図である。縦軸は透過率(dB)、横軸は波長であり、図26ではポートP2→ポートP3の特性を示し、図27ではポートP1→ポートP3の特性を示している。
R/AフィルタFの透過波長をλ2として、ポートP1、P2からλ1〜λ4の多重信号が入力するものとする。図26ではポートP2から入力したλ1〜λ4は、λ2のみポートP3へ透過する。図27ではポートP1から入力したλ1〜λ4は、λ2のみリジェクトされ、残りのλ1、λ3、λ4がポートP3へ透過する。
図28は光伝送装置内のAdd部の構成を示す図である。Add部70は、4波の波長をAddする構成を示しており、受信モニタ部71−1〜71−4、カプラC21〜C24、Add波長フィルタ部72を含む。Add波長フィルタ部72は、R/AフィルタF1〜F4、カプラC31〜C34、Addモニタ部72−1〜72−4を含む。
また、R/AフィルタF1〜F4のポートP2には、Add波長それぞれのAddラインがカプラC21〜C24を介して接続する。R/AフィルタF1〜F4の互いの接続関係は、カプラC31〜C34を介して、該当ポートがデージーチェーン(Daisy Chain)形式で接続する。
すなわち、R/AフィルタF1のポートP3は、カプラC31を介してR/AフィルタF2のポートP1と接続し、R/AフィルタF2のポートP3は、カプラC32を介してR/AフィルタF3のポートP1と接続し、R/AフィルタF3のポートP3は、カプラC33を介してR/AフィルタF4のポートP1と接続する。なお、R/AフィルタF1〜F4それぞれの透過波長をλ1〜λ4とする。
λ1〜λ4の波長がAdd部70にAddされた場合、カプラC21〜C24は、Add波長λ1〜λ4を2分岐し、一方は受信モニタ部71−1〜71−4へ、他方はAdd波長フィルタ部72へ出力する。受信モニタ部71−1〜71−4は、Add波長の光パワーをモニタし、Add波長を受信しているか否かを検出する。
R/AフィルタF1は、ポートP2から入力したλ1をポートP3へ透過し、カプラC31は、λ1をAddモニタ部72−1とR/AフィルタF2へ分岐する。R/AフィルタF2は、ポートP1から入力したλ1と、ポートP2から入力したλ2をポートP3へ透過する。カプラC32は、λ1、λ2をAddモニタ部72−2とR/AフィルタF3へ分岐する。
R/AフィルタF3は、ポートP1から入力したλ1、λ2と、ポートP2から入力したλ3をポートP3へ透過する。カプラC33は、λ1〜λ3をAddモニタ部72−3とR/AフィルタF4へ分岐する。
R/AフィルタF4は、ポートP1から入力したλ1〜λ3と、ポートP2から入力したλ4をポートP3へ透過する。カプラC34は、λ1〜λ4を2分岐し、一方をAddモニタ部72−4へ出力する。
ここで、Addモニタ部72−1がλ1の光パワーをモニタしたモニタ値をM1、Addモニタ部72−2がλ1、λ2の光パワーをモニタしたモニタ値をM2、Addモニタ部72−3がλ1、λ2、λ3の光パワーをモニタしたモニタ値をM3、Addモニタ部72−4がλ1、λ2、λ3、λ4の光パワーをモニタしたモニタ値をM4とすれば、M1<M2<M3<M4の大小関係がある。したがって、正しい波長がAddされている場合は、このようなモニタ値の大小関係を得ることができるので、モニタ値の大小関係によって、Add波長監視を行うことが可能になる。
また、上記の構成のように、R/AフィルタF1〜F4を入力ポートと出力ポートとをデージーチェーン形式で接続して、複数のAdd波長を最終的に1本のラインから出力させることで、挿入損失を低減することができる。例えば、4波のAdd波長をカプラで合波すると、原理的に6dBの挿入損失が生じるが、本発明の場合、フィルタ1つあたり0.3dB程度となるので、挿入損失は1.2dBと低損失化が可能になる。
次にAdd波長フィルタ部72の変形例について説明する。図29はAdd波長フィルタ部72の変形例を示す図である。Add波長フィルタ部72−1は、あらたな構成素子としてグループ型R/Aフィルタ73を有する(グループ型R/Aフィルタ73の透過波長をλ3、λ4とする)。
また、R/AフィルタF1〜F4の接続構成としては、R/AフィルタF1〜F4すべてがデージーチェーンで連結するのではなく、R/AフィルタF1〜F4のフィルタ群を2つに分割して、分割した際のカプラC32のラインL1をグループ型R/Aフィルタ73のポートP5へ接続し、カプラC34のラインL2をグループ型R/Aフィルタ73のポートP4へ接続する。
カプラC34のラインL2からのλ3、λ4は、グループ型R/Aフィルタ73のポートP4から入力してポートP5へ透過する。また、カプラC32のラインL1からのλ1、λ2は、グループ型R/Aフィルタ73のポートP5でリジェクト(反射)される。したがって、ポートP5からλ1〜λ4の多重信号が出力されることになる。このような構成のAdd波長フィルタ部72−1では、図28のすべてのR/AフィルタF1〜F4をデージーチェーンで接続する場合に比べて、R/AフィルタF1〜F4やカプラC31〜C34の光素子を通過する際に生じるAdd波長の光損失を半分に減らすことが可能になる。
次にネットワークから流れてくるWDM信号とAdd波長とを多重化(Add)する際の構成について説明する。図30はAdd部の構成を示す図である。Add部70−1は、図28で示した構成にあらたに合波部74を設ける。合波部74は、例えば、カプラまたはグループフィルタである。このような構成にすることで、ネットワークから流れてくるWDM信号とAdd波長とを多重化する。
図31はAdd部の構成を示す図である。Add部70−2は、R/AフィルタF1のポートP1に、ネットワークから流れてくるWDM信号を入力し、R/AフィルタF4のポートP3から、カプラC34を介して、WDM信号とAdd波長とを多重化した信号を送出する。例えば、Add波長がλ5〜λ8であり、入力WDM信号がλ1〜λ4ならば、R/AフィルタF4のポートP3からは、λ1〜λ8の多重化信号が出力される。
次に4ポートを有するR/Aフィルタを用いたAdd構成について説明する。最初にR/Aフィルタについて説明する。図32はR/Aフィルタを示す図である。R/AフィルタFaは、ポートP1、ポートP2の2つの入力ポート及びポートP3、ポートP4の2つの出力ポートを持つ。
R/AフィルタFaは、ポートP2から入力する光信号から所定波長を透過してポートP3から出力する。また、ポートP2から入力する光信号から所定波長をリジェクトした残りの波長を透過してポートP4から出力する。さらに、ポートP1からの入力波長に対しては、ポートP2から入力する所定波長をポートP1の入力波長からリジェクトした残りの波長を透過してポートP3から出力する。
図33〜図35はR/AフィルタFaの特性を示す図である。縦軸は透過率(dB)、横軸は波長であり、図33ではポートP2→ポートP3の特性を示し、図34ではポートP2→ポートP4の特性を示し、図35ではポートP1→ポートP3の特性を示している。
R/AフィルタFaの透過波長をλ2として、ポートP1、P2からλ1〜λ4の多重信号が入力するものとする。図33ではポートP2から入力したλ1〜λ4は、λ2のみポートP3へ透過する。図34ではポートP2から入力したλ1〜λ4は、λ2のみリジェクトされ、残りのλ1、λ3、λ4がポートP4へ透過する。図35ではポートP1から入力したλ1〜λ4は、λ2のみリジェクトされ、残りのλ1、λ3、λ4がポートP3へ透過する。
図36は光伝送装置内のAdd部の構成を示す図である。Add部70−3は、4波の波長をAddする構成を示しており、受信モニタ部71−1〜71−4、カプラC21〜C24、Add波長フィルタ部72aを含む。Add波長フィルタ部72aは、R/AフィルタFa1〜Fa4、Addモニタ部72−1〜72−4を含む。
なお、図31の構成と異なる点は、カプラC31〜C34を削除して、直接R/AフィルタFa1〜Fa4をデージーチェーンで接続し、かつ、R/AフィルタFa1〜Fa4のポートP4にAddモニタ部72−1〜72−4を設けている点である。
このように、R/AフィルタFa1〜Fa4による反射光(ポートP4出力光)をモニタすることにより、Add波長を監視することができる。この場合、波長が合っているとAddモニタ部72−1〜72−4に信号光が入らなくなり、波長が間違えている場合のみ信号光が入る。したがって、Addモニタ部72−1〜72−4に光が入っていないときに正しい波長が入っていることになる。
また、図36のAdd部70−3に対しても、図29で示したグループ型R/Aフィルタを用いた構成としてもよい。さらに、ネットワークからのWDM信号とAdd波長とを合波する場合は、図30、図31で上述した構成を用いる(基本構成、動作は同じなので説明は省略する)。
以上説明したように、本発明の光伝送装置は、波長選択部と基準波長モニタ部とを有し、波長選択部では、信号帯域全体に渡って波長スキャンさせた制御周波数を波長可変フィルタに印加して、受信した基準波長モニタ信号により、波長可変フィルタが基準波長を選択する際の基準制御周波数を認識して波長合せを行う。そして、波長選択要求の受信時には、基準波長と目的の波長との相対位置から基準制御周波数にもとづいて求めた目的制御周波数を波長可変フィルタに印加する構成とした。これにより、波長可変フィルタの制御効率を向上することができ、光分岐の波長監視も可能となるため、経済的で信頼性のあるOADMネットワークを構築することが可能になる。
上記については単に本発明の原理を示すものである。さらに、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、本発明は上記に示し、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではなく、対応するすべての変形例および均等物は、添付の請求項およびその均等物による本発明の範囲とみなされる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】

【図21】

【図22】

【図23】

【図24】

【図25】

【図26】

【図27】

【図28】

【図29】

【図30】

【図31】

【図32】

【図33】

【図34】

【図35】

【図36】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
WDMの光信号の伝送を行う光伝送装置において、
制御周波数にもとづいて、波長を可変に選択する波長可変フィルタと、信号帯域全体に渡って波長スキャンさせた制御周波数を前記波長可変フィルタに印加して、受信した基準波長モニタ信号により、前記波長可変フィルタが基準波長を選択する際の基準制御周波数を認識して波長合せを行い、波長選択要求の受信時には、基準波長と選択すべき目的の波長との相対位置から前記基準制御周波数にもとづいて目的制御周波数を求めて前記波長可変フィルタに印加するフィルタ制御部と、から構成される波長選択部と、
基準波長を透過させる基準波長フィルタと、透過した基準波長をモニタして前記基準波長モニタ信号を生成する受光素子と、から構成される基準波長モニタ部と、
を有することを特徴とする光伝送装置。
【請求項2】
基準波長を基準波長光源から得る場合には、基準波長光源を各ノードの前記波長可変フィルタの入力側直前、またはネットワーク全体に基準波長が行き渡るような箇所に配置し、基準波長光源を設けない場合には、光主信号の中の1波を基準波長とすることを特徴とする請求の範囲第1項記載の光伝送装置。
【請求項3】
前記基準波長フィルタは、基準波長を前記基準波長光源から発出させる場合は、基準波長を全カットして後段には透過させず、光主信号の中の1波を基準波長とする場合には、基準波長を部分カットして後段に透過させることを特徴とする請求の範囲第2項記載の光伝送装置。
【請求項4】
前記フィルタ制御部は、温度センサを有し、温度変化を感知した場合には、あらためて波長スキャンを行って波長合せを行い、あらたな基準制御周波数を取得することを特徴とする請求の範囲第1項記載の光伝送装置。
【請求項5】
前記波長可変フィルタを透過した波長をモニタしてモニタ信号を生成するモニタ部をさらに有し、前記フィルタ制御部は、目的の波長を前記波長可変フィルタで選択する際には、前記モニタ信号にもとづき、前記目的制御周波数の近傍で周波数を変化させて、最適目的制御周波数を設定することを特徴とする請求の範囲第1項記載の光伝送装置。
【請求項6】
前記波長可変フィルタの出力段にスイッチ部を設け、前記フィルタ制御部が前記最適目的制御周波数を設定するまでは、前記スイッチ部はOFFにして、前記波長可変フィルタの後段にある光受信器による光信号の受信を不可とすることを特徴とする請求の範囲第1項記載の光伝送装置。
【請求項7】
前記フィルタ制御部は、前記最適目的制御周波数を設定するまでは、前記波長可変フィルタの出力レベルが、前記波長可変フィルタの後段にある光受信器の最低受信レベルより低いレベルとなるように制御周波数のレベルを設定して前記波長可変フィルタに印加し、前記波長可変フィルタの後段にある光受信器による光信号の受信を不可とすることを特徴とする請求の範囲第1項記載の光伝送装置。
【請求項8】
前記基準波長モニタ部は、複数の前記波長可変フィルタの出力を合波して、1つの基準波長フィルタを通して前記基準波長モニタ信号を生成する構成とした場合、前記フィルタ制御部は、波長合せ対象の波長可変フィルタの波長スキャンを行っている際は、波長合せ対象外の波長可変フィルタの出力レベルを低下させ、波長合せが終了した波長可変フィルタには、すべての波長可変フィルタの波長合せが終了するまで、基準制御周波数以外の周波数を印加しておくことを特徴とする請求の範囲第1項記載の光伝送装置。
【請求項9】
装置内の光挿入機能を上流側へ、光分岐機能を下流側へ配置して、前記波長選択部と、前記基準波長モニタ部と、前記波長可変フィルタを透過した波長をモニタしてモニタ信号を生成するモニタ部とを前記光分岐機能側に設けることで、光分岐信号の波長監視を行うことを特徴とする請求の範囲第1項記載の光伝送装置。
【請求項10】
前記基準波長モニタ部は、前記基準波長フィルタが透過する基準波長を光挿入波長と同じ波長にし、光挿入信号の波長監視を行うことを特徴とする請求の範囲第9項記載の光伝送装置。
【請求項11】
WDMの光信号の伝送を行う光伝送装置において、
光挿入信号を受信する光挿入信号受信部と、
光挿入波長を透過させる光挿入波長フィルタと、透過した光挿入波長をモニタして光挿入波長モニタ信号を生成する受光素子と、から構成される光挿入波長モニタ部と、
を有することを特徴とする光伝送装置。
【請求項12】
前記光挿入信号受信部は、光挿入波長のみを透過させる波長フィルタを有して、フェールセーフを行うことを特徴とする請求の範囲第11項記載の光伝送装置。
【請求項13】
WDMの光信号の伝送を行う光伝送装置において、
光挿入信号を受信しているか否かを検出する受信モニタ部と、
第1ポート、第2ポートの2つの入力ポート及び第3ポートの1つの出力ポートを持ち、第2ポートから光挿入信号の所定波長を第3ポートへ透過し、第1ポートの入力波長に対しては、前記所定波長を前記入力波長からリジェクトした残りの波長を第3ポートへ透過する波長フィルタを複数含み、波長フィルタの第1ポートと第3ポートとをデージーチェーンで接続した光挿入波長フィルタ部と、
を有することを特徴とする光伝送装置。
【請求項14】
前記光挿入波長フィルタ部は、波長フィルタがデージーチェーンで接続しているラインに、波長フィルタ毎に光挿入モニタ部を有し、モニタした光パワーの大小関係により、光挿入信号の波長監視を行うことを特徴とする請求の範囲第13項記載の光伝送装置。
【請求項15】
前記光挿入波長フィルタ部内の波長フィルタ群を分割した際、一方のフィルタ群の最終段に位置する波長フィルタの第3ポートから出力する光信号をリジェクトし、他方のフィルタ群の最終段に位置する波長フィルタの第3ポートから出力する光信号を透過させることで、光挿入信号を多重化するグループフィルタをさらに有することを特徴とする請求の範囲第13項記載の光伝送装置。
【請求項16】
前記光挿入波長フィルタ部の最終段に位置する波長フィルタの第3ポートから出力する光信号と、ネットワークを流れてくる光信号とを合波し、合波信号を次段へ送信する合波部を設けて光挿入を行うことを特徴とする請求の範囲第13項記載の光伝送装置。
【請求項17】
前記光挿入波長フィルタ部の最初に位置する波長フィルタの第1ポートにネットワークを流れてくる光信号を入力し、第2ポートから光挿入信号を入力し、最終段の波長フィルタの第3ポートから光挿入後の合波信号を出力することで光挿入を行うことを特徴とする請求の範囲第13項記載の光伝送装置。
【請求項18】
WDMの光信号の伝送を行う光伝送装置において、
光挿入信号を受信しているか否かを検出する受信モニタ部と、
第1ポート、第2ポートの2つの入力ポート及び第3ポート、第4ポートの2つの出力ポートを持ち、第2ポートから入力した光挿入信号の所定波長を第3ポートへ透過し、第2ポートから入力した光挿入信号から前記所定波長をリジェクトとした残りの波長を第4ポートへ透過し、第1ポートの入力波長に対しては、前記所定波長を前記入力波長からリジェクトした残りの波長を第3ポートへ透過する波長フィルタを複数含み、波長フィルタの第1ポートと第3ポートとをデージーチェーンで接続した光挿入波長フィルタ部と、
を有することを特徴とする光伝送装置。
【請求項19】
前記光挿入波長フィルタ部は、波長フィルタの第4ポートに、波長フィルタ毎に光挿入モニタ部を有し、光パワーを受信するか否かで、光挿入信号の波長監視を行うことを特徴とする請求の範囲第18項記載の光伝送装置。
【請求項20】
前記光挿入波長フィルタ部内の波長フィルタ群を分割した際、一方のフィルタ群の最終段に位置する波長フィルタの第3ポートから出力する光信号をリジェクトし、他方のフィルタ群の最終段に位置する波長フィルタの第3ポートから出力する光信号を透過させることで、光挿入信号を多重化するグループフィルタを有することを特徴とする請求の範囲第18項記載の光伝送装置。
【請求項21】
前記光挿入波長フィルタ部の最終段に位置する波長フィルタの第3ポートから出力する光信号と、ネットワークを流れてくる光信号とを合波し、合波信号を次段へ送信する合波部を設けて光挿入を行うことを特徴とする請求の範囲第18項記載の光伝送装置。
【請求項22】
前記光挿入波長フィルタ部の最初に位置する波長フィルタの第1ポートにネットワークを流れてくる光信号を入力し、第2ポートから光挿入信号を入力し、最終段の波長フィルタの第3ポートから光挿入後の合波信号を出力することで光挿入を行うことを特徴とする請求の範囲第18項記載の光伝送装置。
【請求項23】
光信号の分岐・挿入を行う光分岐挿入装置において、
ネットワークから流れてくるWDM信号と光挿入信号とを多重化して多重化信号を生成する光挿入部と、
制御周波数にもとづいて、前記多重化信号の中から波長を可変に選択する波長可変フィルタと、信号帯域全体に渡って波長スキャンさせた制御周波数を前記波長可変フィルタに印加して、受信した基準波長モニタ信号により、前記波長可変フィルタが基準波長を選択する際の基準制御周波数を認識して波長合せを行い、波長選択要求の受信時には、基準波長と選択すべき目的の波長との相対位置から前記基準制御周波数にもとづいて目的制御周波数を求めて前記波長可変フィルタに印加するフィルタ制御部と、を含む波長選択部と、基準波長を透過させる基準波長フィルタと、透過した基準波長をモニタして前記基準波長モニタ信号を生成する受光素子と、を含む基準波長モニタ部と、から構成される光分岐部と、
を有することを特徴とする光分岐挿入装置。
【請求項24】
前記光挿入部は、光挿入信号を受信する光挿入信号受信部と、光挿入波長を透過させる光挿入波長フィルタと、透過した光挿入波長をモニタして光挿入波長モニタ信号を生成する受光素子と、を含む光挿入波長モニタ部と、から構成されることを特徴とする請求の範囲第23項記載の光分岐挿入装置。
【請求項25】
前記光挿入信号受信部は、光挿入波長のみを透過させる波長フィルタを有して、フェールセーフを行うことを特徴とする請求の範囲第24項記載の光分岐挿入装置。
【請求項26】
前記光挿入部は、光挿入信号を受信しているか否かを検出する受信モニタ部と、第1ポート、第2ポートの2つの入力ポート及び第3ポートの1つの出力ポートを持ち、第2ポートから光挿入信号の所定波長を第3ポートへ透過し、第1ポートの入力波長に対しては、前記所定波長を前記入力波長からリジェクトした残りの波長を第3ポートへ透過する波長フィルタを複数含み、波長フィルタの第1ポートと第3ポートとをデージーチェーンで接続した光挿入波長フィルタ部と、から構成されることを特徴とする請求の範囲第23項記載の光分岐挿入装置。
【請求項27】
前記光挿入波長フィルタ部は、波長フィルタがデージーチェーンで接続しているラインに、波長フィルタ毎に光挿入モニタ部を有し、モニタした光パワーの大小関係により、光挿入信号の波長監視を行うことを特徴とする請求の範囲第26項記載の光分岐挿入装置。
【請求項28】
前記光挿入波長フィルタ部内の波長フィルタ群を分割した際、一方のフィルタ群の最終段に位置する波長フィルタの第3ポートから出力する光信号をリジェクトし、他方のフィルタ群の最終段に位置する波長フィルタの第3ポートから出力する光信号を透過させることで、光挿入信号を多重化するグループフィルタをさらに有することを特徴とする請求の範囲第26項記載の光分岐挿入装置。
【請求項29】
前記光挿入波長フィルタ部の最終段に位置する波長フィルタの第3ポートから出力する光信号と、ネットワークを流れてくる光信号とを合波し、合波信号を次段へ送信する合波部を設けて光挿入を行うことを特徴とする請求の範囲第26項記載の光分岐挿入装置。
【請求項30】
前記光挿入波長フィルタ部の最初に位置する波長フィルタの第1ポートにネットワークを流れてくる光信号を入力し、第2ポートから光挿入信号を入力し、最終段の波長フィルタの第3ポートから光挿入後の合波信号を出力することで光挿入を行うことを特徴とする請求の範囲第26項記載の光分岐挿入装置。
【請求項31】
前記光挿入部は、光挿入信号を受信しているか否かを検出する受信モニタ部と、第1ポート、第2ポートの2つの入力ポート及び第3ポート、第4ポートの2つの出力ポートを持ち、第2ポートから入力した光挿入信号の所定波長を第3ポートへ透過し、第2ポートから入力した光挿入信号から前記所定波長をリジェクトとした残りの波長を第4ポートへ透過し、第1ポートの入力波長に対しては、前記所定波長を前記入力波長からリジェクトした残りの波長を第3ポートへ透過する波長フィルタを複数含み、波長フィルタの第1ポートと第3ポートとをデージーチェーンで接続した光挿入波長フィルタ部と、から構成されることを特徴とする請求の範囲第23項記載の光分岐挿入装置。
【請求項32】
前記光挿入波長フィルタ部は、波長フィルタの第4ポートに、波長フィルタ毎に光挿入モニタ部を有し、光パワーを受信するか否かで、光挿入信号の波長監視を行うことを特徴とする請求の範囲第31項記載の光分岐挿入装置。
【請求項33】
前記光挿入波長フィルタ部内の波長フィルタ群を分割した際、一方のフィルタ群の最終段に位置する波長フィルタの第3ポートから出力する光信号をリジェクトし、他方のフィルタ群の最終段に位置する波長フィルタの第3ポートから出力する光信号を透過させることで、光挿入信号を多重化するグループフィルタをさらに有することを特徴とする請求の範囲第31項記載の光分岐挿入装置。
【請求項34】
前記光挿入波長フィルタ部の最終段に位置する波長フィルタの第3ポートから出力する光信号と、ネットワークを流れてくる光信号とを合波し、合波信号を次段へ送信する合波部を設けて光挿入を行うことを特徴とする請求の範囲第31項記載の光分岐挿入装置。
【請求項35】
前記光挿入波長フィルタ部の最初に位置する波長フィルタの第1ポートにネットワークを流れてくる光信号を入力し、第2ポートから光挿入信号を入力し、最終段の波長フィルタの第3ポートから光挿入後の合波信号を出力することで光挿入を行うことを特徴とする請求の範囲第31項記載の光分岐挿入装置。
【請求項36】
前記光分岐部は、基準波長を基準波長光源から得る場合には、基準波長光源を各ノードの前記波長可変フィルタの入力側直前、またはネットワーク全体に基準波長が行き渡るような箇所に配置し、基準波長光源を設けない場合には、光主信号の中の1波を基準波長とすることを特徴とする請求の範囲第23項記載の光分岐挿入装置。
【請求項37】
前記基準波長フィルタは、基準波長を前記基準波長光源から発出させる場合は、基準波長を全カットして後段には透過させず、光主信号の中の1波を基準波長とする場合には、基準波長を部分カットして後段に透過させることを特徴とする請求の範囲第36項記載の光分岐挿入装置。
【請求項38】
前記フィルタ制御部は、温度センサを有し、温度変化を感知した場合には、あらためて波長スキャンを行って波長合せを行い、あらたな基準制御周波数を取得することを特徴とする請求の範囲第23項記載の光分岐挿入装置。
【請求項39】
前記波長可変フィルタを透過した波長をモニタしてモニタ信号を生成するモニタ部をさらに有し、前記フィルタ制御部は、目的の波長を前記波長可変フィルタで選択する際には、前記モニタ信号にもとづき、前記目的制御周波数の近傍で周波数を変化させて、最適目的制御周波数を設定することを特徴とする請求の範囲第23項記載の光分岐挿入装置。
【請求項40】
前記波長可変フィルタの出力段にスイッチ部を設け、前記フィルタ制御部が前記最適目的制御周波数を設定するまでは、前記スイッチ部はOFFにして、前記波長可変フィルタの後段にある光受信器による光信号の受信を不可とすることを特徴とする請求の範囲第23項記載の光分岐挿入装置。
【請求項41】
前記フィルタ制御部は、前記最適目的制御周波数を設定するまでは、前記波長可変フィルタの出力レベルが、前記波長可変フィルタの後段にある光受信器の最低受信レベルより低いレベルとなるように制御周波数のレベルを設定して前記波長可変フィルタに印加し、前記波長可変フィルタの後段にある光受信器による光信号の受信を不可とすることを特徴とする請求の範囲第23項記載の光分岐挿入装置。
【請求項42】
前記基準波長モニタ部は、複数の前記波長可変フィルタの出力を合波して、1つの基準波長フィルタを通して前記基準波長モニタ信号を生成する構成とした場合、前記フィルタ制御部は、波長合せ対象の波長可変フィルタの波長スキャンを行っている際は、波長合せ対象外の波長可変フィルタの出力レベルを低下させ、波長合せが終了した波長可変フィルタには、すべての波長可変フィルタの波長合せが終了するまで、基準制御周波数以外の周波数を印加しておくことを特徴とする請求の範囲第23項記載の光分岐挿入装置。
【請求項43】
装置内の光挿入機能を上流側へ、光分岐機能を下流側へ配置して、前記波長選択部と、前記基準波長モニタ部と、前記波長可変フィルタを透過した波長をモニタしてモニタ信号を生成するモニタ部とを前記光分岐機能側に設けることで、光分岐信号の波長監視を行うことを特徴とする請求の範囲第23項記載の光分岐挿入装置。
【請求項44】
前記基準波長モニタ部は、前記基準波長フィルタが透過する基準波長を光挿入波長と同じ波長にし、光挿入信号の波長監視を行うことを特徴とする請求の範囲第43項記載の光分岐挿入装置。

【国際公開番号】WO2004/093352
【国際公開日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【発行日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−570882(P2004−570882)
【国際出願番号】PCT/JP2003/004793
【国際出願日】平成15年4月15日(2003.4.15)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】