説明

光学リサイジング及びバックライティングのための装置および方法

ピクセル領域を特徴づける少なくとも2つのカラーチャネルにそれぞれ相当する少なくとも2つのサブピクセル位置によってそれぞれ規定される複数のピクセル領域を有するパッシブディスプレイパネルに照明光をパッシブディスプレイパネルに与えるためのバックライト集成体であって、バックライト集成体は複数の導波路を含み、それらは1つ以上の基板において形成されかつ/または埋め込まれ、各ピクセル領域が少なくとも2つの導波路によって照明されるような方法で照明光を各サブピクセル位置に与えるように配置され、前記少なくとも2つの導波路の各導波路はそれぞれのカラーチャネルによって前記ピクセル領域の1つのサブピクセル位置を照明するように配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光学に関し、さらに詳しくは、光学リサイジングまたはバックライティングのための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子装置の小型化は常に、電子機器の分野における永続的な目標であった。電子装置はしばしば、ユーザに見える何らかの形のディスプレイを具備する。これらの装置のサイズが縮小すると、それらのディスプレイのサイズも縮小される。しかし、あるサイズを過ぎると、電子装置のディスプレイは裸眼では見ることができず、その画像を拡大しなければならない。
【0003】
電子ディスプレイは、サイズがディスプレイ装置の物理的サイズによって決定される実像、またはサイズがディスプレイ装置の寸法を超えることのできる虚像を提供することができる。
【0004】
小型の画像表示システムによって生成される画像の拡大は、より大きいスクリーン上に画像を投射することによって、またはユーザに拡大された虚像を提供する受動光学拡大素子を介して、実行することができる。虚像は、像と観察者とが光線で結ばれるものではないので、表示面上に投射することのできない像と定義される。
【0005】
しかし、上記の拡大技術は決して理想的ではないと認識される。投射される実像は、投射時に像の拡大がディスプレイに垂直な光伝搬によって達成されるので、嵩張りの問題がある。虚像を生成するための装置は視野が限られており、かつ往々にして嵩張ってしまう。
【0006】
別の拡大技術では、像は投射されず、むしろ小さいファセットから大きいファセットまで延在する1束の光ファイバ中を誘導される。小さいファセットはしばしば「対物平面」と呼ばれる一方、大きい方のファセットはしばしば「像平面」と呼ばれる。
【0007】
今、図面を参照すると、図1〜2は、ファイバベース誘導拡大装置を製造するための幾つかの従来技術の概略図である。
【0008】
図1aは、米国特許第2825260号の教示に基づく光学像トランスポート装置を示す。小さいファセットから大きいファセットへの拡大は、束内のファイバ間の分離を増大することによって達成される。図1bは、米国特許第2992587号および第3853658号に開示されたこの方法の変形を示す。この技術では、ファイバは大きいファセットに向かってアップテーパされる。しかし、これらの技術は、光ファイバの分離およびアップテーパリングに関係する技術的限界のため、生産不能であった。
【0009】
アップテーパリングの問題を克服しようとする試みが、米国特許第3909109号に開示されており、そこでは大きいファセットに追加層が付加される。層の厚さは、ファイバの遠視野ビームが重複するまで層中の自由伝搬ができるように選択される。しかし、この技術は、ガウス形状の遠視野線が追加層の最適厚さの決定を難しくするので、大きな限界を免れない。
【0010】
図1cは、米国特許第3043910号および第4208096号の教示に基づく図1aの装置の別の改良を示す。この改良では、ファイバの分離は1次元にのみ実行され、それにより他の(実質的に直角な)次元の分離は、テラスまたは斜切によって行なわれる。この構成では、ファイバは1方向に分離された後、大きいファセットに向かって方向転換され、そこでそれらは、実質的に直角方向に分離するために、階段状または斜めに切断される。この解決策の大きな限界は製造の困難さである。
【0011】
図2a〜bは、米国特許第3402000号および第6326939号の教示に従って光ファイバ拡大素子を生成するための別の技術を示す。図2aを参照すると、1次元拡大素子は、片側に円形断面が形成され、反対側に楕円形断面が形成されるように切断された円筒状光ファイバを含む。円形断面は円筒の長手軸に直角であり、したがって円筒と同一直径を有する。楕円形断面は長手軸に対して斜切され、したがって円筒の直径に等しい短軸および円筒の直径より長い長軸を有する。ファイバ中を円形側から楕円形側に光が透過すると、楕円形断面の長軸の方向に1次元の拡大が確立される。
【0012】
図2bを参照すると、1つの素子の出力がもう1つの素子の入力として使用されるように、2つのそのような1次元拡大素子が方向転換層を介して接続される。第2拡大素子からの光を結合するために第2方向転換層が使用される。第1および第2素子間の適切な光結合を達成するために、第2素子の入力側のファイバの断面は、第1素子の出力側のファイバと同一楕円形断面を持たなければならない。
【0013】
しかし、ファイバの入力断面はそれらの長手軸に直角でなければならないので、第2素子のファイバの楕円形入力断面は、斜切によって得ることができない。他方、楕円状ファイバのファイバ束は存在しない。したがって、第2拡大で解像度を低下させないために、第2素子中のファイバ数は、第1素子中のファイバ数より第1素子の1次元の拡大率に等しい率だけ大きい数でなければならない。この技術のさらなる欠点は方向転換層の必要性および非誘導光の存在であり、それはディスプレイのアスペクト比を低減させる可能性がある。
【0014】
米国特許第5511141号および第5600751号は、1束の並置され長手方向にテーパを付けられた光ファイバによって形成された読書用拡大装置を開示している。該拡大装置は、TaperMag(商標)の商品名で米国のTaper Vision Co.Ltd.から市販されている[E.Peli、W.P.Siegmund、「Fiber‐optic reading magnifiers for the visually impaired」、J Opt Soc Am A 12(10):2274‐2285、1995]。しかし、TaperMag(商標)は、その厚さがファセットの直径のサイズと同等でなければならないので、嵩張る(2インチのスクリーンに2倍にするだけで約5cmの厚さ)。
【0015】
Kawashimaらの米国特許第6480345号は、小さいファセットから大きいファセットまで延在する高屈折率領域を利用する拡大装置を開示している。Kawashimaらによって実行されたシミュレーションで、30インチの拡大装置が4cm未満の厚さを持ち、10倍の拡大を実行できることが明らかになった。しかし、Kawashimaの拡大装置の製造プロセスはかなり複雑である。例えば、Kawashimaらの1実施形態は、コアの寸法を増大しながらマスクによって生産された数十個もの積層薄板のアラインメントを含む。Kawashimaらの別の実施形態は、3次元のファイバ処理を含む。Kawashimaらはより簡単な製造プロセスをも教示しているが、これらは2倍以下の倍率に限定される。
【0016】
表示された画像の拡大に加えて、ディスプレイ装置の電力消費及び嵩張りを減らしながら、画像の質を改良するための表示技術を研究し開発する努力が何年にもわたってなされている。
【0017】
一般に、電子ディスプレイ装置はアクティブディスプレイ装置とパッシブディスプレイ装置に分類されることができる。アクティブディスプレイ装置は陰極線管(CRT)、プラズマディスプレイパネル(PDP)及びエレクトロルミネセントディスプレイ(ELD)を含む。パッシブディスプレイ装置は液晶ディスプレイ(LCD)、電気化学ディスプレイ(ECD)及び電気泳動画像ディスプレイ(EPID)を含む。アクティブディスプレイ装置では、各ピクセルは独立して光を放射する。他方、パッシブディスプレイ装置はピクセル内に光を生成せず、ピクセルは光をブロックすることができるだけである。
【0018】
上記のディスプレイ技術のうち、パッシブディスプレイ装置、特にLCD装置はその立証された高品質及び小さな形態要素(スリム性)によって先進的な技術になっている。LCD装置は現在、多くの用途(携帯電話、パーソナルアクセプタンスデバイス、デスクトップモニター、ポータブルコンピュータ、テレビディスプレイなど)に使用されており、これらの用途における画像品質を改良するためにバックライトの高品質な組立体を考察することに対する配慮が増大している。
【0019】
LCDディスプレイでは、電界は液晶モジュールに適用され、液晶分子の配列は電界に依存して変化され、それによって複屈折、旋光性、二色性、光散乱などの液晶の光学的特性を変化する。LCDは受動的であるので、それらはLCDパネルを通って透過した外部光を反射することによってまたはLCDパネルの背後に配置された光源(例えばバックライト集成体)から放出された光を使用することによって画像を表示する。
【0020】
バックライト集成体は高い明度、大きな面積被覆率、照射領域全体にわたる均一な輝度、制御された視野角、小さい厚さ、低重量、低消費電力及び低コストを含む多くの目的を達成するように設計される。
【0021】
図42aは典型的なLCD装置を示す。装置はLCDパネル及びバックライト集成体を含む。LCDパネルはLCDピクセルの配列を含み、それらは典型的には透明基板上に作られた薄膜トランジスターから形成され、それらの間に挟まれた液晶とカラーフィルターを持つ。別の透明基板上に作られたカラーフィルターは各ピクセルによって生成された光の3分の1だけを透過することによってカラー光を生成する。従って、各LCDピクセルは3つのサブピクセルから構成される。薄膜トランジスターはディスプレイ信号線を通って適用される信号によって表示操作を行なうためにゲート線によってアドレスされる。信号は液晶層の光学的特性の局所的変化を実施するために各薄膜トランジスターの近くの液晶層を帯電させる。
【0022】
作用において、バックライト集成体は液晶ピクセルに向けられた白色照明を生成する。液晶層の光学的特性は薄膜トランジスターによって局所的に変調され、ディスプレイの領域全体に光強度変調を作る。特に、静的な偏光子はバックライト集成体によって生成された光を偏光し、液晶ピクセルはそれを通過する光の偏りを選択的に操作する。光強度変調は特定の偏光の光の透過を防止する液晶ピクセルの前に位置された静的な偏光子を使用して達成される。カラーフィルターはピクセルによって放出された強度変調光を着色し、カラー出力を生成する。3つの色成分の隣接するピクセルの選択的な不透明性の変調によって、三成分の色の選択された強度は一緒に混合されてカラー光出力を選択的に制御する。赤、緑、及び青(RGB)の如き三原色の混合は一般に、カラー表示目的のために好適な色の全範囲を生成することができる。
【0023】
伝統的に、冷陰極蛍光灯光(CCFL)はLCDバックライティングのために使用されている。蛍光灯及び光学素子はLCDパネル全体に光を均一に散乱するために配置され、カラーフィルターは色同士を分離するために配置される。拡散層及び反射体はそれぞれ、バックライトスペクトルをさらに均一化するため、及び光の漏れを減らすために使用される。十分な光透過を確保するために、比較的幅広いスペクトルのカラーフィルターが使用される。しかしながら、これはRGBピクセル間のクロストークを生じ、それはCCFLバックライティングから得られうる利用可能な色域を制限する。さらに、CCFLバックライティングシステムは高価で、嵩張り、電力を消費し、しかもHgを含有する。
【0024】
もっと進んだ技術では、LCDのバックライト集成体は、白色またはRGB光を放出するための発光ダイオード(LED)の配列、LCDパネルの方へ光を案内するための光案内プレート、及びLCDパネルとLCDパネルのバックライトスペクトルを均一化するためのLEDとの間に位置された拡散層を含む。しばしば、反射体が光案内プレートの背後に配置され、光案内プレートから漏れる光を光案内プレートの方へ反射させる。LEDは、それらの固有の狭いカラースペクトルのため、LCDの色域全体を改良しうる。さらに、LEDはHgを含まず、それらは高い輝度対サイズ比を与え、長い寿命を持ち、頑強なデザインに組み入れることができる。LEDを導入する際の鍵となる問題は、LED光をバックライティングパネルにわたって均一に広げるために効率的な方法を見出すことにある。このようなタイプのバックライト集成体は例えば米国特許第6608614号、第6930737号、及び米国特許出願第20040264911号、第20050073495号、第20050117320号に開示されている。しかしながら、この技術は、CCFLと同様に、LCDパネルにおけるRGBフィルターの使用のため、出力全体の三分の二の固有出力損失を持つ。
【0025】
図42bは上述の固有出力損失を克服するように設計された別の従来のバックライティング技術を概略的に示す。この技術では、色はLCDサブピクセルの背後に位置されたプリズムによって分離される(濾過される代わりに)。このようなタイプのバックライト集成体は例えば米国特許第5748828号、第6104446号及びそこに含まれる参照文献に開示されている。しかしながら、この技術は、含まれる嵩張る光学素子のために嵩張り及び低効率を免れない。
【0026】
図42cは固有出力損失を克服するように設計された追加の従来のバックライティング技術を概略的に示す。この技術では、上記技術とは反対に、色は白色光に混合されるよりむしろサブピクセルのそれらの予定された列に別々に案内される。赤、緑及び青のLEDは別個の光ファイバーに結合されている。光ファイバーはLCDの赤、緑及び青のピクセルの位置を照明する。LEDは常にオンであり、カラーフィルターが全くない。
【0027】
このようなタイプのバックライト集成体は例えば米国特許第6768525号に、そして部分的には米国特許第6104371号及び第6288700号に開示されている。しかしながら、この技術は実施することが難しい。なぜならば、それは幾つかのファイバー処理を必要とし、それはクロストークなしでカラーフィルターアレーに対して透過されたRGB光をアドレスする問題に対する解決策を与えないからである。
【0028】
さらに、この技術は光分布の制限された均一性を与えるだけである。例えば、Wangらの米国特許第6104371号では、光ファイバーはRGB光源に結合され、パネル内で連続的に平行な列で配置される。出力光の均一性はファイバーに沿って高さを増大する垂直に反射するくさびを置くことによって達成され、ファイバーに沿って光学的出力の減少を補償する増大した反射を実施する。しかしながら、Wangらはサブピクセルレベルで光の均一性を与えることができない。さらに、Wangらは3XNのファイバーの積重ね(Nは大きな数である)を使用するので、全てのRGBカラーは出力で混合される。
【0029】
Moriの米国特許第6288700号では、RGB源に結合された円筒導波路は、光を結合するための穴を与えられた小さな平行な導波路に分割されている。穴はアドレス可能な配置で配置されている。しかしながら、このようなバックライティング構成は穴を通って導波路から出た光の結合を特徴とする低効率のために劣った性能を生じる。さらに、Moriは同じ導波路において全てのRGB色を案内するので、サブピクセルレベルで色の分離が全くない。Moriの技術のさらなる欠点は平行な導波路の中での光散乱または光分布の均一性の不足である。
【0030】
Paoliniらの米国特許第6768525号では、RGB光源に結合されたファイバーは連続的な配置で平行に置かれ、それらの長さに沿って光を散乱する。各ファイバーに沿った散乱点とファイバーの間の間隔はLCDパネルのサブピクセル間の間隔と適合できる。しかしながら、各色を別個の導波路に結合しながら、Paoliniらは、異なる色が最小の混合で異なるサブピクセルに到達する十分に正確な配置を達成するための実際的な技術を全く与えない。導波路から出た光の結合が散乱によるものであるので、隣接する色間のクロストークが避けることができず、しかも各色に対するサブピクセルレベルでの光の均一性が制限されることが認識されている。Paoliniらはさらに、平行なファイバーの1つの層が平行な嵩張る拡散導波路の3つの層によって各色について1つずつ置き換えられる構成を開示する。拡散導波路は散乱ノッチで作られる。散乱ノッチの間の間隔はピクセル間の空間と適合でき、嵩張る導波路の間の空間はサブピクセル間の空間と適合できる。
【0031】
しかしながら、Paoliniらの平行な拡散導波路は大きなアスペクト比(それらの厚さより狭い)を持たなければならず、互いに分離されているので、かかる構成は極めて劣った効率及び均一性を持つ。その理由は、大きなアスペクト比を有するかかる導波路を作ることは難しく、多数の拡散導波路(LCDパネルの各サブピクセルに対して1つの拡散導波路)を、その中で光分離を妥協せずに作ることは難しいことである。
【0032】
拡散光ファイバーまたは導波路はバックライティング用途のために知られているが(例えば、米国特許第6714185号、第6874925号、第6910783号、第4573766号、第5857761号、第6072551号、第6611303号、第6671452号及び第6079838号参照)、このような拡散装置は一般的に幅広くて嵩張り、主にLCDパネルの背後に位置された追加の拡散層に結合され、LCDパネルのピクセルまたはサブピクセルと拡散装置の間に直接的な結合はない。
【0033】
したがって、上記の制限を持たない光学リサイジングのための装置および方法、および/またはバックライト照明に関する必要性が幅広く認識されており、それを持ちかつ提供することは非常に有利である。
【発明の開示】
【0034】
背景技術は、埋込み導波路を使用して光学リサイジングを達成することを教示していないし、1つ以上のパッシブディスプレイパネルに照明光を与えることも教示していない。本発明の実施形態は、埋込み導波路の技術を活用して1次元または2次元の光学リサイジングおよび/またはバックライティングを達成する。
【0035】
したがって、本発明の1態様では光学リサイジング装置が提供される。該装置は、第1の次元で光学リサイジングを達成するように設計されかつ構成された複数の導波路を有する第1光学リサイジング素子と、第2の次元で光学リサイジングを達成するように設計されかつ構成された複数の導波路を有する第2光学リサイジング素子とを備える。第2光学リサイジング素子は、第1光学リサイジング素子を出射した光が第2光学リサイジング素子に入射するように、第1光学リサイジング素子に結合され、したがって第1および第2の両方の次元でリサイジングが行なわれる。第1および第2光学リサイジング素子の少なくとも一方の導波路は少なくとも部分的にテーパを付けられる。
【0036】
下述する本発明の好適な実施形態のさらなる特徴によると、第1光学リサイジング素子および第2光学リサイジング素子の少なくとも一方の複数の導波路は、光学リサイジングを達成するように長手方向に拡張する配列状態に、基板内に形成されかつ/または埋設される。
【0037】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、長手方向に拡張する配列は導波路の層を含み、各層は、導波路が層の第1領域から層の第2領域まで延在し、それによって層内に周方向境界が画定されるように配置され、光学リサイジングを達成するために、周方向境界を特徴付ける長さは第1領域の方が第2領域より小さい。
【0038】
本発明の別の態様では、光学リサイジング素子が提供される。該光学リサイジング素子は、第1ファセットと、第1ファセットより大きい第2ファセットとを有する基板を形成する複数の層を備える。各層は、層内に形成されかつ/または埋設されかつ層の第1領域から層の第2領域まで延在する、実質的に平行な導波路の配列を有する。この態様では、層は部分的に重複する光学配列で配置され、それによって1次元の光学リサイジングを達成するために各層の第2領域が第2ファセットで光学的に露出される。
【0039】
本発明のさらに別の態様では、光学リサイジング素子が提供される。該光学リサイジング素子は少なくとも1層から形成される基板を備え、各層は、層内に形成されかつ/または埋設されかつ層の第1領域から層の第2領域まで延在し、それによって層内に周方向境界を画定する、導波路の配列を有する。1次元の光学リサイジングを達成するために、周方向境界を特徴付ける長さは第1領域の方が第2領域より小さい。
【0040】
本実施形態の光学装置はまた、照明光をパッシブディスプレイ(液晶パネルを含むが、それに限定されない)に与えるために使用されることができる。従って、本発明のさらに別の態様によると、バックライト集成体が提供される。バックライト集成体は、ピクセル領域を特徴づける少なくとも2つのカラーチャネルにそれぞれ相当する少なくとも2つのサブピクセル位置によってそれぞれ規定される複数のピクセル領域を有するパッシブディスプレイパネルを含むパッシブディスプレイ装置における一構成要素として作用することができる。
【0041】
バックライト集成体は好ましくは複数の導波路を含み、それらは1つ以上の基板において形成されかつ/または埋め込まれ、各ピクセル領域が少なくとも2つの導波路によって照明されるような方法で照明光を各サブピクセル位置に与えるように配置され、少なくとも2つの導波路の各導波路はそれぞれのカラーチャネルによってピクセル領域の1つのサブピクセル位置を照明するように配置される。
【0042】
下述する本発明の好適な実施形態のさらなる特徴によると、パッシブディスプレイ装置はパッシブディスプレイパネルの前に位置された光拡散器をさらに含む。
【0043】
記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、パッシブディスプレイ装置はパッシブディスプレイパネルの前に位置された少なくとも1つの追加のパッシブディスプレイパネルをさらに含む。追加のパッシブディスプレイパネルはパッシブディスプレイ装置の消光比を増大するように設計されかつ構成される。
【0044】
本発明のさらに別の態様によると、バックライト集成体が提供され、それは1つ以上の基板に形成されかつ/または埋め込まれた複数の導波路を含み、少なくとも1つの導波路は(i)少なくとも2つのカラーチャネル中に導波路に伝搬する光をデマルチプレクサし、(ii)ピクセル領域の異なるサブピクセル位置が少なくとも2つのカラーチャネルの異なるカラーチャネルによって照明されるような方法でそれぞれのピクセル領域中に光を結合するために設計されかつ構成された光デマルチプレクサを含む。下述する本発明の好適な実施形態のさらなる特徴によると、バックライト集成体はパッシブディスプレイ装置における一構成要素として作用する。
【0045】
下述する本発明の好適な実施形態のさらなる特徴によると、バックライト集成体は複数の光源を含む。記載した好適な実施形態のさらなる特徴によれば、少なくとも1つの光源は発光ダイオードである。記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、少なくとも1つの光源はレーザ光源である。
【0046】
記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、光源は少なくとも1つの導波路が1つの光源によって供給されるように配置される。
【0047】
記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、光源は少なくとも1つの導波路が少なくとも2つの光源によって供給されるように配置される。
【0048】
記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、複数の光源の少なくとも少数は偏光を与えるように構成される。記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、バックライト集成体は光源を出る光を偏光するように複数の光源と複数の導波路の間に位置された偏光子をさらに含む。
【0049】
記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、少なくとも1つの光源は単色光源を含む。
【0050】
記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、複数の導波路のうちの少なくとも1つの導波路はバックライト集成体の層において、層の少なくとも1つの入力領域から層の少なくとも1つの出力領域まで、パッシブディスプレイパネルに対して列状に、配置される。
【0051】
記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、導波路は、各層において導波路が層の少なくとも1つの入力領域から層の少なくとも1つの出力領域まで延び、それによって層内に周囲境界を規定するように、基板に層状に配置される。本発明の好適な実施形態によると、周囲境界を特徴づける長さは少なくとも1つの出力領域においてより少なくとも1つの入力領域においての方が小さい。
【0052】
記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、バックライト集成体は1つ以上の入力基板と1つ以上の出力基板を含み、入力基板における各層は出力基板の1つの層に光学的に結合される。
【0053】
記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、出力基板における層間の分離距離はパッシブディスプレイパネルの列に沿ったサブピクセル間の分離距離と適合しうる。さらに、出力領域の出力基板の導波路間の分離距離はパッシブディスプレイパネルの行に沿ったサブピクセル間の分離距離と適合しうることが好ましい。
【0054】
記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、出力基板の少なくとも1つの層は入力基板のそれぞれの層から受けた光を複数の方向に放出するように設計されかつ構成される。記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、入力基板の少なくとも1つの層は光を少なくとも2つの異なる方向に放出するように設計されかつ構成される。
【0055】
記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、導波路は基板内で部分的に重なる光学的配置で層状に配置される。この実施形態では、各層は層の少なくとも1つの入力領域から層の少なくとも1つの出力領域へ延びる導波路を含み、それによって出力領域が層の導波路内で伝搬する光の放出を可能にするように光学的に露出されることが好ましい。
【0056】
下述する本発明の好適な実施形態のさらなる特徴によると、入力領域は複数のサブ層を含み、少なくとも少数の導波路は層の入力ファセットを形成するために少なくとも1つの入力領域の異なるサブ層から延びるように積重ねられる。
【0057】
記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、少なくとも1つの導波路はテーパを付けられる。
【0058】
記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、導波路は、各導波路に対して、入力領域の終端部分が少なくとも1つの光源を特徴づける少なくとも1つの光路と実質的に同一線上であるように入力領域の層に配置される。
【0059】
記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、バックライト集成体は、少なくとも1つの導波路に形成されかつ光を少なくとも1つの導波路から外に方向転換するように構成された複数の方向転換素子をさらに含む。
【0060】
1つ以上の方向転換素子はミラー(例えば、全内部反射ミラー、エッチングされたミラー、高反射被覆によって被覆されたミラー、平面ミラー、非平面ミラー)、くさび構造(例えば、回折くさび構造)、ブラッグ反射器またはホログラフィック光学素子であることができる。
【0061】
記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、方向転換素子は複数のサブピクセル位置をパッシブディスプレイパネルのそれぞれの列に沿って照明するように配置される。
【0062】
記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、各方向転換素子は1つのサブピクセル位置を列に沿って照明するように少なくとも1つの導波路に配置される。
【0063】
記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、少なくとも1つの方向転換素子は少なくとも2つのサブピクセル位置を列に沿って照明するように少なくとも1つの導波路に配置される。
【0064】
記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、少なくとも1つの方向転換素子は、光ビームのビーム方向転換が列に垂直より列に沿っての方が高いように少なくとも1つの導波路に伝搬する光ビームを方向転換するように設計されかつ構成される。
【0065】
記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、少なくとも1つの方向転換素子は、光ビームが少なくとも2つのサブピクセル位置に列に沿って限定されて当るように設計されかつ構成される。
【0066】
記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、方向転換素子は、パッシブディスプレイパネルの少なくとも2つの行のサブピクセル位置が各層の導波路によって照明されるような方法で配置される。
【0067】
記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、少なくとも少数の導波路はコアとクラッドを含み、コアはクラッドより高い屈折率を有し、クラッドは光が方向転換に続いてクラッドによって集束されるように造形される。
【0068】
記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、少なくとも少数の方向転換素子は、少なくとも1つの層の少なくとも1つの導波路が少なくとも2つの離間された位置から光を放出するように設計されかつ構成される。記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、少なくとも2つの離間された位置の間の分離距離はパッシブディスプレイパネルを特徴づける行間分離距離に等しい。
【0069】
記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、少なくとも1つの方向転換素子は、導波路に伝搬する光の第1部分が層の外へ方向転換し、かつ光の第2部分が部分的に反射する素子を通って導波路に伝搬するように導波路に位置された部分的に反射する素子である。
【0070】
記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、バックライト集成体の基板は少なくとも1つの反射層を含む。記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、反射層は導波路に沿った反射率勾配を特徴とする。
【0071】
記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、各導波路は、導波路の照明領域がそれによって照明されるサブピクセル位置の領域にほぼ等しいように設計されかつ構成される。
【0072】
記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、各導波路は、導波路の照明領域がそれによって照明されるサブピクセル位置の領域より実質的に小さいように設計されかつ構成される。
【0073】
記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、導波路は、各サブピクセル位置が複数の導波路によって照明されるように配置される。
【0074】
記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、各層は、単一のカラーチャネルに対応するサブピクセル位置への層の導波路内に伝搬する光の放出を可能にするように設計されかつ構成される。
【0075】
記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、各層は、少なくとも2つのカラーチャネルに対応するサブピクセル位置への導波路内に伝搬する光の放出を可能にするように設計されかつ構成される。
【0076】
記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、部分的に重なる光学的配置の少なくとも少数の層は、(i)層の第1入力領域から層の第1出力領域へ延びる導波路、但し、第1出力領域は第1カラーチャネルに対応するサブピクセル位置への光の放出を可能にするように光学的に露出される;及び(ii)層の第2入力領域から層の第2出力領域へ延びる導波路、但し第2出力領域は第2カラーチャネルに対応するサブピクセル位置への光の放出を可能にするように光学的に露出される、を含む。
【0077】
記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、部分的に重なる光学的配置の少なくとも1つの層は単一の入力領域及び単一の出力領域を含む。特に、このタイプの層の導波路は層の入力領域から層の出力領域へ延び、出力領域は第3カラーチャネルに対応するサブピクセル位置への光の放出を可能にするように光学的に露出される。
【0078】
記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、部分的に重なる光学的配置はパッシブディスプレイパネルを特徴づける列間分離距離に適合しうる露出長さによって特徴づけられる。
【0079】
記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、露出長さはパッシブディスプレイパネルの少なくとも2つの列と出力領域の間の光通信を確立するように選択される。記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、出力領域に沿った導波路間の分離距離はパッシブディスプレイパネルを特徴づける行間分離距離に適合しうる。
【0080】
記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、バックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置は周囲光によってパッシブディスプレイパネルを照明するように周囲光を反射するように位置された反射層をさらに含む。
【0081】
記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、反射層は複数の導波路とパッシブディスプレイパネルの間に位置される。
【0082】
記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、複数の導波路は反射層とパッシブディスプレイパネルの間に位置される。
【0083】
記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、入力領域と出力領域は層の反対側に設けられる。
【0084】
記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、入力領域と出力領域は平行である。
【0085】
記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、入力領域と出力領域は層の隣接した側に設けられる。
【0086】
記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、入力領域と出力領域は実質的に直交する。
【0087】
記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、入力領域と出力領域は層の同じ側に設けられる。
【0088】
記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、入力領域と出力領域は実質的に同一線上である。
【0089】
記載した好適な実施形態のさらなる特徴によると、バックライト集成体は第1ファセットと、第1ファセットより大きいサイズの第2ファセットとを含み、それによって集成体の導波路は第1ファセットから第2ファセットまで延びる。
【0090】
下述する本発明の好適な実施形態のさらなる特徴によると、第1領域および第2領域は層の対向する側に位置する。
【0091】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、第1領域および第2領域は層の隣接側に位置する。
【0092】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、第1領域および第2領域は層の同じ側に位置する。
【0093】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、第1領域および第2領域は実質的に平行である。
【0094】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、第1領域および第2領域は実質的に直交する。
【0095】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、第1領域および第2領域は実質的に同一直線上にある。
【0096】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、光学リサイジング素子の少なくとも1つは、光学リサイジングを達成するための傾斜層を含む。
【0097】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、光学リサイジング素子の少なくとも1つは、光学リサイジングを達成するためのテラスを含む。
【0098】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、(第1または第2)光学リサイジング素子及びバックライト集成体(これらに限定されない)を含む上記光学装置のいずれかは、光が第1方向に伝搬しながら光学装置に入射し、同一方向に伝搬しながら光学装置を出射するように設計されかつ構成される。
【0099】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、上記光学装置のいずれかは、光が第1方向に伝搬しながら光学装置に入射し、第1方向とは異なる第2方向に伝搬しながら光学装置を出射するように設計されかつ構成される。
【0100】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、第2ファセットは第1ファセットと実質的に平行である。
【0101】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、第2ファセットは第1ファセットに実質的に直交する。
【0102】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、第2ファセットは第1ファセットに対して傾斜する。
【0103】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、第2ファセットおよび第1ファセットは実質的に同一平面上にある。
【0104】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、1つの光学リサイジング素子は、複数の光源から光を受光し、光を別の光学リサイジング素子に伝達するように構成されかつ設計される。
【0105】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、装置はさらに、少なくとも1つの追加光源から光を受光し、光を第2光学リサイジング素子に伝達する、少なくとも1つの追加光学リサイジング素子を備える。
【0106】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、追加光源は単色光源を含む。
【0107】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、(第1または第2)光学リサイジング素子及びバックライト集成体(これらに限定されない)を含む上記光学装置のいずれかは、光を複数の方向に出射するように設計されかつ構成される。光は異なる光源から発することができ、その場合、各方向は異なる光源に帰属する。光はまた、単一光源または別の光学リサイジング素子、バックライト集成体の別の基板から発することができ、その場合、同じ光が複数の方向に放出される。例えば、装置の2つの異なるファセットに単一の像を形成することができ、同じバックライト集成体は照射光を複数のパッシブディスプレイパネルに供給することができる。
【0108】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、装置はさらに、少なくとも2つの異なる方向の1つに位置付けられかつ第1光学リサイジング素子からの光を受光するように構成された、少なくとも1つの追加光学リサイジング素子を備える。
【0109】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、光学リサイジング素子の少なくとも1つは複数の部分光学リサイジング素子を備え、各部分光学リサイジング素子が、それぞれの次元で部分光学リサイジングを達成するように設計されかつ構成される。
【0110】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、装置または光学リサイジング素子はさらに、第2ファセットに付着またはエッチングされた拡散層を含む。
【0111】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、装置または光学リサイジング素子はさらに拡張構造を含む。
【0112】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、拡張構造はホログラフィック光学素子を含む。
【0113】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、拡張構造は、高屈折率領域および低屈折率領域が交互にパターン形成された層のスタックを含む。
【0114】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、拡張構造は溝がパターン形成された層のスタックを含む。
【0115】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、拡張構造はテーパ付き導波路の層のスタックを含む。
【0116】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、拡張構造はミラーを含む。記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、ミラーは全内部反射ミラーを含む。記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、ミラーは高反射被覆で被覆される。
【0117】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、拡張構造はブラッグ反射器を含む。
【0118】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、少なくとも1つの光学リサイジング素子は光を偏光させるように設計されかつ構成される。
【0119】
本発明の追加の態様では、光学リサイジング装置が提供される。該装置は第1ファセットおよび第2ファセットを有する基板を形成する複数の層を含み、複数の層は部分的に重複する光学配列状に配置される。各層は、層に形成されかつ/または埋設されかつ層の第1領域から層の第2領域まで延在し、それによって層内に周方向境界を画定する、導波路の配列を有する。周方向境界を特徴付ける長さは第1領域の方が第2領域より小さく、第2領域は第2ファセットに光学的に露出される。
【0120】
下述する本発明の好適な実施形態のさらなる特徴によると、第1ファセットは、複数の層の重複領域の端部によって画定される。
【0121】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、各層は第1ファセットに部分的に露出される。
【0122】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、少なくとも少数の層は、層の複数の導波路内に伝搬する光を層から外に方向転換させるためのミラーを含む。記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、ミラーの少なくとも一部分は全内部反射ミラーである。記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、ミラーの少なくとも一部分はエッチングされたミラーである。記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、ミラーの少なくとも一部分は高反射被覆で被覆される。
【0123】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、ミラーの少なくとも一部分は平面ファセットを含む。
【0124】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、ミラーの少なくとも一部分は非平面ファセットを含む。
【0125】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、少なくとも少数の層は、層の複数の導波路内に伝搬する光を層から外に方向転換させるためのブラッグ反射器を含む。
【0126】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、少なくとも少数の層は、層の複数の導波路内に伝搬する光を層から外に方向転換させるためのホログラフィック光学素子を含む。
【0127】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、装置は、装置によってリサイズされる光の明るさを実質的に維持するように、充分に小さく選択された視野によって特徴付けられる。
【0128】
本発明のさらに追加の態様では、光学リサイジング素子を製造する方法が提供される。該方法は、(a)基板の第1領域から基板の第2領域まで延在する拡張配列状の複数の導波路を基板上に形成し、それによって導波路の層を設ける工程と、(b)工程(a)を複数回繰り返し、それによって複数の層を設ける工程と、(c)複数の層の端部によって画定される第1ファセットと、複数の層のうちの1層の露出表面によって画定される第2ファセットとを形成するように複数の層を積層し、それによって光学リサイジング素子を製造する工程とを含む。
【0129】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、該方法はさらに、(d)基板の第1領域から基板の第2領域まで延在する実質的に平行な複数の導波路を基板上に形成し、それによって導波路の層を設ける工程と、(e)工程(d)を複数回繰返し、それによって複数の層を設ける工程と、(f)第1ファセットおよび第2ファセットを形成し、第2ファセットが複数の層の光学的に露出した部分によって画定されるように、各層の第2領域が光学的に露出する、部分的に重複する光学配列状に複数の層を積層し、それによって第2光学リサイジング素子を製造する工程と、(g)光学リサイジング素子から第2光学リサイジング素子への光の伝搬が可能となり、光学リサイジング素子内では第1の次元で、第2光学リサイジング素子内では第2の次元で光をリサイズするように、光学リサイジング素子を第2光学リサイジング素子に光結合する工程とを含む。
【0130】
本発明のさらなる追加の態様では、複数の光学リサイジング素子を製造する方法が提供される。該方法は、(a)基板の第1領域から基板の第2領域まで延在する複数の導波路を基板上に形成し、それによって導波路の層を設ける工程と、(b)工程(a)を複数回繰り返し、それによって複数の層を設ける工程と、(c)スタックを設けるように複数の層を積層する工程と、(d)複数の光学リサイジング素子を設けるように、スタックに少なくとも1回切断を実行する工程とを含む。
【0131】
本発明のさらなる態様では、光学リサイジング素子を製造する方法が提供される。該方法は、(a)基板の第1領域から基板の第2領域まで延在する複数の平行な導波路を基板上に形成し、それによって導波路の層を設ける工程と、(b)工程(a)を複数回繰り返し、それによって複数の層を設ける工程と、(c)第1ファセットおよび第2ファセットを形成し、第2ファセットが複数の層の光学的に露出した部分によって画定されるように、各層の第2領域が光学的に露出する、部分的に重複する光学配列状に複数の層を積層し、それによって光学リサイジング素子を製造する工程とを含む。
【0132】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、該方法はさらに、(d)第2光学リサイジング素子を形成するために工程(b)〜(c)を繰り返す工程と、(e)光学リサイジング素子から第2光学リサイジング素子への光の伝搬が可能となり、光学リサイジング素子内では第1の次元で、第2光学リサイジング素子内では第2の次元で光をリサイズするように、光学リサイジング素子を第2光学リサイジング素子に光結合する工程とを含む。
【0133】
本発明のさらに別の態様では、光学リサイジング装置を製造する方法が提供される。該方法は(a)基板の第1領域から基板の第2領域まで延在する複数の導波路を基板上に形成し、それによって第1領域の方が第2領域より小さい長さによって特徴付けられる周方向境界を基板内に画定する工程と、(b)工程(a)を複数回繰り返し、それによって複数の層を設ける工程と、(c)第1ファセットおよび第2ファセットを形成し、第2ファセットが複数の層の光学的に露出した部分によって画定されるように、各層の第2領域が光学的に露出する、部分的に重複する光学配列状に複数の層を積層し、それによって光学リサイジング装置を製造する工程とを含む。
【0134】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、該方法はさらに、複数の導波路内を伝搬する光を基板から外に方向転換させるためのミラーを位置付ける工程を含む。
【0135】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、該方法はさらに、層を積層する工程の後に、第1ファセットおよび第2ファセットの少なくとも1つを形成するために、層を切断する工程を含む。
【0136】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、該方法では、切断工程を、少なくとも1つのファセットが傾斜するように実行する。
【0137】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、該方法はさらに、層を積層する工程の前に、複数の導波路端部を露出させる層端を各層毎に形成するために、複数の層を切断する工程を含む。
【0138】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、該方法はさらに、層を積層する工程の前に、層の少なくとも一部分に偏光子を置く工程を含む。
【0139】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、該方法はさらに、少なくとも1つのファセットをカプラに結合する工程を含む。記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、カプラはマイクロレンズアレイを含む。
【0140】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、該方法はさらに、ファセットにマイクロレンズアレイを形成するために、少なくとも1つのファセットをエッチングする工程を含む。
【0141】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、導波路の少なくとも少数はテーパを付けられるか、あるいは部分的にテーパを付けられる。
【0142】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、テーパリングは平滑なプロファイルによって特徴付けられる。
【0143】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、テーパリングは実質的に階段状のプロファイルによって特徴付けられる。
【0144】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、複数の層は第2ファセットで部分的に露出される。
【0145】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、複数の導波路の少なくとも少数は平面光回路を形成する。
【0146】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、複数の導波路の少なくとも少数は光ファイバーアレイを形成する。
【0147】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、複数の導波路の少なくとも少数は単一モード導波路である。
【0148】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、導波路はマルチモード導波路である。
【0149】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、光学リサイジング装置または素子はさらに、導波路のコア間に導入された光吸収体を含む。
【0150】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、少なくとも少数の導波路はコアおよびクラッドを含み、コアはクラッドより高い屈折率を有する。
【0151】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、少なくとも少数の導波路はフォトニックバンドギャップ材料を含む。
【0152】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、光学リサイジング装置または素子はさらに、光を光学リサイジング装置または光学リサイジング素子に結合するためのマイクロレンズアレイを含む。
【0153】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、光学リサイジング装置または素子はさらに、光を光学リサイジング装置または素子に結合するための少なくとも1つの光ファイバ束を含む。
【0154】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、光学リサイジング装置または素子は可撓性である。
【0155】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、光学リサイジング装置または素子は折曲げ可能である。
【0156】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、光学リサイジング装置または素子はディスプレイシステムの構成部品として働く。
【0157】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、光学リサイジング装置または素子は自動立体視ディスプレイシステムの構成部品として働く。
【0158】
本発明のさらに別の態様では、上述の態様または特徴のいずれかの光学リサイジング装置に光を透過させる工程を含む、光点をリサイズする方法が提供される。
【0159】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、該方法はさらに、輝度勾配をもたらし、それによって不均質な光損失を補償するために、光点を歪める工程を含む。
【0160】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、該方法で光は像を構成する。
【0161】
記載した好適な実施形態のさらに別の特徴によると、該方法はさらに、輝度勾配を提供し、それによって不均質な光損失を補償するために、像を歪める工程を含む。
【0162】
本発明は、先行技術をはるかに超える特性を享受する光学リサイジング素子、光学リサイジング装置、および方法を提供することによって、現在公知の構成の短所に対処することに成功している。
【0163】
別途定義されない限り、本明細書中で使用されるすべての技術的用語および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書中に記載される方法および材料と類似または同等である方法および材料を本発明の実施または試験において使用することができるが、好適な方法および材料が下記に記載される。矛盾する場合には、定義を含めて、本特許明細書が優先する。加えて、材料、方法および実施例は例示にすぎず、限定であることは意図されない。
【0164】
図面の簡単な記述
本明細書では本発明を単に例示し図面を参照して説明する。特に詳細に図面を参照して、示されている詳細が例示として本発明の好ましい実施形態を例示考察することだけを目的としており、本発明の原理や概念の側面の最も有用でかつ容易に理解される説明であると考えられるものを提供するために提示していることを強調するものである。この点について、本発明を基本的に理解するのに必要である以上に詳細に本発明の構造の詳細は示さないが、図面について行う説明によって本発明のいくつもの形態を実施する方法は当業者には明らかになるであろう。
図1a〜2bは、ファイバベースの誘導拡大装置を製造するための先行技術の概略図である。
図3a〜cは、本発明の様々な例示的実施形態に係る、導波路の長手方向に拡張する配列(図3a)、部分的テーパ付き導波路(図3b)、および部分的テーパ付き導波路の長手方向に拡張する配列(図3c)の概略図である。
図3dは、2層以上を持つ図3cの実施形態の概略図である。
図4a〜iは、本発明の様々な例示的実施形態における光学リサイジング素子の概略図である。
図5は、本発明の様々な例示的実施形態における2つの光学リサイジング素子を有する光学リサイジング装置の概略図である。
図6aは、本発明の様々な例示的実施形態における受光光学リサイジング素子の小さいファセットの概略図である。
図6bは、本発明の様々な例示的実施形態における図6aの素子の導波路の3次元図である。
図7aは、各光学リサイジング素子の入射および出射ファセットが相互に実質的に直交する実施形態の装置の3次元概略図である。
図7bは、2対の光学リサイジング素子を採用する好適な実施形態における図7aの装置の3次元概略図である。
図8は、一方の光学リサイジング素子のファセットが実質的に平行であり、他方の光学リサイジング素子のファセットが実質的に直交する、好適な実施形態における装置の概略図である。
図9は、光学リサイジング素子のファセットが実質的に同一平面上にある、好適な実施形態における装置の概略図である。
図10a〜bは、本発明の様々な例示的実施形態に従って導波路の配列を製造するためのフォトマスクレイアウトの概略図である。
図11a〜bは、垂直方向および横方向の両方にテーパを付けられた導波路を製造するためのプロセスの概略図である。
図12a〜fは、複数の光源を使用する好適な実施形態における光学リサイジング装置の概略図である。
図13a〜cは、装置からの光学出力が2つ以上存在する好適な実施形態における装置の概略図である。
図14a〜bは、装置が1つ以上の追加光学素子を含む好適な実施形態における装置の概略図である。
図15は、層が偏光子を含む好適な実施形態における光学リサイジング素子の層の概略図である。
図16a〜bは、光源が画像源である好適な実施形態における装置と光源との間の結合の概略図である。
図17は、入力画像がレンズを用いて装置に合焦される好適な実施形態の概略図である。
図18a〜bは、1つ以上のファイバ束が使用される好適な実施形態における装置と光源との間の結合の概略図である。
図19は、導波路が層の端部に対して傾斜する好適な実施形態における光学リサイジング素子の1層の概略図である。
図20〜22fは、装置が部分的に重複する光学配列の原理に従って製造される好適な実施形態における光学リサイジング装置の概略図である。
図23a〜bは、ファセットが2次元段付き形状を有する好適な実施形態における、図20〜22の装置と同様の装置のファセットの一部分の概略側面図(図23a)および概略上面図(図23b)である。
図23c〜dは、本発明の様々な例示的実施形態に係るミラー形状の概略図である。
図24a〜eは、本発明の様々な例示的実施形態に係る2次元段付きまたは傾斜プロファイルを持つ光学リサイジング素子の概略側面図である。
図25は、本発明の好適な実施形態に係る折曲げ可能な光学リサイジング装置の概略図である。
図26a〜bは、本発明の様々な例示的実施形態に係る、透過素子の配列を介して光が装置から外に結合される構成の概略図である。
図27a〜bは、本発明の様々な例示的実施形態における、傾斜光学リサイジング素子を製造するためのプロセスの概略図である。
図27c〜hは、本発明の様々な例示的実施形態に係る拡張構造の概略図である。
図28a〜cは、層が軽量層である好適な実施形態における、図20〜22の装置と同様の装置の層の概略上面図(図28a〜b)および概略側面図(図28c)である。
図29a〜eは、本発明の様々な例示的実施形態に係る、図20〜22の装置と同様の装置を製造するための好適な折曲げ技術の概略図である。
図30a〜bは、本発明の様々な例示的実施形態における、複数の光学リサイジング素子を製造するための同時プロセスの概略図である。
図31は、装置が複数の光源から光を受光する好適な実施形態における、図20〜22の装置と同様の装置の概略図である。
図32a〜bは、装置が複数の単色光源の形の光学入力を受光する好適な実施形態における、図20〜22の装置と同様の装置の概略上面図(図32a)および概略断面図(図32b)である。
図33a〜cは、本発明の様々な例示的実施形態に係る、図20〜22の装置と同様の装置の層から外へ光を結合するための技術の概略図である。
図34a〜35cは、装置が自動立体視画像を提供するために使用される好適な実施形態における、図20〜22の装置と同様の装置の概略図である。
図36は、図34a〜35cの装置と同様の装置の視野内の異なる光学領域の概略図である。
図37a〜bは、複数の自動立体視画像が提供される好適な実施形態における1層の概略図(図37a)および結果として得られる視野の概略図(図37b)である。
図38は、差動導波路損失を補償するために入力画像が不均一な明るさを有する好適な実施形態における光学リサイジング装置の概略図である。
図39aは、層が光吸収体を含む好適な実施形態における光学リサイジング素子の層の概略図である。
図39bは、本発明の好適な実施形態に係る可変断面を持つ導波路の概略図である。
図40は、本発明の様々な例示的実施形態における、出力光の明るさを改善するための手順の概略図である。
図41は、本発明の様々な例示的実施形態における装置の視野を修正するための手順の概略図である。
図42aは、従来のエッジ照明LCD装置の概略図である。
図42b〜cは、固有の2/3出力損失を克服するように設計されたバックライト技術の概略図である。
図43a〜cは、本実施形態の1つ以上の光学素子を使用するディスプレイ装置の概略図である。
図44a〜cは、パッシブディスプレイパネル(図44a及び44c)及びそのピクセル領域(図44b)の概略図である。
図45は、本発明の様々な例示的実施形態によるバックライト集成体の概略図である。
図46a〜bは、本発明の様々な例示的実施形態による、パッシブディスプレイパネルにバックライト集成体によって与えられるバックライト照明の色分布の概略図である。
図47a〜bは、各導波路の終端部分が光源を特徴づける少なくとも1つの光路と実質的に同一直線上であるように導波路が各層に配置される、光をバックライト集成体に結合するための好適な技術の概略図である。
図48a〜eは、本発明の様々な例示的実施形態による、光を導波路から外へ方向転換するための技術の概略図である。
図49a〜bは、層の導波路が行あたり1つ(図49a)及び2つ(図49b)のサブピクセルを照明する構成のための好適な層デザインの概略図である。
図50は、図49bに示されたタイプの層のスタックの側面図を概略図に示す。
図51は、本発明の様々な例示的実施形態による、入力領域に延びる複数の第2導波路に分岐した第1導波路を含む単一層の概略図である。
図52a〜bは、複数の第1導波路が1つの入力領域から複数の出力領域まで延びる、単一層に複数のカラーチャネルを案内するための好適な実施形態の概略図である。
図53a〜bは、層が複数の入力領域から複数の出力領域まで延びる導波路を含み、各カラーチャネルが1つの入力領域で層に入り、導波路を通って伝搬し、1つの出力領域で層を出る、単一層に複数のカラーチャネルを案内するための好適な実施形態の概略図である。
図54aは、単一層に複数のカラーチャネルを案内するための別の好適実施形態による単一層の概略図である。この実施形態では、層は2つの入力領域及び4つの出力領域を含む。
図54bは、本発明の様々な例示的実施形態による、図49aの層及び図54aの層の交互配列を有する光学装置の側面図の概略図である。
図55a〜cは、導波路が入力領域から複数の出力領域まで延びる好適な実施形態における導波路の層の概略図である。
図56a〜bは、少数の層が2つの入力領域及び複数の出力領域を含む好適な実施形態の概略図である。
図57aは、正面の(in−front)光拡散器を含む好適な実施形態のLCD装置の概略図である。
図57bは、2つのパッシブディスプレイを含む好適な実施形態のLCD装置の概略図である。
図58は、単色光がバックライト集成体の導波路に伝搬する好適な実施形態のLCD装置の概略図である。
図59は、透過モードで操作する好適な実施形態のLCD装置の概略図である。
図60は、色連続モードで操作する好適な実施形態のLCD装置の概略図である。
図61a〜c及び62a〜cは、複数の出力領域がある実施形態(例えば図55a〜56b参照)に有用な追加の光結合技術(特に限定されない)の概略図である。
図63は、12個の単色光源から光学的入力を受けるバックライト集成体の概略図である。
図64a〜bは、マイクロレンズアレイを含む好適な実施形態のバックライト集成体の概略図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0165】
本発明の実施形態は、光学リサイジングまたは照明光のために使用することのできる方法、光学素子、および装置を含む。特に、本発明は、ディスプレイシステム等のような様々な用途で光学リサイジング及び/または照明光を与えるために使用されることができるが、それらに限定されない。
【0166】
本書で使用する場合、用語「光学リサイジング」とは、例えば平面光点であり得る光波面の拡張または収縮を指す。換言すると、光学リサイジングとは、光波面が占める面積の変化(拡張または収縮)を指す。例えば、光がそこに像を構成する場合、光学リサイジングとは像の拡大または縮小を指し、それは像の画像素子(例えば画素(ピクセル))の分離変化またはサイズ変化によって達成されることができる。光波面が占める面積のサイズは、ここでは互換可能に光ビームの横断面積と呼ばれる。
【0167】
用語「照明光」とは、単色光または色彩光を指す。典型的には、必須ではないが、照明光は画像を構成せず、予め決められた領域を照明するために使用される。例えば、照明光はパッシブディスプレイパネルのためのバックライトとして使用されることができる。
【0168】
本書で使用する場合、用語「パッシブディスプレイパネル」とは、ピクセルが光を生成せず、しかも操作のためにバックライトを要求する画素化されたパネルを指す。パッシブディスプレイパネルの代表例は、限定されないが、液晶パネル及び電気泳動パネルを含む。本発明の様々な実施形態では、パッシブディスプレイパネルは液晶パネルである。
【0169】
照明光はまた、上述のように光学リサイジングを受けることができる。例えば、照明光は、相対的に小さい寸法の1つ以上の光源から生じることができ、大きな領域を照明するように拡大されることができる。
【0170】
本発明による装置および方法の原理および作用が、図面および付随する説明を参照してより十分に理解されることができる。
【0171】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳しく説明する前に、本発明は、その適用において、下記の説明において記載されるか、または、図面によって示される構成の細部および構成要素の配置に限定されないことを理解しなければならない。本発明は他の実施形態が可能であり、または、様々な方法で実施または実行されることができる。また、本明細書中で用いられる表現法および用語法は記述のためであって、限定であると見なしてはならないことを理解しなければならない。
【0172】
本発明の実施形態は埋込み導波路の技術を利用して、光学リサイジングまたは照明光を達成する。埋込み導波路は、平面光回路(PLC)の導波路または他のアレイ等の、当業界で公知のいずれかのタイプとすることができる。さらに、導波路は単一モードまたはマルチモード導波路であり得る。導波路の断面は略円形、略矩形、または他の幾何学的形状とすることができる。
【0173】
埋込み導波路は、層状に製造することができるように、1つ以上の層に配列されることが、必須ではないが、好ましい。しかし、用途によって、光学リサイジングは、以下でさらに詳述するように塊状材料から作られた光学リサイジング素子によって達成することができるので、必ずしもそうする必要はない。
【0174】
埋込み導波路が層状に配置される実施形態では、以下でさらに詳述するように、それらの表面を介して、またはそれらの端部を介して、光が層に入射または層から出射することができる。本発明の実施形態の光学リサイジング及び/またはバックライティングは、任意のタイプおよび任意の形状の導波路の長手方向に拡張する配列によって達成されることができる。特に、長手方向に拡張する配列は、テーパ付き導波路、部分的テーパ付き導波路、テーパ無し導波路、またはそれらのいずれかの組合せを含むことができる。
【0175】
一般に、長手方向に拡張する導波路は、異なる導波路間の距離が一方向で測定すると、別の方向に沿って増大する導波路の配列を指す。
【0176】
ここで、図面を参照すると、図3a〜cは、本発明の様々な例示的実施形態に係る、テーパ無し導波路の長手方向に拡張する配列(図3a)、部分的テーパ付き導波路(図3b)、および部分的テーパ付き導波路の長手方向に拡張する配列(図3c)を示す。示されるように、異なる導波路間の距離は、横断方向17に沿って測定すると、長手方向19に沿って増大する。図3dは、複数の層を持つ図3cの実施形態を例示する。
【0177】
本発明の実施形態のさらなる詳細な説明を提示する前に、それらによって提供される利点および潜在的な用途について注目する。埋込み導波路の使用は、平面状の経路選択およびテーパリング素子の製造を可能にする。さらに、PLC技術を使用する場合、各々または一部の導波路は、ミラーコーナーを介して相互接続される幾つかの部分を含むことができる。そのような設計は、導波路の曲げを低減または排除し、従って最終製品の厚さを低減するために使用されることができる。
【0178】
本発明の実施形態の別の利点は、PLC技術が矩形のコア断面を有する導波路の製造を可能にし、それによって充填率が増大し、結合損失が低減されることである。
【0179】
本発明の実施形態の特別な特徴は、導波路がパッシブディスプレイパネルのためのバックライト集成体に使用されるとき、LCD装置のようなパッシブディスプレイ装置がカラーフィルターの使用なしで製造されうることである。カラーフィルターは高価であり、それらは一色だけを移すので出力損失の2/3以上の原因であることが認識される。それゆえ、本発明の実施形態はコスト及び光学的透明性の観点から従来のLCD装置に対して有利である。
【0180】
埋込み導波路の使用は、容易に組み立てることのできる可撓性素子の製造を可能にする。例えば光学装置は、部分的に重複する可撓性層で組み立てることができ、それにより個々の導波路の曲げに代わって、またはそれに加えて、層全体を曲げることができる。加えて、層状の生産工程は、折曲げ可能な光学装置の製造を容易にし、それにより異なる層がそれらの間で部分的にのみ付着する。
【0181】
図4a〜bに関連して、本発明の1態様では、本書で概して素子10と呼ぶ光学素子が提供される。光学素子10は、さらに以下で詳述するように、光学リサイジング素子として、または照明光を例えばパッシブディスプレイパネルに与えるための素子として役立つことができる。素子10は、1つ以上の層14から形成される基板12を含む。素子10の各層は、その中に形成されかつ/または埋設された導波路の配列を有する。隣接層間の分離距離はtによって示される。本発明の好適な実施形態では、各層の導波路の配列は長手方向に拡張する配列である。図4bは素子10の層14の概略図である。層14は、層14の第1領域18から第2領域20まで延在し、それによって層14内に周方向境界22を画定する複数の導波路16を含むことが好ましい。境界22は図4bでは破線として図示されている。第1領域18は、光が導波路に入る入力領域であることができ、第2領域20は、光が導波路を出る出力領域であることができる。図4bに示された例示された構成では、第1領域18および第2領域20は実質的に平行であり、かつ層14の反対側に位置する。しかし、用途によっては領域を相互に平行にする必要はない場合があるので、必ずしもそうする必要はない。したがって、領域18および20はそれらの間に任意の幾何学的関係を持つことができる。例えば、以下でさらに例証する通り(例えば図4e〜f参照)、領域18および20は層14の隣接する側に(例えば実質的に直交関係に)、または層14の同一側に(例えば実質的に同一直線上にある関係または実質的に平行偏位関係に)位置されることができる。
【0182】
本書で使用する場合、「実質的に平行」とは、20°未満、より好ましくは10°未満、最も好ましくは5°未満、例えば約0°の相対的配向を指す。本書で使用する場合、用語「平行」とは、実質的に平行と理解すべきである。
【0183】
本書で使用する場合、「実質的に直交」とは、約70°から約110°、より好ましくは約80°から約100°、最も好ましくは約85°から約95°、例えば約90°の相対的配向を指す。
【0184】
本書で使用する場合、「実質的に同一直線上にある」とは、20°未満、より好ましくは10°未満、最も好ましくは5°未満、例えば約0°の相対的配向を指す。さらに、本書で使用する場合、「実質的に平行偏位」とは、ファセットが実質的に平行であるが、50mm未満、より好ましくは1mm未満、最も好ましくは0.1mm未満、例えば約0.01mmだけ実質的に偏位している場合も指す。
【0185】
さらに、導波路は実質的に直線形状を持つように示されているが、用途によっては非直線的(つまり湾曲)形状であることが望ましい場合があるので、必ずしもそうする必要はない。加えて、導波路は、以下でさらに詳述するように、コーナーミラーによって相互接続される非連続区間から形成されることができる。
【0186】
いずれの場合も、境界22を特徴付ける長さは、第1領域18の方が第2領域20より短い。従って、領域18に沿った隣接導波路間の距離Sは領域20に沿った隣接導波路間の距離Δxより小さい。
【0187】
通常の当業熟練者は、そのような配列が、層の領域18および20によって画定される1次元の光学リサイジングを達成することを理解されるであろう。例えば、領域18が入力領域として作用し、領域20が出力領域として作用するとき、光ビームは第1領域18から層14に入射し、導波路16を伝搬し、第2領域20から出射する。この構成では、光の横断面積は領域18および20に実質的に平行な方向に拡張される。逆に、領域20が入力領域として作用し、領域18が出力領域として作用するとき、光ビームは第2領域20から層14に入射し、第1領域18から出射する。この構成では、光の横断面積は領域18および20に平行な方向に縮小される。
【0188】
図4c〜dは、層のより小さい領域が小さいファセット24を形成し、層のより大きい領域が大きいファセット26を形成するように、層が積層された好適な実施形態における素子10のファセットの概略図である。
【0189】
導波路は、記述の通り、長手方向に拡張する配列および個々の導波路のテーパリングの両方によってリサイジングが達成されるように、テーパを付けることができる。図4eは、第1領域18が第2領域20に実質的に直交する構成でテーパ付き導波路を使用する、好適な実施形態の概略図である。依然として、境界22を特徴付ける長さは、光学リサイジングを確実にするために、第1領域18の方が第2領域20より小さいことが好ましい。図4fは、第1領域18が第2領域20と同一直線上にある構成でテーパ付き導波路を使用する、好適な実施形態の概略図である。
【0190】
素子10の層の領域18および20の構造に応じて、小さいファセット24および大きいファセット26は、それらの間に任意の幾何学的関係を持つことができる。図4g〜iは、本発明の様々な例示的実施形態に係る、ファセット24および26間の幾つかの幾何学的関係を概略的に示す。従って、層の領域18および20が平行であり、かつ層の反対側に位置される場合(例えば図4b参照)、小さいファセット24は大きいファセット26と平行かつ対向する(図4g)。領域18および20が相互に角度を成して整列される(例えば実質的に直交する、例えば図4e参照)場合、ファセット24および26も同じ角度を成して整列される(図4h)。領域18および20が層の同じ側に位置される(例えば実質的に同一直線上にある、例えば図4f参照)場合、ファセット24および26は同一平面上にある(図4i)。図4g〜iに示す幾何学的関係のより詳細な言及は、本発明の実施形態の範囲をファセット24および26の間の特定の角度に限定することを意図したものではないことを理解されたい。したがって、本発明の実施形態は、ファセット24および26の間の角度に対しどんな値でも想定する。
【0191】
本発明の実施形態に適した導波路は、高い屈折率のコアおよび低い屈折率のクラッドを持つことができ、あるいはフォトニックバンドギャップ材料を含むことができる。したがって、本発明の実施形態に適した導波路の層は、例えば導波路クラッドとして働く低い屈折率の材料の層に溝をエッチングし、かつ導波路コアとして働く高い屈折率の材料を溝内に堆積することによって、製造されることができる。導波路コアはその後、上部クラッド層として働く低い屈折率の追加層によって被覆されることができる。
【0192】
フォトニックバンドギャップ材料の導波路は、周期的構造を持たずコア導波路として働くストライプを残して、誘電材料の基板上に光学的周期構造を形成(例えばエッチング)することによって、製造されることができる。光学的周期構造は、光の伝搬が発生しない波長帯域(フォトニックバンドギャップ)を画定する、サブマイクロメートルないしマイクロメートル範囲のサイクルの屈折率の空間的な周期的変化によって特徴付けられる。光学的周期構造は次いで、クラッド層によって被覆されることができる。フォトニックバンドギャップ材料を使用する利点は、フォトニックバンドギャップでは、高い曲率の導波路区間でさえも、放射損失が無いことである。
【0193】
必須ではないが、PLCポリマーリソグラフィ技術を使用することが好ましい(例えば、Eldadaら、「Advances in polymer integrated optics」、IEEE J.Selected Topics in QE、vol.6、54〜68、2000を参照されたい)。導波路の層を製造するための予想されるプロセスとして、フォトブリーチングプロセス[Galloら、「High‐density interconnects for 2‐dimensional VCSEL arrays suitable for mass scale production」、ITCom 2001、論文4532〜47、2001]、注型/成形プロセス[Kopetzら、「Polysiloxane optical waveguide layer integrated in printed circuit board」、Elec.Lett.Vol.40、668〜669、2004]、およびソフトリソグラフィプロセス[Huangら、「Bottom‐up soft lithography fabrication of three‐dimensional multilayer polymer integrated optical microdevices」、Appl.Phys.Lett.vol.85、3005〜3007、2004]も挙げられるが、それらに限定されない。
【0194】
本発明の実施形態の導波路はまた、当業界で公知の通り、好ましくは外枠無しに、接着材料を用いて層に埋設された光ファイバのアレイであり得る(この目的のために、例えば米国特許第5381506号、第6597845号、第6885800号を参照されたい)。
【0195】
本発明の実施形態の光学素子は、導波路の層を多数含むことが好ましい。典型的には、層の数は、数百層(例えば約500層)ないし数千層程度(例えば約5000層)である。光学素子がバックライト照明をパッシブディスプレイパネルに与えるために作用するとき、層の数はパッシブディスプレイパネル上のピクセルまたはサブピクセルの数の平方根のオーダを有する。例えば、層の数は、以下にさらに詳述するように、パッシブディスプレイパネルの行におけるピクセルまたはサブピクセルの数、またはパッシブディスプレイパネルの列におけるピクセルまたはサブピクセルの数であることができる。
【0196】
本明細書に使用される場合、量Xが別の量Yのオーダであるとして言及されるとき、量Xは0.1Yから10Yまでのいかなる値を持つことができる。
【0197】
層は、ポリマーウェハー層を次々に処理することによってまたは積層された層を積重ねることによって積重ねられることができる。層はまた、これらの技術の組み合わせを使用して積重ねられることができる。いったんウェハー層が積重ねられると、ウェハーはのこで筋を付けられ、必要なファセットが研磨される。あるいは、筋は積重ね前にのこで付けられることができる。光学素子が幅広く短いので、多くのかかる素子がパラレルな工程で組み立てられうることが認識されるだろう。
【0198】
本発明の実施形態の光学素子は、述べたように照明のために及び/または光学リサイジングを達成するために使用されることができる。従って、光学素子は、ディスプレイ装置(これに限定されない)を含む多くの用途に組み入れることができる。ディスプレイ装置では、光学素子は装置のディスプレイユニット(この場合において光学素子はそのファセットの1つ以上に画像情報を表示する)または装置のバックライトユニット(この場合において光学素子は照明光をディスプレイユニットに与える)のいずれかの構成要素として作用しうる。
【0199】
図43a〜cは本発明の実施形態の光学素子の用途の概略図である。図43aでは、光学素子はディスプレイ装置60のディスプレイユニット63の構成要素であるかまたはそのように作用し、図43b〜cでは、光学素子はディスプレイ装置60のバックライト集成体62の構成要素であるかまたはそのように作用する。当業者に認識されているように、図43aの例示的構成では、光学素子は画像データによってコードされる光68を伝達し、一方図43b〜cの構成では、光学素子はコードされないことが好ましい照明光66を伝達する。図43b〜cのディスプレイ装置は好ましくはパッシブディスプレイ装置(例えばLCD装置)であり、それはパッシブディスプレイパネル64及び所望により正面偏光子540をさらに含む。図43b〜cに示されるように、パネル64は、バックライト集成体62によって与えられる照明光66によって供給される。画像データによって変調された電界がパネル64の液晶モジュールに供給されるとき、液晶の光学特性が変更され、パネル64を通過する照明光が画像データによってコードされる。
【0200】
パッシブディスプレイパネル64の概略図が図44aに示される。パネル64は複数のピクセル領域52を有し、各々が2つ以上のサブピクセル位置54によって画定される。各ピクセル領域のサブピクセル位置はピクセル領域を特徴付けるカラーチャネルに対応する。従って、2つのカラーチャネルのピクセル領域は2つのピクセル位置を有し、3つのカラーチャネルのピクセル領域は3つのピクセル位置を有する。
【0201】
3つのカラーチャネル(例えば赤チャネル、緑チャネル及び青チャネル)の単一ピクセル領域は図44bに概略的に示されている。3つのサブピクセル位置は54a,54b及び54cで示されている。本発明の実施形態の光学素子がパネル64を照明するために使用されるとき、それはサブピクセル位置のそれぞれのカラーチャネルに対応するサブスペクトルによって特徴付けられる光によって各サブピクセル位置を照明することが好ましい。
【0202】
図43bに示された1つの実施形態では、単色光は導波路内に伝搬し、サブピクセル位置を照明する。特に、ピクセル領域52は少なくとも2つの導波路によって照明され、各々はそれぞれのカラーチャネルによってピクセル領域52のサブピクセル位置の1つを照明するように配置されている。従って、この実施形態では、異なるカラーチャネルを案内する導波路はパネル64の異なるサブピクセル位置を指定する。しかし、1つの導波路が特定のカラーチャネルと関連した幾つかのサブピクセル位置を照明するように1つ以上の導波路を整列させることができる。あるいは、各サブピクセル位置は異なる導波路によって照明されることができる。
【0203】
図43cに示された別の実施形態では、多色光(例えば白色光)は導波路に伝搬し、ピクセル領域の近くで異なるサブピクセル位置にデマルチプレクサされる。それぞれのカラーチャネルによる各サブピクセル位置の照明は、各ピクセルによって生成される光の1/3を透過することが知られるカラーフィルターのないパッシブディスプレイパネルの使用を可能にする。これは、光効率を増大し、ディスプレイ装置のコストを有意に低下するので、有利である。
【0204】
一般に、パネル64のピクセル領域及びサブピクセル位置はグリッド状に配列される。図44aに示された代表例では、グリッドは矩形であり、矩形グリッドの行に沿ったサブピクセル分解能及び矩形グリッドの列に沿ったピクセル分解能を持つ。従って、列の幅はサブピクセル位置の幅にほぼ等しく、行の高さはピクセル領域の高さにほぼ等しい。同じ行の隣接サブピクセル位置間の距離は本明細書ではパネル64の列間距離であり、Wで示される。列の隣接サブピクセル位置間の距離は本明細書ではパネル64の行間距離であり、Hで示される。図44aの矩形グリッドは説明目的のためのみに提示され、本発明の範囲をいかなる特定の幾何学的形状にも限定する意図はないことが理解されるべきである。例えば、別の好適な実施形態では、三角形グリッドが使用される。
【0205】
典型的には、必須でないが、各ピクセル領域のサブピクセル位置は予め決められた固定された順序(例えば、赤チャネルに対して最も左側の位置、緑チャネルに対して中央位置、及び青チャネルに対して最も右側の位置)に従って配列されている。かかる配列では、同じ行の2つの隣接サブピクセル位置は異なるカラーチャネルに対応し、一方同じ列の2つの隣接サブピクセル位置は同じカラーチャネルに対応する。用語「行(row)」及び「列(column)」は、説明の明確化のために導入され、空間中のいかなる特定の方向に対する言及として解釈されるべきでないことを理解すべきである。
【0206】
一般に、ピクセルまたはサブピクセルの「行」または「列」はピクセルまたはサブピクセルのあらゆる1次元配列を指す。従って、かかる1次元配列に沿った隣接ピクセルまたはサブピクセルの1対は辺、頂点を共有することができ、またはいかなる正接関係も持つことができる。「行」と「列」の間の区別は2つの隣接サブピクセルと関連したカラーチャネルによる。従って、サブピクセル位置の「列」は、全てのサブピクセル位置が同じカラーチャネルと関連するサブピクセル位置の1次元配列を指し、サブピクセル位置の「行」は、1次元配列に沿った2つおきの隣接サブピクセル位置が異なるカラーチャネルと関連するサブピクセル位置の1次元配列を指す。
【0207】
図44aの代表例では、列は線552に沿って示され、行は線554に沿って示される。示されるように、線552または554に沿って2つおきの隣接サブピクセル位置は辺を共有する。サブピクセル位置の列及び行の別の例は図44cに示され、そこでは再び列は線552に沿って示され、行は線554に沿って示される。この例では、線552または554に沿った2つおきの隣接サブピクセル位置は頂点を共有する。図44cは各サブピクセル位置の色彩連想をさらに示す。示されるように、線552に沿った全てのサブピクセル位置は同じカラーチャネルと関連し(本例では緑)、線554に沿った隣接サブピクセル位置は異なるカラーチャネルと関連する。
【0208】
上で例示した用途のいずれにおいても、1つ以上の光学素子を使用することができる。例えば、素子10と原理及び操作(サイズは必須でない)において同様である幾つかの光学素子は一緒に組み立てられ、上で例示した用途のいずれかに使用される光学装置を達成することができる。本発明の種々の例示的実施形態では、光学素子は、2次元、好ましくは2つの直交する次元で光学リサイジングを達成するために、単独でまたは他の要素と組み合わせて使用されることができる。
【0209】
以下は、幾つかの光学リサイジング素子が2次元光学リサイジングのためにまたはパッシブディスプレイパネルを照明するために組み立てられる好適実施形態の説明である。2次元光学リサイジングまたはバックライト照明がかかる組立なしで達成される他の好適実施形態の説明は以下に与えられる。
【0210】
ここで、図5を参照すると、それは本発明の様々な例示的実施形態に係る光学装置30の概略図である。装置30は、第1次元36の光学リサイジングを達成する第1光学リサイジング素子32、および第2次元38の光学リサイジングを達成する第2光学リサイジング素子34を備えることが好ましい。素子32および34は各々独立して、上記の素子10と同様に動作することができる。代替的に、素子32および34の一方は素子10と同様に製造することができ、他方は従来の技術によって製造することができる。
【0211】
第1次元36および第2次元38の両方で光学リサイジングを達成するために、素子34は、素子32を出射した光が素子34に入射するように、素子32に結合される。したがって、素子34は受光素子として働く一方、素子32は装置30内の透過素子として働く。素子32および34の間の結合は、直接接触、ファイバ束、またはいずれかの他の光結合配列を介するなど、当業界で公知のいずれかの方法で行なうことができる。光学リサイジング素子は、1つの素子の小さいファセットが他の素子の大きいファセットと一致するように製造することが有利である。そのような仕方で製造すると、光学リサイジング素子の1つは、もう1つより大きくなる。特に、装置30が光ビームを拡張させるために使用される(つまり、光ビームの横断面積が入力より出力の方が大きい)場合、第1素子は第2素子より小さく、装置30が光を収縮させるために使用される(つまり、光ビームの横断面積が入力より出力の方が小さい)場合、第1素子は第2素子より大きい。
【0212】
例えば、図5に示す実施形態では、素子32および34は、光が素子32の小さいファセット40に入射し、次元36に沿って拡張され、ファセット42を通して素子32を出射し、好ましくは素子32のファセット42のサイズを有するファセット44を通して、素子34に入射するように製造される。次いで光は素子34内を伝搬し、次元38に沿って拡張され、両方の次元で拡張された状態で大きいファセット46から出射する。
【0213】
素子32および34が両方とも素子10と同様に製造される場合、それらは同じフォトマスクレイアウト(例えば図3a、3c、4e、および4fに示すフォトマスク等)を用いて、しかし異なる層厚を用いて、処理されることができる。したがって、例えば、素子32は、上で図4dに示した大きいファセットを画定する、より薄い層から形成されることができる一方(図3dの3次元図も参照されたい)、素子34は、図6aに示す小さいファセットを画定する、より厚い層から形成されることができる。本発明の好適な実施形態に係る素子34の導波路の3次元図を図6bに示す。
【0214】
装置30は、ディスプレイ装置のディスプレイユニットとしてまたはバックライト集成体としてのいずれかで作用する。前者の場合、素子32は画像データによってコードされる多色光(例えば白色光)または単色光を受けることが好ましく、一方、後者の場合、素子32はコードされない光を受けることが好ましい。装置30がパッシブディスプレイパネルのためのバックライト集成体として使用されるとき、各サブピクセル位置はサブピクセル位置のそれぞれのカラーチャネルに対応する光によって照明されることが好ましい。多色光が素子32に入るとき、光は以下でさらに詳述するように、ピクセル領域の近くでデマルチプレクサされることが好ましい。
【0215】
ここで、図7aを参照すると、それは、各光学リサイジング素子の入口および出口ファセットが相互に実質的に直交する実施形態における装置30の3次元概略図である。特に、素子32では、小さいファセット40が大きいファセット42に実質的に直交し、素子34では、小さいファセット44が大きいファセット46に実質的に直交する。ファセット42およびファセット44は、平行であり、素子32と素子34との間の光結合を可能にするために接触することが好ましい。この実施形態を使用して画像を伝達する場合(即ち、コードされた光が素子32に入射する場合)、装置30から出射する画像は、元の画像の鏡像であることを理解されたい。図7aに示す実施形態の利点は、導波路の曲げ48が少なく、かつ大きいファセットに向かって伝搬するビームからの散乱光が無いことである。
【0216】
本実施形態のリサイジング技術を繰り返すことができる。特に、装置30は、各対が上記説明に従って機能する、2対以上の光学リサイジング素子を備えることができる。すなわち、対の1素子が1次元の光学リサイジングを達成し、対のもう1つの素子が他の次元の光学リサイジングを達成する。この実施形態は、高倍率または縮小率が必要な場合に、あるいは製造工程中に高いアスペクト比の導波路の取扱いを回避するために、特に有用である。例えば、倍率30倍は、第1対が倍率3倍をもたらし(2次元)、かつ第2対が倍率10倍をもたらす(2次元)、2対の光学リサイジング素子により達成されることができる。
【0217】
本発明の好適な実施形態の代表例を、2対の光学リサイジング素子32、33、34、および35が使用される場合について、図7bに示す。図7bに示す通り、素子33は光ビーム72を1次元で(例えばx方向に沿って)拡張して、拡張光ビーム74を提供し、素子35は光ビーム74を別の次元で(例えばy方向に沿って)拡張して、拡張光ビーム76を提供する。さらに、素子32は光ビーム76を1次元で(例えばx方向に沿って)拡張して、拡張光ビーム78を提供し、素子34は光ビーム78を別の次元で(例えばy方向に沿って)拡張して、拡張光ビーム80を提供する。したがって、元の光ビーム72はx方向に沿って2回、かつy方向に沿って2回拡張される。
【0218】
本発明の実施形態の光学リサイジング素子の各層の導波路は、上で図4eに示したフォトマスクと同様のフォトマスクを用いて形成されることができる。図7a〜bに示す導波路の曲げ48は、光学リサイジング素子の厚さをさらに低減するために、コーナーミラー50(図4e参照)と置換されることができる。
【0219】
ここで、図8を参照すると、それは、1つの光学リサイジング素子のファセットが平行であり、他の光学リサイジング素子のファセットが実質的に直交する、好適な実施形態の装置30の概略図である。特に例示的実施形態に関して、素子32(本実施例では透過素子)では、小さいファセット40は大きいファセット42と平行し、素子34(本実施例では受光素子)では、小さいファセット44は大きいファセット46に実質的に直交する。ファセット42およびファセット44は平行し、かつ好ましくは素子32と素子34との間の光結合が可能となるように接触する。この実施形態の利点は、素子32の導波路の長さが短く(図7に示す実施形態と比較して約半分)、したがって装置の全体的な光損失が低減されることである。それでもなお、大きい素子(素子34)の入力/出力ファセットは実質的に直交であるので、装置は低減された厚さおよび散乱光の上記の利点を享受する。
【0220】
ここで、図9を参照すると、それは、光学リサイジング素子のファセット(ファセット40、42、44、および46)が同一平面上にある、好適な実施形態の装置30の概略図である。光学リサイジング素子の各層の導波路は、上で図4fに示した、領域18および20が同一直線上にあるフォトマスクと同様のフォトマスクを用いて形成されることができる。したがって、光ビーム92は素子32の小さいファセット40に入射し、素子32を伝搬し、180°の方向転換を経験し、第1次元36に沿って拡張した状態でファセット42から出射する。ファセット42から出射する(拡張した)光ビームは、図9に数字94で示される。拡張した光ビーム94は素子34の小さいファセット44に入射し、素子34を伝搬し、次元38に沿って追加的拡張および180°の追加的方向転換を経験し、両方の次元36および38に沿って拡張した状態でファセット46から出射する。ファセット46から出射する光ビームは数字96で示される。したがって、装置30を通過する光は、各次元に1回ずつ、2回の拡張、および2回の伝搬方向の転換を経験する。この趣旨で、光はその原方向に沿って伝搬し、2次元で拡張されて、装置30から出射する。
【0221】
出射する光ビームの特定の伝搬方向に対する上記説明のより詳細な言及は、本発明の範囲をいずれかの入射‐出射角度関係に限定することを意図するものではないことを理解されたい。本発明の様々な例示的実施形態において、光は、その入射角度に対して任意の予め定められた角度で装置30から出射する。したがって、光の入射および出射伝搬方向の間の角度は、0°、90°、180°、またはいずれかの他の角度であり得る。入射‐出射角度関係は、光学リサイジング素子のファセットに対する導波路の配向に依存する。例えば、以下でさらに詳述するように、光は装置30の光学リサイジング素子のいずれかに、入力ファセットの表面に対し直角に入射し、出力ファセットから非直角に放出することができる。通常の当業熟練者には理解される通り、平行または実質的に直交ファセットの場合、そのような構成は、0°、90°、または180°以外の入射−出射角度に対応する。
【0222】
概して、装置30は典型的には小さい素子および大きい素子を含むので、装置30の領域の大部分または全部が大きい素子の厚さを有する。通常の当業熟練者には理解される通り、各光学リサイジング素子の厚さは、導波路の拡張配列のため、むしろ小さくすることができる。この厚さは、各層の予め定められた区間で導波路をダウンテーパリングすることによって、さらに低減することができる。本発明の実施形態の光学リサイジング素子の厚さの代表的な例は、約0.1mmから約100mm、より好ましくは約1mmから約10mmの厚さを含むが、それらに限定されない。
【0223】
ここで、図10a〜bを参照すると、それらは、本発明の様々な例示的実施形態に係る導波路の配列を製造するためのフォトマスクレイアウトの概略図である。図10a〜bは、領域18および20が平行でありかつ層の反対側に位置した、好適な実施形態を示す。本書に記載する詳細を提供された通常の当業熟練者には、本実施形態のフォトマスクレイアウトを他の事例のためにどのように調整すべきであるかが分かるであろう。
【0224】
図10aに示す通り、導波路は、領域20に向かってアップテーパされ拡張される前に、ダウンテーパされ圧搾される。ダウンテーパリングは、第1に各光学リサイジング素子の厚さをさらに縮小することができるので、そして第2にクロストークを低減または排除するために平行な導波路間の分離が可能となるので、有利である。
【0225】
領域18および20が平行でありかつ層の反対側に位置された実施形態では、装置30の厚さは主として、導波路の分離距離Sによって決定される。図10bを参照されたい。厚さは式0.5S(N+N)によって概算されることができる。ここでN×Nは導波路の数である(例えば、装置30が画像のリサイジングのために使用される場合、N×Nは画像のピクセル数であってもよい)。
【0226】
領域18および20が層の隣接する側に(例えば実質的に直交関係に、上の図4e参照)位置する実施形態では、光学リサイジング素子の厚さは入力ピクセルアレイサイズによって決定される。導波路の曲げ48(コーナーミラー50ではない)が使用される場合には、曲げ半径を素子の全体の厚さに加える必要がある。しかし、以下でさらに詳述するように、曲げ半径を低減することにより、短い導波路に寄生損失を追加することが好ましい。したがって、装置30の厚さは、ピクセル/導波路の数に関係なく、曲げ半径によって決定されることができる。
【0227】
同じく垂直方向に沿って導波路の分離距離を増大するために(クロストークを除去するために)、導波路は入力および出力ファセットで垂直方向にテーパを付けることができる。PLC技術により、垂直テーパリングは周知の技術である(例えば、T.Bakkeら、「Polyeric optical spot‐size transformer with vertical and lateral tapers」、J.Light.Tech.、vol.20、1188〜1197、2002を参照されたい)。垂直方向および横方向の両方にテーパを付けられた導波路を製造するプロセスを、単一導波路の場合(図11a)、および導波路のスタックの場合(図11b)について、図11a〜bに示す。垂直テーパを生成するための他の方法は、Moermanら、「A review on fabrication technologies for the monolithic integration of tapers with III‐V semiconductor devices」、IEEE J.Sel.Topics Quantum Electron.Vol 3、1308〜1320、1997に論じられている。したがって、ファセットにおける導波路の分離距離は、装置全体におけるよりずっと小さく、導波路への(ファセットにおける)光結合、および装置内の導波路間のクロストークの低減または除去における効率の改善が可能になる。
【0228】
本発明の好適な実施形態では、装置30は複数の光源からの光を受光する。この実施形態には幾つかの利点がある。第1に、より多数の光源を使用することにより、装置30の厚さを低減することができる。入力ファセットから出力ファセットまでの平行な導波路の個数が削減されるため、厚さを低減させることができる。厚さの減少率は使用する入力光源の数に等しい。例えば、2つの光源の場合、厚さは半分にすることができる。別の利点は、各々の個別光源が所望の明るさを維持しながら、低い解像度(より少数のピクセル)を持つことができることである。追加の利点は、以下でさらに詳述するように、複数の光源の使用により、3次元画像の生成を促進することができることである。複数の光源の使用は、装置30がバックライト集成体として使用されるときに特に有利である。従って、単色光源は、生成された単色光源がサブピクセル位置を直接照明するために導波路に伝搬できるように所望のカラーチャネルに従って選択されることができる。
【0229】
複数の光源からの受光は、複数の方法で達成することができる。したがって、図12aに例示する1実施形態では、2つの光線122および124は2つの異なる光源(図示せず)から第1光学リサイジング素子32に入射する。2つより多い光源を有する構成もまた考えられる。図12aに示す例示的説明では、素子32は、領域18および20(図示せず)が同一直線上にある実施形態に従って製造されるが、通常の当業熟練者には理解される通り、他の場合には幾つかの光ビームを素子32に入力させることもできるので、必ずしもそうする必要はない。したがって、本発明の好適な実施形態では、素子32は、40aおよび40bと指定される2つの入力ファセット、ならびに1つの出力ファセット42を含む。2つより多い光源を使用する場合、素子32の入力ファセットの数は、それに応じて調整することが好ましい(すなわち、3つの光源には3つの入力ファセットなど)。
【0230】
光ビームは両方とも、1次元で拡張された状態でファセット42を通して素子32から出射し、ファセット44を通して素子34に入射し、そこでそれらは、上に詳述したように他の次元で拡張される。
【0231】
図12b〜cに例示した別の実施形態では、装置30は、32aおよび32bと指定され、両方とも装置30内で透過素子として働く、2つの光学リサイジング素子、および34と指定され、装置30内で受光素子として働く光学リサイジング素子を含む。4つの光線122a、bおよび124a、bが素子32aおよび32bに入射し、上で詳述したように連動して素子34から出射する。図12bの例証は、領域18および20(図示せず)が同一直線上にある実施形態に従って、光学リサイジング素子32aおよび32bの各々が製造される実施形態の場合であり、図12cの例証は、領域18および20が層の隣接する側に位置する実施形態に従って、光学リサイジング素子32aおよび32bの各々が製造される実施形態の場合である。上記実施形態の間の全ての組合せも考えられる。
【0232】
図12d〜fに例示する追加の実施形態では、装置30は複数の単色光源の形で光学入力を受け取り、該光学入力を使用して、リサイズされた単色光ビームを生成する。例えば複数の単色画像は、装置30によって拡大され結合されて、拡大された単色画像を生成することができる。
【0233】
図12dに示す代表例では、3つの単色画像(例えば、赤色画像、緑色画像、および青色画像)は3つの単色画像源(図示せず)から伝達され、3つの光学リサイジング素子32a、32b、および32cにそれぞれ入射する。素子32a、32b、および32cの各々は、それぞれの単色画像を1次元で拡大し、それを素子34に伝達する。素子34は単色画像を拡大し、それらを他の次元で結合して、拡大色彩画像を提供する。
【0234】
単色画像を結合して色彩画像にするために、素子34は、各層の導波路が1つの単色画像の平均波長に従って好ましくは最適化される、層の交互配列から製造されることが好ましい。図12dに示されているのは、数字37a、37b、および37cで指定される3種類の層である。層37a、37b、および37cはそれぞれ、例えば赤、緑、および青の単色画像の典型的な平均波長に最適化されることができる。導波路の長さは、素子34に対する素子32a、32b、および32cの位置に応じて選択される。図12eは、赤、緑、青色画像の場合の交互配列状態の層37a、37b、および37cの概略図である。この実施形態は、波長特定的な導波路の使用により可能な分散を低減または除去するので、有利である。この実施形態の追加の利点は、画像源が有するレンズおよびマルチプレクサ等の光学素子の数を低減できることである。したがって、入力源にマルチプレクサおよびレンズを組み込む代わりに、画像源は素子34で多重化される。
【0235】
上述の通り単色画像を受け取りかつ伝達する素子32a、32b、および32cは全て、同様または同一のフォトマスクを用いて製造されることができる。例えば、図12fに示したフォトマスクを参照されたい。
【0236】
述べたように、本発明の実施形態は画像光学データのみならず、非画像光学データにも適している。それゆえ、画像データに対する上の言及は、本発明の範囲をいかようにも限定すると解釈すべきではないことを理解されたい。したがって、例えば、本発明の実施形態は、別のディスプレイ装置、例えば3つのフィルタ付き光源、LED、またはレーザ源からの赤‐緑‐青(RGB)光のストライプマトリックスを持つLCDパネルのための色彩画像または色彩背面照明を提供するために使用されることができる。
【0237】
ここで、図45を参照すると、それらは本発明の様々な例示的実施形態によるバックライト集成体62の概略図である。バックライト集成体62は、1つ以上の基板に形成されかつ/または埋め込まれた複数の導波路16を含むことが好ましい。導波路は、各画素領域52が2つ以上の導波路によって照明されるような方法でパッシブディスプレイパネル64(図示せず、図43b,44a及び44b参照)の各サブピクセル位置に照明光を供給するために配置される。特に、各ピクセル領域52(図45に示さず、図43b及び44a〜b参照)に対して、各導波路及びその一部はサブピクセル位置54のそれぞれのカラーチャネルによってピクセル領域52の1つのサブピクセル位置54(図45に示さず)を照明するように配置される。
【0238】
集成体62によって与えられるパネル64へのバックライト照明の例示される色分布が図46a〜bに概略的に示される。図46aでは、各導波路の照明領域は、それによって照明されるサブピクセル位置の領域にほぼ等しい。図46bでは、各導波路の照明領域はそれぞれのサブピクセル位置の領域より実質的に小さく、従ってパネルの各サブピクセル54が複数の導波路によって照明されることを可能にする。
【0239】
バックライト集成体62はいかなる数の基板を含むことができる。4つのかかる基板が図45に示される:3つの入力基板502a,502b及び502c、及び1つの出力基板504。基板502a,502b及び502cの導波路の原理及び操作は上述の素子32a〜cの原理及び操作と同様であり、基板504の導波路の原理及び操作は素子34の原理及び操作と同様である。本発明の様々な例示的実施形態では、出力基板504の層間の分離距離tは(パッシブディスプレイパネル64の列に沿って)同じカラーチャネルと関連した隣接サブピクセル間の分離距離に適合し、(出力領域の、例えば図4eまたは4fの領域20参照)出力基板504の導波路間の分離距離Δxは(パッシブディスプレイパネル64の行に沿って)異なるカラーチャネルと関連した隣接サブピクセル間の分離距離に適合する。典型的には、必須でないが、t=W及びΔx=H(式中、W及びHはそれぞれ、パネル64を特徴づける列間及び行間分離距離である。
【0240】
ここで、図13a〜cを参照すると、それらは、装置から2つ以上の光学出力が存在する好適な実施形態の装置30の概略図である。
【0241】
図13aに概略的に示された1実施形態では、光学素子32は光を2つ以上の方向に伝達する。図13aに示されているのは3つの光学素子32、34a、および34bであり、素子32は光を素子34aおよび34bの両方に伝達する。したがって、本発明の好適な実施形態では、素子32は装置30内の透過素子として働き、素子34aおよび34bは両方とも装置30内の受光素子として働く。特に、光ビーム132は素子32に入射し、それにより2つの光ビーム134aおよび134bの形で伝達される。素子32は3つ以上(例えば3つ、4つ)の光ビームを伝達することができることを理解されたい。
【0242】
光ビーム134aおよび134bの少なくとも1つ、より好ましくは両方が独立して、光ビーム132に対して1次元でリサイズ(例えば拡張)される。例えばビーム132が像を構成する場合、ビーム134aおよび134bはそれぞれオリジナル画像の3倍拡大画像、および2倍拡大画像であってもよい。代替的に、所望により、1つのビームはオリジナル画像の拡大画像であってもよく、他のビームはその縮小であってもよい。素子34aおよび34bはそれぞれ光ビーム134aおよび134bを素子32から受け取り、アスペクト比を維持するために好ましくは素子32によって実行されたリサイズと同程度に、他の次元でそれらをリサイズする。したがって装置30は、各々独立して入力光ビーム132に対し2つの次元でリサイズされる、2つの出力光ビーム136a(素子34aによって生成される)および136b(素子34bによって生成される)を提供する。
【0243】
図13bに概略的に示す別の実施形態では、光学リサイジング素子34は(拡張した)光ビーム134を素子32から受け取り、それを2つ以上の方向に伝達する。図13bの代表例では、素子34は光を2つに分岐させ、2つの反対方向に伝搬する2つの光ビーム136aおよび136bを生成する。
【0244】
図13a〜bに示す実施形態は、2つの光学出力(ビーム136aおよび136b)が同一光学素子によって生成され、光ビーム134aおよび134b(図13a参照)が両方とも素子34に伝達されるように、組み合わせることができる。
【0245】
加えて、素子34は、各々が異なる光源から発する異なる光ビームを素子34に伝達する、複数の光学素子によって光学的に供給されることができる。この実施形態の代表例を図13cに概略的に示す。そこでは、光ビーム132aおよび132bを2つの光学素子32aおよび32bに伝達する2つの光源(138aおよび138b)があり、該素子は1次元でビームをそれぞれリサイズして、光ビーム134aおよび134bを生成する。素子34は光ビーム134aおよび134bを素子32aおよび32bから受け取り、それらを別次元で拡張して、光ビーム136aおよび136bを生成し、それらを2つの異なる方向(本例においては反対の方向)に伝達する。
【0246】
図14a〜bに関連して、本発明の好適な実施形態では、装置30は、様々な光学的動作を実行し、かつ/または製造プロセスを容易にするために、1つ以上の追加的な光学素子142を含む。追加的な光学素子は、それらの所望の機能に応じて、拡張または非拡張配列状態の複数の導波路から形成されることができる。図14bに示す代表例では、追加素子142は画像回転素子144である。使用中に、像を中に構成する光ビーム146が素子144に入射し、そこで像は例えば90°回転され、回転した光ビーム148として素子144から出射する。その後、光ビーム148は素子32および34に入射し、そこで、上で詳述した通り、最初は1つの次元に拡大され(光ビーム150)、次いで別の次元で拡大される(光ビーム152)。画像回転素子144は、光学リサイジング素子がそれらの小さいファセットおよび大きいファセットを相互に実質的に直交させるように構成される実施形態において、特に有用である。
【0247】
図15は、層が偏光子154を含む好適な実施形態の光学素子の層(例えば層14)の概略図である。偏光子154は、横方向偏光モードを減衰するように、例えば金属または合金(例えばCr、Au、Al等)を導波路16間のギャップ156に堆積することによって形成されることができる。好ましくは、導波路は、横方向偏光モードを効率的にストリッピングするために、偏光子の領域を狭隘に作成される。光学素子を偏光子154と共に使用することで、非偏光を生成する入力光源の使用が可能になり、あるいは光源が偏光を生成するときにこの構成は偏光状態を改善することができる。
【0248】
偏光は、光学素子が偏光によって液晶モジュールを照明することが望ましいパッシブディスプレイパネルのためのバックライト集成体に使用されるときに特に有用である。かかる用途に対して、バックライト集成体は、上述のように光学素子の層に組み込むことができる偏光子154を含むことが好ましく、またはそれは光源172と導波路16の間に位置させることができる(図43b参照)。光源と導波路の間に偏光子154を位置させる利点は、伝統的にコストのかかる大きなパネル偏光子を小さな偏光子シートで置換することである。代替的にまたは追加的に、光源は、上述のように、偏光を与えるように構成されることができる。
【0249】
装置30と光源との間の結合は、直接接触によって、または代替的に、マイクロレンズまたは回折光学素子の配列など、それらに限らず、1つ以上の追加的光学素子を介して、行なうことができる。
【0250】
装置30がディスプレイ装置のディスプレイユニットにおいて作用するとき、光学素子は、画像データによってコードされる光を受け、装置30と光源の間の光結合は、入力された光ビームによって構成される画像を保持するようになされることが好ましい。他方、装置30がバックライト集成体として使用されるとき、バックライト集成体は、コードされていない光を生成する光源に結合されることが好ましい。この場合において、導波路は画像化されない方法で入力されることができる。画像源への装置30の光結合は以下に提示され、非画像光の光結合は以下に提示される。
【0251】
図16a〜bは、装置30と光源との間の結合の概略図である。図16aに示されているのは、装置30の幾つかの導波路16、画像源160、および装置30と画像源160との間の光結合を提供するためのカプラ162である。本例では、画像源160はLCDマイクロディスプレイである。カプラ162はマイクロレンズアレイ164および偏光子166を含むことが好ましい。典型的にはLCDパネルは出力側に偏光子およびLCD保護ガラスを含み、マイクロレンズアレイはより優れた結合効率をもたらすので、マイクロレンズアレイ164の使用は有利である。マイクロレンズアレイは、当業界で公知のいずれかの方法、例えば米国特許第5508834号および米国特許出願第20040100700号に開示されている方法を用いて、製造されることができる。
【0252】
図16bに関連して、各導波路コアが1つのマイクロレンズで覆われるように、マイクロレンズアレイ164を入力光学素子にも配置することができる。例えば、図16bのコア161およびマイクロレンズ168を参照されたい。これは、導波路16のクラッド163をコア161より高速でエッチングするエッチャで、光学リサイジング素子の入力ファセットをエッチングすることによって、行なうことができる。
【0253】
代替的に、LCDマイクロディスプレイが充分に薄い偏光子および保護ガラス層を含む場合、結合は、マイクロレンズアレイ無しに、例えば直接接触によって実行されることができる。例えば、偏光子および保護ガラスの全体的厚さが約20μm以下であり、かつLCDマイクロディスプレイに結合する光学リサイジング素子の導波路が充分に小さい開口数(例えば約0.25以下)を持つ場合である。そのような構成では、映像をぼやけさせるおそれのある隣接ピクセル間のクロストークを最小化することができる。
【0254】
図17は、入力画像がレンズ176を用いて装置30に合焦される好適な実施形態の概略図である。この構成では、予備拡大も得ることができ、したがって以下でさらに詳述するように、導波路の所要アスペクト比が緩和され、あるいは2段階拡大の必要性が除去される。この構成は、LCDオンシリコン(LCOS)など、それに限らず、反射型液晶マイクロディスプレイに、あるいはデジタルライトプロセッサ(DLP)など、それに限らず、他の入力パネルに特に有用である。図17に示されているのは、反射型液晶マイクロディスプレイ170、外部光源172、および装置30である。光源172からの光174は、レンズ175によってマイクロディスプレイ170に合焦され、それは光を反射する。反射光はその中に像を構成し、別のレンズ176によって装置30に合焦される。
【0255】
予備拡大も1次元のみで実行することができる。歪められた入力(1次元を拡大された)を光学リサイジング素子と結合することにより、この場合装置30に2つの光学リサイジング素子を必要とせず、かつ予備拡大素子(これはレンズとすることができる)が薄いので、小型の薄い装置を得ることができる。
【0256】
ここで、図18a〜bを参照すると、それらは、結合がファイバ束によって行なわれる好適な実施形態における装置30と光源との間の結合の概略図である。本発明の好適な実施形態によると、1つ(図18a)またはそれより多く(図18b)のファイバ束180が、装置30の受光光学リサイジング素子に光を直接誘導する。装置30が画像をリサイズするために使用される実施形態では、ファイバ束は、高解像度の画像の伝達を可能にするために小さいコアを持つ多くのファイバから構成されることが好ましい。ファイバ束の行数および列数をそれぞれXおよびXで表わすと、ファイバ内のファイバの総数はX×Xである。XおよびXの代表例は、約500ないし約2000を含むが、それらに限定されない。X=Xであることが好ましいが、必須ではない。ファイバのコアの直径は好ましくは、20μm未満、より好ましくは15μm未満、例えば約10μmである。
【0257】
装置30が複数の光源から光学入力を受け取ると(図18b参照)、各束は1つの光学チャネルに伝達する。図18bに示す実施例では、入力ファイバ束180は、装置30の4つの入力ファセット(182a、182b、182c、および182d)にそれぞれ供給する、4つのファイバ束(180a、180b、180c、および180d)に分離される。
【0258】
装置30はまた、合焦された光ビーム、例えばレーザビームの形で光学入力を受け取ることができる。カラー画像は、複数(例えば2つ以上)の単色レーザ装置、画像を形成するために走査される例えば赤、緑、および青色レーザ装置から形成することができる。そのような画像は、小さい断面を有する装置30の入力ファセットに投射されることができる。レーザ光を使用する利点は、高輝度、ならびにレーザ光点の強度および位置を装置30における導波路の透明度および位置に応じて較正する能力である。本発明の様々な例示的実施形態に係る好適な透明度最適化手順については以下の後述する実施例の節に提示する。
【0259】
装置30がバックライト集成体として使用されるとき、入力領域として層間の整列条件が全くないかまたは最小である。特に、層間の間隙について制限はない。従って、異なる層における導波路は異なる厚さのクラッドを持つことができる。
【0260】
図47a〜bは、装置30がバックライト集成体として使用されるとき、光を装置30に結合するための好適な技術の概略図である。本発明の好ましい実施形態によると、導波路16は、入力領域18で各導波路の終端部分が光源172を特徴づける少なくとも1つの光路506と実質的に同一直線上であるように、各層に配置される。この実施形態は、LEDの如き広い視野を有する光源が使用されるときに特に有用である。光路と導波路の間の共線性は、例えば光源の特徴的な波面光に従って入力領域を配置することによって達成されることができる。図47aに示された代表例では、光源は、楕円的に拡張する光を放出し、従って入力領域18は、導波路が光路506と同一線上にあるように楕円形状を持つ。図47bに示された別の実施形態では、入力領域は直線形状を持つことができ、各導波路は上述の共線性を達成するように異なるように造形されかつ/または配向される。導波路は、入力領域18に向かってアップテーパされることが好ましく、異なるように造形及び/または配向された導波路の個々の幅は、異なる角度の異なる出力分布を補償するように異なることが好ましい。
【0261】
本書で上述した通り、光は装置30から、放出ファセットに対していずれかの予め定められた角度で放出されることができる。予め定められた角度は約90°であってもよく、その場合、導波路は出力ファセットに対して実質的に直交関係に形成され、あるいはいずれかの他の角度であってもよく、その場合、導波路は出力ファセットに対して傾斜する。
【0262】
ここで、図19を参照すると、それは、導波路16が層の端部に対して傾斜している好適な実施形態における装置30の1つの光学リサイジング素子の1層の概略図である。結果的に生じる光学リサイジング素子は、出力ファセットに対し角度θ(図19に数字190で指定する)で光194を放出する。
【0263】
本発明の好適な実施形態では、装置30は、3次元画像を提供するように設計されかつ構成される。3次元画像は、2つの異なる偏光または2つの異なる色の、2つの異なる画像を生成することによって得られることができる。そのとき、ユーザは、各目に異なる偏光または異なる色を有する双眼装置を使用して、したがって画像の3次元知覚を模倣して、画像を観察することができる。
【0264】
代替的に、装置30は自動立体視ディスプレイとして機能することができ、それにより、2つの画像を分離させつづけるために観察者が専用の観察用道具を着用する必要がなくなる。自動立体視は、ユーザの左右の目に向けられる2つの異なる像の形でユーザに提供される。本発明の様々な例示的実施形態に係る自動立体視ディスプレイの代表例については以下で提供する(図34a〜35cおよび随伴する説明を参照されたい)。
【0265】
ディスプレイ装置は一般的に、光結合ディスプレイパネル間の「ピクセル対ピクセル」の整列の制約下で製造される。特に、ディスプレイ装置が適切に機能するために、光結合されるパネルの画素をミクロンまたはサブミクロンの許容差で整列させる必要がある。この要件は製造プロセスを複雑にし、かつ往々にして製品の製造可能性を完全に無能にすることが認識されている。本発明の実施形態では、入力ピクチャ画像と素子32との間、または素子32と素子34との間でピクセル対ピクセルの整列の必要が無い。
【0266】
さらに、ピクチャ画像のピクセル数は素子32のピクセル数とは異なっていてもよく、それはまた素子34のピクセル数と異なっていてもよい。そうするために、解像度を低下することなく、受入れ素子のピクセル(導波路)の数は、透過素子のピクセル(導波路)の数よりk倍大きいことが好ましい。ここでkは1より大きい数、例えば約2、より好ましくは約3である。さらなる詳細については、その内容を参照によって本書に援用する、米国特許第6326939号を参照されたい。したがって、入力画像ピクセルと装置30のピクセルとの間の相関の必要が無く、2つの光学リサイジング素子の導波路を整列させる必要が無い。
【0267】
同一光学素子の層間のミスアラインメントに関し、層間のxミクロンのミスアラインメントは、大小ファセットが対向し平行である場合にはx(M−1)、大小ファセットが実質的に直交である場合にはxM、そして大小ファセットが同一平面上にある場合にはx(M+1)の実効ミスアラインメント(出力における)に変換される。したがって、約0.2mmの出力許容差および約10倍の拡大の場合、層は入力導波路領域で約20ミクロンの精度内で積層されることができる。整列の必要性は1次元だけではない。大小ファセットが平行する(対向するか又は同一平面内にある)実施形態では、横方向には整列の必要性は無い。他方、大小ファセットが実質的に直交する実施形態では、横方向の許容差は約xミクロンである。
【0268】
透過光学リサイジング素子(例えば素子32)における偏光の欠如によるxミクロンのミスアラインメントは、出力におけるxMミクロンのミスアラインメントに変換される(Mは受光素子の倍率)。2つの光学リサイジング素子の間の回転ミスアラインメントは、画像の歪みを低減するために最小化されることが好ましい。
【0269】
導波路の透明性の相違につながる導波路の厚さおよび幅の変動は、導波路の総損失バジェットに付加されるおそれがある。モアレ縞効果を抑制するために、多少の幅および厚さの変動を導入できることが好ましい。
【0270】
ここで、図20を参照すると、それは、本発明の様々な例示的実施形態に係る光学リサイジング装置200の概略図である。上記の装置30と同様に、装置200はディスプレイ装置のディスプレイユニットとしてまたはバックライト集成体として作用することができる。装置200は、第1ファセット206および第2ファセット208を有する基板204を形成する複数の層202を含む。層202は、部分的に重複する光学配列に配置される。
【0271】
本書で使用する場合、層の「部分的に重複する光学配列」とは、各層が層の表面に光学的に露出される少なくとも1つの領域を含む配列を指す。本書で使用する場合、光学的に露出した領域とは、環境と光学的な連通を確立することのできる領域を指す。したがって、環境と装置200の各層との間に実質的自由光路が存在し、該光路は層の表面および光学的に露出した領域を通過する。したがって、光学的に露出した領域は、隣接する層から実質的に吸収、反射、または散乱されることなく、層の表面から外に向けられた光を放出することができる。光学的に露出した領域は、隣接する層から実質的に吸収、反射、または散乱されることなく、層の表面から外に向けられた光を放出するか、あるいは層の表面に向かって内向きの光を受光することができる。層の配列を特徴づけるために使用されうるパラメータは、例えば図21a,21b,21d,22c及び22fに示されように、露出長さLである。
【0272】
図21a〜bは、本発明の様々な例示的実施形態に係る2つの部分的に重複する光学配列の側面図を概略的に示す。図21a〜bに示されているのは、各々が表面290および端部292を有する層202である。導波路16は層202に埋設され、各層内で層の第1領域293から第2領域294まで延在し、そこでは第1領域293は入力領域であることが好ましく、第2領域294は出力領域であることが好ましい。装置200の1つ以上の層の導波路は、複数の入力領域及び複数の出力領域が存在するように配列されることができる。この実施形態は、装置200の層の数を減らすことが望ましいときに特に有用である。かかる構成のさらなる詳細な説明は以下に与えられる。
【0273】
第2領域294は光学的に露出される。したがって、スタック内の層の位置に関係なく、表面290を通過し、環境298を光学的に露出した領域294と接続させる、実質的な自由光路296が存在する。したがって、層202内(導波路16中)を伝搬する光291は、表面290を介して層202から環境298へ出射することができる。
【0274】
図21aに示す実施形態では、領域294は環境に物理的に露出され、したがって光路296を確立する。図21bに示す実施形態では、光路296が層を通過するように、領域294で隣接する層の間に重複がある。この実施形態では、層202(または各層の少なくとも一部分)は、光路296を保持するように、可視光をそこに透過させることができる材料から製造される。
【0275】
層が(図21aに例示するように)光学的に露出した領域で終端するか、それともそれより先まで延びる(図21b)かどうかに関係なく、光が表面290を通して層から外に結合されることができることを、熟練技術者は理解するであろう。本発明の様々な例示的実施形態に係る、層から外に光を結合するための好適な構成は、以下に与えられる。
【0276】
装置200がバックライト集成体として使用されるとき、露出長さLは列間分離距離Wに適合することが好ましく、出力領域20に沿って同じ層の隣接導波路間の分離距離Δxはパッシブディスプレイパネル64を特徴づける行間分離距離Hに適合することが好ましい。特に、L=nW,Δx=mHである。但し、nは整数であり、mは約0.1〜約10のあらゆる数字である。本発明の様々な例示的実施形態では、各層に対して導波路がパネル64のそれぞれの列の全てのサブピクセルを照明する(従って、行あたり1つのサブピクセルを照明する)ことを確実にするためにn=m=1である。代替的に、整数nは、各層が光を2つ以上の列に照明する(従って、各行において、行の2つ以上の隣接サブピクセルを照明する)ことを達成させるように2以上に等しくすることができる。整数n及びmの様々な選択のための異なる構成は以下に与えられる。
【0277】
本発明の好適な実施形態では、装置200のファセット208は層の光学的に露出した領域によって画定される。ファセット208は傾斜することができ、あるいはそれは2次元の段付き形状(テラス)を持つことができる。各層は、上で詳述した通り、周方向境界によって画定された導波路の拡張配列を有する。例えば図4b、4e、4f、および10aの周方向境界22を参照されたい。上記の素子10および装置30と同様に、希望に応じて、各層の導波路16の一部または全部にテーパを付けるか、あるいは部分的にテーパを付けることができる。加えて、導波路16の拡張配列は、導波路の曲げおよび/またはコーナーミラーによって達成されることができ、上で詳述した通り、導波路の曲げは光損失の観点から有利であり、コーナーミラーは装置の厚さの観点から有利である。
【0278】
通常の当業熟練者には理解される通り、装置200の各層における導波路の拡張配列は結果として図20に矢印210で示す1つの次元の光学リサイジングをもたらし、ファセット208における層の部分的に重複する光学配列は結果として矢印212で示す別の次元の光学リサイジングをもたらす。
【0279】
図20の代表例に示す通り、第1ファセット206は、層202の重複領域218の端部216によって画定される。図21c〜dは、非露出領域218の端部216をより良く示しながら、装置200の1つ(図21c)および幾つか(図21d)の層を概略的に示す。ファセット208を形成する層202の露出領域は、図21c〜dでは数字220で示される。
【0280】
図22a〜cに示す代替的実施形態では、層202は第1ファセット206および第2ファセット208の両方で部分的に露出される。特に、ファセット206(図22a〜b)は露出領域222(図22c)によって画定され、ファセット208は露出領域220によって画定される。上記実施形態の間の相違は、ファセット206が重複領域の端部によって画定される場合、光がその入射方向とは直角の方向に装置200から出射するが、ファセット206が露出領域によって画定される場合、光がその入射方向と平行(図22b)または反対の方向(図22a)に装置200から出射することである。
【0281】
ここで、図22dを参照すると、それは、装置200が2つの光学素子232および234を含み、素子232が1つの次元(矢印212で示される)の光学リサイジングを提供し、素子234が部分的にリサイズされた光を受光して、それを別の次元(矢印210)でリサイズする、好適な実施形態における装置200の概略図である。素子232は素子234より小さいサイズであることが好ましいが、それは必須ではない。
【0282】
素子232および234は別々の製造プロセスで製造され、その後に光学的に結合されることができ、あるいは、より好ましくはそれらを集積素子としてもよく、その場合、それらの光結合は製造プロセス中に達成されることができる。後者の実施形態では、装置200の各層は2つの部分432および434(図示せず;図22e〜f参照)を有し、部分432は素子232用に指定され、部分434は素子234用に指定される。この実施形態は、1つの層(図22e)および部分的に重複した光学配列で相互に積層された幾つかの層(図22f)の上面図を示す図22e〜fにおいて、より分かり易く図示されている。図22eに示す層では、導波路は第1領域18から第2領域20まで延在し、それにより上で詳述した通り、長手方向に拡張した配列が形成される。また、図22eには、記述の通り、素子232および234用にそれぞれ指定された、第1部分432および第2部分434も示されている。ひとたび層が積層されると、素子232は部分432から形成され、素子234は部分434から形成される。
【0283】
光学素子が別々の製造プロセスで製造される実施形態では、素子232および234の各々は、以下でさらに詳述するように、層毎に独立して、または塊として製造されることができる(図26〜27hおよび随伴する説明を参照されたい)。本発明の好適な実施形態では、素子232は装置200内の透過素子として働き、それによりファセット236を通して素子232に入射した光は、素子232および234の間の界面に位置するファセット238を通して素子232によって伝達される。この実施形態では、素子234は装置200内で受光素子として働き、素子232によって伝達された光は、同じく装置間の界面に位置したファセット240を介して素子234によって受光される。次元210でリサイズされた後、光はファセット242を通して素子234から出射する。
【0284】
図22dに示す例示的構成では、光学素子234は、上で詳述した通り、部分的に重複する光学配列の原理に従って製造され、その層の露出部分はファセット242を形成する。上記のファセット208と同様に、ファセット242は傾斜させることができ、あるいはテラス形状を持つことができる。また、図22dには、本発明の好適な実施形態ではファセット242に光学的に結合される拡張構造224も示される。拡張構造224は、以下でさらに詳述するように、そこを通過する光線を拡張させるために働く。
【0285】
通常の当業熟練者には理解される通り、素子232における導波路の拡張配列は結果として次元212の光学リサイジングをもたらし、素子234のテラスまたは傾斜した形状のファセット242は結果として次元210の光学リサイジングをもたらす。装置200のクラッド層は、希望に応じて、吸収材料または非吸収材料から作ることができる。吸収材料を使用する利点はコントラストが改善されることであり、透明材料を使用する利点は、背後のシーンを遮蔽しない透明なディスプレイの製造が可能になることである。加えて、偏光子は上で詳述した通り、導波路のコア間に付加することができる(図15参照)。
【0286】
本発明の部分的に重複する光学配列の外への光の結合は、複数の方法で達成されることができる。大ざっぱに言うと、光学方向転換素子が導波路から外へ光を方向転換するために使用される。方向転換素子は、反射、屈折、回折及びそれらの任意の組み合わせを含む任意の光学的原理で操作されることができる。
【0287】
従って、1つの好適な実施形態では、光は反射素子の配列を用いてファセット208から外に結合される。この実施形態では、光は、反射素子に衝突して光が表面から外に方向転換されるまで、層の表面と実質的に平行に導波路中を伝搬する。別の実施形態では、光は透過素子(例えば、導波路、透過回折素子など)の配列を用いてファセット208から外に結合される。また、反射素子および透過素子の組合せも考えられる。本発明の実施形態のために好適な光学方向転換素子の代表例は、限定されないが、ミラー(例えば全内部反射ミラー、エッチングされたミラー、被覆されたミラー、平面ファセットミラー、非平面ファセットミラー)、くさび構造(例えば回折くさび構造)、ブラッグ反射器、ホログラフィック光学素子などである。
【0288】
方向転換素子の数は、導波路あたり1つから複数の方向転換素子で変動することができる。装置200の層が導波路あたり1つの方向転換素子を持つとき、それぞれのかかる導波路は層の光学的に露出した領域で導波路に沿って単一の場所から光を放射する。この実施形態では、装置200がバックライト集成体として使用されるとき、それぞれのかかる導波路によって放出される光はパッシブディスプレイパネルの単一のサブピクセル位置を照明する。装置200の層が導波路あたり2つ以上の方向転換素子を持つとき、それぞれのかかる導波路は層の光学的に露出した領域で導波路に沿って2つ以上の離間された位置から光を放出する。この実施形態では、装置200がバックライト集成体として使用されるとき、それぞれのかかる導波路によって放出される光はパッシブディスプレイパネルの列に沿って複数のサブピクセル位置を照明する。従って、本発明の好適な実施形態によると、離間された光放出位置間の分離距離はパッシブディスプレイパネルを特徴づける行間分離距離Hに実質的に等しい。導波路あたり複数の方向転換素子の使用はまた、多色(例えば白色)光がバックライト集成体の導波路において伝搬するときに有用である。この実施形態では、それぞれのかかる導波路によって放出される光はパッシブディスプレイの列に沿ってまたは行に沿って、複数のサブピクセル位置またはピクセル領域を照明する。
【0289】
以下は、導波路の外へ光を結合するための好適な技術のさらに詳細な説明である。光が反射、回折及び/または屈折素子を介して外へ結合される実施形態をまず記載し、光が透過素子及び反射素子と透過素子の様々な組み合わせの配列を介して結合される実施形態をその後に記載する(図26〜27h参照)。
【0290】
ここで、図23a〜bを参照すると、それらはファセット208が2次元の段付き形状(テラス)を有する好適な実施形態における、装置200のファセット208の一部分の側面図(図23a)および上面図(図23b)の概略図である。また、図23c〜dについても参照すると、それらは本発明の好適な実施形態に係る、装置200の層内に配置されたミラー282の概略図である。
【0291】
図23a〜bに示すように、異なる反射率を持つ少数のミラー282(例えば全内部反射ミラー)を、装置200の各層202の反射領域283に配置することが好ましい。ミラー282は層内を伝搬する光を捕集し、それを方向転換させて光をファセット208から外に結合させる。伝搬する光および方向転換された光は、図23a〜bでは数字284および286によってそれぞれ指定される。ミラー282は、光の捕集および結合を最適化するために、幅広であることが好ましい。異なる高さのミラーを設けることによって、異なる反射率のミラー282を実現することができる。
【0292】
代替的に、ミラー282は、ミラーに衝突する光が完全に反射するように、反射率のばらつき無しに、狭隘にすることができる。光284の効率的な捕集を促進するために、ミラー282は反射領域283全体に実質的に均一に配置されることが好ましい。そのような構成は結果としてファセット208から外への光の実質的に均一な反射をもたらす。ファセット208の上面図(図23b)に示す通り、方向転換された光286はさらに、ファセット284と外部媒体との間の境界に衝突する際、2次元で拡張されることができる。そのような拡張は一般的に、ファセット284がガラスまたはポリマー等の、それらに限定されない保護被覆で被覆されたときに、または図33bに示すように光が下向きに結合されるときに、発生する。保護被覆上で拡張される前および後の方向転換された光を、図23bに矩形286および円形288でそれぞれ示す。
【0293】
さらに代替的に、例えば狭隘の部分反射ミラーをテラス表面全体に配置することによって、両方の方法を組み合わせることができる。ミラーは、例えば成形またはアブレーションプロセスによって、ポリマー導波路内に作製されることができる。
【0294】
図23c〜dに関連して、ミラー282は、平面(図23c)または非平面(図23d)形状を持つことができる。狭視野または中程度の視野が要求される用途では、平面ミラーが好ましく、例えば一連のレーザアブレーションパルスを用いて得られることができる。要求される視野が広い用途では、非平面ミラーが好ましく、例えば少数の(例えば1つの)レーザアブレーションパルスを用いて得られることができる。
【0295】
ここで、図48a〜dを参照すると、それらは光学方向転換素子508が部分的に反射する素子である本発明の好適実施形態の光学方向転換素子508の概略図である。導波路16内に伝搬する光284は、第1部分286が導波路16から外に方向転換され、一方第2部分287が導波路16内で伝搬しつづけるように、素子508で二つに分岐する。
【0296】
図48aの概略図では、素子508は、くさび構造またはブラッグ格子の如き限定されない反射または回折素子であり、それは導波路16の横断面を部分的に占有するだけである。この実施形態では、方向転換部分286は素子508で反射し、非方向転換部分287は素子508と導波路16の間の間隙を通過する。反射光及び透過光の相対量は素子508と導波路16の間の間隙のサイズに依存する。一般に、小さい間隙は高反射及び低透過に相当し、逆もまた同じである。
【0297】
図48bの概略図では、素子508は、コアの屈折率とは異なる屈折率によって特徴づけられる領域を含む。この実施形態では、方向転換部分286は素子508で反射し、一方非反射部分287は素子508を通って屈折される。反射光及び透過光の相対量は屈折率の差に依存する。一般に、小さい差は低反射及び高透過に相当し、逆もまた同じである。素子508の傾斜パターンは、例えば導波路をくさびパターンで成形し、異なる屈折率の材料の薄層をくぼみ中に付着し、くぼみをコアインデックス材料で再充填することによって達成されることができる。導波路の軸に対する素子508の傾斜角は限定されず、いかなる鋭角であることもできる。
【0298】
図48cの概略図では、素子508は導波路16のクラッド266に位置される。この実施形態では、方向転換部分は方向転換エバネセント波(図48cの平面に垂直)を含み、非方向転換部分287はコア内に案内される主伝搬ビームを含む。方向転換光及び透過光の相対量は導波路の幅及びコアからの反射素子の距離に依存する。図48dは、光の2つの方向転換部分が存在するように素子508が導波路16に対して角度を付けて傾斜される半透明くさび構造を含む実施形態を概略的に示す。286aで指定された1つの部分は1方向に反射され、286bで指定された他の部分は別の方向に屈折される。この実施形態では、基板12は、方向転換部分の1つが反射され、他の方向転換部分と同じ側から導波路を出ていくように、反射被覆548によって被覆されることが好ましい。方向転換光及び透過光の相対量は特に被覆548の反射率に依存する。導波路が複数の素子508を持つとき、本発明の被覆548は、実質的に均一な光学出力を達成するように徐々に増大する反射率を有することが好ましい。
【0299】
部分的に反射する素子の利点は、方向転換部分が偏光されうることである。これは、装置200が、偏光によって液晶モジュールを照明することが望ましいバックライト集成体として使用されるときに有用である。従って、部分的に反射する素子はバック偏光子の代わりに使用されることができる。例えば、コアと方向転換素子の間の0.05の屈折率の差に対して(例えば図48b参照)、45°に位置されたスロットからの反射部分は30dBの比率に偏光される。
【0300】
図48eは、光がその方向転換に続いてクラッド266によって合焦されるように導波路16のクラッド266が造形される実施形態を概略的に示す。この実施形態はいかなるタイプの方向転換素子に対しても使用されることができる。クラッド266は、所望の散乱または合焦形状を達成するためにエッチングまたは成形によって造形されることができる。
【0301】
ここで、図24a〜eを参照すると、それらは本発明の様々な例示的実施形態に係る光学素子234の概略的側面図である。素子234の層202は、2つの目的、すなわち(i)素子234の外への光を結合すること、および(ii)次元210の光学リサイジング(本例では拡張)を促進することに役立つ。伝搬光および出射光は図24a〜eでそれぞれ数字246および247によって指定される。また、図24a〜eには、出射光247を特徴付ける典型的なピクセルまたはサブピクセルサイズも示されている。図24a〜eではピクセルサイズは数字249によって指定される。
【0302】
素子234の外への光の結合は、複数の方法で達成することができる。図24a〜bに示す1実施形態では、層202は、導波路中を伝搬する光線246を方向転換させるために、導波路の終端部に位置付けられたミラー248を含む。ミラー248は45°ミラー、全内部反射(TIR)ミラー、全反射または部分反射ミラーであってもよく、上で詳述した通り、それらは平面または非平面形状を持つことができる。加えて、ミラーは高反射材料で被覆することができる。図24aは、45°ミラーを使用する好適な実施形態を示し、図24bは、TIRミラーを使用する好適な実施形態を示す。
【0303】
図24cに示す別の実施形態では、全内部反射、したがって層から外への光の方向転換を強制するように、層202に溝250が形成される。図24dに示す代替的実施形態では、素子234は、光線を素子234から外に方向転換させるブラッグ反射器261を含む。さらに別の実施形態では、素子234は、光線を素子234から外に方向転換させるように設計されかつ構成された、ホログラフィック光学素子263を含む。
【0304】
素子234は素子232の一部として製造されることができ、その場合、素子を形成する層は、例えば上で図21cに示したタイプのフォトマスクを用いて、単一の基板から作られる。さらに好ましくは、各層は、潜在的な垂直方向の結合を低減するために、異なるマスクを用いて処理されることができる。そのような製造プロセスは、単一の傾斜した経路(2つの垂直な経路ではない)を利用することができる導波路の長さをも低減する。層はそれらの正確な長さに作製され、次いで積層されてファセット242を形成することができ、あるいはそれらを最初に積層してファセット242を形成し、次いでその後に研磨または研削してファセット236を形成することができる。
【0305】
素子234はまた、部分的に重複する光学配列を形成し、そこでファセット242が傾斜またはテラス形状を持つように、例えば相互に実質的に平行な導波路を持つ層を上下に積層することによって、別個のユニットとして製造されることもできる。
【0306】
本発明の好適な実施形態では、装置200の可撓性を促進するために、装置200の層はポリマー材料から、より好ましくは可撓性ポリマー材料から作られる。さらに、装置200の層は、相互にその片側(例えば入力側)では接着させる一方、それらの反対側(例えば出力側)では分離させることができる。そのような構成では、装置200を折曲げ可能にすることができる。折曲げ可能な装置の代表例を図25に示し、層202をそれらの入力側251では接着させ、それらの出力側255では分離させた装置200を示す。装置200が2つの別個の素子232および234として製造され、それらがその後で結合される好適な実施形態では、素子232の層を完全に接着させ、素子234の層を部分的に接着させることによって、それを折曲げ可能にすることができる。
【0307】
ここで、図26a〜bを参照すると、それらは光が透過素子の配列を介して外に結合される好適な実施形態の簡易側面図(図26a)および簡易組立分解図(図26b)である。図26aに関連して、光学素子110は第1ファセット112および第2ファセット114を有し、ファセット114は角度βに傾斜し、したがってファセット112より大きい。素子110は、ファセット112から延び、ファセット114に向かって曲げられ、したがって方向115に沿って光学リサイジングをもたらす複数の導波路16を有する。
【0308】
図26aに示す例示的構成では、導波路16は、ファセットの法線116に対して定義することが便利な角度ψでファセット114に到達する。ψは、素子110と環境との間の光通信を可能にしかつ光学リサイジングをもたらす、任意の値を持つことができる。概して、光通信および光学リサイジングは、ψがある角度ψより低い任意の値である環境ではいつでも達成されることができる。好ましくは、ψはほぼ零であり、その場合において導波路16は、ファセット114にほぼ垂直に到達する。
【0309】
曲がった導波路は、例えば上記の素子10の原理に従って製造することができる。例えば図26bの組立分解図を参照すると、台形または同様の形状の層は、それらの表面117が実質的に重なりかつそれらの端部119が傾斜ファセット114を形成するように、相互に上下に積層されることができる。したがって、光は層内(導波路中)を伝搬し、端部119を通して層から出射する。
【0310】
素子110は、2次元の光学リサイジングがもたらされるように、上記光学素子のいずれかと光結合することができる。例えば、素子110は装置30の素子34または装置200の素子234に置き換えることができる。
【0311】
図27a〜bは、素子234の別の好適な製造プロセスを概略的に示す。この実施形態では、素子234は、導波路233を中に形成する前に高屈折率材料および低屈折率材料のシートを交互に積み重ねてスタック231を形成することによって処理される。その後、スタック231に斜切を実行して、傾斜ファセット242を形成する。ひとたびファセット242が作製されると、そこに溝235をエッチングすることによって、個々の導波路233がスタック231に形成される。深すぎるエッチングを防止するために、プロセスを例えば数十または数百の層から成るバッチ単位で実行し、溝をバッチ単位でエッチングすることができる。したがって、製造プロセスは好ましくは4つの工程を含み、第1工程で積み重ねられた層のバッチを作製し、第2工程でバッチをエッチングしてそこに溝を形成し、第3工程でバッチを相互に上下に積層し、第4工程でバッチのスタックを斜めの線に沿って切削して、傾斜ファセット242を形成する。
【0312】
各層の導波路間を分離する溝235には、屈折率が導波路の屈折率(高屈折率材料)より低い充填材を充填することができる。所望により、素子234の出力側に広視野を提供するために、充填材および導波路の屈折率の間の差が大きい(例えば約0.1以上)ことが好ましい。散乱光を低減するために、充填材は増強された光吸収特性を持つことが好ましい。そのような材料の代表例として、低屈折率ポリマーにブラックトーンを付加したものがあるが、それに限定されない。代替的に、溝235は未処理のまま残すことができ、その場合、導波路は空気によって分離される。
【0313】
装置200のための追加的な製造プロセスについては後述する(後出の図29a〜e参照)。
【0314】
図27c〜hを参照すると、それらは本発明の様々な例示的実施形態に係る拡張構造224の概略図である。
【0315】
上述の通り、構造224は、素子232によってもたらされる光学リサイジングに加えて、またはその代替として、そこを通過する光ビームを拡張させるために働く。したがって、構造224を使用する好適な実施形態では、装置200は光学素子232を含むこともあり、含まないこともある。
【0316】
図27c〜eに関連して、図27cに示された好適な実施形態では、構造224はパターン形成された層のスタックを含み、図27dに示された好適な実施形態では、構造224はパターン形成され溝を付けられた塊状の導波材料を含み、図27e〜fに示された好適な実施形態では、構造224は、光学素子10の構成および動作と同様に、拡張配列に縞状(banded)導波路の層のスタックを含む。素子234と構造224との間の界面における反射を低減するために、反射防止被覆または屈折率整合材料254をファセット242と構造224との間に付加することができる。
【0317】
後者の実施形態では(図27e〜f)、素子234および構造224の形状および材料は、誘導光がファセット242の内側275に向かって曲がる一方、散乱した非誘導光がその元の方向に伝搬し続けて、全内部反射の臨界角より高い角度でファセット242の内側275に衝突するように、選択されることが好ましい。通常の当業熟練者には理解されるように、非誘導光がファセット242から放出されない場合、装置200は、非誘導光によるコントラストの低下にあまり影響されない。
【0318】
したがって、本発明の好適な実施形態では、散乱光はファセット242から放出されない。別の実施形態では、構造224の導波路は、素子234の導波路と比較して、より高い屈折率を有する。この方法で、素子224のアスペクト比(クラッド層の幅対厚さ)を緩和することができる。図27fに示された素子234は、コア材料の層およびクラッド材料の層から構成される。堆積するがエッチングしないことによって、コア層よりかなり薄くすることのできるクラッド層を作製することができる。図27eに示す実施形態では、構造224は、幅広のコアおよび比較的幅広のクラッドバリアを持つ厚い層から構成される。狭すぎるクラッドバリアを厚い層に作製することは難しいので、導波路(およびバリア)の幅を増大することが好ましい。
【0319】
本発明の好適な実施形態では、素子234および構造224の空間パラメータおよび光学パラメータは、スネルの法則を満たすように選択される。詳しくは、Nsinθ=Nsinθ、およびW/W=sinφ/sinφであり、ここでN、Nはそれぞれ素子234および構造224の導波路の屈折率であり、W、Wはそれぞれ素子234の層の厚さおよび構造224の層の幅であり、φはファセット242の傾斜角φであり、φは構造224の導波路のバンド角(banding angle)であり、θ=90°−φであり、θ=90°−φである。数値例として、N=1.50、φ=5.7°、N=1.7の場合、WとWとの間の比はW/W=4.8である。
【0320】
素子234の導波路が溝によって分離される場合(個々の層に形成されるのではない;図27a〜bおよび付随の説明を参照されたい)、構造224は同一技術を用いて製造されることが好ましい。この実施形態の利点は、素子234と構造224との間の界面における光損失を低減することができることである。加えて、エッチング技術を使用することにより、高い屈折率のコントラストが維持される。したがって、本発明の好適な実施形態では、エッチングの前に、構造224が作製されスタック231に付着される(図27a〜b参照)。その後、スタック231および構造224をエッチングして溝を形成する。構造224内に、低空間モード(溝に直角)はそのクラッド層間を誘導され、高空間モードは溝間を誘導される。
【0321】
図27g〜hに示す実施形態では、構造224は、高屈折率の領域252および低屈折率の領域253を持つ層258のスタック256を含む。領域は直方体であってもよく、あるいはいずれかの他の幾何学的形状を持つことができる。光は層258に実質的に直角に領域252中を伝搬する。構造224の下部層(層258aと指定される)は、構造224によるビームの発散を増強するために必須ではないが湾曲することが好ましいミラー260(例えばTIRミラー)によって終端する高屈折率の直方体のアレイである。アラインメント許容誤差要件を軽減するために、構造224の他の層258の領域252は、層258aの領域252より大きいことが好ましい。ミラーが金属から形成されるか、あるいは金属で被覆される場合、後方反射およびビーム発散を低減するために、素子234と構造224との間の空間は、低屈折率の充填材を充填することが好ましい。構造224の層内では、散乱光を低減し、かつディスプレイのコントラストを改善するために、領域252間の空間に吸収性の黒色材料を充填することができる。素子234と構造224との間の光結合は、素子234内に傾斜端部を持つ導波路を設けることによって達成されることもできる(図27h参照)。
【0322】
ここで、図28a〜cを参照すると、それらは、層が軽量層である好適な実施形態における装置200の層の概略的な上面図(図28a〜b)および概略的な側面図(図28c)である。図28aは、1つの光学素子(素子232、素子234、またはそれらが共通層を持つ実施形態では素子232および234の両方)の層202の上面図である。図28aに示す通り、導波路16はそれらの端部262が部分的にテーパを付けられるだけであり、それらの長さの大部分に沿って断面は実質的に変化しない。本発明の好適な実施形態では、導波路16は低屈折率のクラッド材料の薄層264(図示せず;図28c参照)で被覆され、残りの空間は実質的に空のままにしておくことができる。そのような構成は、各層の重量、したがって装置200の重量も低減することができる。構築を目的として、各層の平面形状を維持し、層の圧壊を防止するために、支持部材260を導波路16の間に配置することが好ましい。支持部材260は、導波路全体と平行に作製される短区間の導波路から作ることができる。部材260は任意の幾何学的形状(例えば直方体)を持つことができる。
【0323】
図28bは、拡張構造224の層258の上面図である。層202と同様にして、構造224の高屈折率領域252は、構造224の各層の重量を低減するために、間隔を置いて配置することができる。構造224の各層の平面形状を維持し、かつ圧壊を防止するために、支持部材260を領域252の間に配置することができる。
【0324】
図28cは層202または258の側面図であり、隣接する光透過素子(導波路16または高屈折率領域252)の間に位置付けられた部材260を示す。また、図28cには、光透過素子が下部クラッド層266上に形成されかつ上部クラッド層264によって被覆された、各々の個別層の好適な構成も示される。
【0325】
装置200の全体的重量を低減する別の方法は、上で図21cに示したように、周方向境界22の形状に層を製造することによって、各層の空領域を最小化するものである。
【0326】
ここで、図29a〜eを参照すると、それらは、本発明の様々な例示的実施形態に係る装置200を製造するための好適な折曲げ技術の概略図である。折曲げ技術は、例えば層の大量生産を容易にするために、矩形の層を製造することが好ましい用途に有利である。折曲げ技術は、装置200のいずれかの部分を製造するためにも使用されることができる。特に、折曲げ技術は、1次元または2次元の光学リサイジングをもたらす素子を製造するために使用されることができる。図29a〜eに示す代表例では、折曲げ技術は、各層の導波路の拡張配列が第1次元の光学リサイジングをもたらしかつ部分的に重複する光学配列が第2次元の光学リサイジングをもたらすように構成された、2次元の光学リサイジングをもたらす光学素子を製造するために使用される。
【0327】
本書で上述した通り、装置200の層は可撓性ポリマーから形成されることが好ましい。加えて、層はそれらの折曲げが可能であるように充分に薄く作ることが好ましい。ひとたび矩形の層が形成されると、約90°の予め定められた角度を成すように、(曲げ損失を増大しないようにポリマー導波路で可能な曲率半径で)折り曲げられる。こうして折曲げ層は、入力領域が出力領域より小さくなる導波路の拡張配列を含む。入力領域273および出力領域271を持つ折曲げ層270の代表例を図29aに示し、製造プロセスの選択された工程を図29a〜dに示す。
【0328】
図29a〜dに示されるのは、入力導波路280および出力導波路276を有する折曲げ層270(図29a)、および層272の出力導波路274が層270の出力導波路276と整列するように(図29c)、折曲げ層270に付加された追加層272(図29b)である。次いで層272は、層272の入力導波路278が層270の入力導波路280と整列するように折り曲げられる(図29d)。結果として部分的に重複する層の配列の上面図を図29eに概略的に示し、露出領域220および重複領域218を示す。
【0329】
上記作製プロセスは逆の順序で実行することもできることを理解されたい。この実施形態では、層270の入力導波路280が最初に整列され、その後、層272の出力導波路274が整列される。
【0330】
図30a〜bは、本発明の様々な例示的実施形態において光学素子を製造するための同時プロセスの概略図である。図30aは、4つの光学素子を形成するために使用できる層300の上面図を示す。ひとたび層300が作製されると、それらは積み重ねられ、垂直経路306に沿って切断され、層の2つのスタック302が形成される(図30b参照)。その後、スタック302は傾斜した経路304に沿って切断されることができる。
【0331】
ここで、図31を参照すると、それは、装置200が複数の源から光を受光する好適な実施形態における装置200の概略図である。図31に示す代表例では、装置200は4つの光源(図示せず)から光学入力を受け取る。装置200は、132aおよび132bと指定され両方とも装置200内で透過素子として働く2つの光学素子、および134と指定され装置200内で受光素子として働く1つの光学素子を含む。素子134は傾斜またはテラス状ファセット242を含み、素子132aおよび132bの両方に光結合される。素子132aおよび132bの原理および動作は、傾斜素子134への結合に必要な変更を施して、上記の素子32aおよび32bの原理および動作と同様である。2つの光ビームが素子132aおよび132bの各々に入射する(ビーム310aおよび311aは素子132aに入射し、ビーム310bおよび311bは素子132bに入射する)。光ビームは素子132aおよび132bから素子134に伝達され、合同して拡張光ビーム314として素子134から出射する。
【0332】
ここで、図32a〜bを参照すると、それらは、装置200が複数(例えば2つ以上)の単色光源の形で光学入力を受け取る、好適な実施形態の装置200の概略的な上面図(図32a)および概略的な断面図(図32b)である。光学入力は、上でさらに詳述したように、それぞれのカラーチャネルによってパッシブディスプレイパネル64の各サブピクセル位置を照明するため、または例えば複数の単色画像を使用して拡大された色彩画像を提供するために、リサイズされた彩色光ビームを生成するために使用されることができる。図32bは、図32aの切断AA’に沿って切った断面図である。
【0333】
図32a〜bに示す代表例において、装置200は、上で詳述した通り、3つの入力ファセット326a、326b、および326cを形成する部分的に重複する光学配列における複数の層320と、傾斜形状またはテラス形状を有する1つの出力ファセット328とを含む。層320は、折曲げ技術を用いて、または上述した技術の他のいずれかを用いて製造されることができる。図32a〜bは単一の素子(導波路スタック)が2次元光学リサイジングを達成する実施形態を記載しているが、2つの光学素子(例えば上記の素子132および134)を使用する実施形態を排除する意図は無いことを理解されたい。
【0334】
ここで、図32a〜bを参照すると、3つの単色光学入力322(例えばRGB入力)が、3つの色彩画像源(図示せず)から装置200に伝達される。装置200の層320は、各層の導波路が1つの単色入力の平均波長に応じて最適化される、交互配列状態に配置されることが好ましい。したがって、例えば第1タイプの層320aは赤色光に対して最適化され、第2タイプの層320bは緑色光に対して最適化され、かつ第3タイプの層320cは青色光に対して最適化される。層は、それらの波長の最適化に従って異なる単色光源に結合される。あるいは、装置200の1つ以上の層は1つより多いカラーチャネルを案内及び放射するために設計されることができる。層あたり1つのカラーチャネルを案内及び放射する利点は、カラーチャネル間の低いクロストークであり、層あたり2つ以上のカラーチャネルを案内及び放射する利点は、層の少ない数である。とにかく、各層は、ミラー324(例えばTIRミラー)を用いて、または上で詳述した通りいずれかの他の方法を用いて、装置200から外に光を結合する。ミラー324はまた、対応する光学入力の平均波長に対して最適化されることもできる。
【0335】
上述の通り、本発明の実施形態は、画像光学データのみならず、非画像光学データにも適している。特に、本発明の実施形態は、上で詳述した通り、別のディスプレイ装置用の色彩画像または色彩背面照明を提供するために使用されることができる。1つのカラーチャネルを案内及び放射する層の好適な構成がまず説明され、その後に複数のカラーチャネルを案内及び放射する層の好適な構成が説明される。
【0336】
装置200がバックライト集成体として使用されるとき、図32a〜bに示された例示的構成は、露出長さLが列間分離距離Wに等しく、従って層の各導波路が行あたり1つのサブピクセルを照明するように構成されることが好ましい。本実施形態のための好適な層デザインは図49aに示されている。示されるように、本発明の好適な実施形態によれば、導波路16及び光学方向転換素子508は、光が入力領域293で層に入り、導波路16に伝搬し、層の出力領域294から出ることができるように配置される。
【0337】
層の導波路が行あたり2つ以上のサブピクセルを照明する構成について好適な層デザインは図49bに概略的に示されている。この実施形態では、層内の導波路16は一般に入力領域293から2つの出力領域294a及び294bに延び、領域293の光の各入口位置に対して、領域294a及び294bの2つの出口位置が存在する。図49bに示された例示的構成では、導波路は単一の入力領域から2つの出力領域への光の伝搬を容易にするように下流の光伝搬を分岐されるが、必ずしもその通りである必要はなく、他の構成も考えられる。例えば、各導波路は2つの方向転換素子(即ち領域294aのものと領域294bのもの)で割り当てられる。あるいは、ある導波路は領域293から領域294aまで延びることができ、他の導波路は領域293から領域294bまで延びることができる。また、本発明の範囲を1つの入力領域及び2つの出力領域に制限する意図はないことを理解すべきである。特に、装置200の各層はいかなる数の入力/出力領域を持ってもよい。
【0338】
図50は、各入口位置に2つの出口位置(各出力領域に1つずつ)が存在する好適な実施形態の装置200の側面図を概略的に示す。この実施形態では、露出長さはある層についてはWに等しく、他の層については4Wに等しいことが好ましい。特に、第3の層ごとに(即ち、第3、第6、第9などの層)に対してL=4Wであり、全ての他の層に対してL=Wである。露出長さのかかる選択は、各層の導波路がそれぞれのカラーチャネルによって行あたり2つの隣接ピクセル領域のサブピクセル位置を照明することを確実にする。
【0339】
装置200の層は、層から外への光の結合を概略的に示す図33a〜cに、よりよく示されている。図33a〜cに示されているのは、部分的に重複する光学配列状に配置された層331である。層331内を伝搬する光335がミラー333で方向転換して層から外に結合されるように、各層はミラー333で、好ましくはTIRミラーで終端する。
【0340】
ミラー333の配向に応じて、光335は、層の反射領域345の自由側337を通して出射し(図33a参照)、あるいは隣接する層によって係合される反射領域345の側339を通して出射することができる(図33b〜c)。図33aに示す実施形態をここでは前方光結合と呼び、図33bに示す実施形態をここでは後方光結合と呼ぶ。層が実質的に均一な厚さを有し、装置200の放射領域における層の全体的な厚さが小さい(典型的に10mm未満であり、例えば約2mmであるが、それに限定されない)構成では、後方光結合が好ましい。後方光結合の利点は、より単純な製造プロセス、およびミラーへの(高反射)コーティングの簡単な堆積に存する。ミラーは導波路の作成中または作成後に作成されることができ、あるいはそれらは、幾つかまたは全ての層が積層された後で単一の工程で作成されることができる。
【0341】
本発明の好適な実施形態では、装置200は、層331上に斜めに配置された透光板341を含む。加えて、光335が装置200の外へ板341に実質的に直角に結合されるように、層331と板341との間のギャップには屈折率整合材料343を充填することができる。板341は、裏面の粗さが光の出力結合を劣化するおそれのある後方光結合の実施形態で特に有用である。
【0342】
以下は、装置200の層が複数のカラーチャネルを案内及び放出する本発明の好適な実施形態の説明である。単一のカラーチャネル層から外への光の結合のために上に与えられた説明は、変更すべきところは変更して、マルチカラーチャネル層に対して以下に記載された実施形態に適用する。従って、前方光結合及び後方光結合が、上で記載されかつ図33a〜cに示されるように考えられる。さらに、透光板は、屈折率整合材料の充填ありでまたはなしで層上に傾斜した配向で配置されることができる。
【0343】
図51は、複数の第1導波路510(本例では3つ)を含み、各々が入力領域293から延び、複数の第2導波路512に分岐される装置200の単一層550の概略図である。導波路512は、上でさらに詳述するように、出力領域294に延び、方向転換素子508によって終結する。図51の代表図では、3つの第1導波路はそれぞれ3つのカラーチャネルを受け、その中でカラーチャネルの伝搬を可能にする。第1導波路510からの光は第2導波路512に分配される。従って、装置200がバックライト集成体として使用されるとき、領域294から層を出る光はパッシブディスプレイパネルのサブピクセル位置の行を照明する。図51に示された構成の利点は、層内への光学入力の入口点の数が出口点の数より少ないことである。この構成の別の利点は、層の必要な数が有意に減少されることである。
【0344】
図52a〜bは、単一層において複数のカラーチャネルを案内するための別の好適な実施形態を概略的に示す。この実施形態では、各カラーチャネルは異なる出力領域から層の外へ結合される。図52aの代表図では、各第1導波路510は入力領域293から3つの入力領域294a,294b及び294cの1つに延び、そこで光は方向転換素子508を介して層から外に結合される。図52bは、図52aに示されたタイプの複数の層の側面図を概略的に示す。本発明の好適な実施形態によれば、装置200がバックライト集成体として使用されるとき、露出長さLeはある層に対してはWに等しく、他の層に対してはnW(但し、nは整数である)に等しいことが好ましい。図52に示された代表例(それは限定として考えるべきではない)では、第7の層ごとに(即ち、第7、第14、第21などの層)に対してLe=21Wであり、全ての他の層に対してLe=Wである。かかる順序付けはパッシブディスプレイパネル64の連続RGB照明を確実にする。図52aに示された構成の利点は層中の導波路の交差を避けることである。
【0345】
図53a〜bは、単一層において複数のカラーチャネルを案内するための追加の好適な実施形態を概略的に示す。この実施形態では、層は、第1入力領域293aから第1出力領域294aまで延びる導波路16a、及び第2入力領域293bから第2出力領域294bまで延びる導波路16bを含む。第1カラーチャネル(例えば赤色光)は、領域293aに入り、領域294aから放出され、一方第2カラーチャネル(例えば青色光)は領域293bに入り、領域294bから放出される。本発明の好適な実施形態によれば、第1カラーチャネルは導波路16a内に伝搬し、第2カラーチャネルは導波路16b内に伝搬する。図53bは図53aの切断線AA′に沿った横断面である。伝搬する光及び方向転換する光はそれぞれ数字284及び286によって図53bにおいて指定されている。方向転換素子508は導波路16の外へ伝搬光を結合する。
【0346】
図53aに示された導波路16の配置はまた、例えば図49bに示された構成によって2つより多い出力領域が存在するように適応されることができる。
【0347】
従って、図54a〜bは、層が第1入力領域293aから2つの出力領域294a及び294cまで延びる導波路16a、及び第2入力領域293bから2つの他の出力領域294b及び294cまで延びる導波路16bを含む好適な実施形態の概略図である。図54aに示すように、各導波路は2つの方向転換素子508に分岐され、かくして導波路内に伝搬する光が離間された位置から層の外へ結合されることを可能にする。図53aに示された実施形態と同様に、1つのカラーチャネルは入力領域293aで層に入り、別のカラーチャネルは入力領域293bで層に入る。従って、これらの例示構成は2つのカラーチャネルの透過を支持する。
【0348】
本発明の様々な例示的実施形態では、追加(第3)のカラーチャネルが上述の実施形態のいずれかに従って設計された層の導波路によって別々に透過される。例えば図21c〜d,22e〜f及び49a〜bを参照されたい。従って、本発明の好ましい実施形態によれば、装置200は交互の配列の層を含み、それらの層では2つのカラーチャネルを透過する層は単一のカラーチャネルを透過する層の間に挿入される。図54bは層の好適な交互配列の側面図を示す。図54bに示されているものは、数字320a及び320bによって指定される2つのタイプの層である。層320aでは、2つのカラーチャネルは、図54aに示された実施形態に従って、層上の4つの出力領域から放出され、層320bでは、第3カラーチャネルは、図49bに示された実施形態に従って、2つの出力領域から放出される。
【0349】
装置200の1つ以上の層が入力領域293から複数の出力領域まで延びる導波路を含む好適な実施形態の概略図である図55a〜cを参照されたい。出力領域は図55では294−1,294−2,・・・,294−Nによって指定される。この実施形態は、装置200が多色入力光(例えば白色光)または単色入力光のいずれかに対してバックライト集成体として使用されるときに特に有用である。
【0350】
本発明の好適な実施形態によれば、各出力領域はパッシブディスプレイパネル64のピクセル領域の行または列と整列されることができる。入力光514は導波路16内で伝搬し、方向転換素子508によって導波路から外へ結合される。光学出力は、異なるピクセル領域が実質的に離間された光ビームによって照明されるように、または均一な光出力がピクセル領域の行または列を照明するようにすることができる。
【0351】
入力光514が多色であるとき、それは、以下でさらに詳述するように、ピクセル領域の近くで異なるサブピクセル位置にデマルチプレクサされることができる。入力光514が単色であるとき、装置200は交互配列の層を含むことが好ましく、そこでは隣接する層は異なるカラーチャネルを透過する。この実施形態における装置200の側面図は図5cに概略的に示される。
【0352】
述べたように、素子508は反射性、屈折性、回折性またはそれらのいずれかの組み合わせであることもできる。図55aの例示された図では、導波路は反射素子に分岐し、各反射素子は光学出力のほとんどを層の外へ結合する。図55bの例示された図では、各導波路は、伝搬光の1つの部分が層の外へ方向転換され、光の列の部分が素子を通って伝搬しつづけるように構成された複数の部分的に反射する素子を有する。
【0353】
好適な部分的に反射する素子の代表例は上記の図48a〜dに示されている。反射の量は、素子508の幅、素子508と導波路のコアの間の屈折率の差、素子508の厚さ、素子508のファセットの反射性、導波路の幅、及び/又は素子508と導波路のコアの間の距離を制御することによってそれぞれの導波路に沿って変化されることができる。また、光学出力の均一性を増大するように光が導波路の両側から入力される構成も考えられる。さらに、クラッド266は上記のように光学出力の出力分布を制御するように造形されることができる(例えば図48e参照)。
【0354】
ここで、図56a〜bを参照すると、それらは、装置200の1つ以上の層が2つの入力領域293a及び293bから複数の出力領域294a−1,294a−2,・・・,294a−N、及び294b−1,294b−2,・・・,294b−Nまで延びる導波路を含む好適な実施形態の概略図である。第1カラーチャネル(例えば赤色光)は領域293aに入り、導波路16a内を伝搬し、領域294a−1,294a−2,・・・,294a−Nから放出され、一方第2カラーチャネル(例えば青色光)は領域293bに入り、導波路16a内を伝搬し、領域294b−1,294b−2,・・・,294b−Nから放出される。本発明の好適な実施形態によれば、導波路16aはその中で第1色の伝搬を可能にするように構成された単一モードの導波路であり、導波路16bはその中で第2色の伝搬を可能にするように構成された単一モードの導波路である。
【0355】
本発明の様々な例示的実施形態では、追加の(第3)カラーチャネルは、図55a〜bに示された実施形態のいずれかに従って設計された層の導波路によって別個に伝達される。従って、本発明の好適な実施形態によれば、装置200は2つのカラーチャネルを伝達する層が単一のカラーチャネルを伝達する層の間に挿入される交互配列の層を含む。図56bは層の好適な交互配列の側面図を概略的に示す。
【0356】
上記の実施形態のいずれかにおいて、出ていく光の進路変更は、方向転換光学素子の適切な設計によって及び/又は出ていく光ビームの光路上に位置された追加の光学素子を使用することによって制御されることができる。適切な場合、光学素子は、異なるカラーチャネルの間のスペクトルクロストークを防止するように選択されることが好ましい。例えば、装置200が、単色光が導波路内に伝搬するバックライト照明を与えるために使用されるとき、光学素子は、異なるカラーチャネルを異なるサブピクセル位置に向けるように設計されかつ構成されることが好ましい。従って、本発明の様々な例示的実施形態では、光学素子はサブピクセル位置上に存在する光を集束又は視準する。例えば、光学素子は、各方向転換素子が単一のサブピクセル位置を照明するように構成されることができる。
【0357】
図64aは、バックライト集成体62が方向転換素子508とパッシブディスプレイパネル64の間に配置されたマイクロレンズアレイ558を含む好適な実施形態におけるバックライト集成体62の概略図である。マイクロレンズアレイ558は異なるカラーチャネルの間のスペクトルクロストークを減らすように設計されかつ整列されることが好ましい。
【0358】
方向転換光学素子及び/又は追加の光学素子(例えばアレイ558)はまた、方向転換素子508がそれぞれのカラーチャネルと関連した複数のサブピクセル位置に照明光を与えるように設計されることができる。この実施形態は、導波路16がパッシブディスプレイパネル64に対して列状に配置されるときに特に有用である。従って、光学素子は、2つ以上の列状に配置されたサブピクセル位置が単一の方向転換素子によって方向転換される照明光を与えられることを確実にするように設計されかつ整列されることが好ましい。
【0359】
図64bは、マイクロレンズアレイ558が光を進路変更させて複数のサブピクセル位置に衝突する好適な実施形態におけるバックライト集成体62を概略的に示す。アレイ及び/又は素子508は、光ビームがそれを通過するとき、光ビームのビーム転換がパッシブディスプレイ64の列552に対して垂直より列552に沿っての方が高いように設計されかつ構成されることが好ましい。当業者によって認識されているように、かかる構成はサブピクセル位置の限定的な照明を確実にする。換言すれば、本発明の好適な実施形態では、特定の方向転換素子によって照明される全てのサブピクセル位置は同じカラーチャネルと関連される。パネルの列に沿った典型的なビーム転換は約0.5°〜約20°であり、列に垂直な(例えばパネルの行に沿った)典型的なビーム転換は10度以下である。
【0360】
装置200および30はまた、上で詳述した通り、2つの異なる偏光または2つの異なる色の2つの異なる画像を生成することによって、3次元画像を提供するために使用されることもできる。2つの異なる偏光の場合、装置200は、2つの異なる偏光の(異なる色ではない)2つの光学入力を持ち、図32と同様に構成されることができる。ユーザは次いで、各目に対し異なる偏光を有する双眼装置を使用して、画像を観察することができる。
【0361】
別の実施形態では、装置200および30は、自動立体視ディスプレイとして機能することができる。これは、図34a〜dおよび図35a〜cに関連して以下で詳述する通り、複数の方法で行なうことができる。
【0362】
したがって、本発明の様々な例示的実施形態では、ユーザの左目および右目で観察されるように設計された異なる画像を各々が受け取る、2つの入力ファセット330および332を持つ装置200が製造される。出力ファセット338は、入力330に到達する光学情報を左目に方向付け、かつ入力332に到達する光学情報を右目に方向付ける。
【0363】
図34a〜dを参照すると、装置200の層は、入力330に到達する光学情報が左目に方向付けられ、かつ入力332に到達する光学情報が右目に方向付けられるように配置されることができる。これは、異なる層のミラー334の適切な配向により、自動立体視画像の「スイートスポット(sweet spot)」としても知られる単一スポット336に出力ビームを合焦させることによって、行なうことができる(図34c参照)。ユーザは次いで、スイートスポットの左部344に左目を配置し、かつスイートスポットの右部342に右目を配置することによって、3次元画像を観察することができる。装置200が可撓性である場合、スポット336への出力ビームの合焦は、図34dに示すように出力ファセット338を曲げることによって達成されることができる。後者の実施形態の利点は、ファセット338の曲率を変化させることによって、スイートスポットの位置を変化させることができることである。
【0364】
図35a〜cに関連して、装置200の層は、導波路16が出力ビームをスポット336に合焦させる適切な配向を持つように、配置されることができる。この実施形態の利点は、ビームの向きが、ミラーファセット角度によってではなく、導波路の配向によって支配されることである。制御された配向を持つ導波路の作製は、制御されたファセット角度を持つミラーの作製よりずっと簡単である。別の好適な実施形態では、導波路の配向は同一であるが、ミラーの配向は、ビームを所望の方向に反射させるために変更される。
【0365】
図36は、装置200が2つの光学出力、すなわち「左」出力346および「右」出力348を提供する好適な実施形態における装置200の視野内の様々な光学領域を概略的に示す。図36に示す通り、視野は一般的に4つの光学領域を含む。両方の出力が組み合わされて2次元画像をもたらす混合視野領域350、両方の出力が組み合わされて3次元画像をもたらすスイートスポット領域336、ならびに片方の出力が遮断され、したがって他方の出力348または346それぞれの2次元情報しか含まない2つの片側領域352および354である。領域352および354は、出力視野の幅を制御することによって、希望に応じてリサイズ(縮小または拡大)されることができる。
【0366】
ここで、図37a〜bを参照すると、それらは、装置200が複数の自動立体視画像を提供する好適な実施形態における、1つの層(図37a)および結果として得られる視野(図37b)の概略図である。示す通り、出力ファセットを通して光を放出するように設計された各導波路16の端部360は、各々が別個のミラー(本例ではミラー364a、364b、および364c)によって終端する、複数の導波路(本例では3つの導波路362a、362b、および362c)に分割される。導波路は、光のそれぞれの部分を異なるスイートスポット(本例ではスポット366a、366b、および366c)に合焦させるように配向される。通常の当業熟練者には理解される通り、本実施形態は、複数の2次元画像を複数の方向に提供するために使用されることもできる。例えば装置200をディスプレイ装置に実現する場合、異なる方向からディスプレイを見るユーザは、異なる画像を見ることができる。
【0367】
述べたように、装置30又は200がバックライト集成体に使用されるとき、単色光又は多色光のいずれかがその導波路内で伝搬することができる。
【0368】
単色光がバックライト集成体62の導波路内で伝搬する好適な実施形態のLCD装置60の代表例は図57aに概略的に示されている。図57aに示された例示的実施形態では、小さい分岐ビームが集成体62から外に結合される。示されるように、光はパッシブディスプレイパネル64にほぼ垂直に進み、従ってLCD切換操作の効率を増大する。それは一般に、大きい視野角度で劣化される。必要な出力光分岐を容易にするために、装置60はパッシブディスプレイパネル64の前に位置された光拡散器532を含むことが好ましい。あるいは、バックライト集成体62からの光分岐は、式sin α=√(n−n)(式中、n及びnはそれぞれコア及びクラッドの屈折率であり、αは回折の角度の半分である)に従って導波路のコア及びクラッドの屈折率の適切な選択によって制御されることができる。
【0369】
図57bは、LCD装置60が2つのパッシブディスプレイパネル64a及び64bを含む好適な実施形態におけるLCD装置60を概略的に示す。2つのパッシブディスプレイパネルの使用は、かかる構成を用いると、装置60の消光比が有意に改善されうるので、有利である。この実施形態は、集成体62の光学出力の分岐が小さい(例えば20°未満)ときに特に適用可能であり、第1パッシブディスプレイパネルの解像度が維持される。本発明の様々な例示的実施形態では、装置60は、パネル64aの前に位置された第1前方偏光子540a、パネル64bの前に位置された第2前方偏光子540b、及び第2前方偏光子540bの前に位置された光拡散器532をさらに含む。
【0370】
単色光がバックライト集成体62の導波路内で伝搬する好適な実施形態におけるLCD装置60の代表例は図58に概略的に示されている。この実施形態において、1つ以上の導波路は、光を2つ以上のカラーチャネルにデマルチプレクサするため、及び異なるサブピクセル位置が異なるカラーチャネルによって照明されるような方法で光をそれぞれのピクセル領域内に結合するためのデマルチプレクサ534を含む。デマルチプレクサ534は、格子(図24d参照)、湾曲した表面などのこれらに限定されないいかなるタイプのものであることもできる。
【0371】
図59は、装置60が半透過モードで操作する好適な実施形態における装置60の概略図である。半透過LCD装置60は、周囲光を利用する反射モードとバックライト照明を使用する透過モードの両方での観察を可能にするために構成されている。バックライト照明の約半分が反射表面に衝突して無駄になる伝統的な半透過装置と違って、本発明の教示はパッシブディスプレイパネルへのバックライト照明全体の透過を可能にする。
【0372】
従って、本発明の好適な実施形態によれば、装置60はバックライト集成体62、パネル64、及び周囲光をパネル64に反射するための反射表面542を含む。装置60はさらに、サブピクセル位置のそれぞれのカラーチャネルを選択的に透過するためにパネル64の各サブピクセル位置の前に位置された複数のカラーフィルター544を含む。装置60の透過モードでは、カラーフィルターは、それぞれの色の光によって供給されるので、光透過を減少しないことが注意される。
【0373】
装置60は、上でさらに詳述したように、光源172、後方偏光子154及び前方偏光子540を任意選択的にさらに含む。本発明の様々な例示的実施形態では、バックライト照明は表面542の開口546を通して透過され、ピクセルは強度を失わずに反射モードのために利用可能なサブピクセル領域のほとんどを残す。代替的に、反射表面542は集成体62の後側で積層又はスパッタされることができる。この実施形態では、導波路と表面542の開口の間の整合は全く要求されない。
【0374】
図60は、装置60が色順次モードで操作する好適な実施形態における装置60の概略図である。この実施形態では、光源172は、短い光パルスを形成するように高速でオン及びオフを切換えられる能力を持つことが好ましい。パネル64は、いかなるカラーチャネルに対しても像の対応するカラーフィールドがパネル64を通って透過されるように配置されるように源172と同期化される。集成体62の導波路16は、2つ以上の導波路が各ピクセル領域と整合され、ピクセル領域が全てのカラーチャネルから照明を受けるように配置されることが好ましい。
【0375】
装置200と光源の間の結合は、変更すべきところは変更して、装置30に対する上述の技術のいずれかを含むことができる。この目的のために、例えば図16a〜b,17,18a〜b,47a〜b及び上記の付随する説明を参照されたい。光学入力が画像データによってコードされるとき、装置200と光源の間の光結合は、入力された光ビームによって構成される像を保持するようになされることが好ましい。コードされない光学入力(例えば、装置200が照明光を与えるために使用されるとき)に対して、導波路は非画素化方式で入力されることができる。
【0376】
従って、装置200と光源の間の結合は、上で詳述した通り、カプラを利用して、例えば偏光子付きまたは無しのマイクロレンズアレイを利用して行なうことができる(図16a参照)。代替的に、装置200は、上で詳述した通り、カプラ無しで、または入力光学素子上に配置または形成されたマイクロレンズアレイを使用して、機能することができる(図16b参照)。別の実施形態では、上で詳述しかつ図17に示した通り、レンズまたは別の集束素子を用いて、入力画像を装置200に合焦させることができる。追加の実施形態では、装置200と光源との間の結合は、上で詳述した通り、1つ以上のファイバ束を介する(図18a〜b参照)。装置200はまた、装置200の入力ファセットに投射することができるレーザビームの形で光学入力を受け取ることもできる。
【0377】
特に複数の出力領域が存在する実施形態(例えば図55a〜56b参照)(これに限定されない)に有用である装置200と光源の間の結合のための追加技術は図61a〜c及び62a〜cに示されている。
【0378】
図61a〜cに示された好適な実施形態では、層320の入力領域293は2つ以上のサブ層を含み、それによって導波路16は入力領域293で積層されて層320のための入力ファセット560を形成する。導波路16は入力領域293の異なるサブ層から出力領域294まで延びる。図61a〜cに示されているのは、平面図(図61a)、出力領域294を通過する切断線AA′に沿った断面図(図61b)及び入力領域293を通過する切断線BB′に沿った断面図(図61c)である。図61aは入力領域293で3つのサブ層(サブ層520a、サブ層520b及びサブ層520c)を示すが、本発明の範囲をいかなる特定の数のサブ層に制限することも意図しないことを理解すべきである。図61a〜bに示されるように、入力領域293にオーバーラップ522がある。領域293から異なるサブ層を占有する導波路16は出力領域294の異なるサブ領域に延びることが好ましい。図61a〜cに示された代表例では、出力領域294は3つのサブ領域524a,524b及び524cに分割される。導波路はサブ層520aからサブ領域524aへ、サブ層520aからサブ領域524bへ、サブ層520cからサブ領域524cへ延びる。
【0379】
図62a〜cに示された実施形態では、導波路はグループに分割され、層上にさいの目の形の領域を形成することによって入力領域293で機械的に分離される(図62a)。導波路の形成されたグループは次いで一緒にまとめられ(図62b)、入力ファセットを形成する。図62cは、図47a〜bに示された実施形態と図62a〜bに示された実施形態の組み合わせである実施形態を示す。導波路は入力領域293で機械的に分離され、入力領域293で、各導波路の終端部分が光源を特徴づける光路と実質的に同一線上にあるように配置される。
【0380】
述べたように、いかなる数の光源も装置200に結合されることができる。12個の単色光源と3個のカラーチャネル(各カラーチャネルに対して4つの光源)を有する代表例が図63に概略的に示される。
【0381】
装置200の層の厚さは装置200の全域で変化することができる。例えば、層の厚さは入力ファセットで約15μm〜約30μmであってもよく、出力ファセットで約40μm〜約60μmであってもよい。出力ファセットでは、層間のオーバーラップは少数の層だけに限定され、それゆえ装置200の全厚さは出力領域で厚い層によって影響されない。厚い導波路層の利点は、かかる構成が方向転換光学素子から透過領域を増加することである。層厚さは所望により連続的に又は階段状に増加されることができる。例えば、厚さの階段状の増加は、導波路が露出した領域に入る界面で起こりうる。
【0382】
上の実施形態のいずれかにおいて、導波路は均一な光学出力を与えるように設計されかつ構成されることが好ましい。この実施形態は、本実施形態の光学装置がバックライト集成体として使用されるときに特に有用である。従って、本発明の好適な実施形態によれば、入力不均一性は、導波路の寸法の変化を導入することによって導波路レベルで修正される。例えば、以下の実施例の節の図39に示されたレイアウトを参照されたい。あるいは、均一な光源を使用することができる。
【0383】
しかし、不均一な光学出力はまた、導波路内の光損失による異なる導波路の異なる伝達効率の結果でありうる。典型的には、光損失は導波路の長さとともに増大する。かかる不均一な光学出力は、図39bに示すように、損失を短い導波路に加えること及び/又は長い導波路の入力側に対して幅広い断面を選択することによって修正されることができる。かかる構成によって、多くの光を幅広い導波路に結合して、それらの高い損失を克服する。
【0384】
本実施形態の光学装置の異なる層は異なる長さの導波路を持つことができる(例えば図22a〜c参照)。異なる層における導波路に対する等しい伝達効率は、本発明の様々な例示的実施形態によれば、異なる層の導波路に対して異なる幅を選択することによって達成される。より好ましくは、層中のコアの厚さは均一な光学出力を達成するように変更されることができる。特に、導波路が短い層において、コアは導波路が長い層のコアと比較すると厚い。異なる層の異なるコア厚さの使用は製造の簡略化の見地から好ましい。なぜならば、かかる技術によって同じマスクが多くの層を製造するために使用されることができるからである。
【0385】
この特許の存続期間中に、多くの関連光透過装置が開発されることが予想され、用語「導波路」の範囲は、全てのそのような新技術を先験的に含めることを意図している。
【0386】
本発明のさらなる目的、利点および新規な特徴が、限定であることが意図されない下記の実施例を検討したとき、当業者には明らかになる。加えて、本明細書中上記に描かれるような、また、下記の請求項の節において特許請求されるような本発明の様々な実施形態および態様のそれぞれは、実験的裏付けが下記の実施例において見出される。
【実施例】
【0387】
次に下記の実施例が参照されるが、下記の実施例は、上記の説明と一緒に、本発明を非限定様式で例示する。
【0388】
実施例1
光損失の最適化
装置の透明性は幾つかの損失メカニズム、(i)装置内の伝搬損失、(ii)装置内の曲げおよびテーパリング損失、(iii)装置の光学素子間の結合損失、および(iv)界面における反射損失、によって影響される。
【0389】
ポリマー導波路について報告された最も低い伝搬損失は、C‐H吸収振動結合を含まないポリメチルメタクリレート(PMMA)および重水素化ポリフルオロメタクリレート(d‐PFMA)材料により達成した。バルクの場合の可視領域における0.001dB/cm未満の値[L.Hornak、「Polymers for lightwave and integrated optics」、Marcel Dekker,Inc,1992];マルチモード導波路の場合のλ=0.68μmの波長における0.01dB/cm[Yoshimuraら、「Low loss polymeric optical waveguides fabricated with Deuterated Polyfluoromethcrylate」、J.Lightwave Tech、vol 16、1030〜1037、1998]、および単一モード導波路の場合のλ=1.3μmにおける0.05dB/cm[Yeniaryら、「Ultra‐low‐loss polymer waveguides」、J.Lightwave Tech、vol 22、154〜158、2004]が報告されている。したがって、本発明の好適な実施形態では、導波路はポリマー導波路であり、より好ましくはPMMA導波路、またはd‐PFMA導波路である。
【0390】
本発明の様々な例示的実施形態における曲げ損失は、光のコーナーミラーとの相互作用によるものである。空気クラッドミラー付きの50×50μmマルチモードポリマー導波路に対し、1.2dBのコーナー損失が報告されている。[J‐S KimおよびJ‐J Kim、「Stacked polymeric multimode waveguide arrays for two‐dimensional optical interconnects」、J.Lightwave Tech、vol 22、840〜844、2004]。より低い、0.5dB未満の損失も達成可能である[Ahmad、「Ultracompact corner‐mirrors and T‐branches in silicon‐on‐insulator」、IEEE Photon.Tech.Lett.、vol.14、65〜67、2002]。数ミリの曲率半径の導波路をコーナーミラーの代わりに使用すると、損失を0.1dBより低くすることができる。
【0391】
装置を光の拡張(例えば画像の拡大)のために使用する場合、テーパリング損失は無視できるほど小さい。収縮用の場合、典型的なテーパリング損失は、入力ビームのモード構造およびテーパ長に依存する。基本入力モードで、数ミリの長さのテーパの場合、損失は0.1dB未満とすることができる。したがって、装置を光の拡張のために使用する場合、テーパリングは段付きにすることができ、収縮に使用する場合、損失を最小化するために、平滑なテーパリングが好ましい。
【0392】
入力光源と装置との間の界面における結合損失の程度は、結合を促進するために使用される光学配列、導波路のコア対クラッドの比、およびピクセルの幅対ギャップの比に依存する(エッチングされたレンズのような集束素子がファセットに無い限りにおいて)。導波路が矩形断面を有する場合、充填率は円形断面の導波路の場合の充填率より高くなる。装置の光学素子間の結合損失の程度は、導波路の開口数の賢明な選択によって、無視できるほど低くすることができる。特に、本発明の好適な実施形態では、受光光学素子(例えば素子34)の開口数は、放射光学素子(例えば素子32)の開口数より高いか、またはそれに等しい。
【0393】
入力光源と装置30との間の反射は、装置30と光源を装置30に結合する光学配列との間に屈折率整合接着剤を配置することによって、無視できるほど低くすることができる。同じことは、装置の光学素子間の反射に対しても当てはまる。第2光学素子の大きいファセットにおける反射は、(n−1)/(n+1)によって与えられる。ここでnはコアの屈折率である。このファセットは、反射をさらに低減するために、反射防止コーティングで被覆されることができる。
【0394】
損失散乱光は装置30の大きいファセットと実質的に平行に伝搬するので、装置のコントラスト比は伝搬損失によってわずかに影響されるだけである。それにもかかわらず、界面間の結合における光損失、および曲げで散乱する光は、特に層の領域18および20が平行でありかつ層の両側に位置する実施形態では、コントラスト比を低下させるおそれがある。
【0395】
導波路の不均一な伝搬損失による光損失は、入力画像を不均一に照明することによって、低減または実質的に排除(例えばその元の値の20%未満に、より好ましくは10%未満に、例えば約5%以下に低減)することができる。例えば図38に関連して、入力画像380は、差動導波路損失を補償するために、画像の長さおよび幅にわたって輝度勾配382が存在するように歪めることができる。
【0396】
図39aは、層が導波路16内を伝搬する光のコントラスト比を改善するように選択された光吸収体370を含む、好適な実施形態における光学素子の層(例えば層14)の概略図である。光吸収体370は層14全体に、または層14内の小領域に堆積されることができる。光吸収体はクラッド材料に付加されたブラックトーンであってもよい。領域18および20が同一直線上にあるか、または層14の隣接する側にある実施形態では、コントラスト比の低下の効果はあまり顕著ではなく、熟練技術者は光吸収体370を含めることを好まないかもしれない。それでもなお、これらの実施形態では光吸収体の使用も予想される。コントラスト比を改善するための代替的な方法は、導波路間にわずかに吸収性のクラッド層を使用することである。例えば約1dB/cmの吸収係数のクラッド層は、導波路損失の追加を0.01dB/cm未満に抑えながら、全部または大部分の散乱光を吸収することができる。
【0397】
伝搬損失が均一でない場合、出力光ビームは不均一の明るさを持つことがあり得る。その影響を回避するために、短い導波路に寄生損失を加えることができる。これは、複数の方法で行なうことができる。1実施形態では、導波路の幅を低減することによって寄生損失を加えることができる。別の実施形態では、曲げ半径を低減することによって、寄生損失を加える。追加の実施形態では、層に曲げまたは寄生交差導波路を加えることによって寄生損失を生成する。
【0398】
代替的に、導波路への結合は、テーパ幅(導波路に結合される光の量を制御する)、またはテーパ長(テーパの効率[透明性]を制御する)を変更することによって調整されることができる。
【0399】
均質なパネルをリサイズする必要がある場合、導波路に異なる断面を割り当てることによって、導波路の異なる損失を補償することができる。図39bは、それらのより高い損失(それらのより長い長さによる)を克服するために、より多くの光がより幅広の導波路に結合されるように、層のより長い導波路がより幅広の断面を有する実施形態を概略的に示す。この実施例では、導波路は、出力パネルに向かってテーパを付けられ、そこに均等な幅を得る。非テーパ付き導波路も考えられる。90°の導波路の曲げを平滑な曲げに置き換えることもできる。
【0400】
導波路は層内だけでなく、層間でも異なる長さを持つことができる。上部の層内の導波路は、下部層内の導波路より短い。異なる層内の導波路の均等な透明性は、各層毎に異なる導波路の幅を割り当てることによって達成されることができる。代替的に、層の異なる導波路の長さを補償するために、層内の(コア)導波路の厚さを変更することができる。この実施形態では、上部層内の導波路は下部層内の導波路より細い。
【0401】
実施例2
視野の最適化
本発明の好適な実施形態では、装置30は、予め定められた視野にリサイズされた光を提供するように設計されかつ構成される。装置30のための予め定められた視野を達成するための1つの方法は、装置30が光を出力する光学素子(例えば素子34)の導波路パラメータの賢明な選択による。本発明の好適な実施形態では、導波路の屈折率および開口数(N.A.)は、方程式:N.A.=sinα=√(n−n)を満たすように選択される。ここでnおよびnはそれぞれコアおよびクラッドの屈折率であり、αは回折角の2分の1である。直線テーパリングで終端する導波路の場合、有効開口数はN.A./Mである。ここでMはテーパ率である[Peliら、前出]。したがって有効視野は、テーパ形状を調整することによって、つまり非直線テーパ形状を用いて、選択されることができる。特に、異なる方向に対して、異なる視野を得ることができる。
【0402】
異なる方向の異なる視野は、長手方向の(層に平行な)視野が横方向の(層に実質的に直交する)視野とは異なるように、層内に第1クラッド材料を選択し、層間に第2の異なるクラッド材料を選択することによって達成されることもできる。
【0403】
装置30の視野は、出力ファセットに拡散スクリーンを追加することによって、または出力ファセットをエッチングしてそれを拡散性にすることによって、拡大されることができる。拡散スクリーンは、光損失を補償するために構成されることもできる。
【0404】
加えて、または代替的に、視野は、コアおよびクラッドの屈折率の差Δnを増大することによって拡大されることができる。高いΔn値を光学素子全体に対して選択することができ、あるいは代替的に、Δnを出力ファセットに向かって漸進的に増大させることができる。Δnの漸次変化は、例えば、クラッドに対するコアのΔnがUV露光時間の関数となる直接書込みUVリソグラフィによってコアが書き込まれる生産プロセスで、達成されることができる。屈折率の増大は、コア材料の追加的散乱中心または導波路に対する曲げの追加による散乱などの拡散メカニズムと同時に生じることが好ましい。これらの散乱メカニズムは、より高いΔnの導波路がより高次のモードを保持する能力を利用して、低次モードを高次モードに変換する。大きい視野パターンに寄与するのは高次モードである。
【0405】
通常の当業熟練者には理解される通り、視野を調整する能力は、出力光の明るさを著しく改善することができる。
【0406】
ここで、図40を参照すると、それは出力光の明るさを改善するための手順を示す。概して、改善は光源392から光390を効率的に捕集すること、および明るさの損失が最小限または零となるように装置30の視野を調整することを含む。特に、本発明の好適な実施形態では、光390の光学エネルギーの全部または大部分(例えば少なくとも90%)が出力光394によって運ばれるので、視野は予想される明るさの低下と同じ量だけ低減される。例えば、3dBの挿入損失を有する光学装置を用いて、5”のスクリーンを10”に拡大すると仮定する。この場合、装置30の明るさの予想される低下は2×2×2=8である。さらに、120°の光390が装置30に入射するように、装置30を光源392に結合すると仮定する。明るさの低下を解消するために、装置30の視野は120√8=42°となるように選択される。本実施形態は、例えば表示される画像のプライバシを維持する目的のために、スクリーンサイズの拡大が視野の低減を伴うことが望ましい状況において、特に有用である。
【0407】
ここで、図41を参照すると、それは、導波路16が層の端部に対して傾斜している(例えば図19参照)、好適な実施形態における装置30の概略図である。結果として得られる光学素子は光394を出力ファセットに対して角度θで放出する。図41に示す通り、本実施形態は結果として装置30の視野の変化をもたらす。
【0408】
視野の調整は、受光素子の空間モードを増大するために、装置30の光学素子間の界面でも使用されることができる。調整は、異なる光学素子の導波路間の相対的配向および/またはΔnの値を変化させることによって、達成されることができる。例えば透過素子(例えば素子32)の導波路が受光素子(例えば素子34)の導波路と平行でなく、かつ受光素子のΔnが透過素子のΔnより高い場合、2つの素子間の界面で励起する高い空間モードは、成功裏に受光素子内を伝搬する。その結果、装置の出力ファセットの視野は増大する。光学素子の2つの導波路間に傾斜接続を確立することによって、空間モードの増分は光学素子内で(2つのそのような素子間の界面上ではない)達成されることもできる。
【0409】
本明細書中で使用される用語「約」は±10%を示す。
【0410】
明確にするため別個の実施形態の文脈で説明されている本発明の特定の特徴は単一の実施形態に組み合わせて提供することもできることは分かるであろう。逆に、簡潔にするため単一の実施形態の文脈で説明されている本発明の各種の特徴は別個にまたは適切なサブコンビネーションで提供することもできる。
【0411】
本発明はその特定の実施形態によって説明してきたが、多くの別法、変更及び変形があることは当業者には明らかであることは明白である。従って、本発明は、本願の請求項の精神と広い範囲の中に入るこのような別法、変更及び変形すべてを包含するものである。本願で挙げた刊行物、特許及び特許願はすべて、個々の刊行物、特許及び特許願が各々あたかも具体的にかつ個々に引用提示されているのと同程度に、全体を本明細書に援用するものである。さらに、本願で引用又は確認したことは本発明の先行技術として利用できるという自白とみなすべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0412】
【図1】ファイバベースの誘導拡大装置を製造するための先行技術の概略図である。
【図2】ファイバベースの誘導拡大装置を製造するための先行技術の概略図である。
【図3】図3a〜cは、本発明の様々な例示的実施形態に係る、導波路の長手方向に拡張する配列(図3a)、部分的テーパ付き導波路(図3b)、および部分的テーパ付き導波路の長手方向に拡張する配列(図3c)の概略図である。図3dは、2層以上を持つ図3cの実施形態の概略図である。
【図4a−f】本発明の様々な例示的実施形態における光学リサイジング素子の概略図である。
【図4g−i】本発明の様々な例示的実施形態における光学リサイジング素子の概略図である。
【図5】本発明の様々な例示的実施形態における2つの光学リサイジング素子を有する光学リサイジング装置の概略図である。
【図6】図6aは、本発明の様々な例示的実施形態における受光光学リサイジング素子の小さいファセットの概略図である。図6bは、本発明の様々な例示的実施形態における図6aの素子の導波路の3次元図である。
【図7a】各光学リサイジング素子の入射および出射ファセットが相互に実質的に直交する実施形態の装置の3次元概略図である。
【図7b】2対の光学リサイジング素子を採用する好適な実施形態における図7aの装置の3次元概略図である。
【図8】一方の光学リサイジング素子のファセットが実質的に平行であり、他方の光学リサイジング素子のファセットが実質的に直交する、好適な実施形態における装置の概略図である。
【図9】光学リサイジング素子のファセットが実質的に同一平面上にある、好適な実施形態における装置の概略図である。
【図10】本発明の様々な例示的実施形態に従って導波路の配列を製造するためのフォトマスクレイアウトの概略図である。
【図11】垂直方向および横方向の両方にテーパを付けられた導波路を製造するためのプロセスの概略図である。
【図12a−c】複数の光源を使用する好適な実施形態における光学リサイジング装置の概略図である。
【図12d−f】複数の光源を使用する好適な実施形態における光学リサイジング装置の概略図である。
【図13】装置からの光学出力が2つ以上存在する好適な実施形態における装置の概略図である。
【図14】装置が1つ以上の追加光学素子を含む好適な実施形態における装置の概略図である。
【図15】層が偏光子を含む好適な実施形態における光学リサイジング素子の層の概略図である。
【図16】光源が画像源である好適な実施形態における装置と光源との間の結合の概略図である。
【図17】入力画像がレンズを用いて装置に合焦される好適な実施形態の概略図である。
【図18】1つ以上のファイバ束が使用される好適な実施形態における装置と光源との間の結合の概略図である。
【図19】導波路が層の端部に対して傾斜する好適な実施形態における光学リサイジング素子の1層の概略図である。
【図20】装置が部分的に重複する光学配列の原理に従って製造される好適な実施形態における光学リサイジング装置の概略図である。
【図21】装置が部分的に重複する光学配列の原理に従って製造される好適な実施形態における光学リサイジング装置の概略図である。
【図22a−c】装置が部分的に重複する光学配列の原理に従って製造される好適な実施形態における光学リサイジング装置の概略図である。
【図22d−f】装置が部分的に重複する光学配列の原理に従って製造される好適な実施形態における光学リサイジング装置の概略図である。
【図23】図23a〜bは、ファセットが2次元段付き形状を有する好適な実施形態における、図20〜22の装置と同様の装置のファセットの一部分の概略側面図(図23a)および概略上面図(図23b)である。図23c〜dは、本発明の様々な例示的実施形態に係るミラー形状の概略図である。
【図24a−b】本発明の様々な例示的実施形態に係る2次元段付きまたは傾斜プロファイルを持つ光学リサイジング素子の概略側面図である。
【図24c−d】本発明の様々な例示的実施形態に係る2次元段付きまたは傾斜プロファイルを持つ光学リサイジング素子の概略側面図である。
【図24e】本発明の様々な例示的実施形態に係る2次元段付きまたは傾斜プロファイルを持つ光学リサイジング素子の概略側面図である。
【図25】本発明の好適な実施形態に係る折曲げ可能な光学リサイジング装置の概略図である。
【図26】本発明の様々な例示的実施形態に係る、透過素子の配列を介して光が装置から外に結合される構成の概略図である。
【図27a−b】本発明の様々な例示的実施形態における、傾斜光学リサイジング素子を製造するためのプロセスの概略図である。
【図27c−d】本発明の様々な例示的実施形態に係る拡張構造の概略図である。
【図27e−f】本発明の様々な例示的実施形態に係る拡張構造の概略図である。
【図27g−h】本発明の様々な例示的実施形態に係る拡張構造の概略図である。
【図28】層が軽量層である好適な実施形態における、図20〜22の装置と同様の装置の層の概略上面図(図28a〜b)および概略側面図(図28c)である。
【図29】本発明の様々な例示的実施形態に係る、図20〜22の装置と同様の装置を製造するための好適な折曲げ技術の概略図である。
【図30】本発明の様々な例示的実施形態における、複数の光学リサイジング素子を製造するための同時プロセスの概略図である。
【図31】装置が複数の光源から光を受光する好適な実施形態における、図20〜22の装置と同様の装置の概略図である。
【図32】装置が複数の単色光源の形の光学入力を受光する好適な実施形態における、図20〜22の装置と同様の装置の概略上面図(図32a)および概略断面図(図32b)である。
【図33】本発明の様々な例示的実施形態に係る、図20〜22の装置と同様の装置の層から外へ光を結合するための技術の概略図である。
【図34】装置が自動立体視画像を提供するために使用される好適な実施形態における、図20〜22の装置と同様の装置の概略図である。
【図35】装置が自動立体視画像を提供するために使用される好適な実施形態における、図20〜22の装置と同様の装置の概略図である。
【図36】図34a〜35cの装置と同様の装置の視野内の異なる光学領域の概略図である。
【図37】複数の自動立体視画像が提供される好適な実施形態における1層の概略図(図37a)および結果として得られる視野の概略図(図37b)である。
【図38】差動導波路損失を補償するために入力画像が不均一な明るさを有する好適な実施形態における光学リサイジング装置の概略図である。
【図39】図39aは、層が光吸収体を含む好適な実施形態における光学リサイジング素子の層の概略図である。図39bは、本発明の好適な実施形態に係る可変断面を持つ導波路の概略図である。
【図40】本発明の様々な例示的実施形態における、出力光の明るさを改善するための手順の概略図である。
【図41】本発明の様々な例示的実施形態における装置の視野を修正するための手順の概略図である。
【図42a−b】図42aは、従来のエッジ照明LCD装置の概略図である。図42bは、固有の2/3出力損失を克服するように設計されたバックライト技術の概略図である。
【図42c】固有の2/3出力損失を克服するように設計されたバックライト技術の概略図である。
【図43】本実施形態の1つ以上の光学素子を使用するディスプレイ装置の概略図である。
【図44a−b】パッシブディスプレイパネル(図44a)及びそのピクセル領域(図44b)の概略図である。
【図44c】パッシブディスプレイパネルの概略図である。
【図45】本発明の様々な例示的実施形態によるバックライト集成体の概略図である。
【図46】本発明の様々な例示的実施形態による、パッシブディスプレイパネルにバックライト集成体によって与えられるバックライト照明の色分布の概略図である。
【図47】各導波路の終端部分が光源を特徴づける少なくとも1つの光路と実質的に同一直線上であるように導波路が各層に配置される、光をバックライト集成体に結合するための好適な技術の概略図である。
【図48a−c】本発明の様々な例示的実施形態による、光を導波路から外へ方向転換するための技術の概略図である。
【図48d−e】本発明の様々な例示的実施形態による、光を導波路から外へ方向転換するための技術の概略図である。
【図49】層の導波路が行あたり1つ(図49a)及び2つ(図49b)のサブピクセルを照明する構成のための好適な層デザインの概略図である。
【図50】図49bに示されたタイプの層のスタックの側面図を概略図に示す。
【図51】本発明の様々な例示的実施形態による、入力領域に延びる複数の第2導波路に分岐した第1導波路を含む単一層の概略図である。
【図52】複数の第1導波路が1つの入力領域から複数の出力領域まで延びる、単一層に複数のカラーチャネルを案内するための好適な実施形態の概略図である。
【図53】層が複数の入力領域から複数の出力領域まで延びる導波路を含み、各カラーチャネルが1つの入力領域で層に入り、導波路を通って伝搬し、1つの出力領域で層を出る、単一層に複数のカラーチャネルを案内するための好適な実施形態の概略図である。
【図54】図54aは、単一層に複数のカラーチャネルを案内するための別の好適実施形態による単一層の概略図である。図54bは、本発明の様々な例示的実施形態による、図49aの層及び図54aの層の交互配列を有する光学装置の側面図の概略図である。
【図55】導波路が入力領域から複数の出力領域まで延びる好適な実施形態における導波路の層の概略図である。
【図56】少数の層が2つの入力領域及び複数の出力領域を含む好適な実施形態の概略図である。
【図57a】正面の光拡散器を含む好適な実施形態のLCD装置の概略図である。
【図57b】2つのパッシブディスプレイを含む好適な実施形態のLCD装置の概略図である。
【図58】単色光がバックライト集成体の導波路に伝搬する好適実施形態のLCD装置の概略図である。
【図59】透過モードで操作する好適な実施形態のLCD装置の概略図である。
【図60】色連続モードで操作する好適な実施形態のLCD装置の概略図である。
【図61】複数の出力領域がある実施形態(例えば図55a〜56b参照)に有用な追加の光結合技術(特に限定されない)の概略図である。
【図62】複数の出力領域がある実施形態(例えば図55a〜56b参照)に有用な追加の光結合技術(特に限定されない)の概略図である。
【図63】12個の単色光源から光学的入力を受けるバックライト集成体の概略図である。
【図64】マイクロレンズアレイを含む好適な実施形態のバックライト集成体の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピクセル領域を特徴づける少なくとも2つのカラーチャネルにそれぞれ相当する少なくとも2つのサブピクセル位置によってそれぞれ規定される複数のピクセル領域を有するパッシブディスプレイパネルに照明光を与えるためのバックライト集成体であって、バックライト集成体は複数の導波路を含み、それらは少なくとも1つの基板において形成されかつ/または埋め込まれ、各ピクセル領域が少なくとも2つの導波路によって照明されるような方法で照明光を各サブピクセル位置に与えるように配置され、前記少なくとも2つの導波路の各導波路はそれぞれのカラーチャネルによって前記ピクセル領域の1つのサブピクセル位置を照明するように配置される、バックライト集成体。
【請求項2】
ピクセル領域を特徴づける少なくとも2つのカラーチャネルにそれぞれ相当する少なくとも2つのサブピクセル位置によってそれぞれ規定される複数のピクセル領域を有するパッシブディスプレイパネルと、
複数の導波路を含み、それらは少なくとも1つの基板において形成されかつ/または埋め込まれ、各ピクセル領域が少なくとも2つの導波路によって照明されるような方法で照明光を各サブピクセル位置に与えるように配置され、前記少なくとも2つの導波路の各導波路はそれぞれのカラーチャネルによって前記ピクセル領域の1つのサブピクセル位置を照明するように配置される、バックライト集成体と、
を含む、パッシブディスプレイ装置。
【請求項3】
前記複数の導波路のうちの少なくとも1つの導波路はバックライト集成体の層において、前記層の少なくとも1つの入力領域から前記層の少なくとも1つの出力領域まで、前記パッシブディスプレイパネルに対して列状に配置される、請求項1または2に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの導波路に形成されかつ前記光を前記少なくとも1つの導波路から外に方向転換するように構成され、それによって前記パッシブディスプレイパネルのそれぞれの列に沿って複数のサブピクセル位置を照明する、複数の方向転換素子をさらに含む、請求項3に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項5】
各方向転換素子は、1つのサブピクセル位置を前記列に沿って照明するように前記少なくとも1つの導波路に配置される、請求項4に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項6】
少なくとも1つの方向転換素子は、少なくとも2つのサブピクセル位置を前記列に沿って照明するように前記少なくとも1つの導波路に配置される、請求項4に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの方向転換素子は、光ビームのビーム転換が前記列に垂直より前記列に沿っての方が高いように前記少なくとも1つの導波路に伝搬する前記光ビームを方向転換するように設計されかつ構成される、請求項6に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの方向転換素子は、前記光ビームが前記少なくとも2つのサブピクセル位置に前記列に沿って限定されて当るように設計されかつ構成される、請求項7に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項9】
前記複数の導波路のうち少なくとも1つの導波路はテーパを付けられる、請求項1または2に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項10】
前記複数の導波路は複数の層に層状に配置され、各層は単一のカラーチャネルに対応するサブピクセル位置への前記層の導波路内に伝搬する光の放出を可能にするように設計されかつ構成される、請求項1または2に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項11】
前記複数の導波路は複数の層に層状に配置され、各層は少なくとも2つのカラーチャネルに対応するサブピクセル位置への前記層の導波路内に伝搬する光の放出を可能にするように設計されかつ構成される、請求項1または2に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項12】
前記パッシブディスプレイパネルの前に位置された光拡散器をさらに含む、請求項2に記載のパッシブディスプレイ装置。
【請求項13】
前記パッシブディスプレイパネルの前に位置された少なくとも1つの追加のパッシブディスプレイパネルをさらに含み、前記少なくとも1つの追加のパッシブディスプレイパネルは前記パッシブディスプレイ装置の消光比を増大するように設計されかつ構成される、請求項2に記載のパッシブディスプレイ装置。
【請求項14】
ピクセル領域を特徴づける少なくとも2つのカラーチャネルにそれぞれ対応する少なくとも2つのサブピクセル位置によって各々規定される複数のピクセル領域を有するパッシブディスプレイパネルに照明光を与えるためのバックライト集成体であって、バックライト集成体は少なくとも1つの基板内に形成されかつ/または埋め込まれ、前記複数の導波路のうち少なくとも1つの導波路は、少なくとも2つのカラーチャネル中に前記導波路内に伝搬する光をデマルチプレクサし、前記ピクセル領域の異なるサブピクセル位置が前記少なくとも2つのカラーチャネルの異なるカラーチャネルによって照明されるように前記光をそれぞれのピクセル領域中に結合するように設計されかつ構成される光デマルチプレクサを含む、バックライト集成体。
【請求項15】
ピクセル領域を構成する少なくとも2つのカラーチャネルにそれぞれ対応する少なくとも2つのサブピクセル位置によって各々規定される複数のピクセル領域を有するパッシブディスプレイパネルと、
少なくとも1つの基板内に形成されかつ/または埋め込まれた複数の導波路を含むバックライト集成体であって、各導波路は、少なくとも2つのカラーチャネル中に前記導波路内に伝搬する光をデマルチプレクサし、前記ピクセル領域の異なるサブピクセル位置が前記少なくとも2つのカラーチャネルの異なるカラーチャネルによって照明されるように前記光をそれぞれのピクセル領域中に結合するように設計されかつ構成される光デマルチプレクサを含む、バックライト集成体と、
を含むパッシブディスプレイ装置。
【請求項16】
前記バックライト集成体は、少なくとも1つの導波路が少なくとも1つの光源によって供給されるように配置された複数の光源を含む、請求項1,2,14または15に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項17】
前記バックライト集成体は、少なくとも1つの導波路が少なくとも2つの光源によって供給されるように配置された複数の光源を含む、請求項1,2,14または15に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項18】
前記複数の光源の少なくとも少数は、偏光を与えるように構成される、請求項16または17に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項19】
前記バックライト集成体は、前記複数の光源を出る光を偏光するように前記複数の光源と前記複数の導波路の間に位置された偏光子をさらに含む、請求項16または17に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項20】
前記複数の光源のうちの少なくとも1つの光源は単色光源を含む、請求項16または17に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項21】
前記複数の導波路は、各層において導波路が前記層の少なくとも1つの入力領域から前記層の少なくとも1つの出力領域まで延び、それによって前記層内に周囲境界を規定するように、前記少なくとも1つの基板に層状に配置され、前記周囲境界を特徴づける長さは前記少なくとも1つの出力領域においてより前記少なくとも1つの入力領域において小さい、請求項1,2,14または15に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項22】
前記少なくとも1つの基板は少なくとも1つの入力基板と1つの出力基板を含み、前記少なくとも1つの入力基板における各層は前記出力基板の1つの層に光学的に結合される、請求項21に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項23】
前記出力基板における層間の分離距離は前記パッシブディスプレイパネルの列に沿ったサブピクセル間の分離距離と適合し、前記少なくとも1つの出力領域における前記出力基板の導波路間の分離距離は前記パッシブディスプレイパネルの行に沿ったサブピクセル間の分離距離と適合しうる、請求項22に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項24】
前記出力基板の少なくとも1つの層は、前記少なくとも1つの入力基板のそれぞれの層から受けた光を複数の方向に放出するように設計されかつ構成される、請求項22に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項25】
前記少なくとも1つの入力基板の少なくとも1つの層は、光を少なくとも2つの異なる方向に放出するように設計されかつ構成される、請求項22に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項26】
前記複数の導波路は前記少なくとも1つの基板内で部分的に重なる光学的配置で層状に配置され、各層は前記層の少なくとも1つの入力領域から前記層の少なくとも1つの出力領域へ延びる導波路を含み、それによって前記少なくとも1つの出力領域は前記層の導波路内で伝搬する光の放出を可能にするように光学的に露出される、請求項1,2,14または15に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項27】
前記少なくとも1つの入力領域は複数のサブ層を含み、少なくとも少数の導波路は前記層の入力ファセットを形成するために前記少なくとも1つの入力領域の異なるサブ層から延びるように積重ねられる、請求項1,2,14または15に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項28】
前記複数の導波路のうち少なくとも1つの導波路は、前記導波路を特徴づける直径が前記少なくとも1つの入力領域から遠い方より前記少なくとも1つの入力領域に近い方に大きいようにテーパを付けられる、請求項21または26に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項29】
前記バックライト集成体は、少なくとも1つの導波路が少なくとも1つの光源によって供給されるように配置された複数の光源を含む、請求項4,21または26に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項30】
導波路は、各導波路に対して、前記少なくとも1つの入力領域の終端部分が前記複数の光源のうちの少なくとも1つの光源を特徴づける少なくとも1つの光路と実質的に同一線上であるように前記少なくとも1つの入力領域の前記層に配置される、請求項29に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項31】
前記バックライト集成体は、前記層の前記少なくとも1つの出力領域の前記導波路内に形成されかつ前記光を前記導波路から外へ方向転換するために構成された複数の方向転換素子をさらに含む、請求項26に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項32】
前記方向転換素子は、前記パッシブディスプレイパネルの少なくとも2つの行のサブピクセル位置が各層の導波路によって照明されるように配置される、請求項31に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項33】
前記複数の導波路のうち少なくとも少数はコアとクラッドを含み、前記コアは前記クラッドより高い屈折率を有し、前記クラッドは光が前記方向転換に続いて前記クラッドによって集束されるように造形される、請求項4または31に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項34】
前記複数の方向転換素子と前記パッシブディスプレイパネルの間に配置されたマイクロレンズアレイをさらに含み、前記マイクロレンズアレイは異なるカラーチャネルの間のスペクトルクロストークを低減するように設計されかつ整列される、請求項4または31に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項35】
前記マイクロレンズアレイは、各サブピクセル位置が1つの方向転換素子によって方向転換される照明光を与えられることを確実とするように設計されかつ整列される、請求項34に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項36】
前記マイクロレンズアレイは、少なくとも2つの列状に配置されたサブピクセル位置が1つの方向転換素子によって方向転換される照明光を与えられることを確実にするように設計されかつ整列される、請求項34に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項37】
前記マイクロレンズアレイのうちの少なくとも1つのマイクロレンズは、光ビームがそれを通過するとき、前記光ビームのビーム方向転換が前記パッシブディスプレイの列に対して垂直より前記列に沿っての方が少ないように設計されかつ構成される、請求項34に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項38】
前記複数の方向転換素子の少なくとも1つはミラーである、請求項4または31に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項39】
前記ミラーは全内部反射ミラーである、請求項38に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項40】
前記ミラーはエッチングされたミラーである、請求項38に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項41】
前記ミラーは高反射被覆によって被覆される、請求項38に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項42】
前記ミラーは平面ファセットを含む、請求項38に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項43】
前記ミラーは非平面ファセットを含む、請求項38に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項44】
前記複数の方向転換素子の少なくとも1つはくさび構造である、請求項4または31に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項45】
前記くさび構造は回折くさび構造である、請求項44に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項46】
前記複数の方向転換素子の少なくとも1つはブラッグ反射器である、請求項4または31に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項47】
前記複数の方向転換素子の少なくとも1つはホログラフィック光学素子である、請求項4または31に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項48】
前記複数の方向転換素子のうち少なくとも少数は、少なくとも1つの層の少なくとも1つの導波路が少なくとも2つの離間された位置から光を放出するように設計されかつ構成される、請求項4または31に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項49】
前記少なくとも2つの離間された位置の間の分離距離は、前記パッシブディスプレイパネルを特徴づける行間分離距離に実質的に等しい、請求項48に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項50】
前記複数の方向転換素子のうちの少なくとも1つは、前記少なくとも1つの導波路に伝搬する光の第1部分が前記少なくとも1つの層の外へ方向転換され、かつ前記光の第2部分が前記部分的に反射する素子を通って前記少なくとも1つの導波路に伝搬するように前記少なくとも1つの層の前記少なくとも1つの導波路に位置された部分的に反射する素子である、請求項48に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項51】
前記少なくとも1つの基板は少なくとも1つの反射層を含む、請求項50に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項52】
前記少なくとも1つの反射層は前記導波路に沿った反射率勾配によって特徴づけられる、請求項51に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項53】
各導波路は、前記導波路の照明領域がそれによって照明されるサブピクセル位置の領域にほぼ等しいように設計されかつ構成される、請求項1,2,14または15に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項54】
各導波路は、前記導波路の照明領域がそれによって照明されるサブピクセル位置の領域より実質的に小さいように設計されかつ構成される、請求項1,2,14または15に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項55】
前記複数の導波路は、各ピクセル領域の各サブピクセル位置が複数の導波路によって照明されるように配置される、請求項54に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項56】
各層は、単一のカラーチャネルに対応するサブピクセル位置への前記層の導波路内に伝搬する光の放出を可能にするように設計されかつ構成される、請求項26に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項57】
各層は、少なくとも2つのカラーチャネルに対応するサブピクセル位置への前記層の導波路内に伝搬する光の放出を可能にするように設計されかつ構成される、請求項26に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項58】
前記部分的に重なる光学的配置の少なくとも少数の層は、前記層の第1入力領域から前記層の第1出力領域へ延びる導波路、但し、前記第1出力領域は第1カラーチャネルに対応するサブピクセル位置への光の放出を可能にするように光学的に露出される;及び前記層の第2入力領域から前記層の第2出力領域へ延びる導波路、但し前記第2出力領域は第2カラーチャネルに対応するサブピクセル位置への光の放出を可能にするように光学的に露出される、を含む、請求項26に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項59】
前記部分的に重なる光学的配置の少なくとも1つの層は、前記少なくとも1つの層の入力領域から前記少なくとも1つの層の出力領域へ延びる導波路を含み、前記出力領域は第3カラーチャネルに対応するサブピクセル位置への光の放出を可能にするように光学的に露出される、請求項58に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項60】
前記部分的に重なる光学的配置は、前記パッシブディスプレイパネルを特徴づける列間分離距離に適合しうる露出長さによって特徴づけられる、請求項26,58または59に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項61】
前記露出長さは、前記パッシブディスプレイパネルの少なくとも2つの列と前記少なくとも1つの出力領域の間の光通信を確立するように選択される、請求項60に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項62】
前記少なくとも1つの出力領域に沿った導波路間の分離距離は、前記パッシブディスプレイパネルを特徴づける行間分離距離に適合しうる、請求項26,58または59に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項63】
前記複数の導波路の入力側は、短い方の導波路に対してより長い方の導波路に対して幅広い、請求項1,2,14または15に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項64】
前記周囲光によって前記パッシブディスプレイパネルを照明するように周囲光を反射するように位置された反射層をさらに含む、請求項1,2,14または15に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項65】
前記反射層は前記複数の導波路と前記パッシブディスプレイパネルの間に位置される、請求項64に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項66】
前記複数の導波路は前記反射層と前記パッシブディスプレイパネルの間に位置される、請求項64に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項67】
前記少なくとも1つの入力領域と前記少なくとも1つの出力領域は前記層の反対側に設けられる、請求項21または26に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項68】
前記少なくとも1つの入力領域と前記少なくとも1つの出力領域は平行である、請求項67に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項69】
前記少なくとも1つの入力領域と前記少なくとも1つの出力領域は前記層の隣接した側に設けられる、請求項67に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項70】
前記少なくとも1つの入力領域と前記少なくとも1つの出力領域は実質的に直交する、請求項69に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項71】
前記少なくとも1つの入力領域と前記少なくとも1つの出力領域は前記層の同じ側に設けられる、請求項21に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項72】
前記少なくとも1つの入力領域と前記少なくとも1つの出力領域は実質的に同一線上である、請求項71に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項73】
前記バックライト集成体は、前記照明光が第1方向に伝搬しながら前記バックライト集成体に入り、前記第1方向に伝搬しながら前記バックライト集成体を出るように設計されかつ構成される、請求項1,2,14または15に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項74】
前記バックライト集成体は、前記照明光が第1方向に伝搬しながら前記バックライト集成体に入り、前記第1方向と異なる第2方向に伝搬しながら前記バックライト集成体を出るように設計されかつ構成される、請求項1,2,14または15に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項75】
前記バックライト集成体は第1ファセットと、前記第1ファセットよりサイズが大きい第2ファセットとを含み、前記複数の導波路は前記第1ファセットから前記第2ファセットへ延びる、請求項1,2,14または15に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項76】
前記第2ファセットは前記第1ファセットと実質的に平行である、請求項75に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項77】
前記第2ファセットは前記第1ファセットに実質的に直交する、請求項75に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項78】
前記第2ファセットおよび前記第1ファセットは実質的に同一平面上にある、請求項75に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項79】
バックライト集成体は、異なる源から生じた光を異なる方向に放出するように設計されかつ構成される、請求項1,2,14または15に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項80】
バックライト集成体は、1つの源から生じた光を少なくとも2つの異なる方向に放出するように設計されかつ構成される、請求項1,2,14または15に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項81】
前記複数の導波路の少なくとも少数は単一モード導波路である、請求項1,2,14または15に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項82】
前記複数の導波路の少なくとも少数はマルチモード導波路である、請求項1,2,14または15に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項83】
前記複数の導波路の少なくとも少数はフォトニックバンドギャップ材料を含む、請求項1,2,14または15に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項84】
前記パッシブディスプレイパネルは液晶パネルを含む、請求項1,2,14または15に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項85】
前記複数の光源の少なくとも1つの光源は発光ダイオードである、請求項16,17または29に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。
【請求項86】
前記複数の光源の少なくとも1つの光源はレーザ光源である、請求項16,17または29に記載のバックライト集成体またはパッシブディスプレイ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a−f】
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【図4g−i】
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【図5】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12a−c】
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【図12d−f】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22a−c】
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【図22d−f】
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【図23】
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【図24a−b】
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【図24c−d】
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【図24e】
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【図25】
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【図26】
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【図27a−b】
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【図27c−d】
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【図27e−f】
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【図27g−h】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42a−b】
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【図42c】
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【図43】
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【図44a−b】
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【図44c】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48a−c】
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【図48d−e】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57a】
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【図57b】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【公表番号】特表2009−511996(P2009−511996A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−536204(P2008−536204)
【出願日】平成18年10月18日(2006.10.18)
【国際出願番号】PCT/IL2006/001203
【国際公開番号】WO2007/046100
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(507196860)オーエムエス ディスプレイズ リミテッド (2)
【Fターム(参考)】