光学式位置検出装置および位置検出機能付き機器
【課題】導光板を用いた方式であっても、検出対象空間に強度が適正に単調変化する光強度分布を形成することができる光学式位置検出装置、および位置検出機能付き機器を提供すること。
【解決手段】光学式位置検出装置10において、光源用回転体13は、検出用光源12から出射された検出光L2を検出対象空間10Rに出射する。光源用回転体13において、第1導光部13A、13Cは一方側端部から他方側端部に向かって強度が単調増加する光を出射するのに対して、第2導光部13B、13Dは、第1導光部13A、13Cとは反対に、一方側端部から他方側端部に向かって強度が単調減少する光を出射する。従って、光源用回転体13が回転して、所定の角度位置に第1導光部13A、13Cが到来したときの光検出器30での受光結果を用いれば、対象物体Obの位置を検出することができる。
【解決手段】光学式位置検出装置10において、光源用回転体13は、検出用光源12から出射された検出光L2を検出対象空間10Rに出射する。光源用回転体13において、第1導光部13A、13Cは一方側端部から他方側端部に向かって強度が単調増加する光を出射するのに対して、第2導光部13B、13Dは、第1導光部13A、13Cとは反対に、一方側端部から他方側端部に向かって強度が単調減少する光を出射する。従って、光源用回転体13が回転して、所定の角度位置に第1導光部13A、13Cが到来したときの光検出器30での受光結果を用いれば、対象物体Obの位置を検出することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物体の位置を光学的に検出する光学式位置検出装置、該光学式位置検出装置を備えた位置検出機能付き機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
対象物体を光学的に検出する光学式位置検出装置としては、例えば、複数の検出用光源の各々から導光板を介して対象物体に向けて検出光を出射し、対象物体で反射した検出光を光検出器で検出されるものが提案されている。このような構成の光学式位置検出装置では、光検出器での検出光の検出結果に基づいて対象物体の位置を検出する(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−127671号公報
【特許文献2】特開2009−295318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この種の光学式位置検出装置においては、複数の検出用光源から出射された検出光を共通の導光板を介して出射することにより、一方側から他方側に向けて強度が単調増加する第1強度分布と、他方側から一方側に向けて強度が単調減少する第2強度分布とを形成し、第1強度分布を形成した際の光検出器での検出結果および第2強度分布を形成した際の光検出器での検出結果に基づいて対象物体の位置を検出する。
【0005】
しかしながら、特許文献1、2に記載の発明のように共通の導光板によって強度分布が逆方向に単調変化する強度分布を形成する構成では、導光板の設計上の問題や光源の指向性等の影響で、適正な強度分布を形成できないという問題点がある。
【0006】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、導光板を用いた方式であっても、検出対象空間に強度が適正に単調変化する光強度分布を形成することができる光学式位置検出装置、およびかかる光学式位置検出装置を備えた位置検出機能付き機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、対象物体の位置を光学的に検出する光学式位置検出装置であって、検出光を出射する検出用光源と、該検出用光源から出射された検出光を光入射部で内部に取り込んで光出射部の一方側端部から他方側端部に向かって強度が単調増加する光として出射する第1導光部、および前記検出用光源から出射された検出光を光入射部で内部に取り込んで光出射部の一方側端部から他方側端部に向かって強度が単調減少する光として出射する第2導光部を異なる角度位置にもって回転する光源用回転体と、該光源用回転体からの前記検出光の出射側空間に位置する対象物体で反射した前記検出光を受光する光検出器と、該光検出器での受光結果に基づいて前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、を有していることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る光学式位置検出装置は、異なる角度位置に第1導光部および第2導光部を備えた光源用回転体を有しており、第1導光部は一方側端部から他方側端部に向かって強度が単調増加する光を出射するのに対して、第2導光部は、第1導光部とは反対に、一方側端部から他方側端部に向かって強度が単調減少する光を出射する。従って、光源用回転体が回転して、所定の角度位置に第1導光部が到来したときの光検出器での受光結果、および所定の角度位置に第2導光部が到来したときの光検出器での受光結果を用いれば、対象物体の位置を検出することができる。ここで、第1導光部は一方側端部から他方側端部に向かって強度が単調増加する光を出射する機能を担い、第2導光部は、第1導光部とは反対に、一方側端部から他方側端部に向かって強度が単調減少する光を出射する機能を担う。従って、第1導光部および第2導光部は各々、単一の出射特性を有すればよいので、導光板を用いた方式において、強度が適正に単調変化する強度分布を形成することができる。それ故、本発明によれば、対象物体の位置を高い精度で検出することができる。
【0009】
本発明において、前記検出用光源は、前記光源用回転体と一体に回転する第1検出用光源および第2検出用光源として設けられ、前記第1検出用光源は、前記第1導光部の光入射部に向けて前記検出光を出射し、前記第2検出用光源は、前記第2導光部の光入射部に向けて前記検出光を出射する構成を採用することができる。
【0010】
この場合、前記第1検出用光源から出射された前記検出光は直接、前記第1導光部の光入射部に入射し、前記第2検出用光源から出射された前記検出光は直接、前記第2導光部の光入射部に入射する構成を採用することができる。
【0011】
本発明においては、前記第1検出用光源から出射された前記検出光を前記第1導光部の光入射部に導く第1補助導光部と、前記第2検出用光源から出射された前記検出光を前記第2導光部の光入射部に導く第2補助導光部と、を備えている構成を採用することができる。
【0012】
本発明では、前記検出用光源は固定であり、該検出用光源から出射された光は、前記光源用回転体の回転により、前記第1導光部の光入射部に入射する第1状態と、第2導光部の光入射部に入射する第2状態とに切り替わる構成を採用してもよい。
【0013】
この場合、前記検出用光源から出射された前記検出光は、前記第1状態では前記第1導光部の光入射部に直接、入射し、前記第2状態では前記第2導光部の光入射部に直接、入射する構成を採用することができる。
【0014】
また、前記検出用光源から出射された前記検出光を、前記第1状態では前記第1導光部の光入射部に導くとともに、前記第2状態では前記第2導光部の光入射部に導く補助導光部を備えている構成を採用してもよい。
【0015】
また、前記検出用光源から出射された前記検出光を分配して前記第1導光部の光入射部および前記第2導光部の光入射部に導く補助導光部を備えている構成を採用してもよい。
【0016】
本発明において、前記出射側空間を介さずに前記光検出器に参照光を入射させる参照用光源を有し、前記位置検出部は、前記光検出器での受光強度が等しくなるように前記検出用光源および前記参照用光源を駆動した結果に基づいて前記対象物体の位置を検出する構成を採用してもよい。
【0017】
本発明に係る光学式位置検出装置は、位置検出機能付き機器に用いることができる。かかる位置検出機能付き機器としては、直視型あるいは投射型の位置検出機能付き表示装置、情報が視認されるスクリーンを備えた位置検出機能付きスクリーン装置、位置検出機能付きショーウインドウ、位置検出機能付きアミューズメント機器等を挙げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の全体構成を模式的に示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の導光部等のレイアウトを示す説明図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置において光源用回転体を回転させながら、検出用光源を順次点灯させて光強度分布を形成する様子を示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の原理を模式的に示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態1の変形例に係る光学式位置検出装置の要部を模式的に示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置の要部を模式的に示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態2の変形例に係る光学式位置検出装置の要部を模式的に示す説明図である。
【図8】本発明の実施の形態3に係る光学式位置検出装置の要部を模式的に示す説明図である。
【図9】本発明の実施の形態4に係る光学式位置検出装置の要部を示す説明図である。
【図10】本発明を適用した位置検出機能付きスクリーン装置(位置検出機能付き機器)の説明図である。
【図11】本発明を適用した位置検出機能付き投射型表示装置(位置検出機能付き機器)の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明においては、互いに交差する軸をX軸およびY軸とし、X軸およびY軸に交差する軸をZ軸とする。また、以下に参照する図面では、説明の便宜上、X軸方向(第1方向)を横方向とし、Y軸方向(第2方向)を縦方向とし、Z軸方向(第3方向)を検出光の出射側空間において検出光が進行する方向として表してある。また、以下に参照する図面では、X軸方向の一方側をX1側とし、他方側をX2側とし、Y軸方向の一方側をY1側とし、他方側をY2側として示してある。また、以下の説明で参照する図においては、各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
【0020】
[実施の形態1/光源回転]
(光学式位置検出装置の全体構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の全体構成を模式的に示す説明図である。図2は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の導光部等のレイアウトを示す説明図であり、図2(a)、(b)は、導光板のレイアウトを示す平面図、および側面図である。
【0021】
図1および図2(a)、(b)に示すように、本形態の光学式位置検出装置10は、検出光L2を出射する複数の検出用光源12と、検出用光源12から出射された検出光L2を内部に取り込んで出射する光源用回転体13と、光源用回転体13からの検出光L2の出射側空間(検出対象空間10R)内において対象物体Obで反射した検出光L3の一部を検出する光検出器30とを備えている。
【0022】
光源用回転体13は、モーター等を利用したアクチュエーター60に連結されており、Z軸方向に延在する中心軸線Lを介して軸線周りに間欠的に回転可能である。また、光源用回転体13は、周方向に複数の導光部(第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13D)を備えており、第1導光部13A、13Cと第2導光部13B、13Dとは周方向において交互に設けられている。第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13Dは各々、透光性の板状部材であり、径方向の一方側端部(中心軸線Lに近い側の端部)に、検出用光源12から出射された検出光L2を内部に取り込む光入射部131を備えている。また、第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13Dの光入射部131には、検出用光源12として、第1検出用光源12A、12Cおよび第2検出用光源12B、12Dが配置されており、本形態において、第1検出用光源12A、12Cおよび第2検出用光源12B、12Dは、第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13Dと一体に回転可能である。かかる検出用光源12はいずれも、LED(発光ダイオード)等により構成され、赤外光からなる検出光L2を発散光として放出する。すなわち、検出光L2は、指等の対象物体Obにより効率的に反射される波長域を有することが好ましいことから、人体の表面での反射率の高い赤外域にピークを備えている。例えば、検出光L2は、可視光領域に近い近赤外線、例えば波長850nm付近にピークを有する光である。
【0023】
光源用回転体13において、第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13Dは各々、光入射部131に連接して検出対象空間10Rに向く光出射部130を備えており、光入射部131から取り込んだ検出光L2を光出射部130から検出対象空間10Rに出射可能である。
【0024】
かかる第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13Dのうち、第1導光部13A、13Cは、検出光L2を径方向の一方側端部から径方向の他方側端部(中心軸線Lから遠い側の端部132)に向かって強度が単調増加する検出光L2aとして出射する。本形態において、第1導光部13A、13Cは、検出光L2を径方向の一方側端部から径方向の他方側端部に向かって強度が直線的に単調増加する検出光L2aとして出射する。かかる検出光L2aの第1光強度分布L2Xaは、図1に一点鎖線として示してある。
【0025】
これに対して、第2導光部13B、13Dは、検出光L2を径方向の一方側端部から径方向の他方側端部に向かって強度が単調減少する光L2bとして出射する。本形態において、第2導光部13B、13Dは、検出光L2を径方向の一方側端部から径方向の他方側端部に向かって強度が直線的に単調減少する光L2bとして出射する。かかる検出光L2bの第2光強度分布L2Xbは、図1に一点鎖線として示してある。
【0026】
第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13Dに対して上記の特性を付与するにあたって、第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13Dの光出射部130あるいは背面側には、表面凹凸構造、プリズム構造、散乱層(図示せず)等が設けられており、第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13Dに入射して内部を伝播する光は、その伝播方向に進むに従って徐々に偏向されて光出射部130より出射される。また、第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13Dの光出射部130には、必要に応じて、検出光L2a、L2bの均―化を図るために、プリズムシートや光散乱板等の光学シートが配置される場合もある。
【0027】
光検出器30は、フォトダイオードやフォトトランジスター等の受光素子からなり、検出対象空間10Rに受光部を向けた状態で固定されている。
【0028】
さらに、本形態の光学式位置検出装置10は、検出対象空間10Rを経由せずに光検出器30に参照光Lrを入射させる参照用光源12Rを備えており、かかる参照用光源12Rは、検出用光源12と同様、可視光領域に近い近赤外線、例えば波長850nm付近にピークを有する光を発散光として出射するLEDである。かかる参照用光源12Rは、光検出器30と同様、固定された状態にある。かかる参照用光源12Rから出射される参照光Lrは、第1検出用光源12A、12Cおよび第2検出用光源12B、12Dや、光検出器30の初期条件を設定する際の基準とすることができる。また、後述する方法で対象物体Obの位置を検出する際、光検出器30での参照光Lrの検出強度と、対象物体Obで反射した検出光L3の光検出器30での検出強度とを比較した結果等を利用することができる。
【0029】
かかる構成の光学式位置検出装置10には、検出用光源12(第1検出用光源12A、12Cおよび第2検出用光源12B、12D)や参照用光源12Rを駆動する光源駆動部14と、光検出器30から検出結果が出力される制御部50とを有しており、光源駆動部14と制御部50とは、例えば、共通の半導体集積回路に構成されている。制御部50は、光検出器30での検出結果に信号処理を行う信号処理部55と、アクチュエーター60を駆動して光源用回転体13の回転制御を行う回転制御部57と、光検出器30での検出結果および光源用回転体13の回転位置に基づいて対象物体Obの位置を検出する位置検出部56とを備えている。
【0030】
(光強度分布の説明)
図3は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10において光源用回転体13を回転させながら、検出用光源12を順次点灯させて光強度分布を形成する様子を示す説明図であり、図3(a)、(b)は、第1期間における光源用回転体13の角度位置を示す説明図、および第2期間における光源用回転体13の角度位置を示す説明図である。
【0031】
図1および図2を参照して説明した光学式位置検出装置10では、光源用回転体13が中心軸線L周りに間欠的に回転するとともに、かかる回転に同期して、検出用光源12が順次点灯する。より具体的には、図3(a)に示すように、光源用回転体13が中心軸線L周りに回転して、第1導光部13Aが検出対象空間10Rに重なる位置に到来すると、光源用回転体13の回転が所定の期間、停止する。このような第1期間中、第1検出用光源12Aが点灯する。その結果、第1期間中、第1導光部13Aから検出対象空間10Rに検出光L2aが出射されるので、検出対象空間10Rには、径方向の一方側端部から径方向の他方側端部に向かって強度が直線的に単調増加する第1光強度分布L2Xaが形成される。その間、複数の検出用光源12のうち、第1検出用光源12A以外の検出用光源12は消灯状態にある。なお、光源用回転体13が中心軸線L周りに回転して、第1導光部13Cが検出対象空間10Rに重なる位置に到来するととともに、第1検出用光源12Cが点灯し、他の検出用光源12が消灯状態にあるときも、検出対象空間10Rに第1光強度分布L2Xaが形成される第1期間である。
【0032】
次に、図3(b)に示すように、光源用回転体13が中心軸線L周りに回転して、第2導光部13Bが検出対象空間10Rに重なる位置に到来すると、光源用回転体13の回転が所定の期間、停止する。このような第2期間中、第2検出用光源12Bが点灯する。その結果、第2期間中、第2導光部13Bから検出対象空間10Rに検出光L2bが出射されるので、検出対象空間10Rには、径方向の一方側端部から径方向の他方側端部に向かって強度が直線的に単調減少する第2光強度分布L2Xbが形成される。その間、複数の検出用光源12のうち、第2検出用光源12B以外の検出用光源12は消灯状態にある。なお、光源用回転体13が中心軸線L周りに回転して、第2導光部13Dが検出対象空間10Rに重なる位置に到来するととともに、第2検出用光源12Dが点灯し、他の検出用光源12が消灯状態にあるときも、検出対象空間10Rに第2光強度分布L2Xbが形成される第2期間である。従って、以下に説明するように、第1期間および第2期間において、光検出器30での検出結果を利用すれば、位置検出部56は、検出対象空間10R内の対象物体Obの位置を検出することができる。
【0033】
(位置検出の基本原理)
本形態の光学式位置検出装置10においては、検出対象空間10Rに検出光L2の光強度分布(第1光強度分布L2Xa、第2光強度分布L2Xb)を形成するとともに、対象物体Obで反射した検出光L3を光検出器30で検出し、かかる光検出器30での検出結果に基づいて、位置検出部56は、検出対象空間10R内の対象物体Obの位置を検出する。そこで、図4を参照して位置検出の原理を説明する。なお、光検出器30での検出結果に基づいて対象物体Obの検出対象空間10R内の位置情報を取得するにあたって、例えば、位置検出部56としてマイクロプロセッサーユニット(MPU)を用い、これにより所定のソフトウェア(動作プログラム)を実行することに従って処理を行う構成を採用することができる。また、論理回路等のハードウェアを用いた構成を採用することもできる。
【0034】
図4は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10の原理を模式的に示す説明図であり、図4(a)、(b)は、対象物体Obで反射した検出光の強度を示す説明図、および対象物体Obで反射した検出光L3の強度が等しくなるように検出光L2の光強度分布を調整する様子を示す説明図である。
【0035】
本形態の光学式位置検出装置10においては、図3(a)、(b)を参照して説明した第1光強度分布L2XaおよびX第2光強度分布L2Xbを利用して対象物体Obの位置(X軸座標)を検出する。より具体的には、図3(a)に示す第1期間において第1光強度分布L2Xaを形成した状態における光検出器30での検出強度と、図3(b)に示す第2期間において第2光強度分布L2Xbを形成した状態における光検出器30での検出強度との比較を行い、図4を参照して以下に説明する方法等により、対象物体Obの位置を検出する。
【0036】
まず、図3(a)および図4(a)に示すように、第1期間および第2期間において第1光強度分布L2Xaおよび第2光強度分布L2Xbを絶対値が等しく、かつ、X軸方向で逆向きになるように形成する。この状態で、第1期間における光検出器30での検出値LXaと、第2期間における光検出器30での検出値LXbとが等しければ、対象物体ObがX軸方向の中央に位置することが分る。
【0037】
これに対して、第1期間における光検出器30での検出値LXaと、第2期間における光検出器30での検出値LXbとが相違している場合、検出値LXa、LXbが等しくなるように、検出用光源12に対する制御量(駆動電流)を調整して、図4(b)に示すように、再度、第1期間において第1光強度分布L2Xaを形成し、第2期間において第2光強度分布L2Xbを形成する。そして、第1期間における光検出器30での検出値LXaと、第2期間における光検出器30での検出値LXbとを等しくする。かかる差動を行った際の第1検出用光源12A、12Cに対する制御量(電流値)と、第2検出用光源12B、12Dに対する制御量(電流値)との比あるいは差等により、対象物体ObのX座標を検出することができる。また、第1期間での第1検出用光源12A、12Cに対する制御量の調整量ΔLXaと、第2期間での第2検出用光源12B、12Dに対する制御量の調整量ΔLXbとの比あるいは差等により、対象物体ObのX座標を検出してもよい。かかる方法によれば、検出光L2以外の環境光、例えば、外光に含まれる赤外成分が光検出器30に入射した場合でも、検出値LXa、LXbが等しくなるように検出用光源12に対する制御量の調整を行なう際、環境光に含まれる赤外成分の強度が相殺されるので、環境光に含まれる赤外成分が検出精度に影響を及ぼすことがない。なお、説明の便宜上、第1期間における光検出器30での検出値LXaと、第2期間における光検出器30での検出値LXbとを直接比較するとしたが、光検出器30での参照光Lrの検出強度と、対象物体Obで反射した検出光L3の光検出器30での検出強度とを比較した結果を利用すれば、環境光の影響等を排除することができる。
【0038】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の光学式位置検出装置10では、異なる角度位置に第1導光部13A、13Cおよび第2導光部13B、13Dを備えた光源用回転体13を有しており、第1導光部13A、13Cは一方側端部から他方側端部に向かって強度が単調増加する光を出射するのに対して、第2導光部13B、13Dは、第1導光部13A、13Cとは反対に、一方側端部から他方側端部に向かって強度が単調減少する光を出射する。従って、光源用回転体13の回転により、所定の角度位置に第1導光部13A、13Cが到来したときの光検出器30での受光結果、および所定の角度位置に第2導光部13B、13Dが到来したときの光検出器30での受光結果を用いれば、対象物体Obの位置を検出することができる。ここで、第1導光部13A、13Cは一方側端部から他方側端部に向かって強度が単調増加する光を出射する機能を担い、第2導光部13B、13Dは、第1導光部13A、13Cとは反対に、一方側端部から他方側端部に向かって強度が単調減少する光を出射する機能を担う。従って、第1導光部13A、13Cおよび第2導光部13B、13Dは各々、単一の出射特性を有すればよいので、導光板を用いた方式において、強度が適正に単調変化する強度分布を形成することができる。それ故、本形態によれば、対象物体Obの位置を高い精度で検出することができる。
【0039】
[実施の形態1の変形例/光源回転+補助導光部]
図5は、本発明の実施の形態1の変形例に係る光学式位置検出装置10の要部を模式的に示す説明図であり、図5(a)、(b)は、第1期間における光源用回転体13の角度位置を示す説明図、および第2期間における光源用回転体13の角度位置を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
【0040】
図5に示すように、本形態の光学式位置検出装置10も、実施の形態1と同様、検出光L2を出射する複数の検出用光源12と、検出用光源12から出射された検出光L2を内部に取り込んで出射する光源用回転体13と、光源用回転体13からの検出光L2の出射側空間(検出対象空間10R)内において対象物体Obで反射した検出光L3の一部を検出する光検出器30とを備えており、光源用回転体13は、軸線L0周りに回転可能である。なお、光検出器30および参照用光源12Rは固定された状態にある。
【0041】
また、本形態でも実施の形態1と同様、光源用回転体13は、周方向に複数の導光部(第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13D)を備えており、第1導光部13A、13Cと第2導光部13B、13Dとは周方向において交互に設けられている。また、第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13Dは各々、透光性の板状部材であり、径方向の一方側端部(中心軸線Lに近い側の端部)に、検出用光源12から出射された検出光L2を内部に取り込む光入射部131を備えている。
【0042】
ここで、第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13Dは各々、検出対象空間10Rが位置する側とは反対側に光入射部131を備えており、かかる光入射部131に対しては、第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13Dと一体に回転する補助導光部133A、133B、133C、133Dが設けられている。
【0043】
また、補助導光部133A、133B、133C、133Dの端部には検出用光源12が設けられている。従って、第1検出用光源12A、12Cから出射された検出光L2は、補助導光部133A、133Cを介して第1導光部13A、13Cに入射し、第1導光部13A、13Cの光出射部130から出射される。また、第2検出用光源12B、12Dから出射された検出光L2は、補助導光部133B、133Dを介して第2導光部13B、13Dに入射し、第2導光部13B、13Dの光出射部130から出射される。
【0044】
ここで、第1検出用光源12A、12Cおよび第2検出用光源12B、12Dは、補助導光部133A、133B、133C、133Dと同様、第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13Dと一体に回転可能である。
【0045】
従って、図5(a)に示すように、光源用回転体13が中心軸線L周りに回転して、第1導光部13Aが検出対象空間10Rに重なる位置に到来した第1期間中、第1検出用光源12Aが点灯し、第1導光部13Aから検出対象空間10Rに検出光L2aが出射されるので、検出対象空間10Rには、径方向の一方側端部から径方向の他方側端部に向かって強度が直線的に単調増加する第1光強度分布L2Xaが形成される。なお、第1導光部13Cが検出対象空間10Rに重なる位置に到来した第1期間中も同様である。
【0046】
また、図5(b)に示すように、光源用回転体13が中心軸線L周りに回転して、第2導光部13Bが検出対象空間10Rに重なる位置に到来した第2期間中、第2検出用光源12Bが点灯し、第2導光部13Bから検出対象空間10Rに検出光L2bが出射されるので、検出対象空間10Rには、径方向の一方側端部から径方向の他方側端部に向かって強度が直線的に単調減少する第2光強度分布L2Xbが形成される。なお、第2導光部13Dが検出対象空間10Rに重なる位置に到来した第2期間中も同様である。
【0047】
このため、本形態によれば、実施の形態1と同様、光検出器30での受光結果を用いれば、対象物体Obの位置を検出することができる。また、第1導光部13A、13Cは一方側端部から他方側端部に向かって強度が単調増加する光を出射する機能を担い、第2導光部13B、13Dは、第1導光部13A、13Cとは反対に、一方側端部から他方側端部に向かって強度が単調減少する光を出射する機能を担う。従って、第1導光部13A、13Cおよび第2導光部13B、13Dは各々、単一の出射特性を有すればよいので、導光板を用いた方式において、強度が適正に単調変化する強度分布を形成することができる等、実施の形態1と同様な効果を奏する。
【0048】
また、本形態では、補助導光部133A、133B、133C、133Dを用いたため、中心軸線L付近に検出用光源12を配置しなくてもよい等、各構成部品のレイアウトが容易である。
【0049】
[実施の形態2/光源固定]
図6は、本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置10の要部を模式的に示す説明図であり、図6(a)、(b)は、第1期間における光源用回転体13の角度位置を示す説明図、および第2期間における光源用回転体13の角度位置を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
【0050】
図6に示すように、本形態の光学式位置検出装置10も、実施の形態1と同様、検出光L2を出射する検出用光源12と、検出用光源12から出射された検出光L2を内部に取り込んで出射する光源用回転体13と、光源用回転体13からの検出光L2の出射側空間(検出対象空間10R)内において対象物体Obで反射した検出光L3の一部を検出する光検出器30とを備えており、光源用回転体13は、軸線L0周りに回転可能である。なお、光検出器30および参照用光源12Rは固定された状態にある。
【0051】
また、本形態でも実施の形態1と同様、光源用回転体13は、周方向に複数の導光部(第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13D)を備えており、第1導光部13A、13Cと第2導光部13B、13Dとは周方向において交互に設けられている。また、第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13Dは各々、透光性の板状部材であり、径方向の一方側端部(中心軸線Lに近い側の端部)に、検出用光源12から出射された検出光L2を内部に取り込む光入射部131を備えている。
【0052】
本形態では、検出対象空間10Rが設定されている一箇所に検出用光源12が固定された状態で配置されている。このため、本形態では、検出用光源12から出射された検出光L2を、第1導光部13A、13Cの光入射部131に導く第1状態と、第2導光部13B、13Dの光入射部131に導く第2状態とに切り替えることになる。より具体的には、図6(a)に示すように、光源用回転体13が中心軸線L周りに回転して、第1導光部13Aが検出対象空間10Rに重なる位置に到来した第1期間中、検出用光源12と第1導光部13Aの光入射部131とが対向する。従って、第1導光部13Aから検出対象空間10Rに検出光L2aが出射されるので、検出対象空間10Rには、径方向の一方側端部から径方向の他方側端部に向かって強度が直線的に単調増加する第1光強度分布L2Xaが形成される。なお、第1導光部13Cが検出対象空間10Rに重なる位置に到来した第1期間中も同様である。
【0053】
また、図6(b)に示すように、光源用回転体13が中心軸線L周りに回転して、第2導光部13Bが検出対象空間10Rに重なる位置に到来した第2期間中、検出用光源12と第2導光部13Bの光入射部131とが対向する。従って、第2導光部13Bから検出対象空間10Rに検出光L2bが出射されるので、検出対象空間10Rには、径方向の一方側端部から径方向の他方側端部に向かって強度が直線的に単調減少する第2光強度分布L2Xbが形成される。なお、第2導光部13Dが検出対象空間10Rに重なる位置に到来した第2期間中も同様である。
【0054】
このように構成した光学式位置検出装置10でも、実施の形態1と同様、光検出器30での受光結果を用いれば、対象物体Obの位置を検出することができる。また、第1導光部13A、13Cは一方側端部から他方側端部に向かって強度が単調増加する光を出射する機能を担い、第2導光部13B、13Dは、第1導光部13A、13Cとは反対に、一方側端部から他方側端部に向かって強度が単調減少する光を出射する機能を担う。従って、第1導光部13A、13Cおよび第2導光部13B、13Dは各々、単一の出射特性を有すればよいので、導光板を用いた方式において、強度が適正に単調変化する強度分布を形成することができる等、実施の形態1と同様な効果を奏する。
【0055】
また、本形態では、検出用光源12が一箇所に固定された状態で配置されているため、検出用光源12に対する給電が容易である等の効果を奏する。
【0056】
[実施の形態2の変形例/光源固定+補助導光部]
図7は、本発明の実施の形態2の変形例に係る光学式位置検出装置10の要部を模式的に示す説明図であり、図7(a)、(b)は、第1期間における光源用回転体13の角度位置を示す説明図、および第2期間における光源用回転体13の角度位置を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
【0057】
図7に示すように、本形態の光学式位置検出装置10も、実施の形態1と同様、検出光L2を出射する検出用光源12と、検出用光源12から出射された検出光L2を内部に取り込んで出射する光源用回転体13と、光源用回転体13からの検出光L2の出射側空間(検出対象空間10R)内において対象物体Obで反射した検出光L3の一部を検出する光検出器30とを備えており、光源用回転体13は、軸線L0周りに回転可能である。なお、光検出器30および参照用光源12Rは固定された状態にある。
【0058】
また、本形態でも実施の形態1と同様、光源用回転体13は、周方向に複数の導光部(第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13D)を備えており、第1導光部13A、13Cと第2導光部13B、13Dとは周方向において交互に設けられている。また、第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13Dは各々、透光性の板状部材であり、径方向の一方側端部(中心軸線Lに近い側の端部)に、検出用光源12から出射された検出光L2を内部に取り込む光入射部131を備えている。
【0059】
ここで、第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13Dは各々、検出対象空間10Rが位置する側とは反対側に光入射部131を備えている。また、本形態では、検出対象空間10Rが設定されている一箇所に補助導光部133が固定された状態で配置され、かかる補助導光部133の端部には検出用光源12が固定された状態で配置されている。
【0060】
このため、本形態では、図7(a)に示すように、光源用回転体13が中心軸線L周りに回転して、第1導光部13Aが検出対象空間10Rに重なる位置に到来した第1期間中、補助導光部133と第1導光部13Aの光入射部131とが対向し、検出用光源12から出射された検出光L2は、補助導光部133を介して第1導光部13Aに入射する。従って、第1導光部13Aから検出対象空間10Rに検出光L2aが出射されるので、検出対象空間10Rには、径方向の一方側端部から径方向の他方側端部に向かって強度が直線的に単調増加する第1光強度分布L2Xaが形成される。なお、第1導光部13Cが検出対象空間10Rに重なる位置に到来した第1期間中も同様である。
【0061】
また、図7(b)に示すように、光源用回転体13が中心軸線L周りに回転して、第2導光部13Bが検出対象空間10Rに重なる位置に到来した第2期間中、補助導光部133と第2導光部13Bの光入射部131とが対向し、検出用光源12から出射された検出光L2は、補助導光部133を介して第2導光部13Bに入射する。従って、第2導光部13Bから検出対象空間10Rに検出光L2bが出射されるので、検出対象空間10Rには、径方向の一方側端部から径方向の他方側端部に向かって強度が直線的に単調減少する第2光強度分布L2Xbが形成される。なお、第2導光部13Dが検出対象空間10Rに重なる位置に到来した第2期間中も同様である。
【0062】
このように構成した光学式位置検出装置10でも、実施の形態1と同様、光検出器30での受光結果を用いれば、対象物体Obの位置を検出することができる。また、第1導光部13A、13Cは一方側端部から他方側端部に向かって強度が単調増加する光を出射する機能を担い、第2導光部13B、13Dは、第1導光部13A、13Cとは反対に、一方側端部から他方側端部に向かって強度が単調減少する光を出射する機能を担う。従って、第1導光部13A、13Cおよび第2導光部13B、13Dは各々、単一の出射特性を有すればよいので、導光板を用いた方式において、強度が適正に単調変化する強度分布を形成することができる等、実施の形態1と同様な効果を奏する。
【0063】
また、本形態では、検出用光源12が一箇所に固定された状態で配置されているため、検出用光源12に対する給電が容易である等の効果を奏する。
【0064】
また、本形態では、補助導光部133を用いたため、中心軸線L付近に検出用光源12を配置しなくてもよい等、各構成部品のレイアウトが容易である。
【0065】
[実施の形態3/補助導光部による分配]
図8は、本発明の実施の形態3に係る光学式位置検出装置10の要部を模式的に示す説明図であり、図8(a)、(b)は、第1期間における光源用回転体13の角度位置を示す説明図、および第2期間における光源用回転体13の角度位置を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
【0066】
図8に示すように、本形態の光学式位置検出装置10も、実施の形態1と同様、検出光L2を出射する検出用光源12と、検出用光源12から出射された検出光L2を内部に取り込んで出射する光源用回転体13と、光源用回転体13からの検出光L2の出射側空間(検出対象空間10R)内において対象物体Obで反射した検出光L3の一部を検出する光検出器30とを備えており、光源用回転体13は、軸線L0周りに回転可能である。
【0067】
また、本形態でも実施の形態1と同様、光源用回転体13は、周方向に複数の導光部(第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13D)を備えており、第1導光部13A、13Cと第2導光部13B、13Dとは周方向において交互に設けられている。また、第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13Dは各々、透光性の板状部材であり、径方向の一方側端部(中心軸線Lに近い側の端部)に、検出用光源12から出射された検出光L2を内部に取り込む光入射部131を備えている。
【0068】
本形態では、第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13Dは各々、検出対象空間10Rが位置する側とは反対側に光入射部131を備えている。また、本形態では、光源用回転体13の中心軸線L上に補助導光部134が固定された状態で配置され、補助導光部134の端部には検出用光源12が固定された状態で配置されている。なお、光検出器30および参照用光源12Rは、補助導光部134の凹部内に固定された状態で配置されている。
【0069】
ここで、補助導光部134は、検出用光源12から出射された検出光L2を分配して、第1導光部13A、13Cおよび第2導光部13B、13Dの光入射部131に導く。このため、第1導光部13A、13Cおよび第2導光部13B、13Dのいずれからも、常時、検出光L2が出射される。但し、第1導光部13A、13Cおよび第2導光部13B、13Dのうち、検出対象空間10Rと重なる位置に到来した導光部からのみ検出対象空間10Rに検出光L2が出射され、他の導光部から出射された検出光L2は遮光部材等で遮られ、検出対象空間10Rに出射されない。
【0070】
このように構成した光学式位置検出装置10では、図8(a)に示すように、光源用回転体13が中心軸線L周りに回転して、第1導光部13Aが検出対象空間10Rに重なる位置に到来した第1期間中、第1導光部13Aから検出対象空間10Rに検出光L2aが出射されるので、検出対象空間10Rには、径方向の一方側端部から径方向の他方側端部に向かって強度が直線的に単調増加する第1光強度分布L2Xaが形成される。なお、第1導光部13Cが検出対象空間10Rに重なる位置に到来した第1期間中も同様である。
【0071】
また、図8(b)に示すように、光源用回転体13が中心軸線L周りに回転して、第2導光部13Bが検出対象空間10Rに重なる位置に到来した第2期間中、第2導光部13Bから検出対象空間10Rに検出光L2bが出射されるので、検出対象空間10Rには、径方向の一方側端部から径方向の他方側端部に向かって強度が直線的に単調減少する第2光強度分布L2Xbが形成される。なお、第2導光部13Dが検出対象空間10Rに重なる位置に到来した第2期間中も同様である。
【0072】
このように構成した光学式位置検出装置10でも、実施の形態1と同様、光検出器30での受光結果を用いれば、対象物体Obの位置を検出することができる。また、第1導光部13A、13Cは一方側端部から他方側端部に向かって強度が単調増加する光を出射する機能を担い、第2導光部13B、13Dは、第1導光部13A、13Cとは反対に、一方側端部から他方側端部に向かって強度が単調減少する光を出射する機能を担う。従って、第1導光部13A、13Cおよび第2導光部13B、13Dは各々、単一の出射特性を有すればよいので、導光板を用いた方式において、強度が適正に単調変化する強度分布を形成することができる等、実施の形態1と同様な効果を奏する。
【0073】
なお、本形態では、補助導光部134および検出用光源12が固定された構成であったが、補助導光部134および検出用光源12が光源用回転体13と一体に回転する構成であってもよい。
【0074】
[実施の形態4]
図9は、本発明の実施の形態4に係る光学式位置検出装置10の要部を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
【0075】
上記実施の形態1〜3では、導光部(第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13D)が直線状に延在する板状であったが、図9に示すように、導光部(第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13D)が検出対象領域に向かって円弧状に突出している形状であってもよい。かかる構成によれば、導光部(第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13D)からいずれの角度方向に対象物体Obが位置するかを検出することができる。
【0076】
[その他の実施の形態]
上記実施の形態では、光源用回転体13に2つの第1導光部13A、13Cと、2つの第2導光部13B、13Dとを設けたが、第1導光部および第2導光部を1つずつ設けてもよい。
【0077】
上記実施の形態では、光源用回転体13の回転方向における一部のみを検出対象空間10Rとして利用したが、光源用回転体13の回転方向における複数個所を検出対象空間10Rとして利用してもよい。また、光源用回転体13の回転方向に形成した複数の検出対象空間10Rを連続した検出対象空間10Rとしてもよい。
【0078】
上記実施の形態では、2つの第1導光部13A、13C、および2つの第2導光部13B、13Dがいずれも径方向で強度が変化する光強度分布を形成したが、第1導光部13Aおよび第2導光部13Bが径方向で強度が変化する光強度分布を形成し、第1導光部13Cおよび第2導光部13Dがいずれも周方向で強度が変化する光強度分布を形成してもよい。かかる構成によれば、2つの第1導光部13A、13C、および2つの第2導光部13B、13Dがいずれも径方向で強度が変化する光強度分布を形成したが、第1導光部13Aおよび第2導光部13Bが径方向で強度が変化する光強度分布を形成し、第1導光部13Cおよび第2導光部13Dがいずれも周方向で強度が変化する光強度分布を形成してもよい。かかる構成によれば、対象物体Obの径方向の位置および周方向の位置を検出することができる。
【0079】
[位置検出機能付き機器の構成例]
図10および図11を参照して、本発明を適用した光学式位置検出装置10を備えた位置検出機能付き表示装置を説明する。
【0080】
(位置検出機能付き機器1の具体例1)
図10は、本発明を適用した位置検出機能付きスクリーン装置(位置検出機能付き機器)の説明図であり、図10(a)、(b)は、位置検出機能付きスクリーン装置を斜め上からみた様子を模式的に示す説明図、および横方向からみた様子を模式的に示す説明図である。なお、本形態の位置検出機能付きスクリーン装置において、光学式位置検出装置10の構成は、図1〜図9を参照して説明した構成と同様であるため、光学式位置検出装置10の説明を省略する。
【0081】
図10(a)、(b)に示す位置検出機能付きスクリーン装置8(位置検出機能付き機器1)は、液晶プロジェクターあるいはデジタル・マイクロミラー・デバイスと称せられる画像投射装置250(画像生成装置)から画像が投射されるスクリーン80(視認面構成部材40)と、図1〜図9を参照して説明した光学式位置検出装置10とを備えており、画像投射装置250は、筐体240の前面部241に設けられた投射レンズ系210からスクリーン装置8に向けて画像表示光Piを拡大投射する。従って、位置検出機能付きスクリーン装置8では、スクリーン80(視認面構成部材)において画像が投射されるスクリーン面8aによって、情報が視認される視認面41が構成されている。
【0082】
かかる位置検出機能付きスクリーン装置8において、光学式位置検出装置10は、例えば、スクリーン80の裏面8bの側に設けられている。このため、光学式位置検出装置10は、スクリーン80においてスクリーン面8aとは反対側からスクリーン面8a側に設定された検出対象空間10Rに検出光L2を出射することになる。また、光学式位置検出装置10に設けた受光部は、対象物体Obで反射してスクリーン80を透過してきた検出光L3を検出することになる。従って、スクリーン80として、検出光L2に対する透光性を備えているものが用いられている。より具体的には、スクリーン80は、スクリーン面8a側に白い塗料が塗ってある布地や、エンボス加工された白いビニール素材からなるホワイトスクリーンからなり、赤外光からなる検出光L2に対して透光性を有している、スクリーン80としては、光の反射率を高めるために高銀色としたシルバースクリーン、スクリーン面8a側を構成する布地表面に樹脂加工を行なって光の反射率を高めたパールスクリーン、スクリーン面8a側に細かいガラス粉末が塗布して光の反射率を高めたビーズスクリーンを用いることができ、このような場合も、スクリーン80は、赤外光からなる検出光L2に対して透光性を備えている。なお、スクリーン80は、表示される画像の品位を高めることを目的に、裏面8bに黒色の遮光層が形成される場合があり、このような場合、遮光層には、穴からなる透光部を複数形成しておく。
【0083】
このように構成した位置検出機能付きスクリーン装置8において、検出対象空間10Rは、スクリーン装置8に対する法線方向からみたとき四角形の領域であり、位置検出機能付きスクリーン装置8において画像投射装置250によって画像が投射される領域(画像表示領域20R)と重なっている。このため、本形態の位置検出機能付きスクリーン装置8では、例えば、スクリーン80に投射された画像の一部に指先等の対象物体Obを接近させれば、かかる対象物体Obの位置を画像の切り換え指示等といった入力情報として利用することができる。
【0084】
なお、本形態では、位置検出機能付きスクリーン装置8として、画像投射装置250から画像が投射される投射型表示装置用のスクリーン装置を説明したが、電子黒板用のスクリーンに光学式位置検出装置10を設けて電子黒板用の位置検出機能付きスクリーン装置を構成してもよい。
【0085】
(位置検出機能付き機器1の具体例2)
図11は、本発明を適用した位置検出機能付き投射型表示装置(位置検出機能付き機器)の説明図であり、図11(a)、(b)は、位置検出機能付き投射型表示装置を斜め上からみた様子を模式的に示す説明図、および横方向からみた様子を模式的に示す説明図である。なお、本形態の位置検出機能付き投射型表示装置において、光学式位置検出装置10の構成は、図1〜図9を参照して説明した構成と同様であるため、光学式位置検出装置10の説明を省略する。
【0086】
図11(a)、(b)に示す位置検出機能付き投射型表示装置200(位置検出機能付き機器1)は、液晶プロジェクターあるいはデジタル・マイクロミラー・デバイスと称せられる画像投射装置250(画像生成装置)と、図1〜図9を参照して説明した光学式位置検出装置10とを備えている。画像投射装置250は、筐体240の前面部241に設けられた投射レンズ系210からスクリーン80に向けて画像表示光Piを拡大投射する。かかる位置検出機能付き投射型表示装置200では、スクリーン80において画像が投射されるスクリーン面8aによって、情報が視認される視認面41が構成されている。
【0087】
かかる位置検出機能付き投射型表示装置200において、光学式位置検出装置10は、スクリーン80のスクリーン面8a(視認面41)側に配置された画像投射装置250に搭載されている。このため、光学式位置検出装置10は、画像投射装置250からスクリーン80(視認面構成部材40)の視認面41に沿って検出光L2を出射する。また、光学式位置検出装置10は、対象物体Obで反射してきた検出光L3を画像投射装置250において検出する。
【0088】
このように構成した位置検出機能付き投射型表示装置200において、検出対象空間10Rは、スクリーン80に対する法線方向からみたとき四角形の領域であり、スクリーン80において画像投射装置250によって画像が投射される領域(画像表示領域20R)と重なっている。このため、本形態の位置検出機能付き投射型表示装置200では、例えば、スクリーン80に投射された画像の一部に指先等の対象物体Obを接近させれば、かかる対象物体Obの位置を画像の切り換え指示等といった入力情報として利用することができる。
【符号の説明】
【0089】
1・・位置検出機能付き機器、10・・光学式位置検出装置、10R・・検出対象空間(検出光の出射側空間)、12・・検出用光源、12A、12C・・第1検出用光源、12B、12D・・第2検出用光源、12R・・参照用光源、13・・光源用回転体、13A、13C・・第1導光部、13B、13D・・第2導光部、30・・光検出器、56・・位置検出部、130・・光出射部、131・・光入射部、133、133A〜133D、134・・補助導光部
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物体の位置を光学的に検出する光学式位置検出装置、該光学式位置検出装置を備えた位置検出機能付き機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
対象物体を光学的に検出する光学式位置検出装置としては、例えば、複数の検出用光源の各々から導光板を介して対象物体に向けて検出光を出射し、対象物体で反射した検出光を光検出器で検出されるものが提案されている。このような構成の光学式位置検出装置では、光検出器での検出光の検出結果に基づいて対象物体の位置を検出する(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−127671号公報
【特許文献2】特開2009−295318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この種の光学式位置検出装置においては、複数の検出用光源から出射された検出光を共通の導光板を介して出射することにより、一方側から他方側に向けて強度が単調増加する第1強度分布と、他方側から一方側に向けて強度が単調減少する第2強度分布とを形成し、第1強度分布を形成した際の光検出器での検出結果および第2強度分布を形成した際の光検出器での検出結果に基づいて対象物体の位置を検出する。
【0005】
しかしながら、特許文献1、2に記載の発明のように共通の導光板によって強度分布が逆方向に単調変化する強度分布を形成する構成では、導光板の設計上の問題や光源の指向性等の影響で、適正な強度分布を形成できないという問題点がある。
【0006】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、導光板を用いた方式であっても、検出対象空間に強度が適正に単調変化する光強度分布を形成することができる光学式位置検出装置、およびかかる光学式位置検出装置を備えた位置検出機能付き機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、対象物体の位置を光学的に検出する光学式位置検出装置であって、検出光を出射する検出用光源と、該検出用光源から出射された検出光を光入射部で内部に取り込んで光出射部の一方側端部から他方側端部に向かって強度が単調増加する光として出射する第1導光部、および前記検出用光源から出射された検出光を光入射部で内部に取り込んで光出射部の一方側端部から他方側端部に向かって強度が単調減少する光として出射する第2導光部を異なる角度位置にもって回転する光源用回転体と、該光源用回転体からの前記検出光の出射側空間に位置する対象物体で反射した前記検出光を受光する光検出器と、該光検出器での受光結果に基づいて前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、を有していることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る光学式位置検出装置は、異なる角度位置に第1導光部および第2導光部を備えた光源用回転体を有しており、第1導光部は一方側端部から他方側端部に向かって強度が単調増加する光を出射するのに対して、第2導光部は、第1導光部とは反対に、一方側端部から他方側端部に向かって強度が単調減少する光を出射する。従って、光源用回転体が回転して、所定の角度位置に第1導光部が到来したときの光検出器での受光結果、および所定の角度位置に第2導光部が到来したときの光検出器での受光結果を用いれば、対象物体の位置を検出することができる。ここで、第1導光部は一方側端部から他方側端部に向かって強度が単調増加する光を出射する機能を担い、第2導光部は、第1導光部とは反対に、一方側端部から他方側端部に向かって強度が単調減少する光を出射する機能を担う。従って、第1導光部および第2導光部は各々、単一の出射特性を有すればよいので、導光板を用いた方式において、強度が適正に単調変化する強度分布を形成することができる。それ故、本発明によれば、対象物体の位置を高い精度で検出することができる。
【0009】
本発明において、前記検出用光源は、前記光源用回転体と一体に回転する第1検出用光源および第2検出用光源として設けられ、前記第1検出用光源は、前記第1導光部の光入射部に向けて前記検出光を出射し、前記第2検出用光源は、前記第2導光部の光入射部に向けて前記検出光を出射する構成を採用することができる。
【0010】
この場合、前記第1検出用光源から出射された前記検出光は直接、前記第1導光部の光入射部に入射し、前記第2検出用光源から出射された前記検出光は直接、前記第2導光部の光入射部に入射する構成を採用することができる。
【0011】
本発明においては、前記第1検出用光源から出射された前記検出光を前記第1導光部の光入射部に導く第1補助導光部と、前記第2検出用光源から出射された前記検出光を前記第2導光部の光入射部に導く第2補助導光部と、を備えている構成を採用することができる。
【0012】
本発明では、前記検出用光源は固定であり、該検出用光源から出射された光は、前記光源用回転体の回転により、前記第1導光部の光入射部に入射する第1状態と、第2導光部の光入射部に入射する第2状態とに切り替わる構成を採用してもよい。
【0013】
この場合、前記検出用光源から出射された前記検出光は、前記第1状態では前記第1導光部の光入射部に直接、入射し、前記第2状態では前記第2導光部の光入射部に直接、入射する構成を採用することができる。
【0014】
また、前記検出用光源から出射された前記検出光を、前記第1状態では前記第1導光部の光入射部に導くとともに、前記第2状態では前記第2導光部の光入射部に導く補助導光部を備えている構成を採用してもよい。
【0015】
また、前記検出用光源から出射された前記検出光を分配して前記第1導光部の光入射部および前記第2導光部の光入射部に導く補助導光部を備えている構成を採用してもよい。
【0016】
本発明において、前記出射側空間を介さずに前記光検出器に参照光を入射させる参照用光源を有し、前記位置検出部は、前記光検出器での受光強度が等しくなるように前記検出用光源および前記参照用光源を駆動した結果に基づいて前記対象物体の位置を検出する構成を採用してもよい。
【0017】
本発明に係る光学式位置検出装置は、位置検出機能付き機器に用いることができる。かかる位置検出機能付き機器としては、直視型あるいは投射型の位置検出機能付き表示装置、情報が視認されるスクリーンを備えた位置検出機能付きスクリーン装置、位置検出機能付きショーウインドウ、位置検出機能付きアミューズメント機器等を挙げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の全体構成を模式的に示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の導光部等のレイアウトを示す説明図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置において光源用回転体を回転させながら、検出用光源を順次点灯させて光強度分布を形成する様子を示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の原理を模式的に示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態1の変形例に係る光学式位置検出装置の要部を模式的に示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置の要部を模式的に示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態2の変形例に係る光学式位置検出装置の要部を模式的に示す説明図である。
【図8】本発明の実施の形態3に係る光学式位置検出装置の要部を模式的に示す説明図である。
【図9】本発明の実施の形態4に係る光学式位置検出装置の要部を示す説明図である。
【図10】本発明を適用した位置検出機能付きスクリーン装置(位置検出機能付き機器)の説明図である。
【図11】本発明を適用した位置検出機能付き投射型表示装置(位置検出機能付き機器)の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明においては、互いに交差する軸をX軸およびY軸とし、X軸およびY軸に交差する軸をZ軸とする。また、以下に参照する図面では、説明の便宜上、X軸方向(第1方向)を横方向とし、Y軸方向(第2方向)を縦方向とし、Z軸方向(第3方向)を検出光の出射側空間において検出光が進行する方向として表してある。また、以下に参照する図面では、X軸方向の一方側をX1側とし、他方側をX2側とし、Y軸方向の一方側をY1側とし、他方側をY2側として示してある。また、以下の説明で参照する図においては、各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
【0020】
[実施の形態1/光源回転]
(光学式位置検出装置の全体構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の全体構成を模式的に示す説明図である。図2は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の導光部等のレイアウトを示す説明図であり、図2(a)、(b)は、導光板のレイアウトを示す平面図、および側面図である。
【0021】
図1および図2(a)、(b)に示すように、本形態の光学式位置検出装置10は、検出光L2を出射する複数の検出用光源12と、検出用光源12から出射された検出光L2を内部に取り込んで出射する光源用回転体13と、光源用回転体13からの検出光L2の出射側空間(検出対象空間10R)内において対象物体Obで反射した検出光L3の一部を検出する光検出器30とを備えている。
【0022】
光源用回転体13は、モーター等を利用したアクチュエーター60に連結されており、Z軸方向に延在する中心軸線Lを介して軸線周りに間欠的に回転可能である。また、光源用回転体13は、周方向に複数の導光部(第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13D)を備えており、第1導光部13A、13Cと第2導光部13B、13Dとは周方向において交互に設けられている。第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13Dは各々、透光性の板状部材であり、径方向の一方側端部(中心軸線Lに近い側の端部)に、検出用光源12から出射された検出光L2を内部に取り込む光入射部131を備えている。また、第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13Dの光入射部131には、検出用光源12として、第1検出用光源12A、12Cおよび第2検出用光源12B、12Dが配置されており、本形態において、第1検出用光源12A、12Cおよび第2検出用光源12B、12Dは、第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13Dと一体に回転可能である。かかる検出用光源12はいずれも、LED(発光ダイオード)等により構成され、赤外光からなる検出光L2を発散光として放出する。すなわち、検出光L2は、指等の対象物体Obにより効率的に反射される波長域を有することが好ましいことから、人体の表面での反射率の高い赤外域にピークを備えている。例えば、検出光L2は、可視光領域に近い近赤外線、例えば波長850nm付近にピークを有する光である。
【0023】
光源用回転体13において、第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13Dは各々、光入射部131に連接して検出対象空間10Rに向く光出射部130を備えており、光入射部131から取り込んだ検出光L2を光出射部130から検出対象空間10Rに出射可能である。
【0024】
かかる第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13Dのうち、第1導光部13A、13Cは、検出光L2を径方向の一方側端部から径方向の他方側端部(中心軸線Lから遠い側の端部132)に向かって強度が単調増加する検出光L2aとして出射する。本形態において、第1導光部13A、13Cは、検出光L2を径方向の一方側端部から径方向の他方側端部に向かって強度が直線的に単調増加する検出光L2aとして出射する。かかる検出光L2aの第1光強度分布L2Xaは、図1に一点鎖線として示してある。
【0025】
これに対して、第2導光部13B、13Dは、検出光L2を径方向の一方側端部から径方向の他方側端部に向かって強度が単調減少する光L2bとして出射する。本形態において、第2導光部13B、13Dは、検出光L2を径方向の一方側端部から径方向の他方側端部に向かって強度が直線的に単調減少する光L2bとして出射する。かかる検出光L2bの第2光強度分布L2Xbは、図1に一点鎖線として示してある。
【0026】
第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13Dに対して上記の特性を付与するにあたって、第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13Dの光出射部130あるいは背面側には、表面凹凸構造、プリズム構造、散乱層(図示せず)等が設けられており、第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13Dに入射して内部を伝播する光は、その伝播方向に進むに従って徐々に偏向されて光出射部130より出射される。また、第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13Dの光出射部130には、必要に応じて、検出光L2a、L2bの均―化を図るために、プリズムシートや光散乱板等の光学シートが配置される場合もある。
【0027】
光検出器30は、フォトダイオードやフォトトランジスター等の受光素子からなり、検出対象空間10Rに受光部を向けた状態で固定されている。
【0028】
さらに、本形態の光学式位置検出装置10は、検出対象空間10Rを経由せずに光検出器30に参照光Lrを入射させる参照用光源12Rを備えており、かかる参照用光源12Rは、検出用光源12と同様、可視光領域に近い近赤外線、例えば波長850nm付近にピークを有する光を発散光として出射するLEDである。かかる参照用光源12Rは、光検出器30と同様、固定された状態にある。かかる参照用光源12Rから出射される参照光Lrは、第1検出用光源12A、12Cおよび第2検出用光源12B、12Dや、光検出器30の初期条件を設定する際の基準とすることができる。また、後述する方法で対象物体Obの位置を検出する際、光検出器30での参照光Lrの検出強度と、対象物体Obで反射した検出光L3の光検出器30での検出強度とを比較した結果等を利用することができる。
【0029】
かかる構成の光学式位置検出装置10には、検出用光源12(第1検出用光源12A、12Cおよび第2検出用光源12B、12D)や参照用光源12Rを駆動する光源駆動部14と、光検出器30から検出結果が出力される制御部50とを有しており、光源駆動部14と制御部50とは、例えば、共通の半導体集積回路に構成されている。制御部50は、光検出器30での検出結果に信号処理を行う信号処理部55と、アクチュエーター60を駆動して光源用回転体13の回転制御を行う回転制御部57と、光検出器30での検出結果および光源用回転体13の回転位置に基づいて対象物体Obの位置を検出する位置検出部56とを備えている。
【0030】
(光強度分布の説明)
図3は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10において光源用回転体13を回転させながら、検出用光源12を順次点灯させて光強度分布を形成する様子を示す説明図であり、図3(a)、(b)は、第1期間における光源用回転体13の角度位置を示す説明図、および第2期間における光源用回転体13の角度位置を示す説明図である。
【0031】
図1および図2を参照して説明した光学式位置検出装置10では、光源用回転体13が中心軸線L周りに間欠的に回転するとともに、かかる回転に同期して、検出用光源12が順次点灯する。より具体的には、図3(a)に示すように、光源用回転体13が中心軸線L周りに回転して、第1導光部13Aが検出対象空間10Rに重なる位置に到来すると、光源用回転体13の回転が所定の期間、停止する。このような第1期間中、第1検出用光源12Aが点灯する。その結果、第1期間中、第1導光部13Aから検出対象空間10Rに検出光L2aが出射されるので、検出対象空間10Rには、径方向の一方側端部から径方向の他方側端部に向かって強度が直線的に単調増加する第1光強度分布L2Xaが形成される。その間、複数の検出用光源12のうち、第1検出用光源12A以外の検出用光源12は消灯状態にある。なお、光源用回転体13が中心軸線L周りに回転して、第1導光部13Cが検出対象空間10Rに重なる位置に到来するととともに、第1検出用光源12Cが点灯し、他の検出用光源12が消灯状態にあるときも、検出対象空間10Rに第1光強度分布L2Xaが形成される第1期間である。
【0032】
次に、図3(b)に示すように、光源用回転体13が中心軸線L周りに回転して、第2導光部13Bが検出対象空間10Rに重なる位置に到来すると、光源用回転体13の回転が所定の期間、停止する。このような第2期間中、第2検出用光源12Bが点灯する。その結果、第2期間中、第2導光部13Bから検出対象空間10Rに検出光L2bが出射されるので、検出対象空間10Rには、径方向の一方側端部から径方向の他方側端部に向かって強度が直線的に単調減少する第2光強度分布L2Xbが形成される。その間、複数の検出用光源12のうち、第2検出用光源12B以外の検出用光源12は消灯状態にある。なお、光源用回転体13が中心軸線L周りに回転して、第2導光部13Dが検出対象空間10Rに重なる位置に到来するととともに、第2検出用光源12Dが点灯し、他の検出用光源12が消灯状態にあるときも、検出対象空間10Rに第2光強度分布L2Xbが形成される第2期間である。従って、以下に説明するように、第1期間および第2期間において、光検出器30での検出結果を利用すれば、位置検出部56は、検出対象空間10R内の対象物体Obの位置を検出することができる。
【0033】
(位置検出の基本原理)
本形態の光学式位置検出装置10においては、検出対象空間10Rに検出光L2の光強度分布(第1光強度分布L2Xa、第2光強度分布L2Xb)を形成するとともに、対象物体Obで反射した検出光L3を光検出器30で検出し、かかる光検出器30での検出結果に基づいて、位置検出部56は、検出対象空間10R内の対象物体Obの位置を検出する。そこで、図4を参照して位置検出の原理を説明する。なお、光検出器30での検出結果に基づいて対象物体Obの検出対象空間10R内の位置情報を取得するにあたって、例えば、位置検出部56としてマイクロプロセッサーユニット(MPU)を用い、これにより所定のソフトウェア(動作プログラム)を実行することに従って処理を行う構成を採用することができる。また、論理回路等のハードウェアを用いた構成を採用することもできる。
【0034】
図4は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10の原理を模式的に示す説明図であり、図4(a)、(b)は、対象物体Obで反射した検出光の強度を示す説明図、および対象物体Obで反射した検出光L3の強度が等しくなるように検出光L2の光強度分布を調整する様子を示す説明図である。
【0035】
本形態の光学式位置検出装置10においては、図3(a)、(b)を参照して説明した第1光強度分布L2XaおよびX第2光強度分布L2Xbを利用して対象物体Obの位置(X軸座標)を検出する。より具体的には、図3(a)に示す第1期間において第1光強度分布L2Xaを形成した状態における光検出器30での検出強度と、図3(b)に示す第2期間において第2光強度分布L2Xbを形成した状態における光検出器30での検出強度との比較を行い、図4を参照して以下に説明する方法等により、対象物体Obの位置を検出する。
【0036】
まず、図3(a)および図4(a)に示すように、第1期間および第2期間において第1光強度分布L2Xaおよび第2光強度分布L2Xbを絶対値が等しく、かつ、X軸方向で逆向きになるように形成する。この状態で、第1期間における光検出器30での検出値LXaと、第2期間における光検出器30での検出値LXbとが等しければ、対象物体ObがX軸方向の中央に位置することが分る。
【0037】
これに対して、第1期間における光検出器30での検出値LXaと、第2期間における光検出器30での検出値LXbとが相違している場合、検出値LXa、LXbが等しくなるように、検出用光源12に対する制御量(駆動電流)を調整して、図4(b)に示すように、再度、第1期間において第1光強度分布L2Xaを形成し、第2期間において第2光強度分布L2Xbを形成する。そして、第1期間における光検出器30での検出値LXaと、第2期間における光検出器30での検出値LXbとを等しくする。かかる差動を行った際の第1検出用光源12A、12Cに対する制御量(電流値)と、第2検出用光源12B、12Dに対する制御量(電流値)との比あるいは差等により、対象物体ObのX座標を検出することができる。また、第1期間での第1検出用光源12A、12Cに対する制御量の調整量ΔLXaと、第2期間での第2検出用光源12B、12Dに対する制御量の調整量ΔLXbとの比あるいは差等により、対象物体ObのX座標を検出してもよい。かかる方法によれば、検出光L2以外の環境光、例えば、外光に含まれる赤外成分が光検出器30に入射した場合でも、検出値LXa、LXbが等しくなるように検出用光源12に対する制御量の調整を行なう際、環境光に含まれる赤外成分の強度が相殺されるので、環境光に含まれる赤外成分が検出精度に影響を及ぼすことがない。なお、説明の便宜上、第1期間における光検出器30での検出値LXaと、第2期間における光検出器30での検出値LXbとを直接比較するとしたが、光検出器30での参照光Lrの検出強度と、対象物体Obで反射した検出光L3の光検出器30での検出強度とを比較した結果を利用すれば、環境光の影響等を排除することができる。
【0038】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の光学式位置検出装置10では、異なる角度位置に第1導光部13A、13Cおよび第2導光部13B、13Dを備えた光源用回転体13を有しており、第1導光部13A、13Cは一方側端部から他方側端部に向かって強度が単調増加する光を出射するのに対して、第2導光部13B、13Dは、第1導光部13A、13Cとは反対に、一方側端部から他方側端部に向かって強度が単調減少する光を出射する。従って、光源用回転体13の回転により、所定の角度位置に第1導光部13A、13Cが到来したときの光検出器30での受光結果、および所定の角度位置に第2導光部13B、13Dが到来したときの光検出器30での受光結果を用いれば、対象物体Obの位置を検出することができる。ここで、第1導光部13A、13Cは一方側端部から他方側端部に向かって強度が単調増加する光を出射する機能を担い、第2導光部13B、13Dは、第1導光部13A、13Cとは反対に、一方側端部から他方側端部に向かって強度が単調減少する光を出射する機能を担う。従って、第1導光部13A、13Cおよび第2導光部13B、13Dは各々、単一の出射特性を有すればよいので、導光板を用いた方式において、強度が適正に単調変化する強度分布を形成することができる。それ故、本形態によれば、対象物体Obの位置を高い精度で検出することができる。
【0039】
[実施の形態1の変形例/光源回転+補助導光部]
図5は、本発明の実施の形態1の変形例に係る光学式位置検出装置10の要部を模式的に示す説明図であり、図5(a)、(b)は、第1期間における光源用回転体13の角度位置を示す説明図、および第2期間における光源用回転体13の角度位置を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
【0040】
図5に示すように、本形態の光学式位置検出装置10も、実施の形態1と同様、検出光L2を出射する複数の検出用光源12と、検出用光源12から出射された検出光L2を内部に取り込んで出射する光源用回転体13と、光源用回転体13からの検出光L2の出射側空間(検出対象空間10R)内において対象物体Obで反射した検出光L3の一部を検出する光検出器30とを備えており、光源用回転体13は、軸線L0周りに回転可能である。なお、光検出器30および参照用光源12Rは固定された状態にある。
【0041】
また、本形態でも実施の形態1と同様、光源用回転体13は、周方向に複数の導光部(第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13D)を備えており、第1導光部13A、13Cと第2導光部13B、13Dとは周方向において交互に設けられている。また、第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13Dは各々、透光性の板状部材であり、径方向の一方側端部(中心軸線Lに近い側の端部)に、検出用光源12から出射された検出光L2を内部に取り込む光入射部131を備えている。
【0042】
ここで、第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13Dは各々、検出対象空間10Rが位置する側とは反対側に光入射部131を備えており、かかる光入射部131に対しては、第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13Dと一体に回転する補助導光部133A、133B、133C、133Dが設けられている。
【0043】
また、補助導光部133A、133B、133C、133Dの端部には検出用光源12が設けられている。従って、第1検出用光源12A、12Cから出射された検出光L2は、補助導光部133A、133Cを介して第1導光部13A、13Cに入射し、第1導光部13A、13Cの光出射部130から出射される。また、第2検出用光源12B、12Dから出射された検出光L2は、補助導光部133B、133Dを介して第2導光部13B、13Dに入射し、第2導光部13B、13Dの光出射部130から出射される。
【0044】
ここで、第1検出用光源12A、12Cおよび第2検出用光源12B、12Dは、補助導光部133A、133B、133C、133Dと同様、第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13Dと一体に回転可能である。
【0045】
従って、図5(a)に示すように、光源用回転体13が中心軸線L周りに回転して、第1導光部13Aが検出対象空間10Rに重なる位置に到来した第1期間中、第1検出用光源12Aが点灯し、第1導光部13Aから検出対象空間10Rに検出光L2aが出射されるので、検出対象空間10Rには、径方向の一方側端部から径方向の他方側端部に向かって強度が直線的に単調増加する第1光強度分布L2Xaが形成される。なお、第1導光部13Cが検出対象空間10Rに重なる位置に到来した第1期間中も同様である。
【0046】
また、図5(b)に示すように、光源用回転体13が中心軸線L周りに回転して、第2導光部13Bが検出対象空間10Rに重なる位置に到来した第2期間中、第2検出用光源12Bが点灯し、第2導光部13Bから検出対象空間10Rに検出光L2bが出射されるので、検出対象空間10Rには、径方向の一方側端部から径方向の他方側端部に向かって強度が直線的に単調減少する第2光強度分布L2Xbが形成される。なお、第2導光部13Dが検出対象空間10Rに重なる位置に到来した第2期間中も同様である。
【0047】
このため、本形態によれば、実施の形態1と同様、光検出器30での受光結果を用いれば、対象物体Obの位置を検出することができる。また、第1導光部13A、13Cは一方側端部から他方側端部に向かって強度が単調増加する光を出射する機能を担い、第2導光部13B、13Dは、第1導光部13A、13Cとは反対に、一方側端部から他方側端部に向かって強度が単調減少する光を出射する機能を担う。従って、第1導光部13A、13Cおよび第2導光部13B、13Dは各々、単一の出射特性を有すればよいので、導光板を用いた方式において、強度が適正に単調変化する強度分布を形成することができる等、実施の形態1と同様な効果を奏する。
【0048】
また、本形態では、補助導光部133A、133B、133C、133Dを用いたため、中心軸線L付近に検出用光源12を配置しなくてもよい等、各構成部品のレイアウトが容易である。
【0049】
[実施の形態2/光源固定]
図6は、本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置10の要部を模式的に示す説明図であり、図6(a)、(b)は、第1期間における光源用回転体13の角度位置を示す説明図、および第2期間における光源用回転体13の角度位置を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
【0050】
図6に示すように、本形態の光学式位置検出装置10も、実施の形態1と同様、検出光L2を出射する検出用光源12と、検出用光源12から出射された検出光L2を内部に取り込んで出射する光源用回転体13と、光源用回転体13からの検出光L2の出射側空間(検出対象空間10R)内において対象物体Obで反射した検出光L3の一部を検出する光検出器30とを備えており、光源用回転体13は、軸線L0周りに回転可能である。なお、光検出器30および参照用光源12Rは固定された状態にある。
【0051】
また、本形態でも実施の形態1と同様、光源用回転体13は、周方向に複数の導光部(第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13D)を備えており、第1導光部13A、13Cと第2導光部13B、13Dとは周方向において交互に設けられている。また、第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13Dは各々、透光性の板状部材であり、径方向の一方側端部(中心軸線Lに近い側の端部)に、検出用光源12から出射された検出光L2を内部に取り込む光入射部131を備えている。
【0052】
本形態では、検出対象空間10Rが設定されている一箇所に検出用光源12が固定された状態で配置されている。このため、本形態では、検出用光源12から出射された検出光L2を、第1導光部13A、13Cの光入射部131に導く第1状態と、第2導光部13B、13Dの光入射部131に導く第2状態とに切り替えることになる。より具体的には、図6(a)に示すように、光源用回転体13が中心軸線L周りに回転して、第1導光部13Aが検出対象空間10Rに重なる位置に到来した第1期間中、検出用光源12と第1導光部13Aの光入射部131とが対向する。従って、第1導光部13Aから検出対象空間10Rに検出光L2aが出射されるので、検出対象空間10Rには、径方向の一方側端部から径方向の他方側端部に向かって強度が直線的に単調増加する第1光強度分布L2Xaが形成される。なお、第1導光部13Cが検出対象空間10Rに重なる位置に到来した第1期間中も同様である。
【0053】
また、図6(b)に示すように、光源用回転体13が中心軸線L周りに回転して、第2導光部13Bが検出対象空間10Rに重なる位置に到来した第2期間中、検出用光源12と第2導光部13Bの光入射部131とが対向する。従って、第2導光部13Bから検出対象空間10Rに検出光L2bが出射されるので、検出対象空間10Rには、径方向の一方側端部から径方向の他方側端部に向かって強度が直線的に単調減少する第2光強度分布L2Xbが形成される。なお、第2導光部13Dが検出対象空間10Rに重なる位置に到来した第2期間中も同様である。
【0054】
このように構成した光学式位置検出装置10でも、実施の形態1と同様、光検出器30での受光結果を用いれば、対象物体Obの位置を検出することができる。また、第1導光部13A、13Cは一方側端部から他方側端部に向かって強度が単調増加する光を出射する機能を担い、第2導光部13B、13Dは、第1導光部13A、13Cとは反対に、一方側端部から他方側端部に向かって強度が単調減少する光を出射する機能を担う。従って、第1導光部13A、13Cおよび第2導光部13B、13Dは各々、単一の出射特性を有すればよいので、導光板を用いた方式において、強度が適正に単調変化する強度分布を形成することができる等、実施の形態1と同様な効果を奏する。
【0055】
また、本形態では、検出用光源12が一箇所に固定された状態で配置されているため、検出用光源12に対する給電が容易である等の効果を奏する。
【0056】
[実施の形態2の変形例/光源固定+補助導光部]
図7は、本発明の実施の形態2の変形例に係る光学式位置検出装置10の要部を模式的に示す説明図であり、図7(a)、(b)は、第1期間における光源用回転体13の角度位置を示す説明図、および第2期間における光源用回転体13の角度位置を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
【0057】
図7に示すように、本形態の光学式位置検出装置10も、実施の形態1と同様、検出光L2を出射する検出用光源12と、検出用光源12から出射された検出光L2を内部に取り込んで出射する光源用回転体13と、光源用回転体13からの検出光L2の出射側空間(検出対象空間10R)内において対象物体Obで反射した検出光L3の一部を検出する光検出器30とを備えており、光源用回転体13は、軸線L0周りに回転可能である。なお、光検出器30および参照用光源12Rは固定された状態にある。
【0058】
また、本形態でも実施の形態1と同様、光源用回転体13は、周方向に複数の導光部(第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13D)を備えており、第1導光部13A、13Cと第2導光部13B、13Dとは周方向において交互に設けられている。また、第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13Dは各々、透光性の板状部材であり、径方向の一方側端部(中心軸線Lに近い側の端部)に、検出用光源12から出射された検出光L2を内部に取り込む光入射部131を備えている。
【0059】
ここで、第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13Dは各々、検出対象空間10Rが位置する側とは反対側に光入射部131を備えている。また、本形態では、検出対象空間10Rが設定されている一箇所に補助導光部133が固定された状態で配置され、かかる補助導光部133の端部には検出用光源12が固定された状態で配置されている。
【0060】
このため、本形態では、図7(a)に示すように、光源用回転体13が中心軸線L周りに回転して、第1導光部13Aが検出対象空間10Rに重なる位置に到来した第1期間中、補助導光部133と第1導光部13Aの光入射部131とが対向し、検出用光源12から出射された検出光L2は、補助導光部133を介して第1導光部13Aに入射する。従って、第1導光部13Aから検出対象空間10Rに検出光L2aが出射されるので、検出対象空間10Rには、径方向の一方側端部から径方向の他方側端部に向かって強度が直線的に単調増加する第1光強度分布L2Xaが形成される。なお、第1導光部13Cが検出対象空間10Rに重なる位置に到来した第1期間中も同様である。
【0061】
また、図7(b)に示すように、光源用回転体13が中心軸線L周りに回転して、第2導光部13Bが検出対象空間10Rに重なる位置に到来した第2期間中、補助導光部133と第2導光部13Bの光入射部131とが対向し、検出用光源12から出射された検出光L2は、補助導光部133を介して第2導光部13Bに入射する。従って、第2導光部13Bから検出対象空間10Rに検出光L2bが出射されるので、検出対象空間10Rには、径方向の一方側端部から径方向の他方側端部に向かって強度が直線的に単調減少する第2光強度分布L2Xbが形成される。なお、第2導光部13Dが検出対象空間10Rに重なる位置に到来した第2期間中も同様である。
【0062】
このように構成した光学式位置検出装置10でも、実施の形態1と同様、光検出器30での受光結果を用いれば、対象物体Obの位置を検出することができる。また、第1導光部13A、13Cは一方側端部から他方側端部に向かって強度が単調増加する光を出射する機能を担い、第2導光部13B、13Dは、第1導光部13A、13Cとは反対に、一方側端部から他方側端部に向かって強度が単調減少する光を出射する機能を担う。従って、第1導光部13A、13Cおよび第2導光部13B、13Dは各々、単一の出射特性を有すればよいので、導光板を用いた方式において、強度が適正に単調変化する強度分布を形成することができる等、実施の形態1と同様な効果を奏する。
【0063】
また、本形態では、検出用光源12が一箇所に固定された状態で配置されているため、検出用光源12に対する給電が容易である等の効果を奏する。
【0064】
また、本形態では、補助導光部133を用いたため、中心軸線L付近に検出用光源12を配置しなくてもよい等、各構成部品のレイアウトが容易である。
【0065】
[実施の形態3/補助導光部による分配]
図8は、本発明の実施の形態3に係る光学式位置検出装置10の要部を模式的に示す説明図であり、図8(a)、(b)は、第1期間における光源用回転体13の角度位置を示す説明図、および第2期間における光源用回転体13の角度位置を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
【0066】
図8に示すように、本形態の光学式位置検出装置10も、実施の形態1と同様、検出光L2を出射する検出用光源12と、検出用光源12から出射された検出光L2を内部に取り込んで出射する光源用回転体13と、光源用回転体13からの検出光L2の出射側空間(検出対象空間10R)内において対象物体Obで反射した検出光L3の一部を検出する光検出器30とを備えており、光源用回転体13は、軸線L0周りに回転可能である。
【0067】
また、本形態でも実施の形態1と同様、光源用回転体13は、周方向に複数の導光部(第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13D)を備えており、第1導光部13A、13Cと第2導光部13B、13Dとは周方向において交互に設けられている。また、第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13Dは各々、透光性の板状部材であり、径方向の一方側端部(中心軸線Lに近い側の端部)に、検出用光源12から出射された検出光L2を内部に取り込む光入射部131を備えている。
【0068】
本形態では、第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13Dは各々、検出対象空間10Rが位置する側とは反対側に光入射部131を備えている。また、本形態では、光源用回転体13の中心軸線L上に補助導光部134が固定された状態で配置され、補助導光部134の端部には検出用光源12が固定された状態で配置されている。なお、光検出器30および参照用光源12Rは、補助導光部134の凹部内に固定された状態で配置されている。
【0069】
ここで、補助導光部134は、検出用光源12から出射された検出光L2を分配して、第1導光部13A、13Cおよび第2導光部13B、13Dの光入射部131に導く。このため、第1導光部13A、13Cおよび第2導光部13B、13Dのいずれからも、常時、検出光L2が出射される。但し、第1導光部13A、13Cおよび第2導光部13B、13Dのうち、検出対象空間10Rと重なる位置に到来した導光部からのみ検出対象空間10Rに検出光L2が出射され、他の導光部から出射された検出光L2は遮光部材等で遮られ、検出対象空間10Rに出射されない。
【0070】
このように構成した光学式位置検出装置10では、図8(a)に示すように、光源用回転体13が中心軸線L周りに回転して、第1導光部13Aが検出対象空間10Rに重なる位置に到来した第1期間中、第1導光部13Aから検出対象空間10Rに検出光L2aが出射されるので、検出対象空間10Rには、径方向の一方側端部から径方向の他方側端部に向かって強度が直線的に単調増加する第1光強度分布L2Xaが形成される。なお、第1導光部13Cが検出対象空間10Rに重なる位置に到来した第1期間中も同様である。
【0071】
また、図8(b)に示すように、光源用回転体13が中心軸線L周りに回転して、第2導光部13Bが検出対象空間10Rに重なる位置に到来した第2期間中、第2導光部13Bから検出対象空間10Rに検出光L2bが出射されるので、検出対象空間10Rには、径方向の一方側端部から径方向の他方側端部に向かって強度が直線的に単調減少する第2光強度分布L2Xbが形成される。なお、第2導光部13Dが検出対象空間10Rに重なる位置に到来した第2期間中も同様である。
【0072】
このように構成した光学式位置検出装置10でも、実施の形態1と同様、光検出器30での受光結果を用いれば、対象物体Obの位置を検出することができる。また、第1導光部13A、13Cは一方側端部から他方側端部に向かって強度が単調増加する光を出射する機能を担い、第2導光部13B、13Dは、第1導光部13A、13Cとは反対に、一方側端部から他方側端部に向かって強度が単調減少する光を出射する機能を担う。従って、第1導光部13A、13Cおよび第2導光部13B、13Dは各々、単一の出射特性を有すればよいので、導光板を用いた方式において、強度が適正に単調変化する強度分布を形成することができる等、実施の形態1と同様な効果を奏する。
【0073】
なお、本形態では、補助導光部134および検出用光源12が固定された構成であったが、補助導光部134および検出用光源12が光源用回転体13と一体に回転する構成であってもよい。
【0074】
[実施の形態4]
図9は、本発明の実施の形態4に係る光学式位置検出装置10の要部を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
【0075】
上記実施の形態1〜3では、導光部(第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13D)が直線状に延在する板状であったが、図9に示すように、導光部(第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13D)が検出対象領域に向かって円弧状に突出している形状であってもよい。かかる構成によれば、導光部(第1導光部13A、13C、および第2導光部13B、13D)からいずれの角度方向に対象物体Obが位置するかを検出することができる。
【0076】
[その他の実施の形態]
上記実施の形態では、光源用回転体13に2つの第1導光部13A、13Cと、2つの第2導光部13B、13Dとを設けたが、第1導光部および第2導光部を1つずつ設けてもよい。
【0077】
上記実施の形態では、光源用回転体13の回転方向における一部のみを検出対象空間10Rとして利用したが、光源用回転体13の回転方向における複数個所を検出対象空間10Rとして利用してもよい。また、光源用回転体13の回転方向に形成した複数の検出対象空間10Rを連続した検出対象空間10Rとしてもよい。
【0078】
上記実施の形態では、2つの第1導光部13A、13C、および2つの第2導光部13B、13Dがいずれも径方向で強度が変化する光強度分布を形成したが、第1導光部13Aおよび第2導光部13Bが径方向で強度が変化する光強度分布を形成し、第1導光部13Cおよび第2導光部13Dがいずれも周方向で強度が変化する光強度分布を形成してもよい。かかる構成によれば、2つの第1導光部13A、13C、および2つの第2導光部13B、13Dがいずれも径方向で強度が変化する光強度分布を形成したが、第1導光部13Aおよび第2導光部13Bが径方向で強度が変化する光強度分布を形成し、第1導光部13Cおよび第2導光部13Dがいずれも周方向で強度が変化する光強度分布を形成してもよい。かかる構成によれば、対象物体Obの径方向の位置および周方向の位置を検出することができる。
【0079】
[位置検出機能付き機器の構成例]
図10および図11を参照して、本発明を適用した光学式位置検出装置10を備えた位置検出機能付き表示装置を説明する。
【0080】
(位置検出機能付き機器1の具体例1)
図10は、本発明を適用した位置検出機能付きスクリーン装置(位置検出機能付き機器)の説明図であり、図10(a)、(b)は、位置検出機能付きスクリーン装置を斜め上からみた様子を模式的に示す説明図、および横方向からみた様子を模式的に示す説明図である。なお、本形態の位置検出機能付きスクリーン装置において、光学式位置検出装置10の構成は、図1〜図9を参照して説明した構成と同様であるため、光学式位置検出装置10の説明を省略する。
【0081】
図10(a)、(b)に示す位置検出機能付きスクリーン装置8(位置検出機能付き機器1)は、液晶プロジェクターあるいはデジタル・マイクロミラー・デバイスと称せられる画像投射装置250(画像生成装置)から画像が投射されるスクリーン80(視認面構成部材40)と、図1〜図9を参照して説明した光学式位置検出装置10とを備えており、画像投射装置250は、筐体240の前面部241に設けられた投射レンズ系210からスクリーン装置8に向けて画像表示光Piを拡大投射する。従って、位置検出機能付きスクリーン装置8では、スクリーン80(視認面構成部材)において画像が投射されるスクリーン面8aによって、情報が視認される視認面41が構成されている。
【0082】
かかる位置検出機能付きスクリーン装置8において、光学式位置検出装置10は、例えば、スクリーン80の裏面8bの側に設けられている。このため、光学式位置検出装置10は、スクリーン80においてスクリーン面8aとは反対側からスクリーン面8a側に設定された検出対象空間10Rに検出光L2を出射することになる。また、光学式位置検出装置10に設けた受光部は、対象物体Obで反射してスクリーン80を透過してきた検出光L3を検出することになる。従って、スクリーン80として、検出光L2に対する透光性を備えているものが用いられている。より具体的には、スクリーン80は、スクリーン面8a側に白い塗料が塗ってある布地や、エンボス加工された白いビニール素材からなるホワイトスクリーンからなり、赤外光からなる検出光L2に対して透光性を有している、スクリーン80としては、光の反射率を高めるために高銀色としたシルバースクリーン、スクリーン面8a側を構成する布地表面に樹脂加工を行なって光の反射率を高めたパールスクリーン、スクリーン面8a側に細かいガラス粉末が塗布して光の反射率を高めたビーズスクリーンを用いることができ、このような場合も、スクリーン80は、赤外光からなる検出光L2に対して透光性を備えている。なお、スクリーン80は、表示される画像の品位を高めることを目的に、裏面8bに黒色の遮光層が形成される場合があり、このような場合、遮光層には、穴からなる透光部を複数形成しておく。
【0083】
このように構成した位置検出機能付きスクリーン装置8において、検出対象空間10Rは、スクリーン装置8に対する法線方向からみたとき四角形の領域であり、位置検出機能付きスクリーン装置8において画像投射装置250によって画像が投射される領域(画像表示領域20R)と重なっている。このため、本形態の位置検出機能付きスクリーン装置8では、例えば、スクリーン80に投射された画像の一部に指先等の対象物体Obを接近させれば、かかる対象物体Obの位置を画像の切り換え指示等といった入力情報として利用することができる。
【0084】
なお、本形態では、位置検出機能付きスクリーン装置8として、画像投射装置250から画像が投射される投射型表示装置用のスクリーン装置を説明したが、電子黒板用のスクリーンに光学式位置検出装置10を設けて電子黒板用の位置検出機能付きスクリーン装置を構成してもよい。
【0085】
(位置検出機能付き機器1の具体例2)
図11は、本発明を適用した位置検出機能付き投射型表示装置(位置検出機能付き機器)の説明図であり、図11(a)、(b)は、位置検出機能付き投射型表示装置を斜め上からみた様子を模式的に示す説明図、および横方向からみた様子を模式的に示す説明図である。なお、本形態の位置検出機能付き投射型表示装置において、光学式位置検出装置10の構成は、図1〜図9を参照して説明した構成と同様であるため、光学式位置検出装置10の説明を省略する。
【0086】
図11(a)、(b)に示す位置検出機能付き投射型表示装置200(位置検出機能付き機器1)は、液晶プロジェクターあるいはデジタル・マイクロミラー・デバイスと称せられる画像投射装置250(画像生成装置)と、図1〜図9を参照して説明した光学式位置検出装置10とを備えている。画像投射装置250は、筐体240の前面部241に設けられた投射レンズ系210からスクリーン80に向けて画像表示光Piを拡大投射する。かかる位置検出機能付き投射型表示装置200では、スクリーン80において画像が投射されるスクリーン面8aによって、情報が視認される視認面41が構成されている。
【0087】
かかる位置検出機能付き投射型表示装置200において、光学式位置検出装置10は、スクリーン80のスクリーン面8a(視認面41)側に配置された画像投射装置250に搭載されている。このため、光学式位置検出装置10は、画像投射装置250からスクリーン80(視認面構成部材40)の視認面41に沿って検出光L2を出射する。また、光学式位置検出装置10は、対象物体Obで反射してきた検出光L3を画像投射装置250において検出する。
【0088】
このように構成した位置検出機能付き投射型表示装置200において、検出対象空間10Rは、スクリーン80に対する法線方向からみたとき四角形の領域であり、スクリーン80において画像投射装置250によって画像が投射される領域(画像表示領域20R)と重なっている。このため、本形態の位置検出機能付き投射型表示装置200では、例えば、スクリーン80に投射された画像の一部に指先等の対象物体Obを接近させれば、かかる対象物体Obの位置を画像の切り換え指示等といった入力情報として利用することができる。
【符号の説明】
【0089】
1・・位置検出機能付き機器、10・・光学式位置検出装置、10R・・検出対象空間(検出光の出射側空間)、12・・検出用光源、12A、12C・・第1検出用光源、12B、12D・・第2検出用光源、12R・・参照用光源、13・・光源用回転体、13A、13C・・第1導光部、13B、13D・・第2導光部、30・・光検出器、56・・位置検出部、130・・光出射部、131・・光入射部、133、133A〜133D、134・・補助導光部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物体の位置を光学的に検出する光学式位置検出装置であって、
検出光を出射する検出用光源と、
該検出用光源から出射された検出光を光入射部で内部に取り込んで光出射部の一方側端部から他方側端部に向かって強度が単調増加する光として出射する第1導光部、および前記検出用光源から出射された検出光を光入射部で内部に取り込んで光出射部の一方側端部から他方側端部に向かって強度が単調減少する光として出射する第2導光部を異なる角度位置にもって回転する光源用回転体と、
該光源用回転体からの前記検出光の出射側空間に位置する対象物体で反射した前記検出光を受光する光検出器と、
該光検出器での受光結果に基づいて前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、
を有していることを特徴とする光学式位置検出装置。
【請求項2】
前記検出用光源は、前記光源用回転体と一体に回転する第1検出用光源および第2検出用光源として設けられ、
前記第1検出用光源は、前記第1導光部の光入射部に向けて前記検出光を出射し、
前記第2検出用光源は、前記第2導光部の光入射部に向けて前記検出光を出射することを特徴とする請求項1に記載の光学式位置検出装置。
【請求項3】
前記第1検出用光源から出射された前記検出光は直接、前記第1導光部の光入射部に入射し、
前記第2検出用光源から出射された前記検出光は直接、前記第2導光部の光入射部に入射することを特徴とする請求項2に記載の光学式位置検出装置。
【請求項4】
前記第1検出用光源から出射された前記検出光を前記第1導光部の光入射部に導く第1補助導光部と、前記第2検出用光源から出射された前記検出光を前記第2導光部の光入射部に導く第2補助導光部と、を備えていることを特徴とする請求項2に記載の光学式位置検出装置。
【請求項5】
前記検出用光源は固定であり、
該検出用光源から出射された光は、前記光源用回転体の回転により、前記第1導光部の光入射部に入射する第1状態と、第2導光部の光入射部に入射する第2状態とに切り替わることを特徴とする請求項1に記載の光学式位置検出装置。
【請求項6】
前記検出用光源から出射された前記検出光は、前記第1状態では前記第1導光部の光入射部に直接、入射し、前記第2状態では前記第2導光部の光入射部に直接、入射することを特徴とする請求項5に記載の光学式位置検出装置。
【請求項7】
前記検出用光源から出射された前記検出光を、前記第1状態では前記第1導光部の光入射部に導くとともに、前記第2状態では前記第2導光部の光入射部に導く補助導光部を備えていることを特徴とする請求項5に記載の光学式位置検出装置。
【請求項8】
前記検出用光源から出射された前記検出光を分配して前記第1導光部の光入射部および前記第2導光部の光入射部に導く補助導光部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の光学式位置検出装置。
【請求項9】
前記出射側空間を介さずに前記光検出器に参照光を入射させる参照用光源を有し、
前記位置検出部は、前記光検出器での受光強度が等しくなるように前記検出用光源および前記参照用光源を駆動した結果に基づいて前記対象物体の位置を検出することを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の光学式位置検出装置。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか一項に記載の光学式位置検出装置を備えていることを特徴とする位置検出機能付き機器。
【請求項1】
対象物体の位置を光学的に検出する光学式位置検出装置であって、
検出光を出射する検出用光源と、
該検出用光源から出射された検出光を光入射部で内部に取り込んで光出射部の一方側端部から他方側端部に向かって強度が単調増加する光として出射する第1導光部、および前記検出用光源から出射された検出光を光入射部で内部に取り込んで光出射部の一方側端部から他方側端部に向かって強度が単調減少する光として出射する第2導光部を異なる角度位置にもって回転する光源用回転体と、
該光源用回転体からの前記検出光の出射側空間に位置する対象物体で反射した前記検出光を受光する光検出器と、
該光検出器での受光結果に基づいて前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、
を有していることを特徴とする光学式位置検出装置。
【請求項2】
前記検出用光源は、前記光源用回転体と一体に回転する第1検出用光源および第2検出用光源として設けられ、
前記第1検出用光源は、前記第1導光部の光入射部に向けて前記検出光を出射し、
前記第2検出用光源は、前記第2導光部の光入射部に向けて前記検出光を出射することを特徴とする請求項1に記載の光学式位置検出装置。
【請求項3】
前記第1検出用光源から出射された前記検出光は直接、前記第1導光部の光入射部に入射し、
前記第2検出用光源から出射された前記検出光は直接、前記第2導光部の光入射部に入射することを特徴とする請求項2に記載の光学式位置検出装置。
【請求項4】
前記第1検出用光源から出射された前記検出光を前記第1導光部の光入射部に導く第1補助導光部と、前記第2検出用光源から出射された前記検出光を前記第2導光部の光入射部に導く第2補助導光部と、を備えていることを特徴とする請求項2に記載の光学式位置検出装置。
【請求項5】
前記検出用光源は固定であり、
該検出用光源から出射された光は、前記光源用回転体の回転により、前記第1導光部の光入射部に入射する第1状態と、第2導光部の光入射部に入射する第2状態とに切り替わることを特徴とする請求項1に記載の光学式位置検出装置。
【請求項6】
前記検出用光源から出射された前記検出光は、前記第1状態では前記第1導光部の光入射部に直接、入射し、前記第2状態では前記第2導光部の光入射部に直接、入射することを特徴とする請求項5に記載の光学式位置検出装置。
【請求項7】
前記検出用光源から出射された前記検出光を、前記第1状態では前記第1導光部の光入射部に導くとともに、前記第2状態では前記第2導光部の光入射部に導く補助導光部を備えていることを特徴とする請求項5に記載の光学式位置検出装置。
【請求項8】
前記検出用光源から出射された前記検出光を分配して前記第1導光部の光入射部および前記第2導光部の光入射部に導く補助導光部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の光学式位置検出装置。
【請求項9】
前記出射側空間を介さずに前記光検出器に参照光を入射させる参照用光源を有し、
前記位置検出部は、前記光検出器での受光強度が等しくなるように前記検出用光源および前記参照用光源を駆動した結果に基づいて前記対象物体の位置を検出することを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の光学式位置検出装置。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか一項に記載の光学式位置検出装置を備えていることを特徴とする位置検出機能付き機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−108018(P2012−108018A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−257563(P2010−257563)
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]