説明

光走査装置及び画像形成装置

【課題】振動ミラーの特長を活かしつつ、小型化を図り、画像劣化を抑制する光走査装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】光源10Kと、光源10Kからのレーザ光を偏向走査する振動ミラー11と、振動ミラー11で偏向走査されるレーザ光を被走査面に向かって集光する走査レンズ14Kと、からなる走査ユニットU1と、光源10Mと、光源10Mからのレーザ光を偏向走査する別の振動ミラー11と、振動ミラー11で偏向走査されるレーザ光を被走査面に向かって集光する走査レンズ14Mと、からなる走査ユニットU2が隣接して配置され、走査ユニットU1,U2に共通のものとして配置され、走査ユニットU1,U2それぞれにおいて偏向走査された所定のレーザ光の通過を検出するビーム検出器21,22と、ビーム検出器21,22の検出結果に基づいて、走査ユニットU1,U2それぞれの振動ミラー11の駆動を制御する制御手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザラスタ書込光学系に用いられる振動ミラーを有する光走査装置及びカラー画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、カラー機の高速プリント化・高画質化を実現するにあたって、ポリゴンミラーを25000rpm以上の高速で、かつ高精度に回転させる必要が生じている。この高速回転により、ポリゴンスキャナの消費電力は増加し、その発熱が走査レンズなどの光学素子に悪影響を与える。具体的にはポリゴンスキャナに最も近接する走査レンズの温度上昇である。すなわち、ポリゴンスキャナからの発熱は光学ハウジングを伝熱し、または輻射により走査レンズの温度が上昇する。実際は走査レンズを均一に温度上昇させるのではなく、発熱源(ポリゴンスキャナ)からの距離または各々材質の熱伝達率や気流の影響により、特に長手方向となる主走査方向に対して温度分布をもつ。主走査方向に温度分布をもつと、特に走査レンズの形状精度および屈折率が変化してしまい、レーザビームのスポット位置が変動し、画質が劣化する。この問題は特に熱膨張率の大きいプラスチックの場合が顕著となる。
【0003】
カラー機においては、各色(イエロー、マゼンダ、シアン、ブラック)に応じたレーザビームを各々走査しているので、上記問題以外に各色に対応する光学素子の温度偏差が問題となる。上記温度偏差は各色に対応するビームスポットの相対位置関係のずれを発生させ、画像の色ずれとなってしまう。
【0004】
上記課題を解決するため、ポリゴンミラー偏向器ではなく、共振現象を用いた振動ミラーが検討されている。本方式は消費電力が小さく、光走査装置に使用される走査レンズの温度上昇やカラー機における光学素子の温度偏差や光走査装置の振動を低減するというメリットがある。また従来より、単一の振動ミラーで複数の被走査面を走査する光走査装置も検討されているが(特許文献1〜3参照。)、振動ミラーに複数色に対応するレーザビームを入射させる必要があるため副走査方向に角度をもって入射する(いわゆる斜入射)方式となることから光走査装置として大型化(特に副走査方向の高さ)するといった課題があった。
【0005】
また、振動ミラー偏向器を複数使用して、複数の被走査面を走査する光走査装置では(特許文献1〜4参照。)、振動ミラーの走査周波数や振動振幅が異なると走査特性も異なるためカラー画像のように混色する場合には、色ずれ/色むらとった画像劣化の課題があった。また、振動振幅を一定に制御する場合でも、その振幅情報が振動ミラー毎に異なるビーム検出器で行われるため、厳密に色ずれを無くすことができないといった不具合があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上の従来技術における課題に鑑みてなされたものであり、消費電力や振動を低減して画像の経時安定性を確保するといった振動ミラーの特長を活かしつつ、小型化を図り、画像劣化を抑制する光走査装置及び該光走査装置を用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために提供する本発明は、以下の通りである。なお、カッコ内に本発明を実施するための形態において対応する部位及び符号等を示す。
〔1〕 レーザ光を出射する少なくとも1つの光源(光源10K,10M)と、前記光源からのレーザ光を偏向走査する振動ミラー(振動ミラー11)と、前記振動ミラーで偏向走査されるレーザ光を被走査面に向かって集光する走査結像手段(走査レンズ14K,14M)と、からなる振動ミラー走査ユニット(走査ユニットU1,U2)が複数配置され、隣接する前記振動ミラー走査ユニットに共通のものとして配置され、前記隣接する振動ミラー走査ユニットそれぞれにおいて偏向走査された所定のレーザ光の通過を検出するビーム検出器(ビーム検出器21,22)と、前記ビーム検出器の検出結果に基づいて、前記隣接する振動ミラー走査ユニットそれぞれの振動ミラーの駆動を制御する制御手段(図10)と、を備えることを特徴とする光走査装置(光走査装置5,図1,図2,図10)。
〔2〕 前記振動ミラー走査ユニットは、表裏面に反射面(反射面441a,441b)を有する振動ミラーと、前記振動ミラーの表裏面それぞれの側に配置され、それぞれレーザ光を出射して前記振動ミラーの対応する反射面に入射させる2つの光源(光源10K,10M)と、前記振動ミラーで相反する方向に反射されるとともに偏向走査される2つのレーザ光をそれぞれ対応する被走査面に向かって集光する走査結像手段(走査レンズ14K,14M)と、からなることを特徴とする前記〔1〕に記載の光走査装置(光走査装置5、図1〜図3)。
〔3〕 前記隣接する振動ミラー走査ユニットそれぞれにおいて、偏向走査される2つのレーザ光のうち、前記ビーム検出器を通過するレーザ光に関する光源を、前記振動ミラーの反射面へのレーザ光入射角と前記被走査面における走査位置の関係が互いに同じとなるように配置することを特徴とする前記〔2〕に記載の光走査装置(図1)。
〔4〕 前記2つの光源から出射されたレーザ光は前記振動ミラーの表裏面ともに該振動ミラーの回転軸に対して直交するように反射面に入射することを特徴とする前記〔2〕または〔3〕に記載の光走査装置。
〔5〕 前記ビーム検出器が複数実装された単一の回路基板(基板19)が前記隣接する振動ミラー走査ユニット(走査ユニットU1,U2)の間に配置されていることを特徴とする前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の光走査装置(図1)。
〔6〕 前記ビーム検出器は、1つの受光素子が電気的に分割されて前記2つの受光面(受光面PD1M,PD1Y))とされたフォトダイオード(受光部PD1)からなり、前記隣接する振動ミラー走査ユニット(走査ユニットU1,U2)それぞれにおいて偏向走査された所定のレーザ光(走査ビーム(M),(Y))が前記2つの受光面をそれぞれ通過することを特徴とする前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の光走査装置(図11)。
〔7〕 前記2つの受光面をそれぞれ通過する2つのレーザ光は、該受光面に対する入射角度および光量をそれぞれ一致させて受光面内を往復走査することを特徴とする前記〔6〕に記載の光走査装置(図13)。
〔8〕 前記ビーム検出器は、前記隣接する振動ミラー走査ユニットそれぞれの振動ミラーの目標振幅に対する振幅変動(振幅量、図7)、該振動ミラーの振幅中心とレーザ光の走査中心との差異(オフセット量、図8)、該振動ミラーの振幅波形の基準位相クロックからの位相変動(位相差、図9)を検出するものであることを特徴とする前記〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の光走査装置。
〔9〕 前記制御手段は、前記複数の振動ミラー走査ユニットそれぞれの振動ミラーをすべて同じ駆動周波数(駆動周波数fD)に基づいて振動させ、前記ビーム検出器の検出結果に基づいて、前記振動ミラーすべての走査特性が合致するように制御することを特徴とする前記〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の光走査装置(図10)。
〔10〕 前記複数の振動ミラー走査ユニットは、全ての被走査面に対して同方向のレーザ光の走査を行うことを特徴とする前記〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の光走査装置(図1)。
〔11〕 前記〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の光走査装置(光走査装置5)を備えることを特徴とする画像形成装置(図16)。
【発明の効果】
【0008】
本発明の光走査装置によれば、制御手段が隣接する振動ミラー走査ユニットそれぞれを駆動周波数信号、目標振幅量、許容オフセット量、基準位相クロックを共有した状態で制御し、ビーム検出器が隣接する振動ミラー走査ユニットに共通のものとして配置されているので、隣接する振動ミラー走査ユニットでは、異なる振動ミラーであってもそれぞれの走査ビームを振幅量、オフセット量、位相差が合致するように制御することができ、その結果、全ての被走査面に対する走査特性を合致させることが可能となる。また、消費電力や振動を低減して画像の経時安定性を確保するといった振動ミラーの特長を活かしつつ、光走査装置全体の小型化が可能である。
本発明の画像形成装置によれば、本発明の光走査装置を用い、全ての感光体に対する走査ビームの走査特性を合致させるので、常時、色ずれの少ない良好なカラー画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係る光走査装置の主要部の構成を示す主走査断面図である。
【図2】本発明に係る光走査装置の主要部の構成を示す副走査断面図である。
【図3】振動ミラーの構成を示す詳細図である。
【図4】振動ミラーの分解斜視図である。
【図5】光学ハウジングへ搭載される形態の振動ミラーの構成を示す斜視図である。
【図6】本発明の光走査装置における振動ミラーの駆動電圧波形、振幅波形、駆動基準信号、ビーム検出器の出力信号、基準位相クロックの関係を示す図である。
【図7】振動ミラーの振幅波形の振幅の変動の様子を示す図である。
【図8】振動ミラーの振幅波形のオフセットの変動の様子を示す図である。
【図9】振動ミラーの振幅波形の位相の変動の様子を示す図である。
【図10】振動ミラー制御手段の構成を示すブロック図である。
【図11】ビーム検出器と走査されるレーザビームとの関係を示す図である。
【図12】ビーム検出器の出力波形とスレッシュ電圧との関係を示す図である。
【図13】ビーム検出器の受光部に入射するときの振動ミラーの反射面におけるレーザビームの入射状態を示す図である。
【図14】本発明の光走査装置において光学素子の特性が設計どおりのときの主走査ビーム径を像高毎にプロットした図である。
【図15】振動ミラーの駆動周波数と振幅の関係を示す図である。
【図16】本発明に係る画像形成装置の構成を示す断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明に係る光走査装置及び画像形成装置の構成について説明する。
図1は、本発明に係る光走査装置の主要部の構成を示す主走査断面図(上から見た図)であり、図2は、本発明に係る光走査装置の主要部の構成を示す副走査断面図(側面から見た図)である。なおここでは、光走査装置5は、本発明の画像形成装置(図16、後述)内の4つの感光体3Y、3M、3C、3K(以下、符号に対する添字Y,M,C,Kを適宜付け、Y:イエロー、M:マゼンダ、C:シアン、K:ブラックの色に対応する部分として区別するものとする。)が並設された作像部の上方に配置されている装置例であり、理解を容易にするため要部のみ単純化して示している。
【0011】
光走査装置5は、図1,図2に示すように、2つの振動ミラー走査ユニット(以下、走査ユニットという)U1,U2からなっている。ここで、走査ユニットU1,U2の構成は同じであり、走査ユニットU1,U2は装置中心線Cに対して線対称に配置される。以下、走査ユニットU1を代表例にとり詳述する。
【0012】
走査ユニットU1は、レーザビーム(レーザ光ともいう)を出射する少なくとも1つの光源と、前記光源からのレーザビームを偏向走査する振動ミラー(振動ミラー偏向器ともいう)と、前記振動ミラーで偏向走査されるレーザビームを被走査面に向かって集光する走査結像手段と、からなるものであり、詳しくは表裏面に反射面を有する振動ミラー(振動ミラー11)と、前記振動ミラーの表裏面それぞれの側に配置され、それぞれレーザビームを出射して前記振動ミラーの対応する反射面に入射させる2つの光源(光源10M,10K)と、前記振動ミラーで相反する方向に反射されるとともに偏向走査される2つのレーザビームをそれぞれ対応する被走査面に向かって集光する走査結像手段(走査レンズ14M、14K)と、からなる。
【0013】
具体的には、走査ユニットU1は、各色(M,K)に対応する2つの光源10M,10Kと、各光源10M,10Kからのレーザビームを偏向走査する光偏向手段である振動ミラー11と、2つの感光体ドラム3M、3Kの被走査面上に導く走査結像光学系である走査レンズ14M,14Kを備えており、これらの構成部材は光学ハウジング内に収納されている。
【0014】
ここで、振動ミラー11は、走査ユニットU1の略中央に配置され、表面と裏面の両面に反射面を有しており、各々入射されたレーザビームを対向側に偏向走査している。
【0015】
図3に、振動ミラー11の主要部となるミラー基板440の詳細図、図4に、その分解斜視図を示す。
ミラー基板440は、表裏面に反射面(ミラー面)を形成し振動子をなす可動部と、それを支え回転軸をなすねじり梁と、支持部をなすフレームとからなり、Si基板をエッチングにより切り抜いて形成する。
【0016】
本実施例では、SOI(Silicon on Insulator)基板と呼ばれる60μmと140μmとの2枚の基板が酸化膜を挟んであらかじめ接合されたウエハを用いて作製する。まず、140μm基板(第2の基板)461の表面側からプラズマエッチングによるドライプロセスによって、ねじり梁442、平面コイルが形成される振動板443、可動部の骨格をなす補強梁(図示しない)と、フレーム447とを残したそれ以外の部分を酸化膜まで貫通し、次に、60μm基板(第1の基板)462の表面側からKOHなどの異方性エッチングによって、可動ミラー部441と、フレーム447とを残したそれ以外の部分を酸化膜まで貫通し、最後に、可動部周囲の酸化膜を除去して分離し振動ミラーの構造体を形成する。
【0017】
ここで、ねじり梁442、補強梁444の幅は40〜60μmとした。振動子の慣性モーメントIは振れ角を大きくとるには小さい方が望ましく、反面、慣性力によってミラー面が変形してしまうため、本実施例では可動部を肉抜きした構造としている。
【0018】
さらに、60μm基板462の表面側にアルミニウム薄膜を蒸着して反射面441aとなし、140μm基板461の表面側には銅薄膜でコイルパターン463とねじり梁を介して配線された端子464を形成する。当然、振動板443側に薄膜状の永久磁石を備え、フレーム447側に平面コイルを形成する構成とすることもできる。また、反射面441aの反対側にも反射面441bが構成されている。反射面441bは反射面441aの加工プロセスとは別に形成されたミラー部を接着などの方法で可動部に高精度位置決めして密着配置される。なお、反射面441bの光学特性(反射率)、物理特性(密度、ヤング率、熱膨張係数)、形状特性(寸法、厚さ、平面度)は441aと同等の特性とし、初期及び経時温度変動時の走査特性が異ならないような構成としている。
【0019】
実装基板448上には、140μm基板461及び60μm基板462を装着する枠状の台座466と、振動ミラーを囲うように形成されたヨーク449が配備され、上記ヨーク449には可動ミラー端に対向して各々S極とN極とを向かい合わせ、回転軸と直交する方向に磁界を発生する一対の永久磁石450が接合されている。140μm基板461及び60μm基板462は台座466に装着され、端子464間に電流を流すことによりコイルパターン463の回転軸に平行な各辺にローレンツ力が生じ、ねじり梁442をねじって可動ミラー部441を回転する回転トルクTを発生し、電流を切るとねじり梁の戻り力により水平に戻る。
【0020】
従って、コイルパターン463に流れる電流の方向を交互に切り換える(交流信号)ことによって、可動ミラー部441を往復振動させることができる。そして、この電流の切り換える周期を、振動ミラー11を構成する構造体の、ねじり梁を回転軸とした1次振動モードの固有振動数、いわゆる共振振動数f0に近づけると振幅が励起され大きな振れ角を得ることができる。
【0021】
一方、コイルパターン463に直流成分の電流を流す(電圧を印加)ことにより、可動ミラー部441を静的に変化(振幅中心を変化)させることができる。ただし、振幅動作原理に共振現象を利用しているので電流に応じた変化は角度で±1°以内となる。この直流成分を前記交流信号に重畳させることにより、振動ミラー11を振幅(偏向)させながら、振幅中心を変化させることが可能となる。
【0022】
図5は、光学ハウジングへ搭載される形態の振動ミラー11の詳細を示している。ミラー基板440の他、ミラー姿勢を維持固定し、かつ電気接続(電極部473)を行なうためのブラケット471と、ブラケット471を固定し、光学ハウジング(図示しない)に載置される基板472(電気コネクタ474)、で構成される。なお、ブラケット471には反射面441bへのレーザビーム入出射のための開口部471aが設けられている。
【0023】
振動ミラー11は可動部の質量、イナーシャが従来のポリゴンミラーに比べて非常に小さいため駆動部も小型化され、磁気回路の高効率化もあいまって消費電力が低く抑えることができる(ポリゴンミラーの1/50以下)。その結果、発熱が少なくなり書込光学系の光学素子やハウジングの温度上昇も実質的になくすことが可能となることから、特に樹脂製の走査レンズでは局部的な温度分布をもつことなく、カラー画像形成時のレーザビームの走査位置変動を抑え、色ずれの発生を抑制することができる。さらに、可動部の質量、イナーシャが小さいことで共振振動であっても外部へ伝達する振動(質量アンバランスによる振動)が少ない(ポリゴンミラーの1/100以下)ことから、書込光学系の光学素子へ伝達する振動が実質的になくなり、ポリゴンミラー方式で発生していた折返しミラーの振動による画像形成時のバンディング(副走査方向の粗密変動)も解消することができる。
【0024】
なお、図1において、振動ミラー11によって偏向走査されるレーザビーム60の最大振れ角の走査位置を60a、最大振れ角以内に配置されるビーム検出器21の受光部(受光素子)PD1へ入射して出力信号がでるタイミングにレーザビームが走査される位置を60b、感光体3Mへの画像領域の端部を走査する位置を60cとする。
【0025】
ここで、光走査装置5は、図1,図2に示すように、隣接する走査ユニットU1,U2の間であって、主走査方向(振動ミラー11による光束の偏向走査方向、図1では図中上下方向)を長手として配置され、その両端にレーザビームの通過を検出するビーム検出器21,22を保持している基板19を備える。このとき、ビーム検出器21,22の受光部(受光素子)PD1,PD2には、走査ユニットU1からはマゼンタ色成分画像を書込む光束の一部が入射され、走査ユニットU2からはイエロー色成分画像を書込む光束の一部が入射されるようになっている。
【0026】
また、図1の走査ユニットU1において(図中上半分)、振動ミラー11によって偏向走査される光源10Mからのレーザビーム60のうち、感光体3Mへの画像領域の端部の走査位置を60cよりも外側であって、最大振れ角の走査位置60aよりも内側となる走査位置60bのレーザビームが折り返しミラー18aにより、ビーム検出器21の受光部PD1に入射するようになっている。また、図1の下半分においても、同様にレーザビームが折り返しミラー18bにより、ビーム検出器22の受光部PD2に入射するようになっている。
【0027】
上記に述べた振動ミラー方式のメリットを最大限に活かすためには以下の制御が必須であり、好適な実施例を示す。なお、走査ユニットU1の振動ミラー11について詳述するが、走査ユニットU2の振動ミラーについても同じであるので省略する。
【0028】
図6は、本発明の光走査装置における振動ミラーの駆動電圧波形、振幅波形、駆動基準信号、ビーム検出器の出力信号、基準位相クロックの関係を示す図である。
図6(b)は、時間に対する振動ミラー振幅を示したものである。振動ミラー11は共振現象を利用して大きな振幅を発生させるため、振動ミラー11の振幅は時間に対して正弦波状の軌跡を描き、偏向走査されるレーザビームの走査速度が一定ではなく走査位置によって異なることになる(走査レンズがない場合)。このような走査速度でも被走査面上で一定となるように走査レンズ14はf・arcsin特性を有している。
【0029】
ここで、上記特性の走査レンズ14を使用したとしても、図7〜図9に示すような振動ミラー11の振幅ばらつき変動が発生するため、変動を抑制するように各々制御を行っている。振動ミラー11の振動(駆動)周波数が一定でも、図7〜図9のような現象が発生し、理想振幅波形(赤色で示した正弦波形)いずれもレーザビームの走査位置変動となり、画像劣化を発生させることになる。
【0030】
図7は、振幅変動について示したものであり、振幅が目標よりも大きい場合(小さい場合も同じである)、矢印方向に示すような振幅とするために、図6で示したようなビーム検出器21の出力(PD1出力)のタイムインターバルA(図中、A1,A2,・・・A)とビーム検出器22の出力(PD2出力)のタイムインターバルB(図中、B1,・・・B)の演算値が一定となるように制御を行う。具体的には、(A1+B1)/2、(A2+B2)/2、・・・(A+B)/2で複数回の平均化を行い、共振周波数から一義的に決まる制御目標値となるように制御を行う。
【0031】
図8は、振動ミラー11の振幅中心と走査中心の位置関係について示したものであり、走査中心に対して、振幅波形にオフセット(振動ミラーの振幅中心と光走査中心との差異)がある状態を示した例である。図8(a)と図8(b)はオフセット量による違いであり、図8(a)はオフセット量が許容レベルにある状態を示した例であり、図8(b)は許容オフセットを超えている状態を示した例である。
図8(a)の場合、振幅波形のオフセット量は光走査特性であるリニアリティおよびビーム径に影響を与えるが、画像への影響を考慮すると必ずしもオフセット量がゼロである必要はない。具体的には、リニアリティ誤差分は画像情報に基づくレーザビームの点灯タイミングを制御することによりリニアリティの補正を行い、影響を抑制するとともに、ビーム径については影響を抑制するために感光体への静電潜像が同等になるように光量(積分光量)を制御することで、前記オフセットの影響を軽減している。
【0032】
なお、そもそも許容オフセット以内であれば前記制御を行なわないことも可能である。リニアリティの設計値との偏差1%以下、ビーム径で設計値との偏差10%以下となるように許容オフセット量を設定することにより、画像への影響を極力抑制し前記制御を行なわなくとも画像上問題とはならないことが判っている。
【0033】
図8(b)の場合には、前記のとおり許容内に調整(補正)する必要がある。調整する方法は、振動ミラー11の駆動電圧(交流成分)にオフセット量に応じた直流成分を重畳させることにより、主走査方向の姿勢を変化させ、振幅中心を許容オフセット内となるように調整する。また、他の実施例として振動ミラー11の姿勢を変化させる駆動機構により調整することが可能となる。駆動機構は例えば図5の基板472の下面にステッピングモータが配置され(図示しない)、該モータの回転軸と振動ミラー11の振動軸が一致するように配置される。このとき、振動ミラー11が振動軸中心に姿勢(回転)変化することにより許容オフセット内に調整される。ステッピングモータの回転ステップ分解能は少なくとも許容オフセット量の1/2以下に相当する量が必要である。
【0034】
従来は理想的にオフセット量ゼロとするためにオフセット調整を行っており、許容オフセットという許容範囲を設けるのは本実施例特有のことである。従って従来はオフセット調整の際に必要となる直流成分の重畳回路は、図8(b)におけるオフセット量を全て調整できる(ゼロにする)出力電圧を有する性能をもたなければならず、回路が大型化かつ発熱量が大きくなることから光走査装置内の温度が上昇し、光走査特性を劣化させる。さらに、回路大型化に伴うコスト増加の不具合ともなる。また、オフセット調整の際に駆動する電流(電圧)も振動ミラー11の電流定格の上限から、オフセット量に応じて無制限に駆動することはできない(電流定格を超えると素子の破壊となるためである)。
【0035】
図8(b)においてはオフセットを許容オフセット内へ調整するために(矢印方向に示すように)、図6で示したようなPD1出力のタイムインターバルAとPD2出力のタイムインターバルBの演算値が一定となるように制御を行う。具体的にはA1−B1、A2−B2、・・・A−Bで数回の平均化を行い、図10の比較器81aで許容オフセット以内か否かを判断し、許容以内であれば制御せず、許容オフセットを超えた場合に限りオフセット制御を行う。
【0036】
図9は、振動ミラー11の振幅波形の位相変動について示したものであり、図に示すような基準位相クロック信号(波形は図示しない)との位相変動が生じても矢印方向に示すような位相とするために、図6で示したような振動ミラー11を駆動するための信号を生成する基準位相クロックとPD1出力のタイムインターバルC(図中、C1,C2,・・・C)の位相が一定となるように制御を行う。具体的にはC1、C2・・・Cで複数回の平均化を行い、目標値である零となるように制御を行う。タイムインターバルCをカウントするビーム検出器21の出力は画像形成領域の直前のタイミングである出力(Aの後端側)が好適である。位相を合わせるのは画像の書き始め側直前の方(Aの後端側)が精度が高く、Aの前端側の場合、Aの時間内に位相変動により画像形成時の位相精度が低下するからである。
【0037】
図7、図8(b)の実際の振幅状態(実線)のように、理想振幅または許容オフセットを超えると、理想となる走査速度と異なる現象であるため、主走査方向の走査位置ずれとなる。たとえば主走査方向のジター(縦線ゆらぎ)、主走査倍率誤差という画像劣化を引き起こし、これは混色するカラー画像に限らず単色のモノクロ画像でも共通の課題である。
【0038】
一方、図9の基準位相クロックからの位相変動は、カラー画像形成時には特有の問題となる。図1に示したように、単一の振動ミラー11が画像信号に応じて各色の光源10から出射されるレーザビームを各色毎の感光体3へ走査するわけであるが、位相変動が発生すると各色のレーザビームの偏向走査位置が変ってしまうため画像上(中間転写ベルト上)は副走査位置の変動となり色ずれ、色むらの発生となる。
【0039】
光源10は、図1において、半導体レーザとカップリングレンズにより構成される「光源装置」であり、画像形成のための各色(マゼンタ(M)、ブラック(K)、イエロー(Y)、シアン(C))に対応するよう配置されている。光源10は、各色の光源10M,10K,10Y,10Cの総称である(他の部品もこれに準ずる)。図1の走査ユニットU1では、光源10M,10Kが振動ミラー11の表裏面それぞれの側に振動ミラー11を挟んで対向して配置され、光源10M,10Kの2つの半導体レーザが、それぞれ、M(マゼンタ)、K(ブラック)の各色成分画像を書込むための光束を振動ミラー11の対応する反射面に水平入射するように放射する。ついで、各半導体レーザから放射される光束は、カップリングレンズにより以後の光学系に適合する光束形態(平行光束あるいは弱い発散性もしくは集束性の光束)に変換され、シリンドリカルレンズ12M,12Kにより副走査方向に集束されて偏向走査手段である振動ミラー11の偏向反射面(反射面441a,441b)近傍に主走査方向に長い線像として結像される。
【0040】
振動ミラー11では、光源10M,10Kからの光束は、相反する方向に反射されるとともに偏向走査される。例えば、振動ミラー11の振動により対向側に偏向走査された2色分の偏向光束のうち、マゼンダ側の光束は走査結像光学系の走査レンズ14Mを透過する。マゼンダ成分画像を書込む光束はミラー16Mを介して、被走査面の実態を成すドラム状の光導電性の感光体3M上の被走査面に光スポットとして集光し、感光体3Mの表面を矢印方向に光走査される。また、ブラック側の光束は走査結像光学系の走査レンズ14Kを透過する。ブラック成分画像を書込む光束はミラー16Kを介して、被走査面の実態を成すドラム状の光導電性の感光体3K上の被走査面に光スポットとして集光し、感光体3Kの表面をマゼンダ側の光束と同じ方向(矢印方向)に光走査される。
【0041】
走査レンズ14M,14Kの材質は非球面形状が容易かつ低コストなプラスチック材質からなり、具体的には低吸水性や高透過率、成形性に優れたポリカーボネートやポリカーボネートを主成分とする合成樹脂が好適である。
【0042】
走査ユニットU2では、イエロー、シアンの各色成分画像を書込む光束もそれぞれ上記と同様に、振動ミラー11で反射、偏向走査され、レンズを透過、感光体上に光スポットとして結像し、各色とも同一の矢印方向に走査されるように、往復振動している振動ミラー11の振動方向に合わせて画像データの光源変調駆動を制御している。なお、走査ユニットU2の各色に相当する光学素子等には番号は付記していないが、マゼンダの略意である「M」、ブラックの略意である「K」が番号後に付されている部品はイエロー、シアンとも光学的な同位置に配置されている。
【0043】
ところで、本実施例以外に光偏向器を挟んで対向する被走査面上を各々走査方向が逆向きになる光走査装置が従来より実現されている。特に光偏向器がポリゴンミラーのように回転モータを使用している場合は前記走査方向が逆向きとなることが避けられない。走査方向が逆向きの場合、副走査方向に一定速度で移動するので光偏向器を挟んで対向する走査線の傾き差が原理的に発生する。本実施例では全ての被走査面に対して同じ方向に走査するため各被走査面で走査線傾きがあっても全て同方向となり、傾き差は発生せず色ずれには現れない。このような光偏向器を挟んで対応する被走査面上を全て同方向にすることができるのは往復動作可能な振動ミラー方式特有の効果である。
【0044】
なお、原理的に発生する走査線傾きは、副走査方向の画素密度と主走査の有効走査期間率によって決まる。本実施例の場合、副走査方向の画素密度600dpi(=42.3μm)、有効走査期間率0.2で走査線傾き量は42.3×0.2=8.5μmとなる。ただし、全て同方向に8.5μm傾いているので色ずれにはならない。一方、ポリゴンミラー方式の場合、副走査方向の画素密度600dpi(=42.3μm)、有効走査期間率0.6で走査線傾き量は42.3×0.6=25.4μmとなる。この傾き量は図1のような光偏向器を挟んで対向する被走査面を有する場合には傾き方向が逆になるため走査中央は一致するものの両端部は25.4×2倍=50.8μmの色ずれとなる。この色ずれを対策するために従来は光学素子の姿勢を傾かせる機構を設け、走査線の傾き補正を行っている。本実施例では原理的に発生する走査線の傾き補正機構は搭載していない。
【0045】
画像形成装置では、この光走査により各感光体に対応する色成分画像の静電潜像が形成される。これら静電潜像は、現像装置により対応する色のトナーで可視化され、中間転写ベルト上に転写される。転写の際、各色トナー画像は互いに重ね合わせられカラー画像を構成する。このカラー画像はシート状記録媒体上に転写され、定着されるようになる。
【0046】
以上説明したように、図1に示した光走査装置は、カラー画像を構成する4つの色成分画像に対応する複数の光源10から放射された各光束を、偏向走査手段である複数の振動ミラー11により同一方向に偏向走査し、各々の走査結像手段に設けられた走査レンズ14により、各色成分画像に対応する被走査面に向かって走査結像手段により集光させるものである。
【0047】
なお、本実施例では、光源10から出射されたレーザビームは振動ミラー11の反射面に対して表裏ともに回転軸に対して直交するように入射している(反射面の法線に対して平行:所謂、水平入射光学系)。従来の振動ミラーを用いた光走査装置では、振動ミラーの反射面に入射する各色のレーザビームは副走査方向に対して、所望の角度を有している(所謂、斜入射光学系)ため被走査面上での走査線曲がりが大きく発生し、かつ色毎に異なる斜入射角に応じてレーザビーム径が異なり画像の劣化や走査線曲がり補正機構を設けるなど装置の複雑化も招いていた。また、4色分の走査ビームが振動ミラーの反射面に対して全て同じ側(反射面が一面なので、反射面側の片側のみ)とレイアウトされるため、特に光路分離や折り返しのための光学素子が片側に集中レイアウトし光走査装置全体の高さが大型化するといった課題もあった。
【0048】
本実施例では反射面一面に対して、1色分のレーザビームしか入射させていないので(表裏に反射面を有する振動ミラーを2つ用いて、4つの反射面にそれぞれ1色分のレーザビームを入射させる構成であるため)、斜入射させる必要が無く、光学素子の集中的なレイアウトを回避して小型化を実現できるとともに走査線曲がりの発生を抑制できる。
【0049】
また、本実施例の走査光学系は、各色ごとに走査レンズ14の結像素子一つで構成されており、振動ミラー11への水平入射光学系とすることにより、従来の斜入射で必須となっていた複数枚の走査レンズを単数化が実現できる。水平入射とすることにより、斜入射光学系で発生する走査線曲がり補正機能やポリゴンスキャナ方式で必要な面倒れ補正機能を本実施例の走査レンズに負荷する必要が無いので、走査レンズを簡素化できる。
【0050】
ところで、本実施例では、振動ミラー11を走査ユニットU1,U2ごとに少なくとも1つずつ用いており、走査ユニットU1,U2間で振動ミラー11の振動周波数と振動振幅を合致させる必要があるが、本発明ではつぎのような構成とすることにより課題を解決している。
すなわち、本発明の光走査装置5は、隣接する走査ユニットU1,U2に共通のものとして配置され、隣接する走査ユニットU1,U2それぞれにおいて偏向走査された所定のレーザビームの通過を検出するビーム検出器21,22と、ビーム検出器21,22の検出結果に基づいて、隣接する走査ユニットU1,U2それぞれの振動ミラー11の駆動を制御する制御手段(振動ミラー制御手段、図10)と、を備えることを特徴とするものである。
【0051】
また、複数の振動ミラー11の振動周波数に対しては、図10に示すように駆動周波数fDを同一とし同じ信号源から複数の振動ミラー駆動(正弦波)信号生成部119,219に入力し、たとえ振動ミラー毎の共振周波数が異なっていても振動周波数を同じとすることができる。なお完全に一致した共振周波数を有する振動ミラーを製作するには加工プロセスの管理が非常に厳しく、歩留まりが悪く高価となり実用的でない。本実施例では、あえて異なる共振周波数の振動ミラーを複数用いて安価に実現できる。ここで異なる周波数とは3000Hzの共振周波数の場合において±0.3Hz以上(すなわち±0.01%、ポリゴンスキャナ方式の回転数精度に相当)以上をいう。
【0052】
一方、振動振幅の合致については、図10に示すような制御系で各々の振動ミラー11の振幅制御を行う(詳細は後述)。ただし、制御系以外に振幅を検出する検出系も重要である。異なる走査光学系において同じ振幅を検出するために、図1、図5に示すようにビーム検出器21,22内の受光部(受光素子)PD1,PD2の配置と複数のビーム検出器間隔を同じとなるような構成としている(詳細は後述)。
【0053】
図11に、本実施例におけるビーム検出器と該ビーム検出器を通過するレーザビームとの関係を示す。なお、ここではビーム検出器21を例に説明するが、ビーム検出器22も同様である。
ビーム検出器21は、図11(a)に示すように、PINフォトダイオードからなる受光部PD1と回路部402b、ICリード402cで構成されICとして樹脂からなるレーザビーム透過部材にて1パッケージ化されている。
【0054】
受光部PD1は、PD1MとPD1Yの上下2つの受光面を有しており、受光面PD1Mには走査ユニットU1からのM(マゼンダ)の走査ビーム、受光面PD1Yには走査負ニットU2からのY(イエロー)の走査ビームが各々走査されるように配置されている。また、受光部PD2は、走査ユニットU1からのM(マゼンダ)の走査ビームが走査される受光面PD2Mと、走査ユニットU2からのY(イエロー)の走査ビームが走査される受光面PD2Yの上下2つの受光面を有している。
【0055】
なお、2つの受光面PD1M及びPD1Y、PD2M及びPD2Yは単一の受光部を分割(半導体プロセスを使用して、上下の境界部に10μm以下の微小な幅の無受光部を形成し、単一の受光部を電気的に上下に分断する)し、受光部における主走査方向の端縁が上下で一致するようにしている(端縁ずれ5μm以下)。
【0056】
走査端が一致するようにしているので、図1のように走査領域2箇所に設置したビーム検出器21,22の配置精度が走査ビーム毎に高精度に合致させることができる。合致させることにより、振幅制御における振幅量が高精度に検知でき、走査ユニットU1,U2間すなわち各色における偏向走査特性を高精度に合致させることが可能となる。なお、振幅制御に用いる振幅量の検知が各色毎に異なった状態で振幅制御を行っても、各色における偏向走査特性が異なることになり、カラー画像形成時には色ずれとなってしまう。
【0057】
本実施例のように2つのビーム検出器21,22が単一の基板19に実装され、かつビーム検出器21,22のパッケージ内で受光面PD1M及びPD1Y、PD2M及びPD2Yがそれぞれ精度よく隣接しているので、環境温度変化においてもビーム検出器21,22の間隔は走査ビーム毎に合致させることができる。ビーム検出器21,22が隣接する走査ユニットU1,U2に共通のものとして配置されているとは、この構成を意味する。したがって、振動ミラー11が異なっていても厳密に同じ振幅量で一定制御することが可能となる。
【0058】
なお、単一の受光部を分割する本実施例とは異なり2つの別体の受光部を隣接配置する場合、配置精度が悪く、また受光感度等の特性のばらつきが発生し易く(本実施例のように単一の受光面の分割であれば、全く同じ半導体プロセスを経ているので受光感度等の特性ばらつきは実用上発生しない)、したがって振幅量の高精度検出は困難である。
【0059】
また、回路部402bは、受光面PD1M,PD1Yそれぞれからの出力信号を増幅する増幅回路と、波形整形するコンパレータ回路からなっており、受光部を走査ビームが通過することにより、図11(b)に示す出力信号を発生させる(実際は受光面PD1M,PD1Yに対応した2つの出力端子をもつ。出力信号の図は受光面PD1Mの例であり、受光面PD1Yの例は省略している)。
【0060】
なお、受光部PD1は図1に示したように感光体面上を走査されるレーザビームと光学的に等価(ビーム径および走査速度)となる位置に配置されることが検出精度向上のため好適であるが、主走査方向の同期検出に使用する場合は受光面内(PD1MまたはPD1Yの面積内)のビーム径となるようにしているのでビーム検出には実用上問題ない。実施例では、折り返しミラー18a,18bを介して受光部PD1,PD2内をレーザビームが走査する構成としており、光学ハウジングの薄型化レイアウトを達成している。
【0061】
また、受光部PD1、PD2の受光面に対して、2つの走査ビームの入射角度(主走査方向、副走査方向ともに)および光量は各々一致させて受光面内を往復走査させており、走査ビームと受光素子の光学的な位置関係を一致させている。入射角度が一致していないとパッケージの樹脂を透過する際に迷光の発生や受光面の入射角感度の影響を受け、ビーム検出器21,22の出力タイミングが変化してしまうといった不具合を解消している。
【0062】
図11(a)において、走査ビームの点線の領域は光源が消灯(またはフレア光が受光素子内、感光体面上の潜像を形成するレベルの光量とならない程度に減光)されている様を描画している。振動ミラー11の最大振れ角と受光素子近傍の間の領域内で光源が発光していると光走査装置内に配置された光学部品の乱反射に起因するゴースト光を発生させ、受光部へ光学ノイズとなるためビーム検出タイミングが乱れ、制御上の誤動作、不安定となってしまう。この問題が起きないように、予め前記タイミングにて消灯(またはゴースト光が受光素子内、感光体面上の潜像を形成するレベルの光量とならない程度に減光)するように設定されている。消灯または減光は半導体レーザからなる光源を長寿命化すること、光源の温度上昇を低減する効果も合わせて奏することができる。なお、受光素子近傍とは、前記コンパレータ出力に影響を与えずに、ビーム検出器21,22からの出力信号が正常に検知できる発光タイミングとなる走査位置のことを意味する。
【0063】
図12は、受光素子(受光面)の出力波形とスレッシュ電圧との関係を示している。光学素子の反射率や透過率の低下(経時劣化)の際に光量が低下するとコンパレータ出力を決定するスレッシュ電圧への立上時間が長くなる(傾きが緩くなる)ため、誤った検出を行ってしまう懸念がある(通常光量の場合(図12の実線)に対して、光量低下の場合(図12の点線)、出力タイミングtが遅れてt´となる)。そこで、受光面(受光素子)PD1Y,PD1Mを走査する際に常に一定の光量となるように光源を制御することにより上記問題を解決している。
【0064】
図13は、図1のビーム検出器21,22を実装する基板19の要部を拡大した図である。図13(a)がビーム検出器21側(ビーム走査上流側)、図13(b)がビーム検出器22側(ビーム走査下流側)を示している。
【0065】
走査ユニットU1と走査ユニットU2の構成は同じであるが、ユニットの配置は装置中心線Cに対して線対称に配置される(図1)。線対称に配置する理由は、ビーム検出器21,22の受光部PD1,PD2を各々走査するときのM(マゼンダ)側とY(イエロー)側の光学特性(ビーム径、光量)が初期および経時(温度変動時)においても同じとなるようにするためである。線対称に配置することにより、振動ミラー11の反射面における入射角と走査ビームの主走査位置の関係が互いに同じ関係とすることができる。例えば、図13(a)において、受光部PD1への入射ビームに関する振動ミラー11の反射面における入射角は、走査ユニットU1,U2ともにθ1であり、図13(b)において、受光部PD2への入射ビームに関する振動ミラー11の反射面における入射角は、走査ユニットU1,U2ともにθ2である。
【0066】
なお、線対称ではなく、走査ユニットU2が点(回転)対称に配置された場合、Y(イエロー)の走査ビーム特性はビーム検出器21側とビーム検出器22側が入れ替わる(図1の図面では上下反転)ことになり、ビーム径や光量の各々の特性が異なってしまい受光素子(PD)での検出タイミングが異なり振幅検出に影響を与える。
【0067】
図14に、光走査装置5において光学素子の特性が設計どおりのときの主走査ビーム径を像高毎にプロットした曲線を示す。
図14において、曲線41は、振動ミラー11をその像高に静止させた状態と仮定した際の、静止時のビーム径を示している(ここでいう像高の正負方向は、正が図1の図面上方、負を下方とする)。光学的に同じM(マゼンダ)、Y(イエロー)ともに同じ特性曲線となっており、曲線41の像高0におけるビーム径を1として規格化し示した。ビーム径の拡径率は像高±110mmにおいて1.23倍である(正負の像高で対称形をしている)。初期状態である曲線41は正負の像高で対称形をしているが、経時変化、温度環境変化によりその対称性が崩れてくる。図中、曲線41aは変化の上限、41bは変化の下限を示し、この上下限の範囲内でビーム径が変化する。
【0068】
ここで、対称性が崩れても本実施例のように走査ユニットU1,U2が線対称配置の場合であれば問題とはならないが、走査ユニットU1に対して走査ユニットU2が点(回転)対称に配置された場合には、経時変化、温度環境変化が発生すると、ビーム検出器21を走査するときのM(マゼンダ)とY(イエロー)のビーム径が異なることとなる。さらに、反射面への入射角が異なることになるので反射率の違いも発生する(反射率が入射角度依存性を無くすことは実用上非常に困難であり、波長が限定されたり高価である)。その結果、ビーム検出器を走査するときのビーム径変化、光量変化により検出タイミングが異なってしまう(図11(a)参照)。各々の振動ミラー11の振幅量および主走査方向の書き出しタイミングがばらつくと画像形成時には走査ユニットU1と走査ユニットU2間での色ずれが発生するといった不具合となる。
【0069】
図10は、振動ミラー制御手段の構成を示すブロック図である。
図10に基づいて、振動ミラー11の振幅、オフセット、位相制御を実現する振動ミラー制御手段の構成を詳述する。
本実施例の振動ミラー制御手段は、走査ユニットU1の振動ミラー11の制御系100(上の点線枠)と、走査ユニットU2の振動ミラー11の制御系200(下の点線枠)とで構成されている。ここで、制御系100,200は、駆動周波数信号、目標振幅量、許容オフセット量、基準位相クロックを共有している。すなわち、走査ユニットU1,U2それぞれの振動ミラー11は共通の駆動周波数fDで駆動される。
【0070】
以下、制御系100による走査ユニットU1の振動ミラー11の制御について説明する。なお、制御系200による走査ユニットU2の振動ミラー11の制御もこれと同様であり、括弧内にその対応する符号を記載する。
走査ユニットU1の振動ミラー11の駆動により、ビーム検出器21,22を走査するレーザビームにより出力される信号を各々カウンタ111(211),112(212)でタイムインターバルA,Bを計測する。ついで、比較器81a(81b)が演算器113(213)で算出された(A+B)/2の平均と目標振幅を比較し、同様にA−Bの差分の平均を許容オフセット内か否かを比較する。このとき、比較結果が許容内であれば補正せずに出力し、許容外であれば許容内との差分量を調整するように補正制御する。したがって、補正制御後はオフセット量がゼロではなく最大でも許容オフセット量の残差が残ることになる。なお、差分の平均をとる理由は突発的な電気ノイズが混入した場合など誤った情報により制御を行うことを防止するため平均化処理を行っている。なお、平均化の回数は2〜10回の範囲で行われる。10回以上だと制御する補正タイミングが遅くなり、制御偏差が大きくなるためである。
【0071】
コントローラ114(214)は、前記比較結果に応じて振幅およびオフセットの補正量を演算する。ついで、演算器120(220)が正弦波信号生成部119(219)で生成された正弦波を振幅補正量で補正し、さらに演算器121(221)がオフセット補正量で補正する。そして補正された正弦波の駆動信号を振動ミラーの駆動回路(アンプ)110(210)にて増幅され振動ミラー11を駆動制御する。上記制御系ループが振幅およびオフセット制御ループである。なおオフセット制御は振幅制御がされた状態で行なわれる。
【0072】
位相制御ループは、上記振幅、オフセット制御が正常にはたらき各々目標値に対して所望の範囲に入った制御状態において、基準位相クロック信号と振動ミラー11の振れ角が一定の位相となるように位相制御ループを実行する。すなわち、位相制御は振幅およびオフセット制御に対して、高精度な制御であるためすべての制御を同時に実行すると、互いに干渉し駆動信号の変動量が大きくなり全てが制御目標値範囲内に収束するまでに時間を要する。そこで、優先して振幅制御を行い、次にオフセット制御を制御し、そののち微調整として位相制御を行うことで制御範囲内へ収束するまでの時間を短縮することを可能としている。
【0073】
位相制御としては、ビーム検出器21からの出力信号と基準位相クロックの位相偏差(図6(f)におけるタイムインターバルC)を位相比較器115(215)で検出し、カウンタ116(216)にて計測する。計測結果をLPF(Low Pass Filter)117(217))、積分器118(218)で位相偏差に応じた電圧に直流化し、その電圧量に応じて(基準位相クロックと受光部PD1の出力信号との位相偏差(タイムインターバルC)が一定となるように)位相変化させる制御(所謂PLL(Phase Locked Loop)制御)を行う。ついで、正弦波信号生成部119(219)では、駆動周波数fD及び位相変化(θa)に基づいて、予め用意された位相変化量(分解能)の刻みに応じて最適な位相となる正弦波信号が生成される。これにより、振動ミラー11の駆動信号と振動ミラー11の振れ角が一定の位相となるような制御が行われることになる。
【0074】
振動ミラー11の駆動周波数fDについて図15を用いて詳述する。
駆動周波数fDは毎分当りのプリント枚数を実現するための周波数であり、振動ミラー11の共振周波数frと合致することが光走査に必要な振幅量Yを稼ぐことができるので好適である(図15の実線)が、実際は振動ミラー11の共振周波数変動(初期のばらつきも含む)により合致しないことがある。その際には図15で示したように、光走査に必要な振幅量Yとするために、振動ミラー11への入力エネルギー(電圧、電流)を増加させ、fDの周波数でYしか振幅していない振動ミラーの振幅を大きくしYまで(点線)振幅させるという振動ミラー11の振幅制御を行なうこととしている。
【0075】
なお、位相制御に対応する正弦波信号の生成分解能は制御量の許容範囲内以上の高精度が必要となるが、高精度にするほどメモリが必要となるため高コストとなる。したがって、副走査方向の色ずれとして視覚認知される50μm以下となるような正弦波信号の生成分解能を設定している。
【0076】
以上のように、本発明の光走査装置によれば、走査ユニットU1,U2をそれぞれ制御する制御系100,200が駆動周波数信号、目標振幅量、許容オフセット量、基準位相クロックを共有し、ビーム検出器21,22における受光面PD1M,PD2Mの間隔と受光面PD1Y,PD2Yの間隔が常時(初期及び経時(温度変動)時であっても)合致するように配置されていることから、走査ユニットU1,U2では、異なる振動ミラー11であってもそれぞれの走査ビームを振幅量、オフセット量、位相差が合致するように制御することが可能である。その結果、全ての被走査面に対する走査特性を合致させることが可能となる。
【0077】
次に、本発明に係る画像形成装置について説明する。
図16は、本発明に係る画像形成装置であって、図1に示した光走査装置5を用いたカラー画像形成装置である。
複数の感光体3C,3Y,3M,3Kを並列に配置したタンデム型のカラー画像形成装置である。装置上部から順に光走査装置5、現像装置6(6C,6Y,6M,6K)、感光体3(3C,3Y,3M,3K)、中間転写ベルト2、定着装置7、給紙カセット1がレイアウトされている。
【0078】
中間転写ベルト2には各色に対応した感光体3C、3Y、3M、3Kが並列順に等間隔で配設されている。感光体3C、3Y、3M、3Kは同一径に形成されたもので、その周囲には電子写真プロセスに従い部材が順に配設されている。
【0079】
感光体3Cを例に説明すると、帯電チャージャ(図示しない)、光走査装置5から出射された画像信号に基づくレーザビームL1、現像装置6C、転写チャージャ(図示しない)、クリーニング装置(図示しない)等が順に配設されている。他の感光体3Y,3M,3Kに対しても同様である。即ち、本実施の形態では、感光体3C、3Y、3M、3Kを各色毎に設定された被走査面とするものであり、各々に対して光走査装置5からレーザビームL1、L2,L3、L4が各々に対応するように設けられている。
【0080】
帯電チャージャにより一様に帯電された感光体3Cは、矢印A方向に回転することによってレーザビームL1を副走査し、感光体3C上に静電潜像が形成される。また、光走査装置5によるレーザビームL1の照射位置よりも感光体3Cの回転方向下流側には、感光体3Cにトナーを供給する現像器6Cが配設され、シアンのトナーが供給される。現像器6Cから供給されたトナーは、静電潜像が形成された部分に付着し、トナー像が形成される。同様に感光体3Y,3M,3Kには、それぞれY、M、Kの単色トナー像が形成される。
【0081】
各感光体3Cの現像器6Cの配設位置よりもさらに回転方向下流側には、中間転写ベルト2が配置されている。中間転写ベルト2は、複数のローラ2a、2b、2cに巻付けられ、図示しないモータの駆動により矢印B方向に移動搬送されるようになっている。この搬送により、中間転写ベルト2は順に感光体3C、3Y、3M、3Kに移動されるようになっている。中間転写ベルト2は各感光体3C、3Y、3M、3Kで現像された各々単色画像を順次重ねあわせて転写し、中間転写ベルト2上にカラー画像を形成するようになっている。その後、給紙トレイ1から転写紙が矢印C方向に搬送されカラー画像が転写される。カラー画像が形成された転写紙は、定着装置7により定着処理後、カラー画像として排紙される。
【0082】
以上のように、本発明の画像形成装置は、本発明の光走査装置5を備え、全ての感光体3C、3Y、3M、3Kに対する走査ビームの走査特性を合致させるので、常時、色ずれの少ない良好なカラー画像を形成することができる。
【0083】
なお、これまで本発明を図面に示した実施形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0084】
1 給紙トレイ
2 中間転写ベルト
2a,2b,2c,2d ローラ
3,3C,3Y,3M,3K 感光体
5 光走査装置
6Y,6M,6C,6K 現像装置
7 定着装置
10,10K,10M 光源
11 振動ミラー
12K,12M シリンドリカルレンズ
14K,14M 走査レンズ
16K,16M ミラー
18a,18b 折り返しミラー
19 基板
21,22 ビーム検出器
41 曲線
60,L1,L2,L3,L4 レーザビーム
60a,60b,60c 走査位置
81a,81b 比較器
100,200 制御系
110,210 駆動回路
111,112,116,211,212,216 カウンタ
113,120,121,213,220,221 演算器
114,214 コントローラ
115,215 位相比較器
117,217 LPF
118,218 積分器
119,219 正弦波信号生成部
402b 回路部
402c ICリード
440 ミラー基板
441 可動ミラー部
441a,441b 反射面
442 ねじり梁
443 振動板
444 補強梁
447 フレーム
448 実装基板
449 ヨーク
450 永久磁石
455 電極
461,462 基板
463 コイルパターン
464 端子
466 台座
466a 開口部
471 ブラケット
471a 開口部
472 基板
473 電極部
474 電気コネクタ
PD1、PD2 受光部
PD1M,PD1Y 受光面
U1,U2 走査ユニット
【先行技術文献】
【特許文献】
【0085】
【特許文献1】特開2007−171854号公報
【特許文献2】特開2007−233235号公報
【特許文献3】特開2008−15219号公報
【特許文献4】特開2008−70798号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光を出射する少なくとも1つの光源と、前記光源からのレーザ光を偏向走査する振動ミラーと、前記振動ミラーで偏向走査されるレーザ光を被走査面に向かって集光する走査結像手段と、からなる振動ミラー走査ユニットが複数配置され、
隣接する前記振動ミラー走査ユニットに共通のものとして配置され、前記隣接する振動ミラー走査ユニットそれぞれにおいて偏向走査された所定のレーザ光の通過を検出するビーム検出器と、
前記ビーム検出器の検出結果に基づいて、前記隣接する振動ミラー走査ユニットそれぞれの振動ミラーの駆動を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする光走査装置。
【請求項2】
前記振動ミラー走査ユニットは、表裏面に反射面を有する振動ミラーと、前記振動ミラーの表裏面それぞれの側に配置され、それぞれレーザ光を出射して前記振動ミラーの対応する反射面に入射させる2つの光源と、前記振動ミラーで相反する方向に反射されるとともに偏向走査される2つのレーザ光をそれぞれ対応する被走査面に向かって集光する走査結像手段と、からなることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
【請求項3】
前記隣接する振動ミラー走査ユニットそれぞれにおいて、偏向走査される2つのレーザ光のうち、前記ビーム検出器を通過するレーザ光に関する光源を、前記振動ミラーの反射面へのレーザ光入射角と前記被走査面における走査位置の関係が互いに同じとなるように配置することを特徴とする請求項2に記載の光走査装置。
【請求項4】
前記2つの光源から出射されたレーザ光は前記振動ミラーの表裏面ともに該振動ミラーの回転軸に対して直交するように反射面に入射することを特徴とする請求項2または3に記載の光走査装置。
【請求項5】
前記ビーム検出器が複数実装された単一の回路基板が前記隣接する振動ミラー走査ユニットの間に配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光走査装置。
【請求項6】
前記ビーム検出器は、1つの受光素子が電気的に分割されて前記2つの受光面とされたフォトダイオードからなり、前記隣接する振動ミラー走査ユニットそれぞれにおいて偏向走査された所定のレーザ光が前記2つの受光面をそれぞれ通過することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光走査装置。
【請求項7】
前記2つの受光面をそれぞれ通過する2つのレーザ光は、該受光面に対する入射角度および光量をそれぞれ一致させて受光面内を往復走査することを特徴とする請求項6に記載の光走査装置。
【請求項8】
前記ビーム検出器は、前記隣接する振動ミラー走査ユニットそれぞれの振動ミラーの目標振幅に対する振幅変動、該振動ミラーの振幅中心とレーザ光の走査中心との差異、該振動ミラーの振幅波形の基準位相クロックからの位相変動を検出するものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光走査装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記複数の振動ミラー走査ユニットそれぞれの振動ミラーをすべて同じ駆動周波数に基づいて振動させ、前記ビーム検出器の検出結果に基づいて、前記振動ミラーすべての走査特性が合致するように制御することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の光走査装置。
【請求項10】
前記複数の振動ミラー走査ユニットは、全ての被走査面に対して同方向のレーザ光の走査を行うことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の光走査装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載の光走査装置を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図12】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図11】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2012−8244(P2012−8244A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−142565(P2010−142565)
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】