光電子素子及び光導波路を有するプリント回路基板素子
本発明に係るプリント回路基板素子(10)は、光学的に光重合可能な材料層(13)内に埋設された少なくとも1つの光電子素子(1)と、光電子素子(1)と光学的に結合され、光子の照射により光重合可能材料層(13)内に形成された少なくとも1つの光導波路(14)を含み、光電子素子(1)は、その光出力面(3)上に湾曲状の偏向ミラー(5)を備え、出力光(15)を例えば90°の角度偏向する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学的に光重合可能な層形状の材料内に埋設されたVCSEL(垂直共振器表面発光ダイオードレーザ)素子またはフォトダイオード等の少なくとも1つの光電子素子と、光電子素子に光学的に結合され、光子の照射により光重合可能材料内に形成される少なくとも1つの光導波路を含むプリント回路基板素子に関する。本発明は、更に、光透過面を有するVCSEL素子またはフォトダイオード等の光電子素子に関する。
【背景技術】
【0002】
VCSEL(垂直共振器表面発光ダイオードレーザ)素子等の光電子(半導体)素子は、光又はレーザ光線を、基板に対して垂直方向、即ち、素子の望ましい正規の配置方向に直角に射出することがよくある。そのような発光の方向では、光電子素子の構造的な高さは最小になるのに対して、発光方向に直角な方向の寸法は大きく、特に、構造的な素子の厚み寸法の数倍にもなる。このため、このような光電子素子を、光導波路を有するプリント回路基板素子内に集積する場合、光がプリント回路基板素子の主面と平行に発光することが望ましい場合は、基板内への素子の挿入を基板の端部で為す必要があるといった問題が生じる。しかし、このような端部における素子の挿入には、自動的に規格化された挿入を行う場合は実現することができないといった問題がある。更に、素子の接触状態が異なるため、特に、複雑で高価なワイヤボンディング接続が必要である。また、このような基板の端部における素子の挿入では、プリント回路基板素子の厚み方向の寸法が比較的大きくなり、このことは、厚み方向の寸法が一般的には小さい寸法とすることが要請されているので、望ましくない。
【0003】
米国特許出願2003/0156327A号公報に開示の平板状光偏向素子は、平板の主面に直角の湾曲状ミラー面を有しており、例えば、光ファイバケーブル等の別の素子から入射面に供給される光を、平板状光偏向素子の平板内において出力面に対して約90°だけ偏向し、更に別体の素子が光を受光するように構成されている。光電子素子から基板に垂直に照射する光をプリント回路基板素子の平板内に偏向するためには、それをプリント回路基板素子内に配置する場合は、このような光偏向素子もまた、端部に配置する必要がある。また、このような別体の偏向素子を配置することにより、必要な精度で配置しなければならないといった観点からも精巧さ要求される。このような欠点は、特開昭61−133911A号公報に係る構成に備えられた別体のミラー素子についても対応的に当てはまり、ここでは、予め作成されたミラーがLED又は光検出素子に取り付けられた構成である。ドイツ特許出願公開3706255A号公報によれば、光点火性サイリスタは、プリズム又は可撓性の光ファイバに従って曲がるガラス等の、サイリスタから分離された剛体の光検出器を介して供給された光信号を受信する構成である。
【0004】
国際特許出願公開WO01/16630A1号公報に開示の多層プリント回路基板素子では、光電子素子、特に、VCSEL素子が光導波路に接続された構成が開示されている。ここでは、光導波層に隣接したバッファ層に各VCSEL素子を導入する構成であって、VCSEL素子をプリント回路基板内に平坦に配置することを可能にする方法において、光導波層内に平板状の偏向ミラーが傾斜配置され、発光レーザビームを90°の角度だけ偏向して光導波層内に導入することが開示されている。しかし、このような構成形態を使用することは、VCSEL素子およびそれに関連する偏向ミラーの配向は不安定である。更に、面領域状の光導波層が複数のバッファ層の間に設けられ、その中をレーザビームが偏向ミラーによって方向付けられねばならない。従って、このためには狭小のレーザビーム束をVCSEL素子により発生させて、偏向ミラーにより伝導させることも必要となる。
【0005】
光子を吸収する工程により有機又は無機の光学的に光重合可能な材料内に光導波構造を生成することはすでに公知であり、光学材料は、光子の照射を受けながら、光導波未構成の元の光学材料よりも屈折率が大きくなるように部分的に特性が変更される。このことは、例えば、国際特許出願公開WO01/96915A2号公報、WO01/96917A2号公報、米国特許4,666,236号等の光カプラーの説明のなかで開示されている。比較可能な光導波構造をプリント回路基板素子に関連する光学的に光重合可能な材料層内に形成することは、国際特許出願公開WO2005/064381A1号公報にすでに開示されており、本発明の基礎を為す技術が記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
VCSEL素子を含むプリント回路基板素子は、WO2005/064381A1号公報の特に図15に関する説明で記載されているように、ここでは、VCSEL素子は同様にプリント回路基板素子に平坦に集積され、プリント回路基板素子の横方向において垂直上向きに光を照射するように構成されている。レーザビームがプリント回路基板素子の平面内の水平な光導波路内を連続して伝搬することができるように、その公知の技法は、垂直方向の光導波路部分がVCSEL素子と隣接し、光導波路の屈曲部が追従し、水平光導波路内に通過し、そこからプリント回路基板素子の比較的大きな厚み部が再度必然的にもたらされる。そのような構成では、光子を照射する技法は、一般的に、僅かな屈折率の変化をもたらすので、多数の光子を吸収する工程により上記光導波路を形成することについては基本的に問題がある。従って、このような構成の光導波路は、光ファイバと同様の光を束ねる作用のために基本的に好ましいが、比較的大きな曲率を有する湾曲部の周辺部のみで光を伝導することができるだけであるといった欠点がある。従って、光を90°偏向させることは、数ミリメートル乃至数センチメートルの曲率、(即ち、光学材料層の厚み)が必要であり、このためプリント回路基板素子の厚みが大きくなるとった課題がある。
【0007】
更に、例えば、回折光学素子によりVCSEL素子の発散角度を調整するために、光学レンズを複製方法で光電子素子内に生成することは、例えば、ヨーロッパ特許出願公開EP1512993A1号公報やEP1460738A2号公報に開示されている。このために、好適な成形を用いてVCSELウェハ上に複数のレンズを成形する工程と成形処理後に紫外線照射によりレンズ材料を硬化させる工程が採用されている。
【0008】
一方、特開平02−234476号公報では、素子の半導体材料で形成された集積偏向ミラーを有し、光を光ファイバに向けて偏向させるLED半導体素子がすでに提案されている。そのような偏向ミラーの製作はフォトエッチングの技法で行われることは明らかであり、これは半導体技術分野において一般的である。
【0009】
本発明の目的は、最初に説明したように、作成が簡単でコスト効率の良い方法で、素子と、各素子が平坦に配置された表面と平行な光導波路とを含む平板状アセンブリ(組立体)において、光の発光及び受光を可能にし、簡単な規格化された挿入と接触動作及びプリント回路基板素子の全体構成の高さを顕著に小さくすることを可能にする、プリント回路基板素子と光電子素子を提供することである。また、本発明は、光電子素子の領域における偏向と同時に、光を合焦するようにし向けている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的を達成するために、独立請求項で記載したようなプリント回路基板素子と光電子素子を提供するものである。有用な実施形態と更なる展開は従属請求項で記載されている。
【0011】
本発明により提案された技術によって、上記目的は好都合な仕方で達成され、光電子素子とそのような光電子素子を含むプリント回路基板素子が提供され、光電子素子を自動化された工程によってプリント回路基板素子内に挿入する仕方で光を光導波路内に結合(又は、光導波路から素子内に結合)することを可能にし、簡単な接続(例えば、挿入中に導電性接着剤により下側を接続し、及び/又は、その後、μバイアスにより上側を接続する)ことが実行可能となり、更に、顕著に平坦な構成形態とすることができる。これにより、集積偏向ミラーを含む素子を埋設したプリント回路基板の厚みを顕著に低減することが達成されるとともに、コスト効率のよい生産が確保される。また、光の偏向と同時に、偏向ミラーも好都合に、レーザビームを特に光導波路内に合焦させることができ、このことは、前記光子の処理工程を利用した光導波路を形成する技術において特に有用であり、それ自体で有用であり得る。
【0012】
本発明に係るプリント回路基板素子において、光学的アセンブリである偏向ミラーを有する光電子素子が、レンズを含む従来技術に基づいてVCSEL素子に対向するように光学材料内に埋設され、ここでは、回折光学素子とともに動作しているときは、空気を利用することが考えられる。光学的アセンブリ(従来技術ではレンズ、本発明では偏向ミラー)用に一般に使用される光複製材料、例えば、ゾル・ゲル材等は、約n=1.5の屈折率を有する。この約1.5の屈折率は、屈折率がn=1の空気中において、充分なレンズ効果を得るのに役立つであろう。しかし、本発明による技術におけるように、光学システムが同様の約1.5の屈折率を有する光学材料内に埋設される場合は、回折光学素子は使用することができないが、屈折光学素子が適用される。偏向ミラーは、例えば、薄膜金属層を利用することにより、特にその外側面においてミラーとして機能する。光ビームを合焦させることは、非球面のミラーにより都合良く実現される。
【0013】
本発明による偏向ミラーは、例えば90°の角度で光ビームを偏向するとともに合焦するもので、前記国際特許出願公開WO2005/064381A1号公報に詳述されているように、プリント回路基板素子において集積光学接続部品の生成を実施可能にしている。このようなシステムの詳細な説明として、参照により本願に引用された上記国際特許出願公開文献が参照され、特に、光導波路の形成のために使用された公知のTPA(2個の光子の吸収)工程に関しても参照される。
【0014】
偏向ミラーの光学的に透明な材料としては、それ自体公知のレプリカ法において素子半導体ウェハ上に生成し、成形処理の後で紫外線硬化することを可能とするために、特に、紫外線硬化材料が使用される。該材料は、シリコン材またはOrmocer(登録商標)の名前で知られている無機・有機混成ポリマー、即ち、有機的に変質されたセラミック金属、特に、有機ポリマー及びガラス又はセラミックの、シリコンを主成分とする混成ポリマーを含んでもよい。一方、偏向ミラーの透明材料は、また、例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)又はポリスチレン等の単純な熱可塑性又はジュロプラスチック材料であってもよく、又は硬化エポキシ又はポリエステル樹脂であってもよい。偏向ミラーの焦点距離は、例えば、50μmと5000μmの間であり、最大でも5000μmであってもよい。偏向ミラーはその後側においてミラー機能を持たせるための金属薄膜層として、特に、金や銀が使用され、この金属薄膜層の厚みは、例えば、約100nm〜数μmの範囲である。
【0015】
特に、偏向ミラーがレーザビームを束ねたり合焦させる場合は、更に、好都合なことに、形成された光導波路は偏向ミラーの前面からある距離をおいて終端することが可能である。このことは、光子の照射(2個又は多数の光子の吸収)により光導波路を生成する場合に好都合である。その理由は、光子の照射を偏向ミラーや素子に到達する直前においても任意に停止させることができ、素子に対する危険性を除去することができるからである。
【0016】
光学材料層内に光導波路を形成するときに、光学材料層内にすでに埋設された光電子素子をカメラや同様の観察装置で目標化し、その位置に関して検知し、この観察装置を介してレンズ系を含む照射装置を、一方では、射出された光子ビーム、特に、レーザビームの焦点領域を、プリント回路基板素子の平面、即ち、x/y面内に移動するように動作し、他方では、光学材料層内の深さ方向、即ち、z軸方向に関しても同様の調整が行われるように、都合良く光導波路の形成を遂行することができる(WO2005/064381A1号公報参照)。基準素子として各光電子素子を用いることにより、光導波路を、例えば、単純な直線状の光導波路接続構成として、又は、分岐、湾曲や同様の構造、特に、3次元構造さえも有する光導波構造として、光学材料層内に所望の仕方で形成することができる。このようにして形成された光導波路の断面寸法は、例えば、数マイクロメータのオーダーとすることができ、この場合、光導波路の断面形状は、例えば、円形、楕円形、四角形等であってもよく、正確な形状は光子ビームとその焦点制御により決定することができる。
【発明の効果】
【0017】
光導波路を形成するための本発明に係る技術は、好ましくは、それ自体は公知である前述の光子処理工程を利用し、この光子処理工程では、(例えば重合等の)化学反応は、2個(又は複数)の光子を同時に吸収することにより、励起される。そうすることで、励起波長に対する光学材料の光透過性により、容積内の全ての点が到達され、該容積内に3次元構造の書き込みを可能とすることで、非常に小さい焦点領域、即ち、非常に小さな構造寸法を更に達成することができる。また、複数の光子処理は簡単な単一工程の構造化処理で為される。
【0018】
本発明に係るプリント回路基板素子は、マルチモード又は単一モードの導波データの伝送を非常に高速のデータ伝送速度で行うと同時に、大きな設計自由度をもって行うことを可能としている。このようなプリント回路基板素子は、光電子背面又は可撓性プリント回路基板の形態、特に、携帯電話や携帯カメラや同様の電子計算機及び通信装置等において使用される。この観点において、VCSEL素子の特性の特に好適な利用としては、埋設された光導波路内にレーザ光を結合することが含まれ、これにより、小電力の入力による低い発熱状態、最適な照射特性及び低価格であることが特に重要な事項である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
添付の図面を参照しつつ、本発明の実施形態について詳細に説明する。すべての図面において、同一または類似の部分には同一の参照符号を付す。また、本発明の範囲から外れることなく、種々の変更も可能であり、従って、以下の詳細な説明は本発明の範囲を限定する意味のものではなく、本発明の範囲は添付の請求の範囲によって規定される。
【0020】
図1A及び1Bは、従来技術によるVCSELレーザ素子1Aを概略的に示す図であり、該VCSELレーザ素子1Aは、ここでは詳述しないが、VCSELレーザ素子1Aの半導体本体1’の上面に設けられたレーザ発光面3と接続された、例えば、金の材料でできた接触面2を有する。図1Bでは、図示のVCSELレーザ素子1Aから発光されたレーザビームの放射方向を矢印4で示している。
【0021】
図2A(上面図)及び2B(側面図)は、本発明に係る光電子素子、特に、発光する光電子素子の例としての本発明のVCSEL素子1を、図1と同様の比較可能な概略図で示すもので、該素子1は、半導体本体1’と、例えば金の材料でできた接触面2を有し、更に、偏向ミラー5が、VCSEL素子1の半導体本体1’に直接設けられた、図1と同様の構成の、窓形状のレーザ光の発光・伝送面3の上方部に、配置されている。換言すれば、偏向ミラー5は光伝送面3の上部に直接配置されており、この光伝送面3は発光窓3として以下に簡単に説明する。即ち、VCSEL素子1で発生されたレーザ光は前記偏向ミラー5に直接到達し、該偏向ミラー5により偏向されるとともに集束される。これについては、図3を参照して以下に詳細に説明する。
【0022】
偏向ミラー5は、例えば、Ormocer(登録商標)の名前で市販されている無機・有機混成ポリマー等の成形可能な透明材料で作成される。この目的に適した別の材料として、シリコンがある。偏向ミラー5は、図2A及び2Bの組合せから明らかなように、略半球体の半分の形状であり、それの外側又は背面5’で鏡面が施されている。このような鏡面は、例えば、厚みが特に100nm〜数μmの層を有する金又は銀等の材料の薄膜金属層によって実現される。
【0023】
偏向ミラー5の図示の鏡面は、半球形状の断面を有するとともに、他の任意の湾曲形状を有しても良く、一点から他の点に変化する半径を有する非球面のミラーは、特に、プリント回路基板素子内の光導波路内にレーザ光を最適に結合する本願の目的に特に好都合である。
【0024】
図3に、このようなプリント回路基板素子10の概略断面構成が示されている。図示のプリント回路基板素子10は、例えば、従来のFR4基板又は可撓性のプリント回路基板素子が必要な場合はポリイミデ膜形状の基板11を備える。この基板11上に接触面12が、特に、銅の層形状で配置され、この図3に示す接触面は、(通常のフォトエッチング法で)すでに構成されたものが示されている。基板11の上面又は接触面12の上部に光学的に光重合可能材料層13が設けられ、この光重合可能材料層内に光電子素子(VCSEL素子)1が埋設される。この埋設は、素子1を、例えば、接着等で基板11又は接触面12に取り付けることにより、WO2005/064381号公報に記載されたような仕方で行われ、これにより、層13の光学材料が、例えば、ドクターブレードを使用して従来の方法で適用される。
【0025】
この後、光ファイバ形状に構成された光導波路14が、WO2005/064381号公報に記載されたような仕方で、2個の光子の処理を利用して、層13の光学材料の選択的及び制限された照射により、所望の領域に生成され、素子1から発せられて偏向ミラー5で偏向・収束されたレーザ光15を光導波路内に導入し、光結合する。そうすることで、図3に示すように、光導波路14が偏向ミラー5の透明部分の前面側まで直接延びているかどうかは問題ではなく、層13の光学材料内に光導波路14を形成するときに、素子1に不都合な作用を及ぼす危険性を避けるために最小限の距離16が存在するかどうかが重要である。その理由は、レーザ光15の指示された偏向及び収束は、それにも拘わらず、光導波路14内に最適な光結合を実現するからである。光導波路14は素子1と直接的に導通し、距離16が存在しないことも勿論可能で、よくあることである。このような構成もまた、WO2005/064381号公報に開示の構成以外に、後述する図14に係る実施形態としても提供される。
【0026】
図3において、レーザ発光窓3の領域が更に概略図示され、VCSEL素子1の上部接触面2も図示されており、この上部接触面2は、例えば、マイクロバイアレーザ経路(μバイア・レーザボア)17を介して上側プリント回路基板層19の接触面18と電気的に接続される。ここで、上側プリント回路基板層19は、図3にすでに構成されたものとして示す前記接触面18(例えば銅材料のもの)と、例えば、エポキシ樹脂層等の比較的薄い基板である絶縁接着層20を含む構成である。このように、図示のプリント回路基板素子10は多層構造を有し、伝導面を備えた2個の絶縁層が設けられ、接触層は公知の仕方でリソグラフィックに形成され、前記接触面及び伝導性トラック12,18が得られる。図3に示す構成では、VCSEL素子1は、接触面12と電気的に接続された下側接触面と。μバイアレーザ経路17を介して上側接触面18と接続された上側接触面2を有する。
【0027】
別の形態としては、VCSEL素子1がその一方の表面に両方の接触面を有し、図3に示すマイクロバイアレーザ経路17とは比較可能に異なる2個のマイクロバイアレーザ経路を介して、上部から、
プリント回路基板素子10の上側に設けられた互いに別体の伝導性トラック又は接触面と接触される構成も勿論可能であり、これは、図15でも参照される。この場合、VCSEL素子1は、WO2005/064381号公報に記載されているように、基板11の上面に、例えば銅でできた熱拡散層上に配置してもよい。一方、素子1は、その下側に両接触面を備えた構成とし(フリップチップ技術)、これにより、ハンダ付けボールにより基板11上に接触させてもよい。このように、素子1は挿入中にはすでに完全に接触されており、従って、マイクロバイアス経路の介在は不要となる(図14参照)。
【0028】
また、図3に示す構成の場合は、上側接触面又は導電層18を、公知の追加の方法により、絶縁・接着層20は不要とするとともに、上部側の単一のプリント回路基板素子19が不要となるように、光学的に光重合可能な材料の層13の上面に直接形成することも考えられる。
【0029】
本発明のアセンブリにおいて、光電子素子、特に、VCSEL又はフォトダイオード素子1が集積偏向ミラー5を備え、該ミラー5はレーザビーム15を90°の角度で偏向するだけでなく、図3から明らかなように、レーザビーム15を集束し、即ち、レンズの作用を行い、レーザ光を光導波路14内に導入して結合するのに最適化している。
【0030】
このような素子1の上面に集積偏向ミラー5を生成するために、図4〜13に示す技術が好ましくは使用され、例えば、EP1512993A1号公報やEP1460738A2号公報に開示のVCSEL上にマイクロレンズを生成するための公知のレプリカ法と同様の方法で、生成が行われる。ただし、本発明の技術は、更に、例えば、真空蒸着による被膜処理により光学構造又はアセンブリ(即ち、偏向ミラー)の鏡面形成のためにも利用され、このことは図11と12を参照して後述する。
【0031】
詳細には、ウェハ21は、図4から明らかなように、予め形成された複数の光電子素子1、特に、VCSEL素子1をすでに搭載しており、該素子と素子の間には接触領域22が設けられて上記素子を分離している。図4では、詳細には、紫外線透過基板24と該基板24内に設けられた紫外線不透過構造25と紫外線透過成形部材26を含むマスク基板23が、ウェハ21からある距離をおいて、その上方に示されている。マスク23の上方には顕微鏡27が概略図示され、これはウェハ21に関してマスク23を予め調整するものである。
【0032】
図5は、重畳されたマスク23を有し、ウェハ21に略割り当てられた光レプリカ部材28を示し、該光レプリカ部材28は好ましくは公知のゾル・ゲル材の分散部で構成される。
【0033】
図6は、ウェハ21と光レプリカ材28とマスク23及び顕微鏡27より成るアセンブリを示し、マスク23とウェハ21の互いに関連し合う正確な配向が、顕微鏡27により為される。
【0034】
この後、ゾル・ゲル材、即ち、光レプリカ層28には、図7に示すように、紫外線(又は「紫外光」とも呼ぶ)29がマスク23を通して照射され、図示の照射された領域30は所望の偏向ミラー5として形成される(図2と3を参照)。図7において矢印で示す紫外光29による照射により、光レプリカ材28におけるは紫外光照射領域30は硬化される。
【0035】
その後、図8に示すように、マスク23をウェハ21から持ち上げることにより、成形部材からの取り出しが行われ、紫外線の照射及び紫外線硬化処理により形成された領域30は、成形部材31のように、従来の方法で洗浄される。
【0036】
この後、フォトエッチング処理における構造形成が行われ、図9に示すように、光レプリカ材28における紫外線の非照射領域の展開(エッチング、洗浄)処理後の構造が得られる。
【0037】
図10では、フォトリソグラフィによりウェハ21の上部に設けられたフォトレジスト構造32が示され、該フォトレジスト構造32は、次の被膜処理の間、金属接触領域22をマスクする機能を有する。
【0038】
詳細には、図11に概略示すように、レプリカ材の予め紫外線照射及び硬化された領域30について、(金又は銀で)該領域30の湾曲した外側または背面上に真空蒸着することにより、被膜形成が施され、ここで、真空蒸着の向きは、図11に矢印33で示すように傾斜している。このようにして、図12に示す鏡面構成又は金属層5’を備えた構造が得られ、このことから、透明領域30の陰の効果により、フォトレジスト構造32の部分34には真空蒸着は施されていない。
【0039】
図13は、(VCSEL)素子1及び偏向ミラー5が形成されたウェハ21の最終構成を示し、これはフォトレジスト構造32を除去した後で得られる構造である。このウェハ21から、個々の素子1を従来の方法で切断することにより最終的に得られ、このようにして得られた(VCSEL)素子1が図2及び図3に示されている。
【0040】
偏向ミラー5用に使用される材料としては、また、例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、硬化エポキシ又はポリエステル樹脂等の透明の熱可塑性又はジュロプラスチック材が含まれる。このような材料を使用する場合、ウェハ21の上面に設けられた光電子素子の上部に偏向ミラーを生成するときに、図7に示す紫外光29で照射することは不要とすることができる。
【0041】
図14では、プリント回路基板素子10が、図3と同様に、断面形状が示され、図3の構成に対して異なる点は、光電子素子1、特に、VCSEL素子1は、基板11に対面する下側面に2個の接触面(詳細には図示せず)が設けられていることである。これらの接触面を介して、接触面、特に、銅材の面12,12’との電気的接触がハンダ付ボール35により、基板11の上面で形成される。素子1の上面側では接触面はなく、図3に示す構成に対応して、偏向ミラー5が素子1の上面側で光透過面3の上方部に設けられる。この偏向ミラー5は図4〜13で説明したのと同様に構成され、しかも、それは熱硬化性材料、即ち、前述したように適当な透明性を有する熱可塑性又はジュロプラスチック材で作成することもできる。
【0042】
また、図14は、TPA(二光子吸収)処理により内部に光導波路14が形成された光学材料層13を示し、該光導波路14は偏向ミラー5の側端部まで直接延びている構成例であり、この場合、図3に示す離間距離16は、図14に係る実施形態では省略されている。
【0043】
最後に、図15では、図2Aに示す構成と同様に、VCSEL素子1の概略上面図が示され、ここでは、2個の接触面2,2’が素子1の視認される上面側、即ち、その半導体本体1’の上面に設けられ、これら2個の接触面がアノード2及びカソード2’として形成されている。更に、例えば円形の発光窓部3、即ち、略光伝送面3が図15の上面図から明らかであり、該上面図に視認される偏向ミラー5が該窓部3の上方部に設けられる。
【0044】
以上の説明では、VCSEL素子について、本発明の文脈において特に好ましい光電子素子の例として説明しているが、(光発光及び受光用の)他の光電子素子、特に、フォトダイオード等も使用可能であることが望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明により提案された技術によって光電子素子と光電子素子を含むプリント回路基板素子が提供され、光電子素子を自動化された工程によってプリント回路基板素子内に挿入する仕方で光を光導波路内に結合(又は、光導波路から素子内に結合)することを可能にし、例えば、挿入中に導電性接着剤により下側を接続し、及び/又は、その後、μバイアスにより上側を接続することが実行可能となり、更に、顕著に平坦な構成形態とすることができ、集積偏向ミラーを含む素子を埋設したプリント回路基板の厚みを顕著に低減するとともに、コスト効率のよい生産が確保され、また、光の偏向と同時に、偏向ミラーも好都合に、レーザビームを特に光導波路内に合焦させることができるので、光子の処理工程を利用した光導波路を形成する技術において特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1A】従来の光電子素子の例としてのVCSEL素子の上面図である。
【図1B】従来の光電子素子の例としてのVCSEL素子の正面図である。
【図2A】本発明に係る集積偏向ミラーを含むVCSEL素子の比較可能な上面図である。
【図2B】本発明に係る集積偏向ミラーを含むVCSEL素子の比較可能な正面図である。
【図3】本発明による光電子素子、特に、VCSEL素子やそれと光学的に結合された光導波路を含む、本発明に係るプリント回路基板素子部の概略断面図である。
【図4】公知のレプリカ法により半導体ウェハ上に設けられたVCSEL素子上に集積偏向ミラーを生成し、該偏向ミラーの鏡面構成を従来と反対向きに形成する工程を示す図である。
【図5】公知のレプリカ法により半導体ウェハ上に設けられたVCSEL素子上に集積偏向ミラーを生成し、該偏向ミラーの鏡面構成を従来と反対向きに形成する工程を示す図である。
【図6】公知のレプリカ法により半導体ウェハ上に設けられたVCSEL素子上に集積偏向ミラーを生成し、該偏向ミラーの鏡面構成を従来と反対向きに形成する工程を示す図である。
【図7】公知のレプリカ法により半導体ウェハ上に設けられたVCSEL素子上に集積偏向ミラーを生成し、該偏向ミラーの鏡面構成を従来と反対向きに形成する工程を示す図である。
【図8】公知のレプリカ法により半導体ウェハ上に設けられたVCSEL素子上に集積偏向ミラーを生成し、該偏向ミラーの鏡面構成を従来と反対向きに形成する工程を示す図である。
【図9】公知のレプリカ法により半導体ウェハ上に設けられたVCSEL素子上に集積偏向ミラーを生成し、該偏向ミラーの鏡面構成を従来と反対向きに形成する工程を示す図である。
【図10】公知のレプリカ法により半導体ウェハ上に設けられたVCSEL素子上に集積偏向ミラーを生成し、該偏向ミラーの鏡面構成を従来と反対向きに形成する工程を示す図である。
【図11】公知のレプリカ法により半導体ウェハ上に設けられたVCSEL素子上に集積偏向ミラーを生成し、該偏向ミラーの鏡面構成を従来と反対向きに形成する工程を示す図である。
【図12】公知のレプリカ法により半導体ウェハ上に設けられたVCSEL素子上に集積偏向ミラーを生成し、該偏向ミラーの鏡面構成を従来と反対向きに形成する工程を示す図である。
【図13】公知のレプリカ法により半導体ウェハ上に設けられたVCSEL素子上に集積偏向ミラーを生成し、該偏向ミラーの鏡面構成を従来と反対向きに形成する工程を示す図である。
【図14】図3に示す構成と同様の、光電子素子を含むプリント回路基板素子の変形例を示す概略断面図である。
【図15】光電子素子、即ち、VCSEL素子の上側に2個の接触面を有する変形例の、図2Aに示す構成と同様の上面図である。
【符号の説明】
【0047】
1 光電子素子(VCSEL素子)
5 偏向ミラー
10 プリント回路基板素子
11 基板
12 接触面
13 光重合可能材料層
14 光導波路
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学的に光重合可能な層形状の材料内に埋設されたVCSEL(垂直共振器表面発光ダイオードレーザ)素子またはフォトダイオード等の少なくとも1つの光電子素子と、光電子素子に光学的に結合され、光子の照射により光重合可能材料内に形成される少なくとも1つの光導波路を含むプリント回路基板素子に関する。本発明は、更に、光透過面を有するVCSEL素子またはフォトダイオード等の光電子素子に関する。
【背景技術】
【0002】
VCSEL(垂直共振器表面発光ダイオードレーザ)素子等の光電子(半導体)素子は、光又はレーザ光線を、基板に対して垂直方向、即ち、素子の望ましい正規の配置方向に直角に射出することがよくある。そのような発光の方向では、光電子素子の構造的な高さは最小になるのに対して、発光方向に直角な方向の寸法は大きく、特に、構造的な素子の厚み寸法の数倍にもなる。このため、このような光電子素子を、光導波路を有するプリント回路基板素子内に集積する場合、光がプリント回路基板素子の主面と平行に発光することが望ましい場合は、基板内への素子の挿入を基板の端部で為す必要があるといった問題が生じる。しかし、このような端部における素子の挿入には、自動的に規格化された挿入を行う場合は実現することができないといった問題がある。更に、素子の接触状態が異なるため、特に、複雑で高価なワイヤボンディング接続が必要である。また、このような基板の端部における素子の挿入では、プリント回路基板素子の厚み方向の寸法が比較的大きくなり、このことは、厚み方向の寸法が一般的には小さい寸法とすることが要請されているので、望ましくない。
【0003】
米国特許出願2003/0156327A号公報に開示の平板状光偏向素子は、平板の主面に直角の湾曲状ミラー面を有しており、例えば、光ファイバケーブル等の別の素子から入射面に供給される光を、平板状光偏向素子の平板内において出力面に対して約90°だけ偏向し、更に別体の素子が光を受光するように構成されている。光電子素子から基板に垂直に照射する光をプリント回路基板素子の平板内に偏向するためには、それをプリント回路基板素子内に配置する場合は、このような光偏向素子もまた、端部に配置する必要がある。また、このような別体の偏向素子を配置することにより、必要な精度で配置しなければならないといった観点からも精巧さ要求される。このような欠点は、特開昭61−133911A号公報に係る構成に備えられた別体のミラー素子についても対応的に当てはまり、ここでは、予め作成されたミラーがLED又は光検出素子に取り付けられた構成である。ドイツ特許出願公開3706255A号公報によれば、光点火性サイリスタは、プリズム又は可撓性の光ファイバに従って曲がるガラス等の、サイリスタから分離された剛体の光検出器を介して供給された光信号を受信する構成である。
【0004】
国際特許出願公開WO01/16630A1号公報に開示の多層プリント回路基板素子では、光電子素子、特に、VCSEL素子が光導波路に接続された構成が開示されている。ここでは、光導波層に隣接したバッファ層に各VCSEL素子を導入する構成であって、VCSEL素子をプリント回路基板内に平坦に配置することを可能にする方法において、光導波層内に平板状の偏向ミラーが傾斜配置され、発光レーザビームを90°の角度だけ偏向して光導波層内に導入することが開示されている。しかし、このような構成形態を使用することは、VCSEL素子およびそれに関連する偏向ミラーの配向は不安定である。更に、面領域状の光導波層が複数のバッファ層の間に設けられ、その中をレーザビームが偏向ミラーによって方向付けられねばならない。従って、このためには狭小のレーザビーム束をVCSEL素子により発生させて、偏向ミラーにより伝導させることも必要となる。
【0005】
光子を吸収する工程により有機又は無機の光学的に光重合可能な材料内に光導波構造を生成することはすでに公知であり、光学材料は、光子の照射を受けながら、光導波未構成の元の光学材料よりも屈折率が大きくなるように部分的に特性が変更される。このことは、例えば、国際特許出願公開WO01/96915A2号公報、WO01/96917A2号公報、米国特許4,666,236号等の光カプラーの説明のなかで開示されている。比較可能な光導波構造をプリント回路基板素子に関連する光学的に光重合可能な材料層内に形成することは、国際特許出願公開WO2005/064381A1号公報にすでに開示されており、本発明の基礎を為す技術が記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
VCSEL素子を含むプリント回路基板素子は、WO2005/064381A1号公報の特に図15に関する説明で記載されているように、ここでは、VCSEL素子は同様にプリント回路基板素子に平坦に集積され、プリント回路基板素子の横方向において垂直上向きに光を照射するように構成されている。レーザビームがプリント回路基板素子の平面内の水平な光導波路内を連続して伝搬することができるように、その公知の技法は、垂直方向の光導波路部分がVCSEL素子と隣接し、光導波路の屈曲部が追従し、水平光導波路内に通過し、そこからプリント回路基板素子の比較的大きな厚み部が再度必然的にもたらされる。そのような構成では、光子を照射する技法は、一般的に、僅かな屈折率の変化をもたらすので、多数の光子を吸収する工程により上記光導波路を形成することについては基本的に問題がある。従って、このような構成の光導波路は、光ファイバと同様の光を束ねる作用のために基本的に好ましいが、比較的大きな曲率を有する湾曲部の周辺部のみで光を伝導することができるだけであるといった欠点がある。従って、光を90°偏向させることは、数ミリメートル乃至数センチメートルの曲率、(即ち、光学材料層の厚み)が必要であり、このためプリント回路基板素子の厚みが大きくなるとった課題がある。
【0007】
更に、例えば、回折光学素子によりVCSEL素子の発散角度を調整するために、光学レンズを複製方法で光電子素子内に生成することは、例えば、ヨーロッパ特許出願公開EP1512993A1号公報やEP1460738A2号公報に開示されている。このために、好適な成形を用いてVCSELウェハ上に複数のレンズを成形する工程と成形処理後に紫外線照射によりレンズ材料を硬化させる工程が採用されている。
【0008】
一方、特開平02−234476号公報では、素子の半導体材料で形成された集積偏向ミラーを有し、光を光ファイバに向けて偏向させるLED半導体素子がすでに提案されている。そのような偏向ミラーの製作はフォトエッチングの技法で行われることは明らかであり、これは半導体技術分野において一般的である。
【0009】
本発明の目的は、最初に説明したように、作成が簡単でコスト効率の良い方法で、素子と、各素子が平坦に配置された表面と平行な光導波路とを含む平板状アセンブリ(組立体)において、光の発光及び受光を可能にし、簡単な規格化された挿入と接触動作及びプリント回路基板素子の全体構成の高さを顕著に小さくすることを可能にする、プリント回路基板素子と光電子素子を提供することである。また、本発明は、光電子素子の領域における偏向と同時に、光を合焦するようにし向けている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的を達成するために、独立請求項で記載したようなプリント回路基板素子と光電子素子を提供するものである。有用な実施形態と更なる展開は従属請求項で記載されている。
【0011】
本発明により提案された技術によって、上記目的は好都合な仕方で達成され、光電子素子とそのような光電子素子を含むプリント回路基板素子が提供され、光電子素子を自動化された工程によってプリント回路基板素子内に挿入する仕方で光を光導波路内に結合(又は、光導波路から素子内に結合)することを可能にし、簡単な接続(例えば、挿入中に導電性接着剤により下側を接続し、及び/又は、その後、μバイアスにより上側を接続する)ことが実行可能となり、更に、顕著に平坦な構成形態とすることができる。これにより、集積偏向ミラーを含む素子を埋設したプリント回路基板の厚みを顕著に低減することが達成されるとともに、コスト効率のよい生産が確保される。また、光の偏向と同時に、偏向ミラーも好都合に、レーザビームを特に光導波路内に合焦させることができ、このことは、前記光子の処理工程を利用した光導波路を形成する技術において特に有用であり、それ自体で有用であり得る。
【0012】
本発明に係るプリント回路基板素子において、光学的アセンブリである偏向ミラーを有する光電子素子が、レンズを含む従来技術に基づいてVCSEL素子に対向するように光学材料内に埋設され、ここでは、回折光学素子とともに動作しているときは、空気を利用することが考えられる。光学的アセンブリ(従来技術ではレンズ、本発明では偏向ミラー)用に一般に使用される光複製材料、例えば、ゾル・ゲル材等は、約n=1.5の屈折率を有する。この約1.5の屈折率は、屈折率がn=1の空気中において、充分なレンズ効果を得るのに役立つであろう。しかし、本発明による技術におけるように、光学システムが同様の約1.5の屈折率を有する光学材料内に埋設される場合は、回折光学素子は使用することができないが、屈折光学素子が適用される。偏向ミラーは、例えば、薄膜金属層を利用することにより、特にその外側面においてミラーとして機能する。光ビームを合焦させることは、非球面のミラーにより都合良く実現される。
【0013】
本発明による偏向ミラーは、例えば90°の角度で光ビームを偏向するとともに合焦するもので、前記国際特許出願公開WO2005/064381A1号公報に詳述されているように、プリント回路基板素子において集積光学接続部品の生成を実施可能にしている。このようなシステムの詳細な説明として、参照により本願に引用された上記国際特許出願公開文献が参照され、特に、光導波路の形成のために使用された公知のTPA(2個の光子の吸収)工程に関しても参照される。
【0014】
偏向ミラーの光学的に透明な材料としては、それ自体公知のレプリカ法において素子半導体ウェハ上に生成し、成形処理の後で紫外線硬化することを可能とするために、特に、紫外線硬化材料が使用される。該材料は、シリコン材またはOrmocer(登録商標)の名前で知られている無機・有機混成ポリマー、即ち、有機的に変質されたセラミック金属、特に、有機ポリマー及びガラス又はセラミックの、シリコンを主成分とする混成ポリマーを含んでもよい。一方、偏向ミラーの透明材料は、また、例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)又はポリスチレン等の単純な熱可塑性又はジュロプラスチック材料であってもよく、又は硬化エポキシ又はポリエステル樹脂であってもよい。偏向ミラーの焦点距離は、例えば、50μmと5000μmの間であり、最大でも5000μmであってもよい。偏向ミラーはその後側においてミラー機能を持たせるための金属薄膜層として、特に、金や銀が使用され、この金属薄膜層の厚みは、例えば、約100nm〜数μmの範囲である。
【0015】
特に、偏向ミラーがレーザビームを束ねたり合焦させる場合は、更に、好都合なことに、形成された光導波路は偏向ミラーの前面からある距離をおいて終端することが可能である。このことは、光子の照射(2個又は多数の光子の吸収)により光導波路を生成する場合に好都合である。その理由は、光子の照射を偏向ミラーや素子に到達する直前においても任意に停止させることができ、素子に対する危険性を除去することができるからである。
【0016】
光学材料層内に光導波路を形成するときに、光学材料層内にすでに埋設された光電子素子をカメラや同様の観察装置で目標化し、その位置に関して検知し、この観察装置を介してレンズ系を含む照射装置を、一方では、射出された光子ビーム、特に、レーザビームの焦点領域を、プリント回路基板素子の平面、即ち、x/y面内に移動するように動作し、他方では、光学材料層内の深さ方向、即ち、z軸方向に関しても同様の調整が行われるように、都合良く光導波路の形成を遂行することができる(WO2005/064381A1号公報参照)。基準素子として各光電子素子を用いることにより、光導波路を、例えば、単純な直線状の光導波路接続構成として、又は、分岐、湾曲や同様の構造、特に、3次元構造さえも有する光導波構造として、光学材料層内に所望の仕方で形成することができる。このようにして形成された光導波路の断面寸法は、例えば、数マイクロメータのオーダーとすることができ、この場合、光導波路の断面形状は、例えば、円形、楕円形、四角形等であってもよく、正確な形状は光子ビームとその焦点制御により決定することができる。
【発明の効果】
【0017】
光導波路を形成するための本発明に係る技術は、好ましくは、それ自体は公知である前述の光子処理工程を利用し、この光子処理工程では、(例えば重合等の)化学反応は、2個(又は複数)の光子を同時に吸収することにより、励起される。そうすることで、励起波長に対する光学材料の光透過性により、容積内の全ての点が到達され、該容積内に3次元構造の書き込みを可能とすることで、非常に小さい焦点領域、即ち、非常に小さな構造寸法を更に達成することができる。また、複数の光子処理は簡単な単一工程の構造化処理で為される。
【0018】
本発明に係るプリント回路基板素子は、マルチモード又は単一モードの導波データの伝送を非常に高速のデータ伝送速度で行うと同時に、大きな設計自由度をもって行うことを可能としている。このようなプリント回路基板素子は、光電子背面又は可撓性プリント回路基板の形態、特に、携帯電話や携帯カメラや同様の電子計算機及び通信装置等において使用される。この観点において、VCSEL素子の特性の特に好適な利用としては、埋設された光導波路内にレーザ光を結合することが含まれ、これにより、小電力の入力による低い発熱状態、最適な照射特性及び低価格であることが特に重要な事項である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
添付の図面を参照しつつ、本発明の実施形態について詳細に説明する。すべての図面において、同一または類似の部分には同一の参照符号を付す。また、本発明の範囲から外れることなく、種々の変更も可能であり、従って、以下の詳細な説明は本発明の範囲を限定する意味のものではなく、本発明の範囲は添付の請求の範囲によって規定される。
【0020】
図1A及び1Bは、従来技術によるVCSELレーザ素子1Aを概略的に示す図であり、該VCSELレーザ素子1Aは、ここでは詳述しないが、VCSELレーザ素子1Aの半導体本体1’の上面に設けられたレーザ発光面3と接続された、例えば、金の材料でできた接触面2を有する。図1Bでは、図示のVCSELレーザ素子1Aから発光されたレーザビームの放射方向を矢印4で示している。
【0021】
図2A(上面図)及び2B(側面図)は、本発明に係る光電子素子、特に、発光する光電子素子の例としての本発明のVCSEL素子1を、図1と同様の比較可能な概略図で示すもので、該素子1は、半導体本体1’と、例えば金の材料でできた接触面2を有し、更に、偏向ミラー5が、VCSEL素子1の半導体本体1’に直接設けられた、図1と同様の構成の、窓形状のレーザ光の発光・伝送面3の上方部に、配置されている。換言すれば、偏向ミラー5は光伝送面3の上部に直接配置されており、この光伝送面3は発光窓3として以下に簡単に説明する。即ち、VCSEL素子1で発生されたレーザ光は前記偏向ミラー5に直接到達し、該偏向ミラー5により偏向されるとともに集束される。これについては、図3を参照して以下に詳細に説明する。
【0022】
偏向ミラー5は、例えば、Ormocer(登録商標)の名前で市販されている無機・有機混成ポリマー等の成形可能な透明材料で作成される。この目的に適した別の材料として、シリコンがある。偏向ミラー5は、図2A及び2Bの組合せから明らかなように、略半球体の半分の形状であり、それの外側又は背面5’で鏡面が施されている。このような鏡面は、例えば、厚みが特に100nm〜数μmの層を有する金又は銀等の材料の薄膜金属層によって実現される。
【0023】
偏向ミラー5の図示の鏡面は、半球形状の断面を有するとともに、他の任意の湾曲形状を有しても良く、一点から他の点に変化する半径を有する非球面のミラーは、特に、プリント回路基板素子内の光導波路内にレーザ光を最適に結合する本願の目的に特に好都合である。
【0024】
図3に、このようなプリント回路基板素子10の概略断面構成が示されている。図示のプリント回路基板素子10は、例えば、従来のFR4基板又は可撓性のプリント回路基板素子が必要な場合はポリイミデ膜形状の基板11を備える。この基板11上に接触面12が、特に、銅の層形状で配置され、この図3に示す接触面は、(通常のフォトエッチング法で)すでに構成されたものが示されている。基板11の上面又は接触面12の上部に光学的に光重合可能材料層13が設けられ、この光重合可能材料層内に光電子素子(VCSEL素子)1が埋設される。この埋設は、素子1を、例えば、接着等で基板11又は接触面12に取り付けることにより、WO2005/064381号公報に記載されたような仕方で行われ、これにより、層13の光学材料が、例えば、ドクターブレードを使用して従来の方法で適用される。
【0025】
この後、光ファイバ形状に構成された光導波路14が、WO2005/064381号公報に記載されたような仕方で、2個の光子の処理を利用して、層13の光学材料の選択的及び制限された照射により、所望の領域に生成され、素子1から発せられて偏向ミラー5で偏向・収束されたレーザ光15を光導波路内に導入し、光結合する。そうすることで、図3に示すように、光導波路14が偏向ミラー5の透明部分の前面側まで直接延びているかどうかは問題ではなく、層13の光学材料内に光導波路14を形成するときに、素子1に不都合な作用を及ぼす危険性を避けるために最小限の距離16が存在するかどうかが重要である。その理由は、レーザ光15の指示された偏向及び収束は、それにも拘わらず、光導波路14内に最適な光結合を実現するからである。光導波路14は素子1と直接的に導通し、距離16が存在しないことも勿論可能で、よくあることである。このような構成もまた、WO2005/064381号公報に開示の構成以外に、後述する図14に係る実施形態としても提供される。
【0026】
図3において、レーザ発光窓3の領域が更に概略図示され、VCSEL素子1の上部接触面2も図示されており、この上部接触面2は、例えば、マイクロバイアレーザ経路(μバイア・レーザボア)17を介して上側プリント回路基板層19の接触面18と電気的に接続される。ここで、上側プリント回路基板層19は、図3にすでに構成されたものとして示す前記接触面18(例えば銅材料のもの)と、例えば、エポキシ樹脂層等の比較的薄い基板である絶縁接着層20を含む構成である。このように、図示のプリント回路基板素子10は多層構造を有し、伝導面を備えた2個の絶縁層が設けられ、接触層は公知の仕方でリソグラフィックに形成され、前記接触面及び伝導性トラック12,18が得られる。図3に示す構成では、VCSEL素子1は、接触面12と電気的に接続された下側接触面と。μバイアレーザ経路17を介して上側接触面18と接続された上側接触面2を有する。
【0027】
別の形態としては、VCSEL素子1がその一方の表面に両方の接触面を有し、図3に示すマイクロバイアレーザ経路17とは比較可能に異なる2個のマイクロバイアレーザ経路を介して、上部から、
プリント回路基板素子10の上側に設けられた互いに別体の伝導性トラック又は接触面と接触される構成も勿論可能であり、これは、図15でも参照される。この場合、VCSEL素子1は、WO2005/064381号公報に記載されているように、基板11の上面に、例えば銅でできた熱拡散層上に配置してもよい。一方、素子1は、その下側に両接触面を備えた構成とし(フリップチップ技術)、これにより、ハンダ付けボールにより基板11上に接触させてもよい。このように、素子1は挿入中にはすでに完全に接触されており、従って、マイクロバイアス経路の介在は不要となる(図14参照)。
【0028】
また、図3に示す構成の場合は、上側接触面又は導電層18を、公知の追加の方法により、絶縁・接着層20は不要とするとともに、上部側の単一のプリント回路基板素子19が不要となるように、光学的に光重合可能な材料の層13の上面に直接形成することも考えられる。
【0029】
本発明のアセンブリにおいて、光電子素子、特に、VCSEL又はフォトダイオード素子1が集積偏向ミラー5を備え、該ミラー5はレーザビーム15を90°の角度で偏向するだけでなく、図3から明らかなように、レーザビーム15を集束し、即ち、レンズの作用を行い、レーザ光を光導波路14内に導入して結合するのに最適化している。
【0030】
このような素子1の上面に集積偏向ミラー5を生成するために、図4〜13に示す技術が好ましくは使用され、例えば、EP1512993A1号公報やEP1460738A2号公報に開示のVCSEL上にマイクロレンズを生成するための公知のレプリカ法と同様の方法で、生成が行われる。ただし、本発明の技術は、更に、例えば、真空蒸着による被膜処理により光学構造又はアセンブリ(即ち、偏向ミラー)の鏡面形成のためにも利用され、このことは図11と12を参照して後述する。
【0031】
詳細には、ウェハ21は、図4から明らかなように、予め形成された複数の光電子素子1、特に、VCSEL素子1をすでに搭載しており、該素子と素子の間には接触領域22が設けられて上記素子を分離している。図4では、詳細には、紫外線透過基板24と該基板24内に設けられた紫外線不透過構造25と紫外線透過成形部材26を含むマスク基板23が、ウェハ21からある距離をおいて、その上方に示されている。マスク23の上方には顕微鏡27が概略図示され、これはウェハ21に関してマスク23を予め調整するものである。
【0032】
図5は、重畳されたマスク23を有し、ウェハ21に略割り当てられた光レプリカ部材28を示し、該光レプリカ部材28は好ましくは公知のゾル・ゲル材の分散部で構成される。
【0033】
図6は、ウェハ21と光レプリカ材28とマスク23及び顕微鏡27より成るアセンブリを示し、マスク23とウェハ21の互いに関連し合う正確な配向が、顕微鏡27により為される。
【0034】
この後、ゾル・ゲル材、即ち、光レプリカ層28には、図7に示すように、紫外線(又は「紫外光」とも呼ぶ)29がマスク23を通して照射され、図示の照射された領域30は所望の偏向ミラー5として形成される(図2と3を参照)。図7において矢印で示す紫外光29による照射により、光レプリカ材28におけるは紫外光照射領域30は硬化される。
【0035】
その後、図8に示すように、マスク23をウェハ21から持ち上げることにより、成形部材からの取り出しが行われ、紫外線の照射及び紫外線硬化処理により形成された領域30は、成形部材31のように、従来の方法で洗浄される。
【0036】
この後、フォトエッチング処理における構造形成が行われ、図9に示すように、光レプリカ材28における紫外線の非照射領域の展開(エッチング、洗浄)処理後の構造が得られる。
【0037】
図10では、フォトリソグラフィによりウェハ21の上部に設けられたフォトレジスト構造32が示され、該フォトレジスト構造32は、次の被膜処理の間、金属接触領域22をマスクする機能を有する。
【0038】
詳細には、図11に概略示すように、レプリカ材の予め紫外線照射及び硬化された領域30について、(金又は銀で)該領域30の湾曲した外側または背面上に真空蒸着することにより、被膜形成が施され、ここで、真空蒸着の向きは、図11に矢印33で示すように傾斜している。このようにして、図12に示す鏡面構成又は金属層5’を備えた構造が得られ、このことから、透明領域30の陰の効果により、フォトレジスト構造32の部分34には真空蒸着は施されていない。
【0039】
図13は、(VCSEL)素子1及び偏向ミラー5が形成されたウェハ21の最終構成を示し、これはフォトレジスト構造32を除去した後で得られる構造である。このウェハ21から、個々の素子1を従来の方法で切断することにより最終的に得られ、このようにして得られた(VCSEL)素子1が図2及び図3に示されている。
【0040】
偏向ミラー5用に使用される材料としては、また、例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、硬化エポキシ又はポリエステル樹脂等の透明の熱可塑性又はジュロプラスチック材が含まれる。このような材料を使用する場合、ウェハ21の上面に設けられた光電子素子の上部に偏向ミラーを生成するときに、図7に示す紫外光29で照射することは不要とすることができる。
【0041】
図14では、プリント回路基板素子10が、図3と同様に、断面形状が示され、図3の構成に対して異なる点は、光電子素子1、特に、VCSEL素子1は、基板11に対面する下側面に2個の接触面(詳細には図示せず)が設けられていることである。これらの接触面を介して、接触面、特に、銅材の面12,12’との電気的接触がハンダ付ボール35により、基板11の上面で形成される。素子1の上面側では接触面はなく、図3に示す構成に対応して、偏向ミラー5が素子1の上面側で光透過面3の上方部に設けられる。この偏向ミラー5は図4〜13で説明したのと同様に構成され、しかも、それは熱硬化性材料、即ち、前述したように適当な透明性を有する熱可塑性又はジュロプラスチック材で作成することもできる。
【0042】
また、図14は、TPA(二光子吸収)処理により内部に光導波路14が形成された光学材料層13を示し、該光導波路14は偏向ミラー5の側端部まで直接延びている構成例であり、この場合、図3に示す離間距離16は、図14に係る実施形態では省略されている。
【0043】
最後に、図15では、図2Aに示す構成と同様に、VCSEL素子1の概略上面図が示され、ここでは、2個の接触面2,2’が素子1の視認される上面側、即ち、その半導体本体1’の上面に設けられ、これら2個の接触面がアノード2及びカソード2’として形成されている。更に、例えば円形の発光窓部3、即ち、略光伝送面3が図15の上面図から明らかであり、該上面図に視認される偏向ミラー5が該窓部3の上方部に設けられる。
【0044】
以上の説明では、VCSEL素子について、本発明の文脈において特に好ましい光電子素子の例として説明しているが、(光発光及び受光用の)他の光電子素子、特に、フォトダイオード等も使用可能であることが望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明により提案された技術によって光電子素子と光電子素子を含むプリント回路基板素子が提供され、光電子素子を自動化された工程によってプリント回路基板素子内に挿入する仕方で光を光導波路内に結合(又は、光導波路から素子内に結合)することを可能にし、例えば、挿入中に導電性接着剤により下側を接続し、及び/又は、その後、μバイアスにより上側を接続することが実行可能となり、更に、顕著に平坦な構成形態とすることができ、集積偏向ミラーを含む素子を埋設したプリント回路基板の厚みを顕著に低減するとともに、コスト効率のよい生産が確保され、また、光の偏向と同時に、偏向ミラーも好都合に、レーザビームを特に光導波路内に合焦させることができるので、光子の処理工程を利用した光導波路を形成する技術において特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1A】従来の光電子素子の例としてのVCSEL素子の上面図である。
【図1B】従来の光電子素子の例としてのVCSEL素子の正面図である。
【図2A】本発明に係る集積偏向ミラーを含むVCSEL素子の比較可能な上面図である。
【図2B】本発明に係る集積偏向ミラーを含むVCSEL素子の比較可能な正面図である。
【図3】本発明による光電子素子、特に、VCSEL素子やそれと光学的に結合された光導波路を含む、本発明に係るプリント回路基板素子部の概略断面図である。
【図4】公知のレプリカ法により半導体ウェハ上に設けられたVCSEL素子上に集積偏向ミラーを生成し、該偏向ミラーの鏡面構成を従来と反対向きに形成する工程を示す図である。
【図5】公知のレプリカ法により半導体ウェハ上に設けられたVCSEL素子上に集積偏向ミラーを生成し、該偏向ミラーの鏡面構成を従来と反対向きに形成する工程を示す図である。
【図6】公知のレプリカ法により半導体ウェハ上に設けられたVCSEL素子上に集積偏向ミラーを生成し、該偏向ミラーの鏡面構成を従来と反対向きに形成する工程を示す図である。
【図7】公知のレプリカ法により半導体ウェハ上に設けられたVCSEL素子上に集積偏向ミラーを生成し、該偏向ミラーの鏡面構成を従来と反対向きに形成する工程を示す図である。
【図8】公知のレプリカ法により半導体ウェハ上に設けられたVCSEL素子上に集積偏向ミラーを生成し、該偏向ミラーの鏡面構成を従来と反対向きに形成する工程を示す図である。
【図9】公知のレプリカ法により半導体ウェハ上に設けられたVCSEL素子上に集積偏向ミラーを生成し、該偏向ミラーの鏡面構成を従来と反対向きに形成する工程を示す図である。
【図10】公知のレプリカ法により半導体ウェハ上に設けられたVCSEL素子上に集積偏向ミラーを生成し、該偏向ミラーの鏡面構成を従来と反対向きに形成する工程を示す図である。
【図11】公知のレプリカ法により半導体ウェハ上に設けられたVCSEL素子上に集積偏向ミラーを生成し、該偏向ミラーの鏡面構成を従来と反対向きに形成する工程を示す図である。
【図12】公知のレプリカ法により半導体ウェハ上に設けられたVCSEL素子上に集積偏向ミラーを生成し、該偏向ミラーの鏡面構成を従来と反対向きに形成する工程を示す図である。
【図13】公知のレプリカ法により半導体ウェハ上に設けられたVCSEL素子上に集積偏向ミラーを生成し、該偏向ミラーの鏡面構成を従来と反対向きに形成する工程を示す図である。
【図14】図3に示す構成と同様の、光電子素子を含むプリント回路基板素子の変形例を示す概略断面図である。
【図15】光電子素子、即ち、VCSEL素子の上側に2個の接触面を有する変形例の、図2Aに示す構成と同様の上面図である。
【符号の説明】
【0047】
1 光電子素子(VCSEL素子)
5 偏向ミラー
10 プリント回路基板素子
11 基板
12 接触面
13 光重合可能材料層
14 光導波路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学的に光重合可能な層形状の材料(13)内に埋設されたVCSEL(垂直共振器表面発光ダイオードレーザ)素子またはフォトダイオード等の少なくとも1つの光電子素子(1)と、前記光電子素子(1)と光学的に結合され、光子の照射により前記光重合可能材料(13)内に形成される少なくとも1つの光導波路(14)を含み、
前記光電子素子(1)はその光透過面(3)上に湾曲状偏向ミラー(5)を備え、前記湾曲状偏向ミラー(5)は、前記光電子素子(1)からの光線(15)を前記光導波路(14)の方向、またはその逆方向に、例えば、90°の角度で偏向することを特徴とするプリント回路基板素子(10)。
【請求項2】
前記偏向ミラー(5)は前記光電子素子(1)と1個体に形成されたことを特徴とする請求項1に記載のプリント回路基板素子。
【請求項3】
前記偏向ミラー(5)は光線を合焦する屈折ミラーまたは凹面鏡として構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のプリント回路基板素子。
【請求項4】
前記偏向ミラー(5)は光透過材で構成され、ミラー反射後面(5’)を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のプリント回路基板素子。
【請求項5】
前記ミラー反射後面(5’)は例えば金又は銀の金属層で形成されたことを特徴とする請求項4に記載のプリント回路基板素子。
【請求項6】
前記光透過材は、例えば、シリコン又は、例えば、有機的に変質されたセラミック材、特に、有機ポリマーやガラス又はセラミックのシリコンを主成分とする混成ポリマーの無機・有機混成ポリマー等より成る紫外線硬化材であることを特徴とする請求項4または5に記載のプリント回路基板素子。
【請求項7】
前記偏向ミラー(5)は、例えば、ポリカーボネートやポリメチルメタクリレート又はポリスチレン等の光透過性の熱可塑性材料で構成されたことを特徴とする請求項4または5に記載のプリント回路基板素子。
【請求項8】
前記偏向ミラー(5)は、例えば、硬化エポキシ又はポリエステル樹脂等の光透過性のジュロプラスチック材料で構成されたことを特徴とする請求項4または5に記載のプリント回路基板素子。
【請求項9】
前記偏向ミラー(5)は非球面のミラーであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のプリント回路基板素子。
【請求項10】
前記偏向ミラー(5)は5000μm以下の焦点距離を有することを特徴とする請求項3〜9のいずれか一項に記載のプリント回路基板素子。
【請求項11】
前記形成される光導波路(14)は、前記偏向ミラー(5)の前面からある距離(16)だけ離間して終端することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のプリント回路基板素子。
【請求項12】
前記形成される光導波路(14)は、前記偏向ミラー(5)と直接隣接していることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のプリント回路基板素子。
【請求項13】
光透過面(3)を有し、VCSEL(垂直共振器表面発光ダイオードレーザ)素子またはフォトダイオード等より成る光電子素子(1)であって、
光透過材で構成され、ミラー反射後面(5’)を有する偏向ミラー(5)が、成形及び硬化処理により前記光透過面(3)に直接取り付けられ、該偏向ミラーは通過する光線(15)を好ましくは90°の角度だけ偏向することを特徴とする光電子素子(1)。
【請求項14】
前記偏向ミラー(5)は光線を合焦する屈折ミラーまたは凹面鏡として設計されていることを特徴とする請求項13に記載の光電子素子。
【請求項15】
前記ミラー反射後面(5’)は例えば金又は銀の金属層で形成されたことを特徴とする請求項13または14に記載の光電子素子。
【請求項16】
前記光透過材は、例えば、シリコン又は、例えば、有機的に変質されたセラミック材、特に、有機ポリマーやガラス又はセラミックのシリコンを主成分とする混成ポリマーの無機・有機混成ポリマー等より成る紫外線硬化材であることを特徴とする請求項13〜15のいずれか一項に記載の光電子素子。
【請求項17】
前記偏向ミラー(5)は、例えば、ポリカーボネートやポリメチルメタクリレート又はポリスチレン等の光透過性の熱可塑性材料、または、硬化エポキシ又はポリエステル樹脂で構成されたことを特徴とする請求項13〜15のいずれか一項に記載の光電子素子。
【請求項18】
前記偏向ミラー(5)は、例えば、ポリカーボネートやポリメチルメタクリレート又はポリスチレン等の光透過性のジュロプラスチック材料熱可塑性材料、または、硬化エポキシ又はポリエステル樹脂で構成されたことを特徴とする請求項13〜15のいずれか一項に記載の光電子素子。
【請求項19】
前記偏向ミラー(5)は非球面のミラーであることを特徴とする請求項13〜18のいずれか一項に記載の光電子素子。
【請求項20】
前記偏向ミラー(5)は5000μm以下の焦点距離を有することを特徴とする請求項14〜19のいずれか一項に記載の光電子素子。
【請求項1】
光学的に光重合可能な層形状の材料(13)内に埋設されたVCSEL(垂直共振器表面発光ダイオードレーザ)素子またはフォトダイオード等の少なくとも1つの光電子素子(1)と、前記光電子素子(1)と光学的に結合され、光子の照射により前記光重合可能材料(13)内に形成される少なくとも1つの光導波路(14)を含み、
前記光電子素子(1)はその光透過面(3)上に湾曲状偏向ミラー(5)を備え、前記湾曲状偏向ミラー(5)は、前記光電子素子(1)からの光線(15)を前記光導波路(14)の方向、またはその逆方向に、例えば、90°の角度で偏向することを特徴とするプリント回路基板素子(10)。
【請求項2】
前記偏向ミラー(5)は前記光電子素子(1)と1個体に形成されたことを特徴とする請求項1に記載のプリント回路基板素子。
【請求項3】
前記偏向ミラー(5)は光線を合焦する屈折ミラーまたは凹面鏡として構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のプリント回路基板素子。
【請求項4】
前記偏向ミラー(5)は光透過材で構成され、ミラー反射後面(5’)を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のプリント回路基板素子。
【請求項5】
前記ミラー反射後面(5’)は例えば金又は銀の金属層で形成されたことを特徴とする請求項4に記載のプリント回路基板素子。
【請求項6】
前記光透過材は、例えば、シリコン又は、例えば、有機的に変質されたセラミック材、特に、有機ポリマーやガラス又はセラミックのシリコンを主成分とする混成ポリマーの無機・有機混成ポリマー等より成る紫外線硬化材であることを特徴とする請求項4または5に記載のプリント回路基板素子。
【請求項7】
前記偏向ミラー(5)は、例えば、ポリカーボネートやポリメチルメタクリレート又はポリスチレン等の光透過性の熱可塑性材料で構成されたことを特徴とする請求項4または5に記載のプリント回路基板素子。
【請求項8】
前記偏向ミラー(5)は、例えば、硬化エポキシ又はポリエステル樹脂等の光透過性のジュロプラスチック材料で構成されたことを特徴とする請求項4または5に記載のプリント回路基板素子。
【請求項9】
前記偏向ミラー(5)は非球面のミラーであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のプリント回路基板素子。
【請求項10】
前記偏向ミラー(5)は5000μm以下の焦点距離を有することを特徴とする請求項3〜9のいずれか一項に記載のプリント回路基板素子。
【請求項11】
前記形成される光導波路(14)は、前記偏向ミラー(5)の前面からある距離(16)だけ離間して終端することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のプリント回路基板素子。
【請求項12】
前記形成される光導波路(14)は、前記偏向ミラー(5)と直接隣接していることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のプリント回路基板素子。
【請求項13】
光透過面(3)を有し、VCSEL(垂直共振器表面発光ダイオードレーザ)素子またはフォトダイオード等より成る光電子素子(1)であって、
光透過材で構成され、ミラー反射後面(5’)を有する偏向ミラー(5)が、成形及び硬化処理により前記光透過面(3)に直接取り付けられ、該偏向ミラーは通過する光線(15)を好ましくは90°の角度だけ偏向することを特徴とする光電子素子(1)。
【請求項14】
前記偏向ミラー(5)は光線を合焦する屈折ミラーまたは凹面鏡として設計されていることを特徴とする請求項13に記載の光電子素子。
【請求項15】
前記ミラー反射後面(5’)は例えば金又は銀の金属層で形成されたことを特徴とする請求項13または14に記載の光電子素子。
【請求項16】
前記光透過材は、例えば、シリコン又は、例えば、有機的に変質されたセラミック材、特に、有機ポリマーやガラス又はセラミックのシリコンを主成分とする混成ポリマーの無機・有機混成ポリマー等より成る紫外線硬化材であることを特徴とする請求項13〜15のいずれか一項に記載の光電子素子。
【請求項17】
前記偏向ミラー(5)は、例えば、ポリカーボネートやポリメチルメタクリレート又はポリスチレン等の光透過性の熱可塑性材料、または、硬化エポキシ又はポリエステル樹脂で構成されたことを特徴とする請求項13〜15のいずれか一項に記載の光電子素子。
【請求項18】
前記偏向ミラー(5)は、例えば、ポリカーボネートやポリメチルメタクリレート又はポリスチレン等の光透過性のジュロプラスチック材料熱可塑性材料、または、硬化エポキシ又はポリエステル樹脂で構成されたことを特徴とする請求項13〜15のいずれか一項に記載の光電子素子。
【請求項19】
前記偏向ミラー(5)は非球面のミラーであることを特徴とする請求項13〜18のいずれか一項に記載の光電子素子。
【請求項20】
前記偏向ミラー(5)は5000μm以下の焦点距離を有することを特徴とする請求項14〜19のいずれか一項に記載の光電子素子。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2009−536361(P2009−536361A)
【公表日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−508041(P2009−508041)
【出願日】平成19年5月8日(2007.5.8)
【国際出願番号】PCT/AT2007/000216
【国際公開番号】WO2007/128021
【国際公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(505420013)アーテー・ウント・エス・オーストリア・テヒノロギー・ウント・ジュステームテッヒニク・アクチェンゲゼルシャフト (19)
【氏名又は名称原語表記】AT & S AUSTRIA TECHNOLOGIE & SYSTEMTECHNIK AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月8日(2007.5.8)
【国際出願番号】PCT/AT2007/000216
【国際公開番号】WO2007/128021
【国際公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(505420013)アーテー・ウント・エス・オーストリア・テヒノロギー・ウント・ジュステームテッヒニク・アクチェンゲゼルシャフト (19)
【氏名又は名称原語表記】AT & S AUSTRIA TECHNOLOGIE & SYSTEMTECHNIK AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】
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