説明

免疫系不全に関連する疾患の処置および予防に用いられる、アボカドのペプチド抽出物を含んでなる薬剤

本発明は、アボカドのペプチド抽出物を含み、また、アボカド糖の水溶性抽出物などのD−マンノヘプツロースおよび/またはペルセイトール、および/またはルピナスのペプチド抽出物を含む組成物も含み得る薬剤に関する。本発明の薬剤は、炎症反応、刺激状態または不耐性を誘導することなく、抗微生物ペプチド、好ましくはhBD−2の増産により、先天性免疫および/または獲得免疫の変更に関連する疾病を処置および/または予防すること目的とする。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、有利には、免疫不全、より詳しくは先天性免疫の低下に関連する疾患の処置および/または予防のための、アボカドペプチド抽出物を含んでなる薬剤に関する。
総ての動物種は、日々、それらの健康、場合によっては生存をも損なう恐れのある細菌、真菌、寄生生物またはウイルスなどの多数の微生物に曝されている。これらの微生物には、先天性免疫と呼ばれ、ヒトをはじめとする総ての動物に共通している系と、潜在的攻撃者との接触後に細胞や免疫メディエーターによって獲得される、適応または特異免疫系と呼ばれるもう1つの免疫系の2つの防御系が抵抗している。
【0002】
先天性免疫応答と適応免疫応答とは、前記の微生物に対する認識機構に違いが見られる。先天性免疫では、受容体の特異性が生まれた時から遺伝的に決定されていて、不変である。これらの受容体は、いくつかの上皮細胞や内皮細胞、樹状細胞、単球およびマクロファージなどの細胞で発現される。先天性免疫受容体によって認識される総ての構造は、極めて多数の微生物に共通している。適応免疫応答とは対照的に、先天性免疫応答機構(食作用、抗微生物ペプチドなど)は感染が始まって早いうちに活性化され、宿主に侵入する病原体の増殖をほとんど即座に制御する。その後を適応的免疫応答が引き継ぐ。
【0003】
抗微生物ペプチドは、植物界でも動物界でも見つけられており、昆虫からヒトまで500種を超える、異なる抗微生物ペプチドが発見されている。抗微生物ペプチドは小分子(10〜50個のアミノ酸)であり、幅広い種類の微生物(グラム陽性菌および/またはグラム陰性菌、真菌、ウイルス、形質転換細胞)を、それらの細胞膜を透過性にすることにより破壊することができる。さらに、これらの抗微生物ペプチドのうちいくつかのものは、化学誘引性から、樹状細胞またはTリンパ球など、適応免疫に関与する細胞を動員することができる。多数の抗微生物ペプチドが胎脂や羊水、ならびに新生児の皮膚で見つけられているが、このことは、分娩時だけでなく、獲得免疫が未熟である生涯の始まりの時期においても、微生物に対する防御に重要な役割を果たしていることを示唆する。
【0004】
ほとんどの生物は、幅広い活性域を規定するために、種々の上皮で数種類の抗微生物ペプチドを合成する。哺乳類では、微生物との接触の際に生産が誘導される2つの主要なクラスの抗微生物ペプチド、すなわち、カテリシジンとデフェンシンが記載されている。
【0005】
ヒトカテリシジン(LL−37)は、骨髄細胞から初めて単離された。LL−37は、とりわけ、ヒト皮膚、爪の領域、ならびに健康な滑膜および炎症を起こした滑膜の領域(とりわけ関節炎患者の場合)で発現される。LL−37は、幅広い活性域を有し、他の抗微生物ペプチド、とりわけデフェンシンと相乗作用するものと思われる。また、LL−37は化学誘引性を有しており、適応免疫細胞を動員することができる。
【0006】
デフェンシンはそれ自体、二次構造に基づいて、2つのファミリー、すなわちαとβに分けられる。α−デフェンシン(現在分かっているのは6種類)は、主に好中球などの特殊化した細胞の貯蔵顆粒または腸パネート細胞に存在するが、β−デフェンシンの方は上皮組織に特徴的なものである。デフェンシンは、先天性免疫における役割の他、有糸分裂誘発性についても知られており、治癒プロセスの一部を果たしている可能性が示唆される。
【0007】
ヒトでは、現在までに4種類のβ−デフェンシンが確認されている(発明者らのゲノムには、抗微生物ペプチドをコードする遺伝子は20個以上存在していると考えられる)。ヒトβ−デフェンシン1(hBD−1)は、一般に構成的に生産され、肝臓で大半が発現され、膵臓、唾液腺、気道上皮、女性の泌尿生殖器系、健康な滑膜、ならびに胎盤でもわずかながら発現される。hBD−1はまた皮膚でも発現される。β−デフェンシンの他の種類、hBD−2、3および4は誘導性のものである。hBD−3は、例えば、関節疾患のような炎症を起こした滑膜で誘導される。hBD−2の発現は、これまでのところ、皮膚、泌尿生殖路、汗腺および毛包皮脂腺単位において報告されている。
【0008】
皮膚では、エラスターゼ/SKALP/エラフィンの特異的阻害剤であるアドレノメデュリン、シスタチンなどの他のペプチドまたはタンパク質が抗微生物活性を有すると思われる。最近になって、デルミシジン(dermicidin)(広域活性を有する)が皮膚に特異的な抗微生物ペプチドであると特徴付けられた。この抗微生物ペプチドはエクリン汗腺において生成されると思われ、汗とともに分泌されると、局部および全身感染に対する先天性的防御系の重要な役割をなしていると考えられる。hBD−2は、初めて、乾癬鱗屑において特徴付けられた。hBD−2ならびにLL−37の発現は乾癬病変で高まることから、この病態を有する患者の感染への抵抗性が高くなることが説明される。これに対し、アトピー性皮膚炎(慢性病変および出芽病変)では、アトピーのメディエーターであるインターロイキン−4(IL−4)とインターロイキン−13(IL−13)の影響を下で、LL−37とhBD−2の発現が低下する。この不全によってアトピー性皮膚炎患者の感染に対する感受性の上昇を説明することができる。座瘡では、P acnesの増殖に対する反応としてβ−デフェンシン(hBD−1および2)の発現が高まる。さらに、座瘡患者は初期に細菌増殖に関与する抗微生物ペプチドの平衡異常に苦しむと考えられる。その代償に、これらの細菌は先天性的免疫防御を刺激する。
【0009】
そのため、炎症は抗微生物ペプチドの誘導における主要な因子であると思われる。従って、インターロイキン−1、TNF−α(腫瘍壊死因子α)および紫外線照射がhBD−2の産生を刺激することも示されている。また、hBD−2の発現は、ケラチノサイトの分化状態にも関連している。従って、とりわけデフェンシンファミリー内の抗微生物ペプチド、さらに詳しくはhBD−2の産生が刺激されることで、特に眼および上皮(表皮、膣、腸、鼻腔および耳の粘膜、気道)の先天性免疫の増強および/または再確立が可能となる。
【0010】
口腔は、常に多様な種類の微生物(細菌、ウイルス、真菌)に向かって開かれている。他の要因の中でも、アクチノバチルス・アクチノミセテムコミタンス(actinobacillus actinomycetemcomitans)、ポルフィロモナス・ギンギバリス(Porphyromonas gingivalis)などの細菌が、歯周病(歯肉炎および歯周炎)の発症に関与する重要な要因であることはよく知られている。歯肉上皮は、口腔領域内に見られる種々の病原体に対する第1のとりでとなる。歯肉ケラチノサイトはそれ自体、広範な抗微生物ペプチドパネル、hBD−1、−2、−3、LL−37を産生する。また、これらのペプチドは、頬粘膜においてや唾液腺によっても産生される。
【0011】
さらに詳しくは、抗微生物ペプチドの刺激によって、一般に免疫が十分でない新生児や小児の健康な皮膚または病的状態の皮膚や、健康であるかないかに関わらず、成人または高齢者の皮膚(免疫抑制状態)において先天性免疫の増進および/または回復が可能となる。よって、この刺激により、有利には角質層(角質細胞+細胞間質)からなる皮膚の受動防御系が補填され、健康であるかないかに関わらず、新生児、小児、成人および高齢者において適応免疫応答の具備が可能となる。同様に、このような刺激により、治癒の加速化も可能となる。
【0012】
驚くべきことに、発明者らは、アボカドペプチド抽出物を含んでなる組成物によって、抗微生物ペプチド、有利にはhBD−2の増産が可能となることを見出した。
よって、本発明の目的は、アボカドペプチド抽出物を含んでなる薬剤であり、この薬剤はペプチド抽出物の乾燥体重量に対して2〜10重量%のα−アミノ化窒素と適当な賦形剤とを含有する。
【0013】
本発明において、「α−アミノ化窒素」とは、遊離α−アミノ化基の形態にあるペプチドの窒素含量を意味する。ペプチドのα−アミノ化窒素含量を測定すれば、タンパク質の加水分解度ならびにペプチドの平均分子量が推定できる。
【0014】
アボカドペプチド抽出物は、果実、果皮、核、樹の葉または根などのアボカドまたはアボカドの樹のいずれの部分からでも直接得ることができる。また、アボカド加工工業の副産物からアボカドペプチド抽出物を得ることもでき、中でも、アボカド生果果肉、急速冷凍または脱水果肉、オイル抽出工程(予め脱水した果実の機械的抽出および/または溶媒抽出)からのアボカドケーク、湿式オイル抽出工程(いわゆる遠心分離工程)からの脱油固形物、酵素的アボカドオイル抽出工程からの脱油固形物、生のアボカドマッシュ(グアカモーレ)、これらのマッシュ産物を製造する植物からの固形廃棄物が挙げられる。抽出物はアボカドの樹の生果から得るのが有利である。果実はハス種(Hass)、フェルテ種(Fuerte)、エッチンジャー種(Ettinger)、ベーコン種(Bacon)、ナバル種(Nabal)、アナハイム種(Anaheim)種、ルラ種(Lula)、リード種(Reed)、ズタノ種(Zutano)、クィーン種(Queen)、クリオラ・セルバ種(Criola Selva)、メキシカナ・カンタ種(Mexicana Canta)、チャン地方種(Region Dschang)、ハル種(Hall)、ブース種(Booth)、パターソン種(Peterson)およびコリンソン・レッド種(Collinson Red)、より有利にはハス種、フェルテ種およびレッド種から選択することができる。ハス種、フェルテ種、エッチンジャー種およびベーコン種を保有するのが好ましく、ハス種およびフェルテ種が最も好ましい。
【0015】
アボカド果実は主として水分、果肉、オイルおよび核で構成される。あらゆる天然物の場合と同様、これらの種々の構成要素の割合は極めて多様である。しかしながら、一般には、次のような平均組成(生果のパーセンテージで示す)であるものと思われ、下表1に示す。
【0016】
【表1】

【0017】
果肉に関しては、アボカドタンパク質は1.5〜2.5%を示す(J. P. Gaillard, l’Avocatier, Edition G.P. Maisonneuve et Larose, 1987, pages 266-67)。アミノ酸分布(アミノ酸の総重量に対する重量%で示す)を下表2に示す。
【0018】
【表2】

【0019】
主要アミノ酸はグルタミン酸、アスパラギン酸およびロイシンである。ダイズ、ヒマワリまたはナタネなどの通常の油タンパク質性植物に比べ、アボカドはタンパク質含量が明らかに低い。さらに、果実の繊維含量が比較的高いので、これらのタンパク質は通常の化学法または生化学法では極めて得にくい。その上、これらの天然高分子は水溶性がほとんどないので、水溶性が高く、かつ、バイオアベイラビリティが得やすい、これらのタンパク質の加水分解画分(ペプチド)を調製する場合が多い。従って、それらのアレルギー力も除去されていると考えられる。よって、本発明はまた、加水分解タンパク質を変性させない穏やかな合成経路を介したアボカドペプチド抽出物の調製に関する。
【0020】
より詳しくは、アボカドペプチド抽出物は以下の工程:
乾燥およびオイル(脂質)抽出により、有利にはアボカド果実からアボカドケークを得る工程;その後、
前記ケークを低温下で摩砕し(低温摩砕)、完全脱脂を行った後、静置し、遠心分離および回収を行う工程;その後
グルカナーゼの存在下で第一の加水分解を行った後、遠心分離して可溶性画分を除去する工程;
1種以上のプロテアーゼの存在下で第二の加水分解を行った後、遠心分離して残渣を除去する工程;その後
ナノフィルトレーションによりペプチド相を濃縮する工程;
例えば、活性炭の存在下で脱色を行った後、単純濾過(10μm)、次いで、限外濾過(カットオフ限界10kD)を行う工程;最後に
必要であれば、保存剤を添加し、最終の除菌マイクロフィルトレーション(0.2μm)を行い、パッケージング操作を行う工程
を含む方法により得ることができる。
【0021】
本発明の有利な変形形態によれば、この方法の第1段階は、果実を乾燥させることと、その後、果実を脱油することからなる。果実をスライスして薄片とした後、当業者に公知の一連の技術のいずれかによりそれを乾燥させることができる。それらの技術としては、熱風乾燥、凍結乾燥、または浸透乾燥が挙げられる。温度は、使用する技術に関わらず、この乾燥工程中は80℃以下に維持することが一般に有利である。本方法においては、実施の容易さとコスト的な理由で、薄膜として、熱気流下、70℃〜75℃間の温度での換気乾燥機での乾燥が好ましい。実施は、5時間〜72時間の間で継続すればよい。
【0022】
乾燥させた果実の脂質を、その後、ウォームスクリュープレスで機械的に抽出するか、あるいは、とりわけ仏国特許出願FR2843027に記載されている方法に従うか、または超臨界COを利用する方法により、ヘキサンなどの溶媒を用いて、ソックスレー型抽出装置(soxhelet type extractor)か、もしくはデスメット(De Smet)(登録商標)型の連続バンド抽出装置で化学的に抽出する。この方法の主要な利点として、オイル副産物が自然に直接循環可能な物質であるということがある。これが脂質を機械抽出する方が好ましい理由である。
【0023】
乾燥および脱油を行った果実(オイルケークとも呼ばれる)に対して以下の工程:
−低温粉砕、
−とりわけエタノールおよび/またはアセトンなどの無毒な食品級溶媒での完全脱脂、
−デカンテーション、およびオイルケークの水による洗浄、
−遠心分離およびケークの回収、
−1種または数種のグルカナーゼの存在下での第一の加水分解、
−遠心分離および可溶性画分の廃棄、
−1種または数種のプロテアーゼの存在下での第二の加水分解、
−遠心分離および残渣の廃棄、
−ナノフィルトレーションによる濃縮、
−活性炭の存在下での脱色、
−単純濾過(10μm)、その後の限外濾過(カットオフ限界10kD)、
−保存剤の添加、最終の除菌マイクロフィルトレーション(0.2μm)およびパッケージング
を行うことができる。
【0024】
最終の水性抽出物は、1〜60重量%の乾燥体、または3〜20%の乾燥体、好ましくは5〜6%の乾燥体を含み得る。乾燥体重量に対してα−アミノ化窒素の含量は2〜10%の間、好ましくは5〜7%の間であり得る。1.2重量%乾燥抽出物の水溶液のpH値は、一般に3〜6の間、より有利には4〜5の間である。上記の方法によって得られる1.2重量%乾燥抽出物の水溶液に関する平均的な分析データを下表3に示す。
【0025】
【表3】

【0026】
N×6.25は、サンプルの総窒素(N)量に、検定するタンパク質に特異的な係数を掛けたものである。検定タンパク質に関する係数が正確に分からない場合は、便宜上、係数6.25を使用する。
【0027】
下表4は、本発明の方法により得られるペプチド抽出物の平均アミノ酸組成を示す。なおここでは、値は検定するアミノ酸の総重量に対する重量%で示されている。
アスパラギン酸およびグルタミン酸の値には、それぞれアスパラギン含量およびグルタミン含量も含む。
【0028】
【表4】

【0029】
得られた抽出物を固体粉末(乾燥抽出物)を得るために凍結乾燥してもよく、これは元のアボカドタンパク質に関して完全に水溶性である。
本発明の有利な変形形態によれば、抽出ペプチドの少なくとも50%が10〜30個のアミノ酸配列からなる。よって、これらのペプチドの大きさはアボカドの天然タンパク質の大きさよりもかなり小さい。従って、これらのペプチドはとりわけ皮膚に対してより良いバイオアベイラビリティを有する。
【0030】
本発明の薬剤は、カテリシジンファミリーおよび/またはβ−デフェンシンファミリーに属する抗微生物ペプチド、有利にはhBD−2の生産の増強によって、先天性免疫および/または獲得免疫の変化に関連する疾病を治療および/または予防するのに特に好適である。本発明の意味において、「変化」とは、増強または低下を意味する。
【0031】
また、本発明の薬剤は、特異的エラスターゼ阻害剤、特にエラフィン(SKALP)のような抗微生物ペプチドの刺激によって、先天性免疫および/または獲得免疫の変化に関連する疾病を治療および/または予防するのにも特に好適である。
【0032】
本発明の薬剤によれば、有利にも、先天性免疫および/または獲得免疫を刺激および/または補足することができる。
本発明の範囲内で、前記疾病は一般に微生物、とりわけグラム陽性菌および/またはグラム陰性、真菌またはウイルスの存在に関連するものであり得る。
より詳しくは、前記疾病は、視覚器官および聴覚器官、非角化上皮(膣、腸、歯肉、鼻腔、肺、気道、肛門および尿道の粘膜)ならびに皮膚などの角化上皮の感染症であり得る。前記疾病はまた、外皮または皮膚、ファネラエ(皮膚付属器)(毛、爪、汗腺、皮脂腺)の感染症でもあり得る。従って、前記疾病は、毛包炎、せつ、膿瘍、膿痂疹またはひょう疽などの病態であり得る。
【0033】
前記疾病は、ふけ症などの頭皮の病態、より広義には、脂漏過剰に関連する障害であり得る。
前記疾病は、アトピー性皮膚炎などのTh1/Th2バランスの変化に関連する病態であり得る。
【0034】
前記疾病は、とりわけ、アトピー性皮膚炎の枠組みの中では、IL−4および/またはIL−13などのサイトカインの合成の変化に関連する病態であり得る。
前記疾病はまた、アトピー性皮膚炎、アトピー性湿疹および/または接触性皮膚炎、乾癬、座瘡ならびに刺激性皮膚炎などの炎症性皮膚疾患でもあり得る。
【0035】
前記疾病はまた、熱傷、特に第1度または第2度熱傷でもあり得る。
前記疾病はまた、皮膚バリアの欠如に関連する病態でもあり得る。よって、本発明の薬剤は、過敏感反応性の皮膚(敏感皮膚、炎症を起こした皮膚、アレルギー性皮膚)、アトピー性皮膚、乾燥皮膚もしくは老化した皮膚の処置に使用することができる。前記疾病はまた、とりわけ、寒さ、汚染、ストレス、タバコ、日光暴露による、環境からの攻撃によって弱くなった皮膚に関連する病態でもあり得る。
【0036】
本発明の範囲内で、この薬剤はまた、新生児や小児の未成熟な、健康な皮膚または病的状態の皮膚の保護にも好適である。実際に、この薬剤は、一般に免疫が十分でない小児の表皮の先天性防御の強化を可能にする。
【0037】
本発明の範囲内で、この薬剤はまた、成人または高齢者、とりわけ免疫抑制状態の人の、健康な皮膚または病的状態の皮膚の保護にも適している。
本発明の薬剤はまた、正常または病的瘢痕形成(潰瘍および痂皮など)の治癒プロセスの増進にも好適である。
【0038】
本発明の範囲内で、この薬剤はまた、歯周病、関節炎などの関節の炎症性病態、粘膜感染症、とりわけ膣、腸、呼吸器、鼻腔もしくは耳の粘膜の感染症、または視覚器官の感染症の処置および/または予防も目的とする。
【0039】
本発明の有利な変形形態によれば、この薬剤は、該薬剤の総重量に対して0.1〜20乾燥重量%のアボカドペプチド抽出物、より有利には0.1〜15乾燥重量%のアボカドペプチド抽出物、よりいっそう有利には0.5〜10重量%のアボカドペプチド抽出物、さらにより有利には0.7〜8乾燥重量%のアボカドペプチド抽出物、さらにいっそう有利には1〜5乾燥重量%のアボカドペプチド抽出物を含んでなる。
【0040】
本発明の有利な変形形態によれば、この薬剤はさらに、D−マンノヘプトースおよび/またはペルセイトール(C7糖)またはそれらの化学誘導体の1つを、有利には、薬剤の総重量に対して0.001〜30乾燥重量%、より有利には0.01〜20乾燥重量%、より有利には0.1〜10乾燥重量%、より有利には0.5〜5乾燥重量%の量で含んでなる。
この際、相乗作用が見られることが有利である。
【0041】
D−マンノヘプツロースおよび/またはペルセイトールの供給源は、有利にはアボカドまたは別の植物由来の糖の水溶性抽出物である。また、D−マンノヘプツロースおよびペルセイトールは、商業的にも入手可能である(合成源)。
【0042】
本発明の有利な変形形態によれば、D−マンノヘプツロースおよび/またはペルセイトールの供給源は、抽出物乾燥体の総重量に対して少なくとも50重量%のC7糖を含んでなるアボカド糖水溶性抽出物である。
【0043】
アボカド糖水溶性抽出物は以下の一連の工程:
−アボカドを乾燥させ、脂質(オイル)を抽出することにより、有利にはアボカド果実からアボカドケークを得る工程;その後、
−前記ケークを低温摩砕し、完全脱脂を行った後、静置し、遠心分離を行って、C7糖含量の高い可溶性画分を回収する(ケークの廃棄)工程;その後
−前記工程で得られた可溶性画分をイオン樹脂で脱塩する工程;その後
−10,000ダルトンで限外濾過を行う工程;
−必要であれば、真空蒸発により濃縮し、保存剤を添加し、マイクロフィルトレーション(0.2μm)により除菌し、パッケージングする工程
を含む方法により得られる。
【0044】
本発明の好ましい変形形態によれば、アボカドケークを得る方法および脂質を抽出する方法は、アボカドペプチド抽出物およびアボカド糖類の場合と同様に行うのが有利である。
−乾燥および脱油を行った果実(ケークとも呼ばれる)に対して以下の工程:
−低温粉砕、
−有利にはエタノールおよび/またはアセトンでの完全脱脂、
−静置およびオイルケークの水による洗浄、
−遠心分離および可溶性画分の回収(ケークの廃棄)、
−イオン交換樹脂に通すことによる脱塩、
−カットオフ限界10kDでの限外濾過、
−真空濃縮、保存剤の添加およびパッケージング
を行うことができる。
【0045】
最終の水性抽出物は、一般に0.1〜10重量%の乾燥体、有利には1〜7重量%の乾燥体、より有利には3〜5重量%の乾燥体を含み得る。乾燥体中のC7糖、すなわち、D−マンノヘプトースおよびペルセイトール含量は、総乾燥体重量に対して有利には50重量%以上、より有利には65〜90重量%の間である。
【0046】
このアボカド水溶性抽出物の相対的糖組成は、抽出乾燥体の総重量に対する重量で示した場合、以下の基準を満たしているのが有利である(相対的組成はHPLCにより測定)。
D−マンノヘプトース 5〜80%
ペルセイトール 5〜80%
スクロース <10%
グルコース <10%
フルクトース <10%
このアボカド糖水溶性抽出物は、総乾燥体重量に対して有利には1〜99重量%のマンノヘプトース、より有利には5〜80重量%のマンノヘプトース、より有利には10〜80重量%のマンノヘプトースを含んでなる。このアボカド糖水溶性抽出物は、総乾燥体重量に対して有利には20〜80重量%のペルセイトール、より有利には25〜70重量%のペルセイトールを含んでなる。
【0047】
好ましくは、この水溶性抽出物の相対的糖組成は、総抽出乾燥体重量に対する重量で示した場合、以下の基準を満たしている(相対的組成はHPLCにより測定)。
D−マンノヘプトース 25〜60%
ペルセイトール 25〜60%
スクロース <10%
グルコース <10%
フルクトース <10%
必要であれば、得られた抽出物を、完全に水溶性である固体粉末(乾燥抽出物)を得るために凍結乾燥してもよい。
【0048】
本発明の有利な変形形態によれば、本発明の薬剤は、ルピナスペプチド抽出物を、有利には薬剤の総重量に対して0.001〜30乾燥重量%、より有利には0.01〜10乾燥重量%の質量でさらに含んでなる。ルピナスペプチド抽出物は、本発明の組成物に加える場合、ペプチド抽出物の乾燥体重量に対して少なくとも70重量%のペプチド、有利には少なくとも80重量%含む。その際に相乗作用が認められることが有利である。
【0049】
特に、ルピナスのペプチド抽出物は、以下の工程:
−粉砕したルピナスケークまたはルピナス粉末ケークを製造する工程;
−次に、溶媒抽出により脱脂する工程;
−可溶性タンパク質画分とその配糖体画分を抽出するか、またはタンパク質を等電点で析出させる工程;
−必要であれば、タンパク質画分を分離する工程;
−タンパク質画分を酵素により加水分解し、場合によって濾過を行った後、ペプチド抽出物を回収する工程
を含む方法により得られる。
【0050】
ペプチド抽出物を調製する方法は、Expanscience Laboratoriesにより提出された仏国特許出願FR2792202に記載されている。
さらに、本発明の薬剤は、皮膚軟化剤、保湿に有効な物質、ケラチン合成の活性化剤、ケラトレギュレーター(keratoregulators)、角質溶解剤、皮膚バリア再構築剤(皮膚脂質合成活性化剤、PPARアゴニストまたはペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(Peroxysome Proliferator Activated Receptor))、ケラチノサイト分化活性化剤(レチノイド、calcidone(登録商標)、カルシウム)、抗生物質、抗菌薬、殺真菌薬、抗ウイルス薬、セボレギュレーター(seboregulators)(例えば、5−αレダクターゼ阻害剤、特にExpanscience Laboratoiresにより市販されている、有効物質5−α Avocuta(登録商標)など)、免疫調節剤(タクロリムス、ピメクロリムス、オキサゾリンなど)、保存剤、抗そう痒薬、無痛化剤、サンフィルターおよびサンスクリーン、抗酸化剤、増殖因子、治癒薬または栄養分子、抗炎症薬および抗炎症剤、ならびに植物油不鹸化物含有化合物からなる群から選択される少なくとも1種類の化合物をさらに含み得る。
【0051】
本発明の範囲内でアボカドペプチド抽出物との併用が可能なケラチン合成活性化剤は、有利にはレチノイド、ルピナスペプチド(Silab社により市販)、角質層または顆粒層の重要なタンパク質(ケラチン)である。
【0052】
本発明の範囲内でアボカドペプチド抽出物との併用が可能な抗生物質は、有利にはフシジン酸、ペニシリン、テトラサイクリン、プリスタマイシン、エリスロマイシン、クリンダマイシン、 ムピロシン、ミノサイクリン、ドキシサイクリンである。本発明の範囲内でアボカドペプチド抽出物との併用が可能な抗ウイルス薬は、有利にはアシクロビルおよびバラシクロビルである。本発明の範囲内でアボカドペプチド抽出物との併用が可能な抗そう痒薬は、有利にはグリシン、ルピナスの糖類および/またはペプチド、シクロセラミド(登録商標)である。
【0053】
本発明の範囲内でアボカドペプチド抽出物との併用が可能な無痛化剤は、有利にはαビサボロール、甘草誘導体である。本発明の範囲内でアボカドペプチド抽出物との併用が可能なケラトレギュレーターは、有利にはαヒドロキシ酸およびそれらの誘導体である。本発明の範囲内でアボカドペプチド抽出物との併用が可能な角質溶解剤は、特にサリチル酸およびその誘導体である。本発明の範囲内でアボカドペプチド抽出物との併用が可能な抗酸化剤は、有利にはビタミン(C、E)、微量元素(銅、亜鉛、セレン)である。本発明の範囲内でアボカドペプチド抽出物との併用が可能な増殖因子は、有利にはベカプレルミンおよびTGF−β(形質転換増殖因子β)である。
【0054】
本発明の範囲内でアボカドペプチド抽出物との併用が可能な治癒薬は、有利にはビタミンA、パンテノール、Avocadofurane(登録商標)、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、マデカシン酸またはアシアチン酸である。
【0055】
本発明の範囲内でアボカドペプチド抽出物との併用が可能な薬剤は、有利にはアトピー(コルチコイド、皮膚軟化剤)、座瘡(抗生物質、過酸化ベンゾイル、レチノイド、アゼライン酸、ビタミンPP、亜鉛、サイクリン)、湿疹(免疫調節剤、皮膚軟化剤、サーモン油、ルリヂサ油、プレバイオティクス)、乾癬(コルチコイド、カルシポトリオール、カルシトリオール、タザロテン、ジュニパータール油、アシトレチン、PUVA療法)の予防および/または処置のために、適宜局所送達または経口送達される薬剤である。
【0056】
本発明の範囲内でアボカドペプチド抽出物との併用が可能な抗炎症薬は、有利にはコルチコイドなどのステロイド系抗炎症薬(AIS)または非ステロイド系薬剤(AINS)である。表皮において重要な脂質の合成を刺激することを可能とし、かつ、本発明の範囲内でアボカドペプチド抽出物と、有利には相乗作用を伴って併用が可能な皮膚バリア再構築剤は、有利にはヒマワリの濃縮物、より有利には、ヒマワリリノール酸濃縮物(Expanscience Laboratoiresから市販されている薬剤Soline(登録商標)など)(国際特許出願WO01/21150参照)、植物油不鹸化物(Avocadofurane(登録商標)など)(国際特許出願WO01/21150参照)、PPARアゴニスト(ロシグリタゾン、ピオグリタゾン)である。再構築剤は、有利には薬剤の総重量に対して0.001〜30重量%の間の割合で存在する。本発明の範囲内でアボカドペプチド抽出物との併用が可能な抗真菌薬は、有利にはエコナゾールおよびケトコナゾールである。
【0057】
本発明の範囲内でアボカドペプチド抽出物との併用が可能な抗菌保存剤は、例えば、トリクロサン、クロルヘキシジン、第四級アンモニウムである。
本発明の範囲内でアボカドペプチド抽出物との併用が可能な免疫調節剤は、有利にはタクロリムス、ピメクロリムスおよびオキサゾリンである。
【0058】
本発明の範囲内でアボカドペプチド抽出物と、有利には相乗作用を伴って併用が可能なオキサゾリンは、有利には2−ウンデシル−4−ヒドロキシメチル−4−メチル−1,3−オキサゾリン、2−ウンデシル−4,4−ジメチル−1,3−オキサゾリン、(E)−4,4−ジメチル−2−ヘプタデク−8−エニル−1,3−オキサゾリン、4−ヒドロキシメチル−4−メチル−2−ヘプタデシル−1,3−オキサゾリン、(E)−4−ヒドロキシメチル−4−メチル−2−ヘプタデク−8−エニル−1,3−オキサゾリン、2−ウンデシル−4−エチル−4−ヒドロキシメチル−1,3−オキサゾリンからなる群から選択されるオキサゾリンである。さらにより有利な方法では、前記オキサゾリンが2−ウンデシル−4,4−ジメチル−1,3−オキサゾリン(OX−100またはシクロセラミド(登録商標)と呼ばれる)である。
【0059】
植物油不鹸化物を含み、かつ、本発明の範囲内でアボカドペプチド抽出物と、有利には相乗作用を伴って併用が可能な化合物は、好ましくはアボカドフラン脂質、アボカドおよびダイズの不鹸化物、ルピナス油濃縮物、ヒマワリ油濃縮物ならびにそれらの混合物からなる群から選択される。
【0060】
本発明の範囲内でアボカドペプチド抽出物と、有利には相乗作用を伴って併用が可能なアボカドフラン脂質は、好ましくは天然2−アルキルフラン、とりわけExpanscience Laboratoiresから市販されている有効物質Avocadofurane(登録商標)(国際特許出願WO01/21605に記載されている方法によって得ることができる)である。
【0061】
本発明の範囲内でアボカドペプチド抽出物と、有利には相乗作用を伴って併用が可能なアボカドおよびダイズの不鹸化物は、好ましくはアボカドフラン不鹸化物とダイズの不鹸化物の約1/3〜2/3の割合での混合物である。アボカドおよびダイズの不鹸化物は、さらに有利にはExpanscience Laboratoriesから市販されている製品Piascledine(登録商標)である。
【0062】
本発明の範囲内でアボカドペプチド抽出物と、有利には相乗作用を伴って併用が可能なルピナス油濃縮物は、有利にはルピナス油、有利には国際特許出願WO98/47479に記載されているものなどの、ハウチワマメ(sweet white lupine)油、の分子蒸留によって得られる濃縮物である。それらは約60重量%の不鹸化物を含んでいるのが有利である。
【0063】
本発明の範囲内でアボカドペプチド抽出物と、有利には相乗作用を伴って併用が可能なヒマワリ油濃縮物は、有利には、Expanscience Laboratoiresから市販されている有効物質Soline(登録商標)(国際特許出願WO01/21150参照)などのヒマワリリノール酸濃縮物である。
【0064】
本発明の薬剤は、ヒトおよび/または動物、とりわけ哺乳類が罹患し得る疾病の処置および/または予防を目的とする。本発明の薬剤は、局所投与に、また、経口投与、直腸投与、膣投与、鼻腔投与、耳内投与または気管支投与に、また、非経口投与に適した種々の製剤の形態に処方することができる。これらの種々の製剤は局所投与に適していることが好ましく、クリーム剤、軟膏剤、ローション剤、オイル剤、パッチ剤、スプレー剤または他のいずれかの外用薬が挙げられる。本発明の化合物および組成物を投与する経路、至適用量および剤形は、一般に、患者または動物に適合した、特に皮膚科医療または獣医学医療の分野における薬剤処置の確立を考慮した判定基準(例えば、患者または動物の齢および体重、症状の重篤度、特定の処置に対する許容度、見られる副作用および皮膚のタイプなど)に従って決定することができる。求められる投与タイプによって、本発明の薬剤および/または有効物質はさらに、少なくとも1種類の薬学上好適な、とりわけ皮膚科的に好適な賦形剤も含み得る。外用局所投与に適した賦形剤を使用するのが好ましい。本発明の薬剤は、増粘剤、保存剤、香料、着色剤、薬液用フィルターまたは無機質、保湿剤、温泉水などから選択される、当業者には医薬上公知であるような、医薬上公知の少なくとも1種類の添加剤をさらに含み得る。
【0065】
本発明はまた、アボカドペプチド抽出物と美容的に好適な適当な賦形剤とを含んでなる美容組成物に関する。このアボカドペプチド抽出物は、有利にはペプチド抽出物の乾燥体重量に対して2〜10重量%のα−アミノ化窒素を含んでなる。
【0066】
本発明の美容組成物は、有利には該組成物の総重量に対して0.001〜30乾燥重量%のアボカドペプチド抽出物、より有利には0.01〜10乾燥重量%のアボカドペプチド抽出物を含んでなる。本発明の好ましい変形形態によれば、アボカドペプチド抽出物はこれまでに記載したような方法に従って得ることができる。
【0067】
本発明の有利な変形形態によれば、この組成物はさらに、D−マンノヘプトースおよび/またはペルセイトール(相乗作用)を、有利には、組成物の総重量に対して0.001〜30乾燥重量%、より有利には0.01〜5乾燥重量%の量で含んでなる。D−マンノヘプトースおよび/またはペルセイトール供給源は、乾燥体におけるC7糖含量、すなわち、D−マンノヘプトースおよびペルセイトール含量、が全乾燥体重量に対して有利には65〜90重量%の間である水溶性アボカド糖抽出物であるのが有利である。これらのヘプチトール型の糖はまた、別の植物供給源から得ることもできるし、あるいは合成により得ることもできる。
【0068】
本発明の有利な変形形態によれば、組成物はさらに、ルピナスペプチド抽出物(相乗作用)を、有利には組成物の総重量に対して0.001〜30重量%の量で含んでなる。本発明の組成物に添加されるルピナスペプチド抽出物は、ペプチド抽出物の乾燥体重量に対して少なくとも70重量%、有利には少なくとも80重量%のペプチドを含んでなる。このペプチド抽出物は上記のような方法によって得ることができる。
【0069】
この組成物はさらに、上記で定義したような皮膚バリア再構築剤および植物油不鹸化物含有化合物からなる群から選択される少なくとも1種類の化合物を含み得る。特に、美容組成物は、Expanscience Laboratoiresから市販されているSoline(登録商標)、Avocadofurane(登録商標)およびPiascledine(登録商標)からなる群から選択される有効物質を含み得る。
【0070】
本発明の美容組成物は、有利には組成物の総重量に対して0.001〜30重量%の少なくとも1種類の皮膚バリア再構築剤を含んでなる。
本発明の美容組成物は、局所投与に、また、経口投与、直腸投与または膣投与、あるいは非経口投与に適した種々の製剤の形態に処方することができる。これらの種々の製剤は局所投与に適していることが好ましく、クリーム剤、軟膏剤、ローション剤、オイル剤、パッチ剤、スプレー剤または他のいずれかの外用薬が挙げられる。目的とする投与形に応じて、本発明の組成物および/または有効化合物は、少なくとも1種類の化粧料的に好適な賦形剤も含み得る。本発明の美容組成物はさらに、当業者には公知である、増粘剤、保存剤、香料、着色剤、化学繊維または無機質、保湿剤、温泉水などから選択される少なくとも1種類の添加剤を含み得る。
【0071】
本発明はまた、皮膚の発赤または非病的免疫平衡異常を示している、敏感、炎症を起こした、不耐性の皮膚および/または粘膜の美容的処置法であって、本発明の美容組成物を皮膚および/または粘膜に塗布することを含むことを特徴とする方法にも関する。
【0072】
最後に、本発明は、アボカドペプチド抽出物および必要であれば好適な賦形剤とを含んでなる栄養補給用組成物に関する。アボカドペプチド抽出物は、有利にはペプチド抽出物の乾燥体重量に対して2〜10重量%のα−アミノ化窒素を含んでなる。
【0073】
本発明の栄養補給用組成物は、有利には組成物の総重量に対して0.001〜30重量%のアボカドペプチド抽出物、より有利には0.01〜10重量%のアボカドペプチド抽出物を含んでなる。本発明の有利な変形形態によれば、このアボカドペプチド抽出物は上記のような方法によって得ることができる。
【0074】
本発明の有利な変形形態によれば、この栄養補給用組成物はまた、D−マンノヘプトースおよび/またはペルセイトール(相乗作用)を、有利には組成物の総重量に対して0.001〜30乾燥重量%の量で含んでなる。D−マンノヘプトースおよび/またはペルセイトール供給源は、有利には、乾燥体におけるC7糖含量、すなわち、D−マンノヘプトースおよびペルセイトール含量、が全乾燥体重量に対して有利には65〜90重量%の間であるアボカド糖水溶性抽出物であるのが有利である。
【0075】
本発明の有利な変形形態によれば、この栄養補給用組成物は、少なくとも1種類のルピナスペプチド抽出物(相乗作用)を、有利には組成物の総重量に対して0.001〜30%の乾燥体重量で含んでなる。本発明の組成物に添加されるルピナスペプチド抽出物は、ペプチド抽出物乾燥体重量に対して少なくとも70重量%、有利には少なくとも80重量%のペプチドを含んでなる。このペプチド抽出物は上記のような方法によって得ることができる。
以下、非限定的な実施例により本発明を説明する。
【実施例】
【0076】
実施例1:アボカドペプチド抽出物の調製
ハス種のアボカド生果50kgを、核を含め、ディスクスカッティング機で2〜5mmの厚さに薄切りにする。乾燥装置は温度調節式熱風炉とする。カットしたところでアボカドを、段状に配置したトレーに4〜5cmの厚さで並べる。乾燥温度は、全48時間80℃に設定する。乾燥させたところで、果実を冷圧する。この操作はsmall Komet(登録商標) laboratory pressを用いて行う。
【0077】
次に、脱脂した果実片(ケーク)4kgを低温で粉砕した後、エタノール25リットルの存在下で還流させながら抽出する。この脂質を除いた粉末を、次に、ブフナー漏斗で濾過することにより回収し、炉内で50℃にて5時間乾燥させる。
【0078】
次に、ケークを脱塩水(10リットル)で洗浄した後、遠心分離により分離する。固形画分を水溶液に取り、HClで酸性化し(pH値5とする)、その後、2%セルラーゼ(乾燥体に対して)の存在下に置く。加水分解時間は6時間とする。
【0079】
次に、この混合物を添加剤(2.5%p/v)の存在下、2,000gで遠心分離する。その後、回収した残渣に対して、0.5%プロテアーゼの存在下、pH値8.0、温度55℃で2時間、第二の加水分解を行う。加水分解は、2M水酸化ナトリウムを継続的に添加することにより一定のpH値に調節する。最後に、85℃で10分間加熱することによりプロテアーゼを変性させる。
【0080】
得られた混合物を遠心分離し、上清を7.5μmのメンブランに通すことにより濾過する。その後、カットオフ限界10kDのメンブランで限外濾過を行う。
得られた乾燥体20%の粗ペプチド抽出物を、1%活性炭の存在下で脱色した後、再び7.5μmのメンブランで濾過する。次に、脱色された抽出物のマイクロフィルトレーション(0.2μm)を行い、その力価を乾燥体5%に調整した後、保存剤を添加し、除菌濾過(0.2μm)した後、最後にパッケージングする。
本方法により得られた水溶性アボカドペプチド抽出物(乾燥体5%)に特徴的なデータを下表5に示す。
【0081】
【表5】

下表6では、本方法によって得られたアボカドペプチド抽出物の分子量分布を示す。
【0082】
【表6】

【0083】
この抽出物中のペプチドの少なくとも27%が少なくとも9個のアミノ酸配列からなることが認められる。従って、抽出物中のペプチドの大きさは、アボカド中の天然タンパク質に比べて極めて小さい。よって、これらのペプチドは、とりわけ皮膚においてはるかに高いバイオアベイラビリティを有する。
【0084】
実施例2:アボカド糖水溶性抽出物の調製
ハス種のアボカド生果50kgを、核を含め、ディスクスカッティング機で2〜5mmの厚さに薄切りにする。乾燥装置は温度調節式熱風炉とする。カットしたところでアボカドを、段状に配置したトレーに4〜5cmの厚さで並べる。乾燥温度は、全48時間80℃に設定する。乾燥させたところで、果実を冷圧する。この操作はsmall Komet(登録商標) laboratory pressを用いて行う。
【0085】
次に、脱脂した果実片(ケーク)4kgを低温で粉砕した後、エタノール25リットルの存在下で還流させながら抽出する。この脂質を除いた粉末を、次に、ブフナー漏斗で濾過することにより回収し、炉内で50℃にて5時間乾燥させる。
【0086】
次に、ケークを脱塩水(10リットル)で洗浄した後、遠心分離により分離する。この可溶性画分(液体)を精製のために取り、以下の方法に従って濃縮する。
・イオン交換樹脂による脱塩:OH樹脂に通した後、H樹脂に通すことによるヘプツロースの脱塩
・10000Daでの限外濾過:限外濾過は、カットオフ限界10kDaの4つのメンブランを備えた系を用いて行う。
・真空濃縮:真空エバポレーターで、乾燥体約4%となるまで、精製した抽出物の濃縮を行う。
・パッケージング:抽出物の濃度を乾燥体5%に調整し、保存剤を添加した後、カットオフ限界0.2μmのメンブランで無菌濾過を行い、生成物をパッケージングする。
下表7は、上記方法に従って調製された、C7アボカド糖抽出物(乾燥体5%)の組成を示す。
【0087】
【表7】

【0088】
実施例3:アボカドペプチド抽出物によるβ−デフェンシン−2の誘導
細胞の接種(J0):
これまでに刊行物"Human β-Defensin-2 production in Keratinocytes is regulated by Interleukin-1, Bacteria, and the State of Differentiation”, Alice Y. Liu et al,, The Society for Investigative Dermatology, vol. 118, No. 2, Feb. 2002, pages 275-281に記載されているように、健常なヒトのケラチノサイトを、96ウェルプレート中、カルシウム豊富な(終濃度1.3mM)な特殊な培地の存在下に接種した(約20,000細胞/ウェル)。
【0089】
細胞の処理(J1):
37℃、5%COで24時間インキュベーションした後、
→200μl/ウェルのPBS(生理食塩水中、リン酸バッファー)で2回すすぎ、
→細胞を以下のもの200μl/ウェル(Ca++添加培地中)によって刺激する。
・濃度3、1および0.3%、またはそれぞれ乾燥体0.15、0.05および0.015%のアボカドペプチド抽出物
・100ng/ml濃度のIL−1β(hBD−2の陽性誘導確認)
処理の終了(J2):ELISA
インキュベーション24時間後、hBD−2の誘導を、特異的抗体(ヒトBD2に対するヤギポリクローナル抗体;Abcam;ab9871)を用いてELISA法により評価した。
得られた結果を下表8にまとめる。
【0090】
【表8】

【0091】
全く予期しなかったことに、本発明のアボカドペプチド抽出物は生産されるhBD−2の量を上昇させるものと認められる。
【0092】
実施例4:hBD−2および抗微生物様ペプチド(エラスターゼ特異的阻害剤)をコードするmRNAの誘導
「cDNAマイクロアレイ」法を用い、皮膚生理学上注目される構造タンパク質および調節タンパク質をコードする遺伝子の発現に対するアボカドペプチド抽出物の作用を調べた。このようなアプローチにより、所与の生物系における遺伝子発現に対する、ある生成物またはある処理の作用が一段階でスクリーニングでき、また、この処理の作用の「徴候」が得られる。
【0093】
培養条件および検定する生成物
本発明の方法により得られた濃度3、1および0.3%、または乾燥体それぞれ0.15、0.05および0.015%のアボカドペプチド抽出物をそのまま、表皮再構築用培地Skinethic(登録商標)中で24時間インキュベーションした。
【0094】
遺伝子示差発現分析
用いたアプローチはClontech (Palo Alto, USA)により奨励されているものであり、
・全RNAを抽出し、精製する工程
・AtlasPureプロトコール(Clontech)に従ってメッセンジャーRNAを精製する工程
・逆転写を用い、DNAプローブをP32で標識する工程
・排除カラムクロマトグラフィーにより、標識されたプローブを精製し、液体シンチレーション計数により量と等価性を確認する工程
・メンブラン(Custom ATLAS BIOAlternative)と放射性標識プローブとをハイブリダイズさせる工程(68℃、一晩)
を含む。
【0095】
結果
抗微生物ペプチド(hBD−2)および抗微生物様ペプチド(エラスターゼ特異的阻害剤/SKALP/エラフィン)をコードするmRNAの合成に対する作用を下表9に示す。
【0096】
【表9】

【0097】
実施例5:アボカドペプチド抽出物に基づく美容組成物
抗座瘡クリーム 1番
水 加えて100%とする
イソノナン酸イソノニル 7.000
ジ−C12−13マレエート 7.000
ステアリン酸イソセチル 5.000
ブチレングリコール 3.000
イネ(Oryza sativa) 2.500
アボカドペプチド抽出物 2.000
ジカプリリルエーテル 2.000
サリチル酸シランジオール 2.000
アラキンアルコール 1.650
トロメタミン 1.180
セチルアルコール 1.000
サリチル酸 1.000
アスコルビルグルコシド 1.000
グリシン 1.000
酢酸トコフェリル 1.000
ビフェニルアルコール 0.900
スクアラン 0.790
クエン酸ナトリウム 0.660
PPG−12/SMDIコポリマー 0.500
アラキジルグルコシド 0.450
香料 0.400
スクレロチウムガム 0.160
セテアリルアルコール 0.130
クエン酸 0.110
セピゲル305 0.100
保存剤系 適量
Seppic社から市販されている製品
抗座瘡クリーム 2番
水 加えて100%とする
イソノナン酸イソノニル 7.000
ジ−C12−13アルキルマレエート 7.000
ステアリン酸イソセチル 5.000
ブチレングリコール 3.000
イネ(Oryza sativa) 2.500
アボカドペプチド抽出物 2.000
C7糖(へプチトール) 1.000
ジカプリリルエーテル 2.000
サリチル酸シランジオール 2.000
アラキンアルコール 1.650
トロメタミン 1.180
セチルアルコール 1.000
サリチル酸 1.000
アスコルビルグルコシド 1.000
グリシン 1.000
酢酸トコフェリル 1.000
ビフェニルアルコール 0.900
スクアラン 0.790
クエン酸ナトリウム 0.660
PPG−12/SMDIコポリマー 0.500
アラキジルグルコシド 0.450
香料 0.400
スクレロチウムガム 0.160
セテアリルアルコール 0.130
クエン酸 0.110
セピゲル305 0.100
保存剤系 適量
Seppic社から市販されている製品
アトピー皮膚洗浄用フォームエマルション
水 加えて100とする
Arlatone duo 20.00000
ココグルコシド 12.00000
ヒドロキシプロピルグアー 2.00000
アボカドペプチド抽出物 2.000
パルミチン酸水素化グリセリルPEG−200 1.10000
グリセリルPEG−7ココエート 1.10000
サリチル酸シランジオール 1.00000
コカミドDEA 1.00000
カプリロールグリシン 0.50000
ソルビン酸カリウム 0.50000
ポリクオタニウム10 0.40000
香料 0.40000
クエン酸 0.30000
亜鉛PCA 0.20000
Quimasso社から市販されている製品
身体衛生用洗浄・フォームエマルション
水 加えて100とする
Arlatone duo 20.00000
ココグルコシド 12.00000
ヒドロキシプロピルグアー 2.00000
アボカドペプチド抽出物 3.00000
アボカド糖 1.00
ルピナスペプチド 2.00
パルミチン酸水素化グリセリルPEG−200 1.10000
グリセリルPEG−7ココエート 1.10000
サリチル酸シランジオール 1.00000
コカミドDEA 1.00000
カプリロールグリシン 0.50000
ソルビン酸カリウム 0.50000
ポリクオタニウム10 0.40000
香料 0.40000
クエン酸 0.30000
亜鉛PCA 0.20000
Quimasso社から市販されている製品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペプチド抽出物乾燥体重量に対して2〜10重量%のα−アミノ化窒素と適当な賦形剤とを含んでなる、アボカドペプチド抽出物を含む薬剤。
【請求項2】
アボカドペプチド抽出物が以下の工程:
有利にはアボカド果実から、乾燥およびオイル抽出によりアボカドケークを得る工程;その後、
前記ケークの低温摩砕と完全脱脂を行った後、そのケークのデカンテーション、遠心分離および回収を行う工程;
グルカナーゼの存在下で第一の加水分解を行った後、遠心分離して可溶性画分を廃棄する工程;
1種または数種のプロテアーゼの存在下で第二の加水分解を行った後、遠心分離して残渣を廃棄する工程;
ナノフィルトレーションによりペプチド相を濃縮し、必要であれば、活性炭の存在下で脱色する工程;
単純濾過(10μm)を行った後、限外濾過(カットオフ限界10kD)を行う工程;
必要であれば、保存剤を添加し、最終の除菌マイクロフィルトレーション(0.2μm)を行い、パッケージングする工程
を含む方法により得られる、請求項1に記載の薬剤。
【請求項3】
アボカドペプチド抽出物が以下のアミノ酸組成(総アミノ酸重量に対する重量%):
アラニン 6.4〜7.8
アルギニン 4.7〜5.7
アスパラギン酸 10.3〜12.7
シスチン−システイン 2.9〜3.5
グルタミン酸 13.0〜15.8
グリシン 5.3〜6.5
ヒスチジン 2.2〜2.6
イソロイシン 4.8〜5.8
ロイシン 7.6〜9.4
リシン 3.0〜3.8
メチオニン 1.2〜1.6
フェニルアラニン 4.7〜5.7
プロリン 4.1〜5.2
セリン 5.5〜6.7
トレオニン 4.6〜5.6
チロシン 3.6〜4.4
バリン 5.8〜7.2
を有する、請求項1または2に記載の薬剤。
【請求項4】
抽出物中50%のペプチドが、10〜30個のアミノ酸からなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項5】
カテリシジンおよび/またはβ−デフェンシンファミリー、有利にはhBD−2由来の抗微生物性ペプチドの産生を増強することによる、自然免疫および/または獲得免疫の変化に関連する疾病の処置および/または予防に用いられる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項6】
特異的エラスターゼ阻害剤、特にエラフィン(SKALP)などの抗微生物様ペプチドを刺激することによる、自然免疫および/または獲得免疫の変化に関連する疾病の処置および/または予防に用いられる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項7】
前記疾病が、グラム陽性菌および/もしくはグラム陰性菌、真菌またはウイルスなどの微生物の存在に関連するものである、請求項5または6に記載の薬剤。
【請求項8】
前記疾病が、
特に毛包炎、せつ、膿瘍、膿痂疹またはひょう疽からなる群の中から選択される皮膚およびファネラエ(phanerae)の感染;
アトピー性皮膚炎、接触性および/またはアトピー性皮膚炎、乾癬、座瘡、そう痒性皮膚炎などの炎症性皮膚疾患;
Th1/Th2バランスの変化に関連する疾病;
IL−4および/またはIL−13などのサイトカインの合成の変化に関連する疾病;または
火傷
からなる群から選択される、請求項5〜7のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項9】
前記疾病が、過敏感反応性皮膚、アトピー性皮膚、乾燥皮膚または老化皮膚などの皮膚バリアの欠如に関連する病態、または環境からの攻撃により弱くなった皮膚に関連する病態である、請求項5または6に記載の薬剤。
【請求項10】
未熟な新生児または小児の皮膚;
病的に未熟な新生児または小児の皮膚;
成人または高齢者の、健康な皮膚または病的状態の皮膚
などの皮膚の保護に適当な、請求項1〜6のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項11】
潰瘍および褥瘡などの正常または病的な治癒プロセスにおいて治癒プロセスの増進に用いられる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項12】
歯周病の処置および/または予防に用いられる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項13】
関節症などの炎症性関節病態の処置および/または予防に用いられる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項14】
粘膜、特に膣、腸、呼吸器、鼻腔または耳の粘膜、の感染症の処置および/または予防に用いられる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項15】
視覚系器官の感染症の処置および/または予防に用いられる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項16】
D−マンノヘプトースおよび/またはペルセイトールをさらに含んでなり、有利にはD−マンノヘプトースおよび/またはペルセイトールの供給源が水溶性アボカド糖抽出物である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項17】
ヒトおよび/または動物、特に哺乳類が、罹患し得る疾病の処置および/または予防に用いられる、請求項1〜16のいずれか一項に記載の薬剤。
【請求項18】
有利にはペプチド抽出物乾燥体重量に対して2〜10重量%のα−アミノ化窒素を含むアボカドペプチド抽出物と美容的に好適な賦形剤または食品級の賦形剤である適当な賦形剤とをそれぞれ含んでなる、美容組成物または栄養補給用組成物。
【請求項19】
D−マンノヘプトースおよび/またはペルセイトールをさらに含んでなり、有利にはD−マンノヘプトースおよび/またはペルセイトールの供給源がアボカド糖水溶性抽出物である、請求項18に記載の美容組成物または栄養補給用組成物。
【請求項20】
環境の攻撃によって弱化された皮膚バリアの欠如、発赤、または非病的な免疫平衡異常を伴っている、敏感、炎症、アレルギー性、乾燥、老、不耐性の皮膚および/または粘膜の美容的処置法であって、請求項18または19に記載の美容組成物をその皮膚および/または粘膜に塗布することからなる、処置法。

【公表番号】特表2007−535524(P2007−535524A)
【公表日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−510082(P2007−510082)
【出願日】平成17年4月29日(2005.4.29)
【国際出願番号】PCT/FR2005/001076
【国際公開番号】WO2005/105123
【国際公開日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(503028525)ラボラトワール エクスパンシアンス (12)
【Fターム(参考)】