説明

免震装置の固定構造、及び免震装置の水平方向変位差を修正する方法

【課題】免震装置によって支持される構造物が二方向にずれてしまった場合でも、そのずれを修正することができる免震装置の固定構造、免震装置の水平方向変位差を修正する方法を得る
【解決手段】施工後の基礎梁のコンクリートが乾燥収縮して第2支持プレート38が水平方向へ移動し、免震装置18のゴム28が弾性変形して免震装置18の積層体32が傾く。免震装置18のゴム28が弾性復帰しようとすると、ボルト20が一方向長孔22内を移動することで一方向のずれが修正され、さらに、ボルト20が直交方向長孔40内を移動することで直交方向のずれが修正される。これにより、免震装置18の傾きが是正され、基礎梁に設けられた第2ベースプレートの水平方向のずれが修正される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物の揺れを抑える免震装置の固定構造、及びこの免震装置の水平方向変位差を修正する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、橋梁を支持するゴム支承体(積層ゴム)が記載されており、このゴム支承体と橋梁の一方向のずれを修正できるように、ゴム支持体に設けられた取付孔がその一方向に延びる長孔となっている。
【0003】
また、特許文献2には、鋼桁と隣りの鋼桁を連結させる連結プレートが記載されており、この連結プレートは鋼桁へ免震装置を介して固定されている。そして、免震装置が取り付けられる連結プレートの取付孔は一方向へ延びる長孔となっているため、鋼桁と隣りの鋼桁が一方向へずれたときは、この長孔でずれを修正するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−56042号公報
【特許文献2】特許第2968469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の構造では、免震装置によって支持される構造物が免震装置に対して一方向にずれたときは有効であるが、2方向にずれてしまったときは、ずれを修正することができない構造となっていた。
【0006】
本発明は係る事実を考慮し、免震装置によって支持される構造物が二方向にずれてしまった場合でも、そのずれを修正することができる免震装置の固定構造、免震装置の水平方向変位差を修正する方法を得ることが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に係る免震装置の固定構造は、第1支持プレートと第2支持プレートの間にゴムと板材の積層体を備えた免震装置と、構造物を支持する基礎に設けられ、前記第1支持プレートが固定される第1ベースプレートと、鉄筋コンクリート製の基礎梁に設けられ、前記第2支持プレートが固定される第2ベースプレートと、を備え、前記第1ベースプレート、前記第2ベースプレート、前記第1支持プレート及び前記第2支持プレートのうち少なくとも1つには、各プレート間での一方向の移動を許容する一方向移動許容手段が設けられ、前記一方向移動許容手段が設けられていない前記第1ベースプレート、前記第2ベースプレート、前記第1支持プレート及び前記第2支持プレートのうち少なくとも1つには、各プレート間での前記一方向に直交する直交方向の移動を許容する直交方向移動許容手段が設けられることを特徴とする。
【0008】
上記構成による免震装置の固定構造によれば、第1ベースプレートが構造物を支持する基礎に設けられ、この第1ベースプレートに、免震装置に備えられた第1支持プレートが固定されている。
【0009】
さらに、第1支持プレートの反対側に設けられた免震装置の第2支持プレートには、鉄筋コンクリート製の基礎梁に設けられた第2ベースプレートが固定されている。
【0010】
そして、第1ベースプレート、第2ベースプレート、第1支持プレート及び第2支持プレートのうち少なくとも1つには、各プレート間での一方向の移動を許容する一方向移動許容手段は、免震装置によって支持される基礎梁が一方向にずれてしまった場合に、各プレート間での一方向の移動を許容して一方向のずれを修正する。
【0011】
このように、一方向の移動を許容する一方向移動許容手段と、一方向に直交する直交方向の移動を許容する直交方向移動許容手段を設けることで、免震装置によって支持される基礎梁が二方向にずれてしまった場合でも、そのずれを修正することができる。
【0012】
本発明の請求項2に係る免震装置の固定構造は、請求項1に記載において、前記第1ベースプレートと前記第1支持プレート、及び前記第2ベースプレートと前記第2支持プレートはボルトとナットで固定され、前記一方向移動許容手段は、前記一方向に延びると共に前記ボルトが貫通する一方向長孔であって、前記直交方向移動許容手段は、前記直交方向に延びると共に前記ボルトが貫通する直交方向長孔であることを特徴とする。
【0013】
上記構成による免震装置の固定構造によれば、第1ベースプレートと第1支持プレート、及び第2ベースプレートと第2支持プレートはボルトとナットで固定されている。そして、ボルトが一方向長孔内を移動することで一方向のずれが修正され、さらに、ボルトが直交方向長孔内を移動することで直交方向のずれが修正される。
【0014】
このように、免震装置によって支持される基礎梁が二方向にずれてしまった場合でも、長孔の長手方向に沿ってボルトを移動させることでそのずれを修正することができる。
【0015】
本発明の請求項3に係る免震装置の固定構造は、請求項2に記載において、前記一方向長孔は、前記第1ベースプレートに形成され、前記直交方向長孔は、前記第1支持プレートに形成されることを特徴とする。
【0016】
上記構成による免震装置の固定構造によれば、一方向長孔は基礎にもうけられた第1ベースプレートに形成され、直交方向長孔は第1支持プレートに形成されている。
【0017】
このように、下側のプレートに一方向長孔及び直交方向長孔を設けることで、基礎梁との間での作業スペースが広くなり、ボルトの脱着を容易にすることができる。
【0018】
本発明の請求項4に係る免震装置の水平方向変位差を修正する方法は、第1支持プレートと第2支持プレートの間にゴムと板材の積層体を備えた免震装置と、構造物を支持する基礎に設けられ、前記第1支持プレートとボルトとナットで固定される第1ベースプレートと、鉄筋コンクリート製の基礎梁に設けられ、前記第2支持プレートとボルトとナットで固定される第2ベースプレートと、を備え、前記第1ベースプレート、前記第2ベースプレート、前記第1支持プレート及び前記第2支持プレートのうち少なくとも1つには、各プレート間での一方向の移動を許容すると共に、前記ボルトが貫通する一方向長孔が設けられ、前記一方向長孔が設けられない前記第1ベースプレート、前記第2ベースプレート、前記第1支持プレート及び前記第2支持プレートのうち少なくとも1つには、各プレート間での前記一方向に直交する方向の移動を許容すると共に、前記ボルトが貫通する直交方向長孔が設けられる免震装置の固定構造を用いて免震装置の水平方向変位差を修正する方法であって、前記基礎梁のコンクリートが硬化した後に、ジャッキを用いて前記基礎梁を持ち上げる工程と、前記基礎梁を持ち上げて前記免震装置上下プレートの2方向の変位差が修正された後に、前記ジャッキによって前記基礎梁を下げる工程と、前記基礎梁を下げた後に、前記ボルトを締め付ける工程と、を備えることを特徴とする。
【0019】
上記構成による免震装置の水平方向変位差を修正する方法によれば、先ず、最初の工程で、基礎梁のコンクリートが乾燥収縮して硬化した後に、プレートを固定していたボルトを緩め、さらに、ジャッキを用いて基礎梁を持ち上げる。基礎梁が持上げられることで、免震装置に負荷される圧縮力が緩和される。
【0020】
ここで、コンクリートが硬化する場合は、内部の水分等が除去され収縮する。つまり、基礎梁のコンクリートが硬化することで、基礎梁に設けられた第2ベースプレートの位置が水平方向にずれ、免震装置のゴムが弾性変形して免震装置が傾く場合がある。
【0021】
しかし、前述したように、基礎梁が持上げられることで、免震装置に負荷される圧縮力が緩和され、ボルトを緩めることでゴムが弾性復帰しようとする。免震装置のゴムが弾性復帰しようとすると、ボルトが一方向長孔内を移動することで一方向のずれが修正され、さらに、ボルトが直交方向長孔内を移動することで直交方向のずれが修正される。これにより、免震装置の傾きが是正され、基礎梁に設けられた第2ベースプレートの水平方向のずれが修正される。
【0022】
さらに、免震装置の傾きが是正され、免震装置上下プレートの2方向の変位差が修正された後、次の工程で、ジャッキによって基礎梁を下げる。また、次の工程で、プレートを固定するボルトを締め付ける。
【0023】
このように、ジャッキUPして、免震装置の傾きが是正されて免震装置上下プレートの2方向の変位差が修正され、ジャッキDOWNした後にボルトを締め付けることで、容易に免震装置の水平方向変位差を修正することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、免震装置によって支持される構造物が二方向にずれてしまった場合でも、そのずれを修正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1実施形態に係る免震装置の固定構造、及び免震装置の水平方向変位差を修正する方法に使用される免震装置を示した斜視図である。
【図2】(A)(B)本発明の第1実施形態に係る免震装置の固定構造、及び免震装置の水平方向変位差を修正する方法に使用される第1支持プレート及び第1ベースプレート等を示した平面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る免震装置の固定構造、及び免震装置の水平方向変位差を修正する方法を説明するのに使用される断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る免震装置の固定構造、及び免震装置の水平方向変位差を修正する方法を説明するのに使用される断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る免震装置の固定構造、及び免震装置の水平方向変位差を修正する方法を説明するのに使用される断面図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る免震装置の固定構造、及び免震装置の水平方向変位差を修正する方法を説明するのに使用される断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る免震装置の固定構造、及び免震装置の水平方向変位差を修正する方法に使用される免震装置を示した斜視図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る免震装置の固定構造、及び免震装置の水平方向変位差を修正する方法に使用される免震装置を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の第1実施形態に係る免震装置の固定構造の一例について図1〜図6に従って説明する。
【0027】
(構成)
図1に示されるように、地中に埋め込まれた杭10(図3参照)に固定されるように、構造物を支持するコンクリート製の基礎12が設けられている。そして、この基礎12には、基礎12に支持される構造物に伝達される振動を低減する免震装置18が載置される平面視円状の載置部14が凸状に設けられている。
【0028】
また、この載置部14の上面には、アンカー部材16で載置部14の上面に固定されると共に、免震装置18を固定するボルト20が挿通される一方向に延びた一方向長孔22が周囲に形成される円盤状の第1ベースプレート24が固定されている。
【0029】
さらに、この第1ベースプレート24に固定される免震装置18は、弾性変形して構造物の揺れを抑えるゴム28と板材30の積層体32を備えており、この積層体32を挟みこむように、円盤状の第1支持プレート36及び第2支持プレート38が設けられている。
【0030】
そして、第1支持プレート36は、第1ベースプレート24に載置されるようになっており、第1支持プレート36の周囲には、ボルト20が挿通されると共に一方向長孔22が延びる一方向に対して直交する直交方向に延びる直交方向長孔40が形成されている。
【0031】
この構成により、ボルト20を直交方向長孔40及び一方向長孔22を挿通させ、ボルト20にナット42を締め込むことで、免震装置18が載置部14に固定されるようになっている。
【0032】
これに対し、第1支持プレート36に対して積層体32を挟んで反対側に設けられる第2支持プレート38の周囲には、決められた間隔で円孔48が形成さいる。
【0033】
さらに、図3に示されるように、鉄筋コンクリート製の基礎梁50には、下方に突設したフーチング部52が設けられており、このフーチング部52の下面には、アンカー部材46で固定された円盤状の第2ベースプレート54が設けられている。
【0034】
さらに、この第2ベースプレート54の周囲には、免震装置18に向けて先端部が延びるボルト56が決められた間隔で接合固定されている。
【0035】
この構成により、第2ベースプレート54から延びるボルト56を第2支持プレート38の円孔48(図1参照)に挿通させ、ナット58締め込むことで免震装置18を基礎梁50のフーチング部52に固定できるようになっている。
【0036】
(作用・効果)
次ぎに、本実施形態に係る免震装置の固定構造を用いて免震装置の水平方向変位差を修正する方法について説明する。
【0037】
図3に示されるように、先ず、最初の工程で、凸状の載置部14を備えた基礎12を杭10が埋め込まれた地盤に施工し、免震装置18を載置部14に固定する。
【0038】
詳細には、図1に示されるように、載置部14に固定される第1ベースプレート24の周囲に形成された一方向長孔22と免震装置18の下端部に設けられる第1支持プレート36の周囲に形成された直交方向長孔40へボルト20を挿通させ、このボルト20へナット42を締め込むことで、免震装置18を載置部14に固定する。
【0039】
ここで、図2(A)に示されるように、ボルト20の頭部が、一方向長孔22の長手方向の中心であって、さらに、直交方向長孔40の長手方向の中心に配置されるように、ボルト20を一方向長孔22及び直交方向長孔40へ挿通させナット42を締め込む。
【0040】
さらに、図3に示されるように、免震装置18の上端部に設けられた第2支持プレート38の周囲に形成された円孔48(図1参照)へ、第2ベースプレート54に溶接で固定されたボルト56を挿通させてこのボルト56へナット58を締め込むことで免震装置18に第2ベースプレート54を固定する。
【0041】
次の工程で、この第2ベースプレート54を囲むようにコンクリートを流し込む型枠(図示省略)を施工し、型枠内に複数本の鉄筋(図示省略)を配置する。そして、鉄筋が配置された型枠内へコンクリート60を流し込み、コンクリート60がある程度硬化した後に、型枠を撤去して基礎梁50を施工する。
【0042】
図4に示されるように、施工後の基礎梁50のコンクリート60が乾燥収縮して完全硬化すると、基礎梁50のフーチング部52に固定されている第2ベースプレート54がコンクリート60の乾燥収縮によりコンクリートが収縮する水平方向へ移動する。これに対し、基礎12は、地盤との摩擦抵杭、及び杭10との接合によりその位置が維持される。これにより、免震装置18の第2支持プレート38が水平方向へ移動し、免震装置18のゴム28が弾性変形して免震装置18の積層体32が傾く。
【0043】
図5に示されるように、次の工程で、載置部14及びフーチング部52を囲むように、ジャッキ64を基礎12と基礎梁50の間に配置する。さらに、免震装置18の下端部に設けられた第1支持プレート36と、基礎12の載置部14に固定された第1ベースプレート24を固定しているボルト20を緩める。
【0044】
図6に示されるように、次の工程で、ジャッキ64を用いて基礎梁50を持ち上げる。基礎梁50が持上げられることで、免震装置18に負荷される圧縮力が緩和され、ゴム28が弾性復帰しようとする。
【0045】
免震装置18のゴム28が弾性復帰しようとすると、ボルト20が一方向長孔22内を移動することで一方向のずれが修正され、さらに、ボルト20が直交方向長孔40内を移動することで直交方向のずれが修正される。つまり、図2(B)に示されるように、一方向長孔22及び直交方向長孔40に対するボルト20の挿通位置が、一方向長孔22及び直交方向長孔40の長手方向の中心からずれることで、一方向及び直交方向のずれが修正される。これにより、免震装置18の傾きが是正され、基礎梁50に設けられた第2ベースプレート54の水平方向のずれが修正される。
【0046】
さらに、図6に示されるように、免震装置18の傾きが是正された後、次の工程で、ジャッキ64によって基礎梁50を下げる。また、次の工程で、第1支持プレート36を固定するボルト20をナット42へ締め付ける。
【0047】
このように、一方向の移動を許容する一方向長孔22と、一方向に直交する直交方向の移動を許容する直交方向長孔40を設け、ジャッキUPして、基礎梁50に設けられた第2ベースプレート38の水平方向のずれを修正して免震装置18の傾きを是正し、ジャッキDOWNした後にボルト20を締め付けることで、免震装置18によって支持される基礎梁50が二方向にずれてしまった場合でも、そのずれを修正することができる。
【0048】
また、二方向のずれを修正することで、水平方向における全ての方向のずれを修正することができる。
【0049】
また、一方向移動許容手段として一方向長孔22、直交方向移動許容手段として直交方向長孔40を採用し、各長孔の長手方向に沿ってボルト20を移動させることでそのずれを容易に修正することができる。
【0050】
また、下側の第1ベースプレート24及び第1支持プレート36に一方向長孔22及び直交方向長孔40を設けることで、基礎梁との間での作業スペースが広くなり、ボルト20の脱着を容易にすることができる。
【0051】
次ぎに、本発明の第2実施形態に係る免震装置の固定構造の一例について図7に従って説明する。なお、第1実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0052】
本第2実施形態に係る免震装置70の固定構造では、第1実施形態と違い、第1ベースプレート72及び第1支持プレート74には長孔が設けられておらず、第2ベースプレート80に一方向長孔76、第2支持プレート82に直交方向長孔78が設けられている。
【0053】
そして、第2支持プレート82の一方向長孔76と第2ベースプレート80の直交方向長孔76へボルト84を挿通させ、ボルト84をナット86へ締め付けるようになっている。
【0054】
次ぎに、本発明の第3実施形態に係る免震装置の固定構造の一例について図8に従って説明する。なお、第1実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0055】
本第3実施形態に係る免震装置90の固定構造では、第1実施形態と違い、第1ベースプレート92に一方向長孔94が設けられており、第2ベースプレート95に直交方向長孔96が設けられている。
【0056】
さらに、第1支持プレート98には円孔100が設けられ、第1支持プレート98の円孔100と第1ベースプレート92の一方向長孔94へボルト102を挿通させ、ボルト102をナット104へ締め付けるようになっている。
【0057】
また、第2支持プレート110には円孔112が設けられ、第2支持プレート110の円孔112と第2ベースプレート95の直交方向長孔96へボルト106を挿通させ、ボルト106をナット108へ締め付けるようになっている。
【0058】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、第1ベースプレート92に一方向長孔94を設け、第2ベースプレート95に直交方向長孔96を設けたが、他のプレートに一方向長孔及び直交方向長孔を設けて二方向のずれを修正してもよい。
【符号の説明】
【0059】
12 基礎
18 免震装置
20 ボルト
22 一方向長孔
24 第1ベースプレート
28 ゴム
30 板材
32 積層体
36 第1支持プレート
38 第2支持プレート
40 直交方向長孔
42 ナット
50 基礎梁
54 第2ベースプレート
56 ボルト
58 ナット
64 ジャッキ
70 免震装置
72 第1ベースプレート
74 第1支持プレート
76 一方向長孔
78 直交方向長孔
80 第2ベースプレート
82 第2支持プレート
84 ボルト
86 ナット
90 免震装置
92 第1ベースプレート
95 第2ベースプレート
96 直交方向長孔
98 第1支持プレート
102 ボルト
104 ナット
106 ボルト
108 ナット
110 第2支持プレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1支持プレートと第2支持プレートの間にゴムと板材の積層体を備えた免震装置と、
構造物を支持する基礎に設けられ、前記第1支持プレートが固定される第1ベースプレートと、
鉄筋コンクリート製の基礎梁に設けられ、前記第2支持プレートが固定される第2ベースプレートと、を備え、
前記第1ベースプレート、前記第2ベースプレート、前記第1支持プレート及び前記第2支持プレートのうち少なくとも1つには、各プレート間での一方向の移動を許容する一方向移動許容手段が設けられ、
前記一方向移動許容手段が設けられていない前記第1ベースプレート、前記第2ベースプレート、前記第1支持プレート及び前記第2支持プレートのうち少なくとも1つには、各プレート間での前記一方向に直交する直交方向の移動を許容する直交方向移動許容手段が設けられる免震装置の固定構造。
【請求項2】
前記第1ベースプレートと前記第1支持プレート、及び前記第2ベースプレートと前記第2支持プレートはボルトとナットで固定され、
前記一方向移動許容手段は、前記一方向に延びると共に前記ボルトが貫通する一方向長孔であって、
前記直交方向移動許容手段は、前記直交方向に延びると共に前記ボルトが貫通する直交方向長孔である請求項1に記載の免震装置の固定構造。
【請求項3】
前記一方向長孔は、前記第1ベースプレートに形成され、
前記直交方向長孔は、前記第1支持プレートに形成される請求項2に記載の免震装置の固定構造。
【請求項4】
第1支持プレートと第2支持プレートの間にゴムと板材の積層体を備えた免震装置と、
構造物を支持する基礎に設けられ、前記第1支持プレートとボルトとナットで固定される第1ベースプレートと、
鉄筋コンクリート製の基礎梁に設けられ、前記第2支持プレートとボルトとナットで固定される第2ベースプレートと、を備え、
前記第1ベースプレート、前記第2ベースプレート、前記第1支持プレート及び前記第2支持プレートのうち少なくとも1つには、各プレート間での一方向の移動を許容すると共に、前記ボルトが貫通する一方向長孔が設けられ、前記一方向長孔が設けられない前記第1ベースプレート、前記第2ベースプレート、前記第1支持プレート及び前記第2支持プレートのうち少なくとも1つには、各プレート間での前記一方向に直交する方向の移動を許容すると共に、前記ボルトが貫通する直交方向長孔が設けられる免震装置の固定構造を用いて免震装置の水平方向変位差を修正する方法であって、
前記基礎梁のコンクリートが硬化した後に、ジャッキを用いて前記基礎梁を持ち上げる工程と、
前記基礎梁を持ち上げて前記免震装置上下プレートの2方向の変位差が修正された後に、前記ジャッキによって前記基礎梁を下げる工程と、
前記基礎梁を下げた後に、前記ボルトを締め付ける工程と、
を備える免震装置の水平方向変位差を修正する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−17353(P2011−17353A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−160565(P2009−160565)
【出願日】平成21年7月7日(2009.7.7)
【出願人】(000003621)株式会社竹中工務店 (1,669)
【Fターム(参考)】