説明

内燃機関のエンジントルク推定装置

【課題】吸入空気量センサの検出値に基づくエンジントルクの推定精度の向上。
【解決手段】エアフロメータ18の検出値rQa1に基づいて、第1エンジントルク推定値rTq1を算出する。吸入空気量補正部B2では、空燃比センサ9の検出値rA/Fに基づいて、エアフロメータ18の検出値rQa1を補正後の値rQa2へ補正する。エンジントルク推定部B3では、補正前の検出値rQa1に基づく第1エンジントルク推定値rTq1と、補正後の値rQa2に基づく第2エンジントルク推定値rTq2のうち、大きい値の方を、ベルト式無段変速機のプーリとベルト間のベルト油圧の設定に用いられる最終的なエンジントルク推定値rTqとして選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアフロメータ等の吸入空気量センサの検出値を用いてエンジントルクを推定する装置に関し、特に、空燃比センサを利用してエンジントルクの推定精度を向上する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関(エンジン)を備える車両では、この内燃機関が出力するエンジントルクを推定し、このエンジントルクの推定値を用いて様々な制御が行われる。例えば特許文献1に記載のように、ベルト式の無段変速機を備える車両では、ベルトとプーリ間の接触摩擦力を適切に保つように、エンジントルクの推定値に基づいて無段変速機のベルトとプーリ間のベルト油圧(ライン圧)が制御される。エンジントルクは、例えば吸気通路に設けられたエアフロメータ等の吸入空気量センサの検出値を用いて推定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−124966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、吸入空気量センサの検出値に基づいてエンジントルクを推定する場合、吸入空気量センサの検出値の誤差・ばらつきの影響によりエンジントルクを正確に推定できないことがある。このように不正確なエンジントルクの推定値を用いて上述したように無段変速機のベルト油圧を設定すると、エンジントルク推定値が実際のエンジントルクよりも小さい側にずれている場合に、実際のエンジントルクに対してベルト油圧が不足して、ベルトとプーリとの間に滑りを生じ、ベルト式無段変速機の耐久性や信頼性を損ねるおそれがある。
【0005】
ところで、排気エミッションの低減化を図るために、周知のように、排気通路には触媒が介装されるとともに、この触媒による排気浄化効率を高めるために、排気の空燃比を検出する空燃比センサを設け、この空燃比センサの検出値に基づいて空燃比を目標空燃比(理論空燃比)の近傍に維持する、いわゆるフィードバック制御が行われる。
【0006】
本発明は、このような空燃比センサを利用して、吸入空気量センサの検出値に基づいて設定されるエンジントルクの推定精度の向上を図るものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る内燃機関のエンジントルク推定装置は、内燃機関の吸気通路に配設され、吸入空気量を検出する吸入空気量センサと、内燃機関の排気通路に配置され、排気の空燃比を検出する空燃比センサと、を有している。そして、上記空燃比センサの検出値に基づいて、上記吸入空気量センサの検出値を補正し、この補正後の吸入空気量センサの検出値に基づいてエンジントルクを推定することを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、空燃比センサの検出値を用いて吸入空気量センサの検出値を補正することによって、吸入空気量センサの検出値の誤差・ばらつきの影響を低減・排除することができ、この補正後の吸入空気量センサの検出値に基づいて精度良くエンジントルクの推定値を求めることができる。つまり、空燃比フィードバック制御に用いられる空燃比センサの検出値を利用した簡素な構成で、吸入空気量センサの検出値に基づくエンジントルクの推定精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】、本発明の一実施例が適用される車両駆動機構の構成を模式的に示す構成図。
【図2】本実施例に係る内燃機関のシステム構成を示す構成説明図。
【図3】本実施例に係るエンジントルク推定値の設定処理の流れを示すフローチャート。
【図4】本実施例に係るエンジントルク推定値の設定処理を簡略的に示す制御ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、内燃機関1の駆動力をベルト式無段変速機(CVT)21を介して駆動輪22へ伝達するようにした車両駆動機構の構成を模式的に示している。
【0011】
無段変速機21は、駆動側となるプライマリプーリ23と従動側となるセカンダリプーリ24と両者間に巻き掛けられた金属製ベルト25とを備えるものであって、プライマリプーリ23のプーリ幅が油圧室26内の油圧により調整可能となっており、かつ、この油圧に応じてセカンダリプーリ24のプーリ幅が変化し、無段階に変速がなされるものである。プライマリプーリ23の回転軸となる変速機入力軸は、遊星歯車機構を用いた前後進切換機構27とトルクコンバータ28とを介して、内燃機関1のクランクシャフトに接続されている。また、セカンダリプーリ24の回転軸となる変速機出力軸は、ファイナルギア29およびディファレンシャルギア30を介してアクスルシャフト31に接続され、駆動輪22へ動力を伝達している。
【0012】
この無段変速機21には、プーリ23,24とベルト25との間の接触摩擦力を得るためのベルト油圧を生成するために、前後進切換機構27の出力側に、歯車ポンプからなる機械駆動式の油圧ポンプ32が配置されている。この油圧ポンプ32から供給された油圧は、調圧弁や油圧制御弁を含んで構成される変速制御部33によって、所定の上記ベルト油圧(ライン圧)に制御され、車両運転状態に応じた変速比を得るように、油圧室26に供給される。なお、変速比は基本的にプライマリプーリ23側の油圧室26の油圧によって制御されるが、セカンダリプーリ24側にも図示せぬ油圧室が設けられており、適切なベルト張力が発生するように適宜な油圧が導入されている。
【0013】
油圧ポンプ32によって生成されるベルト油圧は、後述するエンジントルク推定値rTqに応じて設定され、基本的には、エンジントルク推定値rTqが高いほどベルト油圧が高くなるように設定される。また、ベルト油圧は、プーリ幅が過渡的に変化する変速動作中は、ベルト25の滑りを防止するために、定常時に比較して相対的に高い圧力が要求される。そのため、油圧ポンプ32の駆動トルクが増加するとともに各部のフリクションも増大し、エンジントルクの中で損失となるトルクが増大する。
【0014】
次に、図2は、上記内燃機関1のシステム構成を示す構成説明図であって、火花点火式ガソリン機関である内燃機関1は、燃焼室中心に点火プラグ2を備えるとともに、吸気弁3および排気弁4を備えており、かつ、クランクシャフトの回転を検出するクランク角センサ5が設けられている。排気通路6は、触媒コンバータ7ならびに消音器8を備えており、触媒コンバータ7の上流位置に、排気の空燃比を検出する空燃比センサ9が設けられている。この空燃比センサ9は、空燃比に応じ出力値がリニアに変化する広域型の空燃比センサが用いられている。また、排気還流装置10として、排気通路6から吸気通路11に至る排気還流通路12が設けられているとともに、排気還流量を可変制御する例えばステップモータ型の排気還流制御弁13が該排気還流通路12に介装されている。
【0015】
吸気通路11の下流側部分となる各気筒の吸気ポート入口部には、各吸気ポートに向けて燃料を噴射する燃料噴射弁15がそれぞれ配置されている。そして、各気筒の吸気通路11は、吸気コレクタ16に集合しており、この吸気コレクタ16の入口側の吸気通路11に、電子制御型のスロットル弁17が設けられている。この電子制御型スロットル弁17は、電気モータからなるアクチュエータを備え、エンジンコントロールユニット19から与えられる制御信号によって、その開度が制御される。なお、スロットル弁17の実際の開度を検出する図示せぬセンサを一体に備えており、その検出信号に基づいて、スロットル弁開度が目標開度にクローズドループ制御される。またスロットル弁17の上流側に、吸入空気量(空気流量)を検出する吸入空気量センサとしてのエアフロメータ18が設けられている。
【0016】
さらに、運転者により操作されるアクセルペダルの踏込量(アクセルペダル開度APO)を検出するアクセル開度センサ20を備えており、その検出信号は、上記のクランク角センサ5や空燃比センサ9、エアフロメータ18等の検出信号とともに、エンジンコントロールユニット19に入力されている。エンジンコントロールユニット19は、これらの検出信号に基づいて、燃料噴射弁15の噴射量や噴射時期、点火プラグ2による点火時期、スロットル弁17の開度、などを制御する。
【0017】
なお、上記無段変速機21の変速比は、図示せぬCVTコントロールユニットによって、車両の運転状態、主にアクセルペダル開度APOおよび車速に基づいて、連続的に制御されるが、このCVTコントロールユニットとエンジンコントロールユニット19は、互いに通信可能なようにネットワーク化されており、種々の信号をやり取りしている。エンジンコントロールユニット19とCVTコントロールユニットとを単一のコントロールユニットとして一体化することも勿論可能である。
【0018】
次に図3及び図4を参照して、本実施例の要部をなすエンジントルク推定値rTqの推定・算出処理について説明する。図3は、本実施例に係るエンジントルク推定値rTqの算出処理の流れを示すフローチャートである。
【0019】
ステップS1では、エアフロメータ18,空燃比センサ9及びクランク角センサ5等の各種センサの検出値を読み込む。ステップS2では、吸入空気量に相当するエアフロメータ18の検出値rQa1と、クランク角センサ5の検出値等に応じて求められるエンジン回転数Neと、に基づいて、予め設定されたエンジントルク用の設定マップ(図4)を参照して、内燃機関が出力するエンジントルクの推定値である第1エンジントルク推定値rTq1を算出する。
【0020】
ステップS3では、排気の空燃比に相当する空燃比センサ9の検出値rA/Fに基づいて、エアフロメータ18の検出値rQa1を、補正後の値rQa2へ補正する。例えば、排気の空燃比が目標空燃比(通常、理論空燃比)からリッチ側もしくはリーン側にずれている場合、エンジントルクが低下することから、排気の空燃比が目標空燃比から外れるほど、エンジントルクが低い値となるように、エアフロメータ18の検出値rQa1を低下側に補正する(rQa2<rQa1)。
【0021】
そして、ステップS4では、ステップS3の処理による補正後のエアフロメータ18の検出値rQa2と、エンジン回転数Neと、に基づいて、エンジントルク用の設定マップを参照して、補正後の第2エンジントルク推定値rTq2を算出する。
【0022】
なお、本実施例では、この補正後の第2エンジントルク推定値rTq2の算出に用いる設定マップは、簡素化のために、補正前の第1エンジントルク推定値rTq1の算出に用いる設定マップと同一のものを用いているが、それぞれ別個のマップを用いるようにしても良い。
【0023】
ステップS5〜S7の処理では、補正前の第1エンジントルク推定値rTq1と、補正後の第2エンジントルク推定値rTq2のうち、大きい値の方を、最終的なエンジントルク補正値rTqとして選択・設定する。具体的には、補正前の第1エンジントルク推定値rTq1が補正後の第2エンジントルク推定値rTq2よりも大きい場合には、ステップS5からステップS6へ進み、補正前の第1エンジントルク推定値rTq1を最終的なエンジントルク推定値rTqとして選択する。一方、補正前の第1エンジントルク推定値rTq1が補正後の第2エンジントルク推定値rTq2以下の場合には、ステップS5からステップS7へ進み、補正後の第2エンジントルク推定値rTq1を最終的なエンジントルク推定値rTqとして選択する。
【0024】
図4に示すように、このようにして設定された最終的なエンジントルク推定値rTqは、上述したベルト式無段変速機21のベルト油圧の設定に用いられる。具体的には、エンジントルク推定部B3(エンジントルク推定手段)では、上述したように、補正前の第1エンジントルク推定値rTq1と、補正後の第2エンジントルク推定値rTq2のうち、大きい値の方を、最終的なエンジントルク補正値rTqとして選択・設定する。そして、ベルト油圧演算部B4では、最終的なエンジントルク推定値rTqに基づいてベルト油圧の指令値を算出する。この指令値に基づいて、ベルト油圧を生成する油圧ポンプ32が駆動制御されることとなる。
【0025】
また、図4に示すように、フィードバック演算部B1では、エアフロメータ18の検出値rQa1に基づいて、基本燃料噴射量を算出するとともに、空燃比センサ9の検出値rA/Fから得られる実際の空燃比と目標空燃比tA/Fとの偏差に基づくフィードバック制御によるフィードバック制御量を算出し、これら基本燃料噴射量とフィードバック制御量とに基づいて燃料噴射量を算出する。この燃料噴射量に基づいて燃料噴射弁15が駆動制御されることとなる。
【0026】
吸入空気量補正部B2(補正手段)では、上述したように、エアフロメータ18の検出値rQa1に対し、空燃比センサ9の検出値rA/Fに基づいて補正処理を行うことで、補正後の値rQa2を算出する。この補正後の値rQa2とエンジン回転速度Neとに基づいて、補正後の第2エンジントルク推定値rTq2が求められる。
【0027】
このように本実施例では、吸入空気量に相当するエアフロメータ18の検出値rQa1を、排気の空燃比に相当する空燃比センサ9の検出値rA/Fを用いて補正することによって、エアフロメータ18の検出値rQa1の誤差・ばらつきの影響を補正後の値rQa2に反映させることができ、この値rQa2を用いて精度良くエンジントルク推定値rTq2を求めることができる。つまり、空燃比フィードバック制御に用いられる空燃比センサ9を利用した簡素な構成で、エアフロメータ18を用いたエンジントルクの推定精度を向上することができる。
【0028】
また、補正前の吸入空気量センサの検出値rQa1に基づいて第1エンジントルク推定値rTq1を求めるとともに、空燃比センサ9の検出値rA/Fを用いた補正後の吸入空気量センサの検出値rQa2に基づいて第2エンジントルク推定値rTq2を求めており、これら第1エンジントルク推定値rTq1と第2エンジントルク推定値rTq2のうち、大きい値の方を、ベルト式無段変速機21のベルト油圧の設定に用いられる最終的なエンジントルク推定値rTqとして選択している。
【0029】
これによって、空燃比センサ9やエアフロメータ18の誤差・ばらつきによって、第1エンジントルク推定値rTq1と第2エンジントルク推定値rTq2のうち、いずれか一方が過小となっていたとしても、両者rTq1,rTq2のうちで大きい値の方を最終的なエンジントルク推定値rTqとして選択することによって、このエンジントルク推定値rTqが実際のエンジントルクよりも過小となる事態をより確実に抑制・回避することができる。この結果、このエンジントルク推定値rTqを用いて設定されるベルト式無段変速機21のベルト油圧が過小となって耐久性や信頼性の低下を招く事態をより確実に抑制・回避することができる。
【0030】
また、図4のベルト油圧演算部B4では、第1エンジントルク推定値rTq1と第2エンジントルク推定値rTq2との差が所定値以上の状態が所定時間継続した場合には、空燃比センサ9やエアフロメータ18等に何らかの異常があると判断して、ベルト油圧を、最大エンジントルクにも耐え得る最大値またはその近傍の値に設定している。これによって、このような異常時におけるベルト油圧の不足を確実に解消することができる。
【0031】
更に、空燃比センサ9の検出値rA/Fと目標空燃比との偏差が所定値以上の状態が所定時間継続した場合にも、空燃比センサ9を含めたフィードバック制御系に何らかの異常が発生していると判断して、ベルト油圧を、最大エンジントルクにも耐え得る最大値またはその近傍の値に設定している。これによって、このような異常時におけるベルト油圧の不足をより確実に抑制・解消することができる。
【0032】
また、図3のステップS3及び図4の吸入空気量補正部B2における補正処理では、制御の簡素化等の目的で、目標空燃比が理論空燃比である場合を想定して、予め設定したマップ等を参照してエアフロメータ18の検出値の補正を行うようにしているが、例えば燃料増量域のように、目標空燃比そのものが理論空燃比から外れている場合には、この目標空燃比と理論空燃比との偏差に応じて、エンジントルク推定値を更に補正している。例えば、予め実験により取得した吸入空気量と排気の空燃比とエンジントルクとの相関関係からマップ等を設定・保存しておき、目標空燃比と理論空燃比との偏差に基づくマップ検索により補正係数を算出し、この補正係数を用いてエンジントルク推定値を補正する。このように、目標空燃比の理論空燃比からのずれ分をも勘案してエンジントルク推定値を補正することによって、燃料増量域のように目標空燃比が理論空燃比から外れているような運転状態においても、精度良くエンジントルク推定値を求めることが可能となる。
【0033】
以上のように本発明を具体的な実施例に基づいて説明してきたが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変形・変更を含むものである。例えば、空燃比センサとしては、上記実施例のような広域型の空燃比センサに限らず、例えば理論空燃比を挟んでリッチ側とリーン側とで出力が反転する簡易な酸素センサを用いることもできる。
また、上記実施例では、空燃比センサの検出値に基づいて、吸入空気量センサの検出値を補正し、補正後の吸入空気量センサの検出値に基づいてエンジントルクを推定したが、吸入空気量センサの検出値に基づいて先にエンジントルクを推定し、推定したエンジントルク推定値(第1エンジントルク推定値)を空燃比センサの検出値で補正し、補正後の第1エンジントルク推定値をエンジントルク推定値とすることもできる。
【符号の説明】
【0034】
9…空燃比センサ
18…エアフロメータ(吸入空気量センサ)
19…エンジンコントロールユニット
21…ベルト式無段変速機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の吸気通路に配設され、吸入空気量を検出する吸入空気量センサと、
上記吸入空気量センサの検出値に基づいて、エンジントルクを推定するエンジントルク推定手段と、
を有する内燃機関のエンジントルク推定装置において、
内燃機関の排気通路に配置され、排気の空燃比を検出する空燃比センサと、
上記空燃比センサの検出値に基づいて、上記吸入空気量センサの検出値を補正する補正手段と、を備え、上記エンジントルク推定手段は、上記補正手段による補正後の吸入空気量センサの検出値に基づいて、エンジントルクを推定する、ことを特徴とする内燃機関のエンジントルク推定装置。
【請求項2】
変速比が連続的に可変制御されるベルト式無段変速機が内燃機関に接続されており、
上記トルク推定手段が、
上記補正手段による補正前の吸入空気量センサの検出値に基づいて、第1エンジントルク推定値を求めるとともに、
上記補正手段による補正後の吸入空気量センサの検出値に基づいて、第2エンジントルク推定値を求め、
これら第1エンジントルク推定値と第2エンジントルク推定値のうち、大きい値の方を、上記ベルト式無段変速機のプーリとベルト間のベルト油圧の設定に用いられる最終的なエンジントルク推定値として選択する、
ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のエンジントルク推定装置。
【請求項3】
上記第1エンジントルク推定値と第2エンジントルク推定値との差が所定値以上の状態が所定時間継続した場合には、上記ベルト油圧を最大とすることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関のエンジントルク推定装置。
【請求項4】
上記空燃比センサにより検出される排気の空燃比と目標空燃比との差が所定値以上の状態が所定時間継続した場合には、上記ベルト油圧を最大とすることを特徴とする請求項2又は3に記載の内燃機関のエンジントルク推定装置。
【請求項5】
上記エンジントルク推定手段は、目標空燃比が理論空燃比から外れている場合には、目標空燃比と理論空燃比との差に応じて、上記エンジントルク推定値を補正することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関のエンジントルク推定装置。
【請求項6】
内燃機関の吸気通路に配設され、吸入空気量を検出する吸入空気量センサと、
上記吸入空気量センサの検出値に基づいて、エンジントルクを推定するエンジントルク推定手段と、を有する内燃機関のエンジントルク推定装置において、
内燃機関の排気通路に配置され、排気の空燃比を検出する空燃比センサを備え、
上記エンジントルク推定手段は、上記吸入空気量センサの検出値に基づいて推定した第1エンジントルク推定値を上記空燃比センサの検出値で補正し、上記補正後の第1エンジントルク推定値をエンジントルク推定値とする、ことを特徴とする内燃機関のエンジントルク推定装置。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図1】
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【公開番号】特開2013−68146(P2013−68146A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206758(P2011−206758)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】