冷却ガス発生器のための、圧縮ガスの充填が可能な圧力容器の閉鎖装置
本発明は、圧縮ガスで満たすことができる、冷却ガス発生器(11)の圧力容器(14)の閉鎖装置に関し、圧力容器(14)は、一端に閉鎖した底部を、及び他端に容器開口部(16)を備え、この容器開口部(16)の上に、周囲と連通する排出開口部(18)を静止位置において閉鎖するバルブ本体(48、71)を有する、冷却ガス発生器(11)を形成するための閉鎖装置(12)を配置することができ、このバルブ本体(48、71)を、排出開口部(18)を開くための駆動装置(31)により作動位置へ移動させることができ、排出開口部(18)の少なくとも1つの弁座(51)と駆動装置(31)との間に、加えられる閉鎖力を低下させるとともに静止位置と作動位置との間で少なくとも1つのバルブ本体(48、71)を作動させる装置(33)が設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前段に記載したような、圧縮ガスで充填可能な、冷却ガス発生器の圧力容器に用いる閉鎖装置に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許明細書第6,068,288号には、圧縮ガスで満たすことができる、冷却ガス発生器の圧力容器閉鎖装置が開示されている。この種の冷却ガス発生器は車のエアバッグシステムに使用される。閉鎖装置は、周囲に通じる容器開口部を静止位置において閉鎖するバルブ本体を含む。圧縮ガスを流出させるために、バルブ本体を作動位置へ動かすことができる電磁駆動装置が設けられる。閉鎖装置本体はスライドの形で具体化される。移動する動きにより様々な流路が解放されて、圧縮ガスの流出を可能にすることができる。さらに、このスライドの移動する動きにより、閉鎖装置が再び閉鎖されるようにもなる。この装置には、スライドを作動させるのに強い力を要するという欠点がある。また、これらの力が高まると、この種のスライドの作動、とりわけ閉鎖装置の閉鎖する動きが妨げられる。このことが多くの場合不完全な密閉性に関連し、漏れ流れが発生して、冷却ガス発生器を限られた範囲でしか使用できなくなり、或いは他の用途に対してもはや全く使用できないようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許明細書第6,068,288号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明は、冷却ガス発生器のための、圧縮ガスで充填可能な圧力容器に用いる閉鎖装置を提供すること基づいて、その目的は、高圧下にある圧縮ガスの計量した送出を行い、圧縮ガス送出後に確実に閉鎖を行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、この目的は主請求項の特徴により達成される。別の好適な構成及び成果については、その他の請求項で開示する。
【0006】
本発明によれば、閉鎖装置が、排出開口部の弁座と少なくとも1つのバルブ本体を作動させるための駆動装置との間に、バルブ本体に取り付けるべき装置を有し、この装置が閉鎖力を低下させ、作動位置と静止位置との間でバルブ本体を作動させる。閉鎖力が低下した結果、高圧下にあり送出用の圧縮ガスを計量して正確に制御可能に圧力容器から送出することが容易になる。同時に、閉鎖装置を開くための力を低減させることもできる。この種の圧力容器では、圧縮ガスは、例えば600から1,000バールの動作圧で存在することになる。閉鎖装置の開閉の動きは数ミリ秒以内に行われ、これらの高動作圧に抗して作動する必要がある。バルブ本体に取り付けられる閉鎖力を低減させる装置により、閉鎖装置を突然開くこと及び容器開口部を迅速に遮断することの両方を容易にすることができる。閉鎖装置を電気で作動させることにより、エアバッグに必要な圧縮ガスの量を、例えば衝突速度などの事故の激しさに応じて適合させることが可能とする。さらに、二次衝突の際に圧力バッグの充填速度及び再充填までもを促すことができる。
【0007】
本発明の好ましい実施形態によれば、装置が、バルブ本体の方に向けられた端部に少なくとも1つの圧力面を有する圧力要素を有することにより、少なくとも1つのバルブ本体を移動させて弁座の開口部を終端させることができるような対策が行われる。これにより、特に円錐様式で具体化された圧力面を介して、実際に必要な閉鎖力を低下させる梃子(てこ)の力が発生できるようになる。同時に、低い解除力も促進されることにより、電気駆動を介して単純な作動が可能となる。
【0008】
好ましい実施形態によれば、各々にバルブ本体が関連する複数の径方向に向けられた開口部がバルブ挿入部に設けられる。圧力要素の好ましくは円錐形の圧力面が、共にバルブ本体に作用することが好ましい。バルブ本体は、例えば、ケージにより互いに円周方向に配置された密閉球又は密閉部分として具体化することができる。圧力要素上に円錐面が存在する結果、全てのバルブ本体を好ましくは均一にかつ同時に作用させることにより、迅速な閉鎖の動きを促進できるようにもなる。或いは、個々のバルブ本体の連続した閉じる動きを実現することもできる。
【0009】
さらに、駆動装置により、圧力要素を少なくとも1つのバルブ本体へ移動可能となるように作動させ、圧力要素の圧力面が移動の方向に対して鋭角で具体化されるような対策を行うことが好ましい。この結果、バルブ本体を、バルブ挿入部において径方向の動きの方向に開口するように位置付けるとともにそれぞれの開口部を閉じるために、非常に高い接触力を引き起こすことができる。円錐面のストロークの距離及び傾斜は、バルブ本体の形状及び必要な開口断面に適合させることができる。この圧力面はまた、湾曲した、或いは双曲線の行程を有することもできる。
【0010】
圧力要素及びバルブ挿入部は、径方向に延びる突き合わせ面により範囲を定められたバルブ本体を受け入れる空間を形成することが好ましい。この突き合わせ面は、バルブ挿入部の径方向の開口部に直接隣接する。この結果、バルブ本体、特に密閉球がこの受け入れ空間内に残るようになる。同時に、この突き合わせ面は、バルブ本体をスラントを介してバルブ挿入部内の開口部へ向けて動かすために、圧力要素の閉じる動きの間、カウンタベアリングとして機能する。
【0011】
この第1の有利な実施形態によれば、圧力要素は、少なくとも1つのバルブ本体を取り囲むカップ状部分を備える。この場合、カップ形状部分が、内部自由端で圧力面、具体的には円錐面を受け入れ、カップ状部分の底部と圧力面との間に貫通開口部が設けられる。従って、バルブ本体間の流出だけでなくむしろ貫通開口部を介して圧縮ガスの追加の流出を行うこともでき、この結果、圧力バッグ又はエアバッグにおける圧縮ガスの迅速な供給が容易になる。
【0012】
圧力要素は、カップ状部分内に、バルブ挿入部の外周に作用するガイドをさらに有する。この結果、圧力要素は、バルブ本体に直接隣接した状態で導かれ、このため、バルブ挿入部内の開口部に対してバルブ本体を位置付けるための円錐面を正確に導くことが容易になる。
【0013】
駆動装置と圧力要素との間に、畜力要素、具体的には圧力要素にバルブ本体を閉じる方向に力を及ぼす圧縮バネが設けられることが好ましい。この結果、圧縮バネにより、閉鎖装置を無電流状態で静止位置へ移動させ、ここに保持することが可能となる。この無電流静止位置は、制御電流の障害の際に圧縮ガスが思いがけず流出しないように安全対策として必要なものである。本発明による閉鎖力を低下させるための装置により、圧縮力の低下した圧縮バネを設けることができ、ひいては空間全体の縮小が容易になる。
【0014】
駆動装置のハウジング内のチャンバ内に畜力要素を設け、バルブ本体へ向けて開口するとともに横方向貫通開口部を有するように具体化することが好ましい。この結果、ハウジングが圧力容器のカバーの接続端部に固定され、圧力容器からエアバッグへの圧縮ガスの流路が解除されて迅速に充填を行えるという点でコンパクトな設計を実現することができる。
【0015】
好ましい実施形態によれば、バルブ挿入部は、圧力容器用のカバーの排出開口部内に締結される。このカバーは閉鎖装置の一部であってもよく、或いは既に構成部品としてこのカバーを圧力容器に確実に押し付け、又は接続してもよい。バルブ挿入部は、カバーの中心排出開口部内に、好ましくはねじ山によって解放可能に配置される。
【0016】
駆動装置を圧力容器に取り付けできるように、駆動装置は、カバーの接続端部に作用する締結部を有することが好ましい。このようにして、閉鎖装置に対して圧力容器を別個に設けることができ、単純な取り付け及び後からの充填を可能にすることができる。
【0017】
さらにカバーには、排出開口部を周囲に接続する孔に挿入できる過剰圧制限バルブを設けることが好ましい。この結果、容器内部の最大高圧を設定できるようになる。
【0018】
さらに、カバーが接続端部上にさらなる締結部を有し、その上に圧縮ガスで満たすことができるバッグ又はエアバッグを配置するような対策を行うことが好ましい。これにより、単純な取り付けが可能となる。この締結部を規格化することにより、様々な実施形態の圧縮ガスバッグをこの締結部に締結できるようになる。
【0019】
本発明の第2の好ましい実施形態は、ピストンとして具体化され、排出開口部上の弁座を端面によって終端させ、第1の圧力面を含むバルブ本体を有する、加えられる閉鎖力を低下させる装置と、プレチャンバ内に逆向きに配置されたバルブ本体とを提供し、このプレチャンバ内では、リストリクタバルブを使用して、圧縮ガスの動作圧と比較して減少するとともにプレチャンバ内のバルブ本体の第2の圧力面に作用するプレチャンバ圧力を設定することができる。この構成の結果、少なくとも2つの圧力面の圧力補償により、閉鎖力の低下が実現される。結果として、容易化した閉鎖を実現することができる。
【0020】
第2の実施形態によるプレチャンバ圧力を調節するために、プレチャンバを圧力容器に接続した経路内にリストリクタバルブが設けられる。これにより、好ましくはリストリクタバルブによって調節できる圧力をプレチャンバ内で高めるために単純な設計が実現される。
【0021】
さらに、駆動装置上に配置できる保持スリーブによってピストンを保持し、保持スリーブがガイド部分を含むような対策を行うことが好ましい。この結果、圧力要素を傾斜しないように導くことができる。保持スリーブを別個の構成部品として具体化し、或いはカバーと一体の部品として統合することができる。
【0022】
装置内の圧力補償によって力を低下させるために、バルブ本体が、第1の弁座と保持スリーブにより形成された別の弁座との間に、大気圧を加えた第3の圧力面を有するような対策をさらに行う。この実施形態では、この第3の圧力面は環状であることが好ましい。さらに、これにより、プレチャンバの圧力からの力と、第3の圧力面及びさらに第1の圧力面の環状断面からの力とが加算されるため、力を低下させることが容易になる。断面及び圧力差を好適な態様で選択した場合、結果として生じる力はゼロに等しくなる可能性さえもある。
【0023】
駆動装置の保持スリーブとハウジングとの間、及び好ましくは保持スリーブのガイド部分とバルブ本体との間に密閉要素を設けると有利である。この結果、安定したプレチャンバ圧力が維持される。圧力容器内の圧縮ガスの動作圧が例えば800バールの場合、リストリクタバルブを介して例えば400バールのプレチャンバ圧力が設定されることが好ましい。
【0024】
本発明の別の有利な構成によれば、プレチャンバ内に畜力要素、具体的には閉じる方向に力を及ぼす圧縮バネが設けられる。圧力面を介して圧力補償を行った結果、力の弱い畜力要素を使用して、必要な密閉圧力又は必要な密閉力を加えることにより、閉鎖装置が、無電流状態で圧力容器を安全に閉鎖できるようになる。同時に、好ましくは閉鎖装置の開口中にバネ力に抗して働く電磁石により単純な作動が促進される。
【0025】
本発明の好ましい第3の代替の実施形態によれば、カバー内の排出開口部を開口するためのバルブ本体の開く動きを、駆動装置によって直接作動させるのではなく、プレチャンバ内に行き渡ったプレチャンバ圧力により作動できるような対策が行われる。このために、プレチャンバと大気圧を加えた横孔との間の貫通開口部を開閉する制御バルブにより、プレチャンバ圧力を変更できるような対策を行うことが好ましい。バルブ本体が、プレチャンバ内に自由に動けるように設けられる。容器の内部圧力とプレチャンバの圧力との間の圧力補償及びさらに圧力面の状態により、制御バルブの閉鎖時にピストンが閉鎖位置に残るようになる。制御バルブが開いて圧縮ガスがプレチャンバから流出するとすぐ、結果として得られる圧力容器内の圧縮ガスの過剰圧力が弁座からバルブ本体を持ち上げ、圧縮ガスが漏出できるようになる。
【0026】
制御バルブを駆動装置によって作動できるような対策を行うことが好ましい。この結果、バルブ本体を作動位置へ移動させ、排出開口部を開くために、バルブ本体が駆動装置を直接介して作動され、すなわちバルブ本体が間接的に作動される。
【0027】
さらに、制御バルブに閉じる方向に力を加える畜力要素を設けることが好ましい。これにより、閉鎖装置が無電流状態の際に圧縮ガス容器を閉鎖したままにする安全機能も提供される。
【0028】
第3の実施形態の別の有利な構成によれば、制御バルブが、駆動装置を受け入れるとともにカバー上に配置できる中間フランジ内に弁座を有するような対策が行われる。これにより、モジュール構造が提供され、個々の構成部品が単純な態様で交換できるように設けられる。同時に、個々の境界面にシールを設けることにより、プレチャンバが圧力抵抗性を有するようにすることができる。
【0029】
本発明の別の代替の実施形態によれば、制御バルブのバルブ本体を少なくとも部分的に取り囲むバルブ本体のガイド部分と、制御バルブのバルブ本体との間で、バルブ本体が制御バルブから開く動きの間、排出開口部の少なくとも1つの弁座からバルブ本体が上昇するように強制的な作動が行われるような対策が行われる。動きの方向におけるこの強制的な制御により、このために特に強い力を加える必要なく、非常に高いガス量を高圧で制御できるようになる。同時に、開くことが確実にされる。
【0030】
プレチャンバを有する実施形態は全て、火工技術的に開示されているハイブリッドガス又は冷却ガス発生器に必要とされるような、ベルとして知られているものを伴わずに、圧力容器の単純な充填が促進されるという利点を有する。
【0031】
さらに、この代替の実施形態は、制御バルブを作動させるための駆動装置を電磁駆動装置として設計できるという利点を有する。弱い力及び短いストローク距離によって、例えば圧電セラミックプレートスタック駆動装置又は圧電セラミック曲げプレート駆動装置を設けることもできる。
【0032】
本発明のさらなる好ましい構成によれば、駆動装置及び/又は圧力容器の作動が圧力センサによりモニタされるような対策が行われる。この結果、単一の又は複数のバルブを短時間で開閉することができる。作動可能なバルブのストロークにより、流出量を決定することもできる。この種の圧力センサを使用することによって制御回路を閉鎖できるようになり、この結果、流出したガスの量に関する情報が得られるようになる。圧力センサにより、ガス発生器の操作性及び充填量を常に点検できるようにもなる。これにより、特にメンテナンスが容易になる。
【0033】
以下、本発明、並びに本発明のさらなる有利な実施形態及び成果についても、図面に示す実施例に基づいてさらに詳細に説明し、解説する。本発明によれば、説明及び図面から推測できる特徴自体を個々に、或いは任意の所望の組み合わせで共に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明による閉鎖装置の第1の実施形態による冷却ガス発生器の概略断面図である。
【図2】図1の閉鎖装置の閉じた状態の拡大概略断面図である。
【図3】図1の閉鎖装置の開いた状態の概略拡大断面図である。
【図4】図1の代替例としての閉鎖装置の実施形態の概略断面図である。
【図5】図4の閉鎖装置の閉じた状態の概略断面図である。
【図6】閉鎖装置のさらなる実施形態の概略断面図である。
【図7a】図1の閉鎖装置のさらなる代替実施形態の概略断面図である。
【図7b】図1の閉鎖装置のさらなる代替実施形態の概略断面図である。
【図8】図1の代替例としての閉鎖装置の実施形態の概略断面図である。
【図9】図8の閉鎖装置の開いた状態の概略断面図である。
【図10】図1の代替例としての閉鎖装置の実施形態の概略断面図である。
【図11】図10の閉鎖装置の開いた状態の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は、圧力容器14上に設けた閉鎖装置12の第1の実施形態による冷却ガス発生器11の概略断面図である。圧力容器14は、カバー17によって閉鎖された容器開口部16を上端に有する。或いは、このカバー17を、圧力容器14上に一体部品の形で、若しくは閉鎖装置12の構成部品として具体化してもよい。カバー17は、好ましくは中心に、閉鎖装置12によって作動できる排出開口部18を有する。カバー17は、閉鎖装置12を解放可能に締結した接続端部19を備える。さらに、接続端部19は、好ましくはねじである締結部21を有することができ、これに圧力バッグ22、又はエアバッグ取り付け具又は充填装置が中程度にきつく締結される。
【0036】
この実施形態では、閉鎖装置12を圧力容器14の外側に配置するという対策が行われる。或いは、閉鎖装置を圧力容器14内に設けてもよい。
【0037】
内部圧力が圧力容器14の許容破裂圧力を上回り、圧縮ガスが噴出可能となった際に開く過剰圧制限バルブ24がカバー17に設けられる。過剰圧制限バルブ24が、容器内部を圧力容器14の外側の大気圧に接続する孔26内に同様に配置された圧力センサ27を備えるような対策を行うことが好ましい。加えられた圧力を検出するために、この圧力センサ27を圧力プレートの一部として具体化することができる。この結果、圧力容器14内の圧縮ガスの充填量を検出できるようになる。
【0038】
図2は、本発明による閉鎖装置12の拡大図である。閉鎖装置12は、好ましくは電磁駆動装置として具体化された駆動装置31で構成される。この駆動装置31は装置33に作用し、この装置33は、閉鎖力を低下させるとともに排出開口部18の弁座51と駆動装置31との間に設けられる。
【0039】
加えられる閉鎖力を低下させる装置33は、駆動装置31のアンカー装置42に接続された圧力要素41を備え、この圧力要素41は、アクチュエータ43又は電磁石によって動くことができる。圧力要素41は、排出開口部18の方に向けられた端部にカップ状の部分46を有し、その内側に好ましくは円錐形の圧力面47が設けられる。この円錐面47は、例えば圧力球又は密閉球として具体化された少なくとも1つのバルブ本体48に作用する。このバルブ本体48は、排出開口部18に挿入できるバルブ内部50の少なくとも1つの開口部49を閉鎖する。バルブ挿入部50は、排出開口部18と同化する入口領域52に接続された、複数の径方向に向けられた開口部49を有することが好ましい。バルブ挿入部50の開口部49に隣接して、バルブ挿入部50と圧力要素41のカップ状部分46の内周との間に形成された受け入れ空間56の範囲を定める突き合わせ面54が設けられる。この突き合わせ面54は、カップ状部分46に少なくとも部分的に入り込むことができる環状面として具体化される。バルブ本体48は突き合わせ面54の上に載っている。
【0040】
圧力要素41の開閉の動きは、好ましくは排出開口部18の軸と一致する縦軸58に沿って行われる。圧力要素41は、好ましくは圧縮バネとして具体化される畜力要素59に抗して上向きに動くことができる。畜力要素59は、駆動装置31のハウジング62の一部であるチャンバ61内に設けられ、この駆動装置31によりこのハウジングが接続端部19に締結される。さらに、径方向に向けられた開口部63がチャンバ62内に設けられて、圧縮ガスの流出を可能にする。
【0041】
圧力要素41の円錐圧力面47が、貫通孔67を備えた円筒形壁面66に隣接することにより、受け入れ空間56に入る圧縮ガスが流出できるようになる。カップ状部分46の底部には、バルブ挿入部51の外周に作用するガイド68が設けられる。
【0042】
図2は、閉鎖位置にある閉鎖装置12を示す図である。この場合、駆動装置31に電流は流れておらず、排出開口部18は閉じている。畜力要素59を介して閉鎖力が加えられ、装置33により、畜力要素59、具体的には圧縮バネの閉鎖力が十分なものとなる。円錐面47すなわち制御カムにより、保持力は大幅に低下する。本発明によるこの配置は、縦軸58に対する円錐圧力面47の角度の接線に一致する利得係数を含む。
【0043】
図3は、作動位置にある図2による閉鎖装置を示す図である。排出開口部18が開くことにより、矢印69で示すように、圧縮ガスが圧力容器14から圧力バッグ22へ移行できるようになる。排出開口部18を開くために、駆動装置31のアクチュエータ43に電流が供給される。アンカー装置42が上方に引っ張られ、畜力要素59に抗して作動することにより、圧力要素41が上方へ動くようになる。この場合、バルブ本体48に作用する接触圧が円錐面47により低下し、角度又は自由空間が増大することにより、バルブ本体がバルブ挿入部50の開口部49を解除する。圧縮ガスが受け入れ空間56に入り、そこから横孔67を経由してチャンバ61へ、そして開口部63を経て圧力バッグ22内へと移行することができる。閉鎖装置を閉じるために、駆動装置31は無電流状態に切り換えられる。圧縮バネ59の畜力が圧力要素41をバルブ本体51の方向へ導く。バルブ本体51が、円錐圧力面47を介してそれぞれの開口部49の方向に押圧されることにより、開口部が閉鎖されるようになる。
【0044】
図4は、閉鎖位置にある図1から図3による閉鎖装置12の代替の実施形態を示す図である。図5は、この代替の実施形態の閉鎖装置12が開いた状態を示す図である。この代替の実施形態は、図1から図3までとは異なる閉鎖力低減装置33を有する。以下、この装置33についてさらに詳細に説明する。さらに、上述の説明も参照する。
【0045】
装置33は、端面72を有するバルブ本体71を備える。これとは反対側に、バルブ本体71は、プレチャンバ74内に向いた環状面73を備える。バルブ本体71は、ラム又はプランジャを含むプレチャンバ74を貫通し、駆動装置31のアンカー装置42に接続される。さらに、環状面73に、及びハウジング62のチャンバ61内で作用する畜力要素59がプレチャンバ74内に配置される。さらに、プレチャンバ74内でピストン71を保持する保持スリーブ76がハウジング62に設けられる。この保持スリーブ76は、プレチャンバ74内においてピストン71の円周壁部を縦方向に移動可能な態様で受け取るガイド78を有する。シール79によりガイド78を実現できることが好ましい。
【0046】
例えば、カバー17上に一体部品の形で成形された弁座51が排出開口部18を取り囲む。バルブ本体71は、端面72によって第1の弁座51に支えられる。排出開口部18を覆う端面72の領域が、第1の圧力面81を形成する。圧縮ガスの内部圧力が、この圧力面81に作用する。第1の圧力面81に、プレチャンバ74へとつながる経路82が設けられる。過剰圧制限バルブ24と類似した方法で構築できるリストリクタバルブ(絞りバルブ)83が経路82内に設けられる。事前に設定したリストリクタバルブ(絞りバルブ)83の圧力に応じて、圧縮ガスが圧力容器14から経路82を経てプレチャンバ74へと移行する。この圧縮ガスは、少なくとも部分的に第2の圧力面84として機能する環状面73に作用する。弁座51と保持スリーブ76の弁座77との間のバルブ本体71に、大気圧を加えた環状部分が形成される。この環状面が第3の圧力面86を形成する。
【0047】
動作圧と、プレチャンバの圧縮ガスの圧力と、大気圧との間の圧力差の程度により、力低減装置33が決定される。従って、圧力差の程度により、バルブ本体71を弁座51に対して押圧するのに必要な力の基準が形成される。例がこのことを最も明確に示す。圧縮ガスの動作圧が、バルブ本体71を上昇させることができる力を第1の圧力面81に発生させる。プレチャンバ74の圧力が、第2の圧力面84にかかる力で第1の圧力面81及び第3の圧力面86をも圧迫する。第3の圧力面86が周囲圧力を示すと、バルブ本体71及び弁座51、77に対するプレチャンバ74の圧力を受けて力が強化される。
【0048】
ここで、第1から第3の圧力面81、84、86の力が補償されるようにリストリクタバルブ(絞りバルブ)83を調節することができる。このような場合、畜力要素59が必要な密閉圧力を保証し、排出開口部18の開口中は、アクチュエータ43が畜力要素59の力のみに打ちかつ必要がある。プレチャンバ側のバルブ本体71に作用する力のほうが、ガス圧がバルブ本体71の端面72に及ぼす力よりもわずかに高くなるようにリストリクタバルブ83を調節することが好ましい。畜力要素59の力、及びプレチャンバ74の圧力と圧縮ガスとの間の圧力比、さらに排出開口部18と第3の圧力面86との間の断面比が、熱的に誘導された圧力耐性を適切な場合に補償するために、駆動装置31に十分な予備の力が存在するように適合されることにより、閉鎖装置12が常に安全に開くことができるようになる。
【0049】
図6は、閉鎖装置12の別の実施形態を示す図である。図4及び図5による実施形態に対応する点については、図4及び図5による実施形態に関する説明を参照する。図4及び図5とは異なり、例えば、保持スリーブ76がカバー17上に一体部品の形で成形される。この保持スリーブ76には横孔85が設けられ、バルブ本体71を弁座51から上昇させている間、圧縮ガスが出口開口部18からこの横孔85を経て圧力バッグ22へ流出できるようになる。
【0050】
バルブ本体71と、好ましくはバルブ本体71上に一体に成形されたアンカー装置42とを完全に貫通する圧力通路82がバルブ本体71に設けられる。圧力通路82の上流に、開く動き中に作動する固定リストリクタとしてリストリクタ83が具体化される。リストリクタ83を経由する通路により、圧力容器16内の圧力と同じ圧力がプレチャンバ74内に加えられる。
【0051】
圧力バッグ22内には大気圧が、つまり横孔85及び環状周辺溝87を介して大気圧が加えられる。カバー17内の溝87とバルブ本体71上の斜面88との配置によってサイズ又は幅を決められた弁座51が、圧力容器16内の圧力容積を密閉する。第2の弁座77が密閉面として具体化され、プレチャンバ74を大気圧に対して密閉する。このシールすなわち密閉面は、図4及び図5によるガイド78上の環状シールの代替として設けられる。また、ピストンすなわちバルブ本体71を導くとともにプレチャンバ74も密閉するための摺動シールを設けることもできる。
【0052】
閉鎖装置12の密閉圧力をできるだけ高く実現するために、弁座51に支えられるバルブ本体71の環状面は、出口開口部18の端面81に対してできるだけ小さく保たれる。溝87及び斜面88を通じた設計施策により、これを支援することができる。弁座面51の外周に対する弁座77上の密閉面のサイズ差もできるだけ小さく保つべきである。弁座77すなわち密閉面の外周上及びバルブ本体71の外周上にも段階面すなわち斜面88を設け、いずれの場合にも弁座77の表面のサイズを縮小するように弁座面の方向へ向けることが好ましい。閉鎖装置12のこの構成又は幾何学的設計により、密閉シートを介して圧力容器14内の圧力空間を周囲に対して密閉するピストン71が圧縮ガス内に浮かび、ひいては圧縮力を受けなくなるようにすることができる。密閉力は、圧縮バネ59によってのみ、或いはほとんどこれによってのみ加えられる。このようにして、長期間の密閉さえも可能にする使用するシールへの良好な適応が可能となる。制御が非常に効果的になるとともに正確に行えるようになる。圧縮ガスの流出に関しては、圧縮ガスが径方向に配置された横孔85を通って圧力バッグ22に流入するために、わずかな偏向しか必要としない。
【0053】
上記に加えて、或いは上記とは別に、弁座77の密閉面又はこれに対向する装置はリングシール79を備えることができる。バルブ本体71の端側81、又は弁座51を形成する対向する突き合わせ面についても同様である。この場合、特にシートシールとして具体化されたシール79の位置付けは、プレチャンバ74内のプレチャンバ圧力及び畜力要素59のバルブ本体71に作用する圧力が、ともにバルブ本体71に作用する圧力容器14内の内部圧力及び大気圧よりも大きくなるように直径の形で適応される。閉鎖力はこれに由来する。
【0054】
図7a及び図7bは、閉鎖装置12の力低減装置33のさらなる代替の実施形態を示す図である。この実施形態は、図6による実施形態の修正形態である。対応する点については、図6に関する説明を参照する。図7aは閉鎖位置にある閉鎖装置12を示し、図7bは開口位置すなわち流出位置にある閉鎖装置12を示している。バルブ本体71は、開く力を低下させるためのサーボ制御バルブ又は力低減制御バルブとして具体化された第2の制御バルブ93のバルブ本体95を備える。制御バルブ93のバルブ本体95が、縦方向に可動な態様でバルブ本体71に設けられる。このバルブ本体95はアンカー装置42に接続される。バネリング97を介して、バルブ本体95はバルブ本体71に対して固定され、その開く動きに関して範囲が定められる。圧力容器16の内部圧力がリストリクタバルブ83を経て経路82に入り、バルブ本体95の円錐面に作用する。バルブ本体95の円錐面が貫通孔92を閉鎖し、これを通じて圧力容器14内の媒質が、バルブ本体95を上昇させた後、横方向経路85を介して圧力バッグ22に浸入できるようになる。
【0055】
図7aに示す畜力要素59は、両方共設けることができる。或いは、2つの畜力要素59のうちの1つのみを設けることもできる。この実施形態には、行き渡った圧力に関して高圧空間からアクチュエータ43を分離する密閉スリーブ79も示している。
【0056】
この実施形態における閉鎖力は、開口部92を閉鎖する制御バルブ93のバルブ本体95の円錐形の先端の断面と、容器の内部圧力と、開口部92の孔径の断面積により決定される大気圧に対向する畜力要素59の閉鎖力とに作用が行われるという事実に由来する。開口部92の直径に作用する圧力領域が減少することにより、極度に低い閉鎖力が求められる。これにより、アクチュエータ43の作動によって制御バルブ73を迅速に開くことができるようになり、この結果、プレチャンバ74内で最初に作用する圧力が周囲に流出し、或いは圧力バッグ22へ流入できるようになる。その後、容器の内部圧力がバルブ本体71の第1の圧力面81に作用し、弁座面51から上昇させることにより、媒体が、容器内部から横方向経路85を直接通って圧力バッグ22へ流入できるようになる。この位置を図7bに示す。
【0057】
図8及び図9は、閉鎖装置12用の力低減装置33のさらなる代替の実施形態を示す図である。この実施形態では、例えば保持スリーブ76はカバー17に一体に接続される。プレチャンバ74内にバルブ本体71が自由に動けるように設けられる。これとは逆に、プレチャンバ74は中間フランジ91により範囲が定められており、この中間フランジ91は、駆動装置31のハウジング62を受け入れるとともに特にねじ込み式接続により保持スリーブ76に締結され、好ましくはシール79が介在する。中間フランジ91は、プレチャンバ74を横孔94を介して周囲に接続する開口部92を備える。制御バルブ93のバルブ本体95により、この開口部92を作動させることができる。
【0058】
さらに、閉鎖力低減装置33は、排出開口部18の弁座51と駆動装置31との間に構成部品を含む。駆動装置31は、バルブ本体95に一体に、或いは解放可能な接続で接続することができるアンカー装置42を備え、このバルブ本体もまた、制御バルブ93の構成部品であり、閉鎖力低減装置33の一部である。さらに、駆動装置によりハウジング62のチャンバ61内に畜力要素59が取り付けられ、バルブ本体95を開口部92に対して閉鎖位置へ動かす。
【0059】
以下の作動はこの配置により行われる。前述の実施形態のように、バルブ本体71は、プレチャンバ74の圧力による周囲圧力で、第1の圧力面81の領域内の力及び第3の圧力面86の力に抗して下方に押し付けられる。リストリクタバルブ83を介して、圧縮ガスとプレチャンバ容積との間の圧力差が調節される。この実施形態では、周囲圧力及び畜力要素59のバネ力のみに抗して動作する制御バルブ93が作動して、バルブ本体71を開く。制御バルブ93が開口部92を開くとすぐに、プレチャンバ74内で圧力が低下し、第1の圧力面81に作用する圧力よりも小さくなる結果、プレチャンバ74内に行き渡った圧力が周囲へ流出できるようになる。これによりバルブ本体71が開くことによって、図7に示すように、圧縮ガスが圧力容器41の内部から流出できるようになる。圧縮ガスは、排出開口部18を経て圧力容器14から流出し、端面72で向きを変え、環状空間80、多数の孔又は孔の断片を介して、圧縮ガスを圧力バッグ22の内部へ導く1又はそれ以上の横方向経路85内へと移行する。
【0060】
畜力要素59は、駆動装置31が無電流状態のときに制御バルブ93を閉鎖し、好ましくは経路82の第1の圧力面82に存在する、プレチャンバ74の圧力及び断面に起因する力よりも大きな十分な力を提供するように設計される。制御バルブ93の閉鎖中、依然として存在する圧縮ガスの過剰圧力によりリストリクタバルブ83が開かれて、リストリクタバルブ83により事前設定できるプレチャンバ74内の圧力が再設定されるようになる。この結果、バルブ本体71が下方に動かされて排出開口部18を閉鎖する。この場合、バルブ本体71の端側72は第1の弁座51に支えられる。同時に、端面72は、保持スリーブ76に設けられた第2の弁座77で終端となる。これにより、さらに第3の圧力面86に周囲圧力が作用し、第1の圧力面81にも容器の内部圧力が作用する。このようにして、制御バルブ93の迅速な連続した開閉処理により、計量した態様で圧縮ガスを圧力バッグ22内へ送出することができる。この配置により、短い作動時間で穏やかな作動を実現できるようになる。
【0061】
図10は、閉鎖位置に図8及び図9の代替例としての閉鎖装置12のさらなる実施形態を示す図である。図11は、作動位置にある図10による代替の実施形態を示す図である。
【0062】
閉鎖装置12は、バルブ本体71の開く動きに強制的な作動が行われるという点で、図8及び図9の閉鎖装置12と比較して修正されている。このために、バルブ本体71は2つの部品で具体化されることが好ましい。バルブ本体71は、端面72を有する下部すなわち第1の領域を含み、これとは逆方向で開口部92を受け入れる。この開口部92は、中間フランジ91によりバルブ本体71内へ移動される。中間フランジ91は、移動可能な態様でバルブ本体71を受け入れる。この結果、制御バルブ93全体が中間フランジ91に対して可動となる。開口部92は、接続孔98を介して、中間フランジ91に設けられた横孔94と同化する。単純な取り付けを可能にするために、バルブ本体71の下部にガイド部分96がねじ込み式接続により締結される。経路99によりプレチャンバ74に接続された開口部92を開くために、制御バルブ93のバルブ本体95がピストンのほぼ下部に導かれる。バルブ本体95は、バルブ本体をガイド部分96の壁部内に導くことができる追加のガイド部分101を有する。さらに、バルブ本体95にさらなるガイド部分101のための切り下げを形成するバネリング97などがガイド部分96に挿入される。さらに、バルブ本体95が駆動装置31のアンカー装置42に接続され、駆動装置31のハウジング62のチャンバ61内に畜力要素59が設けられ、制御バルブ93のバルブ本体95を閉鎖位置へ移動させる。
【0063】
閉鎖力を低下させるこの装置33は、最初は図7及び図8の実施形態による装置のように機能する。開口部92を開くための制御バルブ93の作動時、最初に制御バルブ93のバルブ本体95の自由な動きが行われる。その後、バネリング97に支えられた、或いはバネリング97の後方に達する追加のガイド部分101を介して、バルブ本体71全体が強制的に上昇させられる。駆動装置31が無電流状態に切り換えられるか、或いはスイッチを切られるとすぐに、畜力要素59がバルブ本体95を開口部92に対して下方に押し下げる。プレチャンバ容積はほぼ無圧状態であるため、リストリクタバルブ83が開き、圧力容器14内のガス圧とプレチャンバ圧力との間の設定した圧力差が再設定される。バルブ本体71の閉じる動きが開始され、適切な場合第1及び第2の弁座51、77に対してバルブ本体71を押圧する畜力要素59により支援される。
【0064】
従って、図8から図11による閉鎖装置12は空気圧サーボ機構を有する。一方、図1から図3による閉鎖装置12は機械的サーボ機構を有する。このようにして、装置33は、少なくとも1つのバルブ本体により、排出開口部を開口及び/又は閉鎖するための作動力を低下させる。
【0065】
前述した全ての特徴は、各々それ自体が本発明にとって不可欠なものであり、これらを任意の所望の態様で互いに組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0066】
11 冷却ガス発生器
12 閉鎖装置
14 圧力容器
16 容器開口部
17 カバー
18 排出開口部
19 接続端部
21 締結部
22 圧力バッグ
24 過剰圧制限バルブ
26 孔
27 圧力センサ
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前段に記載したような、圧縮ガスで充填可能な、冷却ガス発生器の圧力容器に用いる閉鎖装置に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許明細書第6,068,288号には、圧縮ガスで満たすことができる、冷却ガス発生器の圧力容器閉鎖装置が開示されている。この種の冷却ガス発生器は車のエアバッグシステムに使用される。閉鎖装置は、周囲に通じる容器開口部を静止位置において閉鎖するバルブ本体を含む。圧縮ガスを流出させるために、バルブ本体を作動位置へ動かすことができる電磁駆動装置が設けられる。閉鎖装置本体はスライドの形で具体化される。移動する動きにより様々な流路が解放されて、圧縮ガスの流出を可能にすることができる。さらに、このスライドの移動する動きにより、閉鎖装置が再び閉鎖されるようにもなる。この装置には、スライドを作動させるのに強い力を要するという欠点がある。また、これらの力が高まると、この種のスライドの作動、とりわけ閉鎖装置の閉鎖する動きが妨げられる。このことが多くの場合不完全な密閉性に関連し、漏れ流れが発生して、冷却ガス発生器を限られた範囲でしか使用できなくなり、或いは他の用途に対してもはや全く使用できないようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許明細書第6,068,288号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明は、冷却ガス発生器のための、圧縮ガスで充填可能な圧力容器に用いる閉鎖装置を提供すること基づいて、その目的は、高圧下にある圧縮ガスの計量した送出を行い、圧縮ガス送出後に確実に閉鎖を行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、この目的は主請求項の特徴により達成される。別の好適な構成及び成果については、その他の請求項で開示する。
【0006】
本発明によれば、閉鎖装置が、排出開口部の弁座と少なくとも1つのバルブ本体を作動させるための駆動装置との間に、バルブ本体に取り付けるべき装置を有し、この装置が閉鎖力を低下させ、作動位置と静止位置との間でバルブ本体を作動させる。閉鎖力が低下した結果、高圧下にあり送出用の圧縮ガスを計量して正確に制御可能に圧力容器から送出することが容易になる。同時に、閉鎖装置を開くための力を低減させることもできる。この種の圧力容器では、圧縮ガスは、例えば600から1,000バールの動作圧で存在することになる。閉鎖装置の開閉の動きは数ミリ秒以内に行われ、これらの高動作圧に抗して作動する必要がある。バルブ本体に取り付けられる閉鎖力を低減させる装置により、閉鎖装置を突然開くこと及び容器開口部を迅速に遮断することの両方を容易にすることができる。閉鎖装置を電気で作動させることにより、エアバッグに必要な圧縮ガスの量を、例えば衝突速度などの事故の激しさに応じて適合させることが可能とする。さらに、二次衝突の際に圧力バッグの充填速度及び再充填までもを促すことができる。
【0007】
本発明の好ましい実施形態によれば、装置が、バルブ本体の方に向けられた端部に少なくとも1つの圧力面を有する圧力要素を有することにより、少なくとも1つのバルブ本体を移動させて弁座の開口部を終端させることができるような対策が行われる。これにより、特に円錐様式で具体化された圧力面を介して、実際に必要な閉鎖力を低下させる梃子(てこ)の力が発生できるようになる。同時に、低い解除力も促進されることにより、電気駆動を介して単純な作動が可能となる。
【0008】
好ましい実施形態によれば、各々にバルブ本体が関連する複数の径方向に向けられた開口部がバルブ挿入部に設けられる。圧力要素の好ましくは円錐形の圧力面が、共にバルブ本体に作用することが好ましい。バルブ本体は、例えば、ケージにより互いに円周方向に配置された密閉球又は密閉部分として具体化することができる。圧力要素上に円錐面が存在する結果、全てのバルブ本体を好ましくは均一にかつ同時に作用させることにより、迅速な閉鎖の動きを促進できるようにもなる。或いは、個々のバルブ本体の連続した閉じる動きを実現することもできる。
【0009】
さらに、駆動装置により、圧力要素を少なくとも1つのバルブ本体へ移動可能となるように作動させ、圧力要素の圧力面が移動の方向に対して鋭角で具体化されるような対策を行うことが好ましい。この結果、バルブ本体を、バルブ挿入部において径方向の動きの方向に開口するように位置付けるとともにそれぞれの開口部を閉じるために、非常に高い接触力を引き起こすことができる。円錐面のストロークの距離及び傾斜は、バルブ本体の形状及び必要な開口断面に適合させることができる。この圧力面はまた、湾曲した、或いは双曲線の行程を有することもできる。
【0010】
圧力要素及びバルブ挿入部は、径方向に延びる突き合わせ面により範囲を定められたバルブ本体を受け入れる空間を形成することが好ましい。この突き合わせ面は、バルブ挿入部の径方向の開口部に直接隣接する。この結果、バルブ本体、特に密閉球がこの受け入れ空間内に残るようになる。同時に、この突き合わせ面は、バルブ本体をスラントを介してバルブ挿入部内の開口部へ向けて動かすために、圧力要素の閉じる動きの間、カウンタベアリングとして機能する。
【0011】
この第1の有利な実施形態によれば、圧力要素は、少なくとも1つのバルブ本体を取り囲むカップ状部分を備える。この場合、カップ形状部分が、内部自由端で圧力面、具体的には円錐面を受け入れ、カップ状部分の底部と圧力面との間に貫通開口部が設けられる。従って、バルブ本体間の流出だけでなくむしろ貫通開口部を介して圧縮ガスの追加の流出を行うこともでき、この結果、圧力バッグ又はエアバッグにおける圧縮ガスの迅速な供給が容易になる。
【0012】
圧力要素は、カップ状部分内に、バルブ挿入部の外周に作用するガイドをさらに有する。この結果、圧力要素は、バルブ本体に直接隣接した状態で導かれ、このため、バルブ挿入部内の開口部に対してバルブ本体を位置付けるための円錐面を正確に導くことが容易になる。
【0013】
駆動装置と圧力要素との間に、畜力要素、具体的には圧力要素にバルブ本体を閉じる方向に力を及ぼす圧縮バネが設けられることが好ましい。この結果、圧縮バネにより、閉鎖装置を無電流状態で静止位置へ移動させ、ここに保持することが可能となる。この無電流静止位置は、制御電流の障害の際に圧縮ガスが思いがけず流出しないように安全対策として必要なものである。本発明による閉鎖力を低下させるための装置により、圧縮力の低下した圧縮バネを設けることができ、ひいては空間全体の縮小が容易になる。
【0014】
駆動装置のハウジング内のチャンバ内に畜力要素を設け、バルブ本体へ向けて開口するとともに横方向貫通開口部を有するように具体化することが好ましい。この結果、ハウジングが圧力容器のカバーの接続端部に固定され、圧力容器からエアバッグへの圧縮ガスの流路が解除されて迅速に充填を行えるという点でコンパクトな設計を実現することができる。
【0015】
好ましい実施形態によれば、バルブ挿入部は、圧力容器用のカバーの排出開口部内に締結される。このカバーは閉鎖装置の一部であってもよく、或いは既に構成部品としてこのカバーを圧力容器に確実に押し付け、又は接続してもよい。バルブ挿入部は、カバーの中心排出開口部内に、好ましくはねじ山によって解放可能に配置される。
【0016】
駆動装置を圧力容器に取り付けできるように、駆動装置は、カバーの接続端部に作用する締結部を有することが好ましい。このようにして、閉鎖装置に対して圧力容器を別個に設けることができ、単純な取り付け及び後からの充填を可能にすることができる。
【0017】
さらにカバーには、排出開口部を周囲に接続する孔に挿入できる過剰圧制限バルブを設けることが好ましい。この結果、容器内部の最大高圧を設定できるようになる。
【0018】
さらに、カバーが接続端部上にさらなる締結部を有し、その上に圧縮ガスで満たすことができるバッグ又はエアバッグを配置するような対策を行うことが好ましい。これにより、単純な取り付けが可能となる。この締結部を規格化することにより、様々な実施形態の圧縮ガスバッグをこの締結部に締結できるようになる。
【0019】
本発明の第2の好ましい実施形態は、ピストンとして具体化され、排出開口部上の弁座を端面によって終端させ、第1の圧力面を含むバルブ本体を有する、加えられる閉鎖力を低下させる装置と、プレチャンバ内に逆向きに配置されたバルブ本体とを提供し、このプレチャンバ内では、リストリクタバルブを使用して、圧縮ガスの動作圧と比較して減少するとともにプレチャンバ内のバルブ本体の第2の圧力面に作用するプレチャンバ圧力を設定することができる。この構成の結果、少なくとも2つの圧力面の圧力補償により、閉鎖力の低下が実現される。結果として、容易化した閉鎖を実現することができる。
【0020】
第2の実施形態によるプレチャンバ圧力を調節するために、プレチャンバを圧力容器に接続した経路内にリストリクタバルブが設けられる。これにより、好ましくはリストリクタバルブによって調節できる圧力をプレチャンバ内で高めるために単純な設計が実現される。
【0021】
さらに、駆動装置上に配置できる保持スリーブによってピストンを保持し、保持スリーブがガイド部分を含むような対策を行うことが好ましい。この結果、圧力要素を傾斜しないように導くことができる。保持スリーブを別個の構成部品として具体化し、或いはカバーと一体の部品として統合することができる。
【0022】
装置内の圧力補償によって力を低下させるために、バルブ本体が、第1の弁座と保持スリーブにより形成された別の弁座との間に、大気圧を加えた第3の圧力面を有するような対策をさらに行う。この実施形態では、この第3の圧力面は環状であることが好ましい。さらに、これにより、プレチャンバの圧力からの力と、第3の圧力面及びさらに第1の圧力面の環状断面からの力とが加算されるため、力を低下させることが容易になる。断面及び圧力差を好適な態様で選択した場合、結果として生じる力はゼロに等しくなる可能性さえもある。
【0023】
駆動装置の保持スリーブとハウジングとの間、及び好ましくは保持スリーブのガイド部分とバルブ本体との間に密閉要素を設けると有利である。この結果、安定したプレチャンバ圧力が維持される。圧力容器内の圧縮ガスの動作圧が例えば800バールの場合、リストリクタバルブを介して例えば400バールのプレチャンバ圧力が設定されることが好ましい。
【0024】
本発明の別の有利な構成によれば、プレチャンバ内に畜力要素、具体的には閉じる方向に力を及ぼす圧縮バネが設けられる。圧力面を介して圧力補償を行った結果、力の弱い畜力要素を使用して、必要な密閉圧力又は必要な密閉力を加えることにより、閉鎖装置が、無電流状態で圧力容器を安全に閉鎖できるようになる。同時に、好ましくは閉鎖装置の開口中にバネ力に抗して働く電磁石により単純な作動が促進される。
【0025】
本発明の好ましい第3の代替の実施形態によれば、カバー内の排出開口部を開口するためのバルブ本体の開く動きを、駆動装置によって直接作動させるのではなく、プレチャンバ内に行き渡ったプレチャンバ圧力により作動できるような対策が行われる。このために、プレチャンバと大気圧を加えた横孔との間の貫通開口部を開閉する制御バルブにより、プレチャンバ圧力を変更できるような対策を行うことが好ましい。バルブ本体が、プレチャンバ内に自由に動けるように設けられる。容器の内部圧力とプレチャンバの圧力との間の圧力補償及びさらに圧力面の状態により、制御バルブの閉鎖時にピストンが閉鎖位置に残るようになる。制御バルブが開いて圧縮ガスがプレチャンバから流出するとすぐ、結果として得られる圧力容器内の圧縮ガスの過剰圧力が弁座からバルブ本体を持ち上げ、圧縮ガスが漏出できるようになる。
【0026】
制御バルブを駆動装置によって作動できるような対策を行うことが好ましい。この結果、バルブ本体を作動位置へ移動させ、排出開口部を開くために、バルブ本体が駆動装置を直接介して作動され、すなわちバルブ本体が間接的に作動される。
【0027】
さらに、制御バルブに閉じる方向に力を加える畜力要素を設けることが好ましい。これにより、閉鎖装置が無電流状態の際に圧縮ガス容器を閉鎖したままにする安全機能も提供される。
【0028】
第3の実施形態の別の有利な構成によれば、制御バルブが、駆動装置を受け入れるとともにカバー上に配置できる中間フランジ内に弁座を有するような対策が行われる。これにより、モジュール構造が提供され、個々の構成部品が単純な態様で交換できるように設けられる。同時に、個々の境界面にシールを設けることにより、プレチャンバが圧力抵抗性を有するようにすることができる。
【0029】
本発明の別の代替の実施形態によれば、制御バルブのバルブ本体を少なくとも部分的に取り囲むバルブ本体のガイド部分と、制御バルブのバルブ本体との間で、バルブ本体が制御バルブから開く動きの間、排出開口部の少なくとも1つの弁座からバルブ本体が上昇するように強制的な作動が行われるような対策が行われる。動きの方向におけるこの強制的な制御により、このために特に強い力を加える必要なく、非常に高いガス量を高圧で制御できるようになる。同時に、開くことが確実にされる。
【0030】
プレチャンバを有する実施形態は全て、火工技術的に開示されているハイブリッドガス又は冷却ガス発生器に必要とされるような、ベルとして知られているものを伴わずに、圧力容器の単純な充填が促進されるという利点を有する。
【0031】
さらに、この代替の実施形態は、制御バルブを作動させるための駆動装置を電磁駆動装置として設計できるという利点を有する。弱い力及び短いストローク距離によって、例えば圧電セラミックプレートスタック駆動装置又は圧電セラミック曲げプレート駆動装置を設けることもできる。
【0032】
本発明のさらなる好ましい構成によれば、駆動装置及び/又は圧力容器の作動が圧力センサによりモニタされるような対策が行われる。この結果、単一の又は複数のバルブを短時間で開閉することができる。作動可能なバルブのストロークにより、流出量を決定することもできる。この種の圧力センサを使用することによって制御回路を閉鎖できるようになり、この結果、流出したガスの量に関する情報が得られるようになる。圧力センサにより、ガス発生器の操作性及び充填量を常に点検できるようにもなる。これにより、特にメンテナンスが容易になる。
【0033】
以下、本発明、並びに本発明のさらなる有利な実施形態及び成果についても、図面に示す実施例に基づいてさらに詳細に説明し、解説する。本発明によれば、説明及び図面から推測できる特徴自体を個々に、或いは任意の所望の組み合わせで共に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明による閉鎖装置の第1の実施形態による冷却ガス発生器の概略断面図である。
【図2】図1の閉鎖装置の閉じた状態の拡大概略断面図である。
【図3】図1の閉鎖装置の開いた状態の概略拡大断面図である。
【図4】図1の代替例としての閉鎖装置の実施形態の概略断面図である。
【図5】図4の閉鎖装置の閉じた状態の概略断面図である。
【図6】閉鎖装置のさらなる実施形態の概略断面図である。
【図7a】図1の閉鎖装置のさらなる代替実施形態の概略断面図である。
【図7b】図1の閉鎖装置のさらなる代替実施形態の概略断面図である。
【図8】図1の代替例としての閉鎖装置の実施形態の概略断面図である。
【図9】図8の閉鎖装置の開いた状態の概略断面図である。
【図10】図1の代替例としての閉鎖装置の実施形態の概略断面図である。
【図11】図10の閉鎖装置の開いた状態の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は、圧力容器14上に設けた閉鎖装置12の第1の実施形態による冷却ガス発生器11の概略断面図である。圧力容器14は、カバー17によって閉鎖された容器開口部16を上端に有する。或いは、このカバー17を、圧力容器14上に一体部品の形で、若しくは閉鎖装置12の構成部品として具体化してもよい。カバー17は、好ましくは中心に、閉鎖装置12によって作動できる排出開口部18を有する。カバー17は、閉鎖装置12を解放可能に締結した接続端部19を備える。さらに、接続端部19は、好ましくはねじである締結部21を有することができ、これに圧力バッグ22、又はエアバッグ取り付け具又は充填装置が中程度にきつく締結される。
【0036】
この実施形態では、閉鎖装置12を圧力容器14の外側に配置するという対策が行われる。或いは、閉鎖装置を圧力容器14内に設けてもよい。
【0037】
内部圧力が圧力容器14の許容破裂圧力を上回り、圧縮ガスが噴出可能となった際に開く過剰圧制限バルブ24がカバー17に設けられる。過剰圧制限バルブ24が、容器内部を圧力容器14の外側の大気圧に接続する孔26内に同様に配置された圧力センサ27を備えるような対策を行うことが好ましい。加えられた圧力を検出するために、この圧力センサ27を圧力プレートの一部として具体化することができる。この結果、圧力容器14内の圧縮ガスの充填量を検出できるようになる。
【0038】
図2は、本発明による閉鎖装置12の拡大図である。閉鎖装置12は、好ましくは電磁駆動装置として具体化された駆動装置31で構成される。この駆動装置31は装置33に作用し、この装置33は、閉鎖力を低下させるとともに排出開口部18の弁座51と駆動装置31との間に設けられる。
【0039】
加えられる閉鎖力を低下させる装置33は、駆動装置31のアンカー装置42に接続された圧力要素41を備え、この圧力要素41は、アクチュエータ43又は電磁石によって動くことができる。圧力要素41は、排出開口部18の方に向けられた端部にカップ状の部分46を有し、その内側に好ましくは円錐形の圧力面47が設けられる。この円錐面47は、例えば圧力球又は密閉球として具体化された少なくとも1つのバルブ本体48に作用する。このバルブ本体48は、排出開口部18に挿入できるバルブ内部50の少なくとも1つの開口部49を閉鎖する。バルブ挿入部50は、排出開口部18と同化する入口領域52に接続された、複数の径方向に向けられた開口部49を有することが好ましい。バルブ挿入部50の開口部49に隣接して、バルブ挿入部50と圧力要素41のカップ状部分46の内周との間に形成された受け入れ空間56の範囲を定める突き合わせ面54が設けられる。この突き合わせ面54は、カップ状部分46に少なくとも部分的に入り込むことができる環状面として具体化される。バルブ本体48は突き合わせ面54の上に載っている。
【0040】
圧力要素41の開閉の動きは、好ましくは排出開口部18の軸と一致する縦軸58に沿って行われる。圧力要素41は、好ましくは圧縮バネとして具体化される畜力要素59に抗して上向きに動くことができる。畜力要素59は、駆動装置31のハウジング62の一部であるチャンバ61内に設けられ、この駆動装置31によりこのハウジングが接続端部19に締結される。さらに、径方向に向けられた開口部63がチャンバ62内に設けられて、圧縮ガスの流出を可能にする。
【0041】
圧力要素41の円錐圧力面47が、貫通孔67を備えた円筒形壁面66に隣接することにより、受け入れ空間56に入る圧縮ガスが流出できるようになる。カップ状部分46の底部には、バルブ挿入部51の外周に作用するガイド68が設けられる。
【0042】
図2は、閉鎖位置にある閉鎖装置12を示す図である。この場合、駆動装置31に電流は流れておらず、排出開口部18は閉じている。畜力要素59を介して閉鎖力が加えられ、装置33により、畜力要素59、具体的には圧縮バネの閉鎖力が十分なものとなる。円錐面47すなわち制御カムにより、保持力は大幅に低下する。本発明によるこの配置は、縦軸58に対する円錐圧力面47の角度の接線に一致する利得係数を含む。
【0043】
図3は、作動位置にある図2による閉鎖装置を示す図である。排出開口部18が開くことにより、矢印69で示すように、圧縮ガスが圧力容器14から圧力バッグ22へ移行できるようになる。排出開口部18を開くために、駆動装置31のアクチュエータ43に電流が供給される。アンカー装置42が上方に引っ張られ、畜力要素59に抗して作動することにより、圧力要素41が上方へ動くようになる。この場合、バルブ本体48に作用する接触圧が円錐面47により低下し、角度又は自由空間が増大することにより、バルブ本体がバルブ挿入部50の開口部49を解除する。圧縮ガスが受け入れ空間56に入り、そこから横孔67を経由してチャンバ61へ、そして開口部63を経て圧力バッグ22内へと移行することができる。閉鎖装置を閉じるために、駆動装置31は無電流状態に切り換えられる。圧縮バネ59の畜力が圧力要素41をバルブ本体51の方向へ導く。バルブ本体51が、円錐圧力面47を介してそれぞれの開口部49の方向に押圧されることにより、開口部が閉鎖されるようになる。
【0044】
図4は、閉鎖位置にある図1から図3による閉鎖装置12の代替の実施形態を示す図である。図5は、この代替の実施形態の閉鎖装置12が開いた状態を示す図である。この代替の実施形態は、図1から図3までとは異なる閉鎖力低減装置33を有する。以下、この装置33についてさらに詳細に説明する。さらに、上述の説明も参照する。
【0045】
装置33は、端面72を有するバルブ本体71を備える。これとは反対側に、バルブ本体71は、プレチャンバ74内に向いた環状面73を備える。バルブ本体71は、ラム又はプランジャを含むプレチャンバ74を貫通し、駆動装置31のアンカー装置42に接続される。さらに、環状面73に、及びハウジング62のチャンバ61内で作用する畜力要素59がプレチャンバ74内に配置される。さらに、プレチャンバ74内でピストン71を保持する保持スリーブ76がハウジング62に設けられる。この保持スリーブ76は、プレチャンバ74内においてピストン71の円周壁部を縦方向に移動可能な態様で受け取るガイド78を有する。シール79によりガイド78を実現できることが好ましい。
【0046】
例えば、カバー17上に一体部品の形で成形された弁座51が排出開口部18を取り囲む。バルブ本体71は、端面72によって第1の弁座51に支えられる。排出開口部18を覆う端面72の領域が、第1の圧力面81を形成する。圧縮ガスの内部圧力が、この圧力面81に作用する。第1の圧力面81に、プレチャンバ74へとつながる経路82が設けられる。過剰圧制限バルブ24と類似した方法で構築できるリストリクタバルブ(絞りバルブ)83が経路82内に設けられる。事前に設定したリストリクタバルブ(絞りバルブ)83の圧力に応じて、圧縮ガスが圧力容器14から経路82を経てプレチャンバ74へと移行する。この圧縮ガスは、少なくとも部分的に第2の圧力面84として機能する環状面73に作用する。弁座51と保持スリーブ76の弁座77との間のバルブ本体71に、大気圧を加えた環状部分が形成される。この環状面が第3の圧力面86を形成する。
【0047】
動作圧と、プレチャンバの圧縮ガスの圧力と、大気圧との間の圧力差の程度により、力低減装置33が決定される。従って、圧力差の程度により、バルブ本体71を弁座51に対して押圧するのに必要な力の基準が形成される。例がこのことを最も明確に示す。圧縮ガスの動作圧が、バルブ本体71を上昇させることができる力を第1の圧力面81に発生させる。プレチャンバ74の圧力が、第2の圧力面84にかかる力で第1の圧力面81及び第3の圧力面86をも圧迫する。第3の圧力面86が周囲圧力を示すと、バルブ本体71及び弁座51、77に対するプレチャンバ74の圧力を受けて力が強化される。
【0048】
ここで、第1から第3の圧力面81、84、86の力が補償されるようにリストリクタバルブ(絞りバルブ)83を調節することができる。このような場合、畜力要素59が必要な密閉圧力を保証し、排出開口部18の開口中は、アクチュエータ43が畜力要素59の力のみに打ちかつ必要がある。プレチャンバ側のバルブ本体71に作用する力のほうが、ガス圧がバルブ本体71の端面72に及ぼす力よりもわずかに高くなるようにリストリクタバルブ83を調節することが好ましい。畜力要素59の力、及びプレチャンバ74の圧力と圧縮ガスとの間の圧力比、さらに排出開口部18と第3の圧力面86との間の断面比が、熱的に誘導された圧力耐性を適切な場合に補償するために、駆動装置31に十分な予備の力が存在するように適合されることにより、閉鎖装置12が常に安全に開くことができるようになる。
【0049】
図6は、閉鎖装置12の別の実施形態を示す図である。図4及び図5による実施形態に対応する点については、図4及び図5による実施形態に関する説明を参照する。図4及び図5とは異なり、例えば、保持スリーブ76がカバー17上に一体部品の形で成形される。この保持スリーブ76には横孔85が設けられ、バルブ本体71を弁座51から上昇させている間、圧縮ガスが出口開口部18からこの横孔85を経て圧力バッグ22へ流出できるようになる。
【0050】
バルブ本体71と、好ましくはバルブ本体71上に一体に成形されたアンカー装置42とを完全に貫通する圧力通路82がバルブ本体71に設けられる。圧力通路82の上流に、開く動き中に作動する固定リストリクタとしてリストリクタ83が具体化される。リストリクタ83を経由する通路により、圧力容器16内の圧力と同じ圧力がプレチャンバ74内に加えられる。
【0051】
圧力バッグ22内には大気圧が、つまり横孔85及び環状周辺溝87を介して大気圧が加えられる。カバー17内の溝87とバルブ本体71上の斜面88との配置によってサイズ又は幅を決められた弁座51が、圧力容器16内の圧力容積を密閉する。第2の弁座77が密閉面として具体化され、プレチャンバ74を大気圧に対して密閉する。このシールすなわち密閉面は、図4及び図5によるガイド78上の環状シールの代替として設けられる。また、ピストンすなわちバルブ本体71を導くとともにプレチャンバ74も密閉するための摺動シールを設けることもできる。
【0052】
閉鎖装置12の密閉圧力をできるだけ高く実現するために、弁座51に支えられるバルブ本体71の環状面は、出口開口部18の端面81に対してできるだけ小さく保たれる。溝87及び斜面88を通じた設計施策により、これを支援することができる。弁座面51の外周に対する弁座77上の密閉面のサイズ差もできるだけ小さく保つべきである。弁座77すなわち密閉面の外周上及びバルブ本体71の外周上にも段階面すなわち斜面88を設け、いずれの場合にも弁座77の表面のサイズを縮小するように弁座面の方向へ向けることが好ましい。閉鎖装置12のこの構成又は幾何学的設計により、密閉シートを介して圧力容器14内の圧力空間を周囲に対して密閉するピストン71が圧縮ガス内に浮かび、ひいては圧縮力を受けなくなるようにすることができる。密閉力は、圧縮バネ59によってのみ、或いはほとんどこれによってのみ加えられる。このようにして、長期間の密閉さえも可能にする使用するシールへの良好な適応が可能となる。制御が非常に効果的になるとともに正確に行えるようになる。圧縮ガスの流出に関しては、圧縮ガスが径方向に配置された横孔85を通って圧力バッグ22に流入するために、わずかな偏向しか必要としない。
【0053】
上記に加えて、或いは上記とは別に、弁座77の密閉面又はこれに対向する装置はリングシール79を備えることができる。バルブ本体71の端側81、又は弁座51を形成する対向する突き合わせ面についても同様である。この場合、特にシートシールとして具体化されたシール79の位置付けは、プレチャンバ74内のプレチャンバ圧力及び畜力要素59のバルブ本体71に作用する圧力が、ともにバルブ本体71に作用する圧力容器14内の内部圧力及び大気圧よりも大きくなるように直径の形で適応される。閉鎖力はこれに由来する。
【0054】
図7a及び図7bは、閉鎖装置12の力低減装置33のさらなる代替の実施形態を示す図である。この実施形態は、図6による実施形態の修正形態である。対応する点については、図6に関する説明を参照する。図7aは閉鎖位置にある閉鎖装置12を示し、図7bは開口位置すなわち流出位置にある閉鎖装置12を示している。バルブ本体71は、開く力を低下させるためのサーボ制御バルブ又は力低減制御バルブとして具体化された第2の制御バルブ93のバルブ本体95を備える。制御バルブ93のバルブ本体95が、縦方向に可動な態様でバルブ本体71に設けられる。このバルブ本体95はアンカー装置42に接続される。バネリング97を介して、バルブ本体95はバルブ本体71に対して固定され、その開く動きに関して範囲が定められる。圧力容器16の内部圧力がリストリクタバルブ83を経て経路82に入り、バルブ本体95の円錐面に作用する。バルブ本体95の円錐面が貫通孔92を閉鎖し、これを通じて圧力容器14内の媒質が、バルブ本体95を上昇させた後、横方向経路85を介して圧力バッグ22に浸入できるようになる。
【0055】
図7aに示す畜力要素59は、両方共設けることができる。或いは、2つの畜力要素59のうちの1つのみを設けることもできる。この実施形態には、行き渡った圧力に関して高圧空間からアクチュエータ43を分離する密閉スリーブ79も示している。
【0056】
この実施形態における閉鎖力は、開口部92を閉鎖する制御バルブ93のバルブ本体95の円錐形の先端の断面と、容器の内部圧力と、開口部92の孔径の断面積により決定される大気圧に対向する畜力要素59の閉鎖力とに作用が行われるという事実に由来する。開口部92の直径に作用する圧力領域が減少することにより、極度に低い閉鎖力が求められる。これにより、アクチュエータ43の作動によって制御バルブ73を迅速に開くことができるようになり、この結果、プレチャンバ74内で最初に作用する圧力が周囲に流出し、或いは圧力バッグ22へ流入できるようになる。その後、容器の内部圧力がバルブ本体71の第1の圧力面81に作用し、弁座面51から上昇させることにより、媒体が、容器内部から横方向経路85を直接通って圧力バッグ22へ流入できるようになる。この位置を図7bに示す。
【0057】
図8及び図9は、閉鎖装置12用の力低減装置33のさらなる代替の実施形態を示す図である。この実施形態では、例えば保持スリーブ76はカバー17に一体に接続される。プレチャンバ74内にバルブ本体71が自由に動けるように設けられる。これとは逆に、プレチャンバ74は中間フランジ91により範囲が定められており、この中間フランジ91は、駆動装置31のハウジング62を受け入れるとともに特にねじ込み式接続により保持スリーブ76に締結され、好ましくはシール79が介在する。中間フランジ91は、プレチャンバ74を横孔94を介して周囲に接続する開口部92を備える。制御バルブ93のバルブ本体95により、この開口部92を作動させることができる。
【0058】
さらに、閉鎖力低減装置33は、排出開口部18の弁座51と駆動装置31との間に構成部品を含む。駆動装置31は、バルブ本体95に一体に、或いは解放可能な接続で接続することができるアンカー装置42を備え、このバルブ本体もまた、制御バルブ93の構成部品であり、閉鎖力低減装置33の一部である。さらに、駆動装置によりハウジング62のチャンバ61内に畜力要素59が取り付けられ、バルブ本体95を開口部92に対して閉鎖位置へ動かす。
【0059】
以下の作動はこの配置により行われる。前述の実施形態のように、バルブ本体71は、プレチャンバ74の圧力による周囲圧力で、第1の圧力面81の領域内の力及び第3の圧力面86の力に抗して下方に押し付けられる。リストリクタバルブ83を介して、圧縮ガスとプレチャンバ容積との間の圧力差が調節される。この実施形態では、周囲圧力及び畜力要素59のバネ力のみに抗して動作する制御バルブ93が作動して、バルブ本体71を開く。制御バルブ93が開口部92を開くとすぐに、プレチャンバ74内で圧力が低下し、第1の圧力面81に作用する圧力よりも小さくなる結果、プレチャンバ74内に行き渡った圧力が周囲へ流出できるようになる。これによりバルブ本体71が開くことによって、図7に示すように、圧縮ガスが圧力容器41の内部から流出できるようになる。圧縮ガスは、排出開口部18を経て圧力容器14から流出し、端面72で向きを変え、環状空間80、多数の孔又は孔の断片を介して、圧縮ガスを圧力バッグ22の内部へ導く1又はそれ以上の横方向経路85内へと移行する。
【0060】
畜力要素59は、駆動装置31が無電流状態のときに制御バルブ93を閉鎖し、好ましくは経路82の第1の圧力面82に存在する、プレチャンバ74の圧力及び断面に起因する力よりも大きな十分な力を提供するように設計される。制御バルブ93の閉鎖中、依然として存在する圧縮ガスの過剰圧力によりリストリクタバルブ83が開かれて、リストリクタバルブ83により事前設定できるプレチャンバ74内の圧力が再設定されるようになる。この結果、バルブ本体71が下方に動かされて排出開口部18を閉鎖する。この場合、バルブ本体71の端側72は第1の弁座51に支えられる。同時に、端面72は、保持スリーブ76に設けられた第2の弁座77で終端となる。これにより、さらに第3の圧力面86に周囲圧力が作用し、第1の圧力面81にも容器の内部圧力が作用する。このようにして、制御バルブ93の迅速な連続した開閉処理により、計量した態様で圧縮ガスを圧力バッグ22内へ送出することができる。この配置により、短い作動時間で穏やかな作動を実現できるようになる。
【0061】
図10は、閉鎖位置に図8及び図9の代替例としての閉鎖装置12のさらなる実施形態を示す図である。図11は、作動位置にある図10による代替の実施形態を示す図である。
【0062】
閉鎖装置12は、バルブ本体71の開く動きに強制的な作動が行われるという点で、図8及び図9の閉鎖装置12と比較して修正されている。このために、バルブ本体71は2つの部品で具体化されることが好ましい。バルブ本体71は、端面72を有する下部すなわち第1の領域を含み、これとは逆方向で開口部92を受け入れる。この開口部92は、中間フランジ91によりバルブ本体71内へ移動される。中間フランジ91は、移動可能な態様でバルブ本体71を受け入れる。この結果、制御バルブ93全体が中間フランジ91に対して可動となる。開口部92は、接続孔98を介して、中間フランジ91に設けられた横孔94と同化する。単純な取り付けを可能にするために、バルブ本体71の下部にガイド部分96がねじ込み式接続により締結される。経路99によりプレチャンバ74に接続された開口部92を開くために、制御バルブ93のバルブ本体95がピストンのほぼ下部に導かれる。バルブ本体95は、バルブ本体をガイド部分96の壁部内に導くことができる追加のガイド部分101を有する。さらに、バルブ本体95にさらなるガイド部分101のための切り下げを形成するバネリング97などがガイド部分96に挿入される。さらに、バルブ本体95が駆動装置31のアンカー装置42に接続され、駆動装置31のハウジング62のチャンバ61内に畜力要素59が設けられ、制御バルブ93のバルブ本体95を閉鎖位置へ移動させる。
【0063】
閉鎖力を低下させるこの装置33は、最初は図7及び図8の実施形態による装置のように機能する。開口部92を開くための制御バルブ93の作動時、最初に制御バルブ93のバルブ本体95の自由な動きが行われる。その後、バネリング97に支えられた、或いはバネリング97の後方に達する追加のガイド部分101を介して、バルブ本体71全体が強制的に上昇させられる。駆動装置31が無電流状態に切り換えられるか、或いはスイッチを切られるとすぐに、畜力要素59がバルブ本体95を開口部92に対して下方に押し下げる。プレチャンバ容積はほぼ無圧状態であるため、リストリクタバルブ83が開き、圧力容器14内のガス圧とプレチャンバ圧力との間の設定した圧力差が再設定される。バルブ本体71の閉じる動きが開始され、適切な場合第1及び第2の弁座51、77に対してバルブ本体71を押圧する畜力要素59により支援される。
【0064】
従って、図8から図11による閉鎖装置12は空気圧サーボ機構を有する。一方、図1から図3による閉鎖装置12は機械的サーボ機構を有する。このようにして、装置33は、少なくとも1つのバルブ本体により、排出開口部を開口及び/又は閉鎖するための作動力を低下させる。
【0065】
前述した全ての特徴は、各々それ自体が本発明にとって不可欠なものであり、これらを任意の所望の態様で互いに組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0066】
11 冷却ガス発生器
12 閉鎖装置
14 圧力容器
16 容器開口部
17 カバー
18 排出開口部
19 接続端部
21 締結部
22 圧力バッグ
24 過剰圧制限バルブ
26 孔
27 圧力センサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却ガス発生器(11)のための、圧縮ガスの充填が可能な圧力容器(14)用の閉鎖装置であって、前記圧力容器(14)は、一端に閉鎖した底部を、他端に容器開口部(16)を備え、該容器開口部(16)上に、周囲と連通する排出開口部(18)を静止位置において閉鎖するとともに、該排出開口部(18)を開くための駆動装置(31)により作動位置へ移動することができるバルブ本体(48、71)を有する前記閉鎖装置(12)を、冷却ガス発生器(11)の形成のために配置することができ、前記排出開口部(18)の少なくとも1つの弁座(51)と前記駆動装置(31)との間に、加えられる閉鎖力を低下させるとともに静止位置と作動位置との間で少なくとも1つのバルブ本体(48、71)を作動させる装置(33)が設けられている、
ことを特徴とする閉鎖装置。
【請求項2】
前記装置(33)は、前記バルブ本体(48)の方へ向いた端部に少なくとも1つの圧力面(47)、特に円錐圧力面を有する圧力要素(41)を有し、これにより、少なくとも1つのバルブ本体(48)を移動させて、弁座(51)内に隣接することができる、
ことを特徴とする請求項1に記載の閉鎖装置。
【請求項3】
前記排出開口部(18)内に配置されたバルブ挿入部(50)に、各々が弁座(51)を有する多数の径方向に向けられた開口部(49)が設けられ、バルブ本体(48)がこれらの開口部(49)の各々と関連し、前記圧力要素(41)の前記圧力面(47)が前記バルブ本体(48)に作用する、
ことを特徴とする請求項1に記載の閉鎖装置。
【請求項4】
前記駆動装置(31)により、前記圧力要素(41)を少なくとも1つのバルブ本体(48)へ移動可能となるように作動させることができ、前記圧力要素(41)の前記圧力面(47)が、移動の方向に対して鋭角に向けられる、
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の閉鎖装置。
【請求項5】
前記バルブ挿入部(50)と前記圧力要素(41)の前記圧力面(47)との間の受け入れ空間(56)の範囲を定める、径方向に延びる突き合わせ面(54)が、前記バルブ挿入部(50)の前記径方向に向けられた開口部(49)に隣接して設けられる、
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の閉鎖装置。
【請求項6】
前記圧力要素(41)は、前記バルブ本体(48)を取り囲むとともに内部自由端に前記圧力面(47)を有するカップ状部分(46)を有し、貫通開口部(67)を好ましくは底部と前記圧力面(47)との間に備える、
ことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の閉鎖装置。
【請求項7】
前記圧力要素(41)は、前記カップ状部分(46)内に突出する前記バルブ挿入部(50)に対して、その端部においてその外周に作用するガイド(68)を有する、
ことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の閉鎖装置。
【請求項8】
前記駆動装置(31)と前記圧力要素(41)との間に、前記圧力要素(41)に閉じる方向に力を及ぼす畜力要素(59)、特に圧縮バネ、が設けられた、
ことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の閉鎖装置。
【請求項9】
圧力バッグ(22)に通じる横方向開口部(63)を有する前記駆動装置(31)のチャンバ(61)内に前記畜力要素(59)が設けられた、
ことを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の閉鎖装置。
【請求項10】
前記バルブ挿入部(50)を、前記圧力容器(14)の前記カバー(17)内の排出開口部(18)内へ、好ましくは着脱可能に締結できる、
ことを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の閉鎖装置。
【請求項11】
前記駆動装置(31)は、カバー(17)の接続端部(19)に作用するとともに前記圧力容器(14)の前記容器開口部(16)を閉鎖する締結部(21)を有する、
ことを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の閉鎖装置。
【請求項12】
前記カバー(17)は中心排出開口部(18)を有する、
ことを特徴とする請求項10又は11に記載の閉鎖装置。
【請求項13】
前記カバー(17)は、孔(26)の中に設けられるとともに前記排出開口部(18)を前記周囲に接続する過剰圧制限バルブ(24)を備える、
ことを特徴とする請求項10から請求項12に記載の閉鎖装置。
【請求項14】
圧縮ガスの充填が可能な圧力バッグ(22)のための締結部(21)が前記接続端部(19)に設けられた、
ことを特徴とする請求項1〜13の何れか1項に記載の閉鎖装置。
【請求項15】
前記装置(33)はバルブ本体(71)を有し、該バルブ本体(71)はピストンであり、前記排出開口部(18)上の弁座(51)を端面(72)で終端させ、第1の圧力面(81)を有し、前記バルブ本体(71)はプレチャンバ(74)内に逆向きに配置され、該プレチャンバ(74)内において、リストリクタバルブ(83)を使用して、前記圧縮ガスの動作圧と比較して減少するとともに前記ピストン(71)の第2の圧力面(84)に作用するプレチャンバ圧力を設定することができる、
ことを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の閉鎖装置。
【請求項16】
前記リストリクタバルブは、前記プレチャンバ(74)を前記圧力容器(14)に接続する経路(82)内に設けられる、
ことを特徴とする請求項15に記載の閉鎖装置。
【請求項17】
前記バルブ本体(71)は、前記駆動装置(31)上に配置することができる保持スリーブ(76)によって保持されるとともに、前記カバー(17)上に一体部品として、或いは前記接続部(19)にねじ込み式接続によって配置され、前記保持スリーブ(76)は前記バルブ本体(71)のためのガイド(78)を備える、
ことを特徴とする請求項15又は16に記載の閉鎖装置。
【請求項18】
前記バルブ本体(71)は、前記弁座(51)と前記保持スリーブ(76)により形成された弁座(77)との間に、大気圧が加えられる第3の圧力面(86)を有する、
ことを特徴とする請求項15〜17の1項に記載の閉鎖装置。
【請求項19】
前記駆動装置(31)の前記保持スリーブ(76)と前記ハウジング(62)との間、好ましくは前記保持スリーブ(76)の前記ガイド(78)と前記バルブ本体(71)との間に密閉要素(79)が設けられた、
ことを特徴とする請求項15〜18の何れか1項に記載の閉鎖装置。
【請求項20】
前記プレチャンバ(74)内に、畜力要素(59)、具体的には前記閉じる方向に力を及ぼす圧縮バネが設けられた、
ことを特徴とする請求項15〜19の何れか1項に記載の閉鎖装置。
【請求項21】
前記バルブ本体(71)の開く方向のストロークの動きを、前記駆動装置(31)が直接作動させることができる、
ことを特徴とする請求項15〜20の何れか1項に記載の閉鎖装置。
【請求項22】
前記プレチャンバ(74)内の前記バルブ本体(71)の開く動きをプレチャンバの圧力によって制御することができ、好ましくは制御バルブ(93)が、前記プレチャンバ(74)と前記周囲との間の貫通孔(92)を開く、
ことを特徴とする請求項15〜19の何れか1項に記載の閉鎖装置。
【請求項23】
前記駆動装置(31)が前記制御バルブ(93)を作動させることができる、
ことを特徴とする請求項22に記載の閉鎖装置。
【請求項24】
前記制御バルブ(93)を、畜力要素(59)によって閉鎖位置に配置することができる、
ことを特徴とする請求項22又は23に記載の閉鎖装置。
【請求項25】
前記制御バルブ(93)は、前記駆動装置(31)を受け入れるとともにカバー(17)上に配置することができる中間フランジ(91)内の開口部(92)を閉鎖する、
ことを特徴とする請求項22〜24の何れか1項に記載の閉鎖装置。
【請求項26】
好ましくは2部分構成のバルブ本体(71)のガイド部分(96)と、該ガイド部分(96)により少なくとも部分的に取り囲まれた前記制御バルブ(93)のバルブ本体(95)との間で、前記制御バルブ(93)上の前記バルブ本体の開く動きの間、少なくとも1つの弁座(51、77)から前記バルブ本体(71)が上昇するように前記バルブ本体(71)の強制的な作動が行われる、
ことを特徴とする請求項22〜25の何れか1項に記載の閉鎖装置。
【請求項27】
前記強制的な制御は、前記バルブ本体(71)のガイド部分(96)に挿入された要素(97)、具体的には前記制御バルブ(93)の前記バルブ本体(95)上のさらなるガイド部分(101)により提供されるバネリングによって行われる、
ことを特徴とする請求項26に記載の閉鎖装置。
【請求項28】
前記駆動装置(31)は、電磁駆動装置として、圧電セラミックプレートスタック駆動装置又は曲げプレート駆動装置として具体化される、
ことを特徴とする請求項1〜27の何れか1項に記載の閉鎖装置。
【請求項29】
前記駆動装置(31)及び/又は容器圧力の作動は、少なくとも前記圧力容器(14)の圧力センサ(27)によりモニタされる、
ことを特徴とする請求項1から28の何れか1項に記載の閉鎖装置。
【請求項1】
冷却ガス発生器(11)のための、圧縮ガスの充填が可能な圧力容器(14)用の閉鎖装置であって、前記圧力容器(14)は、一端に閉鎖した底部を、他端に容器開口部(16)を備え、該容器開口部(16)上に、周囲と連通する排出開口部(18)を静止位置において閉鎖するとともに、該排出開口部(18)を開くための駆動装置(31)により作動位置へ移動することができるバルブ本体(48、71)を有する前記閉鎖装置(12)を、冷却ガス発生器(11)の形成のために配置することができ、前記排出開口部(18)の少なくとも1つの弁座(51)と前記駆動装置(31)との間に、加えられる閉鎖力を低下させるとともに静止位置と作動位置との間で少なくとも1つのバルブ本体(48、71)を作動させる装置(33)が設けられている、
ことを特徴とする閉鎖装置。
【請求項2】
前記装置(33)は、前記バルブ本体(48)の方へ向いた端部に少なくとも1つの圧力面(47)、特に円錐圧力面を有する圧力要素(41)を有し、これにより、少なくとも1つのバルブ本体(48)を移動させて、弁座(51)内に隣接することができる、
ことを特徴とする請求項1に記載の閉鎖装置。
【請求項3】
前記排出開口部(18)内に配置されたバルブ挿入部(50)に、各々が弁座(51)を有する多数の径方向に向けられた開口部(49)が設けられ、バルブ本体(48)がこれらの開口部(49)の各々と関連し、前記圧力要素(41)の前記圧力面(47)が前記バルブ本体(48)に作用する、
ことを特徴とする請求項1に記載の閉鎖装置。
【請求項4】
前記駆動装置(31)により、前記圧力要素(41)を少なくとも1つのバルブ本体(48)へ移動可能となるように作動させることができ、前記圧力要素(41)の前記圧力面(47)が、移動の方向に対して鋭角に向けられる、
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の閉鎖装置。
【請求項5】
前記バルブ挿入部(50)と前記圧力要素(41)の前記圧力面(47)との間の受け入れ空間(56)の範囲を定める、径方向に延びる突き合わせ面(54)が、前記バルブ挿入部(50)の前記径方向に向けられた開口部(49)に隣接して設けられる、
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の閉鎖装置。
【請求項6】
前記圧力要素(41)は、前記バルブ本体(48)を取り囲むとともに内部自由端に前記圧力面(47)を有するカップ状部分(46)を有し、貫通開口部(67)を好ましくは底部と前記圧力面(47)との間に備える、
ことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の閉鎖装置。
【請求項7】
前記圧力要素(41)は、前記カップ状部分(46)内に突出する前記バルブ挿入部(50)に対して、その端部においてその外周に作用するガイド(68)を有する、
ことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の閉鎖装置。
【請求項8】
前記駆動装置(31)と前記圧力要素(41)との間に、前記圧力要素(41)に閉じる方向に力を及ぼす畜力要素(59)、特に圧縮バネ、が設けられた、
ことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の閉鎖装置。
【請求項9】
圧力バッグ(22)に通じる横方向開口部(63)を有する前記駆動装置(31)のチャンバ(61)内に前記畜力要素(59)が設けられた、
ことを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の閉鎖装置。
【請求項10】
前記バルブ挿入部(50)を、前記圧力容器(14)の前記カバー(17)内の排出開口部(18)内へ、好ましくは着脱可能に締結できる、
ことを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の閉鎖装置。
【請求項11】
前記駆動装置(31)は、カバー(17)の接続端部(19)に作用するとともに前記圧力容器(14)の前記容器開口部(16)を閉鎖する締結部(21)を有する、
ことを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の閉鎖装置。
【請求項12】
前記カバー(17)は中心排出開口部(18)を有する、
ことを特徴とする請求項10又は11に記載の閉鎖装置。
【請求項13】
前記カバー(17)は、孔(26)の中に設けられるとともに前記排出開口部(18)を前記周囲に接続する過剰圧制限バルブ(24)を備える、
ことを特徴とする請求項10から請求項12に記載の閉鎖装置。
【請求項14】
圧縮ガスの充填が可能な圧力バッグ(22)のための締結部(21)が前記接続端部(19)に設けられた、
ことを特徴とする請求項1〜13の何れか1項に記載の閉鎖装置。
【請求項15】
前記装置(33)はバルブ本体(71)を有し、該バルブ本体(71)はピストンであり、前記排出開口部(18)上の弁座(51)を端面(72)で終端させ、第1の圧力面(81)を有し、前記バルブ本体(71)はプレチャンバ(74)内に逆向きに配置され、該プレチャンバ(74)内において、リストリクタバルブ(83)を使用して、前記圧縮ガスの動作圧と比較して減少するとともに前記ピストン(71)の第2の圧力面(84)に作用するプレチャンバ圧力を設定することができる、
ことを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の閉鎖装置。
【請求項16】
前記リストリクタバルブは、前記プレチャンバ(74)を前記圧力容器(14)に接続する経路(82)内に設けられる、
ことを特徴とする請求項15に記載の閉鎖装置。
【請求項17】
前記バルブ本体(71)は、前記駆動装置(31)上に配置することができる保持スリーブ(76)によって保持されるとともに、前記カバー(17)上に一体部品として、或いは前記接続部(19)にねじ込み式接続によって配置され、前記保持スリーブ(76)は前記バルブ本体(71)のためのガイド(78)を備える、
ことを特徴とする請求項15又は16に記載の閉鎖装置。
【請求項18】
前記バルブ本体(71)は、前記弁座(51)と前記保持スリーブ(76)により形成された弁座(77)との間に、大気圧が加えられる第3の圧力面(86)を有する、
ことを特徴とする請求項15〜17の1項に記載の閉鎖装置。
【請求項19】
前記駆動装置(31)の前記保持スリーブ(76)と前記ハウジング(62)との間、好ましくは前記保持スリーブ(76)の前記ガイド(78)と前記バルブ本体(71)との間に密閉要素(79)が設けられた、
ことを特徴とする請求項15〜18の何れか1項に記載の閉鎖装置。
【請求項20】
前記プレチャンバ(74)内に、畜力要素(59)、具体的には前記閉じる方向に力を及ぼす圧縮バネが設けられた、
ことを特徴とする請求項15〜19の何れか1項に記載の閉鎖装置。
【請求項21】
前記バルブ本体(71)の開く方向のストロークの動きを、前記駆動装置(31)が直接作動させることができる、
ことを特徴とする請求項15〜20の何れか1項に記載の閉鎖装置。
【請求項22】
前記プレチャンバ(74)内の前記バルブ本体(71)の開く動きをプレチャンバの圧力によって制御することができ、好ましくは制御バルブ(93)が、前記プレチャンバ(74)と前記周囲との間の貫通孔(92)を開く、
ことを特徴とする請求項15〜19の何れか1項に記載の閉鎖装置。
【請求項23】
前記駆動装置(31)が前記制御バルブ(93)を作動させることができる、
ことを特徴とする請求項22に記載の閉鎖装置。
【請求項24】
前記制御バルブ(93)を、畜力要素(59)によって閉鎖位置に配置することができる、
ことを特徴とする請求項22又は23に記載の閉鎖装置。
【請求項25】
前記制御バルブ(93)は、前記駆動装置(31)を受け入れるとともにカバー(17)上に配置することができる中間フランジ(91)内の開口部(92)を閉鎖する、
ことを特徴とする請求項22〜24の何れか1項に記載の閉鎖装置。
【請求項26】
好ましくは2部分構成のバルブ本体(71)のガイド部分(96)と、該ガイド部分(96)により少なくとも部分的に取り囲まれた前記制御バルブ(93)のバルブ本体(95)との間で、前記制御バルブ(93)上の前記バルブ本体の開く動きの間、少なくとも1つの弁座(51、77)から前記バルブ本体(71)が上昇するように前記バルブ本体(71)の強制的な作動が行われる、
ことを特徴とする請求項22〜25の何れか1項に記載の閉鎖装置。
【請求項27】
前記強制的な制御は、前記バルブ本体(71)のガイド部分(96)に挿入された要素(97)、具体的には前記制御バルブ(93)の前記バルブ本体(95)上のさらなるガイド部分(101)により提供されるバネリングによって行われる、
ことを特徴とする請求項26に記載の閉鎖装置。
【請求項28】
前記駆動装置(31)は、電磁駆動装置として、圧電セラミックプレートスタック駆動装置又は曲げプレート駆動装置として具体化される、
ことを特徴とする請求項1〜27の何れか1項に記載の閉鎖装置。
【請求項29】
前記駆動装置(31)及び/又は容器圧力の作動は、少なくとも前記圧力容器(14)の圧力センサ(27)によりモニタされる、
ことを特徴とする請求項1から28の何れか1項に記載の閉鎖装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2010−506110(P2010−506110A)
【公表日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−530802(P2009−530802)
【出願日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際出願番号】PCT/EP2007/008616
【国際公開番号】WO2008/040542
【国際公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願人】(508280379)エムビイビイ・インターナショナル・グループ・アーゲー (3)
【出願人】(509098113)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際出願番号】PCT/EP2007/008616
【国際公開番号】WO2008/040542
【国際公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願人】(508280379)エムビイビイ・インターナショナル・グループ・アーゲー (3)
【出願人】(509098113)
【Fターム(参考)】
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