説明

冷却液流量調整弁

【課題】弁を用いないので温度に対する応答性が良く、液温を高精度且つ、急速に制御することができるうえに、金型冷却装置に組込みが可能な冷却液流量調整弁を目的とする。
【解決手段】流入口41aと流出口42aを備えた弁本体40部に流路を分岐させる連通孔48を周壁に形成した筒体43を嵌挿するとともに、分岐された流路の一方を常時開放される最小流量孔47が形成される第1流路44とし、分岐された流路の他方を液温が閾値以下のときバイアスばね50の弾性力により密着巻き状態となって連通孔48を閉塞し液温が閾値を越えて上昇するとバイアスばね50の弾性力より高くなっていく弾性力によりコイルピッチを漸増的に拡張して連通孔48を漸増的に開放する形状記憶合金製のコイルばね52を巻装した第2流路45としたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は主にアルミダイカスト成形金型の冷却装置に用いて冷却液体の流量を液温に応じて制御する冷却液流量調整弁に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、アルミダイカスト成形金型等の冷却装置は金型内に形成された冷却液孔に冷却液を循環供給させて金型の冷却を行うのが一般的であるため、長時間休止していた金型を起動した直後、金型温度と冷却液温度は成形に適しない低温となっている。低温のまま成形を行うと成形不良が発生するため、金型温度や冷却液温が成形に適した温度になるまでの数ショット、試し打ち成形を行わねばならなかった。金型の初期起動時に行われる試し打ち成形は大量の廃棄物を発生させることとなり、廃棄処理費用が嵩むというという問題があった。
【0003】
冷却液の温度管理に、冷媒通路を開閉する弁を常時閉弁方向に付勢する第1のバネと、弁を開放方向に付勢する形状記憶合金からなる第2のばねとを設け、変態点温度以下の時は、第2のバネを第1のバネの付勢圧により縮小させて弁を閉じ、変態点温度以上の時は、第2のバネの付勢力により弁を開くものがある(例えば、特許文献1参照)。また、液温に応じて液流量の管理に、形状記憶合金製のばねと補助ばねにより保持される弁を入水温度が高いときには弁を開け出湯量を多くし、入水温度が低い時には弁を閉じ出湯量を少なくするものや、形状記憶合金バネとバイアスバネとのバランスにより絞り通路の開度を変更可能なバイパス絞り弁を設けたものがある(例えば、特許文献2、3参照)。
【0004】
しかし、これらのものはいずれも弁を用いるため、弁のもつ比熱によって温度変化に対する応答性が低下するという問題があるうえに、弁の摺動抵抗やゴミにより作動が遅れたり不安定になったり、弁の重さが慣性力として作用し弁の開閉動作に振動が発生しやすくリニアに制御することが難しく高精度の温度制御ができないうえに製造コストが上昇するという問題があった。そこで本出願人は形状記憶合金よりなるコイルを弁とするコイル弁を設けた流量調整弁を発明した(特許文献4参照)が、制御できる冷却液流量が少なく金型冷却装置に組み込むことは難しいという問題があった。
【特許文献1】特開平8−290452号公報
【特許文献2】特開平6−147639号公報
【特許文献3】特開2000−88350号公報
【特許文献4】特開2005−315292号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、弁を用いないので温度に対する応答性が良く、液温を高精度且つ、急速に制御することができるうえに、金型冷却装置に組込みが可能な冷却液流量調整弁を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、流入口と流出口を備えた弁本体の内部に流路を分岐させる連通孔を周壁に形成した筒体を嵌挿するとともに、分岐された流路の一方を常時開放される最小流量孔が形成される第1流路とし、分岐された流路の他方を液温が閾値以下のときバイアスばねの弾性力により密着巻き状態となって連通孔を閉塞し液温が閾値を越えて上昇するとバイアスばねの弾性力より高くなっていく弾性力によりコイルピッチを漸増的に拡張して連通孔を漸増的に開放する形状記憶合金製のコイルばねを巻装した第2流路とした冷却液流量調整弁を基本とする。なお、前記した冷却液流量調整弁における、形状記憶合金製のコイルばねを押圧するバイアスばねの弾性力を変えてコイルばねの動作温度を調整するものとしたり、流出口に最大通過流量を調整自在とする絞り弁を設けたりすればより好ましいものとなる。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、流入口と流出口を備えた弁本体の内部に流路を分岐させる連通孔を周壁に形成した筒体を嵌挿するとともに、分岐された流路の一方を常時開放される最小流量孔が形成される第1流路とし、分岐された流路の他方を液温が閾値以下のときバイアスばねの弾性力により密着巻き状態となって連通孔を閉塞し液温が閾値を越えて上昇するとバイアスばねの弾性力より高くなっていく弾性力によりコイルピッチを漸増的に拡張して連通孔を漸増的に開放する形状記憶合金製のコイルばねを巻装した第2流路としたから、開閉動作を行う弁が不要となり、弁を用いる場合のように、摩擦や弁の重さによる慣性力が作用して動作に遅れが生じたり、弁動作が安定せず収束に時間がかかることがないので、温度応答性が高く液温をリニア、且つ急速に制御することができる。
【0008】
さらに、冷却液が流出するコイル間隔は連通孔全体にわたり均等に分散形成されるので、乱流の発生を抑えることができ、冷却液の流れを安定させることができる。このような冷却液流量制御弁を金型の冷却装置に用いるものとすれば、第1、第2流路を形成することにより金型冷却に必要な冷却液量を確保できるものとなるうえに、冷却液温を高精度、且つ迅速に制御できるので、成形不良品の発生を低減できるものとなる。また、温度センサや温度センサ用の電子回路を用いなくても温度管理ができるので、故障が生じ難く長期耐用できるうえに安価なものととなる。さらに、節水効果もありランニングコストを削減できるものとなる。
【0009】
また請求項2のように、形状記憶合金製のコイルばねを押圧するバイアスばねの弾性力を変えてコイルばねの動作温度を調整するものとすれば、成形材料の違いや金型の形状の違い等による冷却液温の違いに対応でき、最適な冷却条件を容易に得ることができので、汎用性が高く種々の液温制御に用いることができる。
【0010】
請求項3のように、流出口に最大通過流量を調整自在とする絞り弁を設けたものとすれば、成形材料の違いや金型の違いによる冷却液量の調整をきめ細かく行うことができ、節水効果を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に、本発明の冷却液流量制御弁が組み込まれた金型冷却装置を図に基づいて詳細に説明する。
図9中、1は金型冷却装置であり、該金型冷却装置1は冷却回路2と、該冷却回路2と接続される冷却孔30が形成される金型3とからなる。前記冷却回路2は冷却液タンク20と、冷却液を吸上げるポンプ21と、圧力調整弁22と、流量調整弁23と、流量計24と、金型3の長細穴に嵌挿される冷却ピン25と、金型3あるいは冷却ピン25より排出される冷却液を通過させる本発明の冷却液流量調整弁26とからなり、冷却液タンク20よりストレーナ28を介してポンプ21により吸上げられる冷却液は、その圧および流量を圧力調整弁22と流量調整弁23とにより調整されたうえ金型3の冷却孔30および冷却ピン25に供給されて金型3を冷却するものである。冷却液流量調整弁26は冷却ピン25を介して長細穴を冷却して戻されてくる冷却液の流入量を制御しながら冷却液タンク20に排出するものと、冷却穴30を冷却して戻ってくる冷却液の流入量を制御しながら冷却液タンク20に排出するものとが設けられている。
【0012】
前記冷却液流量調整弁26の第1の実施例は図1〜6に示されるように、流入口41aと流出口42aとが形成される弁本体40には常時開放される第1流路44と、流路の閉塞と流路の開度を調整自在とする第2流路45とが分岐形成されている。弁本体40の一端に形成される流入口41aは接続用の入口継手41に形成され、弁本体40の他端に形成される流出口42aは接続用の出口継手42に形成されている。また、筒状の弁本体40内には流入側の始端をばね受43aにより閉塞し、流出口42aに臨む流出側の終端を開口させ、周壁に連通孔46が形成される筒体43が嵌挿されている。前記ばね受43aは図2に示されるように、流入路を形成するための開口43bが周縁に4箇所形成された円板状のものとしている。また、出口継手42には図4に示されるように複数個の最小流量孔47が形成されている。
【0013】
前記第1流路44は弁本体40の中心孔と筒体43の外周間に形成される環状孔46と、該環状孔46と連通する複数の最小流量孔47とにより形成されるもので、図1、図6(コイルばね動作説明図)に示されるように流入口41aより流入した冷却液は環状孔46、最小流量孔47を経て流出口42aより排出される。また、第2流路45は筒体43の周壁に形成される複数の連通孔48と、筒体43の中空孔とにより形成されるもので、図5、図6に示されるように流入口41aから環状孔46に流入した冷却液は筒体43の連通孔48を通じて筒体43の中空孔に流入して流出口42aより排出されるものである。
【0014】
前記した第2流路45に設けられる流量調整手段49は、排出されてくる冷却液温に応じて冷却液の流量を制御して金型温度を成形に適した温度に維持させるためのものであり、該流量調整手段49は筒体43の始端に嵌合されるばね受43aに基端を係止させて筒体43に巻装されるバイアスばね50と、該バイアスばね50の先端にスライドばね受51を介して基端を当接させるとともに先端を出口継手42に当接させた形状記憶合金製のコイルばね52と、筒体43の周壁に複数形成される連通孔48とからなる。
【0015】
バイアスばね50とコイルばね52とは図7に示されるように、突き合せて釣り合い状態が維持されるもので、形状記憶合金製のコイルばね52は液温が閾値以下のとき、バイアスばね50の弾性力によりコイルを密着巻き状態として連通孔48を閉塞できる長さを持つものであり、液温が閾値を越えて上昇する場合、コイルピッチを漸増的に拡張して連通孔48の開口度を漸増的に拡大させるものである。連通孔48の大きさとコイルばね52の長さは金型3が必要とする最大冷却能力に基いて設定されるものとしている。
【0016】
また、前記スライドばね受51は筒体43に嵌挿される短筒体よりなり、スライドばね受51を介してコイルばね52とバイアスばね50とを当接させることにより、密着巻き状態のコイルばね52の基端をシールして冷却液がコイルばね52の基端から筒体43との細隙に浸入することを防止するとともにバイアスばね50とコイルばね52との動きを円滑にする働きをもつものである。また、スライドばね受51は設計変更等により連通孔48の長さとコイルばね52の長さが若干変わった際、その短筒体の長さを変更することによってコスト負担が大きい連通孔48やコイルばね52の設計変更を行うことなく寸法差を吸収することができる。
【0017】
形状記憶合金製のコイルばね52の横弾性係数は、図7に示されるように、約40℃〜70℃の温度範囲内で約19600MPa〜24500MPaとし、40℃以下の変態点以下で例えば約4900MPaの横弾性係数となるものとした場合、バイアスばね50の横弾性係数を例えば10000MPa程度としておけば、冷却液温40℃以下でコイルばね52は筒体43に密着巻き状態となり連通孔48を閉塞して第2流路45を閉じる。しかし、冷却液温が40℃を越えて上昇するとコイルばね52の横弾性係数はバイアスばね50の横弾性係数より大きくなるのでコイルピッチは漸増的に拡張されて連通孔48の開度は拡がり第2流路45は開かれ、冷却液温70℃でコイルピッチが最大に拡張され流量は最大となる。
【0018】
バイアスばね50とコイルばね52は突き合せて釣り合い状態が維持されるものであるため、図8に示されるように、バイアスばね50の弾性力を変更することにより、コイルばね52のコイルピッチが拡大される温度を40℃から例えば45℃に変更することができる。
【0019】
このように構成されたものは、ダイカスト成形機を起動し、金型冷却装置1の金型3に冷却液を供給する。金型3より排出されてくる冷却液温度は大気温度と略同じで、ダイカスト成形温度としては低温すぎるので、流量調整手段49の形状記憶合金よりなるコイルばね52はバイアスばね50の弾性力により密着巻き状態を維持することとなり、流入口41aより流入する冷却液は最小流量孔47により絞られて最小流量が流出口42aより排出される。この状態で試し打ちのダイカスト成形を行えば金型3から排出される冷却液は少ないので、金型3内の冷却液温は溶湯により急速に上昇することとなる。
【0020】
この試し打ちで金型3の冷却液温は急速にダイカスト成形に適した温度に達するので、その後は試し打ち成形を止めて本ダイカスト成形を行えばよく、試し打ち数を削減できるので試し打ち成形により発生する廃棄物量を大幅に削減できることとなる。そして、ダイカスト成形により冷却液温が例えば40℃を越えると、形状記憶合金製のコイルばね52の横弾性係数は約19600MPaに上昇し、バイアスばね50のもつ10000MPaの横弾性係数より大きくなるので、コイルばね52は密着巻き状態からコイルピッチを拡大し始める。コイルばね52のコイルピッチが拡大されるため筒体43の連通孔48との開口は拡大され冷却液の流出量は増加し始めることとなる。
【0021】
コイルばね52は約70℃で横弾性係数を最大の24500MPaとなり図5、または図6の下半部分に示されるようにコイルピッチは最大に拡張される。コイルピッチのこのような拡張に従って冷却液の流量は増加するので、金型3は確実に冷却されて過熱されることがない。
【0022】
また、冷却液温が70℃以下となるとコイルばね52の横弾性係数は下がり始めるので、バイアスばね50の弾性力によりコイルピッチは狭まり冷却液量は減少し金型3の冷却は抑えられることとなる。このように冷却液の流量を液温に応じて迅速、且つリニアに調整することができるので、金型3の温度を精度よくダイカスト成形に適した温度にでき、成形不良品の発生を抑えることができる。しかも無駄な冷却水を使用しないので節水効果も高くランニングコストを低減できる。
【0023】
また図10〜17に示される流量調整弁の第2の実施例は、流量調整弁26にバイアスばね50への弾性力を変える調整機構70と絞り弁63とを組み込んだもので、調整機構70によりバイアスばね50の弾性力を変えてコイルばね52の動作温度を調整自在とするとともに、流出口42aに設けた絞り弁63により最大通過流量を調整自在とする点が第1の実施例と相違する。
【0024】
次に、第2の実施例の流量調整弁26を第1の実施例との相違点に基いて詳細に説明し、第1の実施例と同様の構成は説明を省略する。図10に示されるように、一端に流入口41aが形成される接続用の入口継手41を取り付け、他端に流出口42aが形成される接続用の出口継手42を取り付けた筒状の弁本体40内に流入側の始端をプラグ60により閉塞するとともに、流出側の終端開口を流出口42aに臨ませた筒体43を嵌挿させたものである。該弁本体40には常時開放される第1流路44と流路の閉塞と流路の開度を調整自在とする第2流路45とが分岐形成されている。
【0025】
前記、第2流路45に設けられる流量調整手段49は、金型3を冷却した後の冷却液温に応じて通過流量を制御して金型3の温度を急速且つ、リニアに所定温度に移行させるものであり、流量調整手段49は筒体43の始端部外周に嵌合される位置調整自在なばね受43aに基端が係止されるバイアスばね50と、該バイアスばね50の先端にスライドばね受51を介して当接される形状記憶合金製のコイルばね52と、筒体43の周壁に形成される連通孔48とよりなり、形状記憶合金製のコイルばね52は液温が閾値以下のとき、バイアスばね50の弾性力によりコイルを密着巻き状態として連通孔48を閉塞できる長さを持つものであり、液温が閾値を越えて上昇する場合、コイルピッチを漸増的に拡張して連通孔48の開口度を漸増的に拡大させるものである。連通孔48の大きさとコイルばね52の長さは金型3が必要とする最大冷却能力に基いて設定されるものとしている。
【0026】
また、前記バイアスばね50への弾性力を変える調整機構70は、前記筒体43の始端部にスライド自在に嵌合されるバイアスばね50のばね受43aと、該ばね受43aの外面に先端縁を当接させて弁本体40に螺挿される入口継手41とからなり、調整機構70としての入口継手41の弁本体40内へ螺挿量を調整することによりバイアスばね52の弾発力を調整して形状記憶合金製のコイルばね52が作動する温度を変更することができる。61はばね受43aを入口継手41に圧接させる支えばねであり、該支えばね61によりばね受43aの動作を安定させて温度調整が確実に行われるようにしている。また、62は入口継手41に螺着される弛み止めナットであり、該弛み止めナット62により入口継手41を確実に動き止めすることによりばね受43aの位置が振動などによりずれることがないようにしている。
【0027】
63は絞り弁であり、該絞り弁63は流出口42aと軸線を一致させることができる弁孔を形成した弁体の軸線を流出口42aと直交させて出口継手42に嵌挿したもので、弁体を回転させることにより冷却液の最大通過流量を調整するものである。該絞り弁63の弁孔は弁体の軸線と直交する方向に形成されているため、弁体を回転させることにより弁孔が流出口42aの軸線と一致する全開状態から弁孔が流出口42aの軸線から90°回転した全閉状態に移行していく範囲内で開度を調整することができ、通過する最大流量が調整できるものとなっている。
【0028】
このように構成された流量調整弁26の調整機構70は、図16に示されるように、コイルばね52の作動温度を変更する場合は、弛み止めナット62を緩めたうえ、入口継手41を回転させて弁本体40への螺挿量を例えば、一点鎖線に示されるように移動させれば、バイアスばね50は圧縮されて弾発力が変えられることとなる。
【0029】
コイルばね52は40℃以下の変態点以下で、例えば4900MPaの横弾性係数をもっているため、バイアスばね50の横弾性係数を10000MPa前後とすることにより、冷却液温が40℃を越えるとコイルばね52は横弾性係数が19600MPaとなり、バイアスばね50の弾発力に抗してコイルばね52はコイルピッチを拡張するものとなっているが、入口継手41の弁本体40への螺挿量が変わり、バイアスばね50は圧縮されて横弾性係数が、例えば20000MPaとなることにより、コイルばね52の作動開始温度を、例えば45℃とすることができる。
【0030】
なお、前記第1、2の実施例では、筒体43の始端を閉塞し終端を開口させたものとしているが、筒体43の始端を開口させ終端を閉塞させたものとしても良いことは勿論である。始端を開口させ終端を閉塞させた場合、最小流量を維持する第1流路44を新たに別設する必要が生じることとなるが、筒体43の閉塞された終端に最小流量孔47を形成して第1流路44を筒体43内に形成すれば新たに別設する必要がなく安価なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1の実施例を示す断面図である。
【図2】同じくA−A側面図である。
【図3】同じくB−B側面図である。
【図4】同じくC−C側面図である。
【図5】同じく状態を異にして示す断面図である。
【図6】コイルばねの動作状態を示す説明図である。
【図7】バイアスばねとコイルばねとの釣合い状態を示すグラフである。
【図8】バイアスばねの横弾性係数を変えた場合における、コイルばねの動作温度の変遷を示すグラフである。
【図9】本発明の流量調整弁を組み込んだ金型冷却装置を示す正面図である。
【図10】流量調整弁の第2の実施例を示す断面図である。
【図11】同じくD−D断面図である。
【図12】同じくE−E断面図である。
【図13】同じくF−F断面図である。
【図14】同じくG−G断面図である。
【図15】同じく状態を異にして示す断面図である。
【図16】コイルばねの動作状態及びバイアスばねを圧縮して横弾性係数を変動させる状態を示す説明図である。
【図17】バイアスばねとコイルばねとの釣合い状態においてバイアスばねの横弾性係数を変えた場合のコイルばねの動作温度を示すグラフである。
【符号の説明】
【0032】
40 弁本体
41a 流入口
42a 流出口
43 筒体
44 第1流路
45 第2流路
48 連通孔
50 バイアスばね
52 コイルばね
47 最小流量孔
63 絞り弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流入口と流出口を備えた弁本体の内部に流路を分岐させる連通孔を周壁に形成した筒体を嵌挿するとともに、分岐された流路の一方を常時開放される最小流量孔が形成される第1流路とし、分岐された流路の他方を液温が閾値以下のときバイアスばねの弾性力により密着巻き状態となって連通孔を閉塞し液温が閾値を越えて上昇するとバイアスばねの弾性力より高くなっていく弾性力によりコイルピッチを漸増的に拡張して連通孔を漸増的に開放する形状記憶合金製のコイルばねを巻装した第2流路としたことを特徴とする冷却液流量調整弁。
【請求項2】
形状記憶合金製のコイルばねを押圧するバイアスばねの弾性力を変えてコイルばねの動作温度を調整することを特徴とする請求項1に記載の冷却液流量調整弁。
【請求項3】
流出口に最大通過流量を調整自在とする絞り弁を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の冷却液流量調整弁。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−292183(P2007−292183A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−120036(P2006−120036)
【出願日】平成18年4月25日(2006.4.25)
【出願人】(393011038)菱栄エンジニアリング株式会社 (59)
【Fターム(参考)】