説明

分光検出方法及びその装置並びにそれを用いた欠陥検査方法及びその装置

【課題】
分光検出手法を用いて検査対象表面に一様に形成された繰り返しパターンの形状を検出するには、分光検出する波長範囲が、短い波長領域に広いことが有利である。しかし、短い波長領域すなわち紫外領域を含む広い波長範囲で分光検出可能な光学系を比較的簡単な構成で実現することは容易ではない。
【解決手段】
パターン欠陥を検査する装置を、ハーフミラーとして空間的に部分的なミラーを用い、また検査対象へ光の照射および検査対象からの反射光の検出の角度及び方向を制限するための開口絞りを反射型対物レンズ内に設置することにより、深紫外から近赤外までの波長帯域で検出可能な分光検出光学系を備えて構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、深紫外から近赤外までの広い波長範囲での分光検出を可能とする光学系に関し、同光学系を用いて基板上に数10nm以下の微細な繰り返しパターンを形成した検査対象、例えば半導体デバイスや次世代のハードディスクメディアであるパターンドメディアのパターンの、形状またはパターンが適切に形成されているかを光学的に検出する検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ハードディスクドライブの記録容量は、近年益々大容量化の傾向にある。しかし、従来の基板ディスク上に磁性膜を成膜しただけのいわゆる連続媒体では、記録密度が1Tbit/in程度が限界であり、それ以上の記録密度を実現する技術としてパターンドメディアの導入が計画されている。
【0003】
パターンドメディアとは、図1(a)に示す様にディスク0101面上に、図1(b)に示すような記録トラック0102間に溝を形成したディスクリート・トラックメディアと、図1(c)に示すような記録単位(ビット)を独立させた島状のパターン0103として形成するビットパターンド・メディアの2方式が検討されている。いずれの場合も、従来の連続媒体とは異なり、ディスクメディア(基板)上に数十nmピッチで同一形状のパターンを形成するという特徴がある。
【0004】
そのため、新たにパターン形成のための製造プロセスが加わることとなり、同プロセスに起因する不良が発生することが懸念されている。例えば、図2はパターンの断面を模式的に示した図であるが、正常なパターン0201と比較して断面形状が変形したパターン0202[してしまうこと]や、パターンの抜け0203等が欠陥として発生することが考えられる。
【0005】
これらのような微細なパターンの欠陥を検査する手段としては、原子間力顕微鏡(Atomic Forth Microscope:AFM)や走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)等の直接観察する手段の他に、いわゆるスキャットロメトリと呼ばれる光学式の検査方法がある。AFM,SEM及びスキャットロメトリは当該技術分野において既知の技術である。光学式の手法であるスキャットロメトリは、AFMやSEMと比較して高速で検査が可能であるという特徴がある。
【0006】
スキャットロメトリとは一般的には、図3に示すように分光検出光学系0301で検査対象0302表面の分光反射率0303を検出し、検出した分光反射率0303に基づいて検査対象0302表面上に一様に形成された繰り返しパターン0304の形状を検出する手法を指す。一様に形成された繰り返しパターンの断面形状が異なると、その表面の分光反射率も異なることを利用し、検査対称表面の分光反射率から検査対象表面に一様に形成された繰り返しパターンの形状を検出することができる。形状の検出にはモデルフィッティングやライブラリマッチング等の手法が用いられる。
この手法では、分光検出する波長範囲が、短い波長領域に広いと検出感度が高くなることが知られている。
【0007】
上述の通り、スキャトロメトリを用いて検査対象表面に一様に形成された繰り返しパターンの形状を検出するには、分光検出する波長範囲が、短波長領域に広いことが有利である。しかし、短波長領域すなわち紫外領域を含む広い波長範囲で分光検出可能な光学系を実現することは容易ではない。あるいは大変高価なものとなる。
【0008】
光学系を構成する個々の光学素子の波長特性には制限があり、特にハーフミラーにおいては紫外から赤外まで広い波長範囲で適用できるものがほとんどなく、あっても非常に高額となる。
【0009】
比較的高額とならずに紫外から赤外まで適用可能なハーフミラーを実現する方法の一例が特許文献1に開示されている。
【0010】
【特許文献1】特開2007-285761
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
スキャトロメトリに用いる分光検出光学系を一般的な光学顕微鏡と同様な構成で製作した場合、対物レンズの開口数(Numerical Aperture:NA)によって検査対象表面への光の照射や検査対象表面からの反射光の検出に角度範囲を持つことになる。また、照射方向も360度全ての方向からの光を照射することになる。そのため検出した分光データは様々な角度及び方向から照射・検出した光を含むため、分光データに基づいてパターンの形状や欠陥を検出するための解析が複雑になるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明では、ハーフミラーとして空間的に部分的なミラーを用い、また検査対象へ光の照射および検査対象からの反射光の検出の角度及び方向を制限するための開口絞りを対物レンズ内に設置することにより、深紫外から近赤外までの波長帯域で検出可能な分光検出光学系を実現した。
【0013】
また、本発明では、試料を載置するステージ手段と、ステージ手段に載置した試料に光を照射して試料からの反射光を分光して検出する分光検出光学系手段と、分光検出光学系手段で分光検出した結果に基づいてステージ手段に載置した試料上の形状欠陥を検出するデータ処理手段と、ステージ手段の動作を制御するステージ制御部とを備えた欠陥検査装置において、分光検出系は、紫外光を含む波長の光を出射する光源部と、光を透過する部分と光を反射する部分とを有して光源部から出射した光を反射する部分で反射して光の光路を切替える光路切替え部と、光路切替え部で光路を切替えられた光を試料の表面に集光して照射する反射型対物レンズ部と、反射型対物レンズ部により試料表面に照射された光による試料からの反射光で反射型対物レンズ部で集光されて光路切替え部の光を透過する部分を透過した反射光を分光して検出する分光検出部とを備えて構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、深紫外から近赤外までの広い波長範囲で分光検出が可能な光学系を比較的簡単な構成で実現でき、同光学系を用いることにより例えば数10nm程度の微細なパターンが多数繰り返し形成された被検査試料のパターン形状・欠陥を検査することを可能にした。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
まず初めにディスク上に形成されたパターンの形状を光学的に検出する方法を例に挙げて説明する。本発明が主として対象としている図1に示したようなパターンドメディアの場合には、ディスク上に大きさが数十nm程度の周期的なパターンが形成されている。このとき、パターンの高さや幅等が変化すると、パターンが形成された表面全体の分光反射率が変化する。すなわち、パターン形状が異なると分光反射率が異なる。そのため、検出対象表面の分光反射率を検出することにより、対象パターンの形状を検出することができる。
【0016】
この様な周期的で微細なパターンの形状を検出する方法としては、スキャットロメトリがある。例えばRCWA(Rigorous coupled−wave analysis)等の電磁波解析手法を用いることにより、パターン形状及びパターン材料の光学定数から検出対象表面の分光反射率を求めることができる。そこで、パターン高さや幅等パターン形状を表す値をパラメータとして、予め様々なパラメータで検出対象表面の反射率を算出しておいて、実際に検出した表面反射率と比較し最も近いものを抽出すれば、対象パターンの形状を検出することができる。または、実際に検出した表面反射率に対して、上記RCWA等を用いて算出した反射率を、パターン高さや幅等パターン形状を表す値をパラメータとして合わせ込むことにより(フィッティング)、対象パターンの形状を検出することができる。
【0017】
また別の方法として、有効媒質近似を用いることにより対象パターンの形状を検出する
ことができる。まず、有効媒質近似について説明する。検出対象が2つの媒質a(パターン)およびb(空気)で構成されている場合を考える。この場合、それぞれの媒質の領域の大きさが、検出に用いる光の波長の10分の1程度以下の場合には、もはやそれぞれの媒質を区別する必要がなく、一つの層として考えることができる。このとき、それぞれの媒質の誘電率をεおよびεbとし、パターンの占有率をfとすると、近似した層の誘電率εは式1で表される。
【0018】
このように、複数の媒質で構成された層を単一の媒質の層として近似することを有効媒質近似という。なお、説明に用いた有効媒質近似の数1は一例であり、対象の形状や材質によって最適なものを選択する必要がある。
【0019】
【数1】

【0020】
例えば単層の膜の場合、膜及び下地の屈折率nと消衰係数kが既知であれば、数2に示すフレネルの式により膜表面の分光反射率を算出することができる。そこで、実際に検出した分光反射率に対して、フレネルの式で求めた反射率を膜厚をパラメータとして合わせ込む(フィッティング)ことにより、膜厚を求めることができる。
【0021】
【数2】

【0022】
屈折率nおよび消衰係数kと誘電率との間には数3で表される関係があり、フィッティ
ングによる膜厚算出は、有効媒質近似を用いて近似した膜の場合にも適用できる。また、
有効媒質近似の際の占有率fが未知の場合には、これもフィッティングの際のパラメー
タとすることで同時に求めることも可能である。
【0023】
【数3】

【0024】
なお上記では、対象表面の反射率に基づいてディスク上に形成したパターンの形状を検
出する方法を説明した。しかし、実際の製品検査においては、必ずしも形状を検出する必
要がない場合が考えられる。すなわち、検査によって対象が良品であるか否かのみを判定
できればよい場合が考えられる。
【0025】
次に、対象が良品であるか否かのみを判定する方法について説明する。
パターンの形状が異なると、表面の分光反射率も異なったものとなる。ここで、例えば本来同一形状に形成された二つのパターン群のうち一方のパターン群の分光波形が正常であると仮定すると、他方のパターン群から求めた分光波形との違いを検出することにより、他方のパターン群に異常が含まれているかを判定することができる。
【0026】
分光反射率の違いを検出する方法として、数4で示す判定指標値Deltaを用いる。
Deltaは基準となる波形と検出した波形の差を表しており、この判定指標値と予め設
定したしきい値とを比較することにより、パターンの形状が異常であるかを判定すること
ができる。すなわち判定指標値がしきい値以上であれば不良と判定し、以下であれば良品
と判定する。
【0027】
【数4】

【0028】
判定しきい値を決める方法の一例としては、パターンの幅や高さを変えた場合の分光反
射率を採取しておき、その内正常と判定すべき場合の分光反射率同士と及び異常とすべき
場合の分光反射率との間で上記判定指標を算出し、正常と異常とを分離できるように
しきい値を設定する方法がある。この閾値を設定することにより、正常と判定すべき場合の分光反射率同士での判定指標値と異常と判定すべき場合の分光反射率とを区別して、正常と異常とを分離することができる。
【0029】
しきい値設定に用いる分光反射率は、実際に検出した分光反射率で実施することが望ま
しいが、光学シミュレーションを用いて作成した分光反射率を用いることでもできる。
【0030】
また、波長400nm以下(紫外光)の方が400nm以上よりも反射率の変化が大きいことがわかる。このことから、分光反射率の検出波長として紫外領域を検出することが形状や異常を検出する際の感度の観点で有利である。
【0031】
通常大気中で検出可能な光の波長は波長200nm程度からであることから、実用上は
波長200nm程度以上の光を検出することが現実的である。もちろん200nm以下の
波長帯域を検出すれば、形状や異常の検出感度の観点でより有利となる。
以下に、対象パターンの形状又は欠陥を検出するために必要な、検出対象表面の分光反射率を検出するための構成及びその分光反射率を検出する手段を備えた対象パターンの欠陥検査装置の構成について説明する。
【実施例1】
【0032】
図4は光学顕微鏡を用いて分光検出光学系0400を実現した例である。光源0401からでた光はしぼり(1)0407の開口部を通過して集光レンズ0408で集光されしぼり(2)0409の開口部を通過した後、ハーフミラー0402で反射され方向を変えて偏光素子0403及び対物レンズ0404を介して試料表面0405に照射される。そして試料表面0405で反射して再び対物レンズ0404及び偏光素子0403を介してハーフミラー0402を透過した光をしぼり(3)0410の開口部を通過させて試料表面0405からの反射光以外の外乱光を遮光して分光器0406に導入する構成となっている。
【0033】
深紫外から近赤外までの波長範囲を分光検出するには、上述した光学系の全ての構成要素が前記波長範囲で使用可能でなければならない。
【0034】
光源0401はXeランプや重水素ランプ等を用いることで、190nm付近から近赤外までの波長帯域の光を得ることができる。対物レンズ0404については、一般的なレンズを用いる屈折型のものでは、深紫外から近赤外までの波長範囲を透過可能なものはほとんどない。または屈折率の波長分散によって生じる色収差が大きいため広い波長範囲では適用できない。この欠点を克服するものとして、ミラーで構成された反射型の対物レンズがある。材質や表面のコーティングにもよるが、アルミ等の一般的なミラーは反射できる波長範囲が広く、また球面等による反射で集光させるため色収差も生じない。本実施例においては、対物レンズ0404として、この反射型の対物レンズを採用する。
【0035】
分光器0406や偏光素子0403についても、最近では、紫外光から近赤外光までの広い波長範囲(190nm〜800nm)で使用可能なものを容易に入手することができる。偏光素子は非偏光の光から直線偏光を得る作用がある。
【0036】
しかし、ハーフミラー0402については深紫外から近赤外までの広い範囲で使用できるものはほとんどないか、あるいは非常に高価なものとなる。
【0037】
そこで本発明では、ハーフミラー0402として図5に示すような空間的に部分的なミラー0500を用いることにより、深紫外から近赤外までの波長範囲で分光検出が可能な光学系を実現する。このミラーはガラス基板上の一部にミラーを形成するか、またはミラーの一部に穴を開けることにより容易に製作することができる。
【0038】
図5では、空間的に部分的なミラー0500の一例として光が透過する部分を1箇所だけ設けた場合を示している。この場合、光源0401からの光は、ミラー部分0501では反射され、ミラーのない部分0502では透過して光学系の外に出る。ミラー部分0501で反射された光は、対物レンズ0404を介して試料表面0405に照射され、試料表面0405からの反射光は再び対物レンズ0404を介して再び空間的に部分的なミラー0500に到達する。このとき、ミラー部分0501とミラーの無い部分0502との形状及び配置を最適化することにより、ミラー部分0501で反射して試料表面0405に照射され試料表面0405で反射された光のほとんど全てをミラーの無い部分0502を透過させることができ、効率的な光学系を実現することができる。ミラーのない部分0502を透過した光を偏光素子0403を介して分光器0406で検出される。
【0039】
図4に示した様ないわゆる有限系の光学系の場合には、図5に示す楕円形の部分0503に光が当たることになる。このとき、楕円の短軸に平行で、楕円の焦点の1つ0504を通る直線0505をミラー部分0501とミラーの無い部分0502の境界とすることにより、上述の効率的な光学系を実現することができる。図5の場合、楕円形部分0503の外側の領域0506は、遮光している。
【0040】
ハーフミラー0402として上記したような空間的に部分的なミラー0500を用いた場合、事実上、光学系を照明系と検出系に分割した構成となっている。
【0041】
ハーフミラー0402の例としては、図6や図7に示すような、空間的に部分的なミラー0600や0700のような図5に示した形状を変形した形状とすることもできる。
【0042】
図6は放射状にミラー部分0601とミラーの無い部分0602とを配置した形状となっており、図7は放射状と、一つの焦点を同じくする複数の楕円を組み合わせてミラー部分0701とミラーの無い部分0702とを配置した形状となっている。これらの場合も、ミラー部分0601又は0701で反射され、試料から戻ってきた光はミラーのない部分0602又は0702を透過するように配置している。
【0043】
基本的に、光軸(楕円形の焦点の一つ)を中心として対となる部分には、一方をミラー部分0501、0601、0701とし、もう一方をミラーの無い部分0502、0602,0702とすれば上記の効果が得られる。
【0044】
前記の特許文献1では、ミラー部分とミラーの無い部分とは点対称となると記述している。しかし、本発明においては、上述のとおり光は楕円部分(図5の0503)に当たり、光軸は同楕円の焦点の1つを通過するように構成している。そのため本発明の場合には、対となるミラー部分0501、0601、0701とミラーの無い部分0502、0602,0702の形状は点対称ではない。
【0045】
特に深紫外で分光検出する場合、有限系の光学系は結像に別の光学素子を必要とせず、その結果、収差の発生を低減でき、また部品点数が減ること等の利点がある。上記のような形状とすることで、有限系の光学系において空間的に部分的なミラーを適用することが可能となる。
【0046】
また、同様に前記の特許文献1では、ミラー部分とミラーの無い部分の個数はそれぞれ奇数であるとしている。光の当たる楕円形状(図5の0503)全面を使用する場合は、ミラー部分0501及びミラーの無い部分0502の数はそれぞれ奇数とならなければならない。しかし、後述する開口絞りを用いる場合には、必ずしも楕円形状全面を使用する必要はなく、そのため図6及び図7に示すようにミラー部分0601、0701及びミラーの無い部分0602、0702の数が偶数であってもよい。
【0047】
偶数とすることで、検査対象に対して対称な角度成分の光を照射することができ、分光データ解析の演算負担が軽減できる。
【0048】
図5の様にミラー部分0501とミラーの無い部0502がそれぞれ1つの2分割となっている場合には、試料に照射する光の方向が、偏ることとなる。そこで、各ミラー部分0501やミラーの無い部分0502のミラーを細かく分割することにより、様々な方向からの光を照射・検出することが可能となる。
【0049】
この際、分割する領域を等間隔とした場合には、繰り返し構造による回折の影響を考慮する必要が生じる。ミラー部分0501またはミラーの無い部分0502の繰り返しピッチや対物レンズ仕様から、試料面上0405や分光検出位置での回折の影響を評価することができる。試料面上や分光検出位置で回折光を検出しない構造とすることが望ましい。
【0050】
また、図5に示すような分割した領域が繰り返しでない場合においても、ミラー部分0501とミラーの無い部分0502との境界0507で回折が生じる。回折した光は最終的に分光器0406に検出されて、誤差の要因となる。そこで、図16に示すように、ミラー部分の反射率1601とミラーの無い部分の反射率1602との境界部分の反射率を連続的に変化させることにより、回折の発生を低減することができる。
【0051】
一方、図8に示すように空間的に部分的なミラー0800を回転させる方法も考えられる(同図中の矢印は回転を表している)。この場合は、ミラー部分0801が回転して位置が変化するため、試料表面0405への照射方向が変化し、試料表面0405で反射してミラーのない部分0802を透過した光を偏光素子0403を介して分光器0406で検出することにより、照射方向に偏りのない照明及び検出ができる。
【0052】
ただし、分光検出する際にCCDセンサ等を用いる場合には、一定時間の光の蓄積が必要であるため、この蓄積時間と空間的に部分的なミラー0800の回転数との間で同期をとる必要がある。
【0053】
図9は、図4に示した分光検出光学系0400の構成における対物レンズ0404の一例として反射型対物レンズ0900を用いた場合を示す。光源0401から発射されてハーフミラー0402で反射され方向を変えて偏光素子0403を透過して反射型対物レンズ0900に入射した光の瞳内での位置と試料面への光の入射角度及び入射方向の関係を示した図である。図9(a)は反射型対物レンズ0900を上方から光軸方向に見た場合を示しており、図9(b)は反射型対物レンズ0900を側面から見た図である。反射型対物レンズ0900に入射した光は第一ミラー0901、第二ミラー0902の順で反射され、試料表面0405に集光される構造となっている。
【0054】
図9(a)において実線0903で示した光路は、偏光素子0403側から瞳面0905に入射した光(紙面に対して垂直)が第一ミラー0901で反射(紙面内右方向)された後に第二ミラー0902で反射(紙面内左方向)されて集光点0907に向かうのに対して、同図の点線0904で示された偏光素子0403側から瞳面0906に入射した光の光路は角度θだけ斜めに傾いた方向から集光点0907に向かっている。瞳面の位置によって試料への光の入射方向が異なることがわかる。このように、瞳における位置によって、試料面への入射方向が異なることがわかる。
【0055】
一方、図9(b)では実線0903と点線0904で示した光路では、集光点に入射する際の入射角度(仰角と方位角)が異なることがわかる。
また、瞳内での位置によって仰角と方位角が異なることがわかる。
【0056】
このようにして求めた試料表面の分光反射率の情報を用いて、前述したスキャットロメトリの技法を用いて試料表面に形成されたパターンの形状を求めたり、又は前述したように、しきいを用いてパターンの良・不良、即ち欠陥を検出することが出来る。
【0057】
本実施例によれば、空間的に部分的なミラーと反射型の対物レンズとを組合わせて用いることにより深紫外から近赤外までの波長範囲の照明光を色収差の問題を生じることなく用いることが可能になり、効率的な光学系を実現することができ、微細なパターンの欠陥を検出することを比較的安価な構成で実現することが可能になる。
【実施例2】
【0058】
前述のスキャットロメトリによって、検査対象のパターン形状を検出する場合、試料面への光の照射や試料面からの光の検出における角度と方向が制限されている方が、現象が単純となるためその後の解析が容易となる。または、特定の角度及び方向で照射及び検出することにより、検出感度を向上することができる。
【0059】
そこで本実施例では、図4に示した分光検出光学系0400の装置構成と同じ構成において、対物レンズ0404として図9に示したような反射対物レンズ0900を用いた場合に反射対物レンズ0900の瞳に絞りを儲けて開口を制限することにより、照射及び検出における試料面に対する角度及び方向を制限するようにした。
【0060】
有限系の場合、対物レンズ0404は単レンズに置き換えて考えることができ、その場合対物レンズ0404の瞳はレンズの内部となる。反射型対物レンズ0900の場合には、第一ミラー0901と第二ミラー0902の間の空間部分ということになる。
【0061】
この第一ミラー0901と第二ミラー0902の間の空間部分に開口絞りを設置することが望ましいが、この場合、後付けでの組み込みが困難となる。図10(a)では図9に示した反射対物レンズ0900の第一ミラー0901の上方で第二ミラー0902の開口部0908に開口絞り1003を設置した例を示している。このような構成とすることにより図10(b)に示したように開口絞り1003の開口部1004を通過した光が反射対物レンズ0900を介して試料表面0405を照明する。この場合は、後付けや交換も容易である。この方法でも第一ミラー0901と第二ミラー0902の間に設置した場合と同等の効果が得られる。
【0062】
また、同図では開口を扇型のとすることで、光の照射・検出の方向を制限する方式を示している。
【0063】
図11はさらに、開口部の半径方向を制限して開口部1104-1と1104-2の2つの開口を備えた開口絞り1103とすることで、照射・検出の角度を制限した場合を示している。
【0064】
図12は開口絞り1203の開口部の形状をスリット形状1204にした場合を示している。この場合は、方向によって角度範囲が異なり、角度と方向の範囲を単純に制限することはできないが、スリット幅が十分小さい場合には、この形状でも図11と同様の効果が得られる。
【0065】
また、図13のように開口絞り1303の開口部の形状を複数のピンホール1304-1と1304-2とする方法もある。
【0066】
いずれにしても、開口形状は光軸に対して点対象であることが望ましい。点対称とすることで、一方の開口を通り抜けた照射光が、試料で反射されてもう一方の開口を通り抜ける構造となる。
前述したように、角度や方向を制限することにより、検出感度が向上する場合がある。これら条件は、検査対照によって最適な条件が異なる。そこで、開口形状を固定ではなく可変とすることで、検査対象に対して最適な条件を選択することができる。
可変方法は、固定の開口絞りを交換することでも良いし、形状を可変できる構造とすることでもよい。
【0067】
以上に述べてきた、ハーフミラーの役割を果たす空間的に部分的なミラーと光の照射・検出の角度・方向を制限する開口絞りの両者を組み合わせて使う場合には、両者の関係を考慮する必要がある。すなわち、空間的に部分的なミラーで反射された光が開口絞りを通過するように、また、試料からの反射光が再び開口絞りを通過して今度は空間的に部分的なミラーを通過するように両者を設計しなければならない。図4に示した分光検出光学系0400の構成においては、ハーフミラー0402で反射された光が対物レンズ0404として図9に示したような反射型対物レンズ0900を用いたときに、図10乃至13で説明したような開口絞り1003、1103,1203又は1303に設けた開口部を通過して試料表面0405で反射し再び開口部を通過してハーフミラー0402に戻ってきたときには、ハーフミラー0402のミラーの無い部分(例えば、図5のミラーの無い部分0502)をとおり抜ける構造となっている。
【0068】
また逆に、空間的に部分的なミラーの形状を工夫することで、開口絞りの役割を兼ねさせることも可能である。この場合は、空間的に部分的なミラーと対物レンズとの間の距離をなるべく小さくすることが望ましい。
【0069】
このようにして求めた試料表面の分光反射率の情報を用いて、前述したスキャットロメトリの技法を用いて試料表面に形成されたパターンの形状を求めたり、又は前述したように、しきいを用いてパターンの良・不良、即ち欠陥を検出することが出来る。
【0070】
本実施例における照明や検出の角度や方向を制限する条件は、検査対照によって最適な条件が異なる。そこで、開口形状を固定ではなく可変とすることで、検査対象に対して最適な条件を選択することができる。可変方法は、固定の開口絞りを交換することでも良いし、形状を可変できる構造とすることでもよい。
【0071】
本実施例によれば、照明や検出の角度や方向を制限することにより、検出感度が向上する。
【実施例3】
【0072】
実施例1及び実施例2で説明した内容は、要するに照明及び検出の角度及び方向を制限して、深紫外から近赤外までの広い波長範囲で分光検出可能な光学系を得ることである。そこで、よりシンプルな光学系として、図14に実施形態を示す。
【0073】
同図は、反射型対物レンズ0900の第二ミラー0902の開口部0908に直接光ファイバーを配置している。この構造では、ファイバを照明系ファイバ1501と検出系ファイバ1502がそれぞれの別のファイバ(バンドルファイバ)となり分離されるため、ハーフミラーを必要としない。また、ファイバの配置によって、開口絞りと同等の機能を得ることができる。瞳内でのファイバの配置については、前述の開口絞りと同様に配置すればよい。
【実施例4】
【0074】
図15は上述の実施例1乃至3で説明した分光検出光学系0400をハードディスク検査装置1500に適用した場合の例を示している。ハードディスク検査装置1500は、上記した実施例1乃至3で説明した何れかの構成を備えた分光検出光学系1501、検査対象であるハードディスクメディア1506を載置して保持しハードディスクメディア1506上の任意の位置で分光検出が行えるように分光検出光学系1501との位置を相対的に移動可能なステージ部1502、及び分光検出結果に基づいてハードディスクメディア1506の表面に形成されたパターンの形状欠陥または形状異常を検出するデータ処理部1504とステージ制御部1503とを備えている。また、データ処理部1504には表示部1505が備えられている。
【0075】
ステージ部1502は図示していない構成により、載置して保持されたハードディスクメディア1505の表面と平行な面内、及びハードディスクメディア1506の表面に垂直な方向に移動可能であり、かつハードディスクメディア1506を回転させることが可能な構成になっている。
【0076】
分光検出光学系1501は、図17に示したような構成をしている。この図17に示した分光検出光学系1501の構成は、図4で説明した分光検出光学系0400の構成と基本的には同じであるが、図4に示した構成におけるハーフミラー0402として図5に示したような楕円形領域の焦点を通る直線で光を反射する領域と光を透過する領域とに分割したハーフミラー0500を採用し、図4に示した構成における対物レンズ0404として図10に示したような開口絞り1003の代わりに図12に示した開口絞り1203を採用した場合を示している。ただし、本実施例はこれに限定されること無く、ハーフミラー0402と開口絞り1003との組み合わせをそれぞれ図5乃至図8及び図11乃至図13に記載した構成の中から検査条件に合わせて種々組み合わせて用いることが可能である。
【0077】
この図17に示した分光検出光学系1501は、開口部を有するしぼり(1) 1707、集光レンズ1708、開口部を有するしぼり(2) 1709、ハーフミラー1702、偏光素子1703、対物レンズ1704、開口部を有するしぼり(3) 1710および分光検出器1705を備えて構成される。対物レンズ1704は具体的には、図9又は図10で説明したような反射型対物レンズ0900又は1000の構成になっている。
【0078】
次に、図17に示した分光検出光学系1501の構成を説明する。光源1701から発射された紫外光領域の波長成分を含む光はしぼり(1)1707、集光レンズ1708、しぼり(2)1709を通過してハーフミラー1702で反射され光路を変え、偏光素子1703および対物レンズ1704(反射対物レンズ0900又は1000)を介して検査対象のハードディスクメディア1705(図15のハードディスクメディア1505と同じ)照射される。ハードディスクメディア1705からの反射光は再び対物レンズ1704および偏光素子1703を透過し、しぼり(3)1710の開口部1711を通過して分光器1706に導入される。
【0079】
ここで、しぼり(2)1710の開口部1711の位置を対物レンズ1704(反射対物レンズ0900又は1000)の結像位置に合わせると、しぼり(3)1710の開口部1711の形状によって分光検出器1706で分光検出するハードディスクメディア1705上の領域を制限することができる。例えば、しぼり(3)1710の開口部1711の大きさをφ200μmとし、結像面での倍率を20倍とすると、分光検出領域の大きさはハードディスクメディア1705上でφ10μmとなる。
【0080】
上記したように200nm付近の波長を利用しようとする場合、適用できる光学素子等
は限られたものとなる。光源1701には、波長200nm付近以上の光を射出するキセノンランプや重水素ランプ等を用いることができる。ただし、検査対象によっては波長400nm程度以上でも十分性能を発揮できる場合もあり、その場合はハロゲンランプ等の可視光から赤外光の光を射出する光源を用いてもよい。
【0081】
本実施例の光学系では対物レンズ1704に反射型対物レンズを用いている。一般的に用いられるレンズで構成された屈折型の対物レンズでは200nm付近から可視光までをブロードに適用できるものはほとんど無い。反射型対物レンズはミラーで構成されており、波長200nm付近から使用することができる。
【0082】
分光検出器1706には、ZEISSや浜松ホトニクス社等市販の分光器で200nm付近から適用できるものがある。
【0083】
データ処理部1504は、図18に示すように、大きく分けて次の二つの処理を実行する。一つは反射率の算出であり、もう一つはパターン形状・欠陥検出処理である。上記の通り本発明では検査対象表面の分光反射率に基づいて検査対象パターンの形状・欠陥を検出する。しかし、上記光学系で検出が可能なのは検査対象表面の分光反射強度分布である。
【0084】
そこで、図18のフローに示すように、予めハードディスクメディア1705の鏡面状態での分光強度分布を検出しておき(S1800)、これに対する検査対象表面の分光反射強度(S1802)との比、すなわち相対反射率を求める(S1804)。相対反射率を求める際、検出器によっては分光反射強度データIにバックグラウンドノイズIが重畳している場合があり、これも予め検出しておき相対反射率算出の際には差し引いておく。このように(S1804)で算出した相対分光反射率に対して、上記で説明したパターン形状検出処理(S1806,S1808,S1810)、欠陥検出処理(S1812,S1814)を実行することにより、パターンの形状・欠陥を検出することができる。同図では欠陥検出と形状検出の両方を記載しているが、必要に応じて何れか一方を実施すればよい。
【0085】
次に図19を参照して検査装置の動作について説明する。まず、必要に応じて予め中心
と方向とを検出(アライメント)した検査対象であるハードディスクメディア1505をステージ1502上に設置する(S1900)。次にステージ制御部1503でステージ1502の高さ方向の位置を制御して、検査対象であるハードディスクメディア1505を分光検出光学系1501のフォーカス位置に移動する(S1902)。続いてハードディスクメディア1505の検査位置が分光検出光学系1501の直下となるようにステージ制御部1503で制御してハードディスクメディア1505を移動する(S1904)。ここで、ハードディスクメディア1505の表面の分光反射強度を検出し(S1906)、上記データ処理部1504にてパターン形状・欠陥を検出する(S1908)。
【0086】
これらステージの移動,分光検出およびデータ処理を繰返し、検査が終了した後に(S1710)、検査対象ディスクを取り出す(S1712)。検査した結果は、表示部1506に表示される。なお、検査対象であるハードディスクメディア1505のアライメント及びステージ1502への設置および取り出しに関する説明は割愛する。
【0087】
また、S1904からS1908までのステージの移動,分光検出およびデータ処理を連続的に動作させて、ハードディスクメディア1505全面の検査を実行した場合には、ディスク上の螺旋状の領域を検査することができる。
【0088】
以上のように検査を実施することにより、例えばパターンドメディア1505に形成されたパターン形状・欠陥の分布を検出することが可能となる。
【0089】
なお、上記した実施例においては、ハードディスクメディアのパターン欠陥を検査する例について説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】パターンドメディアの一例を示す斜視図である。
【図2】パターンドメディアの欠陥の一例を示すパターンドメディアの断面図である。
【図3】従来技術におけるスキャットロメトリの概略構成を示すブロック図である。
【図4】第1及び第2の実施例に係る分光検出光学系の概略構成を示す正面図である。
【図5】ハーフミラーの一実施例を示す平面図である。
【図6】ハーフミラーの他の実施例を示す平面図である。
【図7】ハーフミラーの更に他の実施例を示す平面図である。
【図8】ハーフミラーの更に他の実施例を示す平面図である。
【図9】(a)は反射対物レンズの一実施例を示す平面図、(b)はその正面図である。
【図10】(a)は反射対物レンズの他の実施例を示す平面図、(b)はその正面図である。
【図11】開口絞りの形状の一実施例を示す平面図である。
【図12】開口絞りの形状の他の実施例を示す平面図である。
【図13】開口絞りの形状の更に他の実施例を示す平面図である。
【図14】第3の実施例に係る光学系の一例を示す正面図である。
【図15】第4の実施例に係る欠陥検査装置の概略構成を示すブロック図である。
【図16】ハーフミラーにおけるミラー部分とミラーの無い部分との反射率を示すグラフである。
【図17】第4の実施例に係る欠陥検査装置における分光検出光学系の概略構成を示す正面図である。
【図18】データ処理部における処理フローを示すフロー図である。
【図19】欠陥検査装置における検査のフローを示すフロー図である。
【符号の説明】
【0091】
0101……パターンドメディアディスク 0102……トラックパターン 0103……ビットパターン 0201……正常なパターン 0202……断面形状が変形したパターン 0203……パターンの抜け 0301……分光検出光学系 0302……検査対象 0304……繰り返しパターン 0401……光源 0402……ハーフミラー 0403……偏光素子 0404……対物レンズ 0405……試料表面 0406……分光器 0501……ミラー部分 0502……ミラーのない部分 0503……楕円形の部分 0504……楕円の焦点の1つ 0901……第一ミラー 0902……第二ミラー 0903……開口絞り 1501……照明系ファイバ 1502……検出系ファイバ 1601……分光検出光学系 1602……ステージ 1603……ステージ制御部 1604……データ処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外光を含む波長の光を出射する光源と、光を透過する部分と光を反射する部分とを有して前記光源から出射した光を前記反射する部分で反射して前記光の光路を切替える光路切替え手段と、該光路切替え手段で光路を切替えられた光を試料の表面に集光して照射する反射型対物レンズ手段と、該反射型対物レンズ手段により前記試料表面に照射された光による前記試料からの反射光で前記反射型対物レンズ手段で集光されて前記光路切替え手段の光を透過する部分を透過した反射光を分光して検出する分光検出手段とを備えたことを特徴とする分光検出光学系。
【請求項2】
前記反射型対物レンズ手段は、更に、前記試料を所望の方向から照射するために前記光源から発射された光を部分的に透過させる開口部を前記反射型対物レンズの瞳の近傍に配置したことを特徴とする請求項1記載の分光検出光学系。
【請求項3】
前記光路切替え手段の光を透過する部分と光を反射する部分とを楕円状の領域に配置したことを特徴とする請求項1記載の分光検出光学系。
【請求項4】
試料を載置するステージ手段と、該ステージ手段に載置した試料に光を照射して前記試料からの反射光を分光して検出する分光検出光学系手段と、該分光検出光学系手段で分光検出した結果に基づいて前記ステージ手段に載置した試料上の形状欠陥を検出するデータ処理手段と、前記ステージ手段の動作を制御するステージ制御部とを備え、前記分光検出系は、紫外光を含む波長の光を出射する光源部と、光を透過する部分と光を反射する部分とを有して前記光源部から出射した光を前記反射する部分で反射して前記光の光路を切替える光路切替え部と、該光路切替え部で光路を切替えられた光を試料の表面に集光して照射する反射型対物レンズ部と、該反射型対物レンズ部により前記試料表面に照射された光による前記試料からの反射光で前記反射型対物レンズ部で集光されて前記光路切替え部の光を透過する部分を透過した反射光を分光して検出する分光検出部とを備えたことを特徴とする欠陥検査装置。
【請求項5】
前記分光検出系手段の反射型対物レンズ部は、更に、前記試料を所望の方向から照射するために前記光源から発射された光を部分的に透過させる開口部を前記反射型対物レンズ部の瞳の近傍に配置したことを特徴とする請求項4記載の欠陥検査装置。
【請求項6】
前記分光検出系手段の光路切替え部の光を透過する部分と光を反射する部分とを、楕円状の領域に配置したことを特徴とする請求項4記載の欠陥検査装置。
【請求項7】
光源から発射された紫外光を含む波長の光を光路切替え手段の光を反射する部分で反射させて光路を切替えて反射型対物レンズに入射させ、該反射型対物レンズに入射した光を集光して試料の表面に照射し、該光が照射された前記試料からの反射光を前記反射型対物レンズで集光し、該集光された反射光を前記光路切替え手段の光を透過する部分を透過させ、該透過した反射光を分光させて検出することを特徴とする分光検出方法。
【請求項8】
前記光路切替え手段で光路を切替えた光を前記反射型対物レンズの瞳の近傍に配置した部分的に光を透過させる開口部を透過させてから前記反射型対物レンズに入射させることを特徴とする請求項7記載の分光検出方法。
【請求項9】
前記光源から発射された光を前記光路切替え手段に設けた楕円状の領域の一部に配置された光を反射させる部分で反射させて前記反射型対物レンズに入射させ、前記試料で反射して前記反射型対物レンズで集光された反射光を前記光路切替え手段に設けた前記楕円状の領域の一部に配置された透過する部分を透過させ、該透過させた反射光を分光させて検出することを特徴とする請求項8記載の分光検出方法。
【請求項10】
ステージ上に載置された試料に光を照射し、該照射による前記試料からの反射光を分光して検出し、該分光して検出した結果に基づいて前記試料上の欠陥を検出する方法であって、前記ステージ上に載置された試料に光を照射することを、光源から発射された紫外光を含む波長の光を光路切替え手段の光を反射する部分で反射させて光路を切替えて反射型対物レンズに入射させ、該反射型対物レンズに入射した光を集光して試料の表面に照射することにより行い、前記照射による前記試料からの反射光を分光して検出することを、前期光が照射された前記試料からの反射光を前記反射型対物レンズで集光し、該集光された反射光を前記光路切替え手段の光を透過する部分を透過させ、該透過した反射光を分光させて検出することにより行うことを特徴とする欠陥検査方法。
【請求項11】
前記光路切替え手段で光路を切替えた光を前記反射型対物レンズの瞳の近傍に配置した部分的に光を透過させる開口部を透過させてから前記反射型対物レンズに入射させることを特徴とする請求項10記載の欠陥検査方法。
【請求項12】
前記光源から発射された光を前記光路切替え手段に設けた楕円状の領域の一部に配置された光を反射させる部分で反射させて前記反射型対物レンズに入射させ、前記試料で反射して前記反射型対物レンズで集光された反射光を前記光路切替え手段に設けた前記楕円状の領域の一部に配置された透過する部分を透過させ、該透過させた反射光を分光させて検出することを特徴とする請求項10記載の欠陥検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−164438(P2010−164438A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−7160(P2009−7160)
【出願日】平成21年1月16日(2009.1.16)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】