説明

分子二軸延伸プラスチックパイプの生産のための装置および方法

本装置は、中央本体(14)ならびに前記中央本体(14)の対向する側面に接続された第1のヘッド(1)および第2のヘッド(17)によって形成された金型(1、17、14)から構成されるとともに、前記装置は、前記金型(1、17、14)の内部で軸を中心とする剛性有孔ガイド(5)を有する。この剛性有孔ガイド(5)上にブランクパイプ(10)が長手方向に結合される。このガイド(5)は、前記ブランクパイプ(10)と前記金型(1、17、14)との間での熱交換なしに前記金型(1、17、14)の内壁に対して前記ブランクパイプ(10)の拡張を引き起こす拡張流体(18)が中を通って通過する開口(9)が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の適用の分野は、管状プロファイルまたは分子配向したプラスチックパイプの製造工程に、詳細には、不連続または「インバッチ(in−batch)」システムのものに含まれる。
【0002】
本発明は、分子配向したプラスチックパイプの製造に対応する装置および方法に関し、詳細には、パイプの製造、信号要素、軽構造要素におけるその適用に関する。
【0003】
本発明の目的は、全体としてガスを用いていても、迅速でかつエネルギー効率がよい、簡単な作業工程において、分子配向をもつプラスチックパイプを形成することからなり、本発明の装置および製造方法を用いることにより、プラスチックパイプの生産におけるコストおよび時間を削減することを可能にするとともに、最終製品をいっそう競争力のある価格にて市場に提供できるよう、必要となる装置のコストを下げることを可能とする。
【0004】
本装置は、特別設計された金型に基づき、内部的および外部的の両方において、拡張システム、冷却システム、他の真空システムの一連の付属装置を組み込み、これらが便利に同期されて分子二軸延伸パイプまたはプロファイルの生産のための対応する方法を実行できるようにする。
【背景技術】
【0005】
二軸分子配向は、主に温度、圧力、変形速度、変形半径の適切な条件であらかじめ押出しされたパイプまたはブランクに機械的変形を加えることで、主に材料のシグマ(または応力)、耐衝撃性、クリープ改良、亀裂進展抵抗、ヤング率の改善などのその機械的特性の実質的な変化が起こる工程である。
【0006】
前記分子配向工程では、材料のより良好な耐性のおかげで、より少ない原材料で同一またはより優れた特徴の超耐性パイプが生産される。
【0007】
圧力に耐えるために材料を強化するよう意図された方向である接線方向にパイプを強化するために、あらかじめ押出しされたパイプは、放射状に拡張されるべきであり、それによりその直径を著しく大きくする。
【0008】
管状プロファイルの製造には様々なシステムがあり、それらは、連続的またはラインシステム、および、不連続または「インバッチ」システムという、2つの大きなカテゴリに分類することができる。
【0009】
本発明の装置および方法は上述の2番目のシステムのカテゴリに含まれることを念頭に置くと、管状プロファイルの最終的な形状を与える金型の中での管状ブランクの拡張に基づいて「要素ごと」に分子配向を作り出す工程からなる不連続または「インバッチ」システムに主に言及することになる。
【0010】
このシステムまたは方法の変形を開示する特許および文献が多数あり、以下のものが引用可能である。
【0011】
国際公開第98/13190号パンフレットの発明の特許に基づいた方法。内圧を受けている締め付けられたスリーブ内で、熱いパイプが金型の両端に固定され、第1段階において、配向温度と同様の温度であるスリーブ壁に対してパイプを付着させ、次いで、第2段階において、プラスチックパイプが放射状に拡張し、冷たい金型の壁に付着させて前記冷たい金型との接触によりパイプの冷却を達成するよう、スリーブを軸方向の滑動により抜き取る。
【0012】
前記方法の主な特徴は、一方が他方の中で滑動する2つの同心体で構成された金型が、2つの段階において拡張を実行し、金型の壁と接触することにより冷却を作り出すことからなる。
【0013】
米国特許第4340344号明細書の発明の特許に基づいた方法であって、対称的な金型の中にパイプが導入され、そのパイプがプラスチックブランクの内側および外側に温水を通すよう加熱され、配向温度に達したとき、内圧が増加してブランクが金型に対して拡張する。
【0014】
パイプは、拡張されるとき、すなわち、外側にかつ間接的に拡張されるとき、先の場合のように金型との接触により冷却されるが、金型がプラスチックパイプを加熱するために使用される水でまず加熱され、次いで、金型がプラスチックパイプを冷却するために冷却されるという特別な特徴をもち、それが、この一般的な工程のエネルギー効率をきわめて貧弱にしてしまう。
【0015】
第1の方法は、作動および一定の複雑さの内部機構をもつシステムによって形成された金型によって実行され、それにより、その通常機能において、それらが同心であり、軸方向に変位されるという事実のために、長さが倍に達してしまい、スペースの必要性が大きい高価なシステムが必要になる。同様に、最初の場合において、ブランクプラスチックパイプを支持する内部スリーブは熱くあるべきであり、そのため、調節する熱流体の再循環または電気抵抗器およびそれらの接続のシステムを可能にすることが必要になり、これが金型をさらに複雑にする。
【0016】
同様に、前記金型は、冷却流体の外部浴のおかげで常に冷たく保たれ、一方で、既に形成されたプラスチックパイプの冷却は、この金型を通じて接触によって間接的に起こり、これがエネルギー効率の悪いシステムをもたらし、処理時間に関して不利である。というのも、プラスチックが金属よりも膨張係数が大きいため、収縮がほぼ即座に起こり、したがって、金型とプラスチックとの間の分離が接触による熱の伝達を大いに妨げる。この拡張は、少なくとも2つの段階において起こり、これは、移動するスリーブの変位に従属する遅い工程である。
【0017】
同じように、パイプが処理されるたびに金型が加熱されたり冷却されたりするためにエネルギーコストが高くなるため、第2の方法においては熱効率が悪化し、この冷却もまた接触によって起こるため、先の場合のように低効率を決定付けてしまう。この方法において、パイプは冷たい状態で導入され、金型はヒーターとしてかつ本来の金型として機能し、前にパイプを加熱するために機能していた流体の排出を可能にする多数の開口を有し、したがって、金型の実施をより高価にする。
【0018】
国際公開第98/56567号パンフレットの発明の特許は、管状ブランクを固定する手段からなる、配向されたプラスチックパイプの製造工程を開示しており、これは、管状ブランクを加熱する流体の微小孔による排出システムを有し、金型は、パイプ金型の加熱およびその後の冷却を目的とする中間スリーブを有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明の目的を構成するプラスチックパイプの生産のための装置および方法は、先の節において述べた問題および欠点を解決することを可能にし、簡単かつ迅速にエネルギー効率の良い分子配向を可能にする。本装置は、従来のものよりはるかに複雑でなく、かつ、高価でなく、コストおよび処理時間を必要な機器のコストと同時に著しく削減することを可能にする。このことは、これらの製品をはるかに競争力のある価格にて市場に提供することを可能にする。
【0020】
同様に、本装置は、ガス状流体のために好ましく考案されているため、液体を使用する必要なしにパイプの生産を可能にするという事実を主な利点として提供することを強調する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
より詳細には、本発明の装置は、プラスチックパイプまたは管状プロファイルの形成のための特別な金型を備え、この金型は、型としてのみ一定の温度で働き、パイプが排他的に内側で冷却され得るため、前記金型とプラスチックパイプとの間の熱交換を回避する可能性をもつ金型である。前記金型は、先の節において説明した第1のシステムとは違って、滑動機構や付属装置がない。
【0022】
この金型は、パイプによって該金型に接続された外部の加熱または冷却要素で絶えず調節される。金型は、中央本体に結合された別個の端部ヘッドを含み、該端部ヘッドは、以下ブランクパイプと称されるプラスチックパイプが金型に入るとき該パイプを固定し、その排除によって、以下配向されたパイプと称される既に処理されたパイプの抜き取りをできるようにする。
【0023】
これらのヘッドのそれぞれは、対向する表面に異なる直径の別個の開口を有してもよく、それにより、より小さな直径の開口がブランクパイプが金型に向かって一方向に案内されて入ることを可能にする。そして、大きな開口は、配向されたパイプが形成されて、ヘッドが反対方向へ排除されたあと、配向されたパイプの抜き取りを可能にする。この二重開口の特徴は、ブランクパイプの挿入および配向されたパイプの排出を高速で行なうことを可能にし、処理工程を大幅に容易にする。
【0024】
また、前記ヘッドは、形成前にブランクパイプを拡張することを可能にする真空を作り、エアクッションまたは他の任意の流体による潤滑を容易にするのに使用される入口を含み、強い機械的要素の必要性なしに形成されたパイプを優しく、かつ、きわめて高速に抜き取ることができるようにする。この金型には、拡張流体などの液体を使用する他のシステムに対して入口または開口の著しい減少がある。そうした他のシステムでは、形成されたパイプの壁に閉じ込められ得る液体の排出を容易にするよう設計された多数の開口が金型にわたってある。
【0025】
本発明の最も著しい態様の1つは、好ましくは金型の全長よりわずかに短い長さをもち、軸を中心とした剛性有孔ガイドを金型内にヘッドのうちの1つに固定されて含むことに関し、該ガイドは、次の二つの機能を有している。
a)ブランクパイプの支持材として機能し、該パイプがその導入の間、金型の壁に接触することを回避するとともに、該パイプの変位および不良な固定が起こるのを回避すること、ならびに、
b)パイプの形成の間、該パイプの拡張および内部冷却の両方のために機能すべき流れの所定の分配を可能にすること。また、このガイドは、所望の温度に調節され得る。
【0026】
さらに、この金型において、特にヘッドにおいて、ブランクパイプの機械的固定手段および拡張/冷却流体の取り入れおよび排出のための手段、ならびに、パイプ存在検出器および工程を容易にする他の構成部品が設けられている。
【0027】
この金型は、既に配向されたパイプを外部から冷却することと、配向されたパイプと金型との間を循環し、したがって、配向されたパイプの抜き取りを容易にする空気シートという二重の効果を発揮する小さな開口を有してもよい。これらの開口は、小さな幅の管状コレクタと通じた状態で、金型の中央本体の中に位置される。該コレクタは、金型を外部と連通させる。このコレクタは、この場合では開口の数の存在が著しく少ないため、前に知られている他の解決策と違って、はるかに縮小された幅を有している。
【0028】
金型の端部の一方を通じて該金型に導入されたブランクパイプは、内側において該ブランクパイプの中に内接されるガイドの外側母線上に安置され、その後、金型の底が第1のヘッドまたは金型の取り入れおよび排出ヘッドの固定を実行するまで、長手方向に、かつ、失敗の可能性なく導入される。ブランクパイプは、変形されるときのその配向を可能にする温度で熱せられた状態で入り、これは、ブランクパイプの拡張の間、パイプと金型の壁との間での熱交換が起こることなく行われ、その理由により、ブランクパイプにおける温度変化はない。
【0029】
本装置を使用するパイプの生産方法は、次の処理工程に基づく。
【0030】
第1のヘッドに画定された小さな開口を通じたブランクパイプの金型内への導入。前記ブランクパイプは、ブランクパイプと金型の壁との間の熱交換を回避するために、および、ブランクパイプを金型の中で加熱する先の項で引用した第2の方法と比べて根本的に処理時間を実質的に改善するために、水分のない乾燥加熱装置の中で金型と同じ温度にあらかじめ加熱される。この導入は、ブランクパイプが内部ガイドを含むよう実行され、該ガイドは、前記ブランクパイプの中に閉じ込められ、したがってこのガイドは、ブランクパイプが塑性的かつ変形可能な状態にあるため、起こり得る変形または折り曲がりを回避するための基準として機能する。
【0031】
ブランクパイプが導入された金型の端部に対応するヘッドの開口の閉鎖。該ブランクパイプを固定する手段が作動されて、該ブランクパイプが金型の中に完璧に固定され、不動にされる。
【0032】
金型の内側およびブランクパイプの外側によって制限された囲い部分における真空化の実行。
【0033】
金型の壁に対するブランクパイプの拡張を作り出すために常にブランクパイプと同じ温度でなされる、ポンプシステムまたは加圧タンクを通じたブランクパイプの内部への拡張流体の注入。流体は、第2のヘッドまたはパイプの取り入れ/排出とは反対のヘッドを通じて注入され、該流体は、拡張が制御された形で行われるよう適切な分布でガイドの中に画定された開口を通じてプラスチックブランクの内部にアクセスする。
【0034】
好ましくはポンプシステムまたは加圧タンクによる拡張されたプラスチックパイプの内側への冷却流体の注入、ならびに、前記冷却流体の継続的な流れおよび拡張されたパイプの内壁に対する該流体の直接的な相互作用を可能にするための該流体の同時の排出。これは、プラスチックの最初の形状への収縮を防ぐ内部圧力を常に維持する。この冷却流体の注入は、ガイドの開口を通じて規則的にかつ制御された方法で行なわれるが、これらの開口は、適宜分布され、金型の内部表面においてパイプが規則的かつ効率的に入射できるようにする。同時に、そして、冷却によるプラスチックの自然な収縮を利用して、金型の内壁と形成されたパイプとの間に、冷却工程を加速するであろう冷却流体の層状の流れを発生させることができる。前記目的で金型の中に画定された孔を通じて前記流体を導入する。
【0035】
配向されたパイプが冷却されると、該配向されたパイプの内側を環境またはアキュムレータタンクと接続して該配向パイプの内側を減圧するおよび/または空にする。
【0036】
配向されたパイプの高速かつ高効率の抜き取りを達成するための、第1のヘッドの最大寸法での開口、および、第2のヘッドおよび/またはコレクタによる、圧力によって注入された潤滑流体の注入。その潤滑流体の加圧された導入または注入が、金型と配向されたパイプとの間でクッション効果を引き起こして抜き取りの力を低減する。
【0037】
拡張流体および/または冷却流体および/または潤滑流体は、気体であることが好ましいと考えられる。
【0038】
なされている説明を完成させるために、また、本発明の特徴をよりよく理解するのを助ける目的をもって、本発明の実用的な実施形態の好ましい例にしたがって前記説明の一体的な部分として一組の図面が添付される。図面において、説明的および非制限的な性格のものとして、以下のものが表現されている。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】分子二軸延伸パイプまたは管状プロファイルの製造のための装置の長手方向断面図を示す。
【図2】製造工程の諸段階の序列の図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
前記図1に見られるように、本発明の装置は、第1のヘッド(1)、第2のヘッド(17)、両端を前記ヘッド(1、17)に結合された中央本体(14)によって形成された、完成した金型を備える。これらのヘッド(1、17)内には、ブランクパイプ(10)の位置を固定する固定手段(3)が配設されているとともに、同ヘッド内には、圧力または真空を均等に付与するために、金型(1、17、14)の内部が外部と連通できるようにする開口(8)が形成されている。第1のヘッド(1)は、軸方向においてブランクパイプ(10)の端部のうち一方に結合された小型の密閉ブッシュ(2)を有し、第2のヘッド(17)は、支持ブッシュ(16)を有する。
【0041】
また、図1は、本装置が金型(1、17、14)の内部で軸を中心にした、開口(9)を設けられた剛性有孔ガイド(5)を組み込んでいることも示しており、該ガイドは一端が支持ブッシュ(16)に固定され、ヘッド(1、17)および中央本体(14)との間を内部において延長される。
【0042】
また、本装置は、スリーブ(4)と、中央本体(14)の外側表面との間に閉じ込められた調節チャンバ(13)を有する。中央本体(14)には、金型(1、17、14)の内部をコレクタ(6)を通じて外部と連通させる孔(7)が画定されている。
【0043】
ブランクパイプ(10)から配向されたパイプ(10’)を形成するために、以下の諸ステップにしたがって行なわれる工程が進められる。
【0044】
a)ステップ1 図2.1において観察されるように、ブランクパイプ(10)は、密閉ブッシュ(2)を取り除いたあと第1のヘッド(1)を通じて前記ブランクパイプ(10)が第2のヘッド(17)に到達するまで導入され、のちに第1のヘッド(1)を密閉ブッシュ(2)で閉じるとともに、ブランクパイプ(10)を両端で固定する固定手段(3)を作動させる。図2.1において観察されるように、ブランクパイプ(10)は、長手方向に導入され、ブランクパイプ(10)の内径よりもわずかに小さい外径をもつ有孔ガイド(5)に外側から嵌合される。ブランクパイプ(10)の温度を変更しないように、有孔ガイド(5)は、温流体の通過またはその目的のために画定された図示されていない内部回路によって、あらかじめ加熱されていてもよい。
【0045】
b)ステップ2 次に、図2.2において観察されるように、拡張流体(18)が支持ブッシュ(12)の中に画定された中央開口(16)を通じて入り、有孔ガイド(5)の内部を通って案内され、次いで、均一に分配されて該ガイドの開口(9)を通じて放出され、ブランクパイプ(10)の拡張を引き起こす。ブランクパイプ(10)は、金型(1、17、14)の内壁に到達し、金型の内側の形状を採用する。
【0046】
同時に、金型(1、17、14)とブランクパイプ(10)との間の空気蓄積を回避するための支援策として、両ヘッドの中に開いた開口(8)ならびに孔(7)およびコレクタ(6)を通じて、金型とブランクパイプとの間に作られたチャンバの中を真空にする。
【0047】
c)ステップ3 図2.3において観察されるように、パイプが拡張されると、冷却流体(19)が支持ブッシュ(12)の、ガイド(5)を貫通する中央開口(16)を通じて導入され、次いで、開口(9)を通じて既に拡張されたパイプまたは配向されたパイプ(10’)の内壁に対して均一に射出される。これによって循環が行われ、かつ、冷却流体の継続的な通過が行われて、冷却流体は前に出口圧力を規制していたブッシュ(15)によって外部と連通することになる。このようにして、冷却流体の入口および出口の流れが作り出され、その配向されたパイプ(10’)との熱交換が配向されたパイプ(10’)の中に冷却を作り出す。
【0048】
この直接冷却は、処理時間および冷却流体の効率の点においてはるかに効率的であるため、前述の諸発明と比べて著しい違いを呈する。加えて、工程速度を改善するために、配向されたパイプ(10’)と金型(1、17、14)の外壁との間に、開口(8)および孔(7)を通じた冷却流体の取り入れおよび排出によって、もう1つの冷却流を引き起こすことができる。
【0049】
d)ステップ4 配向されたパイプ(10’)が塑性状態から固体状態へ移行するよう十分な冷却時間ののち、図2.4において観察されるように、ブランクパイプ(10)が導入された第1のヘッド(1)が外されて配向されたパイプ(10’)を取り除き、サイクルを繰り返す。
【0050】
加えて、開口(8)および孔(7)を通じた潤滑流体(20)の導入によって、金型(1、17、14)と配向されたパイプ(10’)との間で流体のシートを作り出し、配向されたパイプ(10’)の抜き取りを容易にすることができ、これが、速度および抜き取りの容易さにおいて以前の諸発明に対してもう1つの重要な進歩を呈する。
【符号の説明】
【0051】
1 第1のヘッド、金型
2 密閉ブッシュ
3 固定手段
4 スリーブ
5 有孔ガイド
6 コレクタ
7 孔
8、9 開口
10 ブランクパイプ
10’ 配向されたパイプ
12 支持ブッシュ
13 調節チャンバ
14 中央本体、金型
15ブッシュ
16 中央開口
17 第2のヘッド、金型
18 拡張流体
20 潤滑流体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブランクパイプ(10)から前記ブランクパイプ(10)の金型(1、17、14)における拡張によって配向されたパイプ(10’)が作り出される、分子二軸延伸プラスチックパイプを生産するための装置であって、前記金型(1、17、14)は、中央本体(14)、ならびに、前記中央本体(14)の対向する側面に接続された第1のヘッド(1)および第2のヘッド(17)によって形成されている、前記装置において、
前記金型(1、17、14)の内部で軸を中心とし、前記ヘッド(1、17)と前記中央本体(14)との間に延在する剛性有孔ガイド(5)を有し、前記ガイド(5)は、前記ブランクパイプ(10)を前記ガイド(5)に長手方向に結合するために前記ブランクパイプ(10)の内径よりもわずかに小さい外径を有し、前記ガイド(5)は、前記金型(1、17、14)の内壁に対して前記ブランクパイプ(10)の拡張を引き起こす拡張流体(18)および選択的に冷却流体(19)が中を通って通過するよう構成された開口(9)が設けられていることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記第2のヘッド(17)に結合された支持ブッシュ(12)を組み込んでおり、前記支持ブッシュ(12)には前記ガイド(5)の端部のうち一方が固定され、前記支持ブッシュ(12)は、前記ガイド(5)の内部に向かって拡張流体(18)および/または冷却流体(19)を取り入れるよう構成された開口(16)を設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の分子二軸延伸プラスチックパイプを生産するための装置。
【請求項3】
前記第1のヘッド(1)は、前記金型に導入された前記ブランクパイプ(10)の端部のうち一方に軸方向に結合され得る小型の密閉ブッシュ(2)を有することを特徴とする、請求項1に記載の分子二軸延伸プラスチックパイプを生産するための装置。
【請求項4】
前記ヘッド(1、17)は、前記ブランクパイプ(10)を固定する手段(3)を有することを特徴とする、請求項1に記載の分子二軸延伸プラスチックパイプを生産するための装置。
【請求項5】
前記ヘッド(1、17)は、圧力または真空を等しく付与するために、金型(1、17、14)の内部が外部と連通できるようにする開口(8)を有することを特徴とする、請求項1に記載の分子二軸延伸プラスチックパイプを生産するための装置。
【請求項6】
スリーブ(4)と前記中央本体(14)の外側表面との間に閉じ込められた調節チャンバ(13)を組み込んでおり、前記中央本体(14)には、前記金型(1、17、14)の内部をコレクタ(6)を通じて外部と連通させ、真空を付与したり潤滑流体(20)を導入したりするよう構成された孔(7)が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の分子二軸延伸プラスチックパイプを生産するための装置。
【請求項7】
前記第1のヘッド(1)は、異なる大きさの対向する開口を有し、より小さい開口は、前記ブランクパイプ(10)を導入できるようにするよう構成され、より大きな開口は、前記第1のヘッド(1)が前記中央本体(4)に対して移動するとき、前記配向されたパイプ(10’)の抜き取りを容易にするよう構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の分子二軸延伸プラスチックパイプを生産するための装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の装置を使用する分子二軸延伸プラスチックパイプの生産方法において、
a)前記ブランクパイプ(10)を、前記ブランクパイプ(10)の内側表面を前記有孔ガイド(5)の外側表面上に調節しながら前記第1のヘッド(1)を通じて長手方向に導入するステップと、
b)前記金型(1、17、14)を前記第1のヘッド(1)の上で前記密閉ブッシュ(2)によって閉鎖し、前記ブランクパイプ(10)を両端で固定する前記固定する手段(3)を作動させるステップと、
c)前記支持ブッシュ(12)の中に画定された前記中央開口(16)を通じて前記拡張流体(18)を導入し、前記拡張流体(18)を前記有孔ガイド(5)の内部を通じて循環させ、かつ、前記金型(1、17、14)の前記内壁に到達する前記ブランクパイプ(10)の拡張のために前記開口(9)を通じて射出させ、同時に、前記ヘッド(1、17)の前記開口(8)ならびに前記孔(7)および前記コレクタ(6)を通じて前記金型(1、17、14)と前記ブランクパイプ(10)との間に作られたチャンバの中を真空にし、前記ブランクパイプ(10)が前記拡張流体(18)の圧力によって前記金型(1、17、14)の内側の形状を採用するようにするステップと、
d)前記支持ブッシュ(12)の前記中央開口(16)を通じて前記冷却流体(19)を導入し、前記冷却流体(19)は次いで前記ガイド(5)に貫入し、前記の既に拡張されたパイプまたは配向されたパイプ(10’)の内壁に対して前記ガイド(5)の開口(9)を通じて均等に射出され、前記密閉ブッシュ(2)によって前記冷却流体(19)を排出させるステップと、
e)前記第1のヘッド(1)を排除し、前記配向されたパイプ(10’)を抜き取るステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
前記ブランクパイプ(10)を導入する前記ステップの前に、前記ブランクパイプ(10)が前記金型(1、17、14)と同じ温度に加熱されることを特徴とする、請求項8に記載の分子二軸延伸プラスチックパイプの生産方法。
【請求項10】
前記拡張流体(18)を注入する前記段ステップの前に、前記有孔ガイド(5)が前記ブランクパイプ(10)と同じ温度に加熱されることを特徴とする、請求項9に記載の分子二軸延伸プラスチックパイプの生産方法。
【請求項11】
冷却流体(19)が追加的に前記開口(8)および前記孔(7)を通じて注入されることを特徴とする、請求項8に記載の分子二軸延伸プラスチックパイプの生産方法。
【請求項12】
追加的に、かつ、冷却流体(19)を導入する前記ステップのあと、前記開口(8)および前記孔(7)を通じて潤滑流体(20)が導入されて、前記金型(1、17、14)と前記配向されたパイプ(10’)との間に流体のシートを作り出して前記配向されたパイプ(10’)の抜き取りを容易にすることを特徴とする、請求項8または11に記載の分子二軸延伸プラスチックパイプの生産方法。
【請求項13】
前記拡張流体(18)および/または前記冷却流体(19)は気体であることを特徴とする、請求項8に記載の分子二軸延伸プラスチックパイプの生産方法。
【請求項14】
前記潤滑流体(20)は気体であることを特徴とする、請求項12に記載の分子二軸延伸プラスチックパイプの生産方法。

【図1】
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【図2.1】
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【図2.2】
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【図2.3】
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【図2.4】
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【公表番号】特表2010−533080(P2010−533080A)
【公表日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−515538(P2010−515538)
【出願日】平成19年7月13日(2007.7.13)
【国際出願番号】PCT/ES2007/070131
【国際公開番号】WO2009/010603
【国際公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(510007207)モールコル テクノロジア エス.エル. (1)
【Fターム(参考)】