制御装置、プログラム、記録媒体及び画像形成システム
【課題】 シートに定着された有色画像を覆うように透明画像を形成し、定着するとき、透明画像が形成された部分の光沢が低くなる場合があった。つまり、ユーザが部分的に光沢を高くしたいと希望する領域に選択的に透明トナーを形成すると、ユーザの意図に反して透明画像が形成された領域の光沢が低下してしまう場合があった。そのため、ユーザが光沢を高くしたいと希望する領域に対応するシートの領域の光沢が高い印刷物を得ることが出来なかった。
【解決手段】 シートに定着された有色画像を覆うように透明画像を形成する際、ユーザが光沢を高くしたいと希望した領域を除く画像形成可能な領域に透明トナーを付加する。
【解決手段】 シートに定着された有色画像を覆うように透明画像を形成する際、ユーザが光沢を高くしたいと希望した領域を除く画像形成可能な領域に透明トナーを付加する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有色画像と透明画像をシートに形成する画像形成システムを制御する制御装置、情報処理装置又は情報処理システムを制御装置として機能させるプログラム、プログラムを記録した記録媒体、及び画像形成システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近の印刷市場では、指定された領域の光沢を高くすることによって、印刷物を高品位化することが求められている。つまり、指定された領域の光沢をその他の領域の光沢よりも高くすることが要望されている。
【0003】
この要望に応えるために、例えば、特許文献1に記載の画像形成装置においては、透明トナーを用いることで対処している。特許文献1に記載の画像形成装置は光沢を高くしたい領域に透明トナーを形成している。具体的には、画像形成装置は有色トナー(例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色のトナー)と透明トナーをシートに順次して形成し、一括して定着する。これにより、特許文献1に記載の画像形成装置を用いて、指定された領域の光沢を他の領域の光沢よりも高くすることができた。
【0004】
一方、高品位化と同様に、印刷物の生産性も重視されている。生産性を高めるためにはシートの搬送速度を速くすることが考えられる。シートの搬送速度を速くすると、シートが定着器から受ける熱量が少なくなる。シートが受ける熱量が少なくなれば、シートに定着するトナーの量を少なくせざるを得ない。そのため、特許文献1に記載の手法のように、有色トナーと透明トナーを一括してシートに定着する場合、トナーの総量に対して熱量が不足し、定着不良が発生する可能性がある。
【0005】
この問題に対して、特許文献2において、シートの全面を透明トナーで覆うように形成する際に、有色トナーの定着工程と透明トナーの定着工程とを分けることによって熱量の不足を補う構成が開示されている。特許文献2記載の画像形成装置はシートに有色トナーを転写し、定着した後、有色トナーが定着されたシートに透明トナーを転写し、定着する。これにより、一度にシートに定着されるトナーの量を少なくすることができる。このように、定着器がシートに与えることができる熱量が少ないとき、有色トナーの定着工程と透明トナーの定着工程とを分けることが好ましい。なお、他の定着手法を用いる場合においても、シートの搬送速度が速くなるに伴い、一度にシートに定着することができるトナーの量は少なくなる。
【特許文献1】特開平4−338984号
【特許文献2】特開2008−139589号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、有色トナーの定着工程と透明トナーの定着工程を分ける特許文献2に記載の手法を用いて、特許文献1に記載の手法のように透明トナーを部分的に形成した場合、指定された領域の光沢を高くすることができないことがあった。つまり、有色トナーが定着されたシートに対して、光沢を高くしたい指定された領域に透明トナーを形成し、定着すると、透明トナーが形成された領域の光沢が低くなる場合があった。詳しくは、写真画像のような高濃度画像をシートに定着した後、光沢を高くしたい指定された領域に透明トナーを形成し、定着した時、透明トナーが定着された領域の光沢が低くなることがわかった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、有色画像の濃度が高い場合においても、ユーザが光沢を高くしたい領域の光沢を高くすることができる制御装置、プログラム、記録媒体及び画像形成システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、シートに有色画像を形成する有色画像形成手段と、シートに透明画像を形成する透明画像形成手段と、シートに形成された有色画像を定着する第一の定着手段と、シートに形成された透明画像を定着する第二の定着手段と、を有する画像形成システムを制御する制御装置であって、シートに形成すべき有色画像に対応する有色画像データを取得する画像データ取得手段と、シートに形成される有色画像の光沢を部分的にかつ相対的に高くすべき領域を示す情報を取得する領域取得手段と、前記有色画像データに基づきシートに形成すべき有色画像の濃度が所定の閾値以上であるとき、前記有色画像データに基づきシートに有色画像を形成させるように前記有色画像形成手段を動作させ、シートに形成された有色画像を定着させるように前記第一の定着手段を動作させた後、前記第一の定着手段によってシートに定着された有色画像を覆うように前記領域取得手段によって取得された領域を除く画像形成可能な領域に選択的に透明画像を形成させるように前記透明画像形成手段を操作し、シートに形成された透明画像を定着させるように前記第二の定着手段を動作させる制御手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
有色画像の濃度が高い場合においても、ユーザが光沢を高くしたい領域の光沢を高くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
実施例において、光沢の程度を表す光沢度は日本電色工業株式会社製ハンディ型光沢計PG−1Mを用いて計測した。測定モードはJIS Z 8741 鏡面光沢度−測定方法に準拠した60度光沢測定モードである。以下に実施例を示す。
【実施例1】
【0011】
以下に実施例1について説明する。本実施例において画像形成装置としてのMFP(Multi Function Peripheral)を用いてシートに画像を形成する。以下、画像処理システムとは、画像形成部としてのプリンタ部(図3の115)で印刷に用いる画像データを生成する情報処理システムを指す。また、画像形成システムとは、プリンタ部115を有する画像処理システムのことを指す。また、情報処理回路としてのCPU(Central Prosessing Unit)を有し、プログラムに応じて動作する装置を情報処理装置と呼ぶ。また、情報処理装置がプログラムに応じて画像を処理した場合、その情報処理装置を画像処理装置と呼ぶ。
【0012】
(MFPのハードウエア構成について)
以下に、画像形成装置の一例であるMFPのハードウエア構成について述べる。MFP100はコントローラ部、スキャナ部、プリンタ部から構成されている。また、本実施例において、補助装置として透明画像形成装置を備える。以下に各部について詳しく説明する。
【0013】
(コントローラ部)
図1はMFP100のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【0014】
CPU101(Central Prossessing Unit)、RAM102(Random Access Memory)、ROM103(Read Only Memory)、はバス105に接続されている。同様に、HDD104(Hard Disk Drive)、画像処理専用回路106、ネットワークコントローラ107、プリンタコントローラ108、スキャナコントローラ109、I/Oコントローラ110はバス105に接続されている。バス105に接続されている各種ユニットはバスを介して相互に通信することができる。
【0015】
このような構成において、CPU101はバス105を介して、HDD104、ネットワークコントローラ107、プリンタコントローラ108、スキャナコントローラ109、I/Oコントローラ110に対して制御命令等を送信する。また、CPU101はバス105を介して、HDD104、ネットワークコントローラ107、プリンタコントローラ108、スキャナコントローラ109、I/Oコントローラ110からの状態を示す信号又は画像データ等のデータを受信する。このようにしてCPU101はMFP100を構成する各種ユニットを制御することができる。詳しく各ユニットの動作について以下に記述する。
【0016】
CPU101及び画像処理専用回路106は例えばROM103に保存されているプログラムをCPU101及び画像処理専用回路106内部にあるレジストリと呼ばれる1次メモリに展開して実行する。RAM102はCPU101又は画像処理専用回路106がプログラムを実行する際に必要となる2次メモリーとして共用利用される。ROM103と比較して記録容量の大きいHDD104は主にMFP100の内部で保持される画像データの保存に利用される。ネットワークコントローラ107は外部の機器と通信するための処理回路である。ネットワークコントローラ107はCPU101から送信される信号を変調して各種規格に準じた信号に変換する。本実施例において、ネットワークコントローラ107はIEEE803.2規格に準じた多値の信号に変換し、Ethernet(登録商標)I/F114を介してネットワークに送信する。また、ネットワークコントローラ107はEthernet(登録商標)I/F114を介してネットワークから受信した多値の信号を復調し、CPU101に送信する。これにより、MFP100はネットワークを介してMFP Controller200又はPC300と通信してもよい。同様に、ネットワークコントローラ107はCPU101から送信される信号をARCNET(Attached Resource Computer NETwork)規格に準じた信号に変換し補助装置I/F113を介して補助装置118に送信する。また、ネットワークコントローラ107は補助装置118から受信した信号を復調し、CPU101に送信する。なお、本実施例において、補助装置はシートに透明トナーを形成することにより透明画像を形成する透明トナー形成手段としての透明画像形成ステーションT及び定着手段としての定着器を備えた透明単色プリンタを用いる。なお、その他の補助装置の例として、後処理装置としてのフィニッシャー、補助給紙装置はペーパーデッキなどが補助装置として挙げられる。本実施例における補助装置は透明画像形成装置としての透明単色プリンタを用い、透明単色プリンタはARCNETを介して送信される画像データをもとに透明画像をシートに形成するものとする。
【0017】
CPU101がプリンタコントローラ108を介して画像形成部としてのプリンタ部115へ送信する画像データはイメージデータである。そのため、PC300からMFP100に対してPDL(Page Discription Language)が入力されたとき、CPU101及び画像処理専用回路106はRIP(Raster Image Prossessing)を分担して実行する。なお、PDLとは、MFP100に出力すべき画像イメージを指示するためのプログラミング言語ある。PDLの利点はプリンタの解像度に依存しないベクターデータとして図形を保持できること及び単純な線画の場合にデータ量をイメージデータと比べて少なくすることができることである。逆に、PDLを用いることでPDLをプリンタ部で出力する際に必要となるマップイメージデータに再変換する必要があり、この処理がオーバヘッドとなる。このようなPDLをイメージデータに変換する処理をRIP(Raster Image Processing)と呼ぶ。このようにRIPによってPDLから変換されたイメージデータはプリンタコントローラ108を介してプリンタ部115へ送信される。プリンタ部115は受信したイメージデータに基づき印刷物を出力する。なお、プリンタコントローラ108は外部から入力されたイメージデータを基にプリンタ部115に対してイメージデータに応じたトナー像をシートに定着させることができる。プリンタコントローラ108は外部の装置からネットワークを介して送信されるイメージデータに基づきプリンタ部115を制御する。なお、本実施例のように透明画像形成装置としての透明単色プリンタを補助装置として用いる場合、プリンタコントローラはネットワークコントローラを介して透明画像データを透明画像形成装置に送信するものとする。
【0018】
スキャナコントローラ109はスキャナ部116が備える原稿台下部のイメージセンサの原稿イメージ取り込み動作及びADF(Auto Document Feeder)の動作を制御する。ユーザは原稿のイメージデータをMFP100に取り込ませるときに、原稿台に1枚ずつ原稿をセットする。スキャナコントローラ109は原稿読み取り指示を受け、原稿台下部にあるイメージセンサを走査させ、原稿台にセットされた原稿のイメージデータを取得する。また、ユーザは複数枚の原稿をADFにセットし読み取りを指示することができる。これにより、ADFはセットされた複数枚の原稿から1枚をイメージセンサ部へ送り出す。次に、ADFはイメージセンサ部へ送り出した原稿を除く複数枚の原稿から1枚をイメージセンサ部へ送り出し、ADFにセットされた原稿がなくなるまでこの動作を繰り返す。これにより、ADFにセットされた原稿を自動的に連続して読み取りを行うことができる。これにより、大量の原稿をスキャンする場合に、ユーザが原稿を1枚ずつ原稿台に載せ変える手間を省くことができる。
【0019】
MFP100内のHDD104に画像を保存するボックスモードが選択された場合、スキャナコントローラ109はスキャナ部116で取得されたイメージデータをHDD104に保存する。スキャナ部116で取得されたイメージデータをプリンタ部115で出力するコピーモードが選択された場合、スキャナコントローラ109はスキャナ部116で取得されたイメージデータをプリンタコントローラ108に送信する。これによりプリンタコントローラ108は受信したイメージデータをプリンタ部115に出力させる。
【0020】
I/Oコントローラ110はUSB I/F117を介してPC300若しくはMFP Controller200と通信を行う。また、I/Oコントローラ110は表示手段としてのディスプレイ111と入力手段としての操作パネル112に接続されている。CPU101はユーザが操作パネル112によって入力した情報をI/Oコントローラ110を介して取得することができる。また、I/Oコントローラ110はユーザに選択可能な情報やMFP100の状態を示す情報をディスプレイに表示させる。ディスプレイ111にはMFP100で用いるシートの光沢に関する情報を入力する画面、透明トナーを用いて部分的にかつ相対的に光沢を高くしたい領域を入力する画面等が表示される。
【0021】
以上がコントローラ部に対する説明である。
【0022】
(スキャナ部)
以下に本実施例のスキャナ部に対する説明を行う。スキャナ部116は図2においてプリンタ部115の紙面上方に配置されている。前述の通り、スキャナ部116は原稿画像を読み取るための光電変換素子としてイメージセンサと原稿台及びADF(Auto Document Feeder)から構成される。スキャナ部116はイメージセンサを用いて原稿台若しくはADFにセットされた原稿の画像データを取得する。スキャナ部116で取得された画像データはスキャナコントローラ109に送信される。スキャナコントローラ109はバス105を介して接続された各部へスキャナ部116で取得された画像データを送信することができる。
【0023】
(プリンタ部)
以下に本実施例のプリンタ部に対する説明を図2を用いて行う。図2はMFP100の構造を説明するための概略図である。本実施例のプリンタ部は電子写真方式である。プリンタ部は搬送部、作像部、定着部から成る。以下に搬送部、作像部、定着部の説明を行う。
【0024】
(搬送部)
搬送部はカセット13a及び13b、手差しトレイ14、ピックアップローラ11、搬送ローラ対12、レジストローラ対8から構成される。記録材としてのシートはカセット13a及び13bにセットされる。カセット13a及び13bにセットされたシートの光沢、坪量、種類等はそれぞれ操作パネル112を用いて手動登録することができる。
【0025】
以下に、カセット13aにセットされたシートが二次転写部へ搬送される流れを説明する。
【0026】
カセット13aにセットされたシートはピックアップローラ11によって1枚ずつ送り出される。ピックアップローラ11によって送り出されたシートは搬送ローラ対12によって搬送される。搬送ローラ対12によって搬送されたシートは停止しているレジストローラ対8に突き当たる。このように突き当たったシートは中間転写ベルト7上のトナー像と同期するように回転したレジストローラ対8によって二次転写部に搬送される。
【0027】
(作像部)
作像部は各色の画像形成ステーションと中間転写ベルトユニットから構成される。イエロートナー像を形成する画像形成ステーションYは感光体ドラム1、帯電器2、レーザスキャナ3、現像器4、一次転写ローラ6、及び、ドラムクリーナ5から構成される。他の色についても現像器内のトナーを除き略同一である。また中間転写ベルトユニットは中間転写ベルト7、従動ローラ7a、二次転写対向ローラ7b、及び、駆動ローラ7cから構成される。
【0028】
以下にシートに転写するためのトナー像が中間転写ベルト7に形成される流れに沿って作像部の構成を説明する。イエロートナー像は画像形成手段としての画像形成ステーションYによって形成される。同様にして、マゼンタトナー像は画像形成ステーションM、シアントナー像は画像形成ステーションC、ブラックトナー像は画像形成ステーションBkで形成される。各画像形成ステーション、Y、M、C、Bkは略水平に並設されている。各画像形成ステーションY〜Bkによって形成されたトナー像は中間転写ベルト7にそれぞれ一次転写される。中間転写ベルト7上に一次転写されたトナー像は二次転写部においてシートに二次転写される。
【0029】
各画像形成ステーションY〜Bkの構成は略同一のため、イエロートナー像を形成する画像形成ステーションYを代表して説明する。画像形成ステーションTは感光体ドラム1、帯電ローラ2、レーザスキャナ3、現像器4及びドラムクリーナ5から構成される。像担持体としてのドラム形状の感光体ドラム1は回転自在に装置本体に軸支される。感光体ドラム1の周囲には、帯電手段としての帯電ローラ2、画像露光手段としてのレーザスキャナ3、現像手段としての現像器4が配置されている。
【0030】
感光体ドラム1は帯電ローラ2により表面を一様な電位に帯電される。続いて、イエロートナー像を形成するための画像信号がプリンタコントローラ108からレーザスキャナ3に入力される。レーザスキャナ3は入力された画像信号に応じて、感光体ドラム1の表面にレーザ光を照射する。これにより、感光体ドラム1表面の電荷が中和され、感光体ドラム1の表面に静電潜像が形成される。続いて、感光体ドラム1の表面に形成された静電潜像は現像器4によって透明トナーで現像される。感光体ドラム1上に現像されたイエロートナー像は中間転写ベルト7を挟んで感光体ドラム1の対向位置に配置されている一次転写ローラ6により画像搬送体としての中間転写ベルト7に一次転写される。中間転写ベルト7に転写されなかった感光体ドラム1上の転写残トナーはドラムクリーナ5により回収される。画像形成ステーションYにおいて、上述のようにイエロートナー像が中間転写ベルトに転写される。他の画像形成ステーションM、C、Bkで形成されたトナー像も同様に中間転写ベルト7に一次転写される。
【0031】
中間転写ベルト7は従動ローラ7a、二次転写対向ローラ7b、駆動ローラ7cによって張架されている。従動ローラ7aはテンションローラを兼ねており中間転写ベルト7に張力を付与しながら中間転写ベルトの移動に従い回転をする。二次転写対向ローラ7bは中間転写ベルト7を挟んで二次転写ローラ9に対向して配置されている。また、二次転写対向ローラ7bには、二次転写時に高圧電源(不図示)から二次転写バイアス電圧が印加される。駆動ローラ7cは駆動モータ(不図示)から駆動力を受け回転する。駆動ローラ7cによって張架された中間転写ベルト7は駆動ローラ7cからの駆動力を受けて追動する。
【0032】
このようにして、各画像形成ステーションT〜Bkによって中間転写ベルト7上に形成されたトナー像は二次転写部へ搬送される。中間転写ベルトによって搬送されたトナー像は二次転写部に搬送されたシートに二次転写ローラ9及び二次転写対向ローラ7cに転写バイアスが印加されることによって転写される。二次転写部でシートに転写されなかった中間転写ベルト7上の転写残トナーは二次転写部の下流に設置されたベルトクリーナ7dによって回収される。
【0033】
このようにしてシートにトナー像が転写される。トナー像が転写されたシートは定着部に搬送される。
【0034】
(定着部)
定着部は定着器10から構成される。以下にシートに転写されたトナー像が定着される流れに沿って定着部の構成を説明する。第一の定着手段としての定着器10は定着ローラ10aと加圧ローラ10bから構成されている。定着ローラ10aと加圧ローラ10bは互いに圧接しており、その間に定着ニップが形成される。本実施例において、定着ローラ10a及び加圧ローラ10bの外径は共に80mmである。また、定着ローラ10a及び加圧ローラ10bの回転軸方向の長さは共に350mmである。定着ローラ10aは定着器外壁に回動可能に軸支され、加圧ローラ10bはばね(不図示)によって定着ローラ10aに対して500Nで圧接されている。
【0035】
定着ローラ10aはアルミ製の中空芯金上に弾性層としてのゴム層、トナー離型層としてのフッ素樹脂層が積層された積層体である。また、中空芯金の内部には加熱源としてのハロゲンヒータが設置されている。中空芯金は鉄などの他の材料であってもよい。また、加熱源は例えば電磁誘導加熱を利用したIH方式を用いて代替してもよい。定着ローラ10aは駆動ギア列を介して駆動モータに接続されており、駆動モータから伝達される回転動力によって回転する。加圧ローラ10bは定着ローラ10aと同じく中空芯金にゴム層、フッ素樹脂層を積層した積層体であり、中空芯金の内部にはハロゲンヒータが設置されている。また、加圧ローラ10bは定着ローラ10aに従動して回転する。
【0036】
定着ローラ10aと加圧ローラ10bの表面近傍には、それぞれの温度を検出する検出手段としてのサーミスタが装着されている。それぞれのサーミスタは定着ローラ10a又は加圧ローラ10bの温度を検出することができる。サーミスタから出力された温度検出信号はプリンタコントローラ108に通知される。これにより、プリンタコントローラ108は定着ローラ10a及び加圧ローラ10bの温度を制御することができる。
【0037】
本実施例では、プリンタコントローラ108は定着ローラ10aの表面近傍の温度を155℃、加圧ローラ10bの表面近傍の温度を100℃になるように各々のハロゲンヒータを制御する。
【0038】
このような定着条件のもと、二次転写部でトナー像が転写されたシートは定着ニップを通過する。これにより、シート上に転写されたトナー像はシートに定着される。トナー像が定着されたシートは搬送路を通り機外に排出される。本実施例においては、補助装置として透明画像形成装置を備えている。そのため、定着器10が有色画像を定着したシートは透明画像形成装置へと送られる。
【0039】
本実施例においては、シートは定着器10の定着ニップを通過し終えた直後、約90〜110℃の高温度を保持した状態で定着器10から離間される。無論、シートが離間するときの温度は定着条件、シートの坪量等に影響されることは言うまでも無い。また、本実施形態の定着器10は定着ローラ10aと加圧ローラ10bによるローラ対で構成したものを説明したが、定着側と加圧側の一方若しくは両方がエンドレスベルトによって構成されてもよい。また、定着方法は上に示したもの以外を用いてもよい。
【0040】
以上が、シートにトナー像が形成される流れに沿ったプリンタ部の構成に関する説明である。
【0041】
(透明単色プリンタ)
以下に本実施例における透明画像形成装置としての透明単色プリンタについて説明する。透明単色プリンタは透明画像形成手段としての透明画像形成ステーションTと第二の定着手段としての定着器20を備える。透明画像ステーションTはMFP100のプリンタ部を構成する有色画像形成ステーションYと略同一の構成である。また本実施例において、透明単色プリンタの定着器20はプリンタ部を構成する定着器10と略同一の構成である。また、制御温度及びプロセススピードも定着器10と略同一であるとする。
【0042】
透明画像形成手段としての透明画像形成ステーションTは感光体ドラム1、帯電器2、レーザスキャナ3、現像器4、転写ローラ6、及び、ドラムクリーナ5から構成される。感光体ドラム1は帯電器2によって一様に帯電される。一様に帯電された感光体ドラム1に対して入力された透明画像を形成するようにレーザスキャナ3は感光体ドラム1に対して露光を行う。これにより、感光体ドラム上に静電潜像が形成される。静電潜像が形成された感光体ドラム1に対して、現像器4は感光体ドラム上に透明トナーを転写することによって、透明トナー像を感光体ドラム上に現像する。有色画像が定着されたシートに対して、感光体ドラム上に形成された透明トナー像は転写ローラによってシートに転写される。ドラムクリーナはシートに転写し切れなかった感光体ドラム上に残る、いわゆる転写残トナーを清掃する。このようにして、有色画像が定着されたシートに透明トナー像を転写する。定着された有色画像を覆うように透明トナーが転写されたシートは定着器20まで搬送される。定着器20は搬送されたシートに形成された透明画像をシートに定着する。
【0043】
ここで、透明画像を形成するとき、透明単色プリンタは透明トナーで形成した透明画像をシートに形成し定着する。また、透明画像を形成しないとき、透明単色プリンタはシートを透明画像形成ステーションTへ搬送しないで機外に排出するパスを持つ。
【0044】
(有色トナー及び透明トナーについて)
以下に各画像形成ステーションの現像器に収納されるトナーについて説明する。本実施例において、透明トナー及び有色トナーはポリエステル系の樹脂が使用されている。トナーを製造する方法としては粉砕法、懸濁重合法・界面重合法・分散重合法等の媒体中で直接トナーを製造する方法(重合法)挙げられる。本実施例において、トナーは懸濁重合法を用いて製造されたものを用いた。なお、トナーの成分、製造方法はこれに限定されるものではない。ここで、有色トナーとは透明トナーを除くイエロートナー、シアントナー、マゼンタトナー、ブラックトナーの総称であるとする。
【0045】
有色トナーは主にポリエステル樹脂と顔料から構成される。また、透明トナーは主にポリエステル樹脂から構成される。本実施例において用いた透明トナー及び有色トナーのガラス転移点(Tg)は共に約55℃である。本実施例においては、透明トナーのガラス転移点(Tg)は有色トナーと略同一になるように製造した。そのため同じ定着条件かつ単位面積あたりのトナー量が略同一の場合、シート上に定着された有色トナーと透明トナーの光沢度は略同一の光沢になる。
【0046】
もちろん、トナーのガラス転移点(Tg)はこれに限定するものではない。なお、トナーに用いる樹脂の種類や分子量を変更するとその溶融特性が変わる。以上がMFP100及び透明単色プリンタ118の構成の説明である。
【0047】
(単位面積あたりのトナー量と光沢度との関係)
1回定着器を通してシートにトナーを定着することによって、定着されたトナー部の光沢度が用紙の光沢度よりも低下するシートを高光沢紙と呼ぶ。また、1回定着器を通してシートにトナーを定着することによって、定着されたトナー部の光沢度が用紙の光沢度よりも上昇するシートを低光沢紙と呼ぶ。
【0048】
なお、シートが高光沢紙又は低光沢紙に分類されるかは、トナーの種類、定着条件、プロセススピード等で変わる。
【0049】
本実施例において、プリンタ部において、シートに有色画像を形成し、定着した後、透明単色プリンタ118において、有色画像が形成されたシートに透明トナーを形成し、定着する。
【0050】
以下に、低光沢紙にトナーを形成し、定着したときのトナーの量と光沢度の関係を説明する。続いて、高光沢紙にトナーを形成し、定着したときのトナーの量と光沢度の関係について説明する。
【0051】
(低光沢紙にトナーを定着したときのトナー量と光沢度の関係)
図3はシート表面に定着される単位面積あたりのトナーの量とシートに定着されたトナー像の光沢度の関係を示すグラフである。
【0052】
ここで、図3ではシートとして低光沢紙としてのマットコート紙「ユーライト(商標)坪量157g/m2」を使用した。図3のグラフの縦軸は60°光沢度を表し、横軸はトナーの量を表す。なお、トナー量はトナー1色あたりの単位面積あたりの最大量0.55mg/cm2を100%に換算した値で表記した。
【0053】
マットコート紙に有色トナーを形成し、定着器10によって定着し、定着器20によって再加熱された箇所の光沢度は図3の破線で示した。また、マットコート紙に有色トナーを形成し、定着器10によって定着し、定着された有色トナーを覆うように透明トナーを70%のトナー量(0.39mg/cm2)で形成し、定着器20によって、定着した箇所の光沢度は図3の一点鎖線で示した。
【0054】
例えば、図3の横軸が150%の時、有色トナーは150%のトナー量でシートに形成される。シートに形成されたトナーは定着器10で定着される。ここで、透明トナーが形成されない部分については、定着器20で再加熱されるため、光沢度が51%となる。また、有色トナー覆うように透明トナーが70%のトナー量で形成する部分については、定着器20で透明トナーをシートに定着され、光沢度が29%となる。
【0055】
なお、図3の一点鎖線で示す曲線は、透明トナーが70%のトナー量(0.39mg/cm2)の一定量でシートに形成されている。そのため、破線で示す曲線は横軸(トナー量)0%のとき、シートに有色トナーも透明トナーも形成されていないシートの光沢度(6%)となる。しかし、一点鎖線で示す曲線はシートに透明トナーを70%形成したときの光沢度になる。
【0056】
有色トナーを覆うように透明トナーが形成されない部分(破線)に関しては、有色トナー表面が定着器で熱を2回与えられている。しかしながら、有色トナーを覆うように透明トナーが形成された部分(一点鎖線)に関しては、表層である透明トナーに1回しか熱量が与えられていない。そのため、透明トナーで覆われた部分の光沢度は高くなりにくい傾向がある。
【0057】
なお、図3に示すグラフは次のような条件で得られるものである。プロセス速度は250mm/secである。また、定着器10の定着ローラの制御目標温度は155℃、定着器20の定着ローラ温度は制御目標温度が155℃である。
【0058】
(高光沢紙にトナーを定着したときのトナー量と光沢度の関係)
図4はシート表面に定着される単位面積あたりのトナーの量とシートに定着されたトナー像の光沢度の関係を示すグラフである。
【0059】
ここで、図4ではシートとして高光沢紙としてのグロスコート紙「SA金藤+(商標)坪量157g/m2」を使用した。図4のグラフの縦軸は60°光沢度を表し、横軸はトナーの量を表す。なお、トナー量はトナー1色あたりの単位面積あたりの最大量0.55mg/cm2を100%に換算した値で表記した。
【0060】
グロスコート紙に有色トナーを形成し、定着器10によって定着し、定着器20によって再加熱された箇所の光沢度は図4の破線で示した。また、グロスコート紙に有色トナーを形成し、定着器10によって定着し、定着された有色トナーを覆うように透明トナーを70%のトナー量(0.39mg/cm2)で形成し、定着器20によって、定着した箇所の光沢度は図4の一点鎖線で示した。
【0061】
例えば、図4の横軸が150%の時、有色トナーは150%のトナー量でシートに形成される。シートに形成されたトナーは定着器10で定着される。ここで、透明トナーを形成されない部分については、定着器20で再加熱されるため、光沢度が47%となる。また、有色トナーを覆うように透明トナーを70%のトナー量で形成する部分については、定着器20で透明トナーをシートに定着され、光沢度が22%となる。
【0062】
なお、図4の一点鎖線で示す曲線は、透明トナーが70%のトナー量(0.39mg/cm2)の一定量でシートに形成されている。そのため、横軸(トナー量)0%のとき、破線で示す曲線はシートに有色トナーも透明トナーも形成されていない記録シートの光沢度(47%)である。しかし、一点鎖線で示す曲線はシートに透明トナーを70%形成したときの光沢度になる。
【0063】
有色トナーを覆うように透明トナーが形成されない部分(破線)に関しては、有色トナー表面が定着器で熱を2回与えられている。しかしながら、有色トナーを覆うように透明トナーが形成された部分(一点鎖線)に関しては、表層である透明トナーに1回しか熱量が与えられていない。そのため、透明トナーで覆われた部分の光沢度は高くなりにくい傾向がある。
【0064】
なお、図4に示すグラフは次のような条件で得られるものである。プロセス速度は250mm/secである。また、定着器10の定着ローラの制御目標温度は155℃、定着器20の定着ローラ温度は制御目標温度が155℃である。もちろん、定着器10と定着器20の定着ローラの制御目標温度は同一である場合に限るものではない。また、使用した有色トナー及び透明トナーのガラス転移点温度Tgは55℃である。もちろん、有色トナーと透明トナーのガラス転移点温度Tgは同一の場合に限るものではない。
【0065】
以上が本実施例で用いる画像形成装置としてのMFP及び透明画像形成装置としての透明単色プリンタの概説である。このような装置を用いて、光沢を高くしたい領域に透明トナーを形成するだけでは、光沢を高くすることができない。
【0066】
そのため、本実施例では、ユーザによって指定された光沢を高くしたい領域の光沢を相対的に高くするために、以下に示すフローチャートに従い装置を制御する。
【0067】
なお、前述のトナー量と光沢度の関係を示したグラフは画像を形成するシート、環境条件、画像形成に用いるトナーの種類、プロセススピード等で変化する。そのため、制御に用いるトナー量と光沢度の関係はLUT(Look UP Table)として格納されているものとする。
【0068】
(フローチャートを用いたMFPの動作説明)
図9はMFPを制御する手順を示すフローチャートである。本実施例において、MFP及び透明単色プリンタの制御処理はMFP100のCPU101において実行される。以下にフローチャ−トを用いてROM103に保存されているプログラムに従い、制御手段としてのCPU101が画像形成システムとしてのMFPの各要素に対して所望の動作をさせるように制御する流れを説明する。なお、有色画像をプリンタ部で形成するために用いられる画像データ(以下、有色画像データ)の生成処理の方法は公知の手法を用いるものとする。そのため、有色画像データの画像処理に関する説明は省略する。以下にMFPが制御の際に用いる情報の設定画面を説明したのち、設定された情報に基づき制御装置としてのCPU101が画像形成システムとしてのMFPと透明単色プリンタの動作を制御する例について説明する。
【0069】
(フローチャートで用いる情報の設定)
ユーザが指定した光沢を高くしたい領域の光沢を高くするためには、MFP100は「ユーザが光沢を部分的に高くしたい領域に関する情報」を取得する必要がある。以下に、ユーザが「シートの光沢に関する情報」及び「ユーザが光沢を部分的に高くしたい領域に関する情報」をMFP100に入力する手順をディスプレイ111に表示される画面を用いて説明する。
【0070】
以下、「シートの光沢に関する情報」と「ユーザが光沢を部分的に高くしたい領域に関する情報」を透明印刷設定情報(透明画像を印刷するために設定を要する情報)と呼ぶ。
【0071】
MFP100は透明印刷設定情報を取得するために、図5から図8に示す画面をディスプレイ111に表示する。各画面間の遷移について概説する。
【0072】
(図5に示す画面の説明)
図5はディスプレイ111に表示される画面の一例を示す図である。図5に示す画面がディスプレイに表示されている状態(コピーモード)において、ユーザによってスタートボタン(不図示)を押下されると、MFP100は原稿台にセットされた原稿を複製する。なお、B002が選択されることによってMFP100はボックスモードに切り替わる。ボックスモードにおいて、ユーザはMFP100内部のHDDに保存されているデータをプリント部で出力することができる。ユーザがB001を選択することによって、MFP100はボックスモードからコピーモードに切り替わる。
【0073】
図5において、ユーザはB003の「応用印刷設定」を選択することができる。ユーザが「応用印刷設定」画面において「透明印刷設定」(不図示)を選択したとき、MFP100はディスプレイ111に図6に示す画面を表示する。
【0074】
(図6に示す画面の説明)
図6はMFP100が透明トナーを用いて印刷する際の設定状況を示す画面の一例を示す図である。MFP100はディスプレイ111に図6に示すような画面を表示させる。これにより、MFP100はユーザに透明印刷設定情報の入力を促す。ユーザがディスプレイ111に表示された図6に示す画面のB101を選択すると、MFP100は透明印刷設定情報である「シートの光沢に関する情報」の入力を促す図7に示すような画面をディスプレイ111に表示させる。同様に、ユーザがディスプレイ111に表示された図7に示す画面のB102を選択すると、MFP100は透明印刷設定情報である「ユーザが光沢を部分的に高くしたい領域に関する情報」の入力を促す図8に示すような画面をディスプレイ111に表示する。(本実施例において、ユーザは画像ファイルを用いて光沢を部分的に高くしたい領域を指定する。無論、他の手段を用いて領域を指定してもよい。)
これにより、ユーザは透明印刷設定情報を設定することができる。
【0075】
透明印刷設定情報が設定された状態において、ユーザはB103(OKボタン)を選択することにより、透明印刷設定情報を反映させることができる。ユーザがB103(OKボタン)を選択した場合、MFP100は図5に示す画面をディスプレイ111に表示する。したがって、ユーザはスタートボタンを押し下げすることにより、透明印刷設定に基づく画像形成を行うことができる。
【0076】
また、ユーザはB104(キャンセルボタン)を選択することにより、透明印刷設定情報を破棄させることができる。ユーザがB104(キャンセルボタン)を選択した場合、MFP100は図5に示す画面をディスプレイ111に表示する。
【0077】
(図7に示す画面の説明)
図7はMFP100が「シートの光沢に関する情報」の入力をユーザに促す画面の一例を示す図である。ユーザは印刷に用いるシートがセットされている図2においてのカセット13a、カセット13b又は手差しトレイ14を選択することができる。ユーザがB201を選択すると、ディスプレイ111に「カセット1」、「カセット2」、「手差しトレイ」が選択可能にプルダウンメニューとして提示される(無論、他の選択肢提示方法、例えばポップアップメニュー等を用いてもよい)。ユーザは提示された項目の中から印刷に用いるシートがセットされている項目を選択する。図7に示すように、ユーザは「カセット1」を選択したとする。この時、ディスプレイ111にはユーザが選択することが出来るシートの種類がリストとして提示される。前述の通り、「カセット1」には「王子製紙製 SA近藤+ 坪量157g/m2」が、「カセット2」には「日本製紙製 ユーライト 坪量157g/m2」がセットされている。そのため、ユーザがプルダウンメニューの中から「カセット1」を選択した場合、CPU101はカーソルB202が「王子製紙製 SA近藤+ 坪量 157g/m2」に対応する「A社 グロスコート紙 坪量157g/m2」に合うように制御する。また、選択可能に提示されたプルダウンメニューの中から「カセット2」が選択された場合、CPU101はカーソルB202が「日本製紙製 ユーライト 坪量157/m2」に対応する「B社 マットコート紙 坪量157g/m2」に合うように制御する。例えば、ユーザが「カセット1」に「A社 グロスコート紙 坪量106g/m2」をセットした場合、ユーザは以下の操作を行う。まず、ユーザは「カセット1」を選択する(B201)。その後、ユーザはカーソル(B202)を「A社 グロスコート紙 坪量106g/m2」に合わせるように操作する。このような操作を行うことにより、ユーザはMFP100に対して印刷に用いるシートの種類を指定することができる。MFP100は図7に示すシートの種類を以下に示す表1をRAM102に持っている。そのため、ユーザが「A社 グロスコート紙 坪量106g/m2」を選択したとき、シート情報取得手段としてのCPU101は印刷に用いるシートの光沢度「30%」を取得することができる。また、例えば、ユーザが「B社 マットコート紙 坪量 157g/m2」を選択したとき、シート情報取得手段としてのCPU101は印刷に用いるシートの光沢度「6%」を取得することができる。
【0078】
【表1】
【0079】
しかしながら、「カセット1」にセットしたシートの種類がディスプレイ111に提示されたリストの中に無い場合が考えられる。その場合、ユーザはB203ボタンを選択することによって提示された以外の種類を選択することができる。ユーザはB203を選択することで、例えばネットワーク上に用意されたシートの情報を管理するデータベースにアクセスすることができる。ユーザはデータベースの中から「カセット1」にセットしたシートを選択する。これにより、ユーザはリストに提示されたシート以外を選択することができる。
【0080】
また、ユーザは「カセット1」、「カセット2」、及び、「手差トレイ」にセットしたシートの光沢を手動で入力することができる。図7ではユーザはB204のようなスライダバーを用いてセットしたシートの光沢に関する情報を設定することができる。スライダバーを用いてシートの光沢に関する情報を設定する際、図7に示したようにシートの光沢を多段階(例では10段階で光沢度0〜100%)でシートの光沢に関する情報を指定することができる。もちろん、シートの光沢をユーザが指定する入力手段はスライダバーに限定しない。例えば、MFP100はユーザがセットしたシートの光沢が高い場合に選択すべき「ボタン」を選択可能にディスプレイ111に表示する。ユーザはセットしたシートが高いと判断したときディスプレイに表示された「ボタン」を選択する。このような方法によってシートの光沢に関する情報が設定されても構わない。このように様々な方法によってユーザはMFP100に印刷に用いるシートの光沢に対応する情報を指定することができる。
【0081】
今回の具体例では、図7に示すように、印刷に用いるシートは「カセット1」にセットされた「A社 グロスコート紙 坪量157g/m2」を用いる。ユーザが印刷に使用するシートの設定を反映させたい場合、ユーザはB205(OKボタン)を選択することができる。これにより印刷に用いるシートの設定は終了し、MFP100はディスプレイ111に図6に示す画面を表示する。このようにしてユーザによって設定された情報はRAM102に保存される。このようにRAM102に保存されたシートの光沢に関する情報は後述する図9におけるS104においてCPU101によって取得される。また、ユーザが印刷に使用するシートの設定を反映させたくない場合、ユーザはB206(キャンセルボタン)を選択することができる。これにより、印刷に用いるシートの設定は破棄され、MFP100はディスプレイ111に図6に示す画面を表示する。
【0082】
(図8に示す画面の説明)
図8は「ユーザが光沢を部分的に高くしたい領域に関する情報」の入力をユーザに促す画面の一例を示す図である。図8にはMFP100内部のHDD104内に保存されているファイルがリストとして選択可能に表示される。これにより、ユーザはHDD104内に保存されているファイルの中から光沢を相対的に高くしたい領域を示すファイルを指定することができる。本実施例において、ユーザは「ccc.tif」をカーソルB301で指定したとする。このようにして、ユーザが光沢を高くしたい領域を画像によって指定することができる。ここで、「ccc.tif」は図7のプレビュー表示部に示すような画像である。ここで、図7のプレビュー表示部において★部分をユーザが光沢を高くしたい領域を指すものとする。なお、HDD104内部のファイル以外を用いて光沢を高くしたい領域を指定しても良い。その一例としては、Ethernet(登録商標) I/F114を経由して外部のファイルを指定する方法がある。ユーザはB302を選択することによりHDD104に保存されているファイル以外のファイルを指定することができる。なお、領域を指定する方法はこれに限るものではない。
【0083】
今回の具体例では、図8に示すように、光沢を高くしたい領域の指定はHDD104内部に保存されている「ccc.tif」によって指定する。ユーザが前述の設定を反映させたい場合、ユーザはB303(OKボタン)を選択することができる。これにより設定は反映され、MFP100はディスプレイ111に図6に示す画面を表示する。このようにしてユーザによって設定された情報はRAM102に保存されるものとする。このようにRAM102に保存された光沢を高くしたい領域を指定するための情報は後述する図9におけるS101においてCPU101によって取得される。また、ユーザが設定を反映させたくない場合、ユーザはB304(キャンセルボタン)を選択することができる。これにより、設定は破棄され、MFP100はディスプレイ111に図6に示す画面を表示する。
【0084】
以上のように各種情報が設定されるものとする。なお、他の手段によってこれらの透明印刷設定情報を取得してもよい。例えば、シートの光沢度に関する情報は、MFP内部に光沢度センサを設けることによって取得しても良い。また、光沢を高くしたい領域をスキャナ116から取得してもよいし、ユーザがデジタイザを用いて指定した領域を取得してもよい。
【0085】
次に、透明印刷設定情報を基にMFPがどのように動作するかを以下に示すフローチャートを用いて説明する。
【0086】
(フローチャ−トを用いたMFPの動作説明)
図9はMFPと透明単色プリンタの動作を示すフローチャートである。CPU101はROM103に保存されたプログラムに従いMFP100を制御する。
【0087】
S101はユーザによって指定された光沢を高くしたい領域を示す情報を取得するステップである。領域取得手段としてのCPU101はユーザによって指定された光沢を高くしたいと希望する領域を示す情報を取得する。CPU101は取得した領域をRAM102に保持する。
【0088】
S102はユーザによって指定された有色画像を示す情報を取得するステップである。画像データ取得手段としてのCPU101はユーザによって指定された有色画像を示す情報を取得する。CPU101は取得した有色画像を示す情報をRAM102に保存する。
【0089】
S103はS102で取得した有色画像を示す情報に基づき生成する透明トナー用の画像を決定するステップである。CPU101はS102で取得した有色画像を示す情報のうち最大の濃度を示す値を取得し、最大の濃度を示す値と所定の閾値とを比較する。シートに形成すべき有色画像の濃度の最大値が所定の閾値としての60%濃度以上の場合、CPU101はS106の処理を実行する。また、シートに形成すべき有色画像の濃度の最大値が所定の閾値としての60%濃度未満の場合、CPU101はS104の処理を行う。なお、所定の閾値はシートの種類や使用するトナーの性質、プロセススピードに応じて変化するため、それらに応じて閾値を変更しても良い。
【0090】
S104はシートの情報を取得するステップである。シート情報取得手段としてのCPU101は画像が形成されるシートの光沢に対応する情報としての光沢度を取得する。CPU101は取得した光沢度をRAM102に保持する。
【0091】
S105はS104において取得したシートの光沢度に基づき生成する透明トナーを用いて画像を形成するための画像データ(以下、透明画像データ)を決定するためのステップである。CPU101はS104で取得したシートの光沢度が所定の閾値以上(なお、光沢度に関する閾値は光沢度20%)であるときS106の処理を実行する。また、CPU101はS104で取得したシートの光沢度が所定の閾値未満であるときS107の処理を実行する。本実施例において、所定の閾値とは高光沢紙と低光沢紙を分ける境界値としての光沢度20%を用いる。なお、所定の閾値を「光沢度」という尺度に限定するものではなく、これに類する尺度を代替として用いてもよい。
【0092】
S106において、画像データ生成手段としてのCPU101は透明画像データの生成処理を実行する。画像データ生成手段としてのCPU101はS101において取得した領域を除く画像形成可能な領域に透明画像を形成させるデータを生成する。
【0093】
ここで、「画像形成可能な領域」について説明を付す。現在、製品化されているプリンタの中には、いわゆる「フチあり印刷」モードといわゆる「フチなし印刷」モードを有したプリンタがある。ここで「フチ」とはプリンタがシートの端部から数mmの幅で画像の形成をしない部分を指す。つまり、シートに対して、全面にトナーを付加するようにプリンタに指示したとき、出力された紙の画像が形成されないの部分が「フチ」である。「フチあり印刷」モードの場合、画像形成可能な領域とはシートの「フチ」を除く領域のことを指す。「フチなし印刷」モードの場合、画像形成可能な領域とはシートの全面を指す。なお、「フチ」の幅は変更可能であることは言うまでも無い。
【0094】
S107において、画像データ生成手段としてのCPU101は透明画像データの生成処理を実行する。画像データ生成手段としてのCPU101はS103において取得した領域に透明画像を形成させるデータを生成する。
【0095】
制御手段としてのCPU101はS106又はS107において生成された透明画像を形成させるための透明画像データを透明画像形成手段としての透明単色プリンタに送信する。
【0096】
MFPの有色トナーによってシートに有色画像を形成するプリンタ部は有色画像データを受信する。シートに有色トナー像を形成する有色画像形成手段としての各画像形成ステーションは受信した画像データに基づき有色トナーをシートに形成する。その後シートは定着器10により定着される。
【0097】
また、透明単色プリンタは受信した透明画像データを透明画像形成手段としての透明画像形成ステーションTに送信する。透明画像形成ステーションTは受信した透明画像データに基づき、定着された有色画像を覆うように透明画像を形成する。なお、透明単色プリンタが受信する透明画像データはS106若しくはS107のいずれかにおいて生成された透明画像データである。その後、透明画像形成ステーションTによってシートに形成された透明トナーは定着器20によってシートに定着される。これにより、ユーザが指定した光沢を高くしたい領域の光沢が高い印刷物を得ることができる。
【0098】
以上のように、シートに形成される有色画像の濃度を取得することによって、有色画像の濃度が濃い場合においても、指定された領域の光沢を相対的に高くすることができる。
【0099】
なお、MFPと透明単色プリンタの制御順序は図9の順序に限るものではない。例えば、図11に示すフローチャートに従い制御してもよい。
【0100】
図11はMFPと透明単色プリンタの動作を示すフローチャートである。図11において、CPU101は有色画像データを取得する前に、シートの情報を取得する。これにより、画像を形成するシートが高光沢紙である場合、有色画像の濃度を判定するまでもなく、ユーザが指定した部分の光沢を高くするための透明画像データを生成することができる。このように、制御順序は指定した領域の光沢を相対的に高くできる限りにおいて変更可能である。
【0101】
以上がフローチャートを用いた装置の動作に関する説明である。続いて、上述のフローに従いMFP及び透明単色プリンタを制御した場合に出力される印刷物について説明する。
【0102】
(画像を形成するシートと有色画像の濃度に応じた出力物の説明)
図10は装置によって出力される印刷物を説明するための模式図である。ここで、ユーザが光沢を高くしたい領域を「マーク部」と呼び、ユーザが光沢を高くしたい領域を除く領域を「背景部」と呼ぶ。
【0103】
有色画像は20%のトナー量でシート全面に均一に形成され、画像を形成するシートの光沢度が50%(高光沢紙)、光沢を高くしたい領域が「aaa.tif」であるとする。その場合、図10の(a)に示すような印刷物が出力される。ここで、透明トナーは有色画像を覆うように70%で均一に形成される。
【0104】
また、有色画像は100%のトナー量でシート全面に均一に形成され、画像を形成するシートの光沢度が50%(高光沢紙)、光沢を高くしたい領域が「aaa.tif」であるとする。その場合、図10の(b)に示すような印刷物が出力される。
【0105】
また、有色画像は20%のトナー量でシート全面に均一に形成され、画像を形成するシートの光沢度が6%(低光沢紙)、光沢を高くしたい領域が「aaa.tif」であるとする。その場合、図10の(c)に示すような印刷物が出力される。ここで、透明トナーは有色画像を覆うように70%で均一に形成される。
【0106】
また、有色画像は100%のトナー量でシート全面に均一に形成され、画像を形成するシートの光沢が6%(低光沢紙)光沢を高くしたい領域が「aaa.tif」であるとする。その場合、図10の(d)にしますような印刷物が出力される。ここで、透明トナーは有色画像を覆うように70%で均一に形成される。なお、説明を簡単にするために、単位面積あたりの有色トナーの量及び透明トナーの量を均一にしたが、これに限るわけではない。
【0107】
以下に表を用いて各場合における印刷物について詳述する。
【0108】
(画像を形成するシートがグロスコート紙の場合)
【0109】
【表2】
【0110】
表2は図10の(a)に示す印刷物のマーク部(★部)及び背景部の光沢度を示した表である。
【0111】
ここでグロスコート紙に有色トナーが20%濃度で形成されたマーク部の光沢度は40%、トナーが合計90%のトナー量で形成された背景部の光沢度は24%となる(図4に示す関係より)。
【0112】
そのため、マーク部の光沢度40%は背景部の光沢度24%よりも高くなる。これにより、高光沢紙としてのグロスコート紙において、マーク部の光沢を背景部の光沢よりも相対的に高くすることができる。
【0113】
【表3】
【0114】
表3は図10の(b)に示す印刷物のマーク部(★部)及び背景部の光沢度を示した表である。
【0115】
ここでグロスコート紙に有色トナーが100%濃度で形成されたマーク部の光沢度は41%、トナーが合計170%のトナー量で形成された背景部の光沢度は23%となる(図4に示す関係より)。
【0116】
そのため、マーク部の光沢度41%は背景部の光沢度23%よりも高くなる。これにより、高光沢紙としてのグロスコート紙において、マーク部の光沢を背景部の光沢よりも相対的に高くすることができる。
【0117】
(画像を形成するシートがマットコート紙の場合)
【0118】
【表4】
【0119】
表4は図10の(c)に示す印刷物のマーク部(★部)及び背景部の光沢度を示した表である。
【0120】
ここでマットコート紙にトナーが90%のトナー量で形成されたマーク部の光沢度は36%、20%のトナー量で形成された背景部の光沢度は8%となる(図3に示す関係より)。
【0121】
そのため、マーク部の光沢度36%は背景部の光沢度8%よりも高くなる。これにより、低光沢紙としてのマットコート紙において、マーク部の光沢を背景部の光沢よりも相対的に高くすることができる。
【0122】
【表5】
【0123】
表5は図10の(d)に示す印刷物のマーク部(★部)及び背景部の光沢度を示した表である。
【0124】
ここでマットコート紙にトナーが100%のトナー量で形成されたマーク部の光沢度は47%、170%のトナー量で形成された背景部の光沢度は30%となる(図3に示す関係より)。
【0125】
そのため、マーク部の光沢度47%は背景部の光沢度30%よりも高くなる。これにより、低光沢紙としてのマットコート紙において、マーク部の光沢を背景部の光沢よりも相対的に高くすることができる。
【0126】
以上に示したように、有色画像の濃度が濃い場合においてもユーザが光沢を高くしたい領域の光沢を高くすることができる。さらに、有色画像の濃度が低い場合においても、有色画像を形成するシートの情報に応じて、透明トナーを形成する領域を変更することによって、ユーザが光沢を高くしたい領域の光沢を高くすることができる。
【実施例2】
【0127】
実施例1において、有色画像はシート全面に一定のトナー量で均一に形成される例を挙げて説明した。本実施例では、図12に示すような濃度分布をもった有色画像をシートに形成する例を用いて説明する。
【0128】
なお、第一の実施例と同様な部分に関しては、同一符号を付すことで説明を省略する。
【0129】
(濃度が不均一な有色画像の濃度分布及び光沢度分布)
図12は有色画像データの濃度分布を示した図である。詳しくは、図12の(a)はデータと濃度を示すイメージとして表した図である。また、図12の(b)はデータを数値として示したデータ構造を行列によって表現した模式図である。ここで、図12の(a)のイメージ図において全体を指す領域を領域Aとする。また、図12の(a)のイメージ図において、光沢を高くしたい領域を領域Bとする。また、図12の(a)のイメージ図において、光沢を高くしたい領域を除く領域を領域Cとする。
【0130】
有色画像の濃度分布が図12に示すような分布を持つとき、CPU101は透明トナーを形成する領域を決定する。
【0131】
CPU101は透明トナーを形成する領域を決定するために、有色画像の濃度分布を光沢度分布に変換する。光沢度は図3及び図4で示したトナー量と光沢度の関係に基づき変換される。シートに形成されるトナー量に基づき光沢度を算出する際、CPU101はLUTを用いて光沢度を算出する。なお、図3及び図4に示すデータから多項式近似によって得られた曲線を表す多項式を利用して、光沢度を算出してもよい。
【0132】
CPU101は有色画像データの濃度分布に対応するデータに基づき、領域Bに選択的に透明トナーを形成した時の光沢度分布に対応するデータを算出する。また、同様にCPU101は有色画像データの濃度分布に対応するデータに基づき、領域Cに選択的に透明トナーを形成した時の光沢度分布に対応するデータを算出する。
【0133】
図13の(a)は領域Cに透明トナーを70%濃度で形成したときの光沢度分布を示した図である。同様に図13の(b)は領域Bに透明トナーを70%濃度で形成した時の光沢度分布を示した図である。CPU101は図12(b)で行列を用いて示した有色画像濃度を示す各要素を光沢度に変換する。このようにして、CPU101は領域Bに透明トナーを形成した時の光沢度分布を示すデータと領域Cに透明トナーを形成した時の光沢度分布を示すデータを得ることができる。
【0134】
以下、図12に示す有色画像の濃度分布を基に、CPU101が領域B若しくは領域Cのいずれか一方に選択的に透明トナーを形成する。以下に、フローチャートを用いて透明トナーを形成する領域を決定する動作について説明する。
【0135】
(フローチャートを用いたMFPの動作説明)
ここで、有色画像の濃度分布が図12に示す場合における、MPFの動作について図14及び図15に示すフローチャートを用いて説明する。
【0136】
図14はMFPの動作を説明するためのフローチャートである。また、図15は図14のS209で示した定義済み処理を説明するためのフローチャートである。CPU101はROM103に保存されたプログラムに従いMFP100を図14のフローチャートに従い動作するように制御する。
【0137】
本実施例においても、実施例1と同様にシートに関する情報、及び有色画像データ、光沢を高くしたい領域を示す情報は事前に設定されているものとする。S201はシートの情報を取得するステップである。シート情報取得手段としてのCPU101は画像が形成されるシートの光沢に対応する情報としての光沢度を取得する。CPU101は取得した光沢度をRAM102に保持する。
【0138】
S202はユーザによって指定された有色画像を示す情報を取得するステップである。画像データ取得手段としてのCPU101はユーザによって指定された有色画像を示す情報を取得する。CPU101は取得した有色画像を示す情報をRAM102に保存する。
【0139】
S203はユーザによって指定された光沢を高くしたい領域を示す情報を取得するステップである。領域取得手段としてのCPU101はユーザによって指定された光沢を高くしたいと希望する領域を示す情報を取得する。CPU101は取得した領域をRAM102に保持する。
【0140】
S204はS201において取得したシートの光沢度に基づき生成する透明トナーを用いて画像を形成するための画像データ(以下、透明画像データ)を決定するステップである。CPU101はS201で取得したシートの光沢度が所定の閾値としての光沢度20%以上であるときS207の処理を実行する。また、CPU101はS201で取得したシートの光沢度が所定の閾値としての光沢度20%未満であるときS205の処理を実行する。所定の閾値とは前述の条件の下では高光沢紙と低光沢紙を分ける境界値としての光沢度20%を用いるものとする。なお、所定の閾値を「光沢度」という尺度に限定するものではなく、これに類する尺度を代替として用いてもよい。
【0141】
S205はS202で取得した有色画像を示す情報に基づき生成する透明トナー用の画像を決定するステップである。CPU101はS202で取得した有色画像を示す情報(すべての画素に対応する値)のうち最小の濃度を示す値を取得し、最小の濃度を示す値と所定の閾値とを比較する。最小の濃度を示す値が所定の閾値以上(所定の閾値とは60%)の場合、CPU101はS207の処理を実行する。また、最小の濃度を示す値が所定の閾値未満(閾値は60%)の場合、CPU101はS206の処理を行う。なお、所定の閾値はシートの種類や使用するトナーの性質、プロセススピードに応じて変化するため、それらに応じて閾値を変更しても良い。
【0142】
S206はS202で取得した有色画像を示す情報に基づき生成する透明トナー用の画像を決定するステップである。CPU101はS202で取得した有色画像を示す情報(すべての画素に対応する値)のうち最大の濃度を示す値を取得し、最大の濃度を示す値と所定の閾値とを比較する。最大の濃度を示す値が所定の閾値としての60%未満の場合、CPU101はS208の処理を実行する。また、最大の濃度を示す値が所定の閾値としての60%以上の場合、CPU101はS209の処理を行う。
【0143】
S207において、画像データ生成手段としてのCPU101は透明画像データの生成処理を実行する。CPU101はS103において取得した領域を除く画像形成可能な領域に選択的に透明トナーを形成させるような透明画像データを生成する。生成された透明画像データはプリンタ部115に送信される。
【0144】
S208において、画像データ生成手段としてのCPU101は透明画像データの生成処理を実行する。CPU101はS103において取得した領域に透明トナーを形成させるような透明画像データを生成する。このステップで生成された透明画像データをプリンタ部に対して送信することにより、プリンタ部はS103で取得された領域を除く画像形成可能な領域に選択的に透明トナーを形成し定着したシートを出力する。これにより、シートが高光沢紙の場合においてもユーザが指定した領域の光沢が高い出力物を提供することができる。
【0145】
S209は定義済みの処理を実行するステップである。S209の処理については、図15に示すフローチャートを用いて説明する。S209は透明トナーを領域B(S203で取得した領域)又は領域C(S203で取得した領域を除く領域)のいずれかに透明トナーを選択的に形成するかを決定するためのステップである。
【0146】
上述のように、S207からS209において、決定された透明画像データをCPU101はプリンタ部へ送信する。
【0147】
プリンタ部は受信した画像データに基づき有色トナーをシートに形成する。その後シートは定着器10により定着される。
【0148】
また、透明単色プリンタは受信した透明画像データを透明画像形成ステーションTに送信する。透明画像形成ステーションTは受信した透明画像データに基づき、定着された有色画像を覆うように透明画像を形成する。なお、透明画像形成ステーションTが受信する透明画像データはS207、S208、後述する図15のS305、S306のいずれかにおいて生成された透明画像データである。その後、シートに形成された透明トナーは定着器20によってシートに定着される。これにより、ユーザが指定した光沢を高くしたい領域の光沢が高い印刷物を得ることができる。
【0149】
(定義済み処理について)
図14に示した定義済み処理を図15に示すフローチャートを用いて説明する。図15は図14のS209に示した定義済みの動作を説明するためのフローチャートである。以下に各ステップについて説明する。
【0150】
S301は有色画像データから光沢度に変換するためのステップである。CPU101はS202で取得された有色画像データを、透明トナーが定着された場合、及び、透明トナーが定着されなかった場合、について各画素の濃度を光沢度に変換する。この際、CPU101はROM102に保存されたLUTを用いる。
【0151】
S302は光沢を高くしたい領域(図12における領域B)に対応する各画素の濃度データを光沢度に変換したものを評価するためのステップである。
【0152】
人は境界を認識することによって図形を認識している。そのため、光沢差によって図形を人に認識させるためには、図形の境界を境界部分の光沢差が大きくなるように調整するのが好ましい。
【0153】
つまり、透明トナーを形成する領域を決定する際、境界近傍のデータが重要になる。そこで本実施例において、境界近傍のデータを重視するために、評価値は境界領域近傍の重みが大きい加重平均法を用いる。これにより、境界近傍の光沢度に対応するデータを重視した評価値を算出することによって、人の目に認識しやすい光沢差を実現する。なお、評価値の算定手法は平均等の他の算出手法を用いてもよい。評価値とは透明画像データを生成する際に用いる数値である。この実施例においては、評価値の単位は光沢度となる。
【0154】
CPU101は光沢を高くしたい領域のうち、境界近傍の光沢度に関するデータを取得して加重平均法を用いて評価値を算出する。CPU101は透明トナーを領域Bに塗布する際の評価値B1を算出し、RAMに格納する。同様に、CPU101は領域Bに透明トナーを塗布しない際の評価値B2を算出し、RAMに格納する。
【0155】
S303は光沢を高くしたい領域を除く領域(図12における領域C)に対応する各画素の濃度データを光沢度データに変換したものを評価するためのステップである。
【0156】
CPU101は光沢を高くしたい領域を除く領域(図12における領域C)のうち、境界近傍の光沢度に関するデータ加重平均法を用いて評価値を算出する。CPU101は透明トナーを領域Cに塗布する際の評価値C1を算出し、RAMに格納する。同様に、CPU101は透明トナーを領域Cに塗布しない際の評価値C2を算出し、RAMに格納する。
【0157】
S304はS302及びS303において算出した評価値を用いて、光沢を高くしたい領域(図12における領域B)の光沢を高くする透明画像データを決定するためのステップである。
【0158】
CPU101はS302で算定した評価値B1及びB2とS303で算定した評価値C1及びC2をRAMから取得する。次に、CPU101は「C1−B2」と「C2−B1」の大小関係を比較する。
【0159】
CPU101は「C2−B1」が「C1−B2」よりも大きいときS305の処理を実行する。また、CPU101は「C1−B2」が「C2−B1」よりも大きいときS306の処理を実行する。
【0160】
S305では画像データ生成手段としてのCPU101は透明画像データの生成処理を実行する。CPU101はS203で取得した領域を除く画像形成可能な領域に透明画像を形成させる透明画像データを生成する。
【0161】
S306では画像データ生成手段としてのCPU101は透明画像データの生成処理を実行する。CPU101はS203で取得した領域に透明画像を形成させる透明画像データを生成する。
【0162】
以上説明したように、本例の構成を採用することにより、シートに形成される有色画像の濃度分布に依らず、ユーザが指定した領域の光沢を有色画像の濃度に関わらず高くすることができる。
【実施例3】
【0163】
実施例1及び実施例2において、透明画像データを生成する制御部分はMFP内部のCPU101であるとして説明した。しかしながら、画像形成システムを考えた場合、透明画像データの生成等を必ずしも画像形成装置内部で行わなくても良いことは明らかである。そのため、以下に、他の実施形態について記す。
【0164】
(画像形成システムの構成例について)
図16は画像形成システムの構成例を示す図である。図16の(a)で示す画像形成システムはMFP100単体で構成されている。画像形成システムは図16の(b)及び(c)に示すような構成も考えられる。
【0165】
図16の(b)に示す画像形成システムはMFP、MFP Controller、及び、PCによって構成される。また、図16の(c)に示す画像形成システムはMFP及びPCによって構成される。以下にPC及びMFP Controllerのハードウエア構成について説明する。
【0166】
なお、画像形成システムを構成するPC300はMFP100に対して印刷命令を送信可能な外部端末の一例である。そのため、MFP100に対して印刷命令を送信可能な他の端末をPCの代替として用いてもよい。例えば、WS(Work Station)やPDA(Personal Digital Assistant)等の携帯可能な情報端末を代替として用いてもよい。
【0167】
また、実施例1及び実施例2において、図2に示す装置によってシートに有色画像及び透明画像を形成した。しかしながら、図17に示すような有色画像形成手段としての有色画像形成ステーションと透明画像形成手段としての透明画像形成ステーションを有する画像形成装置であってもよい。
【0168】
図17に示す構成において、MFPはシートに有色トナーを転写し、定着する。その後、有色トナーが定着されたシートは再度フラッパ16によって再び二次転写部に搬送される。二次転写部に搬送されたシートの有色トナーを覆うように透明トナーを転写される。ここで、第一の定着手段として有色トナーをシートに定着させる定着器は定着器10である。また、第二の定着手段として透明トナーをシートに定着させる定着器は定着器10である。つまり、図17に示すMFPにおいて、第一の定着手段と第二の定着手段は同一である。なお、画像形成装置の構成は有色トナーが定着されたシートに透明トナーを覆う限り、実施例に示す構成に限るものではない。例えば、図17に示すMFPにおいて、以下に示すように有色画像を定着したシートに透明画像を形成し、定着しても良い。まず、画像形成装置に対してシートに有色画像を形成させ、定着させる。有色画像が定着されたシートは機外に排出される。排出された有色画像が定着されたシートを手差しトレイに設置するようにユーザに対して指示する。続いて、手差しトレイに設置されたシートに対して、透明画像を形成し、定着する。このように画像形成装置を制御することによって、シートに定着された有色画像を覆うように透明画像を形成し、定着することができる。
【0169】
(PCのハードウエア構成について)
図20は情報処理装置としてのPCの一例であるPC300のハードウエア構成を示すブロック図である。以下にPC300のハードウエア構成について説明する。
【0170】
CPU301(Central Prossessing Unit)、RAM302(Random Access Memory)、ROM303(Read Only Memory)はバス304に接続されている。同様に、HDD305(Hard Disk Drive)、ネットワークコントローラ306、ビデオコントローラ307、I/Oコントローラ308はバス304に接続されている。なお、バス304に接続されている各種ユニットはバス304を介して相互に通信することができる。
【0171】
CPU301は例えばROM303に保存されているプログラムをRAM302に展開して実行する。ROM303はCPU301で実行されるプログラムを記録する。RAM302はCPU301がプログラムを実行するときに用いられる。また、CPU301はバス304を介して、HDD305、ネットワークコントローラ306、ビデオコントローラ307、I/Oコントローラ308に対して制御命令等を送信する。また、CPU301はバス304を介して、HDD305、ネットワークコントローラ306、ビデオコントローラ307、I/Oコントローラ308からの状態を示す信号又は画像データ等のデータを受信する。このようにしてCPU301はPC300を構成する各種ユニットを制御することができる。
【0172】
HDD305はPC300で用いる各種ファイルを記録する。ネットワークコントローラ306は外部の機器と通信するための専用回路である。ネットワークコントローラ306はCPU301から送信される信号を変調してIEEE803.2規格に準じた多値の信号に変換し、Ethernet(登録商標)I/F312を介してネットワークに送信する。また、ネットワークコントローラ306はEthernet(登録商標)I/F312を介してネットワークから受信した多値の信号を復調し、CPU301に送信する。このとき、PC300がMFP100又はMFP Controller200と通信する経路はLAN(Local Area Network)に限るものではなく、インターネットを経由しても良い。
【0173】
また、I/Oコントローラ308はCPU301から送信される信号を各インターフェイスの規格に準じた信号に変換してUSBI/F又はPS/2 I/Fに接続された装置へ送信する。また逆にUSB I/F又はPS/2 I/Fから受信した信号を変換しCPU301へ送信する。これにより、PC300はMFP100とUSB(Universal Serial Bas) I/F313を介して相互に通信することができる。また、PC300は入力デバイスとしてのキーボード310、マウス311からの入力をPS/2 I/F309を介して取得することができる。
【0174】
また、ビデオコントローラ307はCPU301から受信した描画命令に応じて画像データをディスプレイ314に表示できる信号に変換する。これにより、CPU301はディスプレイ314に対して画面を表示させることができる。
【0175】
本実施例において、CPU301はOS(Operating System)に従いPCを構成する各種ハードウエアを制御する。これにより、ユーザはPCを構成するハードウエアを意識することなく、GUI(Graphical User Interface)を操作することによって、PCに所望の動作を実行させることができる。これにより、ユーザはOS上で実行されているアプリケーションプログラムから外部のMFPに対して印刷命令を送信することができる。印刷命令をMFPに対して送信する際、MFPの機種によって制御方法が異なる。そのため、PCはMFPの機種に対応するドライバプログラムを用いてMFPに応じた制御命令を生成する。ドライバプログラムはOSに組み込まれることによって、接続された周辺機器に応じた制御命令を作成することができる。
【0176】
以上が本例でのPCのハードウエア構成に対する説明である。
【0177】
(MFP Controllerのハードウエア構成について)
図19はPDL(Page Discription Language)をイメージデータに変換することができるMFP Controller200のハードウエア構成を示すブロック図である。以下にMFP Controller200のハードウエア構成の一例について説明する。
【0178】
画像形成システムを構成するMFP Controller200はPC300から受信したPDLをMFP100が印刷の際に用いるイメージデータに変換する。以下、PDLをイメージデータに変換する処理をRIP(Raster Image Possessing)と呼ぶ。
【0179】
CPU201、RAM202、ROM203、画像処理専用回路204はバス205に接続されている。同様に、HDD206、ネットワークコントローラ207、ビデオコントローラ208、I/Oコントローラ209はバス205に接続されている。
【0180】
CPU201は例えばROM203に保存されているプログラムをRAM202に展開して実行する。また、CPU201はバス105を介して、HDD206、ネットワークコントローラ207、ビデオコントローラ208、I/Oコントローラ209に対して制御命令等を送信する。また、CPU201はバス205を介して、HDD206、ネットワークコントローラ207、ビデオコントローラ208、I/Oコントローラ209からの状態を示す信号及び画像データ等のデータを受信する。このようにしてCPU201はMFP Controller200を構成する各種ユニットを制御することができる。
【0181】
MFP Controller200はPC300とEthernet(登録商標) I/F213を介して接続されている。またMFP Controller200はMFP100とEthernet(登録商標) I/F213介して接続されている。ネットワークコントローラ207はCPU201から送信される信号を変調してIEEE803.2規格に準じた多値の信号に変換し、Ethernet(登録商標)I/F213を介してネットワークに送信する。また、ネットワークコントローラ207はEthernet(登録商標)I/F213を介してネットワークから受信した多値の信号を復調し、CPU201に送信する。
【0182】
また、I/Oコントローラ209はCPU201から送信される信号を各インターフェイスの規格に準じた信号に変換してUSB I/F214又はPS/2 I/F210に接続された装置へ送信する。また、I/Oコントローラ209はUSB I/F214又はPS/2 I/F210から受信した信号を変換しCPU201へ送信する。これにより、MFP Controller200はMFP100とUSB(Universal Serial Bas) I/F313を介して相互に通信することができる。また、MFP Controller200は入力デバイスとしてのキーボード211、マウス212からの入力信号をPS/2 I/F210を介して取得することができる。
【0183】
また、ビデオコントローラ208はCPU201から受信した描画命令に応じて画像データをディスプレイ215に表示できる信号に変換し、ディスプレイ215に送信する。これにより、CPU201はディスプレイ215に対して画面を表示させることができる。
【0184】
MFP Controller200はPC300から送信されるPDLを受信し、記述されたPDLをRIPする。RIP時の算術演算命令は画一的な繰り返し処理を含む。そのため、すべての算術演算命令をCPU201で実行するよりも画像処理命令を処理するのに最適化されたハードウエアによって処理した場合の方が短い実行時間で済む場合が多い。そのため、MFP Controller200はRIPをCPU201と画像処理専用回路204で分担して実行する。もちろん、RIPをCPU201のみで実行してもよい。画像処理専用回路204はASIC(Application Spesific Integrate Circuit)で構成されている。無論、画像処理専用回路204は再構成可能なハードウエア(例えばPLD(Programmable Logic Device))で実装されてもよい。このようにして、CPU201及び画像処理専用回路204において変換されたイメージデータはMFP100へ送信される。
【0185】
本実施例において、イメージデータの作成はMFP Controller200で実行される。しかしながら、イメージデータの作成はPC300やMFP100で実行されてもよい。
【0186】
以上が本例でのMFP Controllerのハードウエア構成に対する説明である。
【0187】
(各画像形成システムにおける制御処理について)
本実施例において、画像形成システムはMFP、MFP Controller、PC等の複数の装置から構成される。実施例1及び実施例2において、MFP100のCPU101がフローチャートに従い画像形成装置の制御を行った。つまり、図16の(a)のように画像形成システムがMFP100単体で構成される場合、制御処理はMFP100内部のCPU101において実行された。しかし、図16の(b)のように画像形成システムがMFP100、MFP Controller200、PC300で構成される場合、制御処理はMFP100のCPU101が実行する必要がない。例えば、MFP Controller200のCPU201が制御処理を実行することによって、ユーザが高くしたい領域の光沢を高くすることができる。また、図16の(c)のように画像形成システムがMFP100、PC300で構成されるとする。このとき、例えば、PC300のCPU301が制御処理を実行することによって、ユーザが高くしたい領域の光沢を高くすることができる。
【0188】
(システム化された装置における制御処理の分担実行について)
前項で説明したように、複数の装置から成るシステムにおいて、MFP100のCPU101が制御処理を実行する必要がない。また、必ずしも同一装置のCPUが実行する必要もない。つまり、複数の装置内部に存在する複数のCPUが制御処理を分担して実行しても良い。つまり、実施例1及び実施例2でしめした特徴的な処理である図9、図14、図15に示すフローチャートの各ステップは処理を分担して実行してもよい。
【0189】
例えば、画像形成システムは図16の(c)であるとする。このとき、光沢を高くしたい領域の取得はPC300のCPU301が行い、画像を形成するシートの光沢に対応する情報の取得はMFP100のCPU101が行っても良い。このように、特徴的な処理は一つの情報処理装置によって実行されても、複数の情報処理装置からなる情報処理システムによって実行されても良い。
【0190】
また、この特徴的な処理を実行させるためのプログラムは情報処理システム若しくは情報処理装置に対して遠隔から供給されてもよい。また、情報処理システムに含まれる情報処理装置が情報処理システムの外部の情報処理装置に保存されているプログラムコードを読み出して実行してもよい。
【0191】
つまり、情報処理装置にインストールされるプログラム自体も前述の処理を実現させるものである。なお、プログラムによって情報処理装置が前述の処理を実行する限りにおいて、プログラムの形態を限定しない。
【0192】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RWなどがある。また、記録媒体としては、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などもある。
【0193】
また、MFP100においては、プログラムはEthernet(登録商標) I/F114を介してネットワークからダウンロードしてもよい。また、MFP Controller200及びPC300においては、プログラムはブラウザを用いてインターネットのホームページからダウンロードしてもよい。すなわち、該ホームページからプログラムそのもの、若しくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードしてもよいのである。また、前述の処理を実行するためのプログラムを構成するプログラムを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、プログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバは構成要件となる可能性がある。
【0194】
また、プログラムファイルを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布してもよい。この場合、所定条件をクリアしたユーザにのみ、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報で暗号化されたプログラムを復号して実行し、プログラムを情報処理装置にインストールしてもよい。
【0195】
なお、そのプログラムの指示に基づき、情報処理装置上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部又は全部を行ってもよい。
【0196】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、情報処理装置に挿入された機能拡張ボードや情報処理装置に接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれてもよい。そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0197】
【図1】本発明の実施例に係るMFPの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例に係るMFPを示す概略図である。
【図3】低光沢紙のトナーの載り量と光沢度の変化の関係を表す図である。
【図4】高光沢紙のトナーの載り量と光沢度の変化の関係を表す図である。
【図5】本発明の実施例に係る画像形成装置を制御する手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施例に係るMFPのディスプレイに表示される画面を示す図である。
【図7】本発明の実施例に係るMFPのディスプレイに表示される画面を示す図である。
【図8】本発明の実施例に係るMFPのディスプレイに表示される画面を示す図である。
【図9】本発明の実施例に係るMFPのディスプレイに表示される画面を示す図である。
【図10】本発明の実施例に係る画像処理装置によって処理される画像及び出力される印刷物を説明するための概念図である。
【図11】本発明の実施例に係る画像処理装置によって処理される画像及び出力される印刷物を説明するための概念図である。
【図12】有色画像データの濃度分布を説明するためのイメージ図及びデータ構造を示すための行列を表す図である。
【図13】有色画像データの濃度分布を光沢度分布に変換したデータ構造を示すための行列を表す図である。
【図14】本発明の実施例に係る画像形成装置を制御する手順を示すフローチャートである。
【図15】本発明の実施例に係る画像形成装置を制御する手順を示すフローチャートである。
【図16】本発明の実施例に係る画像形成システムの構成の一例を示す図である。
【図17】本発明の実施例に係るMFPを示す概略図である
【図18】本発明の実施例に係る光沢度センサの説明図である。
【図19】本発明の実施例に係るMFP Controllerの概略構成を示すブロック図である。
【図20】本発明の実施例に係るPCの概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0198】
1 感光体ドラム
2 帯電器
3 レーザ露光器
4 現像器
5 クリーナ
6 一次転写ローラ
7 中間転写ベルト
7a 従動ローラ
7b 二次転写対向ローラ
7c 駆動ローラ
7d ベルトクリーナ
8 レジストローラ対
9 二次転写ローラ
10 定着器
10a 定着ローラ
10b 加圧ローラ
11 ピックアップローラ
12 搬送ローラ対
13 カセット
14 手差しトレイ
15 光沢度センサ
100 PC
101 CPU
【技術分野】
【0001】
本発明は、有色画像と透明画像をシートに形成する画像形成システムを制御する制御装置、情報処理装置又は情報処理システムを制御装置として機能させるプログラム、プログラムを記録した記録媒体、及び画像形成システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近の印刷市場では、指定された領域の光沢を高くすることによって、印刷物を高品位化することが求められている。つまり、指定された領域の光沢をその他の領域の光沢よりも高くすることが要望されている。
【0003】
この要望に応えるために、例えば、特許文献1に記載の画像形成装置においては、透明トナーを用いることで対処している。特許文献1に記載の画像形成装置は光沢を高くしたい領域に透明トナーを形成している。具体的には、画像形成装置は有色トナー(例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色のトナー)と透明トナーをシートに順次して形成し、一括して定着する。これにより、特許文献1に記載の画像形成装置を用いて、指定された領域の光沢を他の領域の光沢よりも高くすることができた。
【0004】
一方、高品位化と同様に、印刷物の生産性も重視されている。生産性を高めるためにはシートの搬送速度を速くすることが考えられる。シートの搬送速度を速くすると、シートが定着器から受ける熱量が少なくなる。シートが受ける熱量が少なくなれば、シートに定着するトナーの量を少なくせざるを得ない。そのため、特許文献1に記載の手法のように、有色トナーと透明トナーを一括してシートに定着する場合、トナーの総量に対して熱量が不足し、定着不良が発生する可能性がある。
【0005】
この問題に対して、特許文献2において、シートの全面を透明トナーで覆うように形成する際に、有色トナーの定着工程と透明トナーの定着工程とを分けることによって熱量の不足を補う構成が開示されている。特許文献2記載の画像形成装置はシートに有色トナーを転写し、定着した後、有色トナーが定着されたシートに透明トナーを転写し、定着する。これにより、一度にシートに定着されるトナーの量を少なくすることができる。このように、定着器がシートに与えることができる熱量が少ないとき、有色トナーの定着工程と透明トナーの定着工程とを分けることが好ましい。なお、他の定着手法を用いる場合においても、シートの搬送速度が速くなるに伴い、一度にシートに定着することができるトナーの量は少なくなる。
【特許文献1】特開平4−338984号
【特許文献2】特開2008−139589号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、有色トナーの定着工程と透明トナーの定着工程を分ける特許文献2に記載の手法を用いて、特許文献1に記載の手法のように透明トナーを部分的に形成した場合、指定された領域の光沢を高くすることができないことがあった。つまり、有色トナーが定着されたシートに対して、光沢を高くしたい指定された領域に透明トナーを形成し、定着すると、透明トナーが形成された領域の光沢が低くなる場合があった。詳しくは、写真画像のような高濃度画像をシートに定着した後、光沢を高くしたい指定された領域に透明トナーを形成し、定着した時、透明トナーが定着された領域の光沢が低くなることがわかった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、有色画像の濃度が高い場合においても、ユーザが光沢を高くしたい領域の光沢を高くすることができる制御装置、プログラム、記録媒体及び画像形成システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、シートに有色画像を形成する有色画像形成手段と、シートに透明画像を形成する透明画像形成手段と、シートに形成された有色画像を定着する第一の定着手段と、シートに形成された透明画像を定着する第二の定着手段と、を有する画像形成システムを制御する制御装置であって、シートに形成すべき有色画像に対応する有色画像データを取得する画像データ取得手段と、シートに形成される有色画像の光沢を部分的にかつ相対的に高くすべき領域を示す情報を取得する領域取得手段と、前記有色画像データに基づきシートに形成すべき有色画像の濃度が所定の閾値以上であるとき、前記有色画像データに基づきシートに有色画像を形成させるように前記有色画像形成手段を動作させ、シートに形成された有色画像を定着させるように前記第一の定着手段を動作させた後、前記第一の定着手段によってシートに定着された有色画像を覆うように前記領域取得手段によって取得された領域を除く画像形成可能な領域に選択的に透明画像を形成させるように前記透明画像形成手段を操作し、シートに形成された透明画像を定着させるように前記第二の定着手段を動作させる制御手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
有色画像の濃度が高い場合においても、ユーザが光沢を高くしたい領域の光沢を高くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
実施例において、光沢の程度を表す光沢度は日本電色工業株式会社製ハンディ型光沢計PG−1Mを用いて計測した。測定モードはJIS Z 8741 鏡面光沢度−測定方法に準拠した60度光沢測定モードである。以下に実施例を示す。
【実施例1】
【0011】
以下に実施例1について説明する。本実施例において画像形成装置としてのMFP(Multi Function Peripheral)を用いてシートに画像を形成する。以下、画像処理システムとは、画像形成部としてのプリンタ部(図3の115)で印刷に用いる画像データを生成する情報処理システムを指す。また、画像形成システムとは、プリンタ部115を有する画像処理システムのことを指す。また、情報処理回路としてのCPU(Central Prosessing Unit)を有し、プログラムに応じて動作する装置を情報処理装置と呼ぶ。また、情報処理装置がプログラムに応じて画像を処理した場合、その情報処理装置を画像処理装置と呼ぶ。
【0012】
(MFPのハードウエア構成について)
以下に、画像形成装置の一例であるMFPのハードウエア構成について述べる。MFP100はコントローラ部、スキャナ部、プリンタ部から構成されている。また、本実施例において、補助装置として透明画像形成装置を備える。以下に各部について詳しく説明する。
【0013】
(コントローラ部)
図1はMFP100のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【0014】
CPU101(Central Prossessing Unit)、RAM102(Random Access Memory)、ROM103(Read Only Memory)、はバス105に接続されている。同様に、HDD104(Hard Disk Drive)、画像処理専用回路106、ネットワークコントローラ107、プリンタコントローラ108、スキャナコントローラ109、I/Oコントローラ110はバス105に接続されている。バス105に接続されている各種ユニットはバスを介して相互に通信することができる。
【0015】
このような構成において、CPU101はバス105を介して、HDD104、ネットワークコントローラ107、プリンタコントローラ108、スキャナコントローラ109、I/Oコントローラ110に対して制御命令等を送信する。また、CPU101はバス105を介して、HDD104、ネットワークコントローラ107、プリンタコントローラ108、スキャナコントローラ109、I/Oコントローラ110からの状態を示す信号又は画像データ等のデータを受信する。このようにしてCPU101はMFP100を構成する各種ユニットを制御することができる。詳しく各ユニットの動作について以下に記述する。
【0016】
CPU101及び画像処理専用回路106は例えばROM103に保存されているプログラムをCPU101及び画像処理専用回路106内部にあるレジストリと呼ばれる1次メモリに展開して実行する。RAM102はCPU101又は画像処理専用回路106がプログラムを実行する際に必要となる2次メモリーとして共用利用される。ROM103と比較して記録容量の大きいHDD104は主にMFP100の内部で保持される画像データの保存に利用される。ネットワークコントローラ107は外部の機器と通信するための処理回路である。ネットワークコントローラ107はCPU101から送信される信号を変調して各種規格に準じた信号に変換する。本実施例において、ネットワークコントローラ107はIEEE803.2規格に準じた多値の信号に変換し、Ethernet(登録商標)I/F114を介してネットワークに送信する。また、ネットワークコントローラ107はEthernet(登録商標)I/F114を介してネットワークから受信した多値の信号を復調し、CPU101に送信する。これにより、MFP100はネットワークを介してMFP Controller200又はPC300と通信してもよい。同様に、ネットワークコントローラ107はCPU101から送信される信号をARCNET(Attached Resource Computer NETwork)規格に準じた信号に変換し補助装置I/F113を介して補助装置118に送信する。また、ネットワークコントローラ107は補助装置118から受信した信号を復調し、CPU101に送信する。なお、本実施例において、補助装置はシートに透明トナーを形成することにより透明画像を形成する透明トナー形成手段としての透明画像形成ステーションT及び定着手段としての定着器を備えた透明単色プリンタを用いる。なお、その他の補助装置の例として、後処理装置としてのフィニッシャー、補助給紙装置はペーパーデッキなどが補助装置として挙げられる。本実施例における補助装置は透明画像形成装置としての透明単色プリンタを用い、透明単色プリンタはARCNETを介して送信される画像データをもとに透明画像をシートに形成するものとする。
【0017】
CPU101がプリンタコントローラ108を介して画像形成部としてのプリンタ部115へ送信する画像データはイメージデータである。そのため、PC300からMFP100に対してPDL(Page Discription Language)が入力されたとき、CPU101及び画像処理専用回路106はRIP(Raster Image Prossessing)を分担して実行する。なお、PDLとは、MFP100に出力すべき画像イメージを指示するためのプログラミング言語ある。PDLの利点はプリンタの解像度に依存しないベクターデータとして図形を保持できること及び単純な線画の場合にデータ量をイメージデータと比べて少なくすることができることである。逆に、PDLを用いることでPDLをプリンタ部で出力する際に必要となるマップイメージデータに再変換する必要があり、この処理がオーバヘッドとなる。このようなPDLをイメージデータに変換する処理をRIP(Raster Image Processing)と呼ぶ。このようにRIPによってPDLから変換されたイメージデータはプリンタコントローラ108を介してプリンタ部115へ送信される。プリンタ部115は受信したイメージデータに基づき印刷物を出力する。なお、プリンタコントローラ108は外部から入力されたイメージデータを基にプリンタ部115に対してイメージデータに応じたトナー像をシートに定着させることができる。プリンタコントローラ108は外部の装置からネットワークを介して送信されるイメージデータに基づきプリンタ部115を制御する。なお、本実施例のように透明画像形成装置としての透明単色プリンタを補助装置として用いる場合、プリンタコントローラはネットワークコントローラを介して透明画像データを透明画像形成装置に送信するものとする。
【0018】
スキャナコントローラ109はスキャナ部116が備える原稿台下部のイメージセンサの原稿イメージ取り込み動作及びADF(Auto Document Feeder)の動作を制御する。ユーザは原稿のイメージデータをMFP100に取り込ませるときに、原稿台に1枚ずつ原稿をセットする。スキャナコントローラ109は原稿読み取り指示を受け、原稿台下部にあるイメージセンサを走査させ、原稿台にセットされた原稿のイメージデータを取得する。また、ユーザは複数枚の原稿をADFにセットし読み取りを指示することができる。これにより、ADFはセットされた複数枚の原稿から1枚をイメージセンサ部へ送り出す。次に、ADFはイメージセンサ部へ送り出した原稿を除く複数枚の原稿から1枚をイメージセンサ部へ送り出し、ADFにセットされた原稿がなくなるまでこの動作を繰り返す。これにより、ADFにセットされた原稿を自動的に連続して読み取りを行うことができる。これにより、大量の原稿をスキャンする場合に、ユーザが原稿を1枚ずつ原稿台に載せ変える手間を省くことができる。
【0019】
MFP100内のHDD104に画像を保存するボックスモードが選択された場合、スキャナコントローラ109はスキャナ部116で取得されたイメージデータをHDD104に保存する。スキャナ部116で取得されたイメージデータをプリンタ部115で出力するコピーモードが選択された場合、スキャナコントローラ109はスキャナ部116で取得されたイメージデータをプリンタコントローラ108に送信する。これによりプリンタコントローラ108は受信したイメージデータをプリンタ部115に出力させる。
【0020】
I/Oコントローラ110はUSB I/F117を介してPC300若しくはMFP Controller200と通信を行う。また、I/Oコントローラ110は表示手段としてのディスプレイ111と入力手段としての操作パネル112に接続されている。CPU101はユーザが操作パネル112によって入力した情報をI/Oコントローラ110を介して取得することができる。また、I/Oコントローラ110はユーザに選択可能な情報やMFP100の状態を示す情報をディスプレイに表示させる。ディスプレイ111にはMFP100で用いるシートの光沢に関する情報を入力する画面、透明トナーを用いて部分的にかつ相対的に光沢を高くしたい領域を入力する画面等が表示される。
【0021】
以上がコントローラ部に対する説明である。
【0022】
(スキャナ部)
以下に本実施例のスキャナ部に対する説明を行う。スキャナ部116は図2においてプリンタ部115の紙面上方に配置されている。前述の通り、スキャナ部116は原稿画像を読み取るための光電変換素子としてイメージセンサと原稿台及びADF(Auto Document Feeder)から構成される。スキャナ部116はイメージセンサを用いて原稿台若しくはADFにセットされた原稿の画像データを取得する。スキャナ部116で取得された画像データはスキャナコントローラ109に送信される。スキャナコントローラ109はバス105を介して接続された各部へスキャナ部116で取得された画像データを送信することができる。
【0023】
(プリンタ部)
以下に本実施例のプリンタ部に対する説明を図2を用いて行う。図2はMFP100の構造を説明するための概略図である。本実施例のプリンタ部は電子写真方式である。プリンタ部は搬送部、作像部、定着部から成る。以下に搬送部、作像部、定着部の説明を行う。
【0024】
(搬送部)
搬送部はカセット13a及び13b、手差しトレイ14、ピックアップローラ11、搬送ローラ対12、レジストローラ対8から構成される。記録材としてのシートはカセット13a及び13bにセットされる。カセット13a及び13bにセットされたシートの光沢、坪量、種類等はそれぞれ操作パネル112を用いて手動登録することができる。
【0025】
以下に、カセット13aにセットされたシートが二次転写部へ搬送される流れを説明する。
【0026】
カセット13aにセットされたシートはピックアップローラ11によって1枚ずつ送り出される。ピックアップローラ11によって送り出されたシートは搬送ローラ対12によって搬送される。搬送ローラ対12によって搬送されたシートは停止しているレジストローラ対8に突き当たる。このように突き当たったシートは中間転写ベルト7上のトナー像と同期するように回転したレジストローラ対8によって二次転写部に搬送される。
【0027】
(作像部)
作像部は各色の画像形成ステーションと中間転写ベルトユニットから構成される。イエロートナー像を形成する画像形成ステーションYは感光体ドラム1、帯電器2、レーザスキャナ3、現像器4、一次転写ローラ6、及び、ドラムクリーナ5から構成される。他の色についても現像器内のトナーを除き略同一である。また中間転写ベルトユニットは中間転写ベルト7、従動ローラ7a、二次転写対向ローラ7b、及び、駆動ローラ7cから構成される。
【0028】
以下にシートに転写するためのトナー像が中間転写ベルト7に形成される流れに沿って作像部の構成を説明する。イエロートナー像は画像形成手段としての画像形成ステーションYによって形成される。同様にして、マゼンタトナー像は画像形成ステーションM、シアントナー像は画像形成ステーションC、ブラックトナー像は画像形成ステーションBkで形成される。各画像形成ステーション、Y、M、C、Bkは略水平に並設されている。各画像形成ステーションY〜Bkによって形成されたトナー像は中間転写ベルト7にそれぞれ一次転写される。中間転写ベルト7上に一次転写されたトナー像は二次転写部においてシートに二次転写される。
【0029】
各画像形成ステーションY〜Bkの構成は略同一のため、イエロートナー像を形成する画像形成ステーションYを代表して説明する。画像形成ステーションTは感光体ドラム1、帯電ローラ2、レーザスキャナ3、現像器4及びドラムクリーナ5から構成される。像担持体としてのドラム形状の感光体ドラム1は回転自在に装置本体に軸支される。感光体ドラム1の周囲には、帯電手段としての帯電ローラ2、画像露光手段としてのレーザスキャナ3、現像手段としての現像器4が配置されている。
【0030】
感光体ドラム1は帯電ローラ2により表面を一様な電位に帯電される。続いて、イエロートナー像を形成するための画像信号がプリンタコントローラ108からレーザスキャナ3に入力される。レーザスキャナ3は入力された画像信号に応じて、感光体ドラム1の表面にレーザ光を照射する。これにより、感光体ドラム1表面の電荷が中和され、感光体ドラム1の表面に静電潜像が形成される。続いて、感光体ドラム1の表面に形成された静電潜像は現像器4によって透明トナーで現像される。感光体ドラム1上に現像されたイエロートナー像は中間転写ベルト7を挟んで感光体ドラム1の対向位置に配置されている一次転写ローラ6により画像搬送体としての中間転写ベルト7に一次転写される。中間転写ベルト7に転写されなかった感光体ドラム1上の転写残トナーはドラムクリーナ5により回収される。画像形成ステーションYにおいて、上述のようにイエロートナー像が中間転写ベルトに転写される。他の画像形成ステーションM、C、Bkで形成されたトナー像も同様に中間転写ベルト7に一次転写される。
【0031】
中間転写ベルト7は従動ローラ7a、二次転写対向ローラ7b、駆動ローラ7cによって張架されている。従動ローラ7aはテンションローラを兼ねており中間転写ベルト7に張力を付与しながら中間転写ベルトの移動に従い回転をする。二次転写対向ローラ7bは中間転写ベルト7を挟んで二次転写ローラ9に対向して配置されている。また、二次転写対向ローラ7bには、二次転写時に高圧電源(不図示)から二次転写バイアス電圧が印加される。駆動ローラ7cは駆動モータ(不図示)から駆動力を受け回転する。駆動ローラ7cによって張架された中間転写ベルト7は駆動ローラ7cからの駆動力を受けて追動する。
【0032】
このようにして、各画像形成ステーションT〜Bkによって中間転写ベルト7上に形成されたトナー像は二次転写部へ搬送される。中間転写ベルトによって搬送されたトナー像は二次転写部に搬送されたシートに二次転写ローラ9及び二次転写対向ローラ7cに転写バイアスが印加されることによって転写される。二次転写部でシートに転写されなかった中間転写ベルト7上の転写残トナーは二次転写部の下流に設置されたベルトクリーナ7dによって回収される。
【0033】
このようにしてシートにトナー像が転写される。トナー像が転写されたシートは定着部に搬送される。
【0034】
(定着部)
定着部は定着器10から構成される。以下にシートに転写されたトナー像が定着される流れに沿って定着部の構成を説明する。第一の定着手段としての定着器10は定着ローラ10aと加圧ローラ10bから構成されている。定着ローラ10aと加圧ローラ10bは互いに圧接しており、その間に定着ニップが形成される。本実施例において、定着ローラ10a及び加圧ローラ10bの外径は共に80mmである。また、定着ローラ10a及び加圧ローラ10bの回転軸方向の長さは共に350mmである。定着ローラ10aは定着器外壁に回動可能に軸支され、加圧ローラ10bはばね(不図示)によって定着ローラ10aに対して500Nで圧接されている。
【0035】
定着ローラ10aはアルミ製の中空芯金上に弾性層としてのゴム層、トナー離型層としてのフッ素樹脂層が積層された積層体である。また、中空芯金の内部には加熱源としてのハロゲンヒータが設置されている。中空芯金は鉄などの他の材料であってもよい。また、加熱源は例えば電磁誘導加熱を利用したIH方式を用いて代替してもよい。定着ローラ10aは駆動ギア列を介して駆動モータに接続されており、駆動モータから伝達される回転動力によって回転する。加圧ローラ10bは定着ローラ10aと同じく中空芯金にゴム層、フッ素樹脂層を積層した積層体であり、中空芯金の内部にはハロゲンヒータが設置されている。また、加圧ローラ10bは定着ローラ10aに従動して回転する。
【0036】
定着ローラ10aと加圧ローラ10bの表面近傍には、それぞれの温度を検出する検出手段としてのサーミスタが装着されている。それぞれのサーミスタは定着ローラ10a又は加圧ローラ10bの温度を検出することができる。サーミスタから出力された温度検出信号はプリンタコントローラ108に通知される。これにより、プリンタコントローラ108は定着ローラ10a及び加圧ローラ10bの温度を制御することができる。
【0037】
本実施例では、プリンタコントローラ108は定着ローラ10aの表面近傍の温度を155℃、加圧ローラ10bの表面近傍の温度を100℃になるように各々のハロゲンヒータを制御する。
【0038】
このような定着条件のもと、二次転写部でトナー像が転写されたシートは定着ニップを通過する。これにより、シート上に転写されたトナー像はシートに定着される。トナー像が定着されたシートは搬送路を通り機外に排出される。本実施例においては、補助装置として透明画像形成装置を備えている。そのため、定着器10が有色画像を定着したシートは透明画像形成装置へと送られる。
【0039】
本実施例においては、シートは定着器10の定着ニップを通過し終えた直後、約90〜110℃の高温度を保持した状態で定着器10から離間される。無論、シートが離間するときの温度は定着条件、シートの坪量等に影響されることは言うまでも無い。また、本実施形態の定着器10は定着ローラ10aと加圧ローラ10bによるローラ対で構成したものを説明したが、定着側と加圧側の一方若しくは両方がエンドレスベルトによって構成されてもよい。また、定着方法は上に示したもの以外を用いてもよい。
【0040】
以上が、シートにトナー像が形成される流れに沿ったプリンタ部の構成に関する説明である。
【0041】
(透明単色プリンタ)
以下に本実施例における透明画像形成装置としての透明単色プリンタについて説明する。透明単色プリンタは透明画像形成手段としての透明画像形成ステーションTと第二の定着手段としての定着器20を備える。透明画像ステーションTはMFP100のプリンタ部を構成する有色画像形成ステーションYと略同一の構成である。また本実施例において、透明単色プリンタの定着器20はプリンタ部を構成する定着器10と略同一の構成である。また、制御温度及びプロセススピードも定着器10と略同一であるとする。
【0042】
透明画像形成手段としての透明画像形成ステーションTは感光体ドラム1、帯電器2、レーザスキャナ3、現像器4、転写ローラ6、及び、ドラムクリーナ5から構成される。感光体ドラム1は帯電器2によって一様に帯電される。一様に帯電された感光体ドラム1に対して入力された透明画像を形成するようにレーザスキャナ3は感光体ドラム1に対して露光を行う。これにより、感光体ドラム上に静電潜像が形成される。静電潜像が形成された感光体ドラム1に対して、現像器4は感光体ドラム上に透明トナーを転写することによって、透明トナー像を感光体ドラム上に現像する。有色画像が定着されたシートに対して、感光体ドラム上に形成された透明トナー像は転写ローラによってシートに転写される。ドラムクリーナはシートに転写し切れなかった感光体ドラム上に残る、いわゆる転写残トナーを清掃する。このようにして、有色画像が定着されたシートに透明トナー像を転写する。定着された有色画像を覆うように透明トナーが転写されたシートは定着器20まで搬送される。定着器20は搬送されたシートに形成された透明画像をシートに定着する。
【0043】
ここで、透明画像を形成するとき、透明単色プリンタは透明トナーで形成した透明画像をシートに形成し定着する。また、透明画像を形成しないとき、透明単色プリンタはシートを透明画像形成ステーションTへ搬送しないで機外に排出するパスを持つ。
【0044】
(有色トナー及び透明トナーについて)
以下に各画像形成ステーションの現像器に収納されるトナーについて説明する。本実施例において、透明トナー及び有色トナーはポリエステル系の樹脂が使用されている。トナーを製造する方法としては粉砕法、懸濁重合法・界面重合法・分散重合法等の媒体中で直接トナーを製造する方法(重合法)挙げられる。本実施例において、トナーは懸濁重合法を用いて製造されたものを用いた。なお、トナーの成分、製造方法はこれに限定されるものではない。ここで、有色トナーとは透明トナーを除くイエロートナー、シアントナー、マゼンタトナー、ブラックトナーの総称であるとする。
【0045】
有色トナーは主にポリエステル樹脂と顔料から構成される。また、透明トナーは主にポリエステル樹脂から構成される。本実施例において用いた透明トナー及び有色トナーのガラス転移点(Tg)は共に約55℃である。本実施例においては、透明トナーのガラス転移点(Tg)は有色トナーと略同一になるように製造した。そのため同じ定着条件かつ単位面積あたりのトナー量が略同一の場合、シート上に定着された有色トナーと透明トナーの光沢度は略同一の光沢になる。
【0046】
もちろん、トナーのガラス転移点(Tg)はこれに限定するものではない。なお、トナーに用いる樹脂の種類や分子量を変更するとその溶融特性が変わる。以上がMFP100及び透明単色プリンタ118の構成の説明である。
【0047】
(単位面積あたりのトナー量と光沢度との関係)
1回定着器を通してシートにトナーを定着することによって、定着されたトナー部の光沢度が用紙の光沢度よりも低下するシートを高光沢紙と呼ぶ。また、1回定着器を通してシートにトナーを定着することによって、定着されたトナー部の光沢度が用紙の光沢度よりも上昇するシートを低光沢紙と呼ぶ。
【0048】
なお、シートが高光沢紙又は低光沢紙に分類されるかは、トナーの種類、定着条件、プロセススピード等で変わる。
【0049】
本実施例において、プリンタ部において、シートに有色画像を形成し、定着した後、透明単色プリンタ118において、有色画像が形成されたシートに透明トナーを形成し、定着する。
【0050】
以下に、低光沢紙にトナーを形成し、定着したときのトナーの量と光沢度の関係を説明する。続いて、高光沢紙にトナーを形成し、定着したときのトナーの量と光沢度の関係について説明する。
【0051】
(低光沢紙にトナーを定着したときのトナー量と光沢度の関係)
図3はシート表面に定着される単位面積あたりのトナーの量とシートに定着されたトナー像の光沢度の関係を示すグラフである。
【0052】
ここで、図3ではシートとして低光沢紙としてのマットコート紙「ユーライト(商標)坪量157g/m2」を使用した。図3のグラフの縦軸は60°光沢度を表し、横軸はトナーの量を表す。なお、トナー量はトナー1色あたりの単位面積あたりの最大量0.55mg/cm2を100%に換算した値で表記した。
【0053】
マットコート紙に有色トナーを形成し、定着器10によって定着し、定着器20によって再加熱された箇所の光沢度は図3の破線で示した。また、マットコート紙に有色トナーを形成し、定着器10によって定着し、定着された有色トナーを覆うように透明トナーを70%のトナー量(0.39mg/cm2)で形成し、定着器20によって、定着した箇所の光沢度は図3の一点鎖線で示した。
【0054】
例えば、図3の横軸が150%の時、有色トナーは150%のトナー量でシートに形成される。シートに形成されたトナーは定着器10で定着される。ここで、透明トナーが形成されない部分については、定着器20で再加熱されるため、光沢度が51%となる。また、有色トナー覆うように透明トナーが70%のトナー量で形成する部分については、定着器20で透明トナーをシートに定着され、光沢度が29%となる。
【0055】
なお、図3の一点鎖線で示す曲線は、透明トナーが70%のトナー量(0.39mg/cm2)の一定量でシートに形成されている。そのため、破線で示す曲線は横軸(トナー量)0%のとき、シートに有色トナーも透明トナーも形成されていないシートの光沢度(6%)となる。しかし、一点鎖線で示す曲線はシートに透明トナーを70%形成したときの光沢度になる。
【0056】
有色トナーを覆うように透明トナーが形成されない部分(破線)に関しては、有色トナー表面が定着器で熱を2回与えられている。しかしながら、有色トナーを覆うように透明トナーが形成された部分(一点鎖線)に関しては、表層である透明トナーに1回しか熱量が与えられていない。そのため、透明トナーで覆われた部分の光沢度は高くなりにくい傾向がある。
【0057】
なお、図3に示すグラフは次のような条件で得られるものである。プロセス速度は250mm/secである。また、定着器10の定着ローラの制御目標温度は155℃、定着器20の定着ローラ温度は制御目標温度が155℃である。
【0058】
(高光沢紙にトナーを定着したときのトナー量と光沢度の関係)
図4はシート表面に定着される単位面積あたりのトナーの量とシートに定着されたトナー像の光沢度の関係を示すグラフである。
【0059】
ここで、図4ではシートとして高光沢紙としてのグロスコート紙「SA金藤+(商標)坪量157g/m2」を使用した。図4のグラフの縦軸は60°光沢度を表し、横軸はトナーの量を表す。なお、トナー量はトナー1色あたりの単位面積あたりの最大量0.55mg/cm2を100%に換算した値で表記した。
【0060】
グロスコート紙に有色トナーを形成し、定着器10によって定着し、定着器20によって再加熱された箇所の光沢度は図4の破線で示した。また、グロスコート紙に有色トナーを形成し、定着器10によって定着し、定着された有色トナーを覆うように透明トナーを70%のトナー量(0.39mg/cm2)で形成し、定着器20によって、定着した箇所の光沢度は図4の一点鎖線で示した。
【0061】
例えば、図4の横軸が150%の時、有色トナーは150%のトナー量でシートに形成される。シートに形成されたトナーは定着器10で定着される。ここで、透明トナーを形成されない部分については、定着器20で再加熱されるため、光沢度が47%となる。また、有色トナーを覆うように透明トナーを70%のトナー量で形成する部分については、定着器20で透明トナーをシートに定着され、光沢度が22%となる。
【0062】
なお、図4の一点鎖線で示す曲線は、透明トナーが70%のトナー量(0.39mg/cm2)の一定量でシートに形成されている。そのため、横軸(トナー量)0%のとき、破線で示す曲線はシートに有色トナーも透明トナーも形成されていない記録シートの光沢度(47%)である。しかし、一点鎖線で示す曲線はシートに透明トナーを70%形成したときの光沢度になる。
【0063】
有色トナーを覆うように透明トナーが形成されない部分(破線)に関しては、有色トナー表面が定着器で熱を2回与えられている。しかしながら、有色トナーを覆うように透明トナーが形成された部分(一点鎖線)に関しては、表層である透明トナーに1回しか熱量が与えられていない。そのため、透明トナーで覆われた部分の光沢度は高くなりにくい傾向がある。
【0064】
なお、図4に示すグラフは次のような条件で得られるものである。プロセス速度は250mm/secである。また、定着器10の定着ローラの制御目標温度は155℃、定着器20の定着ローラ温度は制御目標温度が155℃である。もちろん、定着器10と定着器20の定着ローラの制御目標温度は同一である場合に限るものではない。また、使用した有色トナー及び透明トナーのガラス転移点温度Tgは55℃である。もちろん、有色トナーと透明トナーのガラス転移点温度Tgは同一の場合に限るものではない。
【0065】
以上が本実施例で用いる画像形成装置としてのMFP及び透明画像形成装置としての透明単色プリンタの概説である。このような装置を用いて、光沢を高くしたい領域に透明トナーを形成するだけでは、光沢を高くすることができない。
【0066】
そのため、本実施例では、ユーザによって指定された光沢を高くしたい領域の光沢を相対的に高くするために、以下に示すフローチャートに従い装置を制御する。
【0067】
なお、前述のトナー量と光沢度の関係を示したグラフは画像を形成するシート、環境条件、画像形成に用いるトナーの種類、プロセススピード等で変化する。そのため、制御に用いるトナー量と光沢度の関係はLUT(Look UP Table)として格納されているものとする。
【0068】
(フローチャートを用いたMFPの動作説明)
図9はMFPを制御する手順を示すフローチャートである。本実施例において、MFP及び透明単色プリンタの制御処理はMFP100のCPU101において実行される。以下にフローチャ−トを用いてROM103に保存されているプログラムに従い、制御手段としてのCPU101が画像形成システムとしてのMFPの各要素に対して所望の動作をさせるように制御する流れを説明する。なお、有色画像をプリンタ部で形成するために用いられる画像データ(以下、有色画像データ)の生成処理の方法は公知の手法を用いるものとする。そのため、有色画像データの画像処理に関する説明は省略する。以下にMFPが制御の際に用いる情報の設定画面を説明したのち、設定された情報に基づき制御装置としてのCPU101が画像形成システムとしてのMFPと透明単色プリンタの動作を制御する例について説明する。
【0069】
(フローチャートで用いる情報の設定)
ユーザが指定した光沢を高くしたい領域の光沢を高くするためには、MFP100は「ユーザが光沢を部分的に高くしたい領域に関する情報」を取得する必要がある。以下に、ユーザが「シートの光沢に関する情報」及び「ユーザが光沢を部分的に高くしたい領域に関する情報」をMFP100に入力する手順をディスプレイ111に表示される画面を用いて説明する。
【0070】
以下、「シートの光沢に関する情報」と「ユーザが光沢を部分的に高くしたい領域に関する情報」を透明印刷設定情報(透明画像を印刷するために設定を要する情報)と呼ぶ。
【0071】
MFP100は透明印刷設定情報を取得するために、図5から図8に示す画面をディスプレイ111に表示する。各画面間の遷移について概説する。
【0072】
(図5に示す画面の説明)
図5はディスプレイ111に表示される画面の一例を示す図である。図5に示す画面がディスプレイに表示されている状態(コピーモード)において、ユーザによってスタートボタン(不図示)を押下されると、MFP100は原稿台にセットされた原稿を複製する。なお、B002が選択されることによってMFP100はボックスモードに切り替わる。ボックスモードにおいて、ユーザはMFP100内部のHDDに保存されているデータをプリント部で出力することができる。ユーザがB001を選択することによって、MFP100はボックスモードからコピーモードに切り替わる。
【0073】
図5において、ユーザはB003の「応用印刷設定」を選択することができる。ユーザが「応用印刷設定」画面において「透明印刷設定」(不図示)を選択したとき、MFP100はディスプレイ111に図6に示す画面を表示する。
【0074】
(図6に示す画面の説明)
図6はMFP100が透明トナーを用いて印刷する際の設定状況を示す画面の一例を示す図である。MFP100はディスプレイ111に図6に示すような画面を表示させる。これにより、MFP100はユーザに透明印刷設定情報の入力を促す。ユーザがディスプレイ111に表示された図6に示す画面のB101を選択すると、MFP100は透明印刷設定情報である「シートの光沢に関する情報」の入力を促す図7に示すような画面をディスプレイ111に表示させる。同様に、ユーザがディスプレイ111に表示された図7に示す画面のB102を選択すると、MFP100は透明印刷設定情報である「ユーザが光沢を部分的に高くしたい領域に関する情報」の入力を促す図8に示すような画面をディスプレイ111に表示する。(本実施例において、ユーザは画像ファイルを用いて光沢を部分的に高くしたい領域を指定する。無論、他の手段を用いて領域を指定してもよい。)
これにより、ユーザは透明印刷設定情報を設定することができる。
【0075】
透明印刷設定情報が設定された状態において、ユーザはB103(OKボタン)を選択することにより、透明印刷設定情報を反映させることができる。ユーザがB103(OKボタン)を選択した場合、MFP100は図5に示す画面をディスプレイ111に表示する。したがって、ユーザはスタートボタンを押し下げすることにより、透明印刷設定に基づく画像形成を行うことができる。
【0076】
また、ユーザはB104(キャンセルボタン)を選択することにより、透明印刷設定情報を破棄させることができる。ユーザがB104(キャンセルボタン)を選択した場合、MFP100は図5に示す画面をディスプレイ111に表示する。
【0077】
(図7に示す画面の説明)
図7はMFP100が「シートの光沢に関する情報」の入力をユーザに促す画面の一例を示す図である。ユーザは印刷に用いるシートがセットされている図2においてのカセット13a、カセット13b又は手差しトレイ14を選択することができる。ユーザがB201を選択すると、ディスプレイ111に「カセット1」、「カセット2」、「手差しトレイ」が選択可能にプルダウンメニューとして提示される(無論、他の選択肢提示方法、例えばポップアップメニュー等を用いてもよい)。ユーザは提示された項目の中から印刷に用いるシートがセットされている項目を選択する。図7に示すように、ユーザは「カセット1」を選択したとする。この時、ディスプレイ111にはユーザが選択することが出来るシートの種類がリストとして提示される。前述の通り、「カセット1」には「王子製紙製 SA近藤+ 坪量157g/m2」が、「カセット2」には「日本製紙製 ユーライト 坪量157g/m2」がセットされている。そのため、ユーザがプルダウンメニューの中から「カセット1」を選択した場合、CPU101はカーソルB202が「王子製紙製 SA近藤+ 坪量 157g/m2」に対応する「A社 グロスコート紙 坪量157g/m2」に合うように制御する。また、選択可能に提示されたプルダウンメニューの中から「カセット2」が選択された場合、CPU101はカーソルB202が「日本製紙製 ユーライト 坪量157/m2」に対応する「B社 マットコート紙 坪量157g/m2」に合うように制御する。例えば、ユーザが「カセット1」に「A社 グロスコート紙 坪量106g/m2」をセットした場合、ユーザは以下の操作を行う。まず、ユーザは「カセット1」を選択する(B201)。その後、ユーザはカーソル(B202)を「A社 グロスコート紙 坪量106g/m2」に合わせるように操作する。このような操作を行うことにより、ユーザはMFP100に対して印刷に用いるシートの種類を指定することができる。MFP100は図7に示すシートの種類を以下に示す表1をRAM102に持っている。そのため、ユーザが「A社 グロスコート紙 坪量106g/m2」を選択したとき、シート情報取得手段としてのCPU101は印刷に用いるシートの光沢度「30%」を取得することができる。また、例えば、ユーザが「B社 マットコート紙 坪量 157g/m2」を選択したとき、シート情報取得手段としてのCPU101は印刷に用いるシートの光沢度「6%」を取得することができる。
【0078】
【表1】
【0079】
しかしながら、「カセット1」にセットしたシートの種類がディスプレイ111に提示されたリストの中に無い場合が考えられる。その場合、ユーザはB203ボタンを選択することによって提示された以外の種類を選択することができる。ユーザはB203を選択することで、例えばネットワーク上に用意されたシートの情報を管理するデータベースにアクセスすることができる。ユーザはデータベースの中から「カセット1」にセットしたシートを選択する。これにより、ユーザはリストに提示されたシート以外を選択することができる。
【0080】
また、ユーザは「カセット1」、「カセット2」、及び、「手差トレイ」にセットしたシートの光沢を手動で入力することができる。図7ではユーザはB204のようなスライダバーを用いてセットしたシートの光沢に関する情報を設定することができる。スライダバーを用いてシートの光沢に関する情報を設定する際、図7に示したようにシートの光沢を多段階(例では10段階で光沢度0〜100%)でシートの光沢に関する情報を指定することができる。もちろん、シートの光沢をユーザが指定する入力手段はスライダバーに限定しない。例えば、MFP100はユーザがセットしたシートの光沢が高い場合に選択すべき「ボタン」を選択可能にディスプレイ111に表示する。ユーザはセットしたシートが高いと判断したときディスプレイに表示された「ボタン」を選択する。このような方法によってシートの光沢に関する情報が設定されても構わない。このように様々な方法によってユーザはMFP100に印刷に用いるシートの光沢に対応する情報を指定することができる。
【0081】
今回の具体例では、図7に示すように、印刷に用いるシートは「カセット1」にセットされた「A社 グロスコート紙 坪量157g/m2」を用いる。ユーザが印刷に使用するシートの設定を反映させたい場合、ユーザはB205(OKボタン)を選択することができる。これにより印刷に用いるシートの設定は終了し、MFP100はディスプレイ111に図6に示す画面を表示する。このようにしてユーザによって設定された情報はRAM102に保存される。このようにRAM102に保存されたシートの光沢に関する情報は後述する図9におけるS104においてCPU101によって取得される。また、ユーザが印刷に使用するシートの設定を反映させたくない場合、ユーザはB206(キャンセルボタン)を選択することができる。これにより、印刷に用いるシートの設定は破棄され、MFP100はディスプレイ111に図6に示す画面を表示する。
【0082】
(図8に示す画面の説明)
図8は「ユーザが光沢を部分的に高くしたい領域に関する情報」の入力をユーザに促す画面の一例を示す図である。図8にはMFP100内部のHDD104内に保存されているファイルがリストとして選択可能に表示される。これにより、ユーザはHDD104内に保存されているファイルの中から光沢を相対的に高くしたい領域を示すファイルを指定することができる。本実施例において、ユーザは「ccc.tif」をカーソルB301で指定したとする。このようにして、ユーザが光沢を高くしたい領域を画像によって指定することができる。ここで、「ccc.tif」は図7のプレビュー表示部に示すような画像である。ここで、図7のプレビュー表示部において★部分をユーザが光沢を高くしたい領域を指すものとする。なお、HDD104内部のファイル以外を用いて光沢を高くしたい領域を指定しても良い。その一例としては、Ethernet(登録商標) I/F114を経由して外部のファイルを指定する方法がある。ユーザはB302を選択することによりHDD104に保存されているファイル以外のファイルを指定することができる。なお、領域を指定する方法はこれに限るものではない。
【0083】
今回の具体例では、図8に示すように、光沢を高くしたい領域の指定はHDD104内部に保存されている「ccc.tif」によって指定する。ユーザが前述の設定を反映させたい場合、ユーザはB303(OKボタン)を選択することができる。これにより設定は反映され、MFP100はディスプレイ111に図6に示す画面を表示する。このようにしてユーザによって設定された情報はRAM102に保存されるものとする。このようにRAM102に保存された光沢を高くしたい領域を指定するための情報は後述する図9におけるS101においてCPU101によって取得される。また、ユーザが設定を反映させたくない場合、ユーザはB304(キャンセルボタン)を選択することができる。これにより、設定は破棄され、MFP100はディスプレイ111に図6に示す画面を表示する。
【0084】
以上のように各種情報が設定されるものとする。なお、他の手段によってこれらの透明印刷設定情報を取得してもよい。例えば、シートの光沢度に関する情報は、MFP内部に光沢度センサを設けることによって取得しても良い。また、光沢を高くしたい領域をスキャナ116から取得してもよいし、ユーザがデジタイザを用いて指定した領域を取得してもよい。
【0085】
次に、透明印刷設定情報を基にMFPがどのように動作するかを以下に示すフローチャートを用いて説明する。
【0086】
(フローチャ−トを用いたMFPの動作説明)
図9はMFPと透明単色プリンタの動作を示すフローチャートである。CPU101はROM103に保存されたプログラムに従いMFP100を制御する。
【0087】
S101はユーザによって指定された光沢を高くしたい領域を示す情報を取得するステップである。領域取得手段としてのCPU101はユーザによって指定された光沢を高くしたいと希望する領域を示す情報を取得する。CPU101は取得した領域をRAM102に保持する。
【0088】
S102はユーザによって指定された有色画像を示す情報を取得するステップである。画像データ取得手段としてのCPU101はユーザによって指定された有色画像を示す情報を取得する。CPU101は取得した有色画像を示す情報をRAM102に保存する。
【0089】
S103はS102で取得した有色画像を示す情報に基づき生成する透明トナー用の画像を決定するステップである。CPU101はS102で取得した有色画像を示す情報のうち最大の濃度を示す値を取得し、最大の濃度を示す値と所定の閾値とを比較する。シートに形成すべき有色画像の濃度の最大値が所定の閾値としての60%濃度以上の場合、CPU101はS106の処理を実行する。また、シートに形成すべき有色画像の濃度の最大値が所定の閾値としての60%濃度未満の場合、CPU101はS104の処理を行う。なお、所定の閾値はシートの種類や使用するトナーの性質、プロセススピードに応じて変化するため、それらに応じて閾値を変更しても良い。
【0090】
S104はシートの情報を取得するステップである。シート情報取得手段としてのCPU101は画像が形成されるシートの光沢に対応する情報としての光沢度を取得する。CPU101は取得した光沢度をRAM102に保持する。
【0091】
S105はS104において取得したシートの光沢度に基づき生成する透明トナーを用いて画像を形成するための画像データ(以下、透明画像データ)を決定するためのステップである。CPU101はS104で取得したシートの光沢度が所定の閾値以上(なお、光沢度に関する閾値は光沢度20%)であるときS106の処理を実行する。また、CPU101はS104で取得したシートの光沢度が所定の閾値未満であるときS107の処理を実行する。本実施例において、所定の閾値とは高光沢紙と低光沢紙を分ける境界値としての光沢度20%を用いる。なお、所定の閾値を「光沢度」という尺度に限定するものではなく、これに類する尺度を代替として用いてもよい。
【0092】
S106において、画像データ生成手段としてのCPU101は透明画像データの生成処理を実行する。画像データ生成手段としてのCPU101はS101において取得した領域を除く画像形成可能な領域に透明画像を形成させるデータを生成する。
【0093】
ここで、「画像形成可能な領域」について説明を付す。現在、製品化されているプリンタの中には、いわゆる「フチあり印刷」モードといわゆる「フチなし印刷」モードを有したプリンタがある。ここで「フチ」とはプリンタがシートの端部から数mmの幅で画像の形成をしない部分を指す。つまり、シートに対して、全面にトナーを付加するようにプリンタに指示したとき、出力された紙の画像が形成されないの部分が「フチ」である。「フチあり印刷」モードの場合、画像形成可能な領域とはシートの「フチ」を除く領域のことを指す。「フチなし印刷」モードの場合、画像形成可能な領域とはシートの全面を指す。なお、「フチ」の幅は変更可能であることは言うまでも無い。
【0094】
S107において、画像データ生成手段としてのCPU101は透明画像データの生成処理を実行する。画像データ生成手段としてのCPU101はS103において取得した領域に透明画像を形成させるデータを生成する。
【0095】
制御手段としてのCPU101はS106又はS107において生成された透明画像を形成させるための透明画像データを透明画像形成手段としての透明単色プリンタに送信する。
【0096】
MFPの有色トナーによってシートに有色画像を形成するプリンタ部は有色画像データを受信する。シートに有色トナー像を形成する有色画像形成手段としての各画像形成ステーションは受信した画像データに基づき有色トナーをシートに形成する。その後シートは定着器10により定着される。
【0097】
また、透明単色プリンタは受信した透明画像データを透明画像形成手段としての透明画像形成ステーションTに送信する。透明画像形成ステーションTは受信した透明画像データに基づき、定着された有色画像を覆うように透明画像を形成する。なお、透明単色プリンタが受信する透明画像データはS106若しくはS107のいずれかにおいて生成された透明画像データである。その後、透明画像形成ステーションTによってシートに形成された透明トナーは定着器20によってシートに定着される。これにより、ユーザが指定した光沢を高くしたい領域の光沢が高い印刷物を得ることができる。
【0098】
以上のように、シートに形成される有色画像の濃度を取得することによって、有色画像の濃度が濃い場合においても、指定された領域の光沢を相対的に高くすることができる。
【0099】
なお、MFPと透明単色プリンタの制御順序は図9の順序に限るものではない。例えば、図11に示すフローチャートに従い制御してもよい。
【0100】
図11はMFPと透明単色プリンタの動作を示すフローチャートである。図11において、CPU101は有色画像データを取得する前に、シートの情報を取得する。これにより、画像を形成するシートが高光沢紙である場合、有色画像の濃度を判定するまでもなく、ユーザが指定した部分の光沢を高くするための透明画像データを生成することができる。このように、制御順序は指定した領域の光沢を相対的に高くできる限りにおいて変更可能である。
【0101】
以上がフローチャートを用いた装置の動作に関する説明である。続いて、上述のフローに従いMFP及び透明単色プリンタを制御した場合に出力される印刷物について説明する。
【0102】
(画像を形成するシートと有色画像の濃度に応じた出力物の説明)
図10は装置によって出力される印刷物を説明するための模式図である。ここで、ユーザが光沢を高くしたい領域を「マーク部」と呼び、ユーザが光沢を高くしたい領域を除く領域を「背景部」と呼ぶ。
【0103】
有色画像は20%のトナー量でシート全面に均一に形成され、画像を形成するシートの光沢度が50%(高光沢紙)、光沢を高くしたい領域が「aaa.tif」であるとする。その場合、図10の(a)に示すような印刷物が出力される。ここで、透明トナーは有色画像を覆うように70%で均一に形成される。
【0104】
また、有色画像は100%のトナー量でシート全面に均一に形成され、画像を形成するシートの光沢度が50%(高光沢紙)、光沢を高くしたい領域が「aaa.tif」であるとする。その場合、図10の(b)に示すような印刷物が出力される。
【0105】
また、有色画像は20%のトナー量でシート全面に均一に形成され、画像を形成するシートの光沢度が6%(低光沢紙)、光沢を高くしたい領域が「aaa.tif」であるとする。その場合、図10の(c)に示すような印刷物が出力される。ここで、透明トナーは有色画像を覆うように70%で均一に形成される。
【0106】
また、有色画像は100%のトナー量でシート全面に均一に形成され、画像を形成するシートの光沢が6%(低光沢紙)光沢を高くしたい領域が「aaa.tif」であるとする。その場合、図10の(d)にしますような印刷物が出力される。ここで、透明トナーは有色画像を覆うように70%で均一に形成される。なお、説明を簡単にするために、単位面積あたりの有色トナーの量及び透明トナーの量を均一にしたが、これに限るわけではない。
【0107】
以下に表を用いて各場合における印刷物について詳述する。
【0108】
(画像を形成するシートがグロスコート紙の場合)
【0109】
【表2】
【0110】
表2は図10の(a)に示す印刷物のマーク部(★部)及び背景部の光沢度を示した表である。
【0111】
ここでグロスコート紙に有色トナーが20%濃度で形成されたマーク部の光沢度は40%、トナーが合計90%のトナー量で形成された背景部の光沢度は24%となる(図4に示す関係より)。
【0112】
そのため、マーク部の光沢度40%は背景部の光沢度24%よりも高くなる。これにより、高光沢紙としてのグロスコート紙において、マーク部の光沢を背景部の光沢よりも相対的に高くすることができる。
【0113】
【表3】
【0114】
表3は図10の(b)に示す印刷物のマーク部(★部)及び背景部の光沢度を示した表である。
【0115】
ここでグロスコート紙に有色トナーが100%濃度で形成されたマーク部の光沢度は41%、トナーが合計170%のトナー量で形成された背景部の光沢度は23%となる(図4に示す関係より)。
【0116】
そのため、マーク部の光沢度41%は背景部の光沢度23%よりも高くなる。これにより、高光沢紙としてのグロスコート紙において、マーク部の光沢を背景部の光沢よりも相対的に高くすることができる。
【0117】
(画像を形成するシートがマットコート紙の場合)
【0118】
【表4】
【0119】
表4は図10の(c)に示す印刷物のマーク部(★部)及び背景部の光沢度を示した表である。
【0120】
ここでマットコート紙にトナーが90%のトナー量で形成されたマーク部の光沢度は36%、20%のトナー量で形成された背景部の光沢度は8%となる(図3に示す関係より)。
【0121】
そのため、マーク部の光沢度36%は背景部の光沢度8%よりも高くなる。これにより、低光沢紙としてのマットコート紙において、マーク部の光沢を背景部の光沢よりも相対的に高くすることができる。
【0122】
【表5】
【0123】
表5は図10の(d)に示す印刷物のマーク部(★部)及び背景部の光沢度を示した表である。
【0124】
ここでマットコート紙にトナーが100%のトナー量で形成されたマーク部の光沢度は47%、170%のトナー量で形成された背景部の光沢度は30%となる(図3に示す関係より)。
【0125】
そのため、マーク部の光沢度47%は背景部の光沢度30%よりも高くなる。これにより、低光沢紙としてのマットコート紙において、マーク部の光沢を背景部の光沢よりも相対的に高くすることができる。
【0126】
以上に示したように、有色画像の濃度が濃い場合においてもユーザが光沢を高くしたい領域の光沢を高くすることができる。さらに、有色画像の濃度が低い場合においても、有色画像を形成するシートの情報に応じて、透明トナーを形成する領域を変更することによって、ユーザが光沢を高くしたい領域の光沢を高くすることができる。
【実施例2】
【0127】
実施例1において、有色画像はシート全面に一定のトナー量で均一に形成される例を挙げて説明した。本実施例では、図12に示すような濃度分布をもった有色画像をシートに形成する例を用いて説明する。
【0128】
なお、第一の実施例と同様な部分に関しては、同一符号を付すことで説明を省略する。
【0129】
(濃度が不均一な有色画像の濃度分布及び光沢度分布)
図12は有色画像データの濃度分布を示した図である。詳しくは、図12の(a)はデータと濃度を示すイメージとして表した図である。また、図12の(b)はデータを数値として示したデータ構造を行列によって表現した模式図である。ここで、図12の(a)のイメージ図において全体を指す領域を領域Aとする。また、図12の(a)のイメージ図において、光沢を高くしたい領域を領域Bとする。また、図12の(a)のイメージ図において、光沢を高くしたい領域を除く領域を領域Cとする。
【0130】
有色画像の濃度分布が図12に示すような分布を持つとき、CPU101は透明トナーを形成する領域を決定する。
【0131】
CPU101は透明トナーを形成する領域を決定するために、有色画像の濃度分布を光沢度分布に変換する。光沢度は図3及び図4で示したトナー量と光沢度の関係に基づき変換される。シートに形成されるトナー量に基づき光沢度を算出する際、CPU101はLUTを用いて光沢度を算出する。なお、図3及び図4に示すデータから多項式近似によって得られた曲線を表す多項式を利用して、光沢度を算出してもよい。
【0132】
CPU101は有色画像データの濃度分布に対応するデータに基づき、領域Bに選択的に透明トナーを形成した時の光沢度分布に対応するデータを算出する。また、同様にCPU101は有色画像データの濃度分布に対応するデータに基づき、領域Cに選択的に透明トナーを形成した時の光沢度分布に対応するデータを算出する。
【0133】
図13の(a)は領域Cに透明トナーを70%濃度で形成したときの光沢度分布を示した図である。同様に図13の(b)は領域Bに透明トナーを70%濃度で形成した時の光沢度分布を示した図である。CPU101は図12(b)で行列を用いて示した有色画像濃度を示す各要素を光沢度に変換する。このようにして、CPU101は領域Bに透明トナーを形成した時の光沢度分布を示すデータと領域Cに透明トナーを形成した時の光沢度分布を示すデータを得ることができる。
【0134】
以下、図12に示す有色画像の濃度分布を基に、CPU101が領域B若しくは領域Cのいずれか一方に選択的に透明トナーを形成する。以下に、フローチャートを用いて透明トナーを形成する領域を決定する動作について説明する。
【0135】
(フローチャートを用いたMFPの動作説明)
ここで、有色画像の濃度分布が図12に示す場合における、MPFの動作について図14及び図15に示すフローチャートを用いて説明する。
【0136】
図14はMFPの動作を説明するためのフローチャートである。また、図15は図14のS209で示した定義済み処理を説明するためのフローチャートである。CPU101はROM103に保存されたプログラムに従いMFP100を図14のフローチャートに従い動作するように制御する。
【0137】
本実施例においても、実施例1と同様にシートに関する情報、及び有色画像データ、光沢を高くしたい領域を示す情報は事前に設定されているものとする。S201はシートの情報を取得するステップである。シート情報取得手段としてのCPU101は画像が形成されるシートの光沢に対応する情報としての光沢度を取得する。CPU101は取得した光沢度をRAM102に保持する。
【0138】
S202はユーザによって指定された有色画像を示す情報を取得するステップである。画像データ取得手段としてのCPU101はユーザによって指定された有色画像を示す情報を取得する。CPU101は取得した有色画像を示す情報をRAM102に保存する。
【0139】
S203はユーザによって指定された光沢を高くしたい領域を示す情報を取得するステップである。領域取得手段としてのCPU101はユーザによって指定された光沢を高くしたいと希望する領域を示す情報を取得する。CPU101は取得した領域をRAM102に保持する。
【0140】
S204はS201において取得したシートの光沢度に基づき生成する透明トナーを用いて画像を形成するための画像データ(以下、透明画像データ)を決定するステップである。CPU101はS201で取得したシートの光沢度が所定の閾値としての光沢度20%以上であるときS207の処理を実行する。また、CPU101はS201で取得したシートの光沢度が所定の閾値としての光沢度20%未満であるときS205の処理を実行する。所定の閾値とは前述の条件の下では高光沢紙と低光沢紙を分ける境界値としての光沢度20%を用いるものとする。なお、所定の閾値を「光沢度」という尺度に限定するものではなく、これに類する尺度を代替として用いてもよい。
【0141】
S205はS202で取得した有色画像を示す情報に基づき生成する透明トナー用の画像を決定するステップである。CPU101はS202で取得した有色画像を示す情報(すべての画素に対応する値)のうち最小の濃度を示す値を取得し、最小の濃度を示す値と所定の閾値とを比較する。最小の濃度を示す値が所定の閾値以上(所定の閾値とは60%)の場合、CPU101はS207の処理を実行する。また、最小の濃度を示す値が所定の閾値未満(閾値は60%)の場合、CPU101はS206の処理を行う。なお、所定の閾値はシートの種類や使用するトナーの性質、プロセススピードに応じて変化するため、それらに応じて閾値を変更しても良い。
【0142】
S206はS202で取得した有色画像を示す情報に基づき生成する透明トナー用の画像を決定するステップである。CPU101はS202で取得した有色画像を示す情報(すべての画素に対応する値)のうち最大の濃度を示す値を取得し、最大の濃度を示す値と所定の閾値とを比較する。最大の濃度を示す値が所定の閾値としての60%未満の場合、CPU101はS208の処理を実行する。また、最大の濃度を示す値が所定の閾値としての60%以上の場合、CPU101はS209の処理を行う。
【0143】
S207において、画像データ生成手段としてのCPU101は透明画像データの生成処理を実行する。CPU101はS103において取得した領域を除く画像形成可能な領域に選択的に透明トナーを形成させるような透明画像データを生成する。生成された透明画像データはプリンタ部115に送信される。
【0144】
S208において、画像データ生成手段としてのCPU101は透明画像データの生成処理を実行する。CPU101はS103において取得した領域に透明トナーを形成させるような透明画像データを生成する。このステップで生成された透明画像データをプリンタ部に対して送信することにより、プリンタ部はS103で取得された領域を除く画像形成可能な領域に選択的に透明トナーを形成し定着したシートを出力する。これにより、シートが高光沢紙の場合においてもユーザが指定した領域の光沢が高い出力物を提供することができる。
【0145】
S209は定義済みの処理を実行するステップである。S209の処理については、図15に示すフローチャートを用いて説明する。S209は透明トナーを領域B(S203で取得した領域)又は領域C(S203で取得した領域を除く領域)のいずれかに透明トナーを選択的に形成するかを決定するためのステップである。
【0146】
上述のように、S207からS209において、決定された透明画像データをCPU101はプリンタ部へ送信する。
【0147】
プリンタ部は受信した画像データに基づき有色トナーをシートに形成する。その後シートは定着器10により定着される。
【0148】
また、透明単色プリンタは受信した透明画像データを透明画像形成ステーションTに送信する。透明画像形成ステーションTは受信した透明画像データに基づき、定着された有色画像を覆うように透明画像を形成する。なお、透明画像形成ステーションTが受信する透明画像データはS207、S208、後述する図15のS305、S306のいずれかにおいて生成された透明画像データである。その後、シートに形成された透明トナーは定着器20によってシートに定着される。これにより、ユーザが指定した光沢を高くしたい領域の光沢が高い印刷物を得ることができる。
【0149】
(定義済み処理について)
図14に示した定義済み処理を図15に示すフローチャートを用いて説明する。図15は図14のS209に示した定義済みの動作を説明するためのフローチャートである。以下に各ステップについて説明する。
【0150】
S301は有色画像データから光沢度に変換するためのステップである。CPU101はS202で取得された有色画像データを、透明トナーが定着された場合、及び、透明トナーが定着されなかった場合、について各画素の濃度を光沢度に変換する。この際、CPU101はROM102に保存されたLUTを用いる。
【0151】
S302は光沢を高くしたい領域(図12における領域B)に対応する各画素の濃度データを光沢度に変換したものを評価するためのステップである。
【0152】
人は境界を認識することによって図形を認識している。そのため、光沢差によって図形を人に認識させるためには、図形の境界を境界部分の光沢差が大きくなるように調整するのが好ましい。
【0153】
つまり、透明トナーを形成する領域を決定する際、境界近傍のデータが重要になる。そこで本実施例において、境界近傍のデータを重視するために、評価値は境界領域近傍の重みが大きい加重平均法を用いる。これにより、境界近傍の光沢度に対応するデータを重視した評価値を算出することによって、人の目に認識しやすい光沢差を実現する。なお、評価値の算定手法は平均等の他の算出手法を用いてもよい。評価値とは透明画像データを生成する際に用いる数値である。この実施例においては、評価値の単位は光沢度となる。
【0154】
CPU101は光沢を高くしたい領域のうち、境界近傍の光沢度に関するデータを取得して加重平均法を用いて評価値を算出する。CPU101は透明トナーを領域Bに塗布する際の評価値B1を算出し、RAMに格納する。同様に、CPU101は領域Bに透明トナーを塗布しない際の評価値B2を算出し、RAMに格納する。
【0155】
S303は光沢を高くしたい領域を除く領域(図12における領域C)に対応する各画素の濃度データを光沢度データに変換したものを評価するためのステップである。
【0156】
CPU101は光沢を高くしたい領域を除く領域(図12における領域C)のうち、境界近傍の光沢度に関するデータ加重平均法を用いて評価値を算出する。CPU101は透明トナーを領域Cに塗布する際の評価値C1を算出し、RAMに格納する。同様に、CPU101は透明トナーを領域Cに塗布しない際の評価値C2を算出し、RAMに格納する。
【0157】
S304はS302及びS303において算出した評価値を用いて、光沢を高くしたい領域(図12における領域B)の光沢を高くする透明画像データを決定するためのステップである。
【0158】
CPU101はS302で算定した評価値B1及びB2とS303で算定した評価値C1及びC2をRAMから取得する。次に、CPU101は「C1−B2」と「C2−B1」の大小関係を比較する。
【0159】
CPU101は「C2−B1」が「C1−B2」よりも大きいときS305の処理を実行する。また、CPU101は「C1−B2」が「C2−B1」よりも大きいときS306の処理を実行する。
【0160】
S305では画像データ生成手段としてのCPU101は透明画像データの生成処理を実行する。CPU101はS203で取得した領域を除く画像形成可能な領域に透明画像を形成させる透明画像データを生成する。
【0161】
S306では画像データ生成手段としてのCPU101は透明画像データの生成処理を実行する。CPU101はS203で取得した領域に透明画像を形成させる透明画像データを生成する。
【0162】
以上説明したように、本例の構成を採用することにより、シートに形成される有色画像の濃度分布に依らず、ユーザが指定した領域の光沢を有色画像の濃度に関わらず高くすることができる。
【実施例3】
【0163】
実施例1及び実施例2において、透明画像データを生成する制御部分はMFP内部のCPU101であるとして説明した。しかしながら、画像形成システムを考えた場合、透明画像データの生成等を必ずしも画像形成装置内部で行わなくても良いことは明らかである。そのため、以下に、他の実施形態について記す。
【0164】
(画像形成システムの構成例について)
図16は画像形成システムの構成例を示す図である。図16の(a)で示す画像形成システムはMFP100単体で構成されている。画像形成システムは図16の(b)及び(c)に示すような構成も考えられる。
【0165】
図16の(b)に示す画像形成システムはMFP、MFP Controller、及び、PCによって構成される。また、図16の(c)に示す画像形成システムはMFP及びPCによって構成される。以下にPC及びMFP Controllerのハードウエア構成について説明する。
【0166】
なお、画像形成システムを構成するPC300はMFP100に対して印刷命令を送信可能な外部端末の一例である。そのため、MFP100に対して印刷命令を送信可能な他の端末をPCの代替として用いてもよい。例えば、WS(Work Station)やPDA(Personal Digital Assistant)等の携帯可能な情報端末を代替として用いてもよい。
【0167】
また、実施例1及び実施例2において、図2に示す装置によってシートに有色画像及び透明画像を形成した。しかしながら、図17に示すような有色画像形成手段としての有色画像形成ステーションと透明画像形成手段としての透明画像形成ステーションを有する画像形成装置であってもよい。
【0168】
図17に示す構成において、MFPはシートに有色トナーを転写し、定着する。その後、有色トナーが定着されたシートは再度フラッパ16によって再び二次転写部に搬送される。二次転写部に搬送されたシートの有色トナーを覆うように透明トナーを転写される。ここで、第一の定着手段として有色トナーをシートに定着させる定着器は定着器10である。また、第二の定着手段として透明トナーをシートに定着させる定着器は定着器10である。つまり、図17に示すMFPにおいて、第一の定着手段と第二の定着手段は同一である。なお、画像形成装置の構成は有色トナーが定着されたシートに透明トナーを覆う限り、実施例に示す構成に限るものではない。例えば、図17に示すMFPにおいて、以下に示すように有色画像を定着したシートに透明画像を形成し、定着しても良い。まず、画像形成装置に対してシートに有色画像を形成させ、定着させる。有色画像が定着されたシートは機外に排出される。排出された有色画像が定着されたシートを手差しトレイに設置するようにユーザに対して指示する。続いて、手差しトレイに設置されたシートに対して、透明画像を形成し、定着する。このように画像形成装置を制御することによって、シートに定着された有色画像を覆うように透明画像を形成し、定着することができる。
【0169】
(PCのハードウエア構成について)
図20は情報処理装置としてのPCの一例であるPC300のハードウエア構成を示すブロック図である。以下にPC300のハードウエア構成について説明する。
【0170】
CPU301(Central Prossessing Unit)、RAM302(Random Access Memory)、ROM303(Read Only Memory)はバス304に接続されている。同様に、HDD305(Hard Disk Drive)、ネットワークコントローラ306、ビデオコントローラ307、I/Oコントローラ308はバス304に接続されている。なお、バス304に接続されている各種ユニットはバス304を介して相互に通信することができる。
【0171】
CPU301は例えばROM303に保存されているプログラムをRAM302に展開して実行する。ROM303はCPU301で実行されるプログラムを記録する。RAM302はCPU301がプログラムを実行するときに用いられる。また、CPU301はバス304を介して、HDD305、ネットワークコントローラ306、ビデオコントローラ307、I/Oコントローラ308に対して制御命令等を送信する。また、CPU301はバス304を介して、HDD305、ネットワークコントローラ306、ビデオコントローラ307、I/Oコントローラ308からの状態を示す信号又は画像データ等のデータを受信する。このようにしてCPU301はPC300を構成する各種ユニットを制御することができる。
【0172】
HDD305はPC300で用いる各種ファイルを記録する。ネットワークコントローラ306は外部の機器と通信するための専用回路である。ネットワークコントローラ306はCPU301から送信される信号を変調してIEEE803.2規格に準じた多値の信号に変換し、Ethernet(登録商標)I/F312を介してネットワークに送信する。また、ネットワークコントローラ306はEthernet(登録商標)I/F312を介してネットワークから受信した多値の信号を復調し、CPU301に送信する。このとき、PC300がMFP100又はMFP Controller200と通信する経路はLAN(Local Area Network)に限るものではなく、インターネットを経由しても良い。
【0173】
また、I/Oコントローラ308はCPU301から送信される信号を各インターフェイスの規格に準じた信号に変換してUSBI/F又はPS/2 I/Fに接続された装置へ送信する。また逆にUSB I/F又はPS/2 I/Fから受信した信号を変換しCPU301へ送信する。これにより、PC300はMFP100とUSB(Universal Serial Bas) I/F313を介して相互に通信することができる。また、PC300は入力デバイスとしてのキーボード310、マウス311からの入力をPS/2 I/F309を介して取得することができる。
【0174】
また、ビデオコントローラ307はCPU301から受信した描画命令に応じて画像データをディスプレイ314に表示できる信号に変換する。これにより、CPU301はディスプレイ314に対して画面を表示させることができる。
【0175】
本実施例において、CPU301はOS(Operating System)に従いPCを構成する各種ハードウエアを制御する。これにより、ユーザはPCを構成するハードウエアを意識することなく、GUI(Graphical User Interface)を操作することによって、PCに所望の動作を実行させることができる。これにより、ユーザはOS上で実行されているアプリケーションプログラムから外部のMFPに対して印刷命令を送信することができる。印刷命令をMFPに対して送信する際、MFPの機種によって制御方法が異なる。そのため、PCはMFPの機種に対応するドライバプログラムを用いてMFPに応じた制御命令を生成する。ドライバプログラムはOSに組み込まれることによって、接続された周辺機器に応じた制御命令を作成することができる。
【0176】
以上が本例でのPCのハードウエア構成に対する説明である。
【0177】
(MFP Controllerのハードウエア構成について)
図19はPDL(Page Discription Language)をイメージデータに変換することができるMFP Controller200のハードウエア構成を示すブロック図である。以下にMFP Controller200のハードウエア構成の一例について説明する。
【0178】
画像形成システムを構成するMFP Controller200はPC300から受信したPDLをMFP100が印刷の際に用いるイメージデータに変換する。以下、PDLをイメージデータに変換する処理をRIP(Raster Image Possessing)と呼ぶ。
【0179】
CPU201、RAM202、ROM203、画像処理専用回路204はバス205に接続されている。同様に、HDD206、ネットワークコントローラ207、ビデオコントローラ208、I/Oコントローラ209はバス205に接続されている。
【0180】
CPU201は例えばROM203に保存されているプログラムをRAM202に展開して実行する。また、CPU201はバス105を介して、HDD206、ネットワークコントローラ207、ビデオコントローラ208、I/Oコントローラ209に対して制御命令等を送信する。また、CPU201はバス205を介して、HDD206、ネットワークコントローラ207、ビデオコントローラ208、I/Oコントローラ209からの状態を示す信号及び画像データ等のデータを受信する。このようにしてCPU201はMFP Controller200を構成する各種ユニットを制御することができる。
【0181】
MFP Controller200はPC300とEthernet(登録商標) I/F213を介して接続されている。またMFP Controller200はMFP100とEthernet(登録商標) I/F213介して接続されている。ネットワークコントローラ207はCPU201から送信される信号を変調してIEEE803.2規格に準じた多値の信号に変換し、Ethernet(登録商標)I/F213を介してネットワークに送信する。また、ネットワークコントローラ207はEthernet(登録商標)I/F213を介してネットワークから受信した多値の信号を復調し、CPU201に送信する。
【0182】
また、I/Oコントローラ209はCPU201から送信される信号を各インターフェイスの規格に準じた信号に変換してUSB I/F214又はPS/2 I/F210に接続された装置へ送信する。また、I/Oコントローラ209はUSB I/F214又はPS/2 I/F210から受信した信号を変換しCPU201へ送信する。これにより、MFP Controller200はMFP100とUSB(Universal Serial Bas) I/F313を介して相互に通信することができる。また、MFP Controller200は入力デバイスとしてのキーボード211、マウス212からの入力信号をPS/2 I/F210を介して取得することができる。
【0183】
また、ビデオコントローラ208はCPU201から受信した描画命令に応じて画像データをディスプレイ215に表示できる信号に変換し、ディスプレイ215に送信する。これにより、CPU201はディスプレイ215に対して画面を表示させることができる。
【0184】
MFP Controller200はPC300から送信されるPDLを受信し、記述されたPDLをRIPする。RIP時の算術演算命令は画一的な繰り返し処理を含む。そのため、すべての算術演算命令をCPU201で実行するよりも画像処理命令を処理するのに最適化されたハードウエアによって処理した場合の方が短い実行時間で済む場合が多い。そのため、MFP Controller200はRIPをCPU201と画像処理専用回路204で分担して実行する。もちろん、RIPをCPU201のみで実行してもよい。画像処理専用回路204はASIC(Application Spesific Integrate Circuit)で構成されている。無論、画像処理専用回路204は再構成可能なハードウエア(例えばPLD(Programmable Logic Device))で実装されてもよい。このようにして、CPU201及び画像処理専用回路204において変換されたイメージデータはMFP100へ送信される。
【0185】
本実施例において、イメージデータの作成はMFP Controller200で実行される。しかしながら、イメージデータの作成はPC300やMFP100で実行されてもよい。
【0186】
以上が本例でのMFP Controllerのハードウエア構成に対する説明である。
【0187】
(各画像形成システムにおける制御処理について)
本実施例において、画像形成システムはMFP、MFP Controller、PC等の複数の装置から構成される。実施例1及び実施例2において、MFP100のCPU101がフローチャートに従い画像形成装置の制御を行った。つまり、図16の(a)のように画像形成システムがMFP100単体で構成される場合、制御処理はMFP100内部のCPU101において実行された。しかし、図16の(b)のように画像形成システムがMFP100、MFP Controller200、PC300で構成される場合、制御処理はMFP100のCPU101が実行する必要がない。例えば、MFP Controller200のCPU201が制御処理を実行することによって、ユーザが高くしたい領域の光沢を高くすることができる。また、図16の(c)のように画像形成システムがMFP100、PC300で構成されるとする。このとき、例えば、PC300のCPU301が制御処理を実行することによって、ユーザが高くしたい領域の光沢を高くすることができる。
【0188】
(システム化された装置における制御処理の分担実行について)
前項で説明したように、複数の装置から成るシステムにおいて、MFP100のCPU101が制御処理を実行する必要がない。また、必ずしも同一装置のCPUが実行する必要もない。つまり、複数の装置内部に存在する複数のCPUが制御処理を分担して実行しても良い。つまり、実施例1及び実施例2でしめした特徴的な処理である図9、図14、図15に示すフローチャートの各ステップは処理を分担して実行してもよい。
【0189】
例えば、画像形成システムは図16の(c)であるとする。このとき、光沢を高くしたい領域の取得はPC300のCPU301が行い、画像を形成するシートの光沢に対応する情報の取得はMFP100のCPU101が行っても良い。このように、特徴的な処理は一つの情報処理装置によって実行されても、複数の情報処理装置からなる情報処理システムによって実行されても良い。
【0190】
また、この特徴的な処理を実行させるためのプログラムは情報処理システム若しくは情報処理装置に対して遠隔から供給されてもよい。また、情報処理システムに含まれる情報処理装置が情報処理システムの外部の情報処理装置に保存されているプログラムコードを読み出して実行してもよい。
【0191】
つまり、情報処理装置にインストールされるプログラム自体も前述の処理を実現させるものである。なお、プログラムによって情報処理装置が前述の処理を実行する限りにおいて、プログラムの形態を限定しない。
【0192】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RWなどがある。また、記録媒体としては、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などもある。
【0193】
また、MFP100においては、プログラムはEthernet(登録商標) I/F114を介してネットワークからダウンロードしてもよい。また、MFP Controller200及びPC300においては、プログラムはブラウザを用いてインターネットのホームページからダウンロードしてもよい。すなわち、該ホームページからプログラムそのもの、若しくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードしてもよいのである。また、前述の処理を実行するためのプログラムを構成するプログラムを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、プログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバは構成要件となる可能性がある。
【0194】
また、プログラムファイルを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布してもよい。この場合、所定条件をクリアしたユーザにのみ、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報で暗号化されたプログラムを復号して実行し、プログラムを情報処理装置にインストールしてもよい。
【0195】
なお、そのプログラムの指示に基づき、情報処理装置上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部又は全部を行ってもよい。
【0196】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、情報処理装置に挿入された機能拡張ボードや情報処理装置に接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれてもよい。そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0197】
【図1】本発明の実施例に係るMFPの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例に係るMFPを示す概略図である。
【図3】低光沢紙のトナーの載り量と光沢度の変化の関係を表す図である。
【図4】高光沢紙のトナーの載り量と光沢度の変化の関係を表す図である。
【図5】本発明の実施例に係る画像形成装置を制御する手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施例に係るMFPのディスプレイに表示される画面を示す図である。
【図7】本発明の実施例に係るMFPのディスプレイに表示される画面を示す図である。
【図8】本発明の実施例に係るMFPのディスプレイに表示される画面を示す図である。
【図9】本発明の実施例に係るMFPのディスプレイに表示される画面を示す図である。
【図10】本発明の実施例に係る画像処理装置によって処理される画像及び出力される印刷物を説明するための概念図である。
【図11】本発明の実施例に係る画像処理装置によって処理される画像及び出力される印刷物を説明するための概念図である。
【図12】有色画像データの濃度分布を説明するためのイメージ図及びデータ構造を示すための行列を表す図である。
【図13】有色画像データの濃度分布を光沢度分布に変換したデータ構造を示すための行列を表す図である。
【図14】本発明の実施例に係る画像形成装置を制御する手順を示すフローチャートである。
【図15】本発明の実施例に係る画像形成装置を制御する手順を示すフローチャートである。
【図16】本発明の実施例に係る画像形成システムの構成の一例を示す図である。
【図17】本発明の実施例に係るMFPを示す概略図である
【図18】本発明の実施例に係る光沢度センサの説明図である。
【図19】本発明の実施例に係るMFP Controllerの概略構成を示すブロック図である。
【図20】本発明の実施例に係るPCの概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0198】
1 感光体ドラム
2 帯電器
3 レーザ露光器
4 現像器
5 クリーナ
6 一次転写ローラ
7 中間転写ベルト
7a 従動ローラ
7b 二次転写対向ローラ
7c 駆動ローラ
7d ベルトクリーナ
8 レジストローラ対
9 二次転写ローラ
10 定着器
10a 定着ローラ
10b 加圧ローラ
11 ピックアップローラ
12 搬送ローラ対
13 カセット
14 手差しトレイ
15 光沢度センサ
100 PC
101 CPU
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに有色画像を形成する有色画像形成手段と、シートに透明画像を形成する透明画像形成手段と、シートに形成された有色画像を定着する第一の定着手段と、シートに形成された透明画像を定着する第二の定着手段と、を有する画像形成システムを制御する制御装置であって、
シートに形成すべき有色画像に対応する有色画像データを取得する画像データ取得手段と、
シートに形成される有色画像の光沢を部分的にかつ相対的に高くすべき領域を示す情報を取得する領域取得手段と、
前記有色画像データに基づきシートに形成すべき有色画像の濃度が所定の濃度以上である場合に、前記有色画像データに基づきシートに有色画像を形成させるように前記有色画像形成手段を動作させ、シートに形成された有色画像を定着させるように前記第一の定着手段を動作させると共に、前記第一の定着手段によってシートに定着された有色画像を覆うように前記領域取得手段によって取得された領域を除く画像形成可能な領域に選択的に透明画像を形成させるように前記透明画像形成手段を動作させ、シートに形成された透明画像を定着させるように前記第二の定着手段を動作させる制御手段と、
を有することを特徴とする制御装置。
【請求項2】
画像が形成されるシート表面の光沢に対応する情報を取得するシート情報取得手段を有し、
前記制御手段は、前記有色画像データに基づきシートに形成すべき有色画像の濃度が所定の閾値未満かつ前記シート表面の光沢に対応する情報が所定の閾値未満であるとき、前記有色画像データに基づきシートに有色画像を形成させるように前記有色画像形成手段を動作させ、シートに形成された有色画像を定着させるように前記第一の定着手段を動作させると共に前記第一の定着手段によってシートに定着された有色画像を覆うように前記領域取得手段によって取得された領域を除く画像形成可能な領域に選択的に透明画像を形成させるように前記透明画像形成手段を動作させ、シートに形成された透明画像を定着させるように前記第二の定着手段を動作させ、
前記有色画像データに基づきシートに形成すべき有色画像の濃度が所定の閾値未満かつ前記シート表面の光沢に対応する情報が所定の閾値以上であるとき、前記第一の定着手段によってシートに定着された有色画像を覆うように前記領域取得手段によって取得された領域を除く画像形成可能な領域に選択的に透明画像を形成させるように前記透明画像形成手段を動作させ、シートに形成された透明画像を定着させるように前記第二の定着手段を動作させることを特徴とする請求項1記載の制御装置。
【請求項3】
シートに有色画像を形成する有色画像形成手段と、シートに透明画像を形成する透明画像形成手段と、シートに形成された有色画像を定着する第一の定着手段と、シートに形成された透明画像を定着する第二の定着手段と、を有する画像形成システムを制御する制御装置であって、
シートに形成すべき有色画像に対応する有色画像データを取得する画像データ取得手段と、
シートに形成される有色画像の光沢を部分的にかつ相対的に高くすべき領域を示す情報を取得する領域取得手段と、
画像が形成されるシート表面の光沢に対応する情報を取得するシート情報取得手段を有し、
前記有色画像データに基づきシートに形成すべき有色画像の濃度が所定の閾値未満かつ前記シート表面の光沢に対応する情報が所定の閾値未満であるとき、前記有色画像データに基づきシートに有色画像を形成させるように前記有色画像形成手段を動作させると共に、シートに形成された有色画像を定着させるように前記第一の定着手段を動作させた後、前記第一の定着手段によってシートに定着された有色画像を覆うように前記領域取得手段によって取得された領域を除く画像形成可能な領域に選択的に透明画像を形成させるように前記透明画像形成手段を動作させ、シートに形成された透明画像を定着させるように前記第二の定着手段を動作させ、
前記有色画像データに基づきシートに形成すべき有色画像の濃度が所定の閾値未満かつ前記シート表面の光沢に対応する情報が所定の閾値以上であるとき、前記第一の定着手段によってシートに定着された有色画像を覆うように前記領域取得手段によって取得された領域を除く画像形成可能な領域に選択的に透明画像を形成させるように前記透明画像形成手段を動作させ、シートに形成された透明画像を定着させるように前記第二の定着手段を動作させる制御手段と、を有する制御装置。
【請求項4】
有色画像をシートに定着させたのち、シートに定着された有色画像の少なくとも一部を覆うように透明画像を形成し、定着するように画像形成システムを制御する制御装置であって、
シートに形成すべき有色画像に対応する有色画像データを取得する画像データ取得手段と、
画像が形成されるシート表面の光沢に対応する情報を取得するシート情報取得手段を有し、
シートに形成される有色画像の光沢を部分的にかつ相対的に高くすべき領域を示す情報を取得する領域取得手段と、
前記画像データ取得手段によって取得された画像データと前記シート情報取得手段によって取得されたシートの光沢に対応する情報に基づき、前記領域取得手段によって取得された領域の光沢が部分的にかつ相対的に高くなるように、前記領域取得手段によって取得された領域又は取得された領域を除く画像形成可能な領域に透明トナーをシートに形成させるために用いる透明画像データを生成し、前記画像データに基づき有色画像が定着されたシートの一部を覆うように前記透明画像データに基づき透明画像を形成し、定着させるように前記画像形成システムを制御する制御手段と、
を有することを特徴とする制御装置。
【請求項5】
情報処理装置を請求項1ないし4のいずれか一項に記載された制御装置として機能させるためのプログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のプログラムが記録された記録媒体。
【請求項7】
シートに有色画像を形成する有色画像形成手段と、シートに透明画像を形成する透明画像形成手段と、シートに形成された有色画像を定着する第一の定着手段と、シートに形成された透明画像を定着する第二の定着手段と、請求項1ないし4のいずれか一項に記載された制御装置と、を有することを特徴とする画像形成システム。
【請求項1】
シートに有色画像を形成する有色画像形成手段と、シートに透明画像を形成する透明画像形成手段と、シートに形成された有色画像を定着する第一の定着手段と、シートに形成された透明画像を定着する第二の定着手段と、を有する画像形成システムを制御する制御装置であって、
シートに形成すべき有色画像に対応する有色画像データを取得する画像データ取得手段と、
シートに形成される有色画像の光沢を部分的にかつ相対的に高くすべき領域を示す情報を取得する領域取得手段と、
前記有色画像データに基づきシートに形成すべき有色画像の濃度が所定の濃度以上である場合に、前記有色画像データに基づきシートに有色画像を形成させるように前記有色画像形成手段を動作させ、シートに形成された有色画像を定着させるように前記第一の定着手段を動作させると共に、前記第一の定着手段によってシートに定着された有色画像を覆うように前記領域取得手段によって取得された領域を除く画像形成可能な領域に選択的に透明画像を形成させるように前記透明画像形成手段を動作させ、シートに形成された透明画像を定着させるように前記第二の定着手段を動作させる制御手段と、
を有することを特徴とする制御装置。
【請求項2】
画像が形成されるシート表面の光沢に対応する情報を取得するシート情報取得手段を有し、
前記制御手段は、前記有色画像データに基づきシートに形成すべき有色画像の濃度が所定の閾値未満かつ前記シート表面の光沢に対応する情報が所定の閾値未満であるとき、前記有色画像データに基づきシートに有色画像を形成させるように前記有色画像形成手段を動作させ、シートに形成された有色画像を定着させるように前記第一の定着手段を動作させると共に前記第一の定着手段によってシートに定着された有色画像を覆うように前記領域取得手段によって取得された領域を除く画像形成可能な領域に選択的に透明画像を形成させるように前記透明画像形成手段を動作させ、シートに形成された透明画像を定着させるように前記第二の定着手段を動作させ、
前記有色画像データに基づきシートに形成すべき有色画像の濃度が所定の閾値未満かつ前記シート表面の光沢に対応する情報が所定の閾値以上であるとき、前記第一の定着手段によってシートに定着された有色画像を覆うように前記領域取得手段によって取得された領域を除く画像形成可能な領域に選択的に透明画像を形成させるように前記透明画像形成手段を動作させ、シートに形成された透明画像を定着させるように前記第二の定着手段を動作させることを特徴とする請求項1記載の制御装置。
【請求項3】
シートに有色画像を形成する有色画像形成手段と、シートに透明画像を形成する透明画像形成手段と、シートに形成された有色画像を定着する第一の定着手段と、シートに形成された透明画像を定着する第二の定着手段と、を有する画像形成システムを制御する制御装置であって、
シートに形成すべき有色画像に対応する有色画像データを取得する画像データ取得手段と、
シートに形成される有色画像の光沢を部分的にかつ相対的に高くすべき領域を示す情報を取得する領域取得手段と、
画像が形成されるシート表面の光沢に対応する情報を取得するシート情報取得手段を有し、
前記有色画像データに基づきシートに形成すべき有色画像の濃度が所定の閾値未満かつ前記シート表面の光沢に対応する情報が所定の閾値未満であるとき、前記有色画像データに基づきシートに有色画像を形成させるように前記有色画像形成手段を動作させると共に、シートに形成された有色画像を定着させるように前記第一の定着手段を動作させた後、前記第一の定着手段によってシートに定着された有色画像を覆うように前記領域取得手段によって取得された領域を除く画像形成可能な領域に選択的に透明画像を形成させるように前記透明画像形成手段を動作させ、シートに形成された透明画像を定着させるように前記第二の定着手段を動作させ、
前記有色画像データに基づきシートに形成すべき有色画像の濃度が所定の閾値未満かつ前記シート表面の光沢に対応する情報が所定の閾値以上であるとき、前記第一の定着手段によってシートに定着された有色画像を覆うように前記領域取得手段によって取得された領域を除く画像形成可能な領域に選択的に透明画像を形成させるように前記透明画像形成手段を動作させ、シートに形成された透明画像を定着させるように前記第二の定着手段を動作させる制御手段と、を有する制御装置。
【請求項4】
有色画像をシートに定着させたのち、シートに定着された有色画像の少なくとも一部を覆うように透明画像を形成し、定着するように画像形成システムを制御する制御装置であって、
シートに形成すべき有色画像に対応する有色画像データを取得する画像データ取得手段と、
画像が形成されるシート表面の光沢に対応する情報を取得するシート情報取得手段を有し、
シートに形成される有色画像の光沢を部分的にかつ相対的に高くすべき領域を示す情報を取得する領域取得手段と、
前記画像データ取得手段によって取得された画像データと前記シート情報取得手段によって取得されたシートの光沢に対応する情報に基づき、前記領域取得手段によって取得された領域の光沢が部分的にかつ相対的に高くなるように、前記領域取得手段によって取得された領域又は取得された領域を除く画像形成可能な領域に透明トナーをシートに形成させるために用いる透明画像データを生成し、前記画像データに基づき有色画像が定着されたシートの一部を覆うように前記透明画像データに基づき透明画像を形成し、定着させるように前記画像形成システムを制御する制御手段と、
を有することを特徴とする制御装置。
【請求項5】
情報処理装置を請求項1ないし4のいずれか一項に記載された制御装置として機能させるためのプログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のプログラムが記録された記録媒体。
【請求項7】
シートに有色画像を形成する有色画像形成手段と、シートに透明画像を形成する透明画像形成手段と、シートに形成された有色画像を定着する第一の定着手段と、シートに形成された透明画像を定着する第二の定着手段と、請求項1ないし4のいずれか一項に記載された制御装置と、を有することを特徴とする画像形成システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2010−175979(P2010−175979A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−20243(P2009−20243)
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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