説明

半導体レイアウト設定装置、半導体レイアウト設定方法、及び半導体レイアウト設定プログラム

【課題】チップ面積増大を回避し、適切にリピータバッファを挿入する
【解決手段】レイアウト対象の半導体装置は、第1及び第2の電源ドメインを有し、第2の電源ドメインに属する接続元と接続先を接続する配線を有する。配線禁止許可領域設定部120は、第1の電源ドメイン内に排他的配線禁止領域及び通過配線許可領域を、リピータバッファが駆動可能な最大配線長であるリピータ配線最大長に基づいて設定する。配線設定部130は、排他的配線禁止領域及び通過配線許可領域に基づいて、配線を修正する。リピータ挿入部140は、リピータ配線最大長に応じ、配線に挿入するリピータバッファを設定する。排他的配線禁止領域は、第1の電源ドメイン内で接続する配線は許容し、通過配線を禁止する。通過配線許可領域は、第1の電源ドメインから排他的配線禁止領域を除外した領域であり、通過配線が許容される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体レイアウト設定装置、半導体レイアウト設定方法、及び半導体レイアウト設定プログラムに関し、特にリピータバッファを配線上に挿入する半導体装置にかかる半導体レイアウト設定装置、半導体レイアウト設定方法、及び半導体レイアウト設定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話をはじめとする携帯機器では、バッテリーによる駆動時間を増加させるためにLSI(Large Scale Integration)の消費電力を削減することが求められている。このような機器では、LSIに対する複数の電源を設け、LSIの動作モードに応じて使用しない回路への電源供給を遮断、または供給電圧を下げる等の電源制御を行っている。
【0003】
このような複数の電源を有するLSIのレイアウト設計を行う場合、供給される電源ごとに領域を分けて設計する必要がある。そのため、このようなLSIのレイアウト設計は、単一電源のみを有するLSIのレイアウト設計と比較して難易度が高い。そのため、LSIのチップ面積の増加や設計TAT(Turn Around Time)を抑えることができるレイアウト設計方法が必要となっている。
【0004】
特許文献1には、動作不安定の問題を回避しつつリピータバッファの多段化による動作速度低下及び消費電力増大を解消することができる半導体集積回路が開示されている。以下、特許文献1に記載の半導体集積回路の詳細について説明する。
【0005】
まず、特許文献1が比較対象とする一般的な半導体集積回路について図28を参照して説明する。半導体集積回路は、第1の電源が供給される第1の電源受給領域A61と、第2の電源が供給される第2の電源受給領域A62と、を備える。第2の電源受給領域A62は、第1の電源受給領域A61の内部に形成されている。第1の電源受給領域A61内には、ブロックB61、B62が第2の電源受給領域を挟む状態で存在する。
【0006】
当該構成において、ブロックB61から出力されブロックB62に入力される信号が存在し、かつブロック間の距離が長い場合を検討する。このブロック間の接続は、高速化等を図るためにリピータバッファを介して行う必要がある。この場合、ブロックB61とブロック62を直線的に結ぶ配線を配置し、当該配線にリピータバッファを配置することが望ましい。しかし、第2の電源受給領域A62には、ブロックB61及びB62とは異なる電源が供給されている。そのため、電源受給領域A62内に配置されたリピータバッファに対して所望の電圧の電源が供給されない恐れや、リピータバッファが所望の動作を行わない恐れがある。したがって、ブロックB61とブロックB62は、同じ電源系統である第1の電源受給領域A61内に配置されたリピータバッファを介して接続される必要がある。つまり、ブロックB61とブロックB62は、第2の電源受給領域A62を迂回して配置されたリピータバッファRB61〜RB63及び配線L61〜L64によって接続される。
【0007】
しかし、当該接続(リピータバッファRB61〜RB63及び配線L61〜L64による接続)では、ブロックB61からブロックB62へ直線的に配線を接続する場合に比べて、リピータバッファが多段になり、高速化及び低消費電力化の妨げとなる。
【0008】
続いて、特許文献1に記載の半導体集積回路について図29を参照して説明する。当該半導体集積回路は、少なくとも2つの電源系統を有し、第1の電源が供給される第1の電源受給領域A1と、第1の電源受給領域A1の内部に形成され第2の電源が供給される第2の電源受給領域A2と、第2の電源受給領域内に形成され第1の電源が供給される信号中継回路を有する第3の電源受給領域A3とを備える。第1の電源供給領域における複数の回路は、第3の電源供給領域A3におけるリピータバッファRBを経由して接続される。
【0009】
このような構成により、リピータバッファRBは、第1の電源が供給されるため、正常に動作することができる。さらに、図示するように、迂回配線を回避することができるため、リピータバッファの多段化を避けることができ、回路の高速化及び低消費電力化を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2005−005496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述の特許文献1に記載の半導体集積装置では、LSIのチップ面積が増大してしまうという問題がある。図29に示す半導体集積装置では、第2の電源供給領域A2の内部に第3の電源受給領域A3を設ける必要があるため、第2の電源受給領域の面積が増大する。その結果、LSIのチップ面積が増大してしまう。
【0012】
さらに、第2の電源受給領域A2の内部に設けた第3の電源受給領域にも電源を供給する必要がある。そのため、図30のL3のような電源配線の敷設が必要となる。このため、第2の電源受給領域A2内部の信号ネットの配線リソースが減少する。第2の電源受給領域A2内の配線リソースを確保するためには、第2の電源受給領域を広げる必要が生じ、その結果、LSIのチップ面積が増加する。
【0013】
次に、一般的な自動配置配線ツールによる半導体集積装置のレイアウト手法の概要とその問題点を説明する。
【0014】
図31は、電源受給領域(以下の説明では、電源ドメインとも記載する。)を通過するネット(各端子間を結ぶ信号線や端子間のつながり)を一般的な自動配置配線ツールにより構成した例である。
【0015】
電源ドメインAは、電源が常にONの状態を維持する、すなわち、電源ドメインAには電源が常に供給される。電源ドメインBには、内部回路が動作しない場合に電源が供給されない(OFF)。自動配置配線ツールは、プリミティブセルP2及びP3を接続するネットとして、例えば経路R1〜R3を生成し、このうちの一つを選択する(プリミティブセルP2とP3のネットとして確定する)。そして、自動配置配線ツールは、選択した経路に沿ってリピータバッファRB1を挿入する。
【0016】
経路R1が選択された場合、電源ドメインBを通過する距離が長くなる。そのため、電源ドメインB内部にリピータバッファを挿入する必要が生じる。しかし、電源ドメインBにリピータバッファを挿入すると、電源ドメインBへの電源が遮断された場合に、挿入したリピータバッファへの電源も遮断される。このため、電源ドメインB内にリピータバッファを挿入することはできない。特許文献1に記載のように電源ドメインB内部に第3の電源ドメインを作成し、当該電源ドメイン内にリピータバッファを挿入した場合には、LSIのチップ面積が増大してしまう。
【0017】
一般的な自動配置配線ツールでは、異なる電源ドメインを通過するネットを禁止する設定が可能である。禁止を設定した場合、電源ドメインAに属するセルに接続するネットは、電源ドメインBの領域を通過することが無くなる。これにより、自動配置配線ツールは、経路R2を選択する。しかしながら、経路R2は大きく迂回する経路であるため、配線長が増加し、遅延が大きくなってしまう。
【0018】
次に、経路R3について検討する。経路R3は、電源ドメインBの領域を通過しているが、通過している距離が短い。この距離が1つのリピータバッファで十分に駆動できる程度に短い場合には、電源ドメインBの領域にリピータバッファを挿入する必要はない。そのため、上述の例では、自動配置配線ツールは、経路R3を選択することが望ましい。
【0019】
しかし、一般的な自動配置配線ツールは、リピータバッファの挿入を考慮した経路選択を行わない。そのため、自動配置配線ツールは、常に経路R3を選択するとは限らず、経路R1、経路R2を選択する場合がある。経路R1またはR2を選択した場合、設計者であるユーザは、手動でネット配置を変更しなければならない。これにより、設計時のTAT(Turn Around Time)が増大してしまう。
【0020】
なお、一般的な自動配置配線ツールでは、電源ドメイン内の部分領域に対して配線禁止領域を設定することが可能である。図32を参照して、詳細を説明する。ユーザの指定により、電源ドメインB内の部分領域B1が配線禁止領域に設定される。これにより、プリミティブセルP2とP3を接続する配線W1は、経路R3のように敷設できる。しかし、この場合、部分領域B1内に対しても配線の禁止が適用されてしまう。そのため、プリミティブセルP4とP5を接続する配線W2は、配線禁止領域の設定により配線することができない。
【0021】
よって、上述の技術(特許文献1に記載の技術、一般的な自動配置配線ツール)では、チップ面積の増大を回避しつつ、適切にリピータバッファを挿入した半導体集積回路のレイアウトが行えないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明にかかる半導体レイアウト設定装置、半導体装置のレイアウト設定方法、及び半導体装置のレイアウト設定プログラムは、
第1及び第2の電源ドメインを有する半導体装置のレイアウトにおいて、リピータバッファが駆動可能な最大配線長であるリピータ配線最大長に基づいて配線の配置位置を決定する、ものである。
【0023】
本発明では、リピータ配線最大長に基づいて、配線が各電源ドメインを通過する距離や配線座標位置を設定し、リピータバッファ用の領域の生成を回避する。これにより、チップ面積が減少できるとともに、電源ドメインの違いに起因するリピータバッファの動作不良を回避できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、チップ面積の増大を回避しつつ、適切にリピータバッファを挿入した半導体集積回路のレイアウトを設定できる半導体レイアウト設定装置、半導体レイアウト設定方法、及び半導体レイアウト設定プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】実施の形態1にかかる半導体レイアウト設定装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1にかかる半導体レイアウト設定装置の構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態1にかかる半導体レイアウト設定装置による排他的配線禁止領域、通過配線許可領域の設定例を示す図である。
【図4】実施の形態1にかかる半導体レイアウト設定装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態1にかかる配線禁止許可領域設定部の処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】実施の形態1にかかる配線禁止許可領域設定部による排他的配線禁止領域の設定の具体例を示す図である。
【図7】実施の形態1にかかる配線禁止許可領域設定部による排他的配線禁止領域の設定の具体例を示す図である。
【図8】実施の形態1にかかる配線設定部による配線修正処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】実施の形態1にかかる半導体レイアウト設定装置の動作例を示す概念図である。
【図10】実施の形態1にかかる半導体レイアウト設定装置の動作例を示す概念図である。
【図11】実施の形態1にかかるリピータ挿入部によるリピータバッファの挿入の詳細を示す図である。
【図12】通過配線許可領域内にリピータ配線最大長以上の長さを持つ配線が存在する場合を示す図である。
【図13】図12に示す問題を解決する解決方法を示す図である。
【図14】排他的配線禁止領域内にリピータバッファが挿入されている場合に、一般的な自動配置配線ツールでは図12に示す問題を解決できないことを示す図である。
【図15】図12に示す問題を解決する解決方法を示す図である。
【図16】実施の形態1にかかる半導体レイアウト設定装置により生成されたレイアウト情報を示す図である。
【図17】実施の形態2にかかる配線禁止許可領域設定部の処理を示すフローチャートである。
【図18】実施の形態2にかかる配線禁止許可領域設定部の処理を示す概念図である。
【図19】実施の形態2にかかる配線禁止許可領域設定部が設定する切り抜き領域の例を示す図である。
【図20】実施の形態2にかかる配線禁止許可領域設定部の処理を示す概念図である。
【図21】実施の形態1にかかる半導体レイアウト設定装置が設計したレイアウト情報を示す図である。
【図22】実施の形態2にかかる半導体レイアウト設定装置が設計したレイアウト情報を示す図である。
【図23】実施の形態2にかかる配線禁止許可領域設定部が設定する切り抜き領域の設定方法を示す図である。
【図24】本発明にかかる半導体レイアウト設定装置の他の構成例を示すブロック図である。
【図25】本発明にかかる半導体レイアウト設定装置の他の構成例を示すブロック図である。
【図26】本発明にかかるシステムの構成例を示すブロック図である。
【図27】本発明にかかるコンピュータ装置の構成例を示すブロック図である。
【図28】一般的な半導体集積回路の構成を示すブロック図である。
【図29】特許文献1に記載の半導体集積回路の構成を示すブロック図である。
【図30】特許文献1に記載の半導体集積回路の構成を示すブロック図である。
【図31】一般的な自動配置配線ツールにより生成したレイアウト情報を示す図である。
【図32】一般的な自動配置配線ツールによる半導体装置のレイアウトを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
<実施の形態1>
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。はじめに、図1を参照して、本実施の形態にかかる半導体レイアウト設定装置の全体構成を説明する。図1は、半導体レイアウト設定装置100の入出力の構成を示すブロック図である。
【0027】
半導体レイアウト設定装置100には、ネットリスト201と、フロアプラン情報202と、ライブラリ203と、が入力される。ネットリスト201は、プリミティブセルの接続関係の情報である。プリミティブセルとは、配線の接続元または接続先となる回路、端子等の総称である。フロアプラン情報202は、設計対象となるLSIのチップサイズ、電源ドメインの座標情報を含む情報である。ライブラリ203は、プリミティブセルやマクロ等の遅延情報等を含む情報である。ライブラリ203は、リピータバッファが駆動可能な最大負荷容量の情報を含む。
【0028】
半導体レイアウト設定装置100は、ネットリスト201と、フロアプラン情報202と、ライブラリ203と、を基に、レイアウト情報210を生成し、レイアウト情報210を任意の記憶装置等に出力する。レイアウト情報210には、電源ドメインの配置、プリミティブセルの配置、プリミティブセル間を接続する配線の情報、及び配線上に配置されたリピータバッファの配置情報等が含まれる。
【0029】
半導体レイアウト設定装置100の詳細な構成を図2に示す。半導体レイアウト設定装置100は、レイアウト作成部110と、配線禁止許可領域設定部120と、配線設定部130と、リピータ挿入部140と、を備える。レイアウト作成部110は、電源設定部111と、セル配置部112と、CTS(Clock Tree Synthesis)部113と、配線部114と、を備える。
【0030】
レイアウト作成部110には、上述のネットリスト201、フロアプラン情報202、及びライブラリ203が入力される。レイアウト作成部110は、フロアプラン情報202を基に、LSIのレイアウトを設計する(レイアウトを定めたレイアウト情報を作成する)処理部である。以下、レイアウト作成部110内の各処理部の処理について説明する。
【0031】
レイアウト作成部110内の電源設定部111は、フロアプラン情報202を参照して電源ドメインの配置等を設定する。セル配置部112は、プリミティブセルの配置を設定する。CTS部113は、入力情報(ネットリスト201、フロアプラン情報202、ライブラリ203)を基にクロック信号のツリーを構築し、構築したツリーを設定する。配線部114は、ネットリスト201を参照してプリミティブセル間を接続する配線を設定する。
【0032】
レイアウト作成部110は、プリミティブセルの配置及び配線を行ったレイアウト情報を配線禁止許可領域設定部120に供給する。なお、レイアウト作成部110による各処理は、既存のソフトウェア(上述の自動配置配線ツール)によって実現されている処理である。
【0033】
配線禁止許可領域設定部120は、フロアプラン情報202及びライブラリ203を参照して、供給されたレイアウト情報に排他的配線禁止領域を設定する。詳細には、配線禁止許可領域設定部120は、フロアプラン情報202から各電源ドメインの座標情報を抽出し、ライブラリ203からリピータバッファの駆動可能な最大負荷容量及び単位配線長あたりの負荷容量の情報を抽出する。配線禁止許可領域設定部は、抽出した各電源ドメインの座標情報と、リピータバッファの駆動可能な最大負荷容量及び単位配線長あたりの負荷容量の情報と、から排他的配線禁止領域を算出する。排他的配線禁止領域とは、以下のように定義される領域である。
(1)一つの電源ドメインに所属する。(ある排他的配線禁止領域は、複数の電源ドメインに所属することはない。)
(2)排他的配線禁止領域の属する電源ドメインに配置されたプリミティブセル間の配線を許可し、それ以外の配線は禁止する。
【0034】
換言すると、排他的配線禁止領域は、通過する配線を禁止する領域である。
【0035】
配線禁止許可領域設定部120は、排他的配線禁止領域を設定すると同時に、通過配線許可領域の設定も行う。通過配線許可領域とは、以下のように定義される領域である。
(1)通過配線許可領域とは、排他的配線禁止領域が属する電源ドメインから、排他的配線禁止領域を除外した領域である。
(2)通過配線許可領域は、原則として通過配線が許可される領域である。
【0036】
図3は、排他的配線禁止領域、通過配線許可領域の設定例を示す図である。図示するように、電源ドメインAの領域(D1)と、電源ドメインBの領域(D2)が設定されている。電源ドメインAは、電源が常にONの状態を維持する、すなわち、電源ドメインAには電源が常に供給される。電源ドメインBは、内部回路が動作しない場合に電源が遮断(OFF)される。電源ドメインAの領域(D1)内にプリミティブセルP2及びP3が配置されている。電源ドメインBの領域(D2)内にプリミティブセルP4及びP5が配置されている。配線W1は、プリミティブセルP2とP3を接続する配線である。配線W2は、プリミティブセルP4とP5を接続する配線である。
【0037】
ここで、電源ドメインBの領域(D2)内に排他的配線禁止領域Eと、通過配線許可領域Fと、が設定されている。排他的配線禁止領域Eでは、上述の定義に従い、配線の可否が決定される。詳細には、共に電源ドメインBに属するプリミティブセルP4とP5を接続する配線W2は、許可される。一方、電源ドメインBに属しないプリミティブセルP2とP3を接続する配線W3は、禁止される。禁止の対象となる配線W3は、後述する配線設定部130により再配線(配線経路を修正)される。
【0038】
再び図2を参照して説明する。配線禁止許可領域設定部120は、排他的配線禁止領域及び通過配線許可領域を設定したレイアウト情報を配線設定部130に供給する。なお、配線禁止許可領域設定部120による排他的配線禁止領域、及び通過配線許可領域の設定方法の詳細は、図6等を参照して後述する。
【0039】
配線設定部130は、排他的配線禁止領域を通過する配線を検出し、当該配線に代わる配線を設定する。配線設定部130の動作の詳細は、図9、図10等を参照して後述する。
【0040】
リピータ挿入部140は、配線上に挿入するリピータバッファの情報を設定する処理部である。リピータ挿入部140は、ライブラリ203からリピータバッファの駆動可能な最大負荷容量の情報を抽出し、この情報からリピータバッファが駆動可能な最大の配線長(以下、リピータ配線最大長と記載する。)を算出し、リピータ配線最大長を基にリピータバッファの挿入位置を決定する。リピータ挿入部140は、リピータバッファの情報を設定したレイアウト情報(レイアウト情報210)を任意の記憶装置等に供給する。リピータ挿入部140の処理の詳細は、図11を参照して後述する。
【0041】
続いて、本実施の形態にかかる半導体レイアウト設定装置100の動作を図4を参照して改めて説明する。図4は、本実施の形態にかかる半導体レイアウト設定装置100の動作を示すフローチャートである。
【0042】
電源設定部111は、フロアプラン情報202を参照して電源ドメインの配置等を設定する(S110)。セル配置部112は、プリミティブセルの配置を設定する(S120)。CTS部113は、クロック信号のツリーを構築し、構築したツリーを設定する(S130)。配線部114は、ネットリスト201を参照してプリミティブセル間を接続する配線を設定する(S140)。
【0043】
配線禁止許可領域設定部120は、フロアプラン情報202及びライブラリ203を参照して、排他的配線禁止領域及び通過配線許可領域を設定する(S150)。続いて、配線設定部130は、排他的配線禁止領域を通過する配線を検出し、当該配線に代わる配線を設定する(S160)。リピータ挿入部140は、配線上に挿入するリピータバッファの情報を設定する(S170)。
【0044】
本実施の形態にかかる半導体レイアウト設定装置100は、S150〜S170の処理に特徴を有する。以下、これらの処理の詳細について説明する。はじめに、図5を参照して、排他的配線禁止領域及び通過配線許可領域の設定(S150)の詳細について説明する。図5は、排他的配線禁止領域及び通過配線許可領域の設定の詳細を示すフローチャートである。
【0045】
はじめに、配線禁止許可領域設定部120は、各電源ドメインの全面を排他的配線禁止領域に設定する(S151)。次に、配線禁止許可領域設定部120は、リピータ配線最大長を算出する(S152)。リピータ配線最大長は、以下の式を用いて算出する。なお、リピータバッファが駆動可能な最大負荷容量[F]、及び、単位配線長あたりの負荷容量[F/m]は、ライブラリ203に定義されている。
【0046】
リピータ配線最大長[m]=リピータバッファが駆動可能な最大負荷容量[F]/単位配線長あたりの負荷容量[F/m]
【0047】
続いて、配線禁止許可領域設定部120は、S151にて設定した排他的配線禁止領域を縮小する処理(細らせ処理)を行う(S153)。細らせ処理とは、排他的配線禁止領域の輪郭を構成する各辺から等距離だけ領域を縮小する処理である。詳細は、図6を参照して後述する。細らせ量(領域の輪郭を構成する各辺からの距離)は、上記の式で求めたリピータ配線最大長の1/2とする。
【0048】
次に、配線禁止許可領域設定部120は、細らせ処理後の排他的配線禁止領域を拡大する処理(太らせ処理)を行う(S154)。太らせ処理とは、排他的配線禁止領域の輪郭を構成する各辺から等距離だけ領域を拡大する処理である。詳細は、図6を参照して後述する。太らせ量(領域の輪郭を構成する各辺からの距離)は、上記の式で求めたリピータ配線最大長の1/2とする。S154の処理を行うことにより、配線禁止許可領域設定部120は、排他的配線禁止領域を確定する。
【0049】
図6に示す電源ドメインBの領域(D2)を例として、配線禁止許可領域設定部120による排他的配線禁止領域の設定の具体例を説明する。電源ドメインBの領域(D2)は、幅100μmの縦長の矩形領域を有している。
【0050】
図6(a)は、配線禁止許可領域設定部120による排他的配線禁止領域の設定前の電源ドメインBの領域(D2)を示す図である。配線禁止許可領域設定部120は、電源ドメインBの領域(D2)の全面を排他的配線禁止領域に設定する(S151)。図6(b)は、電源ドメインBの領域(D2)の全面を排他的配線禁止領域Eに設定した様子を示す図である。
【0051】
配線禁止許可領域設定部120は、上述の式を用いてリピータ配線最大長を算出する。以下の説明では、リピータ最大配線長は、100μmとする。
【0052】
配線禁止許可領域設定部120は、排他的配線禁止領域に対する細らせ処理を行う(S153)。図6(c)は、細らせ処理後の排他的配線禁止領域Eと電源ドメインBの領域(D2)を示す図である。図示するように、細らせ処理として排他的配線禁止領域Eの輪郭を構成する各辺から平行に50μmだけ領域を小さくする処理を行う。
【0053】
続いて、配線禁止許可領域設定部120は、排他的配線禁止領域に対する太らせ処理を行う(S153)。図6(d)は、太らせ処理後の排他的配線禁止領域Eと電源ドメインBの領域(D2)を示す図である。図示するように、太らせ処理として排他的配線禁止領域Eの輪郭を構成する各辺から平行に50μmだけ領域を大きくする処理を行う。
【0054】
配線禁止許可領域設定部120は、電源ドメインBの領域(D2)から太らせ処理後の排他的配線禁止領域Eを除外した領域を通過配線許可領域Fに設定する。
【0055】
なお、上述の説明では、配線禁止許可領域設定部120は、太らせ処理及び細らせ処理により排他的配線禁止領域を設定したが、必ずしもこれに限られず、他の方法により排他的配線禁止領域の設定を行っても良い。図7を参照して、排他的配線禁止領域の設定方法の他の一例を説明する。
【0056】
配線禁止許可領域設定部120は、はじめに電源ドメインの全体を排他的配線禁止領域に設定する。配線禁止許可領域設定部120は、当該電源ドメイン内の凸部領域のうち、対向辺との距離が、リピータ最大配線長以下となる凸部領域を排他的配線領域から除外する(すなわち、通過配線許可領域とする)。
【0057】
図7は、図6と同様に電源ドメインBの領域(D2)を示す図である。電源ドメインBの領域(D2)には、対向辺との距離が1000μmの凸部領域(i)と、対向辺との距離が100μmの凸部領域(ii)がある。配線禁止許可領域設定部120は、対向辺との距離が100μm以下の凸部領域(ii)を排他的配線禁止領域から除外する。すなわち、配線禁止許可領域設定部120は、電源ドメインBの領域(D2)から凸部領域(ii)を除外した領域を排他的配線禁止領域と決定する。凸部領域(ii)は、通過配線許可領域となる。
【0058】
次に、配線設定部130による配線修正処理(S160)の詳細について説明する。図8は、配線修正処理(S160)の詳細を示すフローチャートである。
【0059】
配線設定部130は、排他的配線禁止領域に存在する配線を再配線の対象として全て選択する(S161)。配線設定部130は、S161において選択した配線のうち、同一電源ドメイン内を接続する配線を再配線の対象から除外する(S162)。
【0060】
配線設定部130は、排他的配線禁止領域を通過する配線が存在するか否かを判定する(S163)。すなわち、配線設定部130は、S162の処理後に再配線の対象となる配線を選択しているか否かを判定する。
【0061】
排他的配線禁止領域を通過する配線が存在しない場合(S163:No)、配線設定部130は、処理を終了する。
【0062】
排他的配線禁止領域を通過する配線が存在する場合(S163:Yes)、配線設定部130は、排他的配線禁止領域を通過する配線を削除する(S164)。配線設定部130は、削除した配線が接続していた接続元と接続先を接続する新たな配線を設定する(S165)。
【0063】
続いて、上述のS161〜S165の処理の具体例を図9及び図10を参照して説明する。なお、図9及び図10における電源ドメイン及びプリミティブセルの配置は、プリミティブセルP6〜P9を新たに配置したことを除いて図3と同様である。なお、電源ドメインAの領域(D1)の記載は省略している。
【0064】
図9(a)は、レイアウト作成部110が生成したレイアウトを示す図である。図9(b)は、配線禁止許可領域設定部120による排他的配線禁止領域E及び通過配線許可領域Fの設定を示す図である。
【0065】
配線設定部130は、排他的配線禁止領域Eに存在する配線を再配線の対象として全て選択する。図9(c)は、選択した配線(W2、W3、W4)を太線で示した図である。そして、配線設定部130は、選択中の配線(W2、W3、W4)のうち、同一電源ドメイン内を接続する配線(W2)を再配線の対象から除外する。図9(d)は、配線W2を選択対象から除外し、配線W3及びW4を選択した状態を示す図である。
【0066】
配線設定部130は、選択中の配線を削除する。図10(e)は、選択していた配線W3及びW4を削除した状態を示す図である。配線設定部130は、削除した配線に代わる配線を設定する。図10(f)は、配線W3に代わる配線としてW6、W4に代わる配線としてW7を設定した状態を示す図である。
【0067】
リピータ挿入部140は、配線設定部130による修正処理後の配線にリピータバッファを挿入する。図10(g)は、各配線にリピータバッファを挿入した状態を示す図である。
【0068】
リピータ挿入部140によるリピータバッファの挿入処理の詳細を図11を参照して説明する。図11(a)に示すように、リピータ挿入部140は、はじめに通過配線許可領域と、他の電源ドメインとの境界位置にリピータバッファを挿入する。リピータ挿入部140は、このリピータバッファを基準に他のリピータバッファを挿入していく。この際、通過配線許可領域の幅は、リピータ配線最大長以下である。そのため、通過配線許可領域内にリピータバッファが挿入されることが防止される。
【0069】
なお、リピータ挿入部140は、必ずしも通過配線許可領域内の通過配線許可領域との境界位置にリピータバッファを挿入しなくてもよい。すなわち、図11(b)に示すように、配線と通過配線許可領域の接点xから、通過配線許可領域を跨ぐ方向の配線の配線長が、リピータ最大配線長以下となり、通過配線許可領域外の位置に基準となるリピータバッファを挿入すればよい。これにより、通過配線許可領域内にリピータバッファが挿入されることが防止される。
【0070】
次に、リピータバッファの動作が不安定となる恐れのあるケースと、その対応について説明する。図12に示すように、通過配線許可領域内にリピータ配線最大長以上の長さを持つ配線が存在する場合、配線設定部130は、再配線の対象とせず、この配線が残ってしまう。そのため、リピータバッファが所望の動作をしない恐れがある。図12に示す問題に対する対応策の例を以下に説明する。
【0071】
第1の対応策は、既存の機能を実装したレイアウト作成部110(自動配線配置ツール)の機能を用いる対応である。図13は、当該対応の概念を示す図である。図13(a)は、リピータバッファが異なる電源ドメイン(すなわち電源ドメインB)に配置された状態を示す図である。レイアウト作成部110は、電源ドメインB内に配置されたリピータバッファを電源ドメインAの最も近い位置に移動する。図13(b)は、電源ドメインB内に配置されたリピータバッファを電源ドメインAの最も近い位置に移動した状態を示す図である。次に、レイアウト作成部110は、再配置したリピータバッファの位置に応じて配線位置を決定する。図13(c)は、レイアウト作成部110による再配線を示す図である。
【0072】
なお、排他的配線禁止領域内にリピータバッファが挿入されている場合に、図13と同様の対応を行うことは適切ではない。当該理由を図14を参照して説明する。
【0073】
図14(a)は、排他的配線禁止領域にリピータバッファを配置した状態を示す図である。図14(b)は、レイアウト作成部110が図14(a)に示すリピータバッファを電源ドメインAの最も近い位置に移動した状態を示す図である。しかし、当該配置では、リピータ配線最大長以上の配線区間が生じてしまうため、妥当な配線の敷設とはならない。
【0074】
通過配線許可領域は、リピータ配線最大長以下の箇所を含む領域である。そのため、図12に示す問題に対し、既存のレイアウト作成部110の機能により対応することができる。
【0075】
次に、図12を参照して説明した問題に対する第2の対応策を説明する。図15は、第2の対応策の概念を説明する図である。第2の対応策は、配線禁止許可領域設定部120が通過配線許可領域を設定する際に、通過可能な方向を設定する手法である。
【0076】
たとえば、配線禁止許可領域設定部120は、通過配線許可領域内のリピータ配線最大長以下となる線分(図15(i))を抽出し、当該線分と重なる配線(または当該線分の方向と同一方向の配線)は敷設可能と設定する。
【0077】
なお、配線禁止許可領域設定部120は、通過配線許可領域内のリピータ配線最大長以下となる折れ線上の線分(図15(ii))を抽出し、当該線分と重なる配線(または当該線分の方向と同一方向の配線)は敷設可能と設定してもよい。
【0078】
一般的に、電源ドメインを斜め方向に通過する配線処理は行われない。しかし、斜め方向の配線処理も考慮対象とした場合、配線禁止許可領域設定部120は、通過配線許可領域内のリピータ配線最大長以下となる斜め方向の線分(図15(iii))を抽出し、当該線分と重なる配線(または当該線分の方向と同一方向の配線)は配置可能と設定することも可能である。
【0079】
このように、通過配線許可領域に通過可能な配線方向を設定することにより、図12に示す問題を回避、すなわち、通過配線許可領域内にリピータバッファを挿入することが無くなる。
【0080】
続いて、本実施の形態にかかる半導体レイアウト設定装置及び半導体レイアウト方法の効果について説明する。本実施の形態では、ある電源ドメイン内を接続する配線は許容し、通過配線を禁止する排他的配線禁止領域と、通過配線が許容される通過配線許可領域と、がリピータ配線最大長に基づいて規定される。排他的配線禁止領域では、通過配線が禁止され、同一電源ドメイン内のプリミティブセルを接続する配線のみ許容される。そのため、排他的配線禁止領域では、リピータバッファ用の領域を設ける必要が無くなる。これにより、図29に示したように、ある電源ドメイン内に包含される新たな電源ドメインを設ける必要が無くなる。さらに、通過配線許可領域を設けたことにより、リピータバッファが挿入されない通過配線を敷設することが可能となるため、電源ドメインを迂回するように配線を行う必要が無い。迂回配線の敷設を回避しつつ、電源ドメイン内にリピータバッファ用の領域を設ける必要が無いため、チップ面積が減少できるとともに、電源ドメインの違いに起因するリピータバッファの動作不良を回避できる。
【0081】
図16を参照して、本実施の形態にかかる半導体レイアウト設定装置及び半導体レイアウト方法の効果を具体的に説明する。図16は、本実施の形態にかかる半導体レイアウト設定装置100が出力したレイアウト情報を示す図である。電源ドメインの配置、及びプリミティブセルの配置は、図3と同様である。また、リピータ配線最大長は100μmとする。
【0082】
配線禁止許可領域設定部120は、電源ドメインBの領域(D2)について、上述した方法により排他的配線禁止領域Eと、通過配線許可領域Fと、を設定する。配線設定部130は、配線修正処理(図4 S160、図8 S161〜S165)を実行する。そして、リピータ挿入部140は、修正後の配線にリピータバッファの設定を行う。
【0083】
ここで、配線設定部130は、同一電源ドメイン(電源ドメインB)に属するプリミティブセルP4、P5を接続する配線W2を再配線の対象外とする(図8 S162)。このため、図32において配線禁止領域を設定した場合と異なり、同一電源ドメイン内のプリミティブセルを接続する配線W2が配線不能になることを回避できる。
【0084】
配線設定部130は、電源ドメインAに属するP2、P3を接続する配線W1を排他的配線禁止領域Eを通過しない最短経路となるように配線を修正する(図16)。この場合、最短経路(図16中の配線W1)は、通過配線許可領域Fを通過する経路となる。このように、電源ドメインBを迂回することの無い配線を設定することが可能になる。また、通過配線許可領域Fはリピータ最大配線長以下の長さの区間を持つため、上述したリピータの挿入方法によれば電源ドメインB内にリピータバッファが挿入されることが無くなり、リピータバッファの誤動作を招くことが無くなる。
【0085】
このように、本実施の形態にかかる半導体レイアウト設定装置100では、迂回配線の禁止、電源ドメイン内にリピータバッファ用の電源ドメインを設置することの回避、及びリピータ配線最大長以上の通過距離を持つ配線の禁止、を実現できる。これにより、本実施の形態にかかる半導体レイアウト設定装置100では、チップ面積の増大を防止ししつつ、リピータバッファの正常な動作を実現することができる。
【0086】
さらに、本実施の形態にかかる半導体レイアウト設定装置100は、ネットリスト201、フロアプラン情報202、ライブラリ203を入力するのみで、上述のレイアウト情報210(適切なリピータバッファの挿入を実現したレイアウト)を生成する。すなわち、ユーザが手動でレイアウト情報を変更等する必要が無い。そのため、本実施の形態にかかる半導体レイアウト設定装置100は、設計のTAT(Turn Around Time、ターンアラウンドタイム)を削減できるという効果も奏する。
【0087】
<実施の形態2>
本実施の形態にかかる半導体レイアウト設定装置は、排他的配線禁止領域の角(頂点)の部分を削り(通過配線許可領域に設定し)、配線の迂回領域を設けることにより配線混雑を緩和できることを特徴とする。本実施の形態にかかる半導体レイアウト設定装置の詳細について、実施の形態1と異なる点を以下に説明する。
【0088】
本実施の形態にかかる半導体レイアウト設定装置100は、図2に示す半導体レイアウト設定装置100と同一の構成を持つ。また、配線禁止許可領域設定部120以外の各処理部の処理は、実施の形態1と同様である。以下、本実施の形態にかかる配線禁止許可領域設定部120の動作を図17を参照して説明する。図17は、本実施の形態にかかる配線禁止許可領域設定部120の動作を示すフローチャートである。
【0089】
S151〜S154の処理は、実施の形態1と同様である。太らせ処理(S154)の後に、配線禁止許可領域設定部120は、電源ドメインの全ての角、すなわち全ての頂点を選択する(S155)。
【0090】
配線禁止許可領域設定部120は、選択した頂点のうち、内角が90°である頂点を選択する(S156)。配線禁止許可領域設定部120は、選択した頂点を基準として切り抜く矩形、すなわち排他的配線禁止領域から除外する領域(通過配線許可領域とする領域)を設定する(S157)。ここで、この矩形領域の幅と高さは、以下の式を満たすように設定する。なお、矩形の幅の高さと幅の和をリピータ配線最大長と等しくした場合、排他的配線禁止領域から除外する領域の面積が最も大きくなり、最も効果的に配線混雑を回避できる。
【0091】
(矩形の幅) + (矩形の高さ) <= リピータ配線最大長
【0092】
配線禁止許可領域設定部120は、S157にて設定した領域を排他的配線禁止領域から除外、換言するとS157にて設定した領域を通過配線許可領域に変更(NOT処理)する(S158)。
【0093】
次に、図18を参照して上述したS155〜S158の処理の具体例を説明する。図18は、本実施の形態にかかる配線禁止許可領域設定部120の処理の具体例を示す概念図である。以下の説明では、リピータ配線最大長を100μmとする。
【0094】
図18(a)は、太らせ処理が終了した電源ドメインの全ての頂点(6つの頂点)を選択した状態を示す図である。配線禁止許可領域設定部120は、選択した頂点(6つの頂点)のうち、内角が90°である5つの頂点を選択する。図18(b)は、選択した頂点(6つの頂点)のうち、内角が90°の頂点(5つの頂点)のみを選択した状態を示す図である。
【0095】
図18(c)は、選択した各頂点から50μmの正方形の矩形領域を設定した状態を示す図である。図18(d)は、設定した矩形領域を排他的配線禁止領域から除外、換言すると通過配線許可領域に設定した状態を示す図である。
【0096】
図18に示すように、太らせ処理を行った後の排他的配線禁止領域(図18(a))に比べ、S155〜S158の処理を行った後の排他的配線禁止領域(図18(d))の面積が小さくなっている。そのため、配線の自由度が向上し、配線混雑の緩和という効果を生じる。図示したように、電源ドメインの頂点付近が通過配線許可領域に変更される。電源ドメインの頂点付近は、一般に配線混雑の問題が生じやすい領域である。そのため、配線混雑を効果的に解消することができる。
【0097】
一般的に、配線は、電源ドメインのいずれかの辺と並行に敷設される。しかしながら、電源ドメインのいずれかの辺と平行でない配線も許容する場合、必ずしもS157にて設定する領域の形状は矩形でなくてもよい。図19は、矩形領域以外の切り抜き領域の一例を示す図である。図示するように、たとえば通過配線許可領域に変更する領域(切り抜き領域)は、三角形であってもよい。この場合、この領域の全外周辺の全長から電源ドメインの輪郭を構成する辺を引いた長さ(図19では線分(i)の長さ)をリピータ配線最大長以下に設定する。
【0098】
さらに、図17に示す処理は、様々な形状の電源ドメインに応用することも可能である。一般的に、電源ドメインの頂点は90°または270°の角度を持つことが一般的である。しかしながら、上述の手法は、頂点角度が90°、270°以外の電源ドメインに対応することも可能である。この様な電源ドメインに対する対応を図20を参照して説明する。
【0099】
図20(a)は、太らせ処理が終了した電源ドメインの全ての頂点(7つの頂点)を選択した状態を示す図である。配線禁止許可領域設定部120は、選択した頂点のうち、内角が180°未満である6つの頂点を選択する。図20(b)は、選択した頂点のうち、内角が180°未満の頂点のみを選択した状態を示す図である。
【0100】
図20(c)は、選択した各頂点から多角形領域を設定した状態を示す図である。図20(d)は、設定した多角形領域を排他的配線禁止領域から除外、換言すると通過配線許可領域に設定した状態を示す図である。
【0101】
図示するように、電源ドメインの頂点の角度が多岐にわたる場合、配線禁止許可領域設定部120は、180°未満の頂点を選択し、選択した頂点から領域を設定すればよい。また、設定する領域は、当該設定領域の全外周辺の全長から電源ドメインの輪郭を構成する辺を引いた長さがリピータ配線最大長以下になるように設定すればよい。これにより、通過配線の配線長がリピータ配線最大長以下することができるとともに、排他的配線禁止領域を太らせ処理後の面積よりも小さくすることができる。
【0102】
次に、本実施の形態にかかる半導体レイアウト設定装置及び半導体レイアウト設定方法の効果について説明する。本実施の形態にかかる配線禁止許可領域設定部120は、電源ドメインの頂点箇所の排他的配線領域を削る、すなわち通過配線許可領域に変更することにより配線の迂回ができる領域を設けている。これにより、電源ドメインの頂点に存在する配線混雑箇所を避けて配線を敷設することが可能になる。
【0103】
詳細な効果を図21及び図22を比較することにより説明する。図21は、実施の形態1にかかる半導体レイアウト設定装置100が設計したレイアウト情報を示す図である。なお、図21及び図22において、リピータ配線最大長は、100μmである。
【0104】
図示するように、電源ドメインAの領域(D1)と、電源ドメインBの領域(D2)が設定されている。電源ドメインAは、電源が常にONの状態を維持する、すなわち、電源ドメインAには電源が常に供給される。電源ドメインBは、内部回路が動作しない場合に電源が遮断(OFF)される。電源ドメインAの領域(D1)には、プリミティブセルP2とP3が配置されている。配線W1は、プリミティブセルP2とP3を接続する配線である。リピータRBは、配線W1上に配置されたリピータバッファである。電源ドメインBの領域(D2)には、排他的配線禁止領域Eと、通過配線許可領域Fと、が設定されている。ここで、領域C(配線混雑領域C)は、電源ドメインBの頂点近辺に生じた配線混雑の領域である。
【0105】
配線W1は、排他的配線禁止領域Eの外側を通るように配線されるため、最短経路を通る経路は配線混雑領域Cを通過する。このため、配線混雑が更に悪化してしまう。配線混雑を緩和するためには、チップサイズを増大する必要がある。
【0106】
図22は、本実施の形態にかかる半導体レイアウト設定装置100が設計したレイアウト情報を示す図である。電源ドメインの配置、プリミティブセルの配置、及び配線混雑領域Cの位置は、図21と同様である。
【0107】
図示するように、電源ドメインBの領域(D2)の内角が90°の頂点には、一辺が50μmの正方形の通過配線許可領域Fが設けられている。この領域は、配線の迂回領域となり得る。
【0108】
配線W1は、図示するように、排他的配線禁止領域Eから削られた領域(排他的配線禁止領域Eから通過配線許可領域Fに変更された領域)を通過している。これにより、配線W1は、配線混雑領域Cを迂回している。ここで、配線混雑領域Cを迂回する際に配線W1は電源ドメインB内を通過しているが、この通過配線の配線長は100μm以下(リピータ最大配線長以下)となる。このため、電源ドメインB内にリピータを挿入する必要はない。このように、排他的配線禁止領域Eの面積が実施の形態1に比べて減少し、配線混雑領域Cを迂回して配線を設定できるため、チップサイズの増大を防止できる。
【0109】
なお、配線禁止許可領域設定部120は、配線混雑の状況を考慮して、S157にて設定する矩形領域の形状を定めても良い。詳細を図23を参照して説明する。図23は、矩形領域の形状の設定の一手法を示す概念図である。
【0110】
図23(a)は、電源ドメインのある頂点付近に縦長の配線混雑領域Cが存在する様子を示す図である。なお、配線混雑領域Cの形状は、配線部114の配線処理の結果から算出可能である。
【0111】
配線禁止許可領域設定部120が図23(b)に示すように縦長の矩形領域を設定したとする。この場合には、配線混雑領域Cに近い箇所に配線が設置される可能性が高くなる。これにより、配線混雑領域C内にある配線を水平移動することが容易となる。すなわち、配線混雑領域C内にある配線を領域Cの範囲外に移動できる可能性が高くなる。
【0112】
一方、配線禁止許可領域設定部120が図23(c)に示すように横長の矩形領域を設定したとする。この場合には、配線混雑領域C内にある配線を当該横長矩形領域に移動させることが困難である。
【0113】
配線禁止許可領域設定部120は、配線混雑領域Cの位置を考慮して、矩形領域(排他的配線禁止領域Eから通過配線許可領域Fに変更する領域)を設置することにより、より効果的に配線混雑を回避することができる。詳細には、配線禁止許可領域設定部120は、図22(b)のように、配線混雑領域Cになるべく近づくように矩形領域を定めることが効果的である。
【0114】
<その他の実施の形態>
実施の形態1または2に記載の半導体レイアウト設定装置の変形例を以下に示す。図24に示す半導体レイアウト設定装置100は、レイアウト作成部110内に配線部を有さず、レイアウト作成部110の外に配線設定部130を有する。配線設定部130は、配線禁止許可領域設定部120による排他的配線禁止領域の設定後に全ての配線にかかる配線処理を行う。なお、排他的配線禁止領域の設定処理、リピータバッファの挿入処理は、上述の方法と同様に行えばよい。配線処理は、電源ドメインを通過する配線は、通過許可領域のみの通過を許容した最短経路を選択することにより行えばよい。
【0115】
このように、排他的配線禁止領域を設定した後に配線処理をする場合であっても実施の形態1、2と同様の効果を奏することができる。
【0116】
さらに、図25に示すように、上述のレイアウト作成部110と、その他の処理部(配線禁止許可領域設定部120、配線設定部130、リピータ挿入部140)と、を別の装置内に設けても良い。装置300は、半導体レイアウト設定装置100とは別の装置として構成する。半導体レイアウト設定装置100には、装置300が生成したレイアウト情報に加え、ライブラリ203が供給される。なお、各処理部の動作は、上述した通りである。この構成であっても、実施の形態1、2と同様の効果を奏することができる。
【0117】
なお、本発明は上記に示す実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲において、上記実施形態の各要素を、当業者であれば容易に考えうる内容に変更、追加、変換することが可能である。
【0118】
たとえば、駆動電圧のみが異なり、常時ONとなる複数の電源ドメインを異なる電源ドメインとして扱うことも可能である。
【0119】
また、上述の例では、電源ドメインAが電源ドメインBを包含するレイアウトでの配線について説明したが必ずしもこれに限られない。例えば、電源ドメインAと電源ドメインBが隣接するような場合であっても、上述のレイアウト設定方法を適応することが可能である。
【0120】
上述の説明では、リピータバッファを配線上に挿入することを前提としたが、本発明は必ずしもこれに限られない。例えば、上述のリピータバッファに代わり、インバータを挿入するようなケースであっても、本発明のレイアウト設定方法を応用することが可能である。
【0121】
図2、図24、または図25に記載した各処理部(レイアウト作成部110、配線禁止許可領域設定部120、配線設定部130、リピータ挿入部140)の処理は、任意のコンピュータ内で動作するプログラムとして実現することが可能である。プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0122】
図26は、上述の半導体レイアウト設定方法の各処理(レイアウト作成部110、配線禁止許可領域設定部120、配線設定部130、及びリピータ挿入部140の各処理)をプログラムとして実行する場合のシステム構成の一態様を示す図である。
【0123】
当該システムは、コンピュータ装置401と、サーバ402と、を備える。サーバ402は、記憶媒体403を備える。コンピュータ装置401は、例えばエンジニアリングステーションである。コンピュータ装置401と、サーバ402と、はネットワーク404(たとえばインターネット)を介して接続される。記憶媒体403は、上記した処理(レイアウト作成部110、配線禁止許可領域設定部120、配線設定部130、及びリピータ挿入部140の各処理)を実行するための実行プログラムを格納している。
【0124】
コンピュータ装置401は、ネットワーク404を介して、記憶媒体403に格納された半導体レイアウト設定にかかる実行プログラムをダウンロードする。ダウンロードされたプログラムは、コンピュータ装置401内のローカルなハードディスク、メモリ等に格納されて実行される。
【0125】
コンピュータ装置401のハードウェア構成の一例を図27に示す。コンピュータ装置401は、中央処理装置(CPU, Central Processing Unit)501と、メモリ502と、を含んでいる。CPU501及びメモリ502は、バスを介して補助記憶装置としてのハードディスク装置(HDD)503に接続される。このコンピュータ装置401は、典型的には、ユーザ・インターフェース・ハードウェアを備える。ユーザ・インターフェース・ハードウェアとしては、例えば、入力をするためのポインティング・デバイス(マウス、ジョイスティック等)やキーボード等の入力装置504や、視覚データをユーザに提示するための液晶ディスプレイなどの表示装置505がある。ハードディスク装置503等の記憶媒体にはオペレーティングシステムと共同してCPU501等に命令を与え、上述した半導体レイアウトの設定処理を実施するためのコンピュータ・プログラムを記憶することができる。
【符号の説明】
【0126】
100 半導体レイアウト設定装置
110 レイアウト作成部
111 電源設定部
112 セル配置部
113 CTS部
114 配線部
120 配線禁止許可領域設定部
130 配線設定部
140 リピータ挿入部
201 ネットリスト
202 フロアプラン情報
203 ライブラリ
210 レイアウト情報
300 半導体レイアウト設定装置
401 コンピュータ装置
402 サーバ
403 記憶媒体
404 ネットワーク
501 CPU
502 メモリ
503 HDD
504 入力装置
505 表示装置
P2〜P9 プリミティブセル
D1 電源ドメインA
D2 電源ドメインB
E 排他的配線禁止領域
F 通過配線許可領域
W1〜W7 配線
RB リピータバッファ
C 配線混雑領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2の電源ドメインを有する半導体装置のレイアウトにおいて、前記第1の電源ドメイン内に排他的配線禁止領域及び通過配線許可領域を、リピータバッファが駆動可能な最大配線長であるリピータ配線最大長に基づいて設定する配線禁止許可領域設定部と、
前記排他的配線禁止領域及び通過配線許可領域に基づいて、配線の位置を設定する配線設定部と、
各配線の位置と、前記リピータ配線最大長と、に基づいて、配線に挿入するリピータバッファを設定するリピータ挿入部と、を備え、
前記排他的配線禁止領域は、前記第1の電源ドメイン内で接続する配線は許容し、通過配線を禁止する領域であり、
前記通過配線許可領域は、前記第1の電源ドメインから前記排他的配線禁止領域を除外した領域であり、通過配線が許容される領域である半導体レイアウト設定装置。
【請求項2】
前記配線禁止許可領域設定部は、前記第1の電源ドメインの全体を通過配線を禁止にする領域に設定し、当該領域を前記第1の電源ドメインの輪郭から前記リピータ配線最大長に基づいた第1の幅だけ縮小し、縮小した当該領域の輪郭を前記第1の幅だけ拡大することにより前記排他的配線禁止領域を設定することを特徴とする請求項1に記載の半導体レイアウト設定装置。
【請求項3】
前記第1の幅は、前記リピータ配線最大長の1/2であることを特徴とする請求項2に記載の半導体レイアウト設定装置。
【請求項4】
前記リピータ挿入部は、前記通過配線許可領域との境界位置であって、前記第2の電源ドメインに属する位置に基準となるリピータバッファを挿入することを決定し、当該リピータバッファと前記リピータ配線最大長を基準に他のリピータバッファを挿入する位置を決定することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の半導体レイアウト設定装置。
【請求項5】
前記レイアウトは、前記配線禁止許可領域設定部に入力される際に仮の配線処理が行われており、
前記配線設定部は、前記排他的配線禁止領域を通過する配線を削除し、削除した当該配線に代わる代替配線を、前記排他的配線禁止領域を通過しないように規定することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の半導体レイアウト設定装置。
【請求項6】
前記配線禁止許可領域設定部は、前記第1の電源ドメインの内角が180度以内である頂点を選択し、選択した頂点を基に設定した設定領域を前記排他的配線禁止領域から前記通過配線許可領域に変更し、
前記設定領域の輪郭の全長から前記第1の電源ドメインの輪郭に含まれる長さを減算した長さが、前記リピータ配線最大長以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の半導体レイアウト設定装置。
【請求項7】
前記配線禁止許可領域設定部は、前記第1の電源ドメインの内角が90度である頂点を選択し、選択した頂点から第2の幅及び第1の高さの矩形領域を前記設定領域として、前記排他的配線禁止領域から前記通過配線許可領域に変更することを特徴とする請求項6記載の半導体レイアウト設定装置。
【請求項8】
前記第2の幅と前記第1の高さの和は、前記リピータ配線最大長以下であることを特徴とする請求項7記載の半導体レイアウト設定装置。
【請求項9】
前記配線禁止許可領域設定部は、前記矩形領域の形状を、配線が混雑している配線混雑領域の位置に応じて設定することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の半導体レイアウト設定装置。
【請求項10】
前記配線禁止許可領域設定部は、前記矩形領域の形状を、前記配線混雑領域との距離が近づくように設定することを特徴とする請求項9に記載の半導体レイアウト設定装置。
【請求項11】
前記配線禁止許可領域設定部に供給する前記レイアウトを生成するレイアウト作成部を更に備えることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の半導体レイアウト設定装置。
【請求項12】
前記レイアウト作成部は、前記通過配線許可領域内に配置されたリピータバッファの各々を前記第2の電源ドメインの最も近い位置に移動させ、移動させたリピータバッファの位置に応じて再配線することを特徴とする請求項11に記載の半導体レイアウト設定装置。
【請求項13】
前記配線禁止許可領域設定部は、前記通過配線許可領域に対し、配線可能な方向を前記リピータ配線最大長に基づいて設定することを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の半導体レイアウト設定装置。
【請求項14】
前記配線禁止許可領域設定部は、前記第1の電源ドメインから、対向辺との距離が前記リピータ配線最大長以下である凸部領域を除外した領域を前記排他的配線禁止領域に設定することを特徴とする請求項1に記載の半導体レイアウト設定装置。
【請求項15】
第1及び第2の電源ドメインを持ち、前記第2の電源ドメインに接続元と接続先を持つ配線を設定する半導体装置のレイアウト設定方法であって、
前記配線の前記第1の電源ドメインの通過距離が、リピータバッファが駆動可能な最大配線長未満となることを許容し、前記最大配線長以上となることを禁止してレイアウトを設定する、半導体装置のレイアウト設定方法。
【請求項16】
前記最大配線長に基づいて、前記第1の電源ドメイン内で接続する配線は許容し、通過配線を禁止する領域である排他的配線禁止領域と、
前記第1の電源ドメインから前記排他的配線禁止領域を除外した領域であり、通過配線が許容される領域である通過配線許可領域と、を設定することを特徴とする請求項15に記載の半導体装置のレイアウト設定方法。
【請求項17】
前記第1の電源ドメインの全体を通過配線を禁止にする領域に設定し、当該領域を前記第1の電源ドメインの輪郭から前記リピータ配線最大長に基づいた第1の幅だけ縮小し、縮小した当該領域の輪郭を前記第1の幅だけ拡大することにより前記排他的配線禁止領域を設定することを特徴とする請求項16に記載の半導体装置のレイアウト設定方法。
【請求項18】
前記第1の幅は、前記リピータ配線最大長の1/2であることを特徴とする請求項17に記載の半導体装置のレイアウト設定方法。
【請求項19】
コンピュータに、第1及び第2の電源ドメインを持ち、前記第2の電源ドメインに接続元と接続先を持つ配線を有する半導体装置のレイアウトを設定する処理を実行させるための半導体レイアウト設定プログラムであって、
前記配線の前記第1の電源ドメインの通過距離が、リピータバッファが駆動可能な最大配線長未満となることを許容し、前記最大配線長以上となることを禁止してレイアウトを設定する処理、
を実行させるためのプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2013−45861(P2013−45861A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182200(P2011−182200)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】