説明

半導体回路

【課題】
ノーマリオン特性を有する半導体素子または、しきい電圧が低いスイッチング素子に好適な半導体回路を提供する。
【解決手段】
本発明の半導体回路は、高圧電源から負電源を充電する手段を設け、高圧端子に電圧を印加するかどうかを制御する高圧スイッチを設け、電力用スイッチング素子用の電源供給が低下したときに高圧スイッチを遮断したり、電力用スイッチング素子の制御回路用が低下しても、高圧端子から制御回路用の電源キャパシタを充電し、制御回路が動作するようにした。さらに、出力端子側からキャパシタに充電されるエネルギーを利用した負電源電圧発生回路を設け、高圧端子と基準電圧端子との間に電圧端子を設け、この電圧端子と複数の出力側端子との間に負電源電圧発生回路を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲート電圧がゼロボルトのときにもオン状態となるノーマリオン特性を有する半導体スイッチング素子や、しきい電圧が低いノーマリオフ特性を有する半導体スイッチに好適な半導体回路に関する。
【背景技術】
【0002】
SiC(炭化珪素)やGaN(窒化ガリウム)やダイヤモンドのようなワイドバンドギャップ半導体素子はスイッチング素子として優れた特性を有するものの、これらワイドバンドギャップ半導体素子を用いた代表的半導体素子である接合型FET(JFETと略す。)や静電誘導型トランジスタ(SITと略す。)や金属−半導体FET(Metal-
Semiconductor-Field-Effect-Transistor:MESFETと略す。) やHeterojmction Field
Effect Transistor(HFETと略す。)High Electron Mobility Transistor(HEMTと略す。) や蓄積型FETなどは、ゲート電圧がゼロの時にもドレイン電流が流れるノーマリオン特性、または、しきい電圧が2〜3V程度以下と低いノーマリオフ特性となる。このため、パワー半導体素子を確実にオフさせるためにはゲート・ソース間に負電圧を印加するための負電源回路が必要となる。
【0003】
特許文献1にはノーマリオン型JFETを駆動する方法、特にゲート・ソース間ダイオードの耐圧が異なったJFETを使用してもゲート電流を低く抑えられる制御回路が開示されている。また、特許文献2には上アームのスイッチング素子の電源用コンデンサを下アーム用スイッチング素子を通して充電する従来のブートストラップ回路が開示されている。さらに、特許文献2では3組の充放電用スイッチング素子と補助コンデンサを用いて、補助コンデンサから各々上アーム用スイッチング素子の電源用コンデンサを充電する方法が開示されている。特許文献3ではノーマリオン型トランジスタであるSITを安定に起動させるためにゲート電圧,ソース電圧の印加に時間差を設け、突入電流も抑制した
SIT起動回路が開示されている。
【0004】
特許文献4ではノーマリオンのFETを用いた回路において、主電源となる第一の直流電源の負側にこの電源と同時に電圧が確立される第二の直流電源を接続し、この第二の直流電源を利用してアーム短絡を回避する回路が開示されている。
【0005】
【特許文献1】米国Patent Application Publication US2003/0179035A1(図3から図6の記載と、(0025)段落から(0031)段落の記載。)
【特許文献2】特開2004−304527号公報(図1と、(0015)段落と (0016)段落の記載。)
【特許文献3】特開平7−23570号公報(図1,図2と、(0006)段落の記載。)
【特許文献4】特開2004−242475号公報((0034)段落から(0044)段落の記載。)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来技術において、特許文献1に記載のものは、制御回路の負ゲート電圧用電源にキャパシタを使用し、パワー半導体素子のソース電流により、充電することは考慮されてなかった。
【0007】
特許文献2に記載のものは、上アーム用スイッチング素子の電源用コンデンサを上アーム用スイッチング素子を通して充電する方法に関しては検討がなされてなかった。さらに、特許文献2では3組の充放電用スイッチング素子と補助コンデンサを用いて、補助コンデンサから各々上アーム用スイッチング素子の電源用コンデンサを充電する検討がなされているが、充放電用スイッチング素子等の数を減らす方法の検討はなされてなかった。また、下アーム用半導体素子に電源用コンデンサを設けて電源として使用する検討はなされてなかった。
【0008】
特許文献3に記載のものは、ノーマリオン型トランジスタであるSITを安定に起動させるためにゲート電圧,ソース電圧の印加に時間差を設けたSIT起動回路が開示されている。しかし、前記スイッチ回路を保護回路と連携してスイッチング素子を遮断すること、ならびに、遮断のさせ方に関しては検討がなされてなかった。
【0009】
特許文献4に記載のものは、第二の直流電源を用いたアーム短絡方法は開示されているものの、第二の直流電源が動作しなくなった場合の検討はなされてなかった。
【0010】
本発明の目的は、ゲート電圧がゼロボルトのときにもオン状態となるノーマリオン特性を有する半導体スイッチング素子や、しきい電圧が低いノーマリオフ特性を有する半導体スイッチに好適な半導体回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、制御回路用の電源の数を低滅するために出力端子側からキャパシタに充電されるエネルギーを利用した負電源電圧発生回路を設けた。さらに、本発明では高圧端子と基準電圧端子との間に電圧端子を設け、この電圧端子と複数の出力側端子との間に負電源電圧発生回路を設けた。
【0012】
本発明では、高圧端子に電圧を印加するかどうかを制御する高圧スイッチを設け、電力用スイッチング素子用の電源供給が低下したときに前記高圧スイッチを遮断したり、電力用スイッチング素子の制御回路用が低下しても、高圧端子から制御回路用の電源キャパシタを充電し、制御回路が動作するようにし、電力用スイッチング素子に過大電流を流さない制御ができるようにした。あるいは、電力用スイッチング素子の制御回路用電源への電源供給が低下したときは電力用スイッチング素子のゲート電圧を自動的に立ち下げて、電力用スイッチング素子に過電流が流れないようにした。
【0013】
本発明では、電力用スイッチング素子の制御回路用電源の供給が低下した場合には高圧端子の電圧を低下させるための電流経路が形成されるようにした。また、電力用スイッチング素子の制御回路の消費電力を低減するために、制御回路のなかの論理制御回路部を動作させる必要がない場合には論理制御回路部への電流を遮断するスイッチを設けた。さらに、高速スイッチングしたときに出力端子の電圧が、高圧端子の電圧と基準電圧端子の電圧の範囲から大幅に逸脱することなく出力電圧のdV/dtが低下するように、高圧端子の電圧付近や基準電圧端子の電圧付近でだけ充電動作または放電動作をするキャパシタを出力端子に接続した。
【0014】
本発明では、ノーマリオン型スイッチング素子を確実にオフ状態にするための負電源を設け、この負電源は正電源側から電力変換により供給できるようにした。また、状況により、負電源から正電源側に電力変換により供給することもできるようにした。
【0015】
本発明では、負荷基準電圧端子、すなわち、自動車ならばボディに接続された負荷に高圧側端子が負荷基準電圧端子に接続された負電源から電力供給することもできるようにした。
【発明の効果】
【0016】
本発明ではノーマリオン特性を有するスイッチング素子またはしきい電圧が低いノーマリオフ型のスイッチング素子の制御回路が簡単となり半導体回路が小型化し、さらに信頼性も向上する。また、本発明の回路構成により低損失で高速なソフトスイッチングも実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の半導体回路では、基準電圧端子10と基準電圧端子の電圧より電圧が高い第1の電源電圧端子である高圧端子11との間に、少なくとも1組の出力端子と第1の電源電圧端子との間に第1のスイッチング素子30u,30v,30wと、第1のスイッチング素子30u,30v,30wを制御する第1の制御回路32u,32v,32wを設け、第1の制御回路32u,32v,32wは高圧側電圧端子15u,15v,15w,9u,9v,9wと低圧側電圧端子16u,16v,16wとの間で動作し、低圧側電圧端子16u,16v,16wの電圧は第1のスイッチング素子のソース端子の電圧より低い負電圧であり、出力端子である高圧側電圧端子15u,15v,15wと第2の電源電圧端子16との間には第1のキャパシタ40u,40v,40wを設け、低圧側電圧端子16u,16v,16wの電圧は第1のキャパシタ40u,40v,40wに充電された電圧により生成され、さらに、第2の電源電圧端子16と第1のキャパシタ40u,40v,
40wの間に第1のダイオード38u,38v,38wを設け、出力端子の電圧が第2の電源電圧端子19より高くなったときに、第1のキャパシタを充電し、出力端子の電圧が第2の電源電圧端子19より低くなったときには第1のキャパシタの電荷が放電されにくくなるようにした。
【0018】
また、本実施例の半導体回路では第1のキャパシタ40u,40v,40wと第3の電圧端子14との間に整流素子であるダイオード68u,68v,68wを設けて、下アーム用の第2のキャパシタの充電は整流素子を通して第1のキャパシタから充電して、ノーマリオン型のスイッチング素子や、しきい電圧が低いノーマリオフ型のスイッチング素子を制御する電源として使用する。この回路構成によって高速でスイッチングしても出力端子の電圧が、高圧端子の電圧と基準電圧端子の電圧の範囲から大幅に逸脱することなく、高圧端子の電圧付近や基準電圧端子の電圧付近でだけ出力電圧のdV/dtが低下するソフトスイッチングができるため、スイッチング損失が小さくなり、雑音も小さく、スイッチング素子の耐圧設計も下げることができる。
【0019】
本発明の半導体回路では、第1の制御回路は高圧側電圧端子15u,15v,15w,9u,9v,9wと第2の電圧の負方向に離れた低圧側電圧端子16u,16v,16wとの間で動作し、低圧側電圧端子16u,16v,16wの電圧は第1のスイッチング素子のソース端子である高圧側電圧端子15u,15v,15wの電圧より低い負電圧である回路で、第1の電圧端子の第1のスイッチがオンする事により電圧が昇圧するようにし、制御回路への電力供給能力が基準以下に低下しそうなときには、第1のスイッチを高速にオフし、さらに、第1のスイッチング素子のゲート端子に接続された第5のスイッチング素子117(図4)または低圧側電圧端子16u,16v,16wに接続された第6のスイッチング素子117(図16)をオンすることにより、第1の制御回路32u,32v,32wの電源電圧低下を抑制するか、第1のスイッチング素子30u,30v,30wを駆動信号のいかんにかかわらずオフ駆動することによって、第1のスイッチング素子
30u,30v,30wに過大電流が流れないようにする。
【0020】
本発明では、基準電圧端子12と、前記基準電圧端子10の電圧より電圧が高い第1電源電圧端子13と、前記基準電圧端子12と第1電源電圧端子11との間に配置した少なくとも1組の出力端子16u,16v,16wと、前記基準電圧端子10と前記出力端子16u,16v,16wとの間に配置した第2スイッチング素子30u,30v,30wと、該第2スイッチング素子30u,30v,30wを制御する第2制御回路32u,
32v,32wとを備え、前記第2制御回路32u,32v,32wが、高圧側電圧端子10の電圧と低圧側電圧端子の電圧14との間で動作し、前記低圧側電圧端子の電圧が、前記第2スイッチング素子のソース端子10の電圧より低い負電圧であり、前記基準電圧端子10と前記第1電源電圧端子13との間に第1電源201を備え、前記基準電圧端子10に対し、前記第1電源電圧端子11とは逆極性の第5電源端子14を備え、前記第1電源電圧端子11と前記第1電源201の間には前記基準電圧端子10と前記第2制御回路の低圧側電圧端子14との間の電圧が規定の値になったときにオンするノーマリオフ型のスイッチ34を備え、前記第2制御回路の低圧側電圧端子14は前記第5電源204により生成されるようにする。
【0021】
本発明では、負電源である第5電源204から基準電圧端子10に接続された負荷307に電力供給することもできるようにした。
【0022】
以下、図面を用いながら本発明の実施例を詳しく説明する。以下の実施例では電界効果型のスイッチング素子はnチャネル型であるとして説明するが、pチャネル型のスイッチング素子の場合には回路の極性を逆にすることにより同様な構成が実現でき、同様の効果が得られることはいうまでもない。また、スイッチング素子の端子名はドレイン,ゲート,ソースとFETの名称で記載するが、スイッチング素子がバイポーラトランジスタの場合には各々コレクタ,ベース,エミッタとなる。
【実施例1】
【0023】
図1は、本実施例の半導体回路の説明図である。上アーム用のスイッチング素子30u,30v,30wと下アーム用のスイッチング素子31u,31v,31wにはnチャネル型のJFETを使用した回路を示したが、SITやMESFETやHFETやHEMTや蓄積型FETなどのJFET以外の他の電界効果型スイッチング素子やバイポーラトランジスタを使用してもよい。本実施例でスイッチング素子30u,30v,30w,31u,31v,31wはノーマリオン型のスイッチング素子を用いた場合を例に説明する。
【0024】
本実施例では、高圧端子11と出力端子である高圧側電圧端子15u,15v,15wとの間には上アーム用のスイッチング素子30u,30v,30wを接続し、出力端子である高圧側電圧端子15u,15v,15wと基準電圧端子10の間には下アーム用のスイッチング素子31u,31v,31wを配線し、上アーム用のスイッチング素子30u,30v,30wと下アーム用のスイッチング素子31u,31v,31wにより電力を制御されるモータ等の負荷37u,37v,37wを出力端子である高圧側電圧端子15u,15v,15wに接続したブリッジ回路構成の3相インバータである。上アーム用のスイッチング素子30u,30v,30wを制御するために上アームのスイッチング素子用の制御回路32u,32v,32w、下アーム用のスイッチング素子31u,31v,
31wを制御するために下アーム用の制御回路33u,33v,33wを設けてある。
【0025】
図1で符号130u,130v,130w、131u,131v,131wのダイオードは、フライホイルダイオードで、誘導性負荷の場合にスイッチング素子のソース端子からドレイン端子に電流を流す。なお、スイッチング素子30u,30v,30w,31u,31v,31wがJFETやパワーMOSFETなどのFETやバイポーラトランジスタの場合にはソース端子(エミッタ端子)からドレイン端子(コレクタ端子)に電流を流すことができるため、ソース端子(エミッタ端子)からドレイン端子(コレクタ端子)へ電流を流す場合の損失が小さい場合にはフライホイルダイオードを接続しなくてもよい。なお、ダイオード130u,130v,130w、131u,131v,131wを使用しない場合にはソース端子(エミッタ端子)からドレイン端子に(コレクタ端子)電流が流れているときにはスイッチング素子30u,30v,30w,31u,31v,31wをオン駆動することにより損失が小さくなる。
【0026】
本実施例では上アーム用の制御回路32u,32v,32wの高圧側電圧端子はスイッチング素子30u,30v,30wのソース端子と同じで出力端子である高圧側電圧端子15u,15v,15wに接続してあり、低圧側電圧端子は16u,16v,16wである。また、下アーム用の制御回路の高圧側電圧端子は下アーム用のスイッチング素子のソース端子と同じで基準電圧端子10と接続してあり、下アーム用の制御回路の低圧側の電圧端子は図1の符号14である。
【0027】
電源201,202,203,204は鉛バッテリやリチウムイオンバッテリなどの二次電池でもよいし、スイッチング電源または変圧器の二次側出力から得られる直流電源でもかまわない。また、図示していないが電源201,202,203,204と直列にスイッチを設けて低消費電力化のため電源のオンオフを制御できるようにしてもよい。
【0028】
本回路を起動するためには高圧スイッチ34がオフ状態の時に、電源201により入力側高圧端子13と入力側基準電圧端子12との間に高電圧V1を印加し、電源202により高圧端子11と電源電圧端子19との間に電圧V2を印加し、電源203により端子
20と入力側基準電圧端子12との間に電圧V3を印加し、電源204により基準電圧端子10と入力側基準電圧端子12との間に電圧V4を印加する。この時、上アームのスイッチング素子30u,30v,30wにはオン駆動の信号を印加しておき下アームのスイッチング素子31u,31v,31wにはオフ駆動の信号を印加しておく。すると、制御回路32u,32v,32wの電源として使用するキャパシタ40u,40v,40w上アームのスイッチング素子30u,30v,30wに電流が流れて充電される。
【0029】
また、下アームのスイッチング素子31u,31v,31wは電源204により下アーム用の制御回路33u,33v,33wが動作するようになる。このように、上アームのスイッチング素子30u,30v,30wと下アームのスイッチング素子はオフ状態にして、高圧スイッチ34をオンさせる。高圧スイッチ34をオンするには高圧端子11に過大な突入電流が流れないように、最初スイッチ34bだけをオンして、ゆっくり高圧端子11の電圧を上昇させ、その後スイッチ34aをオンする。なお、上アームのスイッチング素子30u,30v,30wは制御回路32u,32v,32wに流れる電流により電源として使用されるキャパシタ40u,40v,40wが徐々に放電されるため、やがて、上アームのスイッチング素子30u,30v,30wを完全にオフすることはできなくなる。しかし、上アームのスイッチング素子30u,30v,30wが弱くオンすると出力端子である高圧側電圧端子15u,15v,15wの電圧が上昇し、電源202によりキャパシタ40u,40v,40wが充電されて上アームのスイッチング素子30u,
30v,30wはオフ状態になる。
【0030】
すなわち、本実施例の回路では上アームのスイッチング素子30u,30v,30wと下アームのスイッチング素子31u,31v,31wを全てオフ駆動にするスタンバイ状態では出力端子の電圧は高圧端子11と基準電圧端子10との間の電圧差の3分の1以上高電位側になり、負荷37u,37v,37wには実質的に電流を流さない状態になる。また、このような制御方法により高圧端子11から基準電圧端子10に貫通電流が流れることを防止できる。
【0031】
なお、上記起動時に上アームのスイッチング素子30u,30v,30wには最初オン信号を印加しておき、上アームのスイッチング素子30u,30v,30wの制御回路
32u,32v,32wの電源電圧をほぼ電源202と同じ値にした後に上アームのスイッチング素子30u,30v,30w、下アームのスイッチング素子31u,31v,
31wを全てオフ駆動した状態で、高圧スイッチ34をオンさせても構わない。
【0032】
なお、スイッチング素子30u,30v,30w,31u,31v,31wとしてSiCやGaNやダイヤモンドなどのワイドバンドギャップ半導体素子を使用した場合には高圧端子11から基準電圧端子10に短時間だけ貫通電流が流れることは許容できるため、上述した高圧スイッチ34をオンするタイミングの制約が厳しくなくなる。また、図1には示してないが、制御回路36から制御回路32u,32v,32wと制御回路33u,
33v,33wにはホトカプラ等のレベルシフト回路を介して制御信号は伝達できる。
【0033】
上アームのスイッチング素子用の電源キャパシタ40u,40v,40wは制御回路
32u,32v,32wに電流を供給するためにキャパシタの端子間電圧は低下するが上アームのスイッチング素子30u,30v,30wがオンして出力端子である高圧側電圧端子15u,15v,15wの電位が上昇するたびに充電されて電源キャパシタ40u,40v,40wの端子間電圧は増加する。
【0034】
なお、上アーム用の制御回路32u,32v,32wの電源として働くキャパシタ40u,40v,40wを充電するためには上アームのスイッチング素子30u,30v,30wをオンさせる必要がある。このため、負荷に電流を供給しないスタンバイ状態には上アームのスイッチング素子30u,30v,30wと下アームのスイッチング素子31u,
31v,31wを全てオフ状態にすればよい。ただし、上アーム用の制御回路32u,
32v,32wの電源電圧を固定した値にしておくために、上アームのスイッチング素子30u,30v,30wを全てオン、下アームのスイッチング素子31u,31v,31wを全てオフにして、出力端子である高圧側電圧端子15u,15v,15wを高電位にしておいても構わない。または、全ての上アームのスイッチング素子30u,30v,30wがオンで、全ての下アームのスイッチング素子31u,31v,31wがオフの状態と、全ての上アームのスイッチング素子30u,30v,30wがオフで、全ての下アームのスイッチング素子31u,31v,31wがオンの状態を交互に繰り返すことにより、電源用キャパシタ40u,40v,40wを常に所望の電圧に充電されるように制御しても構わない。
【0035】
上アーム用の制御回路32u,32v,32wや下アーム用の制御回路33u,33v,33wに駆動信号を送る入力側の電源203の電源電圧と上アーム用の制御回路32u,32v,32wの電源電圧や下アーム用の制御回路33u,33v,33wの電源電圧が一つでも規定以下に低下した場合には高圧スイッチ34をオフ制御することが望ましいが、電源203の電源電圧か電源202の電源電圧か電源204の電源電圧の少なくとも一つを監視し、規定以下に低下した場合に高圧スイッチ34をオフ制御するように回路を簡略化することもできる。
【0036】
電流検出回路35は抵抗35aの電圧降下と参照電圧35bを比較し、入力側高圧端子13から入力側基準電圧端子12に規定以上の電流が流れているかどうかを監視する。基準以上の電流が流れたときには上アームのスイッチング素子30u,30v,30wと下アームのスイッチング素子31u,31v,31wを遮断する信号を電流検出出力端子
21に出す。また、上アームのスイッチング素子30u,30v,30wと下アームのスイッチング素子31u,31v,31wを全てオフ駆動しても入力側高圧端子13から入力側基準電圧端子12に規定以上の電流が流れる場合には、制御回路の電源電圧不足不良やスイッチング素子の破壊が原因となっている可能性があるため、高圧スイッチ34を高速にオフさせる。
【0037】
なお、高圧スイッチ34を高速にオフさせるために、スイッチ34aとスイッチ34bは同時にオフさせる。または、まずスイッチ34aを高速にオフさせることにより高圧スイッチ34のインピーダンスを増加し負荷への供給電流を高速に低下させる。すなわち、高圧スイッチ34をオフまたは高インピーダンス化するための所要時間は高圧スイッチ
34をオンするときの所要時間より半分以下に短くする。
【0038】
また、過電流が流れたという警告のフラグを制御回路36に送りインバータの停止操作に移行させる。このようにして、スイッチング素子やシステム全体の破壊を防止できる。なお、図示してないが、電流検出回路35から制御回路32u,32v,32wや制御回路33u,33v,33wやスイッチング素子30u,30v,30wや制御回路36への制御信号はホトカプラ等のレベルシフト回路を介して伝達される。
【0039】
また、高圧スイッチ34の開閉回数を減らすため、図1では電流比較回路を1組分しか示してないが、参照電圧が異なる電流比較回路を複数組設けて、スイッチング素子30u,30v,30w,31u,31v,31wをオフ駆動する過電流レベルより高圧スイッチ34をオフする過電流レベルを高く設定することもできる。
【0040】
本実施例ではノーマリオン特性を有するスイッチング素子をオフ制御するための負電源回路が簡単な回路構成で実現できる。また1個の電源202で3相分の上アームのスイッチング素子用フローティング負電源を生成できるため、電源を小型化できる。また、フローティング電源を使用する場合には制御回路32u,32v,32wに各々高圧側配線と低圧側配線を引き延ばす必要があるが、本実施例の場合には、制御回路32u,32v,32wへの電源配線数は電源電圧端子19から各々低圧側配線を1本だけ引き延ばせばよいため、全配線長が短くでき回路ボードを小型化できる。
【0041】
また、本実施例では、電源電圧端子19の電圧を得るために電源202は基準電圧端子10,入力側基準電圧端子12等の低圧側ではなく、高圧端子11に接続させてあるため、電源202の電圧V2は比較的低い電圧になる。このため制御回路32u,32v,
32wを駆動する電力が小さくできる。本実施例では電源202を高圧端子11に接続したが、電源202と直列にスイッチを設け、入力側高圧端子13に接続しても構わない。なお、特殊な場合として、配線の寄生インピーダンス等の影響により出力端子の高電圧側オーバーシュートが大きく、上アーム用の制御回路の電源電圧を生成するためには高くなりすぎる場合には、電源電圧端子19と端子11を共通にしたり、電源電圧端子19の電圧を高圧端子11より高い電位に設定しても構わない。
【0042】
ノーマリオン型素子を駆動する場合には停電等により制御回路に電圧が印加されなくなったときに上アームのスイッチング素子と下アームのスイッチングが共にオフできなくなり高圧端子11と基準電圧端子10との間に過電流が流れる恐れがあるが、本実施例の場合には制御回路用の電源203や204の電圧が低下した場合には高圧端子11への電流を遮断または抑制するために高圧スイッチ34を高速にオフさせる。これにより、スイッチング素子に遮断能力がなくなっても負荷への電力供給を止めることができる。従って、高圧端子11と基準電圧端子10との間に過電流が流れたり、その状態が継続することにより素子や回路システムに支障が生じることを防止できる。高圧スイッチがオンする場合を、制御回路用の電源203や204の電圧が第1の基準電圧値以上の場合にし、前記第1の基準電圧値未満の第2の基準値以下になったら高圧スイッチをオフにすることが望ましい。これにより、高圧スイッチをオンする基準電圧付近での不安定な動作を防止できる。
【0043】
ここで、高圧スイッチ34は高速スイッチの半導体スイッチを用いることが望ましいが、上アームのスイッチング素子と下アームのスイッチング素子がSiの半導体素子の場合には負荷短絡強度が100μs程度以下のため機械式リレーでは保護が難しいがSiCなどのワイドバンドギャップ半導体を用いたJFETなどの場合には数ミリ秒以上の負荷短絡強度を持つため、高圧スイッチ34は高速な機械式リレーを用いても上述した停電などに対する保護が可能である。
【実施例2】
【0044】
図2は、本実施例の半導体回路の説明図である。本実施例では、図1に示した高圧スイッチ34を半導体スイッチング素子のノーマリオフ型のパワーMOSFET60,61にした。図2ではノーマリオフ型のパワーMOSFET60のみならずノーマリオフ型のパワーMOSFET61も逆方向に直列接続して追加した双方向スイッチを用いた。これにより、高圧スイッチ34を遮断したときに高圧端子11から入力側高圧端子13への逆流も防止できる。逆流防止が不要な場合にはノーマリオフ型のパワーMOSFET61は不要である。なお、本実施例では変圧器57aの一次側端子22a,23aに印加された電圧を二次側の端子9,8に伝達させ、キャパシタ55とダイオード56により整流して、端子24と端子8の間に約10V程度の直流電圧V0を発生させている。
【0045】
図2で符号50aは耐圧8Vのツェナーダイオード、52は耐圧11Vのツェナーダイオード、49aはpnpトランジスタ、51a,53a,54a,58aは抵抗である。高圧端子11に対し、端子24の電圧が8V以上高くなるとツェナーダイオード50aが降伏し、端子24の電圧が約9Vになるとpnpトランジスタ49aがオンして端子25aが高電位状態になる。この時、端子25bが高電位状態ならばAND回路48の出力端子7は高電位状態になり、パワーMOSFET60をオンさせる。このとき、抵抗99を用いたソフトターンオンにより高圧端子11への突入電流を緩和している。すなわち、実施例1と同様に高圧スイッチ34をオンする場合には突入電流を緩和できるように低速でターンオン、保護動作のために高圧スイッチ34を遮断する場合には高速にターンオフできる。
【0046】
ここで、端子25bには電流検出回路35が過電流を検出してない状態には高電位、過電流を検出した場合には低電位となるようにすると、過電流が流れた場合には高圧スイッチ34を遮断させることができる。
【0047】
さらに、図2は示してないがシュミットトリガ回路をAND回路48の後段に設けて、端子24と端子8との間の電圧V0が第1の基準電圧値以上になったら高圧スイッチがオンし、第1の基準電圧値未満の第2基準値以下になったら高圧スイッチをオフにすることもできる。これにより、高圧スイッチをオンする基準電圧付近での不安定な動作を防止できる。パワーMOSFET61,60に代えてSiのIGBTやサイリスタでもよいが、SiCなどのSiのバンドギャップエネルギー(2.0eV) より大きなバンドギャップエネルギーを有するワイドバンドギャップ半導体を用いたスイッチング素子を用いると大容量で高信頼な高速スイッチを小型化できる。その他は実施例1と同じである。
【実施例3】
【0048】
図3は、本実施例の半導体回路の説明図である。本実施例では図1に示した電源202,204を変圧器57aとキャパシタ64a,64b、ダイオード65a,65b、ツェナーダイオード63a,63bからなる整流回路の場合の例を示すが、DC/DC電源により電源202,204を実現してもよい。図3の、符号59bと59cの回路は図2の59aの回路と同様に電源電圧V2,V4が所望の電圧になったかどうかをツェナーダイオード50b,50cの降伏電圧の値を基準電圧とした比較回路になっている。配線の寄生インダクタンスや寄生抵抗の影響がない場合には、例えば、スイッチング素子30u,30v,30w,31u,31v,31wのしきい電圧が−20Vとすると電源電圧V2,V4は25Vから40V程度にする。このために、ツェナーダイオード50b,50cの降伏電圧は22Vから38V程度、ツェナーダイオード63a,63bの降伏電圧は
26Vから42V程度にする。これにより、電源電圧V2,V4が所望の電圧になると出力端子26,27が高電位状態になる。
【0049】
図3には示してないが、出力端子26,27が高電位状態になったことはホトカプラなどのレベルシフト回路により図2のAND回路48の入力端子に追加することにより、電源電圧V2,V4が所望の電圧以上になり、なおかつ、過電流が流れてない場合にのみ高圧スイッチ34をオンさせ、電源電圧V2かV4が所望の電圧以下になるか、過電流が流れた場合には高圧スイッチ34を高速に遮断する回路にできる。電源電圧V2,V4が所望の電圧以上になってない場合にはノーマリオン型素子は遮断できなくなるが、このように電源電圧V2,V4が所望の電圧以下になった場合には高圧スイッチ34を高速でオフする。
【0050】
一方、制御回路32u,32v,32wや制御回路33u,33v,33wには十分容量の大きなキャパシタ40u,40v,40wやキャパシタ64a,64bを設けてあるため、電源電圧V2,V4が所望の電圧以下になった後も、高圧スイッチ34がオフまたは高インピーダンスになるまではスイッチング素子30u,30v,30w,31u,
31v,31wが動作するための最低限度の電圧は確保されるようにしておく。これにより、高圧端子11に過電流が流れることを防止する制御ができる。
【0051】
また、配線の寄生インダクタンスなどの影響により低圧側電圧端子16u,16v,
16wの電圧が高圧端子11の電圧より大幅に高くなる場合には、変圧器57aを、電圧V2を発生するトランスと電圧V4を発生するトランスとに分けて設けて、各々制御回路32u,32v,32w,33u,33v,33wの電源電圧が所望の範囲となるようにトランスの一次側電流をフィードバック制御することが望ましい。すなわち、例えば、高圧端子11と出力端子15uの電圧差または電源電圧端子19と出力端子15uの電圧差または低圧側電圧端子16uと出力端子15の電圧差をモニタし、その値により電圧V2が最適値になるようトランスの一次側電流を制御することもできる。または、相電流や相間電流や相問電圧とその時に最適なトランスの一次側電流条件を求めておき電圧V2が最適値になるように制御することもできる。その他の構成は実施例1や実施例2と同じである。
【実施例4】
【0052】
図4は、本実施例の半導体回路の説明図である。本実施例では図1の制御回路36を高圧端子11と電圧端子14との間で動作するようにした。本実施例では図1の電源203と端子20が不要になるため回路が簡単になる。その他は実施例1と同じである。
【実施例5】
【0053】
図5は、本実施例の半導体回路の説明図である。本実施例では図1の電源204の機能をキャパシタ66とダイオード68u,68v,68wで実現して図1の電源204と同様にキャパシタ66に電圧V4を発生させている。
【0054】
本実施例の回路では出力端子である高圧側電圧端子15u,15v,15wが低電位になるたびにキャパシタ40u,40v,40wに充電されていた電荷をキャパシタ66に充電し、図1と同様に負電源の電圧端子14に電圧V4を発生している。本実施例では電源204を実現するためのバッテリや変圧器が不要となるため図1の実施例よりさらに小型化が図れる。
【0055】
なお、本実施例では負荷に電流を供給しないスタンバイ状態の場合でも制御回路33u,33v,33wに電流が流れると電圧端子14の電圧は上昇し、制御回路が動作するために必要な電源電圧V4は低下する。この対策として、本実施例ではスタンバイ時には出力端子である高圧側電圧端子15u,15v,15wを全て高電位にする制御と出力端子である高圧側電圧端子15u,15v,15wを全て低電位にする制御を繰り返すことにより、負荷37u,37v,37wに電流をほとんど流すことなく、制御回路33u,
33v,33wが動作するために必要な電源電圧V4を保持する。
【0056】
なお、本実施例の出力端子である高圧側電圧端子15u,15v,15wに接続されたキャパシタ40u,40v,40wは出力端子の電圧が高圧になりキャパシタ40u,
40v,40wが充電され出力端子の電圧の立上り速度が減速される。また、出力端子の電圧が低圧になりキャパシタ40u,40v,40wと接続されたダイオード68u,
68v,68wが順バイアスされる期間だけキャパシタ66が充電され、出力の電圧の立下り速度が減速される。
【0057】
このため、出力端子の立上り速度や立下り速度を高速にしても高圧端子側ならびに低圧端子側近くではdV/dtが抑制でき、配線インピーダンスの影響でスイッチング素子に過大な電圧が印加されることも抑制される。このため、配線インピーダンスなどの雑音が小さくスイッチング素子の耐圧設計マージンを小さくできる。また、キャパシタ40u,40v,40wに充電されるエネルギーは高圧端子11と基準電圧端子10の間を充電する方向に働くため、消費電力を少なくできる。なお、本実施例では制御回路32u,32v,32wと制御回路33u,33v,33wの電源電圧が所望の値となるようにダイオード38u,38v,38wが接続される電源電圧端子19の電圧とダイオード68u,
68v,68wが接続される電圧端子14の電圧を決めているが、ソフトスイッチングだけで十分な場合には、例えばダイオード38u,38v,38wは高圧端子11に接続し、ダイオード68u,68v,68wは基準電圧端子10または基準電圧端子10より正の電圧端子である端子20に接続するなどの構成にしても構わない。
【0058】
また、高圧端子側だけのソフトスイッチを簡単に実現するためには、ダイオード68u,68v,68wをなくし、キャパシタ40u,40v,40wと並列に抵抗を設け、キャパシタ40u,40v,40wに充電された電荷はこの抵抗で放電させてもよい。その他は実施例1と同じである。
【実施例6】
【0059】
図6は、本実施例の半導体回路の降圧型のチャージポンプ回路で、図5の回路の制御回路36の中に組み込む。すなわち、図5のキャパシタ66が放電し、電圧V4の値が所望の値以下になったときに、スイッチング素子69,70を交互にオンオフ制御することによりキャパシタ71をまず充電し、さらに、キャパシタ71から下アームの電源用のキャパシタ66を充電する操作を繰り返す。これにより、負電源の電圧端子14を所望の電圧になるように充電する。従って、本実施例では負荷に電流を流さないスタンバイ状態で出力端子である高圧側電圧端子15u,15v,15wの電圧制御をしなくてもキャパシタ66に制御回路33u,33v,33wに必要な電圧V4を常に充電できる。入力側基準電圧端子12と電圧端子14との間の電圧は端子20と入力側基準電圧端子12の間の電圧程度になるが、チャージポンプ回路を多段化することにより更に低い所望の電圧に電圧端子14を設定できる。その他は実施例5と同じである。
【実施例7】
【0060】
図7は、本実施例の半導体回路の説明図である。図7ではU相のみを示したが、V相,W相も同様な構成になっている。本実施例では制御回路に電源が2種類ある場合の実施例である。このため、本実施例では実施例5の図5に示した電源202を202xと202yとに分割した。また、ダイオード38u,68uの他にダイオード38xu,68xuを追加し、電源端子19xと電源端子14xにも電圧を供給できる。これにより、制御回路を高電圧で動作する回路と低電圧で動作する回路の電源を供給できる。その他は実施例5と同じである。
【実施例8】
【0061】
図8は、本実施例の半導体回路の説明図である。本実施例ではスイッチング素子31u,31v,31wをオフさせて負荷への電流供給を止めるスタンバイ状態でもキャパシタ66の放電による電圧V4の電圧低下を極力遅くするために、制御回路33u,33v,33wの高電圧端子側に制御回路33u,33v,33wと直列にスイッチング素子75を設けた。
【0062】
通常の動作時にはスイッチング素子77をオンさせ、これにより、スイッチング素子
76と75をオンさせて制御回路33u,33v,33wに電流を供給する。これに対しスタンバイ状態ではスイッチング素子77をオフさせ、これにより、スイッチング素子
76と75をオフさせる。このとき、制御回路33u,33v,33wの電源電圧は低下して回路動作しなくなる。本実施例ではこのスタンバイ状態で、下アームのスイッチング素子31u,31v,31wがオフ状態になるように、下アームのスイッチング素子31u,31v,31wのゲート端子と制御回路33u,33v,33wの低電圧端子側との間に抵抗80u,80v,80wを接続してある。なお、本実施例ではスイッチング素子
76と75を制御回路33u,33v,33wに対し共通に1組だけ設けたが、各々の相ごとに別々に設けても構わない。なお、本回路は電圧V3やV4が規定で電圧以下に低下する停電や断線などの異常時にノーマリオン型スイッチング素子31u,31v,31wをオフ制御または高インピーダンス制御するように使用することもできる。すなわち、本実施例では異常時に負電圧V4が低下することを防止するためにノーマリオフ型スイッチ素子75をオフさせることにより制御回路41,33u,33v,33wへの電流供給を止めた状態でノーマリオフ型のスイッチ素子75をオフ制御できる。このため、異常時にノーマリオン型スイッチング素子30u,30v,30wや31u,31v,31wに過大電流が流れてこれらの素子や負荷が破壊することを防止できる。その他は実施例5と同じである。
【実施例9】
【0063】
図9は、本実施例の半導体回路の説明図であり、図8と異なる部分だけU相について示したが、V相やW相も同様の回路構成になっている。本実施例では、制御回路33u,
33v,33wの高電圧端子側に制御回路33u,33v,33wと直列にスイッチング素子75を設けているが、エミッタフォロアのトランジスタ111u,112uはスイッチング素子75と直接に配置せずにフォトカプラ回路部110uだけをスイッチング素子75と直列に配置し、スタンバイ状態には制御回路33u,33v,33w,41の電流を遮断できるようにした。本実施例ではエミッタフォロアのトランジスタ111u,112u部ではスタンバイ状態では基準電圧端子10からの電流が遮断されるのでスイッチング素子75により電流供給を遮断する配置にはしてない。
【0064】
ホトカプラ回路部110uでは電圧利得を簡単に稼ぐために通常抵抗負荷136uを使用した構成になり、このことがスタンバイ状態などでの制御回路の電流になるため、ホトカプラの電圧増幅回路部となっているホトカプラ回路部110uの部分だけスイッチング素子75により電流供給を遮断した。このようにして、下アーム用のノーマリオン型スイッチング素子を遮断制御するために必要な電力を低減し、負電源電圧V4の低下を防止した。その他は実施例8と同じである。
【実施例10】
【0065】
図10は、本実施例の半導体回路の説明図である。本実施例では電圧V2用電源202の代わりにキャパシタ85を利用している。本実施例で高圧端子11を立ち上げる場合には、まずスイッチング素子84aをオン状態にし、高圧端子11が昇圧する時にキャパシタ85を所望の電圧まで充電したのちに、スイッチング素子84aをオフさせる。高圧端子11が所望の電圧まで上昇した後にはスイッチング素子84bをオンさせておき、電源電圧端子19と入力側基準電圧端子12との間に電流経路を設けてある。電源電圧端子
19の電圧はツェナーダイオード86の降伏電圧をV2とすることによりキャパシタ85が他の実施例の電源202と同様の働きとなるようにしてある。本実施例ではこの電流経路に流れる電流を制限するために抵抗83を介してキャパシタ85が所望の電圧となるように充電している。キャパシタ85の充電電圧の低下が小さい場合には、スイッチング素子84bをオフさせて消費電力を抑制してもよい。本実施例の場合には電源202の実現方法が簡単になる。その他は実施例5と同じである。
【実施例11】
【0066】
図11は、本実施例の半導体回路の説明図である。実施例9ではツエナーダイオード
86を用い、電源202として使用されるキャパシタ85の充電電圧が低下した場合にはスイッチング素子84bをオンさせることにより、キャパシタ85の充電電圧が所望の電圧となるように制御していたが、本実施例ではキャパシタ85の充電電圧が低下した場合には電源電圧端子19と入力側基準電圧端子12の間に設けたツェナーダイオード81が降伏し、キャパシタ85が所望の電圧範囲になるように充電している。本実施例ではスイッチング素子84bを用いたキャパシタ85の充電電圧制御が不要になる。その他は実施例9と同じである。
【実施例12】
【0067】
図12は、本実施例の半導体回路の説明図である。本実施例では図3や図10や図11とは別の方法で電源202を実現する。すなわち、本実施例ではスイッチング素子92をオンさせてキャパシタ95を充電した後にスイッチング素子92をオフさせてスイッチング素子94をオンする。その後、スイッチング素子93をオンさせるとキャパシタ95に充電された電荷がキャパシタ85に移動し、キャパシタ85が充電される。電荷の移動が少なくなったら、スイッチング素子93,94をオフに、スイッチング素子92をオンにして、キャパシタ95を再充電する。上記を繰り返すことにより低圧側に設けられた電源電圧端子19を利用して充電したエネルギーを高圧端子11側に設けられたキャパシタ
85を充電する。本実施例の場合には基準電圧端子10側に設けた低い電圧源を用いてキャパシタ85を充電できるため、制御回路の消費電力が低くなる。その他は実施例5と同じである。
【実施例13】
【0068】
図13は、本実施例の半導体回路の説明図である。本実施例では電圧V2用の電源202がある図5の実施例で、図11と同様にスイッチング素子84aとツェナーダイオード
81,ダイオード108,109と抵抗82を補助的に設けた。これにより、電源202が故障し、電圧V2が所望の電圧にならない場合にもスイッチング素子84aをオンさせて電源202の電圧を所望の電圧に設定することができる。また、高圧端子11が高圧状態にて電源202の電圧が低下した場合にはツェナーダイオード81が降伏し、電源電圧端子19は所望の電圧になる。これにより、信頼度がより向上する。なお、ツェナーダイオード81に規定以上の降伏電流が流れ続ける場合には電源202に異常が発生したと判断し警告信号を発生したりスイッチ34を遮断する制御をすることも可能であり、信頼性をさらに向上できる。その他は実施例5と同じである。
【実施例14】
【0069】
図14は、本実施例の半導体回路の説明図である。本実施例では上アームのスイッチング素子30u,30v,30wを強制的にオフできるように図5の上アームのスイッチング素子30u,30v,30wのゲート電圧を下げるためのスイッチング素子84を上アームのスイッチング素子30u,30v,30wのゲート端子と負電圧側の電圧端子14との間に設けた。
【0070】
ここで、ツェナーダイオード91u,91v,91wはスイッチング素子30u,30v,30wのゲート・ソース間電圧が過大にならないように設けた保護ダイオードで、抵抗83はスイッチング素子84の電流を抑制するために設けてある。またダイオード109u,109v,109wは上アームのスイッチング素子30u,30v,30wのゲート端子が負電圧になれるように設けてある。なお、本実施例では高抵抗117をスイッチング素子84のドレイン・ゲート間に設け、ゲート保護用のツェナーダイオード116をスイッチング素子84のゲート・ソース間に設けた。
【0071】
スイッチング素子84を含む回路は電源203の供給で動作させ、通常はスイッチング素子84のゲート・ソース間電圧をしきい電圧以下にしてオフ状態になるように制御する。しかし、停電などにより制御回路用電源が低下する場合にはゲート端子6がオープンになるようにする。すると、抵抗117からゲート端子7に流れる電流によりスイッチング素子84はオンし、上アーム用の制御回路用が動作しなくても上アームのスイッチング素子30u,30v,30wを強制的にオフできる。この上アームのスイッチング素子30u,30v,30wを強制的にオフする動作は、高圧端子11が高電圧であるときには、たとえ電源203の電源電圧がゼロになっても継続する。このため、上アームのスイッチング素子30u,30v,30wがノーマリオン型のスイッチング素子でも制御回路電源が低下する不良が生じたとき高圧端子11から低圧端子(基準電圧端子10)へ短絡電流が流れることを防止できる。
【0072】
なお、本実施例ではスイッチング素子数を減らすために、スイッチング素子84をU相、V相、W相を全てまとめて1つだけ使用した実施例を示したが、各相ごとに別々に設けて各々の上アームのスイッチング素子30u,30v,30wを最適な条件で遮断してもよい。
【0073】
また、本実施例では制御回路36の電源203の電源電圧が低下し、端子20に規定電圧以上の電圧が供給されなくなったときに、高圧端子11の電圧を下げる手段として、高圧端子11と基準端子側端子との間にスイッチング素子119を設けた。スイッチング素子119はスイッチング素子84と同じ原理で制御回路36の電源203が規定電圧以下になった場合にオンする。高圧端子11に高電圧を印加する場合には、端子3と端子12の間に電源203から電力の供給を受けて動作するノーマリオフ型スイッチング素子345を設けておき、このスイッチをオンすることによりスイッチング素子119をオフさせる。異常時に高圧端子11の電圧を下げる場合には、ノーマリオフ型スイッチング素子345をオフさせる。あるいは、ノーマリオフ型スイッチング素子345が電源203からの電力供給で動作させておく場合には電源203の電源電圧が低下するとノーマリオフ型スイッチング素子345はオフする。すると、高圧端子11が高電圧だと抵抗12122に電流が流れて、スイッチング素子119がオンし、高圧端子11の電圧を低下させる。ここで、ツエナーダイオード121はスイッチング素子119として使用するMOSFETのゲート保護である。このようにして、高圧端子11と基準電圧端子10との間に充電していた電荷や負荷から逆流する電流を抵抗120とスイッチング素子119の電流経路で逃がすことができる。
【0074】
なお、本実施例ではスイッチング素子119は高圧端子11と基準端子側端子との間に配置したが、高圧端子11と負電圧の電圧端子14との間に配置しても構わない。
【0075】
さらに、図14では示してないが、スイッチング素子84やスイッチング素子119と同様に、制御回路の電源電圧が第1の基準電圧以上になったときにオフになり、前記第1の基準電圧より低い第2の基準電圧以下になるとオンするスイッチング素子を、高圧スイッチ34を制御するためにも使用できる。これは例えば、図2に示したスイッチング素子であるパワーMOSFET60,61のゲート端子と基準電圧端子10,入力側基準電圧端子12,電圧端子14などの何れかとの間にスイッチング素子84やスイッチング素子119と同様に、制御回路の電源電圧が第1の基準電圧以上になったときにオフになり、第1の基準電圧より低い第2の基準電圧以下になるとオンするスイッチング素子を設けることにより実現できる。
【0076】
なお、本実施例はノーマリオン型のスイッチング素子の制御回路用電源の直流電源電圧が低下し、ノーマリオン型のスイッチング素子を正常に制御できなくなったときに、制御回路の電源がなくてもノーマリオン型のスイッチング素子のゲート・ソース間に負電圧を印加して強制的に電力用スイッチング素子をオフさせ、さらに、高圧端子11の電圧を低下させて高圧端子と低圧端子との間の電源用キャパシタを放電させたり、負荷からの逆流電流を放電させることができる。このため、電力用スイッチング素子に過電流が流れないように保護できるが、ノーマリオン型のスイッチング素子の保護は電源202を使用せずに上アーム用のスイッチング素子30u,30v,30wにはフローティング電源を使用し、電源電圧V4の生成にも電源回路を使用する場合にも有効である。また、制御回路
32u,32v,32wに直流の電源電圧を必要としないパルストランスによりノーマリオン特性の上アームのスイッチング素子30u,30v,30wを駆動する場合にも有効である。すなわち、パルストランスによりノーマリオン型のスイッチング素子を駆動する場合にノーマリオン型のスイッチング素子に駆動信号が印加されなくなったときの保護としても使用できる。本実施例では電源203の電圧を監視して保護動作をさせた場合を説明したが、電源202の電圧V2や電源電圧V4や上アーム制御回路32u,32v,
32wの電源電圧を監視して保護動作させても構わない。その他は実施例5と同じである。
【実施例15】
【0077】
図15は、本実施例の半導体回路の説明図である。本実施例では図14のノーマリオフ型のスイッチング素子119の代わりにノーマリオン型のスイッチング素子124を使用したことが異なる。
【0078】
本実施例では入力側基準電圧端子12と電圧端子14の間にツェナーダイオード126を配置し、このツェナーダイオード126の降伏電圧を制御回路用電源電圧V4の電圧監視用参照電圧に使用した。本実施例では、端子3を端子2に接続しておき、制御回路用電源電圧V4が規定電圧以上ある場合には端子2にはノーマリオン型のスイッチング素子
123をオフにする十分な負電圧が印加されている。入力側基準電圧端子12と電圧端子14の間の電圧差が低下すると入力側基準電圧端子12と端子2の間の電圧差が同時に低下する。制御回路用電源V4が規定の電圧以下に低下すると端子2の電圧が上昇し、ノーマリオン型のスイッチング素子119のしきい電圧以上に端子2の電圧が上昇するとノーマリオン型のスイッチング素子119がオンする。
【0079】
なお、本実施例のように端子3を端子2に接続する場合には、抵抗125があるため、抵抗124はなくても構わない。なお、端子2は端子3と直接接続するのではなくシュミットトリガ回路などのようなヒステリシス特性を有する回路を介して端子3に接続させると、端子12と電圧端子14との電圧差が第1の規定電圧以上になるとノーマリオン型のスイッチング素子31u,31v,31wがオフして、入力側基準電圧端子12と電圧端子14との電圧差が前記第1の規定電圧より小さい第2電圧差以下になるとノーマリオン型のスイッチング素子31u,31v,31wがオンするように制御できる。この場合、ノーマリオン型のスイッチング素子31u,31v,31wのオンオフする境界電圧を明確にできる。以上の他は実施例14と同じである。
【実施例16】
【0080】
図16は、本実施例の半導体回路の説明図である。本実施例では図14で上アームのスイッチング素子30u,30v,30wをオフするために使用していたスイッチング素子84を、上アームのスイッチング素子30u,30v,30wを強制的にオフするために使用するのではなく、上アーム用の制御回路の電源電圧に所望の電圧が得られるように、上アーム用の制御回路の低圧側電圧端子16u,16v,16wの電圧を下げるように制御する。本実施例では電源202から制御回路32u,32v,32wに電源が供給されなくなった時にも制御回路32u,32v,32wに所望の電源を供給できるため、上アームのスイッチング素子を長時間オフ状態にする場合などに有効である。
【0081】
本実施例では電源202から制御回路32u,32v,32wに電源が供給されなくなった時にも制御回路32u,32v,32wに所望の電源を供給できるため上アームのスイッチング素子30u,30v,30wは全てオフ状態にし、高圧端子11の電圧は上アーム用の制御回路に流れる電流により降圧させることができる。
【0082】
本実施例の場合には電源202から上アーム用の制御回路32u,32v,32wの電源電圧は確保されるため、非常時に高圧端子11の電圧が急上昇することを防止したり高圧端子の電圧を降下させる時間を短縮させるために、スイッチング素子30u,30v,30w,31u,31v,31wを制御し、スイッチング素子30u,30v,30w,31u,31v,31wを通して、高圧端子11と基準電圧端子10との間のキャパシタに充電されている電荷を放電したり、負荷37u,37v,37wから逆流する電流を基準電圧側に逃がすことができる。
【0083】
ここで、スイッチング素子30u,30v,30w,31u,31v,31wとして
SiCなどのワイドバンドギャップ半導体素子を用いた場合にはSi素子に比べ、最大接合温度が高くできるため、上述のように異常時にスイッチング素子30u,30v,30w,31u,31v,31wに電流を流し高圧端子11の電圧を安全に低下させることができる。
【0084】
なお、本実施例の場合も実施例15のようにスイッチング素子84やスイッチング素子119をノーマリオン型素子におきかえたり、高圧スイッチ34にもノーマリオン型素子を接続させて保護に用いることができる。その他は実施例14と同じである。
【実施例17】
【0085】
図17は、本実施例の半導体回路の説明図である。本実施例ではU相の回路だけ示してあるが、V相とW相もU相と同様の回路になっている。本実施例は高圧側電圧端子15uが高電位になったとき、高圧側電圧端子15uと電源電圧端子19との電圧差がキャパシタ40uとダイオード38uだけに印加されるのではなく、低圧側電圧端子16uと端子6uの間にも電圧を分担できるようにした。このため、配線の寄生インダクタンスの影響などにより、高圧側電圧端子15uの電圧が高圧端子11の電圧より大きく上回り制御回路32uの最大電源電圧を越えそうになる場合にはツェナーダイオード102uが降伏し、キャパシタ105uを充電するようになる。このため、制御回路のキャパシタ105uに充電された電荷はキャパシタ40uに充電された電荷と同様にキャパシタ66を充電するために使用される。
【0086】
このため、高圧側電圧端子15uの電圧が高圧端子11の電圧より大きく上回るような駆動条件でも制御回路32uは過電圧から保護され、さらにキャパシタに充電したエネルギーを有効に利用できる。さらに、キャパシタに充電するエネルギーが過剰になる場合には電源202の電圧V2を下げることができるため、全消費電力を下げることができる。また、逆に制御回路に必要な電圧が得られなくなった場合には電源202の電圧V2を高くなるように制御する。電源202の電圧V2は例えば図3に示したように変圧器の一次側電流を制御することにより制御できる。また、高圧側電圧端子15uの電圧が高圧端子11の電圧より常に大きく上回るような駆動条件の場合には電源202が負電圧、すなわち、電源電圧端子19の電圧が高圧端子11の電圧より高くなるように制御するようにしてもよい。このため、電源202は昇降圧型コンバータにしてもよい。
【0087】
なお、キャパシタ105uでキャパシタ66を充電しない場合にはキャパシタ105uは不要である。また、本実施例ではキャパシタ104uを高圧側電圧端子15uと端子
6uの間に設けてあり、キャパシタ104uからもキャパシタ66を充電できる。抵抗
103uは電源202により制御回路32uの電源電圧を電源202とほぼ同じ電圧に設定するために使われるが抵抗103uはスイッチング素子にしても構わない。また、抵抗103uによりキャパシタ104uやキャパシタ66の電圧は放電できるため、高圧側電圧端子15uの電圧が高圧端子11の電圧より高くなろうとすると高圧側電圧端子15uの電圧上昇速度が毎回抑制される。このため、高速スイッチング時にもソフトスイッチング化ができる。なお、本実施例ではダイオード68uは端子6uに接続しているが、低圧側電圧端子16uに接続しても構わない。その他は実施例5と同じである。
【実施例18】
【0088】
図18は、本実施例の半導体回路の説明図である。本実施例では図17の抵抗103uとキャパシタ105uを分割した端子29uを設け、キャパシタ106uと抵抗107uを追加した。図15では、ダイオード68uを端子6uに接続するか低圧側電圧端子16uに接続する場合の実施例を示したが、本実施例では端子6uと低圧側電圧端子16uの中間電圧に設定できるため、ダイオード68uを低圧側電圧端子16uに接続した場合に比べ、キャパシタ66を充電することによる制御回路32uの電源電圧低下が抑制される。また、ダイオード68uを端子6uに接続した場合に比べ、制御回路33uに瞬間的に印加される最大電源電圧を抑制できる。その他は実施例16と同じである。
【実施例19】
【0089】
図19は、本実施例の半導体回路の説明図である。本実施例では上アームのスイッチング素子30u,30v,30w,31u,31v,31wがノーマリオフ型素子である。ノーマリオフ型素子の場合にはゲート・ソース間をゼロボルトにすることによりドレイン電流の遮断はできるが、ゲートを高速に遮断することによりドレイン・ソース間電圧が急速に増加する場合にはドレイン・ゲート間容量を介してゲート・ソース間に正の電圧が印加される。このため、しきい電圧が3V程度以下と低い場合には再び誤ってオンして損失が増加することがある。そのため、しきい電圧が低いノーマリオフ型素子を確実にオフさせるためにはゲート・ソース間が十分負の電圧となるように駆動することが望ましい。
【0090】
本実施例では図5の回路をノーマリオフ型素子に使用できるように、正のゲート・ソース間電圧を印加するための高圧側電圧端子9u,9v,9wを設けている。また、本実施例では高圧側電圧端子9u,9v,9wはキャパシタ40u,40v,40wとダイオード38u,38v,38wを用いたブートストラップ回路により電圧が生成されるようにしてある。このため、下アームのスイッチング素子31u,31v,31wがオンするたびに端子8からダイオード38u,38v,38wを介して下アームのスイッチングの制御回路の電源として働くキャパシタ40u,40v,40wが充電される。このため、電源回路を小型化できる。
【0091】
本実施例の端子5と端子8とは、3Vから10V程度の電源端子であるので、1本に共有することができる。また、本実施例では負荷37u,37v,37wに接続している出力端子の電圧が高圧端子11側に近づくとキャパシタ40u,40v,40wを充電するために電圧の立上り速度が抑えられる。また、出力端子の電圧が基準電圧端子10側に近づくとキャパシタ66,88u,88v,88wを充電するために立下り速度が抑えられる。このため、高速スイッチングとソフトスイッチングが同時に行え、スイッチング損失低減と雑音低下とを同時に実現できる。
【0092】
なお、このソフトスイッチングはキャパシタ40u,40v,40wを電源用キャパシタとして使用しない場合でも、出力端子にキャパシタ40u,40v,40wとダイオード38u,38v,38wを直列接続し、さらに、キャパシタ40u,40v,40wに充電された電荷を放電する手段、本実施例では制御回路32u,32v,32wならびに制御回路33u,33v,33w,67を設けることにより上アーム側のソフトスイッチングを実現でき、出力端子にキャパシタ88u,88v,88wとダイオード89u,
89v,89wを直列接続し、さらに、キャパシタ88u,88v,88wに充電された電荷を放電する手段、本実施例では制御回路33u,33v,33wを設けることにより下アーム側のソフトスイッチングが実現できる。その他は実施例5と同じである。
【実施例20】
【0093】
図20は、本実施例の回路図である。本実施例では高圧スイッチ34を交流から直流に変換する前の一次側に設けた。図20で符号131は交流電源用プラグ、132,133は主スイッチ、57xは変圧器、134,135,136,137は整流回路である。本実施例の場合にも実施例1と同様に起動時には制御回路用電源V2,V3,V4が第1の基準電圧以上になった後に、高圧スイッチ34はスイッチ34bをオンさせて突入電流を低減した後にスイッチ34aをオンさせる。また、制御回路用電源V2,V3,V4が第1の基準電圧未満の第2の基準電圧以下になったときに、高圧スイッチ34がオン状態からオフ状態になるまでの所要時間は、高圧スイッチ34がオフ状態から完全にオンするまでの所要時間の半分以下にする。これにより、スイッチング素子がノーマリオン型でも素
子やシステムを破壊することなく信頼性が高い制御ができる。
【実施例21】
【0094】
図21は、本実施例の回路図である。本実施例では負電圧V4を発生させるためには負電源用バッテリ204を使用しており、更に、電圧V1の正電源用バッテリ201から
DC/DCコンバータ318を介して負電源用バッテリ204に電力を供給し所望の電圧が得られるように制御している。また、正電圧側から負電圧V4の電極供給が止まっても、負電源用バッテリ204により電圧V4は急激には電圧低下しない。更に、本実施例では下アーム用のノーマリオン型半導体素子31uのゲート端子が抵抗302uを介して負電源用電圧端子14と接続されている。このため、制御回路33uに電流が供給できなくなっても、下アーム側のノーマリオン型半導体素子31uはオフ状態または過電流が流れない状態に制御できる。また、本実施例では信頼性向上のため、ノーマリオン型のスイッチ117を上記異常事態にはオンさせることにより、全ての上アームのノーマリオン型半導体素子30uをオフ制御できるようにした例を示したが、全ての上アーム素子だけ、又は全ての下アーム素子だけをオフするようにできれば半導体回路の保護を行うことができる。また、高圧スイッチ34を開放にし、スイッチ119をオンさせることにより大容量の平滑コンデンサ140に充電されている電荷を速やかに放電させる。このため、ノーマリオン型半導体素子31uを遮断制御できないために高圧端子11から基準電圧端子10へ過大な電流が流れて素子破壊やシステム破壊する問題を防止できる。さらに、本実施例では、平滑コンデンサ140からの過大な放電電流により、電力用スイッチング素子や負荷が破壊することを防止するために、この過電流が流れる可能性がある電流経路にフューズ等の過電流防止のためのスイッチ素子141も設けて信頼性を向上することが可能である。
【0095】
本実施例をハイブリドカーに適用する場合には正電源用バッテリ201は例えば290V程度の主電池で状況により更に昇圧させてモータ・ジェネレータに接続し、モータ回転の動力として使用する。また、逆にモータ・ジェネレータが発電機として動作するときには主電池を充電するシステム構成にする。また、負荷307はスイッチング素子308により制御されるソレノイドなどの負荷であるが、本実施例では負電源204を補機用の電源として使用している。自動車の場合、基準電圧端子10はボディに接続して接地電位相当にしている。現状の自動車では補機用の電源はボディに対し正の電源を使用するため、安全のためボディに負荷を接続させるためにはハイサイドスイッチ構成となり、pチャネル素子に比べ低オン抵抗化が容易なnチャネル素子を使用する場合には駆動回路が複雑になっていた。これに対し、本実施例では安全性確保のために負荷307をボディに接続した回路構成にしてもスイッチング素子には低オン抵抗なnチャネル素子308を簡易な駆動回路で実現できるローサイドスイッチ構成にできる。なお、負電源用バッテリ204の電圧は従来システムとの互換性を尊重する場合には12Vレベルまたは36Vレベルとすることが望ましい。また、スイッチ326はフューズで代用することもできるが、負電源用バッテリ204とこのバッテリで供給される回路との間を必要な時に切り離せる様に設計することが可能である。ゲート・ドレイン間に設けたダイオード303uと304uは過電圧保護ダイオードである。30u,31uのドレイン・ソース間に過電圧が印加された場合にはスイッチング素子30u,31uがオンして高電圧端子11が高くなりすぎることを防止する。スイッチング素子30u,31uがノーマリオンJFETの場合にはダイオードは各々1個でよいがスイッチング素子30u,31uがノーマリオフ型素子の場合にはダイオード303uと304uと直列に逆向きのダイオードが必要である。
【実施例22】
【0096】
図22は、本実施例の回路図である。本実施例では3レベルインバータに用いた場合の実施例で、紙面の都合でU相だけ示してある。出力端子342uはスイッチング素子31uと31umだけがオンすると低電圧、スイッチング素子31umと30umだけがオンすると中点電圧、スイッチング素子30uと30umだけがオンすると高電圧になる。ここで、本実施例では上アーム用のスイッチング素子31umと30umの制御用電源を共通の電源202よりとっている。上アーム用のスイッチング素子31umと30umが共にオンしたときにはダイオード38u,38umを介して電源用として使用するコンデンサ40u,40umを約V2の値に充電できる。このように、本構成により実施例1などで説明した構成と同様に、上アーム用の電源の数を減らすことが実現出来る。
【実施例23】
【0097】
図23は、本実施例の回路図である。本実施例では上アーム用スイッチング素子の制御回路用電源に通常のフローティング電源V6uを用いた場合で示した。その他は図21に示した実施例21の回路の負電源用のバッテリ204と負の電源端子14との間にリレー等のスイッチ素子306を設けたことが異なる。実施例21ではノーマリオン型半導体素子31uのゲート・ソース間に常時電圧が印加される回路構成になっているが本実施例ではスイッチ素子306をオンさせて負電源を下アーム用回路に印加したときだけノーマリオン型半導体素子31uを遮断するための負の電圧がゲート・ソース間に印加される。このため、ノーマリオン型半導体素子31uのゲート・ソース間に長時間逆バイアスが印加されるとリーク電流が増加して信頼性が低下する素子にも使える。その他は実施例21と同様の構成,効果を備えている。
【実施例24】
【0098】
図24は、本実施例の回路図で、図25は主要スイッチの制御方法の説明図である。本実施例では30u,31uなどの電力用スイッチング素子をオフできなくなるような不良が発生した場合に、平滑コンデンサ140から過電流が流れて、電力用スイッチング素子や負荷が破壊することを防止するために、この過電流が流れる経路にスイッチ327を設けている。スイッチ327はスイッチ34と同様にノーマリオフ型で、負電源の電圧V4が所望の値になった場合にオンとなり、負電源の電圧V4が規定電圧以下になり電力用スイッチング素子を正常に制御することが危ぶまれそうになるなどの異常事態にはオフする。これにより、停電やバッテリの放電能力低下や断線などにより電力用スイッチング素子30u,31uを遮断できなくなっても平滑コンデンサ140からの過大な放電電流により電力用スイッチング素子30u,31uや負荷が破壊されることを防止できる。また、フューズ141を使用した場合に比べ不良が解除された後の再起動が容易であるという利点ある。本実施例ではフューズ141をなくすこともできるが、スイッチ327の応答速度では追随できないような不良が生じる可能がある場合には設けておくほうが信頼性が向上する。また、上記不良状態には平滑コンデンサ140に充電されたエネルギーを抵抗
120を介して急速に放電させるためにノーマリオン型スイッチ119をオンする。なお、通常の動作の場合には電源201からの電力の供給が止まった後には、平滑コンデンサ140と並列にも設けたシャント用の高抵抗343だけを用いて比較的ゆっくり放電させても構わない。ここで、スイッチ327としては、高圧スイッチング素子30u,31uがワイドバンドギャップ半導体素子のように負荷短絡強度が高い素子の場合には、高速な機械式リレーでも構わないが、高耐圧で低損失で高速応答が可能な高速ワイドバンドギャップ半導体を用いたノーマリオフ型の半導体スイッチであることが望ましい。また、スイッチ327に図2の実施例などで説明した突入電流防止機能を有するスイッチを用い、スイッチ34には開閉機能だけを有する通常のスイッチにすることも可能である。異常時にスイッチ327が遮断する速度はスイッチ34が遮断する速度と同じまたはスイッチ34が遮断する速度より高速であることが望ましい。
【0099】
コンデンサ337はスイッチ327やフューズなどを追加したことにより増加する寄生インピーダンスの影響を抑えるために設けてある。コンデンサ337は平滑コンデンサ
140より耐圧は十分低くても良いが、平滑コンデンサ140より十分高い容量値のものを使用することが望ましい。なおコンデンサ337は端子11xと基準電圧端子10との間に第2の平滑コンデンサとして設けても構わない。この場合にはコンデンサの容量は上記第2の平滑コンデンサによる過電流が問題とならないような低い容量値にすることが望ましい。
【0100】
本実施例ではスイッチ327は平滑コンデンサ140と上アーム用の電力用スイッチング素子30uとの間に配置したが、平滑コンデンサ140と下アーム用電力用スイッチング素子31uとの間に配置しても上アーム用電力用スイッチング素子30uと下アーム用電力用スイッチング素子31uとの間に設けても構わない。
【0101】
また、本実施例では負電源V4の低下だけで異常と判断して動作する回路で示してあるが、異常が発生した判断を上アーム用の制御回路の電源電圧であるV6uなどで判断したり図1に示したように主回路の電流検出回路で判断したり、これらの検出回路を全てモニタしてその中の一つだけでも異常がある場合に全体回路として異常と判断する構成でも構わないことは前述した実施例と同様である。
【実施例25】
【0102】
図26は、本実施例の回路図である。本実施例では、電流変換器330を用いて、スイッチング素子30u,31uに流れる主回路に流れる電流の急増を誘導効果を利用して検出し、スイッチング素子30u等を遮断や過電流抑制制御し、この期間中にスイッチ119をオンして平滑コンデンサ140に充電された電荷を放電させて電圧端子11の電圧を低下させてスイッチング素子30u,31uや負荷37uなどの破壊を防止する。なお、電流変換器330のカップリングを高くしておき、スイッチング素子30u等を遮断または高インピーダンスにするために必要な電力を主回路に流れる過渡的な大電流でまかなうようにしてもよい。本実施例では図24に記載したスイッチ327を省いた場合の図を示したが、スイッチ327を残したままにしても構わない。なお、本実施例では紙面の都合でDC/DCコンバータ318の記載は省略した。その他は実施例24と同様である。
【実施例26】
【0103】
図27は、本実施例の回路図である。本実施例では図21などに示したDC/DCコンバータ318の回路構成例を具体的に示した実施例である。本実施例ではDC/DCコンバータ318の高圧側スイッチング素子として、ワイドバンドギャップ半導体素子を使用したノーマリオン型のスイッチング素子30x,30y,31x,31yを使用し、低損失な回路を実現している。また、スイッチング素子30x,30y,31x,31yを駆動する制御回路33x,33yはDC/DCコンバータ318で生成される負電源電圧
V4で駆動させている。スイッチ322,326,336は各々の回路を切り離すために設けているが、必ずしも全てのスイッチを設ける必要はなくフューズで代用させることも可能である。
【実施例27】
【0104】
図28は、本実施例の回路図である。本実施例ではバッテリなどの負電圧V4用の電源204とノーマリオン型スイッチング素子を制御する回路33x,33yとの間にスイッチ336を設けた場合の実施例である。スイッチ336は制御回路33x,33y側をアノードとし、電源204側をカソードとするダイオードだけでもよいが、本実施例では通常動作での損失を小さくできるようにソースとボディを接続したノーマリオフ型のMOSFET331を使用した。MOSFET331はオフしているときには図示してあるように制御回路33x,33y側をアノード、電源204側をカソードとするダイオードとして動作する。このため、ノーマリオン型スイッチング素子用制御回路の電源電圧V4xが低下しそうになってもダイオードが順バイアスされるため、バッテリ204の電圧V4とほぼ等しい電圧は確保できる。さらに、本実施例では前述の実施例8や実施例9のノーマリオフ型スイッチ75と同様に、下アーム側のノーマリオン型スイッチング素子31x,31yを制御する回路33x,33yの高圧側端子と基準電圧端子10との間にノーマリオフ型のスイッチ335を設けた。スイッチ335をオフすると31x,31yはオフできるため、スイッチング素子31x,31yのゲート・ソース間には負電圧が印加され続け、スイッチング素子31x,31yをオフ状態ないし高インピーダンス状態に保持することができる。また、バッテリ204の電圧V4が急速に低下する不良が発生した場合には
MOSFET331をオフさせることにより、コンデンサ64に充電された電圧V4xは保持され、スイッチング素子30x,30y,31x,31yをオフまたは電流制限状態にさせておくことができる。このようにスイッチング素子がオフ状態または過電流が流れない期間中に図21などに示したスイッチ119により平滑コンデンサ114の電荷が放電され、高圧電圧端子11の電圧は安全なレベル以下に低下する。このため、高圧のノーマリオン型スイッチング素子を使用した回路の信頼性が向上する。
【0105】
フューズ312でスイッチ34が正常に応答しない場合やスイッチ34の応答速度で問題が生じる問題に対して設けたものである。
【実施例28】
【0106】
図29は、本実施例の回路図である。本実施例では、図28に示した実施例27の回路のDC/DCコンバータを双方向型のDC/DCコンバータにした場合の実施例である。すなわち、正電源201から負電源用バッテリ204に電力を供給するのみならず、正電源201として使用するバッテリの電圧が低下した場合に負電源用バッテリ204から正電源用バッテリ201を充電できるようにした場合の実施例である。本実施例を電気自動車などに適用した場合には主電池である電源201が放電終止に近い状態になっても、補助電池204の蓄電エネルギーで少なくともエンジン始動できるため、車の信頼性を向上することが可能である。
【実施例29】
【0107】
図30は、本実施例の回路図である。ハイブリドカーなどで主電池である高圧用電源
201より更に高い電圧を必要とする場合の実施例である。スイッチング素子30a,
31aは例えば288Vから650Vに昇圧するためのコンバータとして動作し、スイッチング素子30u,30v,30w,31u,31v,31wはインバータ回路用の素子として使用している。本実施例ではこれら高圧回路のパワー素子としてワイドバンドギャップ半導体のスイッチ素子を使用し、特に低オン抵抗化しやすいノーマリオン型半導体素子で実現していることが特徴であり、他の実施例と同様に、高圧のスイッチング素子としてノーマリオン型半導体素子を用いても負電圧用の電源V4があるために下アーム用のノーマリオン型半導体素子31a,31u,31v,31wを全てオフまたは高インピーダンス制御させることができる。また、電源V4の電圧が急に低下するような異常時にもスイッチ336をオフすることにより電圧端子14の電圧急激は防げる。このため、ノーマリオン型半導体素子31a,31u,31v,31w,30a、30u,30v,30wに流れる電流をこれらの素子やシステムが破壊しないレベルに抑制しながら、平滑コンデンサ140の電荷を抵抗343やノーマリオン型半導体素子31a、31u,31v,
31w,30a,30u,30v,30wを介して安全に放電できる。また、制御回路
33a,33u,33v,33wが正常に動作することが危ぶまれるほど基準電圧端子
12と負電圧端子14の間の電圧が低下しそうな場合には、スイッチ335をオフすることにより、ノーマリオン型半導体素子31a,31u,31vのゲート端子にはできるだけ長い時間にわたり負電圧を印加して、その間に平滑コンデンサを安全なレベルまで放電させることができる。
【0108】
本実施例ではさらにコンデンサ344とスイッチ336xを追加し、負電源用のバッテリ224と負電圧保持用のコンデンサ64の両方に短絡などの不良が生じても、コンデンサ344の電圧V14yにより電圧端子14を負電圧に保つ期間を長くできるようにした。電圧V14yは正常動作のときにスイッチ336xを通して充電する。なお、本実施例ではコンデンサ64はスイッチ335がオンの時だけ基準電圧端子12と接続しているため、コンデンサ64に不良が生じた場合にはスイッチ335をオフにして電圧端子14の電圧を負電圧に保持しておくことが容易になるが、コンデンサ344の容量を大きくすることにより、前述の実施例と同様にコンデンサ64を基準電圧端子12と直接接続してもコンデンサ64に不良が生じたときに電圧端子14の負電圧に保持する効果がある。なお、コンデンサ344に不良が生じた場合にはスイッチ336をオフすることにより電圧端子14を負電圧に保持する。ここで、スイッチ336はダイオードだけでもよいが、
MOSFETスイッチを使用した場合には正常状態でのスイッチ336xの抵抗を低減できるため損失を低減できる。その他の構成は前述の実施例と同様である。
【0109】
なお、本発明でノーマリオン型のスイッチング素子と記載している内容は、制御電圧
(ゲート電圧)がゼロのときにオフまたは高インピーダンスでも主電極間(ドレイン・ソース間等)に高圧が印加されたときに遮断状態を保持するためには制御端子(ゲート端子等)に導通動作時とは逆極性の制御電圧(ゲート電圧)を印加する必要がある擬似オン型(Quasi−on)のスイッチング素子を用いても同様の構成,効果を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】実施例1の半導体回路の説明図。
【図2】実施例2の半導体回路の説明図。
【図3】実施例3の半導体回路の説明図。
【図4】実施例4の半導体回路の説明図。
【図5】実施例5の半導体回路の説明図。
【図6】実施例6の半導体回路の説明図。
【図7】実施例7の半導体回路の説明図。
【図8】実施例8の半導体回路の説明図。
【図9】実施例9の半導体回路の説明図。
【図10】実施例10の半導体回路の説明図。
【図11】実施例11の半導体回路の説明図。
【図12】実施例12の半導体回路の説明図。
【図13】実施例13の半導体回路の説明図。
【図14】実施例14の半導体回路の説明図。
【図15】実施例15の半導体回路の説明図。
【図16】実施例16の半導体回路の説明図。
【図17】実施例17の半導体回路の説明図。
【図18】実施例18の半導体回路の説明図。
【図19】実施例19の半導体回路の説明図。
【図20】実施例20の半導体回路の説明図。
【図21】実施例21の半導体回路の説明図。
【図22】実施例22の半導体回路の説明図。
【図23】実施例23の半導体回路の説明図。
【図24】実施例24の半導体回路の説明図。
【図25】実施例25の半導体回路の説明図。
【図26】実施例25の主要スイッチの制御方法の説明図。
【図27】実施例26の半導体回路の説明図。
【図28】実施例27の半導体回路の説明図。
【図29】実施例28の半導体回路の説明図。
【図30】実施例29の半導体回路の説明図。
【符号の説明】
【0111】
6 ゲート端子
7,26,27 出力端子
9u,9v,9w,15u,15v,15w 高圧側電圧端子
10 基準電圧端子
11 高圧端子
12 入力側基準電圧端子
13 入力側高圧端子
14 電圧端子
14x,19x 電源端子
16,19 電源電圧端子
16u,16v,16w 低圧側電圧端子
21 電流検出出力端子
22a,23a 一次側端子
30u,30v,30w,31u,31v,31w,75,76,77,84,84a,84b,92,93,94,113u,113v,113w,119,124 スイッチング素子
32u,32v,32w,33u,33v,33w 制御回路
34 高圧スイッチ
34a,34b スイッチ
35 電流検出回路
35b 参照電圧
36,67 制御回路
37u,37v,37w 負荷
38u,38v,38w,56,65a,65b,68u,68v,68w,89u,
89v,89w,108,109u,109v,109w,130u,130v,130w,131u,131v,131w ダイオード
40u,40v,40w,55,64a,64b,66,71,85,88u,88v,88w,95,104u,105u,106u キャパシタ
48 AND回路
49a pnpトランジスタ
50a,50b,50c,52,63a,63b,81,86,91u,91v,91w,102u,116,126 ツェナーダイオード
57a,57x 変圧器
58a 抵抗
60,61 パワーMOSFET
110u ホトカプラ回路部
111u,112u トランジスタ
131 交流電源用プラグ
132,133 主スイッチ
134,135,136,137 整流回路
201,202,202x,202y,203,204 電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準電圧端子と、
前記基準電圧端子の電圧より電圧が高い第1電源電圧端子と、
前記基準電圧端子と第1電源電圧端子との間に配置した少なくとも1組の出力端子と、
該出力端子と前記第1電源電圧端子との間に配置した第1スイッチング素子と、
該第1スイッチング素子を制御する第1制御回路とを備え、
前記第1制御回路が、高圧側電圧端子の電圧と低圧側電圧端子の電圧との間で動作し、
前記低圧側電圧端子の電圧が、前記第1スイッチング素子のソース端子の電圧より低い負電圧であり、
前記出力端子と第2電源電圧端子との間に第1キャパシタを設け、
前記低圧側電圧端子の電圧が該第1キャパシタに充電された電圧により生成されること
を特徴とする半導体回路。
【請求項2】
請求項1において、
前記第2電源電圧端子と前記第1キャパシタの間に第1整流素子を設け、
前記出力端子の電圧が前記第2電源電圧端子の電圧より高くなった場合に、前記第1キャパシタを充電することを特徴とする請求項1記載の半導体回路。
【請求項3】
請求項1において、
前記基準電圧端子と前記出力端子との間に、少なくとも一組の第2スイッチング素子と、
該第2スイッチング素子を制御する第2制御回路を設け、
該第2制御回路が、高圧側電圧端子の電圧と、低圧側電圧端子の電圧である第3電圧端子の電圧との間で動作し、該第3電圧端子の電圧が前記基準電圧端子の電圧より低い負電圧であることを特徴とする半導体回路。
【請求項4】
請求項3において、
前記基準電圧端子と前記第3電圧端子との間に第2キャパシタを設け、該第2キャパシタは前記第1のキャパシタから充電されることを特徴とする半導体回路。
【請求項5】
請求項4において、
前記第1キャパシタと前記第3電圧端子との間に第2整流素子を設けて、
前記第2キャパシタを、該第2整流素子を介して前記第1キャパシタから充電することを特徴とする半導体回路。
【請求項6】
請求項4において、
前記第2キャパシタを降圧回路を用いて充電することを特徴とする半導体回路。
【請求項7】
請求項1において、
前記第2電源電圧端子の電圧が、前記第1電源電圧端子に接続した電源によって供給されることを特徴とする半導体回路。
【請求項8】
請求項1において、
前記第2電源電圧端子と第1電源電圧端子との間に第3キャパシタを設け、
前記第2電源電圧端子と、前記第2電源電圧端子より低い電位の第4電源電圧端子との間に設けた電流経路で前記第3キャパシタを充電することを特徴とする半導体回路。
【請求項9】
請求項8において、
前記第2電源電圧端子と前記第4電源電圧端子との間の前記電流経路に第1ツェナーダイオードを設け、前記第1電源電圧端子と前記第2電源電圧端子との電圧差を規定の値以上に保持することを特徴とする半導体回路。
【請求項10】
請求項8において、
前記第2電源電圧端子と前記第4電源電圧端子との間に第3スイッチング素子を設け、
前記第1電源電圧端子と前記第2電源電圧端子との電圧差を規定の値以上に保持することを特徴とする半導体回路。
【請求項11】
請求項1において、
前記第2電源電圧端子と前記第1電源電圧端子の間の電圧差を制御できるようにしたことを特徴とする半導体回路。
【請求項12】
請求項11において、
前記第1電源電圧端子の電圧上昇を制御する第1スイッチとを備え、該第1スイッチは前記第2電源電圧端子と第1電源電圧端子との間の電圧差が第1の基準電圧値以上になったらオンになり、前記第1の基準電圧値未満の第2基準値以下になったらオフになることを特徴とする半導体回路。
【請求項13】
請求項1において、
負荷に電流を流さない場合の前記出力端子の電圧が、前記高圧側電圧端子と前記基準電圧端子との間の電圧差の3分の1以上高電位側にすることを特徴とする半導体回路。
【請求項14】
請求項1において、
前記スイッチング素子がバンドギャップが2.0eV 以上のワイドバンドギャップ半導体を用いたことを特徴とする半導体回路。
【請求項15】
請求項1において、
前記スイッチング素子が、ノーマリオン型の半導体素子であることを特徴とする半導体回路。
【請求項16】
基準電圧端子と、
該基準電圧端子の電圧より電圧が高い第1電源電圧端子と、
前記基準電圧端子と第1電源電圧端子との間に設けた少なくとも1組の出力端子と、
該出力端子と前記第1電源電圧端子との間に設けた第1スイッチング素子と、
該第1スイッチング素子を制御する第1制御回路を備え、
該第1制御回路が、高圧側電圧端子の電圧と低圧側電圧端子の電圧との間で動作し、
該低圧側電圧端子の電圧が、前記第1スイッチング素子のソース端子の電圧より低い負
電圧であり、
前記出力端子と第2電源電圧端子との間に第1キャパシタを設け、
前記低圧側電圧端子の電圧が該第1キャパシタに充電された電圧により生成され、
前記基準電圧端子と前記出力端子との間に、少なくとも一組の第2スイッチング素子と、該第2スイッチング素子を制御する第2制御回路とを設け、
該第2制御回路が、高圧側電圧端子の電圧と低圧側電圧端子の電圧である第3電圧端子との間で動作し、
該第3電圧端子の電圧が前記基準電圧端子の電圧より低い負電圧であり、
前記第1電源電圧端子の電圧上昇が前記第1スイッチにより制御され、
前記第1スイッチが、前記基準電圧端子と第3電源電圧端子との間の電圧が第3基準電圧値以上でオンになり、該第3基準電圧値未満の第4基準値以下でオフになることを特徴とする半導体回路。
【請求項17】
基準電圧端子と、
該基準電圧端子の電圧より電圧が高い第1電源電圧端子と、
前記基準電圧端子と第1電源電圧端子との間に少なくとも1組の出力端子を備え、
該出力端子と前記第1電源電圧端子との間に第1スイッチング素子を備え、
前記第1スイッチング素子を制御する第1制御回路を設け、
前記第1制御回路が高圧側電圧端子の電圧と低圧側電圧端子の電圧との間で動作し、
前記低圧側電圧端子の電圧が、前記第1スイッチング素子のソース端子の電圧より低い負電圧であり、
前記出力端子と前記第2電源電圧端子との間に第1キャパシタを設け、
前記低圧側電圧端子の電圧が第1キャパシタに充電された電圧により生成され、
前記第1電源電圧端子の電圧上昇が、第1スイッチにより制御され、
前記第1スイッチが、前記基準電圧端子と第5電源電圧端子との間の電圧が、第1の基
準電圧値以上でオンになり、前記第1の基準電圧値未満の第2基準値以下でオフになることを特徴とする半導体回路。
【請求項18】
基準電圧端子と、
該基準電圧端子の電圧より電圧が高い第1電源電圧端子と、
前記基準電圧端子と第1電源電圧端子との間に少なくとも1組の出力端子を備え、
該出力端子と前記第1電源電圧端子との間に第1スイッチング素子を備え、
前記第1スイッチング素子を制御する第1制御回路を設け、
前記第1制御回路が高圧側電圧端子の電圧と低圧側電圧端子の電圧との間で動作し、
前記低圧側電圧端子の電圧が、前記第1スイッチング素子のソース端子の電圧より低い負電圧であり、
前記出力端子と前記第2電源電圧端子との間に第1キャパシタを設け、
前記低圧側電圧端子の電圧が第1キャパシタに充電された電圧により生成され、
前記第1電源電圧端子の電圧上昇が、第1スイッチにより制御され、
前記第1スイッチが、前記第1制御回路の電源電圧が第1の基準電圧値以上でオンになり、前記第1の基準電圧値未満の第2基準値以下でオフになることを特徴とする半導体回路。
【請求項19】
請求項16から請求項18の何れかにおいて、
前記第1スイッチがオン状態からオフ状態になるまでの所要時間が、前記第1スイッチがオフ状態から完全にオンするまでの所要時間の半分以下であることを特徴とする半導体回路。
【請求項20】
請求項16から請求項18の何れかにおいて、
前記第1制御回路の電源電圧が規定電圧以下になった場合に、
前記第1制御回路の低圧側電圧端子に接続された第4スイッチング素子がオンになり、 前記第1制御回路の低圧側電圧端子から低圧側に電流を流すことを特徴とする半導体回路。
【請求項21】
請求項20において、
前記第1スイッチング素子のゲート端子に接続した第5スイッチング素子を備え、
前記第1制御回路への電力供給能力が基準以下に低下した場合に、該第5スイッチング
素子をオンにして前記第1スイッチング素子のゲート電圧を下げることを特徴とする半導体回路。
【請求項22】
請求項16から請求項18の何れかにおいて、
前記第1電圧端子と基準電圧端子との間に第6スイッチング素子を設け、
前記第1制御回路への電力供給能力が基準以下に低下した場合に、前記第1電圧端子から基準電圧端子に電流を流すことを特徴とする半導体回路。
【請求項23】
請求項16から請求項18の何れかにおいて、
負荷に電流を流さない場合の前記出力端子の電圧が、前記高圧側電圧端子と前記基準電圧端子との間の電圧差の3分の1以上高電位側にすることを特徴とする半導体回路。
【請求項24】
請求項16から請求項18の何れかにおいて、
前記スイッチング素子または前記スイッチのいずれか一つがバンドギャップが2.0eV以上のワイドバンドギャップ半導体を用いたことを特徴とする半導体回路。
【請求項25】
請求項16から請求項18の何れかにおいて、
前記スイッチング素子が、ノーマリオン型の半導体素子または擬似オン型の半導体素子であることを特徴とする半導体回路。
【請求項26】
電力半導体スイッチング素子の制御回路において、
前記電力半導体スイッチング素子がオンまたはオフに対応する論理出力を発生する論理制御回路部と、
該論理制御回路部と直列に第7スイッチング素子とを設け、
該第7スイッチング素子をオンにした場合には、制御回路の電源から前記論理制御回路に電流が供給され、前記論理制御回路の信号が前記スイッチング素子のゲート端子に伝達され、
前記スイッチ回路をオフにした場合には、制御回路の電源から前記論理制御回路への電流が停止され、前記論理制御回路への入力信号に依存しない一義的な信号が前記電力用スイッチング素子のゲート端子に印加されることを特徴とする半導体回路。
【請求項27】
請求項8において、
第6電源電圧端子と前記出力端子との間に第4キャパシタを設け、
前記第1電源電圧端子と前記第4電源電圧端子との間に第3整流素子を設け、
前記基準電圧端子と前記出力端子との間に、第2スイッチング素子と、該第2スイッチング素子を制御する第2制御回路を設け、
第2スイッチング素子をオンにした場合に、前記第4キャパシタを充電することを特徴とする半導体回路。
【請求項28】
基準電圧端子と出力端子との間に第1スイッチング素子を設け、
該出力端子と高圧端子との間に第2スイッチング素子を設け、
前記出力端子と第7電源電圧端子との間に第5キャパシタと第4整流素子とを直列に接続し、
前記出力端子の電圧が規定電圧以上の場合に、該第4整流素子を介して該第5キャパシタを充電し、
前記出力端子の電圧が低下した後に再び出力端子の電圧が規定電圧以上になるまでに、前記第5キャパシタの電圧を低下させる放電手段を設けたことを特徴とする半導体回路。
【請求項29】
請求項1,請求項16,請求項17,請求項18の何れかにおいて、
前記第1スイッチング素子を、前記基準電圧端子と前記出力端子との間に設け、
前記出力端子と高圧側電圧端子との間に第2スイッチング素子を設け、
前記出力端子と第8電源電圧端子との間に第6キャパシタと第4整流素子とを直列に接続し、
前記出力端子の電圧が規定電圧以下の場合に、該第4整流素子を介して該第6キャパシタを充電し、前記出力端子の電圧が上昇した後に再び前記出力端子の電圧が規定電圧以下になるまでに、前記第6キャパシタの電圧を低下させる放電手段を設けたことを特徴とする半導体回路。
【請求項30】
基準電圧端子と、
前記基準電圧端子の電圧より電圧が高い第1電源電圧端子と、
前記基準電圧端子と第1電源電圧端子との間に配置した1組の出力端子と、
前記基準電圧端子と前記出力端子との間に配置した第1スイッチング素子及び第2スイッチング素子と、
前記第1スイッチング素子を制御する第1制御回路と、
前記第2スイッチング素子を制御する第2制御回路と、
前記第2制御回路が、高圧側電圧端子の電圧と低圧側電圧端子の電圧との間で動作し、
前記第2制御回路の低圧側電圧端子の電圧が、前記第2スイッチング素子のソース端子の電圧より低い負電圧であり、
前記基準電圧端子と前記第1電源電圧端子との間に設けられた第1電源と、
前記基準電圧端子に対し、前記第1電源電圧端子とは逆極性の第5電源端子と、
前記第1電源電圧端子と前記第1電源の間には前記基準電圧端子と前記第2制御回路の低圧側電圧端子との間の電圧が規定の値になったときにオンするノーマリオフ型のスイッチとを備え、
前記第2制御回路の低圧側電圧端子は前記第5電源端子により印加されることを特徴とする半導体回路。
【請求項31】
請求項30において、
前記基準電圧端子側に負荷を接続し、前記第5電源端子から前記負荷に電力を供給する手段を設けたことを特徴とする半導体回路。
【請求項32】
請求項30または31において、
前記基準電圧端子と前記第5電源端子との間に第5電源を備え、
前記第1電源から前記第5電源を充電する電力変換手段を設けたことを特徴とする半導体回路。
【請求項33】
請求項30から請求項32の何れかにおいて、
前記第1電源の電圧が規定電圧以下になったときに
前記第5電源から前記第1電源を充電する電力変換手段を設けたことを特徴とする半導体回路。
【請求項34】
請求項30から請求項33の何れかにおいて、
前記第5電源の低圧側端子と前記第2スイッチング素子の制御端子とを抵抗性素子を介して接続したことを特徴とする半導体回路。
【請求項35】
請求項30から請求項34の何れかにおいて、
前記基準電圧端子と前記第2制御回路の低圧側電圧端子との間の電圧が規定の電圧以上になったときに、前記基準電圧端子と前記第1電源端子との間を高インピーダンスにするノーマリオン型のスイッチを備えたことを特徴とする半導体回路。
【請求項36】
請求項30から請求項35の何れかにおいて、
前記基準電圧端子と前記第2制御回路の低圧側電圧端子との間の電圧が規定の電圧以下になったときに前記第1電源電圧端子と前記基準電圧端子との間の電圧が速やかに低下するように前記第2スイッチング素子がオンさせる頻度が高くなるように駆動することを特徴とする半導体回路。
【請求項37】
請求項28から請求項36の何れかにおいて、
前記スイッチング素子または前記スイッチのいずれか一つがバンドギャップが2.0eV以上のワイドバンドギャップ半導体を用いたことを特徴とする半導体回路。
【請求項38】
請求項28から請求項36の何れかにおいて、
前記スイッチング素子はノーマリオン型の半導体素子または擬似オン型の半導体素子であることを特徴とする半導体回路。
【請求項39】
基準電圧端子と、
前記基準電圧端子の電圧より電圧が高い第1電源電圧端子と、
前記基準電圧端子と第1電源電圧端子との間に配置した少なくとも1組の出力端子と、
前記基準電圧端子と前記出力端子との間に配置した第1スイッチング素子及び第2スイッチング素子と、
前記第1スイッチング素子を制御する第1制御回路と、
該第2スイッチング素子を制御する第2制御回路と、
前記第2制御回路が、高圧側電圧端子の電圧と低圧側電圧端子の電圧との間で動作し、
前記低圧側電圧端子の電圧が、前記基準電圧端子の電圧より低い負電圧であり、
前記第2制御回路への電流供給を制御するスイッチを設けたことを特徴とする半導体回路。
【請求項40】
請求項39において、
前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子と並列に平滑コンデンサと、
該平滑コンデンサから前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子に流れる電流を遮断するスイッチを設けたことを特徴とする半導体回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2007−288992(P2007−288992A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−348754(P2006−348754)
【出願日】平成18年12月26日(2006.12.26)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】