説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】本発明の実施形態は、電気抵抗を低減させることができる半導体装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、第1導電型のチャネル形成領域と、第2導電型の第1オフセット領域と、前記第1オフセット領域の表面に埋め込まれている第1絶縁膜領域と、前記第1オフセット領域と前記第1絶縁膜領域との間に設けられた第1ライナ層と、前記第1絶縁膜領域を挟んで前記チャネル形成領域とは反対側に形成され、前記第1オフセット領域よりも不純物濃度の高い第2導電型の第1半導体領域と、前記チャネル形成領域を挟んで前記第1半導体領域とは反対側に形成され、前記第1オフセット領域よりも不純物濃度の高い第2導電型の第2半導体領域と、前記チャネル形成領域上及び前記第1オフセット領域上に形成されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、を備えたことを特徴とする半導体装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
MOS電界効果トランジスタ(MOSFET)において、オフセット領域(ドリフト領域)に絶縁体を埋め込む構造(STI;shallow trench isolation)が知られている。
この様なMOSFETを動作させる際には、埋め込まれた絶縁体の下方を回り込むようにしてキャリアが移動することになる。
そのため、絶縁体の下方を回り込む分だけ移動距離が長くなるので電気抵抗が高くなるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−73942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、電気抵抗を低減させることができる半導体装置及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、第1導電型のチャネル形成領域と、第2導電型の第1オフセット領域と、前記第1オフセット領域の表面に埋め込まれている第1絶縁膜領域と、前記第1オフセット領域と前記第1絶縁膜領域との間に設けられた第1ライナ層と、前記第1絶縁膜領域を挟んで前記チャネル形成領域とは反対側に形成され、前記第1オフセット領域よりも不純物濃度の高い第2導電型の第1半導体領域と、前記チャネル形成領域を挟んで前記第1半導体領域とは反対側に形成され、前記第1オフセット領域よりも不純物濃度の高い第2導電型の第2半導体領域と、前記チャネル形成領域上及び前記第1オフセット領域上に形成されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、を備えたことを特徴とする半導体装置が提供される。
【0006】
また、他の実施形態によれば、基板の表面に第1トレンチを形成する工程と、前記第1トレンチの内部に第1ライナ層を形成する工程と、前記第1ライナ層が形成された前記第1トレンチの内部に絶縁性材料を埋め込んで第1絶縁膜領域を形成する工程と、前記基板の表面に絶縁膜を形成する工程と、前記第1トレンチが形成された領域を含まない前記基板の表面内部に第1導電型のチャネル形成領域を形成する工程と、前記第1トレンチが形成された領域を含む前記基板の表面内部に第2導電型の第1オフセット領域を形成する工程と、前記第1絶縁膜領域を挟んで前記チャネル形成領域とは反対側の前記基板の表面内部に、前記第1オフセット領域よりも不純物濃度の高い第2導電型の第1半導体領域を形成する工程と、前記第1半導体領域を形成する工程と共に、前記チャネル形成領域を挟んで前記第1半導体領域とは反対側の前記基板の表面内部に、前記第1オフセット領域よりも不純物濃度の高い第2導電型の第2半導体領域を形成する工程と、前記チャネル形成領域及び前記第1オフセット領域の表面上に形成された前記絶縁膜を介してゲート電極を形成する工程と、を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施形態に係る半導体装置を例示する模式断面図である。
【図2】第2の実施形態に係る半導体装置を例示する模式断面図である。
【図3】第3の実施形態に係る半導体装置を例示する模式断面図である。
【図4】第4の実施形態に係る半導体装置を例示する模式断面図である。
【図5】(a)〜(i)は第5の実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式工程断面図である。
【図6】(a)〜(i)は第6の実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式工程断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る半導体装置を例示する模式断面図である。
図1は、一例として、半導体装置1がLDMOSFET(Laterally Diffused MOSFET;横方向拡散MOSFET)である場合を例示するものである。
なお、図1は、図示しない素子分離層(DTI;Deep Trench Isolation)やPN接合分離などにより区画された領域に形成された半導体装置を表している。
【0009】
図1に示すように、半導体装置1に設けられたp形(第1導電型)またはn形(第2導電型)のシリコン基板2の表面領域には、p形のチャネル形成領域3と、チャネル形成領域3に隣接して形成されたn-形のオフセット領域4(第1オフセット領域)と、が形成されている。p形のチャネル形成領域3の表面領域には、n形のソース領域5(第2半導体領域)が形成されている。n-形のオフセット領域4の表面領域には、n形のドレイン領域6(第1半導体領域)が形成されている。
【0010】
オフセット領域4はチャネル形成領域3から離隔しており、オフセット領域4とチャネル形成領域3との間にはシリコン基板2の一部が介在している。
ソース領域5は、オフセット領域4よりも高い不純物濃度を有する。ドレイン領域6は、オフセット領域4よりも高い不純物濃度を有する。
すなわち、n形のソース領域5は、チャネル形成領域3を挟んでドレイン領域6とは反対側に形成され、オフセット領域4よりも不純物濃度が高くなっている。
形のドレイン領域6は、絶縁膜領域9を挟んでチャネル形成領域3とは反対側に形成され、オフセット領域4よりも不純物濃度が高くなっている。
【0011】
なお、本明細書において「不純物濃度」とは、半導体材料の導電に寄与する不純物の濃度をいい、例えば、半導体材料にドナーとなる不純物とアクセプタとなる不純物の双方が含有されている場合には、活性化した不純物のうち、ドナーとアクセプタの相殺分を除いた分の濃度をいう。
【0012】
オフセット領域4の表面領域にはトレンチ7(第1トレンチ)が形成され、トレンチ7内にライナ層8(第1ライナ層)を介して絶縁膜領域9(第1絶縁膜領域)が埋め込まれている。すなわち、絶縁膜領域9は、オフセット領域4の表面に埋め込まれている。 半導体装置1は、ソース領域5とドレイン領域6との間のオフセット領域4の表面領域に絶縁膜領域9を埋め込む構造(STI;Shallow Trench Isolation)を有している。
【0013】
トレンチ7は、オフセット領域4の表面領域であって、ドレイン領域6とソース領域5との間に形成されている。トレンチ7の一方の側面は、ドレイン領域6に接している。トレンチ7の上面はゲート絶縁膜10の上面に開口している。トレンチ7の下面はドレイン領域6の下面よりも下方に位置し、且つオフセット領域4の下面よりも上方に位置している。
ライナ層8は、オフセット領域4と絶縁膜領域9との間に形成されている。なお、ライナ層8が単層である場合を例示したが、複数の層からなるものとすることもできる。
絶縁膜領域9の上面の一部は、ゲート電極11の下面の一部と接している。絶縁膜領域9は、例えば、シリコン酸化物などの絶縁性材料から形成されるものとすることができる。
【0014】
シリコン基板2の表面には、ゲート絶縁膜10が形成されている。すなわち、ゲート絶縁膜10は、チャネル形成領域3上及びオフセット領域4上に形成されている。ゲート絶縁膜10の上には、例えば不純物が導入されたポリシリコンからなるゲート電極11が形成されている。ゲート電極11は、ドレイン領域6とソース領域5との間の領域の直上域に設けられている。
ゲート絶縁膜10、ゲート電極11などの上方には、例えばシリコン酸化物からなる絶縁膜12が設けられている。絶縁膜12には、絶縁膜12を貫通するコンタクト13〜15が設けられている。絶縁膜12の表面には、配線16〜18が設けられている。コンタクト13の下端はドレイン領域6に接続されており、上端は配線16に接続されている。コンタクト14の下端はゲート電極11に接続されており、上端は配線17に接続されている。コンタクト15の下端はソース領域5に接続されており、上端は配線18に接続されている。
【0015】
次に、オフセット領域4の表面領域に絶縁膜領域9を埋め込む構造(STI;Shallow Trench Isolation)に関してさらに例示をする。
前述したように、半導体装置1は、図示しない素子分離層(DTI;Deep Trench Isolation)やPN接合分離などにより区画された領域に形成されている。
すなわち、オフセット領域4の表面領域に埋め込まれた絶縁膜領域9は、半導体装置1同士を相互に分離する素子分離層とは異なるものである。つまり、絶縁膜領域9は、高い電圧が印加された場合にゲート部分を保護するために形成されている。そのため、絶縁膜領域9を形成することで、ソース領域5とドレイン領域6との間の耐圧を高くすることができる。
【0016】
ここで、半導体装置1を動作させる際には、図1中の矢印Aに示すようにトレンチ7内に埋め込まれた絶縁膜領域9の下方を回り込むようにしてキャリアが移動する。そのため、絶縁膜領域9の下方を回り込む分だけ移動距離が長くなるので電気抵抗が高くなるおそれがある。そこで、本実施の形態においては、キャリアの移動経路(電流経路)に沿ってライナ層8を形成することで電気抵抗を低減させるようにしている。
【0017】
この場合、キャリアの移動度を増加させることができれば、電気抵抗を低減させることができる。そして、キャリアの移動度を増加させるためには、シリコンに引張応力が発生するようにすればよい。すなわち、圧縮応力が発生するようなライナ層8を形成することで、ライナ層8と、オフセット領域4やドレイン領域6と、が接する部分(界面部分)に引張応力を発生させるようにすればよい。
例えば、シリコンの格子定数とは異なる格子定数を有する材料からなるライナ層8を形成するようにすればよい。その様なライナ層8としては、例えば、シリコン窒化物及びシリコン酸窒化物の少なくともいずれかから形成されたものを例示することができる。
【0018】
また、オフセット領域4やドレイン領域6に発生する引張応力が大きすぎると、オフセット領域4やドレイン領域6に割れやひびなどが発生するおそれがある。そのため、過大な引張応力が発生しないようにライナ層8の厚みの適正化を図るようにすることが好ましい。
この場合、ライナ層8の厚みを10nm〜20nm程度とすれば、電気抵抗を低減させることができるとともに、オフセット領域4やドレイン領域6に過大な引張応力が発生することを抑制することができる。
【0019】
また、前述したように、絶縁膜領域9を形成することで高耐圧化を図ることができるが、ライナ層8を形成することでさらに高耐圧化を図ることができる。
例えば、絶縁膜領域9がシリコン酸化物から形成され、ライナ層8がシリコン酸化物よりも高い誘電率を有するシリコン窒化物から形成されるものとすれば、オフセット領域4やドレイン領域6にできる電界に影響を与えることができる。そのため、さらに高耐圧化を図ることができる。
【0020】
また、トレンチ7の側面や下面に部分的にライナ層8を形成するようにすることもできる。ただし、図1に示すように、トレンチ7の側面や下面に連続的にライナ層8を形成するようにすることが好ましい。
【0021】
本実施の形態によれば、キャリアの移動経路(電流経路)に沿ってライナ層8が形成されているので、電気抵抗を低減させることができる。また、耐圧を向上させることができる。そのため、エネルギー効率の向上、シリコン面積の縮小化、製造コストの削減などを図ることができる。
【0022】
[第2の実施形態]
図1に例示をしたものは、ライナ層が絶縁性材料から形成される場合であるが、ライナ層が導電性材料から形成されるようにすることもできる。
この場合、シリコンの格子定数とは異なる格子定数を有する導電性材料から形成されたライナ層8a(第1ライナ層)を形成するようにすることができる。例えば、シリコンに他の半導体物質を固溶させることで格子定数を調整した導電性材料などから形成されたライナ層8aとすることができる。この様な導電性材料としては、例えば、シリコンゲルマニウムなどを例示することができる。なお、ライナ層8aが単層である場合を例示したが、複数の層からなるものとすることもできる。
【0023】
そして、圧縮応力が発生するようなライナ層8aを形成することで、ライナ層8aと、オフセット領域4やドレイン領域6と、が接する部分(界面部分)に引張応力を発生させることができる。
なお、圧縮応力が発生するようなライナ層8aを形成することで電気抵抗の低減を図れることや、ライナ層8aの厚みの適正化などに関しては、前述したライナ層8と同様とすることができるのでこれらの説明は省略する。
【0024】
この場合、ライナ層8aが導電性材料から形成されるため、ゲート電極11とオフセット領域4などとの短絡を防止する必要がある。
【0025】
図2は、第2の実施形態に係る半導体装置を例示する模式断面図である。
なお、図2は、図示しない素子分離層(DTI;Deep Trench Isolation)やPN接合分離などにより区画された領域に形成された半導体装置を表している。
【0026】
図2に示すように、半導体装置1aには絶縁膜領域9、ライナ層8aが形成されている。本実施の形態においては、ライナ層8aはシリコンゲルマニウムなどの導電性材料から形成されている。
また、ゲート電極11とオフセット領域4などとの短絡を防止するため、ライナ層8aはトレンチ7の下面に形成されている。なお、短絡を生じない程度にトレンチ7の側面にライナ層8aを形成することもできる。
【0027】
本実施の形態によれば、キャリアの移動経路(電流経路)に沿ってライナ層8aが形成されているので、電気抵抗を低減させることができる。そのため、エネルギー効率の向上、シリコン面積の縮小化、製造コストの削減などを図ることができる。
【0028】
[第3の実施形態]
図3は、第3の実施形態に係る半導体装置を例示する模式断面図である。
図3は、一例として、半導体装置20がパワーMOSFETである場合を例示するものである。
なお、図3は、図示しない素子分離層(DTI;Deep Trench Isolation)やPN接合分離などにより区画された領域に形成された半導体装置を表している。
【0029】
図3に示すように、半導体装置20に設けられたp形またはn形のシリコン基板22の表面領域には、n-形のオフセット領域24a(第2オフセット領域)と、オフセット領域24aに隣接して形成されたn-形のオフセット領域24b(第1オフセット領域)と、が形成されている。
すなわち、n-形のオフセット領域24aは、チャネル形成領域23とソース領域25との間に設けられ、ソース領域25よりも不純物濃度が低くなっている。
また、少なくともその一部がオフセット領域24aの表面領域に形成され、オフセット領域24bよりも高い不純物濃度を有するn形のソース領域25(第2半導体領域)が形成されている。
また、少なくともその一部がオフセット領域24bの表面領域に形成され、オフセット領域24bよりも高い不純物濃度を有するn形のドレイン領域26(第1半導体領域)が形成されている。
また、ソース領域25とドレイン領域26との間に形成されたp形のチャネル形成領域23が形成されている。
すなわち、n形のソース領域25は、チャネル形成領域23、絶縁膜領域29aを挟んでドレイン領域26とは反対側に形成され、オフセット領域24bよりも不純物濃度が高くなっている。
形のドレイン領域26は、絶縁膜領域29bを挟んでチャネル形成領域23とは反対側に形成され、オフセット領域24bよりも不純物濃度が高くなっている。
【0030】
オフセット領域24aにはトレンチ27a(第2トレンチ)が形成され、トレンチ27a内にライナ層28a(第2ライナ層)を介して絶縁膜領域29a(第2絶縁膜領域)が埋め込まれている。
オフセット領域24bにはトレンチ27b(第1トレンチ)が形成され、トレンチ27b内にライナ層28b(第1ライナ層)を介して絶縁膜領域29b(第1絶縁膜領域)が埋め込まれている。
【0031】
すなわち、絶縁膜領域29aは、オフセット領域24aの表面に埋め込まれている。絶縁膜領域29bは、オフセット領域24bの表面に埋め込まれている。
【0032】
すなわち、半導体装置20は、オフセット領域24aの表面領域に絶縁膜領域29aを埋め込み、オフセット領域24bの表面領域に絶縁膜領域29bを埋め込む構造(STI;shallow trench isolation)を有している。
【0033】
トレンチ27aは、オフセット領域24aの表面領域に形成されている。トレンチ27aの一方の側面はソース領域25に接し、他方の側面はチャネル形成領域23に接している。トレンチ27aの上面はゲート絶縁膜30の上面に開口している。トレンチ27aの下面はソース領域25の下面よりも下方に位置し、且つオフセット領域24aの下面よりも上方に位置している。
トレンチ27bは、オフセット領域24bの表面領域に形成されている。トレンチ27bの一方の側面はドレイン領域26に接し、他方の側面はチャネル形成領域23に接している。トレンチ27bの上面はゲート絶縁膜30の上面に開口している。トレンチ27bの下面はドレイン領域26の下面よりも下方に位置し、且つオフセット領域24bの下面よりも上方に位置している。
この場合、ゲート電極31に対して対称となるようにトレンチ27aとトレンチ27bとを形成するようにすることができる。
【0034】
ライナ層28aは、オフセット領域24aと絶縁膜領域29aとの間に形成されている。ライナ層28bは、オフセット領域24bと絶縁膜領域29bとの間に形成されている。なお、ライナ層28a、28bが単層である場合を例示したが、複数の層からなるものとすることもできる。
【0035】
ライナ層28a、28bは、シリコンの格子定数とは異なる格子定数を有する材料から形成されている。
なお、ライナ層28a及びライナ層28bの少なくともいずれかは、シリコンの格子定数とは異なる格子定数を有する材料から形成されたものとすることができる。この場合、ライナ層28a、28bの両方がシリコンの格子定数とは異なる格子定数を有する材料から形成されるようにすることが好ましい。
【0036】
ライナ層28a、28bは、シリコン窒化物及びシリコン酸窒化物の少なくともいずれかから形成されている。
【0037】
絶縁膜領域29a、29bは、例えば、シリコン酸化物などの絶縁性材料から形成されるものとすることができる。
シリコン基板22の表面には、ゲート絶縁膜30が形成されている。すなわち、ゲート絶縁膜30は、チャネル形成領域23上及びオフセット領域24a、24b上に形成されている。ゲート絶縁膜30の上には、例えば不純物が導入されたポリシリコンからなるゲート電極31が形成されている。ゲート電極31は、チャネル形成領域23の直上域に設けられている。
【0038】
ゲート絶縁膜30、ゲート電極31などの上方には、例えばシリコン酸化物からなる絶縁膜32が設けられている。絶縁膜32には、絶縁膜32を貫通するコンタクト13〜15が設けられている。絶縁膜32の表面には、配線16〜18が設けられている。コンタクト13の下端はドレイン領域26に接続されており、上端は配線16に接続されている。コンタクト14の下端はゲート電極31に接続されており、上端は配線17に接続されている。コンタクト15の下端はソース領域25に接続されており、上端は配線18に接続されている。
【0039】
次に、オフセット領域24a、24bの表面領域に絶縁膜領域29a、29bを埋め込む構造(STI;Shallow Trench Isolation)に関してさらに例示をする。
前述したように、半導体装置20は、図示しない素子分離層(DTI;Deep Trench Isolation)やPN接合分離などにより区画された領域に形成されている。
すなわち、オフセット領域24a、24bに形成された絶縁膜領域29a、29bは、半導体装置20同士を相互に分離する素子分離層とは異なるものである。つまり、絶縁膜領域29a、29bは、高い電圧が印加された場合にゲート部分を保護するために形成されている。そのため、絶縁膜領域29a、29bを形成することで、ソース領域25とドレイン領域26との間の耐圧を高くすることができる。
【0040】
ここで、半導体装置20を動作させる際には、図3中の矢印Bに示すようにトレンチ27a内に埋め込まれた絶縁膜領域29a、トレンチ27b内に埋め込まれた絶縁膜領域29bの下方を回り込むようにしてキャリアが移動する。そのため、絶縁膜領域29a、29bの下方を回り込む分だけ移動距離が長くなるので電気抵抗が高くなるおそれがある。 そこで、本実施の形態においては、キャリアの移動経路(電流経路)に沿ってライナ層28a、28bを形成することで電気抵抗を低減させるようにしている。すなわち、前述したライナ層8と同様のライナ層28a、28bを形成することで電気抵抗を低減させるようにしている。なお、ライナ層28a、28bは、ライナ層8と同様のものとすることができるので、これらの詳細な説明は省略する。
【0041】
本実施の形態によれば、キャリアの移動経路(電流経路)に沿ってライナ層28a、28bが形成されているので、電気抵抗を低減させることができる。また、耐圧を向上させることができる。そのため、エネルギー効率の向上、シリコン面積の縮小化、製造コストの削減などを図ることができる。
【0042】
[第4の実施形態]
図3に例示をしたものは、ライナ層が絶縁性材料から形成される場合であるが、ライナ層が導電性材料から形成されるようにすることもできる。
図4は、第4の実施形態に係る半導体装置を例示する模式断面図である。
なお、図4は、図示しない素子分離層(DTI;Deep Trench Isolation)やPN接合分離などにより区画された領域に形成された半導体装置を表している。
【0043】
図4に示すように、半導体装置20aには絶縁膜領域29a、29b、ライナ層28c(第2ライナ層)、ライナ層28d(第1ライナ層)が形成されている。
本実施の形態においては、シリコンの格子定数とは異なる格子定数を有する導電性材料から形成されたライナ層28c、28dを形成するようにすることができる。例えば、シリコンに他の半導体物質を固溶させることで格子定数を調整した導電性材料などから形成されたライナ層28c、28dとすることができる。この様な導電性材料としては、例えば、シリコンゲルマニウムなどを例示することができる。なお、ライナ層28c、28dが単層である場合を例示したが、複数の層からなるものとすることもできる。
【0044】
また、ライナ層28c及びライナ層28dの少なくともいずれかは、シリコンの格子定数とは異なる格子定数を有する導電性材料から形成されたものとすることができる。この場合、ライナ層28c、28dの両方がシリコンの格子定数とは異なる格子定数を有する導電性材料から形成されるようにすることが好ましい。
なお、ライナ層28c、28dとしては、前述したライナ層8aと同様のものとすることができるので詳細な説明は省略する。
【0045】
また、ゲート電極11とオフセット領域24a、24bなどとの短絡を防止するため、ライナ層28c、28dはトレンチ27a、27bの下面に形成されている。なお、短絡を生じない程度にトレンチ27a、27bの側面にライナ層28c、28dを形成することもできる。
【0046】
本実施の形態によれば、キャリアの移動経路(電流経路)に沿ってライナ層28c、28dが形成されているので、電気抵抗を低減させることができる。そのため、エネルギー効率の向上、シリコン面積の縮小化、製造コストの削減などを図ることができる。
【0047】
次に、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法について例示をする。
[第5の実施形態]
図5は、第5の実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式工程断面図である。 また、図5は、一例として、製造する半導体装置1がLDMOSFET(Laterally Diffused MOSFET;横方向拡散MOSFET)である場合を例示するものである。
なお、図5は、図示しない素子分離層(DTI;Deep Trench Isolation)やPN接合分離などにより区画された領域に半導体装置が形成される様子を表したものである。
【0048】
まず、図5(a)に示すように、p形またはn形のシリコン基板2のオフセット領域4が形成される領域にトレンチ7を形成する。すなわち、シリコン基板2の表面領域にトレンチ7を形成する。この場合、例えば、RIE(Reactive Ion Etching)法などを用いてシリコン基板2をエッチングすることでトレンチ7を形成するようにすることができる。 次に、図5(b)に示すように、トレンチ7の内部にライナ層8を形成する。すなわち、シリコン基板2の表面、トレンチ7の内部にライナ層8となる膜58を形成する。膜58の形成は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などを用いて行うようにすることができる。
【0049】
膜58は、シリコンの格子定数とは異なる格子定数を有する材料から形成された膜とすることができる。例えば、シリコン窒化物及びシリコン酸窒化物の少なくともいずれかから形成された膜とすることができる。
また、前述したようにシリコンゲルマニウムなどの導電性材料から形成された膜とすることもできる。ただし、導電性材料から形成された膜とする場合には、前述したトレンチ7の下面などの所定の場所に膜が形成されるようにする。
なお、形成される膜が単層である場合を例示したが、複数の層からなるものとすることもできる。
【0050】
次に、図5(c)に示すように、絶縁膜領域9となる膜59を形成する。この際、形成される膜59によりトレンチ7の内部が埋め込まれるようにする。すなわち、ライナ層8となる膜58が形成されたトレンチ7の内部に絶縁性材料を埋め込んで絶縁膜領域9が形成されるようにする。
膜59の形成は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などを用いて行うようにすることができる。
膜59は、例えば、シリコン酸化物などの絶縁性材料から形成されるものとすることができる。
【0051】
次に、図5(d)に示すように、シリコン基板2の表面が露出するまで平坦化する。平坦化は、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法などを用いて行うようにすることができる。
この様な平坦化を行うことで、トレンチ7の内部にライナ層8が形成され、トレンチ7の内部に絶縁性材料(絶縁膜領域9)が埋め込まれる。
【0052】
次に、図5(e)に示すように、シリコン基板2の表面にゲート絶縁膜10を形成する。すなわち、シリコン基板2の表面を酸化させてゲート絶縁膜10を形成する。ゲート絶縁膜10の形成は、例えば、熱酸化法などを用いて行うようにすることができる。
次に、図5(f)に示すように、チャネル形成領域3、オフセット領域4を形成する。 すなわち、トレンチ7が形成された領域を含まないシリコン基板2の表面内部にp形のチャネル形成領域3を形成する。また、トレンチ7が形成された領域を含むシリコン基板2の表面内部にn形のオフセット領域4を形成する。
例えば、チャネル形成領域3を形成する領域にボロンイオンを注入し、オフセット領域4を形成する領域にリンイオンを注入し、熱処理を行うことでチャネル形成領域3、オフセット領域4を形成するようにすることができる。
【0053】
次に、図5(g)に示すように、ゲート電極11を形成する。
すなわち、チャネル形成領域3及びオフセット領域4の表面上に形成されたゲート絶縁膜10を介してゲート電極11を形成する。
ゲート電極11は、例えば、不純物が導入されたポリシリコンから形成されるものとすることができる。
【0054】
次に、図5(h)に示すように、ソース領域5、ドレイン領域6を形成する。
すなわち、絶縁膜領域9を挟んでチャネル形成領域3とは反対側のシリコン基板2の表面内部に、オフセット領域4よりも不純物濃度の高いn形のドレイン領域6を形成する。また、ドレイン領域6を形成すると共に、チャネル形成領域3を挟んでドレイン領域6とは反対側のシリコン基板2の表面内部に、オフセット領域4よりも不純物濃度の高いn形のソース領域5を形成する。
例えば、ソース領域5、ドレイン領域6を形成する領域にヒ素イオンを注入し、熱処理を行うことでソース領域5、ドレイン領域6を形成するようにすることができる。
次に、図5(i)に示すように、絶縁膜12、コンタクト13〜15、配線16〜18を順次形成する。
この様にして半導体装置1を製造することができる。
なお、図示しない素子分離層などの形成には既知の技術を適用させることができるのでその説明は省略する。
【0055】
本実施の形態によれば、キャリアの移動経路(電流経路)に沿ってライナ層を形成することができる。そのため、電気抵抗の低減と耐圧の向上とを図ることができる半導体装置を効率よく生産することができる。
【0056】
[第6の実施形態]
図6は、第6の実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式工程断面図である。
また、図6は、一例として、製造する半導体装置20がパワーMOSFETである場合を例示するものである。
なお、図6は、図示しない素子分離層(DTI;Deep Trench Isolation)やPN接合分離などにより区画された領域に半導体装置が形成される様子を表したものである。
【0057】
まず、図6(a)に示すように、シリコン基板22の表面領域にトレンチ27aを形成すると共に、シリコン基板22の表面領域にトレンチ27bを形成する。すなわち、p形またはn形のシリコン基板22のオフセット領域24aが形成される領域にトレンチ27aを形成する。また、オフセット領域24aに隣接するオフセット領域24bが形成される領域にトレンチ27bを形成する。
この場合、例えば、RIE(Reactive Ion Etching)法などを用いてシリコン基板22をエッチングすることでトレンチ27a、27bを形成するようにすることができる。
次に、図6(b)に示すように、トレンチ27aの内部にライナ層28aを形成すると共に、トレンチ27bの内部にライナ層28bを形成する。すなわち、シリコン基板22の表面、トレンチ27a、27bの内部にライナ層28a、28bとなる膜68を形成する。膜68の形成は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などを用いて行うようにすることができる。
【0058】
膜68は、シリコンの格子定数とは異なる格子定数を有する材料から形成された膜とすることができる。例えば、シリコン窒化物及びシリコン酸窒化物の少なくともいずれかから形成された膜とすることができる。
この場合、ライナ層28a及びライナ層28bの少なくともいずれかは、シリコンの格子定数とは異なる格子定数を有する材料から形成されたものとすることができる。この場合、ライナ層28a、28bの両方がシリコンの格子定数とは異なる格子定数を有する材料から形成されるようにすることが好ましい。
【0059】
また、前述したようにシリコンゲルマニウムなどの導電性材料から形成された膜とすることもできる。
ただし、導電性材料から形成された膜とする場合には、前述したトレンチ27a、27bの下面などの所定の場所に膜が形成されるようにする。
この場合、図4に例示をしたライナ層28c及びライナ層28dの少なくともいずれかは、シリコンの格子定数とは異なる格子定数を有する導電性材料から形成されたものとすることができる。この場合、ライナ層28c、28dの両方がシリコンの格子定数とは異なる格子定数を有する導電性材料から形成されるようにすることが好ましい。
【0060】
なお、形成される膜が単層である場合を例示したが、複数の層からなるものとすることもできる。
【0061】
次に、図6(c)に示すように、絶縁膜領域29a、29bとなる膜69を形成する。この際、形成される膜69によりトレンチ27a、27bの内部が埋め込まれるようにする。
すなわち、ライナ層28a、28bとなる膜68が形成されたトレンチ27a、27bの内部に絶縁性材料を埋め込んで絶縁膜領域29a、29bが形成されるようにする。
膜69の形成は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などを用いて行うようにすることができる。
膜69は、例えば、シリコン酸化物などの絶縁性材料から形成されるものとすることができる。
【0062】
次に、図6(d)に示すように、シリコン基板22の表面が露出するまで平坦化する。平坦化は、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法などを用いて行うようにすることができる。
この様な平坦化を行うことで、トレンチ27a、27bの内部にライナ層28a、28bが形成され、トレンチ27a、27bの内部に絶縁性材料(絶縁膜領域29a、29b)が埋め込まれる。
【0063】
次に、図6(e)に示すように、シリコン基板22の表面にゲート絶縁膜30を形成する。すなわち、シリコン基板22の表面を酸化させてゲート絶縁膜30を形成する。ゲート絶縁膜30の形成は、例えば、熱酸化法などを用いて行うようにすることができる。
次に、図6(f)に示すように、チャネル形成領域23、オフセット領域24a、24bを形成する。
すなわち、トレンチ27bが形成された領域を含むシリコン基板22の表面内部にn形のオフセット領域24bを形成するすると共に、トレンチ27aが形成された領域を含むシリコン基板22の表面内部にn形のオフセット領域24aを形成する。
例えば、チャネル形成領域23を形成する領域にボロンイオンを注入し、オフセット領域24a、24bを形成する領域にリンイオンを注入し、熱処理を行うことでチャネル形成領域23、オフセット領域24a、24bを形成するようにすることができる。
【0064】
次に、図6(g)に示すように、ゲート電極31を形成する。
すなわち、チャネル形成領域23及びオフセット領域24a、24bの表面上に形成されたゲート絶縁膜30を介してゲート電極31を形成する。
ゲート電極31は、例えば、不純物が導入されたポリシリコンから形成されるものとすることができる。
【0065】
次に、図6(h)に示すように、ソース領域25、ドレイン領域26を形成する。
すなわち、絶縁膜領域29bを挟んでチャネル形成領域23とは反対側のシリコン基板22の表面内部に、オフセット領域24bよりも不純物濃度の高いn形のドレイン領域26を形成する。
また、ドレイン領域26を形成すると共に、チャネル形成領域23、絶縁膜領域29aを挟んでドレイン領域26とは反対側のシリコン基板22の表面内部に、オフセット領域24bよりも不純物濃度の高いn形のソース領域25を形成する。
例えば、ソース領域25、ドレイン領域26を形成する領域にヒ素イオンを注入し、熱処理を行うことでソース領域25、ドレイン領域26を形成するようにすることができる。 次に、図6(i)に示すように、絶縁膜32、コンタクト13〜15、配線16〜18を順次形成する。
この様にして半導体装置20を製造することができる。
なお、図示しない素子分離層などの形成には既知の技術を適用させることができるのでその説明は省略する。
【0066】
本実施の形態によれば、キャリアの移動経路(電流経路)に沿ってライナ層を形成することができる。そのため、電気抵抗の低減と耐圧の向上とを図ることができる半導体装置を効率よく生産することができる。
【0067】
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明及びその等価物の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【0068】
例えば、半導体装置1、1a、20、20aなどが備える各要素の形状、寸法、材質、配置、数などは、例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。 また、以上に例示をしたものはn形のMOSFETの場合であるが、p形のMOSFETにも適用させることができる。
【符号の説明】
【0069】
1 半導体装置、1a 半導体装置、3 チャネル形成領域、4 オフセット領域、5 ソース領域、6 ドレイン領域、7 トレンチ、8 ライナ層、8a ライナ層、9 絶縁膜領域、10 ゲート絶縁膜、11 ゲート電極、20 半導体装置、20a 半導体装置、23 チャネル形成領域、24a オフセット領域、24b オフセット領域、25 ソース領域、26 ドレイン領域、27a トレンチ、27b トレンチ、28a ライナ層、28b ライナ層、28c ライナ層、28d ライナ層、29a 絶縁膜領域、29b 絶縁膜領域、30 ゲート絶縁膜、31 ゲート電極、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電型のチャネル形成領域と、
第2導電型の第1オフセット領域と、
前記第1オフセット領域の表面に埋め込まれている第1絶縁膜領域と、
前記第1オフセット領域と前記第1絶縁膜領域との間に設けられた第1ライナ層と、
前記第1絶縁膜領域を挟んで前記チャネル形成領域とは反対側に形成され、前記第1オフセット領域よりも不純物濃度の高い第2導電型の第1半導体領域と、
前記チャネル形成領域を挟んで前記第1半導体領域とは反対側に形成され、前記第1オフセット領域よりも不純物濃度の高い第2導電型の第2半導体領域と、
前記チャネル形成領域上及び前記第1オフセット領域上に形成されたゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、
を備えたことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記チャネル形成領域と前記第2半導体領域との間に設けられ、前記第2半導体領域よりも不純物濃度の低い第2オフセット領域と、
前記第2オフセット領域の表面に埋め込まれている第2絶縁膜領域と、
前記第2オフセット領域と前記第2絶縁膜領域との間に設けられた第2ライナ層と、
を備えたことを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1ライナ層及び前記第2ライナ層の少なくともいずれかは、シリコンの格子定数とは異なる格子定数を有する材料から形成されたこと、を特徴とする請求項2記載の半導体装置。
【請求項4】
基板の表面に第1トレンチを形成する工程と、
前記第1トレンチの内部に第1ライナ層を形成する工程と、
前記第1ライナ層が形成された前記第1トレンチの内部に絶縁性材料を埋め込んで第1絶縁膜領域を形成する工程と、
前記基板の表面に絶縁膜を形成する工程と、
前記第1トレンチが形成された領域を含まない前記基板の表面内部に第1導電型のチャネル形成領域を形成する工程と、
前記第1トレンチが形成された領域を含む前記基板の表面内部に第2導電型の第1オフセット領域を形成する工程と、
前記第1絶縁膜領域を挟んで前記チャネル形成領域とは反対側の前記基板の表面内部に、前記第1オフセット領域よりも不純物濃度の高い第2導電型の第1半導体領域を形成する工程と、
前記第1半導体領域を形成する工程と共に、前記チャネル形成領域を挟んで前記第1半導体領域とは反対側の前記基板の表面内部に、前記第1オフセット領域よりも不純物濃度の高い第2導電型の第2半導体領域を形成する工程と、
前記チャネル形成領域及び前記第1オフセット領域の表面上に形成された前記絶縁膜を介してゲート電極を形成する工程と、
を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記第1トレンチを形成する工程と共に、前記基板の表面に第2トレンチを形成する工程と、
前記第1ライナ層を形成する工程と共に、前記第2トレンチの内部に第2ライナ層を形成する工程と、
前記第1オフセット領域を形成する工程と共に、前記第2トレンチが形成された領域を含む前記基板の表面内部に第2導電型の第2オフセット領域を形成する工程と、
を備えたことを特徴とする請求項4記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記第1ライナ層及び前記第2ライナ層の少なくともいずれかは、シリコンの格子定数とは異なる格子定数を有する材料から形成されること、を特徴とする請求項5記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−64642(P2012−64642A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−205495(P2010−205495)
【出願日】平成22年9月14日(2010.9.14)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】