説明

可変容量圧縮機用吐出容量制御弁の製造方法

【課題】 弁体の他端部の支持孔への挿通作業が、特許文献1の容量制御弁よりも容易な可変容量圧縮機用吐出容量制御弁の製造方法を提供する。
【解決手段】 クランク室と連通し且つ弁孔と連通孔とを介して吐出圧領域と連通する弁室と、弁室内に配設された一端部が弁孔を開閉する弁体と、弁体の他端部を摺動可能に支持する支持孔を有し弁体の他端を吐出圧領域から遮断して弁体を収容するバルブハウジングと、弁体を弁孔開閉方向へ駆動する駆動手段とを備える可変容量圧縮機用吐出容量制御弁の製造方法であって、弁孔と弁孔開口部周囲の弁座とをバルブハウジングとは別体の弁座形成体に形成し、弁座形成体をバルブハウジングに形成された支持孔よりも大径の収容孔に嵌合固定して、収容孔を介して連通孔と弁孔とを連通させ、弁座形成体を収容孔に圧入固定した後、弁孔と支持孔とを同一工具を用いて同時に仕上げ加工する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可変容量圧縮機用吐出容量制御弁の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
クランク室と連通し且つ弁孔と連通孔とを介して吐出圧領域と連通する弁室と、弁室内に配設された一端部が弁孔を開閉する弁体と、弁体の他端部を摺動可能に支持する支持孔を有し弁体の他端を吐出圧領域から遮断して弁体を収容するバルブハウジングと、弁体を弁孔開閉方向へ駆動する駆動手段とを備え、弁孔と弁孔開口部周囲の弁座とがバルブハウジングに形成された、可変容量圧縮機用吐出容量制御弁が特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開2000−18420号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1の容量制御弁においては、弁孔と支持孔と両者の接続部とが略同一径であり、連通孔が前記接続部に交差している。これらの孔は穴加工により形成されるので、前記接続部と連通孔との交差部に加工バリが発生する。加工バリは除去されるが、除去作業後に万一僅かでも残存していると、弁体の他端部と干渉して当該他端部の支持孔への挿通作業を困難にするおそれがある。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、弁体の他端部の支持孔への挿通作業が、特許文献1の容量制御弁よりも容易な可変容量圧縮機用吐出容量制御弁の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明においては、クランク室と連通し且つ弁孔と連通孔とを介して吐出圧領域と連通する弁室と、弁室内に配設された一端部が弁孔を開閉する弁体と、弁体の他端部を摺動可能に支持する支持孔を有し弁体の他端を吐出圧領域から遮断して弁体を収容するバルブハウジングと、弁体を弁孔開閉方向へ駆動する駆動手段とを備える可変容量圧縮機用吐出容量制御弁の製造方法であって、弁孔と弁孔開口部周囲の弁座とをバルブハウジングとは別体の弁座形成体に形成し、弁座形成体をバルブハウジングに形成された支持孔よりも大径の収容孔に嵌合固定して、収容孔を介して連通孔と弁孔とを連通させ、弁座形成体を収容孔に圧入固定した後、弁孔と支持孔とを同一工具を用いて同時に仕上げ加工することを特徴とする可変容量圧縮機用吐出容量制御弁の製造方法を提供する。
本発明に係る吐出容量制御弁の製造方法においては、弁孔と弁孔開口部周囲の弁座とをバルブハウジングとは別体の弁座形成体に形成し、当該弁座形成体を、バルブハウジングに形成された支持孔よりも大径の収容孔に嵌合固定したので、連通孔は支持孔よりも大径の収容孔と交差する。従って、収容孔と連通孔との交差部に生じた加工バリが除去作業後に万一僅かに残存しても、加工バリは弁体の他端部と干渉せず、弁体の他端部を支持孔に挿通する作業を阻害しない。従って、弁体の他端部の支持孔への挿通作業が、特許文献1の容量制御弁よりも容易である。
本発明に係る吐出容量制御弁の製造方法においては、弁座形成体を収容孔に圧入固定した後、弁孔と支持孔とを同一工具を用いて同時に仕上げ加工することにより、弁孔と支持孔の同軸度を向上させ、弁体の組み付け性を向上させている。弁体の弁座当接面をテーパ面とした場合、弁体と支持孔の同軸度の向上により、弁体のシール性能が向上し、閉弁時の漏れが低減する。
【0005】
本発明の好ましい態様においては、弁孔を支持孔よりも僅かに大径に仕上げ加工する。
弁孔を支持孔よりも僅かに大径に仕上げ加工することにより、弁体の他端部の支持孔への挿通作業が更に容易になり、且つ吐出圧力の影響の少ない制御特性が得られる。
本発明の好ましい態様においては、弁孔と支持孔とを同一径に仕上げ加工する。
弁孔と支持孔とを同一径に仕上げ加工することにより、吐出圧力の影響が殆ど無い制御特性が得られる。
【0006】
本発明の好ましい態様においては、弁孔と支持孔と弁座面とを同一工具を用いて同時に仕上げ加工する。
弁孔及び支持孔と弁座面との直角度が向上し、閉弁時の漏れが低減する。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る吐出容量制御弁の製造方法においては、弁孔と弁孔開口部周囲の弁座とをバルブハウジングとは別体の弁座形成体に形成し、当該弁座形成体を、バルブハウジングに形成された支持孔よりも大径の収容孔に嵌合固定したので、連通孔は支持孔よりも大径の収容孔と交差する。従って、収容孔と連通孔との交差部に生じた加工バリが除去作業後に万一僅かに残存しても、加工バリは弁体の他端部と干渉せず、弁体の他端部を支持孔に挿通する作業を阻害しない。従って、弁体の他端部の支持孔への挿通作業が、特許文献1の容量制御弁よりも容易である。
本発明に係る吐出容量制御弁の製造方法においては、弁座形成体を収容孔に圧入固定した後、弁孔と支持孔とを同一工具を用いて同時に仕上げ加工することにより、弁孔と支持孔の同軸度を向上させ、弁体の組み付け性を向上させている。弁体の弁座当接面をテーパ面とした場合、弁体と支持孔の同軸度の向上により、弁体のシール性能が向上し、閉弁時の漏れが低減する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の実施例を説明する。
図1に示すように、可変容量斜板式圧縮機100は、複数のシリンダボア101aを備えたシリンダブロック101と、シリンダブロック101の一端に設けられたフロントハウジング102と、バルブプレート103を介してシリンダブロック101の他端に設けられたリアハウジング104とを備えている。
シリンダブロック101とフロントハウジング102とによって画成されるクランク室105内を横断して、駆動軸106が配設されている。駆動軸106は斜板107に挿通されている。斜板107は、駆動軸106に固定されたロータ108と連結部109を介して結合し、駆動軸106により傾角可変に支持されている。ロータ108と斜板107との間に、斜板107を最小傾角へ向けて付勢するコイルバネ110が配設されている。斜板107を挟んでコイルバネ110の反対側に、最小傾角状態にある斜板107を傾角増大方向へ付勢するコイルバネ111が配設されている。
【0009】
駆動軸106の一端はフロントハウジング102のボス部102aを貫通してハウジング外まで延在しており、電磁クラッチを介することなく、図示しない動力伝達装置を介して図示しない車両エンジンに直結している。駆動軸106とボス部102aとの間に軸封装置112が配設されている。
駆動軸106は、ベアリング113、114、115、116によりラジアル方向及びスラスト方向に支持されている。
【0010】
シリンダボア101a内に、ピストン117が配設され、ピストン117の一端部の窪み117a内に収容された一対のシュー118が斜板107の外周部を相対摺動可能に挟持している。駆動軸106の回転は、斜板107とシュー118とを介してピストン117の往復動に変換される。
【0011】
リアハウジング104には、吸入室119と吐出室120とが形成されている。吸入室119は、バルブプレート103に形成された連通孔103aと図示しない吸入弁とを介してシリンダボア101aに連通し、吐出室120は図示しない吐出弁とバルブプレート103に形成された連通孔103bとを介してシリンダボア101aに連通している。吸入室119は吸入ポート104aを介して図示しない車両空調装置の蒸発器に接続している。
フロントハウジング102、シリンダブロック101、バルブプレート103、リアハウジング104は、協働して、駆動軸106、ロータ108、連結部109、斜板107、シュー118、ピストン117、シリンダボア101a、吸入弁、吐出弁等で形成される圧縮機構を収容するハウジングを形成している。
【0012】
シリンダブロック101の外側にマフラ121が配設されている。マフラ121は、シリンダブロック101とは別体の有底筒状の蓋部材122を、シリンダブロック101の外面に立設した筒状壁101bにシール部材を介して接合することにより、形成されている。蓋部材122に、吐出ポート122aが形成されている。吐出ポート122aは図示しない車両空調装置の凝縮器に接続している。
マフラ121を吐出室120に連通させる連通路123が、シリンダブロック101とバルブプレート103とリアハウジング104とに亙って形成されている。マフラ121と連通路123とは、吐出室120と吐出ポート122aとの間で延在する吐出通路を形成しており、マフラ121は当該吐出通路の途上に配設された拡張空間を形成している。
マフラ121の入口を開閉する逆止弁200がマフラ121内に配設されている。
【0013】
フロントハウジング102、シリンダブロック101、バルブプレート103、リアハウジング104は図示しないガスケットを介して隣接し、複数の通しボルトを用いて一体に組付けられている。
【0014】
リアハウジング104に吐出容量制御弁300が取り付けられている。吐出容量制御弁300は、吐出室120とクランク室105との間の連通路124の開度を調整し、クランク室105への吐出冷媒ガスの導入量を制御する。クランク室105内の冷媒ガスは、ベアリング115、116と駆動軸106との間の隙間と、シリンダブロック101に形成された空間125と、バルブプレート103に形成されたオリフィス孔103cとを介して吸入室119へ流入する。
吐出容量制御弁300により、クランク室105の内圧を可変制御して、可変容量斜板式圧縮機100の吐出容量を可変制御することができる。吐出容量制御弁300は、外部信号に基づいて内蔵するソレノイドへの通電量を調整し、連通路126を介して吐出容量制御弁300の感圧室に導入される吸入室119の内圧が所定値になるように、可変容量斜板式圧縮機100の吐出容量を可変制御し、また内蔵するソレノイドへの通電をOFFすることにより連通路124を強制開放して、可変容量斜板式圧縮機100の吐出容量を最小に制御する。吐出容量制御弁300は、外部環境に応じて、吸入圧力を最適制御することができる。
【0015】
吐出容量制御弁300の構成を詳述する。
図2に示すように、吐出容量制御弁300は、バルブハウジング301に形成された感圧室302内に配設され、連通孔301aを介して吸入圧力を受圧し、内部を真空にしてばねを配設した感圧手段として機能するベローズ303と、一端部がバルブハウジング301に形成された弁室312内に配設されクランク圧力を受圧すると共に吐出室120とクランク室105との間の連通路124に配設された弁孔305aを開閉し、他端部がバルブハウジング301の支持孔301bに摺動可能に支持され、他端がベローズ303に連結する弁体304と、弁孔305aと弁座305bとが形成され、バルブハウジング301の収容孔301cに圧入固定された、バルブハウジング301とは別体の弁座形成体305と、弁体304に一体形成され、一端に可動鉄心306を圧入固定したソレノイドロッド304aと、ソレノイドロッド304aを内挿し、所定隙間を隔てて可動鉄心306に対向配置された固定鉄心307と、固定鉄心307と可動鉄心306の間に配設され、可動鉄心306を開弁方向に付勢するばね308と、固定鉄心307と可動鉄心306とを内挿してソレノイドケース309に固定された筒状部材310と、筒状部材310を取り囲み、ソレノイドケース309に収容された電磁コイル311とから構成されている。
【0016】
バルブハウジング301は切削性の良好な軟質金属である黄銅で形成されており、弁座形成体305は黄銅よりも硬度の高いステンレス鋼で形成されている。弁体304はステンレス鋼で構成されている。弁体304の弁座当接面304bは円錐状のテーパ面であり、弁座305bは平面であり、弁孔305aと弁座305bとの繋ぎ部は直角を形成している。従って、閉弁時には、弁体304の弁座当接面304bは弁孔305aの開口端部周縁の直角の角部に線接触する。
バルブハウジング301に弁孔305aと直交方向に形成された連通孔301dは収容孔301cと交差すると共に吐出室120に連通している。従って、弁孔305aと連通孔301dとは収容孔301cを介して連通している。ベローズ303に連結する弁体304の他端は収容孔301cから遮断され、ひいては吐出室120から遮断されている。弁室312は連通孔301eを介してクランク室105と連通している。連通孔301d、収容孔301c、弁孔305a、弁室312、連通孔301eは、吐出室120とクランク室105との間の連通路124の一部を形成している。
弁体304の他端に連結し吸入圧力の変化により変位して弁体304を駆動する感圧部材であるベローズ303を有する自律制御機構と、可動鉄心306、固定鉄心307、電磁コイル311等を有し弁体304に電磁力を作用させることにより自律制御機構の吸入圧力制御特性を変化させる外部制御機構とにより、弁体304を弁孔開閉方向へ駆動する駆動手段が形成されている。
【0017】
弁体304に作用する力は図3の式(1)で与えられる。吐出容量制御弁300においては、電磁コイル311への通電量が増加すると吸入圧力が低下する制御特性が得られる。
閉弁時に、弁体304のテーパした弁座当接面304bは弁孔305aの開口端部周縁の直角の角部に線接触するので、弁体304の吐出圧力受圧面積は弁孔305aの断面積に略等しくなる。
弁孔305aは弁座形成体305をバルブハウジング301に圧入した際に僅かに変形するため、弁座形成体305をバルブハウジング301に圧入固定した後、弁孔305aを仕上げ加工して孔径を所定値に仕上げている。支持孔301bも弁孔305aの仕上げ加工と同時に同一工具で同一径に仕上げ加工されている。従って、弁孔305aと支持孔301bの断面積は同一値に仕上げられている。バルブハウジング301の支持孔301bに摺動可能に支持された弁体304の他端部である感圧ロッド304cの径は支持孔301bの径よりも僅かに(例えば10〜数10ミクロン)小さく設定されているので、式(1)のSvとSrとは実質的に同一値であり、図3の式(1)は図3の式(2)となる。
図3の式(2)から分かるように、吐出容量制御弁300は、実質的に吐出圧力の影響を受けない吸入圧力制御特性を有している。
【0018】
連通孔301dは支持孔301bよりも大径の収容孔301cと交差するので、収容孔301cと連通孔301dとの交差部に生じた加工バリが除去作業後に万一僅かに残存しても、加工バリは弁体304の他端部である感圧ロッド304cと干渉せず、感圧ロッド304cを支持孔301bに挿通する作業を阻害しない。従って、感圧ロッド304cの支持孔301bへの挿通作業が、特許文献1の容量制御弁よりも容易である。
弁孔305aと支持孔301bとを同一工具を用いて同時に仕上げ加工するので、弁孔305aと支持孔301bの同軸度が向上し、弁体304の組み付け性が向上する。また弁体304と弁孔305aの同軸度の向上により、テーパ面である弁座当接面304bが弁孔305aの開口端部周縁に当接した際の弁体304のシール性能が向上し、閉弁時の漏れが低減する。
【0019】
弁孔305aと支持孔301bとを同一径に仕上げ加工することにより、吐出圧力の影響が殆ど無い制御特性が得られる。
【0020】
弁孔305aを支持孔301bよりも僅かに大径に仕上げ加工しても良い。感圧ロッド304cの支持孔301bへの挿通作業が更に容易になり、且つ吐出圧力の影響が少ない制御特性が得られる。
【0021】
弁孔305aと支持孔301bと弁座305bとを同一工具を用いて同時に仕上げ加工しても良い。弁孔305a及び支持孔301bと弁座面との直角度が向上し、閉弁時の漏れが低減する。
【0022】
図4に示すように、弁体を開閉方向に駆動する駆動手段を、冷媒回路の二つの圧力監視点である、吐出室120とマフラ空間121の圧力差の変化により変位して弁体を駆動する差圧検知部材401を備える自律制御機構と、弁体に電磁力を作用させることにより前記自律制御機構の差圧制御特性を変化させる外部制御機構とにより構成した吐出容量制御弁400にも、前述の技術は適用可能である。
吐出容量制御弁400は、外部環境に応じて、圧力監視点間の圧力差を最適制御することができる。
【0023】
弁座形成体305には吐出圧力とクランク圧力の差圧が作用するので、図5に示すように、弁座形成体305をバルブハウジング301に圧入固定した後、かしめ等の弁座形成体脱落防止策を施しても良い。特に二酸化炭素を圧縮する場合には好適である。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明は、上記実施例に限定されず、弁孔径が支持孔径よりも大きく、吐出圧力が増加すると制御吸入圧力が上昇する吐出容量制御弁、弁孔径が支持孔径よりも小さく、吐出圧力が増加すると制御吸入圧力が低下する吐出容量制御弁、弁座形成体に窒化処理等の表面硬化処理を施した吐出容量制御弁、弁体に窒化処理等の表面硬化処理を施した吐出容量制御弁、開位置と閉位置の二位置制御の吐出容量制御弁、モータ駆動の可変容量圧縮機に使用される吐出容量制御弁、CO2やR152aを圧縮する可変容量圧縮機に使用される吐出容量制御弁等に広く利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施例に係る方法で製造された吐出容量制御弁を備える可変容量斜板式圧縮機の断面図である。
【図2】本発明の実施例に係る方法で製造された吐出容量制御弁の断面図である。(a)は全体図であり、(b)は(a)の弁体を除いた部分拡大図であり、(c)は閉弁状態での部分拡大図である。
【図3】本発明の実施例に係る方法で製造された吐出容量制御弁の制御特性式を示す図である。
【図4】本発明の実施例に係る方法で製造された他の吐出容量制御弁の断面図である。
【図5】本発明の実施例に係る方法で製造された他の吐出容量制御弁の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
【0026】
100 可変容量斜板式圧縮機
105 クランク室
106 駆動軸
107 斜板
117 ピストン
119 吸入室
120 吐出室
300 容量制御弁
305 弁座形成体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クランク室と連通し且つ弁孔と連通孔とを介して吐出圧領域と連通する弁室と、弁室内に配設された一端部が弁孔を開閉する弁体と、弁体の他端部を摺動可能に支持する支持孔を有し弁体の他端を吐出圧領域から遮断して弁体を収容するバルブハウジングと、弁体を弁孔開閉方向へ駆動する駆動手段とを備える可変容量圧縮機用吐出容量制御弁の製造方法であって、弁孔と弁孔開口部周囲の弁座とをバルブハウジングとは別体の弁座形成体に形成し、弁座形成体をバルブハウジングに形成された支持孔よりも大径の収容孔に嵌合固定して、収容孔を介して連通孔と弁孔とを連通させ、弁座形成体を収容孔に圧入固定した後、弁孔と支持孔とを同一工具を用いて同時に仕上げ加工することを特徴とする可変容量圧縮機用吐出容量制御弁の製造方法。
【請求項2】
弁孔を支持孔より僅かに大径に仕上げ加工することを特徴とする請求項1に記載の可変容量圧縮機用吐出容量制御弁の製造方法。
【請求項3】
弁孔と支持孔とを同一径に仕上げ加工することを特徴とする請求項1に記載の可変容量圧縮機用吐出容量制御弁の製造方法。
【請求項4】
弁孔と支持孔と弁座面とを同一工具を用いて同時に仕上げ加工することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の可変容量圧縮機用吐出容量制御弁の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−239687(P2007−239687A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−65670(P2006−65670)
【出願日】平成18年3月10日(2006.3.10)
【出願人】(000001845)サンデン株式会社 (1,791)
【Fターム(参考)】