吸音バッフル部材及びキャビティに吸音バッフルを適用する方法
キャビティ密封のための未硬化吸音部材(1、31)は、熱的に不活性なキャリヤー(8、38)及びこのキャリヤーに適用された熱発泡性材料(6、40)を含む。キャリヤー(8、38)は、熱発泡性材料が発泡してキャビティを密封したとき、覆われるようになる開口(3、33)を含んでいる。この吸音部材(1、31)は、音響的軽減を与えるために及びキャビティの中への流体の侵入を防止するために、自動車キャビティを密封するのに特に有用である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件特許出願は、2008年11月26に出願された、特許協力条約特許出願第PCT/CN2008/073201号からの優先権を主張する。
【0002】
本発明は、熱発泡性材料の層を有する吸音バッフル(acoustic baffling)及びキャビティに吸音バッフルを設置する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
キャビティを通過するノイズ若しくは振動の伝達を減少するために、又は流体がキャビティに入るのを防止するために、特に、自動車及び他の車両に於いて、構造体キャビティを密封することがしばしば望ましい。これを行う一つの手段は、キャビティの中に発泡性材料を導入し、次いで発泡性材料を発泡させて、キャビティを密封するフォームを形成することである。このフォームは、一般に、特にそれが幾らか軟質の材料である場合、音又はその他の振動の良好な吸収材となる。
【0004】
前記発泡性材料は、しばしば、最初にキャリヤーに適用され、次いで、キャビティの中に挿入される。このキャリヤーは、ある種の初期構造支持体を提供し、それが望まれるキャビティの部分の中に発泡性材料を所定の位置に固定する手段を提供することができる。この形式のバッフル材料の例は、例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8及び特許文献9中に記載されている。
【0005】
典型的な挿入体中に使用されるキャリヤー材料の反射特性は、フォーム材料によって吸収される代わりに、キャリヤーで反響するキャビティ内のノイズになり得る。多くのバッフルは、発泡性材料によって覆われたキャリヤーの縁を有する、硬質ポリマー又は金属キャリヤーを含んでなる。硬化の際に、キャビティ壁の外側面のみが吸収性材料を含有し、キャビティの中心断面は、音を反射し得るキャリヤーによってブロックされている。一層効果的なバッフルは、縁(エッジ)でのみの代わりに、キャリヤーの全表面の上に軟質ポリマーを含むであろう。
【0006】
別の形式のバッフルは、頂部表面上で、打ち抜かれた又は射出成形されたポリマーによって覆われたキャリヤーを含む。底部キャリヤー表面は、覆われておらず、覆われていないキャリヤー表面によるノイズの反射のために、吸音性に劣る。発泡性材料が底部表面に付着されている場合、それは、発泡工程の間に垂れ落ちて、凹凸のフォーム表面を与える。一層望ましいオッファーは、キャリヤーの頂部及び底部の両方の上に吸音フォームを含むことである。
【0007】
自動車用途に於いて、吸音バッフルは、典型的には、被覆又は塗装されなくてはならない部品のキャビティ中に挿入される。これらの自動車被覆は、通常焼成(ベーク)され、バッフル内の発泡性材料を、被覆がベーク硬化を受けると同時に発泡させることが効率的である。これを実施することに伴う問題点は、発泡工程が行われる前でも、バッフルが、一般的にキャビティを塞ぐことである。これは、被覆がキャビティ中に進入し、その内側表面を被覆することを妨害する。それで、被覆がキャビティ中に進入し、更にキャビティを密封することを可能にするための手段が必要である。
【0008】
これを可能にする代替形式のバッフルは、クラムシェルによって形成されているキャビティ内に発泡性材料を保持する多孔質クラムシェルを含んでなっている(特許文献8)。発泡の際に、キャビティは、また、クラムシェルキャリヤーもカプセル状に包むフォーム材料によって充填されるようになる。これらの部品は質量(mass)が高い。更に、組立プロセス及び製造コストの量は高く、クラムシェルキャリヤーを射出成形しなくてはならず、発泡性材料を射出成形又は打ち抜き加工しなくてはならず、そして次いでこれらのコンポーネントを手で組み立てなくてはならない。
【0009】
吸音バッフルに伴う別の問題点は、発泡性材料が非均一的に発泡する傾向があることである。その結果、発泡した材料は、幾つかの領域に於いて、他の領域よりも厚くなることであろう。これは、バッフルの吸音特性が、発泡した材料の最も薄い領域によって決定される傾向があるので、吸音特性に於ける有効性の損失に至る。幾つかの場合に、発泡は幾らか指向的になり、これは、再び、有効性の不調和及び損失に至る。これらのバッフルに於いて、発泡性材料の一層均一な発泡をもたらすことが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際特許出願公開第WO93/37506号明細書
【特許文献2】国際特許出願公開第WO00/03894号明細書
【特許文献3】国際特許出願公開第WO01/30906号明細書
【特許文献4】国際特許出願公開第WO02/26549号明細書
【特許文献5】国際特許出願公開第WO08/043385号明細書
【特許文献6】米国特許第5,385,951号明細書
【特許文献7】欧州特許出願公開第452527A1号明細書
【特許文献8】欧州特許出願公告第1362683B1号明細書
【特許文献9】欧州特許出願公開第457928A1号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、一つの面に於いて、熱的に不活性なキャリヤー及びこのキャリヤーに適用された熱発泡性材料を含む未硬化吸音部材(uncured acoustic absorbing member)であって、このキャリヤーが、第一の対峙側面及び第二の対峙側面(first and second opposing)を有する壁部分並びに壁部分を貫通して第一の対峙側面から第二の対峙側面まで伸びている開口(openings)を含み、その開口が0.5〜20mmの最大幅を有し、該開口が、集合体(aggregate)中で、壁部分の表面積の10〜85%を構成し、そしてキャリヤー内の開口が、熱発泡性材料によって充填されないように、熱発泡性材料がキャリヤーの対峙側面の両方に適用され、更に、熱発泡性材料が、120〜250℃の範囲内の温度に加熱されたときに発泡することによって膨張して、キャリヤーの両側面上に、キャリヤー内の開口の領域の少なくとも99%を覆う発泡フォームを形成する、未硬化吸音部材である。
【0012】
本発明の第一の吸音部材に於ける開口は、好ましくは0.5〜20mmの最大寸法を有する開口を有する。従って、本発明の第一の面の好ましい態様は、熱的に不活性のキャリヤー及びキャリヤーに適用された熱発泡性材料を含んでなる未硬化吸音部材であって、キャリヤーが、第一の対峙側面及び第二の対峙側面を有する壁部分並びに壁部分を貫通して第一の対峙側面から第二の対峙側面まで伸びている開口を含み、その開口が0.5〜20mmの最大寸法を有し、該開口が、集合体中で、壁部分の表面積の10〜85%を構成し、そしてキャリヤー内の開口が、熱発泡性材料によって充填されないように、熱発泡性材料がキャリヤーの対峙側面の両方に適用され、更に、熱発泡性材料が、120〜250℃の範囲内の温度に加熱されたときに発泡することによって膨張して、キャリヤーの両側面上に、キャリヤー内の開口の領域の少なくとも99%を覆う発泡フォームを形成する、未硬化吸音部材である。
【0013】
本発明は、また、或る態様に於いて、
a)第一の面の未硬化吸音部材を、キャビティ内に横断方向に配置し、そして
b)吸音部材を、120〜250℃の温度に、熱発泡性材料が、その初期体積の少なくとも400%まで発泡するために充分な時間加熱し、キャリヤーのそれぞれの対峙側面の上に、キャリヤーの対峙側面の全表面積を実質的に覆い、かつキャリヤー内の開口の領域の少なくとも99%を充填する発泡フォームを作る
ことを含んでなる、音響バッフリング(baffling)をキャビティに適用する方法である。前記発泡材料は、好ましくはキャビティを密封し、このことによって、それが、キャビティを通過する流体の侵入に対するバリヤーを形成することを意味する。
【0014】
前記開口によって、熱発泡性材料が発泡する前に、流体がこの部材を貫通することが可能になり、一方、この材料が発泡した後に、連続音響バリヤー及び良好なキャビティ密封が提供される。従って、上記のプロセスの特に好ましい態様に於いて、工程a)の後で、被覆又は腐食処理が、被覆の少なくとも一部を、吸音バッフル部材中の開口に貫通させることにより、又は被覆若しくは腐食処理体の少なくとも一部を、吸音バッフル部材中の開口に通して排液することにより、又は両方により、キャビティの内部に適用され、被覆は工程b)の間に熱硬化を受ける。
【0015】
前記開口によって、また、熱発泡工程の間に、前記部材を通過する気体の流れが可能になる。これは熱移動を改良し、次いで、熱発泡性材料の発泡を速め、発泡の一層の均一性を促進することができる。
【0016】
本発明の別の利点は、キャリヤーが、質量に於いて非常に低いものであってよく、単純な設計のものであってよいことである。キャリヤーの質量を低下させることは、熱発泡硬化の間にキャリヤーを加熱する際に、少ないエネルギーが費やされる点で有利である。その結果、熱発泡性材料は、より短い時間内に、一層均一に発泡することができる。単純なキャリヤー設計はコストを下げることができる。多くの場合に、キャリヤーは、後で一層完全に説明するような、開口並びに任意的にボーダー及び/又は或る種の表面特徴、例えば隆起領域(raised areas)を有する、単純な平面形を呈することができる。
【0017】
第二の面に於いて、本発明は、第一の対峙側面及び第二の対峙側面を有する壁の形にある熱発泡性材料並びにこの壁を貫通して第一の対峙側面から第二の対峙側面まで伸びている開口を含む未硬化吸音部材であって、開口が0.5〜20mmの最大幅を有し、開口が、集合体中で、壁部分の表面積の10〜75%を構成し、熱発泡性材料が、120〜250℃の範囲内の温度にまで加熱されたときに発泡することによって膨張して、発泡フォームを形成する(ここで、開口は、熱発泡性材料の発泡によって閉じられる)、未硬化吸音部材である。
【0018】
前記のように、第二の面の吸音部材に於ける開口は、好ましくは0.5〜20mmの最大断面寸法を有する開口を有する。従って、本発明の第二の面の好ましい態様は、第一の対峙側面及び第二の対峙側面を有する壁の形にある熱発泡性材料並びにこの壁を貫通して第一の対峙側面から第二の対峙側面まで伸びている開口を含んでなる未硬化吸音部材であって、開口が0.5〜20mmの最大寸法を有し、開口が、集合体中で、壁部分の表面積の10〜75%を構成し、熱発泡性材料が、120〜250℃の範囲内の温度にまで加熱されたときに発泡することによって膨張して、発泡フォームを形成する(ここで、開口は、熱発泡性材料の発泡によって閉じられる)、未硬化吸音部材である。
【0019】
本発明は、また、或る態様に於いて、
a)第二の面の未硬化吸音部材を、キャビティ内で横断方向に配置し、そして
b)前記吸音部材を、120〜250℃の温度に、熱発泡性材料が、その初期体積の少なくとも400%まで発泡するのに充分な時間加熱し、そして壁内の開口が、熱発泡性材料の発泡によって閉じられているような硬化フォームを製造する
ことを含んでなる、キャビティに音響バッフリングを適用する方法である。
【0020】
更に別の面に於いて、本発明は、キャリヤーをモールド(型)の中に挿入し、モールド(金型)を閉じ、そして軟化した又は溶融した熱発泡性材料の温度を、それが発泡する温度よりも下に維持しながら、熱発泡性材料をモールドの中に導入することによって、このモールド内でキャリヤーをオーバーモールディング(overmolding)し、そして次いで熱発泡性材料を冷却することを含んでなる未硬化吸音部材の製造方法であって、
(i)前記キャリヤーが、第一の対峙側面及び第二の対峙側面を有する壁部分並びに前記壁部分を貫通して第一の対峙側面から第二の対峙側面まで伸びている開口を含み、この開口が0.5〜20mmの最大幅を有し、この開口が、集合体中で、壁部分の表面積の10〜85%を構成し、そして更に、キャリヤーの第一の対峙側面及び第二の対峙側面が、キャリヤーの厚さが、閉じたモールドの厚さに等しいような隆起領域を含み、
(ii)前記熱発泡性材料を、キャリヤーの対峙側面の両方に適用し、
(iii)キャリヤー内の開口が熱発泡性材料によって充填されておらず、そして
(iv)熱発泡性材料の層の厚さが、キャリヤーのそれぞれの対峙側面の上の隆起領域の高さにほぼ等しい方法である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は本発明の未硬化吸音部材の正面図である。
【図1A】図1Aは本発明の未硬化吸音部材の横断部材の詳細図である。
【図1B】図1Bは本発明の未硬化吸音部材の横断部材の代替態様の詳細図である。
【図2】図2は本発明の未硬化吸音部材の別の態様の断面の正面図である。
【図2A】図2Aは熱発泡性材料の層の発泡後の、図2に示されるような吸音部材の態様の正面図である。
【図3】図3は本発明の未硬化吸音部材の第三の態様の正面図である。
【図3A】図3Aは図3に示される未硬化吸音部材の側面図である。
【図4】図4は本発明の吸音部材のためのキャリヤーの第四の態様の等角投影図(isometric view)である。
【図4A】図4Aは図4に示されるキャリヤーを含む吸音部材の態様の等角投影図である。
【図4B】図4Bは図4Aの吸音部材の断面図である。
【図5】図5は本発明の吸音部材のためのキャリヤーの第五の態様の等角投影図である。
【図5A】図5Aは図5に示されるキャリヤーを含む吸音部材の態様の等角投影図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1、図1A及び図1Bについて、吸音バッフル(acoustic absorbing baffle)1はキャリヤー8を含んでいる。図1に於いて、キャリヤー8は、周辺部材5、縦部材2及び横部材4を含む格子(lattice)の形状にある。縦部材2及び横部材4は、キャリヤー8の壁部分を規定する。縦部材2及び横部材4は、それらのそれぞれの交差点で互いに接触状態にあり、周辺部材5と一緒に、キャリヤー8を透過する開口3を規定する。熱発泡性材料6が縦部材2及び横部材4によって形成される壁のそれぞれの側面に適用されている。
【0023】
図1A及び図1Bは熱発泡性材料6をキャリヤー8に適用するための代替アプローチを示す。図1Aに示される態様に於いて、熱発泡性材料6は、例示する横部材4をカプセル状に包み、事実上、縦部材2及び横部材4によって規定される壁のそれぞれの対峙側面の上に、熱発泡性材料6を形成している。このような態様に於いて、熱発泡性材料6は縦部材2を同様にカプセル状に包むことができる。代替態様に於いて、縦部材2及び横部材4は熱発泡性材料6によって部分的にのみ被覆されていてよい。このような態様の例は、図1Bに示し、ここでは、横部材4の2個の対峙側面(キャリヤー8の壁部分の第一の対峙側面及び第二の対峙側面に対応する)は、別々に、熱発泡性材料6によって被覆されている。縦部材6はこの態様に於いて同様に被覆されていてよい。
【0024】
代替態様に於いて、キャリヤー8は、それ自体、熱発泡性材料から作られている。この場合に於いて、縦部材2及び横部材4(並びに任意的に周辺部材5)は、熱発泡性材料によって作られており、追加の層6は必要でない。
【0025】
図2について、吸音バッフル48は熱発泡性材料の層45によって覆われているキャリヤーを含んでいる。このキャリヤーは、図2に於いて、支持ペグ42及びクリップ44が、熱発泡性接着剤の層45から突き出ている点でのみ、目に見える。吸音バッフル48は、それに、7個のレール43(これらのレールは、互いに対してほぼ並行であり、周辺部分46の一方の側面から対峙する側面の方に伸びている)が固定されている周辺部分46を含んでいる。レール43は、バッフル48の壁部分を規定し、そして周辺部分46と一緒に、また、開口47を規定する。集合体内の開口47は、バッフル48の壁部分の表面積の10〜85%を構成する。開口47は、0.5〜20mmの幅を有する。開口の「幅」は、本発明の目的のために、図4に於ける開口47のような開口の最小断面寸法を指す。図示される態様に於いて、熱発泡性材料45は、クリップ44及び支持ペグ42の頂部を除いて、レール43及びキャリヤーの周辺部分46の全表面に適用されている。熱発泡性材料45を、図1Bに示される一般的な方法で、キャリヤーの頂及び底表面にのみ適用することも可能である。
【0026】
図2Aは、図2に於ける熱発泡性材料45が、この熱発泡性材料を必要な活性化温度まで加熱し、その温度以上で、熱発泡性材料45を発泡させるために充分な時間、保持した際に、吸音バッフル48の開口47を完全に充填する様子を例示する。
【0027】
本発明の別の態様を、図3及び図3Aに示す。この吸音部材31は、構造部材39によって規定されるキャビティ内に配置されて示されている。キャリヤー38は壁32及び周辺部材34を含む。壁32は、第一の対峙側面及び第二の対峙側面を含み、それらの1個のみが図3中に見えている。図示されているように、壁32は、開口33を含み、この開口は、図示される態様に於いて、主として、規則的形状パターンで配列されている。図3及び図3Aに示される態様に於いて、熱発泡性材料40は、壁32のそれぞれの側面に適用され、開口33(これは充填されないままである)及び周辺部材34を除いて、壁32の全表面を本質的に覆っている。熱発泡性材料をキャリヤー38の周辺部材34に適用することも、本発明の範囲内である。
【0028】
図3及び図3Aに示されるキャリヤーも隆起領域を含む。図3及び図3Aに於いて、隆起領域は、交差した畝(ridge)36及び隆起開口ボーダー(border)35の形をとる。畝36及び隆起開口ボーダー35は、一緒に、実質的に不連続の区画37を規定する。図示する態様に於いて、畝36及び隆起開口ボーダー35の高さは、熱発泡性材料40の厚さにほぼ等しい。熱発泡性材料40は、畝36及び隆起開口ボーダー35の高さよりも小さい又は幾らか大きい厚さを有することができる。
【0029】
畝36は、壁32のそれぞれの表面を、実質的に不連続の区画37に分割している。実質的に不連続の区画37は、それぞれ、0.25〜400mm2の表面積を有する。本発明の目的のために、図3に於ける区画37のような区画は、(1)図3中に示されるように、それらが、隆起領域によって隣接する区画から完全に分離されている場合又は(2)それらが、区画の周辺部の、少なくとも50%、更に好ましくは少なくとも75%に沿って伸びている隆起領域によって隣接する区画から分離されている場合、「実質的に不連続」である。隣接する区画の間の完全な分離が、一般的に好ましいが、隣接する区画の間の小さい接続は許容される。従って、例えば畝36は、幾つかの態様に於いて不連続であってよく、例えば、交互の隆起領域及び平坦領域のラインを形成し、そうして隣接する区画が、畝ライン内に平坦領域が存在する点で接続されるようになっていてよい。熱発泡性材料が、実質的に不連続の区画を有するキャリヤーに適用されるとき、熱発泡性材料層自体は、区画に分割される傾向がある。この方法で熱発泡性材料を区画に分割することは、しばしば、熱発泡性材料の一層均一な発泡に至り得る。
【0030】
本発明の更に別の態様を、図5、図5A及び図5Bに示す。図5に於いて、キャリヤー51は壁53を含む。壁53は、第一の対峙側面及び第二の対峙側面を含み、それらの1個のみが図5中に見えている。図示されているように、壁53は、開口52を含み、この開口は、図示される態様に於いて、主として、規則的形状パターンで配列されている。隆起支持畝54は壁53の表面から上に伸びている。図示する態様に於いて、隆起支持畝54は、開口52のそれぞれを、完全に取り囲んでいる。図5Aは、熱発泡性材料の層55が、壁53の一方の側面に適用した後の、図5に示すようなキャリヤー51からなる音響バリヤー57を描いている。図5A中に示されるように、熱発泡性材料の層55は、開口52(これは充填されないままである)及び隆起支持畝54の頂部表面を除いて、壁53の本質的に全体の表面を覆っている。図5Bは、同じ音響バリヤー57を断面で示し、キャリヤー51の対峙壁53Aに適用された熱発泡性材料の第二の層55Aを明らかにする。図5A及び図5Bに示される特別の態様に於いて、層55及び55Aの厚さは隆起支持畝54及び54Aの高さと本質的に同じものである。隆起支持畝54及び54Aは、特に、後で一層完全に説明するように、熱発泡性材料が、オーバーモールディングプロセスによってキャリヤーの上に適用される場合に、バッフルの製造に於いて重要な役割を果たすように適合させることができる。
【0031】
図4及び図4Aは、図5、図5A及び図5Bに示される態様の修正を描いている。図4に於いて、キャリヤー61は壁63を含む。壁63は、第一の対峙側面及び第二の対峙側面を含み、それらの1個のみが図4中に見えている。図示されているように、壁63は、開口62を含み、この開口は、図示される態様に於いて、主として、規則的形状パターンで配列されている。隆起支持畝64は壁63の表面から上に伸びているが、この場合に、隆起支持畝64は開口62のそれぞれを完全に取り囲んでおらず、その代わりに、一端で開いている。更に、図示されるように、隆起支持畝64のそれぞれは、それぞれの開口62の縁から僅かに離れているが、この態様は、隆起支持畝64が、それぞれ、対応する開口62の縁に配置されるように修正することができる。図5の態様でのように、図4中の隆起支持畝64は、熱発泡性材料の層を適用するためのオーバーモールディングプロセスの間に、重要な機能を果たすことができる。
【0032】
図4Aは、熱発泡性材料の層65を壁63の一個の側面に適用した後、図6に示されるようなキャリヤー61を含む音響バリヤー67を描いている。図4A中に示されるように、熱発泡性材料の層65は、開口62(これは充填されないままである)を除いて、壁63の本質的に全体の表面を覆っている。特に、熱発泡性接着剤の層65は、図4Aに於いて参照数字67によって示されるように、それぞれの開口62と対応する隆起リブ64との間の領域を充填している。
【0033】
吸音部材内の開口、例えば図1に於ける開口3、図2に於ける開口47、図3に於ける開口33、図4に於ける開口62及び図5に於ける開口52は、それぞれ、0.5〜20mmの最大幅を有する。図1及び図3〜5に示されるような態様に於いて、開口は、好ましくは0.5〜20mmの最大寸法を有し、好ましくは、それぞれ、0.8〜320mm2の面積を有する。好ましくは、開口は、それぞれ、3〜80mm2の面積を有する。開口の形状は、一般的には、本発明のために重要ではなく、従って、任意的に選択することができる。従って、これらの開口は、円形、楕円形、多角形、例えば三角形、長方形、六角形、「三日月」形、「星」形又は或る他の形状であってよい。特別の場合に於ける開口は、全部、同じサイズ又は同じ形状であることを必要としない。集合体中の開口は、バッフルの壁の表面積の、約10〜約85%、好ましくは10〜75%、更に好ましくは20〜60%をカバーすることができる。図1に於いて、集合体中の開口3は、キャリヤー8の壁部分の表面積の約60〜75%をカバーする。図3に於いて、集合体中の開口33は、壁32の全表面積の約20〜25%をカバーする。図4及び図5に於いて、集合体中のそれぞれ開口62及び52は、それぞれの壁63及び53の表面積の約40〜50%をカバーする。
【0034】
開口の特定の配置も、特に重要ではない。図1〜5に示されるように、開口3、47、33、62及び52は、整列された列及び/又は行のパターンで配列されている。熱発泡性材料の発泡の前のバッフルの機械的原形と一致する、開口のランダム配置を含む、殆ど全ての代替パターンを使用することができる。幾つかの場合に、流体のより良い排出を与えるために、又は他の理由のために、規定された場所内の開口の少なくとも幾らかをキャリヤーの壁部分の上に配置することが有利であろう。
【0035】
熱発泡性材料の層(例えば図1A、図2A、図3A、図4A及び図5Aに於いて、それぞれ、参照数字6、45、40、65及び55によって示す)のそれぞれの厚さは、開口のサイズ及び数並びに発泡の際に、熱発泡性材料が、開口(例えば図1及び図3に於いて、それぞれ開口3及び33)の集合体領域の少なくとも99%、好ましくは100%を充填するまで発泡するような、熱発泡性材料の発泡特性と一緒に選択される。熱発泡性材料は、開口のサイズ及び数並びにこの材料が発泡したとき、それが、開口の集合体表面積の少なくとも99%を充填できる、この材料の発泡特性を考慮して、十分に厚くなくてはならない。本発明の全ての面に於いて、発泡の前の熱発泡性材料の層のそれぞれの厚さは、一般的に0.5〜12mm、好ましくは1〜6mmの範囲内である。
【0036】
本発明の任意の面の吸音バッフルは、追加の機能的特徴を含むことができる。これらの中には、図2に於けるクリップ44及び図3に於けるクリップ41のような取付け手段があり、これは、熱発泡性材料が発泡するような時間まで、バッフルを構造体中の所定の位置に一時的に固定するように機能することができる。多くの場合に、熱発泡性材料は、それが発泡されたとき、バッフルを所定の位置に接着するように機能する。
【0037】
本発明の種々の面に於いて使用されるキャリヤー(例えば図1及び図3〜5に於いて、それぞれ、キャリヤー8、38、61及び51)は、その形状を保持し、熱発泡性材料の層(単数又は複数)の重量を支持するために十分な機械的強度を有するどのような材料からも作ることができる。キャリヤーを作るために使用される材料は、また、熱的に不活性であり、これによって、熱発泡性材料が発泡する条件下で、キャリヤーが溶融、変形又は分解しないことが意味される。例えばキャリヤーは金属、セラミック又は有機ポリマーから作ることができる。有機ポリマーは、必要な機械的及び熱的特性を有するそれを提供することが必要な場合、繊維又は他の強化材料によって強化することができる。キャリヤーを作るために使用することができる有機ポリマーには、高融点熱可塑性樹脂、例えばポリアミド、ポリイミド、或る種のポリエステルが含まれる。「高融点」は、熱可塑性樹脂が、熱発泡性材料の発泡の間に遭遇する最高温度よりも高い溶融温度又は軟化温度を有することを意味する。
【0038】
熱発泡性材料は、室温(約25℃)で固体若しくは高度に粘性の材料であり、それ故、(キャリヤーを使用しない場合)自己支持性であるか、又はキャリヤーを使用するとき、キャリヤーに接着するか若しくは或る中間接着層を介してキャリヤーに接着することができる層に形成することができる、ポリマー組成物又は樹脂組成物から作られる。熱発泡性材料をキャリヤーに機械的に取り付けることも可能であるが、これは、通常あまり好ましくない。このポリマー組成物又は樹脂組成物には、有機ポリマー又はポリマー形成性前駆体及び予定の上昇した温度に付されたとき気体を発生する熱活性化性発泡剤が含有されている。120〜250℃の温度にまで加熱されたときに、ポリマー組成物又は樹脂組成物は軟化又は溶融し、発泡剤は気体を発生する。この気体は、軟化又は溶融したポリマー内で気泡を形成し、これは、熱発泡性材料の体積を増加させ、発泡した気泡材料を形成する。この発泡は、しばしば、硬化又は架橋反応を伴い、発泡材料中の安定な気泡構造を作る。発泡の間に、熱発泡性材料は、その初期体積の少なくとも400%まで(即ち未発泡層のものの4倍の体積まで)からその初期体積の3500%のような大きい体積まで発泡させることができる。好ましい熱発泡性材料は、その初期体積の1000〜3000%又はその初期体積の2000〜3000%まで発泡させることができるものである。
【0039】
熱発泡性材料を作るために使用されるポリマー組成物又は樹脂組成物は、追加の成分、例えば活性化剤、触媒、硬化剤、架橋剤、充填剤、可塑剤、湿潤剤、接着改良剤又は粘着付与剤、IR吸収剤、気泡オープナー(cell opener)等を含有していてよい。
【0040】
熱発泡性材料を作るためのポリマー組成物又は樹脂組成物は公知である。熱発泡性樹脂組成物の一つの種類には、発泡剤及び存在していてよいとき他の成分に加えて、1種又はそれ以上のエポキシ樹脂及び1種又はそれ以上のエポキシ硬化剤が含有されている。熱発泡性樹脂組成物の他の種類は、反応し、硬化して、ポリウレタン又はポリウレアフォームを形成する。このような組成物には、典型的には、発泡剤及び存在していてよいとき他の成分に加えて、イソシアネート末端プリポリマー及び1種又はそれ以上のイソシアネート反応性物質が含有されている。ポリマー組成物の第三の種類は、熱可塑性ゴム、例えばスチレン−ブタジエンコポリマーをベースにする。この種類のポリマー組成物は、例えば特許文献5に記載されている。有用なポリマー組成物の更に他の種類は、ポリオレフィン、例えばポリエチレン又はポリエチレンコポリマーをベースにする。これらの種類の熱発泡性材料は、特許文献6、特許文献7、特許文献9、特許文献3、国際特許出願公開第WO2007/117663号明細書、国際特許出願公開第WO2007/117664号明細書及び国際特許出願公開第WO2007/249743号明細書に記載されている。
【0041】
吸音部材は、キャリヤーを予備成形し、この予備成形したキャリヤーに熱発泡性材料を適用することによって、便利に製造される。キャリヤーは、その構造の材料を考慮して適切である任意の方法を使用して成形することができる。金属キャリヤーは、型押方法(stamping method)によって便利に形成され、一方、ポリマーキャリヤーは、成形又は押出方法、続く必要な場合の更なる二次成形によって、一層便利に形成される。
【0042】
熱発泡性材料は、オーバーモールディング(overmolding)プロセス又は押出プロセス、再び続く必要な場合の更なる二次成形によって、最も便利に適用される。モールド表面が、熱発泡性材料の、要求される必要な表面特徴の全部をもたらすように設計できるとき、オーバーモールディングプロセスが特に適している。
【0043】
好ましいように、熱発泡性材料をオーバーモールディングプロセスで適用するとき、キャリヤー上の隆起表面特徴を、オーバーモールディングプロセスに於いて助けになる特別の特徴を果たすように設計することができる。これらの特徴の一つは、キャリヤーがオーバーモールディングプロセスの間に変形されるようになることを防止するための助けになり得る支持機能である。隆起領域、例えば図2に於ける支持部材42、図3に於ける畝36並びに図4及び図5に於ける、それぞれ、隆起支持畝64及び54は、キャリヤーの全体厚さ、特に、キャリヤーの中心部分、例えば図2に於けるレール43の厚さが、オーバーモールディングが行われるモールドの内部厚さに一致するように設計することができる。キャリヤーの厚さを、モールドのそれに一致させる隆起領域は、熱発泡性材料が、モールドの中に注入され、キャリヤーの表面を覆うとき、キャリヤーが曲がる、捩れる(twisting)又は他の方法で変形されるようになること防止するための助けになる。この種のモールド内の変形は、潜在的に、キャリヤーが、望ましくは、重量及び費用を最小にするためにできるだけ薄く作られるので、本発明に於いて使用される形式のキャリヤーに関して重要な問題である。キャリヤーがより薄くなると、成形プロセスの間に、一層変形されやすくなり、キャリヤーがオーバーモールディングプロセスの間にモールド内で変形されるようになる場合、熱発泡性接着剤は、しばしば均一な層を形成しないで、キャリヤーの領域を被覆しないままで残し、キャリヤーの他の領域を厚く被覆するであろう。従って、この変形を減少する又は除去するための能力は、キャリヤーの表面の上に隆起領域を設けることの重要な利点である。
【0044】
隆起領域が提供する別の利点は、これらが、熱発泡性材料の適用された層の厚さを制御することを助けることができるか、又は決定さえすることができることである。
【0045】
隆起領域は、キャリヤーの表面上に、チャンネル又は流路を規定することもできる。このようなチャンネル又は流路は、溶融した熱発泡性材料が、モールドの中に、そしてキャリヤーの上に導入されたとき、この材料の流れを案内することができる。これによって、例えば熱発泡性材料がキャリヤー表面の特定の領域の中に流れるか、又は特定の領域を回避することを可能にできる。図4の隆起支持畝64及び図5の隆起支持畝54は、このような機能を発揮する。図4及び図5に於いて、それぞれ点B及びCから生じている矢印は、それぞれ、隆起支持畝64及び54によって規定される、可能性のある流路を示す。
【0046】
キャリヤーの表面内の隆起領域は、好ましくはオーバーモールディングプロセスの間に貫流するための熱発泡性材料のための連続流路を規定する。隆起領域は、熱発泡性材料がキャリヤー表面の一部分から熱発泡性材料層が望まれる隣接する領域へ流れることを妨害する閉塞又は「袋小路(dead ends)」を形成してはならない。従って、図2、図4及び図5に於いて、種々の隆起表面特徴は、キャリヤーのそれぞれの壁の上に熱発泡性材料の接触して形成された層が存在するように配置され、オーバーモールディングプロセスの間に、熱発泡性材料は、種々の開口及び隆起領域自体を除いて、キャリヤーの表面の任意の領域から、任意の隣接する領域の方に流れることができる。
【0047】
種々の図面中に示される種々の形式の隆起領域の中で、(例えば図5に於けるような)キャリヤー内の開口を完全に取り囲むものがオーバーモールディング操作に於いて最も良く機能を発揮する傾向がある。キャリヤー内の開口を取り囲んでいない小さい支持ペグ、例えば図2に示されるものは、オーバーモールディング工程の間に熱発泡性材料の良好な流れを促進する際に、あまり有利ではない傾向がある。キャリヤー内の開口を部分的にのみ取り囲んでいる隆起領域、例えば図4に示されるものは、オーバーモールディングプロセスに於いて中間の利益を提供する傾向がある。
【0048】
更に、図5の隆起支持畝54は、オーバーモールディング工程の間に、熱発泡性材料が、開口52の中に流れることを防止する機能を果たすことができる。
【0049】
図4及び図4A中に示される形式の開放隆起領域は、オーバーモールディングプロセスの観点から、図2中に示されるような簡単な支持ペグ(pegs)に比較して、好ましい形式である。図5、図5A及び図5B中に示されるような閉じた隆起領域がオーバーモールディングプロセスの観点から、なお一層好ましい。
【0050】
本発明の種々の面の吸音部材は、構造キャビティ内のバッファリングの吸音種類及び他の種類を形成するために有用である。特に関心のある構造キャビティは、車両の乗客領域内のノイズを減少するために吸音バッフルが望まれている、車両コンポーネントである。このような車両構造キャビティの例には、乗用車及びトラックの所謂A−、B−及びC−ピラー(piller)並びに屋根レール並びに同様の構造体が含まれる。
【0051】
バッフルは、吸音バッフル部材をキャビティ内の所定の位置に挿入し、次いで吸音部材を、熱発泡性材料を発泡させるために十分な温度まで加熱することによって形成される。吸音部材は、典型的には、キャビティの縦次元に対して横方向に配向されている。殆どではないとしても多くの場合、熱発泡性材料が発泡した後に、キャビティはバッフルによって密封されるであろう。
【0052】
吸音バッフル部材は、好ましくは、それが中に使用されるべきキャビティの断面形状とほぼ同じ断面形状を有する。吸音バッフル部材は、熱発泡性材料の発泡の前には、キャビティ内にぴったりと適合することができる。これらの態様に於いて、発泡工程が完結するまで、吸音バッフル部材を所定の位置に保持するために、単純な摩擦が十分であろう。他の場合に、吸音バッフル部材は、断面がキャビティよりも小さくてよい。このような場合に、発泡工程が完結するまで、吸音バッフル部材を所定の位置に保持するために、吸音バッフル部材をキャビティに固定することが、通常望ましい。機械的手段、例えばクリップ、ピン及び他の締結具を使用することができる。この目的のために、接着剤を同様に使用することができる。
【0053】
熱発泡性材料は吸音部材を120℃〜250℃の温度まで加熱することによって発泡させられる。好ましい発泡温度は140℃〜210℃である。しかしながら、それぞれの特別の場合に使用される温度は、もちろん、熱発泡性材料を構成するポリマー組成物又は樹脂組成物の組成及び発泡特性に依存するであろう。典型的には、これらの組成物は予定の温度範囲内で発泡するように配合される。
【0054】
加熱工程は、熱発泡性材料が発泡して、熱発泡性材料の初期体積の少なくとも400%の体積を有するフォームを形成するまで続けられる。発泡は、初期体積の、好ましくは1000〜3500%、更に好ましくは2000〜3000%までである。熱発泡性材料が、発泡工程の間に架橋及び/又は硬化しなくてはならない場合、加熱工程の温度及び時間は、これらのプロセスが起こるために十分なものでもある。典型的には、加熱工程は、使用される特別の温度、熱発泡性材料の組成、必要とされる発泡の程度、熱発泡性材料の厚さ及びキャリヤーの熱伝導度のような要因に依存して、5〜60分間を必要とするであろう。
【0055】
発泡フォームは、殆どの場合に、バッフルのそれぞれの側面の全表面積を実質的に覆うであろう。キャリヤーが本明細書に記載したような開口を有する本発明の態様に於いて、発泡フォームは、このような開口の集合体表面積の少なくとも99%、好ましくは100%を覆うであろう。最も好ましくは、発泡フォームはキャビティの断面全体を密封するバッフルを形成するであろう。
【0056】
熱発泡工程を、電気被覆(electrocoating)又はベーク硬化を必要とする他の仕上げのような被覆の熱硬化と同時に実施することが、多くの自動車組立環境に於いて、非常に便利であり、費用効果的である。この被覆は、しばしば、錆及び他の環境損傷に対する保護を有するアセンブリを提供する。このために、被覆材料によって、キャビティの内側を含む、構造体の全ての表面を覆うことが重要である。これは、吸音バッフル部材が、本発明の第一の面に於けるように開口を有するとき助長される。このような場合に、キャビティの組立の間又はキャビティを組立てた後で、吸音バッフル部材を所望の場所でキャビティの中に挿入することができる。次いで、被覆を、得られる構造体に適用することができる。吸音バッフル部材内の開口によって、被覆がキャビティを通過して流れ、キャビティの内側表面と接触することが可能になる。これは、キャビティの両端が密封されるべきとき又はキャビティの一端のみが開いているとき、特に重要である。同様に、吸音バッフル部材内の開口によって、過剰の被覆が、それがベーク硬化を受ける前に部品から容易に排出されることが可能になる。
【0057】
次いで、被覆された材料は、加熱工程を受け、その間に、被覆はベーク硬化され、熱発泡性材料は発泡する。吸音バッフル部材中に開口が存在する場合、これらは、熱発泡性材料発泡体によって覆われるようになり、この方法でキャビティを密封する。この密封は、殆どの場合に音響バッフリングをもたらし、また、キャビティを密封して、雨水のような液体がキャビティの中に入ること及び腐食を起こすことを防止することができる。
【0058】
音響バリヤー部材が、熱発泡性材料の実質的に不連続の区画を含有するとき、熱発泡性材料が、熱発泡性材料が全部で1個の片であるときよりも一層均一に発泡する点で、利益がしばしば見られる。熱発泡性材料が、大きい連続層としてキャリヤーに適用されるとき、一定量の不均一な発泡がしばしば起こることが見出された。これは、音響バリヤー部材を作るために、オーバーモールディング方法を使用するときに、しばしば事実である。熱発泡性材料を、それぞれ、0.25〜400mm2の表面積を有する不連続区画に分断することによって、層の更に均一な発泡が起こることが見出された。本発明は、如何なる理論によっても限定されないが、不均一な発泡は、熱発泡性材料が適用されるとき生じる一定量の不均一配向によって起こされると思われる。不連続の区画への材料の分断によって、材料中の分離した区画への配向が制限され、それ故、区画内で、配向に於ける差が、一般的により小さい。発泡工程の間に不連続区画を加熱するとき、発泡剤が活性化される前に残留配向を除去することが、より良く可能であり、これは一層均一な発泡に至る。
【0059】
前記発泡材料は、殆どの場合に、音響バリヤー(その機能はキャビティを通して伝達されているノイズ及び振動を吸収、反射又は遮断することである)として機能する。この発泡材料は、通常、それが主として独立気泡を含有するとき、音響バリヤー材料として良く機能を発揮する。従って、この発泡材料は、50〜100%、好ましくは75〜100%の独立気泡を含有することが好ましい。
【技術分野】
【0001】
本件特許出願は、2008年11月26に出願された、特許協力条約特許出願第PCT/CN2008/073201号からの優先権を主張する。
【0002】
本発明は、熱発泡性材料の層を有する吸音バッフル(acoustic baffling)及びキャビティに吸音バッフルを設置する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
キャビティを通過するノイズ若しくは振動の伝達を減少するために、又は流体がキャビティに入るのを防止するために、特に、自動車及び他の車両に於いて、構造体キャビティを密封することがしばしば望ましい。これを行う一つの手段は、キャビティの中に発泡性材料を導入し、次いで発泡性材料を発泡させて、キャビティを密封するフォームを形成することである。このフォームは、一般に、特にそれが幾らか軟質の材料である場合、音又はその他の振動の良好な吸収材となる。
【0004】
前記発泡性材料は、しばしば、最初にキャリヤーに適用され、次いで、キャビティの中に挿入される。このキャリヤーは、ある種の初期構造支持体を提供し、それが望まれるキャビティの部分の中に発泡性材料を所定の位置に固定する手段を提供することができる。この形式のバッフル材料の例は、例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8及び特許文献9中に記載されている。
【0005】
典型的な挿入体中に使用されるキャリヤー材料の反射特性は、フォーム材料によって吸収される代わりに、キャリヤーで反響するキャビティ内のノイズになり得る。多くのバッフルは、発泡性材料によって覆われたキャリヤーの縁を有する、硬質ポリマー又は金属キャリヤーを含んでなる。硬化の際に、キャビティ壁の外側面のみが吸収性材料を含有し、キャビティの中心断面は、音を反射し得るキャリヤーによってブロックされている。一層効果的なバッフルは、縁(エッジ)でのみの代わりに、キャリヤーの全表面の上に軟質ポリマーを含むであろう。
【0006】
別の形式のバッフルは、頂部表面上で、打ち抜かれた又は射出成形されたポリマーによって覆われたキャリヤーを含む。底部キャリヤー表面は、覆われておらず、覆われていないキャリヤー表面によるノイズの反射のために、吸音性に劣る。発泡性材料が底部表面に付着されている場合、それは、発泡工程の間に垂れ落ちて、凹凸のフォーム表面を与える。一層望ましいオッファーは、キャリヤーの頂部及び底部の両方の上に吸音フォームを含むことである。
【0007】
自動車用途に於いて、吸音バッフルは、典型的には、被覆又は塗装されなくてはならない部品のキャビティ中に挿入される。これらの自動車被覆は、通常焼成(ベーク)され、バッフル内の発泡性材料を、被覆がベーク硬化を受けると同時に発泡させることが効率的である。これを実施することに伴う問題点は、発泡工程が行われる前でも、バッフルが、一般的にキャビティを塞ぐことである。これは、被覆がキャビティ中に進入し、その内側表面を被覆することを妨害する。それで、被覆がキャビティ中に進入し、更にキャビティを密封することを可能にするための手段が必要である。
【0008】
これを可能にする代替形式のバッフルは、クラムシェルによって形成されているキャビティ内に発泡性材料を保持する多孔質クラムシェルを含んでなっている(特許文献8)。発泡の際に、キャビティは、また、クラムシェルキャリヤーもカプセル状に包むフォーム材料によって充填されるようになる。これらの部品は質量(mass)が高い。更に、組立プロセス及び製造コストの量は高く、クラムシェルキャリヤーを射出成形しなくてはならず、発泡性材料を射出成形又は打ち抜き加工しなくてはならず、そして次いでこれらのコンポーネントを手で組み立てなくてはならない。
【0009】
吸音バッフルに伴う別の問題点は、発泡性材料が非均一的に発泡する傾向があることである。その結果、発泡した材料は、幾つかの領域に於いて、他の領域よりも厚くなることであろう。これは、バッフルの吸音特性が、発泡した材料の最も薄い領域によって決定される傾向があるので、吸音特性に於ける有効性の損失に至る。幾つかの場合に、発泡は幾らか指向的になり、これは、再び、有効性の不調和及び損失に至る。これらのバッフルに於いて、発泡性材料の一層均一な発泡をもたらすことが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際特許出願公開第WO93/37506号明細書
【特許文献2】国際特許出願公開第WO00/03894号明細書
【特許文献3】国際特許出願公開第WO01/30906号明細書
【特許文献4】国際特許出願公開第WO02/26549号明細書
【特許文献5】国際特許出願公開第WO08/043385号明細書
【特許文献6】米国特許第5,385,951号明細書
【特許文献7】欧州特許出願公開第452527A1号明細書
【特許文献8】欧州特許出願公告第1362683B1号明細書
【特許文献9】欧州特許出願公開第457928A1号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、一つの面に於いて、熱的に不活性なキャリヤー及びこのキャリヤーに適用された熱発泡性材料を含む未硬化吸音部材(uncured acoustic absorbing member)であって、このキャリヤーが、第一の対峙側面及び第二の対峙側面(first and second opposing)を有する壁部分並びに壁部分を貫通して第一の対峙側面から第二の対峙側面まで伸びている開口(openings)を含み、その開口が0.5〜20mmの最大幅を有し、該開口が、集合体(aggregate)中で、壁部分の表面積の10〜85%を構成し、そしてキャリヤー内の開口が、熱発泡性材料によって充填されないように、熱発泡性材料がキャリヤーの対峙側面の両方に適用され、更に、熱発泡性材料が、120〜250℃の範囲内の温度に加熱されたときに発泡することによって膨張して、キャリヤーの両側面上に、キャリヤー内の開口の領域の少なくとも99%を覆う発泡フォームを形成する、未硬化吸音部材である。
【0012】
本発明の第一の吸音部材に於ける開口は、好ましくは0.5〜20mmの最大寸法を有する開口を有する。従って、本発明の第一の面の好ましい態様は、熱的に不活性のキャリヤー及びキャリヤーに適用された熱発泡性材料を含んでなる未硬化吸音部材であって、キャリヤーが、第一の対峙側面及び第二の対峙側面を有する壁部分並びに壁部分を貫通して第一の対峙側面から第二の対峙側面まで伸びている開口を含み、その開口が0.5〜20mmの最大寸法を有し、該開口が、集合体中で、壁部分の表面積の10〜85%を構成し、そしてキャリヤー内の開口が、熱発泡性材料によって充填されないように、熱発泡性材料がキャリヤーの対峙側面の両方に適用され、更に、熱発泡性材料が、120〜250℃の範囲内の温度に加熱されたときに発泡することによって膨張して、キャリヤーの両側面上に、キャリヤー内の開口の領域の少なくとも99%を覆う発泡フォームを形成する、未硬化吸音部材である。
【0013】
本発明は、また、或る態様に於いて、
a)第一の面の未硬化吸音部材を、キャビティ内に横断方向に配置し、そして
b)吸音部材を、120〜250℃の温度に、熱発泡性材料が、その初期体積の少なくとも400%まで発泡するために充分な時間加熱し、キャリヤーのそれぞれの対峙側面の上に、キャリヤーの対峙側面の全表面積を実質的に覆い、かつキャリヤー内の開口の領域の少なくとも99%を充填する発泡フォームを作る
ことを含んでなる、音響バッフリング(baffling)をキャビティに適用する方法である。前記発泡材料は、好ましくはキャビティを密封し、このことによって、それが、キャビティを通過する流体の侵入に対するバリヤーを形成することを意味する。
【0014】
前記開口によって、熱発泡性材料が発泡する前に、流体がこの部材を貫通することが可能になり、一方、この材料が発泡した後に、連続音響バリヤー及び良好なキャビティ密封が提供される。従って、上記のプロセスの特に好ましい態様に於いて、工程a)の後で、被覆又は腐食処理が、被覆の少なくとも一部を、吸音バッフル部材中の開口に貫通させることにより、又は被覆若しくは腐食処理体の少なくとも一部を、吸音バッフル部材中の開口に通して排液することにより、又は両方により、キャビティの内部に適用され、被覆は工程b)の間に熱硬化を受ける。
【0015】
前記開口によって、また、熱発泡工程の間に、前記部材を通過する気体の流れが可能になる。これは熱移動を改良し、次いで、熱発泡性材料の発泡を速め、発泡の一層の均一性を促進することができる。
【0016】
本発明の別の利点は、キャリヤーが、質量に於いて非常に低いものであってよく、単純な設計のものであってよいことである。キャリヤーの質量を低下させることは、熱発泡硬化の間にキャリヤーを加熱する際に、少ないエネルギーが費やされる点で有利である。その結果、熱発泡性材料は、より短い時間内に、一層均一に発泡することができる。単純なキャリヤー設計はコストを下げることができる。多くの場合に、キャリヤーは、後で一層完全に説明するような、開口並びに任意的にボーダー及び/又は或る種の表面特徴、例えば隆起領域(raised areas)を有する、単純な平面形を呈することができる。
【0017】
第二の面に於いて、本発明は、第一の対峙側面及び第二の対峙側面を有する壁の形にある熱発泡性材料並びにこの壁を貫通して第一の対峙側面から第二の対峙側面まで伸びている開口を含む未硬化吸音部材であって、開口が0.5〜20mmの最大幅を有し、開口が、集合体中で、壁部分の表面積の10〜75%を構成し、熱発泡性材料が、120〜250℃の範囲内の温度にまで加熱されたときに発泡することによって膨張して、発泡フォームを形成する(ここで、開口は、熱発泡性材料の発泡によって閉じられる)、未硬化吸音部材である。
【0018】
前記のように、第二の面の吸音部材に於ける開口は、好ましくは0.5〜20mmの最大断面寸法を有する開口を有する。従って、本発明の第二の面の好ましい態様は、第一の対峙側面及び第二の対峙側面を有する壁の形にある熱発泡性材料並びにこの壁を貫通して第一の対峙側面から第二の対峙側面まで伸びている開口を含んでなる未硬化吸音部材であって、開口が0.5〜20mmの最大寸法を有し、開口が、集合体中で、壁部分の表面積の10〜75%を構成し、熱発泡性材料が、120〜250℃の範囲内の温度にまで加熱されたときに発泡することによって膨張して、発泡フォームを形成する(ここで、開口は、熱発泡性材料の発泡によって閉じられる)、未硬化吸音部材である。
【0019】
本発明は、また、或る態様に於いて、
a)第二の面の未硬化吸音部材を、キャビティ内で横断方向に配置し、そして
b)前記吸音部材を、120〜250℃の温度に、熱発泡性材料が、その初期体積の少なくとも400%まで発泡するのに充分な時間加熱し、そして壁内の開口が、熱発泡性材料の発泡によって閉じられているような硬化フォームを製造する
ことを含んでなる、キャビティに音響バッフリングを適用する方法である。
【0020】
更に別の面に於いて、本発明は、キャリヤーをモールド(型)の中に挿入し、モールド(金型)を閉じ、そして軟化した又は溶融した熱発泡性材料の温度を、それが発泡する温度よりも下に維持しながら、熱発泡性材料をモールドの中に導入することによって、このモールド内でキャリヤーをオーバーモールディング(overmolding)し、そして次いで熱発泡性材料を冷却することを含んでなる未硬化吸音部材の製造方法であって、
(i)前記キャリヤーが、第一の対峙側面及び第二の対峙側面を有する壁部分並びに前記壁部分を貫通して第一の対峙側面から第二の対峙側面まで伸びている開口を含み、この開口が0.5〜20mmの最大幅を有し、この開口が、集合体中で、壁部分の表面積の10〜85%を構成し、そして更に、キャリヤーの第一の対峙側面及び第二の対峙側面が、キャリヤーの厚さが、閉じたモールドの厚さに等しいような隆起領域を含み、
(ii)前記熱発泡性材料を、キャリヤーの対峙側面の両方に適用し、
(iii)キャリヤー内の開口が熱発泡性材料によって充填されておらず、そして
(iv)熱発泡性材料の層の厚さが、キャリヤーのそれぞれの対峙側面の上の隆起領域の高さにほぼ等しい方法である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は本発明の未硬化吸音部材の正面図である。
【図1A】図1Aは本発明の未硬化吸音部材の横断部材の詳細図である。
【図1B】図1Bは本発明の未硬化吸音部材の横断部材の代替態様の詳細図である。
【図2】図2は本発明の未硬化吸音部材の別の態様の断面の正面図である。
【図2A】図2Aは熱発泡性材料の層の発泡後の、図2に示されるような吸音部材の態様の正面図である。
【図3】図3は本発明の未硬化吸音部材の第三の態様の正面図である。
【図3A】図3Aは図3に示される未硬化吸音部材の側面図である。
【図4】図4は本発明の吸音部材のためのキャリヤーの第四の態様の等角投影図(isometric view)である。
【図4A】図4Aは図4に示されるキャリヤーを含む吸音部材の態様の等角投影図である。
【図4B】図4Bは図4Aの吸音部材の断面図である。
【図5】図5は本発明の吸音部材のためのキャリヤーの第五の態様の等角投影図である。
【図5A】図5Aは図5に示されるキャリヤーを含む吸音部材の態様の等角投影図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1、図1A及び図1Bについて、吸音バッフル(acoustic absorbing baffle)1はキャリヤー8を含んでいる。図1に於いて、キャリヤー8は、周辺部材5、縦部材2及び横部材4を含む格子(lattice)の形状にある。縦部材2及び横部材4は、キャリヤー8の壁部分を規定する。縦部材2及び横部材4は、それらのそれぞれの交差点で互いに接触状態にあり、周辺部材5と一緒に、キャリヤー8を透過する開口3を規定する。熱発泡性材料6が縦部材2及び横部材4によって形成される壁のそれぞれの側面に適用されている。
【0023】
図1A及び図1Bは熱発泡性材料6をキャリヤー8に適用するための代替アプローチを示す。図1Aに示される態様に於いて、熱発泡性材料6は、例示する横部材4をカプセル状に包み、事実上、縦部材2及び横部材4によって規定される壁のそれぞれの対峙側面の上に、熱発泡性材料6を形成している。このような態様に於いて、熱発泡性材料6は縦部材2を同様にカプセル状に包むことができる。代替態様に於いて、縦部材2及び横部材4は熱発泡性材料6によって部分的にのみ被覆されていてよい。このような態様の例は、図1Bに示し、ここでは、横部材4の2個の対峙側面(キャリヤー8の壁部分の第一の対峙側面及び第二の対峙側面に対応する)は、別々に、熱発泡性材料6によって被覆されている。縦部材6はこの態様に於いて同様に被覆されていてよい。
【0024】
代替態様に於いて、キャリヤー8は、それ自体、熱発泡性材料から作られている。この場合に於いて、縦部材2及び横部材4(並びに任意的に周辺部材5)は、熱発泡性材料によって作られており、追加の層6は必要でない。
【0025】
図2について、吸音バッフル48は熱発泡性材料の層45によって覆われているキャリヤーを含んでいる。このキャリヤーは、図2に於いて、支持ペグ42及びクリップ44が、熱発泡性接着剤の層45から突き出ている点でのみ、目に見える。吸音バッフル48は、それに、7個のレール43(これらのレールは、互いに対してほぼ並行であり、周辺部分46の一方の側面から対峙する側面の方に伸びている)が固定されている周辺部分46を含んでいる。レール43は、バッフル48の壁部分を規定し、そして周辺部分46と一緒に、また、開口47を規定する。集合体内の開口47は、バッフル48の壁部分の表面積の10〜85%を構成する。開口47は、0.5〜20mmの幅を有する。開口の「幅」は、本発明の目的のために、図4に於ける開口47のような開口の最小断面寸法を指す。図示される態様に於いて、熱発泡性材料45は、クリップ44及び支持ペグ42の頂部を除いて、レール43及びキャリヤーの周辺部分46の全表面に適用されている。熱発泡性材料45を、図1Bに示される一般的な方法で、キャリヤーの頂及び底表面にのみ適用することも可能である。
【0026】
図2Aは、図2に於ける熱発泡性材料45が、この熱発泡性材料を必要な活性化温度まで加熱し、その温度以上で、熱発泡性材料45を発泡させるために充分な時間、保持した際に、吸音バッフル48の開口47を完全に充填する様子を例示する。
【0027】
本発明の別の態様を、図3及び図3Aに示す。この吸音部材31は、構造部材39によって規定されるキャビティ内に配置されて示されている。キャリヤー38は壁32及び周辺部材34を含む。壁32は、第一の対峙側面及び第二の対峙側面を含み、それらの1個のみが図3中に見えている。図示されているように、壁32は、開口33を含み、この開口は、図示される態様に於いて、主として、規則的形状パターンで配列されている。図3及び図3Aに示される態様に於いて、熱発泡性材料40は、壁32のそれぞれの側面に適用され、開口33(これは充填されないままである)及び周辺部材34を除いて、壁32の全表面を本質的に覆っている。熱発泡性材料をキャリヤー38の周辺部材34に適用することも、本発明の範囲内である。
【0028】
図3及び図3Aに示されるキャリヤーも隆起領域を含む。図3及び図3Aに於いて、隆起領域は、交差した畝(ridge)36及び隆起開口ボーダー(border)35の形をとる。畝36及び隆起開口ボーダー35は、一緒に、実質的に不連続の区画37を規定する。図示する態様に於いて、畝36及び隆起開口ボーダー35の高さは、熱発泡性材料40の厚さにほぼ等しい。熱発泡性材料40は、畝36及び隆起開口ボーダー35の高さよりも小さい又は幾らか大きい厚さを有することができる。
【0029】
畝36は、壁32のそれぞれの表面を、実質的に不連続の区画37に分割している。実質的に不連続の区画37は、それぞれ、0.25〜400mm2の表面積を有する。本発明の目的のために、図3に於ける区画37のような区画は、(1)図3中に示されるように、それらが、隆起領域によって隣接する区画から完全に分離されている場合又は(2)それらが、区画の周辺部の、少なくとも50%、更に好ましくは少なくとも75%に沿って伸びている隆起領域によって隣接する区画から分離されている場合、「実質的に不連続」である。隣接する区画の間の完全な分離が、一般的に好ましいが、隣接する区画の間の小さい接続は許容される。従って、例えば畝36は、幾つかの態様に於いて不連続であってよく、例えば、交互の隆起領域及び平坦領域のラインを形成し、そうして隣接する区画が、畝ライン内に平坦領域が存在する点で接続されるようになっていてよい。熱発泡性材料が、実質的に不連続の区画を有するキャリヤーに適用されるとき、熱発泡性材料層自体は、区画に分割される傾向がある。この方法で熱発泡性材料を区画に分割することは、しばしば、熱発泡性材料の一層均一な発泡に至り得る。
【0030】
本発明の更に別の態様を、図5、図5A及び図5Bに示す。図5に於いて、キャリヤー51は壁53を含む。壁53は、第一の対峙側面及び第二の対峙側面を含み、それらの1個のみが図5中に見えている。図示されているように、壁53は、開口52を含み、この開口は、図示される態様に於いて、主として、規則的形状パターンで配列されている。隆起支持畝54は壁53の表面から上に伸びている。図示する態様に於いて、隆起支持畝54は、開口52のそれぞれを、完全に取り囲んでいる。図5Aは、熱発泡性材料の層55が、壁53の一方の側面に適用した後の、図5に示すようなキャリヤー51からなる音響バリヤー57を描いている。図5A中に示されるように、熱発泡性材料の層55は、開口52(これは充填されないままである)及び隆起支持畝54の頂部表面を除いて、壁53の本質的に全体の表面を覆っている。図5Bは、同じ音響バリヤー57を断面で示し、キャリヤー51の対峙壁53Aに適用された熱発泡性材料の第二の層55Aを明らかにする。図5A及び図5Bに示される特別の態様に於いて、層55及び55Aの厚さは隆起支持畝54及び54Aの高さと本質的に同じものである。隆起支持畝54及び54Aは、特に、後で一層完全に説明するように、熱発泡性材料が、オーバーモールディングプロセスによってキャリヤーの上に適用される場合に、バッフルの製造に於いて重要な役割を果たすように適合させることができる。
【0031】
図4及び図4Aは、図5、図5A及び図5Bに示される態様の修正を描いている。図4に於いて、キャリヤー61は壁63を含む。壁63は、第一の対峙側面及び第二の対峙側面を含み、それらの1個のみが図4中に見えている。図示されているように、壁63は、開口62を含み、この開口は、図示される態様に於いて、主として、規則的形状パターンで配列されている。隆起支持畝64は壁63の表面から上に伸びているが、この場合に、隆起支持畝64は開口62のそれぞれを完全に取り囲んでおらず、その代わりに、一端で開いている。更に、図示されるように、隆起支持畝64のそれぞれは、それぞれの開口62の縁から僅かに離れているが、この態様は、隆起支持畝64が、それぞれ、対応する開口62の縁に配置されるように修正することができる。図5の態様でのように、図4中の隆起支持畝64は、熱発泡性材料の層を適用するためのオーバーモールディングプロセスの間に、重要な機能を果たすことができる。
【0032】
図4Aは、熱発泡性材料の層65を壁63の一個の側面に適用した後、図6に示されるようなキャリヤー61を含む音響バリヤー67を描いている。図4A中に示されるように、熱発泡性材料の層65は、開口62(これは充填されないままである)を除いて、壁63の本質的に全体の表面を覆っている。特に、熱発泡性接着剤の層65は、図4Aに於いて参照数字67によって示されるように、それぞれの開口62と対応する隆起リブ64との間の領域を充填している。
【0033】
吸音部材内の開口、例えば図1に於ける開口3、図2に於ける開口47、図3に於ける開口33、図4に於ける開口62及び図5に於ける開口52は、それぞれ、0.5〜20mmの最大幅を有する。図1及び図3〜5に示されるような態様に於いて、開口は、好ましくは0.5〜20mmの最大寸法を有し、好ましくは、それぞれ、0.8〜320mm2の面積を有する。好ましくは、開口は、それぞれ、3〜80mm2の面積を有する。開口の形状は、一般的には、本発明のために重要ではなく、従って、任意的に選択することができる。従って、これらの開口は、円形、楕円形、多角形、例えば三角形、長方形、六角形、「三日月」形、「星」形又は或る他の形状であってよい。特別の場合に於ける開口は、全部、同じサイズ又は同じ形状であることを必要としない。集合体中の開口は、バッフルの壁の表面積の、約10〜約85%、好ましくは10〜75%、更に好ましくは20〜60%をカバーすることができる。図1に於いて、集合体中の開口3は、キャリヤー8の壁部分の表面積の約60〜75%をカバーする。図3に於いて、集合体中の開口33は、壁32の全表面積の約20〜25%をカバーする。図4及び図5に於いて、集合体中のそれぞれ開口62及び52は、それぞれの壁63及び53の表面積の約40〜50%をカバーする。
【0034】
開口の特定の配置も、特に重要ではない。図1〜5に示されるように、開口3、47、33、62及び52は、整列された列及び/又は行のパターンで配列されている。熱発泡性材料の発泡の前のバッフルの機械的原形と一致する、開口のランダム配置を含む、殆ど全ての代替パターンを使用することができる。幾つかの場合に、流体のより良い排出を与えるために、又は他の理由のために、規定された場所内の開口の少なくとも幾らかをキャリヤーの壁部分の上に配置することが有利であろう。
【0035】
熱発泡性材料の層(例えば図1A、図2A、図3A、図4A及び図5Aに於いて、それぞれ、参照数字6、45、40、65及び55によって示す)のそれぞれの厚さは、開口のサイズ及び数並びに発泡の際に、熱発泡性材料が、開口(例えば図1及び図3に於いて、それぞれ開口3及び33)の集合体領域の少なくとも99%、好ましくは100%を充填するまで発泡するような、熱発泡性材料の発泡特性と一緒に選択される。熱発泡性材料は、開口のサイズ及び数並びにこの材料が発泡したとき、それが、開口の集合体表面積の少なくとも99%を充填できる、この材料の発泡特性を考慮して、十分に厚くなくてはならない。本発明の全ての面に於いて、発泡の前の熱発泡性材料の層のそれぞれの厚さは、一般的に0.5〜12mm、好ましくは1〜6mmの範囲内である。
【0036】
本発明の任意の面の吸音バッフルは、追加の機能的特徴を含むことができる。これらの中には、図2に於けるクリップ44及び図3に於けるクリップ41のような取付け手段があり、これは、熱発泡性材料が発泡するような時間まで、バッフルを構造体中の所定の位置に一時的に固定するように機能することができる。多くの場合に、熱発泡性材料は、それが発泡されたとき、バッフルを所定の位置に接着するように機能する。
【0037】
本発明の種々の面に於いて使用されるキャリヤー(例えば図1及び図3〜5に於いて、それぞれ、キャリヤー8、38、61及び51)は、その形状を保持し、熱発泡性材料の層(単数又は複数)の重量を支持するために十分な機械的強度を有するどのような材料からも作ることができる。キャリヤーを作るために使用される材料は、また、熱的に不活性であり、これによって、熱発泡性材料が発泡する条件下で、キャリヤーが溶融、変形又は分解しないことが意味される。例えばキャリヤーは金属、セラミック又は有機ポリマーから作ることができる。有機ポリマーは、必要な機械的及び熱的特性を有するそれを提供することが必要な場合、繊維又は他の強化材料によって強化することができる。キャリヤーを作るために使用することができる有機ポリマーには、高融点熱可塑性樹脂、例えばポリアミド、ポリイミド、或る種のポリエステルが含まれる。「高融点」は、熱可塑性樹脂が、熱発泡性材料の発泡の間に遭遇する最高温度よりも高い溶融温度又は軟化温度を有することを意味する。
【0038】
熱発泡性材料は、室温(約25℃)で固体若しくは高度に粘性の材料であり、それ故、(キャリヤーを使用しない場合)自己支持性であるか、又はキャリヤーを使用するとき、キャリヤーに接着するか若しくは或る中間接着層を介してキャリヤーに接着することができる層に形成することができる、ポリマー組成物又は樹脂組成物から作られる。熱発泡性材料をキャリヤーに機械的に取り付けることも可能であるが、これは、通常あまり好ましくない。このポリマー組成物又は樹脂組成物には、有機ポリマー又はポリマー形成性前駆体及び予定の上昇した温度に付されたとき気体を発生する熱活性化性発泡剤が含有されている。120〜250℃の温度にまで加熱されたときに、ポリマー組成物又は樹脂組成物は軟化又は溶融し、発泡剤は気体を発生する。この気体は、軟化又は溶融したポリマー内で気泡を形成し、これは、熱発泡性材料の体積を増加させ、発泡した気泡材料を形成する。この発泡は、しばしば、硬化又は架橋反応を伴い、発泡材料中の安定な気泡構造を作る。発泡の間に、熱発泡性材料は、その初期体積の少なくとも400%まで(即ち未発泡層のものの4倍の体積まで)からその初期体積の3500%のような大きい体積まで発泡させることができる。好ましい熱発泡性材料は、その初期体積の1000〜3000%又はその初期体積の2000〜3000%まで発泡させることができるものである。
【0039】
熱発泡性材料を作るために使用されるポリマー組成物又は樹脂組成物は、追加の成分、例えば活性化剤、触媒、硬化剤、架橋剤、充填剤、可塑剤、湿潤剤、接着改良剤又は粘着付与剤、IR吸収剤、気泡オープナー(cell opener)等を含有していてよい。
【0040】
熱発泡性材料を作るためのポリマー組成物又は樹脂組成物は公知である。熱発泡性樹脂組成物の一つの種類には、発泡剤及び存在していてよいとき他の成分に加えて、1種又はそれ以上のエポキシ樹脂及び1種又はそれ以上のエポキシ硬化剤が含有されている。熱発泡性樹脂組成物の他の種類は、反応し、硬化して、ポリウレタン又はポリウレアフォームを形成する。このような組成物には、典型的には、発泡剤及び存在していてよいとき他の成分に加えて、イソシアネート末端プリポリマー及び1種又はそれ以上のイソシアネート反応性物質が含有されている。ポリマー組成物の第三の種類は、熱可塑性ゴム、例えばスチレン−ブタジエンコポリマーをベースにする。この種類のポリマー組成物は、例えば特許文献5に記載されている。有用なポリマー組成物の更に他の種類は、ポリオレフィン、例えばポリエチレン又はポリエチレンコポリマーをベースにする。これらの種類の熱発泡性材料は、特許文献6、特許文献7、特許文献9、特許文献3、国際特許出願公開第WO2007/117663号明細書、国際特許出願公開第WO2007/117664号明細書及び国際特許出願公開第WO2007/249743号明細書に記載されている。
【0041】
吸音部材は、キャリヤーを予備成形し、この予備成形したキャリヤーに熱発泡性材料を適用することによって、便利に製造される。キャリヤーは、その構造の材料を考慮して適切である任意の方法を使用して成形することができる。金属キャリヤーは、型押方法(stamping method)によって便利に形成され、一方、ポリマーキャリヤーは、成形又は押出方法、続く必要な場合の更なる二次成形によって、一層便利に形成される。
【0042】
熱発泡性材料は、オーバーモールディング(overmolding)プロセス又は押出プロセス、再び続く必要な場合の更なる二次成形によって、最も便利に適用される。モールド表面が、熱発泡性材料の、要求される必要な表面特徴の全部をもたらすように設計できるとき、オーバーモールディングプロセスが特に適している。
【0043】
好ましいように、熱発泡性材料をオーバーモールディングプロセスで適用するとき、キャリヤー上の隆起表面特徴を、オーバーモールディングプロセスに於いて助けになる特別の特徴を果たすように設計することができる。これらの特徴の一つは、キャリヤーがオーバーモールディングプロセスの間に変形されるようになることを防止するための助けになり得る支持機能である。隆起領域、例えば図2に於ける支持部材42、図3に於ける畝36並びに図4及び図5に於ける、それぞれ、隆起支持畝64及び54は、キャリヤーの全体厚さ、特に、キャリヤーの中心部分、例えば図2に於けるレール43の厚さが、オーバーモールディングが行われるモールドの内部厚さに一致するように設計することができる。キャリヤーの厚さを、モールドのそれに一致させる隆起領域は、熱発泡性材料が、モールドの中に注入され、キャリヤーの表面を覆うとき、キャリヤーが曲がる、捩れる(twisting)又は他の方法で変形されるようになること防止するための助けになる。この種のモールド内の変形は、潜在的に、キャリヤーが、望ましくは、重量及び費用を最小にするためにできるだけ薄く作られるので、本発明に於いて使用される形式のキャリヤーに関して重要な問題である。キャリヤーがより薄くなると、成形プロセスの間に、一層変形されやすくなり、キャリヤーがオーバーモールディングプロセスの間にモールド内で変形されるようになる場合、熱発泡性接着剤は、しばしば均一な層を形成しないで、キャリヤーの領域を被覆しないままで残し、キャリヤーの他の領域を厚く被覆するであろう。従って、この変形を減少する又は除去するための能力は、キャリヤーの表面の上に隆起領域を設けることの重要な利点である。
【0044】
隆起領域が提供する別の利点は、これらが、熱発泡性材料の適用された層の厚さを制御することを助けることができるか、又は決定さえすることができることである。
【0045】
隆起領域は、キャリヤーの表面上に、チャンネル又は流路を規定することもできる。このようなチャンネル又は流路は、溶融した熱発泡性材料が、モールドの中に、そしてキャリヤーの上に導入されたとき、この材料の流れを案内することができる。これによって、例えば熱発泡性材料がキャリヤー表面の特定の領域の中に流れるか、又は特定の領域を回避することを可能にできる。図4の隆起支持畝64及び図5の隆起支持畝54は、このような機能を発揮する。図4及び図5に於いて、それぞれ点B及びCから生じている矢印は、それぞれ、隆起支持畝64及び54によって規定される、可能性のある流路を示す。
【0046】
キャリヤーの表面内の隆起領域は、好ましくはオーバーモールディングプロセスの間に貫流するための熱発泡性材料のための連続流路を規定する。隆起領域は、熱発泡性材料がキャリヤー表面の一部分から熱発泡性材料層が望まれる隣接する領域へ流れることを妨害する閉塞又は「袋小路(dead ends)」を形成してはならない。従って、図2、図4及び図5に於いて、種々の隆起表面特徴は、キャリヤーのそれぞれの壁の上に熱発泡性材料の接触して形成された層が存在するように配置され、オーバーモールディングプロセスの間に、熱発泡性材料は、種々の開口及び隆起領域自体を除いて、キャリヤーの表面の任意の領域から、任意の隣接する領域の方に流れることができる。
【0047】
種々の図面中に示される種々の形式の隆起領域の中で、(例えば図5に於けるような)キャリヤー内の開口を完全に取り囲むものがオーバーモールディング操作に於いて最も良く機能を発揮する傾向がある。キャリヤー内の開口を取り囲んでいない小さい支持ペグ、例えば図2に示されるものは、オーバーモールディング工程の間に熱発泡性材料の良好な流れを促進する際に、あまり有利ではない傾向がある。キャリヤー内の開口を部分的にのみ取り囲んでいる隆起領域、例えば図4に示されるものは、オーバーモールディングプロセスに於いて中間の利益を提供する傾向がある。
【0048】
更に、図5の隆起支持畝54は、オーバーモールディング工程の間に、熱発泡性材料が、開口52の中に流れることを防止する機能を果たすことができる。
【0049】
図4及び図4A中に示される形式の開放隆起領域は、オーバーモールディングプロセスの観点から、図2中に示されるような簡単な支持ペグ(pegs)に比較して、好ましい形式である。図5、図5A及び図5B中に示されるような閉じた隆起領域がオーバーモールディングプロセスの観点から、なお一層好ましい。
【0050】
本発明の種々の面の吸音部材は、構造キャビティ内のバッファリングの吸音種類及び他の種類を形成するために有用である。特に関心のある構造キャビティは、車両の乗客領域内のノイズを減少するために吸音バッフルが望まれている、車両コンポーネントである。このような車両構造キャビティの例には、乗用車及びトラックの所謂A−、B−及びC−ピラー(piller)並びに屋根レール並びに同様の構造体が含まれる。
【0051】
バッフルは、吸音バッフル部材をキャビティ内の所定の位置に挿入し、次いで吸音部材を、熱発泡性材料を発泡させるために十分な温度まで加熱することによって形成される。吸音部材は、典型的には、キャビティの縦次元に対して横方向に配向されている。殆どではないとしても多くの場合、熱発泡性材料が発泡した後に、キャビティはバッフルによって密封されるであろう。
【0052】
吸音バッフル部材は、好ましくは、それが中に使用されるべきキャビティの断面形状とほぼ同じ断面形状を有する。吸音バッフル部材は、熱発泡性材料の発泡の前には、キャビティ内にぴったりと適合することができる。これらの態様に於いて、発泡工程が完結するまで、吸音バッフル部材を所定の位置に保持するために、単純な摩擦が十分であろう。他の場合に、吸音バッフル部材は、断面がキャビティよりも小さくてよい。このような場合に、発泡工程が完結するまで、吸音バッフル部材を所定の位置に保持するために、吸音バッフル部材をキャビティに固定することが、通常望ましい。機械的手段、例えばクリップ、ピン及び他の締結具を使用することができる。この目的のために、接着剤を同様に使用することができる。
【0053】
熱発泡性材料は吸音部材を120℃〜250℃の温度まで加熱することによって発泡させられる。好ましい発泡温度は140℃〜210℃である。しかしながら、それぞれの特別の場合に使用される温度は、もちろん、熱発泡性材料を構成するポリマー組成物又は樹脂組成物の組成及び発泡特性に依存するであろう。典型的には、これらの組成物は予定の温度範囲内で発泡するように配合される。
【0054】
加熱工程は、熱発泡性材料が発泡して、熱発泡性材料の初期体積の少なくとも400%の体積を有するフォームを形成するまで続けられる。発泡は、初期体積の、好ましくは1000〜3500%、更に好ましくは2000〜3000%までである。熱発泡性材料が、発泡工程の間に架橋及び/又は硬化しなくてはならない場合、加熱工程の温度及び時間は、これらのプロセスが起こるために十分なものでもある。典型的には、加熱工程は、使用される特別の温度、熱発泡性材料の組成、必要とされる発泡の程度、熱発泡性材料の厚さ及びキャリヤーの熱伝導度のような要因に依存して、5〜60分間を必要とするであろう。
【0055】
発泡フォームは、殆どの場合に、バッフルのそれぞれの側面の全表面積を実質的に覆うであろう。キャリヤーが本明細書に記載したような開口を有する本発明の態様に於いて、発泡フォームは、このような開口の集合体表面積の少なくとも99%、好ましくは100%を覆うであろう。最も好ましくは、発泡フォームはキャビティの断面全体を密封するバッフルを形成するであろう。
【0056】
熱発泡工程を、電気被覆(electrocoating)又はベーク硬化を必要とする他の仕上げのような被覆の熱硬化と同時に実施することが、多くの自動車組立環境に於いて、非常に便利であり、費用効果的である。この被覆は、しばしば、錆及び他の環境損傷に対する保護を有するアセンブリを提供する。このために、被覆材料によって、キャビティの内側を含む、構造体の全ての表面を覆うことが重要である。これは、吸音バッフル部材が、本発明の第一の面に於けるように開口を有するとき助長される。このような場合に、キャビティの組立の間又はキャビティを組立てた後で、吸音バッフル部材を所望の場所でキャビティの中に挿入することができる。次いで、被覆を、得られる構造体に適用することができる。吸音バッフル部材内の開口によって、被覆がキャビティを通過して流れ、キャビティの内側表面と接触することが可能になる。これは、キャビティの両端が密封されるべきとき又はキャビティの一端のみが開いているとき、特に重要である。同様に、吸音バッフル部材内の開口によって、過剰の被覆が、それがベーク硬化を受ける前に部品から容易に排出されることが可能になる。
【0057】
次いで、被覆された材料は、加熱工程を受け、その間に、被覆はベーク硬化され、熱発泡性材料は発泡する。吸音バッフル部材中に開口が存在する場合、これらは、熱発泡性材料発泡体によって覆われるようになり、この方法でキャビティを密封する。この密封は、殆どの場合に音響バッフリングをもたらし、また、キャビティを密封して、雨水のような液体がキャビティの中に入ること及び腐食を起こすことを防止することができる。
【0058】
音響バリヤー部材が、熱発泡性材料の実質的に不連続の区画を含有するとき、熱発泡性材料が、熱発泡性材料が全部で1個の片であるときよりも一層均一に発泡する点で、利益がしばしば見られる。熱発泡性材料が、大きい連続層としてキャリヤーに適用されるとき、一定量の不均一な発泡がしばしば起こることが見出された。これは、音響バリヤー部材を作るために、オーバーモールディング方法を使用するときに、しばしば事実である。熱発泡性材料を、それぞれ、0.25〜400mm2の表面積を有する不連続区画に分断することによって、層の更に均一な発泡が起こることが見出された。本発明は、如何なる理論によっても限定されないが、不均一な発泡は、熱発泡性材料が適用されるとき生じる一定量の不均一配向によって起こされると思われる。不連続の区画への材料の分断によって、材料中の分離した区画への配向が制限され、それ故、区画内で、配向に於ける差が、一般的により小さい。発泡工程の間に不連続区画を加熱するとき、発泡剤が活性化される前に残留配向を除去することが、より良く可能であり、これは一層均一な発泡に至る。
【0059】
前記発泡材料は、殆どの場合に、音響バリヤー(その機能はキャビティを通して伝達されているノイズ及び振動を吸収、反射又は遮断することである)として機能する。この発泡材料は、通常、それが主として独立気泡を含有するとき、音響バリヤー材料として良く機能を発揮する。従って、この発泡材料は、50〜100%、好ましくは75〜100%の独立気泡を含有することが好ましい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本発明は、一つの面に於いて、熱的に不活性なキャリヤー及び該キャリヤーに適用された熱発泡性材料を含んでなる未硬化吸音部材であって、
前記キャリヤーが、第一の対峙側面及び第二の対峙側面を有する壁部分並びに該壁部分を貫通して第一の対峙側面から第二の対峙側面まで伸びている開口を含み、該開口が0.5〜20mmの最大幅を有し、該開口が、集合体中で、前記壁部分の表面積の10〜85%を構成し、そして前記キャリヤー内の開口が、前記熱発泡性材料によって充填されないように、前記熱発泡性材料が前記キャリヤーの対峙側面の両方に適用され、更に、前記熱発泡性材料が、120〜250℃の範囲内の温度に加熱されたときに発泡することによって膨張して、前記キャリヤーの両側面上に、前記キャリヤーの開口の領域の少なくとも99%を覆う発泡フォームを形成する未硬化吸音部材である未硬化吸音部材。
【請求項2】
熱的に不活性のキャリヤー及び該キャリヤーに適用された熱発泡性材料を含んでなる未硬化吸音部材であって、
前記キャリヤーが、第一の対峙側面及び第二の対峙側面を有する壁部分並びに該壁部分を貫通して第一の対峙側面から第二の対峙側面まで伸びている開口を含み、該開口が0.5〜20mmの最大寸法を有し、該開口が、集合体中で、前記壁部分の表面積の10〜75%を構成し、そして
前記キャリヤー内の開口が、前記熱発泡性材料によって充填されないように、前記熱発泡性材料が前記キャリヤーの両側面に適用され、更に、前記熱発泡性材料が120〜250℃の範囲内の温度に加熱されたときに発泡することによって膨張して、前記キャリヤー内の該開口の領域の少なくとも99%を覆う発泡フォームを形成する、未硬化吸音部材。
【請求項3】
前記熱発泡性材料が、140〜220℃の温度にまで加熱されたときに、その初期体積の2000〜3000%まで発泡する請求項1又は2に記載の未硬化吸音部材。
【請求項4】
前記開口が、集合体中で、前記壁部分の表面積の20〜60%を構成する請求項1〜3のいずれか1項に記載の未硬化吸音部材。
【請求項5】
キャビティに音響バッフリングを適用する方法であって、
a)請求項1〜4のいずれか1項に記載の未硬化吸音部材を、キャビティ内で横方向に配置し、そして
b)前記吸音部材を、120〜250℃の温度に、熱発泡性材料が、その初期体積の少なくとも400%まで発泡するのに充分な時間加熱し、前記キャリヤーのそれぞれ対峙側面の上に、キャリヤーの対峙側面の全表面積を実質的に覆い、そしてキャリヤー内の開口の領域の少なくとも99%を充填する発泡フォームを作る
ことを含んでなる方法。
【請求項6】
工程a)の後で、工程b)の前に、被覆又は腐食処理をキャビティの内部に適用し、前記被覆又は腐食処理体が工程b)の間に硬化させる請求項5に記載の方法。
【請求項7】
第一の対峙側面及び第二の対峙側面を有する壁の形にある熱発泡性材料並びに該壁を貫通して第一の対峙側面から第二の対峙側面まで伸びている開口を含んでなる未硬化吸音部材であって、前記開口が0.5〜20mmの最大幅を有し、前記開口が、集合体中で、前記壁部分の表面積の10〜75%を構成し、前記熱発泡性材料が、120〜250℃の範囲内の温度に加熱されたときに、発泡することによって膨張して、発泡フォームを形成する(ここで、前記開口は、熱発泡性材料の発泡によって閉じられる)、未硬化吸音部材。
【請求項8】
第一の対峙側面及び第二の対峙側面を有する壁の形にある熱発泡性材料並びに前記壁を貫通して第一の対峙側面から第二の対峙側面まで伸びている開口を含む未硬化吸音部材であって、前記開口が0.5〜20mmの最大寸法を有し、前記開口が、集合体中で、壁部分の表面積の10〜75%を構成し、前記熱発泡性材料が、120〜250℃の範囲内の温度に加熱されたときに、発泡することによって膨張して、発泡フォームを生成する(ここで、前記開口は、熱発泡性材料の発泡によって閉じられる)、未硬化吸音部材。
【請求項9】
前記熱発泡性材料が、140〜220℃の温度に加熱されたときに、その初期体積の2000〜3000%まで発泡する請求項7又は8に記載の未硬化吸音部材。
【請求項10】
前記開口が、集合体中で、前記壁部分の表面積の20〜60%を構成する請求項7〜9のいずれか1項に記載の未硬化吸音部材。
【請求項11】
キャビティに音響バッフリングを適用する方法であって、
a)請求項7〜10のいずれか1項に記載の未硬化吸音部材を、キャビティ内で横断方向に配置し、そして
b)前記吸音部材を、120〜250℃の温度に、熱発泡性材料が、その初期体積の少なくとも400%まで発泡するのに充分な時間加熱し、そして壁内の開口が、熱発泡性材料の発泡によって閉じられるように硬化フォームを生成させる
を含んでなる方法。
【請求項12】
工程a)の後で、工程b)の前に、被覆又は腐食処理体をキャビティの内部に適用し、前記被覆又は腐食処理体が工程b)の間に硬化させる請求項11に記載の方法。
【請求項13】
キャリヤーをモールドの中に挿入し、モールドを閉じ、そして軟化した又は溶融した熱発泡性材料の温度を、それが発泡する温度よりも下に維持しながら、前記熱発泡性材料を前記モールドの中に導入することによって、前記モールド内でキャリヤーをオーバーモールドし、そして次いで前記熱発泡性材料を冷却することを含んでなる未硬化吸音部材の製造方法であって、
(i)前記キャリヤーが、第一の対峙側面及び第二の対峙側面を有する壁部分並びに該壁部分を貫通して第一の対峙側面から第二の対峙側面まで伸びている開口を含み、該開口が0.5〜20mmの最大幅を有し、該開口が、集合体中で、前記壁部分の表面積の10〜85%を構成し、そして更に、該キャリヤーの第一の対峙側面及び第二の対峙側面が、キャリヤーの厚さが閉じたモールドの厚さに等しいような隆起領域を含み、
前記熱発泡性材料を、キャリヤーの対峙側面の両方に適用し、
前記キャリヤー内の開口が熱発泡性材料によって充填されておらず、そして
前記熱発泡性材料の層の厚さが、キャリヤーのそれぞれの対峙側面の上の隆起領域の高さにほぼ等しい方法。
【請求項14】
前記隆起領域が、溶融した又は軟化した熱発泡性材料の流れを、前記キャリヤーの表面に亘って案内する、キャリヤーの表面上の1個又はそれ以上の流路を規定する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記隆起領域の少なくとも幾らかが、前記キャリヤー内の1個又はそれ以上の開口を、前記部分的に又は全部取り囲んでいる請求項13又は14に記載の方法。
【請求項1】
本発明は、一つの面に於いて、熱的に不活性なキャリヤー及び該キャリヤーに適用された熱発泡性材料を含んでなる未硬化吸音部材であって、
前記キャリヤーが、第一の対峙側面及び第二の対峙側面を有する壁部分並びに該壁部分を貫通して第一の対峙側面から第二の対峙側面まで伸びている開口を含み、該開口が0.5〜20mmの最大幅を有し、該開口が、集合体中で、前記壁部分の表面積の10〜85%を構成し、そして前記キャリヤー内の開口が、前記熱発泡性材料によって充填されないように、前記熱発泡性材料が前記キャリヤーの対峙側面の両方に適用され、更に、前記熱発泡性材料が、120〜250℃の範囲内の温度に加熱されたときに発泡することによって膨張して、前記キャリヤーの両側面上に、前記キャリヤーの開口の領域の少なくとも99%を覆う発泡フォームを形成する未硬化吸音部材である未硬化吸音部材。
【請求項2】
熱的に不活性のキャリヤー及び該キャリヤーに適用された熱発泡性材料を含んでなる未硬化吸音部材であって、
前記キャリヤーが、第一の対峙側面及び第二の対峙側面を有する壁部分並びに該壁部分を貫通して第一の対峙側面から第二の対峙側面まで伸びている開口を含み、該開口が0.5〜20mmの最大寸法を有し、該開口が、集合体中で、前記壁部分の表面積の10〜75%を構成し、そして
前記キャリヤー内の開口が、前記熱発泡性材料によって充填されないように、前記熱発泡性材料が前記キャリヤーの両側面に適用され、更に、前記熱発泡性材料が120〜250℃の範囲内の温度に加熱されたときに発泡することによって膨張して、前記キャリヤー内の該開口の領域の少なくとも99%を覆う発泡フォームを形成する、未硬化吸音部材。
【請求項3】
前記熱発泡性材料が、140〜220℃の温度にまで加熱されたときに、その初期体積の2000〜3000%まで発泡する請求項1又は2に記載の未硬化吸音部材。
【請求項4】
前記開口が、集合体中で、前記壁部分の表面積の20〜60%を構成する請求項1〜3のいずれか1項に記載の未硬化吸音部材。
【請求項5】
キャビティに音響バッフリングを適用する方法であって、
a)請求項1〜4のいずれか1項に記載の未硬化吸音部材を、キャビティ内で横方向に配置し、そして
b)前記吸音部材を、120〜250℃の温度に、熱発泡性材料が、その初期体積の少なくとも400%まで発泡するのに充分な時間加熱し、前記キャリヤーのそれぞれ対峙側面の上に、キャリヤーの対峙側面の全表面積を実質的に覆い、そしてキャリヤー内の開口の領域の少なくとも99%を充填する発泡フォームを作る
ことを含んでなる方法。
【請求項6】
工程a)の後で、工程b)の前に、被覆又は腐食処理をキャビティの内部に適用し、前記被覆又は腐食処理体が工程b)の間に硬化させる請求項5に記載の方法。
【請求項7】
第一の対峙側面及び第二の対峙側面を有する壁の形にある熱発泡性材料並びに該壁を貫通して第一の対峙側面から第二の対峙側面まで伸びている開口を含んでなる未硬化吸音部材であって、前記開口が0.5〜20mmの最大幅を有し、前記開口が、集合体中で、前記壁部分の表面積の10〜75%を構成し、前記熱発泡性材料が、120〜250℃の範囲内の温度に加熱されたときに、発泡することによって膨張して、発泡フォームを形成する(ここで、前記開口は、熱発泡性材料の発泡によって閉じられる)、未硬化吸音部材。
【請求項8】
第一の対峙側面及び第二の対峙側面を有する壁の形にある熱発泡性材料並びに前記壁を貫通して第一の対峙側面から第二の対峙側面まで伸びている開口を含む未硬化吸音部材であって、前記開口が0.5〜20mmの最大寸法を有し、前記開口が、集合体中で、壁部分の表面積の10〜75%を構成し、前記熱発泡性材料が、120〜250℃の範囲内の温度に加熱されたときに、発泡することによって膨張して、発泡フォームを生成する(ここで、前記開口は、熱発泡性材料の発泡によって閉じられる)、未硬化吸音部材。
【請求項9】
前記熱発泡性材料が、140〜220℃の温度に加熱されたときに、その初期体積の2000〜3000%まで発泡する請求項7又は8に記載の未硬化吸音部材。
【請求項10】
前記開口が、集合体中で、前記壁部分の表面積の20〜60%を構成する請求項7〜9のいずれか1項に記載の未硬化吸音部材。
【請求項11】
キャビティに音響バッフリングを適用する方法であって、
a)請求項7〜10のいずれか1項に記載の未硬化吸音部材を、キャビティ内で横断方向に配置し、そして
b)前記吸音部材を、120〜250℃の温度に、熱発泡性材料が、その初期体積の少なくとも400%まで発泡するのに充分な時間加熱し、そして壁内の開口が、熱発泡性材料の発泡によって閉じられるように硬化フォームを生成させる
を含んでなる方法。
【請求項12】
工程a)の後で、工程b)の前に、被覆又は腐食処理体をキャビティの内部に適用し、前記被覆又は腐食処理体が工程b)の間に硬化させる請求項11に記載の方法。
【請求項13】
キャリヤーをモールドの中に挿入し、モールドを閉じ、そして軟化した又は溶融した熱発泡性材料の温度を、それが発泡する温度よりも下に維持しながら、前記熱発泡性材料を前記モールドの中に導入することによって、前記モールド内でキャリヤーをオーバーモールドし、そして次いで前記熱発泡性材料を冷却することを含んでなる未硬化吸音部材の製造方法であって、
(i)前記キャリヤーが、第一の対峙側面及び第二の対峙側面を有する壁部分並びに該壁部分を貫通して第一の対峙側面から第二の対峙側面まで伸びている開口を含み、該開口が0.5〜20mmの最大幅を有し、該開口が、集合体中で、前記壁部分の表面積の10〜85%を構成し、そして更に、該キャリヤーの第一の対峙側面及び第二の対峙側面が、キャリヤーの厚さが閉じたモールドの厚さに等しいような隆起領域を含み、
前記熱発泡性材料を、キャリヤーの対峙側面の両方に適用し、
前記キャリヤー内の開口が熱発泡性材料によって充填されておらず、そして
前記熱発泡性材料の層の厚さが、キャリヤーのそれぞれの対峙側面の上の隆起領域の高さにほぼ等しい方法。
【請求項14】
前記隆起領域が、溶融した又は軟化した熱発泡性材料の流れを、前記キャリヤーの表面に亘って案内する、キャリヤーの表面上の1個又はそれ以上の流路を規定する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記隆起領域の少なくとも幾らかが、前記キャリヤー内の1個又はそれ以上の開口を、前記部分的に又は全部取り囲んでいる請求項13又は14に記載の方法。
【図1】
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図2A】
【図3】
【図3A】
【図4】
【図4A】
【図5】
【図5A】
【図5B】
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図2A】
【図3】
【図3A】
【図4】
【図4A】
【図5】
【図5A】
【図5B】
【公表番号】特表2012−510082(P2012−510082A)
【公表日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−537832(P2011−537832)
【出願日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際出願番号】PCT/CN2009/075142
【国際公開番号】WO2010/060381
【国際公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー (1,383)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際出願番号】PCT/CN2009/075142
【国際公開番号】WO2010/060381
【国際公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー (1,383)
【Fターム(参考)】
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