説明

吸音構造体

【課題】軽量性と形態安定性を損なわず、低周波から高周波にかけて広くかつ良好な吸音特性を有する吸音構造体を提供する。
【解決手段】厚さが5mm未満である不織布が、厚さが5〜50mmの繊維構造体に積層してなり、かつ前記不織布が音源側に配されてなる吸音構造体であって、前記不織布の通気度が15〜100cc/cm/secの範囲内であることを特徴とする吸音構造体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輌や住宅あるいは道路などの騒音低減用として好適に利用することができる吸音構造体に関する。さらに詳しくは、軽量性と形態安定性を損なわず、低周波から高周波にかけて広くかつ良好な吸音特性を有する吸音構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車輌や住宅あるいは高速道路などの吸音、遮音材として、ガラスウール、ウレタンフォーム、ポリエステル繊維、さらには高融点熱可塑性繊維と低融点熱可塑性繊維を用いたもの(例えば、特許文献1参照)など各種繊維を用いた吸音材が多数提案されている。
【0003】
かかる吸音材に要求される特性としては、吸音性、軽量性、形態安定性などがあげられる。特に吸音性においては、低周波から高周波にかけて広くかつ良好な吸音特性が求められている。
そして、かかる吸音材の吸音性を高める方法としては、従来、繊維径を細くしたり、目付けを大きくするなどの方法が採用されてきた。
【0004】
しかるに、単に繊維径を細くするだけでは、低周波から高周波にかけて広くかつ良好な吸音特性は十分には得られず、形態安定性も損なわれるという問題があった。他方、単に目付けを大きくするだけでは、軽量性が損なわれるという問題があった。
このため、繊維構造体を高通気表皮材で包みこんだもの(例えば、特許文献2参照)や、極細繊維を含む不織布で吸音材を構成することにより吸音性を向上させる方法(例えば、特許文献3参照)などが提案されている。
【0005】
これらの方法により、軽量性と形態安定性を損なうことなく800Hz以上の中高周波領域での吸音性は得られるものの、低周波領域での吸音性の点ではまだ十分とは言えず、その改善が望まれていた。
これに対し、特許文献4では、低通気度の不織布を繊維構造体に積層し、かつ前記不織布を音源側に配した吸音構造体が提案されている。しかしながら、該吸音構造体では、吸音特性の点においてまだ改善の余地があることが判明した。
【0006】
【特許文献1】特開平7−3599号公報
【特許文献2】特開2000−305574号公報
【特許文献3】特開2002−161464号公報
【特許文献4】特開2004−145180号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、軽量性と形態安定性を損なわず、低周波から高周波にかけて広くかつ良好な吸音特性を有する吸音構造体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、不織布を繊維構造体に積層し、かつ前記不織布を音源側に配して吸音構造体を得る際、前記不織布を、湿式抄造法で製造された不織布、または湿式スパンレース不織布とし、かつ前記不織布の通気度をある程度大きくすると、低周波から高周波にかけてより良好な吸音特性が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
【0009】
かくして、本発明によれば「厚さが5mm未満である不織布が、厚さが5〜50mmの繊維構造体に積層してなり、かつ前記不織布が音源側に配されてなる吸音構造体であって、前記不織布が、湿式抄造法で製造された不織布、または湿式スパンレース不織布であり、かつ該不織布の通気度が15〜100cc/cm/secの範囲内であることを特徴とする吸音構造体。」が提供される。
【0010】
その際、前記不織布を構成する繊維の単繊維繊度が0.01〜2dtexの範囲内であることが好ましい。また、前記不織布の目付けが5〜80g/mの範囲内であることが好ましい。また、前記不織布が湿式抄造法で製造された不織布であり、該不織布がポリエステル系繊維とバインダー繊維とから構成され、かつポリエステル系繊維とバインダー繊維との重量比率が(前者:後者)80:20〜20:80の範囲内であることが好ましい。また、前記不織布が湿式スパンレース不織布であり、該不織布がポリエステル系繊維および/またはバインダー繊維から構成され、かつポリエステル系繊維とバインダー繊維との重量比率が(前者:後者)100:0〜70:30の範囲内であることが好ましい。その際、前記バインダー繊維が、未延伸繊維または、熱融着成分と繊維形成性熱可塑性ポリマーとからなり少なくとも熱融着成分が繊維表面に露出している熱接着性複合繊維であることが好ましい。
【0011】
本発明の吸音構造体において、前記繊維構造体を構成する繊維の単繊維繊度が0.9〜20dtexの範囲内であることが好ましい。また、前記繊維構造体の密度が0.005〜0.10g/cmの範囲内であることが好ましい。また、前記繊維構造体が、ポリエステル系繊維とバインダー繊維とから構成され、かつポリエステル系繊維とバインダー繊維との重量比率が(前者:後者)90:10〜50:50の範囲内であることが好ましい。
本発明の吸音構造体において、前記不織布と繊維構造体との重量比率が(前者:後者)20:80〜1:99の範囲内であることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、軽量性と形態安定性を損なわず、低周波から高周波にかけて広くかつ良好な吸音特性を有する吸音構造体が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の吸音構造体は、不織布と繊維構造体とが積層してなる2層構造を有している。
まず、前記の不織布は、その厚さが5mm未満(好ましくは0.01〜3mm)であることが肝要である。該厚さが5mm以上の場合、吸音構造体の重量が重くなるだけでなく、通気度が低くなりすぎて、下記範囲の通気度が得られないおそれがある。
【0014】
また、かかる不織布において、通気度が15〜100cc/cm/sec(好ましくは30〜80cc/cm/sec)の範囲内であることが肝要である。不織布の通気度が100cc/cm/secよりも大きいと、音エネルギーに対する表面抵抗が小さすぎ、エネルギー減衰に寄与しないため好ましくない。逆に、不織布の通気度が15cc/cm/secよりも小さいと、不織布が音波により振動し、背後に位置する繊維構造体に音波が伝播せず不織布表面で表面反射することになり好ましくない。なお、通気度はJISL1096 6.27.1(フラジール法)により測定するものとする。
【0015】
また、前記不織布は、単繊維繊度が0.01〜2dtex(より好ましくは0.05〜0.3dtex)の範囲内であることが好ましい。該単繊維繊度が2dtexよりも大きいと吸音材の吸音性、特に低周波領域で十分な吸音性が得られないおそれがある。逆に、該単繊維繊度が0.01dtexよりも小さいと、該繊維の製造が困難となるだけでなく、取り扱い性も低下する恐れがあり好ましくない。なお、かかる繊度は、不織布を構成する繊維が多種類であれば、それら単糸繊度を加重平均した値を用いるものとする。
【0016】
また、不織布の目付けが5〜80g/m(不織布が湿式抄造法で製造された不織布である場合は10〜20g/mの範囲内であることが特に好ましく、また、不織布が湿式スパンレース不織布である場合は、30〜50g/mの範囲内であることが特に好ましい。)の範囲内であることが好ましい。該目付けが5g/mよりも小さいと通気度が大きくなりすぎ、前記範囲の通気度が得られず十分な吸音性が得られないおそれがある。逆に、該目付けが80g/mよりも大きいと吸音構造体の重量が大きくなるだけでなく、通気度が低くなりすぎ、前記範囲の通気度が得られず十分な吸音性が得られないおそれがある。
【0017】
前記不織布としては、(1)湿式抄造法で製造された不織布、または(2)湿式スパンレース不織布であることが肝要である。その際、(1)不織布が湿式抄造法で製造された不織布であり、該不織布がポリエステル系繊維とバインダー繊維とから構成され、かつポリエステル系繊維とバインダー繊維との重量比率が(前者:後者)80:20〜20:80の範囲内である不織布、または(2)不織布が湿式スパンレース不織布(湿式抄造法でシートを得た後、高圧水流により繊維同士を絡合させた不織布)であり、該不織布がポリエステル系繊維および/またはバインダー繊維から構成され、かつポリエステル系繊維とバインダー繊維との重量比率が(前者:後者)100:0〜70:30の範囲内である不織布であることが好ましい。特に、湿式スパンレース不織布が成形性に優れ好ましい。直接紡糸からの不織布(スパンボンド、メルトブローなど)やカード、エアレイド等のドライレイド法では、平均繊維径が細く、地合いが良好(斑が少なく)かつ安定生産が出来る事が困難であるという理由で、本発明で使用可能な不織布が得られず好ましくない。
【0018】
ここで、前記(1)湿式抄造法で製造された不織布において、主体繊維であるポリエステル系繊維の重量比率が80重量%よりも大きい(バインダー繊維の重量比率が20重量%よりも小さい)と、不織布の構造を維持するための接着点が少なすぎるため、少しの衝撃でも不織布が破壊されるおそれがある。逆に、主体繊維であるポリエステル系繊維の重量比率が20重量%よりも小さい(バインダー繊維の重量比率が80重量%よりも大きい)と、不織布としては強固なものであるが、不織布製造時に収縮し、斑、ドライヤーへの粘着が発生するおそれがある。また、(2)湿式スパンレース不織布において、主体繊維であるポリエステル系繊維の重量比率が70重量%よりも小さい(バインダー繊維の重量比率が30重量%よりも大きい)と、不織布としては強固なものであるが、不織布製造時に収縮し、斑、ドライヤーへの粘着が発生するおそれがある。
【0019】
前記ポリエステル系繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチルシクロヘキサンテレフタレート、ポリピバロラクトンやこれらの共重合体からなる繊維、または上記ポリマー成分の群より選択された2種類以上からなる複合繊維、ポリ乳酸繊維、ステレオコンプレックスポリ乳酸繊維、ケミカルまたはマテリアルリサイクルされたポリエステル繊維をあげることができる。なかでも、繊維形成性の点で、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリエチレンテレフタレートを1成分とする複合繊維などが特に好ましく例示される。
なお、かかる繊維を構成するポリマーには、各種安定剤、紫外線吸収剤、増粘分枝剤、艶消し剤、着色剤、その他各種改良剤等が必要に応じて配合されていてもよい。
【0020】
そして、これらの繊維の形態としては、長繊維であってもよいし、短繊維であってもよい。さらには、捲縮を付与された短繊維であってもよい。この場合の捲縮付与方法としては、1)熱収縮率の異なるポリマーをサイドバイサイド型に貼り合わせた複合繊維を用いてスパイラル状に捲縮を付与、2)異方冷却によりスパイラル状捲縮を付与、3)押し込み捲縮法によるジグザグ状捲縮を付与など、種々の方法を用いることができる。
また、繊維の単繊維横断面形状も丸、三角、扁平など公知のものを使用することができる。
【0021】
ここで、主体繊維となる前記ポリエステル系繊維としては、吸音性の点で捲縮が付与されていることが好ましく、特に、嵩高性、製造コスト等の点で異方冷却によりスパイラル状に捲縮を付与されたものが好ましい。
一方、バインダー繊維としては、未延伸繊維(例えば、未延伸ポリエステル繊維)、または熱融着成分と繊維形成性熱可塑性ポリマーとからなり少なくとも熱融着成分が繊維表面に露出している熱接着性複合繊維が好ましい。
【0022】
かかる熱接着性複合繊維としては、熱融着成分と繊維形成性熱可塑性ポリマーとからなり、少なくとも前者が繊維表面に露出しているものを使用することができる。重量割合としては、前者と後者が30/70〜70/30の範囲が適当である。該熱接着性複合繊維の複合形態としては、サイド・バイ・サイド型、芯鞘型のいずれであってもよいが、好ましいのは後者である。この芯鞘型においては繊維形成性熱可塑性ポリマーが芯部となるが、該芯部は同心円状あるいは偏心状であってもよい。特に偏心状のものにあっては、スパイラル捲縮が発現するので好ましい。なお、該複合繊維の断面形状としては、中空、中実、異型いずれでもよい。
【0023】
熱接着性複合繊維の熱融着成分は、前記のポリエステル系短繊維を構成するポリマー成分より、40℃以上低い融点を有することが好ましい。この温度差が40℃未満では接着が不十分となって、腰のない、取り扱い難い吸音構造体となる恐れがある。
ここで、熱融着成分として配されるポリマーとしては、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、非弾性ポリエステル系ポリマー及びその共重合物、ポリオレフィン系ポリマー及びその共重合物、ポリビニルアルコール系ポリマー等を挙げることができる。
【0024】
前記ポリウレタン系エラストマーとしては、分子量が500〜6000程度の低融点ポリオール、例えばジヒドロキシポリエーテル、ジヒドロキシポリエステル、ジヒドロキシポリカーボネート、ジヒドロキシポリエステルアミド等と、分子量500以下の有機ジイソシアネート、例えばp,p’−ジフェニールメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート水素化ジフェニールメタンイソシアネート、キシリレンイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート、ヘキサメチレンジイソシアネート等と、分子量500以下の鎖伸長剤、例えばグリコールアミノアルコールあるいはトリオールとの反応により得られるポリマーである。
【0025】
これらのポリマーのうちで、特に好ましいのはポリオールとしてはポリテトラメチレングリコール、またはポリ−ε−カプロラクタムあるいはポリブチレンアジペートを用いたポリウレタンである。この場合の有機ジイソシアネートとしてはp,p’−ビスヒドロキシエトキシベンゼンおよび1,4−ブタンジオールを挙げることができる。
【0026】
また、ポリエステル系エラストマーとしては熱可塑性ポリエステルをハードセグメントとし、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールをソフトセグメントとして共重合してなるポリエーテルエステル共重合体、より具体的にはテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、コハク酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジ酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体などから選ばれたジカルボン酸の少なくとも1種と、1,4−ブタンジオール、エチレングリコールトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコールネオペンチルグリコール、デカメチレングリコール等の脂肪族ジオールあるいは1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンメタノール等の脂環式ジオール、またはこれらのエステル形成性誘導体などから選ばれたジオール成分の少なくとも1種、および平均分子量が約400〜5000程度のポリエチレングリコール、ポリ(1,2−および1,3−ポリプロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランとの共重合体等のポリ(アルキレンオキサイド)グリコールのうち少なくとも1種から構成される三元共重合体を挙げることができる。
【0027】
特に、接着性や温度特性、強度の面からすればポリブチレン系テレフタレートをハード成分とし、ポリオキシブチレングリコールをソフトセグメントとするブロック共重合ポリエーテルエステルが好ましい。
【0028】
この場合、ハードセグメントを構成するポリエステル部分は、主たる酸成分がテレフタル酸、主たるジオール成分がブチレングリコール成分であるポリブチレンテレフタレートである。むろん、この酸成分の一部(通常30モル%以下)は他のジカルボン酸成分やオキシカルボン酸成分で置換されていても良く、同様にグリコール成分の一部(通常30モル%以下)はブチレングリコール成分以外のジオキシ成分で置換されていても良い。また、ソフトセグメントを構成するポリエーテル部分はブチレングリコール以外のジオキシ成分で置換されたポリエーテルであってよい。
【0029】
共重合ポリエステル系ポリマーとしては、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸類および/またはヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂環式ジカルボン酸類と、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、パラキシレングリコールなどの脂肪族や脂環式ジオール類とを所定数含有し、所望に応じてパラヒドロキシ安息香酸などのオキシ酸類を添加した共重合エステル等を挙げることができ、例えばテレフタル酸とエチレングリコールとにイソフタル酸および1,6−ヘキサンジオールを添加共重合させたポリエステルが好ましい。
また、ポリオレフィンポリマーとしては、例えば低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等をあげることができる。
【0030】
上記の熱融着成分の相手方成分である繊維形成性熱可塑性ポリマーとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステルや、ポリオレフィンポリマーなどが例示される。
前記バインダー繊維も、主体繊維である前記ポリエステル系繊維と同様に、短繊維であり、かつ捲縮が付与されていることが好ましい。
【0031】
また、前記のような特定の目付けおよび通気度を得る方法として、不織布を形成する繊維に樹脂を付着させてもよい。かかる方法は特に通気度を制御する上で極めて好適である。また、繊維に樹脂を付着させることにより、不織布表面の毛羽を押えることも可能となり、さらには、不織布の剛性がアップし、吸音構造体の形態安定性が向上するといった効果も得られる。
【0032】
かかる樹脂としては、公知の樹脂を使用することができ、例えば、アクリル酸エステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素樹脂アクリル樹脂などが例示される。
その際、樹脂の付着量としては、繊維重量に対して5〜50重量%の範囲が適当である。
【0033】
本発明の吸音構造体において、繊維構造体の厚さは5〜50mm(より好ましくは、8〜20mm)であることが好ましい。該厚さが50mmよりも大きい場合、不織布と繊維構造体の一体化が困難であり、使用時に剥離等製品としての安定性に欠けるおそれがある。逆に該厚さが5mmよりも小さい場合、例え不織布を積層したとしても吸音性が低くなり過ぎるおそれがある。
【0034】
また、繊維構造体は前記不織布と同様の、ポリエステル系繊維からなる主体繊維とバインダー繊維とで構成されることが好ましい。その際、主体繊維とバインダー繊維の比率は、90/10〜50/50(より好ましくは、80/20〜60/40)であることが好ましい。主体繊維が90%より大きい(バインダー繊維が10%より小さい)場合、繊維構造体の接着点が少な過ぎるため、構造維持が不安定となるおそれがある。逆に主体繊維が50%より小さい(バインダー繊維が50%より大きい)場合、繊維構造体が固くなり過ぎて、不織布との一体化が行いにくく、見掛け上行えたとしても、剥離し易い等の問題が生じるおそれがある。
【0035】
また、繊維構造体を構成する繊維の単繊維繊度が0.9〜20dtexの範囲内であることが好ましい。該単繊維繊度が20dtexよりも大きいと、繊維構造体の空隙が大きくスカスカした状態になり本発明の主目的である満足な吸音性が得られないおそれがある。逆に、該単繊維繊度が0.9dtexよりも小さいと、繊維構造体の製造が困難となるだけでなく、コシがなくへたり易い基材となってしまうおそれがある。なお、かかる繊度は、繊維構造体を構成する繊維が多種類であれば、それら単糸繊度を加重平均した値を用いるものとする。
【0036】
前記繊維構造体は、例えば、前記の主体繊維と熱接着性複合短繊維を混綿させ、加熱処理することにより、熱接着性複合短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点及び該熱接着性複合短繊維と主体繊維とが交差した状態で熱融着された固着点が散在してなる繊維構造体が形成される。
【0037】
繊維構造体の中での繊維の配列方向は、カード機後のクロスレイヤーを用いての水平方向でも、厚みに対してタテに配列するように、ウェッブを折りたたむ場合のどちらでも良いが、低密度を安定生産し、出来たものの構造の安定性から見た場合、厚み方向に繊維が配列した方がより好ましい。
【0038】
このようにして得られた繊維構造体において、その密度が0.005〜0.10g/cm(好ましく0.02〜0.08g/cm)の範囲である必要がある。該密度が0.10g/cmより大きいと、硬くボード状となり、十分な吸音性が得られず好ましくない。逆に、該密度が0.01g/cmより小さいと、フワフワな状態となり、取り扱い性が低下するため好ましくない。
【0039】
本発明の吸音構造体において、前記不織布と繊維構造体との重量比率が(前者:後者)20:80〜1:99の範囲内であることが好ましい。不織布の重量比率が20重量%よりも大きいと、不織布表面で音のエネルギーが反射されるおそれがある。
【0040】
不織布と繊維構造体の一体化の方法として、特段制限されるものはない。繊維構造体の中のバインダー成分による接着も可能である。但し、接着性を要求される場合は現在、使用されている方法を用いる事も可能である。粉末状バインダーを用いる方法、クモの巣状低融点繊維シート(日東紡績・スパンファブ)等を用いる事が出来る。
【0041】
かくして得られる吸音構造体は、不織布からなる層が音源側に配される。その結果、特定の目付けと通気度を有する不織布の吸音効果と、特定の密度、厚み、繊度を有する繊維構造体の吸音効果により、軽量性と形態安定性を損なわず、低周波から高周波にかけて広くかつ良好な吸音性が得られる。
【0042】
なお、本発明の吸音構造体において、染色加工や起毛加工が施されていてもよい。さらには、撥水加工、防炎加工、難燃加工、マイナスイオン加工など公知の機能加工が付加されていてもさしつかえない。
【実施例】
【0043】
次に本発明の実施例及び比較例を詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中の各測定項目は下記の方法で測定した。
<厚み>
JISL1096により厚み(mm)を測定した。なお、n数5でその平均値を算出した。
<通気度>
JISL1096 6.27.1(フラジール法)により通気度(cc/cm/sec)を測定した。なお、n数5でその平均値を算出した。
<融点、軟化点>
Du Pont社製 熱示差分析計990型を使用し、昇温20℃/分で測定し、融解ピークをもとめた。融解温度が明確に観測されない場合には、微量融点測定装置(柳本製作所製)を用い、ポリマーが軟化して流動を始めた温度(軟化点)を融点とする。なお、n数5でその平均値を求めた。
<密度>
JISL1097により密度(g/cm)を測定した。なお、n数5でその平均値を算出した。
<吸音特性>
JISA1405に基づき、管内法による建築材料の垂直入射吸音率を1/3オクターブ中心周波数1000Hz、2000Hz、4000Hzで測定した。なお、n数5でその平均値を算出した。
<簡易成型テスト>
吸音構造体を160℃×5分間予熱した後に、凹凸構造からなる金属金型(常温)を用いて成型テストを実施(コールドプレス)した。出来上がったサンプルの外観により試験者3人が5段階判定を行った。
5:成型性 最良(シワ無し)
4:成型性 良(小さなシワが入る)
3:成型性 並(少し大きめのシワが入る)
2:成型性 悪(シワがかなり入る)
1:成型性 最悪 (シワが多数入る)
【0044】
[実施例1]
(薄葉不織布)
単繊維繊度0.1dtex、繊維長3mmの延伸ポリエチレンテレフタレート短繊維と単繊維繊度0.2dtex、繊維長3mmの未延伸ポリエチレンテレフタレート短繊維を重量比で60/40で準備し、定法の傾斜短網抄紙機を用いて、10g/mの湿紙を得た後、ヤンキードライヤー(135℃)で熱処理を施し、均一な薄葉不織布を得た。
(繊維構造体)
単繊維繊度2.2dtex、繊維長51mmの延伸ポリエチレンテレフタレート単繊維(主体繊維)と、ポリエチレンテレフタレート(融点256℃)を芯部に、テレフタル酸とイソフタル酸とを60/40(モル%)で混合した酸成分と、エチレングリコールとジエチレングリコールとを85/15(モル%)で混合したジオール成分とからなる共重合ポリエチレンテレフタレート(軟化点110℃)を鞘部に、鞘/芯の重量比で50/50になるように常法により紡糸して得られた芯鞘型熱接着性複合短繊維(単糸繊度4.4dtex、繊維長51mm)とを70/30の重量比率で混綿し、ローラーカードにより均一なウエッブを得た。次いで、該ウエッブを熱風循環式乾燥機を用いて160℃、10分熱処理する事で繊維構造体(目付け150g/m、厚み10mm、密度0.015g/cm)を得た。
(積層一体化)
両者の間に熱接着シート(日東紡製スパンファブ 目付15g/m)を介して積層し、熱処理をする事で、両者が一体化した高性能吸音構造体を得た。そして、薄葉不織布側を音源側に配し評価したところ、優れた性能を示した。評価結果を表1に示す。
【0045】
[実施例2]
(薄葉不織布)
単繊維繊度0.06dtex、繊維長3mmの延伸ポリエチレンテレフタレート短繊維と単繊維繊度0.2dtex、繊維長3mmの未延伸ポリエチレンテレフタレート短繊維を重量比で60/40で準備し、定法の傾斜短網抄紙機を用いて、25g/mの湿紙を得た後、ヤンキードライヤー(135℃)で熱処理を施し、均一な薄葉不織布を得た。
実施例1に対して、薄葉不織布のみ、上記に変更した以外は繊維構造体、一体化については、同様の方法を用いて、高性能吸音構造体を得た。評価結果を表1に示す。
【0046】
[実施例3]
(繊維構造体)
単繊維繊度6.6dtex、繊維長51mmの延伸ポリエチレンテレフタレート単繊維(主体繊維)と、ポリエチレンテレフタレート(融点256℃)を芯部に、テレフタル酸とイソフタル酸とを60/40(モル%)で混合した酸成分と、エチレングリコールとジエチレングリコールとを85/15(モル%)で混合したジオール成分とからなる共重合ポリエチレンテレフタレート(軟化点110℃)を鞘部に、鞘/芯の重量比で50/50になるように常法により紡糸して得られた芯鞘型熱接着性複合短繊維(単糸繊度4.4dtex、繊維長51mm)とを70/30の重量比率で混綿し、ローラーカードにより均一なウエッブを得た。次いで、該ウエッブを熱風循環式乾燥機を用いて160℃、10分熱処理する事で繊維構造体(目付け2000g/m、厚み20mm、密度0.010g/cm)を得た。
実施例1に対して、繊維構造体のみ上記に変更した以外は、薄葉不織布、一体化については、同様の方法を用いて、高性能吸音構造体を得た。評価結果を表1に示す。
【0047】
[実施例4]
(薄葉不織布)
単繊維繊度0.3dtex、繊維長3mmの延伸ポリエチレンテレフタレート短繊維と単繊維繊度0.2dtex、繊維長3mmの未延伸ポリエチレンテレフタレート短繊維を重量比で60/40で準備し、定法の傾斜短網抄紙機を用いて、10g/mの湿紙を得た後、ヤンキードライヤー(135℃)で熱処理を施し、均一な薄葉不織布を得た。
実施例1に対して、薄葉不織布のみ、上記に変更した以外は繊維構造体、一体化については、同様の方法を用いて、高性能吸音構造体を得た。評価結果を表1に示す。
【0048】
[比較例1]
(薄葉不織布)
単繊維繊度0.6dtex、繊維長3mmの延伸ポリエチレンテレフタレート短繊維と単繊維繊度1.2dtex、繊維長3mmの未延伸ポリエチレンテレフタレート短繊維を重量比で60/40で準備し、定法の傾斜短網抄紙機を用いて、50g/mの湿紙を得た後、ヤンキードライヤー(135℃)で熱処理を施し、均一な薄葉不織布を得た。
実施例1に対して、薄葉不織布のみ、上記に変更した以外は繊維構造体、一体化については、同様の方法を用いて測定を実施した。評価結果を表1に示す。
【0049】
[比較例2]
(薄葉不織布)
単繊維繊度0.3dtex、繊維長3mmの延伸ポリエチレンテレフタレート短繊維とポリエチレンテレフタレート(融点256℃)を芯部に、テレフタル酸とイソフタル酸とを60/40(モル%)で混合した酸成分と、エチレングリコールとジエチレングリコールとを85/15(モル%)で混合したジオール成分とからなる共重合ポリエチレンテレフタレート(軟化点110℃)を鞘部に、鞘/芯の重量比で50/50になるように常法により紡糸して得られた芯鞘型熱接着性複合短繊維(単糸繊度1.7dtex、繊維長5mm)を重量比で70/30で準備し、定法の傾斜短網抄紙機を用いて、25g/mの湿紙を得た後、ヤンキードライヤー(135℃)で熱処理を施し、均一な薄葉不織布を得た。
実施例1に対して、薄葉不織布のみ、上記に変更した以外は繊維構造体、一体化については、同様の方法を用いて測定を実施した。評価結果を表1に示す。
【0050】
[比較例3]
薄葉不織布に代えて、ポリエチレンテレフタレート製長繊維不織布(スパンボンド、50g/m)を用いた以外、実施例1と同様の方法を用いて測定を実施した。評価結果を表1に示す。
【0051】
[比較例4]
実施例1において、薄葉不織布に代えて、ポリプロピレン製極細不織布(メルトブロー、15g/m)を用いた以外、実施例1と同様の方法を用いて測定を実施した。評価結果を表1に示す。
【0052】
[比較例5]
実施例1に用いた繊維構造体のみ(表面の不織布無し)で測定を実施した。評価結果を表1に示す。
【0053】
【表1】

【0054】
[実施例5]
(湿式スパンレース不織布)
単繊維繊度0.1dtex、繊維長3mmの延伸ポリエチレンテレフタレート短繊維100%で準備し、定法の傾斜短網抄紙機を用いて、30g/mの湿紙を得た後、高圧水流を用いて繊維同士を絡合させた後、エアースルードライヤー(100℃)で熱処理を施し、均一な湿式スパンレース不織布を得た。
(繊維構造体)
単繊維繊度2.2dtex、繊維長51mmの延伸ポリエチレンテレフタレート単繊維(主体繊維)と、ポリエチレンテレフタレート(融点256℃)を芯部に、テレフタル酸とイソフタル酸とを60/40(モル%)で混合した酸成分と、エチレングリコールとジエチレングリコールとを85/15(モル%)で混合したジオール成分とからなる共重合ポリエチレンテレフタレート(軟化点110℃)を鞘部に、鞘/芯の重量比で50/50になるように常法により紡糸して得られた芯鞘型熱接着性複合短繊維(単糸繊度4.4dtex、繊維長51mm)とを70/30の重量比率で混綿し、ローラーカードにより均一なウエッブを得た。次いで、該ウエッブを熱風循環式乾燥機を用いて160℃、10分熱処理する事で繊維構造体(目付け150g/m、厚み10mm、密度0.015g/cm)を得た。
(積層一体化)
両者の間に熱接着シート(日東紡製スパンファブ 目付15g/m)を介して積層し、熱処理をする事で、両者が一体化した高性能吸音構造体を得た。
薄葉不織布側を音源側に配し評価したところ、優れた性能を示した。また、成形性にも優れていた。評価結果を表2に示す。
【0055】
[実施例6]
(湿式スパンレース不織布)
単繊維繊度0.06dtex、繊維長3mmの延伸ポリエチレンテレフタレート短繊維100%で準備し、定法の傾斜短網抄紙機を用いて、25g/mの湿紙を得た後、高圧水流を用いて繊維同士を絡合させた後、エアースルードライヤー(100℃)で熱処理を施し、均一な湿式スパンレース不織布を得た。
実施例5において湿式スパンレース不織布のみ、上記に変更した以外は繊維構造体、一体化については、同様の方法を用いて、高性能吸音構造体を得た。薄葉不織布側を音源側に配し評価したところ、優れた性能を示した。また、成形性にも優れていた。評価結果を表2に示す。
【0056】
[実施例7]
(繊維構造体)
単繊維繊度6.6dtex、繊維長51mmの延伸ポリエチレンテレフタレート単繊維(主体繊維)と、ポリエチレンテレフタレート(融点256℃)を芯部に、テレフタル酸とイソフタル酸とを60/40(モル%)で混合した酸成分と、エチレングリコールとジエチレングリコールとを85/15(モル%)で混合したジオール成分とからなる共重合ポリエチレンテレフタレート(軟化点110℃)を鞘部に、鞘/芯の重量比で50/50になるように常法により紡糸して得られた芯鞘型熱接着性複合短繊維(単糸繊度4.4dtex、繊維長51mm)とを70/30の重量比率で混綿し、ローラーカードにより均一なウエッブを得た。次いで、該ウエッブを熱風循環式乾燥機を用いて160℃、10分熱処理する事で繊維構造体(目付け200g/m、厚み20mm、密度0.010g/cm)を得た。
実施例5において繊維構造体のみ上記に変更した以外は、薄葉不織布、一体化については、同様の方法を用いて高性能吸音構造体を得た。薄葉不織布側を音源側に配し評価したところ、優れた性能を示した。また、成形性にも優れていた。評価結果を表2に示す。
【0057】
[比較例6]
(薄葉不織布)
単繊維繊度0.1dtex、繊維長3mmの延伸ポリエチレンテレフタレート短繊維と単繊維繊度0.2dtex、繊維長3mmの未延伸ポリエチレンテレフタレート短繊維と重量比で60/40で準備し、定法の傾斜短網抄紙機を用いて、30g/mの湿紙を得た後、ヤンキードライヤー(135℃)で熱処理を施し、均一な薄葉不織布を得た。
実施例5に対して、薄葉不織布のみ、上記に変更した以外は繊維構造体、一体化については、同様の方法を用いて、吸音構造体を得た。評価結果を表2に示す。
【0058】
[比較例7]
(薄葉不織布)
単繊維繊度0.1dtex、繊維長3mmの延伸ポリエチレンテレフタレート短繊維と単繊維繊度0.6dtex、繊維長3mmの未延伸ポリエチレンテレフタレート短繊維を重量比で60/40で準備し、定法の傾斜短網抄紙機を用いて、30g/mの湿紙を得た後、高圧水流を用いて繊維同士を絡合させた後、エアースルードライヤー(100℃)で熱処理を施し、均一な湿式スパンレース不織布を得た。
実施例5に対して、不織布のみ、上記に変更した以外は繊維構造体、一体化については、同様の方法を用いて、吸音構造体を得た。評価結果を表2に示す。
【0059】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明によれば、軽量性と形態安定性を損なわず、低周波から高周波にかけて広くかつ良好な吸音特性を有する吸音構造体が提供され、その工業的価値は極めて大である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚さが5mm未満である不織布が、厚さが5〜50mmの繊維構造体に積層してなり、かつ前記不織布が音源側に配されてなる吸音構造体であって、前記不織布が、湿式抄造法で製造された不織布、または湿式スパンレース不織布であり、かつ該不織布の通気度が15〜100cc/cm/secの範囲内であることを特徴とする吸音構造体。
【請求項2】
前記不織布を構成する繊維の単繊維繊度が0.01〜2dtexの範囲内である、請求項1に記載の吸音構造体。
【請求項3】
前記不織布の目付けが5〜80g/mの範囲内である、請求項1または請求項2に記載の吸音構造体。
【請求項4】
前記不織布が湿式抄造法で製造された不織布であり、該不織布がポリエステル系繊維とバインダー繊維とから構成され、かつポリエステル系繊維とバインダー繊維との重量比率が(前者:後者)80:20〜20:80の範囲内である、請求項1〜3のいずれかに記載の吸音構造体。
【請求項5】
前記不織布が湿式スパンレース不織布であり、該不織布がポリエステル系繊維および/またはバインダー繊維から構成され、かつポリエステル系繊維とバインダー繊維との重量比率が(前者:後者)100:0〜70:30の範囲内である、請求項1〜3のいずれかに記載の吸音構造体。
【請求項6】
前記バインダー繊維が、未延伸繊維または、熱融着成分と繊維形成性熱可塑性ポリマーとからなり少なくとも熱融着成分が繊維表面に露出している熱接着性複合繊維である、請求項4または請求項5に記載の吸音構造体。
【請求項7】
前記繊維構造体を構成する繊維の単繊維繊度が0.9〜20dtexの範囲内である、請求項1〜6のいずれかに記載の吸音構造体。
【請求項8】
前記繊維構造体の密度が0.005〜0.10g/cmの範囲内である、請求項1〜7のいずれかに記載の吸音構造体。
【請求項9】
前記繊維構造体が、ポリエステル系繊維とバインダー繊維とから構成され、かつポリエステル系繊維とバインダー繊維との重量比率が(前者:後者)90:10〜50:50の範囲内である、請求項1〜8のいずれかに記載の吸音構造体。
【請求項10】
前記不織布と繊維構造体との重量比率が(前者:後者)20:80〜1:99の範囲内である、請求項1〜9のいずれかに記載の吸音構造体。

【公開番号】特開2009−186825(P2009−186825A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−27812(P2008−27812)
【出願日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願人】(302011711)帝人ファイバー株式会社 (1,101)
【Fターム(参考)】