説明

回転ポンプのベース部構造

【課題】大型の回転ポンプにも好適に対応して回転ポンプ及び電動モータを載置する際の作業性を向上でき、消音効果を向上できる回転ポンプのベース部構造を提供すること。
【解決手段】回転ポンプ10の回転軸12と駆動モータ20の回転軸22がカップリング24によって直列に連結されて配置されるように回転ポンプ10と駆動モータ20が載置される回転ポンプのベース部構造であって、レール状の長尺部材として形成され、ボルト70の頭部71が嵌って長手方向にスライド可能に上面部56より下側が広がった断面形状の長溝58を有する一対のベースフレーム51、52を構成要素とし、回転ポンプ10と駆動モータ20のそれぞれが長手方向にスライドされて着脱できるように、一対のベースフレーム51、52が所要の間隔をおいて平行に配されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、負圧や正圧を発生する空気発生装置等として使用される回転ポンプのベース部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、比較的大型の回転ポンプ及び電動モータが載置されるベース部としては、厚い鋼板を曲げて台座状に形成したものを用い、回転ポンプ及び電動モータをボルトとナットで固定している(特許文献1参照)。
この従来の板金製のベース部にあっては、回転ポンプ及び電動モータを載置する際に各ボルト穴にガタがあるため、回転ポンプと電動モータの回転軸について芯出しを行って固定する作業に多くの手間がかかっていた。また、この板金製のベース部は、回転ポンプの振動を受けやすく、消音効果が低かった。さらに、鋼板が厚いため、重くなっていた。
【特許文献1】特開平06−88571号公報(第2図)
【0003】
また、真空ポンプの吸気ケース及び排気ケースを含む周囲全体と、真空ポンプの回転軸と電動モータの回転軸がカップリングによって直列に連結された回転軸の直列連結部とを防音壁で囲んだ真空発生装置の防音機構が、本出願人によって提案されている(特許文献2参照)。
この真空発生装置においては、真空ポンプを冷却するために、電動モータからの入力側である回転軸の直列連結部に遠心ファンが装着され、回転軸の反入力側には冷却ファンが装着されている。遠心ファンについては、その吸気側で空気の流れを案内する筒体や絞り部が、防音壁側に設けられている。
【特許文献2】特開2001−115961号公報(第1頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
回転ポンプのベース部構造に関して解決しようとする問題点は、回転ポンプ及び電動モータを載置する際の組み立て及びメンテナンスにかかる作業性が良くないことと、消音効果が低い点にある。
そこで本発明の目的は、大型の回転ポンプにも好適に対応して回転ポンプ及び電動モータを載置する際の作業性を向上でき、消音効果を向上できる回転ポンプのベース部構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記目的を達成するために次の構成を備える。
本発明にかかる回転ポンプのベース部構造の一形態によれば、回転ポンプの回転軸と駆動モータの回転軸がカップリングによって直列に連結されて配置されるように前記回転ポンプと前記駆動モータが載置される回転ポンプのベース部構造であって、レール状の長尺部材として形成され、ボルトの頭部が嵌って長手方向にスライド可能に上面部より下側が広がった断面形状の長溝を有する一対のベースフレームを構成要素とし、前記回転ポンプと前記駆動モータのそれぞれが長手方向にスライドされて着脱できるように、前記一対のベースフレームが所要の間隔をおいて平行に配されている。
【0006】
また、本発明にかかる回転ポンプのベース部構造の一形態によれば、前記ベースフレームは、アルミニウムの押し出し成形によって設けられていることを特徴とすることができる。
【0007】
また、本発明にかかる回転ポンプのベース部構造の一形態によれば、前記ボルトのネジ部側が嵌るボルト穴を有し、該ボルト穴に前記ボルトが嵌った状態で該ボルトの頭部と共に前記ベースフレームの前記長溝に嵌り、該長溝に沿って長手方向へ水平にスライド可能に且つ長手方向の端面から前記ボルトの位置決めが可能に短冊状の板材によって形成されたボルト位置決め板を備えることを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明にかかる回転ポンプのベース部構造によれば、大型の回転ポンプにも好適に対応して回転ポンプ及び電動モータを載置する際の作業性を向上でき、消音効果を向上できるという特別有利な効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明にかかる回転ポンプのベース部構造について最良の形態例を添付図面(図1〜9)に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る回転ポンプ装置の形態例を示す側面図である。図2は本発明に係るベースフレームの形態例を示す断面図である。図3は本発明に係るベース部構造の形態例を示す平面図である。図4はボルト位置決め板の形態例を示す平面図である。また、図5は図3のベース部構造の側面図であり、図6は図3のベース部構造の正面図である。さらに、図7は図1の回転ポンプ装置の一部断面を含む側面図である。また、図8は図1の回転ポンプ装置の正面図であり、図9は図1の回転ポンプ装置の平面図である。
【0010】
本形態例の回転ポンプ10のベース部構造は、負圧や正圧を発生する空気発生装置として用いられる無給油式のベーンポンプに関するものである。駆動手段(駆動モータ20)としては、電動モータが用いられている。なお、この回転ポンプ10は、例えば、印刷物搬送の真空吸着装置及びブロア装置等に使用される。
回転ポンプ10のベース部50は、回転ポンプ10の回転軸12と駆動モータ20の回転軸22がカップリング24によって直列に連結されて配置されるように、回転ポンプ10と駆動モータ20が載置・固定される台座の部分である(図1及び7参照)。
【0011】
51、52はベースフレームであり、レール状の長尺部材として形成され、ボルト70の頭部71が嵌って長手方向にスライド可能に上面部56より下側(ボルトの頭部71の挿入部57)が広がった断面形状の長溝58を有する(図2参照)。この一対のベースフレーム51、52を構成要素としてベース部50が形成されている。そして、そのベース部50上で、回転ポンプ10と駆動モータ20のそれぞれが長手方向にスライドされて着脱できるように、一対のベースフレーム51、52が所要の間隔をおいて平行に配されている(図2参照)。この一対のベースフレーム51、52は、左右同一形状のものであり、向きを対向させて使用している。
【0012】
これによれば、回転ポンプ10と駆動モータ20をスライドさせつつ着脱できるため、組立てやメンテナンスの作業性を向上できる。
また、このベース部50によれば、回転ポンプ10及び駆動モータ20をそのベース部50に固定する際の接触面積を可及的に小さくして振動の伝達を小さくできるため、消音効果を向上できる。さらに、このベース部50によれば、回転ポンプ10と駆動モータ20が直接的に接触されて固定される部分の表面積を小さくできるため、消音効果を向上できる。
【0013】
図3に示すように、53aは間隔保持板であり、一対のベースフレーム51、52の間隔を規定すると共に、その一対のベースフレーム51、52が平行に配されるように固定するための中間部材になっている。本形態例の間隔保持板53aは、ネジ63によって各ベースフレーム51、52に固定されている。
【0014】
また、53bは端面連結板であり、両サイド部で各ベースフレーム51、52の一方の端面にネジ64によって固定されている。59は被ネジ止め部であり、ネジ64が螺合される(図2参照)。この端面連結板53bによれば、間隔保持板53aと同じく、一対のベースフレーム51、52の間隔を規定すると共に、その一対のベースフレーム51、52が平行に配されるように固定するための中間部材になっている。
【0015】
間隔保持板53aと端面連結板53bは、図6及び7で示すように、ネジ65で連結されて一体化されており、カバーリング30の底部を構成する底面カバー53になっている。つまり、この底面カバー53は、後述するメインカバー31及びフロントカバー35と一緒になって、ポンプ本体11や直列連結部23の全周囲を覆うための部分になっている。これにより、後述するように、冷却効果や防音効果を高めている。
【0016】
また、本形態例のベースフレーム51、52は、アルミニウムの押し出し成形によって設けられている。押し出し成形によれば、一つの断面形状で左右両方のベースフレーム51、52として利用できるなど、量産効果が高く製造コストを低減できる。また、アルミニウムによって形成されているため、鋼板等に比較して吸音効果があり、低騒音化に寄与できる。さらに、このアルミニウム材によるベースフレーム51、52によれば、軽量化を図ることができる。
【0017】
81、82はボルト位置決め板であり、短冊状の板材によって形成されている(図3及び4参照)。なお、81は回転ポンプ10を固定するためのボルト位置決め板であり、82は駆動モータ20を固定するためのボルト位置決め板である。これらのボルト位置決め板81、82は、ボルトのネジ部72側が嵌るボルト穴83を有し、そのボルト穴83にボルト70が嵌った状態でボルトの頭部71と共にベースフレーム51、52の長溝58に嵌るように設けられている(図2参照)。そして、その長溝58に沿って長手方向へ水平にスライド可能に且つ長手方向の端面からボルト70の位置決めが可能に形成されている。
【0018】
これによれば、ボルト位置決め板81、82の端面からボルト穴83までの距離を所定の寸法に正確に設けておくことで、その端面をベースフレーム51、52の端面に合わせることで、簡単に位置決めをすることができる。従って、組み立てや保守管理の際の作業性を向上できる。
【0019】
本形態例の回転ポンプのベース部構造において、回転ポンプ10と駆動モータ20をベース部50に装着する際の手順について以下に説明する。
ボルトのネジ部72が上向きに突起した状態にボルト位置決め板81、82のボルト穴83に挿通・嵌められ、そのボルト位置決め板81、82と共にボルトの頭部71が長溝58の中に挿入される。この際、回転ポンプ10や駆動モータ20をベースフレーム51、52上でスライドしつつ、ボルト70を回転ポンプ10や駆動モータ20側のボルト穴に挿入しながら、長溝58に嵌めるようにするとよい。これによれば、重量の大きな回転ポンプ10や駆動モータ20を極力持ち上げることなくボルト70を通して固定できる。
【0020】
また、図2に示すように、長溝58の巾寸法は、ボルトの頭部71の六角の対面間の寸法及びボルトのネジ部72の径寸法との関係で、ガタが小さく設定されている。従って、ボルト70は左右方向(巾方向)の位置について正確に配置され、回転ポンプ10と駆動モータ20のアライメント(カップリングの平行出し)が行いやすい。従って、組立てや保守管理の作業性を向上できる。
さらに、ボルト位置決め板81、82は、上面部56の下の面と接触する面積が大きく、荷重を分散できるため、強度的な面でもメリットがある。
【0021】
次に、上記回転ポンプのベース部構造において、回転ポンプ10と駆動モータ20をベース部50から取り外す際の手順について以下に説明する。
前述した装着の際とは反対に回転ポンプ10や駆動モータ20をベースフレーム51、52上でスライドしつつ、ボルト70を長溝58から取り出すと共に回転ポンプ10や駆動モータ20側のボルト穴から抜き取るようにするとよい。
この際には、端面連結板53bのベースフレーム端面に隣接する部分に設けられた開口部53cを通してボルト70を落下させることができる。なお、この開口部53cは、ボルト70の落とし穴として利用できるだけでなく、装着の際にはボルト70の差し込み用の穴として利用できる。
【0022】
以下、本発明にかかる回転ポンプ装置について最良の形態例を添付図面(図1、7〜9)に基づいて詳細に説明する。
本形態例の回転ポンプ装置は、負圧や正圧を発生する空気発生装置として用いられる無給油式のベーンポンプ(回転ポンプ10)と、駆動手段としての電動モータ(駆動モータ20)によって構成されている。
【0023】
30はカバーリングであり、回転ポンプ10の吸気口に接続された吸気ケース41と排気口に接続された排気ケース42を除くポンプ本体11、及び回転ポンプ10の回転軸12と駆動モータ20の回転軸22がカップリング24によって直列に連結された回転軸の直列連結部23を内包して覆うように設けられている。後述するメインカバー31及びフロントカバー35と、ベース部50によって構成される底面カバー53とによって、前記ポンプ本体11と直列連結部23が全周面にわたって覆われる構造になっている。このカバーリング30は図面に示すように方形であって、比較的シンプルな形状になっている。
【0024】
このカバーリング30によれば、後述する二つの冷却ファン(遠心ファン25、吸込みファン26)によって発生する冷却空気流を好適に案内でき、回転ポンプ10の冷却効果を向上できる。これは、冷却空気流が、カバーリング30によって案内されることでポンプ本体11の表面に沿ってバランスよく流れ、一対の軸受部13、14を強制的にバランスよく冷却できるためである。これによれば、軸受部13、14等の劣化を抑制でき、回転ポンプ10の寿命を延長できる。
なお、カバーリング30の上部に穴31e(図17参照)を開けて、吸気ケース41又は排気ケース42にも空気を吹き付けるようにすることで、吸気ケース41又は排気ケース42を冷却することも可能である。
また、このカバーリング30によれば、火傷の防止及び回転部の被覆という安全性の向上や、デザイン性の向上を図ることができる。
【0025】
25は遠心ファンであり、カバーリング30における排気孔部34が設けられた部分に対応されて、そのカバーリング30に覆われ、回転ポンプ10が駆動モータ20に連結される入力側12aである直列連結部23に同軸に固定されている。この遠心ファン25は、駆動モータ20と回転ポンプ10の回転軸と共に回転し、カバーリング30内から冷却用空気を排気する。本形態例では、冷却用の空気が、後述するメインカバー31に多数の長孔によって設けられた排気孔部34を通って排気される。
この遠心ファン25によれば、ポンプ本体11の特に軸受部13を強制的に冷却するように、冷却空気流を好適に発生できる。
【0026】
26は吸込みファンであり、カバーリング30における吸気孔部36が設けられた部分に対応されて、そのカバーリング30に覆われ、回転ポンプ10の回転軸12の駆動モータ20と連結される側とは反対の反入力側12bに同軸に固定されている。この吸込みファン26は、回転ポンプ10の回転軸と共に回転し、カバーリング30内へ冷却用空気を吸気する。このため、吸込みファン26は、軸流ファンと遠心ファンの両方の機能を備える形態の送風ファンになっている。また、本形態例では、冷却用の外気が、後述するフロントカバー35に多数の丸孔によって設けられた吸気孔部36を通って吸気される。
この吸込みファン26によれば、ポンプ本体11の特に軸受部14を強制的に冷却するように、冷却空気流を好適に発生できる。
【0027】
また、本形態例では、遠心ファン25が、カップリング24の回転ポンプ10の側に面する部分である端面に固定されている。つまり、直列連結部23の回転ポンプ10に近接する側に遠心ファン25が装着されている。
これによれば、遠心ファン25が軸受部13の近傍に位置するため、その軸受部13を効果的に冷却できる。軸受部14との冷却の関係においても、バランスよく冷却できる。
また、遠心ファン25の羽根が回転ポンプ10側にあり、カップリング24の接続部の部分に被りにくい形態となるため、芯出し等、組み立てやメンテナンスの作業を行い易い構成になっている。
【0028】
また、本形態例では、遠心ファン25が、ラジアルファンによって構成されている。なお、ラジアルファンとは、径向きの羽根をもつ多翼遠心ファンのことであり、円板面上に多数の羽根が設けられた形態になっている。
このラジアルファンは、シンプルな形状であるが、効果的に空気を排気できる。シロッコファンのように、空気を吸入するため案内部となる筒体や絞り部を設けることなく、高い排気性能を有する。従って、ラジアルファンを採用することで、カバーリング30の形状をシンプルに構成でき、組み立てやメンテナンスの作業も行い易い構造になっている。また、大型の回転ポンプ10にも好適に対応できる形態となっている。
【0029】
次に、本発明に係る回転ポンプ装置におけるカバーリング30の最良の形態例について、添付図面(図10〜14)に基づいて詳細に説明する。
31はメインカバーであり、回転ポンプ10の回転軸12と直交する方向(本形態例では左右方向)へ脱着可能に分割して設けられた一対の半割カバー部32、33によって構成されている。このメインカバー31は、ポンプ本体11及び直列連結部23の両側面31a、31bと上面31c、及び直列連結部23の駆動モータ20に面する側の端面31dを覆う構成となっている。
【0030】
35はフロントカバーであり、ポンプ本体11の駆動モータ20に面する入力側12aとは反対側となる反入力側12bの端面を覆う端面カバーとして設けられている。
以上のメインカバー31とフロントカバー35を構成要素とするカバーリング30によれば、騒音の発生源であるポンプ本体11を好適に覆って減音(消音)できる。なお、ベース部50によって構成される底面カバー53が、カバーリング30の底面を塞ぐ構造になっている。
また、各カバーの内面に適宜に吸音材を貼り付けることで、防音効果をさらに向上させるようにしてもよい。
【0031】
また、このカバーリング30によれば、回転ポンプ10の回転軸12の入力側12aである直列連結部23に同軸に固定された遠心ファン25と、回転ポンプ10の回転軸12の反入力側12bに同軸に固定された吸込みファン26についても好適に覆っている。これによれば、遠心ファン25と吸込みファン26とによって発生される冷却空気流を好適に案内でき、回転ポンプ10にかかる冷却効果を高めることができる。
【0032】
そして、本形態例のメインカバー31は、回転ポンプ10と駆動モータ20を支持しているベース部50に脱着可能に固定され、そのメインカバー31に端面カバーであるフロントカバー35が脱着可能に固定されている。なお、ポンプ本体11及びモータ本体21は、ベース部50上にボルトによって脱着可能に固定されている。
以上の構成によれば、カバーリング30の各構成が、回転ポンプ10と直接的に接触することがなく、振動を直接的に受けることがないため、消音性能を向上できる。
【0033】
また、第1の半割カバー部32が、ベース部50を構成する第1のベースフレーム51に固定され、第3の半割カバー部33が、ベース部50を構成する第2のベースフレーム52に固定されている。本形態例ではネジ54によって固定されている。これにより、回転ポンプ10を、その両側から一対の半割カバー部32、33によって覆う構成となっている。そして、フロントカバー35と合わせて、3方向から後付けによって装着できる3分割のカバー構造となっている。
これによれば、前述のように消音効果を高めると共に、着脱を行い易い構造であるから、組み立てや保守管理のための作業性を向上できる。
【0034】
また、フロントカバー35は、板金部37と樹脂部38とによって構成され、板金部37の被係合部37aに樹脂部38の係合部38aが樹脂の弾性によって係合することで固定されている。さらに具体的には、板金部37に形成された複数の穴(被係合部37a)に樹脂部38に形成された複数の爪部(係合部38a)が嵌ることで係合される構造になっている。また、本形態例では、板金部37の上下に樹脂部38が配置された形態となっている。
【0035】
そして、メインカバー31に固定されているフロントカバー35の少なくともメインカバー31に接触する部分が、樹脂によって形成されている樹脂部38であるように構成されている。なお、39はボルト穴であり、この穴にボルトを通してフロントカバー35をメインカバー31に固定する。
このように、フロントカバー35に部分的に樹脂(上下の樹脂部38)を採用したことで、板金特有の共振が発生し難く、全面板金の場合より消音効果が高い。
また、上記の構造によって、組み立てや保守管理が行い易い形態になっている。
【0036】
また、本形態例において、吸気ケース41及び排気ケース42には、カバーリング30とは別体のケースカバー60(60A)が脱着可能に固定されている(図15又は16参照)。
図15に示すケースカバー60は、前後のカバー構成部材や配管接続口のカバー構成部材の全てが樹脂材で形成された形態例を示してある。また、図16に示すケースカバー60Aは、本体のカバー部材が板金で形成され、端面のカバー部材が樹脂で形成された形態例を示してある。
これらのケースカバー60、60Aは、樹脂の弾性によってワンタッチで装着できる構造になっており、組み立てや保守管理を行い易い形態となっている。
【0037】
吸気ケース41には、エアフィルタが内蔵されると共に真空調整器やゲージが装着されており、外部の機器と接続するための配管接続口が設けられている。
また、排気ケース42には、マフラー効果のあるキャップが装着されており、使用頻度の低い配管接続口に対するケースカバー60の開口部にはアタッチメント61(図15参照)が着脱可能に嵌め込まれている。
なお、55はブラケットであり、ベース部50に設けられ、設置床面等に固定される部分になっている。
【0038】
以上、本発明につき好適な形態例を挙げて種々説明してきたが、本発明はこの形態例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係る回転ポンプ装置の形態例を示す側面図である。
【図2】本発明に係るベースフレームの形態例を示す断面図である。
【図3】本発明に係るベース部構造の形態例を示す平面図である。
【図4】ボルト位置決め板の形態例を示す平面図である。
【図5】図3のベース部構造の側面図である。
【図6】図3のベース部構造の正面図である。
【図7】図1の回転ポンプ装置の一部断面を含む側面図である。
【図8】図1の回転ポンプ装置の正面図である。
【図9】図1の回転ポンプ装置の平面図である。
【図10】本発明に係るカバーリング構造の形態例を示す斜視図である。
【図11】端面カバーの正面図(A)及び側面図(B)である。
【図12】端面カバーの板金部を示す正面図である。
【図13】端面カバーの樹脂部を示す内面図である。
【図14】端面カバーの樹脂部の要部を示す拡大図である。
【図15】吸排気部のケースカバーの形態例を示す斜視図である。
【図16】吸排気部のケースカバーの他の形態例を示す斜視図である。
【図17】回転ポンプのカバーリング構造の他の形態例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0040】
10 回転ポンプ
12 回転軸
20 駆動モータ
22 回転軸
23 直列連結部
24 カップリング
30 カバーリング
50 ベース部
51 ベースフレーム
52 ベースフレーム
56 上面部
58 長溝
70 ボルト
71 頭部
72 ネジ部
81 ボルト位置決め板
82 ボルト位置決め板
83 ボルト穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転ポンプの回転軸と駆動モータの回転軸がカップリングによって直列に連結されて配置されるように前記回転ポンプと前記駆動モータが載置される回転ポンプのベース部構造であって、
レール状の長尺部材として形成され、ボルトの頭部が嵌って長手方向にスライド可能に上面部より下側が広がった断面形状の長溝を有する一対のベースフレームを構成要素とし、前記回転ポンプと前記駆動モータのそれぞれが長手方向にスライドされて着脱できるように、前記一対のベースフレームが所要の間隔をおいて平行に配されていることを特徴とする回転ポンプのベース部構造。
【請求項2】
前記ベースフレームは、アルミニウムの押し出し成形によって設けられていることを特徴とする請求項1記載の回転ポンプのベース部構造。
【請求項3】
前記ボルトのネジ部側が嵌るボルト穴を有し、該ボルト穴に前記ボルトが嵌った状態で該ボルトの頭部と共に前記ベースフレームの前記長溝に嵌り、該長溝に沿って長手方向へ水平にスライド可能に且つ長手方向の端面から前記ボルトの位置決めが可能に短冊状の板材によって形成されたボルト位置決め板を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の回転ポンプのベース部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−156137(P2009−156137A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−334275(P2007−334275)
【出願日】平成19年12月26日(2007.12.26)
【出願人】(000103921)オリオン機械株式会社 (450)
【Fターム(参考)】