説明

圧力調整器

【課題】二次側に対するガスの供給、停止を簡単に行えるようにし、且つ二次側に供給するガスを安定した圧力とする。
【解決手段】減圧機構11を内蔵し一次側から供給された高い圧力を持ったガスを減圧して二次側に供給し得るように構成した圧力調整器Aに於いて、一次側のガス供給源に対し着脱可能に構成された一次側着脱部2と、高い圧力を持ったガスを減圧する減圧機構11と、減圧されたガスを二次側に供給するために二次側作業部材を着脱可能に構成した二次側着脱部8と、一次側着脱部2と減圧機構11との間に形成された一次側通路4と、減圧機構11と二次側着脱部8との間に形成された二次側通路7と、減圧機構11と一次側通路4と二次側通路7を内蔵したケーシング1と、を有し、一次側通路4又は二次側通路7に開閉弁5を設けると共に、開閉弁5を開閉する開閉ハンドル9をケーシング1の外周に回動可能に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一次側のガスの供給源から供給されたガスの圧力を減圧して二次側に供給する圧力調整器であって、二次側に対するガスの供給及び停止を行う開閉弁を設けた圧力調整器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガスの圧力調整器は、ケーシングの内部に供給された高い圧力を持ったガスを目的の圧力に減圧する減圧機構が設けられている。そして高い圧力を持ったガスが供給される一次側の端部には、供給源となるボンベや工場配管に対し着脱可能に構成されたねじやガット等の着脱部材が設けられている。また、減圧されたガスを供給する二次側の端部には目的の作業を行う作業部材やホース類が着脱可能なねじ等が設けられている。
【0003】
ガス切断を含むガス加工には、燃料ガス用の圧力調整器と、酸素用の圧力調整器とが利用されている。これらの圧力調整器の構造は略同じであり、夫々一次側の取付部は燃料ガスボンベや酸素ボンベ、或いは工場配管に対し着脱可能に構成されている。また二次側の取付部はガス切断トーチやガス溶接トーチ等のガス加工器具を接続したホースを着脱し得るように構成されている。
【0004】
これらの圧力調整器は、例えば特許文献1に記載されるように構成されている。即ち、弁口はメイン弁に作用する一次側の圧力によって閉鎖されている。そして、バネを介してダイヤフラムに作用する力を調整することで、メイン弁と弁口との間の面積を調整することで一次圧力を減圧して二次側に供給することが可能である。またダイヤフラムに作用する力を調整するには、ねじによってバネの撓みを調整することで行っている。
【0005】
ガス加工で使用するガス加工器具には比較的に高い圧力を持ったガスが供給される。特に、非作業時にはガスがガス加工器具から漏洩してはならない。これらの理由から、ガス加工に利用される圧力調整器は、非作業時には常にねじをゆるめておき、バネの力をダイヤフラムに作用させることなく、弁口をメイン弁によって閉鎖し得るようにしている。
【0006】
【特許文献1】特開2001−249722号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の如く、特許文献1に記載された圧力調整器は、非作業時には弁口が一次側の圧力が作用するメイン弁によって閉鎖された状態を維持する。このため、予期しない理由でガス加工器具に設けたバルブが開いたとしても、ガスの漏洩を防ぐことができる。しかし、作業を開始し或いは停止する都度、ねじを緩めたり、締め付けたりしてダイヤフラムに作用する力を調整して二次側の圧力を調整する必要があるため、作業が繁雑になるという問題が生じている。
【0008】
また、ねじを調整して供給されたガスの圧力を減圧する場合、ガス加工器具を構成するガス加工トーチに装着された火口の仕様に対応した二次側の供給圧力に調整することが必要であるが、この圧力調整が作業員に委ねられるため、ばらつきが生じてしまうという問題もある。
【0009】
本発明の目的は、二次側に対するガスの供給、停止を簡単に行えるように構成すると共に、二次側に供給するガスを安定した圧力とすることができる圧力調整器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明に係る圧力調整器は、減圧機構を内蔵し一次側から供給された高い圧力を持ったガスを減圧して二次側に供給し得るように構成した圧力調整器に於いて、一次側のガス供給源に対し着脱可能に構成された一次側着脱部と、高い圧力を持ったガスを減圧する減圧部と、減圧されたガスを二次側に供給するために二次側作業部材を着脱可能に構成した二次側着脱部と、前記一次側着脱部と減圧部との間に形成された一次側通路と、前記減圧部と二次側着脱部との間に形成された二次側通路と、前記減圧部と一次側通路と二次側通路を内蔵したケーシングと、を有し、前記一次側通路又は二次側通路に該一次側通路又は二次側通路を開閉する開閉弁を設けると共に、該開閉弁を開閉する開閉ハンドルを前記ケーシングの外周に回動可能に設けたものである。
【0011】
上記圧力調整器に於いて、開閉弁が、一次側通路又は二次側通路に設けた穴を開閉して該一次側通路又は二次側通路を開閉する弁体と、前記弁体を穴を閉鎖する方向に付勢する付勢部材と、を有して構成されており、開閉ハンドルの回動に伴って、前記弁体を付勢部材の付勢力に抗して穴から離隔させて該穴を開放し又は付勢部材の付勢力によって弁体を穴に当接させて該穴を閉鎖するように構成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る圧力調整器では、一次側通路又は二次側通路に開閉弁を設け、ケーシングの外周に該ケーシングに対して回動することで開閉弁を開閉する開閉ハンドルを設けたので、減圧機構を操作することなく一次側通路又は二次側通路を開閉することができる。このため、一次側に供給されたガスの圧力調整とは独立してガスの供給、停止を行うことが可能となる。従って、ガスの供給、停止を行う最に減圧機構によって設定された二次側の圧力を変化させる必要がない。また開閉ハンドルの回動によってガスの供給、停止を行えるので、操作が簡単になる。
【0013】
また、一次側通路又は二次側通路に設けた穴を付勢部材によって付勢された弁体によって閉鎖し、この弁体を開閉ハンドルの開動作によって穴から離隔させることで開放するように構成したので、開閉ハンドルを開方向又は閉方向に回動させることで確実に開閉することができる。
【0014】
特に、一次側通路に穴を設け、この穴を開放し又は閉鎖するように構成した場合には、ガスの供給が停止されているとき、減圧機構に一次側の圧力が作用することがない。このため、確実な閉鎖状態を維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る圧力調整器の最も好ましい実施形態について説明する。本発明の圧力調整器は、減圧機構の操作によることなく、二次側に対するガスの供給、停止(開閉)を実現したものである。このため、圧力調整器の二次側に接続された加工器具に対するガスの供給、停止を簡単な操作で行うことが可能である。また二次側に対するガスの供給、停止を減圧機構の操作を伴うことなく行うことによって、ガス加工器具に対し安定した圧力を持ったガスを供給することが可能である。
【実施例1】
【0016】
次に、本実施例に係る圧力調整器の実施例について説明する。図1は本実施例に係る圧力調整器の構成を説明する図である。図2は本実施例の圧力調整器に於ける一次側通路に設けた開閉弁の構成を説明する図である。図3は開閉ハンドルの構成の作用を説明する図である。
【0017】
先ず、図1により圧力調整器Aの構成について説明する。この圧力調整器Aは一次側着脱部2と減圧部を構成する減圧機構11との間に設けた一次側通路4に開閉弁5を設けて構成されており、二次側に設けたガス加工器具としてのガス切断トーチ(図示せず)に対し所定の圧力に減圧された酸素を供給するためのものである。
【0018】
圧力調整器Aのケーシング1には、一次側のガス供給源となる図示しない酸素ボンベの吐出口に着脱可能に構成された一次側着脱部2が設けられている。この一次側着脱部2は、ケーシング1に固定された弁ケース3に取り付けたソケット2aと、該ソケット2aに嵌合した袋ナット2bと、によって構成されている。そして、袋ナット2bを利用して酸素ボンベの吐出口に着脱可能し得るように構成されている。
【0019】
尚、一次側着脱部2は上記構成にのみ限定するものではなく、一次側のガス供給源に於ける吐出口の構造に対応した構造を有する。例えば、一次側のガス供給源の吐出口の構造が雌ねじであるような場合、一次側着脱部2は、この雌ねじに螺合する雄ねじによって構成される。また一次側のガス供給源の吐出口の構造がねじ以外の構造であるような場合には、夫々対応する構造に構成されるのは当然である。
【0020】
一次側着脱部2と減圧機構11との間に一次側通路4が構成されており、この一次側通路4に開閉弁5が設けられている。開閉弁5は、ケーシング1の外周部分の側面に固定された弁ケース3の内部に構成されている。
【0021】
即ち、弁ケース3には、図2に示すように、一次側着脱部2を構成するソケット2aに連通し且つ斜めに形成された一次側通路4と、直線状に減圧機構11に連通した一次側通路4が形成されており、これら二つの一次側通路4を接合する部位に、開閉弁5によって開閉される穴4aが形成されている。穴4aの上方には弁ケース3を貫通してガイド穴3aが形成されており、下方には開閉弁5の構成部材を収容する収容穴3bが形成され、更にこの収容穴3bは閉塞部材3cによって閉塞されている。
【0022】
開閉弁5は、穴4aを閉鎖し或いは開放する弁体5aと、弁体5aを穴4aの方向に付勢する付勢部材となるバネ5bと、弁体5aと一体的に構成されたステム5cと、によって構成されている。前記弁体5aとバネ5bは弁ケース3に設けた収容穴3bに収容されており、バネ5bの一端が弁体5aに他端が閉塞部材3cに当接することで、弁体5aを穴4aの方向に付勢し得るように構成されている。
【0023】
また開閉弁5を構成するステム5cは、穴4a、4を貫通して弁ケース3に設けたガイド穴3aに収容され、後述する開閉ハンドルの回動に伴って、該ガイド穴3aに沿った方向に摺動し得るように構成されている。またステム5cと弁ケース3のガイド穴3aとの間に形成される間隙はOリング5dによって閉鎖され、ガスが漏洩することを防止している。
【0024】
弁ケース3に形成されたガイド穴3aに収容されたステム5cの更に上部(ガイド穴3aの開口側)にボール6が回転可能に配置されている。このボール6は後述する開閉ハンドル9の斜面9cと接触して押圧され、この押圧によりステム5cに作用するバネ5bの付勢力に抗して弁体5aを穴4aから離隔させるものである。
【0025】
このため、ボール6はガイド穴3aに収容されたステム5cの上部側に収容されて一部を露出した状態で、ガイド穴3aの開口端部を縮径することによって、回転可能に且つガイド穴3aから離脱不能に配置されている。
【0026】
ケーシング1の内部には、一次側通路4と連通して該一次側通路4を通った高圧酸素を減圧する減圧機構11が構成されている。この減圧機構は、ノズル11aと、シート11bと、シート11bをノズル11a方向に付勢するバネ11cと、ノズル11aを貫通して配置されシート11bを駆動するノズルピン11dと、ダイヤフラム11eと、ダイヤフラム11eに力を作用させる調整バネ11fと、調整バネ11fに撓みを生じさせる圧力設定ねじ11gと、を有して構成されている。
【0027】
またケーシング1の内部はノズル11aを境界として一次側通路4と二次側通路7とが形成されており、特に、ノズル11aの一次側通路4側にシート収容室10が形成されると共に該シート収容室10は閉塞部材10aによって閉塞されている。そしてシート収容室10にシート11bとバネ11cが収容されており、該シート11bはばね11cによってノズル11aの方向に付勢されて該ノズル11aを閉鎖し得るように構成されている。またシート11bにはノズル11aを貫通したノズルピン11dが当接しており、該ノズルピン11dの端部がダイヤフラム11eと接触している。
【0028】
特に、圧力設定ねじ11gは、中心に六角レンチによって駆動される六角穴が形成された六角穴付ボルトとして構成されており、ケーシング1から露出した部分を有していない。このため、作業中に予期せぬ物が接触して圧力設定ねじ11gが回転するような虞がなく、二次側で必要とする目的の圧力を安定して維持することが可能である。
【0029】
上記の如く構成された減圧機構11では、圧力設定ねじ11gを操作して調整バネ11fに撓みを生じさせると、この撓みに応じた力によってダイヤフラム11eに撓みが生じ、この撓みによってノズルピン11dがシート11bをノズル11aから離隔させる方向に移動させる。この結果、ノズル11aがダイヤフラム11eの撓みに応じて開き、一次側通路4に供給されているガスが二次側通路7に流入し、この過程でガスが減圧される。
【0030】
二次側通路7には、ガス加工器具が着脱可能に構成された二次側着脱部8が構成されている。この二次側着脱部8は、ケーシング1に固定されたターミナル8aを有しており、該ターミナル8aに図示しないホースを差し込んだホース差8bを嵌合した袋ナット8cを螺合することで、ガス切断トーチを着脱し得るように構成されている。
【0031】
開閉ハンドル9は図1に示すようにケーシング1の外周に回動可能に設けられている。本実施例では、開閉ハンドル9はケーシング1の最も外径の大きい部位に設けられているが、この構成に限定するものではなく、ケーシング1の調整バネ11fを収容するボンネット1aの外周部分に設けても良い。しかし、開閉ハンドル9は単独で目的の機能を発揮するものではなく、一次側通路4に設けた開閉弁5と協働して機能を発揮する。このため、開閉ハンドル9のケーシング1に対する設置部位は開閉弁5の設置位置と対応していることが好ましい。
【0032】
開閉ハンドル9は、リング状に形成されたハンドル本体9aと、ハンドル本体9aに固定され該ハンドル本体9aとによってケーシング1の外周に沿って形成されたフランジ1bを挟持することで該ハンドル本体9aの離脱を防ぐと共に回動可能に装着するプレート9bと、を有して構成されている。
【0033】
ハンドル本体9aは、ケーシング1の外周に回動して開閉弁5の開閉を行う機能を有するものである。図3に示すように、ハンドル本体9aのケーシング1に固定した弁ケース3に対向する面には、弁ケース3のガイド穴3aに収容されたボール6と接触し、ハンドル本体9aの回転に伴ってボール6を押圧してステム5c(弁体5a)をガイド穴3aの軸心に沿って移動させる斜面9cが形成されている。
【0034】
図3(a)、(b)に示すように、斜面9cはハンドル本体9aの90度の範囲に形成されており、ハンドル本体9aを90度回動させることで、開閉弁5の弁体5aを穴4aから離隔させて一次側通路4を開放し、或いは弁体5aを穴4aに当接させて開放されている一次側通路4を閉鎖し得るように構成されている。
【0035】
またハンドル本体9aの弁ケース3と対向する面であって斜面9cを形成した部分以外の部分は、斜面9cよりも弁ケース3側に接近した水平面9dが形成されている。このため、斜面9cと水平面9dとの境界に夫々段差が形成されており、この段差を構成する端面9eがボール6と衝突したときにハンドル本体9aの回動を阻止するストッパーとして機能する。
【0036】
更に、斜面9cにはハンドル本体9aの90度に対応する部分に夫々V溝9fが形成されており、このV溝9fにボール6が嵌入したときに「かちっ」というラッチ音と、操作する手に軽い衝撃が生じ、一次側通路4に形成された穴4aが開放したこと、或いは穴4aが閉鎖したことを伝えることが可能なように構成されている。
【0037】
本実施例に於いて、ハンドル本体9aの位置B〜位置Cの間に斜面9bが形成されており、夫々の位置B、CにV溝9fが形成されている。また位置Bと位置Cとの間に於ける斜面9bの高さの差は2.5mmに設定されている。また位置Aと位置Dには夫々端面9eが形成されており、これらの端面9eによって開閉ハンドル9の回動限が規定されている。
【0038】
上記の如く構成された圧力調整器Aでは、予め減圧機構11の圧力調整ねじ11gを操作してノズル11aとシート11bとの間の面積を調整しておくことで、一次側通路4から高い圧力を持った酸素を供給したとき、この供給された酸素を減圧機構11によって予め設定されている二次側の圧力まで減圧することが可能である。
【0039】
そして、一次側着脱部2を酸素供給源(例えば酸素ボンベ)に装着すると共に二次側着脱部8にガス切断トーチを接続し、開閉ハンドル9を反時計方向に回動限まで回動させた状態で酸素供給源から高い圧力を持った酸素を供給する。このとき供給された酸素は開閉弁5の弁体5aが一次側通路4に形成された穴4aを閉鎖しているため、該開閉弁5によって二次側通路7への供給は停止している。即ち、二次側着脱部8に対する酸素の供給が停止している。
【0040】
二次側でのガス切断作業を開始する場合、開閉ハンドル9を時計方向に回動させる。この回動に伴ってハンドル本体9aに形成された斜面9cがボール6、ステム5cを押圧してガイド穴3aに沿って移動させ、この移動に伴って弁体5aが穴4aから離隔する。開閉ハンドル9を時計方向に90度回動させたとき、ボール6は斜面9cに形成されたV溝9fに嵌入して回動を停止させる。
【0041】
開閉ハンドル9が90度の回動を行ったとき、開閉弁5を構成する弁体5aは一次側通路4の穴4aから充分に離隔し、この結果、穴4aが開放して高い圧力を持った酸素が減圧機構11に供給され、ノズル11aを通って減圧され、減圧された酸素は二次側通路7を経て二次側着脱部8からガス切断トーチに供給される。
【0042】
このとき、開閉弁5を構成する弁体5aにはバネ5bによる穴4a方向への付勢力が作用しており、この付勢力はステム5c、ボール6を介して開閉ハンドル9にも伝えられる。
【0043】
二次側でのガス切断作業が終了したとき、開閉ハンドル9を反時計方向に回動させる。この回動に伴ってボール6はバネ5bの付勢力によってガイド穴3aの上方(ハンドル本体9aの方向)に移動し、同時にステム5c、弁体5aも同じ方向に移動する。そして、開閉ハンドル9が90度回動したとき、ボール6が斜面9cに形成されたV溝9fに嵌入して回動を停止すると共に、弁体5aが穴4aに当接して該穴4aを閉鎖する。この結果、減圧機構11に対する酸素の供給が遮断され、二次側着脱部8に対する酸素の供給が停止する。
【0044】
上記の如く、二次側へ供給する酸素の圧力調整と、二次側への酸素の供給又は停止と、を減圧機構11の操作と開閉ハンドル9の操作との異なる操作によって行うように構成することによって、酸素の供給、停止を極めて簡単な作業で行うことが可能となる。また二次側での作業の都度、圧力調整を行う必要がないため、二次側に供給される酸素の圧力を安定して維持することが可能となる。
【0045】
また、上記実施例では開閉弁5を一次側通路4に設けたが、二次側通路7に設けることでも良い。開閉弁5を二次側通路7に設ける場合、本実施例と同様の弁ケース3をケーシング1に固定し、該弁ケース3に本実施例の一次側着脱部2に代えて二次側着脱部8を設けると共に、本実施例の二次側着脱部8に代えて一次側着脱部2を設ければ良い。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明に係る圧力調整器Aは、ガス加工器具に対して酸素の供給を行う圧力調整器に限定されることなく、酸素吸入を必要とする患者に対する酸素の供給を行う圧力調整器、ガス加工に利用する燃料ガスや、他の加工に利用する不活性ガス等の圧力調整器として利用して有利である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本実施例に係る圧力調整器の構成を説明する図である。
【図2】本実施例の圧力調整器に於ける一次側通路に設けた開閉弁の構成を説明する図である。
【図3】開閉ハンドルの構成の作用を説明する図である。
【符号の説明】
【0048】
A 圧力調整器
1 ケーシング
1a ボンネット
1b フランジ
2 一次側着脱部
2a ソケット
2b 袋ナット
3 弁ケース
3a ガイド穴
3b 収容穴
3c 閉塞部材
4 一次側通路
4a 穴
5 開閉弁
5a 弁体
5b バネ
5c ステム
5d Oリング
6 ボール
7 二次側通路
8 二次側着脱部
8a ターミナル
8b ホース差
8c 袋ナット
9 開閉ハンドル
9a
9a ハンドル本体
9b プレート
9c 斜面
9d 水平面
9e 端面
9f V溝
10 シート収容室
10a 閉塞部材
11 減圧機構
11a ノズル
11b シート
11c バネ
11d ノズルピン
11e ダイヤフラム
11f 調整バネ
11g 圧力設定ねじ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
減圧機構を内蔵し一次側から供給された高い圧力を持ったガスを減圧して二次側に供給し得るように構成した圧力調整器に於いて、一次側のガス供給源に対し着脱可能に構成された一次側着脱部と、高い圧力を持ったガスを減圧する減圧部と、減圧されたガスを二次側に供給するために二次側作業部材を着脱可能に構成した二次側着脱部と、前記一次側着脱部と減圧部との間に形成された一次側通路と、前記減圧部と二次側着脱部との間に形成された二次側通路と、前記減圧部と一次側通路と二次側通路を内蔵したケーシングと、を有し、前記一次側通路又は二次側通路に該一次側通路又は二次側通路を開閉する開閉弁を設けると共に、該開閉弁を開閉する開閉ハンドルを前記ケーシングの外周に回動可能に設けたことを特徴とする圧力調整器。
【請求項2】
前記開閉弁が、一次側通路又は二次側通路に設けた穴を開閉して該一次側通路又は二次側通路を開閉する弁体と、前記弁体を穴を閉鎖する方向に付勢する付勢部材と、を有して構成されており、開閉ハンドルの回動に伴って、前記弁体を付勢部材の付勢力に抗して穴から離隔させて該穴を開放し又は付勢部材の付勢力によって弁体を穴に当接させて該穴を閉鎖するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載した圧力調整器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−99006(P2009−99006A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−271017(P2007−271017)
【出願日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(000185374)小池酸素工業株式会社 (64)
【Fターム(参考)】