説明

地図表示システム、経路探索サーバおよび経路探索方法ならびに端末装置

【課題】所望の出発点を起点とし、所望の時間の範囲内で到達できる各地点までの道路リンクの渋滞状況を地図画像に重ね合わせて表示する。
【解決手段】出発地と出発日時を設定し、所望のT時間経過後までの予想到達時刻における出発地からの周辺の予測渋滞の情報を地図画像とともに表示手段25に表示する地図表示システム10であって、予測渋滞地図表示を行う場合、経路探索手段39は、経路探索用のネットワークデータに、設定された日時の予測渋滞のデータを反映させ、前記T時間経過後までの到達圏を探索し、到達圏探索の結果により得られた到達圏に含まれる各リンクと、各リンクへの到達時刻に基づいて、道路交通情報データベース36に蓄積された予測渋滞データを参照し、各リンクの到達時刻が属する時間帯の予測渋滞データを取得し地図画像とともに予測渋滞の情報を表示手段25に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所望の出発地から目的地までの経路を探索し、地図とともに探索した経路を表示する地図表示システムに関するものであり、特に、例えば、道路交通情報(道路の渋滞状況)を加味した経路探索が可能な地図表示システムにおいて、所望の出発点を起点とし、所望の時間の範囲内で到達でき、かつ、渋滞の影響による遅延の度合いが少なく快適な旅行(ドライブ)ができる目的地を選択可能とするため、地図画像上に所定の時間の範囲内で到達できる各地点までの道路リンクの渋滞状況を重ね合わせて表示するようにした地図表示システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、地図データ、道路データを用いて、所望の出発地から目的地までの経路を探索して利用者を案内するナビゲーション装置、ナビゲーションシステムが知られており、このようなナビゲーション装置、ナビゲーションシステムとしては、自動車に搭載して運転者に経路を案内するカーナビゲーション装置、携帯電話をナビゲーション端末として利用して経路探索サーバに経路探索要求を送り、その結果を受信して経路案内を受ける通信型のナビゲーションシステムなどが実用化されている。
【0003】
特に、通信型のナビゲーションシステムは、携帯電話などの携帯端末をナビゲーション端末として利用したシステムであって、歩行者用のナビゲーションシステムとしても用いられるものである。歩行者用のナビゲーションシステムとしては、交通機関を含めた経路案内機能を付加することが好ましく、徒歩経路の探索と案内に加えて、経路探索サーバに交通機関の路線や運行時刻データを蓄積し、所望の出発駅から所望の目的駅までの経路(乗車候補列車)を、徒歩経路の探索と案内に加えて案内する機能を有するナビゲーションシステムも存在する。また、徒歩経路の経路探索を伴わずに情報配信サーバから交通機関の路線や時刻表、乗車可能な列車などの情報の配信を受けて表示する交通案内システムも存在する。
【0004】
一般的なナビゲーション装置、通信ナビゲーションシステムに使用される経路探索装置、経路探索方法は、例えば、下記の特許文献1(特開2001−165681号公報)に開示されている。このナビゲーションシステムは、携帯ナビゲーション端末から出発地と目的地の情報を情報配信サーバに送り、情報配信サーバで道路網や交通網のデータから探索条件に合致した経路を探索して案内するように構成されている。探索条件としては、出発地から目的地までの移動手段、例えば、徒歩、自動車、鉄道と徒歩の併用などがあり、これを探索条件の1つとして経路探索する。
【0005】
情報配信サーバは、地図データの道路(経路)をその結節点、屈曲点の位置をノードとし、各ノードを結ぶ経路をリンクとし、全てのリンクのコスト情報(距離や所要時間)をデータベースとして備えている。そして、情報配信サーバは、データベースを参照して、出発地のノードから目的地のノードに至るリンクを順次探索し、リンクのコスト情報が最小となるノード、リンクをたどって案内経路とすることによって最短の経路を携帯ナビゲーション端末に案内することができる。このような経路探索の手法としてはラベル確定法あるいはダイクストラ法と言われる手法が用いられる。上記特許文献1には、このダイクストラ法を用いた経路探索方法も開示されている。
【0006】
経路探索して得た出発地から目的地までの経路のうち、経路の累計コスト(距離または時間)が最小となる経路が最適な案内経路として決定され、案内経路データが作成される。案内経路データには、最適経路のデータの他に地図データ、ガイダンスデータが含まれ、案内経路データは必要に応じて案内データ記憶手段から読み出され表示手段に地図画像とともに表示される。一般的には、ナビゲーション装置が有するGPS受信機を用いて測位したナビゲーション装置の現在位置を含む一定の縮尺、一定の範囲の地図に、案内経路と、ナビゲーション装置の現在位置を示すマークを重ね合わせ、該現在位置マークが表示画面の中心になるように表示する。
【0007】
一般的なナビゲーションシステムにおいては、所望の目的地に所望の時刻に到着できる経路を探索して案内することができる。この場合、経路探索サーバは目的地に所定の時刻に到着できる複数の推奨経路を探索して、それらの経路をリスト表示してユーザが所望の経路を選択することができるように構成される。
【0008】
このような経路探索システムは、例えば、下記の特許文献2(特開2007−85989号公報)にナビゲーション装置の発明として開示されている。このナビゲーション装置は、出発地から目的地までの推奨経路を探索し、その推奨経路の所要時間を算出し、さらに経路探索の条件を変更して複数の推奨経路を探索し、その所要時間を算出するように構成され、それぞれの推奨経路をその推奨経路の所要時間の差と共にリスト表示する。
【0009】
また、車載用のナビゲーションシステムおいては、単に目的地までの静的な最適経路を案内するに止まらず、道路交通情報システムから渋滞状況を含む情報を取得して、案内経路に渋滞が発生している場合に、渋滞を回避した他の最適経路を動的に再探索して案内するシステムも考慮されている。
【0010】
更に、道路交通情報に基づく過去の渋滞状況を統計的に処理した道路交通情報データベースを備え、ある日時における道路リンクの渋滞状況を地図画像上に重ね合わせて表示するようにしたナビゲーションシステムも提案されている。例えば、下記の特許文献3(特開2006−162323号公報)には、そのようなナビゲーション装置の交通情報表示方法が開示されている。
【0011】
この特許文献3に開示された交通情報表示方法は、ナビゲーション装置は、時間帯ごとの交通情報(例えば渋滞度)である時系列交通情報(予測交通情報)を入手し、地図上に任意の点について、その地点への予想到達時刻の属する時間帯の交通情報を表示するように構成されたものである。この交通情報表示方法においては、経路探索した結果も表示することができ、また、経路上の途中のリンクについては、そのリンクへの予想到達時刻における交通情報を表示するようにすることができる。
【0012】
【特許文献1】特開2001−165681号公報
【特許文献2】特開2007−85989号公報
【特許文献3】特開2006−162323号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記特許文献3に開示された交通情報表示システムによれば、渋滞を考慮した経路探索の結果とともに、時間帯ごとの交通情報(例えば渋滞度)である時系列交通情報(予測交通情報)を入手し、地図上の各地点について、その地点への予想到達時刻の属する時間帯の交通情報を表示することができる。このように地図画像上に各道路の時間帯毎の渋滞状況を重ね合わせて表示する予測渋滞地図表示を行えば、利用者はある時刻に出発地を出発した場合であって所望時間経過した時点の推奨経路における渋滞の状況を地図画像上で確認することができる。
【0014】
ところで、一般的に渋滞が予測される日に自動車による旅行を計画する場合、ナビゲーションシステムの利用者によっては、渋滞を避け、所定の時間の範囲内で到達できる地点まで快適にドライブしたいという要求がある。このような要求に対して、上記特許文献3に開示された交通情報表示システムによれば、時間帯ごとの交通情報を統計的に処理して作成した時系列交通情報(予測渋滞情報)を入手し、地図上の各地点について、その地点への予想到達時刻の属する時間帯の交通情報(予測される渋滞状況)を表示することができる。しかしながら、実際の経路探索においては、以下のような困難が伴う。
【0015】
すなわち、一般的なナビゲーションシステムにおける経路探索はダイクストラ法が用いられる。ダイクストラ法においては出発地から目的地までのリンクをたどり、各々のリンクコスト(距離または時間)が最小となるリンクを繋ぐ経路が最適経路(コスト最小の経路)として探索される。この場合、探索された経路は最適経路を構成するリンクにより構成されるものであるから、最適経路とならなかった他のリンクのコスト情報は算出されない。このため、特許文献3に開示された技術を適用して、ある出発地を所望の出発時刻に出発して所望の時間内に到達できる各地点までの全ての道路リンクについて渋滞状況を表示するためには、あらゆる経路を探索する必要があり、現実的な方法ではないという問題点がある。
【0016】
本願の発明者は、上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、ある出発地を所望の時刻に出発して、所望の時間内に到達できる地点を探索する(このような探索を到達圏探索という)際に、ダイクストラ法による最適経路探索の過程で一時記憶装置に残されたリンク情報の中から最適経路とならなかったリンク情報を抽出することによって、地図画像上に到達圏および該到達圏に含まれる道路リンクに関する渋滞状況を表示することができることに想到して本発明を完成するに至ったものである。
【0017】
すなわち、本発明は上記の問題点を解消することを課題とし、道路交通情報(道路の渋滞状況)を加味した経路探索が可能な経路探索サーバを有する地図表示システムにおいて、所望の出発点を起点とし、所望の時間の範囲内で到達でき、かつ、渋滞の影響による遅延の度合いが少なく快適な旅行(ドライブ)ができる目的地を選択可能とするため、地図画像上に所定の時間の範囲内で到達できる各地点までの道路リンクの渋滞状況を重ね合わせて表示することができる地図表示システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
地図データを蓄積した地図データベースと、道路交通情報を統計的に処理して作成された予測渋滞データを蓄積した道路交通情報データベースと、経路探索用ネットワークデータベースと、経路探索条件に従って経路を検索する経路探索手段と、を備え、出発地と出発日時を設定して、出発時刻から所望のT時間経過後までの予想到達時刻における前記出発地からの各道路のリンクにおける予測渋滞の情報を地図画像とともに表示手段に表示する予測渋滞地図表示機能を有する地図表示システムであって、
前記予測渋滞地図表示を行う場合、前記経路探索手段は、前記経路探索用ネットワークデータベースに蓄積された経路探索用のネットワークデータに、前記予測渋滞データを反映させ、前記T時間経過後までの到達圏を探索し、前記地図表示システムは、前記到達圏探索の結果により得られた到達圏に含まれる各リンクと、各リンクへの到達時刻に基づいて、前記道路交通情報データベースに蓄積された前記予測渋滞データを参照し、各リンクの到達時刻が属する時間帯の予測渋滞データを取得し、地図画像とともに前記リンク毎の予測渋滞データに基づいて、前記予測渋滞の情報を表示手段に表示することを特徴とする地図表示システム。
【0019】
また、本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる地図表示システムにおいて、
前記地図表示システムは、リンク抽出手段と前記リンク抽出手段が抽出した各リンクへの到達時刻を記憶する到達時刻記憶手段と、前記各リンクへの到達時刻に基づいて、該到達時刻が属する時間帯に該当する前記予測渋滞データを前記道路交通情報データベースから取得して該当リンクに対応して記憶する予測渋滞リンク記憶手段を備え、
前記経路探索手段が探索した到達圏に基づいて、前記リンク抽出手段は、前記到達圏に含まれるリンクを抽出し、前記到達時刻記憶手段は、前記抽出されたリンクへの到達時刻を記憶し、前記予測渋滞リンク記憶手段は、前記到達時刻記憶手段に記憶された前記各リンクへの到達時刻に基づいて、該到達時刻が属する時間帯に該当する前記予測渋滞データを前記道路交通情報データベースから取得して該当リンクに対応して記憶し、前記表示手段は、前記到達圏を含む地図画像とともに、前記予測渋滞リンク記憶手段に記憶された渋滞予測データに基づく予測渋滞の情報を表示することを特徴とする。
【0020】
また、本願の請求項3にかかる発明は、請求項2にかかる地図表示システムにおいて、前記リンク抽出手段は、前記到達圏において、到達圏に含まれることが特定された各ノードに接続されたリンクを抽出することを特徴とする。
【0021】
また、本願の請求項4にかかる発明は、請求項1または請求項2に記載の地図表示システムにおいて、前記リンクへの到達時刻は、当該リンクの両端のノードのうち、前記出発地側のノードへの到達時刻をもって当該リンクの到達時刻とすることを特徴とする。
【0022】
また、本願の請求項5にかかる発明は、請求項1または請求項2に記載の地図表示システムにおいて、
前記予測渋滞地図表示を行う場合、前記経路探索手段は、更に、前記経路探索用ネットワークデータベースに蓄積された経路探索用のネットワークデータを参照して標準コストを用いた到達圏探索を行い、前記経路探索用のネットワークデータに前記予測渋滞データを反映させて探索した前記T時間経過後の到達圏に含まれる各リンクについて、前記標準コストを用いて探索した到達圏に含まれるリンクの到達時刻と、前記予測渋滞データに基づく到達時刻との差分を、直前のリンクの前記差分に加算して累積差分を算出し、前記累積差分が所定の時間を超過した場合、当該リンクを到達圏に含まれるリンクから削除することを特徴とする。
【0023】
また、本願の請求項6にかかる発明は、
地図データを蓄積した地図データベースと、道路交通情報を統計的に処理して作成された予測渋滞データを蓄積した道路交通情報データベースと、経路探索用ネットワークデータベースと、経路探索条件に従って経路を検索する経路探索手段と、を備え、出発地と出発日時を設定して、出発時刻から所望のT時間経過後までの予想到達時刻における前記出発地からの周辺の各道路のリンクにおける予測渋滞の情報を地図画像とともに表示手段に表示する端末装置に、予測渋滞地図表示のためのデータを送信する経路探索サーバであって、
前記端末装置において予測渋滞地図表示を行う場合、前記経路探索手段は、前記経路探索用ネットワークデータベースに蓄積された経路探索用のネットワークデータに、前記予測渋滞データを反映させ、前記T時間経過後までの到達圏を探索し、前記地図表示システムは、前記到達圏探索の結果により得られた到達圏に含まれる各リンクと、各リンクへの到達時刻に基づいて、前記道路交通情報データベースに蓄積された前記予測渋滞データを参照し、各リンクの到達時刻が属する時間帯の予測渋滞データを取得し、地図画像とともに前記リンク毎の予測渋滞データに基づいて、前記予測渋滞の情報を前記端末装置に送信することを特徴とする。
【0024】
本願の請求項7にかかる発明は、請求項6にかかる経路探索サーバにおいて、
前記経路探索サーバは、リンク抽出手段と前記リンク抽出手段が抽出した各リンクへの到達時刻を記憶する到達時刻記憶手段と、前記各リンクへの到達時刻に基づいて、該到達時刻が属する時間帯に該当する前記予測渋滞データを前記道路交通情報データベースから取得して該当リンクに対応して記憶する予測渋滞リンク記憶手段を備え、
前記経路探索手段が探索した到達圏に基づいて、前記リンク抽出手段は、前記到達圏に含まれるリンクを抽出し、前記到達時刻記憶手段は、前記抽出されたリンクへの到達時刻を記憶し、前記予測渋滞リンク記憶手段は、前記到達時刻記憶手段に記憶された前記各リンクへの到達時刻に基づいて、該到達時刻が属する時間帯に該当する前記予測渋滞データを前記道路交通情報データベースから取得して該当リンクに対応して記憶し、前記表示手段は、前記到達圏を含む地図画像とともに、前記予測渋滞リンク記憶手段に記憶された渋滞予測データに基づく予測渋滞の情報を前記端末装置に送信することを特徴とする。
【0025】
また、本願の請求項8にかかる発明は、請求項7に記載の経路探索サーバにおいて、前記リンク抽出手段は、前記到達圏において、到達圏に含まれることが特定された各ノードに接続されたリンクを抽出することを特徴とする。
【0026】
また、本願の請求項9にかかる発明は、請求項6または請求項7に記載の経路探索サーバにおいて、前記リンクへの到達時刻は、当該リンクの両端のノードのうち、前記出発地側のノードへの到達時刻をもって当該リンクの到達時刻とすることを特徴とする。
【0027】
また、本願の請求項10にかかる発明は、請求項6または請求項7に記載の経路探索サーバにおいて、
前記端末装置において予測渋滞地図表示を行う場合、前記経路探索手段は、更に、前記経路探索用ネットワークデータベースに蓄積された経路探索用のネットワークデータを参照して標準コストを用いた到達圏探索を行い、前記経路探索用のネットワークデータに前記予測渋滞データを反映させて探索した前記T時間経過後の到達圏に含まれる各リンクについて、前記標準コストを用いて探索した到達圏に含まれるリンクの到達時刻と、前記予測渋滞データに基づく到達時刻との差分を、直前のリンクの前記差分に加算して累積差分を算出し、前記累積差分が所定の時間を超過した場合、当該リンクを到達圏に含まれるリンクから削除することを特徴とする。
【0028】
また、本願の請求項11にかかる発明は、
地図データを蓄積した地図データベースと、道路交通情報を統計的に処理して作成された予測渋滞データを蓄積した道路交通情報データベースと、経路探索用ネットワークデータベースと、経路探索条件に従って経路を検索する経路探索手段と、を備え、出発地と出発日時を設定して、出発時刻から所望のT時間経過後までの予想到達時刻における前記出発地からの各道路のリンクにおける予測渋滞の情報を地図画像とともに表示手段に表示する予測渋滞地図表示機能を有する地図表示システムにおける地図表示方法であって、
前記予測渋滞地図表示を行う場合、前記経路探索手段が、前記経路探索用ネットワークデータベースに蓄積された経路探索用のネットワークデータに、前記予測渋滞データを反映させ、前記T時間経過後までの到達圏を探索する探索ステップと、前記地図表示システムが、前記到達圏探索の結果により得られた到達圏に含まれる各リンクと、各リンクへの到達時刻に基づいて、前記道路交通情報データベースに蓄積された前記予測渋滞データを参照し、各リンクの到達時刻が属する時間帯の予測渋滞データを取得する予測渋滞データ取得ステップと、地図画像とともに前記リンク毎の予測渋滞データに基づいて、前記予測渋滞の情報を表示手段に表示する表示ステップと、を有することを特徴とする。
【0029】
また、本願の請求項12にかかる発明は、請求項11にかかる地図表示方法において、
前記地図表示システムは、リンク抽出手段と前記リンク抽出手段が抽出した各リンクへの到達時刻を記憶する到達時刻記憶手段と、前記各リンクへの到達時刻に基づいて、該到達時刻が属する時間帯に該当する前記予測渋滞データを前記道路交通情報データベースから取得して該当リンクに対応して記憶する予測渋滞リンク記憶手段を備え、
前記経路探索手段が探索した到達圏に基づいて、前記リンク抽出手段が、前記到達圏に含まれるリンクを抽出する抽出ステップと、前記到達時刻記憶手段が、前記抽出されたリンクへの到達時刻を記憶する到達時刻記憶ステップと、前記予測渋滞データ取得ステップは、前記予測渋滞リンク記憶手段が、前記到達時刻記憶手段に記憶された前記各リンクへの到達時刻に基づいて、該到達時刻が属する時間帯に該当する前記予測渋滞データを前記道路交通情報データベースから取得して該当リンクに対応して記憶する処理を含むことを特徴とする。
【0030】
また、本願の請求項13にかかる発明は、請求項12にかかる地図表示方法において、前記抽出ステップは、前記到達圏において、到達圏に含まれることが特定された各ノードに接続されたリンクを抽出する処理を含むことを特徴とする。
【0031】
また、本願の請求項14にかかる発明は、請求項11または請求項12にかかる地図表示方法において、前記リンクへの到達時刻は、当該リンクの両端のノードのうち、前記出発地側のノードへの到達時刻をもって当該リンクの到達時刻とすることを特徴とする。
【0032】
また、本願の請求項15にかかる発明は、請求項11または請求項12にかかる地図表示方法において、
前記予測渋滞地図表示を行う場合、前記経路探索手段は、更に、前記経路探索用ネットワークデータベースに蓄積された経路探索用のネットワークデータを参照して標準コストを用いた到達圏探索を行うステップを有し、前記経路探索用のネットワークデータに前記予測渋滞データを反映させて探索した前記T時間経過後の到達圏に含まれる各リンクについて、前記標準コストを用いて探索した到達圏に含まれるリンクの到達時刻と、前記予測渋滞データに基づく到達時刻との差分を、直前のリンクの前記差分に加算して累積差分を算出するステップと、前記累積差分が所定の時間を超過した場合、当該リンクを到達圏に含まれるリンクから削除するステップと、を有することを特徴とする。
【0033】
また、本願の請求項16にかかる発明は、
地図データを蓄積した地図データベースと、道路交通情報を統計的に処理して作成された予測渋滞データを蓄積した道路交通情報データベースと、経路探索用ネットワークデータベースと、経路探索条件に従って経路を検索する経路探索手段と、を備え、端末装置において予測渋滞地図表示を行う場合、前記経路探索手段は、前記経路探索用ネットワークデータベースに蓄積された経路探索用のネットワークデータに、前記予測渋滞データを反映させ、前記T時間経過後までの到達圏を探索し、前記地図表示システムは、前記到達圏探索の結果により得られた到達圏に含まれる各リンクと、各リンクへの到達時刻に基づいて、前記道路交通情報データベースに蓄積された前記予測渋滞データを参照し、各リンクの到達時刻が属する時間帯の予測渋滞データを取得し、地図画像とともに前記リンク毎の予測渋滞データに基づいて、前記予測渋滞の情報を前記端末装置に送信する経路探索サーバに接続される端末装置であって、
前記端末装置は、前記経路探索サーバに到達圏探索を要求する到達圏探索モードを有し、前記予測渋滞地図表示を行う場合、到達圏探索モードを設定し、出発地と出発日時と出発時刻から所望の旅行時間Tを設定する操作入力手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0034】
請求項1にかかる発明においては、地図表示システムは、地図データを蓄積した地図データベースと、道路交通情報を統計的に処理して作成された予測渋滞データを蓄積した道路交通情報データベースと、経路探索用ネットワークデータベースと、経路探索条件に従って経路を検索する経路探索手段と、を備え、出発地と出発日時を設定して、出発時刻から所望のT時間経過後までの予想到達時刻における前記出発地の周辺の各道路のリンクにおける予測渋滞の情報を地図画像とともに表示手段に表示する予測渋滞地図表示機能を有する。
そして、予測渋滞地図表示を行う場合、前記経路探索手段は、前記経路探索用ネットワークデータベースに蓄積された経路探索用のネットワークデータに、前記予測渋滞データを反映させ、前記T時間経過後までの到達圏を探索し、前記地図表示システムは、前記到達圏探索の結果により得られた到達圏に含まれる各リンクと、各リンクへの到達時刻に基づいて、前記道路交通情報データベースに蓄積された前記予測渋滞データを参照し、各リンクの到達時刻が属する時間帯の予測渋滞データを取得し、地図画像とともに前記リンク毎の予測渋滞データに基づいて、前記予測渋滞の情報を表示手段に表示する。
【0035】
このような構成によれば、渋滞を考慮した経路探索により所望の旅行時間で(T時間後に)到達し得る範囲(到達圏)を特定し、到達圏に入る各道路のリンクについてそのリンクへの到達時刻の属する時間帯において予測される渋滞状況を表示することができるようになる。利用者は表示手段に表示された地図画像により到達圏を知ることができ、また、到達圏に含まれる各道路において予測される渋滞状況を知ることができるようになるから、渋滞に遭遇せずに、あるいは、比較的渋滞の影響が少ない経路や目的地を選択し、快適な旅行(ドライブ)を楽しむことができるようになる。
【0036】
請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかる発明において、地図表示システムは、リンク抽出手段と前記リンク抽出手段が抽出した各リンクへの到達時刻を記憶する到達時刻記憶手段と、前記各リンクへの到達時刻に基づいて、該到達時刻が属する時間帯に該当する前記予測渋滞データを前記道路交通情報データベースから取得して該当リンクに対応して記憶する予測渋滞リンク記憶手段を備え、
前記経路探索手段が探索した到達圏に基づいて、前記リンク抽出手段は、前記到達圏に含まれるリンクを抽出し、前記到達時刻記憶手段は、前記抽出されたリンクへの到達時刻を記憶し、前記予測渋滞リンク記憶手段は、前記到達時刻記憶手段に記憶された前記各リンクへの到達時刻に基づいて、該到達時刻が属する時間帯に該当する前記予測渋滞データを前記道路交通情報データベースから取得して該当リンクに対応して記憶し、前記表示手段は、前記到達圏を含む地図画像とともに、前記予測渋滞リンク記憶手段に記憶された渋滞予測データに基づく予測渋滞の情報を表示する。
【0037】
このような構成によれば、ダイクストラ法を用いて、渋滞を考慮した経路探索により所望の旅行時間で到達し得る範囲(到達圏)を特定し、到達圏に入る各道路のリンクを抽出しその到達時刻を算出し、各リンクへの到達時刻の属する時間帯において予測される渋滞状況を取得することができるから、到達圏を示す地図画像とともに、各道路のリンクにおける予測される渋滞の状況を表示することができるようになる。
【0038】
請求項3にかかる発明においては、請求項2にかかる発明において、リンク抽出手段は、前記到達圏において、到達圏に含まれることが特定された各ノードに接続されたリンクを抽出する。
【0039】
このような構成によれば、経路探索手段は、ダイクストラ法を用いた到達圏探索を行う際に、到達圏に含まれたノードをもとに各リンクを抽出することができるようになる。
【0040】
請求項4にかかる発明においては、請求項1または請求項2にかかる発明において、リンクへの到達時刻は、当該リンクの両端のノードのうち、前記出発地側のノードへの到達時刻をもって当該リンクの到達時刻とする。
【0041】
このような構成によれば、抽出された全てのリンクへの到達時刻を特定することができるようになる。
【0042】
請求項5にかかる発明においては、請求項1または請求項2にかかる発明において、予測渋滞地図表示を行う場合、前記経路探索手段は、更に、前記経路探索用ネットワークデータベースに蓄積された経路探索用のネットワークデータを参照して標準コストを用いた到達圏探索を行い、前記経路探索用のネットワークデータに前記予測渋滞データを反映させて探索した前記T時間経過後の到達圏に含まれる各リンクについて、前記標準コストを用いて探索した到達圏に含まれるリンクの到達時刻と、前記予測渋滞データに基づく到達時刻との差分を、直前のリンクの前記差分に加算して累積差分を算出し、前記累積差分が所定の時間を超過した場合、当該リンクを到達圏に含まれるリンクから削除する。
【0043】
このような構成によれば、予測渋滞データでは明らかな渋滞状況にないが、実際には車の流れが悪い道路が存在した場合、長時間この状態が継続して到達圏探索の条件として設定した旅行時間内に対して、遅れが大きくなる地点を到達圏から除くことができるようになる。
【0044】
また、請求項6ないし請求項10にかかる発明においては、それぞれ請求項1ないし請求項5にかかる地図表示システムを構成する経路探索サーバを提供することができ、請求項11ないし請求項15にかかる発明においては、それぞれ請求項1ないし請求項5にかかる地図表示システムを実現するための地図表示方法を提供することができるようになる。また、請求項16にかかる発明においては、請求項1にかかる地図表示システムを構成する端末装置を提供することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための地図表示システムを例示するものであって、本発明をこの地図表示システムに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の地図表示システムにも等しく適用し得るものである。
【実施例1】
【0046】
本発明の実施例1にかかる地図表示システム10は、図1に示すように、携帯電話やPDA、ミュージックプレーヤーなどの携帯型端末を用いた端末装置20と経路探索サーバ30とがインターネットなどのネットワーク12を介して接続される構成になっている。なお、本実施例においては、通信型の経路探索、経路案内サービスを提供する地図表示システム10を具体例として説明するが、本発明はこれに限ることなく、パーソナルコンピュータを端末装置とするナビゲーションシステム、スタンドアロンタイプの経路探索システムになどにも適用可能である。
【0047】
図1に示すように地図表示システム10は、ネットワーク12を介して接続される端末装置20と経路探索サーバ30を備えて構成されている。この地図表示システム10は更に、各種カテゴリに属するPOIの所在地やサービス内容などの詳細情報を提供するPOI情報配信サーバ50、各道路の渋滞度などの道路交通情報を提供する道路交通情報配信サーバ51などを備えて構成されている。
【0048】
経路探索サーバ30はPOI情報配信サーバ50や道路交通情報配信サーバ51からネットワーク12を経由して必要なデータを取得して自身のデータベースに追加することができる。また、同様にしてPOI情報配信サーバ50に検索要求を送信して所望の検索結果を取得することもできる。
【0049】
道路交通情報配信サーバ51は道路に設置された監視端末により一定の時間間隔で道路の交通量を検出し、道路ごとの渋滞度を示す道路交通情報を作成する。従って道路交通情報は一定の時間ごとに更新される。VICS(登録商標)の場合、5分ごとに最新の道路交通情報に更新される。道路交通情報はFM放送を通じて放送される他、経路探索サーバ30からアクセスされ最新データが要求されると、最新の道路交通情報を配信する。
【0050】
図1に示す経路探索サーバ30は、地図データベース34、経路探索用ネットワークデータベース35、道路交通情報データベース36を備え、端末装置20から経路探索要求があると、経路探索用ネットワークデータベース35を参照して経路探索する。そして経路探索の結果により得た案内経路(推奨経路)を端末装置20に送信する一般的なナビゲーション機能を有している。また、端末装置20から所望の地点やPOIを指定して地図データの取得要求があると、地図データベース34を参照して該当する地図データを読み出して端末装置20に配信する。
【0051】
経路探索用ネットワークデータベース35には、道路ネットワークデータが蓄積される。道路ネットワークデータは道路を交差点や結節点をノードとして、各ノードを接続するリンクで表現したものであり、各リンクには標準的な速度で走行した場合の所要時間がリンクのコストとして対応付けられている。従って、この道路ネットワークデータを用いて探索した経路は、標準コストの経路となる。以下、このような通常の経路探索を標準コスト経路探索、探索された経路を標準コスト経路、その経路のコストを標準コストという。
【0052】
また、経路探索サーバ30は道路交通情報が更新されるタイミングになると道路交通情報配信サーバ51にアクセスして最新の道路交通情報を取得し、道路交通情報データベース36のデータを更新する。渋滞などの道路交通情報を加味した経路探索を行う場合、経路探索サーバ30は、経路探索用ネットワークデータ35に蓄積されたネットワークデータを、道路交通情報データベースに記憶した最新の道路交通情報に基づくリンクコストをネットワークデータ編集手段により編集して経路探索を行う。これにより渋滞などの影響による所要時間を反映した経路探索を行うことができる。以下、このような経路探索を渋滞考慮経路探索ということとする。
【0053】
更に、経路探索サーバ30は、所望の日時を指定して渋滞状況を加味した探索(渋滞考慮経路探索)を行うため、道路交通情報データベース36には、過去の道路交通情報を統計的に処理し、月日、曜日、祝祭日、時間帯、天候など種別ごとに、各道路リンクの渋滞度、渋滞所要時間などが蓄積された統計的道路交通データが蓄積されている。所望の経路探索日時が指定されると、経路探索サーバ30は、この統計的道路交通データから、経路探索条件として指定された日時条件に該当する日時の統計的道路交通データを取得して経路探索用ネットワークデータベース35の道路ネットワークデータを編集して経路探索を行う。以下の説明においては、統計的道路交通データを予測渋滞データということとする。
【0054】
端末装置20は、通常の経路探索要求(経路探索用ネットワークデータ35に蓄積された標準のリンクコストを用いた標準コスト経路探索)を行うこともでき、また、交通渋滞による影響を懸念する場合には、前述のような最新の道路交通情報や予測渋滞データに基づく渋滞などを加味した経路探索要求を行うこともできる。
【0055】
本発明において、経路探索サーバ30は、更に、所望の出発地をある時刻に出発して所望の旅行時間(経路コスト)の範囲内で到達できる地点の範囲を探索する到達圏探索の機能を有する。到達圏探索は、所望の旅行時間(経路コスト)の範囲内で到達できる地点の範囲を探索するものであるから、特に目的地を設定することなく、所望の時間で旅行できる地点の範囲を知ることができ、その地点の中から旅行先を選択したりする目的で使用することができる。到達圏探索機能は、標準コスト経路探索にも、道路の渋滞状況を加味した経路探索にも用いることができる。到達圏探索の手法については、例えば、特開2007−40721号公報に開示されている。
【0056】
経路探索サーバ30において探索された経路のデータや地図データは端末装置20に送信され、端末装置20は表示手段に地図画像を表示するとともに、経路探索サーバ30から受信した経路の画像や、端末装置20の現在位置を前記地図画像に重ね合わせて表示する。また、本発明の地図表示システムにおいては、表示手段に表示する地図画像上に各道路の渋滞の状況を表示する表示モード(以下、予測渋滞地図表示モードという)を有している。端末装置20から予測渋滞地図表示モードが指定された場合、地図データとともに、地図上の各道路における道路交通情報(渋滞の状況を示すデータを含む)が端末装置20に送信される。
【0057】
本発明においては、予測渋滞地図表示モードにおいて、端末装置20から、所望の日時および出発地と出発時刻を設定し、ある時間、T時間(所望の旅行時間)経過後までの到達圏探索が要求された場合、経路探索サーバ30は、渋滞考慮の経路探索を用いた到達圏探索を行い、指定された出発地を起点とし、指定された時刻の範囲内で到達できる範囲を探索し、かつ、探索した到達圏範囲に含まれる道路リンクについて予測渋滞データを用いてそのリンクの渋滞状況を地図画像上に重ね合わせて表示する。このようにすれば、端末装置20の利用者は、所望の出発地と旅行時間を設定し、渋滞の影響による遅延の度合いが少なく快適な旅行(ドライブ)ができる目的地を選択することができるようになる。
【0058】
すなわち、端末装置20の利用者が、予測渋滞地図表示モードを設定し、所望の日時を指定し、特に目的地を定めず所望の旅行時間を指定した場合、経路探索サーバ30は渋滞考慮経路探索において到達圏探索を行い、指定された旅行時間内に到達できる範囲を特定し、その範囲内に含まれる各道路リンクを抽出し、道路交通情報データベース36から該当する日時の予測渋滞データを取得し、端末装置20に送信し、端末装置20は表示手段に地図画像を表示するとともに、該地図画像上に各道路リンクの渋滞状況を表示する。
【0059】
経路探索サーバ30は、このような処理を行うため、経路探索用ネットワークデータに統計的道路交通データ(予測渋滞データ)を適用し、到達圏探索を行った際に最適経路とならなかったリンクを抽出するリンク抽出手段と、リンク抽出手段が抽出したリンクの到達時刻を記憶する到達時刻記憶手段と、各リンクの到達時刻に基づいてその到達時刻の属する時間帯における予測渋滞データ(予測渋滞コスト)を道路交通情報データベース36から取得して記憶する予測渋滞リンク記憶手段を備え、地図を表示する際、各道路のリンクに対応して該当するリンクのリンクデータとして記憶した予測渋滞データに基づく渋滞情報(渋滞状況)を表示するように構成される。
【0060】
このような構成とすることにより、渋滞を考慮した経路探索により所望の旅行時間で到達し得る範囲(到達圏)を特定し、到達圏に入る各道路について予測される渋滞状況を表示することができるようになる。利用者は表示手段に表示された地図画像により到達圏を知ることができ、また、到達圏に含まれる各道路において予測される渋滞状況を知ることができるようになるから、渋滞に遭遇せずに、あるいは、比較的渋滞の影響が少ない経路や目的地を選択し、快適な旅行(ドライブ)を楽しむことができるようになる。
【0061】
以下、具体例に基づいて本発明の実施例にかかる地図表示システム10を説明するが、その前に本発明にかかる地図表示システム10の詳細な構成を説明する。図2は、図1に示した地図表示システム10の詳細な構成を示すブロック図である。
【0062】
端末装置20は、ナビゲーションサービスを受けることができる端末であり、制御手段201、通信手段21、GPS受信手段22、処理要求手段23、配信データ記憶手段24、表示手段25、操作入力手段26、表示制御手段27などを備えて構成されている。操作入力手段26には、渋滞を考慮した経路探索において、所望の日時および旅行時間を指定してその時間内で到達できる範囲の探索(到達圏探索)を要求するための探索モード設定手段261が含まれる。探索モード設定手段261は、具体的には文字入力キー、表示画面に表示されたメニュー画面の設定項目などを選択するカーソルキーなどで構成される。
【0063】
経路探索サーバ30は、図1において述べたように、地図データを蓄積した地図データベース34、経路探索用の道路ネットワークデータを蓄積した経路探索用ネットワークデータベース35、渋滞情報を含む道路交通情報を蓄積する道路交通情報データベース36を備えている。経路探索サーバ30が徒歩や公共交通機関を利用した経路を探索して端末装置20に案内する機能を有する場合、経路探索用ネットワークデータベース35には更に、徒歩専用のネットワークデータ、交通機関の運行時刻表データに基づく交通ネットワークデータを蓄積しておく。
【0064】
また、経路探索サーバ30は、制御手段301、通信手段31、配信データ編集手段32、地図描画データ作成手段33、地図データベース34、経路探索用ネットワークデータベース35、道路交通情報データデータベース36、ネットワークデータ編集手段37、リンク抽出手段371、到達時刻記憶手段372、予測渋滞リンク記憶手段373、処理要求記憶手段38、経路探索手段39などを備えて構成されている。
【0065】
経路探索サーバ30は、端末装置20から経路探索やPOI検索あるいは地図配信の要求があると、処理要求記憶手段38にその要求を一次記憶する。要求が経路探索要求である場合、経路探索手段39は経路探索用ネットワークデータベース35を参照して最適経路あるいは推奨経路(案内経路)を探索する。探索された案内経路のデータは配信データ編集手段32により端末装置20に対する配信データに編集され、端末装置20に配信される。また、地図データベース34から案内経路を含む地図データが読み出され、端末装置20に配信される。
【0066】
道路交通情報データデータベース36には、先に述べたように道路の渋滞状況を加味した経路探索を行うため、最新の道路交通情報のデータ、および、過去の道路交通情報を統計的に処理して作成した予測渋滞データが蓄積されている。渋滞を加味した渋滞考慮経路探索においては、ネットワークデータ編集手段37は最新の道路交通データまたは予測渋滞データを用いて、経路探索用ネットワークデータベース35のネットワークデータを編集する。
【0067】
所望の出発点を起点とし、所望の時間の範囲内で到達でき、かつ、渋滞の影響による遅延の度合いが少なく快適な旅行(ドライブ)ができる目的地を選択したいという場合、利用者は、予測渋滞地図表示を指定して、探索モード設定手段261により、到達圏探索モードを設定する。そして、操作入力手段26を用いて、所望の探索日時、出発地、旅行時間T(その時間内で到達できる範囲を探索するための設定時間)などの探索条件を指定する。
【0068】
すなわち、端末装置20の利用者が予測渋滞地図を表示させ、所望の旅行時間で到達できる範囲と各道路の渋滞状況を知りたい場合、端末装置20において、予測渋滞地図表示を指定し、表示手段25に表示されたメニュー画面を用いて探索モードの設定、探索条件の指定を行う。図3は、予測渋滞地図表示が指定された場合に端末装置20の表示手段25に表示されるメニュー画面の一例を示している。
【0069】
図3に示すメニュー画面310には、出発地入力欄302、出発時刻入力欄303、時刻条件入力欄304、到達圏探索の設定欄305(設定あり)、306(設定なし)と、探索開始ボタン308が表示される。時刻条件入力欄304には、出発地の出発時刻または目的地への到着時刻、到達圏探索を設定する場合の所望旅行時間(到達時間)を入力する。時刻条件の設定が必要ない場合には設定を省略することができる。
【0070】
出発地と目的地の設定は、出発地入力欄302、目的地入力欄303に住所や電話番号あるいは駅名称、ビル名称などの地点名称、緯度・経度などを入力して設定する。すなわち、この入力欄は、原則としてフリーワード入力が可能であるが、住所、電話番号、POI(Point of Interest)の名称などで設定することできる。
【0071】
また、プルダウンボタンを操作して、これまでに端末装置20に登録した経路探索履歴や登録地点を呼び出して設定することもできる。到達圏探索を設定した場合、目的地入力欄303は入力操作無効にされる。時刻条件入力欄304には時間の入力のみが有効とされる。必要な条件設定を終え、探索開始ボタン308を操作すると、経路探索要求が端末装置20から経路探索サーバ30に送信される。
【0072】
経路探索サーバ30は、端末装置20から経路探索要求があると、これを探索要求記憶手段38に一時記憶する。そして経路探索手段39は、探索要求記憶手段38に記憶した経路探索要求に従って経路探索用ネットワークデータベース35を参照して出発地から目的地までの複数の候補経路を探索する。経路探索要求が通常の経路探索の要求である場合、経路探索の結果得られた案内経路のデータを地図データベース34から読み出した地図データとともに端末装置20に送信する。この経路探索の方法は通常のナビゲーションシステムにおける経路探索サーバと同様の方法である。
【0073】
一方、経路探索要求が予測渋滞地図表示を指定した到達圏探索モードの要求である場合、ネットワークデータ編集手段37は道路交通情報ネットワークデーダベース36に蓄積された予測渋滞データを用いて、該当する月日、曜日の各道路リンクのコストを経路探索用ネットワークデータベース35のデータに適用して編集し、経路探索手段39は、渋滞状況を加味した予測渋滞経路探索を用い、指定された旅行時間で到達できる全ノードを探索する到達圏探索を行う。ダイクストラ法を用いてこの探索を行った場合、経路探索手段39が得る経路は、最適経路、すなわち、最短の累積コストの経路(出発地から所定の時間で到達できるリンクの累計距離が最小のノードに至る経路)である。
【0074】
到達圏探索においては、ノードへの到達に注目しており、到達できるノードを出力するのが一般的である。また、ダイクストラ法を用いて到達圏を求めると、ノードは時間の経過に従って順次到達圏に含まれて行くが、リンクは必ずしもすべて通過するとは限らない。これは、ダイクストラ法が効率よく最短経路を求めるアルゴリズムであるので、最短経路に該当しないリンクは通過しないのである。
【0075】
ダイクストラ法で最適経路を探索する過程(拡散処理という)では、出発点を出発して到達したノード、リンクの情報は、ワークメモリ(ヒープソートメモリと称される)に保存されているので、ワークメモリから最適経路とならなかった全てのノード、リンクを抽出することができる。そこで、リンク抽出手段371はワークメモリから最適経路とならなかった全てのリンクを抽出し、到達圏内のリンクのデータとする。ヒープソートメモリを用いた探索の概念は、例えば、特許第3969735号明細書に開示されている。
【0076】
すなわち、(a)先ずダイクストラ法でノードへの到着時刻が確定したとき(ポテンシャルが確定したとき)は、そのノードへの最短経路のリンクが確定したことを意味する。そこで、リンク抽出手段371はそのリンクを抽出し、到達時刻記憶手段372は、そのリンクとリンクへの到達時刻とを対にして記憶する。なお、リンクの到着時刻とは、リンクの出発側のノードの到着時刻でも良いし、リンクの到着側のノードの到着時刻でも良いし、両者の平均の時刻としてもよい。これは仕様として決めればよい。
【0077】
次に、(b)到達圏探索が終了するまでに、上記(a)で抽出されなかったリンクは、到達圏外であるか、または到達圏に入っているが最短経路には該当しなかったリンクである。このうち、到達圏に入っているが最短経路には該当しなかったリンクは、ダイクストラ法で用いるワークメモリ(ヒープソートメモリ)にまだ残っている。
【0078】
そこで、(c)リンク抽出手段371は、ワークメモリに残っているリンクも上記(a)の時と同じように抽出して、到達圏に含まれるリンクを抽出する必要がある。ワークメモリから抽出されたリンクについて、到達時刻記憶手段372には、上記(a)と同様にしてリンクとそのリンクへの到着時刻を対にして記憶する。ここで、リンクの到達時刻に関し、リンクの到着側(目的地側)のノードの到着時刻が確定していないことがあるので、全体としてはリンクの出発側(出発地側)のノードの到達時刻を採用するのがよい。目的地側の到着時刻が確定しない場合とは、出発地からみてリンクの手前(出発地側)のノードは到達圏に入ったが、目的地側のノードは到達圏外であったという場合である。リンク抽出方法は上記の方法によらず、到達圏に含まれる全ノードから出ているリンクを抽出する方法であってもよい。
【0079】
図4、図5は到達圏探索の経過を示す模式図である。図4、図5において、参照符号Sは出発地を示し、Nはノード、Lはリンクを示す。図4は、指定された出発時刻に出発地Sを出発してT1時間後までに到達するノードNとそのノードNに接続されるリンクLの範囲を示している。図5は、指定された出発時刻に出発地Sを出発してT2時間後までに到達するノードNとそのノードNに接続されるリンクLの範囲を示している。このように、到達圏探索により時間の経過はともに到達できる範囲が広がってゆく。これを設定された時間に達するまで継続すると、設定した所望の旅行時間の範囲内で到達できるノードの全てが探索される。
【0080】
クリンク抽出手段371が上記のようにして到達圏に含まれる全てのリンクを抽出し、到達時刻記憶手段372に抽出された全てのリンクと該リンクへる到達時刻が記憶されると、予測渋滞リンク記憶手段373は、道路交通情報データベース35の予測渋滞データから各リンクの到達時刻が属する時間帯に該当する渋滞情報(予測渋滞データ)を取得してリンク毎に記憶する。
【0081】
図4、図5において、到達圏に入ったノードN1に接続するリンクL1への到達時刻がわかると、予測渋滞リンク記憶手段373を参照すれば、その到達時刻に属する時間帯に該当する予測渋滞のデータが取得できる。すなわち、渋滞があるリンクとそのリンクの予測渋滞データがわかるから、端末装置20にこれらの情報を送れば、端末装置20は、表示手段25に予測渋滞地図を表示することができ、予測渋滞データのある該当リンクL1を太線や赤線で強調表示すれば、利用者は渋滞のある道路を容易に識別することができる。
【0082】
各リンクに対する予測渋滞データが取得され予測渋滞リンク記憶手段373に記憶されると、地図描画データ作成手段33は、地図データベース34から到達圏を含む地図データ取得し、各リンクの予測渋滞データを重ね合わせて表示するための地図描画データを作成する。具体的には、ベクトル地図データに各リンクの予測渋滞データ(渋滞箇所)のデータを加え、表示手段25に描画するためのデータとする。端末装置20はこの地図データを受け取り、表示手段25に地図画像を表示する際に、ベクタ地図データがイメージに変換され地図画像、渋滞状況が描画される。表示制御手段27は、表示手段25に表示する描画データに基づき、VRAMなどの描画メモリに画像を展開処理する制御を行う。
【0083】
図6、以上のような到達圏探索によって得られた到達範囲の地図画像表示の一例を示す図である。図6において、Sは指定した出発地であり、設定された時刻条件(旅行時間)で到達できるノードN、そのノードに接続されるリンクLを示している。渋滞のあるリンクは、太線や赤線で強調表示する。
【0084】
地図描画データには、到達圏内の各リンクの到達時間情報があるので、地図描画する際に予測渋滞データを参照して、渋滞が予想される場合は渋滞表示を行う。具体的には、図4のように、出発地(星型)からの所定時間の到達圏が求められると、その部分は、通常のカラー表示を行い、到達圏外は、グレースケールで表示したり、半透明表示にして区別する。また、到達圏内で渋滞が予測されたリンク(図4の太線)に相当する部分は、道路を赤く表示する。また渋滞レベルが「混雑」である場合はオレンジ表示する
なお、端末装置20が地図表示する際に、経路探索サーバ30から地図描画データを受信し、予測渋滞地図表示の際に経路混作サーバ30からリンクの到達時刻に基づいて予測渋滞データを取得して、渋滞情報を表示するようにすることもできる。
【0085】
このようにすれば、出発地を出発して、所定時間内に渋滞に遭遇する確率の高いエリアを直感的に把握することができる。従って、目的地が決まっていない場合に、渋滞に遭遇しにくい目的地を選ぶことができる。図6の例では、図面右下の方向に渋滞が予想されるから、それ以外の目的地を選択すれば渋滞に遭遇することがなく、ドライブに適していることがわかる。
【0086】
次に、経路探索用ネットワークデータベース35を用いた経路の概念について説明する。例えば、自動車や徒歩による経路探索に用いられる道路ネットワークデータは、以下のように構成される。道路が図7に示すように道路A、B、Cからなる場合、道路A、B、Cの端点、交差点、屈曲点などをノードとし、各ノード間を結ぶ道路を有向性のリンクで表し、ノードデータ(ノードの緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)と各リンクのリンクコスト(リンクの距離またはリンクを走行するのに必要な所要時間)をデータとしたリンクコストデータとで構成される。
【0087】
すなわち、図7において、Nn(○印)、Nm(◎印)がノードを示し、Nm(◎印)は道路の交差点を示している。各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示している。リンクは、道路の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図7では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
【0088】
このような道路ネットワークのデータを経路探索用のデータベースとして経路探索を行う場合、出発地のノードから目的地のノードまで連結されたリンクをたどりそのリンクコストを累積し、累積リンクコストの最少になる経路を探索して案内する。すなわち、図7において出発地をノードAX、目的地をノードCYとして経路探索を行う場合、ノードAXから道路Aを走行して2つ目の交差点で右折して道路Cに入りノードCYにいたるリンクを順次たどりリンクコストを累積する。そして、リンクコストの累積値が最少になる経路を探索して案内する。
【0089】
図7ではノードAXからノードCYに至る他の経路は図示されていないが、実際にはそのような経路が他にも存在するため、ノードAXからノードCYに至ることが可能な複数の経路を同様にして探索し、それらの経路のうちリンクコストが最少になる経路を最適経路として決定するものである。この手法は、例えば、ダイクストラ法と呼ばれる周知の手法によって行われる。
【0090】
徒歩経路を探索する場合の道路ネットワークデータには、歩行者専用の道路や通路(公園内の通路など)のデータが加えられ、自動車専用の道路、例えば、歩行者や自転車の立ち入りが禁止される高速道路のデータが除かれる。また、自動車による経路を探索する場合には、前述の歩行者専用道路等のデータが除かれる。交通機関による経路を含む探索の場合、交通機関の路線のデータが用いられる。交通機関のネットワークにおいては、各駅をノードとし、駅間がリンクで結ばれる。交通機関のネットワークにおけるリンクは電車やバスなどの交通手段ごとに作成され、その運行時刻表によって定められた所要時間が各リンクのリンクコストになる。
【0091】
渋滞考慮経路探索や渋滞予測経路探索を行う場合には、ネットワークデータ編集手段37により経路探索用ネットワークデータベース35に蓄積された道路ネットワークの各リンクコストを、道路交通情報データデータベース36に蓄積された道路リンクのコストで補正する編集を行った上で、経路探索手段39が出発地から目的地までの経路探索を行うようにされる。
【0092】
到達圏探索において、経路探索手段39は、図7を参照して概念を説明したように、出発地を出発して指定された時間で到達できるノードまでの最適経路を探索する。この過程で、前述したようにして到達圏に含まれるノードとリンクが抽出され、各リンクへの到達時刻が求められる。
【0093】
図8は、以上説明した本発明の実施例1にかかる予測渋滞地図表示の処理手順を示すフローチャートである。
ステップS101において、端末装置20の利用者が予測渋滞地図表示モードを設定し、ステップS102において、探索モード設定手段261により、到達圏探索モードを設定し、操作入力手段26を用いて、所望の探索日時、出発地、旅行時間(その時間内で到達できる範囲を探索するための設定時間)などの探索条件を指定する(図3参照)。
【0094】
次いで、ステップS103において、ネットワークデータ編集手段37が道路交通情報ネットワークデーダベース36に蓄積された予測渋滞データを用いて、該当する月日、曜日の各道路リンクのコストを経路探索用ネットワークデータベース35のデータに適用して編集し、経路探索手段39は、編集されたネットワークデータを用い、渋滞状況を加味した予測渋滞経路探索を用い、指定された旅行時間で到達できる全ノードを探索する到達圏探索を行う。
【0095】
ステップS104では、経路探索手段39による到達圏探索が終了したか否かを判別する。到達圏探索が終了していなければステップS103の処理に戻り、到達圏探索が終了したと判別されるとステップS105の処理に進む。ステップS105の処理において、リンク抽出手段371はワークメモリ(ヒープソートメモリと称される)に保存されている最適経路とならなかった全てのノード、リンクの情報から、到達圏に含まれるリンクを抽出するとともに、先に説明した方法により、抽出した各リンクの出発地からの到達時刻を算出し、リンクの情報と該リンクへの到着時刻とを到達時刻記憶手段372に記憶する。
【0096】
ステップS106では、リンク抽出手段371によるリンク抽出処理が終了したか否かを判別する。リンク抽出処理が終了していなければステップS105の処理に戻り、リンク抽出処理が終了したと判別されるとステップS107の処理に進む。ステップS107の処理において、予測渋滞リンク記憶抽出手段373は、到達時刻記憶手段372に記憶した各リンクの情報とその到達時刻に基づいて、到達時刻の属する時間帯における予測渋滞データ(予測渋滞コスト)を道路交通情報データベース36から取得して記憶する。
【0097】
ステップS108では、予測渋滞リンク記憶手段373によるリンクの予測渋滞データの取得、記憶処理が終了したか否かを判別する。予測渋滞データの取得、記憶処理が終了していなければステップS107の処理に戻り、リンク抽出処理が終了したと判別されるとステップS109の処理に進む。
【0098】
そしてステップS109の処理に進み、地図描画データ作成手段33は、地図データベース34から到達圏を含む地図データ取得し、渋滞予測リンク記憶手段373に記憶された各リンクの予測渋滞データを重ね合わせて表示する地図描画データを作成する。すなわち、地図描画データ作成手段33は、ベクトル地図データに各リンクの予測渋滞データ(渋滞箇所)のデータを加え、表示装置に描画するための地図描画データを作成する。
【0099】
端末装置20は経路探索サーバ30から地図描画データを受信し、ステップS110の処理において、端末装置20は、表示手段25に予測渋滞地図を表示し、地図表示システム10は処理を終了する。なお、本実施例1においては、地図描画データ作成手段33を経路探索サーバ30に備える例を示したが、地図描画データ作成手段33を端末装置20に設けてもよい。この場合、経路探索サーバ30は、端末装置20に地図データと予測渋滞リンク記憶手段373に記憶した予測渋滞リンクの情報を送信すればよい。
【0100】
以上説明した実施例1にかかる地図表示システムにおいては、予測渋滞地図表示における到達圏探索の結果として得られた到達圏の情報、渋滞状況の情報を利用する際、統計的道路交通情報のデータ(予測渋滞データ)では明らかな渋滞状況にないが、実際には車の流れが悪い道路が存在することがある。一時的なものであればよいが、選択した目的地までの道路において、長時間この状態が継続すると、累積の遅れが問題となる。すなわち、到達圏探索の条件として設定した旅行時間内で到達できないことになる。
【実施例2】
【0101】
本発明の実施例2にかかる地図表示システムは、このような問題を解消するためのものであり、実施例1において得た到達圏内の各リンクへの到達時刻を記憶する際に、標準コストを用いた場合の到達時刻との差分の時間を累積演算して記憶しておくようにしたものである。累積した差分が所定の時間以上になったら、そのリンクから先は到達圏に含めないようにする。これにより前述の問題を解消することができるようになる。
【0102】
本発明の実施例2にかかる地図表示システムの構成は、図1、図2に示す実施例1にかかる地図表示システムの構成と同様であるが、実施例2にかかる地図表示システムにおいては、以下の処理が追加される。すなわち、上記実施例1の到達圏探索の結果として得られた各リンクの到達時刻を到達時刻記憶手段372に記憶した後、経路探索手段39は経路探索用ネットワークデータベース35に蓄積された標準コストの道路ネットワークデータを用いて標準コストの到達圏探索も行う。
【0103】
そして、到達時刻記憶手段372には、標準コスト経路探索で得た各リンクの到達時刻と、上記実施例1の到達圏探索で得た各リンクの到達時刻を比較しその差分を算出する。そしてこの差分を到達時刻記憶手段372に記憶する際に、先に記憶した各リンクの到達時間に差分の時間情報を追加して記憶する処理を行う。差分の記憶処理は、注目リンクの到達時刻の差分に、直前に通過したリンクの差分を加算して累計差分として順次算出し、この累計差分値を追加して到達時刻記憶手段372に記憶する。
【0104】
図9は、以上説明した実施例2にかかる地図表示システムにおいて、予測渋滞地図表示の到達圏探索結果に対して各リンクの標準コストとの差分を順次、累積して各リンクの到達時刻を求める前述の処理の概念を説明する模式図である。図9は、ダイクストラ法の経路探索において、あるノードN1からそのノードN1に接続されたリンクL12、L13をたどってノードN2、N3に探索が拡散する様子を示している。
【0105】
すなわち、ダイクストラ法を用いた探索の拡散においては経路がノードに到達するとそのノードのポテンシャルが確定する。ノードのポテンシャルとは出発点からそのノードまでの各リンクのリンクコストを累計した累計コストである。ノードのポテンシャルが確定すると、そのノードに到達したリンクの標準リンクコストと先の到達圏探索で求められていた渋滞状況を加味した予測渋滞リンクコストとの差分を求め、直前のリンクにおいて算出した差分に加え累積差分を算出して到達時刻記憶手段372に記憶する。
【0106】
例えば、図8で、ノードN1のポテンシャルが決まった時には、既に遅れ時間として5分が記憶されている。リンクL12で、ノードN2のポテンシャルが決まった場合に、リンクL12の標準コストと予測渋滞リンクコストとの差が+2分だった場合には、ノードN2のポテンシャルの差分は5+2=7(累積差分7分)と記憶される。同様に差分を累積すればノードN3のポテンシャル(リンクL13の到達時刻)は、累積差分が8分になる。
【0107】
このように各ノードに到達する毎に順次遅れ(標準コストとの差分)を足していき、到達時刻記憶手段372に到達時刻とともに累積差分を記憶してゆく。そして、この遅れである累積差分が、所定の時間(たとえば1時間)になった場合には、そのノードから先に探索の拡散を進めない(発芽させない)、あるいは、そのノードへの到達は無かったものとして、そこに至るリンクを削除する。
【0108】
このようにして、到達圏が探索条件に従っ探索処理により特定し終わるか、あるいは、一時記憶(ヒープソートメモリ)が空になったら(全てのリンクが抽出されたら)到達圏探索を終了する。このとき求められた到達圏は、渋滞にならないまでも、通常時より遅れが所定時間以下の快適に移動できる場所である。また、表示では見えにくい小刻みな渋滞(特定の交差点など)を経由するような方面への旅行時間の目安としても役に立つ。予測渋滞地図表示の方法は前述の実施例1と同様にする。
【0109】
このようにして作成した到達圏を示す予測渋滞地図の描画データを、経路探索サーバ30から端末装置20に配信すれば、経路探索サーバ30は1回の到達圏探索を行うだけで、端末装置20上で予測渋滞地図を表示させることができる。端末装置20では、経路探索サーバ30から受信した地図描画データを用いて、地図画像を拡大、縮小、ズームなど所望の表示制御を行って、渋滞の影響の無いエリアを見ることができる。
【0110】
なお、上記実施例2の説明においては、実施例1の到達圏探索を行った後、別途標準コストを用いた到達圏探索行い各リンクの到達時間の差分を算出する処理手順を説明したが、この手順に限られるものではない。例えば、実施例1の到達圏探索を実行しながら、各リンクの標準コストを参照し、差分を順次累積してゆく処理手順としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0111】
この地図表示システムの発明によれば、携帯電話などを端末装置とするシステムの他、パーソナルコンピュータを端末装置とする地図表示システムにも適用可能であり、利用者に所望の時間で到達でき、かつ、渋滞に遭遇することなく快適に旅行できる目的地を選択させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】本発明の実施例1にかかる地図表示システムの構成を示すシステム構成図である。
【図2】本発明の実施例1にかかる地図表示システムの詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】予測渋滞地図表示において到達圏探索モードの設定に用いられるメニュー画面の一例を示す図である。
【図4】予測渋滞地図表示における到達圏探索の経過を示す模式図である。
【図5】予測渋滞地図表示における到達圏探索の経過を示す模式図である。
【図6】予測渋滞地図表示における到達圏探索によって得られた到達範囲の地図画像表示の一例を示す図である。
【図7】道路ネットワークのデータの概念を示す模式図である。
【図8】本発明の実施例1にかかる予測渋滞地図表示の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施例2にかかる地図表示システムにおいて、予測渋滞地図表示の到達圏探索結果に対して各リンクの標準コストとの差分を順次、累積して各リンクの到達時刻を求める処理の概念を説明する模式図である。
【符号の説明】
【0113】
10・・・・経路探索システム
12・・・・ネットワーク
20・・・・端末装置
201・・・制御手段
21・・・・通信手段
22・・・・GPS受信手段
23・・・・処理要求手段
24・・・・配信データ記憶手段
25・・・・表示手段
26・・・・操作入力手段
261・・・探索モード設定手段
30・・・・経路探索サーバ
301・・・制御手段
31・・・・通信手段
32・・・・配信データ編集手段
33・・・・地図描画データ作成手段
34・・・・地図データベース
35・・・・経路探索用ネットワークデータベース
36・・・・道路交通情報データデータベース
37・・・・ネットワークデータ編集手段
371・・・リンク抽出手段
372・・・到達時刻記憶手段
373・・・予測渋滞リンク記憶手段
38・・・・処理要求記憶手段
39・・・・経路探索手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図データを蓄積した地図データベースと、道路交通情報を統計的に処理して作成された予測渋滞データを蓄積した道路交通情報データベースと、経路探索用ネットワークデータベースと、経路探索条件に従って経路を検索する経路探索手段と、を備え、出発地と出発日時を設定して、出発時刻から所望のT時間経過後までの予想到達時刻における前記出発地からの各道路のリンクにおける予測渋滞の情報を地図画像とともに表示手段に表示する予測渋滞地図表示機能を有する地図表示システムであって、
前記予測渋滞地図表示を行う場合、前記経路探索手段は、前記経路探索用ネットワークデータベースに蓄積された経路探索用のネットワークデータに、前記予測渋滞データを反映させ、前記T時間経過後までの到達圏を探索し、前記地図表示システムは、前記到達圏探索の結果により得られた到達圏に含まれる各リンクと、各リンクへの到達時刻に基づいて、前記道路交通情報データベースに蓄積された前記予測渋滞データを参照し、各リンクの到達時刻が属する時間帯の予測渋滞データを取得し、地図画像とともに前記リンク毎の予測渋滞データに基づいて、前記予測渋滞の情報を表示手段に表示することを特徴とする地図表示システム。
【請求項2】
前記地図表示システムは、リンク抽出手段と前記リンク抽出手段が抽出した各リンクへの到達時刻を記憶する到達時刻記憶手段と、前記各リンクへの到達時刻に基づいて、該到達時刻が属する時間帯に該当する前記予測渋滞データを前記道路交通情報データベースから取得して該当リンクに対応して記憶する予測渋滞リンク記憶手段を備え、
前記経路探索手段が探索した到達圏に基づいて、前記リンク抽出手段は、前記到達圏に含まれるリンクを抽出し、前記到達時刻記憶手段は、前記抽出されたリンクへの到達時刻を記憶し、前記予測渋滞リンク記憶手段は、前記到達時刻記憶手段に記憶された前記各リンクへの到達時刻に基づいて、該到達時刻が属する時間帯に該当する前記予測渋滞データを前記道路交通情報データベースから取得して該当リンクに対応して記憶し、前記表示手段は、前記到達圏を含む地図画像とともに、前記予測渋滞リンク記憶手段に記憶された渋滞予測データに基づく予測渋滞の情報を表示することを特徴とする請求項1に記載の地図表示システム。
【請求項3】
前記リンク抽出手段は、前記到達圏において、到達圏に含まれることが特定された各ノードに接続されたリンクを抽出することを特徴とする請求項2に記載の地図表示システム。
【請求項4】
前記リンクへの到達時刻は、当該リンクの両端のノードのうち、前記出発地側のノードへの到達時刻をもって当該リンクの到達時刻とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の地図表示システム。
【請求項5】
前記予測渋滞地図表示を行う場合、前記経路探索手段は、更に、前記経路探索用ネットワークデータベースに蓄積された経路探索用のネットワークデータを参照して標準コストを用いた到達圏探索を行い、前記経路探索用のネットワークデータに前記予測渋滞データを反映させて探索した前記T時間経過後の到達圏に含まれる各リンクについて、前記標準コストを用いて探索した到達圏に含まれるリンクの到達時刻と、前記予測渋滞データに基づく到達時刻との差分を、直前のリンクの前記差分に加算して累積差分を算出し、前記累積差分が所定の時間を超過した場合、当該リンクを到達圏に含まれるリンクから削除することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の地図表示システム。
【請求項6】
地図データを蓄積した地図データベースと、道路交通情報を統計的に処理して作成された予測渋滞データを蓄積した道路交通情報データベースと、経路探索用ネットワークデータベースと、経路探索条件に従って経路を検索する経路探索手段と、を備え、出発地と出発日時を設定して、出発時刻から所望のT時間経過後までの予想到達時刻における前記出発地からの周辺の各道路のリンクにおける予測渋滞の情報を地図画像とともに表示手段に表示する端末装置に、予測渋滞地図表示のためのデータを送信する経路探索サーバであって、
前記端末装置において予測渋滞地図表示を行う場合、前記経路探索手段は、前記経路探索用ネットワークデータベースに蓄積された経路探索用のネットワークデータに、前記予測渋滞データを反映させ、前記T時間経過後までの到達圏を探索し、前記地図表示システムは、前記到達圏探索の結果により得られた到達圏に含まれる各リンクと、各リンクへの到達時刻に基づいて、前記道路交通情報データベースに蓄積された前記予測渋滞データを参照し、各リンクの到達時刻が属する時間帯の予測渋滞データを取得し、地図画像とともに前記リンク毎の予測渋滞データに基づいて、前記予測渋滞の情報を前記端末装置に送信することを特徴とする経路探索サーバ。
【請求項7】
前記経路探索サーバは、リンク抽出手段と前記リンク抽出手段が抽出した各リンクへの到達時刻を記憶する到達時刻記憶手段と、前記各リンクへの到達時刻に基づいて、該到達時刻が属する時間帯に該当する前記予測渋滞データを前記道路交通情報データベースから取得して該当リンクに対応して記憶する予測渋滞リンク記憶手段を備え、
前記経路探索手段が探索した到達圏に基づいて、前記リンク抽出手段は、前記到達圏に含まれるリンクを抽出し、前記到達時刻記憶手段は、前記抽出されたリンクへの到達時刻を記憶し、前記予測渋滞リンク記憶手段は、前記到達時刻記憶手段に記憶された前記各リンクへの到達時刻に基づいて、該到達時刻が属する時間帯に該当する前記予測渋滞データを前記道路交通情報データベースから取得して該当リンクに対応して記憶し、前記表示手段は、前記到達圏を含む地図画像とともに、前記予測渋滞リンク記憶手段に記憶された渋滞予測データに基づく予測渋滞の情報を前記端末装置に送信することを特徴とする請求項6に記載の経路探索サーバ。
【請求項8】
前記リンク抽出手段は、前記到達圏において、到達圏に含まれることが特定された各ノードに接続されたリンクを抽出することを特徴とする請求項7に記載の経路探索サーバ。
【請求項9】
前記リンクへの到達時刻は、当該リンクの両端のノードのうち、前記出発地側のノードへの到達時刻をもって当該リンクの到達時刻とすることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の経路探索サーバ。
【請求項10】
前記端末装置において予測渋滞地図表示を行う場合、前記経路探索手段は、更に、前記経路探索用ネットワークデータベースに蓄積された経路探索用のネットワークデータを参照して標準コストを用いた到達圏探索を行い、前記経路探索用のネットワークデータに前記予測渋滞データを反映させて探索した前記T時間経過後の到達圏に含まれる各リンクについて、前記標準コストを用いて探索した到達圏に含まれるリンクの到達時刻と、前記予測渋滞データに基づく到達時刻との差分を、直前のリンクの前記差分に加算して累積差分を算出し、前記累積差分が所定の時間を超過した場合、当該リンクを到達圏に含まれるリンクから削除することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の経路探索サーバ。
【請求項11】
地図データを蓄積した地図データベースと、道路交通情報を統計的に処理して作成された予測渋滞データを蓄積した道路交通情報データベースと、経路探索用ネットワークデータベースと、経路探索条件に従って経路を検索する経路探索手段と、を備え、出発地と出発日時を設定して、出発時刻から所望のT時間経過後までの予想到達時刻における前記出発地からの各道路のリンクにおける予測渋滞の情報を地図画像とともに表示手段に表示する予測渋滞地図表示機能を有する地図表示システムにおける地図表示方法であって、
前記予測渋滞地図表示を行う場合、前記経路探索手段が、前記経路探索用ネットワークデータベースに蓄積された経路探索用のネットワークデータに、前記予測渋滞データを反映させ、前記T時間経過後までの到達圏を探索する探索ステップと、前記地図表示システムが、前記到達圏探索の結果により得られた到達圏に含まれる各リンクと、各リンクへの到達時刻に基づいて、前記道路交通情報データベースに蓄積された前記予測渋滞データを参照し、各リンクの到達時刻が属する時間帯の予測渋滞データを取得する予測渋滞データ取得ステップと、地図画像とともに前記リンク毎の予測渋滞データに基づいて、前記予測渋滞の情報を表示手段に表示する表示ステップと、を有することを特徴とする地図表示方法。
【請求項12】
前記地図表示システムは、リンク抽出手段と前記リンク抽出手段が抽出した各リンクへの到達時刻を記憶する到達時刻記憶手段と、前記各リンクへの到達時刻に基づいて、該到達時刻が属する時間帯に該当する前記予測渋滞データを前記道路交通情報データベースから取得して該当リンクに対応して記憶する予測渋滞リンク記憶手段を備え、
前記経路探索手段が探索した到達圏に基づいて、前記リンク抽出手段が、前記到達圏に含まれるリンクを抽出する抽出ステップと、前記到達時刻記憶手段が、前記抽出されたリンクへの到達時刻を記憶する到達時刻記憶ステップと、前記予測渋滞データ取得ステップは、前記予測渋滞リンク記憶手段が、前記到達時刻記憶手段に記憶された前記各リンクへの到達時刻に基づいて、該到達時刻が属する時間帯に該当する前記予測渋滞データを前記道路交通情報データベースから取得して該当リンクに対応して記憶する処理を含むことを特徴とする請求項11に記載の地図表示方法。
【請求項13】
前記抽出ステップは、前記到達圏において、到達圏に含まれることが特定された各ノードに接続されたリンクを抽出する処理を含むことを特徴とする請求項112に記載の地図表示方法。
【請求項14】
前記リンクへの到達時刻は、当該リンクの両端のノードのうち、前記出発地側のノードへの到達時刻をもって当該リンクの到達時刻とすることを特徴とする請求項11または請求項12に記載の地図表示方法。
【請求項15】
前記予測渋滞地図表示を行う場合、前記経路探索手段は、更に、前記経路探索用ネットワークデータベースに蓄積された経路探索用のネットワークデータを参照して標準コストを用いた到達圏探索を行うステップを有し、前記経路探索用のネットワークデータに前記予測渋滞データを反映させて探索した前記T時間経過後の到達圏に含まれる各リンクについて、前記標準コストを用いて探索した到達圏に含まれるリンクの到達時刻と、前記予測渋滞データに基づく到達時刻との差分を、直前のリンクの前記差分に加算して累積差分を算出するステップと、前記累積差分が所定の時間を超過した場合、当該リンクを到達圏に含まれるリンクから削除するステップと、を有することを特徴とする請求項11または請求項12に記載の地図表示方法。
【請求項16】
地図データを蓄積した地図データベースと、道路交通情報を統計的に処理して作成された予測渋滞データを蓄積した道路交通情報データベースと、経路探索用ネットワークデータベースと、経路探索条件に従って経路を検索する経路探索手段と、を備え、端末装置において予測渋滞地図表示を行う場合、前記経路探索手段は、前記経路探索用ネットワークデータベースに蓄積された経路探索用のネットワークデータに、前記予測渋滞データを反映させ、前記T時間経過後までの到達圏を探索し、前記地図表示システムは、前記到達圏探索の結果により得られた到達圏に含まれる各リンクと、各リンクへの到達時刻に基づいて、前記道路交通情報データベースに蓄積された前記予測渋滞データを参照し、各リンクの到達時刻が属する時間帯の予測渋滞データを取得し、地図画像とともに前記リンク毎の予測渋滞データに基づいて、前記予測渋滞の情報を前記端末装置に送信する経路探索サーバに接続される端末装置であって、
前記端末装置は、前記経路探索サーバに到達圏探索を要求する到達圏探索モードを有し、前記予測渋滞地図表示を行う場合、到達圏探索モードを設定し、出発地と出発日時と出発時刻から所望の旅行時間Tを設定する操作入力手段を備えたことを特徴とする端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−210532(P2009−210532A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−56541(P2008−56541)
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(500168811)株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Fターム(参考)】