説明

地図表示装置及び地図表示方法

【課題】ユーザの所望する特定の位置を基準とした地図を表示できるようにする。
【解決手段】所定の位置情報を示す地図表示設定を記憶するフラッシュメモリ15を備え、制御部11は、地図表示装置10のこの地図表示設定を判断することにより、地図の表示範囲を決定する。ユーザは、地図表示装置10に対する操作に基づきこの地図表示設定を現在位置中心にするか撮影位置中心にするかを選択的に変更することができる。これにより、地図表示設定に対応する位置情報を基準とする地図を表示部17に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの所望する位置を基準とした地図を表示する地図表示装置及び地図表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リアルタイムで現在位置の地図を表示するシステムとしては、カーナビゲーションシステムが知られている。カーナビゲーションシステムは、全地球測位システム(GPS)によって現在位置をリアルタイムで検出し、この検出結果に基づいて現在位置の地図をリアルタイムで表示出力するナビゲーション機能を提供するシステムである。このようなナビゲーション機能をより効果的に実現するため、デジタルカメラによる画像撮影機能及び画像表示機能をカーナビゲーションシステムに適用した装置が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、現在位置を中心とした地図をモニタ等に出力しナビゲーション機能を提供すると共に、ユーザが過去に通りかかり写真撮影をした場合には、その写真撮影位置をその地図上に表示する画像処理装置が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開平09−139906号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載された発明は、現在位置を中心とした地図及びその地図上に写真撮影位置を表示し続けることができるものの、例えば写真撮影が行われた位置を中心として地図を表示するなど、ユーザの所望する位置を基準とした地図表示を行うことができないという問題があった。
【0006】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、ユーザの所望する位置を基準とした地図を表示できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、複数の画像を、それぞれ撮影された場所の撮影位置情報と対応づけて記憶する画像記憶手段と、画像記憶手段から指定された画像の撮影位置情報を読み出す画像情報読出手段と、読み出された撮影位置情報に基づいて画面に地図情報を表示する撮影位置表示手段と、現在位置を測位する測位手段から現在位置情報を取得する現在位置取得手段と、取得された現在位置情報に基づいて画面に地図情報を表示する現在位置表示手段と、表示切り替え指示に基づいて、撮影位置表示手段による地図情報と現在位置表示手段による地図情報を選択的に切り替える地図表示切替手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、現在位置情報とは別に、記憶装置に過去に撮影された画像及びその撮影位置情報を記憶しており、表示切り替え指示に応じて、現在の位置情報を表示している地図情報と過去に撮影して記憶装置に保存している画像撮影位置の地図情報を切り替えて適宜要求に応じた地図情報を表示することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、表示切り替え指示に基づいて、撮影位置表示手段による地図情報と現在位置表示手段による地図情報が選択的に切り替えられるので、ユーザの所望する位置を基準とした地図を表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の一実施の形態の例について、添付図面を参照しながら説明する。
【0011】
以下に述べる実施の形態の説明では、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されて説明されているが、本発明は、下記の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの実施の形態に限られるものではない。また、説明に用いた各図における寸法、形状及び配置関係も、一例を示す概略的なものである。
【0012】
まず、本発明の一実施形態によるシステムの内部構成例について、図1に示すブロック図を参照して説明する。図1に示す地図表示装置10は、本願発明の地図表示装置をデジタルスチルカメラに適用した例である。この地図表示装置10は、I/F20及び入出力部20Aを介して現在位置測位装置30と通信可能となっており、現在位置測位装置30で検出した地図表示装置10の位置情報を取得する。さらに、地図表示装置10及び現在位置測位装置30は、それぞれの入出力部20A及び40Aにより着脱可能に接続してある。
【0013】
この地図表示装置10は、制御部11、撮像手段12、RAM(Random Access Memory)13、画像処理部14、フラッシュメモリ15、ROM(Read Only Memory)16、表示部17、アドレスバス・データバス処理部19、I/F20、入出力部20A及び操作部21から構成されている。また、地図表示装置10内部の各ブロックは、各ブロックのアドレスを転送するアドレスバス及び各ブロック間でデータの転送を行うデータバスの両機能を備えるアドレスバス・データバス18で相互に接続してある。
【0014】
制御部11は、アドレスバス・データバス18及びアドレスバス・データバス処理部19を介して、地図表示装置10を構成する各ブロックの動作を制御する。その際、アドレスバス・データバス処理部19は、地図表示装置10の各ブロックから入力されるアドレス及びデータに対し所定の処理を行う。この制御部11は、特許請求の範囲に記載されている画像情報読出手段、現在位置取得手段、地図表示切替手段の一例である。
【0015】
撮像手段12は、レンズ、ピントを自動的にあわせる自動焦点(AF:Auto Focus)機能、絞り及び露出時間を自動的に決定する自動露出(AE:Automatic Exposure)機能及び光の強弱を電荷の強弱としてデータに変換する半導体であるCCD(Charge Coupled Device)を含んでおり、画像の撮影を行う手段である。撮像手段12は、撮影した画像データをデジタルデータ(以下、画像データという)に変換してRAM13へ入力する。
【0016】
RAM13は、データを一時的に記憶しておく揮発性記憶装置である。このRAM13は、撮像手段12により撮影された画像データを一時的に記憶し、その画像データをフラッシュメモリ15へ入力する。
【0017】
フラッシュメモリ15は、記憶したデータの書き換えが可能な不揮発性半導体メモリであり、画像記憶手段の一例である。フラッシュメモリ15は、RAM13から入力される画像データ及びその画像データが撮影された位置を示す情報(以下、「撮影位置情報」という)を所定の領域に記憶するテーブルを有している。すなわち、このフラッシュメモリ15内では、画像データとその画像データの撮影位置情報は、対応づけられて記憶されている。ただし、RAM13で画像データと対応づけて記憶される撮影位置情報は、撮像手段12による画像データの取得と同時に、現在位置測位装置30から取得される。さらに、このフラッシュメモリ15は、地図表示に使用する地図データが記憶してある。
【0018】
また、制御部11は、地図表示装置10の現在位置を示す情報(以下、現在位置情報という)を現在位置測位装置30から取得できる状態か否か、あるいは表示切り替え指示の有無を判定する。地図表示装置10の現在位置を示す情報を現在位置測位装置30から取得できる状態か否かを判定するための条件もしくは判断材料については後述する。この判定の結果に基づいて、フラッシュメモリ15から画像処理部14へ入力する地図データが決定される。このとき、フラッシュメモリ15は、現在位置情報を取得する機能の判定結果と画像処理部14へ入力する地図データの関係性を示す設定(以下、地図表示設定という)を記憶するようにする。なお、この地図表示設定の詳細については後述する。
【0019】
画像処理部14は、現在位置表示手段及び撮影位置表示手段の一例であり、フラッシメモリ15から入力された地図データに基づいた地図を生成し、生成した地図を表示部17へ出力する。
【0020】
表示部17は、例えば液晶ディスプレイ等で構成されており、この表示部17に画像処理部14から入力される地図が表示される。
【0021】
次に、現在位置測位装置30の内部構成について説明する。現在位置測位装置30は、制御部31、GPS通信部32、RAM33、フラッシュメモリ35、ROM36、表示部37、アドレスバス・データバス処理部39、I/F40及び入出力部40Aから構成されている。また、現在位置測位装置30内部の各ブロックは、各ブロックのアドレスを転送するアドレスバス及び各ブロック間でデータの転送を行うデータバスの両機能を備えるアドレスバス・データバス38で相互に接続してある。
【0022】
制御部31は、アドレスバス・データバス38を介して、現在位置測位装置30を構成する各ブロックの動作を制御する。その際、アドレスバス・データバス処理部39は、地図表示装置30の各ブロックから入力されるアドレス及びデータに対し所定の処理を行うようになっている。
【0023】
GPS通信部32は、GPS衛星からの電波を受信する。制御部31は、GPS通信部32の受信結果に基づき地図表示装置10の現在位置情報を随時(リアルタイムで)検出し、I/F40及び入出力部40Aを介して現在位置情報を地図表示装置10に送る。地図表示装置10で画像の撮影が行われた際も同様、制御部31は、GPS通信部32の受信結果に基づき撮影位置情報を検出し、I/F40及び入出力部40Aを介して撮影位置情報を地図表示装置10に送る。
【0024】
次に、地図表示装置10の画像処理部14で生成され、表示部17に表示される表示画面例について図2を参照して説明する。本実施形態では、例えば、図2(a)に示す表示画面41又は図2(b)に示す表示画面51のいずれか一方の表示画面を表示部17に表示する。
【0025】
表示画面41は、過去に撮影した任意の撮影位置を中心とする地図42と、画像表示部48、サムネイル49,50及び地図表示切換ボタン47で構成されている。
【0026】
地図42上に表示(マッピング)されている○印は、過去に撮影を行った撮影位置44,45を示しており、☆印は、ユーザの現在位置46を表している。また、地図42上の破線は、ユーザの移動経路を示している。ちなみに、移動経路が現在位置46で途切れていることから、撮影位置45は、最後に画像の撮影が行われた位置を示している。
【0027】
画像表示部48には、地図42の中心に位置する撮影位置45で撮影された画像が表示されるようになっている。また、サムネイル49,50は、ユーザの操作部21に対する操作に基づき、画像表示部48に表示する画像として、例えば撮影位置44で撮影された画像等に代えて表示されることが可能な画像である。
【0028】
地図表示切換ボタン47としては、例えばグラフィカル・ユーザ・インターフェース等が使用され、操作部21によってこの地図表示切換ボタン47を操作することにより、表示画面41から表示画面51に変更されるようになっている。
【0029】
表示画面51は、ユーザの現在位置を中心とする地図52、画像表示部48、サムネイル49,50及び地図表示切換ボタン57で構成されている。ただし、この表示画面51において、表示画面41と同じ符号を付した構成要素の説明は、省略する。
【0030】
地図52は、現在位置46を中心に地図42を表示させたものである。また、地図表示切換ボタン57には、例えばグラフィカル・ユーザ・インターフェース等が使用される。この地図表示切換ボタン57も、表示画面41の地図表示切換ボタンと47と同様に、ユーザの操作部21に対する操作によって表示画面51から表示画面41に変更する働き有している。なお、本実施形態では、グラフィカル・ユーザ・インターフェースを使用した切換ボタン47,57が備えられているが、例えば、地図表示装置10の本体に物理的なボタンを設け、ユーザがこの物理的なボタンを直接操作することにより表示画面41と表示画面51の切換えを行えるようにしてもよい。
【0031】
図3は、本発明の一実施形態に係る地図表示装置を用いて地図表示を行う方法について説明するためのフローチャートである。図3を参照して、地図表示装置10の制御部11による地図表示処理の一例について説明する。この地図表示処理は、表示画面上に設けられたグラフィカル・ユーザ・インターフェースにより表示切り替えの指示を行う場合の例である。
【0032】
まず、ユーザの指示等により地図表示装置10の電源をオン又は図示しないメニューから地図表示モードを選択する。すると、制御部11は、フラッシュメモリ15から前回ユーザが選択した地図表示設定を読み出す(ステップS1)。ちなみに、本実施形態における地図表示設定には、撮影位置情報に基づいて地図を生成する設定(以下、「撮影位置中心設定」という)と、現在位置情報に基づいて地図を生成する設定(以下、「現在位置中心設定」という)とがある。
【0033】
次に、ステップS1の処理で読み出した地図表示設定が、撮影位置中心設定あるいは現在位置中心設定のいずれの設定であるか判定する(ステップS2)。地図表示設定が撮影位置中心設定である(ステップS2のYes)場合、撮像手段12により最後に撮影された画像と対応する撮影位置情報をフラッシュメモリ15から読み出す(ステップS3)。
【0034】
ここで、制御部11は、最後に撮影した画像に対応する撮影位置情報に基づき地図表示範囲を決定する。そして、この地図表示範囲に対応する地図データをフラッシュメモリ15から画像処理部14へ入力し、図2(a)に示す撮影位置45を中心とする地図42を生成する(ステップS4)。このとき地図表示範囲は、最後に撮影した画像より前に撮影した画像に対応する撮影位置情報に基づいて決定してもよい。例えば図2(a)において、撮影位置45以外の撮影位置44等を中心とした地図表示としてもよい。
【0035】
そして、制御部11は、地図表示範囲に対応する撮影位置情報を持つ画像を検索し、地図42上にそれらの撮影位置情報に基づき、図2(a)に示す地図42の地図表示範囲内における撮影位置(この例では撮影位置44,45)をマッピングする(ステップS5)。
【0036】
さらに、制御部11は、地図42上に現在位置情報を現在位置測位装置30から取得し、その現在位置情報に基づき図2(a)に示す現在位置46をマッピングして(ステップS6)、表示画面41を表示部17に表示する。なお、現在位置46が地図42の表示可能範囲外である場合においても、制御部11は、地図表示設定の変更を行わない。
【0037】
ここで、表示画面41のサムネイル49又は50を操作して、画像表示部48に表示する画像を変更した(ステップS7のYes)場合、ステップS1の処理に戻り、ステップS7の「Yes」の処理で変更した画像に対応する撮影位置情報に基づいてステップS2〜ステップS5の処理を行う。
【0038】
一方、画像表示部48に表示する画像を変更しない(ステップS7のNo)場合、ステップS8の処理へ移行する。
【0039】
ステップS8において、現在表示してある表示画面41の変更を行わない(ステップS8のNo)場合、ステップS6の処理に戻り、地図42上にマッピングする現在位置46をリアルタイムで変更する。
【0040】
一方、現在表示してある表示画面41の変更を行う場合、ユーザは、操作部21により地図表示切替ボタン47を選択する(ステップS8のYes)。
【0041】
すると、制御部11は、地図表示設定を撮影位置中心設定から現在位置中心設定に変更し、変更した地図表示設定(現在位置中心設定)をフラッシュメモリ15に記憶する(ステップS9)。
【0042】
そして、ステップS1の処理に戻り、制御部11は、フラッシュメモリ15から前回ユーザが選択した地図表示設定(現在位置中心設定)を読み出す。(ステップS1)。
【0043】
そして、ステップS1の処理で読み出した地図表示設定は、現在位置中心設定となっている(ステップS2のNo)ので、現在位置測位装置30からユーザの現在位置情報を取得する(ステップS10)。
【0044】
ここで、制御部11は、ステップS10で取得したユーザの現在位置情報に基づき地図表示範囲を図4に示すような現在位置46を中心とする範囲52aに変更する。そして、この地図表示範囲に対応する地図データをフラッシュメモリ15から画像処理部14へ入力し、範囲52aに対応する地図52を生成する(ステップS11)。
【0045】
そして、制御部11は、地図表示範囲に対応する撮影位置情報を持つ画像を検索し、地図52上にそれらの撮影位置情報に基づき、図2(b)に示す地図52の地図表示範囲内における撮影位置(この例では撮影位置44,45)をマッピングする(ステップS12)。
【0046】
さらに、制御部11は、地図52上にステップS10の処理で取得した現在位置情報に基づき、図2(b)に示す現在位置46をマッピングした表示画面51を表示部17に表示する(ステップS13)。ここで、指定画像変更や地図表示切替ボタン57の操作等を行うことにより、地図表示モードの切り換えを行うことができる。その詳細については後述する。
【0047】
次に、地図表示設定の初期設定が、現在位置中心設定である場合の処理について説明する。ステップS2において、フラッシュメモリ15から読み出した地図表示設定が撮影位置中心設定でない(ステップS2のNo)場合、制御部11は、ユーザの現在位置情報を取得し(ステップS10)、その現在位置情報に基づいた地図52を含む表示画面51を表示部21に表示する(ステップS11〜ステップS13)。
【0048】
ここで、表示画面51のサムネイル49又は50を操作して、画像表示部48に表示する画像を変更した(ステップS14のYes)場合、制御部11は、地図表示設定を撮影位置中心設定に切り替え(ステップS15)、フラッシュメモリ15に地図表示設定(撮影位置中心設定)を記憶する。そして、ステップS1の処理に戻り、ステップS14の処理で変更した画像に対応する撮影位置情報に基づいてステップS2〜ステップS5の処理を行う。
【0049】
一方、表示画面51の画像表示部48に表示する画像を変更しない(ステップS14のNo)場合、ステップS16の処理へ移行する。
【0050】
このステップ16の処理で、現在表示してある表示画面51の変更を行わない(ステップS16のNo)場合、ステップS10の処理に戻り、ステップS10〜ステップS13の処理を行う。そして、ユーザの現在位置が常に中心となるような地図をリアルタイムで表示する。
【0051】
一方、現在表示してある表示画面51から変更を行う場合、ユーザは、操作部21により地図表示切替ボタン57を選択する(ステップS16のYes)。
【0052】
すると、制御部11は、地図表示設定を撮影位置中心設定に変更し、フラッシュメモリ15に現在選択している地図表示設定(撮影位置中心設定)を記憶する(ステップS9)。
【0053】
ここで、ステップS1の処理に戻り、制御部11は、フラッシュメモリ15から前回ユーザが選択した地図表示設定(撮影位置中心設定)を読み出す(ステップS1)。
【0054】
このとき、ステップS1の処理で読み出した地図表示設定は、撮影位置中心設定になっている(ステップS2のYes)ので、最後に撮影された画像と対応する撮影位置情報をフラッシュメモリ15から読み出す(ステップS3)。そして、制御部11は、図2(b)に示す表示画面51を表示部17に表示させる(ステップS4〜ステップS6)。ここで、地図表示切替ボタン47の操作等を行うことにより、地図表示モードの切り換えを行うことができる。
【0055】
上述した本発明の一実施形態においては、表示画面41,51上に設けられた、例えばグラフィカル・ユーザ・インターフェース等による地図表示切替ボタン47,57により、ユーザは撮影位置中心の地図表示モード(以下、「撮影位置中心モード」という)と現在位置中心の地図表示モード(以下、「現在位置中心モード」という)を簡単に切り替えることができ、その場その場での用途にあった地図表示モードの選択が可能となる。
【0056】
また、現在位置中心設定で地図表示をしている最中にも、ユーザが地図表示と共に表示されているサムネイル49,50の表示画像を変更する操作を行った場合には、現在位置中心設定を解除し、撮影位置中心設定に自動的に変更することができる。これにより、現在位置中心の地図表示画像から撮影位置中心の地図表示に自動的に切り替えることができるので、ユーザは煩わしい操作を行うことなく必要とする地図表示を行うことができるようになる。
【0057】
また、移動中、現在位置中心表示から撮影位置中心表示に切り替え、過去に撮影した画像を地図上で閲覧することができる。そして、この場合には、あくまで撮影位置中心の表示を維持し、現在位置が地図表示範囲外になった場合には、現在位置は地図上に表示しないようにする。したがって、ユーザは、移動中も過去に撮影した画像を見ることができるという利点がある。
【0058】
次に、本発明の他の実施形態に係る地図表示装置について説明する。
図5は、本発明の他の実施形態に係る地図表示装置の動作を説明するためのフローチャートである。図5に示すフローチャートを参照して、地図表示装置10の制御部11による地図表示処理の一例について説明する。この地図表示処理は、地図表示装置10において、現在位置測位装置30から現在位置情報を取得できる状態か取得できない状態かを判定し、その判定結果に基づいて、つまり判定結果を表示切り替え指示として、撮影位置表示モードによる地図情報と現在位置表示モードによる地図情報を選択的に切り替える場合の例である。
【0059】
図5に示すフローチャートは、図3のフローチャートにおけるステップS6、ステップS8及びステップS16の処理をそれぞれステップS26、ステップS28及びステップS36の処理に変更したものである。その他のステップS23〜ステップS25、ステップS27及びステップS29〜ステップS35の処理は、図3のフローチャートにおけるステップS3〜ステップS5、ステップS7及びステップS9〜ステップS15の処理と共通しているので、詳細な説明は省略する。
【0060】
まず、地図表示装置10の制御部11は、フラッシュメモリ15から地図表示設定を読み出す(ステップS21)。ただし、この地図表示設定は、現在位置測位装置30から地図表示装置10の現在位置情報を取得可能であるかどうかで強制的に決定する。つまり、現在位置情報が取得可能な場合、地図表示設定は、現在位置中心設定となり、現在位置情報が取得不可能な場合、地図表示設定は、撮影位置中心設定となる。
【0061】
ここで、読み出した地図表示設定が撮影位置情報を示す設定である(ステップS22のNo)場合、最後に撮影された画像に対応する撮影位置情報を取得する(ステップS23)。
【0062】
そして、制御部11は、撮影位置情報に基づく地図データをフラッシュメモリ15から画像処理部14へ入力し、地図42を生成する(ステップS24)。
【0063】
ここで、制御部11は、撮影位置情報に基づき図2(a)に示す撮影位置44,45等の地図42の表示範囲内における撮影位置を地図42上にマッピングする(ステップS25)。
【0064】
さらに、制御部11は、現在位置測位装置30から最後に取得した位置情報(以下、「直近の位置情報」という)を取得し、直近の位置情報に基づき図2(b)に示す現在位置46を地図42上にマッピングして(ステップS26)、表示画面41を表示部17に表示する。
【0065】
そして、表示画面41の画像表示部48に表示する画像を変更しない(ステップS27のNo)場合、ステップS28の処理へ移行する。
【0066】
ここで、制御部11は、現在位置測位装置30から現在位置情報を取得可能な状態かどうかを判断する(ステップS28)。例えば、地図表示装置10から位置情報取得装置30を取り外すなどして、地図表示装置10と位置情報取得装置30との接続を解除し、現在位置情報を取得不可能(ステップS28のNo)な状態にした場合は、ステップS27の処理に戻る。
【0067】
一方、現在位置測位装置30から現在位置情報が取得可能(ステップS28のYes)な状態にした場合は、制御部11は、地図表示設定を現在位置中心設定に変更し、フラッシュメモリ15に現在選択している地図表示設定(現在位置中心設定)を記憶する(ステップS29)。
【0068】
そして、ステップS21の処理に戻り、制御部11は、フラッシュメモリ15から前回ユーザが選択した地図表示設定(現在位置中心設定)を読み出す。(ステップS21)。
【0069】
このとき、ステップS21の処理で読み出した地図表示設定は、現在位置中心設定となっている(ステップS22のNo)ので、現在位置測位装置30からユーザの現在位置情報を取得することができる(ステップS30)。
【0070】
ここで、制御部11は、フラッシュメモリ15から画像処理部14へユーザの現在位置情報に基づく地図データを入力し、地図の表示範囲を図4に示す現在位置を中心とする範囲52aに変更して、範囲52aに対応する地図52を生成する(ステップS31)。
【0071】
そして、制御部11は、撮影位置情報に基づいて、図2(b)に示す撮影位置44,45等の地図52の表示範囲内における撮影位置を、地図52上にマッピングする(ステップS32)。
【0072】
さらに、制御部11は、現在位置情報を現在位置測位装置30から取得し、その現在位置情報に基づき図2(b)に示す現在位置46を地図52の中心にマッピングして(ステップS33)、表示画面51を表示部17に表示する。ここで、指定画像変更や現在位置測位装置30と図表示装置10との接続解除等を行うことにより、地図表示モードの切り換えを行うことができる。
【0073】
次に、地図表示設定の初期設定が、現在位置中心設定である場合の処理について説明する。
ステップS22において、フラッシュメモリ15から読み出した地図表示設定が撮影位置中心設定である(ステップS22のNo)場合、制御部11は、ユーザの現在位置情報を取得し(ステップS30)、その現在位置情報に基づいた地図52を、表示部21の表示画面51に表示させる(ステップS31〜ステップS33)。
【0074】
ここで、表示画面51のサムネイル49又は50を操作して、画像表示部48に表示する画像を変更した(ステップS34のYes)場合、制御部11は、地図表示設定を撮影位置中心設定に切り替え(ステップS35)、フラッシュメモリ15に地図表示設定(撮影位置中心設定)を記憶する。そして、ステップS21の処理に戻り、ステップS34の処理で変更した画像に対応する撮影位置情報に基づいてステップS22〜ステップS25の処理を行う。
【0075】
一方、図2(b)に示す画像表示部48に表示する画像を変更しない(ステップS34のNo)場合、ステップS36の処理へ移行する。
【0076】
ここで、制御部11は、現在位置測位装置30から現在位置情を取得可能な状態かどうか判断する(ステップS34)。そして、地図表示装置10に位置情報取得装置30を装着するなどして、現在位置測位装置30から現在位置情報が取得可能(ステップS36のYes)な状態にした場合は、ステップS30の処理に戻り、ステップS30〜ステップS33の処理を行い、ユーザの現在位置が常に中心となるような地図をリアルタイムで表示する。
【0077】
一方、地図表示装置10と位置情報取得装置30との接続を解除し、現在位置情報を取得不可能(ステップS36のNo)な状態にした場合、制御部11は、地図表示設定を現在位置中心設定に変更し、フラッシュメモリ15に現在選択している地図表示設定(現在位置中心設定)を記憶する(ステップS29)。
【0078】
ここで、ステップS21の処理に戻り、制御部11は、フラッシュメモリ15から前回ユーザが選択した地図表示設定(撮影位置中心設定)を読み出す。(ステップS21)。
【0079】
そして、ステップS21の処理で読み出した地図表示設定は、撮影位置中心設定である(ステップS22のYes)ので、最後に撮影された画像と対応する撮影位置情報をフラッシュメモリ15から読み出す(ステップS23)。
【0080】
ここで、制御部11は、図2(b)に示す表示画面51を表示部17に表示する(ステップS24〜ステップS26)。ここで、現在位置測位装置30と地図表示装置10とを接続し、地図表示装置10が現在位置を取得できる状態にすることにより、地図表示モードの切り換えを行うことができる。
【0081】
上述した本発明の他の実施の形態においては、地図表示装置10が現在位置測位装置30から現在位置情報を取得できる状態か取得できない状態かを判定し、その判定結果に基づいて、撮影位置中心モードと現在位置中心モードを選択的に切り替えるようにしたので、前述の一実施の形態に加え、現在位置測位装置30から現在位置情報を取得できる状態かどうかに応じて自動的に地図表示モードが切り替えられるという効果がある。
【0082】
上記の実施の形態では、地図表示装置10に対して現在位置測位装置30を着脱することにより、地図表示装置10から現在位置情報を取得できる状態かどうかを切り替えるようにしたが、この場合、ユーザは現在位置測位装置30を着脱するだけで地図表示モードを切り替えられるので、操作が容易である。
【0083】
例えば、旅行から自宅に帰ってきた後など現在位置を知る必要のない場合、地図表示装置から現在位置測位装置を取り外せば、地図表示設定は、強制的に撮影位置中心の表示設定に切り替えられるので、ユーザは意識することなく目的に合った地図表示設定を利用できるという効果がある。
【0084】
また、現在位置測位装置30の着脱を行う方法に代えて、地図表示装置10本体にGPS機能の切り替えを行う物理スイッチを設け、このスイッチを切り替えることによりGPS機能のオン・オフ(起動・停止)の切り替えを行う方法としてもよい。例えば地図表示装置10にGPSユニットが内蔵されている場合、上記のように現在位置測位装置30(GPSユニット)を着脱することは不可能である。しかし、切り替えスイッチを操作することによりGPS機能のオン・オフができるようにすれば、地図表示装置10に対して現在位置測位装置30を着脱した場合と同様の効果を得ることができる。さらに、地図表示装置10に電源が供給されていない状態においても、制御部11がこのスイッチの設定を読み込み地図表示モードの切り替えが行われるので、地図表示装置10の起動時の地図表示モードをユーザの所望する地図表示モードにすることができるという効果がある。
【0085】
その他、本発明は、上述した実施の形態の例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能であることは勿論である。
【0086】
なお、上述した実施の形態では、静止画を撮影した地点の位置を表示するようにしたが、動画を撮影した地点の位置を表示するようにしてもよい。例えば、ユーザが移動しつつ撮影した動画のサムネイル(縮小画像)を再生する場合、動画の撮影位置の移動と対応させて、動画の撮影位置が常に地図の中心となるように地図表示を変化させるようにする。
【0087】
また、現在位置測位手段30を構成するGPS通信部32がGPS衛星からの電波を受信できない際も上述した実施の形態と同様、地図表示装置10は、現在位置情報を取得できないので、強制的に地図表示モードを撮影位置中心モードにする。その後、GPS衛星からの電波を受信できるようになった場合に、地図表示装置10は地図表示モードを現在位置中心モードに切り替える。あるいは、地図表示モードを撮影位置中心モード又は現在位置中心モードから選択できるようにする。
【0088】
また、上述した実施の形態では、地図表示装置10と現在位置測位装置30の間の通信線路(例えばプラグ等)を介して位置情報の転送を行なったが、この通信線路の代替えとして無線通信により位置情報の転送を行うようにしてもよい。この場合、現在位置測位装置30から地図表示装置10に対する現在位置情報の転送を行うか行なわないか選択することにより、地図表示モードを選択できるようにする。ただし、無線通信が無効の場合、地図表示装置10は、現在位置情報を取得できないので、強制的に地図表示モードを撮影位置中心モードにする。その後、無線通信が有効になった場合、地図表示装置10は地図表示モードを現在位置中心モードに切り替える。あるいは、地図表示モードを撮影位置中心モード又は現在位置中心モードから選択できるようにする。
【0089】
また、本発明の地図表示装置をデジタルスチルカメラに適用した例を説明したが、この例に限られるものではなく、例えばデジタルビデオカメラ、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、携帯ゲーム機器等、種々の機器に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の一実施形態に係る地図表示装置のブロック構成例を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る地図表示装置の地図表示例を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る地図表示装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態に係る地図表示装置の地図表示例における地図切り出し例を示す図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係る地図表示装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0091】
10…地図表示装置、11…制御部、12…撮像手段、13…RAM、14…画像処理部、15…フラッシュメモリ、16…ROM、17…表示部、18…アドレスバス・データバス、19…アドレスバス・データバス処理部、20…I/F、20A…接続部、30…現在位置測位装置、31…制御部、32…GPS通信部、33…RAM、34…ROM、35…フラッシュメモリ、37…表示部、38…アドレスバス・データバス、39…アドレスバス・データバス処理部、40…I/F、40A…接続部、41…表示画面、42…地図、44…撮影位置、45…撮影位置、46…現在位置、47…地図表示切換ボタン、48…画像表示部、49…サムネイル、50…サムネイル、51…表示画面、51…地図、57…地図表示切換ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像を、それぞれ撮影された場所の撮影位置情報と対応づけて記憶する画像記憶手段と、
前記画像記憶手段から指定された画像の撮影位置情報を読み出す画像情報読出手段と、
前記読み出された撮影位置情報に基づいて画面に地図情報を表示する撮影位置表示手段と、
現在位置を測位する測位手段から現在位置情報を取得する現在位置取得手段と、
前記取得された現在位置情報に基づいて画面に地図情報を表示する現在位置表示手段と、
表示切り替え指示に基づいて、前記撮影位置表示手段による地図情報と前記現在位置表示手段による地図情報を選択的に切り替える地図表示切替手段と、
を備えることを特徴とする地図表示装置。
【請求項2】
前記撮影位置表示手段及び前記現在位置表示手段は、それぞれの画像の撮影位置及び現在位置が地図上で所定の位置になるように前記地図情報を表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の地図表示装置。
【請求項3】
前記所定の位置は、前記地図上のほぼ中央である
ことを特徴とする請求項2に記載の地図表示装置。
【請求項4】
前記地図表示切替手段は、表示画面上に設けられたグラフィカル・ユーザ・インターフェースによる表示切り替え指示に基づいて、前記撮影位置表示手段による地図情報と前記現在位置表示手段による地図情報の切り替えを行う
ことを特徴とする請求項2に記載の地図表示装置。
【請求項5】
前記現在位置取得手段が前記測位手段から現在位置情報を取得できる状態か取得できない状態かを判定する判定手段を備え、
前記地図表示切替手段は、前記判定手段による判定結果を前記表示切り替え指示として、前記撮影位置表示手段による地図情報と前記現在位置表示手段による地図情報を選択的に切り替える
ことを特徴とする請求項2に記載の地図表示装置。
【請求項6】
前記測位手段は、前記地図表示装置に着脱可能に構成されており、前記測位手段を前記地図表示装置に装着又は取り外しすることにより、前記現在位置取得手段が前記測位手段から現在位置情報を取得できる状態と取得できない状態を切り替える
ことを特徴とする請求項5に記載の地図表示装置。
【請求項7】
更に、前記測位手段の起動又は停止を切り替える切替手段、
を備えることを特徴とする請求項5に記載の地図表示装置。
【請求項8】
前記切替手段は、前記測位手段本体に設けられている、
ことを特徴とする請求項7に記載の地図表示装置。
【請求項9】
前記現在位置表示手段は、前記測位手段から現在位置を取得できない状態になる直前に前記測位手段から取得した現在位置情報に基づいて、画面に地図情報を表示する
ことを特徴とする請求項5に記載の地図表示装置。
【請求項10】
更に、前記画面の一部に表示される画像を選択する画像選択手段を備え、
前記画面に前記現在位置表示手段による地図情報が表示されている場合に、前記画像選択手段により画像の選択が行われたとき、地図表示切替手段は、前記画面に表示する地図情報を前記撮影位置表示手段による地図情報に切り替える
ことを特徴とする請求項2に記載の地図表示装置。
【請求項11】
前記画面に前記撮影位置表示手段による地図情報が表示されている場合に、前記現在位置取得手段により取得された現在位置を地図上の対応する位置に表示するとき、その対応する位置が前記表示された地図情報内に存在しない場合には、前記地図表示切替手段は地図情報の切り替えを行わない、
ことを特徴とする請求項2に記載の地図表示装置。
【請求項12】
更に、撮像手段を備え、
前記複数の画像は前記撮像手段により撮影されたものである、
ことを特徴とする請求項3〜11のいずれかに記載の地図表示装置。
【請求項13】
複数の画像を、それぞれ撮影された場所の撮影位置情報と対応づけて記憶するステップと、
前記対応付けて記憶された画像の撮影位置情報を読み出すステップと、
前記読み出された撮影位置情報に基づいて画面に地図情報を表示するステップと、
現在位置を測位する測位手段から現在位置情報を取得するステップと、
前記取得された現在位置情報に基づいて画面に地図情報を表示するステップと、
表示切り替え指示に基づいて、前記撮影位置を表示する地図情報と前記現在位置を表示する地図情報を選択的に切り替えるステップと、
を含むことを特徴とする地図表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−86549(P2009−86549A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−259192(P2007−259192)
【出願日】平成19年10月2日(2007.10.2)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】